JP2017519769A - GnRHを含む膣内製剤 - Google Patents

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Abstract

膣内製剤であって、該製剤の10〜20w/w%の量のカルボン酸と、30℃〜38℃の融解温度を有する油性基剤と、10μg〜600μgのGnRH量と等価量のGnRHまたはその類似体と、を含む、膣内製剤が提供される。本製剤を使用して、反芻動物において***を誘発する方法もまた提供される。【選択図】 図1A

Description

本発明は、反芻動物における***調整の分野に関する。
乳牛管理は、最適な実績及び経済的収量のための効率的な繁殖計画を必要とする。牛乳生産は、妊娠し、出産し、授乳する、管理下の雌ウシに依存する。出産後、雌ウシは、200日間にわたって搾乳することができる。しかしながら、出産から約150日後、牛乳生産は、典型的には急速に減少する。故に、出産−授乳周期における出産と次の妊娠との間の期間を減少させることは、牛乳生産、つまり酪農管理に対する雌ウシ価値を増加させる。更に、雌ウシの酪農的価値は、典型的には最初の出産から36ヶ月後に急速に減少する。この時間中に雌ウシが有する妊娠の回数を増加させることは、飼料費用、一般費用、及び他の費用の観点から、動物への投資に対する収益を最大化する。
高い牛乳収量及び繁殖性の目標は、同時に達成するのが困難であり得る。高い牛乳収量は、繁殖性に直接関わる、発情期の持続期間の減少、発情期の兆候のない***、及び無***状態をもたらし、基本的な生殖管理道具、つまり発情期検出後の人工授精(AI)の効率的な実行をより困難にする。生殖管理の効率は、発情周期及び***を調整し、制御するホルモンの使用によって増加させることができる。雌ウシの発情周期は、例えば、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)、黄体形成ホルモン(LH)、プロスタグランジンF2a、エストロゲン、プロゲステロン、及びこれらのホルモンのいくつかの合成類似体によって操作することができる。
OVSYNCH(登録商標)処置計画は、雌ウシの発情周期を調整するための3連注射連隊(three injection−regiment)である。GnRHは、いかなる段階の繁殖周期にある雌ウシにも注射される。GnRHはLHを刺激し、それが古い卵胞の***及び新しい卵胞の成長を刺激する。プロスタグランジンによる第2の注射は、GnRH注射の7日後に与えられ、(雌ウシが***するのを防ぐ)あらゆる活性黄体の退化をもたらす。2日後、第2のGnRHの注射を与え、第1のGnRH注射によって刺激された卵胞から、卵子を放出、すなわち***させる。授精の最適な時間は第3の注射の16時間後であるが、雌ウシは24時間繁殖性であり続ける。OVSYNCH(登録商標)処置計画は、同時に処置された雌ウシ間の***の同期化を可能にする。しかしながら、OVSYNCH(登録商標)処置計画は、比較的な正確なスケジュールで各雌ウシを4回処置することを必要とし、処置費用を増加させ、多数の動物の処置を困難または実行不可能にする。GnRHの比較的高い費用及び膣内投与されたGnRHの比較的低い生物学的利用能によって、OVSYNCH(登録商標)処置計画を修正するための努力は困難なものとなっている。
本発明は、反芻動物における***調整の分野に関する。
特定の実施形態において、10〜20w/w%の量のカルボン酸と、30℃〜38℃の融解温度を有する油性基剤と、約10μg〜600μgのGnRHと等価量のGnRHまたはその類似体と、を含む、膣内製剤が提供される。
特定の実施形態において、GnRHまたはその類似体は、140〜550μgのGnRHの量と等価量で、または140〜500μgのGnRHの量と等価量で、または140〜300μgのGnRHの量と等価量で、または140〜250μgのGnRHの量と等価量で、または140〜200ugのGnRHの量と等価量で、または200〜500μgのGnRHの量と等価量で、または200〜400μgのGnRHの量と等価量で、または200〜300μgのGnRHの量と等価量で、または280〜550μgのGnRHの量と等価量で、または280〜500μgのGnRHの量と等価量で、または280〜400μgのGnRHの量と等価量で存在する。
特定の実施形態において、GnRHまたはその類似体は、メスの反芻動物に筋肉内投与されるとき、GnRHまたはその類似体のED70の140%〜250%の量で存在する。
特定の実施形態において、カルボン酸は、クエン酸、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、アスコルビン酸、乳酸、アスパラギン酸、エデト酸二カリウム、またはこれらの組み合わせである。油性基剤は、30未満、好ましくは20未満、より好ましくは15未満、例えば5〜15のヒドロキシル価(OHV)を有し得る。
特定の実施形態において、メスの反芻動物は、ウシ、ヤギ、またはヒツジである。
特定の態様において、GnRHまたはその類似体をカルボン酸と混和することと、GnRHまたはGnRH類似体及びカルボン酸を粉砕することと、粉砕されたGnRHまたはGnRH類似体及び粉砕されたカルボン酸を、油性基剤中に分散させることとによって、上述の実施形態のうちのいずれかに従う製剤を作製する方法が提供される。
別の態様において、先行する実施形態のいずれかに従う製剤を膣内投与することによる、発情間期の反芻動物において***を誘発する方法が提供される。特定の態様において、膣内製剤は、プロスタグランジンF2α、ならびに有効用量のプロスタグランジン及び別の有効用量のGnRHまたはその類似体のいずれかもまた含む、複数構成成分製剤の一部として提供される。特定の態様において、複数構成成分製剤は、プロスタグランジンF2αの放出の6〜10日前、例えば、7日前、8日前、または9日前に、別の有効用量のGnRHまたはその類似体を放出するように構成された膣内デバイス内にある。膣内デバイスはまた、プロスタグランジンF2αの放出の約2日後に、本明細書に記載する製剤を放出するように構成されてもよい。特定の態様において、他の有効用量のGnRHまたはその類似体は、上述の膣内製剤と同一であってもよい。
