JP2017526688A - コバルト完全接触触媒を使用して第一級アミンを製造する方法 - Google Patents

コバルト完全接触触媒を使用して第一級アミンを製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1種のニトリルを装置(V1)にてコバルト完全接触触媒の存在下で水素化して、少なくとも1種の第一級アミンを獲得することを特徴とする、第一級アミンの製造方法に関し、ここで少なくとも1種の化合物(I)が、繰り返し又は連続的に装置(V1)に添加され、化合物(I)が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は希土類金属から選択される少なくとも1種の成分を含有する。

Description

本発明は、ニトリルをコバルト完全接触触媒の存在下で水素化して、相応する第一級アミンを獲得する、第一級アミンの製造方法に関する。水素化は、装置(V1)中で(例えば、反応器で)実施される。この装置(V1)に、殊に水素化プロセスの間、繰り返し又は連続的に、アルカリ金属系、アルカリ土類金属系、及び/又は希土類金属系の少なくとも1種の化合物(I)を添加するが、例えば化合物(I)としては、水酸化リチウム水溶液を添加する。
従来技術によってニトリルを接触水素化して第一級アミンにする場合、第二級アミン及び第三級アミンの不所望な形成は、アンモニア又はアルカリ金属水酸化物を添加することで大幅に抑制することができる。ここで使用される触媒は、主成分としてしばしば、鉄、コバルト、及び/又はニッケルを含有する。よって例えば、アジポジニトリル(量的な面で重要なニトリル)を、単体の鉄及びアンモニアの存在下において高圧条件下で水素化するか、又はラネーニッケル及び苛性ソーダ溶液の存在下において中圧で水素化して、ヘキサメチレンジアミンにすることができる。アンモニアを分離及び返送することは、投資及びエネルギーコストについて少なからぬコスト要因となる。このことは、中間生成物としてのニトリル(例えば、イソホロンニトリル、アセトニトリル、及びジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN))を水素化して相応する第一級アミンにする際にも当てはまる。
欧州特許出願公開第913388号明細書(EP−A913388)には、ニトリルを水素化して第一級アミンにするための、殊にジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)を水素化してジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)にするための改善された方法が記載されている。懸濁させたコバルトスポンジ触媒(例えば、ラネーコバルト、リチウム化合物)及び水の存在下で、アンモニアを添加することなく水素化が行われる。ラネーコバルト触媒は、水素化の前に、コバルトスポンジ触媒1グラムあたり0.1〜100mmolの水酸化リチウムで処理される。欧州特許出願公開第913388号明細書(EP−A913388)の方式における欠点は、懸濁触媒を水素化排出物から分離し、これを水素化に返送することがたいてい困難なことである。欧州特許出願公開第913388号明細書(EP−A913388)に記載されているラネーコバルト触媒は、コバルト完全接触触媒ではない。これらのラネー触媒は、その特別な製造法を理由として、非常に大きな表面積を有する。
国際公開第2003/070688号(WO2003/070688)には、エクスサイチュ(ex situ)でアルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属炭酸水素塩、好ましくは炭酸カリウムにより前処理されたニッケル触媒又はコバルト触媒の存在下でニトリルを水素化して第一級アミンにすることが記載されている。ここでエクスサイチュ(ex situ)とは、触媒が外部において、殊にニトリルをアミンにする水素化反応よりも時間的に前に改良されたことと理解される。適した触媒としては、殊にラネーニッケル触媒が記載されているが、場合によってはラネーコバルト触媒も使用することができる。しかしながら、アルカリ金属化合物による前処理を、水素化の間でも連続的に又は繰り返し実施できるかについてはどこにも記載がない。さらに、リチウム化合物もそれに適しているかということについての言及も含まれていない。
また、国際公開第2007/104663号(WO2007/104663A1)から、アンモニアの不在下にて、ニトリルを第一級アミンへと水素化するために、リチウム含有コバルト固定床触媒を使用することが公知である。このような触媒は、式LiCoOの触媒前駆体を水素により溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で還元することで製造することができる。そのような触媒前駆体はまた、リチウム塩及びコバルト塩(例えば、炭酸リチウム及び炭酸コバルト)からの混合物を焼成することによっても入手できる。しかしながら、国際公開第2007/104663号(WO2007/104663)には、水素化において繰り返し又は連続的に化合物(I)(例えば、水酸化リチウム)を添加できるかついてはどこにも開示されていない。
さらに、国際公開第2007/104663号(WO2007/104663)に記載されている、還元後に最大10質量%のリチウムを含有するコバルト触媒における欠点は、水素化のために存在するニトリル、延いては水素化混合物中に含有される水によって触媒の不活性化がもたらされることである。さらなる欠点は、LiCoOを触媒前駆体として使用する場合、最大10質量%のリチウムが触媒中に拘束されてしまい、触媒活性域に到達せず、そこで触媒活性にならないことである。
本発明が基づく課題は、コバルト含有触媒を使用して相応するニトリルから第一級アミンを製造する、新たな方法を提供することである。
この課題は、少なくとも1種のニトリルを装置(V1)にてコバルト完全接触触媒の存在下で水素化して、少なくとも1種の第一級アミンを獲得することを特徴とする第一級アミンの製造方法により解決され、ここで少なくとも1種の化合物(I)が、繰り返し又は連続的に装置(V1)に添加され、化合物(I)が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は希土類金属から選択される少なくとも1種の成分を含有する。
本発明による方法によって有利に第一級アミンを製造することができる。というのも、コバルト完全接触触媒、好適には固定床触媒の形態にあるコバルト完全接触触媒が使用されるからである。それにより、相応するニトリルを液相で水素により低圧水素化することも可能である。本発明による方法はさらに、使用されるコバルト完全接触触媒の高い活性度及び持続時間において優れている。さらに、少なくとも1種の化合物(I)、殊に水性の水酸化リチウムの形態にある化合物(I)を連続的に又は少なくとも繰り返しで添加することを理由として、形成される第一級アミンの高い収率及び選択率が約束される。本発明による方法のさらなる利点はまた、本方法が水の存在下で、殊に水を含有するニトリルを使用しながらでも実施できること、及びアンモニア不含の方式(水素化)も、ニトリルの転化率及び第一級アミンの選択率を著しく減少させることなく可能であることに見られる。
ニトリルを水素化して相応するアミンにする場合はしばしば、使用されるニトリルに関して高い転化度を達成することが必要である。というのも、未反応又は部分的にしか反応していないニトリルは分離が困難であり、後の適用において不所望な特性(例えば、悪臭及び変色)につながりかねないからである。
したがって本発明の利点はまた、本発明による方法によって、ニトリルの水素化が、高い転化率、高い選択率及び収率で、長い反応時間にわたり可能となることである。さらに、不所望な副生成物(例えば、第二級アミン)の形成が低減される。
それによって、水素化を、より穏やかな反応条件下で、殊に比較的低い圧力及び/又は比較的低い温度で実施することができる。
したがって、本発明により水素化のための経済的な方法が可能になる。殊に、第二級アミン及び第三級アミン(これらは例えば、未反応のアミンと部分的に水素化されたニトリル(イミン中間段階)との反応により生じ得る)の形成が低減される。
本発明による方法によって殊に、イソホロンジアミンを高い選択率及び収率で製造することが可能になる。殊に、不所望なイソホロンニトリルアミン(IPNA)の含分を減少させることが可能になる。IPNAは例えば、イソホロンニトリルとアンモニアとの反応により発生することがあり、イソホロンニトリルがまず反応してイソホロンニトリルイミンになり、そしてこれが好ましくは水素と反応してイソホロンニトリルアミンになる。
本発明による方法は、同様に好ましくは、3−(ジメチルアミノ)−プロピルアミン(DMAPA)の製造に利用される。殊に本発明による方法により、ビス−DMAPAの含分を低減することが可能になる。これは中間生成物として、例えば表面活性物質、石鹸、化粧品、シャンプー、衛生用品、洗剤、及び植物保護剤を製造するために使用される。DMAPAは、水処理するためにも使用され、またPU及びエポキシ用の重合触媒としても使用される。
