JP2017520465A - フロントガラス安全組立体 - Google Patents
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Abstract
Description
スクーターまたはこれに類する原動機付き乗り物に、フロントガラス・パネルを設けることが知られている。フロントガラス・パネルの主目的は、運転時の快適性に対するネガティブ要素である風、雨、および他の要素から運転者を保護することによって、乗り物を運転することをより快適にすることである。具体的には、乗り物の両方のハンドルおよびフロントガラス・パネルに固定される一対の支持アームによって、乗り物にフロントガラス・パネルを固定することが知られている。
例えば路上の事故によって、乗り物が急停止し、運転者が前方のフロントガラス・パネルに向かって投げ出される場合、運転者は、フロントガラス・パネルおよび(または)関連する支持アームにぶつかって負傷することがある。例えば、乗り物の運転者は、フロントガラスの支持アームに突き刺されることがある。あるいは、フロントガラス・パネルにぶつかった後、フロントガラス・パネルを部分的に破壊し、運転者自身を切ってしまう。さらに、出願人は、乗り物から投げ出された運転者がフロントガラス・パネルおよび(または)関連する支持アームにぶつかる衝撃によって、アクセサリである安全装置の有効性が低減されることを観察した。アクセサリである安全装置としては、例えば、自動二輪車のための特定のエアバッグであり、それは例えば、運転者が装着しているエアバッグ・ジャケット内に一体に構成された運転者用エアバッグがある。具体的には、出願人は、次のことに留意した。すなわち、乗り物から投げ出された運転者が、フロントガラス・パネルおよび(または)関連した支持アームの一部にぶつかったことにより、不適切な軌道に沿って地面に落ちた場合においても、運転者用のエアバッグの有効性が著しく損なわれる。
上に説明したような状況において、運転者の身体損傷のリスクおよび程度を減らすために、種々の解決策が提案されてきた。乗り物の進行方向前方へと投げ出された運転者がフロントガラス・パネルに衝突する場合に、当該フロントガラス・パネルを前方に傾斜させる。
Willy, Barry A. 氏の名義で出願され、公開されたヨーロッパ特許出願EP0060807は、請求項1の前段部に従うフロントガラス組立体について説明している。特に、その特許出願は、自動二輪車のフロントガラス安全組立体を説明している。具体的には、この特許出願においては、車両から投げ出された運転者がフロントガラス・パネルにぶつかると、それに続いて、当該フロントガラス・パネルが前方に傾斜し、一対の支持アームから離脱する。フロントガラス・パネルが車両から完全に分離するのを避けるために、一対の下方支持部にもアームが設けられていて、そこにフロントガラスが連結されたままとなる。当該文献で説明されているフロントガラス・パネルは、比較的複雑な構造を有する。つまり、上方支持アーム、下方支持アーム、およびこれらアームをフロントガラスに固定するための比較的複雑な固定システムを備えている。さらに、フロントガラス・パネルが前方に傾斜した後、運転者が上方支持アームにぶつかることがある。その場合、上に説明したように、車両の運転者が装備しているアクセサリ安全装置の有効性が減られることがある。
上記文献で説明された解決策では、フロントガラス・パネルは、自動二輪車のフォークにぶつかることもあり、その場合、例えば、フロントガラス・パネルに損傷を与える。
Vetter Design Works社の名義で公開された米国特許第4,087,110号で説明されている自動二輪車のフロントガラス組立体についての解決策では、フロントガラス・パネルは、自動二輪車のフェアリング(fairing)に係止されている(constrained)。この解決策は、フロントガラス・パネルが支持アームで二輪車に固定されているフロントガラス組立体には適用できない。
