JP2017522449A - チタン合金及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

一実施形態では、概して、約5重量%〜約8重量%のアルミニウム、約2.5重量%〜約5.5重量%のバナジウム、約0.1重量%〜約2重量%の鉄及びモリブデンからなる群から選択される1種以上の元素、約0.01重量%〜約0.2重量%の炭素、約0.3重量%以下の酸素、ケイ素と銅、及びチタンを含むチタン合金である組成物が提供される。一実施形態では、チタン合金からなる物品を備えるタービン部品も一般に提供される。さらに、βトランザス温度及びケイ化チタンソルバス温度を有する合金部品を製造する方法も一般に提供される。【選択図】図1

Description

本発明は全体として、チタン合金及びその製造方法に関する。特に、本明細書に開示のチタン合金は、ガスタービンなどの回転機械に特に適切である。
特に限定されないが、蒸気タービンエンジン及び/又はガスタービンエンジンなどの少なくともいくつかの公知の回転機械は、ファンアセンブリ、圧縮機及び/又は各々ロータアセンブリを含むタービンなどの様々なロータアセンブリを備えている。特に限定されないが、少なくともいくつかの公知のロータアセンブリは、ディスク、シャフト、スプール、ブレード付きディスク(「ブリスク」)、シール及び/又はブレード一体化リング(ブリング)及び個別のダブテール付きブレードなどの部品を備えている。このような部品は、ガスタービンエンジン内の軸位置に応じて様々な温度に付されることがある。
例えば、動作中に少なくともいくつかの公知のガスタービンエンジンは、エンジンの長手方向中心軸に沿って軸方向の温度勾配に付されることがある。一般に、ガスタービンエンジンはエンジンの前方部に向かうほど動作温度が低く、エンジンの後方部に向かうほど動作温度が高い。したがって、公知のロータアセンブリ及び/又はロータ部品は、一般に、エンジン内のその意図された位置での予想最高温度に耐えることができる材料から製造される。
様々な温度に適合させるために、各種エンジン部品は、部品が様々な予想最大半径及び/又は軸予想最高温度に耐え得る様々な材料特性を有する種々の合金で鍛造されている。より詳細には、公知の回転アセンブリ及び/又は回転部品は概して回転アセンブリ及び/又は回転部品全体の予想最高温度に耐え得る単一の合金から鍛造される。例えば、Ti−17(Ti−5Al−4Mo−4Cr−2Sn−2Zr)、Ti−6246(Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo)及びTi−64(Ti−6Al−4V)が、エンジン内の部材の相対的な位置に応じて、ガスタービンエンジン内の回転部品に利用可能である。
ブリスク又は一体化ブレード付きロータなどの部品は、1種以上の合金から固相溶接接合法を使用して製造することもできるが、バイメタルブリスクの場合、ハブは、優れた肉厚断面特性を有するβ処理Ti−6246又はβ処理Ti−17などの1種の合金から製造することができ、一方、翼形部は相対的に小さい断面サイズにおいて優れた疲労特性を有し、及び異物損傷(FOD)特性を有するα+β処理Ti−64などの第2の合金から製造することができる。本明細書で使用する場合、肉厚断面は、チタン合金からなる例示的部品の断面サイズ、例えば、断面が約1又は2インチより大きい、又は別の例では約1〜3インチ、さらに別の例では最大6インチ又はそれ以上を指す。翼形部は、並進摩擦溶接又は線形摩擦溶接などのプロセスを利用してハブに固相溶接することができる。ブリスクもα+β処理Ti−64などの同じ合金のハブ及び翼形部を使用して固相溶接することができ、この場合α+β処理Ti−64のハブの特性はこの適用に十分である。圧縮機ロータドラムなどの部品は、イナーシャ溶接などの固相溶接接合プロセスを使用して1種以上の合金から製造することができる。イナーシャ溶接されるロータに関しては、ロータの後段階で使用される耐熱性の高い合金を有することが望ましいと思われる。
Ti−64は非常に製造性の高いα/β処理チタン合金であり、比較的等方性を有し、低密度を有し、異物損傷(FOD)に耐性があり、修復が比較的容易で、比較的低コストである。しかし、Ti−64は、肉厚断面強度及び高サイクル疲労(HCF)性能が、特に低A比(ここで、Aは両振応力を平均応力で割った比である)において制限され、FODの際に比較的高い程度に変形する。対照的に、Ti−17及びTi−6246はβ処理合金であり、Ti−64と比べて、製造は容易ではなく、β処理の結果としてより異方性(特に延性)を有し、密度が高く、FODに耐性ではなく、容易に溶接又は修復できず、コストが比較的高い。しかし、Ti−17及びTi−6246は、優れた肉厚断面強度を有し、優れたHCF性能を有し、Ti−64より優れた高温性能を有し、FOD衝撃の際Ti−64より比較的変形が少ない。
したがって、Ti−64の優れた品質(例えば、比較的等方性、比較的低密度の、FODに耐性であり、FODの際に過度に変形しない、修復可能である)を有し、Ti−17及びTi−6246の利益のいくつか(例えば、肉厚断面引張強度及びHCF強度)を有する、低コストのチタン合金の必要性が存在する。
米国特許第5118363号明細書
本発明の態様及び利点は、以下の詳細な説明或いは本発明の実施から明らかとなろう。
一実施形態では、概して、約5重量%〜約8重量%のアルミニウム、約2.5重量%〜約5.5重量%のバナジウム、約0.1重量%〜約2重量%の鉄及びモリブデンからなる群から選択される1種以上の元素、約0.01重量%〜約0.2重量%の炭素、約0.3重量%以下の酸素、ケイ素と銅、及びチタンを含むチタン合金である組成物が提供される。
一実施形態では、概して、約5重量%〜約8重量%のアルミニウム、約2.5重量%〜約5.5重量%のバナジウム、約0.1重量%〜約2重量%の鉄及びモリブデンからなる群から選択される1種以上の元素、約0.01重量%〜約0.2重量%の炭素、約0.3重量%以下の酸素、ケイ素又は銅の1種以上及びチタンを有するチタン合金からなる物品を含むタービン部品が提供される。
概して、βトランザス(変態)温度及びケイ化チタンソルバス温度を有する合金部品を製造する方法であって、βトランザス温度よりも高い温度で、約5重量%〜約8重量%のアルミニウム、約2.5重量%〜約5.5重量%のバナジウム、約0.1重量%〜約2重量%の鉄及びモリブデンからなる群から選択される1種以上の元素、約0.01重量%〜約0.2重量%の炭素、約0.3重量%以下の酸素、2重量%以下のジルコニウム及びスズからなる群から選択される1種以上の元素、ケイ素又は銅の1種以上、及びチタンを含むチタン合金インゴットを熱間加工する工程と、チタン合金インゴットを、合金のβトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度のいずれよりも低い温度で熱間加工する工程と、チタン合金インゴットを、βトランザス温度よりは高いが、ケイ化チタンソルバス温度よりも低い温度で熱間加工する工程と、チタン合金インゴットを、合金のβトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度のいずれよりも低い温度で熱間加工してビレットを形成する工程と、ビレットを、合金のβトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度のいずれよりも低い温度で熱間加工し、鍛造品を形成する工程と、鍛造品をβトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度よりも低い温度で溶体化熱処理する工程とを含む方法も提供される。
