JP2017522037A - エアロゾル供給装置 - Google Patents

Abstract

液剤を含む液体貯蔵領域と、エアロゾル発生領域と、液体貯蔵領域とエアロゾル発生領域との間に配置され、液体貯蔵領域をエアロゾル発生領域と流体連通させる膜とを含み、液剤の水分量は少なくとも１８％ｗ／ｗであるエアロゾル供給装置。

Description

本開示はニコチン送出装置（例えば、電子タバコ）などのエアロゾル供給装置に関する。

電子タバコなどのエアロゾル供給装置は、一般に例えば、気化または他の手段によってエアロゾルを発生させるための通常ニコチンを含む製剤を含有する液体源の容器を含む。従って、エアロゾル供給装置のエアロゾル源は容器からの液体源の一部に結合したヒーターを含んでもよい。ユーザーが装置を介して吸引すると、ヒーターが作動し、少量の液体源を気化させ、従って、ユーザーが吸引するためのエアロゾルに変換される。より具体的にはこのような装置には装置のマウスピースから離れて位置する１つ以上の空気取り込み穴が通常設けられている。ユーザーがマウスピースで吸い込みを行うと、空気が取り込み穴を通って引き込まれ、エアロゾル源を通過する。エアロゾル源とマウスピースの開口部間を接続する流路があり、エアロゾル源を通過して引き込まれる空気がエアロゾル源からのエアロゾルの一部を搬送しながらこの流路に沿ってマウスピース開口部へと引き込まれるようになっている。エアロゾル搬送する空気はユーザーの吸引のためにマウスピース開口部を介してエアロゾル供給装置から出る。

典型的には電子タバコなどのエアロゾル供給装置はヒーターなどのエアロゾル発生部品を含む。液体源は一般にそれがエアロゾル発生装置を利用できるように装置内に配置される。例えば、エアロゾル発生部品は装置の使用中に加熱されるワイヤーである場合がある。液剤とワイヤーとの接触の結果、ワイヤーが使用中に加熱されると、液剤は気化され、その後エアロゾルに凝集し、ユーザーによって吸引される。液剤を接触させることができる手段は種々のものがある。液体源を詰め綿または他の種類の保持マトリックスに貯めることは一般的ではない。この詰め綿またはマトリックスは、それ自体が直接加熱ワイヤーと接触するか、それとは別にさらなる「芯」が詰め綿および加熱ワイヤーの両方に接触する場合もある。この芯は、使用中に液剤を詰め綿から加熱ワイヤーへと引き込む役割を果たす。

他の種類の装置は、液剤を保持するための詰め綿を採用していない。代わりにこれらの装置では液剤は自由にタンクまたは他の貯蔵領域に保持され、直接加熱ワイヤーに供給される（それ自体がワイヤーの近くに液剤を保持するのを補助する吸い上げ芯を含む場合がある）。このような「直接的な流れ」の装置は漏れに関わる不都合がある。これよりも漏れにくい他の装置はタンクまたは他の貯蔵領域に自由に保持された液剤を含むが、液剤が加熱ワイヤーに「直接流れる」のを妨げる手段を含む。しかしながら、液剤の「自由な」貯蔵を採用している上述の装置は特定の分解生成物を含むエアロゾルを発生させる場合があることが判っている。

従って、上述の問題のいくつかを改善することを目的とするエアロゾル供給装置の必要性は残っている。

液剤を含む液体貯蔵領域と、
エアロゾル発生領域と、
液体貯蔵領域とエアロゾル発生領域との間に配置され、液体貯蔵領域をエアロゾル発生領域と流体連通させる膜とを含み、
液剤の水分量は少なくとも１８％ｗ／ｗであるエアロゾル供給装置。

本発明による装置は従来の装置と比較していくつかの分解生成物の量が相対的に少ないエアロゾルを製するという驚くべきことが判明している。さらに本発明の装置は従来の装置に見られる漏れの問題を被ることはない。

本明細書中で説明する提案は以下に説明する実施態様などの特定の実施態様に限定されないが、本明細書に記載した特徴のあらゆる好適な組み合わせを含み、もくろむものである。例えば、電子エアロゾル供給装置は必要に応じて以下に説明する種々の特徴のいずれか１つ以上を含む本明細書中で説明する提案に沿って設けてもよい。