図1a及び1bは、ゴナドレリン酢酸塩(膣内)で処置した動物のAUCの最小二乗平均(+/−標準誤差)を図示する。 図1a及び1bは、ゴナドレリン酢酸塩(膣内)で処置した動物のAUCの最小二乗平均(+/−標準誤差)を図示する。 図2a及び2bは、ゴナドレリン塩酸塩(膣内)で処置した動物のAUCの最小二乗平均(+/−標準誤差)を図示する。 図2a及び2bは、ゴナドレリン塩酸塩(膣内)で処置した動物のAUCの最小二乗平均(+/−標準誤差)を図示する。
定義
本発明をより良く理解するために、以下の非限定的な定義を提供する。
「GnRH」という用語は、反芻動物において天然に存在するGnRH形態を指す。GnRHの例としては、非限定的に、ウシGnRH、ヤギGnRH、ヒツジGnRH、及びこれらの塩が挙げられる。GnRHは、配列番号1のアミノ酸配列(ピロ−EHWSYGLRPG−NH)を有するデカペプチドである。一般に、GnRHの酢酸塩、酢酸塩水和物、及び/または塩酸塩が使用される。
GnRHまたはGnRHの類似体に適用される場合、「ED70」という用語は、発情周期の発情間期の段階にある反芻動物に投与されたとき、ウシ反芻動物のうちの70%において***を引き起こす、GnRHまたは該当する場合はGnRHの類似体の用量を指す。
特定のGnRHの量「と等価量のGnRH類似体の量」という用語は、類似体の効力に対するGnRH量の比率を指す。例えば、GnRHよりも50倍強力な2ngのGnRH類似体は、100ngのGnRHと等価である。
製剤
本明細書に開示される製剤は、反芻動物、例えばウシ種及びヒツジ種に対するGnRHの膣内投与に有用である。驚くべきかつ予期せぬことに、発明者らは、本明細書に開示される製剤が、筋肉内投与時に得られる生物学的利用能に接近する(例えば、約70〜75%の)GnRHまたはGnRH類似体の生物学的利用能を提供することを発見した。本明細書に開示される製剤を使用して得られるGnRHの効率的な膣内送達は、増加した経済性のGnRHまたはGnRH類似体の膣内送達を提供する。更に、本明細書に開示される製剤は、反芻動物における発情周期同期化及び***誘発のための「ワンタッチ」プロトコル、すなわち、単回投与のホルモンのみを必要とするプロトコルの設計を可能にする。
GnRHまたはGnRH類似体の増加した生物学的利用能を提供する製剤は、カルボン酸及び油性基剤と組み合わせたGnRHまたはGnRH類似体を含む。GnRHまたはGnRH類似体は、典型的には10〜600μgのGnRH量と等価量で存在する。特定の実施形態において、本発明の製剤は、140〜600μgのGnRH量と等価量のGnRHまたはその類似体の範囲GnRHまたはその類似体を含有する。特定の例において、膣内製剤において有効な量のGnRHまたはGnRH類似体は、筋肉内投与されたときに有効であることが知られているGnRHの量に基づき、膣内製剤の投与及び筋肉内投与後に得られるそれぞれのGnRH生物学的利用能について調節され得る。ウシの場合、例えば、特定のGnRH製品は、1頭の動物当たり100〜200μgのGnRHの筋肉内投与を推奨する。GnRHの筋肉内投与時に得られる生物学的利用能の75%の生物学的利用能を提供する膣内GnRH製剤について、本製剤は、約133〜266μgのGnRHの等価物を含むであろう。故に、そのような製剤は、例えば、膣内投与される1頭の動物当たり140μgを提供し得る。
製剤中に存在するGnRHまたはGnRH類似体の量は、動物の群に膣内投与されたとき、好ましくは同期的***を引き起こす。故に、理論によって拘束されるものではないが、本膣内製剤は、メスの反芻動物に筋肉内投与されるとき、GnRHまたはGnRH類似体のED70の140%〜300%の量のGnRHまたはGnRH類似体を含み得る。例えば、GnRHまたはそのGnRH類似体は、メスの反芻動物に筋肉内投与されるとき、GnRHまたはGnRH類似体のED70の140%〜275%、140%〜250%、140%〜200%、180〜250%、または200%〜220%のGnRH量と等価量で存在し得る。
GnRHまたはGnRH類似体は、140〜550μgのGnRHの量と等価量で、または140〜500μgのGnRHの量と等価量で、または140〜300μgのGnRHの量と等価量で、または140〜250μgのGnRHの量と等価量で、または140〜200μgのGnRHの量と等価量で、または200〜500μgのGnRHの量と等価量で、または200〜400μgのGnRHの量と等価量で、または200〜300μgのGnRHの量と等価量で、または280〜550μgのGnRHの量と等価量で、または280〜500μgのGnRHの量と等価量で、または280〜400μgのGnRHの量と等価量で存在し得る。
膣内GnRH製剤は、GnRH及び/または1つ以上のGnRH塩及び/または1つ以上のGnRH類似体を含んでもよい。GnRH塩としては、例えば、非限定的にGnRH塩酸塩、GnRH酢酸塩、GnRH酢酸塩四水和物が挙げられる。GnRH類似体としては、例えば、非限定的にロイプロリド(pyrGlu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Leu−Leu−Arg−Pro−NHEt、配列番号2)、ブセレリン(pyrGlu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Ser(Tbu)−Leu−Arg−Pro−NHEt、配列番号3)、デスロレリン(pyrGlu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Trp−Leu−Arg−Pro−NHEt、配列番号4)、及びフェルチレリン(pyrGlu−His−Trp−Ser−Tyr−Gly−Leu−Arg−Pro−NHEt、配列番号5)、ならびにこれらの類似体の塩及び/または水和物が挙げられる。好ましいGnRH類似体は、ブセレリンである。ブセレリンの好ましい用量は、GnRH量の10%に等しい量である。