本発明のこれら及び他の特色、態様及び利点は、下記の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲参照することにより、より良く理解されるであろう。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、本発明の説明とともに、本発明の原理を説明するために機能する。
本発明とみなされる主題は、本明細書の結びの部分において特に指摘され、明確に特許請求される。本発明は、添付の図面と併せて下記の説明を参照することによって最も良く理解できると思われる。
例示的ターボファンガスタービンエンジンアセンブリの概略図である。 ブリスクの等角図である。 溶接ゾーン任意選択の位置を表す二段ブリスクの断面図である。 ベータ焼き鈍し度に対する、特定の合金組成物の最大β結晶粒径のチャートを示す図である。 アルミニウム当量及びモリブデン当量の計算値に基づく広範囲の市販の合金のプロットを示す図である。 図5を拡大した、選択された市販の合金のアルミニウム当量及びモリブデン当量部分を示す、本発明の合金例を含む部分を示す図である。
ここで、本発明の実施形態を詳細に参照し、その1以上の実施例を図面に例示する。各実施例は、本発明を説明するために提供されるものであり、本発明を特に限定されない。実際には、様々な改良及び変形が、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明において可能であることは当業者には明らかであると思われる。例えば、1つの実施形態の一部として例示又は記載された特色を別の実施形態に使用して、さらなる実施形態を得ることも可能である。したがって、本発明がこのような改良及び変形を添付の特許請求の範囲及びこれらの等価物の範囲内に入るものとして含むことが意図される。
化学元素は、元素の周期表に一般的に見出されるようなそれらの一般的化学略語を使用して、本開示において述べられる。例えば、水素はその一般的化学略語のHで表され、ヘリウムはその一般的化学略語のHeで表されるなどである。
「軸」及び「軸方向」は、本出願を通して、回転機械の回転中心軸に実質的に平行な方向及び配向を言うように使用されることを理解すべきである。「軸方向円周縁部」は、本出願を通して、回転機械の回転中心軸に実質的に垂直に配向された円周縁部を指すように使用されることも理解すべきである。「半径」及び「半径方向」という用語は、本出願を通して、回転中心軸に実質的に垂直な方向及び配向を言うように使用されることも理解すべきである。「半径方向円周平面」は、本出願を通して、回転機械の回転中心軸に実質的に垂直に配向された平面を言うように使用されることを理解すべきである。さらに、「前方」は、本出願を通して、ガスタービンエンジンの上流側で吸気側に近い方向及び位置を指すように使用され、「後方」は、本出願を通して、ガスタービンエンジンの下流側で排気側に近い方向及び位置を指すように使用されることを理解すべきである。
チタン合金に分類される組成物が、概して提供される。Ti−64の所望の特性(例えば、比較的等方性、比較的低密度、FODに対する耐性、修復可能性及び低コスト)を保ちながら、肉厚断面強度、HCF性能、クリープ強度及びFOD後の低変形を改良して、Ti−17及びTi−6246のそれらの有益な態様に近づくために、Ti−64から改良されたチタン合金で形成された部品も提供される。新しい改良されたTi−64合金のコストは、組成物を、広く利用可能なTi−64リサイクル材料を高い割合で使用できるように設計することによって最小にすることができる。さらに、ビレット及び鍛造品の処理の取り組みは、コストを最小にするために可能な限りTi−64に近づけるように維持できる。
上記のように、図1に示すようなターボファンエンジンアセンブリ内の部品は、チタン合金から構築することができる。チタン合金は、一実施形態では、約5重量%〜約8重量%のアルミニウム(例えば、約6重量%〜約7重量%のアルミニウム)、約2.5重量%〜約5.5重量%のバナジウム(例えば、約3重量%〜約5重量%のバナジウム、例えば約3.5重量%〜約4.5重量%のバナジウムなど)、約0.1重量%〜約2重量%の鉄(例えば、約0.1重量%〜約1重量%の鉄、例えば約0.1重量%〜約0.6重量%の鉄など)、約0.01重量%〜約0.2重量%の炭素(約0.01重量%〜約0.1重量%の炭素)、ケイ素又は銅の1種以上を、ケイ素及び銅の組合せ量で約0.1重量%〜約4重量%(例えば、約0.1重量%〜約2重量%のケイ素及び/又は約0.5重量%〜約4重量%の銅、例えば約0.5重量%〜約2重量%の銅など)、場合により、約0.3重量%以下の酸素(例えば、約0.2重量%以下の酸素、例えば約0.1重量%〜約0.2重量%など)、場合により約0.05重量%以下の窒素(例えば、約0.01重量%以下の窒素、例えば約0.001重量%〜約0.01重量%の窒素など)、場合により約2重量%以下のモリブデン(例えば、約0.5重量%〜約1.5重量%のモリブデン、例えば約0.5重量%〜約1重量%など)、場合により約2重量%以下のスズ(例えば、約0.5重量%〜約2重量%のスズ、例えば約0.5重量%〜約1重量%のスズなど)、場合により約2重量%以下のジルコニウム(例えば、約0.5重量%〜約2重量%のジルコニウム、例えば約0.5重量%〜約1重量%のジルコニウムなど)、場合により約2重量%以下のタングステン(例えば、約0.1重量%〜約2重量%のタングステン、例えば約0.1重量%〜約1重量%のタングステンなど)並びにバランスとしてのチタンを含む。
言い換えれば、チタン合金は、一実施形態では、チタン、約5重量%〜約8重量%のアルミニウム、約2.5重量%〜約5.5重量%のバナジウム、約0.1重量%〜約2重量%の鉄、約0.01重量%〜約0.2重量%の炭素並びにケイ素又は銅の1種以上を、ケイ素及び銅の組合せ量で約0.1重量%〜約4重量%(例えば、約0.1重量%〜約2重量%のケイ素及び/又は約0.5重量%〜約2重量%の銅)を含む。チタン合金は、場合により、約0.3重量%以下の酸素(例えば、約0.1重量%〜約0.2重量%の酸素)、約0.05重量%以下の窒素(例えば、約0.001重量%〜約0.05重量%の窒素)、約2重量%以下のモリブデン(例えば、約0.5重量%〜約1重量%モリブデン)、約2重量%以下のスズ(例えば、約0.5重量%〜約2重量%のスズ)、約2重量%以下のジルコニウム(例えば、約0.5重量%〜約2重量%ジルコニウム)、約2重量%以下のタングステン(例えば、約0.1重量%〜約2重量%のタングステン)又はこれらの組合せをさらに含んでもよい。
例えば、上記の組成範囲は下記の表1に示すように要約できる。
図2は、チタン合金から構築可能な部品の例を示し、一体化ブレード付きロータとしても公知の、単段ブリスク50の等角図を表す。このブリスク50は、回転中心軸12の周りを囲むハブ52を有しており、この軸12は図1のターボファンエンジンアセンブリ10の軸を指してもいる。翼形部60はハブ52から実質的に半径方向に伸びている。図1の高圧圧縮機20において、例えば、疲労寿命、FOD耐性、及びクリープ強度などの性能パラメーターに対してブリスクを最適化するために、ハブ52と翼形部60が異なる合金であるバイメタルブリスクが好ましいと思われる。翼形部60は、並進摩擦溶接又は線形摩擦溶接などのプロセスを利用して、ハブ52に固相溶接することができる。したがって、ハブ52には優れた肉厚断面特性を提供する材料を選択することが望ましく、翼形部60には比較的小さい断面サイズにおける優れた疲労特性及びFOD特性を提供する材料を選択することが望ましい。
図2に示す例示的実施形態では、ハブ52は本発明の合金からなり、翼形部60は市販又は従来の望ましい疲労寿命性能を有する材料、例えばTi−64などからなる。溶接後、ハブ52と翼形部60との境界面は溶接部又は熱影響部70と称することができる。この熱影響部70において、広範囲のミクロ組織と共に、ハブ及び翼形部の合金の混合物が存在する。合金の混合物及びミクロ組織の範囲は、ブリスク50のこの部分の肉厚断面疲労、FODなどを損ない得る。
