JP2017517592A - エステル化セルロースエーテルを含む分散体 - Google Patents

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Abstract

カプセル殻を生成するのに有用な水性組成物が、a)(i)式−C(O)−R−COOAの基または(ii)一価の脂肪族アシル基と式−C(O)−R−COOAの基との組み合わせを含み、式中、Rが、二価の脂肪族または芳香族炭化水素基であり、Aが、水素または陽イオンである、少なくとも1つの分散されたエステル化セルロースエーテルと、b)この分散されたエステル化セルロースエーテルの重量に基づいて、0.05〜20パーセントの脂肪酸の少なくとも1つの塩と、を含み、この分散されたエステル化セルロースエーテル粒子の中央粒子サイズd50が、最大7マイクロメートルであり、かかる中央粒子サイズ(d50)が、これらの粒子の50質量パーセントがより小さな等価直径を有し、50質量パーセントがより大きな等価直径を有するサイズである。【選択図】図1

Description

本発明は、分散されたエステル化セルロースエーテルを含む水性組成物、この組成物を生成するための方法、ならびにこの水性組成物から作製されたコーティングされた剤形及びカプセル殻に関する。
セルロースエーテルのエステル、それらの使用、及びそれらを調製するための方法は、当技術分野で一般的に既知である。セルロースエーテル−エステルの既知の生成方法には、セルロースエーテルの脂肪族モノカルボン酸無水物もしくは脂肪族ジカルボン酸無水物またはそれらの組み合わせとの反応、例えば米国特許第4,226,981号及び同第4,365,060号に記載されているものが含まれる。
メチルセルロースフタレート(MCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、メチルセルロースサクシネート(MCS)、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)などの様々な既知のエステル化セルロースエーテルが、薬学的剤形のための腸溶性ポリマーとして有用である。エステル化セルロースエーテルは、錠剤、微小粒子、またはカプセルなどの剤形のコーティングのために使用される。腸溶性ポリマーは、酸性環境において不活性化もしくは変質から薬を保護するか、または薬による胃の炎症を防ぐが、腸管中では溶解されて、それらの中に含有された薬を放出する。米国特許第4,365,060号は、優れた腸溶性挙動を有すると言われる腸溶性カプセルを開示する。
腸溶性コーティングまたは腸溶性カプセルは、エステル化セルロースエーテルの有機溶液または水溶液から調製され得る。欧州特許出願第EP0 662 323号及び同第EP0 677 322号は、固形薬学的調剤のコーティングのための水性乳剤の調製方法を開示し、この中では、セルロースポリマーが、水と混和性である有機溶剤中かまたは有機溶剤と水との混合物中に溶解されて、10重量%以下のポリマー濃度を有するポリマー溶液が得られ、この溶液が、溶液を水中に分散するように(追加の)水と混合され、次に有機溶剤が取り除かれる。公開された日本特許出願第JP8109124−A号は、陰イオン界面活性剤の添加及び噴霧乾燥による、かかる乳剤からのコーティング粉末の生成を開示する。しかし、有機溶剤はしばしば、薬学的または栄養的使用にとって望ましくない。一方で、エステル化セルロースエーテルは、限られた水溶性を有するだけである。欧州特許出願第EP0 648 487号は、5〜15重量%のHPMCASまたはHPMCPなどの腸溶性コーティング基材を含む水性分散体を開示する。水性分散体は、HPMCASまたはHPMCPの重量に基づいて、15〜40重量%のトリエチルシトラートもしくはトリアセチンなどの可塑剤、及び0.1〜10重量%のナトリウムアルキルサルフェートなどの陰イオン界面活性剤、またはナトリウムオレエートもしくはカリウムソルベートなどの脂肪酸のナトリウム塩もしくはカリウム塩をさらに含む。しかし、このような大量の可塑剤の使用の必要性は、著しく不利益である。
公開された日本特許出願第JP7070203A号は、ヒドロキシカルボン酸の種類のセルロース誘導体が、水中に拡散され、7ミクロン未満、特に5ミクロン未満の平均粒子サイズを有するセルロース誘導体を生成するための特定のデザインを有する粉砕機により粉砕される方法を開示する。
国際特許出願第WO2013/164122号は、5〜50重量%の幅広い官能ポリマーを含むカプセル殻の製造のための水性組成物を開示する。大半の実施例において、カプセルは、23重量%の非塩化セルロースアセテートフタレート(CAP)及び7重量%のポロキサマーを含み、少量のHPMCAS懸濁液と任意に配合される30重量%の水性分散体であるアクアコートCPD30分散体から生成される。しばしば、均一な膜が取得され得る。14%の固形物を含むHPMCAS分散体も開示される。20%のトリエチルシトラートが膜形成助剤として使用されるが、ピンが50℃に加熱され、この分散体中に浸漬されると、HPMCASポリマーは凝集するが、膜は急速に崩壊し、流れ落ちる。水性分散体中で14%を超えるHPMCASの含有量は、膜及びカプセルの調製の効率性を高める上で望ましいであろう。残念ながら、水性分散体中の増加されたHPMCAS固形物の含有量は、室温、すなわち20℃で増加された粘度の不利益を有する。しかし、約20℃で十分に低い粘度は、非常に望ましい。分散体は、その取り扱いを容易にするために、20℃で良好な流動性を有するべきである。20℃未満に分散体を冷却することは、複雑性を追加し、エネルギーコストを増加させるため望ましくない。
HPMCAS粒子は、高温の水性分散体中で粘着質になり、集塊する。これは、水性分散体が高せん断にかけられないとき、例えば水性分散体が攪拌されることなく、またはわずかに緩和な攪拌下で、膜を形成するために加熱されるときに望ましい。しかし、HPMCAS粒子の粘着質及び集塊作用は、HPMCAS粒子が高せん断にかけられるとき、例えばHPMCAS粒子がHPMCAS分散体の調製中、30℃を超える温度で他の材料と混合されるときには望ましくない。
したがって、水性組成物の良好な流動性を可能にするために、20℃の温度で十分に低い粘度を有する分散されたエステル化セルロースエーテルを含む水性組成物を提供することが、本発明の目的である。水性組成物が、少なくとも15重量%のエステル化セルロースエーテル、またはさらに少なくとも20重量%のエステル化セルロースエーテル、または最適化された条件下でさらに少なくとも25重量%のエステル化セルロースエーテルを含むときでさえ、20℃でこのように十分に低い粘度が達成されることが、本発明の好ましい目的である。粒子が高せん断にかけられるとき、例えばエステル化セルロースエーテル粒子を含む水性組成物の調製中、高せん断下での水性組成物の調製が30℃を超える温度で行われるときでさえ、エステル化セルロースエーテル粒子の粘着質または集塊作用を最小限に抑えることが、別の本発明の好ましい目的である。
本発明の一態様は、
a)(i)式C(O)−R−COOAの基または(ii)一価の脂肪族アシル基と式−C(O)−R−COOAの基との組み合わせを含み、式中、Rが、二価の脂肪族または芳香族炭化水素基であり、Aが、水素または陽イオンである、少なくとも1つの分散されたエステル化セルロースエーテルと、
b)分散されたエステル化セルロースエーテルの重量に基づいて、0.05〜20パーセントの脂肪酸の少なくとも1つの塩と、を含む、水性組成物であり、
分散されたエステル化セルロースエーテル粒子の中央粒子サイズd50は、最大7マイクロメートルであり、かかる中央粒子サイズ(d50)は、これらの粒子の50質量パーセントがより小さな等価直径を有し、50質量パーセントがより大きな等価直径を有するサイズである。
本発明の別の態様は、上述される水性組成物を生成するための方法であり、本方法は、
(i)式−C(O)−R−COOAの基または(ii)一価の脂肪族アシル基と式−C(O)−R−COOAの基との組み合わせを含み、式中、Rが、二価の脂肪族または芳香族炭化水素基であり、Aが、水素または陽イオンである、少なくとも1つのエステル化セルロースエーテルを、水性希釈剤の存在下で磨砕するステップと、
エステル化セルロースエーテルを磨砕する前、磨砕している間、または磨砕した後に、0.05〜20パーセントの脂肪酸の少なくとも1つの塩及び任意に1つ以上の補助剤を、エステル化セルロースエーテルと配合するステップであって、脂肪酸塩の割合が、エステル化セルロースエーテルの重量に基づく、配合するステップと、を含む。
本発明のまた別の態様は、上述される水性組成物を生成するための方法であり、本方法は、
(i)式−C(O)−R−COOAの基または(ii)一価の脂肪族アシル基と式−C(O)−R−COOAの基との組み合わせを含み、式中、Rが、二価の脂肪族または芳香族炭化水素基であり、Aが、水素または陽イオンである、a)エステル化セルロースエーテルを溶融するステップと、
b)水性希釈剤中で溶融されたエステル化セルロースエーテルを乳化するステップと、
水性希釈剤中で溶融されたエステル化セルロースエーテルを乳化するステップの前、ステップの間、またはステップの後に、分散されたエステル化セルロースエーテルの重量に基づいて、c)0.05〜20パーセントの脂肪酸の塩、及び任意にd)1つ以上の補助剤を添加するステップと、
乳剤を冷却して、水性分散体を形成するステップと、を含む。
本発明のまた別の態様は、上述される水性組成物から調製されたコーティングでコーティングされる剤形である。
本発明のまた別の態様は、上述される水性組成物から作製されるカプセル殻である。
本発明のまた別の態様は、上述される水性組成物を提供するステップと、成型ピンを水性組成物より高い温度に予熱するステップと、予熱成型ピンを水性組成物中に浸漬するステップと、該ピンを該水性組成物から引き抜くことにより、該成型ピン上で膜を形成するステップと、膜を成型ピン上で乾燥させるステップと、を含む、カプセル殻を生成するための方法である。
