JP2009149976A - 三元ニッケル共晶合金 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガンマ相中に高い体積分率のガンマプライム相強化析出物を析出させるニッケルベース超合金のグレイン構造を、合金組成と熱処理パラメータを制御することによって強度及び低サイクル疲労性能及び/又は疲労亀裂成長及びクリープ変形に対する耐性を最適化するように設計し、ガスタービンエンジンの高圧コンプレッサーディスク及び/又は高圧タービンディスクを提供する。
【解決手段】4.5〜11wt%のクロム、1〜6wt%のコバルト、1〜4wt%のアルミニウム、0〜1.5wt%のチタン、0〜3wt%のタンタル、16〜22wt%のニオブ、0〜3wt%のモリブデン、0〜4wt%のタングステン、0〜1wt%のハフニウム、0〜0.1wt%ジルコニウム、0〜0.1wt%のケイ素、0.01〜0.1wt%の炭素、0〜0.01wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる三元ニッケル共晶合金。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は三元ニッケル共晶合金に関する。
従来、ガスタービンエンジンの高圧コンプレッサーディスク及び/又は高圧タービンディスクは高強度ニッケルベース超合金を含んで成る。これら高強度ニッケルベース超合金は耐熱性の成分を高いレベルで使用して高度に合金化されて、強度が高められ、ガンマ相中に高い体積分率のガンマプライム相強化析出物を析出させる。これら高度に合金化されたニッケルベース超合金のグレイン構造は、熱処理パラメータを制御することによって強度及び低サイクル疲労性能及び/又は疲労亀裂成長及びクリープ変形に対する耐性を最適化するように設計されている。
高度に合金化されたニッケルベース超合金における高温強度は、第一に、微細構造全体、例えばガンマ相における高体積分率の金属間ガンマプライム相析出物の存在による析出強化と組み合わされた高レベルの耐熱合金化添加物による。これらニッケルベース超合金における耐熱性合金化成分の総量が増加すると、その微細構造は熱力学的に不安定になり、その結果、操作中に微細構造の変化が起こり機械的性能が低下する。
将来のガスタービンエンジンのタービンディスク及び/又はコンプレッサーディスクは、より高い温度及び/又はより高い応力で操作できることが求められる。現存のニッケルベース超合金はこれら将来の要求を満たすことができないであろう。
従って本発明の目的は新規な三元ニッケル共晶合金を提供することである。
従って本発明は、4.5〜11wt%のクロム、0〜6wt%のコバルト、1〜4wt%のアルミニウム、0〜1.5wt%のチタン、0〜3wt%のタンタル、16〜22wt%のニオブ、0〜3wt%のモリブデン、0〜4wt%のタングステン、0〜1wt%のハフニウム、0〜0.1wt%ジルコニウム、0〜0.1wt%のケイ素、0.01〜0.1wt%の炭素、0〜0.01wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる三元ニッケル共晶合金を提供する。
好ましくは三元ニッケル共晶合金は、5〜10wt%のクロム、0〜6wt%のコバルト、1〜3wt%のアルミニウム、0〜1.5wt%のチタン、0〜3wt%のタンタル、18〜22wt%のニオブ、0〜3wt%のモリブデン、0〜4wt%のタングステン、0〜1wt%のハフニウム、0〜0.1wt%のジルコニウム、0〜0.1wt%のケイ素、0.01〜0.1wt%の炭素、0〜0.01wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる。
好ましくは三元ニッケル共晶合金は、5.5〜9.5wt%のクロム、0〜6wt%のコバルト、1〜2.5wt%のアルミニウム、0〜1.5wt%のチタン、0〜3wt%のタンタル、18〜22wt%のニオブ、0〜3wt%のモリブデン、0〜4wt%のタングステン、0〜1wt%のハフニウム、0〜0.1wt%のジルコニウム、0〜0.1wt%のケイ素、0.01〜0.1wt%の炭素、0〜0.01wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる。
三元ニッケル共晶合金は、6.0wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、20.5wt%のニオブ、0.01wt%の炭素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなってもよい。