Bombardier Recreational Products社の名義で公開された米国特許第6,752,447号においては、安全性よりも輸送上の理由で、フロントガラス・パネルを前方へ傾けることも可能とした、自動二輪車のフロントガラス組立体についての解決策が説明されている。この文献で説明されている解決策では、いわゆる全地形ビークル(ATV)に、一対の歯付きのワッシャを介在させて、フロントガラス・パネルが装着される。それにより、単一方向におけるクリック回転が可能となる。この解決策は、フロントガラス安全組立体として採用するのに適していない。何故なら、フロントガラス・パネルがクリック回転するので、車両から投げ出された運転者がフロントガラス・パネルにぶつかって負傷する可能性を大きくするからである。さらに、フロントガラスが不連続に回転し、それは転落の軌道にネガティブな影響を与えるが故に、この解決策では、上に説明したように、車両の運転者が装備しているアクセサリ安全装置の有効性が減られることがある。この文献で説明されている代替の実施形態では、自転車の車輪を外すのに使用されるものと類似のクイック−リリース式のボルトが使用されている。この場合、フロントガラス・パネルは前方および後方に回転可能であり、そのため、車両から投げ出された運転者の身体損傷の危険が大きくなる。さらに、この解決策では、予め定めた回転力を超過した場合に破壊されるクイック−リリース式のボルトを使用している。その場合、フロントガラス組立体を再度使用するためには、クイック−リリース式のボルトを交換することが必要である。
一例において、フロントガラス組立体10は、好ましくは、2つの支持アーム101を備える。その場合、2つの支持アーム101は、互いに実質的に等しい。実質的に等しいとは、そのようなアーム101が通常の使用状態にあるフロントガラス・パネル11に固定されるとき、フロントガラス・パネル11の対称軸に関して対称的の構造を有するという意味である。
さらに、2つの支持アーム101は同一の機能を有する。一般に、フロントガラス組立体10は、互いに全く同一の1対の支持アーム101を備えている。
一般的に、本明細書における教示は、操縦ハンドルと運転者が跨がって乗るシート(seat astride)とを備えた他の同様のタイプの乗り物に使用されるフロントガラス安全組立体にも、拡張適用が可能である。好ましくは、本明細書の教示は、2または3以上の車輪を有するロードヴィークルに使用可能なフロントガラス安全組立体に、拡張適用が可能である。より好ましくは、ロードヴィークルは、2、3、または4つの車輪を備えるものである。
一般に、本明細書における教示は、いかなる場合においても、例えば、自転車、オートバイ、スクーター、三輪車、ATV(四輪車/三輪車)、ジェットスキー、スノーモービル等の乗り物に使用可能なフロントガラス安全組立体に、拡張適用することができる。それらの乗り物は、何らかのタイプの駆動源を備えたものであって、非限定的例として、内燃機関、電気またはハイブリッド駆動が挙げられる。
好ましくは、アームの第1部分12は、支持アーム101を着脱可能にスクーター1に(より好ましくは、そのようなスクーターのハンドル2に)固定する固定部材12Aを、少なくとも1つ備える。この固定部材12Aは、好ましくは複数の固定部材を備え、それらの固定部材は、アーム101をスクーター1のハンドルに固定することを可能にする1つの締結装置の一部である。
例えば、アーム101は、本出願人の名義で公表された米国特許第8,469,624号に開示された固定デバイスによってスクーター1のハンドルに固定される。その場合、アームの第1部分12の上記複数の固定部材は、その特許の図2に示された要素で構成されることが好ましい。
各アンカー・ブロック11Aは、アームの第2部分13が通される貫通開口と、ロッキングシステムとを有している。ロッキングシステムは、アームの第2部分13が貫通開口に通されると、当該第2部分13を着脱可能な態様でロックするように構成されている。
このようにして、アームの第2部分13をアンカー・ブロック11Aと一体に、したがってフロントガラス・パネル11と一体に、構成することが可能である。アンカー・ブロック11Aは、それ自体は知られたものであって、それ故、さらに詳細には説明しない。一例において、支持アーム101の各アームの第2部分13は、2つのアンカー・ブロック11Aに固定される。
さらに、少なくとも1つの結合要素14は、アームの第2部分13が、第2角度位置から第1角度位置へ向かって回転すること、より好ましくは、第2角度位置から第1角度位置まで、第1方向F1とは逆の第2方向F2に回転すること、を許容する。第1および第2の角度位置は、互いに別の角度位置であり、より好ましくは、予め決められた別の角度位置である。