GnRH類似体は、当該技術分野において周知である。GnRH類似体の***誘発活性は、Pubmedデータベースなどの公的に入手可能な情報源において明確に文書化されている。更に、GnRH類似体の***誘発活性を決定するための好適なモデルが開発されている。GnRH類似体及びそれらの***誘発活性の更なる例は、Dutta et al,Biochem Biophys Res. Commun. 1978 81(2):382−390、Fujino et al,Biochem Biophys Res. Commun1974 57(4):1248−1256、Dutta et al,J Med. Chem. 1978 21(10):1018−1024、Fujino et al,Biochem Biophys Res. Commun1972 49(3):863−869に開示されている。故に、対象となるGnRH類似体(複数可)の***誘発活性を決定するのに、通例の実験以上のものが必要とされることはない。
複数の油性基剤が、本明細書に記載されるGnRH膣内製剤に好適である。一般に、油性基剤は、モノグリスデリド(triglycderide)と、ジグリスデリドと、トリグリスデリドとの混合物を含有する。モノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドの相対量、ならびに脂肪酸尾部の長さは、OHV値(遊離ヒドロキシル基の含有量)に影響を与える。換言すると、OHV値は、油性基剤中のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドの相対量についての特定の情報を提供する。特定の実施形態において、油性基剤は、30未満のOHV値を有する。故に、異なる実施形態において、OHV値は、25未満、20未満、15未満、10未満、または5未満である。いくつかの実施形態において、油性基剤のOHV値は、約5〜約15である。
油性基剤の例は、WITEPSOL(登録商標)シリーズの坐剤である。WITEPSOL(登録商標)H15坐剤のOHV値は、5〜15である。Hシリーズは、最大15のヒドロキシル値を有する硬質脂肪である。それらは、主にトリグリセリドから成り、最大15%のジグリセリド、及び1%以下のモノグリセリドの割合を有する。それらは、融解温度と凝固温度との間の非常に小さな差を特徴とし、後硬化現象へのわずかな傾向(最大1.5℃)を有するにすぎない。
WITEPSOL(登録商標)Wシリーズの製品は、20〜50のヒドロキシル値(OHV)を有する硬質脂肪である。それらは、トリグリセリド(65〜80%)と、ジグリセリド(10〜35%)と、モノグリセリド(1〜5%)との混合物から成る。それらの組成の結果として、これらのWITEPSOL等級品は、融解点と凝固点との間のより大きな差を有し、それらは、衝撃冷却に対する感受性が低く(より弾性)、より緩徐に凝固し、かつ自動機械及び小規模機器の両方によって容易に加工され得る。部分グリセリド含有量はまた、固体の沈降も緩徐にし、吸収がそれほど容易ではない活性化合物の吸収も促進する。
特定の態様において、油性基剤は、30未満のOHV値を有する。故に、OHV値は、25未満、20未満、15未満、10未満、または5未満であり得る。いくつかの態様において、油性基剤のOHV値は、約5〜約15である。
油性基剤はまた、反芻動物の体温未満の融解温度も有する。油性基剤の融解温度はまた、例えば、30℃〜40℃、例えば、30.5〜32.5℃、32.5〜34.5℃、34.5〜36.5℃、36.5〜38.5℃、及び38.5〜40℃の範囲内であり得る。
様々なカルボン酸が、本明細書に記載されるGnRH膣内製剤に好適である。非限定的に、例示的なカルボン酸としては、クエン酸、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、アスコルビン酸、乳酸、アスパラギン酸、エデト酸二カリウム、またはこれらの組み合わせが挙げられる。一般に、GnRH膣内製剤は、約8〜20w/w%(例えば、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%)のカルボン酸を含有する。
GnRH膣内製剤は、固体形態のGnRHまたはGnRH類似体及び固体形態のカルボン酸を、油性基剤中に分散させることによって調製され得る。GnRHまたはGnRH類似体及び/またはカルボン酸は、油性基剤中への分散前に粒径を小さくするために加工(例えば、粉砕)され得る。
ウシにおける***の同期化のためのプロトコルは、非限定的に、1つ以上のウシGnRHまたはそのGnRH類似体(「GnRH−1」と称される)を投与することと、その後5〜9日間以内にウシプロスタグランジンF2aを投与することと、プロスタグランジン投与の約30〜72時間後に、続けて第2の用量のGnRHまたはGnRH類似体(「GnRH−2」と称される)をウシに投与することと、によってもたらされ得る。理論によって拘束されるものではないが、GnRH−1投与は、処置した動物のうちの大部分において、卵胞波出現及び卵胞成長パターンを標準化する***卵胞の***または黄体形成を誘発する。(***卵胞の***を誘発する)GnRH−2投与。記載するGnRH膣内製剤は、GnRH−1投与及び/またはGnRH−2投与のいずれかまたは両方に好適である。
本明細書に記載するGnRH膣内製剤は、複数構成成分組成物の一部分として使用され得る。そのような複数構成成分は、同期化構成成分と、プロスタグランジン構成成分と、***誘発構成成分とを含み得る。故に、本明細書に記載するGnRH膣内製剤は、同期化構成成分、***誘発構成成分、または同期化構成成分及び***誘発構成成分の両方としての使用に好適である。複数構成成分組成物は、開業医によって所望される場合、処置を送達するように構成された膣内デバイス内に充填され得る。膣内送達デバイスは、例えば、まず同期化構成成分、プロスタグランジン構成成分(同期化構成成分が送達されてから6〜10日後)、及び***誘発構成成分(プロスタグランジン構成成分が送達されてから30〜72時間後)ように構成され得る。
特定の態様において、GnRH膣内製剤は、複数構成成分組成物のうちの同期化構成成分及び***誘発構成成分の両方として使用される。プロスタグランジン構成成分は、同期化構成成分の約7日後に送達され、***誘発構成成分は、プロスタグランジン構成成分の30〜72時間後に送達される。
