JP2017226035A - 加工方法及び加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】総形工具の摩耗による変形を把握できるようにすることで、要求される形状精度を得ることができ、かつ、効率的な加工が可能な加工方法及び加工装置を提供すること。
【解決手段】この加工方法は、表面に微細アレイを91a有する光学素子91用の成形型Mを作製するためのものであって、微細アレイ91aを構成する各アレイ要素91bに対応する要素転写面Wbを切削加工によってワーク(被加工体)Wに形成する加工工具(総形工具)51の加工形状に対応する工具画像TIを取得し、工具画像TIに対して画像処理を行うことによって加工工具(総形工具)51の劣化に関する情報を取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細アレイを有する光学素子を成形する成形型のための加工方法及び加工装置に関する。
微細アレイを有する光学素子用の成形型を製造する方法として、切削加工による方法は、加工量の大きさや球面又は非球面のような各種形状に対応できるという点で、エッチング等の他の手法に比較して優れている。特に、切削加工でアレイ要素面の一面が横幅0.5mm以下サイズであるものを数千面以上配置したパターンを形成する場合、切削動作の簡便さの観点で総形工具を利用することが望ましい。
しかし、工具形状そのものを転写していく総形工具による加工では、工具の摩耗による形状の変化を抑えることが困難で、一面の形状誤差の大きさや面間のバラツキから必要とされる光学性能を得ることができなくなる。また、使用する工具にも製造バラツキが存在し、摩耗の進み方を予測することは困難であり、一概にどれだけの面数を加工できるかは定め難い。
なお、微細アレイを有する光学素子用ではないが、切削距離の累積値に基づく所定タイミングで自動的に工具の摩耗状態を判定する方法が公知となっている(特許文献1)。この方法は、工具逃げ面の摩耗幅を測定するものであり、高速回転状態といった動作中の工具について計測を行うことを想定しておらず、総形工具で加工する場合の加工形状を判断することができない。
また、微細アレイを有する光学素子用ではないが、切削加工前のチップの輪郭と切削加工後のチップの輪郭とを画像処理によって比較する検査システムが公知となっている(特許文献2)。この方法は、取得する画像データに常に存在する基準マークを使用するものであり、基準マークのない汎用的な工具の形状判定方法には用いることができない。
特開2002−337041号公報 特開2010−162671号公報
本発明は、上記背景技術の問題に鑑みてなされたものであり、総形工具の摩耗等による変形を把握できるようにすることで、要求される形状精度を得ることができ、かつ、効率的な加工が可能な加工方法及び加工装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る加工方法は、表面に微細アレイを有する光学素子用の成形型を作製するための加工方法であって、微細アレイを構成する各アレイ要素に対応する要素転写面を切削加工によって被加工体に形成する総形工具の加工形状に対応する工具画像を取得し、工具画像に対して画像処理を行うことによって総形工具の劣化に関する情報を取得する。なお、総形工具の加工形状とは、総形工具のうち切れ刃の加工時における総体的形状であり、総形工具に切削動作させる際において切れ刃の軌跡の包絡面に相当するものである。
上記加工方法では、総形工具の加工形状に対応する工具画像に対して画像処理を行うので、被加工体に形成しようとしている要素転写面を実質的に直接判断することができ、総形工具の劣化に関して実効的な情報を簡易に得ることができる。これにより、成形型の作製に際して要求される形状精度を達成することができ、かつ、効率的な加工が可能になる。
本発明の具体的な側面によれば、上記加工方法において、総形工具を切削加工時と同様に回転させながら当該総形工具の切れ刃部分の輪郭形状を計測する。この場合、総形工具の回転によって加工形状が形成され、回転の各位置で得た切れ刃部分の輪郭形状の画像群を重ねたものが工具画像となる。ここで、工具画像の輪郭形状は、加工形状の劣化を反映した変化を示すものとなる。