好ましい実施形態では、アームの第2部分13は、第1角度位置から第2角度位置へと移動するときに、約100°〜約110°の角度だけ回転する。一般的に、スクーター1に取り付けたフロントガラス組立体10の通常の使用状態を考慮すれば、第1角度位置では、アームの第2部分13は、実質的に垂直となることが好適である。一方、第2角度位置では、アームの第2部分13は、水平または実質水平となることが好適である。
スクーター1に取り付けたフロントガラス組立体10の通常の使用状態を考慮し、スクーター1の通常の移動方向を参照すれば、常に、回転方向F1およびF2は、実際上、アームの第2部分13(および、そこに一体となったフロントガラス・パネル11の)の前方の回転、および後方への回転に、それぞれ相当する。
換言すると、フロントガラス・パネル11は、当該パネルの第1面11Bと、スクーター1の運転者に面する反対側の第2面11Cとを備える。換言すると、第2面11Cは、スクーター1のシート3に面するように意図されている。
回転方向F1、F2は、第2面11Cから第1面11Bへ向かう回転方向、および第1面11Bから第2面11Cに向かう回転方向に、それぞれ対応する。さらに換言すれば、スクーター1に取り付けたフロントガラス組立体10の通常の使用状態を考慮し、回転方向F1、F2は、スクーター1のシート3から遠ざかる方向への回転、およびシート3に接近する方向への回転に、それぞれ相当する。
さらに換言すれば、添付の各図から分かるように、スクーター1に取り付けたフロントガラス組立体10の通常の使用状態を考慮し、回転方向F1、F2は、アームの第2部分13の(および、そこに一体となったフロントガラス・パネル11の)前方かつ下方への回転、および後方かつ上方への回転に、それぞれ相当する。さらに換言すれば、添付の各図から分かるように、スクーター1に取り付けたフロントガラス組立体10の通常の使用状態を考慮し、回転方向F1、F2は、アームの第2部分13の端部(第2部分13の第2接続部40とは反対側の端部)の前方かつ下方への回転、および後方かつ上方への回転に、それぞれ相当する。
ただし、上記少なくとも1つの結合要素14が結合ネジ60のネジ付きのボディ14を含んでいることは、好ましいことではあるが、絶対に必要というわけでもない。一般的に、少なくとも1つの結合要素14は、アームの第2部分13をアームの第1部分12に回転自在に結合するのに適した異なるタイプの結合要素を含んでいてもよい。一般的に、少なくとも1つの結合要素14は、回転ピン14(ネジが切られていても、切られていなくてもよい)を含んでいることが好ましい。
例えば、別の実施形態において、少なくとも1つの結合要素14は、結合ネジ60のネジ付きボディ14の代わりに、リベット(図示せず)を備えていてもよい。その場合、孔61、62は、両方とも、ネジが切られていない孔であることが好ましい。
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのブロック要素15は、それらの間に、第1接続部30および第2接続部40を締め付けるか、圧縮することによって、アームの第2部分13をブロックするのに適している。好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのブロック要素15は、フロントガラス組立体10に所定のインパクト力(アームの第2部分13が第2角度位置へ向かって回転すること許容するインパクト力)が作用した後に、アームの第2部分13を解放するのに適している。
アームの第2部分13が第1角度位置にあって少なくとも1つのブロック要素15でブロックされているとき、フロントガラス組立体10は使用体勢にあることに留意すべきである。反対に、アームの第2部分13が第2角度位置にあるとき、フロントガラス組立体10は、非使用体勢である。
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのブロック要素15は、ブロック・ボルト15を備える。ブロック・ボルト15は、ブロック・ネジ19およびブロック・ナット17を備える。この場合、アームの第2部分13をブロックするために、ほぼ20kNm〜30kNmの締付けトルクで、ブロック・ナット17を締めることが好都合である。ブロック・ネジ19は、ネジが切られたネジボディ16を備える。好ましくは、ブロック・ボルト15はさらに、ブロック・ナット17と第1接続部30との間に介在させた割り座金18、あるいはスプリング・ワッシャ18を備える。別の構成として、割り座金18に代えて、異なる弾性要素18を設けてもよい。例えば、ブロック・ナット17と第1の接続部30との間に介在させた、螺旋スプリングまたはディスク・スプリングである。