複数構成成分組成物は、異なる構成成分の定時送達のために構成されたデバイス内部から有利に投与され得る。そのようなデバイスは、例えば、1つ以上の貯蔵部及びプログラム可能な処理ユニットを含有し得る。それぞれの貯蔵部は、同期化構成成分と、***誘発構成成分と、プロスタグランジン構成成分とを含有し得る。所定の時間に、プログラム可能な処理ユニットは、デバイスの貯蔵部から反芻動物の膣内へと、適切な構成成分の放出をもたらす。プログラム可能な処理ユニットは、貯蔵部の壁を破裂させ、例えば、電力、機械力、または浸透力を通してデバイスから貯蔵部の含有物を押し出すことによって、そのような放出をもたらす。
全てのこれらの刊行物は、個々の各刊行物が参照によって組み込まれるものとして具体的かつ個々に示される場合と同一の程度まで、参照によって本明細書に完全に組み込まれる。
本明細書では、本発明を特定の実施形態を参照しながら記載しているものの、これらの実施形態は単に本発明の原理及び用途を例示するにすぎないことが理解される。したがって、例示的な実施形態には多数の修正が成され得ること、及び以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに他の配置が考案され得ることが理解される。
本発明を、非限定的な実施例において更に説明する。
実施例1:膣内ゴナドレリン酢酸塩の生物学的利用能
材料及び方法
動物及び処置
動物は、授乳する成体ホルスタイン種牛であった。それらは1〜3回の出産回数があり、分娩から最小50日後であり、妊娠はしていなかった。これらの動物は、砂床を有する現代式フリーストール酪農施設に収容された群であり、それらは、1日2回搾乳された。試験開始前に、一方向処置構造を有する無作為完備型ブロック設計に従って4つの処置群のうちの1つに動物を割り当て、それらを体重(500〜834kgの範囲)に従ってブロック化した。処置1(T01)「陽性対照」(n=4)は、PBS中、220μgのゴナドレリン酢酸塩(200μg等価量(「eq」)のゴナドレリン)を筋肉内(IM)投与によって受け、処置2(T02)は、40mgのクエン酸と混合された4406μgのゴナドレリン酢酸塩(4000μg等価量のゴナドレリン)を粉末として膣内(IVg)に受け、処置3(T03)は、40mgのクエン酸がペレット中に圧縮された4406μgのゴナドレリン酢酸塩を膣内に受け、処置4(T04)は、40mgのクエン酸がワックス様マトリクス(WITEPSOL(登録商標)H−15)中に分散した4406μgのゴナドレリン酢酸塩を膣内に受けた。全ての処置を、Zoetis IACUC承認の動物使用プロトコルの下で投与した。
製剤
処置1は、25mLのリン酸緩衝生理食塩水中に溶解した1.37mgのゴナドレリン酢酸塩から成っていた。結果として得られる55μg/mLの溶液は、50μg/mLのゴナドレリンと等価である。この溶液を、0.22μmのフィルタを通して濾過することによって滅菌した。この溶液のうちの4mLを投与して、200μgのゴナドレリンの合計用量を達成した。処置2は、400mgのクエン酸と混合し、次いで粉砕して、より小さく、より均一な粒径を達成した4406μgのゴナドレリン酢酸塩から成っていた。これを、4000μgのゴナドレリンと等価である遊離粉末として投与した。処置3は、320mgのクエン酸、960mgのラクトース、960mgの微結晶、160mgのクロスポビドン、及び6mgのステアリン酸マグネシウムと混合した4406μgのゴナドレリン酢酸塩から成っていた。次いで、この混合物を粉砕して、より小さく、より均一な粒径を達成し、305mgの混合物をペレット形態へと圧縮して、各用量を作製した。各ペレットは、4000μgのゴナドレリンと等価である4406μgのゴナドレリン酢酸塩を含有した。処置4は、4406μgのゴナドレリン酢酸塩を40mgのクエン酸と混合することによって作製した坐剤から成っていた。この混合物を粉砕して、より小さく、より均一な粒径を達成し、次いで、それを、2mLのプラスチック管中、60℃で融解した260mgのWITEPSOL(登録商標)H15中に分与した。この懸濁液をボルテックスして、均一性を確保した。次いで、それを冷却させて、4000μgのゴナドレリンと等価の用量を含有する固体坐剤を形成した。
実験設計
試験開始前に動物を検査して、それらが臨床的に健康であり、跛行が存在せず、正常な生殖器系を有することを確実にした。牛乳をスクリーニングして、体細胞数が750,000個の細胞/mL未満であり、分房が乳腺炎を有しないことを確実にした。体重を集めて、処置に対して動物を無作為化した。授乳産業を代表する特別配合された基礎飼料割当を与え、食餌の説明を試験データ内に文書化した。水を適宜提供した。発情期は、この試験開始前には同期化していなかった。全ての処置を、同日に与えた。処置1を、各動物の肩領域内に筋肉内急速投与として与えた。処置2を、改変ウマ子宮内ピペットによって、膣内への急速投与として与えた。処置3及び4を、改変ヤギ経口投薬銃によって、膣内への急速投与として与えた。投薬前、ならびに投与の0.33、0.75、1、1.5、2、4、7、12、及び24時間後に血液試料を収集した。これらの試料から血漿を単離し、GnRH分析のために処理した。
血漿GnRH
プロテアーゼ阻害剤としての役割を果たす0.6mLの3mMバシトラシンを含有する、事前に冷却したK2EDTA管中に血液を収集した後、管を少なくとも5回上下反転させることによって試料を混合した。次いで、試料を氷上に置き、収集から15分以内に4℃で遠心分離した。次いで、0.6mLの血漿を2.0mLのメタノールに添加し、試料を60秒間ボルテックスした。試料を−20℃で凍結し、以前に説明されたRIA(Nett,T.M.,A.M.Akbar,W.R.White,M.T.Hedlund and G.D.Niswender.1973.Radioimmunoassay for gonadotropin−releasing hormone(GnRH)in serum.J.Clin.Endocrinol.Metab.36:880−885)による分析のためにEndolytics,LLCへと輸送した。