また、本発明の別の側面によれば、工具画像の輪郭形状の変化が所定の許容値を超えたか否かを判断する。この場合、工具画像の加工形状の劣化が限度を超えたか否かを簡易に判定して総形工具の交換のタイミング判断に役立てることができる。
本発明のさらに別の側面によれば、総形工具の切れ刃のうち加工に使用しない切れ刃部分における任意の3点を計測基準点として設定し、当該計測基準点に対する相対的配置として加工に使用する切れ刃部分の形状を計測する。この場合、加工に使用しない切れ刃部分は劣化せず形状変化がないので、ここに計測基準点を設定することにより、総形工具の形状劣化の計測の精度を高めることができる。また、3点を計測基準点とすることで、基準の信頼性を高めることができる。
本発明のさらに別の側面によれば、総形工具は、ダイヤモンド製のエンドミル工具であり、エンドミル工具は、加工に使用しない切れ刃部分に計測基準点が設定される直線状刃先部を有する。この場合、画像処理が容易で計測の信頼性を高めることが容易である。なお、ダイヤモンド製のエンドミル工具を用いることで鏡面レベルでの面粗さの抑制が容易になる。
本発明のさらに別の側面によれば、要素転写面の加工開始前に登録した初期形状情報と、要素転写面の加工を繰り返した所定タイミングで得た使用後形状情報とから得た形状差を形状変化量として、当該形状変化量が所定の許容値を超えた場合に加工を停止する。この場合、単一の成形型内に形成される多数の要素転写面間で形状の変化が許容限度を超えることを防止できる。また、複数の成形型間で形状の変化が許容限度を超えることを防止することもできる。
本発明のさらに別の側面によれば、総形工具を被加工体に対して移動させる少なくとも3つの可動軸と、総形工具を被加工体に対して回転させる回転軸とを備え、周期的に配列される凹又は凸の多数の要素転写面を被加工体に順次形成する。この場合、平面や曲面である光学面上に微細アレイを設けた光学素子を作製するための成形型を簡易に高精度で加工又は製造することができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る加工装置は、光学素子のアレイ要素に対応する要素転写面を被加工体の表面に切削加工する加工部と、加工部が被加工体に形成する総形工具の加工形状に対応する工具画像を取得する撮像部と、工具画像に対して画像処理を行うことによって総形工具の劣化に関する情報を取得する制御部とを備える。
上記加工装置では、総形工具の加工形状に対応する工具画像に対して画像処理を行うので、成形型に形成しようとしている要素転写面を直接的に判断することができ、総形工具の劣化に関して実効的な情報を簡易に得ることができる。これにより、成形型の作製に際して要求される形状精度を達成することができ、かつ、効率的な加工が可能になる。
本発明の一実施形態に係る加工装置を説明する概念図である。 (A)は、光学素子用の成形型の転写面を説明する側方断面図であり、(B)は、転写面の平面図であり、(C)は、転写面の斜視図である。 図2(A)に示す成形型によって成形される光学素子の側方断面図である。 (A)及び(B)は、総形工具の形状を説明する正面図及び側面図であり、(C)及び(D)は、総形工具の動作を説明する側面視の概念図である。 総形工具の加工形状の計測方法について説明する図である。 総形工具による加工方法を説明する概念的なフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る加工装置及び加工方法について具体的に説明する。