懸濁方式のラネーコバルト触媒に基づく従来技術の方法に対して、本発明による方法の利点はまた、そのようなラネーコバルト触媒が基本的に、固定床方式での使用に適していないことに見て取れる。このラネーコバルト触媒の組み込み及び取り外しは不活性条件下で行うべきである。
本発明による方法はまた、いわゆるモノリス触媒を使用することに基づく従来技術の方法に対して有利である。コバルト完全接触触媒の使用下における本発明による方法と比較して、モノリス触媒(ここではコバルトがモノリス状の成形体に施与してある)を使用することで、製造において明らかにコストがより高くなり、同様に通例の反応器にこの触媒を組み込むことも困難になる。したがって、モノリス触媒を使用することは、本発明による方法と比べて非経済的である。
また、LiCoO触媒を使用することに基づく方法に対しても本発明による方法は有利である。というのも、稼動時間が増加するほど、リチウムが相応する触媒から浸出するので、LiCoO触媒において活性損失が観察されるためである。したがって、この種類の触媒は、ニトリルの水素化を水の存在下で実施するにはあまりよく適していない(浸出効果)。
以下で、コバルト完全接触触媒を使用して第一級アミンを製造するための本発明による方法をより詳細に規定する。
本発明による方法では基本的に、当業者に公知である全てのニトリルを使用することができる。本発明によると、単一のニトリル、又は2種以上のニトリルの混合物も使用することができる。ここで、使用されるニトリル(出発物質)は、1つ若しくは複数のニトリル官能基を有し得る。本発明によると、水素化において、使用されるニトリルのニトリル官能基が相応するアミン官能基になる。本発明によると、好適には使用される全てのニトリルから相応する第一級アミンが製造されるが、ここで相応するニトリルのその他成分(官能基)が化学的に変化することはない。
ニトリルは好適には、脂肪族モノニトリル、脂肪族ジニトリル、若しくは脂肪族トリニトリル、脂環式モノニトリル若しくは脂環式ジニトリル、α−アミノニトリル、β−アミノニトリル、若しくはω−アミノニトリル、又はアルコキシニトリルである。
さらに好ましくは、炭素原子を1〜30個、殊に2〜18個、若しくは2〜8個有する脂肪族モノニトリル、脂肪族ジニトリル、及び/又は脂肪族トリニトリル(直鎖状又は分枝鎖状)、又は炭素原子を6〜20個、殊に6〜12個有する脂環式モノニトリル及び脂環式ジニトリル、又はα−アミノニトリル、β−アミノニトリル、若しくはω−アミノニトリル、又は炭素原子を1〜30個、殊に2〜8個有するアルコキシニトリルを本発明による方法において使用する。
さらに好ましくは、炭素原子を6〜18個有する芳香族ニトリルを使用することができる。上記のモノニトリル、ジニトリル、若しくはトリニトリルは、一回又は複数回、置換されていてよい。
特に好ましいモノニトリルは、エチルアミンを製造するためのアセトニトリル、プロピルアミンを製造するためのプロピオニトリル、ブチルアミンを製造するためのブチロニトリル、ラウリルアミンを製造するためのラウロニトリル、ステアリルアミンを製造するためのステアリルニトリル、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)を製造するためのN,N−ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)、及びベンジルアミンを製造するためのベンゾニトリルである。
特に好ましいジニトリルは、ヘキサメチレンジアミン(HMD)及び/又は6−アミノカプロニトリル(ACN)を製造するためのアジポジニトリル(ADN)、2−メチルグルタロジアミンを製造するための2−メチルグルタロジニトリル、1,4−ブタンジアミンを製造するためのスクシノニトリル、及びオクタメチレンジアミンを製造するためのコルク酸ジニトリルである。
特に好ましい環式ニトリルは、イソホロンジアミンを製造するためのイソホロンニトリルイミン(IPNI)及び/又はイソホロンニトリル(IPN)、及びメタキシリレンジアミンを製造するためのイソフタロジニトリルである。
特に好ましいβ−アミノニトリルは、1,3−ジアミノプロパンを製造するためのアミノプロピオニトリルであるか、又はアルキルアミン、アルキルジアミン、若しくはアルカノールアミンとアクリロニトリルとの付加生成物である。例えば、エチレンジアミンとアクリロニトリルとの付加生成物を反応させて相応するジアミンにすることができる。例えば、3−[2−アミノエチル]アミノプロピオニトリルを反応させて3−(2−アミノエチル)−アミノプロピルアミンにすることができ、また3,3’−(エチレンジイミノ)ビスプロピオニトリル若しくは3−[2−(3−アミノ−プロピルアミノ)−エチル−アミノ]−プロピオニトリルを反応させてN,N’−ビス−(3−アミノプロピル)−エチレンジアミンにすることができる。
特に好ましいω−アミノニトリルは、ヘキサメチレンジアミン及びカプロラクタムを製造するためのアミノカプロニトリルである。
さらなる特に好ましいニトリルは、ジエチレントリアミンを製造するためのいわゆる「ストレッカーニトリル」(例えば、イミノジアセトニトリル)、及びエチレンジアミン(EDA)及びジエチレントリアミン(DETA)を製造するためのアミノアセトニトリル(AAN)である。
好ましいトリニトリルはトリスアセトニトリルアミンである。
特に好ましい実施形態では、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)を製造するためにN,N−ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)を本発明による方法で使用する。
さらなる特に好ましい実施形態では、イソホロンジアミンを製造するためにイソホロンニトリルイミンを本発明による方法で使用し、さらなる特に好ましい実施形態では、ヘキサメチレンジアミン(HMD)を製造するために、又は6−アミノカプロニトリル(6−ACN)及びHMDを製造するためにアジポジニトリル(ADN)を使用する。
水素化に使用されるニトリルは、水を0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜8質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%、極めて特に好ましくは0.1〜3質量%含有してよい。この水は例えば、使用されるニトリルを製造するための方法に由来するものであってよい。
水素化それ自体、つまり使用されるニトリルのニトリル官能基を還元して相応するアミノ官能基を獲得することは基本的に、当業者に公知のあらゆる方法で実施することができる。
水素化のための還元剤としては、水素又は水素含有ガスを使用することができる。水素は一般的に、工業的に純粋な状態で使用される。水素はまた、水素含有ガスの形態で、つまりその他の不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、又は二酸化炭素)を混合して使用することができる。水素含有ガスとしては例えば、このガスが、使用される水素化触媒に対して触媒毒(例えば、CO)を含有しない場合、また含有しない限りは、改質器からの排ガス、精製装置からのガスなどを使用することができる。しかしながら、好ましくは純粋な水素若しくは実質的に純粋な水素を本発明で使用し、例えば水素は、99質量%超の水素含分、好ましくは99.9質量%超の水素含分、特に好ましくは99.99質量%超の水素含分、殊に99.999質量%超の水素含分を有する。
本発明によると、水素化は、出発物質(ニトリル、並びに還元剤)の他に、さらに以下でより詳細に説明するさらなる成分(コバルト完全接触触媒、並びに化合物(I))が存在する装置(V1)中で実施される。
装置(V1)としては基本的に、当業者に公知の、水素化に適したあらゆる装置を使用することができる。装置(V1)は基本的に単一の装置であってよいが、2種以上のそのような装置を並列に及び/又は直列に接続して使用してもよい。
本発明による方法は好ましくは、装置(V1)としての反応器中で実施される。さらに、装置(V1)中、殊に反応器中にコバルト完全接触触媒が固定床として配置されていることが好ましい。
好ましい実施形態では、固定床の配置は、本来の意味での触媒不規則充填物、つまり、ばらばらの担持成形体又は非担持成形体を有し、これは好ましくは、以下に記載する形状又は形態で存在する。
そのために成形体を反応器に導入する。
成形体が反応器中に留まり、反応器を通過して落下しないようにするために、通常は格子状の段及び気液透過性の金属薄板を使用し、この上に成形体を置く。
この成形体は、反応器の入口でも、また出口でも不活性物質に囲まれていてよい。不活性物質としては一般的に、先に記載した触媒成形体に類似した形状を有し、それでいて反応時に不活性の挙動を示す成形体が使用され、例えば、不活性物質(例えば、セラミック、ステアタイト、アルミニウム)からのポールリング、球体がある。
しかしながら成形体はまた、不活性物質と混合し、混合物として反応器に導入することができる。
触媒不規則充填物(触媒+任意で不活性物質)は好ましくは、かさ密度(EN ISO6に準拠)が、0.1〜3kg/L、好ましくは1.5〜2.5kg/L、殊に好ましくは1.7〜2.2kg/Lの範囲にある。
好ましくは不規則充填物を介した差圧が、1000mbar/m未満、好ましくは800mbar/m未満、特に好ましくは700mbar/m未満である。