図6に示したように、アームの第2部分13が第1角度位置にあるとき、ブロック・ボルト15は、接続部30および40に通されている。より好ましくは、ブロック・ネジ19は、アームの第1部分12に設けられたネジ孔63(図5)にネジ係合している。さらに、ブロック・ボルト15が、アームの第2部分13を第1角度位置にブロックしているとき、ブロック・ネジ19のボディ16は、アームの第2部分13に設けられた凹部22に受け止められる。
好ましい実施形態では、ストップ要素16、21は、ネジ19のネジボディ16と、アームの第2部分13に設けた当接部21と、を備える。ネジボディ16は、アームの第1部分12から、アームの第1部分12および第2部分13へと横方向に突出する。当接部21は、ネジ19のボディ16と協働するのに適している。当接部21が設けられている第2接続部40には、さらに前述の凹部22が設けられている。
好ましくは、例えば図5に示したように、凹部22は、部分的にその限界が当接部21によって定められている。そして、当接部21の反対側が開口している。一例では、図に示したように、凹部22は、当接部21の反対側が開口した細長いスロット22であることが、より好適である。好ましくは、第2接続部40は、大略「6」または「9」の形状であって、凹部22と回転ピン14のための孔62とを規定する。
アーム第2部分13が第1角度位置にあるとき、ネジボディ16は、凹部22に受け止められることが適切である。加えて、アームの第2部分13が第2角度位置に向かって回転するとき、ネジボディ16が凹部22の開いた側から出て行くことが適切である。
いずれにせよ、接続側面31、41は、アームの第2部分13が第1角度位置から第2角度位置に向かって回転するときに、互いに滑動することができるように構成されなければならない。
換言すれば、第1接続部30は、第1接続側面31と反対側に、さらなるフラット、または実質的にフラットな側面32を備えていて、第2接続部40が第2接続側面41と反対側に、さらなるフラット、または実質的にフラットな側面42を備えている。
さらに、保護スリーブ70によって、ブロック・ボルト15のネジ19が不慮に凹部22から外れるのを防止すること、並びに、ロック・ボルト15とネジ60を錆および汚れ等から保護すること、の両方が好適に可能となる。加えて、保護スリーブ70によれば、接続部30、40をカバーすることにより支持アーム101の美的外観を改善することができる。
この構成では、ブロック・ボルト15は、アームの第2部分13を第1角度位置にブロックしており、ネジ19のボディ16および支持アーム101の接続部40に設けられた当接部21によって、アームの第2部分13が矢印F2の方向に回転することが防止される。この構成から始めて、仮に、フロントガラス・パネル11の第2面11Cが所定の衝撃力で打たれたとすると、フロントガラス・パネル11は、アーム101の第2部分13と共に矢印F1の方向に回転する。このことは、例えば交通事故で、スクーター1の運転者がシート3からフロントガラス組立体10へと投げ出された場合に、起こり得る。
フロントガラス・パネル11の回転は、上述の所定の衝撃力によって凹部22がブロック・ボルト15に対してスライドする場合に生じ得る。このことによって、支持アーム101の第2部分13は、各ブロック・ボルト15から離れる。これに関して、凹部22が一旦ブロック・ボルト15から離れれば、アーム第2部分13は、第1部分12に対して自由に回転するということに、留意すべきである。実際には、一旦ブロック・ボルト15から離れると、アームの第2部分13は、フロントガラス組立体10が図2に示した体勢となる第2角度位置まで、自由に回転することができる。