図1に示すように、加工装置100は、総形工具によって成形型を作製するために用いられるものであり、定盤10と、XYステージ20と、Zステージ30と、回転駆動部40と、加工制御部60と、撮像部70と、制御処理装置80とを備える。ここで、XYステージ20、Zステージ30、回転駆動部40、加工制御部60等は、加工部を構成する。かかる加工部のXYステージ20上には、被加工体であるワークWを着脱可能に固定するワーク取付部21が設けられており、回転駆動部40には、ワークWに対向して総形工具である加工工具51が交換可能に取り付けられている。なお、ワーク(被加工体)Wは成形型の母材であり、加工装置100によってワークWの表面上に微細構造を有する転写面Waが形成される。
図2(A)〜2(C)は、ワーク(被加工体)Wに形成される転写面Waを例示する側方断面図、平面図及び斜視図である。ワークWは、各種鋼材で形成されている。ワークW上に形成された転写面Waは、周期的に配列された多数の要素転写面Wbで構成されている。これらの要素転写面Wbは、例えば千鳥配置で2次元的に配置された同一形状の凹面である。図示の場合、各要素転写面Wbは、例えば球面である。要素転写面Wbは、放物面、円錐面等を含む広義の非球面とすることもできるが、回転する加工工具(総形工具)51によって形成される関係から回転対称面である。転写面Waは、全体として平坦面であるが、全体として凹又は凸の曲面であってもよい。要素転写面Wbは、千鳥配置に限らず、正方配置その他の各種配置とすることができる。ワークWに転写面Waを形成したものは、そのままで成形型Mとして用いることができるが、表面に離型剤を被覆する等の追加の表面処理を行うこともできる。ワークWの表層において、転写面Waは、鋼材からなる基材上に直接形成するものに限らず、基材表面を薄く覆う金属層に刻設したものであってもよい。
具体的な作製例では、1つの要素転写面Wbを横幅0.5mm以下とし、これを数千面以上配置したものを転写面Waとした。このように同一形状の多数の要素転写面Wbを形成する場合、加工工具51が総形工具であることが望ましい。
図3は、図2(A)等に示す成形型Mによって成形される光学素子91を示す側方断面図である。光学素子91は、成形型Mを利用する射出成形等によって形成された樹脂製品である。光学素子91は、表面に微細アレイ91aを有し、微細アレイ91aは、周期的に配列された多数のアレイ要素91bを有する。各アレイ要素91bは、図2(A)の成形型Mに形成された要素転写面Wbに対応し、各アレイ要素91bの形状は、要素転写面Wbの形状に対応するが、凹凸が反転したものとなっている。アレイ要素91bのサイズや深さは、光学素子91の用途に応じて適宜設定されるが、アレイ要素91bのサイズは、例えば0.1〜0.2mm程度となっている。
図1に戻って、加工装置100のうち、XYステージ20は、定盤10に埋め込むように設けられている。XYステージ20は、加工制御部60の制御下で動作しており、ワーク取付部21とともにワークWをX軸及びY軸に沿って2次元的に移動させることができ、ワークWをXY面に沿った任意の位置に配置することができる。XYステージ20は、ワーク取付部21をX軸方向やY軸方向に並進移動させる案内機構や駆動機構を有している。
Zステージ30は、定盤10から上方に延びる支持体9aに支持されている。Zステージ30は、加工制御部60の制御下で動作しており、加工工具51を支持する回転駆動部40をZ軸に沿って上下移動させることができ、加工工具51をZ軸に沿った任意の位置に配置することができる。Zステージ30は、回転駆動部40をZ軸方向に並進移動させる案内機構や駆動機構を有している。Zステージ30は、回転駆動部40の姿勢又は傾斜を調整することもでき、加工工具51の回転軸AXをZ軸に平行に配置したり適宜傾けて配置したりすることができる。
回転駆動部40は、Zステージ30に支持されて昇降する。回転駆動部40は、加工制御部60の制御下で動作しており、加工工具51を例えば鉛直方向に延びる回転軸AXを中心として切削加工に適する速度で回転させる。なお、加工工具51を回転駆動部40に固定する際に、加工工具51の中心軸を回転駆動部40の回転軸AXと一致させることができる。加工工具51は、総形工具であり、加工工具51の先端加工部51aは、回転軸AXのまわりに回転することで加工形状を形成する。ここで、加工工具51の加工形状とは、先端加工部51aを回転させて切削動作を行わせる際において、先端加工部51aの切れ刃の軌跡の包絡面に相当するものである。