別の例示的実施形態では、ハブ52及び翼形部60は共に本発明の同一の合金からなるか、或いは本発明の別々の合金からなる。ハブ52及び翼形部60が同じ発明合金である場合、部分70において、ハブ及び翼形部の合金の混合物は存在しないが、広範囲のミクロ組織が存在する。ミクロ組織のこの範囲は、この場合もブリスク50のこの部分の肉厚断面疲労、FODなどを損ない得る。
回転部品の質量を(ボルト継ぎ手の除去により)最適化するため、及び耐熱性の高い材料の利点を得るために、図1に示す高圧圧縮機20において、ブリスクの隣接段はイナーシャ溶接することができる。バイメタルハブ/翼形部と同様に、第1材料からなる前段ブリスク及び第2材料からなる後段ブリスクを有することが望ましいと思われる。図3に示すように、前段ブリスク80は本発明の合金からなり、後段ブリスク90は、従来の材料(例えばTi−17など)から作ることができる。この場合も溶接部又は熱影響部70が存在し、前段ブリスク及び後段ブリスクの合金の混合物が、材料特性が低下した領域を表す、熱影響部70において広範囲のミクロ組織と共に存在する。
他の例示的実施形態では、隣接する前段ブリスク80及び後段ブリスク90は共に本発明の同じ合金で製造してもよいし、或いは本発明の別々の合金で製造してもよい。
さらに、図2又は図3に記載の実施形態に関して、任意の合金が、単独又は市販の合金と組合せて、翼形部60、ハブ52、ブリスク50、前段ブリスク80もしくは背面段ブリスク90の1以上に使用されてもよい。図3は2段ブリスクを記載しているが、2段より多いブリスクも企図され得る。
材料は、これらの特性単独に関して選択されてもよいが、例えば炉熱処理などの処理後、並進摩擦溶接又は線形摩擦溶接に見られる、溶接により誘導される熱環境のための材料特性の喪失を補うことにも考慮すべきである。以下に述べるように、本発明の合金は、市販のチタン合金と良好に組合せて、例えば、熱処理温度と、ハブ52の材料と翼形部60の材料との間及び隣接するブリスク段80と90との材料の間の処理とをさらに整合させることによって、このバイメタル材料特性の利益を、完全に得ることができる。これらの利益は、本発明の合金を、市販のチタン合金とだけでなく、それ自体と溶接した場合にも認識できる。
次に合金の製造を見ると、これらのチタン合金のインゴット製造プロセスにおいて、ミクロ組織及びβトランザスアプローチカーブに影響を与え、ミクロ組織(αp及びラメラ形態)を精密化するために、Ti−64から元素を変更することもできる。例えば、C、O及びNの侵入元素はα安定剤として作用し、固溶強化のために存在し得る。他方で、Cu、Mo、Fe、Si及びWはβ安定化剤として作用し、焼入れ硬化性を増加するために機能可能である。しかし、Mo、Fe及び/又はWが多すぎると、密度レベルが高くなりすぎ、及び/又は固相溶接の後の急速冷却の間に有害相を形成する可能性を有することがある。例えば、Ti−64のそれ自体との固相溶接(例えば、あるディスクを別のディスクにイナーシャ溶接して、スプールを形成する、又はブレードとディスクとを並進摩擦溶接してブリスクを形成する)の後で、溶接部は、比較的容易にα相に分解され、後続の応力除去/時効処理においてβ相に析出する六方マルテンサイトαプライム(六方相)を含有し得る。Ti−64に関して、αプライムマルテンサイトの開始温度及び終了温度は室温よりも高いことに留意することは有用である。Ti−64とは対照的に、β安定化剤含有量が増加した合金は、室温以下に低下したマルテンサイト開始温度及び終了温度を有し得る。例えば、Ti−6246は、Ti−64よりも低いマルテンサイト開始温度及び終了温度を有し、高β量を保持する傾向を示し(マルテンサイト終了は室温よりも低い)、一定割合の斜方晶のマルテンサイトが形成され得る(マルテンサイト開始は室温よりも高いことを示す)。さらに、Ti−17においてAl含有量を低くして、Mo及びCrと組合せると、マルテンサイト開始及びマルテンサイト終了の両方が室温よりも低く抑えられた、より強くβ安定化された組成物が生み出され、それ故、高温からの急速焼入れの後で、例えば固相溶接において生じ得るような完全に残留β相を示す。残留β相の場合、従来の応力除去/時効熱処理の後の、所望のサイズ及び分布のα及びβ相の形成は困難であると思われる。このことは、残留β相は、微細な準安定アサーマルω相(急速焼入れ後を指して呼ばれる)又は低温、例えば、従来の応力除去及び時効熱処理温度の間に適用される温度より十分低い温度で容易に変態する準安定ω相(アサーマルω相を越えて適度に成熟したωを識別して呼ばれる)を含み得るために起こる。このω相の変態は、最終の応力除去及び時効処理の温度に上昇させる、部品の再加熱の際に起こり得る。準安定ω相の変態は、α相析出の平衡量の増加と並行して現れ、この数密度は、ω相の存在及び成熟により増加する。α相析出数の増加に対するこの早期の低温調整は、最終応力除去/時効熱処理温度まで持続し、非常に強固であるが、延性及び靱性の低い、非常に微細なα+β相ミクロ組織をもたらす。高温の応力除去/時効熱処理は、微細なα+β相溶接ミクロ組織を粗大化にするために使用できるが、これらはその後溶接点とは離れたベース金属において維持可能な特性のバランスに影響を与え得る、すなわち、溶接点から離れた場所の強度及び疲労性能を容認できないほど低下させ、溶接点における靱性が増加する。Ti−6246溶接点において形成され得る斜方晶マルテンサイトの場合、この場合もTi−64において六方晶マルテンサイトに従来の応力除去/時効熱処理を適用した場合より、同様の応力除去/時効熱処理後にこの相を平衡したα及びβ相の容認できるサイズ及び分布に分解することはより困難である。したがってこれらの事実は、ベース合金組成物の開発は、意図される製造方法の適用後に形成され得る、予想される一時的非平衡ミクロ組織、例えば、固相溶接後に自然に形成される、上記残留マルテンサイトβ+ω相ミクロ組織を考慮しなければならないことを教示している。したがって、さらなるβ安定化剤(Fe、Cu、Si及び/又はMo)を、主として六方晶の、α相プライムマルテンサイトの形成をもたらしながら(したがって、固相溶接点は、標準的応力除去/時効熱処理によりベース金属の特性に影響を与えずに強靭化することができる)、一方、Ti−64より優れた肉厚断面特性を有するように、Ti−64を超える焼入れ硬化性(微細化ミクロ組織)を提供するレベルまで加えた、新しい合金組成物を本明細書に提示する。さらに、十分レベルのβ安定化元素が、斜方晶マルテンサイト及び/又はω相が固相溶接点に生じるようにこれらのベース組成物に加えられた場合、ベース合金組成物は、ベース合金の強度及び疲労に有害な影響を与えずに、溶接点において十分高い靱性が達成可能な高温、例えば約1300°F以上において応力が除去され得、及び/又は時効され得るように設計される。言い換えると、肉厚断面部品に特に有用な新しい組成物は、Ti−6246及びTi−17などの微細α相析出により、高強度を達成する、急速冷却及び時効にあまり頼らない。むしろ、これらは、断面サイズの大きい部品に行われる溶体化熱処理温度からの冷却速度がより緩慢であっても、依然として有効な別の強化機構に頼る。
並進摩擦溶接されたバイメタルブリスクの場合、β処理Ti−17又はβ処理Ti−6246の代わりにハブとして発明の合金を使用すること、及びTi−64の翼形部としての使用は、発明の合金のハブとTi−64合金の翼形部との間の流動応力及びミクロ組織のより良好な整合をもたらすと思われる。これは、溶接プロセスの間又は後の欠陥の形成傾向の低い固相溶接点をもたらすことができる。
I.合金中に存在するケイ素の処理