三元ニッケル共晶合金は、6.0wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、3wt%のタンタル、18wt%のニオブ、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなってもよい。
三元ニッケル共晶合金は、9.1wt%のクロム、1.0wt%のアルミニウム、20.1wt%のニオブ、0.06wt%の炭素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなってもよい。
三元ニッケル共晶合金は、5.9wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、0.2wt%のチタン、2.5wt%のタンタル、19.5wtのニオブ、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び偶発的不純物からなってもよい。
三元ニッケル共晶合金は、5.9wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、2.5wt%のタンタル、22.0wt%のニオブ、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなってもよい。
三元ニッケル共晶合金は、5.6wt%のクロム、2.3wt%のアルミニウム、2.2wt%のタンタル、20.0wt%のニオブ、1.6wt%のタングステン、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなってもよい。
好ましくは三元ニッケル共晶合金は、ガンマ相、ガンマプライム相、及びデルタ相を含む。
好ましくは、デルタ相及びガンマ相がラメラ構造を形成し、ガンマプライム相がガンマ相中に分離した析出物を形成している。
好ましくは三元ニッケル共晶合金は、28〜45vol%のデルタ相析出物及び30〜35vol%のガンマプライム相析出物を含む。
本発明を添付の図面を参照して例示の方法でより詳細に説明する。
図1に示されているように、ターボファン・ガスタービンエンジン10は、軸流で直列に入口12、ファン区分14、コンプレッサ区分16、燃焼区分18、タービン区分20と排気22とを含む。このターボファン・ガスタービンエンジン10は慣用のものであるので、詳細は記載しない。
タービン区分20は、本発明に従った三元ニッケル共晶合金を含む、図2にもっとはっきりと示されている一つ以上のタービンディスク24を含む。
本発明の三元ニッケル共晶合金は擬似(pseudo)三元ニッケル共晶合金であり、ニッケル−アルミニウム−クロム−ニオブ系に基づく。共晶(eutectic)は、最低融点を有する組成において2以上の相の混合物であり、これら相はこの温度で溶融液から同時に結晶化する。共晶を得るための複数の相の適切な比率は、状態図(phase diagram)上の共融点によって同定される。代表的には共晶変化の固体生成物はしばしばそれらのラメラ構造によって同定される。共晶合金の特徴の一つは、それらの鋭い融点である。
ニッケル−アルミニウム−クロム−ニオブ系から誘導される三元共晶合金の微細構造は、ガンマプライム相析出物及びデルタ相析出物の両方の高い体積分率によって強化される。金属間(intermetallic)析出物の増大した体積分率はより高い強化の度合いを与え、慣用のガンマ及びガンマプライム相ニッケルベース超合金と比べたときに高温でも強度を維持することができる。高温に長時間暴露した後に熱力学的な微細構造の不安定状態を示し得る高度に合金化されたニッケルベース超合金とは違って、三元共晶合金の微細構造は三元共晶合金の融点に近い温度まで安定である。ガンマプライム相及びデルタ相の両方は整理されて、変形に対する高い耐性を有する高いAPBエネルギーを有する金属間相となる。
ガンマ相、ガンマプライム相及びデルタ相に基づく三元共晶合金は、Ni:Al及びNi:Nbの比が注意深く制御される限られた組成範囲にわたって存在する。熱処理が析出物のモルフォロジー、形及び分布を制御するために使用される代表的なニッケルベース超合金とは違って、三元共晶合金における各相は、凝固の際に同時に形成され、その温度範囲にわたって安定であり続ける。組成条件と凝固条件に応じてデルタ相とガンマ相はラメラ構造を形成し、一方、ガンマプライム相はガンマ相内に分離した析出物として形成する。三元共晶合金の複合微細構造は凝固の際にインサイチューで(in situ)形成し、慣用のニッケルベース超合金よりもずっと高い強度を与え、三元共晶合金は高温用途、例えば、ガスタービンエンジンのタービン内の用途に適している。