以上のXYステージ20とZステージ30と回転駆動部40とは、加工工具51をワークWに対して適切な位置に配置するとともに、加工工具51を回転させた状態でワークWに対して進退移動させる加工部駆動機構100aとして機能する。これらのうち、XYステージ20とZステージ30とは、加工工具51をワークWに対して移動させるため、XYZ軸に平行な3つの可動軸を有する。また、回転駆動部40は、加工工具51をワークWに対して回転させる回転軸を有する。
加工制御部60は、高精度の数値制御を可能にするものであり、XYステージ20やZステージ30に内蔵されたモーターその他の駆動機構、位置センサー等を制御処理装置80の制御下で駆動することによって、回転駆動部40や加工工具51を目的とする位置に適宜移動させる。
撮像部70は、Zステージ30に取り付けられており、カメラ71と照明装置72とを備える。撮像部70は、制御処理装置80の制御下で動作し、加工進行中の加工工具51の先端加工部51aを計測するインプロセス型の計測装置として機能する。撮像部70のうちカメラ71は、画像取得用のセンサーであり、制御処理装置80の指示に従って所定のタイミングで動作し、先端加工部51aの撮影を行う。カメラ71による撮影又は観察は、先端加工部51aをその回転軸AXに垂直な一方向(具体的には水平方向)から見たものとなっている。つまり、カメラ71による観察軸MXは、先端加工部51aを通り、回転軸AXに直交するものとなっている。カメラ71は、詳細を省略するが、レンズとイメージセンサーとを組み合わせたものであり、イメージセンサーとしては、CCDやCMOSが用いられ、可視光での撮影が行われる。照明装置72は、先端加工部51aを照明することで、カメラ71によって取り込む画像が適度のコントラストを有し、取り込んだ画像に対するエッジ処理その他の画像処理が再現性を有して適切なものとなるようにしている。なお、照明装置72は、先端加工部51aを挟んでカメラ71の反対側に配置されるものに限らず、先端加工部51aに対してカメラ71側に配置されるものであってもよい。
撮像部70による先端加工部51aの撮影は、先端加工部51aを回転軸AXのまわりに一回以上回転させた状態で行われる。撮像部70は、先端加工部51aの一静止画像ではなく、先端加工部51aの回転する一連の工具画像を撮影する。撮像部70によって撮影された工具画像は、後述するように制御処理装置80に取り込まれ、制御処理装置80で適宜処理される。
図4(A)は、静止状態における加工工具51の先端加工部51aの輪郭形状を説明する図であり、図4(B)は、90°回転させた先端加工部51aの輪郭形状を説明する図である。加工工具51は、総形工具として機能するフラットタイプのエンドミル工具である。加工工具51の先端加工部51aは、鏡面レベルの面粗さの抑制が容易になるという観点で、ダイヤモンド製のチップとなっている。先端加工部51aは、三角形の板状であり、切れ刃部分52と非切れ刃部分53とを有する。切れ刃部分52は、回転時に輪郭を形成する部分として先端側の円弧部52aと根元側の直線部52bとを有する。一方、非切れ刃部分53は、回転時に輪郭を形成する部分として直線部53aを有し、その先端が円弧部52aと繋がっている。
図4(C)は、回転する加工工具51の先端加工部51aの加工形状に対応する工具画像を示している。図示の工具画像TIは、回転状態の先端加工部51aを回転軸AXに垂直な方向から見た場合の輪郭形状に対応する。工具画像TIは、下部に半円部3aを有し、その上に傾斜の小さい第1台形部3bを有し、その上に傾斜の大きい第2台形部3cを有する。半円部3aの輪郭形状における円弧状のエッジ4aは、切れ刃部分52の円弧部52aにおける刃先52iに相当し、第1台形部3bの輪郭形状において小さな傾斜を有する直線のエッジ4bは、切れ刃部分52の直線部52bにおける刃先52jに相当に相当する。第2台形部3cの輪郭形状において大きな傾斜を有する直線のエッジ4cは、非切れ刃部分53の直線部53aに相当に相当する。先端加工部51aを回転させながら進退させるタイプの切削加工では、切れ刃部分52の円弧部52aが主に使用され、直線状刃先部である直線部52bは通常使用されない。特に、ワーク(被加工体)Wの要素転写面Wbは、加工に使用する切れ刃に相当する円弧部52aによって形成され円弧部52aに対応する形状を有することになるので、工具画像TIの半円部3aの形状をチェックすれば先端加工部51aの劣化を判定できるということができる。