種々の実施態様を以下の図面を参照して例示として詳しく説明する。

一部の実施態様による電子タバコなどのエアロゾル供給装置の略図（分解）である。 一部の実施態様による図１の電子タバコの主本体部の略図である。 一部の実施態様による図１の電子タバコのエアロゾル源部分の略図である。 一部の実施態様による図１の電子タバコの主本体部の一端の特定の態様を示す略図である。 いくつかの他の実施態様によるエアロゾル供給装置の部品の略図である。 いくつかの他の実施態様によるエアロゾル供給装置の部品の略図である。 いくつかの他の実施態様によるエアロゾル供給装置の部品の略図である。 いくつかの他の実施態様によるエアロゾル供給装置の部品の略図である。 いくつかの他の実施態様によるエアロゾル供給装置の部品の略図である。 一部の他の実施態様によるエアロゾル供給装置の種々の部品を示す分解略図である。

特定の例および実施態様の様相および特徴をここで述べ、説明する。特定の例および実施態様の様相および特徴は従来通り実施してもよく、それらについては簡潔にするために詳しく述べたり、説明したりしない。当然のことながら詳しくは説明されないここで述べられる装置および方法の様相および特徴はこのような様相および特徴を実行するための何らかの従来の技術に従って実行してもよい。

上述のように本開示は電子タバコのようなエアロゾル供給装置に関する。以下の説明を通して「電子タバコ」なる用語を使用する場合もあるが、この用語はエアロゾル（蒸気）供給装置または蒸気供給装置と同じ意味で使われる。

図１は一部の実施態様による電子タバコ１０（正確な縮尺ではない）などのエアロゾル／蒸気供給装置の略図である。電子タバコはほぼ円筒状であり、破線ＬＡで示す長手方向軸に沿って延び、２つの主要部材、即ち本体２０とカトマイザー３０とを含む。カトマイザーは、例えばニコチンを含むエアロゾルを発生させる液剤を含有する液体貯蔵領域とエアロゾル発生器とを含む内部チェンバーを含む。液剤とエアロゾル発生器を総称してエアロゾル源と称してもよい。カトマイザー３０は、開口部を有するマウスピース３５をさらに含み、ユーザーはそこからエアロゾル源によって発生したエアロゾルを吸引する。液剤の貯蔵領域は、エアロゾル発生器または気化器に供給が必要な時間まで液剤を保持するためのハウジング内に発泡体マトリックスまたは詰め綿などの任意の他の構造体を含んでもよい。エアロゾル発生器は液剤を気化しエアロゾル形成するためのヒーターを含む。エアロゾル発生器は、さらに貯蔵領域から少量の液剤をヒーター上またはヒーターに隣接する加熱する場に移送する芯またはそれに類似する利器を含む。

本体２０は電子タバコ１０に電力を供給する充電式電池またはバッテリーと、電子タバコ全体を制御する回路基板とを備える。使用時にヒーターが回路板によって制御されながらバッテリーから電力を受け取ると、ヒーターはニコチンを加熱場で気化しエアロゾルを発生させ、これがマウスピースの開口部を介してユーザーに吸引される。エアロゾルはユーザーがマウスピースで吸引する際にエアロゾル源からマウスピースへとエアロゾル源をマウスピース開口部へと接続する空気路に沿って搬送される。

この特定の例では本体２０とカトマイザー３０は図１に示すように長手方向軸ＬＡに対して平行な方向に分離させることによって互いに取り外し可能であるが、装置１０の使用時には２５Ａおよび２５Ｂとして図１において略式に示す接続によって接合され、本体２０とカトマイザー３０間の機械的および電気的接続を供する。カトマイザーへの接続に使用される本体２０の電気コネクターは本体をカトマイザー３０から取り外した際の充電装置（図示せず）を接続するためのソケットとしての役割も果たす。充電装置の他端は電子タバコの本体内の電池／バッテリーを充電または再充電するために外部電気供給装置、例えばＵＳＢソケットに差し込むことができる。他の実行例ではケーブルを本体の電気コネクターと外部電力供給装置を直接接続するために設けてもよい。

電子タバコ１０には空気を取り込むための１つ以上の穴（図１では示されていない）が設けられている。これらの穴は電子タバコ１０内の空気通路からマウスピース３５まで繋がっている。空気通路はエアロゾル源の周囲の領域とエアロゾル源からマウスピースの開口部へと接続する空気路を含むセクションとを含む。

ユーザーがマウスピース３５を介して吸引すると、空気が電子タバコの外側に好適に配置された１つ以上の空気取り込み穴を介してこの空気通路内に引き込まれる。この空気流（またはその結果生じる圧力の変化）は、圧力センサーによって検知され、次にこのセンサーがヒーターを作動させて、液剤の一部を気化し、エアロゾルを発生させる。空気流は空気通路を通過し、エアロゾル源の周囲の領域のエアロゾルと混ざり、得られた空気流とエアロゾルの混合物は、その後ユーザーによって吸引されるようにエアロゾル源からマウスピース３５へと接続する空気路に沿って移動する。カトマイザー３０は液剤を供給し終わったら本体２０から外して廃棄（必要なら他のカトマイザーと交換）してもよい。これとは別にカトマイザーは詰め替え可能であってもよい。