本発明は、凝固の際に又は粉末処理の後に複合ガンマ−ガンマプライム−デルタ微細構造を形成する新規なニッケルベース超合金を含む。代表的にはガンマプライム相は、ラメラ構造におけるデルタ相内の不連続相を形成する。代表的には、ガンマプライム相の組成はNiAlであり、デルタ相の組成はNiNbである。ガンマプライム形成元素、例えば、チタン、タンタルなどは、ある三元共晶合金組成に関してアルミニウムの代わりに置き換えられることができて、さらに強度が向上する。クロム添加物は熱時腐食に対する耐性を向上させるために導入される。
これら三元共晶合金は、タービンディスク用に使用される先発多結晶ニッケルベース超合金に一般に採用される技術を使用して加工できる。三元共晶合金は鋳造及び鍛錬法(cast and wrought methods)によって適切な加工パラメータ(例えば熱処理)を選択することを通じて製造されることができる。さらに三元共晶合金は粉末冶金によって製造されることができる。
ガンマ−ガンマプライム−デルタ系に基づくこれら三元共晶合金は、慣用のニッケルベース超合金よりもずっと高い強度を有し、慣用のニッケルベース超合金よりも実質的に高い温度性能を与える。デルタ相及びガンマプライム相の高い体積分率はインサイチューの複合微細構造を形成し、この微細構造が高い引張強度と高いクリープ強度を有する。これら三元共晶合金の微細構造は熱力学的に安定であり、有害なトポロジー的に密閉された(TCP)相の析出又は高温での劣化を受けにくい。ニッケルベース超合金は高度に合金化され、耐熱性元素の高いレベルを含み、凝固により誘発される欠点を回避するために費用のかかる粉末冶金技術によって加工することが求められる。これら三元共晶合金は、潜在的には、慣用の鋳造及び鍛錬技術によって加工されることができる。また、密な耐熱性元素(例えばレニウム)が存在しないと三元共晶合金のコストは低くなる。
三元共晶合金の包括的な長所は、最適な単軸の機械的性質のために求められる加工が最小であることである。三元共晶合金は、高価な耐熱性元素が無いことに起因して、慣用のニッケルベース超合金よりも低コストである。三元共晶合金は慣用のニッケルベース超合金よりも低密度である。凝固の際の樹枝状分離(dendritic segregation)が最小であり、これがマクロ/ミクロ分離に関する心配を取り除き、鋳造及び鍛錬技術による加工が可能になる。三元共晶合金は高温で微細構造が安定であり、それ故に望ましくないTCP相の析出が無く、平衡なこれらの相は融点までの全ての温度で安定である。三元共晶合金は増大したOrowan強化に起因して引張強度及びクリープ強度が慣用の多結晶ニッケルベース超合金に比べて非常に高められており、固溶強化が相対的に小さい。三元共晶合金は金属間強化相の高い体積分率、おおよそ、28〜45vol%のデルタ相析出物及び30〜35vol%のガンマプライム相析出物を有する。
図3は本発明に従った三元ニッケル共晶合金の代表的構造の顕微鏡写真を示す。ガンマ相A、ガンマプライム相B及びデルタ相Cが明瞭に示されている。
図4は本発明に従った三元ニッケル共晶合金及び慣用のニッケルベース超合金の引張応答を比較するグラフである。特にそれは、本発明に従った指向的に凝固された三元ニッケル共晶合金及び微細グレインを有する合金T+及び粗いグレインを有する合金T+について1000℃までの様々な温度でMPa単位で0.2%降伏応力を比較する。合金T+は欧州特許EP1193321B1に記載されたニッケルベース超合金である。このグラフから三元ニッケル共晶合金が室温及びより高い温度(600℃〜1000℃)で非常に良好な降伏応力を有することが明らかである。これは三元ニッケル共晶合金がより高い温度で操作できることを示している。
図5は本発明に従った三元ニッケル共晶合金及び慣用のニッケルベース超合金のクリープ応答を比較するグラフである。特にそれは、本発明に従った指向的に凝固された三元ニッケル共晶合金及び微細グレインを有する合金T+及び粗いグレインを有する合金T+についてLMP(ここで、LMP=T(20+Log(t))/1000[K hr]、T=温度、t=時間)に対するMPa単位の応力をプロットする。このグラフから三元ニッケル共晶合金が非常に良好なクリープ応答を有することが明らかである。
グレイン境界分離元素、例えばホウ素及び/又は炭素などを少量三元ニッケル共晶合金に添加することによって制限されていた引張延性が改善する。これらグレイン境界分離元素の存在は知られており、グレイン境界拡散を低減し、グレイン境界凝集を増大させ、グレイン境界表面エネルギーを低減する。クロムを三元共晶合金に添加して酸化及び/又は腐食耐性を増大させる。クロムはガンマ相に分離することが知られている。