図1に戻って、制御処理装置80は、コンピューターからなる制御部であり、演算機能、画像処理機能等を有する。制御処理装置80は、構成要素として、主制御部81と、表示・出力部82と、入力部83と、メモリー84とを有する。制御処理装置80は、加工制御部60を介してXYステージ20、Zステージ30等による加工動作を制御するとともに、撮像部70を利用して加工工具51の先端加工部51aについて加工形状を管理する。
制御処理装置(制御部)80は、ワーク(被加工体)Wに対する加工動作を制御する際に、XYステージ20によって先端加工部51aをワークWに対してXY面内で2次元的にステップ移動させる。制御処理装置80は、先端加工部51aのステップ移動後に、Zステージ30によって先端加工部51aをワークWに対して−Z方向に所定の深さ位置まで降下させる(図4(D)の動作A1)。この際、回転駆動部40が加工工具51を回転させており、ワークWの表面に先端加工部51aを回転させた輪郭に対応する加工形状が必要な深さで形成される。次に、Zステージ30によって先端加工部51aを回転させつつ上昇させる後退動作を行わせる(図4(D)の動作A2)。その後、XYステージ20によって先端加工部51aを次の加工位置にステップ移動させるとともに(図4(D)の動作A3)、先端加工部51aをワークWに対して−Z方向に降下させる(図4(D)の動作A4)。このように、先端加工部51aのステップ移動と降下動作とを繰り返すことにより、ワークWの表面に図2(A)等に示すような転写面Waを形成することができる。
制御処理装置(制御部)80は、先端加工部51aの加工形状を管理するために、撮像部70を用いて加工工具51の先端加工部51aを計測する。具体的には、制御処理装置80は、加工工具51の使用を開始する前において先端加工部51aの加工形状を計測するとともに、加工工具51の使用を開始して加工を繰り返した所定タイミングにおいて先端加工部51aの加工形状を計測する。制御処理装置80は、使用開始後の所定タイミングで計測した加工形状から得た使用後形状情報を、加工開始前に計測した加工形状から得た初期形状情報と比較して形状変化量を取得している。制御処理装置80は、この形状変化量が所定の許容値を超えた場合、加工精度が達成されないとしてワークWの加工を停止する。
加工工具51の先端加工部51aに関する加工形状の計測について具体的に説明する。例えば、制御処理装置80は、先端加工部51aを1回転以上回転させつつコマ撮りした画像データを画像処理によって合成するとともに合成画像からエッジデータを抽出する。これにより、先端加工部51aの加工形状を観察軸MXの方向から見た輪郭が得られる。また、制御処理装置80は、先端加工部51aを1回転以上回転させつつスローシャッターで撮影した画像データから画像処理によってエッジデータを抽出する。これによっても、先端加工部51aの加工形状を観察軸MXの方向から見た輪郭が得られる。なお、上記したエッジ抽出に際しては、公知の画像処理技術を用いることができ、所定の基準で輪郭エッジの抽出が行われ、或いは所定の閾値で2値化処理が行われる。
図5を参照して、加工工具51の加工形状の計測に際しての基準検出方法等について説明する。まず、加工工具51の先端加工部51aの工具画像TIに対して画像処理を行って二値化する。この二値化した工具画像TIにおいて、第1台形部3bに確実に入る領域R1を選択する。領域R1の選択は、先端加工部51aにおける対応部分の配置が想定される画面内の範囲を予め入力する方法によることができるが、工具画像TIに予定されるパターンの当てはめを画像処理的に行って第1台形部3bに対応する部分を一回り小さく抜き出す方法によることもできる。第1台形部3bは、加工に使用しない切れ刃部分又は直線状刃先部である直線部52bに対応するものである。