当然のことながら図１に示した電子タバコ１０は例示であって、種々の他の実施例を採用することができる。例えば、一部の実施態様ではカトマイザー３０は２つの分離可能な部材、即ち液体貯蔵領域とマウスピースを含むカートリッジ（容器の液体を使い切ったら交換することができる）とヒーターを含む気化器またはエアロゾル（通常、交換されずに維持される）として設けられる。別の例として充電設備は追加のまたは別の電力源、例えば車のシガレットライターソケットに接続してもよい。

図２は図１の電子タバコの本体２０の概略（単純化した）図である。図２は電子タバコの長手方向軸ＬＡを通る面における断面とみなすことができる。なお図２では、分かりやすくする目的で、本体の種々の構成要素および詳細、例えば配線およびより複雑な形状は省略されている。

図２に示すように本体２０は電子タバコ１０に給電するためのバッテリーまたは電池２１０並びに電子タバコ１０を制御するための特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）またはマイクロコントローラーなどのチップを含む。ＡＳＩＣはバッテリー２１０と並んでまたは一端に配置されてもよい。ＡＳＩＣはマウスピース３５での吸引を検知するためのセンサーユニット２１５に取り付けられる（またはこれとは別にセンサーユニット２１５をＡＳＩＣ自体に設けてもよい）。そのような検知に応じて、ＡＳＩＣはバッテリーまたは電池２１０からカトマイザー内のヒーターに給電し、液体源を気化し、ユーザーによって吸引される空気流内にエアロゾルを導入する。なお、本体内のＡＳＩＣまたはセンサーの正確な位置は厳密に制限されない。

本体はさらに電子タバコの遠い方（遠位にある）の端部を封止し、保護するキャップ２２５を含む。キャップ２２５にまたはこれに隣接して空気取り込み穴があり、これはユーザーがマウスピース３５で吸引すると空気を本体に入らせ、センサーユニット２１５を通過させる。従って、この空気流はセンサーユニット２１５にユーザーの吸引を検知させ、電子タバコのエアロゾル発生素子を作動させる。

本体２０のキャップ２２５と反対側の端部にあるのは、本体２０をカトマイザー３０に接続するコネクター２５Ｂである。コネクター２５Ｂによって本体２０とカトマイザー３０の間の機械的接続および電気的接続が得られる。コネクター２５Ｂは本体コネクター２４０を含み、本体コネクター２４０は金属製で（一部の実施態様では銀メッキされており）、カトマイザー３０との電気的接続端子の一方（陽極または陰極）の役割を果たす。コネクター２５Ｂはさらに電気接点２５０を含み、これは第１の端子即ち、本体コネクター２４０と逆極性のカトマイザー３０との電気的接続のための第２の端子を提供する。電気接点２５０はコイルスプリング２５５に取り付けられている。電気接点２５０はコイルばね２５５に取り付けられている。胴体２０がカトマイザー３０に取り付けられる際、カトマイザーのコネクター２５Ａが軸方向、即ち長手方向軸ＬＡに対して平行な方向（軸方向に位置合わせされて）にコイルスプリングを圧縮するように電気接点２５０を押す。ばね２５５には弾性があるため、この圧縮によってばね２５５は付勢されて延びようとし、電気接点２５０をコネクター２５Ａにしっかり押し付ける効果が得られ、本体２０とカトマイザー３０の間の電気的接続を向上させる。本体コネクター２４０と電気接点２５０は非導電材料（プラスチックなど）で作られたトレッスル２６０で隔てられており、２つの電気接点の間の絶縁を向上させる。トレッスル２６０はコネクター２５Ａとコネクター２５Ｂの相互の機械的結合を補助する形状をしている。センサー２１５がキャップ２２５に対して本体２０の反対の端部に位置する場合、本体はコネクター２５Ｂにまたはこれに隣接して設けられた１つ以上の空気取り込み穴を含み、ユーザーがマウスピース３５で吸引すると空気が本体に入り、センサーユニット２１５を越えて流れるようになっている。

図３は一部の実施態様による図１の電子タバコのカトマイザー３０の略図である。図３は、一般に電子タバコの長手方向軸ＬＡを通る面における断面とみなすことができる。ここで留意すべきは本体の種々の部品および詳細、例えばワイヤーおよび複雑な形状は、明確化のために図３から省かれていることである。