結果
群平均血漿ゴナドレリン濃度
表1に実証するように、4400μgの膣内用量を受けた動物(T02、T03、T04、筋肉内用量の20倍)は、0.22mgの筋肉内用量を受けた動物(T01)よりも高い群平均血漿ゴナドレリン濃度を達成した。膣内用量を受けた処置(T02、T03、T04)のうち、T04が、最も高い平均血漿濃度を経験した。T02膣内投与及びT04膣内投与の平均ゴナドレリン濃度は、それぞれ投与の12時間及び7時間後について、筋肉内T01投与よりも高かった。平均ゴナドレリン濃度は、投与の約45分後から投与の7時間後まで、T03膣内投与について、T01膣内投与よりも高かった。血漿ゴナドレリン濃度は、T04において最も高く、T02、次いでT03及びT01がそれぞれ続いた(全ての処置についてn=4)。処置2、T03、及びT04は、T01に投与された用量よりも20倍高い用量を受けた。用量投与から24時間後までに、全ての処置の血漿ゴナドレリンレベルは定量限界未満であった。
Figure 2017519769
T01:PBS中、220μgのゴナドレリン酢酸塩(200μg等価量のゴナドレリン)
T02:4400μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(粉末)(4000μg等価量のゴナドレリン)
T03:4400μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(ペレット)(4000μg等価量のゴナドレリン)
T04:ワックス(坐剤)中、4400μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(4000μg等価量のゴナドレリン)
BLQ−定量限界未満
群平均薬物動態パラメータ
表2に示すように、20倍高い用量のために予想された通り、4400μgの膣内用量を受けた動物(T02、T03、T04)は、220μgの筋肉内用量を受けた動物(T01)よりも高い平均Cmax及び平均AUC(曝露)を達成した。
最も高い平均Cmaxは、T04(膣内)によって達成され、これは、T01筋肉内用量の平均Cmaxよりも約15倍高く、(用量正規化後の)筋肉内用量の75%の相対Cmaxを表した。T02及びT03の平均Cmax値は、T01よりもそれぞれ約9倍及び5倍高かった。群平均Cmax対筋肉内Cmaxの比率としてのCmaxは、T04において最も大きく、T02、T03、次いでT01がそれぞれ続いた(全ての処置についてn=4)。群平均AUC対筋肉内AUCの比率としての生物学的利用能(F)及びAUCは、T02において最も大きく、T04、T03、次いでT01がそれぞれ続いた。処置2、T03、及びT04は、T01に投与された用量よりも20倍高い用量を受けた。
(筋肉内用量に対する)膣内生物学的利用能は、T02、T03、及びT04について、それぞれ92%、42%、及び72%であった。ゴナドレリンまたはその類似体の生理活性を決定する際には、Cmax及びTmaxがより妥当であり得るものの、膣内生物学的利用能は、T02において最も大きかった。
T01の筋肉内投与は、膣内処置のうちのいずれよりも早いTmax(20分)をもたらした。膣内投与のうち、T04は、約26分で最も早いTmaxを呈し、T02及びT03は、それぞれ約37分及び90分に、それらのそれぞれのTmaxに達した。
Figure 2017519769
T01:PBS中、220μgのゴナドレリン酢酸塩(200μg等価量のゴナドレリン)
T02:4400μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(粉末)(4000μg等価量のゴナドレリン)
T03:4400μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(ペレット)(4000μg等価量のゴナドレリン)
T04:ワックス(坐剤)中、4400μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(4000μg等価量のゴナドレリン)F=筋肉内用量に対する膣内生物学的利用能
実施例2:ゴナドレリン酢酸塩の膣内投与の用量直線性
材料及び方法
動物及び処置
動物は、授乳する成体ホルスタイン種牛であった。それらは1〜3回の出産回数があり、分娩から最小50日後であり、妊娠はしていなかった。これらの動物は、砂床を有する現代式フリーストール酪農施設に収容された群であり、それらは、1日2回搾乳された。試験開始前に、一方向処置構造を有する無作為完備型ブロック設計に従って4つの処置のうちの1つに動物を割り当て、それらを体重(518〜782kgの範囲)に従ってブロック化した。処置1「陽性対照」(n=4)は、PBS中、220μgのゴナドレリン酢酸塩(200μg等価量のゴナドレリン)を筋肉内(IM)投与によって受け、処置2は、40mgのクエン酸がワックス様マトリクス(WITEPSOL(登録商標)H−15)中に分散した220μgのゴナドレリン酢酸塩(200μg等価量のゴナドレリン)を膣内に受け、処置3は、40mgのクエン酸がワックス様マトリクス(WITEPSOL(登録商標)H−15)中に分散した440μgのゴナドレリン酢酸塩(400μg等価量のゴナドレリン)を膣内に受け、処置4は、40mgのクエン酸がワックス様マトリクス(WITEPSOL(登録商標)H−15)中に分散した880μgのゴナドレリン酢酸塩(800μg等価量のゴナドレリン)を膣内に受けた。全ての処置を、Zoetis IACUC承認の動物使用プロトコルの下で投与した。
製剤
処置1は、25mLのリン酸緩衝生理食塩水中に溶解した1.37mgのゴナドレリン酢酸塩から成っていた。結果として得られる55μg/mLの溶液は、50μg/mLのゴナドレリンと等価である。この溶液を、0.22μmのフィルタを通して濾過することによって滅菌した。この溶液のうちの4mLを投与して、200μgのゴナドレリンの合計用量を達成した。処置2〜4は、それぞれ220μg、440μg、または880μgのゴナドレリン酢酸塩を、40mgのクエン酸と混合することによって作製した坐剤から成っていた。この混合物を粉砕して、より小さく、より均一な粒径を達成し、次いで、それを、2mLのプラスチック管中、60℃で融解した260mgのWitepsol(登録商標)H15中に分与した。この懸濁液をボルテックスして、均一性を確保した。次いで、それを冷却させて、それぞれ200μg、400μg、または800μgのゴナドレリンと等価の用量を含有する固体坐剤を形成した。