本発明の3つの水性組成物及び比較水性組成物の粘度を、その温度に応じて例示する。 本発明の水性組成物から流延された膜の写真の表示である。 本発明の水性組成物から流延された別の膜の写真の表示である。
驚くべきことに、水性組成物が少なくとも15重量%のエステル化セルロースエーテル、またはさらに少なくとも20重量%のエステル化セルロースエーテル、または最適化された条件下でさらに少なくとも25重量%のエステル化セルロースエーテルを含むときでさえ、以下に記載されるような新規の水性組成物は、水性組成物の良好な流動性を可能にするために、20℃で十分に低い粘度を有することが分かった。
驚くべきことに、以下に記載されるような微粒子サイズの分散されたエステル化セルロースエーテル(複数可)を含む新規の水性組成物は、30℃超、またはさらに35℃超、及び概して最大約45℃の温度においてでさえ調製され得ることが分かった。分散されたエステル化セルロースエーテル(複数可)は、新規の水性組成物の調製中、過度の粘着質または集塊作用を示さない。30℃を超える温度での低減された粘着質及び集塊作用は、高せん断を必要とする多くの工程段階、例えば新規の水性組成物が水の存在下でエステル化セルロースエーテル粒子を磨砕することにより生成される、それらの生成方法の実施形態において重要である。磨砕するプロセスの間、熱が発生する。非常に粘着質であるエステル化セルロースエーテルは、粉砕装置の詰まり及び動作不能を引き起こし得る。
本発明の組成物中に含まれるエステル化セルロースエーテルは、本発明の文脈中、無水グルコース単位として表される、β−1,4グリコシド結合D−グルコピラノース繰り返し単位を有するセルロース主鎖を有する。エステル化セルロースエーテルは好ましくは、エステル化アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースである。これは、本発明の組成物中に含まれるエステル化セルロースエーテル中、無水グルコース単位のヒドロキシル基の少なくとも一部が、アルコキシル基、またはヒドロキシアルコキシル基、またはアルコキシル基とヒドロキシアルコキシル基との組み合わせにより置換されることを意味する。ヒドロキシアルコキシル基は典型的に、ヒドロキシメトキシル、ヒドロキシエトキシル、及び/またはヒドロキシプロポキシル基である。ヒドロキシエトキシル及び/またはヒドロキシプロポキシル基が、好ましい。典型的に、1種類または2種類のヒドロキシアルコキシル基がエステル化セルロースエーテル中に存在する。好ましくは、単一の種類のヒドロキシアルコキシル基、より好ましくはヒドロキシプロポキシルが存在する。アルコキシル基は典型的に、メトキシル、エトキシル、及び/またはプロポキシル基である。メトキシル基が、好ましい。上記で定義されたエステル化セルロースエーテルの実例となるものは、エステル化メチルセルロース、エチルセルロース、及びプロピルセルロースなどのエステル化アルキルセルロース;エステル化ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシブチルセルロースなどのエステル化ヒドロキシアルキルセルロース;ならびにエステル化ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、及びヒドロキシブチルエチルセルロースなどのエステル化ヒドロキシアルキルアルキルセルロース;ならびにエステル化ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの2つ以上のヒドロキシアルキル基を有するものである。最も好ましくは、エステル化セルロースエーテルが、エステル化ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのエステル化ヒドロキシアルキルメチルセルロースである。
無水グルコース単位のヒドロキシル基のヒドロキシアルコキシル基による置換度は、ヒドロキシアルコキシル基のモル置換、MS(ヒドロキシアルコキシル)により示される。MS(ヒドロキシアルコキシル)は、エステル化セルロースエーテル中の無水グルコース単位当たりのヒドロキシアルコキシル基のモルの平均数である。ヒドロキシアルキル化反応中、セルロース主鎖に結合したヒドロキシアルコキシル基のヒドロキシル基は、アルキル化剤、例えばメチル化剤、及び/またはヒドロキシアルキル化剤によりさらにエーテル化され得ることが理解されよう。無水グルコース単位の同じ炭素原子位置に対する複数回の後に続くヒドロキシアルキル化エーテル化反応は、側鎖を生み出し、この場合、複数のヒドロキシアルコキシル基がエーテル結合により互いに共有結合し、各側鎖は全体として、セルロース主鎖へのヒドロキシアルコキシル置換基を形成する。
よって、用語「ヒドロキシアルコキシル基」は、MS(ヒドロキシアルコキシル)の文脈で、上記に概説されるような単一のヒドロキシアルコキシル基または側鎖のいずれかを含む、ヒドロキシアルコキシル置換基の構成単位としてのヒドロキシアルコキシル基を指すと解釈されるべきであり、この場合、2つ以上のヒドロキシアルコキシル単位がエーテル結合により互いに共有結合する。この定義において、ヒドロキシアルコキシル置換基の末端ヒドロキシル基が、さらにアルキル化されるかどうかは重要ではなく、アルキル化されたヒドロキシアルコキシル置換基及びアルキル化されていないヒドロキシアルコキシル置換基の両方が、MS(ヒドロキシアルコキシル)の決定のために含まれる。エステル化セルロースエーテルは概して、少なくとも0.05、好ましくは少なくとも0.08、より好ましくは少なくとも0.12、及び最も好ましくは少なくとも0.15のヒドロキシアルコキシル基のモル置換を有する。モル置換度は概して、1.00以下、好ましくは0.90以下、より好ましくは0.70以下、及び最も好ましくは0.50以下である。
メトキシル基などのアルコキシル基により置換されるヒドロキシル基の無水グルコース単位当たりの平均数は、アルコキシル基の置換度、DS(アルコキシル)として表される。DSの上述される定義において、用語「アルコキシル基により置換されるヒドロキシル基」は、本発明において、セルロース主鎖の炭素原子に直接的に結合したアルキル化されたヒドロキシル基だけでなく、セルロース主鎖に結合したヒドロキシアルコキシル置換基のアルキル化されたヒドロキシル基も含むと解釈されるべきである。エステル化セルロースエーテルは、好ましくは少なくとも1.0、より好ましくは少なくとも1.1、さらにより好ましくは少なくとも1.2、最も好ましくは少なくとも1.4、及び特に少なくとも1.6のDS(アルコキシル)を有する。DS(アルコキシル)は、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.4以下、さらにより好ましくは2.2以下、及び最も2.05以下である。
最も好ましくは、エステル化セルロースエーテルは、DS(アルコキシル)に関して上記で示される範囲内でDS(メトキシル)を、及びMS(ヒドロキシアルコキシル)に関して上記で示される範囲内でMS(ヒドロキシプロポキシル)を有するエステル化ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
本発明で利用されるエステル化セルロースエーテルは、(i)式−C(O)−R−COOAの基または(ii)一価の脂肪族アシル基と式−C(O)−R−COOAの基との組み合わせを有し、式中、Rは、二価の脂肪族または芳香族炭化水素基であり、Aは、水素または陽イオンである。陽イオンは、好ましくはNH などのアンモニウム陽イオン、またはナトリウムもしくはカリウムイオン、より好ましくはナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンである。最も好ましくは、Aは、水素である。
一価の脂肪族アシル基は好ましくは、アセチル、プロピオニル、及びn−ブチリルまたはi−ブチリルなどのブチリルからなる群から選択される。
式−C(O)−R−COOAの好ましい基は、
−C(O)−CH−CH−COOA、例えば−C(O)−CH−CH−COOHもしくは−C(O)−CH−CH−COONa
−C(O)−CH=CH−COOA、例えば−C(O)−CH=CH−COOHもしくは−C(O)−CH=CH−COONa、または
−C(O)−C−COOA、例えば−C(O)−C−COOHもしくは−C(O)−C−COONaである。
式−C(O)−C−COOAの基において、カルボニル基及びカルボキシル基は好ましくは、オルト位に配置される。
好ましいエステル化セルロースエーテルは、
i)HPMCXYであり、式中、HPMCはヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、XはA(アセテート)であるか、もしくはXはB(ブチラート)であるか、もしくはXはPr(プロピオナート)であり、YはS(サクシネート)であるか、もしくはYはP(フタレート)であるか、もしくはYはM(マレアート)であり、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(HPMCAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートマレアート(HPMCAM)、もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)であるか、または
ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPCAS)、ヒドロキシブチルメチルセルロースプロピオナートサクシネート(HBMCPrS)、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースプロピオナートサクシネート(HEHPCPrS)、及びメチルセルロースアセテートサクシネート(MCAS)である。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)が、最も好ましいエステル化セルロースエーテルである。