上記のように、本チタン合金は、一実施形態では、約0.1重量%〜約2重量%のケイ素(例えば、約0.5重量%〜約2重量%、例えば約0.5重量%〜約1重量%など)を含む。チタン合金中のSiの包含は、固溶強化及び/又はSi含有粒子の存在による強化のために、強度の増加及びHCF強度増加可能性をもたらす。さらに、Siは、チタン合金に微細化ミクロ組織をもたらすことができ、この微細化ミクロ組織は強度の増加及びHCF強度増加可能性をもたらし得る。処理の間に、合金中のSiレベルに応じて、溶体中のSiがケイ化チタン化合物として析出できる。ケイ化チタン化合物は、チタン及びケイ素の両方を含有する任意の化合物(例えば、Ti5Si3、Ti3Siなど)であってよく、他の元素(例えば、Sn及び/又はZr)を化合物中に含んでも、含まなくてもよい。
Siがチタン合金中に成分として含まれる場合、合金組成物は、ケイ化チタン化合物のケイ化物ソルバス温度が合金のβトランザス温度より十分高いように、十分なケイ素を含むように設計されてよい。例えば、ケイ化チタン化合物のケイ化物ソルバス温度は、合金のβトランザス温度より少なくとも約50°F高い(例えば、合金のβトランザス温度より約75°F〜約400°F高い)。
ケイ化物ソルバス温度と合金のβトランザス温度との差は、β+ケイ化物相の場のインゴット/ビレットの処理を可能にする。しかし、固体化の間の偏析の結果としてインゴット内のケイ素に大きなばらつきがある場合、β+ケイ化物相の場であることが意図されるその後のビレットの処理の際に、組成物全体と比較してケイ素が空乏した局所領域において、この局所領域が実際に局所ケイ化物ソルバス温度よりも高い可能性がある。様々なケイ素含有量を有するこれらの範囲は、十分に小さく、間隔を空けた、ケイ化物粒子の体積分率及びサイズを作り出し、その後の処理の後により微細なβ結晶粒構造をもたらす、(下記の)均質化処理により低減させることができる。他方で、ケイ化物粒子の体積分率及び/又はサイズが適切でない場合、β+ケイ化物相の場においてビレットが再結晶化されていても、均一な、非常に微細なβ構造は達成できない。偏析のためにケイ素含有量が濃縮された領域はまた、βトランザス温度よりも低いことが意図される処理の間に、βトランザス温度よりも高い材料を局所的にもたらすことがある。これが起こった場合、(いずれの特定の理論にも縛られることを望むものではないが)これらのケイ素濃縮領域において、β結晶粒をピンニングするケイ化物粒子が形成されると考えられる。したがって、これらのケイ素濃縮領域が局所でβトランザス温度を超えたとしても、微細化ミクロ組織は、ビレットの鍛造、部品の鍛造及び/又は溶体化熱処理などのαβ処理の際に保持され得る。
第2相粒子の存在による結晶粒成長の遅延は、最初にツェナーにより理論的に研究された。この問題は、特定の合金系溶体は非常に複雑であり、結晶粒界の移動による粒子の相互作用を説明する多くの因子を考慮に入れるので、完全には解明されていない。それでも、一般的記載として以下の式に帰着させることができ、微細粒子の体積分率が高まるとドラッグ(drag)効果が増すことを示している。
Z=C3(γsf/d)
式中、Pz=ツェナードラッグ圧(Zener drag pressure)
3=実質的に変動可能な幾何学的定数、最大5倍
γs=結晶粒界界面エネルギー
f=第2相粒子の体積分率
d=粒子の平均直径
第2相の粒子からのドラッグの影響を参照すると、1〜10%の体積分率及び1〜10ミクロンの平均直径が一般的である。結晶粒界が、C3の値当たりを動く第2相粒子とどのように相互作用して、その周りを取り巻くのかに対して、当分野において大きな意見の相違が存在する。
図4を参照すると、2つの相材料中の、焼き鈍し温度の関数としての最大予測再結晶化β結晶粒径は、方程式:Dmax=rp/f、式中、rp=粒子半径及びf=初期体積分率により表すことができる。仮定の粒径及び体積分率を有するいくつかの合金に対する計算により、約1〜約100ミルのオーダーの再結晶化β結晶粒径が予測され得る。
したがって、特定の一実施形態では、合金組成物は、下記の処理スキームが実践的であるような、βトランザス温度より十分に高いケイ化物ソルバス温度により形成される。例えば、特定の実施形態では、本明細書に開示のチタン合金は、約1700°F〜約1950°Fのβトランザス温度及び約1775°F〜約2200°Fのケイ化物ソルバス温度を有し得る。
合金の処理に際して、Siは、固体化の間に偏析する傾向がある。したがって、任意の後続の処理工程の前に、インゴット中のSi組成物において局所的ピーク/トラフ(trough)を押しならすために、場合により均質化処理を実施してよい。すなわち、β+ケイ化物相の場において再結晶する場合、合金中でより小さいサイズのSiのより均一な分布を形成して、より微細なβ結晶粒の再結晶化の可能性を作り出すことができる。例えば、均質化処理は、合金のβトランザス温度及びケイ化チタン化合物のケイ化物ソルバス温度の両方よりも高い処理温度で実施することができる。Ti−64中のSiの拡散率は、二元系Ti−Si系から決定される拡散率より速いと思われ、均質化温度の低下及び/又は均質化時間の短縮できる可能性がある。Iijima,Y.,Lee,S.Y.,Hirano,K.(1993)Phil.Mag.A 68:pp.901−14参照(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。)。或いは、均質化処理は、ビレットの熱間加工操作の一部の後で実施してもよい。均質化処理のさらなる潜在的利点は下記の通りである:固体化の間である場合、局所ケイ素濃度が一定水準より上回り、及び/又は冷却速度は一定速度より低くなり、ケイ素に富んだ粒子が析出すると思われる。最終熱処理状態において特定のサイズ域を超えると、これらの粒子は、疲労、延性、耐衝撃性及び溶接性などの機械特性を低減させ得る。均質化処理及び場合により特定の速度を超えた制御された冷却の使用は、これらの粒子の完全な溶解又は冷却の間により微細粒子の析出のいずれかをもたらし、疲労、延性、耐衝撃性及び溶接性などの特性の改善をもたらすと思われる。後続の処理工程の間に、さらなるケイ素に富んだ粒子の形成が予想できるが、これらの粒子のサイズは、初回の固体化及び冷却の間に生成された粒子のサイズより小さいと思われる。
いずれの均質化処理が実施されても、されなくても、この合金は、合金のβトランザス温度及びケイ化チタン粒子のケイ化物ソルバス温度の両方よりも高いβ処理温度で、高温β処理に供される。例えば、高温β処理は、ケイ化物ソルバス温度よりもわずかに高い温度から数百度高い温度まで(例えば、約10°F超〜約400°F超)で実施してよい。この高温β処理は、合金が実質的にすべてβ相であることを確実にする助けとなり得る。
高温β処理の後で、合金ビレットは、合金のβトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度のいずれよりも低い温度で低温α/β加工に供することができる。このα/β加工は、その後又は後続の工程において再結晶化を少なくとも部分的に保持し、かつもたらす。
α/β加工の後で、合金ビレットは、合金のβトランザス温度よりも高く、ケイ化チタン化合物のケイ化物ソルバス温度よりも低いβ処理温度でβ処理に供することができる(例えば、焼き鈍し操作又はβ鍛造操作、Lutjering,G.,Williams,J.C.(2003)Titanium.Springer−Verlag,Berlin,及びSemiatin S.L.,et.Al,(1997)JOM 49(6),33−39を参照されたい、当文献の開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。したがって、このβ処理は、β結晶粒をより微細なサイズに再結晶化できる。上述のように、ケイ化チタン化合物の体積分率及び粒径は、ここで再結晶化されるβ結晶粒径に影響を与え得る。このβ処理工程の完了において、合金ビレットは、当業者に公知の様々な冷却技術、例えば特に限定されないが、ファンによる風、油、ガス及び水による焼入れを使用して、β処理後の冷却プロセスに供して、鍛造後に冷却された物品を製造することができる。一実施形態では、合金ビレットは、可能な限り速く冷却して、室温において形成されるミクロ組織のサイズを最小化される。焼入れの間に、β相は、βトランザス温度よりも低い温度でα相に変態を開始する。しかし、速い焼入れは、より薄いα相プレートレットの形成をもたらし、このプレートレットはその後、後続のα/β加工及び順に得られた物品中のHCFの制御において、より小さいα粒子に変態する。