例えば、それほど好ましくない実施形態では(図示せず)、ブロック・ボルト15に代えて、接続部30、40の外側にブロック・デバイスを設けて、それらの間に、これら接続部30、40をクランプし、アームの第2部分13を第1角度位置に保持してもよい。このブロック・デバイスは、例えば、接続部30、40に跨ぐように配置できる既知のタイプのブロック・クランプを含む。例えば、ブロック・クランプは、実質的に「C」または「U」字状の支持部にネジ係合される、ネジの切られた圧縮ピンで構成される。この場合、ストップ要素16、21は、ネジ19のボディ16を常に備えるであろうが、ブロック・ナット17および割り座金18は必要ないであろう。
代替の実施形態では、ネジ19(または、より一般にはストップ・ピン16)は、第1接続部30に代えて第2接続部40に強固に接続されていてもよい。そして、当接部21および凹部22は、第2接続部40に代えて第1接続部30に設けられていてもよい。この場合、当接部21は、添付の図面に例示的に示した具体例とは反対側に配置されて、アームの第2部分13が、第1角度位置から矢印F1の方向に回転することを許容する。
実際には、ストップ要素16、21がストップ・ピン16および当接部21で構成される場合には、ストップ要素16、21は、アームの第1部分12および第2部分13に対して横方向に延在し、これら第1、第2部分12、13の一方に強固に接続されたストップ・ピン16と、第1、第2部分12、13の他方に設けられていて、第1ストップ・ピン16と協働するのに適した当接部21と、を備えるものであれば一般に十分である。
さらに好ましくは、ストップ・ピン16は、接続側面31、41の一方にいてアームの第1部分12、第2部分13の一方に対して、強固に接続されているか、一体的に構成されている。この点に関して、以下の点に留意すべきである。ストップ・ピン16は、一般的に、アームの第1部分12および第2部分13の一方に対して、強固に接続されているか、または一体的に構成されていればよい。例えば、それに限定されるものではないが、第1部分12および第2部分13の一方に対して、当該ピンをネジ止めまたは溶接する。あるいは、ストップ・ピンを、第1部分12および第2部分13の一方と一体的に構成する。
さらに、「ストップ・ピン」という表現は、比較的広い意味で理解されるべき点に留意すべきである。例えば、ブロック・ボルト15とは異なるブロック要素を使用して、アームの第2部分13を第1角度位置にブロックする場合、ストップ・ピン16は、ネジが切られていないものであってもよいし、あるいは、例えば接続部30、40の一方とワンピースに構成された突出部から構成されていてもよい。それは、円筒形とは異なる形状を有するか、あるいは、ネジ19のボディ16のようなほぼ円筒の形状であってもよい。
さらに、一般的に、ストップ・ピン16は、長手方向への突出が優勢の要素であることが好ましいが、長手方向への突出が優勢ではないものの当接部21に入り込んで当接が可能なピンであってもよい。
例えば、それほど好ましくない実施形態では、少なくとも1つのブロック要素は、例えばゴム・スリーブまたは適切な接着剤でコートされたストップ・ピン16で構成されていてもよく、当該ピン16は、凹部22が設けられた接続部30、40の一部と協働して、摩擦、機械的干渉、または接着によって、解放可能な態様で、アームの第2部分13を第1角度位置にブロックする。
さらなる実施形態では、ブロック・ボルト15のブロック・ネジ19に加えて、そのようなゴム・スリーブまたは接着剤を適用することも可能である。
第2接続部140は、支持アーム101の変形実施形態に相当する支持アーム111の第2部分113に属している。弾性安全要素200は、ストップ・ピン16と協働して、アームの第2部分113が第1角度位置にあるときに、解放可能な態様で、ストップ・ピン16を凹部22に保持するように、構成されている。これによって、スクーター1(あるいは、フロントガラス安全組立体が取り付けられる別の乗り物)の通常の走行中に、フロントガラス安全パネルが、不慮に、図2に示した姿勢に類した機能しない姿勢となるのを回避できるという、追加の安全性が確保される。例えば、ブロック・ボルト15のナット17が不慮に緩んだ場合に、それが起こり得る。
常に図7を参照して、好ましい実施形態によれば、弾性安全要素200は、例えばスプリング・ワッシャ、または他の同様のリング状要素等の、弾性リング200を備える。好ましい実施形態では、弾性リング200は、長尺のリングである。弾性リング200は、第2接続部140の結合部分201に対して、回転自在に結合されるか、あるいはヒンジ結合されることが好ましい。さらに好ましくは、弾性リング200は、結合部分201に設けられた結合孔202に挿通される。