エステル化セルロースエーテルは概して、1.75以下、好ましくは1.50以下、より好ましくは1.25以下、及び最も好ましくは1.00以下またはさらに0.65以下の、アセチル基、プロピオニル基、またはブチリル基などの一価の脂肪族アシル基の置換度を有する。一価の脂肪族アシル基の置換度は、ゼロであり得るが、好ましくはそれは、少なくとも0.05、より好ましくは少なくとも0.10、及び最も好ましくは少なくとも0.20である。
エステル化セルロースエーテルは概して、少なくとも0.05、好ましくは少なくとも0.10の、スクシノイルなどの式−C(O)−R−COOAの基の置換度を有する。式−C(O)−R−COOAの基の置換度は概して、最大1.6、好ましくは最大1.30、より好ましくは最大1.00、及び最も好ましくは最大0.70またはさらに最大0.60である。
i)一価の脂肪族アシル基の置換度とii)式−C(O)−R−COOAの基の置換度との合計は概して、少なくとも0.05、好ましくは少なくとも0.10、より好ましくは少なくとも0.20、最も好ましくは少なくとも0.30、及び特に少なくとも0.40である。記述された合計は概して、2.0以下、好ましくは1.4以下、より好ましくは1.15以下、最も好ましくは1.10以下、及び特に1.00以下である。
アセテート及びサクシネートエステル基の含有量は、“Hypromellose Acetate Succinate”,United States Pharmacopeia and National Formulary,NF 29,pp.1548−1550に従って決定される。報告された値は、揮発物質に対して修正される(上記のHPMCAS研究書中の「乾燥減量」の節で記載されるように決定される)。この方法は、アナログ方式で使用されて、プロピオニル、ブチリル、フタリル、及び他のエステル基の含有量を決定し得る。
エステル化セルロースエーテル中のエーテル基の含有量は、“Hypromellose”,United States Pharmacopeia and National Formulary,USP 35,pp3467−3469に関して記載されているものと同じ方式で決定される。
上記の分析により取得されたエーテル基及びエステル基の含有量は、以下の式に従って、個別の置換基のDS値及びMS値に変換される。式は、アナログ方式で使用されて、他のセルロースエーテルエステルの置換基のDS及びMSを決定し得る。
Figure 2017517592
慣例により、重量パーセントは、全ての置換基を含むセルロース繰り返し単位の総重量に基づく平均重量割合である。メトキシル基の含有量は、メトキシル基(すなわち、−OCH)の質量に基づいて報告される。ヒドロキシアルコキシル基の含有量は、ヒドロキシプロポキシル(すなわち、−O−CHCH(CH)−OH)などのヒドロキシアルコキシル基(すなわち、−O−アルキレン−OH)の質量に基づいて報告される。一価の脂肪族アシル基の含有量は、−C(O)−Rの質量に基づいて報告され、式中、Rは、アセチル(−C(O)−CH)などの一価の脂肪族基である。式−C(O)−R−COOHの基の含有量は、この基の質量、例えばスクシノイル基(すなわち、−C(O)−CH−CH−COOH)の質量に基づいて報告される。
本発明の組成物中に含まれるエステル化セルロースエーテルは概して、“Hypromellose Acetate Succinate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF 29,pp.1548−1550”に従って、20℃の0.43重量%水性NaOH中でエステル化セルロースエーテルの2.0重量パーセント溶液として測定される、少なくとも1.2mPa・s、好ましくは最小1.8mPa・s、及びより好ましくは最小2.4mPa・s、ならびに概して200mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは50mPa・s以下、及び最も好ましくは30mPa・s以下の粘度を有する。
本発明の水性組成物は概して、少なくとも5パーセント、好ましくは少なくとも10パーセント、より好ましくは少なくとも15パーセント、最も好ましくは少なくとも20パーセント、及びいくつかの条件下でさらに少なくとも25パーセントのエステル化セルロースエーテル(複数可)を水性組成物中に分散された状態で含む。本発明の水性組成物は概して、最大40パーセントまたは最大35パーセントのエステル化セルロースエーテル(複数可)を水性組成物中に分散された状態で含む。
水性組成物のレオロジープロファイルは、錠剤のような剤形などの基材をコーティングすること及びカプセル殻を生成することに関するその有用性にとって重要である。水性組成物は、カプセル製造またはコーティングプロセス中のプロセス動作を容易にするために、20℃で合理的に低い粘度を有するべきである。
せん断することなく、またはわずかに低いせん断、例えば1000秒−1以下のせん断を伴う水性組成物の加熱において、その粘度は、錠剤などのコーティングされた基材の表面か、またはカプセル生成の場合は金属ピンに付着するために増加するはずである。最終的に、エステル化セルロースエーテル粒子は、凝固し、膜を形成するはずである。エステル化セルロースエーテルを含む水性分散体中に界面活性剤を含んで分散体を安定させる、すなわち水性相中に分散されたエステル化セルロースエーテル粒子を維持することは既知である。多様な陰イオン性、陽イオン性、及び非イオン性界面活性剤が、存在する。周知である陰イオン性界面活性剤は、ナトリウムドデシルサルフェートなどのナトリウムアルキルサルフェートである。周知である非イオン性界面活性剤は、Pluronic(商標)界面活性剤などのエチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー、またはTween 80の商標としても既知であるPolysorbate 80などのポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートである。残念ながら、20重量%以上などの高濃度の分散されたエステル化セルロースエーテル及びPluronic(商標)界面活性剤またはポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートのような上述される界面活性剤を有する水性組成物は、20℃で、典型的に2500mPa・s超、及びしばしばさらに3000mPa・s超の非常に高い粘度を有する。
驚くべきことに、本発明の水性組成物は、高濃度の分散されたエステル化セルロースエーテルを含むときでさえ、水性組成物が脂肪酸の塩、好ましくは飽和または不飽和脂肪酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩、またはアルカリ土類金属塩を含むとき、20℃で合理的に低い粘度を有することが分かった。見掛け粘度は、本組成物が同量の別の界面活性剤を含むときより相当に低い。本発明の水性組成物の粘度は概して、20℃で測定される、20mPa・s以上、典型的に25mPa・s以上である。本発明の水性組成物の見掛け粘度は概して、20℃で測定される、2000mPa・s以下、典型的に1500mPa・s以下、及び最適化された条件下で1000mPa・s以下またはさらに500mPa・s以下である。
驚くべきことに、以下に記載されるような新規の水性組成物は、30℃超、またはさらに40℃超、及び概して最大45℃の温度で、水及び脂肪酸の塩の存在下で、例えばエステル化セルロースエーテル粒子を磨砕することによる高せん断下での新規の水性組成物の調製中、エステル化セルロースエーテル粒子の過度の粘着質または集塊作用を示さないことが分かった。
本発明の分散体の大きな利点は、せん断速度及び温度の範囲による変形に対するその応答である。約1000秒−1未満、すなわち低せん断で分散体の粘度は増加し、それは、加熱されるとコーティングされた基材の表面に付着する。最終的に、連続相は、コーティング及び乾燥プロセス中、蒸発して、膜を形成する。高せん断において、エステル化セルロースエーテル粒子は、連続相が蒸発しない密閉システムにおいて例えば最大45℃に加熱されるときに実質的な集塊作用または粘着質を示さない。
したがって、水性組成物は、分散されたエステル化セルロースエーテルの重量に基づいて、0.05〜20パーセントの脂肪酸の少なくとも1つの塩をさらに含む。脂肪酸の塩(複数可)の総量は、エステル化セルロースエーテル(複数可)の総重量に基づいて、好ましくは少なくとも0.1パーセント、より好ましくは少なくとも0.3パーセント、さらにより好ましくは少なくとも0.5パーセント、最も好ましくは少なくとも0.8パーセント、及び特に少なくとも1.0パーセントである。脂肪酸の塩(複数可)の総量は、エステル化セルロースエーテル(複数可)の総重量に基づいて、好ましくは最大15パーセント、より好ましくは最大12パーセント、さらにより好ましくは最大10パーセントまたは8パーセント、及び最も好ましくは最大6.0パーセントまたはさらにわずか最大5.0パーセントである。
好ましい脂肪酸塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、またはアルカリ土類金属塩である。好ましいアンモニウムイオンは、NH である。好ましいアルカリ金属イオンは、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンである。好ましいアルカリ土類金属イオンは、カルシウムイオンである。脂肪酸は、飽和または不飽和であり得る。典型的な飽和脂肪酸は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、及びセロチン酸である。不飽和脂肪酸は、一不飽和脂肪酸、二不飽和脂肪酸、または三不飽和脂肪酸であり得、一不飽和脂肪酸及び二不飽和脂肪酸が、好ましい。典型的な一不飽和脂肪酸は、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、及びバクセン酸である。典型的な二不飽和脂肪酸は、リノール酸及びリノエライジン酸である。ステアリン酸またはオレイン酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩、特に上述されるそれらの塩が最も好ましい。