好ましくは不規則充填物を介した差圧が、10〜1000mbar/m、好ましくは50〜800mbar/m、特に好ましくは100〜700mbar/mの範囲にあり、殊に200〜500mbar/mの範囲にある。
ダウンフロー方式(液体の流方向が上から下)において差圧は、触媒不規則充填物より上側で測定された圧力と、触媒不規則充填物より下側で測定された圧力とから求められる。
アップフロー方式(液体の流方向が下から上)において差圧は、触媒不規則充填物より下側で測定された圧力と、触媒不規則充填物より上側で測定された圧力とから求められる。
適した固定床反応器は例えば、文献,,Fixed−Bed Reactors‘‘ (Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、オンライン発行:2000年6月15日、DOI:10.1002/14356007.b04_199)に記載されている。
本方法は好ましくは、装置(V1)としてのシャフト反応器、管束反応器、又は管型反応器中で実施される。
特に好ましくは、本方法を管型反応器中で実施する。
反応器はそれぞれ、個別の反応器として、直列式の個別の反応器として、及び/又は2種以上の並列式の反応器の形態で使用することができる。
具体的な反応器の構造及び反応の実施は、実施する水素化法、必要な反応時間、及び使用される触媒の性質に応じて変化させてよい。
反応器、殊に管型反応器における高さ対直径の比は、好ましくは1:1〜500:1、特に好ましくは2:1〜100:1、殊に好ましくは5:1〜50:1である。
反応物質(出発物質、水素、任意で液体アンモニア)の流れ方向は一般的に、上から下、若しくは下から上である。
反応物質(出発物質、水素、任意で液体アンモニア)が上から下へと反応器を通過する流れ方向が特に好ましい。
連続的方式における触媒負荷は一般的に、触媒1L及び1時間あたり0.01〜10kgの出発物質、好適には触媒1L及び1時間あたり0.2〜5kgの出発物質、特に好ましくは触媒1L及び1時間あたり0.2〜4kgの出発物質、極めて特に好ましくは触媒1L及び1時間あたり0.2〜2kgの出発物質である。
本発明によると、空塔速度は、5kg/(m・s)〜50kg/(m・s)の範囲、好ましくは8〜25kg/(m・s)の範囲、特に好ましくは10〜20kg/(m・s)の範囲、殊に好ましくは12〜18kg/(m・s)の範囲にある。
空塔速度v[kg/(m・s)]は、
Figure 2017526688
と規定されており、ここでQは流量[kg/s]、Aは空の反応器の断面積[m]とする。
流量Qはまた、供給された出発物質流及び還流全ての質量の合計と規定されている。水素、循環ガス、及び任意で供給される不活性ガスは、流量の計算に使用されない。というのも、水素、循環ガス、及び不活性ガスは、通常の水素化条件においては一般的に気相で存在するからである。
高い空塔速度を達成するためには、好ましくは水素化反応器からの排出物の一部(部分排出物)を還流(循環流)として反応器に返送する。循環流は反応器に個別に供給するか、又は特に好ましくは、供給される出発物質と混ぜて、これと一緒に反応器に再び供給することができる。
循環流対供給される出発物質流の比は、好ましくは0.5:1〜250:1の範囲、特に好ましくは1:1〜200:1の範囲、殊に好ましくは2:1〜180:1の範囲にある。本方法にアンモニアが供給されない場合、循環流対供給される出発物質流の比は、好ましくは先に挙げた範囲のうちより高い範囲にある。それに対して、本方法に多量のアンモニアが供給される場合、循環流対供給される出発物質流の比は、好ましくは先に挙げた範囲のうちより低い範囲にある。
本発明の好ましい実施形態では、流(S1)が装置(V1)から排出され、ここで流(S1)は第一級アミンを含有し、かつ流(S1)は少なくとも部分的に装置(V1)に返送され、好適にはまず化合物(I)が流(S1)の返送部分流に添加され、流(S1)の構成要素として装置(V1)に送り込まれ、特に好ましくは化合物(I)が水溶液として流(S1)の返送部分流に添加される。
さらなる好ましい実施形態では、細長く設計された反応器、殊に細長く設計された管型反応器中で反応が実施される場合に、高い空塔速度が達成できる。
よって反応器における高さ対直径の比は、先に記載したように、好ましくは1:1〜500:1の範囲、特に好ましくは2:1〜100:1の範囲、殊に好ましくは5:1〜50:1の範囲にある。
コバルト完全接触触媒そのものは当業者に公知である。基本的に本発明による方法においては、あらゆる公知のコバルト完全接触触媒を使用することができる。好適には単一のコバルト完全接触触媒を使用し、また任意で2種以上の異なるコバルト完全接触触媒からの混合物も使用することができる。本発明によると、コバルト完全接触触媒を装置(V1)において固定床触媒として使用することが好ましい。
好適には、ラネーコバルト触媒(モノリス系コバルト含有触媒)又はLiCoO前駆体に基づくコバルト含有触媒は、本発明の範囲においてコバルト完全接触触とは見なされない。
本発明による方法において使用されるコバルト完全接触触媒はまず、
i)高い割合の触媒活性物質(活性成分)を有すること、
ii)比較的小さな表面積を有すること、及び/又は
iii)不活性担体材料の割合を全く有さないこと、又はそれを比較的低い割合でしか有さないこと、
を特徴としている。
このことは言い換えれば、コバルト完全接触触媒が、大部分において触媒活性物質(活性成分)から成ることを意味する。触媒活性物質とは殊にコバルトであり、ここではまた、コバルトだけでなく、さらなる元素、殊に金属も触媒活性物質として含有されていてよい。一般的に、触媒活性物質のコバルト割合は少なくとも55質量%であり、最大100質量%であってよい(相応する触媒はコバルトだけを触媒活性物質として含有する)。触媒活性物質に対するコバルト割合は、好適には少なくとも80質量%、殊に少なくとも90質量%である。さらに、コバルト完全接触触媒中の触媒活性物質に対して上限が95質量%であることが好ましい。つまり、残り5質量%の触媒活性物質はその他の元素、殊に助触媒(例えば、マンガン、ナトリウム、及び/又はリン)から形成される。
本発明によるとさらに、コバルト完全接触触媒が、少なくとも70質量%、好適には少なくとも80質量%、特に好ましくは少なくとも90質量%、極めて特に好ましくは少なくとも95質量%、触媒活性物質から成ることが好ましい。
さらに、コバルト完全接触触媒が触媒活性物質として成分i)、及び任意で成分ii)、及び/又は成分iii)を含むことが好ましく、ここでこれらの成分は
i)コバルト(Co)
ii)任意で、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、又は白金(Pt)から選択される少なくとも1種のさらなる元素、及び/又は
iii)任意で、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、又はリン(P)から選択される少なくとも1種の助触媒
である。
本発明のさらなる好ましい実施形態によると、コバルト完全接触触媒の触媒活性物質は、コバルト55〜98質量%、リン0.2〜15質量%、マンガン0.2〜15質量%、アルカリ金属0.2〜15質量%から成る(水素で還元する前のCoO、HPO、MnO、又はアルカリ金属酸化物として計算)。好適には、触媒物質を第一工程にて550〜750℃の最終温度で、第二工程にて800〜1000℃の最終温度で焼成することによりコバルト完全接触触媒を製造する。そのような触媒は例えば、欧州特許出願公開第0636409号明細書(EP−A0636409)から公知である。
本発明によるとさらに、コバルト完全接触触媒が、
i)最大50m/g、好ましくは最大40m/g、特に好ましくは最大30m/gの表面積を有すること、及び/又は
ii)担体材料の割合が最大10質量%(触媒の合計質量を基準とする)、好ましく最大5質量%、好適には最大1質量%であり、殊にコバルト完全接触触媒が担体材料を含有しないこと
が好ましい。
本発明による方法において使用されるコバルト完全接触触媒が担体材料を含む場合、ここで担体材料は、好適にはZrOである。それに対して本発明によると、酸化アルミニウム系の担体材料は、好適には回避される。
したがって、本発明による方法では、いわゆる触媒前駆体を還元することで製造される触媒も使用することができる。
触媒前駆体は、1種若しくは複数の触媒活性成分、場合によっては助触媒、及び任意で担体材料を含む活性物質を含有する。
触媒活性成分(触媒活性物質)は、酸素を含有する上記金属の化合物であり、例えば、それらの金属酸化物、炭酸塩、若しくは水酸化物があり、それらは例えば、CoO、NiO、CuO、及び/又はこれらの混合酸化物である。
本願の範囲において、「触媒活性成分」という用語は、上記の酸素含有金属化合物のために使用されるが、この酸素含有化合物そのものが既に触媒活性であることは含意されていないものとする。触媒活性成分は一般的に、還元が完了した後に初めて、本発明による反応において触媒活性を示す。
ドープ元素(助触媒)はそれぞれ、各触媒前駆体を基準として、好ましくは10質量%以下(例えば、0.1〜10質量%)の量、特に好ましくは1〜5質量%の量で含有されている。好ましい触媒は、コバルトを50〜99質量%、好ましくは70〜99質量%、特に好ましくは90〜99質量%含有する。