カトマイザー３０はカトマイザー３０の中央（長手方向）軸に沿ってマウスピース３５からコネクター２５Ａへとカトマイザーを本体２０に接合するために延びている空気通路３５５を含む。

液体貯蔵領域３６０が空気通路３５５の周囲に設けられている。この貯蔵領域３６０は、例えば液体源に浸されたコットンまたは発泡体を設けることによって実施してもよい。カトマイザーは貯蔵領域３６０の液体を加熱するヒーター３６５も含み、ユーザーによる電子タバコ１０の吸引に応答してエアロゾルを発生させて空気通路３５５に流し、マウスピース３５の開口部３６９から出す。ヒーターには配線３６６と３６７経由で電力が供給され、これらの配線の他方はバッテリー２１０の互いに逆極（陽極と陰極、またはその逆）にコネクター２５Ａを介して接続されている（図３では電源線３６６、３６７とコネクター２５Ａの間の配線の詳細は省略されている）。

コネクター２５Ａは内部電極３７５を含み、これは銀メッキされてもよく、または他の好適な金属で作製してもよい。カトマイザー３０を本体２０に接続する際、内部電極３７５が本体２０の電気接点２５０と接触し、カトマイザーと本体の間に第１の電気経路を供する。特にコネクター２５Ａおよび２５Ｂを係合させると、内部電極３７５が電気接点２５０を押し、コイルスプリング２５５を圧縮する これにより内部電極３７５と電気接点２５０間の電気的接触を確実に良好にしやすくなる。

内部電極３７５は絶縁リング３７２に囲まれ、これはプラスチック、ゴム、シリコン、または任意の他の適切な材料で作られてもよい。絶縁リングはカトマイザーコネクター３７０で囲まれており、これは銀メッキされていてもよく、あるいは何らかの他の適切な金属または導電材料でつくられていてもよい。カトマイザー３０が本体２０に接続されると、カトマイザーコネクター３７０は本体２０の本体コネクター２４０に接触して、カトマイザーと本体の間の第２の電気経路を供する。言い換えれば、内部電極３７５とカトマイザーコネクター３７０は必要に応じて本体のバッテリー２１０からカトマイザーのヒーター３６５へと供給ライン３６６および３６７を介して電気を供給するための正および負の端子（またはその逆）としての役割を果たす。

カトマイザーコネクター３７０には電子タバコの長手方向軸から遠ざかる互いに反対の方向に延びた２つの突起またはタブ３８０Ａ、３８０Ｂが設けられている。これらのタブを用いて本体コネクター２４０との差し込み式接続具を構成して、カトマイザー３０を本体２０に接続する。この差し込み式接続具により、カトマイザー３０と本体２０を互いに確実かつ堅牢に接続することができるため、カトマイザーと本体は互いに固定位置に保持され、ふらついたり曲がったりすることがなく、不意に外れるというような何らかの可能性は非常に低い。同時に差し込み式接続具によって、挿入、回転による簡単かつ瞬時の着脱と、（逆方向）回転と引き抜きによる分離ができる。なお、他の実施態様では本体２０とカトマイザー３０の間に異なる形態の接続、例えば嵌め込み式の接続あるいはネジ式の接続を用いてもよい。

図４は本発明の一部の実施態様による本体２０の端部のコネクター２５Ｂの特定の詳細概略図である（ただし分かりやすくするため、図２に示すコネクターの内部構造の大部分、例えばトレッスル２６０は省略されている）。具体的には、図４は本体２０の外部ハウジング２０１を示しており、全体に円筒管の形態をしている。この外部ハウジング２０１は、例えば、紙またはそれに類似するものからなる外方のカバーを有する金属からなる内方管を含んでもよい。

本体コネクター２４０は本体２０のこの外部ハウジング２０１から延びている。図４に示すように本体コネクターは２つの主要部分と、本体２０の外部ハウジング２０１の内側に嵌る大きさの中空の円柱管の形状のシャフト部分２４１と、電子タバコの主長手方向軸（ＬＡ）から離れるように半径方向外方に向けられたリップ部分２４２とを含む。シャフト部分が外部ハウジング２０１と重ならないところで本体コネクター２４０のシャフト部分２４１を囲んでいるのはカラーまたはスリーブ２９０であり、これも円柱管形状である。カラー２９０は本体コネクター２４０のリップ部分２４２と本体の外部ハウジング２０１の間に保持され、これらは共にカラー２９０に軸方向の移動を妨げる（即ち軸ＬＡに平行な）。しかしながら、カラー２９０はシャフト部分２４１の周囲を自由に回転する（従って軸ＬＡの周囲で）。

