JP2017226326A - 内気排出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に開示された内気排出装置は、天壁、一対の第1側壁、一対の第2側壁、内気排出口及び閉塞板を備えている。第1側壁には内気を取り入れる取入口(内気取入窓)が形成されており、キャビンの内圧が上昇した際に閉塞板が内方に揺動することにより取入口が開放される。これにより、キャビン内の空気(内気)が取入口から導入されて内気排出口から外部に排出され、キャビンの内圧が低下する。
そこで、本発明は、作業機のキャビンの内圧が設定値に達するまでは排気を行わず、設定値を超えた場合には排気を行うことが可能である内気排出装置を提供することを目的とする。
図17は、作業機1として例示されるトラクタ1の側面図である。
以下、トラクタ1の運転席8に着座した運転者の前側(図17の左側)を前方、運転者の後側(図17の右側)を後方、運転者の左側(図17の手前側)を左方、運転者の右側(図17の奥側)を右方として説明する。また、トラクタ1の前後方向K1(図17参照)に直交する方向である水平方向K2(図18参照)を幅方向として説明する。また、図18の矢印K3方向を幅方向外方、図18の矢印K4方向を幅方向内方として説明する。幅方向外方とは、トラクタ1の幅方向中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向である。言い換えれば、幅方向外方とは、幅方向K2であってトラクタ1の幅方向中央部から離れる方向のことである。幅方向内方とは、幅方向外方とは反対の方向である。言い換えれば、幅方向内方とは、幅方向K2であってトラクタ1の幅方向中央部に近づく方向である。
前車軸フレーム5は、エンジン2から前方に延出して設けられている。ボンネット11は、開閉自在に設けられており、走行車体4の前部にエンジンルームを形成している。エンジンルームには、エンジン2、ラジエータ12、空冷用機器等が収容されている。
キャビン枠15は、走行車体4に対して固定されている。キャビン枠15は、前支柱18、後支柱19、中間支柱20、上横部材21、下横部材22、上後部材23、下後部材24等を有している。前支柱18は、運転席8の左前方と右前方にそれぞれ設けられている。後支柱19は、運転席8の左後方と右後方にそれぞれ設けられている。中間支柱20は、左の前支柱18と左の後支柱19との間、及び、右の前支柱18と右の後支柱19との間にそれぞれ設けられている。上横部材21は、前支柱18の上部と、後支柱19の上部と、中間支柱20の上部とを連結している。下横部材22は、後支柱19の下部と、中間支柱20の下部とを連結している。上後部材23は、左と右の後支柱19の上部同士を連結している。下後部材24は、左と右の後支柱19の下部同士を連結している。
底部板17は、キャビン14の底面を構成しており、左の後輪フェンダ10Lと右の後輪フェンダ10Rとを連結している。底部板17の後部上面には、フロアシート26を介して運転席8が支持されている。
図13及び図18に示すように、操縦部13は、運転席8の右方に設けられている。操縦部13は、キャビン14内において、後輪フェンダ10Rの横板部38の上方から立ち上がり部37の左方(幅方向内方)にわたって設けられている。具体的には、操縦部13は、横板部38の上方に設けられて当該横板部38よりも左方(幅方向内方)に延びる上板部41と、上板部41の左端(幅方向内方端)から立ち上がり部37の左方を通って下方に延びる側板部42とを有している。
内気排出装置50は、エアコン装置30の外気導入運転等によってキャビン14内の圧力(内圧)が設定値を超えて増加したときに、キャビン14内の空気(内気)を外部に排出する装置である。
<内気排出装置>
以下、内気排出装置50の構成について説明する。
内気排出装置50は、ケース51と、ケース51の内部に配置された可動板52とを有している。
本実施形態では、ケース51は、天板53と、4つの側壁(第1側壁54、第2側壁55、第3側壁56、第4側壁57)と、排出部58と、を備えている。
天板53は、ケース53の上部を構成しており、長方形状に形成されている。天板53は、4対(8つ)の押さえ片64を有している。後述するように、押さえ片64は、可動板52の上端部を側壁(第1側壁54、第2側壁55)の内面に押え付ける部分である。押さえ片64は、天板53の下面から下方に突出している。4対(8つ)の押さえ片64のうち、第1の対の押さえ片64Aは、天板53の左前部に設けられている。第2の対の押さえ片64Bは、天板53の左後部に設けられている。第3の対の押さえ片64Cは、天板53の右前部に設けられている。第4の対の押さえ片64Dは、天板53の右後部に設けられている。