以下のような触媒前駆体が好ましい:例えば欧州特許出願公開第0636409号明細書(EP−A0636409)に開示されている酸化物混合物であって、水素による還元前にCoを55〜98質量%(CoOとして計算)、リンを0.2〜15質量%(HPOとして計算)、マンガンを0.2〜15質量%(MnOとして計算)、アルカリ金属を0.2〜5.0質量%(MO(M=アルカリ金属)として計算)含有するもの、及び独国特許出願公開第3403377号明細書(DE3403377A1)により製造されるCo/Mn/P触媒、又は欧州特許出願公開第0742045号明細書(EP−A−0742045)に開示されている酸化物混合物であって、水素による還元前にCoを55〜98質量%(CoOとして計算)、リンを0.2〜15質量%(HPOとして計算)、マンガンを0.2〜15質量%(MnOとして計算)、アルカリ金属を0.05〜5質量%(MO(M=アルカリ金属)として計算)含有するもの、又は欧州特許出願公開第963975号明細書(EP−A963975)に開示されている酸化物混合物であって、水素による還元前にZrOを22〜40質量%、酸素含有銅化合物1〜30質量%(CuOとして計算)、酸素含有ニッケル化合物を15〜50質量%(NiOとして計算し、ここでNi:Cuのモル比率は1超である)、酸素含有コバルト化合物を15〜50質量%(CoOとして計算)、酸素含有アルミニウム化合物及び/又は酸素含有マンガン化合物を0〜10質量%(Al及び/又はMnOとして計算)を含有し、また酸素含有モリブデン化合物を含有しないもの(例えば引用における17ページに開示されている触媒Aであって、Zr33質量%(ZrOとして計算)、Ni28質量%(NiOとして計算)、Cu11質量%(CuOとして計算)、及びCo28質量%(CoOとして計算)という組成を有するもの)、又は欧州特許第445589号明細書(EP445589B1)に開示されている酸化物混合物であって、還元前にCoOを65質量%、Mnを4.7質量%、CaOを10質量%含有するもの、若しくはCoOを69質量%、Mnを4.9質量%、NiOを5.5質量%、Feを10.4質量%、及びCaOを10.0質量%含有するもの。
成形体としては、任意の形状及び/又は形態を有する成形体が適する。好ましい形態は、タブレット、リング、円柱、星型断面ストランド、ストランド型、車輪、又は球であり、タブレット、リング、円柱、ストランド型、球、又は星型断面ストランドが特に好ましい。ストランド型又はタブレットが極めて特に好ましい。
球の場合、球形の直径は、好ましくは10mm以下、特に好ましくは4mm以下、極めて特に好ましくは3mm以下、殊に好ましくは2.5mm以下である。
好ましい実施形態では、球の場合、球形の直径は、好ましくは0.1〜10mmの範囲、特に好ましくは0.5〜4mmの範囲、極めて特に好ましくは1〜3mmの範囲、殊に好ましくは1.5〜2.5mmの範囲にある。
ストランド又は円柱の場合、長さ:直径の比は、好ましくは1:1〜20:1、特に好ましくは1:1〜14:1の範囲、極めて特に好ましくは1:1〜10:1の範囲、殊に好ましくは1:2〜6:1の範囲にある。
ストランド又は円柱の直径は、好ましくは10mm以下、特に好ましくは5mm以下、極めて特に好ましくは3mm以下、殊に好ましくは2.5mm以下である。
好ましい実施形態では、ストランド又は円柱の直径は、好適には0.1〜10mmの範囲、特に好ましくは0.5〜3mmの範囲、極めて特に好ましくは1〜2.5mmの範囲、殊に好ましくは1.5〜2.5mmの範囲にある。
タブレットの場合、タブレットの高さhは、好適には10mm以下、特に好ましくは4mm以下、極めて特に好ましくは3mm以下、殊に好ましくは2.5mm以下である。
好ましい実施形態では、タブレットの高さhは、好ましくは0.1〜10mmの範囲、特に好ましくは0.5〜4mmの範囲、極めて特に好ましくは1〜3mmの範囲、殊に好ましくは1.5〜2.5mmの範囲にある。タブレットの高さh(若しくは厚さ)対タブレットの直径Dの比は、好ましくは1:1〜1:5、特に好ましくは1:1〜1:2.5、極めて特に好ましくは1:1〜1:2である。
本発明による方法において触媒成形体は、その他全ての形状の場合には相当直径L(=1/a’)がそれぞれ、好ましくは2mm以下、特に好ましくは1mm以下、極めて特に好ましくは0.7mm以下、殊に好ましくは0.5mm以下であり、ここでa’は、以下の式:
Figure 2017526688
(上記式中、Apは成形体の外部表面積(mm )であり、Vpは成形体の体積(mm)である)
を有する体積単位あたりの外部表面積(mm /mm)である。
本発明による方法において好ましい実施形態では、触媒成形体は、その他全ての形状の場合には相当直径L=1/a’がそれぞれ、好ましくは0.1〜2mmの範囲、特に好ましくは0.1〜0.7mmの範囲、極めて特に好ましくは0.2〜0.5mmの範囲、殊に好ましくは0.3〜0.4mmの範囲にある。
成形体における表面積及び体積は、公知の数式に従って成形体の形状を測定することで求められる。
体積はまた、以下の手法により算出することもできる:
1.成形体の内部細孔を特定(例えば、室温及び1barの合計圧で吸水率[触媒1gあたりのml]を測定することで特定)する。
2.液体に浸漬する際の成形体の押しのけ体積を特定(例えば、ヘリウムピクノメーターを用いたガス押しのけ体積により特定)する。
3.両体積の合計を出す。
表面はまた、理論的には以下の手法により算出することもでき、ここで、成形体の被覆は、その曲線半径が最大5μmであると規定され(被覆の「侵入」により内部細孔表面が細孔内に持ち込まれないようにするため)、かつ被覆が成形体とできるだけ密に接触する(担体との交差面なし)。これは非常に薄いシートに相当するように見え、これで成形体を包み、そして内部から真空を適用すると、シートによってできるだけ密に成形体が包まれる。
使用される成形体は好ましくは、かさ密度(EN ISO6に準拠)が、0.1〜3kg/L、好ましくは1.5〜2.5kg/L、殊に好ましくは1.7〜2.2kg/Lの範囲にある。
好ましい実施形態では、成形体の形態にある触媒を本発明の方法で使用するが、この触媒は、上記の形状を有する担体材料、又は含浸後に上記の形状を有する成形体に変形された担体材料を含浸(浸透)させることで製造される。
担体材料としては例えば、炭素(例えば、グラファイト、カーボンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブ、及び/又は活性炭)、酸化アルミニウム(γ、δ、θ、α、κ、χ、又はこれらの混合物)、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、ゼオライト、アルミノケイ酸塩、又はこれらの混合物が考えられる。
上記の担体材料の含浸は、通例の方法(A.B.Stiles、Catalyst Manufacture−Laboratory and Commercial Preparations、Marcel Dekker、New York、1983)により行うことができ、例えば、1回若しくは複数回の含浸工程において金属塩溶液を施与することで行う。金属塩としては一般的に、相応する触媒活性成分及びドープ元素の硝酸塩、酢酸塩、又は塩化物などの水溶性金属塩が考えられ、例えば、硝酸コバルト又は塩化コバルトがある。引き続き、含浸させる担体材料は一般的に、乾燥させ、任意で焼成する。
焼成は一般的に、300〜800℃、好適には350〜600℃、殊に450〜550℃で実施する。
含浸はまた、いわゆる「インシピエントウェットネス法(incipient wetness method)」により行うことができ、ここでは担体材料を、その吸水容量に応じて、最大で飽和に至るまで含浸溶液で湿らす。しかしながら含浸はまた、上澄液中で行うこともできる。
複数の段階における含浸法の場合、個々の含浸工程の間に乾燥させ、任意で焼成することが有利である。そして複数の段階における含浸は、担体材料が多量に金属塩に曝されることが望まれる場合に有利に適用できる。
複数の金属成分を担体材料に施与するためには、全ての金属塩を同時に用いて、又は個々の金属塩の任意の順序で次々に含浸することができる。
好ましくは、既に先に記載した好ましい成形体形状を有する担体材料が使用される。
しかしながら、粉末又は破砕物として存在する担体材料を使用すること、及び含浸させた担体材料を成形することも可能である。
よって、例えば浸透させ、かつ乾燥させた、若しくは焼成した担体材料を調整することができる。
条件調整は例えば、含浸させた担体材料を粉砕して特定の粒度に調整することで行うことができる。粉砕後、条件調整済の含浸させた担体材料を成形助剤(例えば、グラファイト)又はステアリン酸と混ぜ、さらに加工して成形体にすることができる。
通例の成形法は例えば、Ullmann’s Encyclopedia Electronic Release 2000、‘‘Catalysis and Catalysts’’という章、28〜32ページにおいて、またErtl等(Ertl、Knoezinger、Weitkamp、Handbook of Heterogeneous Catalysis、VCH Weinheim、1997、98ページ以降)によって記載されている。
