JP2017512985A - 細胞内レベルの分解能での質量サイトメトリによる組織サンプルの多重化イメージング - Google Patents
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Abstract
本発明者らは、レーザアブレーション誘導結合プラズマ質量分析(LA−ICP−MS)を組織サンプル中分解能の一細胞の細胞内レベルの分解能でのイメージングに適したものに改変した。前記レーザのスポットサイズは4μm以下であってもよい。飛行時間質量分析計を用いてもよい。前記組織サンプルは4つ以上の希土類金属で標識してもよい。
Description
本発明は、レーザアブレーション誘導結合プラズマ質量分析(LA−ICP−MS)または質量サイトメトリを用いる、組織サンプルのイメージングに関する。
一細胞(シングルセル)計測および分子標的の多重化定量検出は、個別の細胞の状態および挙動に対する洞察を提供することができる。一細胞分析に用いられてきた技術としては、(例えば免疫細胞化学を用いる)特定の標識技術と組み合わせた顕微鏡観察、一細胞イメージング質量分析、表面増強ラマン散乱分光分析、およびLA−ICP−MSが挙げられる。
これらの技術のいくつかは、(例えば免疫組織化学を用いる)組織のin situイメージングまで容易に拡張することができるが、他の技術はできない。例えば、免疫蛍光顕微鏡観察(IFM)のようなアプローチはナノメートルレベルの分解能までのイメージングに有用であるが、実際のところ、同時測定は7つ以下の標的に制限される。対照的に、LA−ICP−MSは、一細胞中の抗原発現の高度に多重化された定量分析を提供するが、現時点では組織サンプル内の一細胞のイメージングに必要な分解能が不足している。
本発明の目的は、組織サンプルのイメージングのさらなる向上した技術を提供することであり、とくにLA−ICP−MSを一細胞イメージング技術としての使用に適合させることである。
ICP−MSは、一細胞分析に用いられてきたが、それは懸濁液中の細胞にのみ限られていた[1]。本発明者らは今やレーザアブレーション(LA)をICP−MSに適合させ、この技術を組織サンプル中の一細胞イメージングに好適化した。LA−ICP−MSによる組織イメージングは以前に報告されているが、開示された手順は高い空間分解能を達成しなかった。例えば、LA−ICP−MSは、脳切片[2]や癌組織[3、4]の画像を取得するのに用いられているが、一細胞レベルまたは細胞内レベルの分解能は達成されなかった。すべての場合において、分解能は、アブレーションレーザのスポットサイズにより、および/または連続的なアブレーション中に放出される物質の分析間の重なり合い/混ざり合いにより、制限された。例えば、40μmのスポットサイズ[2]では、組織サンプル中の一細胞のイメージングに十分な高い分解能で物質をアブレーションすることができない。同様に、アブレーションされた物質をICP−MSまで100ms未満で輸送することができない場合、10Hzの周波数でのアブレーションは重なり合う信号をもたらす;例えば参考文献3において同アブレーション周波数で用いられるアブレーションセルは、1秒を大幅に超えたウォッシュアウト時間を有した(この文献の著者らは、その点に注目しなかった)。
ここで本発明者らは、これらの欠点を克服し、細胞内レベルの分解能を達成することができるLA−ICP−MSシステムを提供し、これにより初めてLA−ICP−MS技術を組織の一細胞イメージングに適したものにした。したがって、本発明は、複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:(i)組織サンプル中の複数の異なる標的分子を複数の異なる標識原子で標識し、標識された組織サンプルをもたらすステップ;(ii)該標識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置で細胞内レベルの分解能でのレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および(iii)プルームに誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;を含む方法を提供する。本発明の1つの一般的な利点は、免疫組織化学(IHC)において既に用いられている技術およびプロトコルと互換性があるが、LA−ICP−MSにより検出される標識の使用が今やサンプル中でより多くの標的の局在化を可能にすることである。
本発明はまた、複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:(i)組織サンプル中の複数の異なる標的分子を複数の異なる標識原子で標識し、標識された組織サンプルをもたらすステップ;(ii)該標識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置でレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および(iii)プルームに飛行時間質量分析計を用いて誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;を含む方法を提供する。
本発明はまた、複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:(i)組織サンプル中の少なくとも4つの異なる標的分子を異なる標識原子で標識し、標識された組織サンプルをもたらすステップ;(ii)該標識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置でレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および(iii)プルームに誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;を含む方法を提供する。
本発明はまた、複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:(i)組織サンプル中の複数の異なる標的分子を複数の異なる標識原子で標識し、標識された組織サンプルをもたらすステップ;(ii)該標識された組織サンプル中の個別の細胞を区画するステップ;(iii)該標識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置でレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および(iv)プルームに誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;を含む方法を提供する。
本発明はまた、複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:(i)組織サンプル中の1つ以上の標的分子を標識原子で標識し、標識された組織サンプルをもたらすステップ;(ii)該標識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置で4μm以下のレーザスポットサイズを用いてレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および(iii)プルームに誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;を含む方法を提供する。
本発明はまた、複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:(i)複数の異なる標的分子が複数の異なる標識原子で標識された、標識された組織サンプルをもたらすステップ;(ii)標該識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置で細胞内レベルの分解能でのレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および(iii)プルームに誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;を含む方法を提供する。
本発明はまた、4つ以上(例えば、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15以上)の異なる遷移金属原子での組織サンプルの標識方法を提供する。これらの原子は特定の細胞内標的と会合し、これにより、下流のLA−ICP−MSによる検出を可能にする。LA−ICP−MSからのデータは次にサンプルの画像を作成するのに用いることができる。
本発明はまた、組織サンプルの複数の細胞に細胞内レベルの分解能での質量サイトメトリを行う、組織サンプルのイメージング方法を提供する。
本発明はまた、標識された一細胞の内容物の実質的にすべてを1回のレーザショットでアブレーションした後ICP−MSを行う、LA−ICP−MS方法を提供する。よって一細胞全体の内容物の実質的にすべてを質量サイトメトリにより分析することができる。アブレーションは前記細胞の内容物の実質的にすべてを含むプルームをもたらし、次いで、このプルームをICPに導入し、MSを行うことができ、これによって、標識された物質を検出し、単一分析における一細胞全体の多重分析を可能にする。
[発明の詳細な説明]
<LA−ICP−MSおよび質量サイトメトリ>
本発明は、組織サンプルのイメージング方法において、誘導結合プラズマ質量分析(LA−ICP−MS)と組み合わせたレーザアブレーションを用いる。サンプル中の異なる標的分子が異なる標識原子で標識され、次に標識された組織サンプルの複数種の細胞にLA−ICP−MSが用いられる。検出された信号を、それらの信号を生じさせたレーザアブレーションの既知の位置と関連づけることにより、本方法は、標識された標的分子のサンプル上の特定位置への局所化を可能にし、ひいてはサンプルの画像の構築を可能にする。
<LA−ICP−MSおよび質量サイトメトリ>
本発明は、組織サンプルのイメージング方法において、誘導結合プラズマ質量分析(LA−ICP−MS)と組み合わせたレーザアブレーションを用いる。サンプル中の異なる標的分子が異なる標識原子で標識され、次に標識された組織サンプルの複数種の細胞にLA−ICP−MSが用いられる。検出された信号を、それらの信号を生じさせたレーザアブレーションの既知の位置と関連づけることにより、本方法は、標識された標的分子のサンプル上の特定位置への局所化を可能にし、ひいてはサンプルの画像の構築を可能にする。
LA−ICP−MSは、組織サンプルへの該組織サンプルからアブレーションされた物質のプルームを生成させるレーザパルスの印加を伴い、これらのプルームは、分析のためエアロゾルとしてICP−MS装置まで輸送される。前記組織サンプル中の標識原子はMSにより識別することができ、よってそれらの検出は、プルーム中の異なる複数の標的の存在または不存在を明らかにする。
この方法で生成される信号の空間分解能は、次の2つの主要な因子によって決まる:(i)レーザのスポットサイズ(信号がアブレーションされる総面積にわたって積分されるため);および(ii)複数のプルームを生成する速度に対して、1のプルームを分析できる速度(上記のような連続的な複数のプルームからの信号の重なり合いを回避するため)。
よって、個別の細胞を分析するため、本発明は、これらの細胞より大きくないレーザスポットサイズを用い、すなわち、物質を細胞内レベルの分解能でアブレーションすることができるレーザスポットサイズを用いる。このサイズはサンプル中の具体的な細胞によって決まるが、一般的にレーザスポットは、4μm未満、例えば、0.2〜4μm、0.25〜3μm、または0.4〜2μmの範囲内の直径を有する。よってレーザスポットは、約3μm、2μm、1μm、または0.5μmの直径を有することができる。好適な実施形態において、レーザスポット直径は、0.5〜1.5μmの範囲内、または約1μmである。小さなスポットサイズは、幅の広いレーザビームの縮小および近視野光学装置を用いて達成することができる。1μmのレーザスポット直径は1μmのレーザ焦点に対応するが、前記レーザ焦点はレーザビームをサンプル表面上へ輸送する対物レンズの開口数によって±20%変動し得る。