上記のように、キャップ２２５には空気取り入れ孔が設けられていて、ユーザーがマウスピース３５を吸引すると空気が流れてセンサー２１５を通過できるようになっている。しかし、ユーザーが吸引する際に装置に入る空気の大部分は、カラー２９０および本体コネクター２４０を通過して図４の２つの矢印で示す様に流れる。

図５Ａ〜５Ｅは一部の他の実施態様によるエアロゾル供給装置５００のいくつかの部分の略式斜視図である。特に図５Ａは液体貯蔵領域部材５０２を含む第１部品を略式に示し、図５Ｂはエアロゾル供給装置５００のハウジングの一部を含む第２部品５１０を略式に示している。エアロゾル供給装置５００のこれらの部品は、分かりやすくするために図５Ａと５Ｂに別々に示しているが、通常の使用時にはこれら２つの部品は図５Ｃに略式に示すように組み合わされている。エアロゾル供給装置のこの特定のデザインの組み合わされた状態では液体貯蔵領域部材５０２はハウジング部品の内側に嵌められる。当然のことながらエアロゾル供給装置５００は、簡略化のために図５Ａ〜５Ｅに示していない例えば電源などの種々の他の特徴を一般に含むことになる。そのようなエアロゾル供給装置の他の特徴は従来技術に従って設けてもよい。より一般的には当然のことながらここで説明するエアロゾル供給装置の様相および特徴は、ここで説明した実施態様に従って変性された場合とは別に構築された技術に従って実行してもよい。

液体貯蔵部品５０２は液体貯蔵領域を画定する液体貯蔵本体５０６を含む。液体貯蔵領域は液剤を含み、これからエアロゾルを発生させる。液体貯蔵部品の基部は開口しており、膜６０１そして任意に液体分配部品６０２と協働する。従って、当然のことながら膜６０１と部品６０２は、両方とも液体貯蔵部品５０２の開口部内に収まる寸法であり、さらに液体貯蔵部品５０２の内壁と締まりばめを形成してもよい。

膜６０１は液体貯蔵領域と装置のエアロゾル発生領域（図５に示されていない）の間に配置される。膜６０１は液体貯蔵領域に含まれている液剤を装置のエアロゾル発生領域に流体連通させる。

この点に関し、膜が存在することによりこのような膜を採用していない従来の他の装置に見られる「直接的な流れ」と較べて液体の「流れ」を通常減少させる結果となる。この特定の膜の構造は、それが液体貯蔵内に含まれる液剤をエアロゾル発生領域に移行させるものであれば、特に限定する必要はない。また膜はある程度の耐熱性を有するのが好ましい。１つの実施態様では膜は多孔質材料で形成される。１つの実施態様では膜は多孔質セラミック材から形成される。１つの実施態様では膜はセラミック繊維から形成される。この点に関し、セラミック繊維は耐熱性であることが知られており、その構造によりある程度の多孔度を供する。セラミック繊維は「高温断熱ウール」（ＨＴＩＷ）としても知られている。高温断熱ウールは無機原料から合成によって製される異なる長さおよび径の繊維の積層物である。無機原料は、通常溶融され、繊維に加工され、その後最終材料に形成される。アルカリ土類ケイ酸塩ウール、アルミナケイ酸塩ウールおよびポリケイ酸塩ウールなどの異なる種類のＨＴＩＷも利用可能である。「耐火セラミック繊維」（ＲＣＦ）としても知られているアルミノシリケートウールは、通常約５０：５０の重量比のＡｌ_２Ｏ_３とＳｉＯ_２の混合物を溶融させて製せられる非晶質繊維である。１つの実施態様では膜はアルミナシリケートウールから形成される。１つの実施態様ではアルミナシルケートウールのＡｌ２Ｏ３の含有量は４８〜５４％であり、ＳｉＯ_２の含有量は４６〜５２％である。Ｆｅ２Ｏ３などの他の原料も少量含まれてもよい。当業者であれば高温断熱ウールを製造するための種々の考慮すべき点を認識しているはずである。この点に関し、好適な高温断熱ウールは、中国、山東省、畄博市所在のＺｉｂｏ Ｄｉｎｇｒｏｎｇ Ｈｉｇｈ−Ｔｅｍｐｅｒａｔｕｒｅ Ｍａｔｅｒｉａｌｓ Ｃｏ．， Ｌｔｄ社より入手してもよい。

膜自体の寸法は特に限定されない。通常、膜の厚さは０．１ｍｍ〜２ｍｍの範囲内である。１つの実施態様では膜の厚さは０．１〜１ｍｍの範囲内である。１つの実施態様では膜の厚さは、０．５〜１．５ｍｍの範囲内である。１つの実施態様では膜の厚さは、０．５〜１ｍｍの範囲内である。