通例の成形法は例えば、押出成形、タブレット化(つまり、機械的なプレス)、又はペレット化(つまり円状及び/又は回転式の動きによる圧縮)である。
成形プロセスによって、上記の形状を有する成形体を獲得することができる。
条件調整若しくは成形の後、一般的には焼鈍しを行う。焼鈍しにおける温度は通常、焼成における温度に相応する。
好ましい実施形態では、成形体の全成分を共沈殿(混合沈殿)させることにより作製し、そのようにして沈殿した触媒前駆体を成形してできる成形体を本発明で使用する。
そのためには一般的に、相応する活性成分の可溶性化合物、ドープ元素の可溶性化合物、及び任意で担体材料の可溶性化合物を、液体中で、熱し、攪拌しながら、沈殿が完全となるまで沈殿剤と混ぜる。
液体としては、一般的に水を使用する。
活性成分の可溶性化合物としては通常、先に挙げた金属の相応する金属塩が考えられ、例えば、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、又は塩化物がある。
担体材料の可溶性化合物としては一般的に、Ti、Al、Zr、Siなどの水溶性化合物(例えば、これらの元素の水溶性の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、又は塩化物)が使用される。
ドープ元素の可溶性化合物としては一般的に、ドープ元素の水溶性化合物(例えば、これらの元素の水溶性の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、又は塩化物)が使用される。
さらなる好ましい実施形態では、成形体は沈降により製造される。
沈降とは、難溶性又は不溶性の担体材料を液中で懸濁し、その後に相応する金属酸化物の可溶性化合物(例えば、可溶性金属塩)を添加し、そして沈殿剤を添加すると、これらの化合物が、懸濁した担体上に沈降する製造方法であると理解される(例えば、欧州特許出願公開第1106600号明細書(EP−A2 1106600)、4ページ、及びA.B.Stiles著、Catalyst Manufacture、Marcel Dekker Inc.、1983、15ページに記載されている)。
難溶性若しくは不溶性の担体材料としては例えば、炭素化合物(例えばグラファイト、カーボンブラック、及び/又は活性炭)、酸化アルミニウム(γ、δ、θ、α、κ、χ、又はこれらの混合物)、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、ゼオライト、アルミノケイ酸塩、又はこれらの混合物が考えられる。
担体材料は一般的に、粉末又は破砕物として存在する。
担体材料を懸濁させる液体としては通常、水が使用される。
可溶性化合物としては、活性成分若しくはドープ元素の先に挙げた可溶性化合物が考えられる。
沈殿反応においては通常、沈殿剤を添加することによって可溶性化合物を難溶性又は不溶性の塩基性塩として沈殿させる。
沈殿剤としては、好ましくは苛性アルカリ溶液、殊に無機塩基(例えば、アルカリ金属塩基)を使用する。沈殿剤の例は、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、又は水酸化カリウムである。
沈殿剤としてはまた、アンモニウム塩(例えば、ハロゲン化アンモニウム、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、カルボン酸アンモニウム)を使用することができる。
沈殿反応は例えば、20〜100℃、特に30〜90℃、殊に50〜70℃で実施することができる。
沈殿反応において獲得される沈殿物は一般的に化学的に不均一であり、通常、使用された金属の酸化物、酸化物水和物、水酸化物、炭酸塩、及び/又は炭酸水素塩の混合物を含有する。沈殿物の濾過性については、沈殿物をエイジングする場合、つまり沈殿後にこれを一定の時間、任意で熱において又は空気を貫流させながら、そのまま経時させる場合に、有利であると証明できる。
この沈殿法の後に獲得される沈殿物は通常、洗浄、乾燥、焼成、及び条件調整することで加工される。
洗浄後、沈殿物は一般的に、80〜200℃、好適には100〜150℃で乾燥させ、引き続き焼成する。
焼成は一般的に、300〜800℃、好適には350〜600℃、殊に450〜550℃の温度で実施される。
焼成後は通常、沈殿反応により獲得された粉末状の触媒前駆体を条件調整する。
条件調整は例えば、沈殿触媒を粉砕して特定の粒度に調整することで行うことができる。
粉砕後、沈殿反応により獲得された触媒前駆体を成形助剤(例えば、グラファイト)又はステアリン酸と混ぜ、さらに加工して成形体にすることができる。
通例の成形法は例えば、Ullmann’s Encyclopedia Electronic Release 2000、‘‘Catalysis and Catalysts’’という章、28〜32ページにおいて、またErtl等(Ertl、Knoezinger、Weitkamp、Handbook of Heterogeneous Catalysis、VCH Weinheim、1997、98ページ以降)によって記載されている。
通例の成形法は例えば、押出成形、タブレット化(つまり、機械的なプレス)、又はペレット化(つまり円状及び/又は回転式の動きによる圧縮)である。
成形プロセスによって、上記の形状を有する成形体を獲得することができる。
条件調整若しくは成形の後、一般的には焼鈍しを行う。焼鈍しにおける温度は通常、焼成における温度に相応する。
含浸又は沈殿により製造した成形体は、焼成完了後に触媒活性成分を一般的にはその酸素含有化合物の形態で含有し、それには例えば、その金属酸化物(例えば、CoO、NiO、CuO)、若しくは水酸化物、及び/又は混合酸化物(触媒前駆体)がある。
先に記載したように浸透又は沈殿により製造した触媒前駆体は、一般的に焼成若しくは条件調整の後に還元する。触媒前駆体は一般的に、還元することによってその触媒活性形態になる。
触媒前駆体の還元は、高温で、可動式又は非可動式の還元炉において実施することができる。
還元剤としては通常、水素又は水素含有ガスが使用される。
水素は一般的に、工業的な純度で使用される。水素はまた、水素含有ガスの形態で、つまりその他の不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、又は二酸化炭素)を混合して使用することができる。水素流はまた、任意で新品の水素と混ぜ、任意で凝縮をして水を除去した後に、循環ガスとして還元に返送することができる。
触媒前駆体の還元は好ましくは、成形体が固定床として配置されている反応器において行われる。特に好ましくは、触媒前駆体の還元を、ニトリルと水素との後続反応が行われる反応器中で実施する。
触媒前駆体の還元はさらに、流動層反応器において流動層で行うことができる。
触媒前駆体の還元は一般的に、50〜600℃、殊に100〜500℃、特に好ましくは150〜450℃の還元温度で行われる。
水素の分圧は一般的に、1〜300bar、殊に1〜200bar、特に好ましくは1〜100barであり、ここで上記及び以下にある圧力の記載は、絶対圧で測定した圧力を表す。
還元時間は、好ましくは1〜20時間、特に好ましくは5〜15時間である。
発生する反応水を排出するため、及び/又は例えば反応器をより迅速に加熱可能にするため、及び/又は還元の間に熱をより良好に排出可能にするために、還元の間に溶媒を供給することができる。ここで溶媒は、超臨界状態で供給することもできる。
適した溶媒として、先に記載した溶媒を使用することができる。適した溶媒は、水又はエーテル(例えば、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、ジオキサン、又はテトラヒドロフラン)である。水又はテトラヒドロフランが特に好ましい。同様に適した混合物も適した溶媒として考えられる。
そのようにして獲得された成形体は、還元後に不活性条件で処理することができる。好ましくは、成形体を不活性ガス(例えば、窒素)のもとで、又は不活性液体(例えば、アルコール、水、又は触媒が使用される各反応の生成物)のもとで処理して保管することができる。場合によっては、本来の反応が開始する前に、触媒を不活性液体から取り出す必要がある。
触媒を不活性物質のもとで保管することで、成形体を簡単に、かつ安全に処理し、保管することが可能になる。
しかしながら成形体は、還元後に酸素含有ガス流(例えば、空気、又は空気と窒素との混合物)とも接触させることができる。
それによって、不活性化された成形体が獲得される。不活性化された成形体は一般的に、保護酸化物層を有する。この保護酸化物層によって、触媒の処理及び保存が容易になり、それによって、例えば不活性化された成形体を反応器に組み込むことが容易になる。不活性化された成形体は好ましくは、出発物質と接触させる前に、例えば上記のように、不活性化された成形体を水素又は水素含有ガスにより処理することで還元する。還元条件は一般的に、触媒前駆体の還元において適用される還元条件に相応する。一般的には活性化により保護不活性化層が除去される。特に好ましくは、少なくとも1種の化合物(I)を、水素化の間に、繰り返し又は連続的に装置(V1)へと添加する。