その後、合金のβトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度のいずれよりも低い温度で、αプレートレットを可能な限り小さいサイズの一次(又は等軸)α粒子に変換するように設計された後続のα/β加工工程が、通常実施される。このα/β加工は、上記のβ処理工程と組合せて、先のβ結晶粒径よりはるかに小さいβ結晶粒径をもたらし、順に、大幅により微細なαコロニーサイズをもたらす(各コロニーは同様の結晶方位を有する平板の組織である)。第2のα/β処理工程の後で、一次α結晶粒径は、より薄いプレートレットで着手しているので、(α/β処理Ti−64における結晶粒径と比較して)より小さくすることができ、強度及びHCF特性の改善をもたらす。はるかにより微細なコロニーサイズは、ビレット及び部品段階において超音波検査性の改善をもたらすことにも留意すべきである。
処理されたビレットは、その後、合金のβトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度のいずれよりも低い鍛造温度で、α/β鍛造することができる。鍛造後の冷却プロセスに使用される冷却速度は、いくつかの因子に依存し得ることに留意すべきである。
鍛造後に冷却された物品は、その後、βトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度よりも低いが(例えば、βトランザス温度より約50°F〜約250°F低い温度)、α/β部品鍛造処理温度よりも高い温度で溶体化熱処理され、全体が確実に熱処理温度になるように一定時間(例えば、最大約4時間)維持し、β相のマトリックス中に一次α粒子を含有する溶体化熱処理された物品を製造する。
溶体化熱処理された物品は、溶体化後の制御された冷却プロセスに供され、溶体化後冷却物品を製造することができる。溶体化後冷却処理の冷却速度は、一般に可能な限り迅速であることが望ましい。例えば、溶体化後の制御された冷却速度は、6インチ以上のオーダーの横断面を有する物品において、概略線形冷却速度(例えば、溶体化温度より約25〜50°F低い温度から二次α粒子析出の開始まで)から計算して約100°F/分より速くてよい。例えば、水焼入れにより、冷却は可能な限り急速に行われる。しかし、物品のより厚い断面において、特に物品の厚さ内で冷却速度は必然的に遅くなる。したがって、一実施形態では、合金構造は、(これらのより厚い部分と関連して)より遅い冷却速度が、強度/優れた延性を有するHCFの改善が認められるように最小化及び/又は制御されるように、(例えば、下加工により)設計される。
溶体化熱プロセスにおける使用に適切な方法は、当業者には公知であろう。溶体化熱処理方の例としては、空気、真空又は不活性ガス(すなわち、アルゴン)雰囲気下の熱処理を挙げることができる。溶体化後の制御された冷却プロセスは、強度(特にHCF)及び所望の延性を得ることに対して最も大きな影響を有する可能性があり、この場合もファンによる風、油、ガス、ポリマー、塩及び水による焼入れなどの当業者に公知の様々な冷却技術を伴う。
或いは、溶体化熱処理は、βトランザス温度よりも高いがケイ化物ソルバス温度よりも低い温度で実施されてよい。この処理方法は、得られた構造がTi−64のβ焼き鈍し構造と同様の疲労亀裂成長特性を有するが、β結晶粒径は同様であり、Si及び/又はCu並びにFe及び/又はMoの存在、肉厚断面強度及びHCFがより優れているという点で微細結晶粒化された、β焼き鈍し構造(例えば、機体部品に好ましい)をもたらす。例えば、初回β熱間加工に続いて、βトランザス温度よりも高いがケイ化物ソルバス温度よりも低い温度で、鍛造品溶体化熱処理前にビレットから鍛造品を形成するαβ熱間加工を含む、ビレット及び鍛造品の処理は、合理化することができる。
場合により、冷却速度を増加して、強度及びHCF特性をさらに増加するために、溶体化熱処理前に鍛造品を下加工してもよい。加えてもしくは代替的に、最終鍛造操作後の荒加工を伴うことがある、鍛造後に冷却された物品の構造及び特定の冷却方法は、溶体化後の所望の制御された冷却速度域を得るために選択することができる。延性に懸念がないと思われる物品の部分において、所望の速度域より速い、溶体化後の制御された冷却速度は容認可能である。同様に、強度又はHCFの低さが許容可能であれば、所望の速度域より遅い、溶体化後の制御された冷却速度は容認可能である。
溶体化後の制御された冷却の後で、溶体化後に冷却された物品は、時効及び/又は応力除去の熱処理に、約1100°F(約593℃)〜約1350°F(約732℃)又はそれ以上の温度で約1時間〜約8時間供され、その後、制御されないほぼ室温までの冷却に供され、最終物品を製造することができる。1100°F未満の温度も使用してよいが、より長時間を必要とすることがある。Siの添加が多すぎると、ケイ化物粒子の存在のために延性及び/又は靱性の低減がもたらされる、及び/又はα相において規則正しいTi3Al粒子が形成される傾向が高くなることが知られており、例えば、Woodfield,A.P.et.al(1988)Acta Metallurgica,36(3),507−515参照(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。)。所与の組成物に関して、溶体化熱処理の間に存在する一次αの体積分率は、局所一次α組成物を固定し、したがって、後続の時効及び/又は応力除去処理の間に規則正しいTi3Al粒子が形成される傾向を固定する。規則正しいTi3Al粒子が時効及び/又は応力除去熱処理の間に形成される傾向を有する場合、温度はTi3Alのソルバス温度よりも高く上げてよい。この場合、熱処理後に冷却速度を制御して、Ti3Al粒子の形成を最小にする必要があり得る。後続の時効及び/又は応力除去温度が必要な場合、その場合は、後続の熱処理を選択する時に、Ti3Al粒子形成の度合い、及び延性及び靱性などの特性に対する影響を考える必要がある。
Ti合金にSiが含まれる場合、この合金組成物は、Siのレベルを、ケイ化物ソルバス温度がβトランザス温度よりも低いか、又はSiが完全に溶体化され得るように設計することができ、ビレット及び部品の鍛造並びにこの範囲の合金に対する熱処理の取り組みは、従来のTi−64処理と同様の様式で実施することができる。したがって、インゴットは場合により均質化され、その後、β鍛造され、次いでα−β予ひずみを受け、その後β焼き鈍し又はβ鍛造され、最終ビレット処理はβトランザス温度よりも低く実施される。すべての後続の部品鍛造及び熱処理工程は、その後βトランザス温度よりも低く実施されてよい。αβ処理及び/又は熱処理温度で存在するケイ化物はすべて、熱機械的処理及び/又は熱処理の間の局所β結晶粒粗大化及び一次α粒子粗大化を防止することができる。上記のように、Siのレベルが低かったとしても、一次α粒子の体積分率及び合金に加えられるAl、O、C及び/又はNなどの他の元素のレベルに応じて、αマトリックスの規則配列はそれでも生じることがあり得る。このことが生じた場合、時効及び/又は応力除去熱処理の温度及び/又は時間を調整する必要があり得る。
II.合金中に存在する銅の処理
Cuが合金組成物中に成分として含まれる場合、Siが存在してもしなくても、Cuは、チタン合金中に比較的低温(例えば、合金中のCuレベルに応じて約800°F〜約1000°F又はそれ以上)においてチタン銅化合物の析出(例えば、Ti2Cu)を形成でき、これにより、α相は強化され、強度及びHCF特性の改善をもたらすことができる。Cuの添加は、一次及び二次α相の両方の精密化をもたらすことができ、これにより強度及びHCF特性の改善ももたされる。