膜の形状は特に限定されない。通常、膜は液体貯蔵領域の断面形状に合致した形状を有する。例えば図５Ｄに示すように 膜は液体貯蔵部品５０２の液体貯蔵領域の断面外形に対応する形状を有する。このような形状は液体貯蔵部品の内壁との締まりばめ／摩擦嵌合が確実に構築できるようにする補助をする。膜はほぼ平面である。

しかしながら、状況次第では構造的に必要とされる場合には非平面な形状であってもよい。例えば、膜は管状で、液剤が膜の半径方向外方の貯蔵領域に貯蔵され、エアロゾル発生部品を含むエアロゾル発生領域は管状の膜の半径方向内方に配置されるようにしてもよい。

エアロゾル発生領域はヒーターなどのエアロゾル発生部品を含む。一部の実施態様ではヒーターはコイル状であってもよいワイヤー７０１の形体を取る。コイルワイヤーはコイルの巻きによって形成された長手方向軸を通る芯８０１を有してもよい。この芯は膜からワイヤー上にまたは近くに液体を吸引するために例えば図６に示す所で膜と接触してもよい。

膜は液体貯蔵部品５０２の液体貯蔵領域を封止し、すべての液剤の漏れに関する問題を改善する利点があるが、このような膜を利用した既知の装置では相対的に分解生成物が増加することが判明している。この問題を改善しようとして、本発明の装置は所定の水分を含む液剤を利用する。特定の理論に縛られるものではないが、この水分量により液剤がより簡単に膜を横切ることができるようにしていると考えられる。そして、このことはエアロゾル発生領域への液剤のより安定した供給に繋がっている。液剤をエアロゾル発生領域により安定して供給することによって、液体がヒーターの温度を抑えるのに充分な量で存在しなくなるので、もし安定して供給できなければ生じるかもしれないヒーターの過熱を抑えることが可能になる。そしてこのことが、分解生成物の生成が減少したことに繋がっていると考えられる。またこのような液剤を含むこのような装置は「直接流」装置を使用したものより漏れにくくなることが判っている。

液剤の水分量は少なくとも約１８％ｗ／ｗである。１つの実施態様では液剤の水分量は少なくとも約１９％ｗ／ｗである。１つの実施態様では液剤の水分量は少なくとも２０％ｗ／ｗである。１つの実施態様では液剤の水分量は少なくとも２１％ｗ／ｗである。１つの実施態様では液剤の水分量は少なくとも２２％ｗ／ｗである。１つの実施態様では液剤の水分量は少なくとも２３％ｗ／ｗである。１つの実施態様では液剤の水分量は１８％ｗ／ｗから約５０％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は１９％ｗ／ｗから約５０％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は２０％ｗ／ｗから約５０％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は２１％ｗ／ｗから約５０％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は２２％ｗ／ｗから約５０％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は２３％ｗ／ｗから約５０％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は２４％ｗ／ｗから約５０％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は１８％ｗ／ｗから約４５％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は１８％ｗ／ｗから約４０％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は１８％ｗ／ｗから約３５％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は２０％ｗ／ｗから約３０％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は２２％ｗ／ｗから約２７％ｗ／ｗ以下である。１つの実施態様では液剤の水分量は約２５％ｗ／ｗである。

液剤はグリセロール、プロピレングリコール（ＰＧ）、ニコチン、香味料から選択されるいくつかの他の成分を含んでもよい。これらの成分の量は、通常液剤の所望の特性によって異なる。しかしながら、液剤は、通常４０〜６０％ｗ／ｗのグリセロール、２０〜３５％ｗ／ｗのプロピレングリコール、０〜３％ｗ／ｗのニコチン、そして０〜５％ｗ／ｗの香味料を含んでもよい。一部の実施態様では香味料はＰＧに溶解させられるので、「香味料」成分はＰＧと活性香味料成分の混合物として理解してもよい。通常、香味料成分はメンソールおよびチェリー、煙などの他の知覚香味を供する他の活性化合物を含んでもよい。

上述したように任意に液体分配部品６０２が、装置の膜と液体貯蔵領域の間にあってもよい。液体分配部品６０２は膜の湿潤をより良好に制御する機能を有する。従って、部品６０２は１つ以上の貫通孔６０３を有し、これは液剤を液体貯蔵領域から膜に流れるようにする。膜と液体分配部品は、通常それらの中心位置が装置の中央長手方向軸と一列に並ぶように配置される。この点に関しこのような構造（膜のみを示している）を図６に示す。液体分配部品６０２（存在する場合）の一般的な形状は膜の形状と類似してもよい。従って部品は対応する断面外形を有し、ほぼ平面であってもよい。