図2及び図5に示すように、第1側壁54と第2側壁55とは、上方に移行するに従って互いに離間するように傾斜している。第1側壁54及び第2側壁55は、キャビン14内の空気をケース51内部に取り入れる取入口59を有している。本実施形態では、取入口59は略長方形状に形成されているが、取入口59の形状は限定されず、例えば、円形や楕円形等であってもよい。取入口59の数についても限定されず、例えば、第1側壁54と第2側壁55のいずれか一方のみに取入口59を設けてもよい。
第1側壁54及び第2側壁55の外挟持片65の下部には、それぞれ係止孔68が設けられている。係止孔68は、外挟持片65を貫通している。
第3側壁56及び第4側壁57は、取付フランジ60と連結リブ61とを有する。取付フランジ60は、操縦部13の上板部41に対して取り付けられる部分である。取付フランジ60は、ケース51の左下部と右下部にそれぞれ設けられている。左側の取付フランジ60は第3側壁56の下端から左方に突設されており、右側の取付フランジ60は第4側壁57の下端から右方に突設されている。取付フランジ46を、操縦部13の上板部41に対して、締結具(ボルト、ナット)62により締め付けて固定することにより、ケース51が上板部41の上面に固定される。
排出部58は、取入口59からケース51の内部に取り入れられた空気を、ケース51の外部に排出する部分である。排出部58は、ケース53の下部に設けられている。排出部58は、4つの側壁54、55、56、57の下端部により囲まれた矩形の開口部である。ケース51を操縦部13の上板部41に設置した状態において、排出部58は、上板部41の連通口40に重なる。これにより、ケース51の内部から排出部58を通ってケース51の外部に排出された空気は、連通孔40を通ってキャビン14の外部に排出される。尚、図示しないが、排出部58をケース51の側部(例えば、第3側壁56又は第4側壁57)や上部(例えば、天板53)に設けてもよい。この場合、ケース51の下部は底板により塞がれ、連通口40の位置は排出部58を重ねることが可能な位置(例えば、側板部42等)に設けられる。
本実施形態では、ケース51は合成樹脂により一体に成形されている。詳しくは、図6に示すように、ケース51は、天板53、第1側壁54、第2側壁55、第3側壁56、第4側壁57が、平面状に展開した状態で合成樹脂により一体成形されている。天板53と第1側壁54とは、第1連結部71により連結されている。天板53と第2側壁55とは、第2連結部72により連結されている。天板53と第3側壁56とは、第3連結部73により連結されている。天板53と第4側壁56とは、第4連結部74により連結されている。第1連結部71、第2連結部72、第3連結部73、第4連結部74は、天板53、第1側壁54、第2側壁55、第3側壁56、第4側壁57よりも肉薄に形成されており、屈曲可能である。
可動板52は、ケース51の側壁(第1側壁54、第2側壁55)に取り付けられて、キャビン14の内圧の増減に応じて揺動することにより取入口59を開閉する。
可動板52は、ケース51とは別体の部材であり、ゴムや軟質合成樹脂等の可撓性又は弾性を有する素材(屈曲可能な素材)から形成されている。可動板52が、可撓性又は弾性を有する素材から形成されていることにより、ケース51が合成樹脂製である場合には、ケース51に対する可動板52の取り付けの負荷が低減される。また、可動板52をゴム等の弾性素材から形成した場合は、可動板52の閉鎖時にケース51に対する衝突音を低減することができる。
図9A及び図9Bに示すように、可動板52は、取付部81と揺動部82とを有する。可動板52は、本実施形態では全体(取付部81及び揺動部82)が中実に形成されているが、中空部分を含んでいてもよい。
取付部81の厚さ(T1)は、屈曲可能な厚さ(例えば、0.5〜1mm程度)に設定される。取付部81が屈曲することによって、揺動部82が取付部81に対して揺動する。揺動部82の厚さ(T2)は、揺動部82が適切に揺動するために必要な重量(自重)に応じて決定される。
押圧力の大きさは、上述したキャビン14の内圧の設定値により定まる。具体的には、内圧の設定値が大きい場合は、押圧力が大きくなる。内圧の設定値が小さい場合は、押圧力が小さくなる。
このように、内圧の設定値に応じて揺動部82の厚さ(突出部85の突出高さ)を調整することにより、押圧力と復元力とのバランスが最適化される。これにより、揺動部82は、キャビン14の内圧が設定値を超えた場合には取入口59を開放し、設定値以下になった場合には取入口59を閉鎖するようになる。