組織サンプルの高速分析には、高周波数、例えば10Hz以上のアブレーション(すなわち、毎秒10個のプルームをもたらす毎秒10回のアブレーション)が必要である。好適な実施形態において、アブレーションの周波数は、10〜200Hzの範囲内、15〜100Hzの範囲内、または20〜50Hzの範囲内である。少なくとも20Hzのアブレーション周波数は、典型的な組織サンプルのイメージングを妥当な時間で達成することを可能にする。上記のとおり、これらの周波数では、計測手段は、アブレーションされた物質を、連続的な複数回のアブレーション間での実質的な信号の重なり合いを回避するのに十分な程度の高速で分析できなければならない。連続的な複数のプルームから生じる複数の信号間の重なり合いは、強度で、<10%、より好適には<5%、理想的には<1%であることが好ましい。プルームの分析に必要な時間は、アブレーションセルのウォッシュアウト時間、プルームエアロゾルがICPに到達して通過するまでの輸送時間、およびイオン化された物質を分析するのにかかる時間によって決まる。
よって短いウォッシュアウト時間(例えば、100ms以下)を有するアブレーションセルは、本発明での使用に有利である。長いウォッシュアウト時間を有するセルは、画像を生成することができる速度を制限するか、または連続的な複数のサンプルスポットから生じる複数の信号間の重なり合いを引き起こす(例えば、10秒超の信号持続時間を有した参考文献5)。したがって、エアロゾルのウォッシュアウト時間は、合計走査時間を増加させることなく高分解能を達成するための主要な制限因子である。100ms以下のウォッシュアウト時間を有するアブレーションセルは当技術分野において知られている。例えば、参考文献6は100ms未満のウォッシュアウト時間を有するアブレーションセルについて開示する。とくに好適なアブレーションセルは、参考文献7において開示され(参考文献8も参照)、30ms以下のウォッシュアウト時間を有し、これにより高いアブレーション周波数(例えば、20〜40Hz)を可能にし、ひいては高速分析を可能にする。本明細書における実施例は、20Hzの複数回のレーザアブレーションショットにより生成される複数のプルームの複数の信号を、このアブレーションセルにより完全に分離することができ、これにより広い面積を短時間でイメージングすることを可能にすることを示す。したがって、本発明の方法を用いて、最終画像における空間分解能1ピクセル当たり100ms未満の時間を達成することが可能である。
プルームエアロゾルがICPに到達して通過するまでの輸送時間は、単に、アブレーションセルをICPの近くに配置することにより、およびエアロゾルを適切な速度で直接ICPまで輸送するのに十分なガス流を確保することにより、容易に制御される。参考文献7に記載されるようなアルゴンおよびヘリウムを用いる輸送は、良好な結果をもたらす。
イオン化された物質を分析するのにかかる時間は、イオンの検出に用いられる質量分析計のタイプによって決まる。例えば、ファラデーカップを用いる装置は、一般的に高速な複数の信号を分析するには遅すぎる。全体として、所望のイメージング速度(よって、アブレーション周波数)、分解能(よって、レーザスポットサイズおよびアブレーションセル)および多重化の度合いが、用いられるべき質量分析計のタイプを決定する(または逆に、質量分析計の選択が、達成することができる速度、分解能および多重化の度合いを決定する)。
例えば点イオン検出器を用い、一度にただ1つの質量電荷比(m/Q、MSでは一般にm/zと称される)でイオンを検出する質量分析装置は、異なる複数の標識を用いる一細胞イメージングに好ましくない結果をもたらす。第1に、質量電荷比間の切り換えにかかる時間は異なる複数の信号を測定することができる速度を制限し、第2に、イオン含量が低ければ、装置が他の質量電荷比に焦点を合わせる際に複数の信号を見逃し得る。よって、参考文献2および3において用いられる装置(Agilent 4500)は感度が良いが、異なる質量電荷比のイオンが次々と通過するため異なる複数の標識のデータ取得が遅い設計により、その四重極型検出器は異なる複数の標識でのイメージングには十分に適さない。同様に、参考文献4および7において用いられる装置(Thermo Fisher ElementXRおよびElement2)は、一度にただ1つのm/Qを分析し、静電場ジャンプの範囲を超える範囲にわたって異なる複数のm/Q値を測定する場合には、磁気ジャンプのセトリング時間が大きい。
よって、異なるm/Q値を有する複数のイオンを実質的に同時に検出することを提供する技術を用いることが好ましい。例えば、点イオン検出器を用いる代わりに、アレイ検出器を用いることが可能である(例えば、参考文献9の第29章参照)。マルチコレクタ型セクタ場ICP−MS装置(例えば、Thermo Scientific Neptune Plus、Nu Plasma II、およびNu Plasma 1700システム)、とくにマッタウフ−ヘルツォーク幾何学を有するもの(例えば、SPECTRO MS、半導体直接電荷検出器を用いる1回の測定においてリチウムからウラニウムまでのすべての元素を同時に記録することができる)を用いることができる。これらの装置は異なる複数のm/Q信号を実質的に同時に測定することができる。それらの感度は、それらの検出器に電子増倍管を含めることにより増加させることができる。しかしながら、アレイセクタ装置は理想的ではない。アレイセクタ装置は、信号の増加の検出には有用であるが、信号レベルが低下している場合あまり有用でなく、よって複数の標識が高度に可変的な濃度で存在する状況には十分に適していないためである。
本発明で用いるのに最も好適なMS方法は、飛行時間(TOF)検出に基づき、一のサンプル中の複数の質量を擬似的に同時に登録することができる。理論的には、TOF技術はそれらの空間電荷特性のためICPイオン源に理想的には適していないが、本発明者らは、TOF装置がICPイオンエアロゾルを実用的な一細胞イメージングを可能にするのに十分に高速かつ十分に高感度で分析できることを示した。TOF質量分析計は、TOF加速器および飛行管における空間電荷の影響に対処するため妥協が必要であるので、原子分析には通常不人気であるが、本発明の組織イメージング方法は、標識原子のみを検出し、他の原子(例えば、100未満の原子質量を有するもの)を除去できることにより有効であり得る。本発明の組織イメージング方法は、(例えば)100〜250ダルトン領域中の質量を多く含み、より効率的に操作および集束することができる、低密度のイオンビームをもたらし、これによりTOF検出を促進してTOFの高いスペクトル走査速度を生かすことができる。このようにして、TOF検出を、組織サンプル中では稀であって理想的には非標識サンプルにおいて見られる質量を上まわる質量を有する標識原子を選択すること(例えば、より高質量の遷移元素を用いることによって)と組み合わせることにより、高速イメージングを達成することができる。よって、狭い範囲の標識質量を用いることは、TOF検出を効率的なイメージングに用いることができることを意味する。
好適なTOF装置は、Tofwerk社、GBC Scientific Equipment社(例えば、Optimass 9500 ICP−TOFMS)、およびFluidigm Canada社(例えば、CyTOF(商標)装置およびCyTOF(商標)2装置)から入手可能である。これらのCyTOF装置は、Tofwerk社およびGBC社の装置より高い感度を有し、希土類金属の質量範囲内(とくに、100〜200のm/Q範囲内)のイオンを高速かつ高感度で検出することができるため、質量サイトメトリにおける使用が知られている[10]。よって、これらは本発明で用いるのに好適な装置であり、当技術分野(例えば、参考文献11および12)において既に知られている装置設定でのイメージングに用いることができる。それらの質量分析計は、高周波レーザアブレーションの時間スケールの高質量スペクトル取得周波数で、多数のマーカーを準同時的に、、検出することができる[4]。前記質量分析計は、多数の標識原子を1細胞当たり約100の検出限界で測定することができ、組織サンプルの高感度な画像構築を可能にする。これらの特徴のため、質量サイトメトリを用い、細胞内レベルの分解能での組織イメージングに対する感度および多重化の必要性を満足することができる。従来、質量サイトメトリは懸濁液中の細胞を分析するためにのみ用いられ、したがって、組織または腫瘍の微小環境内部の細胞間相互作用の情報は失われていた。質量サイトメトリ装置を高分解能レーザアブレーションシステムおよび高速輸送低分散アブレーションチャンバと組み合わせることにより、組織サンプルの画像を実用的な時間スケールで高多重化した構築が可能となった。質量サイトメトリのさらなる詳細については参考文献1および13を参照することができる。
組織サンプルのアブレーションに用いられるレーザの波長およびパワーの選択は、ICP−MSによる細胞分析における通常の使用方法に従うことができる。レーザは、サンプル支持ホルダを実質的にアブレーションすることなく、所望の深さまでのアブレーションをもたらすのに十分なフルエンスを有していなければならない。20Hzで2〜5J/cm2、例えば、3〜4J/cm2または約3.5J/cm2のレーザフルエンスが、典型的には適切である。理想的には、単一レーザパルスが、分析のため細胞物質をアブレーションするには十分であり、レーザパルス周波数が、アブレーションプルームが生成される周波数と一致する。レーザは通常、エキシマレーザまたはエキサイプレックスレーザである。フッ化アルゴンレーザ(λ=193nm)を用いて適切な結果を得ることができる。25μmの開口を用いると、このレーザは、組織サンプルを25倍縮小でイメージングし、1μmの直径を有するスポットサイズをもたらすことができる。これらのレーザでの10〜15nsのパルス持続時間は、適切なアブレーションを達成することができる。フェムト秒レーザ(すなわち、パルス持続時間<1ps)を用いることもでき、サンプルへの熱伝達が低減されるため有益であるが、フェムト秒レーザは非常に高価であり、良好なイメージング結果はフェムト秒レーザなしで達成することができる。
全体として、レーザパルス周波数および強度は、個別のレーザアブレーションプルームの識別を可能にするように、MS検出器の応答特性と組み合わせて選択される。小さなレーザスポットおよび短いウォッシュアウト時間を有するアブレーションセルの使用と組み合わせることで、今では、高速かつ高分解能イメージングが実現可能である。
<画像構築>
LA−ICP−MSは、プルーム中の複数種の標識原子の信号を提供することができる。プルーム中の標識の検出は、アブレーション位置での、同種の標識の標的の存在を明らかにする。サンプル表面上の複数の既知の空間位置で一連のプルームを生成することにより、MS信号はサンプル上の標識の位置を明らかにするので、該信号を用いて該サンプルの画像を構築することができる。識別可能な複数の標識で複数種の標的を標識することにより、標識原子の位置を同種の標的の位置と関連づけることが可能であり、よって本発明は、既存の技術を用いて達成可能なものをはるかに超える多重化レベルに達する、複雑な画像を構築することができる。本発明者らは、本発明の方法により生成される画像がIFMにより測定されるような所定のマーカーを発現する細胞の染色パターンおよび割合を再現できることを示し、これにより本発明がイメージングに好適であることを確認した。