容器本体５０６は一般に一方の側に沿って長手方向に延びた平坦面５０８を有する円形の筒状である。容器本体部５０６は従来の技法に従って形成されてもよく、例えば成型されたプラスチック材を含む。

ハウジング部品は、ほぼ管状であり、円対称である。ハウジング部品５１０は主ハウジング部品５１２とマウスピース部品５１４とを含む。これらは別個にまたは一体に形成されてもよい。主ハウジング部品５１２とマウスピース部品５１４は、例えばアルミニウムの押し出しまたはプラスチックの成型を含む従来技法に従って形成してもよい。主ハウジング部品５１２はほぼ円筒状の管を含み、その内部寸法は液体貯蔵部品５０２の外部寸法と一致する。従って液体貯蔵部品５０２は、図５Ｃに略式に示すように締まり嵌め構造でハウジング部品５１０を収容することができる。当然のことながらハウジング部品５１０は、一般に図５Ｃで表すよりもさらに延び、エアロゾル発生器５０４をほぼ囲む。ハウジング部品５１０のマウスピース部品５１４は、使用時にユーザーの唇によって受けられるのに人間工学的に適した形状へと主ハウジング部品の形状は遷移するように輪郭形成されている。マウスピース部品５１４はユーザーがエアロゾル源によって発生したエアロゾルを吸引する端部に開口部５１６を含む。

図５Ｃの略図から明らかなように液体貯蔵部品５０２がハウジング部品５１０に挿入されると、平坦な面５０８が設けられていることによって容器本体５０６の外壁とハウジング部品５１０の内壁との間に空間ができる。エアロゾル供給装置５００の第１部品と第２部品が間隔を空けられている領域は、従ってエアロゾル発生器５０４の近傍から開口部５１６を接続する空気路５２０の一部を画定する。空気路の他の部分はマウスピース５１４に隣接する液体貯蔵部品５０２を囲まないハウジング５１０の内部とマウスピース５１４の内部面によって画定される。一般に空気路５２０を画定するためにこれらの領域においてエアロゾル供給装置のさらなる構成要素があってもよい。例えば、流れ制限器および／またはバッフルおよび／またはスイッチバックを設けて従来技法に基づいて空気流を調節してもよい。

上記で簡単に述べたように 図６はエアロゾル供給装置５００の分解図であり、エアロゾル発生部品として加熱ワイヤー７０１とワイヤー（この構造ではコイル状である）内を延びた芯８０１があることを示している。ワイヤーと芯はエアロゾル発生領域（図示せず）に位置している。ワイヤーは（任意にエアロゾル発生領域のハウジングを介して）装置の本体２０の電源に接続される。図６から明らかなように液剤は液体貯蔵部品５０２内に形成された液体貯蔵領域で貯蔵される。膜６０１は液体貯蔵領域（従って液剤）をワイヤー７０１と芯８０１を含むエアロゾル発生領域から分離する。膜６０１はエアロゾル発生領域内への液剤の「自由な流れ」に対してのバリアーとしての役割を果たす。しかしながら、膜６０１は液体貯蔵領域をエアロゾル発生領域と流体連通させるように構成されている。言い換えれば、液剤は一方の側から他方の側へと膜６０１を横切って移動できる。芯８０１は、通常、膜６０１の下側と接触し、従って膜を横断して移動した液剤を加熱ワイヤーの方に引き込む役割を果たす。芯自体は高度の耐熱性を有し、液体を例えば毛管現象で移動させることができる既知の任意の好適な材料で作製することができる。１つの実施態様では芯８０１は膜の下側に固定される。これは接着剤を使用してまたは物理的手段（クランプなどの）を介して行ってもよい。このような構成により膜の下側との良好な接触を確実にする。図６に示す箇所「Ｃ」は芯８０１と膜の下側との接触点を示している。

図５Ａ〜５Ｅおよび図６に略式に示したエアロゾル供給装置の一般的な作動原理は、図１に示したエアロゾル供給装置のものと類似してもよい。従って、使用の際ユーザーはマウスピース５１４で吸い込みを行い、空気がエアロゾル供給装置５００の内部にエアロゾル供給装置の入り口開口部（これらの図には示されていない）を介して引き込まれることになる。エアロゾル供給装置のコントローラは、空気の取り込みを、例えば圧力の変化を基に検知し、それに応じてエアロゾル発生部品を作動させるように構成されている。それにより液剤のエアロゾルが発生される。空気がエアロゾル供給装置内を引き込まれると、その空気はエアロゾルの一部を空気流路５２０を介してマウスピース５１４の開口部５１６へと搬送する。この点に関し、エアロゾル発生領域のハウジングはハウジング部品５１０の断面と合致した断面を有する。これによりエアロゾル発生領域に形成されたエアロゾルは流路に入ることができる。