次に、工具画像TIの領域R1の上部において、画面上で縦方向(z方向)の高さ位置が一致する一対のエッジ4b上の2つの読み取り点P1,P2を決定する。2つの読み取り点P1,P2を結ぶ線分の中点P0は、少なくとも横のy方向に関しての計測の基準点とできる。その後、第1の読み取り点(計測基準点)P1の下方のエッジ4b上において、第3読み取り点(計測基準点)P3を決定する。具体的には、画面上で第1の読み取り点P1よりも下方向(−z方向)であって所定の画素分だけ下でy方向に延びる線L3と交差するものとしてエッジ4b上の点を特定する。第1の読み取り点(計測基準点)P1と第3読み取り点(計測基準点)P3との関係からエッジ4bの傾きが得られる。エッジ4bの傾きは、先端加工部51aのうち切れ刃部分52の直線部52bについての規定値と比較されて、中点P0を通る回転軸AXが特定される。この回転軸AXは、図1に示す加工装置100のZ軸に対して原則として平行に設定されるので、中点P0と回転軸AXの方向との特定によって、工具画像TIの基準座標系が定まり、加工装置100の座標系に対応する工具画像TIの把握が可能になる。これにより、複数のタイミングで複数の異なる工具画像TIを撮影した場合に、これらの工具画像TIを読み取り点(計測基準点)P1〜P3等に基づく基準点からの相対的配置として高い精度で比較することができる。
例えば新たな加工工具51を加工装置100にセットした直後に工具画像TI(つまり刃先初期値)を撮影する。得られた工具画像TIを元に上記基準座標系を決定するとともに、工具画像TIにおいて切れ刃部分52のうち円弧部52aの刃先52iに対応するエッジ4aを抽出し、上記基準座標系でエッジ4aに対して座標変換を行う。座標変換後のエッジ4aの形状データは、比較基準データ(初期形状情報)として用いられる。その後、加工工具51を例えば1千回、1万回等の所定回数だけ切削加工に使用し、摩耗等によって劣化した工具画像TI(つまり刃先使用後値)を再度撮影する。この場合、円弧部52aのみが加工に使用され形状に変化が生じており、工具画像TIの半円部3aにおいてエッジ4aの形状に変化が生じている。再度撮影された工具画像TIを元に上記と同様の手法で基準座標系を決定するとともに、再度撮影された工具画像TIにおいて切れ刃部分52のうち円弧部52aの刃先52iに対応するエッジ4aを抽出し、上記基準座標系でエッジ4aに対して座標変換を行う。ここで、再度撮影された工具画像TIに設定した第1及び第2読み取り点P1,P2の間隔は、最初に撮影された工具画像TIに設定した第1及び第2読み取り点P1,P2の間隔と異なるのが通常であり、この場合、再度撮影された工具画像TIの読み取り点P1,P2の間隔が最初に撮影された工具画像TIの読み取り点P1,P2の間隔と一致するように中点P0の位置を回転軸AXに沿って移動させる座標の補正を行う。座標変換後又は座標補正後のエッジ4aの形状データは、劣化判定データ(使用後形状情報)として用いられる。劣化判定データと比較基準データとの比較は、例えば縦方向の形状差として管理される。つまり、横のY軸又はy軸に沿った各点で劣化判定データと比較基準データとのZ軸又はz軸方向の位置の差を形状変化量の分布として記録する。このような形状変化量、つまり劣化に関する情報が所定の許容値を超えた場合(例えば図5中に点線で示すエッジ104a参照)、工具画像TIが許容限度を超えて劣化したと判断する。形状変化量が所定の許容値を超えたか否かは、エッジ4aのY軸又はy軸に関する一か所で形状変化量が判定値を超えたか否かで判断することができるが、エッジ4aの連続する複数か所で形状変化量が判定値を超えたか否かで判断することもできる。