本発明の広い範囲に従う三元ニッケル共晶合金は、4.5〜11wt%のクロム、0〜6wt%のコバルト、1〜4wt%のアルミニウム、0〜1.5wt%のチタン、0〜3wt%のタンタル、16〜22wt%のニオブ、0〜3wt%のモリブデン、0〜4wt%のタングステン、0〜1wt%のハフニウム、0〜0.1wt%ジルコニウム、0〜0.1wt%のケイ素、0.01〜0.1wt%の炭素、0〜0.01wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる。
本発明の中間の範囲に従う三元ニッケル共晶合金は、5〜10wt%のクロム、0〜6wt%のコバルト、1〜3wt%のアルミニウム、0〜1.5wt%のチタン、0〜3wt%のタンタル、18〜22wt%のニオブ、0〜3wt%のモリブデン、0〜4wt%のタングステン、0〜1wt%のハフニウム、0〜0.1wt%のジルコニウム、0〜0.1wt%のケイ素、0.01〜0.1wt%の炭素、0〜0.01wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる。
本発明の狭い範囲に従う三元ニッケル共晶合金は、5.5〜9.5wt%のクロム、0〜6wt%のコバルト、1〜2.5wt%のアルミニウム、0〜1.5wt%のチタン、0〜3wt%のタンタル、18〜22wt%のニオブ、0〜3wt%のモリブデン、0〜4wt%のタングステン、0〜1wt%のハフニウム、0〜0.1wt%のジルコニウム、0〜0.1wt%のケイ素、0.01〜0.1wt%の炭素、0〜0.01wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる。
本発明は三元ニッケル共晶合金の6つの例を提供する。
合金V204Aは6.0wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、20.5wt%のニオブ、0.01wt%の炭素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる。
合金V204Bは、6.0wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、3wt%のタンタル、18wt%のニオブ、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる。
合金V204Cは、9.1wt%のクロム、1.0wt%のアルミニウム、20.1wt%のニオブ、0.06wt%の炭素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる。
合金V204Dは、5.9wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、0.2wt%のチタン、2.5wt%のタンタル、19.5wtのニオブ、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び偶発的不純物からなる。
合金V204Eは、5.9wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、2.5wt%のタンタル、22.0wt%のニオブ、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる。
合金V204Fは、5.6wt%のクロム、2.3wt%のアルミニウム、2.2wt%のタンタル、20.0wt%のニオブ、1.6wt%のタングステン、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる。
V204A及びV204Cの二つの合金はタンタルを有しない。V204B、V204D、V204E及びV204Fの4つの合金はタンタルを2〜3wt%の範囲で有する。
本発明の三元ニッケル共晶合金は、タービンディスク、コンプレッサーディスク、タービンブレード、タービンヴァン(turbine vanes)、タービンケーシング、タービンシュラウドなどに使用できる。
本発明の合金は、前述した2つの方法、例えば、鋳造及び鍛錬法又は粉末冶金法を使用して製造してもよい。
鋳造及び鍛錬法において、三元共晶合金を調製するための原料元素の炉装填物(furnace charge)が調製され、その炉装填物が真空誘導溶解(VIM)炉の中で溶解され、その後溶解した金属はインゴットに鋳造される。このインゴットは最終インゴットでもよい。その後鋳造インゴットはエレクトロスラグ再溶解(ESR)及び真空アーク溶解(VAR)の組み合わせによってさらに2回再溶解されて最終インゴットを形成する。その後最終インゴットは鍛造ジオメトリー(forging geometry)へと機械的に加工されてから、続いて、仕上げ部品の最終ジオメトリーへと鍛造される。仕上げ部品は機械加工されてもよい。このプロセスは航空宇宙産業において一般的であり、Inconel 718、Waspaloy、Udimet 720Liなどのニッケルベース超合金から製造されるコンプレッサーディスク類又はタービンディスク類を製造する。