本発明の水性組成物は、水性分散体の形態、典型的に安定分散体の形態である。分散されたエステル化セルロースエーテル粒子の中央粒子サイズd50は、最大7マイクロメートル、典型的に最大5マイクロメートル、さらにより典型的に最大3マイクロメートル、及び最も典型的にさらにわずか最大2マイクロメートルである。分散されたエステル化セルロースエーテル粒子の中央粒子サイズd50は、典型的に0.3マイクロメートル以上、より典型的に0.5マイクロメートル以上、及び最も典型的に0.7マイクロメートル以上である。粒子サイズは、例えばBeckman Coulter,Californiaから市販されるBeckman Coulterレーザ回折粒子サイズ分析器を使用して、レーザ回折粒子サイズ分析により測定される。中央粒子サイズd50は、粒子の50質量パーセントがより小さな等価直径を有し、50質量パーセントがより大きな等価直径を有する直径である。典型的にd90は、0.7マイクロメートル以上、より典型的に1.0マイクロメートル以上、及び最も典型的に1.5マイクロメートル以上、ならびに典型的に最大12マイクロメートル、より典型的に最大10マイクロメートル、さらにより典型的に最大9マイクロメートル、最も典型的に最大7マイクロメートル、及び多くの場合、さらにわずか最大5マイクロメートルであり、d90は、粒子の90質量パーセントがより小さな等価直径を有し、他の10質量パーセントがより大きな等価直径を有する直径である。等価粒子直径dは、供された粒子の容積と同じ容積を有する球の直径である。平均粒子直径は、典型的に0.5マイクロメートル以上、より典型的に0.7マイクロメートル以上、及び最も典型的に0.8マイクロメートル以上、ならびに典型的に最大8マイクロメートル、より典型的に最大6マイクロメートル、さらにより典型的に最大4マイクロメートル、及び最も典型的にさらにわずか最大3マイクロメートルである。
本発明の水性組成物は、水性希釈剤を含む。水性希釈剤は、水であり、任意に少量の有機溶剤と混合される。水性希釈剤は、水及び有機溶剤の総重量に基づいて、好ましくは50〜100重量パーセント、より好ましくは65〜100重量パーセント、及び最も好ましくは75〜100重量パーセントの水、ならびに好ましくは0〜50重量パーセント、より好ましくは0〜35重量パーセント、及び最も好ましくは0〜25重量パーセントの有機溶剤からなる。有用な有機溶剤は、酸素、窒素、または塩素のようなハロゲンなどの1つ以上のヘテロ原子を有する極性有機溶剤である。より好ましい有機溶剤は、アルコール、例えばグリセロールなどの多官能アルコール、または好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、もしくはn−プロパノールなどの単官能アルコール;テトラヒドロフラン、アセトンなどのケトン、メチルエチルケトン、もしくはメチルイソブチルケトンなどのエーテル;エチルアセテートなどのアセテート;塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素;あるいはアセトニトリルなどのニトリルである。好ましくは、本発明の水性組成物は、水性希釈剤として水だけを含む。水性希釈剤の量は、水性組成物の総重量に基づいて、典型的に少なくとも50パーセント、より典型的に少なくとも60パーセント、及び最も典型的に少なくとも65パーセントである。水性希釈剤の量は、水性組成物の総重量に基づいて、典型的に85パーセント以下、より典型的に80パーセント以下、及び最も典型的に75パーセント以下である。
一実施形態において、a)上述されるエステル化セルロースエーテル(複数可)とb)脂肪酸の塩(複数可)との合計は、水性希釈剤を除いて、水性組成物の成分の総重量の少なくとも50パーセント、典型的に少なくとも60パーセント、及びより典型的に少なくとも80パーセント、ならびに最大100パーセント、典型的に最大99パーセント、より典型的に最大95パーセント、及び最も典型的に最大90パーセントに達する。
本発明の水性組成物は、任意の成分、例えば肥料、除草剤、もしくは駆除剤などの活性成分、またはビタミン、薬草、及びミネラル補給剤及び薬などの生物学的活性成分、または1つ以上の可塑剤、膜形成助剤、着色剤、顔料、乳白剤、香味及び呈味向上剤、抗酸化剤、ならびに任意のそれらの組み合わせなどの補助剤をさらに含み得る。任意の添加剤は好ましくは、薬学的に許容される。これらの任意の成分の量は典型的に、水性希釈剤を除いて、水性組成物の成分の総重量の0〜50パーセントである。典型的に、その量は、水性希釈剤を除いて、水性組成物の成分の総重量の1パーセント以上、より典型的に5パーセント以上、及び最も典型的に10パーセント以上、ならびに最大40パーセント、より典型的に最大20パーセント、及び最も典型的に最大10パーセントである。
一実施形態において、本発明の水性組成物は、少なくとも1つの膜形成助剤をさらに含む。用語「膜形成助剤」は、自己担持粘着膜の形成を確実にし、カプセルの脆性を回避するために、コーティングまたはカプセル殻、とりわけ硬いカプセル殻の製造において慣習的に使用される1つ以上の可塑剤、及び/または水性組成物をコーティング目的もしくは硬いカプセル殻の浸漬成型製造に最適化させるために慣習的に使用される高温度における1つ以上の粘度増進剤、すなわち天然物質ならびに合成物質を含む。
可塑化特性を示す膜形成助剤には、ジメチル−、ジエチル−、及びジイソプロピル−フタレートなどのフタル酸エステル;トリエチル−、トリブチル−、アセチルトリエチル−、及びアセチルトリブチル−シトラートなどのクエン酸エステル;トリエチル−、トリクレシル、及びトリフェニル−ホスフェートなどのリン酸エステル;アルキルラクテート;グリコールエステル;トリアセチンとしても既知であるグリセロールトリアセテートなどのグリセロール及びグリセロールエステル;スクロースエステル;油及び脂肪酸エステル;ブチルステアレート;ジブチルセバケート;ジブチルタルトレート;ジイソブチルアジペート、トリブチリン;プロピレングリコール;ならびにそれらの混合物が含まれる。
一実施形態において、膜形成助剤は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、例えばUSP30−NF25に定義されるHPMCの種類の2910、2906、及び/または2208などのセルロースエーテル;ゼラチン、プルラン、ヒドロキシプロピルデンプンなどの非腸溶性デンプン誘導体;ポリビニルアセテート誘導体(PVAP);ソルビタンモノエステル;ソルビタンポリオキシエチレンエステル;脂肪酸エステル;グリセロールポリエチレン、グリコールリシノレエート;マクロゴルグリセリド;トリエチルシトラート(TEC);アセチルトリアルキルシトラート;グリセロールトリアセテート(トリアセチン);滑石;ならびにそれらの混合物である。
一実施形態において、1つ以上の膜形成助剤は、本発明の水性組成物の総重量に基づいて、0〜約15重量%または0〜10重量%などの0〜20重量%の範囲の量で水性組成物中に存在する。
一実施形態において、上述されるような少なくとも1つの分散されたエステル化セルロースエーテル及び脂肪酸の少なくとも1つの塩を含む本発明の水性組成物は、分散されたエステル化セルロースエーテルの重量に基づいて、少なくとも5パーセント、より好ましくは少なくとも10パーセント、さらにより好ましくは少なくとも13パーセント、及び最も好ましくは少なくとも15パーセントの1つ以上の可塑剤をさらに含む。該1つ以上の可塑剤の量は概して、分散されたエステル化セルロースエーテルの重量に基づいて、最大30パーセント、好ましくは最大25パーセント、さらにより好ましくは最大22パーセント、及び最も好ましくは最大20パーセントである。
好ましい実施形態において、水性組成物は、i)クエン酸エステル(複数可)、ii)ジカルボン酸(複数可)のエステル(複数可)、ならびにiii)アセトグリセリド(複数可)またはポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)のブロックを含むブロックコポリマー(複数可)から選択される2つまたは3つの可塑剤、より好ましくは3つの可塑剤を含むが、2つまたは3つの可塑剤、好ましくは3つの可塑剤が異なる群i)〜iii)から選択されることを条件とする。i)クエン酸エステル、ii)ジカルボン酸のエステル、ならびにiii)アセトグリセリドまたはポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)のブロックを含むブロックコポリマーの総重量割合は好ましくは、上述される通りである。より好ましい実施形態において、可塑剤の組み合わせは、アセトグリセリドまたはポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)のブロックを含むブロックコポリマーの重量部当たり、少なくとも1重量部、好ましくは少なくとも3重量部、より好ましくは少なくとも5重量部、及び最も好ましくは少なくとも6重量部のクエン酸エステル及びジカルボン酸のエステルを各々独立して含む。クエン酸エステル及びジカルボン酸のエステルの量は各々独立して、アセトグリセリドまたはポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)のブロックを含むブロックコポリマーの重量部当たり、好ましくは最大30重量部、より好ましくは最大20重量部、さらにより好ましくは最大15重量部、及び最も好ましくは最大9重量部である。