なお、以上では、工具画像TIの領域R1から3つの読み取り点P1〜P3を抽出して基準座標系を決定しているが、4つ以上の読み取り点を用いることができる。具体的には、例えば第3読み取り点P3と画面上で縦方向(z方向)の高さ位置が一致し反対側にあるエッジ4b上の第4読み取り点P4を決定し、それらの中点を回転軸AXの通過点とすることができる。
図6を参照して、成形型Mの加工方法の一例について説明する。まず、加工工具51をZステージ30の回転駆動部40に取り付ける(ステップS1)。次に、制御処理装置80は、入力部83等を利用してオペレーターからの指示を受け付け、使用開始前の加工工具51を切削加工時と同様に回転させた際の先端加工部51aについて、加工形状の刃先初期値である工具画像TIを機上計測し、工具画像TIをメモリー84に保存する(ステップS2)。次に、制御処理装置80は、ステップS2で得た工具画像TIから比較基準データを得る(ステップS3)。具体的には、工具画像TIにおいて基準座標系を決定するとともに、この基準座標系でのエッジ4aの位置をメモリー84に保存する。つまり、ステップS2で得た工具画像TIから比較基準データといった基準情報を特定し登録する。その後、制御処理装置80は、オペレーターからの指示を受け付け、加工工具51を回転させつつ3次元的な軌跡に沿って移動させ、ワーク取付部21にセットされたワーク(被加工体)Wに対して加工を開始する(ステップS4)。この際、加工工具51は、総形工具としてワークWに対して加工を行う。また、制御処理装置80は、加工制御部60を介してXYステージ20及びZステージ30を動作させて、加工工具51をXYに沿って2次元的にステップ移動させつつZ方向に降下させる切り込みを繰り返す。これにより、加工工具51の切り込みごとに、先端加工部51aによってワークW上に要素転写面Wbが順次形成される。制御処理装置80は、要素転写面Wbの加工回数を計測しており、第n番目の要素転写面Wbの加工、つまり第n面目までの加工を繰り返す(ステップS5)。この第n面目の加工が完了した段階で、制御処理装置80は、規定回数使用後の加工工具51を切削加工時と同様に回転させた際の先端加工部51aについて、加工形状の刃先使用後値である工具画像TIを機上計測し、工具画像TIをメモリー84に保存する(ステップS6)。次に、制御処理装置80は、ステップS6で得た工具画像TIから、詳細な説明は省略するが劣化判定データを得る(ステップS7)。その後、制御処理装置80は、加工工具51の劣化に関する情報を演算する。つまり、制御処理装置80は、劣化判定データを比較基準データと比較して形状変化量を計算し、この形状変化量が入力部83等を利用してオペレーターから指定されている許容値を超えたか否かを判断する(ステップS8)。形状変化量が許容値を超えていない場合(ステップS8でY)、制御処理装置80は、加工工具51を回転させつつ3次元的な軌跡に沿って移動させ、ワーク(被加工体)Wに要素転写面Wbの動作を再開させる。一方、形状変化量が許容値を超えている場合(ステップS8でN)、制御処理装置80は、加工工具51によってワークWに要素転写面Wbを形成する動作を停止させる。この場合、劣化した加工工具51に代えて新たな加工工具51を回転駆動部40に取り付けることで、要素転写面Wbの加工を継続することもできる。
以上のように、本実施形態の加工装置100又は加工方法によれば、総形工具である加工工具51の加工形状に対応する工具画像TIに対して画像処理を行うので、ワーク(被加工体)Wに形成しようとしている要素転写面Wbを実質的に直接判断することができ、加工工具51の劣化に関して実効的な情報を簡易に得ることができる。これにより、成形型Mの作製に際して要求される形状精度を達成することができ、かつ、効率的な加工が可能になる。なお、経験的には、一つの加工工具51によって精度を維持しつつ加工できる微細ドット数を或る程度予想できるが、加工工具51の先端加工部51aには、製品ごとに強度や形状のバラツキがあり、安全を見た場合はムダが生じることになる。一方で、本実施形態のように、加工工具51の加工形状を計測することで、要素転写面Wbを随時チェックすることができ、加工の効率を高めることができる。