粉末冶金法において、三元共晶合金を調製するための原料元素の炉装填物(furnace charge)が調製され、その炉装填物が真空誘導溶解(VIM)炉の中で溶解され、その後溶解した金属は高速アルゴンガスのジェットを使用して霧化されて限定されたサイズの金属粉末粒子が生成される。これはマクロ元素分離(macro-elemental segregation)を制限、例えば微細構造内の元素種の分離を低減する。霧化された金属粉末粒子は金属容器内に密封され、その後熱間静水圧圧縮(HIP)され、その後押し出され、続いて仕上げ部品の最終ジオメトリーに鍛造される。仕上げ部品は機械加工されてもよい。このプロセスは航空宇宙産業において一般的であり、RR1000、ME3、Alloy 10、LSHRなどのニッケルベース超合金から製造されるコンプレッサーディスク類又はタービンディスク類を製造する。
慣用のニッケルベース超合金について前述したように、鍛造ジオメトリーはその成分の微細構造を最適化することを意図する一連の熱処理に供される。慣用のニッケルベース超合金において、これら熱処理はグレインサイズを制御する。簡単に言うと、より高い熱処理温度によってより粗いグレインサイズが生成する。これら熱処理はまたこれら慣用のニッケルベース超合金内の析出構造を最適化することを含み、これによってその超合金の高温強度の大部分がもたらされる。慣用の高強度ニッケルベース超合金において、その合金はやや単純なガンマ相/ガンマプライム相構造であり、少量の炭化物及びホウ化物を有する。この合金はガンマプライムソルバス温度、即ち、ガンマプライム相が溶解しその元素成分がガンマ相内に分散する温度を有する。これは十分に低い温度、代表的には100℃を超え、液相線(liquidus)温度、それが液状金属になる温度を下回る温度で起こる。熱処理温度はその熱処理温度がガンマプライムソルバス温度よりも高いが液相線温度よりも低くなるように選ばれる。慣用のニッケルベース超合金において、熱処理温度を慎重に選ぶことによってガンマプライム相を溶解しその後冷却の際にガンマプライム相をより好適なグレインサイズ及び分布で再析出させることができる。慣用のニッケルベース超合金はさらに熱処理されてガンマプライム構造をさらに最適化する。
本発明の三元共晶合金は慣用のニッケルベース超合金とは異なる。その理由はそれらは共晶組成物又は共晶組成物に非常に近いもの形成するからである。この結果、析出物のソルバス温度が液相線温度に非常に近くなる。これは、析出物の構造を精錬する熱処理を非常に難しくする。その理由は熱処理温度の領域(window)が非常に狭くなるからである。前述したように本発明の三元共晶合金はガンマプライム相及びデルタ相の両方によって強化される。特にこのデルタ相は液相線温度に近いソルバス温度を有する。ガンマプライム相はその組成に応じてより低いソルバス温度を有してもよいし、機械的物性において最大の妥協を与えるために最適化されてもよい。しかし、熱処理温度は慎重に選ばれなければならない。その理由はデルタ相が粗くなり、ガンマプライム相構造への変性を相殺するからである。
試験において、我々は本発明の三元共晶合金を製造するための鋳造及び鍛錬法及び粉末冶金法の両方を評価した。三元共晶合金の製造法に関係なく、熱処理に対する応答は同じである。合金V204A〜V204Fは粉末冶金法によって製造された。合金V204A〜V204Fは工業標準耐熱性内面を有する真空誘導熔解(VIM)炉において熔解され、その熔解された合金はアルゴンガスを使用して霧化された。その合金粉末粒子は、軟鋼容器内に収容され密封され、慣用の熱間静水圧圧縮サイクルを使用して又はより高い温度で熱間静水圧圧縮(HIP)された。その熱間静水圧圧縮された合金について続く熱処理においてデルタ相が高温で著しく安定であるがガンマプライム相が許容できるプロセス領域で溶解、再析出されたことがわかった。
炉装填物は、単に特定の合金V204A〜V204Fの組成だった。
本発明の合金は熱処理なしで使用されてもよい。別の方法として、本発明の合金は1100〜1250℃、より好ましくは1150〜1225℃の温度範囲で1〜8時間、より好ましくは2〜4時間熱処理されてもよく、炉の冷却、空気冷却、オイル急冷、水急冷などの標準的な技術を使用して急冷されて要求される微細構造が達成される。
図1は本発明に従った三元ニッケル共晶合金を含むタービンディスクを有するターボファンガスタービンエンジンを示す。 図2は本発明に従った三元ニッケル共晶合金を含むタービンディスクの拡大図を示す。 図3は本発明に従った三元ニッケル共晶合金の顕微鏡写真である。 図4は様々な温度で指向的に固化された三元ニッケル共晶合金及び慣用のニッケルベース超合金の引張応答を比較するグラフである。 図5は指向的に固化された三元ニッケル共晶合金及び慣用のニッケルベース超合金のクリープ応答を比較するグラフである。