本発明によると、繰り返し又は連続的に、少なくとも1種の化合物(I)を装置(V1)(つまり水素化)に添加する。化合物(I)は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は希土類金属から選択される少なくとも1種の成分を含む。化合物(I)そのものは当業者に公知である。好適には、化合物(I)を繰り返し又は連続的に装置(V1)に添加し、場合によっては2種以上の化合物(I)からの混合物も添加することができる。さらに、既に水素化の開始前に少なくとも1種の化合物(I)が装置(V1)中に存在することも可能であるが、しかしながら好適には、化合物(I)を水素化の後に初めて本発明による方法に添加する。
少なくとも1種の化合物(I)を装置(V1)に添加することは、上記で既に説明したように、繰り返し又は連続的に行うことができる。ここで化合物(I)は、液体又は固体の形態で添加することができる。またここでは、化合物(I)を装置(V1)に直接添加する必要はないことに留意すべきであり、その代わりに、化合物(I)を、まずその他の装置(例えば、接触装置(V2))中でも水素化に関与する1種以上の成分に添加することができる。このその他の装置から、化合物(I)を装置(V1)に導く(化合物(I)を(V1)へと間接的に添加)。化合物(I)をその他の装置から装置(V1)へと導くこと又は移送することは、当業者に公知の方法で(例えば、ポンプを使用して)行われる。化合物(I)は殊に、上記で既に説明したように流(S1)の返送部分流に添加することができる。
本発明の範囲において化合物(I)の「連続的な添加」とは、相応する添加が、比較的長い時間にわたって、好適には少なくとも50%にわたって、より好ましくは少なくとも70%にわたって、さらにより好ましくは少なくとも90%にわたって、殊に全反応時間にわたって行われることと理解される。好適には、相応する装置(V1)(例えば、ロータリーフィーダー)が、化合物(I)の送入(添加)のために上記の時間にわたって稼動するように連続的な添加を実施する。
本発明の範囲において化合物(I)の「繰り返しの添加」とは、相応する添加が、規則的又は不規則な時間間隔で行われることと理解される。好適には、相応する添加が、さらに以下で記載する添加条件を発生させることで行われるが、これは殊に装置(V1)からの排出物における化合物(I)の濃度と関連している。個別添加の間の時間間隔は、少なくとも1時間、好適には少なくとも1日である。本発明の範囲において、「繰り返し」という用語はさらに、少なくとも2回、例えば3回、4回、5回、10回、若しくはまた100回の個別添加であると理解される。個別添加の具体的な数は稼動時間に応じる。これは理想的には、ほぼ無制限に行われる。
言い換えれば、本発明の範囲において化合物(I)の繰り返しの添加とは、化合物(I)における複数のバッチを時間的に相互に境界を定めて添加することと理解される。個別バッチの添加は、数秒から数分かかる可能性があり、場合によっては幾分より長い時間であるとも考えられる。本発明によると、個別バッチの各添加間の時間間隔は、相応するバッチの添加時間より少なくとも10倍長い。本発明の範囲においては任意で、「繰り返しの添加」の実施形態と、「連続的な添加」の実施形態とを相互に組み合わせることも可能である。
少なくとも1種の化合物(I)の繰り返し又は連続的な添加における正確な計量供給は、以下で水酸化リチウムの添加により例示的に明らかにする。しかしながらこれらの実施形態はまた、本発明の化合物(I)の規定に該当するその他の化合物全てにも同様に当てはまる。
排出物におけるリチウム濃度は、ある一定の閾値を下回るべきではない。下回ったということは、リチウムが触媒から浸出したという指標である。
排出物におけるリチウム濃度はまた、高過ぎるべきでもない。というのも、そうでなければ触媒がその活性を失う(被毒)からである。
計量供給は、連続的に又は繰り返し(断続的に)行うことができる。排出物/反応混合物におけるリチウム濃度が、リチウムが堆積するほど高くはなく、それでいて触媒における濃度が維持されるくらい高いことが重要である。
殊に計量供給箇所において、以下のさらに特別な要求が課せられる:
・計量供給した溶液のリチウム濃度は高過ぎてはならない。というのも、そうでなければリチウムが反応器において堆積する/詰まるからである。
・送り込みは、LiOHが反応混合物と良好に混ざるように、流速が大きい反応器の箇所で行われるべきである。LiOHは、水及びたいていの有機溶媒において溶解性が低い。
アルカリ金属化合物(I)としては、Li化合物、Na化合物、K化合物、Rb化合物、Cs化合物が考えられ、アルカリ土類金属化合物(I)としては、Mg化合物、Ca化合物、Sr化合物、及びBa化合物が考えられ、希土類化合物(I)としては、La化合物、Ce化合物、Pr化合物、及びNd化合物が考えられる。
好ましいアルカリ金属化合物(I)は、リチウム、カリウム、及びセシウムであり、好ましいアルカリ土類金属化合物(I)は、マグネシウム及びカルシウムであり、好ましい希土類化合物(I)はランタン及びセリウムである。
さらに、化合物(I)を酸化物、水酸化物、及び/又は塩の形態で使用すること、及び/又は化合物(I)を水溶液として使用することが好ましい。塩としては例えば、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、カルボン酸塩(例えば、ギ酸塩及び酢酸塩)が考えられる。水酸化物が好ましいが、これは本発明の範囲において「塩」という用語に該当しない。
さらに、リチウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ランタン、及び/又はセリウムの酸化物、水酸化物、又は塩の水溶液を使用することが好ましい。
リチウム化合物(例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、リン酸リチウム、硝酸リチウム、ギ酸リチウム、酢酸リチウム)の水溶液が極めて特に好ましい。ここで水酸化リチウムが好ましく、つまりは水酸化リチウムの水溶液が殊に好ましい。
アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及び希土類化合物のための溶媒としては基本的に、有機溶媒、水、又はこれらの有機溶媒と水との混合物を使用することができる。使用されるニトリルのための溶媒としてさらに以下で挙げられている溶媒が好ましい。これらの溶媒は、水素化条件下で安定である必要があり、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及び希土類化合物を十分な程度で溶解しなくてはならない。
よって、C〜Cアルコール、水、又はこれらの化合物の混合物が好ましい。水が極めて特に好ましい。
さらに本発明によると、以下のことが好ましい:
i)水素化に使用されるニトリルが水を0.01〜10質量%含有すること、及び/又は
ii)副生成物として形成される第二級アミンの割合が0.5GC面積%より大きくなり次第、化合物(I)を装置(V1)に添加すること、及び/又は
iii)装置(V1)へと化合物(I)を添加することで、装置(V1)中のニトリルグラム原子を基準として0.01〜500ppmのアルカリ金属、アルカリ土類金属、及び/又は希土類金属を水素化混合物に添加すること、好適には、触媒負荷が、触媒1L及び1時間あたり0.01〜10kgの出発物質である場合に、装置(V1)中で副生成物として形成される第二級アミンの割合が0.5GC面積%より大きくなり次第、装置(V1)へと化合物(I)を添加することで、水素化混合物に、装置(V1)中のニトリルグラム原子を基準として0.01〜500ppmのアルカリ金属、アルカリ土類金属、及び/又は希土類金属を添加すること。
本発明の範囲において「装置(V1)中のニトリルグラム原子」とは、装置(V1)中のニトリルにおけるグラム(g)の合計量(合計質量)と理解される。
したがって本発明によると、装置(V1)へと化合物(I)を添加することで、水素化混合物に、装置(V1)中のニトリルにおけるグラムの合計質量を基準として0.01〜500ppmのアルカリ金属、アルカリ土類金属、及び/又は希土類金属を添加すること、好適には触媒負荷が、触媒1L及び1時間あたり0.01〜10kgの出発物質である場合に、副生成物として形成される第二級アミンの割合が0.5GC面積%より大きくなり次第、装置(V1)へと化合物(I)を添加することで、水素化混合物に、装置(V1)中のニトリルにおけるグラムの合計質量を基準として0.01〜500ppmのアルカリ金属、アルカリ土類金属、及び/又は希土類金属を添加することが好ましい。
GC面積%(GC−Fl%)の特定方法はそれ自体が当業者に公知である。好適には、GC面積%を以下のパラメータで測定する:GC塔:60m CP Volamine/WCOT フューズドシリカ 0.32;温度プログラム:50℃で10分、15℃/min、240℃で30分。
本発明によると水素化は、非連続的に、半連続的に、しかしながら好ましくは連続的に実施することができる。
水素化は一般的に、1〜300bar、殊に5〜150bar、好ましくは10〜100bar、特に好ましくは15〜60barの圧力で実施される。水素化は極めて特に好ましくは、低圧法として60bar未満の圧力で実施される。
温度は一般的に、25〜300℃、殊に50〜200℃、好ましくは70〜150℃、特に好ましくは80〜140℃の範囲にある。