以上では、加工工具51の先端加工部51aが切れ刃部分52に直線部52bを有することが前提であったが、このような直線部52bがなくてもこれに代わる特徴的な形状があれば、このような特徴的な形状を利用して基準座標系を決定することができ、比較基準データと劣化判定データとを比較することができる。
また、以上では、新たな加工工具51を加工装置100にセットした直後に工具画像TIを撮影して比較基準データを取得しているが、比較基準データは、実測したものに限らず、制御処理装置80に予め準備された仮想的なものであってもよい。
また、1つの加工工具51によって加工するワーク(被加工体)Wは、1つに限らず複数とできる。
3a…半円部、 3b,3c…台形部、 4a,4b,4c…エッジ、 20…XYステージ、 21…ワーク取付部、 30…Zステージ、 40…回転駆動部、 51…加工工具、 51a…先端加工部、 52…切れ刃部分、 52a…円弧部、 52b…直線部、 52i,52j…刃先、 53…非切れ刃部分、 60…加工制御部、 70…撮像部、 71…カメラ、 72…照明装置、 80…制御処理装置、 81…主制御部、 84…メモリー、 91…光学素子、 91a…微細アレイ、 91b…アレイ要素、 100…加工装置、 100a…加工部駆動機構、 AX…回転軸、 M…成形型、 MX…観察軸、 TI…工具画像、 W…ワーク、 Wa…転写面、 Wb…要素転写面

Claims (8)

  1. 表面に微細アレイを有する光学素子用の成形型を作製するための加工方法であって、
    前記微細アレイを構成する各アレイ要素に対応する要素転写面を切削加工によって被加工体に形成する総形工具の加工形状に対応する工具画像を取得し、
    前記工具画像に対して画像処理を行うことによって前記総形工具の劣化に関する情報を取得することを特徴とする加工方法。
  2. 前記総形工具を切削加工時と同様に回転させながら当該総形工具の前記切れ刃部分の輪郭形状を計測することを特徴とする請求項1に記載の加工方法。
  3. 前記工具画像の輪郭形状の変化が所定の許容値を超えたか否かを判断することを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の加工方法。
  4. 前記総形工具の切れ刃のうち加工に使用しない切れ刃部分における任意の3点を計測基準点として設定し、当該計測基準点に対する相対的配置として加工に使用する切れ刃部分の形状を計測することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加工方法。
  5. 前記総形工具は、ダイヤモンド製のエンドミル工具であり、前記エンドミル工具は、前記加工に使用しない切れ刃部分に前記計測基準点が設定される直線状刃先部を有することを特徴とする請求項4に記載の加工方法。
  6. 前記要素転写面の加工開始前に登録した初期形状情報と、前記要素転写面の加工を繰り返した所定タイミングで得た使用後形状情報とから得た形状差を形状変化量として、当該形状変化量が所定の許容値を超えた場合に加工を停止することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の加工方法。
  7. 前記総形工具を被加工体に対して移動させる少なくとも3つの可動軸と、前記総形工具を被加工体に対して回転させる回転軸とを備え、周期的に配列される凹又は凸の多数の前記要素転写面を被加工体に順次形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の加工方法。
  8. 光学素子のアレイ要素に対応する要素転写面を前記被加工体の表面に切削加工する加工部と、
    前記加工部が被加工体に形成する総形工具の加工形状に対応する工具画像を取得する撮像部と、
    前記工具画像に対して画像処理を行うことによって前記総形工具の劣化に関する情報を取得する制御部とを備えることを特徴とする加工装置。
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