LA−ICP−MSは、プルーム中の複数種の標識原子の信号を提供することができる。プルーム中の標識の検出は、アブレーション位置での、同種の標識の標的の存在を明らかにする。サンプル表面上の複数の既知の空間位置で一連のプルームを生成することにより、MS信号はサンプル上の標識の位置を明らかにするので、該信号を用いて該サンプルの画像を構築することができる。識別可能な複数の標識で複数種の標的を標識することにより、標識原子の位置を同種の標的の位置と関連づけることが可能であり、よって本発明は、既存の技術を用いて達成可能なものをはるかに超える多重化レベルに達する、複雑な画像を構築することができる。本発明者らは、本発明の方法により生成される画像がIFMにより測定されるような所定のマーカーを発現する細胞の染色パターンおよび割合を再現できることを示し、これにより本発明がイメージングに好適であることを確認した。
理想的には、画像は、組織サンプル上でレーザのラスタ走査を行うことにより構築される。ラスタ走査(ステップサイズ)における連続的なアブレーションの間隔、およびラスタ走査における隣接するライン間の間隔は、理想的には、対象となる領域を完全にカバーするため、用いられるレーザスポットサイズと同じ(例えば、1μmのレーザスポットについて1μmの間隔)である。しかしながら、いくつかの実施形態では、より小さなアブレーション面積をもたらすことによってイメージング分解能を向上させることができるため、レーザスポットサイズより小さな(例えば、少なくとも2倍、4倍、または5倍小さな)ステップサイズを用いることができる。ラスタ走査を達成するため、レーザを移動させることが可能であるが、通常は、アブレーションセル(またはセルの内容物)を移動させるほうが便利である。移動速度はアブレーション周波数およびラスタ間隔によって決まり、例えば、1μmのラスタ間隔および20Hzのアブレーションでは、アブレーションセルは20μm/sの並進速度を有する。1μm以下のステップサイズを達成することができる、例えば、500nmまたは200nmの(またはさらに小さい)ステップサイズを有する支持ステージが、利用可能である。
本発明の方法は、一般には、アブレーションされた表面層の内容物に基づき、1サンプルの2次元(2D)画像を作成するのに用いられる。組織の3D画像は、z軸において隣接する1サンプルの複数切片二由来する(xy平面における)2D画像のスタックを組み立てることにより作成することができる。しかしながら、この方法での2D画像の組み立ての代替策として、本発明の方法は、直接的な3Dイメージングにも用いることができる。これは様々な方法で達成することができる。例えば、アブレーションが実質的に一定の深さでの気化をもたらす場合、一の(x,y)点での反復アブレーションは、z軸方向に徐々に深い情報を明らかにする。アブレーションが実質的に一定の深さを有さない場合、アブレーションされた物質の体積を(例えば、既知の体積の基準に対して)測定することができ、この体積は、容易にz軸深さに変換することができる。3Dイメージングが行われる場合、(x,y)位置を維持しながら複数回のz軸アブレーション(「穴あけ」)を行うこと、またはサンプルを1層ずつアブレーションする(すなわち、あるxy面のアブレーションを行った後、より深いz軸層に移動する)ことが可能である。1層ずつのアブレーションが好ましい。3Dイメージングの精度は、アブレーションされた物質の再堆積、一定のアブレーション深さを維持する能力、および標識のサンプル中への浸透能力のような因子によって制限されるが、これらの制限内でも依然として有用な結果を達成することができる。
信号の画像への組み立ては、コンピュータを用い、既知の技術およびソフトウェアパッケージを用いて達成することができる。例えば、参考文献3はKylebank SoftwareのGRAPHISパッケージを用いたが、TERAPLOTのような他のパッケージを用いることもできる。MALDI−MSIのような技術から取得したMSデータを用いるイメージングは、当技術分野において知られており、例えば、参考文献14はMatlabプラットフォーム上でMSイメージングファイルを閲覧および分析するための「MSiReader」インターフェースについて開示し、参考文献15はフル空間スペクトル分解能での2Dおよび3D両方のMSIデータセットの高速データ探索および可視化のための2つのソフトウェア装置、例えば、「Datacube Explorer」プログラムについて開示する。
本発明の方法を用いて得られる画像は、例えば、IHC結果が分析されるのと同じ方法で、さらに分析することができる。例えば、本発明の方法を用いて得られる画像は、サンプル内の細胞部分集団を描画するのに用いることができ、臨床診断に有用な情報を提供することができる。同様に、SPADE分析を用い、本発明の方法が提供する高次元サイトメトリデータから細胞階層を抽出することができる[16]。
<組織サンプルの標識>
本発明は、複数の異なる標識原子で標識されたサンプルの画像を提供し、当該標識原子は、ICP−MSによりレーザアブレーションされたプルーム中で検出される。複数の異なる原子とは、サンプルを標識するのに2個以上の原子種が用いられることを意味する。これらの原子種はICP−MSを用いて識別することができ(例えば、それら原子種は異なるm/Q比を有し)、1つのプルーム内の2個の異なる標識原子の存在は2つの異なるMS信号を生じる。
本発明は、複数の異なる標識原子で標識されたサンプルの画像を提供し、当該標識原子は、ICP−MSによりレーザアブレーションされたプルーム中で検出される。複数の異なる原子とは、サンプルを標識するのに2個以上の原子種が用いられることを意味する。これらの原子種はICP−MSを用いて識別することができ(例えば、それら原子種は異なるm/Q比を有し)、1つのプルーム内の2個の異なる標識原子の存在は2つの異なるMS信号を生じる。
本発明は、2個よりさらに多くの異なる標識原子、例えば、少なくとも3、4、5、10、20、30、32、40、50またはさらには100個の異なる標識原子の同時検出に適し、多重標識検出を可能にする。標識原子は、組み合わせて用いて、識別可能な標識の数をさらに増加させることもできる。実施例は1つのイメージング方法における32個の異なる標識原子の使用を示すが、LA−ICP−MSは、本質的には、より多数の異なる原子、例えば100をも超える異なる原子種の並列検出に適している[10]。異なる複数の標的を異なる複数の標識原子で標識することにより、単一の画像において複数種の標的の細胞内位置を決定することが可能である。
本発明で用いることができる標識原子は、LA−ICP−MSにより検出可能であり、非標識組織サンプルには実質的に存在しない、いずれかの種を含む。よって、例えば、12C原子は自然界に豊富に存在するため標識原子としては不適切であり、11Cは自然界に存在しない人工同位体であるため理論的には用いることができる。しかしながら、好適な実施形態において、標識原子は、希土類金属(15個のランタニド、ならびにスカンジウムおよびイットリウム)のような遷移金属である。これらの17個の元素は、ICP−MSによって容易に識別することができる多くの異なる同位体を提供する。これら多種多様な元素は濃縮同位体の形態で入手可能であり、例えば、サマリウムは6つの安定同位体を有し、ネオジムは7つの安定同位体を有し、これらのすべては濃縮形態で入手可能である。15個のランタニド元素は、重複しない特有の質量を有する少なくとも37個の同位体を提供する。標識原子としての使用に適した元素の例としては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、スカンジウム(Sc)、およびイットリウム(Y)が挙げられる。例えば、本発明は、表1〜5に挙げるようなランタニドの同位体のいずれかを用いることができる。希土類金属に加えて、他の金属原子、例えば、金(Au)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ビスマス(Bi)、等は、ICP−MSによる検出に適している。放射性同位体の使用は、取り扱いが便利でなく、不安定であるため好ましくなく、例えば、Pmはランタニドの中でも好適な標識原子ではない。
TOF分析(上記参照)を促進するため、80〜250の範囲内、例えば、80〜210の範囲内、または100〜200の範囲内の原子質量を有する標識原子を用いることが有用である。この範囲はすべてのランタニドを含むが、ScおよびYを除外する。100〜200の範囲は、本発明がTOF MSの高いスペクトル走査速度を利用することを可能にしながら、異なる標識原子を用いることにより理論的には101重分析を可能にする。上述したとおり、質量が非標識サンプルにおいて見られるものより上の範囲(例えば、100〜200の範囲)に含まれる標識原子を選択することにより、TOF検出は、生物学的に有意なレベルでの高速イメージングを提供するのに用いることができる。
組織サンプルの標識は、一般的には、標識原子を特異的結合対(sbp)のメンバーの1つに付着させることが必要である。この標識されたsbpは、組織サンプルと接触して、当該sbpの他のメンバー(標的sbpメンバー)が存在する場合には当該他のメンバーと相互作用することができ、これにより前記標識原子を組織サンプル中の特定位置に局所化させる。本発明の方法は、次に、前記標識原子の存在を当該特定位置で検出し、この情報を、前記標的sbpメンバーがその特定位置で存在する画像に変換する。希土類金属および他の標識原子は既知の技術によりsbpメンバーにコンジュゲートさせることができ、例えば、参考文献17はICP−MS検出のためのランタニド原子のオリゴヌクレオチドプローブへの付着について記載し、参考文献18はオリゴヌクレオチドを標識するためのルテニウムの使用について記載し、Fluidigm Canadaは30超の異なる標識原子を(抗体を含む)タンパク質にコンジュゲートするのに用いることができるMaxPar(商標)金属標識キットを販売している。
様々な数の標識原子を単一のsbpメンバーに付着させることができ、より多くの標識原子をいずれかのsbpメンバーに付着させるる場合、より大きな感度を達成することができる。例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100個より多くの標識原子を1つのsbpメンバーに付着させることができる。例えば、それぞれDTPAのようなキレート剤を含む、複数のモノマー単位を含む単分散ポリマーを用いてもよい。DTPAは、例えば、3+のランタニドイオンに約10−6Mの解離定数で結合する[1]。これらのポリマーは、sbpメンバーとの付着に用いることができるチオール反応性基(例えば、マレイミド)で終端することができる。例えば、チオール反応性基は抗体のFc領域に結合し得る。これらのポリマーのコンジュゲーションには、他の官能基、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルのようなアミン反応性基、またはカルボキシルに対する反応性基もしくは抗体のグリコシル化に対する反応性基を用いることもできる。いかなる数のポリマーも、各sbpメンバーに結合し得る。用いられ得るポリマーの具体例としては、直鎖(「X8」)ポリマーまたは第3世代樹枝状(「DN3」)ポリマーが挙げられ、ともにMaxPar(商標)試薬として入手可能である。標識中の原子の数を増加させるため、金属ナノ粒子を用いることもできる。
上述したとおり、標識原子をsbpメンバーに付着させ、この標識されたsbpメンバーを(存在する場合には)標的sbpメンバーを見つけることができる組織サンプルと接触させることによって、標識されたsbpを形成する。前記標識されたsbpメンバーは、標識原子への付着および本発明によるイメージングに適した、いずれかの化学構造を備えることができる。
一般に、本発明の方法は、(例えば、IHCまたは蛍光in situハイブリダイゼーション、FISHに用いられるような)組織サンプル中の標的分子の位置の決定に用いることが既に知られるいかなるsbpにも基づくことができるが、サンプルと接触させられるsbpメンバーは、ICP−MSにより検出可能な標識原子を担持する。よって本発明は、入手可能なIHCおよびFISH試薬を用いることにより、単に、以前から用いられている標識を修飾(例えば、FISHプローブをICP−MSにより検出することができる標識を担持するように修飾)することにより、容易に実施することができる。