Claims (13)

  1. 4.5〜11wt%のクロム、0〜6wt%のコバルト、1〜4wt%のアルミニウム、0〜1.5wt%のチタン、0〜3wt%のタンタル、16〜22wt%のニオブ、0〜3wt%のモリブデン、0〜4wt%のタングステン、0〜1wt%のハフニウム、0〜0.1wt%ジルコニウム、0〜0.1wt%のケイ素、0.01〜0.1wt%の炭素、0〜0.01wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる三元ニッケル共晶合金。
  2. 5〜10wt%のクロム、0〜6wt%のコバルト、1〜3wt%のアルミニウム、0〜1.5wt%のチタン、0〜3wt%のタンタル、18〜22wt%のニオブ、0〜3wt%のモリブデン、0〜4wt%のタングステン、0〜1wt%のハフニウム、0〜0.1wt%のジルコニウム、0〜0.1wt%のケイ素、0.01〜0.1wt%の炭素、0〜0.01wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる請求項1の三元ニッケル共晶合金。
  3. 5.5〜9.5wt%のクロム、0〜6wt%のコバルト、1〜2.5wt%のアルミニウム、0〜1.5wt%のチタン、0〜3wt%のタンタル、18〜22wt%のニオブ、0〜3wt%のモリブデン、0〜4wt%のタングステン、0〜1wt%のハフニウム、0〜0.1wt%のジルコニウム、0〜0.1wt%のケイ素、0.01〜0.1wt%の炭素、0〜0.01wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる請求項2の三元ニッケル共晶合金。
  4. 6.0wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、20.5wt%のニオブ、0.01wt%の炭素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる請求項3の三元ニッケル共晶合金。
  5. 6.0wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、20.5wt%のニオブ、0.01wt%の炭素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる請求項3の三元ニッケル共晶合金。
  6. 6.0wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、3wt%のタンタル、18wt%のニオブ、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる請求項3の三元ニッケル共晶合金。
  7. 9.1wt%のクロム、1.0wt%のアルミニウム、20.1wt%のニオブ、0.06wt%の炭素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる請求項3の三元ニッケル共晶合金。
  8. 5.9wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、0.2wt%のチタン、2.5wt%のタンタル、19.5wtのニオブ、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び偶発的不純物からなる請求項3の三元ニッケル共晶合金。
  9. 5.9wt%のクロム、2.5wt%のアルミニウム、2.5wt%のタンタル、22.0wt%のニオブ、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる請求項3の三元ニッケル共晶合金。
  10. 5.6wt%のクロム、2.3wt%のアルミニウム、2.2wt%のタンタル、20.0wt%のニオブ、1.6wt%のタングステン、0.03wt%の炭素、0.005wt%のホウ素及び残部のニッケル及び偶発的不純物からなる請求項3の三元ニッケル共晶合金。
  11. ガンマ相、ガンマプライム相、及びデルタ相を含む請求項1〜10の何れかの三元ニッケル共晶合金。
  12. デルタ相及びガンマ相がラメラ構造を形成し、ガンマプライム相がガンマ相中に分離した析出物を形成している、請求項11の三元ニッケル共晶合金。
  13. 28〜45vol%のデルタ相析出物及び30〜35vol%のガンマプライム相析出物を含む請求項11の三元ニッケル共晶合金。
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