実験設計
試験開始前に動物を検査して、それらが健康であり、跛行が存在せず、正常な生殖器系を有することを確実にした。牛乳をスクリーニングして、体細胞数が750,000個の細胞/mL未満であり、分房が乳腺炎を有しないことを確実にした。体重を集めて、処置に対して動物を無作為化した。授乳産業を代表する特別配合された基礎飼料割当を与え、食餌の説明を試験データ内に文書化した。水を適宜提供した。発情期は、この試験開始前には同期化していなかった。全ての処置を、同日に与えた。処置1を、各動物の肩領域内に筋肉内急速投与として与えた。処置2、3、及び4を、改変ヤギ経口投薬銃によって、膣内への急速投与として与えた。投薬前、ならびに投与の0.167、0.33、0.75、1、1.5、2、4、及び7時間後に血液試料を収集した。血漿を単離し、GnRH分析のために処理した。
血漿GnRH
プロテアーゼ阻害剤としての役割を果たす0.6mLの3mMバシトラシンを含有する、事前に冷却したK2 EDTA管中に血液を収集した後、管を少なくとも5回上下反転させることによって試料を混合した。次いで、試料を氷上に置き、収集から15分以内に4℃で遠心分離した。次いで、0.6mLの血漿を2.0mLのメタノールに添加し、試料を60秒間ボルテックスした。試料を−20℃で凍結し、以前に説明されたRIA(Nett,T.M.,A.M.Akbar,W.R.White,M.T.Hedlund and G.D.Niswender.1973.Radioimmunoassay for gonadotropin−releasing hormone(GnRH)in serum.J.Clin.Endocrinol.Metab.36:880−885)による分析のためにEndolytics,LLCへと輸送した。
結果
逆変換された群平均血漿ゴナドレリン濃度
表3に示すように、440μg及び880μgでの膣内用量を受けた動物(それぞれT03及びT04)は、220μgの筋肉内用量を受けた動物(T01)よりも高いピーク群平均血漿ゴナドレリン濃度を達成した。膣内処置(T02、T03、及びT04)によって実証されたピーク血漿濃度は、T01の投与によって達成された最高血漿濃度よりも後(それぞれ0.75時間対0.333時間)に達成された。T01及びT02の動物は等価用量のゴナドレリン酢酸塩を受けた一方で、膣内経路の投与(T02)の血漿濃度は、決してIM投与(T01)後に呈された血漿レベルと同一のレベルには達しなかった。血漿ゴナドレリン濃度は、T04において最も高く、T03、次いでT01及びT02がそれぞれ続いた(全ての処置についてn=4)。用量投与から4時間後までに、全ての処置の血漿ゴナドレリンレベルは定量限界未満であった。
Figure 2017519769
T01:PBS中、220μgのゴナドレリン酢酸塩(200μg等価量のゴナドレリン)
T02:ワックス(坐剤)中、220μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(200μg等価量のゴナドレリン)
T03:ワックス(坐剤)中、440μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(400μg等価量のゴナドレリン)
T04:ワックス(坐剤)中、880μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(800μg等価量のゴナドレリン)
BLQ−定量限界未満(<1.9pg/mL)
群平均薬物動態パラメータ
表4に示すように、440μg及び880μgの膣内用量を受けた動物(T03及びT04)は、220μgの筋肉内用量(T01)または膣内用量(T02)のいずれかを受けた動物よりも高い平均Cmax及びAUCレベルを達成した。膣内投与を受けた動物の中で、最も高い平均Cmax及びAUCはT04によって達成され、CmaxはT01筋肉内投与のCmaxよりも約1.8倍高く、AUCは約2.3倍高かった。その後には処置3が続き、平均Cmax及びAUCはT01のそれとおよそ等しかった。220μgの筋肉内用量(T01)と等価である膣内投与(T02)は、それぞれ筋肉内用量の約43%及び49%であるCmax及びAUCをもたらした。予想通り、ゴナドレリンの筋肉内投与(T01)は、投与の約20分後に他のいずれの処置のTmaxよりも早いTmaxをもたらした。膣内投与のうち、T04が、約36分後に2番目に早いTmaxを呈し、T02、次いでT03が、約45分後にそれらのそれぞれのTmaxに達した。
Figure 2017519769
T01:PBS中、220μgのゴナドレリン酢酸塩(200μg等価量のゴナドレリン)
T02:ワックス(坐剤)中、220μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(200μg等価量のゴナドレリン)
T03:ワックス(坐剤)中、440μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(400μg等価量のゴナドレリン)
T04:ワックス(坐剤)中、880μgのゴナドレリン酢酸塩+40mgのクエン酸(800μg等価量のゴナドレリン)
用量比例性
図1A及び1Bに示すように、クエン酸及びWitepsol H15と組み合わせたゴナドレリン酢酸塩の製剤は、膣内投与されるとき、用量比例的なCmax及びAUCを提供するであろう。この比例性は、ゴナドレリン酢酸塩の筋肉内投与後に観察されるゴナドレリンの血漿濃度と類似するゴナドレリンの血漿濃度を達成するのに必要とされる膣内用量の推定を可能にする。不適合度についての検定は、(Cmaxについて)0.6912のp値及び(AUCについて)0.9686のp値をもたらし、これらはともに0.1レベルで有意でなかった。