sbpは、核酸二本鎖;抗体/抗原複合体;受容体/リガンド対;またはアプタマー/標的対のいずれかを備えてもよい。このように、標識原子は、その後組織サンプルと接触させられる核酸プローブに付着させることができ、当該核酸プローブは当該組織サンプル中で相補的な核酸にハイブリダイズして、例えば、DNA/DNA二本鎖、DNA/RNA二本鎖、またはRNA/RNA二本鎖を形成することができる。同様に、標識原子は、その後組織サンプルと接触させられる抗体に付着させることができ、該抗体の抗原に結合することができる。標識原子は、その後組織サンプルと接触させられるリガンドに付着させることができ、該リガンドの受容体に結合することができる。標識原子は、その後組織サンプルと接触させられるアプタマーリガンドに付着させることができ、該アプタマーリガンドの標的に結合することができる。このようにして、標識されたsbpメンバーを用いて、サンプル中の、DNA配列、RNA配列、タンパク質、糖、脂質、または代謝産物を含む、様々な標的を検出することができる。
本発明の典型的な実施形態において、標識されるsbpメンバーは抗体である。抗体の標識は、例えば、上述したようなMaxPar(商標)コンジュゲーションキットを用い、1つ以上の標識原子を結合している分子を抗体にコンジュゲーションすることによって達成することができる。イメージングに有用な細胞内タンパク質を認識する抗体は、IHC用途に既に広く利用可能であり、これらの既知の抗体は、現行の標識技術(例えば、蛍光)の代わりに標識原子を用いることによって、多重化能力を増加させるという利点を有しながら、本発明の方法における使用に容易に適合させることができる。本発明で用いられる抗体は、細胞表面上の標的または細胞内の標的を認識することができる。抗体は、多様な標的を認識することができ、例えば、個別のタンパク質を特異的に認識することができ、共通のエピトープを共有する複数の関連タンパク質を認識することができ、または(例えば、対象となるタンパク質上のチロシンとホスホチロシンとの識別、リジンとアセチルリジンとの識別、ユビキチン化の検出、等のため)タンパク質上の特定の翻訳後修飾を認識することができる。その標的に結合した後、抗体にコンジュゲーションしている標識原子を検出し、サンプル中の当該標的の位置を明らかにすることができる。
標識されたsbpメンバーは通常、サンプル中の標的sbpメンバーと直接的に相互作用する。しかしながら、いくつかの実施形態において、標識されたsbpメンバーは標的sbpメンバーと間接的に相互作用することが可能であり、例えば、サンドイッチアッセイの方法で、一次抗体が標的sbpメンバーに結合してもよく、次いで、標識された二次抗体が一次抗体に結合することができる。しかしながら、通常は、より容易に達成することができ、高次多重化を可能にするため、本発明は直接相互作用に依る。しかしながら、両方の事例において、サンプルを当該サンプル中の標的sbpメンバーに結合することができるsbpメンバーと接触させて、その後の段階では標的sbpメンバーに付着した標識が検出される。
本発明の1つの特徴は、サンプル中の複数(例えば、10個以上、およびさらには最大100個以上)の異なる標的sbpメンバーを検出する能力、例えば、複数の異なるタンパク質および/または複数の異なる核酸配列を検出する能力である。これらの標的sbpメンバーの示差的検出を可能にするため、それら各sbpメンバーは、それらの信号をICP−MSにより識別することができるように、異なる標識原子を担持すべきである。例えば、10個の異なるタンパク質を検出する場合、それぞれ特有の標識を担持する(それぞれ異なる標的タンパク質に特異的な)10個の異なる抗体を用いることができ、異なる抗体に由来する信号を識別することができる。いくつかの実施形態では、例えば、同じタンパク質上の異なるエピトープを認識する、単一標的に対して複数の異なる抗体を用いることが望ましい。よって、ある方法は、このタイプの重複性のため標的より多くの抗体を用い得る。しかしながら、一般的に、本発明は、複数の異なる標的を検出するのに複数の異なる標識原子を用いる。
本発明で2つ以上の標識抗体が用いられる場合、LA−ICP−MSにより検出される標識原子の量と組織サンプル中の標的抗原の豊富さとの間の関係が(とくに高い走査周波数で)異なるsbpにわたり一定であることを確保するのに役立つため、抗体はそれらの各抗原について類似の親和性を有するべきである。
標的sbpメンバーが細胞内に位置する場合、サンプルの標識との接触前またはその間に、細胞膜を透過処理することが典型的には必要である。例えば、標的がDNA配列であるが、標識sbpメンバーが生細胞の膜を透過することができない場合、組織サンプルの細胞は固定および透過処理することができる。標識sbpメンバーは次に細胞に侵入し、標的sbpメンバーとsbpを形成することができる。この点において、IHCおよびFISHで用いられる既知のプロトコルを用いることができる。
通常は、本発明の方法は、少なくとも1つの細胞内標的および少なくとも1つの細胞表面標的を検出する。いくつかの実施形態において、しかしながら、本発明を用い、細胞内標的を無視しながら複数の細胞表面標的を検出することができる。全体として、本発明はサンプル中の選択された標的の位置の画像を提供するので、標的の選択は本方法から望ましい情報により決定される。
<組織サンプル>
本発明は、組織サンプルのイメージング方法を提供する。組織サンプルは複数の相互作用する細胞を含み、本方法は、組織サンプル中のこれらの細胞の画像を提供するため、複数のこれらの細胞にレーザアブレーションを行う。一般的には、本発明を用い、IHC技術により研究される組織サンプルを、LA−ICP−MSによる検出に適した標識を使用して分析することができる。
本発明は、組織サンプルのイメージング方法を提供する。組織サンプルは複数の相互作用する細胞を含み、本方法は、組織サンプル中のこれらの細胞の画像を提供するため、複数のこれらの細胞にレーザアブレーションを行う。一般的には、本発明を用い、IHC技術により研究される組織サンプルを、LA−ICP−MSによる検出に適した標識を使用して分析することができる。
本明細書に記載される方法にはいずれかの適切な組織サンプルを用いることができる。例えば、組織は、上皮組織、筋肉組織、神経組織、等、およびこれらの組み合わせとすることができる。診断または予後目的のため、組織は腫瘍からのものとすることができる。いくつかの実施形態において、サンプルは既知の組織からのものであってもよいが、サンプルが腫瘍細胞を含むかは不明であり得る。イメージングは腫瘍の存在を示す標的の存在を明らかにすることができ、よって診断を促進する。組織サンプルは乳癌組織、例えば、ヒト乳癌組織またはヒト乳腺上皮細胞(HMLE)を含み得る。組織サンプルはホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を含み得る。組織はいずれかの生きている多細胞生物から、通常ヒトから入手することができる。
組織サンプルは通常、例えば、4〜6μmのような2〜10μmの範囲内の厚さを有する切片である。こうした切片の作製技術はIHCの分野から周知であり、例えば、ミクロトームを用い、脱水ステップ、包埋、等を含む。このようにして、組織を化学的に固定させることができ、次いで、所望の平面で切片を作製することができる。凍結切片またはレーザ捕捉顕微解剖を組織サンプルの作製に用いることもできる。サンプルは、例えば、試薬の細胞内標的の標識を可能にするため、透過処理してもよい(上記参照)。
分析する組織サンプルのサイズは現行のIHC方法に類似するが、最大サイズはレーザアブレーション装置により、とくにそのアブレーションセルに入ることができるサンプルのサイズにより、決定される。5mmx5mmまでのサイズが典型的であるが、より小さなサンプル(例えば、1mmx1mm)も有用である(これらの寸法は、その厚さではなく、切片のサイズを指す)。
組織サンプルのイメージングに有用であることに加えて、本発明は、代わりに、(従来の免疫細胞化学において見られる)接着性細胞または固体表面上に固定化した細胞の単層のような細胞サンプルのイメージングに用いることができる。これらの実施形態は、細胞懸濁質量サイトメトリのために容易に可溶化することができない接着性細胞の分析にとくに有用である。このように、本発明は、現行の免疫組織化学分析を向上させるのに有用であるとともに、免疫細胞化学を向上させるのに用いることができる。
作製後、サンプルはレーザアブレーションセルに入れ、本発明による分析を行う。
<一細胞分析>
本発明の方法はサンプル中の複数の細胞のレーザアブレーションを含み、よって複数の細胞からのプルームが分析され、それらの内容物がサンプル中の特定位置にマッピングされて、画像を提供する。ほとんどの場合において、本方法の使用者は、信号を、サンプル全体ではなく、サンプル中の特定細胞に局在化させることが必要となる。これを達成するため、サンプル中の細胞の境界(例えば形質膜、またはいくつかの場合においては細胞壁)を区画することができる。
本発明の方法はサンプル中の複数の細胞のレーザアブレーションを含み、よって複数の細胞からのプルームが分析され、それらの内容物がサンプル中の特定位置にマッピングされて、画像を提供する。ほとんどの場合において、本方法の使用者は、信号を、サンプル全体ではなく、サンプル中の特定細胞に局在化させることが必要となる。これを達成するため、サンプル中の細胞の境界(例えば形質膜、またはいくつかの場合においては細胞壁)を区画することができる。
細胞境界の区画は、様々な方法で達成することができる。例えば、サンプルは、顕微鏡観察のような、細胞境界を区画することができる従来技術を用いて研究することができる。次に本発明の方法を用いてこのサンプルの画像を作成することができ、この画像を前の結果の上に重ね、これによりLCP−MS信号の特定の細胞への局在化を可能にすることができる。
複数の技術を用いる必要性を回避するため、しかしながら、本発明のイメージング方法の一部として細胞境界を区画することが可能である。こうした境界区画戦略はIHCおよび免疫細胞化学でよく知られ、これらのアプローチはICP−MSにより検出することができる標識を用いることにより適合させることができる。例えば、本方法は、細胞境界で局在化することが知られる標的分子の標識を含むことができ、これらの標識からの信号を境界区画化に用いることができる。適切な標的分子は、接着複合体のメンバー(例えばβ−カテニンまたはE−カドヘリン)のような、細胞境界の豊富なまたは一般的なマーカーを含む。いくつかの実施形態は、区画化を向上させるため、2つ以上の膜タンパク質を標識することができる。
適切な標識を含むことによる細胞境界の区画化に加えて、特定の細胞小器官をこの方法で区画することも可能である。例えば、ヒストン(例えばH3)のような抗原を用いて核を識別することができ、ミトコンドリア特異的抗原、細胞骨格特異的抗原、ゴルジ特異的抗原、リボソーム特異的抗原、等を標識することも可能であり、これにより本発明の方法による細胞の超微細構造の分析を可能にする。
細胞(または細胞小器官)の境界を区画する信号は、目視により評価することができ、または画像処理を用いてコンピュータにより分析することができる。こうした技術は他のイメージング技術の分野において知られ、例えば参考文献19は蛍光画像から細胞境界を決定する空間フィルタリングを用いる分割スキームについて記載し、参考文献20は明視野顕微鏡画像から境界を決定するアルゴリズムについて開示し、参考文献21は共焦点顕微鏡画像から細胞幾何を抽出するCellSeT方法について開示し、参考文献22は蛍光顕微鏡画像のCellSegm MATLABツールボックスについて開示する。本発明で有用な方法は、ウォーターシェッド変換およびガウスぼかしを用いる。これらの画像処理技術は単独で使用することができ、またはそれらを使用した後、目視で確認することができる。