好ましい実施形態では、弾性リング200は、保持姿勢(図7)および解放姿勢(図示せず)をとるのに適している。保持姿勢では、リング200は、ストップ・ピン16の方へ傾いていて、凹部22の定める壁203上に当接する。例えば上述の所定の衝撃力がフロントガラス安全組立体に作用したことに起因して、アームの第2部分113が第1角度位置から第2角度位置に向かって回転するとき、ストップ・ピン16が弾性リング200を弾力的に変形させて、その結果、弾性リング200は、凹部22の開口側をパチッと開けるまで回転する。
支持アーム301は、上述の支持アーム101と同一、あるいは実質的に同一の態様で作動する。支持アーム301は、乗り物1に固定された、あるいは固定可能な第1部分312と、フロントガラス・パネル11に固定された、あるいは固定可能な第2部分313と、を備える。好ましい実施形態では、アーム301の第1部分312は、第1サブ部分312’(少なくとも部分的に、湾曲ロッドの形状をしていることが好ましい)と、第2サブ部分312’’と、を好適に備えている。
好ましくは、第1サブ部分312’は、支持アーム301をスクーター1に対して着脱可能な態様で固定する少なくとも1つの固定部材312Aを備える。好ましい実施形態では、アームの第1部分312の第2サブ部分312’’は、第1サブ部分312’の側壁312’’’に固定された(より好ましくは、側壁312’’’に対して横方向に溶接された)補強板312’’を備える。例えば、側壁312’’’は、円筒状、あるいはほぼ円筒状の壁である。
図11を参照すると、補強板312’’は、第1接続部330を備える。第1接続部330は、アームの第1部分312の端部であることが好ましい。一般的に、第1接続部330は、図3中の支持アーム101の第1部分12を参照して上に説明した第1接続部30と、機能的に同一、あるいは実質的に同一である。例えば、好ましい実施形態では、第1接続部330は、ネジが切られた孔61と、ネジが切られた孔63とを備える。
図8、9、11に示した例では、第1接続部330が補強板312’の一部であるという事実以外は、第1接続部330は、上述の第1接続部30と同一、あるいは実質的に同一である。例えば、第1接続部330は、接続側面31と類似した第1のフラット、または実質的にフラットな接続側面331を含んでいてもよい。さらに、第1接続部330は、接続側面331の反対側に、側面32と類似したフラット、または実質的にフラットな側面332をさらに含んでいてもよい。
さらに一般的には、第1接続部30および関連する変形実施形態を参照して上に説明した内容は、補強板312’が接続部330を含んでいる実施形態と両立できる程度まで、第1接続部330の場合にも有効である。この理由から、第1接続部330について、さらに詳細な説明は行わない。
好ましくは、第2接続部313’は、アームの第2部分313の端部である。第2接続部313’は、支持アーム101を参照して上に説明した第2接続部40と、機能的に同一、あるいは実質的に同一である。例えば好ましい実施形態によれば、第2接続部313’は、第2接続部40を参照して(図4)上に説明したスロット22および滑らかな孔62を含む。
図10においても示しているように、第2接続部313’は、固定部分314(好ましくは、二股に分かれた固定部分314)を備える。固定部分314は、固定用の凹部314Aを規定している。さらに図10を参照して、固定用の凹部314Aは、第2アーム部313の第2サブ部分313の’’の端部315を受け止める。端部315は、固定部分314に固定され、好ましくは、当該部分314に溶接される。さらに好ましくは、端部315は、隣接する複数の溶接側部316’、316’’、316’’’(好ましくは、隣接する3つの溶接側部316’、316の’’、316’’’)に沿って、固定部分314に溶接される(溶接ラインは、図10において太線で表示している)。
さらに一般的には、第2接続部40および関連する変形実施形態を参照して上に説明した内容は、上記固定部分314が設けられている実施形態と両立できる程度まで、第2接続部313’の場合にも有効である。この理由から、第2接続部313’について、さらに詳細な説明は行わない。