Siと同様に、Cuも固体化の間に偏析する傾向があり、それ故、上記の任意選択の均質化処理(βトランザス温度よりも高い)を、インゴット中のCu組成物のピーク/トラフを押しならすために利用しても、又は、又はインゴットをビレットに変換するビレット熱間加工操作の部分の後に実施してもよい。任意選択の均質化処理は、比較的大きなサイズの任意の一次チタン銅化合物の析出を溶解することができる。
Siが存在せずに合金中に銅が存在する場合、その場合は、合金物品を形成するプロセスは、合金Ti−64を形成するプロセス(例えば、初回β加工、α/β予ひずみ、β結晶粒再結晶化のためのβ鍛造又は焼き鈍し及び最終α/βビレット処理)及び処理前又はビレット処理部分の後の任意選択の(上記のような)均質化プロセス、並びにCuから強度特性を引き出すための、すべてのビレット及び部品処理(任意の溶接操作、例えばイナーシャ溶接を含む)後の時効処理と同様であってよい。
Cuが存在する場合、合金は、(上記のような)ビレット変換及び部材の鍛造+熱処理及び焼入れの後、さらなる低温時効処理を用いて、Ti2Cu又は他のチタン−銅含有粒子を析出させ、強度及びHCF特性の改善をもたらすように設計することができる。
例えば、銅含有チタン合金インゴットは、合金のβトランザス温度よりも高い温度で高温β処理され、次いで合金のβトランザス温度よりも低い温度で低温α/β処理され、その後、後続の高温βプロセス、その後の水焼入れを介して処理することができる。最終α/β加工は、その後、合金のβトランザス温度よりも低い温度で実施することができる。部品の鍛造は、その後、合金のβトランザス温度よりも低い温度で実施することができる。最後に、溶体化熱処理を、合金のβトランザス温度よりも低いが、α/β鍛造温度よりわずかに高い温度で実施し、次いで焼入れ(例えば、上記のような急速焼入れ)を実施することができる。溶体化熱処理焼入れ後の通常の時効/応力除去操作及び部品製造(例えば、イナーシャ、並進摩擦又は他の固相溶接もしくは融接)に伴う任意のさらなる応力除去操作の後で、チタン−銅粒子を析出させるための低温時効処理を実施することができる。
Siを含むCu含有合金に関して、ビレット及び部品の処理並びに熱処理の取り組みは、最終析出の時効熱処理がCu含有析出を引き出すために必要であることを除いて、Si添加のレベルに応じて、Si含有合金の上述の考察に従う。チタン−銅粒子を析出させるためのこの低温熱処理は、部品製造(例えば、イナーシャ、並進摩擦又は他の固相溶接もしくは融接)に伴う任意のさらなる応力除去操作と組合せても、又はその後で実施してもよい。先に述べたように、Siを添加した場合、一次α粒子の体積分率並びに合金に加えられるSi及びAl、O、C及び/又はNなどの他の元素のレベルに応じて、一次αマトリックスの規則配列が生じることがあり得る。この規則配列が生じた場合、時効及び/又は応力除去処理の温度及び/又は時間を調整する必要があり得る。
III.他の合金成分
上述のように、Snは場合により合金組成物に含まれてよく、Si含有合金においてケイ化チタン(例えば、Ti5Si3)相をよりも高温で安定化させるために潜在的に機能できる。したがって、Snは、処理の間、特に合金のβトランザス温度よりも高いが、ケイ化チタンソルバスのケイ化物ソルバス温度よりも低いβ処理温度におけるβ処理の間にビレット変換のためのより幅広いプロセスを可能にするために、βトランザス温度より十分高いケイ化物ソルバス温度を維持するように作用できる。
同様に、Zrは、場合により合金組成物内に含まれてよく、Si含有合金中のケイ化チタン相(例えば、Ti5Si3)のための成分を安定化するように、特に昇温において潜在的に機能することができる。
上で述べたように、炭素は、場合により合金組成物中に、約0.01重量%〜約0.2重量%(約0.01重量%〜約0.1重量%の)の量で存在してもよい。一実施形態では、炭素の量は、強度及びHCF特性を増加させるために、通常Ti−64に見出される公称レベル〜約1000wppm又はそれ以上(しかし、チタン炭素含有化合物のソルバス、例えば、Ti2Cよりも低い)に増加することができる。或いは、合金中のCの量はチタン炭素含有化合物のソルバスより多く増加することができ、ここでチタン炭素含有化合物のソルバス温度βトランザス温度よりも高い。この場合、チタン炭素含有化合物の粒子は、Siに関して上に記載したことと同様に使用及び処理することができる。すなわち、チタン炭素含有化合物の粒子を使用して、前のβ結晶粒径より可能な限り微細粒子を得るための、ビレット変換の間のβ再結晶化を制御することができる。合金中のCのこの使用は、Si(β結晶粒径の調節)及び/又はCu(析出強化のため)と併せて使用可能である。Ti合金へのCの添加は、βトランザス温度を上げて、比較的浅いβアプローチカーブをもたらす傾向があることが知られている。このことは、βトランザス温度より比較的かなり低い温度で、比較的低い体積分率の一次α粒子を存在させ、実用規模において達成可能なミクロ組織の範囲を増加させる。α相における固溶性限界が低い場合、Cの添加は、一次及び二次α相における固溶体中のCの組合せによる、強度及びHCFなどの特性の増加並びに微細化一次α結晶粒径をもたらし得る。Siの添加の場合と同じように、Cのレベルが多すぎると、一次α相において規則正しいTi3Al粒子が形成される傾向が高くなるため、延性及び/又は靱性の低減がもたらされることがあり得る。規則正しいTi3Al粒子が時効及び/又は応力除去熱処理の間に形成される傾向を有する場合、温度はTi3Alのソルバス温度よりも高く上げてよい。この場合、熱処理後に冷却速度を制御して、Ti3Al粒子の形成を最小にする必要があり得る。後続の時効及び/又は応力除去温度が必要な場合、その場合は、後続の熱処理を選択する時に、Ti3Al粒子形成の度合い、及び延性及び靱性などの特性に対する影響を考える必要がある。
上で述べたように、酸素は、場合により合金組成物中に約0.3重量%以下又は約0.1重量%〜約0.2重量%で存在してよい。Si添加の場合と同じように、Oのレベルが多すぎると、一次α相において規則正しいTi3Al粒子が形成される傾向が高くなるため、延性及び/又は靱性の低減がもたらされることがあり得る。規則正しいTi3Al粒子が時効及び/又は応力除去熱処理の間に形成される傾向を有する場合、温度はTi3Alのソルバス温度よりも高く上げてよい。この場合、熱処理後に冷却速度を制御して、Ti3Al粒子の形成を最小にする必要があり得る。後続の時効及び/又は応力除去温度が必要な場合、その場合は、後続の熱処理を選択する時に、Ti3Al粒子形成の度合い、及び延性及び靱性などの特性に対する影響を考える必要がある。
上で述べたように、Fe及びMoは、場合により、個々に、又は組合せて[Feに関しては約0.1重量%〜約2重量%の鉄(例えば、約0.1重量%〜約1重量%、例えば約0.1重量%〜約0.6重量%など)及びMoに関しては、約2重量%以下(例えば、約0.5重量%〜約1.5重量%、例えば約0.5重量%〜約1重量%など)]の量で存在してよい。Fe及びMoは共にβ安定剤であり、合金のβトランザス温度を下げる傾向があると思われる。