群の中で好ましいクエン酸エステルは、i)トリエチル−、トリブチル−、アセチルトリエチル−、及びアセチルトリブチル−シトラートである。トリエチルシトラートが、最も好ましいクエン酸エステルである。
群の中でジカルボン酸の好ましいエステル、より好ましいジエステルは、ii)ビス(2−エチルヘキシル)アジペート、ジメチルアジペート、モノメチルアジペート、ジブチルセバケート(DBS)、ジブチルマレアート、またはジイソブチルマレアートなどのアジペート、セバケート、またはマレアートである。最も好ましいジカルボン酸のエステルは、ジブチルセバケートである。
群の中で有用な可塑剤は、iii)アセトグリセリドまたはポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)のブロックを含むブロックコポリマーである。好ましいアセトグリセリドは、例えばモノ−アセチル化モノグリセリド、ジアセチル化モノグリセリド、またはモノ−アセチル化ジグリセリドである。ジアセチル化モノグリセリドが、好ましい。グリセリドは、グリセロール及び脂肪酸から形成されたエステルである。脂肪酸は、飽和または不飽和であり得る。典型的な飽和脂肪酸は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、及びセロチン酸である。不飽和脂肪酸は、一不飽和脂肪酸、二不飽和脂肪酸、または三不飽和脂肪酸であり得、一不飽和脂肪酸及び二不飽和脂肪酸が、好ましい。典型的な一不飽和脂肪酸は、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、及びバクセン酸である。典型的な二不飽和脂肪酸は、リノール酸及びリノエライジン酸である。ポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)のブロックを含む好ましいブロックコポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、またはポロキサマーとしても既知であるエチレンオキシド/プロピレンオキシド/エチレンオキシドブロックコポリマーである。ポロキサマーは、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖により隣接されるポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中央疎水性鎖から構成された非イオン性トリブロックコポリマーである。好ましいポロキサマーは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される、500超、好ましくは900超、さらにより好ましくは2000超、及び最も好ましくは3500超の数平均分子量を有する。数平均分子量は概して、20,000未満、好ましくは15,000未満、より好ましくは10,000未満、及び最も好ましくは6000未満である。ブロックコポリマー中のポリエチレンオキシドの重量は概して、少なくとも2パーセント、好ましくは少なくとも5パーセント、及びより好ましくは少なくとも7パーセントである。ブロックコポリマー中のポリエチレンオキシドの重量は概して、ブロックコポリマーの総重量に基づいて、最大90パーセント、好ましくは最大50パーセント、及びより好ましくは最大20パーセントである。最も好ましくは、ポロキサマーは、20℃及び雰囲気圧で液体である。最も好ましいポロキサマーは、Pluronic L121の商標でBASF Corporationから市販される。ポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)のブロックを含む他の好ましいブロックコポリマーは、Pluronic 17R2及びPluronic L62の商標でBASF Corporationから市販される。本発明の水性組成物は、様々な方法により調製され得る。1つの方法には、水性希釈剤の存在下及び任意に1つ以上の補助剤の存在下で、エステル化セルロースエーテルを磨砕することが含まれる。別の方法には、エステル化セルロースエーテルを高温度で、任意に1つ以上の補助剤の存在下で溶融または軟化させること、及び溶融または軟化された質量を水性希釈剤中で乳化することが含まれる。エステル化セルロースエーテル、脂肪酸の塩、及び水性希釈剤を室温で単に物理的に配合することにより水性組成物を調製することは、安定分散体を調製する上で通常は好適ではない。
一実施形態において、本発明の水性組成物を生成するための方法は、上述される水性希釈剤の存在下で、上述されるような少なくとも1つのエステル化セルロースエーテルを磨砕するステップと、エステル化セルロースエーテルを磨砕する前、磨砕している間、または磨砕した後に、(エステル化セルロースエーテルの重量に基づいて)0.05〜20パーセントの脂肪酸の少なくとも1つの塩及び任意に1つ以上の補助剤を、エステル化セルロースエーテルと配合するステップと、を含む。水性希釈剤の存在下で、エステル化セルロースエーテルをさらに上記で示されるような中央粒子サイズd50に磨砕するのに好適な任意の磨砕装置が、使用され得る。好ましい磨砕装置は、メディアミルまたはビーズミルなどの湿潤磨砕ユニットである。磨砕することは、典型的に少なくとも2℃、より典型的に少なくとも15℃の温度で、及び典型的に最大40℃、より典型的に最大35℃の温度で実行される。磨砕することは、十分な時間の間実行されて、分散されたエステル化セルロースエーテル粒子の上述される中央粒子サイズd50を達成する。
別の実施形態において、本発明の水性組成物を生成するための方法は、a)上述される少なくとも1つのエステル化セルロースエーテルを溶融し、b)上述される水性希釈剤中で溶融されたエステル化セルロースエーテルを乳化するステップと、水性希釈剤中で溶融されたエステル化セルロースエーテルを乳化するステップの前、ステップの間、またはステップの後に、分散されたエステル化セルロースエーテルの重量に基づいて、c)0.05〜20パーセントの上述される脂肪酸の塩、及び任意にd)1つ以上の補助剤を添加するステップと、乳剤を冷却して、水性分散体を形成するステップと、を含む。本方法のこの実施形態は好ましくは、押し出し機内で実行される。あるいは、本発明のこの実施形態を実行するために、加圧バッチ式混練機が使用され得る。
好ましい実施形態において、本発明の水性組成物を生成するための方法は、押し出し機の溶融区域内でエステル化セルロースエーテル及び任意に1つ以上の補助剤を溶融して、溶融物を形成するステップと、溶融物を温度及び圧力が制御される押し出し機の乳化区域に搬送するステップと、水性希釈剤、脂肪酸の1つ以上の塩、及び任意に1つ以上の補助剤を、添加された構成成分中で溶融物が乳化される乳化区域中に供給するステップと、生成された乳剤を押し出し機の希釈及び冷却区域に搬送するステップと、水性希釈剤、任意に脂肪酸の1つ以上の塩、及び任意に1つ以上の補助剤を希釈及び冷却区域中に供給して、乳剤を希釈し、それにより水性分散体を形成するステップと、を含む。本方法を行うために使用され得る一般的な工程条件及び機器は、米国特許第5,539,021号に開示され、この開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
あるいは、上述されるエステル化セルロースエーテルを溶融するステップ、溶融されたエステル化セルロースエーテルを水性希釈剤中で乳化するステップ、水性希釈剤中で溶融されたエステル化セルロースエーテルを乳化するステップの前、ステップの間、またはステップの後に、0.05〜20パーセントの脂肪酸の塩及び任意に1つ以上の補助剤を添加するステップ、ならびに乳剤を冷却して、水性分散体を形成するステップを実行するために、加圧バッチ式混練機が使用され得る。
上述される溶融−押し出し方法において、溶融するステップは、好ましくは100〜155℃、より好ましくは125〜145℃の温度で、及び1〜35バール、より好ましくは15〜25バールの圧力で実行される。乳化ステップは、好ましくは100〜155℃、より好ましくは115〜135℃の温度で、及び4〜35バール、より好ましくは15〜25バールの圧力で実行される。冷却するステップは、好ましくは45〜100℃、より好ましくは70〜90℃の温度で、及び1〜35バール、より好ましくは1〜5バールの圧力で実行される。
本発明の水性組成物を生成するための方法におけるエステル化セルロースエーテル、脂肪酸の塩、任意の補助剤、及び水性希釈剤の好適かつ好ましい種類及び量は、上記でさらに記載される。脂肪酸の塩(複数可)及び任意の補助剤は好ましくは、エステル化セルロースエーテルを磨砕する前もしくは磨砕している間か、または水性希釈剤中で溶融されたエステル化セルロースエーテルを乳化するステップの前もしくはステップの間に添加される。脂肪酸の塩及び任意の補助剤は、エステル化セルロースエーテルを磨砕した後または溶融されたエステル化セルロースエーテルを乳化するステップの後にも添加され得るが、好ましくは、本発明の水性組成物を調製するために使用される少なくとも50パーセントの脂肪酸の塩は、エステル化セルロースエーテルの磨砕もしくは乳化の前または磨砕もしくは乳化の間に添加される。
本発明の別の態様において、本発明の水性組成物は、錠剤、粉粒体、小丸剤、カプレット、舐剤、座薬、ペッサリー、または実装可能な剤形などの剤形のコーティングのために使用されて、コーティングされた組成物を形成し得る。本発明の水性組成物が薬などの活性成分を含む場合、薬物レイヤリングが達成され得、すなわち剤形及びコーティングが、異なる最終使用のための、かつ/または異なる放出動態を有する異なる活性成分を含み得る。コーティングは、既知である方式、例えば既知である浸漬方法または噴霧方法により行われ得る。