図11Aは、可動板52の第1変更例である。第1変更例の可動板52は、第1移行部87と第2移行部88とが曲面状に形成されている。具体的には、第1移行部87及び第2移行部88は、内面側(受圧面84と反対側)に膨らむ曲面で形成されている。第1移行部87及び第2移行部88を形成する曲面は、例えば、円弧状に形成される。尚、図示しないが、第1移行部87及び第2移行部88を、受圧面84側に凹むように形成してもよい。
図11Cは、可動板52の第3変更例である。第3変更例の可動板52は、第1移行部87と第2移行部88とが、中心軸C1を挟んで非対称に形成されている。詳しくは、第1移行部87から中心軸C1までの距離と、第2移行部88から中心軸C1までの距離とが異なっている。具体的には、第1移行部87が第2移行部88よりも中心軸C1から離れた位置にある。
変更例に係る内気排出装置50は、可動板52(第1可動板52A,第2可動板52B)の揺動部82の構成が、上述した実施形態の内気排出装置と一部異なっている。具体的には、揺動部82の突出部85が取入口59側に形成されている。また、突出部85は、可動板52が取入口59を閉鎖した状態においてケース51の外部に突出している。突出部85の外面(ケース51の外部側の面)は、キャビン14の内圧を受ける受圧面84となっている。つまり、この変更例では、突出部85が受圧面84を有している。
また、可動板52の揺動部82が、ケース51の取入口59側に形成され且つキャビン14の内圧を受ける受圧面84と、当該受圧面84と反対側に形成され且つケース51の内部に突出する突出部85とを含んでいる。これにより、突出部85と反対側の受圧面84にてキャビン14の内圧を安定して受けることができるため、可動板52を安定して揺動させることが可能となる。
また、突出部85が、ケース51の内部側に形成された内面86と、内面86の下部から取入口59側に向かうにつれて下方に移行する第1移行部87と、内面86の上部から取入口59側に向かうにつれて上方に移行する第2移行部88と、を含む。これにより、突出部85の中心付近に重量が集中するため、揺動部82の重量バランスが良くなり、揺動部82を安定した動き(ばらつきのない動き)で揺動させることができる。
また、側壁は、第1側壁54と、第1側壁54に対向して設けられた第2側壁55とを含み、可動板52は、第1側壁54に形成された取入口59を開閉する第1可動板52Aと、第2側壁55に形成された取入口59を開閉する第2可動板52Bと、を含み、第1可動板52A及び第2可動板52Bは第1移行部87を有している。これにより、キャビン14の内気を2つの取入口59からケース51の内部に取り入れて外部に排出することができる。加えて、第1可動板52Aと第2可動板52Bとがケース51の内部に向けて揺動した場合に、下部同士が互いに干渉するまでの可動域(揺動範囲)を広げることができる。
また、第1移行部87及び第2移行部88が内面86に対して傾斜した傾斜面であることにより、第1可動板52Aと第2可動板52Bとが干渉するまでの可動域(揺動範囲)をより広げることができるとともに、揺動部82をより安定して揺動させることが可能となる。
<操作レバー>
図13、図14A及び図14Bに示すように、第1レバー31(ドラフトレバー)及び第2レバー(ポジションレバー)32は、軸体101に取り付けられている。軸体101は、車軸C2と平行に幅方向K2に延びている。
第1レバー31は、第1枢支部102、第1板部103、第1把持部104、第1軸部105を有する。第1枢支部102は、第1レバー31の一端(下端)に設けられている。第1枢支部102は、筒状に形成されており、軸体101に外嵌されている。第1板部103は、L字状に形成されており、第1枢支部102の外面から異なる2方向に向けて延びている。第1把持部104は、第1レバー31の他端(上端)に設けられている。第1把持部104は、運転席8に着座した作業者が操作時に把持する部分であり、カバー131により被嵌される。第1軸部105は、第1枢支部102と第1把持部104とをつなぐ棒状の部分である。
第2レバー32は、第2枢支部106、第2板部107、第2把持部108、第2軸部109を有する。第2枢支部106は、第2レバー32の一端(下端)に設けられている。第2枢支部106は、筒状に形成されており、軸体101に外嵌されている。第2枢支部106は、第1枢支部102とは、幅方向K2に並んでいる。第2枢支部106は、第1枢支部102の幅方向外方に配置されている。第2板部107は、L字状に形成されて
おり、第2枢支部106の外面から異なる2方向に向けて延びている。第2把持部108は、第2レバー32の他端(上端)に設けられている。第2把持部108は、運転席8に着座した作業者が操作時に把持する部分であり、カバー132により被嵌される。第2軸部109は、第2枢支部106と第2把持部108とをつなぐ棒状の部分である。