細胞境界が区画されると、特定の標的分子からの信号を個別の細胞に割り当てることが可能となる。例えば本方法を定量的基準に対して較正することにより、個別の細胞中の標的分析物の量を測ることも可能となり得る。本発明の方法は高度に定量的である。既知の方法との比較において、本発明の方法は、サンプル自家蛍光の影響を受けず、MALDIおよびSIMSイメージングにおいて一般的なものと比較してマトリックス効果は最小限または全くなく、IHCにおいて適用されることが多い増幅ステップの必要がなく、組織を完全にサンプリングすることができ、本方法は〜105の広いダイナミックレンジを有する。
<他の技術との組み合わせ>
本発明の方法は他のイメージング技術と組み合わせることができ、異なる技術から得られた画像を組み合わせ、よりリッチな複合画像を得ることができる。例えば、サンプルは、まず蛍光および/または可視標識を用いる顕微鏡観察のような従来技術(例えばIHC分析)によりイメージングされ得る。こうした技術は、非破壊性であり、それらの標識は一般的には有用なLCP−MS信号をもたらす原子を含まない(典型的にはそれらはサンプル自体と同じ原子からなり;それらがMSスペクトルにおいて可視的な原子を含む場合、それらの存在はMSステップにおいて、例えばこれらを標識原子として用いないことにより、容易に相殺することができる)ため、サンプルは本発明の方法によりイメージングすることができ、顕微鏡観察および質量サイトメトリの結果は組み合わせて用いることができる。
本発明の方法は他のイメージング技術と組み合わせることができ、異なる技術から得られた画像を組み合わせ、よりリッチな複合画像を得ることができる。例えば、サンプルは、まず蛍光および/または可視標識を用いる顕微鏡観察のような従来技術(例えばIHC分析)によりイメージングされ得る。こうした技術は、非破壊性であり、それらの標識は一般的には有用なLCP−MS信号をもたらす原子を含まない(典型的にはそれらはサンプル自体と同じ原子からなり;それらがMSスペクトルにおいて可視的な原子を含む場合、それらの存在はMSステップにおいて、例えばこれらを標識原子として用いないことにより、容易に相殺することができる)ため、サンプルは本発明の方法によりイメージングすることができ、顕微鏡観察および質量サイトメトリの結果は組み合わせて用いることができる。
本発明の方法を別の破壊性イメージング技術(例えばMALDIイメージング[23])と組み合わせる場合、2つの技術は同じ組織の隣接する切片で用いることが好ましい。
<全般>
「〜を含む(comprising)」の語は「〜を含む(including)」および「〜で構成される(consisting)」を包含し、例えばX「を含む」組成物は、排他的にXで構成されてもよく、または例えばX+Yのように追加のものを含んでもよい。
「〜を含む(comprising)」の語は「〜を含む(including)」および「〜で構成される(consisting)」を包含し、例えばX「を含む」組成物は、排他的にXで構成されてもよく、または例えばX+Yのように追加のものを含んでもよい。
数値xに関する「約」の語は任意であり、例えば、x±10%を意味する。
「実質的に」の語は「完全に」を除外せず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物はYを完全に含まない場合があり得る。必要に応じて、「実質的に」の語は本発明の定義から省略され得る。
以下に示す実施例は、CyTOFベースの質量サイトメトリの多重化分析能力を、LA−ICP−TOFMSを用いる空間解像測定まで拡張するイメージング技術を示す。さらなる詳細、ならびに図1〜4および6〜9のカラーコピーを含む、その補助情報は、参考文献24に開示される(すべて本明細書に参照により組み入れられる)。
[実施例1:質量サイトメトリを用いる組織サンプルのイメージング]
質量サイトメトリ、ICCおよびIHC分析を高分解能レーザアブレーションシステムと組み合わせ、1μmの細胞内レベルの分解能での接着性細胞および組織切片の分析を可能にするワークフローが開発された。
質量サイトメトリ、ICCおよびIHC分析を高分解能レーザアブレーションシステムと組み合わせ、1μmの細胞内レベルの分解能での接着性細胞および組織切片の分析を可能にするワークフローが開発された。
第1ステップにおいて、通常のICCおよびIHCプロトコル[25]を用い、抗体標識のための細胞サンプルまたは組織切片を作製した。32個のタンパク質および乳癌に関連するタンパク質修飾を標的とする抗体を選択した。染色前、抗体は所定の原子質量を有する特有の希土類金属同位体でタグをつけた。
空気乾燥後、サンプルは、高分解能、高スループットおよび高感度分析のためエアロゾル分散を最小化する、参考文献7に記載されるレーザアブレーションチャンバに入れた。組織を次に1スポットずつおよび1ラインずつアブレーションし、アブレーションされた物質を次にアルゴンおよびヘリウムの混合ストリームにより、CyTOF質量サイトメータまで輸送した。
図5は、すべての測定チャネルにわたり合計された、20Hzでの個別のレーザショットの信号が完全に分離されたことを示す。検出限界はイオン約6個(分子〜500個に対応)であり、ポアソン統計を仮定する。
データ処理後、32個の過渡、単一同位体信号を、各単一レーザショットの座標を用いてプロットし、すべての分析された測定チャネルをオーバーレイすることによりサンプルの高次元画像を生成した。次に、単一細胞機構を、ウォーターシェッドアルゴリズムを用いて計算的に分割し、マーカー発現データを個別の細胞と一致させた。単一細胞データは、すべての下流データ分析に、ならびに合計20人の乳癌患者からの1セット21個の腫瘍および正常サンプル内の細胞部分集団を調査するために用いた。
<患者および試料の特徴>
組織マイクロアレイ(TMA)は、以前記載されたように[26]、FFPE乳癌組織の主要サブタイプおよび正常***組織を含んだ。イメージング質量サイトメトリにより分析されたすべての腫瘍は、2人の経験豊富な臨床病理医により、代表的な領域を識別するヘマトキシリンおよびエオシン染色により再評価した。腫瘍ステージおよびブルーム−リチャードソン−エルストン(BRE)グレードを、国際対がん連合(UICC)および世界保健機関(WHO)の基準に従って割り当てた。乳癌サブタイプの分類は、ER、PRおよびHER2のIHC発現パターンに基づいた。HER2ステータスは、HER2 IHCおよびHER2 FISH[27]により評価した。
組織マイクロアレイ(TMA)は、以前記載されたように[26]、FFPE乳癌組織の主要サブタイプおよび正常***組織を含んだ。イメージング質量サイトメトリにより分析されたすべての腫瘍は、2人の経験豊富な臨床病理医により、代表的な領域を識別するヘマトキシリンおよびエオシン染色により再評価した。腫瘍ステージおよびブルーム−リチャードソン−エルストン(BRE)グレードを、国際対がん連合(UICC)および世界保健機関(WHO)の基準に従って割り当てた。乳癌サブタイプの分類は、ER、PRおよびHER2のIHC発現パターンに基づいた。HER2ステータスは、HER2 IHCおよびHER2 FISH[27]により評価した。
<イメージング質量サイトメトリのためのHMLE細胞の作製>
ヒト乳腺上皮(HMLE)細胞[28]をカバーガラス上で〜80%コンフルエントまで増殖させ、モック処理、または125μMバナデートで、30分間37℃で処理した。標準的なICCプロトコル[25]を用い、イメージング質量サイトメトリおよびIFMのため細胞を作製した。
ヒト乳腺上皮(HMLE)細胞[28]をカバーガラス上で〜80%コンフルエントまで増殖させ、モック処理、または125μMバナデートで、30分間37℃で処理した。標準的なICCプロトコル[25]を用い、イメージング質量サイトメトリおよびIFMのため細胞を作製した。
<抗体>
抗体は、担体/タンパク質を含まない緩衝液中で入手後、製造業者の指示[29]に従ってMaxPar(登録商標)抗体複合キットを用いて作製した。280nmの吸光度での測定により収率を決定した後、金属標識抗体を4℃での長期保存のため安定化溶液で希釈した。この研究に用いた抗体を表1〜5に挙げる。
抗体は、担体/タンパク質を含まない緩衝液中で入手後、製造業者の指示[29]に従ってMaxPar(登録商標)抗体複合キットを用いて作製した。280nmの吸光度での測定により収率を決定した後、金属標識抗体を4℃での長期保存のため安定化溶液で希釈した。この研究に用いた抗体を表1〜5に挙げる。
<IHC、IFMおよびイメージング質量サイトメトリのための乳癌組織切片の作製>
これらの実施例において示されるTMAのすべての古典的IHC染色は、Ventanaの予め希釈した抗体、および標準的なプロトコルを用い、Ventana BenchMark XT上で行った。サンプルはHER2、PR、サイトケラチン8/18およびH3について染色した。各抗体の比較分析のため所定のマーカーの曝露時間を一定に保った。画像はImageJソフトウェアにより処理した。
これらの実施例において示されるTMAのすべての古典的IHC染色は、Ventanaの予め希釈した抗体、および標準的なプロトコルを用い、Ventana BenchMark XT上で行った。サンプルはHER2、PR、サイトケラチン8/18およびH3について染色した。各抗体の比較分析のため所定のマーカーの曝露時間を一定に保った。画像はImageJソフトウェアにより処理した。
組織no.23およびFFPE乳癌TMAならびに対応する健康な組織を、イメージング質量サイトメトリのため5μmの厚さの切片にした。切片を一晩キシレン中で脱ろうし、一連の勾配アルコール(絶対エタノール、エタノール:脱イオン水90:10、80:20、70:30、50:50、0:100;各10分[30])中で再水和した。熱誘導性エピトープ賦活化を20分間、pH9のトリス−EDTA緩衝液中、88℃の水浴で行った。すぐに冷却した後、TMAをPBS中1%BSA/0.1%トリトンX−100で30分間ブロックした。染色のため、TMAサンプルを抗体マスターミックス(表1、4および5)と一晩4℃でインキュベートした。サンプルを次にPBS/0.1%トリトンX−100で5回洗浄した。
図1b、2および7に示されるTMAコアno.210について、下記プロトコルを用いた:20分間、pH9のトリス−EDTA緩衝液中、92〜94℃での熱誘導性エピトープ賦活化。すぐに冷却した後、TMA切片をTBS中3%BSA/0.1%トリトンX−100で45分間ブロックした。TMAサンプルを、抗pSHP2、抗CD31、抗TWIST、抗CD3、抗SLUG、および抗EGFRを除くすべての抗体を含む抗体マスターミックス(表2)と一晩4℃でインキュベートした。2×TBS/0.1%トリトンX−100および2×TBSでの洗浄ステップ後、それらの抗体を添加し、サンプルを室温で2.5h、次に4℃で1hインキュベートした。洗浄後、サンプルは室温で乾燥させた後、イメージング質量サイトメトリを行った。
<高空間分解能レーザアブレーション>
上述したとおり、組織切片をイメージング質量サイトメトリにより分析した。改良型ArFエキシマレーザシステムGeoLasC(Coherent)は、均質化したUVレーザビーム(λ=193nm)を25μmの開口に送達し、これを組織サンプル上に25倍縮小でイメージングした。得られた直径1μmおよび3.5J/cm2レーザフルエンスのレーザビームを用い、20Hzの周波数で抗体染色組織をアブレーションした。得られた組織のレーザアブレーションクレータは(走査電子顕微鏡観察により決定されるとおり)直径〜1μmであった。レーザアブレーションチャンバの並進速度は20μm/sであった。1μm距離での個別のライン走査は、対象となる領域内の組織層を完全に除去するため、ラスタ化した。レーザアブレーションシステムでの高空間分解能、高感度イメージングを可能にするため用いられるレーザアブレーションチャンバは、参考文献7に詳細に記載される。アブレーションされたサンプルエアロゾルは、アルゴンおよびヘリウムガス流によりCyTOF質量サイトメトリまで直接輸送した。CyTOF装置設定は、CyTOFソフトウェアバージョン5.1.598で以前記載した[11、12]。