本発明のまた別の態様において、本発明の水性組成物は、水性組成物を浸漬ピンと接触させるステップを含む方法において、カプセル殻の製造のために使用され得る。一実施形態によると、カプセル殻を生成するための方法は、上述される本発明の水性組成物を提供するステップと、成型ピンを水性組成物より高い温度に予熱するステップと、予熱された成型ピンを水性組成物中に浸漬するステップと、該ピンを該水性組成物から引き抜くことにより、該成型ピン上で膜を形成するステップと、膜を成型ピン上で乾燥させるステップと、を含む。カプセル殻を調製するために使用され得る一般的な工程条件及び機器は、国際特許出願第WO2013/164122号及び同第WO2013/164121号に記載され、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の水性組成物は、錠剤、カプセル、及び他を含む剤形のコーティング、またはカプセル殻の形成に関して特に有用であり、全てが好ましくは腸溶性使用のため、すなわち腸管中で溶解されて、剤形またはカプセル中に含有された薬物のような活性成分を放出するコーティングまたはカプセル殻である。
本発明のいくつかの実施形態はここで、以下の実施例において詳細に記載される。
別途断りがない限り、全ての部及び割合は、重量による。実施形態において、以下の試験手順を使用する。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)の粘度
“Hypromellose Acetate Succinate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF 29,pp.1548−1550”に記載されるように0.43重量%水性NaOH中のHPMCASの2.0重量%溶液を調製し、その後DIN 51562−1:1999−01(January 1999)に従って、20℃でウベローデ粘度測定を行った。
HPMCASのエーテル基及びエステル基の含有量
HPMCAS中のエーテル基の含有量を、“Hypromellose”,United States Pharmacopeia and National Formulary,USP 35,pp3467−3469に関して記載されているものと同じ方式で決定した。
アセチル基(−CO−CH)のエステル置換及びスクシノイル基(−CO−CH−CH−COOH)のエステル置換を、“Hypromellose Acetate Succinate,United States Pharmacopia and National Formulary,NF 29,pp.1548−1550”に従って決定した。エステル置換に関して報告された値を、揮発物質に対して修正した(上記のHPMCAS研究書中の「乾燥減量」の節で記載されるように決定される)。
水性組成物の見掛け粘度
3℃/分の加熱速度及び40rpmの羽根の幾何学的形状の定速度及び0.2721分間の測定点を有する10〜50℃の温度範囲において、CC−27カップの幾何学的形状及び4枚刃の羽根の幾何学的形状ST26−4V−20を有するAnton Paar MCR 301レオメーターで行われる温度スイープ実験に従って、HPMCASを含む水性組成物の見掛け粘度を様々な温度で測定した。この温度スイープ試験の前に、1分間2300rpmでSpeedMixer(商標)DAC 150.1FV(FlackTek Inc.)で材料を処理して、泡及び気泡を取り除いた。これらの測定のために、20mlの試料容積を使用した。試料を、粘度測定の前に室温で保管しておいた。
水性組成物の相転移温度の決定
上記の温度スイープ測定から取得された見掛け粘度の取得データを、この分析のために使用した。水性組成物の相転移温度は、HPMCAS粒子がゲル化し始め、水性組成物の粘度が著しく上昇し始める温度である。10〜15℃の温度における水性組成物の平均粘度を測定された見掛け粘度データから計算して、水性組成物のベースライン粘度を決定した。ベースライン粘度の標準偏差を計算した。標準偏差が25%超であったとき、これは、10〜15℃の温度範囲で一定粘度がなく、相転移温度が15℃未満であったことを示した。水性組成物の相転移温度を、水性組成物の粘度がそのベースライン粘度の150%に達する温度に決定した。
水性分散体中のHPMCAS粒子サイズ測定
粒子サイズを測定するために、以下に記載されるように生成された1〜2gの水性HPMCAS分散体を、20mlの精製水中で希釈した。希釈された分散体中の粒子サイズを、Beckman Coulter,Californiaから市販されるBeckman Coulter LS 13 320レーザ回折粒子サイズ分析器を使用して、レーザ回折粒子サイズ分析により測定した。フラウンホーファー光学モデル、偏光散乱強度差(PIDS)システム、及び音波破砕制御ユニットを備えるユニバーサルリキッドモジュール(ULM)を使用した。音波破砕制御ユニット中で、HPMCAS分散体を、HPMCAS添加(約30秒)及び粒子サイズ測定(約90秒)の間の最大120秒の間、超音波処理にかけた。
安定性査定
水性HPMCAS分散体の安定性を査定するために、上述されるHPMCAS粒子サイズ測定を約2週間後に繰り返した。粒子サイズの変化の程度は、水性HPMCAS分散体の安定性を明確に示した。分散体を視覚的にも調査した。
固形物含有量の決定
水分バランス(Mettler Toledo Advanced Moisture Analyzer、Model HB43−S)を使用して、固形物含有量を決定した。器具のセッティングは以下の通りであった:停止基準5(140秒で1mg未満の重量変化)を有する120℃の温度設定点(最初の3分間、40%のオーバーシュート)で急速乾燥プログラムを使用する3gの分散体。乾燥して水が取り除かれると、残留固形物含有量(全ての添加剤を含む)を計量した。
実施例1、2、5、9、10及び比較例A〜Eの水性分散体を調製するために使用されたHPMCAS
23.7%のメトキシル基(DSメトキシル=1.93)、7.1%のヒドロキシプロポキシル基(MSヒドロキシプロポキシル=0.24)、9.6%のアセチル基(DSアセチル=0.56)、10.5%のスクシノイル基(DSスクシノイル=0.26)、及び0.43重量%水性NaOH中のHPMCASの2.0重量%溶液として測定される2.96mPa・sの粘度を有するHPMCASを使用した。
実施例3、4、6、7、8、11、12及び比較例Fの水性分散体を調製するために使用されたHPMCAS
23.3%のメトキシル基(DSメトキシル=1.92)、7.2%のヒドロキシプロポキシル基(MSヒドロキシプロポキシル=0.24)、9.8%のアセチル基(DSアセチル=0.58)、10.9%のスクシノイル基(DSスクシノイル=0.28)、及び0.43重量%水性NaOH中のHPMCASの2.0重量%溶液として測定される2.68mPa・sの粘度を有するHPMCASを使用した。
実施例13及び比較例Gの水性分散体を調製するために使用されたHPMCAS
23.2%のメトキシル基(DSメトキシル=1.90)、7.3%のヒドロキシプロポキシル基(MSヒドロキシプロポキシル=0.25)、9.3%のアセチル基(DSアセチル=0.55)、11.2%のスクシノイル基(DSスクシノイル=0.28)、及び0.43重量%水性NaOH中のHPMCASの2.0重量%溶液として測定される2.91mPasの粘度を有するHPMCASを使用した。
実施例1〜6及び比較例A〜E
水性HPMCAS分散体を生成するために、水をまず投入し、Netzsch LAB STARメディアミル(1.4mmのイッテルビウム安定化ジルコニア媒体、0.7mmの網目サイズ)を通して再循環させた。粉砕プロセスの間、以下の表1に列挙されるHPMCAS固形物及び界面活性剤を、3600回転/分の粉砕速度の粉砕機を通して再循環している水に徐々に投入した。以下の表1に列挙されるような、HPMCASに基づく界面活性剤の割合を提供するために、あらかじめ決定された重量比でHPMCAS及び界面活性剤を添加した。本組成物の総重量に基づいて、20〜30%の全固形物の投入が達成するまでHPMCAS及び界面活性剤の添加を継続した。本組成物の総重量に各々基づいて、HPMCAS及び界面活性剤の割合を、測定された固形物含有量及びHPMCASと界面活性剤との間の供された重量比から計算した。以下の表1に結果を列挙する。全ての固形物の添加後、最終粒子サイズが取得されるまで粉砕を継続した。
類似の手順を使用して、実施例1〜6ならびに比較例A、B、D、及びEを完了した。比較例Cにおいて、分散体の粘度が許容され得る圧力システムを超える粉砕機内の圧力を引き起こしたため、分散体は取得されなかった。
比較例Aにおいて、添加剤、すなわち界面活性剤を使用しなかった。比較例Bにおいて、Tween 80の商標で市販される、周知である非イオン性界面活性剤ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアートを使用した。比較例C及びDにおいて、周知である陰イオン界面活性剤であるナトリウムドデシルサルフェート(SDS)を使用した。比較例Eにおいて、Pluronic L44 NF INHの商標でBASFから市販される、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーを非イオン性界面活性剤として使用した。以下の表1の結果は、比較例A、B、及びEの分散体の粘度が過度に高かったことを例示する。さらに、比較例Bの分散体は、非常に大きなHPMCAS粒子を有した。実施例Cにおいて、分散体の粘度が許容され得るシステム圧力を超える粉砕機内の圧力を引き起こしたため、分散体は取得されなかった。実施例Dは、許容可能な粘度及び粒子サイズを有する分散体を生成したが、約2週間保管すると集塊する傾向が多少出た。比較例A〜Eの分散体は、合理的に簡便な取り扱い及び工程には好適ではなかった。