実施例3.ゴナドレリン塩酸塩の膣内投与の用量直線性
材料及び方法
動物及び処置
動物は、授乳する成体ホルスタイン種牛であった。それらは1〜3回の出産回数があり、分娩から最小50日後であり、妊娠はしていなかった。これらの動物は、砂床を有する現代式フリーストール酪農施設に収容された群であり、それらは、1日2回搾乳された。試験開始前に、一方向処置構造を有する無作為完備型ブロック設計に従って4つの処置のうちの1つに動物を割り当て、それらを体重(539〜781kgの範囲)に従ってブロック化した。処置1(T01)「陽性対照」(n=4)は、PBS中、212.3μgのゴナドレリン塩酸塩(200μg等価量のゴナドレリン)を筋肉内(IM)投与によって受け、処置2(T02)は、40mgのクエン酸がワックス様マトリクス(WITEPSOL(登録商標)H−15)中に分散した212.3μgのゴナドレリン塩酸塩(200μg等価量のゴナドレリン)を膣内に受け、処置3(T03)は、40mgのクエン酸がワックス様マトリクス(WITEPSOL(登録商標)H−15)中に分散した424.6μgのゴナドレリン塩酸塩(400μg等価量のゴナドレリン)を膣内に受け、処置4(T04)は、40mgのクエン酸がワックス様マトリクス(WITEPSOL(登録商標)H−15)中に分散した849.2μgのゴナドレリン塩酸塩(800μg等価量のゴナドレリン)を膣内に受けた。全ての処置を、Zoetis IACUC承認の動物使用プロトコルの下で実施した。
製剤
T01は、25mLのリン酸緩衝生理食塩水中に溶解した1.37mgのゴナドレリン塩酸塩から成っていた。結果として得られる53.1μg/mLの溶液は、50μg/mLのゴナドレリンと等価である。この溶液を、0.22μmのフィルタを通して濾過することによって滅菌した。この溶液のうちの4mLを投与して、200μgのゴナドレリンの合計用量を達成した。T02、T03、及びT04は、それぞれ212.3μg、424.6μg、または849.2μgのゴナドレリン塩酸塩を、40mgのクエン酸と混合することによって作製した坐剤から成っていた。この混合物を粉砕して、より小さく、より均一な粒径を達成し、次いで、それを、2mLのプラスチック管中、60℃で融解した260mgのWitepsol(登録商標)H15中に分与した。この懸濁液をボルテックスして、均一性を確保した。次いで、それを冷却させて、それぞれ200μg、400μg、または800μgのゴナドレリンと等価の用量を含有する固体坐剤を形成した。
実験設計
試験開始前に動物を検査して、それらが健康であり、跛行が存在せず、正常な生殖器系を有することを確実にした。牛乳をスクリーニングして、体細胞数が750,000個の細胞/mL未満であり、分房が乳腺炎を有しないことを確実にした。体重を集めて、処置に対して動物を無作為化した。授乳産業を代表する特別配合された基礎飼料割当を与え、食餌の説明を試験データ内に文書化した。水を適宜提供した。発情期は、この試験開始前には同期化していなかった。全ての処置を、同日に与えた。T01を、各動物の肩領域内に筋肉内急速投与として与えた。T02、T03、及びT04を、改変ヤギ経口投薬銃によって、膣内への急速投与として与えた。投薬前、ならびに投与の0.167、0.33、0.75、1、1.5、2、4、及び7時間後に血液試料を収集した。血漿を単離し、GnRH分析のために処理した。
血漿GnRH
プロテアーゼ阻害剤としての役割を果たす0.6mLの3mMバシトラシンを含有する、事前に冷却したK2 EDTA管中に血液を収集した後、管を少なくとも5回上下反転させることによって試料を混合した。次いで、試料を氷上に置き、収集から15分以内に4℃で遠心分離した。次いで、0.6mLの血漿を2.0mLのメタノールに添加し、試料を60秒間ボルテックスした。試料を−20℃で凍結し、以前に説明されたRIA(Nett,T.M.,A.M.Akbar,W.R.White,M.T.Hedlund and G.D.Niswender.1973.Radioimmunoassay for gonadotropin−releasing hormone(GnRH)in serum.J.Clin.Endocrinol.Metab.36:880−885)による分析のためにEndolytics,LLCへと輸送した。
結果
逆変換された群平均血漿ゴナドレリン濃度
表5に示すように、849.2μgの膣内用量を受けた動物(T04)は、212.3μgの筋肉内用量を受けた動物(T01)の約79%であるピーク群平均血漿ゴナドレリン濃度を達成した。T02及びT03によって実証された最高血漿濃度は、それぞれT01の約20%及び46%であった。T01及びT02の動物は等価用量のゴナドレリン塩酸塩を受けた一方で、用量を膣内に投与した動物(T02)の濃度は、決して用量を筋肉内に投与した動物(T01)の濃度には達しなかった。膣内用量のゴナドレリン塩酸塩を受けた全ての処置(T02、T03、及びT04)はまた、筋肉内経路の投与を介してゴナドレリン塩酸塩を受けた動物(T01)よりも後のゴナドレリンのピーク血漿濃度も実証した。用量投与から4時間後までに、全ての処置の血漿ゴナドレリンレベルは定量限界未満であった。
Figure 2017519769
T01:PBS中、212.3μgのゴナドレリン塩酸塩(200μg等価量のゴナドレリン)
T02:ワックス(坐剤)中、212.3μgのゴナドレリン塩酸塩+40mgのクエン酸(200μg等価量のゴナドレリン)
T03:ワックス(坐剤)中、424.6μgのゴナドレリン塩酸塩+40mgのクエン酸(400μg等価量のゴナドレリン)
T04:ワックス(坐剤)中、849.2μgのゴナドレリン塩酸塩+40mgのクエン酸(800μg等価量のゴナドレリン)
BLQ−定量限界未満(<1.9pg/mL)
群平均薬物動態パラメータ