上述したとおり、組織切片をイメージング質量サイトメトリにより分析した。改良型ArFエキシマレーザシステムGeoLasC(Coherent)は、均質化したUVレーザビーム(λ=193nm)を25μmの開口に送達し、これを組織サンプル上に25倍縮小でイメージングした。得られた直径1μmおよび3.5J/cm2レーザフルエンスのレーザビームを用い、20Hzの周波数で抗体染色組織をアブレーションした。得られた組織のレーザアブレーションクレータは(走査電子顕微鏡観察により決定されるとおり)直径〜1μmであった。レーザアブレーションチャンバの並進速度は20μm/sであった。1μm距離での個別のライン走査は、対象となる領域内の組織層を完全に除去するため、ラスタ化した。レーザアブレーションシステムでの高空間分解能、高感度イメージングを可能にするため用いられるレーザアブレーションチャンバは、参考文献7に詳細に記載される。アブレーションされたサンプルエアロゾルは、アルゴンおよびヘリウムガス流によりCyTOF質量サイトメトリまで直接輸送した。CyTOF装置設定は、CyTOFソフトウェアバージョン5.1.598で以前記載した[11、12]。
<一細胞への分割>
単一細胞タンパク質発現分析の前に、形態学的な一細胞への分割が必要である。画像中の細胞の境界を検出するため、細胞膜タンパク質β−カテニン、HER2およびサイトケラチン8/18を実験プロトコル中に組み入れ;タンパク質H3の染色を用い、細胞核を識別した。画像は、よく整列した形態学的な細胞境界および中心を示した。さらなる細胞の分割は、ウォーターシェッド変換[31、32]により達成した。まず、膜画像および陰性核画像をオーバーレイし、最大限の細胞境界情報をもたらした。次に、画像にガウスぼかしを行い、イメージングアーチファクトおよびノイズを最小化した。最後に、ウォーターシェッドをMatlabイメージングツールボックス(Matlab R2011b)で細胞膜に沿って検索した。最良の分割結果は、従来のガウスぼかし(3〜4.5ピクセルのカーネル幅)およびウォーターシェッドの標準的なパラメータ[31]で達成された。すべての一細胞の境界を目視評価し、必要に応じて補正した。次に境界マスクの内容物に一細胞分析を行った。最後に、一細胞マーカー発現を、各画像から得られた中央H3信号に正規化した。
単一細胞タンパク質発現分析の前に、形態学的な一細胞への分割が必要である。画像中の細胞の境界を検出するため、細胞膜タンパク質β−カテニン、HER2およびサイトケラチン8/18を実験プロトコル中に組み入れ;タンパク質H3の染色を用い、細胞核を識別した。画像は、よく整列した形態学的な細胞境界および中心を示した。さらなる細胞の分割は、ウォーターシェッド変換[31、32]により達成した。まず、膜画像および陰性核画像をオーバーレイし、最大限の細胞境界情報をもたらした。次に、画像にガウスぼかしを行い、イメージングアーチファクトおよびノイズを最小化した。最後に、ウォーターシェッドをMatlabイメージングツールボックス(Matlab R2011b)で細胞膜に沿って検索した。最良の分割結果は、従来のガウスぼかし(3〜4.5ピクセルのカーネル幅)およびウォーターシェッドの標準的なパラメータ[31]で達成された。すべての一細胞の境界を目視評価し、必要に応じて補正した。次に境界マスクの内容物に一細胞分析を行った。最後に、一細胞マーカー発現を、各画像から得られた中央H3信号に正規化した。
<一細胞マーカー強度の比較>
免疫蛍光画像について、一細胞への分割はCellProfiler[33]分割パイプラインを用いて行った。すべての強度を0から1まで変更し、外れ値(<0.1%サンプルサイズ)を除去した。イメージング質量サイトメトリデータについて、ウォーターシェッドアルゴリズムから抽出された細胞事象を分析した(上記参照)。正規分布を仮定することができないため、予備処理およびさらなる分析は、Matlab 2013aにおいてスチューデントのt検定の代替としてWilcoxon順位和検定を用いて行った。陽性および陰性の一細胞は、各方法について世界的に定義される閾値により評価した。各比較について1回の生物学的反復が可能であった。
免疫蛍光画像について、一細胞への分割はCellProfiler[33]分割パイプラインを用いて行った。すべての強度を0から1まで変更し、外れ値(<0.1%サンプルサイズ)を除去した。イメージング質量サイトメトリデータについて、ウォーターシェッドアルゴリズムから抽出された細胞事象を分析した(上記参照)。正規分布を仮定することができないため、予備処理およびさらなる分析は、Matlab 2013aにおいてスチューデントのt検定の代替としてWilcoxon順位和検定を用いて行った。陽性および陰性の一細胞は、各方法について世界的に定義される閾値により評価した。各比較について1回の生物学的反復が可能であった。
<検出限界の計算>
検出限界(LOD)を単一レーザショットの積分時間(50msまたは1画像ピクセル)と同じ時間の信号について計算した。ほとんどのチャネルの平均化した背景信号は、1レーザショット当たり1個未満であった。ポアソン統計に基づき、イオン数でのLODを下記式[34]:LOD=3.29×S+2.71に従って割り出し、式中、Sはこの時間で積分される背景信号の標準偏差である(Sは平均背景の平方根であると仮定され;よって控えめに評価して、S≒1である)。したがって、画像(平均背景補正)のLODは、1画像ピクセル当たり6個であると評価された。
検出限界(LOD)を単一レーザショットの積分時間(50msまたは1画像ピクセル)と同じ時間の信号について計算した。ほとんどのチャネルの平均化した背景信号は、1レーザショット当たり1個未満であった。ポアソン統計に基づき、イオン数でのLODを下記式[34]:LOD=3.29×S+2.71に従って割り出し、式中、Sはこの時間で積分される背景信号の標準偏差である(Sは平均背景の平方根であると仮定され;よって控えめに評価して、S≒1である)。したがって、画像(平均背景補正)のLODは、1画像ピクセル当たり6個であると評価された。
<データ分析および画像可視化>
すべてのデータ処理はMatlabルーチン(Matlab R2012a)を用いて行った。過渡信号データを質量サイトメータからテキスト形式でエクスポートした。ファイルはプッシュ数(すなわち、時間)の行および質量チャネルの列からなり、測定値はイオン数として表す。各チャネルで記録された信号を、10ms時間窓に等しい(1プッシュ=13μs)、768プッシュで積分した。その後、過渡信号における各レーザ生成パルス(50ms時間)を単一レーザショット信号に積分した。最後に、各質量チャネルの画像を、レーザショット信号をそれらが記録されたのと同じ順序で1ライン走査ずつプロットすることにより、再構築した。さらなるデータ分析のため、第1ライン走査を開始する前に得られた各個別チャネルの約1sの時間で割り出された平均背景を、各個別画像データセットから差し引いた。
すべてのデータ処理はMatlabルーチン(Matlab R2012a)を用いて行った。過渡信号データを質量サイトメータからテキスト形式でエクスポートした。ファイルはプッシュ数(すなわち、時間)の行および質量チャネルの列からなり、測定値はイオン数として表す。各チャネルで記録された信号を、10ms時間窓に等しい(1プッシュ=13μs)、768プッシュで積分した。その後、過渡信号における各レーザ生成パルス(50ms時間)を単一レーザショット信号に積分した。最後に、各質量チャネルの画像を、レーザショット信号をそれらが記録されたのと同じ順序で1ライン走査ずつプロットすることにより、再構築した。さらなるデータ分析のため、第1ライン走査を開始する前に得られた各個別チャネルの約1sの時間で割り出された平均背景を、各個別画像データセットから差し引いた。
可視化のみの目的で、各個別チャネルの画像を、Adobe Photoshop v.13において、バイキュービック自動リサンプリングを用いて画像比を維持しながら1,500ピクセルの幅までアップサンプリングした。画像アーチファクト補正のため、Adobe Photoshop v.13において、これらの設定:強度5、ディテールの保持2%、カラーノイズの除去0%およびディテールのシャープ処理40%でノイズ除去を実施した。PR(症例no.23および210)および開裂カスパーゼ3(症例no.210)について、アップサンプリング前に「スペックル除去」およびガウスぼかし(カーネル幅、0.25ピクセル)を適用した。すべてのデータ分析ステップについて、とくに記述のない限り、生データのみを用いた。図1bについて、1レーザショット当たりの個数を示す最大スケールは、イメージング質量サイトメトリのため次のとおり調節した:上から、H3、200;HER2、30およびH3、200;CK8/18、80およびH3、200;E−カドヘリン、40およびH3、400;ビメンチン、80およびH3、400。図2について、1レーザショット当たりの個数を示す最大スケールは次のとおり調節した。組織no.210:H3、200;CK8/18、80;ビメンチン、400;CK7、25;CD44、50;PR、10;pan−アクチン、40;CD68、20。組織no.23:HER2、50;H3、400;ビメンチン、100;E−カドヘリン、30;サイトケラチン7、25;pS6、20;β−カテニン、40;ER、40;およびCD68、10。図3について、各タンパク質リン酸化部位について示された最大イオン数は処理および対照条件の間で同じであり、1レーザショット当たりの個数を示す最大スケールは次のとおり調節した:PLCγ2、600;ERK、100;p38、60およびS6、60。
[実施例2:抗体特異性に対する標識原子の効果]
FFPE乳癌サンプルを用いて実験を行い、抗体の標識がそれらの標的特異性を妨げるかを決定した。非標識および標識抗体は、同じタイプの腫瘍からの組織no.210およびno.37の連続切片のIFM分析を用いて比較した。図1aは、金属標識による抗体特異性の明らかな変化が観察されなかったことを示す。
FFPE乳癌サンプルを用いて実験を行い、抗体の標識がそれらの標的特異性を妨げるかを決定した。非標識および標識抗体は、同じタイプの腫瘍からの組織no.210およびno.37の連続切片のIFM分析を用いて比較した。図1aは、金属標識による抗体特異性の明らかな変化が観察されなかったことを示す。
図1aは、非標識および示されるマーカーを認識する金属標識抗体を用いるルミナルHER2+サブタイプ(症例no.37)の連続乳癌組織切片のIFMを示す。
定量分析は、非標識および金属標識抗体の間の各マーカーの平均単一細胞蛍光強度の差が、有意ではあったが、小さかったことを示した。これらの差は十分に、実験手順において、および類似するが同一ではない連続組織切片の間で典型的に観察される、ばらつきの範囲内であった。非標識および金属標識抗体の間の類似性は、すべての試験された抗体対について分析された強度範囲にわたる単一細胞マーカー蛍光強度分布の一致によりさらに確認された(図8a〜e)。
図8a〜eは、症例no.37の連続切片の、H3、HER2、サイトケラチン8/18、E−カドヘリン、およびビメンチンに対する金属標識および非標識抗体のIFM画像を示す。これらの画像を用い、単一細胞信号強度を定量的に比較した。金属標識抗体および非標識抗体のIFM分析の単一細胞強度分布は同程度である。事象数は正規化しなかった。
[実施例3:IFMとの比較によるイメージング方法の検証]