以下の表1の結果は、脂肪酸の塩を含有した実施例1〜6のHPMCAS分散体が、微粒子サイズのHPMCASを有し、室温で良好な流動性を有する20℃で十分に低い粘度を有したことも例示する。実施例1、4、5、及び6の分散体を視覚的に調査し、それらの平均粒子サイズを約2週間後に測定した。それらは、安定し、すなわち過度の沈降または塊の形成を示さなかった。界面活性剤として脂肪酸のアルカリ金属塩を含む実施例1、4、及び6は、非常に安定し、集塊する傾向はなかった。界面活性剤として0.5重量%未満のカリウムステアレートを含む実施例5は、約2週間後に多少の集塊作用を示した。
実施例7〜11ならびに比較例F及びG
Drais DCP−12 Advantisメディアミル(1.0mmのイッテルビウム安定化ジルコニア媒体、0.5mmの網目サイズ)を使用したことを除いて、実施例1を繰り返した。粉砕速度を最初に1600rpmに設定し、次に粉砕機の排気温度を制御するために、必要に応じて約1300rpmに低減した。以下の表1に示されるように、ナトリウムステアレートの量及び最終固形物含有量を変化させた。比較例F及びGを、界面活性剤無しに生成した。
以下の表1の結果は、脂肪酸の塩を含有した実施例7〜11のHPMCAS分散体が、同等の方式だが脂肪酸の塩の不在下で生成された比較例F及びGの分散体より相当に低い粘度を有したことを再度例示した。さらに、実施例8〜11は、本発明により、非常に高い固形物含有量及び非常に高いHPMCAS含有量を有するが、20℃で低粘度を尚も有する分散体を生成し得ることを例示する。
比較例F及びGならびに実施例8〜11の分散体を視覚的に調査し、それらの平均粒子サイズを約2週間後に測定した。比較例F及びGの分散体は、約2週間保管すると集塊作用を示した。それらと対照的に、実施例8〜11の分散体は、界面活性剤としてナトリウムステアレートが用いられた全範囲で、約2週間の保管において集塊作用を一切示さなかった。
実施例12
Drais DCP−12 Advantisメディアミル(1.0mmのイッテルビウム安定化ジルコニア媒体、0.5mmの網目サイズ)を使用したことを除いて、実施例1を繰り返した。粉砕速度を最初に1600rpmに設定し、次に粉砕機の排気温度を制御するために、必要に応じて約1400rpmに低減した。加えて、48.0〜49.5重量%のエチル基を含み、ウベローデ粘度計で、25℃で80%のトルエン及び20のエタノール中の5%溶液として測定される、18〜22mPa・sの粘度を有したエチルセルロースを、磨砕している間に添加した。エチルセルロースは、Ethocel Std. 20として、The Dow Chemical Companyから市販される。それを膜形成助剤として使用した。得られた分散体は、分散体の総重量に基づいて、19.1パーセント及び6.4パーセントのエチルセルロースを含んだ。
以下の表1の結果は、分散体がエチルセルロースなどの膜形成助剤をさらに含むとき、微粒子サイズかつ20℃で十分に低い粘度のHPMCAS分散体も達成されることを例示する。
実施例13
Drais DCP−12 Advantisメディアミル(1.0mmのイッテルビウム安定化ジルコニア媒体、0.5mmの網目サイズ)を使用したこと、及びアルカリ金属オレエートを界面活性剤として使用したことを除いて、実施例1を繰り返した。粉砕速度を最初に1600rpmに設定し、次に粉砕機の排気温度を制御するために、必要に応じて約1400rpmに低減した。
Figure 2017517592
Figure 2017517592
図1は、実施例1ならびに比較例A、B、D、及びEのHPMCAS分散体の粘度を、その温度に応じて例示する。実施例1及び比較例Dの新たに調製されたHPMCAS分散体は、簡便に取り扱われるために20℃で十分に低い粘度を有したが、基材(例えば錠剤または鋼鉄ピン)の表面に付着するための増加された粘度を有した。しかし、実施例1のHPMCAS分散体は、約2週間の保管で安定していたが、一方比較例Dの分散体は、約2週間保管すると多少の集塊作用を示した。20℃における、比較例A、B、及びEの分散体の取り扱いは、それらのより高い粘度に起因してより困難であった。さらに、比較例A、B、及びEの分散体は、約2週間保管すると集塊作用を示した。
実施例14
実施例11で調製された分散体を使用して、膜形成を評価した。分散体を室温で保管した。膜を流延するために、分散体を攪拌しながら適度なせん断を適用しながら、分散体を12〜16℃に冷却した。HPMCASに対して10%のトリエチルシトラート(TEC)を、分散体に液滴で添加した。TECの添加は、分散体の相転移温度を低下させた。分散体の得られた固形物含有量は、33.8%(30.2%のHPMCAS、0.6%のナトリウムステアレート、及び3.1%のTEC)であった。12〜16℃で、さらに15〜30分間、適度なせん断をしながら攪拌を継続した。次に、400μmの間隙を有する流延装置を使用して、鋼板上で膜を室温で流延した。自立膜を室温で形成した。湿潤膜は、400マイクロメートルの厚みを有し、40℃で乾燥させると、得られたのは約100マイクロメートルの膜厚及び2.6%の残留水分含有量であった。図2は、流延膜の写真を表す。
実施例15
界面活性剤として2重量%のナトリウムステアレートを含む分散体を、実施例10に記載されるように調製した。分散体を室温で保管した。膜を流延するために、200rpmで5分間分散体を攪拌しながら、分散体を10〜15℃に冷却した。HPMCASの重量に基づいて、8.3%のトリエチルシトラート(TEC)、8.3%のジブチルセバケート(DBS)、及び1.1%のポロキサマー(可塑剤組成物)の混合物を、分散体に液滴で添加した。ポロキサマーは、構造PEO−PPO68−PEOのポリ(エチレンオキシド)(PEO)−ポリ(プロピレンオキシド)(PPO)−ポリ(エチレンオキシド)(PEO)トリブロックコポリマーであり、BASF Corporationから市販されるPluronic L121であった。分散体の得られた固形物含有量は、33.3%(27.8%のHPMCAS、0.6%のナトリウムステアレート、2.3%のTEC、2.3%のDBS、及び0.3%のPluronic L121)であった。10〜15℃で約15〜30分間、及び12〜18℃でさらに約15分間、適度なせん断をしながら攪拌を継続した。次に、380μmの間隙を有する流延装置を使用して、こびりつき防止板上で膜を流延した。湿潤膜は、380マイクロメートルの厚みを有した。約75℃で乾燥させると、約125マイクロメートルの膜厚が得られた。滑らかな表面を有する自立膜が形成された。図3は、流延膜の写真を表す。
本発明の水性組成物及び比較水性組成物の粘度を、それらの温度に応じて例示する。 本発明の水性組成物から流延された膜の写真の表示である。 本発明の水性組成物から流延された別の膜の写真の表示である。
驚くべきことに、水性組成物が少なくとも15重量%のエステル化セルロースエーテル、またはさらに少なくとも20重量%のエステル化セルロースエーテル、または最適化された条件下でさらに少なくとも25重量%のエステル化セルロースエーテルを含むときでさえ、以下に記載されるような新規の水性組成物は、水性組成物の良好な流動性を可能にするために、20℃で十分に低い粘度を有することが分かった。
驚くべきことに、以下に記載されるような微粒子サイズの分散されたエステル化セルロースエーテル(複数可)を含む新規の水性組成物は、30℃超、またはさらに35℃超、及び概して最大約45℃の温度においてでさえ調製され得ることが分かった。分散されたエステル化セルロースエーテル(複数可)は、新規の水性組成物の調製中、過度の粘着質または集塊作用を示さない。30℃を超える温度での低減された粘着質及び集塊作用は、高せん断を必要とする多くの工程段階、例えば新規の水性組成物が水の存在下でエステル化セルロースエーテル粒子を磨砕することにより生成される、それらの生成方法の実施形態において重要である。磨砕するプロセスの間、熱が発生する。非常に粘着質であるエステル化セルロースエーテルは、粉砕装置の詰まり及び動作不能を引き起こし得る。
本発明の組成物中に含まれるエステル化セルロースエーテルは、本発明の文脈中、無水グルコース単位として表される、β−1,4グリコシド結合D−グルコピラノース繰り返し単位を有するセルロース主鎖を有する。エステル化セルロースエーテルは好ましくは、エステル化アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースである。これは、本発明の組成物中に含まれるエステル化セルロースエーテル中、無水グルコース単位のヒドロキシル基の少なくとも一部が、アルコキシル基、またはヒドロキシアルコキシル基、またはアルコキシル基とヒドロキシアルコキシル基との組み合わせにより置換されることを意味する。ヒドロキシアルコキシル基は典型的に、ヒドロキシメトキシル、ヒドロキシエトキシル、及び/またはヒドロキシプロポキシル基である。ヒドロキシエトキシル及び/またはヒドロキシプロポキシル基が、好ましい。典型的に、1種類または2種類のヒドロキシアルコキシル基がエステル化セルロースエーテル中に存在する。好ましくは、単一の種類のヒドロキシアルコキシル基、より好ましくはヒドロキシプロポキシルが存在する。アルコキシル基は典型的に、メトキシル、エトキシル、及び/またはプロポキシル基である。メトキシル基が、好ましい。上記で定義されたエステル化セルロースエーテルの実例となるものは、エステル化メチルセルロース、エチルセルロース、及びプロピルセルロースなどのエステル化アルキルセルロース;エステル化ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシブチルセルロースなどのエステル化ヒドロキシアルキルセルロース;ならびにエステル化ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、及びヒドロキシブチルエチルセルロースなどのエステル化ヒドロキシアルキルアルキルセルロース;ならびにエステル化ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの2つ以上のヒドロキシアルキル基を有するものである。最も好ましくは、エステル化セルロースエーテルが、エステル化ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのエステル化ヒドロキシアルキルメチルセルロースである。