水素対使用されるニトリルのモル比は一般的に、2:1〜25:1、好適には2:1〜10:1である。水素は循環ガスとして反応へと返送することができる。
ここで、反応条件は好ましくは、使用されるニトリル及び添加される液体が一般的に液相にあり、かつ使用される水素若しくは不活性ガスだけが先の反応条件下において気相で存在するように選択される。
特に連続的に実施する場合、水素化の結果は分析的に(例えば、ガスクロマトグラフィーで)監視することができる。第一級アミンの選択率が減少し、副生成物としての第二級アミン(例えば、ビス−DMAPA)が形成することが分析により示される場合、この減少を、好適には先の溶液を添加することで後退させることができる。
形成される第二級アミンの割合が0.5GC面積%より大きくなり次第、好ましくは1GC面積%より大きくなり次第、特に好ましくは2GC面積%より大きくなり次第、極めて特に好ましくは5GC面積%より大きくなり次第、殊に10GC面積%より大きくなり次第、化合物(I)を計量供給する。本発明の範囲においてGC−Fl%とは、GC面積%を意味する。
水素化はバルクで又は液体中で実施することができる。
適した溶媒は例えば、C〜Cアルコール(例えば、メタノール又はエタノール)、C〜C12ジアルキルエーテル(例えば、ジエチルエーテル又はtert−ブチルメチルエーテル)、又は環状のC〜C12エーテル(例えば、テトラヒドロフラン又はジオキサン)、又は炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン)である。適した溶媒はまた、先に挙げた液体の混合物であり得る。好ましい実施形態では、溶媒は水素化の生成物である。
水素化排出物の後処理は、好適には蒸留で行われる。ここで、添加されたアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及び/又は希土類化合物を底部生成物として分離する。
さらに本発明によると、水素化をアンモニアの不在下で実施することが好ましい。アンモニア不含の方式を選択する場合、水素化における圧力は、好適には85bar未満である。それに対して、水素化をアンモニアの存在下で行う場合、ニトリル転化率及び第一級アミンに対する選択率に関して同様にさらなる改善を認めることができる。さらにアンモニアは、水素化熱を排出することに役立つ。
さらに本発明によると、装置(V1)が反応器であることが好ましく、好適には空塔速度は、反応器の断面積1m及び1秒あたり5〜50kgの流量である。
以下で、実施例を用いて本発明をより明確化する。
図1は、実施例1の全実験時間にわたり反応排出物において測定された、出発物質(DMAPN)、水酸化リチウム、生成物(DMAPA)、及び副生成物(ビス−DMAPA)の濃度を示す。 図2は、実施例1の全実験時間にわたり反応排出物において測定された、出発物質(DMAPN)、水酸化リチウム、生成物(DMAPA)、及び副生成物(ビス−DMAPA)の濃度を示す。 図3は、実施例1の全実験時間にわたり反応排出物において測定された、出発物質(DMAPN)、水酸化リチウム、生成物(DMAPA)、及び副生成物(ビス−DMAPA)の濃度を示す。 図4は、比較例2の全実験時間にわたり反応排出物において測定された、出発物質(DMAPN)、水酸化リチウム、生成物(DMAPA)、及び副生成物(ビス−DMAPA)の濃度を示す。 図5は、比較例3の全実験時間にわたり反応排出物において測定された、出発物質(DMAPN)、水酸化リチウム、生成物(DMAPA)、及び副生成物(ビス−DMAPA)の濃度を示す。
実施例1:
水酸化リチウム水溶液を繰り返し供給しながらコバルト完全接触触媒の存在下でジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)を水素化してジメチルアミノプロピルアミンにする。
a)触媒製造及び活性化
触媒として、コバルト90.4質量%、マンガン5.1質量%、ナトリウム0.3質量%、及びリン3.1質量%という組成のコバルト完全接触触媒(ストランド直径2mm、欧州特許出願公開第636409号明細書(EP−A636409)の実施例1により製造したもの)を使用する。この触媒40.2gを水素化反応器に充填し、12時間以内に1時間あたり25NLの水素を供給しながら280℃まで加熱し、1時間あたり25NLの水素を送りながらこの温度で12時間維持し、水素のもと冷却する。
b)DMAPNの水素化
先に記載した触媒を固定床触媒として用いて、高さ1メートル、直径0.6cmの特殊鋼製管型反応器(内部管 1.4571)においてダウンフロー方式で水素化を実施する。水素化の反応排出物を冷却し、放圧し、部分的に放出し、部分的に反応器に返送する。
水素化のための使用原料としては、ジメチルアミン及び水を含有する工業的DMAPNを使用する。GC分析によると、水含分は0.3〜3.6面積%、ジメチルアミン含分は1.4〜2.5面積%である(GC塔:60m CP Volamine/WCOT フューズドシリカ 0.32;温度プログラム:50℃で10分、15℃/min、240℃で30分)。
水素化は合計で4000時間実施するが、最初は149時間にわたりLiOH水溶液の添加なしで実施し、その後に3800時間にわたり断続的にLiOH溶液を添加しながら実施する。表1には添加時間及びLiOH量がまとめてあり、表2により反応排出物におけるリチウム濃度が示されている。
Figure 2017526688
水素化は、200mlの粗DMAPAを反応器に圧送することで開始する。
水素化温度は90〜110℃であり、圧力は最初の700時間は85bar、そして残りの実施時間では50barである。
触媒負荷は、全実施時間にわたり、触媒1L及び1時間あたり1〜1.1kgのDMAPNである。空塔速度は、1m及び1時間あたり41〜42kgである。これらの値を達成するために、水素化排出物の一部を、放圧後に反応器へと返送する。
実施時間が2544〜3500時間である間は、水を5質量%含有するDMAPNで作業する。
LiOH水溶液を添加していない最初の149時間の水素化時間の間は、水素化排出物は、DMAPAを87〜90%だけ、ビス−DMAPAを11〜13%、及びDMAPNを0.2〜0.3%を含有する(GC面積%)(比較例2も参照、アンモニアなしの方式)。
149時間後、LiOH水溶液の最初の計量供給を開始する(計量供給時間は表1に記載)。LiOH水溶液の添加後、DMAPN転化率は、実験開始後200時間以降、残りの3500時間の間にわたり少なくとも99.4%である。ここでDMAPA収率は、99.1〜99.5%である。副生成物としてはビス−DMAPAだけが0.2〜0.9%の量で発生する。
実施例1に示されるように、LiOH計量供給なしの方式の間に上昇する又は高いビス−DMAPA値は、LiOHを添加することで再び比較的低い水準に減少する。これについて、図1〜3からは、実施例1の全実験時間にわたり反応排出物において測定された、出発物質(DMAPN)、水酸化リチウム、生成物(DMAPA)、及び副生成物(ビス−DMAPA)の濃度が見て取れる。
実施例1によってさらに、高い触媒負荷で長い触媒持続時間で作業できる、及び水素化混合物中の水により妨害されないという肯定的な効果が僅かなLiOH量で達成可能であると示される。さらに、高いDMAPN転化率及びDMAPA収率が達成され、アンモニアの不在下で作業することができる。
Figure 2017526688
比較例2:
最初に一回LiOH水溶液で触媒を含浸させながら、コバルト接触触媒の存在下でDMAPNを水素化してDMAPAにする。
実施例1で使用した触媒バッチ40.2gを記載したように活性化させ、設備中の触媒を、直立した流路において下から上へと10%のLiOH水溶液約400gで十分に濯ぐ(1ml/min)。LiOH溶液の供給開始約7時間後にさらに、1000g/lの返送量を有する液体循環を2時間にわたり接続し、引き続き、返送及びLiOH計量供給を再び止める。引き続き、所望の反応条件(90℃、水素)に調整し、設備をDMAPAを用いて運転する。液体の返送を814g/hに、DMAPNの供給を19.4g/hに調整する。実施例1に記載したように前処理した触媒を、90℃及び85barで、DMAPNの水素化のために使用する。反応排出物におけるリチウム濃度を定期的に特定する。反応時間500時間後に、水素化排出物は、約92%がDMAPAから、約8%がビス−DMAPAから、約0.5%未満がDMAPNから成る(GC面積%)。実施例1による図1〜3と同様に、比較例2について相応する値は図4に図示されている。
比較例2により、固定床におけるコバルト完全接触触媒の場合、ラネーコバルト触媒(懸濁方式の触媒;例えば欧州特許出願公開第913388号明細書(EP−A913388)からの実施例50を参照)とは異なり、触媒をLiOHで前処理することによっては選択率が上昇しないことが示される。反応排出物におけるリチウムを定期的に特定することで、リチウムが連続的に設備から洗い出され、かつ触媒から洗い落とされることが示される。比較例2においてこの効果は、殊に水素化開始後、おおよそ最初の200時間で確認できる。DMAPAに関する選択率の減少及びビス−DMAPAの増加は、反応器から洗い出されるリチウム量と相関関係にある。約650時間後に実験が終了するまでに、DMAPAに関する選択率はさらに連続的に減少し、反応排出物においてはリチウムが依然として検出可能である。