質量サイトメトリにより生成された画像は、IFMにより測定されるような所定のマーカーを発現する細胞の同じ染色パターンおよび割合を再現した。同じルミナルHER2+サブタイプ毎からの腫瘍切片(no.210およびno.23)にIFMおよびイメージング質量サイトメトリを用い;両方の方法は、このサブタイプに予想される抗体染色パターンをもたらした(図1b、図6ならびに表1および2)。マーカーH3、ヌクレオソームDNAパッケージングタンパク質は典型的には核において観察される。プロゲステロン受容体(PR)、ルミナル乳癌、HER2において活性化される転写因子、上皮成長因子受容体ファミリーメンバー、ならびにサイトケラチン8/18および上皮細胞間結合成分E−カドヘリンは、典型的には形質膜において観察される。ビメンチンは間質コンパートメントを示す。これらのパターンは他の抗体検証と一致する。
質量サイトメトリにより生成された画像は、IFMにより測定されるような所定のマーカーを発現する細胞の同じ染色パターンおよび割合を再現した。同じルミナルHER2+サブタイプ毎からの腫瘍切片(no.210およびno.23)にIFMおよびイメージング質量サイトメトリを用い;両方の方法は、このサブタイプに予想される抗体染色パターンをもたらした(図1b、図6ならびに表1および2)。マーカーH3、ヌクレオソームDNAパッケージングタンパク質は典型的には核において観察される。プロゲステロン受容体(PR)、ルミナル乳癌、HER2において活性化される転写因子、上皮成長因子受容体ファミリーメンバー、ならびにサイトケラチン8/18および上皮細胞間結合成分E−カドヘリンは、典型的には形質膜において観察される。ビメンチンは間質コンパートメントを示す。これらのパターンは他の抗体検証と一致する。
分析されるマーカーを発現する腫瘍細胞の割合は、連続組織切片のIFMおよびイメージング質量サイトメトリにおいて類似した。図1bは、それぞれ、H3について100%および100%;HER2について75%および79%;ならびにサイトケラチン8/18について63%および66%を示す。図2および図7はさらなるマーカーの質量サイトメトリ画像を示す。
図1bは、示されるマーカーを認識する金属標識抗体を用いるルミナルHER2+サブタイプ(症例no.210、23および37)の乳癌組織切片のIFMおよびCyTOFイメージング質量サイトメトリを示す。E−カドヘリン(E−Cad)およびビメンチン(Vim)は連続切片では分析されなかった。
図6は、ルミナルHER2+サブタイプ(PR症例no.210、HER2およびサイトケラチン8/18症例no.23)の乳癌組織切片のIFMおよびCyTOFイメージング質量サイトメトリにより分析された金属標識抗体の特異性の比較を示す。特異性の明らかな変化は見られなかった。
[実施例4:抗体挙動に対する多重化の効果]
一重IHC、二重IFMおよび32重イメージング質量サイトメトリ分析は、一致する結果をもたらした。同じルミナルHER2+腫瘍(no.210)において同一の抗体(サイトケラチン8/18およびH3)を用いる、または異なる抗体クローンを用いるが同じ標的(HER2およびPR)に対する一重IHC分析は、類似した染色パターンをもたらした。IHCおよびイメージング質量サイトメトリの両方について、図9aおよびbに示されるように、上皮細胞の>90%はこれらのマーカーを発現した。図9aおよび9bに示される質量サイトメトリおよびIHCには同じルミナルHER2+腫瘍の切片を用いた(症例no.210)が、切片は連続でなかった。染色パターンに明らかな違いは見られなかった。1レーザショット当たりの個数を示す最大スケールは次のとおり調節した:HER2、30;PR、10;CK8/18、80;H3、200。図9aについて、イメージング質量サイトメトリおよびIHC分析に同じ抗体クローンを用いた。図9bについて、イメージング質量サイトメトリおよびIHC分析に異なる抗体クローンを用いた(イメージング質量サイトメトリ:HER2、BD(3B5);PR、Epitomics(EP2)およびIHC:HER2、Ventana(4B5);PR、Ventana(1E2))。
一重IHC、二重IFMおよび32重イメージング質量サイトメトリ分析は、一致する結果をもたらした。同じルミナルHER2+腫瘍(no.210)において同一の抗体(サイトケラチン8/18およびH3)を用いる、または異なる抗体クローンを用いるが同じ標的(HER2およびPR)に対する一重IHC分析は、類似した染色パターンをもたらした。IHCおよびイメージング質量サイトメトリの両方について、図9aおよびbに示されるように、上皮細胞の>90%はこれらのマーカーを発現した。図9aおよび9bに示される質量サイトメトリおよびIHCには同じルミナルHER2+腫瘍の切片を用いた(症例no.210)が、切片は連続でなかった。染色パターンに明らかな違いは見られなかった。1レーザショット当たりの個数を示す最大スケールは次のとおり調節した:HER2、30;PR、10;CK8/18、80;H3、200。図9aについて、イメージング質量サイトメトリおよびIHC分析に同じ抗体クローンを用いた。図9bについて、イメージング質量サイトメトリおよびIHC分析に異なる抗体クローンを用いた(イメージング質量サイトメトリ:HER2、BD(3B5);PR、Epitomics(EP2)およびIHC:HER2、Ventana(4B5);PR、Ventana(1E2))。
IFM分析において二重測定された抗体は、所定の分析されたマーカーを発現する腫瘍細胞の空間分布および割合に関して、32重CyTOF分析のものと同程度の特性を示した(図1bおよび図6)。ともに、これらの結果は、多重化が抗体挙動の観察可能な変化もたらさなかったことを示す。
これらの実施例において提示される結果はしたがって、イメージング質量サイトメトリが細胞内レベルの分解能での同時かつ高度多重化組織イメージングを可能にすることを示す。非標識および標識抗体の間、またはイメージング質量サイトメトリを用いる一重IHC、二重IFMおよび多重分析に用いた抗体の間で特異性および性能に明らかな変化はなかった。
[実施例5:ICCプロトコルにおける接着性細胞株の評価]
イメージング質量サイトメトリを試験し、ICCプロトコルにおいて接着性細胞株を評価するのに用いることができるかを決定した。モック処理およびホスホチロシンホスファターゼ阻害剤処理HMLE細胞のイメージング質量サイトメトリによる28個のマーカーの分析は、予想された信号伝達応答を明らかにした。表3はこの分析に用いたマーカーおよび抗体の詳細を示す。図3に示されるように、PLCγ2に対してY759、ERK1に対してT202およびY204(ERK2に対してT184およびY186)ならびにp38に対してT180およびY182でリン酸化の増加が観察された。
イメージング質量サイトメトリを試験し、ICCプロトコルにおいて接着性細胞株を評価するのに用いることができるかを決定した。モック処理およびホスホチロシンホスファターゼ阻害剤処理HMLE細胞のイメージング質量サイトメトリによる28個のマーカーの分析は、予想された信号伝達応答を明らかにした。表3はこの分析に用いたマーカーおよび抗体の詳細を示す。図3に示されるように、PLCγ2に対してY759、ERK1に対してT202およびY204(ERK2に対してT184およびY186)ならびにp38に対してT180およびY182でリン酸化の増加が観察された。
図3は、IFMおよびイメージング質量サイトメトリによる接着性細胞の分析を示す。図3に示される顕微鏡写真は、チロシンホスファターゼ阻害剤バナデートでの30分の処理なし(「対照」)およびあり(「刺激」)の、一連のリン酸化残基を認識する抗体で示されるように、標識およびイメージングされたヒト乳腺上皮細胞を示す。曝露は各対照−刺激比較について一定に保ったが、異なる抗体の間では一定でなかった。一次および二次抗体検出をそれぞれイメージング質量サイトメトリおよびIFMに用いたことに留意されたい。
質量サイトメトリについて得られた結果は、同様に処理および作製されたHMLE細胞のIFM分析からのデータと一致する(図3)。S6上のS235およびS236を含む、他の非チロシンリン酸化部位について、誘導は観察されなかった。
したがって、本発明の方法は、接着性細胞単層およびex vivoサンプルのイメージングに適している。
[実施例6:乳癌における腫瘍不均一性の分析]
乳癌において、HER2、エストロゲン受容体(ER)およびPRの発現を用い、ルミナルHER2−、ルミナルHER2+、HER2+およびトリプルネガティブを含む、主要サブタイプを定義する[35]および[36]。本発明の方法は、(i)細胞部分集団表現型を、多重化測定を用いて描画する、および(ii)以前観察された乳癌のそれらのサブタイプ内およびそれらの間での不均一性を、イメージング質量サイトメトリを用いて 検出することができるかを評価する目的で試験した[37]、[38]、および[39]。32重イメージング質量サイトメトリを用い、21個のFFPEサンプルを、病理医により 主要乳癌サブタイプまたは正常と予め分類された組織マイクロアレイ(TMA)上で分析した。
乳癌において、HER2、エストロゲン受容体(ER)およびPRの発現を用い、ルミナルHER2−、ルミナルHER2+、HER2+およびトリプルネガティブを含む、主要サブタイプを定義する[35]および[36]。本発明の方法は、(i)細胞部分集団表現型を、多重化測定を用いて描画する、および(ii)以前観察された乳癌のそれらのサブタイプ内およびそれらの間での不均一性を、イメージング質量サイトメトリを用いて 検出することができるかを評価する目的で試験した[37]、[38]、および[39]。32重イメージング質量サイトメトリを用い、21個のFFPEサンプルを、病理医により 主要乳癌サブタイプまたは正常と予め分類された組織マイクロアレイ(TMA)上で分析した。
細胞部分集団および細胞転換を、密度正規化事象のスパニングツリー進行分析(SPADE)[16]を用いて識別した。分析された腫瘍のSPADE分析のため、ウォーターシェッドアルゴリズムから抽出された細胞事象をhttp://cytobank.org/上で、ソフトウェアツールSPADE[16]を用いて分析した。下記はSPADEアルゴリズムをこのイメージングベースの単一細胞分析の文脈内でまとめる。まず、すべての抽出された細胞事象の所定の標的数までの密度依存性ダウンサンプリングを行った。次の設定を実施した:Arcsinh余因子=5、クラスタの標的数=150、ダウンサンプリングする事象の標的数=5。分析はソフトウェアCytoscape_v.2.8.3を用いることにより行った。ダウンサンプリングした細胞事象は次に、19個のマーカー(ER、PR、CD68、CD20、c−MYC、HER2、pAMPK、H3、pERK、pBad、CD44、β−カテニン、ビメンチン、サイトケラチン7、CAH IX、E−カドヘリン、pS6、カスパーゼ3およびサイトケラチン8/18)の発現に応じて、 表現型的に類似した細胞凝集塊にクラスタ化した。表現型的に類似した細胞凝集塊は端をつなげ、最小限のスパニングツリーを描画した。次に、アップサンプリングステップを行い、初期データセットからの各細胞事象を最も代表的な凝集塊に割り当てた。最後に、最小限のスパニングツリーを2次元で投影させ、細胞凝集塊を表すツリーの円を所定の測定されたパラメータの中央強度レベルにより色づけし、細胞階層全体にわたるマーカー発現の可視化を可能にした。細胞集団を表すSPADEツリーについて、ノードサイズは合計パーセント(例えば、細胞クラスタに該当する所定の画像からの細胞数)として表した。用いた属性値は:0/5/7/15/最大、ノードサイズ:60/120/150/200/200である。図4において、HER2について、カラーバーはステップ4/4.5/5/6/7/8.5/9で範囲4〜9に設定した。CD20陽性細胞部分集団を表示し、カラーバーを下記ステップ:1/3/5/6/7/8/9において範囲0〜9に設定した。