実施例7〜11ならびに比較例F及びG
Drais DCP−12 Advantisメディアミル(1.0mmのイッテルビウム安定化ジルコニア媒体、0.5mmの網目サイズ)を使用したことを除いて、実施例1を繰り返した。粉砕速度を最初に1600rpmに設定し、次に粉砕機の排気温度を制御するために、必要に応じて約1300rpmに低減した。以下の表1に示されるように、ナトリウムステアレートの量及び最終固形物含有量を変化させた。比較例F及びGを、界面活性剤無しに生成した。
以下の表1の結果は、脂肪酸の塩を含有した実施例7〜11のHPMCAS分散体が、同等の方式だが脂肪酸の塩の不在下で生成された比較例F及びGの分散体より相当に低い粘度を有したことを再度例示した。さらに、実施例8〜11は、本発明により、非常に高い固形物含有量及び非常に高いHPMCAS含有量を有するが、20℃で低粘度を尚も有する分散体を生成し得ることを例示する。
比較例F及びGならびに実施例8〜11の分散体を視覚的に調査し、それらの平均粒子サイズを約2週間後に測定した。比較例F及びGの分散体は、約2週間保管すると集塊作用を示した。それらと対照的に、実施例8〜11の分散体は、界面活性剤としてナトリウムステアレートが用いられた全範囲で、約2週間の保管において集塊作用を一切示さなかった。
実施例12
Drais DCP−12 Advantisメディアミル(1.0mmのイッテルビウム安定化ジルコニア媒体、0.5mmの網目サイズ)を使用したことを除いて、実施例1を繰り返した。粉砕速度を最初に1600rpmに設定し、次に粉砕機の排気温度を制御するために、必要に応じて約1400rpmに低減した。加えて、48.0〜49.5重量%のエチル基を含み、ウベローデ粘度計で、25℃で80%のトルエン及び20のエタノール中の5%溶液として測定される、18〜22mPa・sの粘度を有したエチルセルロースを、磨砕している間に添加した。エチルセルロースは、Ethocel Std. 20として、The Dow Chemical Companyから市販される。それを膜形成助剤として使用した。得られた分散体は、分散体の総重量に基づいて、19.1パーセントのHPMCAS及び6.4パーセントのエチルセルロースを含んだ。
以下の表1の結果は、分散体がエチルセルロースなどの膜形成助剤をさらに含むとき、微粒子サイズかつ20℃で十分に低い粘度のHPMCAS分散体も達成されることを例示する。
Figure 2017517592

Claims (15)

  1. a)(i)式−C(O)−R−COOAの基または(ii)一価の脂肪族アシル基と式−C(O)−R−COOAの基との組み合わせを含み、式中、Rが、二価の脂肪族または芳香族炭化水素基であり、Aが、水素または陽イオンである、少なくとも1つの分散されたエステル化セルロースエーテルと、
    b)前記分散されたエステル化セルロースエーテルの重量に基づいて、0.05〜20パーセントの脂肪酸の少なくとも1つの塩と、を含む、水性組成物であって、
    前記分散されたエステル化セルロースエーテル粒子の中央粒子サイズd50が、最大7マイクロメートルであり、かかる中央粒子サイズ(d50)が、前記粒子の50質量パーセントがより小さな等価直径を有し、50質量パーセントがより大きな等価直径を有するサイズである、水性組成物。
  2. 前記分散されたエステル化セルロースエーテルの重量に基づいて、0.5〜10パーセントの飽和または不飽和脂肪酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩、またはアルカリ土類金属塩を含む、請求項1に記載の水性組成物。
  3. 前記脂肪酸の塩が、ステアリン酸またはオレイン酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩、またはアルカリ土類金属塩である、請求項1または請求項2に記載の水性組成物。
  4. 前記水性組成物の総重量に基づいて、少なくとも15重量パーセントの前記少なくとも1つの分散されたエステル化セルロースエーテルを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性組成物。
  5. i)クエン酸エステル、ii)ジカルボン酸のエステル、ならびにiii)アセトグリセリドまたはポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)のブロックを含むブロックコポリマーから選択される2つまたは3つの可塑剤を含むが、2つまたは3つの可塑剤が異なる群i)〜iii)から選択されることを条件とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性組成物。
  6. 前記エステル化セルロースエーテル中の前記一価の脂肪族アシル基が、アセチル基、プロピオニル基、またはブチリル基であり、前記式−C(O)−R−COOAの前記基が、
    −C(O)−CH−CH−COOA、−C(O)−CH=CH−COOA、または−C(O)−C−COOA基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性組成物。
  7. 前記エステル化セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性組成物。
  8. 前記中央粒子サイズd50が、最大5マイクロメートルであり、かかる中央粒子サイズ(d50)が、前記粒子の50質量パーセントがより小さな等価直径を有し、50質量パーセントがより大きな等価直径を有するサイズである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性組成物。
  9. 前記分散されたエステル化セルロースエーテル粒子のd90が、最大12マイクロメートルであり、d90が、前記粒子の90質量パーセントがより小さな等価直径を有し、他の10質量パーセントがより大きな等価直径を有する直径である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性組成物。
  10. a)最大3マイクロメートルの中央粒子サイズd50及び最大9マイクロメートルのd90を有する、前記水性組成物の総重量に基づいて、少なくとも20重量パーセントの分散されたヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート粒子と、
    b)前記分散されたエステル化セルロースエーテルの重量に基づいて、1.0〜5.0パーセントのステアリン酸またはオレイン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と、を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の水性組成物。
  11. (i)前記式−C(O)−R−COOAの基または(ii)一価の脂肪族アシル基と前記式−C(O)−R−COOAの基との組み合わせを含み、式中、Rが、二価の脂肪族または芳香族炭化水素基であり、Aが、水素または陽イオンである、少なくとも1つのエステル化セルロースエーテルを、水性希釈剤の存在下で磨砕するステップと、
    前記エステル化セルロースエーテルを磨砕する前、磨砕している間、または磨砕した後に、0.05〜20パーセントの脂肪酸の少なくとも1つの塩及び任意に1つ以上の補助剤を、前記エステル化セルロースエーテルと配合するステップであって、前記脂肪酸塩の割合が、前記エステル化セルロースエーテルの重量に基づく、配合するステップと、を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の水性組成物を生成するための方法。
  12. (i)前記式−C(O)−R−COOAの基または(ii)一価の脂肪族アシル基と前記式−C(O)−R−COOAの基との組み合わせを含み、式中、Rが、二価の脂肪族または芳香族炭化水素基であり、Aが、水素または陽イオンである、a)エステル化セルロースエーテルを溶融するステップと、
    b)水性希釈剤中で前記溶融されたエステル化セルロースエーテルを乳化するステップと、
    前記水性希釈剤中で前記溶融されたエステル化セルロースエーテルを乳化する前記ステップの前、ステップの間、またはステップの後に、前記分散されたエステル化セルロースエーテルの重量に基づいて、c)0.05〜20パーセントの脂肪酸の塩、及び任意にd)1つ以上の補助剤を添加するステップと、
    前記乳剤を冷却して、水性分散体を形成するステップと、を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の水性組成物を生成するための方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の水性組成物から調製されたコーティングでコーティングされている、剤形。
  14. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の水性組成物から作製された、カプセル殻。
  15. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の水性組成物を提供するステップと、
    成型ピンを前記水性組成物より高い温度に予熱するステップと、
    前記予熱された成型ピンを前記水性組成物中に浸漬するステップと、
    前記ピンを前記水性組成物から引き抜くことにより、前記成型ピン上で膜を形成するステップと、
    前記膜を前記成型ピン上で乾燥させるステップと、を含む、カプセル殻を生成するための方法。

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