従って、上述したものは分解生成物の発生に関する上述の問題の改善に役立つエアロゾル供給装置の例である。以下の例は本発明の装置の驚くべき利点を例示する役割を果たす。

エアロゾル供給装置の使用中に生じる種々の分解生成物の評価を行った。使用した装置は液剤が「自由」に保持された液剤貯蔵領域を含む。使用した装置はＺｉｂｏ Ｄｉｎｇｒｏｎｇ Ｈｉｇｈ−Ｔｅｍｐｅｒａｔｕｒｅ Ｍａｔｅｒｉａｌｓ Ｃｏ．製のアルミノシリケートウール、セラミック繊維膜を含んでいた。以下の液剤を分析した。

液剤１ａと１ｂは実質的に同じである、ＰＧと混合された香味料に僅かに違いがあっただけである。この違いは分解生成物の生成には影響するとは考えられなかった。

プロトコル：
多くの潜在的な分解生成物を装置の使用中に検視した。

各装置を所定の時間（以下に述べるような）装置を自動的に作動させるように構成された自動化された機械に接続した。装置の作動はエアロゾルに含まれる分解生成物を分析する機器と同期させた。エアロゾル供給装置のボタンを３０秒の間隔で合計で４秒（１秒のプレパフ、３秒間のパフに相当する）で保持され、これは８０ｍｌ容量／３秒間／３０秒の間隔のパフ様式に対応する。

装置は３００回のパフ用に作動させ、分解生成物の含量を特にパフ様式の最後、即ち２５１〜３００回目のパフで評価した。分解生成物の量は５０パフごとのｍｇとして測定した。

結果：
図１から明らかなように液剤２（比較的多量の水−２５％ｗ／ｗを含む）を使用した場合、検知された分解生成物は著しく減少していた。特定の理論に縛られるものではないが、これは液剤が膜をより簡単に通過できることによるものと思われる。これにより液剤がより安定して投与されるエアロゾル発生領域が得られ、これによりヒーターの熱が分解生成物の生成の原因になるヒーターの過熱を妨げる。

分解生成物を液体クロマトグラフィー質量分析を使用して測定した

種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践される。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および／または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および／または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。

Claims (14)

1. 液剤を含む液体貯蔵領域と、
   エアロゾル発生領域と、
   液体貯蔵領域とエアロゾル発生領域との間に配置され、液体貯蔵領域をエアロゾル発生領域と流体連通させる膜とを含み、
   液剤の水分量は少なくとも１８％ｗ／ｗであるエアロゾル供給装置。
2. 前記液剤の水分量が少なくとも２０％ｗ／ｗであることを特徴とする請求項１記載のエアロゾル供給装置。
3. 前記液剤はグリセロール、プロピレングリコール、水 およびニコチンを含むことを特徴とする請求項１記載のエアロゾル供給装置。
4. 前記エアロゾル発生領域はエアロゾル発生部品を含むことを特徴とする請求項１乃至３いずれか１項記載のエアロゾル供給装置。
5. 前記エアロゾル発生部品はヒーターであることを特徴とする請求項４記載のエアロゾル供給装置。
6. 前記膜はほぼ平面であることを特徴とする請求項１乃至５いずれか１項記載のエアロゾル供給装置。
7. 前記膜の厚さは０．１〜２ｍｍの範囲内であることを特徴とする請求項１乃至６いずれか１項記載のエアロゾル供給装置。
8. 前記エアロゾル発生領域、膜および液体貯蔵領域はほぼ共通の長手方向軸に沿って配置されていることを特徴とする請求項１乃至７いずれか１項記載のエアロゾル供給装置。
9. 膜と液体貯蔵領域の間に配された液体分配部品をさらに含むことを特徴とする請求項１乃至８いずれか１項記載のエアロゾル供給装置。
10. 前記液体分配部品は、ほぼ平面であり、液体貯蔵領域から液剤が膜に接触できるようにする１つ以上の貫通孔を含むことを特徴とする請求項９記載のエアロゾル供給装置。
11. 電力源とコントロールユニットと１つ以上の通知手段を含む本体セクションをさらに含むことを特徴とする請求項１乃至１０いずれか１項記載のエアロゾル供給装置。
12. 前記電力源は充填可能であることを特徴とする請求項１１記載のエアロゾル供給装置。
13. 前記本体セクションは装置の残りの部分から取り外し可能であることを特徴とする請求項１１または１２記載のエアロゾル供給装置。
14. 添付の図面を参照し上述したエアロゾル供給装置。
    

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