図4は、腫瘍不均一性のイメージング質量サイトメトリ分析を示す。20人の乳癌患者からの21個のサンプルを分析した。SPADEツリーは、重なり合う細胞集団を示されるマーカーパターンで識別する。薄灰色の領域はすべてのチャネルにおいて低いマーカー発現を有する細胞を含む(図4a)。図4bは、腫瘍症例no.201のCD20側集団を示すクラスタツリーを示す。図4c〜gは、乳癌サブタイプによるHER2+細胞部分集団を示し、これらの細胞の内在的な不均一性を反映する:症例no.359(c)、254(d)、210(e)、199(f)および201(g)を示す。図4h〜iは、HER2+(症例no.294;h)およびルミナルHER2+サンプル(症例no.276;i)の細胞部分集団を示すクラスタツリーを示す。色は示されるマーカーの発現レベルを示し、ノードのサイズは細胞クラスタに該当する所定の患者からの細胞の割合に対応する。
SPADEツリーは、ビメンチンを発現する間質細胞部分集団、広範囲のマーカーを発現する上皮性腫瘍細胞部分集団、およびCD20+免疫細胞を反映する(図4aおよびb)。HER2(図4a、c〜i)、ビメンチン、PR、ER、β−カテニン、炭酸脱水酵素(CAH)IX、E−カドヘリン、c−MYC等のレベルはかなり変動した(図4a)。発現の明らかな違いは、とくにサイトケラチン8/18、サイトケラチン7、HER2、E−カドヘリン染色について同じ腫瘍内でも可視的であった(図2)。分岐は患者分類:例えば、HER2+およびルミナルHER2+に用いたマーカーにより誘導されたので、識別された細胞部分集団は予測された乳癌サブタイプも部分的に反映した(図4e、f、h、i)。
SPADE分析は、図4からわかるように、腫瘍サブタイプを部分的に反映した。しかしながらこれは、細胞部分集団の手動割り当ておよびしたがって上で示したような乳癌細胞部分集団のマップの描画を可能にする、高次元単一細胞データのSPADEツールの非常に高い可視化能力を減じない。
7つのサンプルをHER2+またはルミナルHER2+として分類した。これらのサンプルはSPADEツリーにおいてHER2陽性分岐を占めたが、サイトケラチン8/18、E−カドヘリン、β−カテニンおよびc−MYC発現が異なる特有の部分集団もあった(図4a)。例えば、ルミナルHER2+腫瘍no.210(図4e)はc−MYCを過剰発現した。同じ乳癌サブタイプ内でのこれらの違いは、患者間腫瘍不均一性を示す(図4e、f、h、i)。
本発明のこれらの実施形態は、質量サイトメトリが、細胞型マーカー、信号伝達活性および低酸素のような癌の特徴の同時イメージングを可能にすることを示す。つまり、これらの分析は、分析されたFFPEサンプル中に存在する乳癌細胞部分集団を描画し、それらの空間配置を識別し、同じ患者内および同じ腫瘍分類を有する患者間での違いを明らかにした。
本発明は上で例としてのみ説明され、本発明の範囲および精神から逸脱することなく改変を行われ得ることが理解されるだろう。
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Claims (31)
- 複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:
(i)組織サンプル中の複数の異なる標的分子を複数の異なる標識原子で標識し、標識された組織サンプルをもたらすステップ;
(ii)該標識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置で細胞内レベルの分解能でのレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および
(iii)プルームに誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;
を含む、方法。 - 複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:
(i)組織サンプル中の複数の異なる標的分子を複数の異なる標識原子で標識し、標識された組織サンプルをもたらすステップ;
(ii)該標識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置でレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および
(iii)プルームに、飛行時間質量分析計を用いて誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;
を含む、方法。 - 複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:
(i)組織サンプル中の少なくとも4つの異なる標的分子を異なる標識原子で標識し、標識された組織サンプルをもたらすステップ;
(ii)標識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置でレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および
(iii)プルームに誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;
を含む、方法。 - 複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:
(i)組織サンプル中の複数の異なる標的分子を複数の異なる標識原子で標識し、標識された組織サンプルをもたらすステップ;
(ii)該標識された組織サンプル中の個別の細胞を区画するステップ;
(iii)該標識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置でレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および
(iv)プルームに誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;
を含む、方法。 - 複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:
(i)組織サンプル中の1つ以上の標的分子を標識原子で標識し、標識された組織サンプルをもたらすステップ;
(ii)該標識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置で4μm以下のレーザスポットサイズを用いてレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および
(iii)プルームに誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;
を含む、方法。 - 複数の細胞を含む組織サンプルのイメージング方法であって:
(i)複数の異なる標的分子が複数の異なる標識原子で標識された、標識された組織サンプルをもたらすステップ;
(ii)該標識された組織サンプルの複数種の細胞に異なる複数の既知の位置で細胞内レベルの分解能でのレーザアブレーションを行い、複数のプルームを形成するステップ;および
(iii)プルームに誘導結合プラズマ質量分析を行い、それによって該プルーム中の標識原子の検出が該組織サンプルの画像の構築を可能にするステップ;
を含む、方法。 - 前記画像が2μm未満の分解能を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記画像が細胞内レベルの分解能を有し、前記組織サンプルのレーザアブレーションが少なくとも10Hzの周波数で行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記レーザアブレーションが0.2〜2μmの範囲内のレーザスポットサイズを用いる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記レーザアブレーションが100ms以下のウォッシュアウト時間を有するアブレーションセルにおいて行われる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 前記レーザアブレーションが(i)30ms以下のウォッシュアウト時間を有するアブレーションセルにおいて(ii)少なくとも20Hzの周波数で行われる、請求項10に記載の方法。
- 前記レーザが2〜5J/cm2のフルエンスを有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記レーザがエキシマレーザまたはエキサイプレックスレーザである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 異なる原子質量を有する少なくとも20個(例えば、少なくとも30個、または少なくとも50個)の異なる標識原子が用いられる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 前記標識原子が標識前の組織サンプルには実質的に存在しない、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記標識原子がランタニドのような遷移金属である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 前記標識原子が80〜250の範囲内の原子質量を有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 前記質量分析のステップが飛行時間検出を用いる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記標的分子が金属コンジュゲート抗体および/または金属コンジュゲート核酸プローブで標識されている、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 少なくとも1つの細胞内標的および少なくとも1つの細胞表面標的が標識される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
- 前記組織サンプルが、腫瘍に由来するか、または腫瘍細胞を含有する、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 前記組織サンプルが切片である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
- 前記レーザアブレーションがラスタ走査により行われる、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ラスタ走査が前記レーザスポットサイズと実質的に同じステップサイズを有する、請求項23に記載の方法。
- 前記組織サンプル中の個別の細胞が区画されている、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
- 前記標的分子が定量化される、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
- 前記組織サンプルがレーザアブレーション前に顕微鏡観察により分析される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
- 組織サンプルを異なる原子質量を有する4つ以上の遷移金属(例えば、希土類金属)での標識する方法。
- 組織サンプル中の複数種の細胞に細胞内レベルの分解能での質量サイトメトリが行われる、組織サンプルのイメージング方法。
- 組織サンプル中の複数種の細胞に細胞内レベルの分解能でのLA−ICP−TOFMSが行われる、組織サンプルのイメージング方法。
- 組織サンプルのイメージングの代わりに、接着性細胞の単層をイメージングするため、または固体表面上に固定化した細胞をイメージングするための、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
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