一般的に、少なくとも1つの結合要素14および関連する変形実施形態を参照して上に説明した内容は、少なくとも1つの結合要素324の場合も有効である。さらに、一般的に、少なくとも1つのブロック要素15および関連する変形実施形態を参照して上に説明した内容は、少なくとも1つのブロック要素325の場合も有効である。この理由から、少なくとも1つの結合要素324および少なくとも1つのブロック要素325について、さらに詳細な説明は行わない。
Claims (15)
- − フロントガラス・パネル(11)と、
− フロントガラス・パネル(11)を支持する支持アーム(101、301)であって、操縦ハンドルと運転者が跨がって乗るシートとを有する乗り物(1)に取り付けられる第1部分(12、312)と、フロントガラス・パネル(11)に取り付けられる第2部分(13、313)と、を備えてなる支持アーム(101、301)と、
を備えたフロントガラス安全組立体(10)であって、
当該フロントガラス・パネル(11)は、
− アームの第2部分(13、313)を第1部分(12、312)に回転自在に結合させて、当該第2部分が回転軸(X1)を中心として、第1角度位置から別の第2角度位置に向かって第1方向(F1)に回転、または第2角度位置から第1角度位置に向かって第1方向(F1)と逆の第2方向(F2)に回転するのに適したものとする、少なくとも1つの結合要素(14、324)と、
− 上記第2部分(13、313)を第1角度位置に解放可能にブロックするために提供された、少なくとも1つのブロック要素(15、325)と、
− 上記第1部分と第2部分の間に機能的に配置されていて、第2部分(13、313)が第1角度位置から第2方向(F2)へと回転することを防止するストップ要素(16、21)であって、上記少なくとも1つの結合要素(14、324)と異なるものであって、当該結合要素(14、324)から離れて配置されている、ストップ要素(16、21)と、を備えることを特徴とする、フロントガラス安全組立体(10)。 - 上記第2部分(13、313)が第1角度位置にあって、少なくとも1つのブロック要素(15、325)でブロックされているとき、フロントガラス組立体(10)は作動姿勢にあり、
第2部分(13、313)が第2角度位置にあるとき、フロントガラス組立体(10)は非作動姿勢にあり、
フロントガラス・パネル(11)は、第1面(11B)と、反対側で乗り物(1)の運転者の方に向く第2面(11C)と、を備え、
上記第2部分(13、313)の上記第1方向(F1)および第2方向(F2)への回転は、それぞれ、フロントガラス・パネルの第2面(11C)から第1面(11B)へ向かう回転、および第1面(11B)から第2面(11C)へ向かう回転に相当している、請求項1記載のフロントガラス安全組立体(10)。 - 上記ストップ要素(16、21)は、
上記第1部分および第2部分(12、13;312、313)から横方向に延在するとともに、当該第1部分および第2部分の一方に強固に固定されたストップ・ピン(16)と、
ストップ・ピン(16)と協働するのに適していて、上記第1部分および第2部分(12、13;312、313)の他方に設けられた当接部(21)と、
を備える、請求項1または2記載のフロントガラス安全組立体(10)。 - 上記少なくとも1つのブロック要素(15、325)は、フロントガラス組立体(10)に所定の衝撃力が加わった場合に、それに続いて上記第2部分(13、313)を解放して、第2部分(13、313)が第2角度位置へ向かって回転することを許容するのに適している、請求項1〜3のいずれか1つに記載のフロントガラス安全組立体(10)。
- 上記少なくとも1つの結合要素(14、324)は、回転ピン(14)を備えていて、
上記第1部分(12、312)および第2部分(13、313)は、それぞれ、第1および第2の接続部(30、40;330、313’)を備えており、当該第1および第2の接続部(30、40;330、313’)は、それぞれ、フラットまたは実質的にフラットな、第1および第2の接続側面(31、41;331、341)を備えており、当該第1および第2の接続側面(31、41;331、341)は、少なくとも1つのブロック要素(15、325)が上記第2部分(13、313)を第1角度位置にブロックするとき、互いに向かい合って接触するものであり、