α安定剤(「アルミニウム当量」として表され、Aleq=Al+1/3×Sn+1/6×Zr+10×O+20×N+20/3×Cにより定義され、式中各元素は重量パーセントで表されている)及びβ安定剤(「モリブデン当量」で表され、Moeq=Mo+2/3×V+2.9×Fe+1.6×Cr+0.28×Nb+10/13×Cuにより定義され、式中各元素は重量パーセントで表されている)がチタン合金に含まれてよい。アルミニウム当量又はモリブデン当量のいずれにおいてもSiに関する係数は存在せず、一次αマトリックスにおいて規則正しいTi3Al粒子が形成される傾向が高いことに基づき、Siはアルミニウム当量に組み込まれるべきであると思われる。図5は、上記の定義のアルミニウム当量及びモリブデン当量に基づきプロットされた広範囲の市販のチタン合金を示す。ゾーン1は、β安定剤含有量が低く、肉厚断面サイズにおいて通常あまり硬化性ではない、近α型市販合金を含む。これらの合金は、ブリスクのためのハブ材料として使用することができるが、焼入れ硬化性の限界及び肉厚断面サイズにおける疲労特性が比較的不足であることの結果として、それらの適用は限定されることがある。ゾーン1の合金は、固相溶接の結果として、焼入れ後に主に六方晶マルテンサイト構造を形成することができる。固相溶接点は、溶接部及び熱影響部から離れたベース合金の特性を低下させない温度における時効により、通常強靭化される。固相溶接点は、溶接点の近位の材料にだけ影響を与える局所熱処理により強靭化できるが、残留応力の制御を含む、この取り組みを取り巻く制御上の問題点が存在することに留意されたい。したがって、溶接部品全体を熱処理することがより望ましいと思われる。
ゾーン2は、β安定剤含有量が多く、焼入れ及び時効後に肉厚断面サイズにおいて通常硬化性である、β型又は近β型の市販合金を含む。ゾーン2のTi−17などの合金は、それらの優れた焼入れ硬化性の結果として、ブリスクのためのハブとして使用できる。ゾーン2の合金は、固相溶接の結果として、焼入れ後に残留β相を形成することができる。残留β相溶接点は、溶接点から離れたベース合金より強度が低いことがあり、溶接点の強度を上げるための溶接後時効を必要とする。低温における時効は、超微細なα相又はω相の析出の結果として、溶接点において過度の硬化をもたらし得る。高温における時効は、靱性の溶接点をもたらし得るが、ベース合金の組成に応じて溶接点を強靭化するために使用される高時効温度により、溶接点から離れたベース金属に強度及び疲労の低下をもたらし得る。
ゾーン3は、β安定剤含有量が中間レベルで、焼入れ及び時効後に中間の断面サイズまでが硬化性である、α+β合金を含む。図5及び6のゾーン3は、点線で示され、ゾーン1及び2を描くように示された境界まで広げてもよいことに留意されたい。ゾーン3のTi−6246などの合金は、それらの焼入れ硬化性の結果として、ブリスクのためのハブ材料として使用できる。ゾーン3の合金は、固相溶接の結果として焼入れ後に、斜方晶マルテンサイト、六方晶マルテンサイト及び/又は残留β相の組合せを形成することができる。溶接点は、溶接点から離れたベース合金よりも高い強度を有することがあり、溶接点熱処理後に溶接点の強度の低下を必要とする。高温における時効は、強度を低下させ、溶接点を強靭化するために必要と思われるが、ベース合金の組成に応じて、溶接点を強靭化するために使用される高温の時効が、概溶接点から離れたベース金属において強度及び疲労の低下をもたらし得る。上述のように、固相溶接点は、溶接点の近位の材料にだけ影響を与える局所熱処理により強靭化できるが、残留応力の制御を含む、この取り組みを取り巻く制御上の問題点が存在する。したがって、溶接部品全体を熱処理することがより望ましいと思われる。
図6は、図5の下部を示し、ゾーン1及び3を中心として、下記の表2由来の実験的合金を示す。これらの実験的合金は、β安定剤含有量の増加の結果として、Ti−64を超える焼入れ硬化性の増加を有するが、固相溶接された部品の熱処理は、溶接点から離れたベース合金の特性を低下させずに固相溶接点を強靭化させる高い時効温度もさらに有する。
実験的合金が、大きい断面サイズのブリスクなどの肉厚断面適用に対して不十分な強度及び疲労特性を有する場合、さらなる処理工程を加えて、合金がケイ素、銅又はケイ素及び銅の両方を含有しているかどうかにかかわらず、一次α結晶粒径を精密化することができる。表2は、室温、HCFスムースバー、A比=1を用いた、リニアインターセプト法による測定で約15ミクロン及び約2ミクロンの2種の異なる一次α結晶粒径に処理された肉厚断面Ti−64鍛造物に対する1000万サイクルにおけるランナウト応力を要約している。一次α結晶粒径を低減する鍛造方法は、特に限定されないが、低い最終α/β鍛造温度における処理、又は多方向における鍛造を含み、例えば、米国特許出願第2014/0261922号、欧州特許第1546429号及び米国特許出願第2012/0060981号を参照されたい。表2は、約7分の1の一次α結晶粒径の低減が、約30%のHCF強度の増加をもたらすことを示す。したがって、一次α結晶粒径を精密化するためのさらなる処理は、特性のバランスが増強された部品をもたらし得る。
IV.合金部品
図1は、回転中心軸12を有する例示的ターボファンエンジンアセンブリ10の概略図である。例示的実施形態では、ターボファンエンジンアセンブリ10は、吸気側14及び排気側16を有する。ターボファンエンジンアセンブリ10は、高圧圧縮機20、燃焼器22及び高圧タービン24を備えたコアガスタービンエンジン18もさらに備えている。さらに、ターボファンエンジンアセンブリ10は、コアガスタービンエンジン18から軸方向下流に配置された低圧タービン26及びコアガスタービンエンジン18から軸方向上流に配置されたファンアセンブリ28を備える。ファンアセンブリ28は、ロータハブ32から半径方向外側に伸びるファンブレード30の配列を備える。さらに、ターボファンエンジンアセンブリ10は、ファンアセンブリ28と低圧タービン26との間に配置された第1のロータシャフト34及び高圧圧縮機20と高圧タービン24との間に配置された第2のロータシャフト36を、ファンアセンブリ28、高圧圧縮機20、高圧タービン24及び低圧タービン26が直列流体連通でターボファンエンジンアセンブリ10の回転中心軸12に関して共軸配列されるように備える。
操作の間に、空気が吸気側14から進入し、ファンアセンブリ28から高圧圧縮機20に流動する。圧縮空気が燃焼器22に送達される。燃焼器22からの気流が、排気側16を通ってターボファンエンジンアセンブリ10を出る前に高圧タービン24及び低圧タービン26を駆動させる。
高圧圧縮機20、燃焼器22、高圧タービン24及び低圧タービン26は各々、少なくとも1つロータアセンブリを備える。回転アセンブリ又はロータアセンブリは、ターボファンエンジンアセンブリ10内のそれらの軸方向相対的位置に応じて、一般に様々な温度に供される。例えば、例示的実施形態では、ターボファンエンジンアセンブリ10は、一般に、前方のファンアセンブリ28に向かうに従って低い動作温度を有し、後方の高圧圧縮機20に向かうに従って高い動作温度を有する。したがって、高圧圧縮機20内のロータ部品は、一般に、ファンアセンブリ28のロータ部品用の材料よりも高い温度に耐え得る材料からなる。
ターボファンエンジンアセンブリ10はこの種の回転機械の1つの部材を表すが、他の部材としては、陸上用ガスタービン、ターボジェット、ターボシャフトエンジン、アンダクテッドエンジン、アンダクテッドファン、固定翼及びプロペラロータ並びに分散型のファン又はポッドなどの分散型推進器などが挙げられる。本発明の実践は、このような回転機械の動作に有用な回転機械部材の形態の部品の製造及び使用を含んでいることは当業者には理解されるであろう。例示的回転機械部材としては、例えば、ディスク、ブリスク、翼形部、ブレード、ベーン、一体型ブレード付きロータ、フレーム、フェアリング、シール、ギヤボックス、ケース、マウント、シャフトなどが挙げられる。
同様に、本発明の実践は、例えば、スパー、リブ、フレーム、ボックス、パイロン、胴体、スタビライザ、アンダーキャリッジ、翼、シートトラック及びフェアリングなどを含む機体部材の形態の部品の製造及び使用を含んでいることは当業者には理解されるであろう。
さらに、図2の翼形部60などの物品を有する部品は、この発明的合金で製造できる。物品実施例は、肉厚断面を有し、鋳造又は鍛造可能であり、又は航空宇宙用構造鋳物であってよい。
表3は、例示的チタン合金、比較対照用合金及び発明的合金の両方と、Ti−64とを比較している。