比較例3:
コバルト完全接触触媒の存在下で、並びにアンモニアの存在下若しくはアンモニアの不在下でDMAPNを水素化してDMAPAにする(水酸化リチウムの添加なし)。
実施例1で使用した触媒バッチ40.2gを記載したように活性化させる。実施例1と同様に、設備をまず粗DMAPA200mlを用いて運転する。温度を90℃、圧力を85barに調整し、実験時間の間、これを維持する。16g/hのアンモニア及び25NL/hの水素を連続的に計量供給し、19.4g/hのDMAPNを供給することで水素化を開始する。
触媒負荷は、全実施時間にわたり、触媒1L及び1時間あたり1〜1.1kgのDMAPNである。空塔速度は、1m及び1時間あたり34〜42kgである。これらの値を達成するために、水素化排出物の一部を、放圧後に反応器へと返送する。反応時間301時間後、水素化排出物は、97.8%がDMAPAから、約0.3%未満がDMAPNから成り、ビス−DMAPAは含有されていない(GC面積%)。
312時間後、他には変更されていない実験条件下でアンモニアの供給を中断する。DMAPAに対して達成される選択率は、アンモニア不在下の場合、明らかに少ない。反応時間442時間後、水素化排出物は、85.9%がDMAPAから、約0.3%未満がDMAPNから、11.1%がビス−DMAPAから成る(GC面積%)。
比較例3により、調査したコバルト完全接触触媒において、アンモニアの不在下では、85barで多量のビス−DMAPAが形成されること、及びDMAPAに対する選択率が少ないことが示される。アンモニアの存在下では、アンモニアの蒸気圧を理由として、反応圧力を大きく下げることができない。比較例3による相応した濃度の値は、先の実施例と同様に、図5に図示してある。

Claims (15)

  1. 第一級アミンを製造する方法において、少なくとも1種のニトリルを装置(V1)にてコバルト完全接触触媒の存在下で水素化して、少なくとも1種の第一級アミンを獲得し、ここで少なくとも1種の化合物(I)が、繰り返し又は連続的に装置(V1)に添加され、化合物(I)が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は希土類金属から選択される少なくとも1種の成分を含有することを特徴とする前記方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、化合物(I)を酸化物、水酸化物、及び/若しくは塩の形態で使用すること、及び/又は化合物(I)を水溶液として使用することを特徴とする前記方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、リチウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ランタン、及び/又はセリウムの酸化物、水酸化物、又は塩の水溶液、好ましくは水酸化リチウムの水溶液を使用することを特徴とする前記方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法において、
    i)水素化に使用されるニトリルが水を0.01〜10質量%含有すること、及び/又は
    ii)副生成物として形成される第二級アミンの割合が0.5GC面積%より大きくなり次第、化合物(I)を装置(V1)に添加すること、及び/又は
    iii)装置(V1)へと化合物(I)を添加することで、装置(V1)中のニトリルグラム原子を基準として0.01〜500ppmのアルカリ金属、アルカリ土類金属、及び/又は希土類金属を水素化混合物に添加すること、好適には、触媒負荷が、触媒1L及び1時間あたり0.01〜10kgの出発物質である場合に、装置(V1)中で副生成物として形成される第二級アミンの割合が0.5GC面積%より大きくなり次第、装置(V1)へと化合物(I)を添加することで、水素化混合物に、装置(V1)中のニトリルグラム原子を基準として0.01〜500ppmのアルカリ金属、アルカリ土類金属、及び/又は希土類金属を添加すること
    を特徴とする前記方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法において、水素化がアンモニアの不在下で実施されることを特徴とする前記方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法において、装置(V1)が反応器であり、好適にはその空塔速度が、反応器の断面積1m及び1秒あたり5〜50kgの流量であることを特徴とする前記方法。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法において、水素化が1〜300barの圧力で実施されることを特徴とする前記方法。
  8. 請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法において、コバルト完全接触触媒が、装置(V1)で固定床触媒として使用されることを特徴とする前記方法。
  9. 請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法において、ニトリルが、脂肪族モノニトリル、脂肪族ジニトリル、若しくは脂肪族トリニトリル、脂環式モノニトリル若しくは脂環式ジニトリル、α−アミノニトリル、β−アミノニトリル、若しくはω−アミノニトリル、又はアルコキシニトリルであることを特徴とする前記方法。
  10. 請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法において、
    i)N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)を製造するためにN,N−ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)を使用すること、又は
    ii)イソホロンジアミンを製造するためにイソホロンニトリルイミンを使用すること、又は
    iii)ヘキサメチレンジアミン(HMD)を製造するために、又は6−アミノカプロニトリル(6−ACN)及びHMDを製造するためにアジポジニトリル(ADN)を使用すること
    を特徴とする前記方法。
  11. 請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法において、コバルト完全接触触媒が、少なくとも70質量%、好適には少なくとも80質量%、特に好ましくは少なくとも90質量%、極めて特に好ましくは少なくとも95質量%、触媒活性物質から成ることを特徴とする前記方法。
  12. 請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法において、コバルト完全接触触媒が、触媒活性物質として成分i)、及び任意で成分ii)、及び/又は成分iii)を含み、ここでこれらの成分が
    i)コバルト(Co)、
    ii)任意で、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、又は白金(Pt)から選択される少なくとも1種のさらなる元素、及び/又は
    iii)任意で、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、又はリン(P)から選択される少なくとも1種の助触媒
    であることを特徴とする前記方法。
  13. 請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法において、コバルト完全接触触媒の触媒活性物質が、コバルト55〜98質量%、リン0.2〜15質量%、マンガン0.2〜15質量%、及びアルカリ金属0.2〜15質量%から成り(水素で還元する前のCoO、HPO、MnO、又はアルカリ金属酸化物として計算)、好適には、触媒物質を第一工程にて550〜750℃の最終温度で、第二工程にて800〜1000℃の最終温度で焼成することによりコバルト完全接触触媒を製造することを特徴とする前記方法。
  14. 請求項1から13までのいずれか一項に記載の方法において、コバルト完全接触触媒が、
    i)最大50m/g、好ましくは最大40m/g、特に好ましくは最大30m/gの表面積を有すること、及び/又は
    ii)担体材料の割合が、最大10質量%(触媒の合計質量を基準とする)、好ましく最大5質量%、特に好ましくは最大1質量%であり、殊にコバルト完全接触触媒が担体材料を含有しないこと
    を特徴とする前記方法。
  15. 請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法において、流(S1)が装置(V1)から排出され、ここで流(S1)が第一級アミンを含有し、かつ流(S1)が少なくとも部分的に装置(V1)に返送され、
    好適にはまず化合物(I)が流(S1)の返送部分流に供給され、流(S1)の構成要素として装置(V1)に送り込まれ、
    特に好ましくは化合物(I)が水溶液として流(S1)の返送部分流に添加されることを特徴とする前記方法。
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