<ボンネット構造>
図17に示すように、ボンネット11は、上部ボンネット11Uと下部ボンネット11Dとから構成されている。上部ボンネット11Uは、前部に外気取り入れ用の開口部(グリル)を有している。図14に示すように、下部ボンネット11Dは、上部ボンネット11Uの下方であって、前輪6の幅方向内方に配置されている。下部ボンネット11Dの上端は、上部ボンネット11Uの下端に設けられたシール材120に当接している。上部ボンネット11Uと下部ボンネット11Dとは、シール材120を介して当接しているが、一体化されていない。下部ボンネット11Dは、上部ボンネット11Uの下端から下方に延びており、下方に延びるにつれて幅方向内方に向かうように湾曲(傾斜)している。言い換えれば、下部ボンネット11Dは、下方に延びるにつれて幅方向内方(前輪6から離れる方向)に向けて凹んでいる。これにより、前輪6の向きを変えたときに(前輪6を切ったときに)、前輪6がボンネット11に干渉することが防がれる。
上述したように、本実施形態のボンネット構造によれば、上部ボンネット11と下部ボンネット11Dとを別体とし、下部ボンネット11Dを走行車体4に対して着脱可能な整流板124に取り付けている。そのため、下部ボンネット11Dを、上部ボンネット11Uと分離して、整流板124と共に走行車体4から取り外すことができる。これにより、エンジンルーム内の機器(ラジエータ12等)のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。また、下部ボンネット11Dを単独で取り外す場合に比べて、取り外した下部ボンネット11Dを紛失する可能性が低い。また、下部ボンネット11Dを走行車体4に取り付ける際には、整流板124と一体で取り付けることができる。そのため、整流板124と下部ボンネット11Dとを個別に取り付ける場合に比べて、取り付けが容易である。
14 キャビン
31 第1レバー
32 第2レバー
50 内気排出装置
51 ケース
52 可動板
52A 第1可動板
52B 第2可動板
54 側壁(第1側壁)
55 側壁(第2側壁)
58 排出部
59 取入口
81 取付部
82 揺動部
84 受圧面
85 突出部
86 内面
87 第1移行部
88 第2移行部
C1 中心軸
Claims (9)
- 作業機のキャビン内の空気を内部に取り入れる取入口が形成された側壁と、前記取入口から内部に取り入れられた空気を排出する排出部とを有するケースと、
前記側壁に取り付けられた取付部と、前記取付部に対して揺動自在に設けられ且つ前記キャビンの内圧の増減に応じて揺動することにより前記取入口を開閉する揺動部とを有する可動板と、を備え、
前記揺動部は、前記取入口に面して形成され且つ突出部を有する内気排出装置。 - 前記揺動部は、前記取入口側に形成され且つ前記内圧を受ける受圧面と、当該受圧面と反対側に形成され且つ前記ケースの内部に突出する突出部とを含んでいる請求項1に記載の内気排出装置。
- 前記突出部は、前記取入口に直交する方向から見て、前記取入口面積の50%以上の範囲にて前記取入口とオーバーラップしている請求項1又は2に記載の内気排出装置。
- 前記突出部は、
前記ケースの内部側に形成された内面と、
前記内面の下部から前記取入口側に向かうにつれて下方に移行する第1移行部と、
前記内面の上部から前記取入口側に向かうにつれて上方に移行する第2移行部と、を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の内気排出装置。 - 前記受圧面は、平面であり、
前記内面は、前記受圧面と平行に形成されており、
前記第1移行部と前記第2移行部とは、前記受圧面の中心及び前記内面の中心を通る中心軸を挟んで対称に形成されている請求項4に記載の内気排出装置。 - 前記揺動部は、前記取付部と一体に且つ前記取付部よりも厚肉に形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の内気排出装置。
- 前記側壁は、第1側壁と、前記第1側壁に対向して設けられた第2側壁とを含み、
前記可動板は、前記第1側壁に形成された前記取入口を開閉する第1可動板と、前記第2側壁に形成された前記取入口を開閉する第2可動板と、を含み、
前記第1可動板及び前記第2可動板は、前記第1移行部を有している請求項4又は5に記載の内気排出装置。 - 前記第1可動板及び前記第2可動板は、前記第2移行部を有している請求項7に記載の内気排出装置。
- 前記第1移行部及び前記第2移行部は、前記内面に対して傾斜した傾斜面である請求項4又は8に記載の内気排出装置。
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