表4、5及び6は、表3に記載した合金のいくつかに関する、溶体化熱処理からの冷却速度の関数としての、室温、300°F及び600°Fにおける引張特性を示す。Ti−64、合金Aのベースラインと比較して、約130°F/分の緩慢な冷却速度において、室温において試験した合金G(Ti−64+Fe、Mo及びSi)及びJ(Ti−64+Fe、Mo、Si及びCu)は、わずかに低い塑性伸びを示したが、最大の、25〜30ksiオーダー高い0.2%降伏強度を有することが見られる。
表7は、室温から600Fまでの昇温における引張弾性率に関して、その特性に対する合金化の効果を示す。C、Fe及びMoがSiと併せて添加された場合、室温及び600Fにおいて引張弾性率のわずかな上昇がある。C、Fe、Mo及びCuがTi−64ベースに添加された場合も同様に、室温及び600Fにおいて引張弾性率のわずかな上昇がある。弾性率の増加は、ブリスクに適用した場合の翼形部の応力減少の可能性をもたらし、軽量及び性能の改善を有するように設計されたより薄い翼形部が可能になる。
表8は、応力集中係数約2(Kt)、A比=無限大及び0.5による切欠試片に対する、1000万サイクルの室温HCFランナウト応力を示す。A=無限大において、約45%の改善が、1000万サイクルHCFランナウト応力に見られ、一方、A=0.5において、1000万サイクルHCFランナウト応力の改善は約10%である。
異物損傷(FOD)に対する耐性を、圧縮ガス弾道装置を使用して、約0.175”の鋼のボールベアリングを合金A、G、J及びK試験片に約600〜約1000フィート/秒の速度域で発射して評価した。
ベースラインTi−64(合金A)は、約800ft/秒以下で差し込みを示さなかった。約1000ft/秒において差し込みが起こったが、半径方向亀裂は観察されなかった。合金G、J及びKは、すべての試験速度において同等又はより優れた結果を示し、着弾地点の周りの変形は同様か又は少なかった。合金Jの場合、ボールは約1000ft/秒において差し込まれず、高衝撃ひずみ速度において強度及び延性の優れた組合せが関与したことを意味している。
本発明を1以上の特定の実施形態に関して記載してきたが、他の形態が当業者により採用可能なことは明らかである。本明細書に記載の組成物と併せた「含んでいる(comprising)」の使用が、組成物が指名された成分「から本質的になる」(すなわち、指名の成分を含有し、開示された基本的及び新規な特徴に大幅に有害な影響を与える他の成分を含有しない)実施形態及び組成物が指名の成分「からなる」(すなわち、指名の成分の各々に天然かつ必然的に存在する混入物を除き指名の成分だけを含有する)実施形態を特に開示し、含むことを理解するべきである。
本明細書は、最良の様式を含む本発明を開示するため、及びどのような当業者も、任意の装置又は系の作製及び使用並びに任意の組み込まれた方法の実行を含む本発明の実践を可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許となり得る範囲は特許請求の範囲により規定され、当業者が思いつく他の実施例を含み得る。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文面と異ならない構造要素を含む場合、又は特許請求の範囲の文面と非実質的な相違を有する等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。

Claims (20)

  1. 約5重量%〜約8重量%のアルミニウム、約2.5重量%〜約5.5重量%のバナジウム、約0.1重量%〜約2重量%の鉄及びモリブデンからなる群から選択される1種以上の元素、約0.01重量%〜約0.2重量%の炭素、約0.3重量%以下の酸素、ケイ素及び銅、及びチタンを含むチタン合金。
  2. 約5.5重量%〜約6.75重量%のアルミニウムを含む、請求項1記載のチタン合金。
  3. 約3.5重量%〜約4.5重量%のバナジウムを含む、請求項1記載のチタン合金。
  4. 約0.1重量%〜約1重量%の鉄を含む、請求項1記載のチタン合金。
  5. 1重量%以下のモリブデンを含む、請求項1記載のチタン合金。
  6. 約0.01重量%〜約0.1重量%の炭素を含む、請求項1記載のチタン合金。
  7. 2重量%以下のジルコニウム及びスズからなる群から選択される1種以上の元素をさらに含む、請求項1記載のチタン合金。
  8. 約5重量%〜約8重量%のアルミニウム、約2.5重量%〜約5.5重量%のバナジウム、約0.1重量%〜約2重量%の鉄及びモリブデンからなる群から選択される1種以上の元素、約0.01重量%〜約0.2重量%の炭素、約0.3重量%以下の酸素、ケイ素又は銅の1種以上及びチタンを有するチタン合金からなる物品を含む部品。
  9. 物品が肉厚断面をさらに備える、請求項8記載の部品。
  10. 物品が鋳造又は鍛造される、請求項8記載の部品。
  11. 物品が航空宇宙用構造鋳物である、請求項8記載の部品。
  12. 銅が存在しない場合、チタン合金が約0.01重量%〜約2重量%のケイ素を含む、請求項8記載の部品。
  13. 銅が存在する場合、チタン合金が1重量%以下のケイ素を含む、請求項8記載の部品。
  14. ケイ素が存在しない場合、チタン合金が約0.5重量%〜約2重量%の銅を含む、請求項8記載の部品。
  15. ケイ素が存在する場合、チタン合金が2重量%以下の銅を含む、請求項8記載の部品。
  16. チタン合金が、2重量%以下のジルコニウム及びスズからなる群から選択される1種以上の元素をさらに含む、請求項8記載の部品。
  17. 物品が、ディスク、ブリスク、翼形部、ブレード、ベーン、一体型ブレード付きロータ、フレーム、フェアリング、ギヤボックス、シール、ケース、マウント及びシャフトからなる群から選択される回転機械部材の形態で製造される、請求項8記載の部品。
  18. 物品が、スパー、リブ、フレーム、ボックス、パイロン、胴体、スタビライザ、アンダーキャリッジ、翼、シートトラック及びフェアリングからなる群から選択される機体部材の形態で製造される、請求項8記載の部品。
  19. βトランザス温度及びケイ化チタンソルバス温度を有する合金部品の製造方法であって、
    βトランザス温度よりも高い温度で、約5重量%〜約8重量%のアルミニウム、約2.5重量%〜約5.5重量%のバナジウム、約0.1重量%〜約2重量%の鉄及びモリブデンからなる群から選択される1種以上の元素、約0.01重量%〜約0.2重量%の炭素、約0.3重量%以下の酸素、2重量%以下のジルコニウム及びスズからなる群から選択される1種以上の元素、ケイ素又は銅の1種以上、及びチタンを含むチタン合金インゴットを熱間加工する工程と、
    チタン合金インゴットを、合金のβトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度のいずれよりも低い温度で熱間加工する工程と、
    チタン合金インゴットを、βトランザス温度よりは高いが、ケイ化チタンソルバス温度よりも低い温度で熱間加工する工程と、
    チタン合金インゴットを、合金のβトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度のいずれよりも低い温度で熱間加工してビレットを形成する工程と、
    ビレットを、合金のβトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度のいずれよりも低い温度で熱間加工し、鍛造品を形成する工程と、
    鍛造品をβトランザス温度及びケイ化物ソルバス温度よりも低い温度で溶体化熱処理する工程と
    を含む方法。
  20. 溶体化熱処理後に鍛造品の均質化工程をさらに含む、請求項19記載の合金部品の製造方法。
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