回転ピン(14、324)は、第1接続側面および第2接続側面(31、41;331、341)と交差しており、
ストップ・ピン(16)は、接続側面(31、41;331、341)のうちの1つにおいて、上記第1部分および第2部分(12、13;312、313)の一方に強固に接続されている、請求項3または4記載のフロントガラス安全組立体(10)。 - 上記少なくとも1つのブロック要素(15、325)はブロック・ボルト(15、325)を備えており、当該ブロック・ボルト(15、325)は、ブロック・ネジ(19)およびブロック・ナット(17)を備え、
ブロック・ネジ(19)は、上記ストップ・ピン(16)を含んでいて、ブロック・ボルト(15)は、上記第2部分(13、313)が第1角度位置にあるときに、上記接続部(30、40;330、313’)と交差している、請求項5記載のフロントガラス安全組立体(10)。 - 上記当接部(21)は接続部(30、40)の一方に設けられており、当接部(21)が設けられた接続部には、部分的に上記当接部(21)で区切られるとともに、当接部(21)とは反対側が開いている凹部(22)がさらに設けられており、
上記ストップ・ピン(16)は、上記第2部分(13、313)が第1角度位置にあるとき、凹部(22)内に受け止められ、かつ上記第2部分(13、313)が第2角度位置へ向かって回転するとき、凹部(22)の開いた側から出て行くのに適している、請求項5または6記載のフロントガラス安全組立体(10)。 - 上記凹部が設けられている上記接続部に結合された弾性安全要素を備えており、当該弾性安全要素は、ストップ・ピン(16)と協働して、上記第2部分(13、313)が第1角度位置にあるときに、当該ストップ・ピン(16)を凹部(22)内に解放可能に保つように構成されている、請求項7記載のフロントガラス安全組立体(10)。
- 上記接続部(30、40;330、313’)はプレート形状をした部分であって、当該接続部(30、40;330、313’)のそれぞれは、各接続側面(31、41;331、341)の反対側に、フラット、または実質的にフラットな側面(32、42)をさらに備えている、請求項5〜8のいずれか1つに記載のフロントガラス安全組立体(10)。
- 上記接続部(30、40)は、厚さが低減された部分(30、40)である、請求項5〜9のいずれか1つに記載のフロントガラス安全組立体(10)。
- 上記第1接続部(30)は、第2角度位置にある上記第2部分(13)が当接するリミットストップ肩(50)を規定する形状に作られている、請求項5〜10のいずれか1つに記載のフロントガラス安全組立体(10)。
- 上記凹部(22)が設けられた接続部(30、40)は、大略的に「6」または「9」の形状を有する、請求項7〜11のいずれか1つに記載のフロントガラス安全組立体。
- 上記第1部分(312)および第2部分(313)は、それぞれ、第1サブ部分(312’313’)および第2サブ部分(312’’、313’’)を備えていて、
第1部分(312)の第1サブ部分(312’)は、側壁(312’’’)を備えており、第1部(312)の第2サブ部分(312’’)は、補強板(312’’)を備えており、
補強板(312’’)は、上記第1接続部(330)を備えるとともに、上記第1部分(312)の側壁(312’’’)に固定されており、
第2部分(313)の第1サブ部分(313’)は、上記第2接続部(313’)を備え、第2部分(313)の第2サブ部分(313’’)は、端部(315)を備え、
第2接続部(313’)は固定部分(314)を備え、当該固定部分(314)は、そこに上記端部(315)が固定されるとともに、当該端部(315)が内部で受け止められる固定凹部(314A)を規定している、請求項5〜9のいずれか1つに記載のフロントガラス組立体。 - 上記第2部分(13、313)が第1角度位置にあるときに上記第1接続部および第2接続部(30、40;330、313’)の周囲にフィットするよう構成された保護スリーブ(70)を備える、請求項5〜13のいずれか1つに記載のフロントガラス安全組立体(10)。
- 操縦ハンドルと運転者が跨がって乗るシートとを有する乗り物(1)であって、請求項1〜14のいずれかに記載のフロントガラス組立体を備えている、乗り物。
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