表6に示すように、849.2μgの膣内用量を受けた動物(T04)は、212.3μgの筋肉内用量(T01)または膣内用量(T02)のいずれかを受けた動物よりも高い平均AUCレベルを達成した。膣内投与を受けた動物の中で、最も高い平均Cmax及びAUCはT04によって達成され、CmaxはT01筋肉内投与の約85%であり、AUCは約1.5倍高かった。その後にはT03が続き、平均Cmax及びAUCはT01のおよそ半分であった。212.3μgの筋肉内用量(T01)と等価である膣内投与(T02)は、それぞれ筋肉内用量の約21%及び32%であるCmax及びAUCをもたらした。予想通り、ゴナドレリンの筋肉内投与(T01)は、投与の約13分後に他のいずれの処置のTmaxよりも早いTmaxをもたらした。膣内投与のうち、T02が、約32分後に2番目に早いTmaxを呈し、T03及びT04が、約39分後にそれらのそれぞれのTmaxに達した。
Figure 2017519769
T01:PBS中、212.3μgのゴナドレリン塩酸塩(200μg等価量のゴナドレリン)
T02:ワックス(坐剤)中、212.3μgのゴナドレリン塩酸塩+40mgのクエン酸(200μg等価量のゴナドレリン)
T03:ワックス(坐剤)中、424.6μgのゴナドレリン塩酸塩+40mgのクエン酸(400μg等価量のゴナドレリン)
T04:ワックス(坐剤)中、849.2μgのゴナドレリン塩酸塩+40mgのクエン酸(800μg等価量のゴナドレリン)
用量比例性
図2A及び2Bに示すように、クエン酸及びWitepsol H15と組み合わせたゴナドレリン塩酸塩の製剤は、膣内投与されるとき、用量比例的なCmax及びAUCを提供するであろう。この比例性は、ゴナドレリン塩酸塩の筋肉内投与後に観察されるゴナドレリンの血漿濃度と類似するゴナドレリンの血漿濃度を達成するのに必要とされる膣内用量の推定を可能にする。不適合度についての検定は、(Cmaxについて)0.8379のp値及び(AUCについて)0.9616のp値をもたらし、これらはともに0.1レベルで有意でなかった。

Claims (24)

  1. 膣内製剤であって、
    a)10〜20%(w/w)のカルボン酸と、
    b)約30℃〜38℃の融解温度を有する油性基剤と、
    c)10μg〜600μgのGnRH量と等価量のGnRHまたはGnRH類似体と、を含む、膣内製剤。
  2. 前記GnRHまたはGnRH類似体が、140〜550μgのGnRH量と等価量で存在する、請求項1に記載の膣内製剤。
  3. 前記GnRHまたはGnRH類似体が、140〜500μgのGnRH量と等価量で存在する、請求項1に記載の膣内製剤。
  4. 前記GnRHまたはGnRH類似体が、140〜300μgのGnRH量と等価量で存在する、請求項1に記載の膣内製剤。
  5. 前記GnRHまたはGnRH類似体が、140〜200μgのGnRH量と等価量で存在する、請求項1に記載の膣内製剤。
  6. 前記GnRHまたはGnRH類似体が、200〜500μgのGnRH量と等価量で存在する、請求項1に記載の膣内製剤。
  7. 前記GnRHまたはGnRH類似体が、200〜400μgのGnRH量と等価量で存在する、請求項1に記載の膣内製剤。
  8. 前記GnRHまたはGnRH類似体が、200〜300μgのGnRH量と等価量で存在する、請求項1に記載の膣内製剤。
  9. 前記GnRHまたはGnRH類似体が、280〜550μgのGnRH量と等価量で存在する、請求項1に記載の膣内製剤。
  10. 前記GnRHまたはGnRH類似体が、280〜500μgのGnRH量と等価量で存在する、請求項1に記載の膣内製剤。
  11. 前記GnRHまたはその前記類似体が、メスの反芻動物に筋肉内投与されるとき、前記GnRHまたはその前記類似体のED70の140%〜250%の量で存在する、請求項1に記載の膣内製剤。
  12. 前記メスの反芻動物が、ウシ、ヒツジ、またはヤギである、請求項11に記載の膣内製剤。
  13. 前記メスの反芻動物が、ウシである、請求項12に記載の膣内製剤。
  14. 前記GnRHまたはその前記類似体が、膣内投与されるとき、ED70以上の用量で存在する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の膣内製剤。
  15. 前記カルボン酸が、クエン酸、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、アスコルビン酸、乳酸、アスパラギン酸、エデト酸二カリウム、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の膣内製剤。
  16. 前記カルボン酸が、クエン酸である、請求項15に記載の膣内製剤。
  17. 前記カルボン酸が、前記製剤の12〜15w/w%の量で存在する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の膣内製剤。
  18. 前記油性基剤が、30未満のヒドロキシル価(OHV)を有する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の膣内製剤。
  19. 前記油性製剤が、1〜20のOHVを有する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の膣内製剤。
  20. 前記油性製剤が、5〜15のOHVを有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の膣内製剤。
  21. メスの反芻動物において***を誘発する方法であって、前記メスの反芻動物に、請求項1〜10及び14〜20のいずれか1項に記載の膣内製剤を投与することを含む、方法。
  22. 前記反芻動物が、ウシである、請求項21に記載の方法。
  23. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の膣内製剤を生産する方法であって、
    a)前記GnRHまたはGnRH類似体を前記カルボン酸と混和することと、
    b)前記GnRHまたはGnRH類似体及び前記カルボン酸を粉砕することと、
    c)前記粉砕されたGnRHまたはGnRH類似体及び前記粉砕されたカルボン酸を、前記油性基剤中に分散させることと、を含む、方法。
  24. 請求項23に記載の方法に従って生産された、膣内製剤。
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