JP2017225236A - 電動機駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インバータの故障検出時に、過電流保護機能によって巻線短絡制御による過電圧保護機能が毀損されるのを防止した電動機駆動装置を提供する。【解決手段】インバータINVの出力電流が過電流閾値を超えたことを出力過電流検出手段16u〜16wにより検出して過電流保護を行う第1の保護手段と、インバータINVの故障時に全相の上アームまたは下アームのスイッチング素子をオンさせて電動機巻線を短絡し過電圧保護を行う第2の保護手段と、を有する電動機駆動装置において、故障検出時に電動機巻線を短絡させるためのアーム選択指令及び短絡制御指令を出力する短絡制御手段15と、短絡制御の開始直後に、通常時閾値をこれより大きい短絡制御時閾値に変更する閾値変更手段161と、を備え、出力過電流検出手段16u〜16wは、過電流検出閾値として通常時閾値または短絡制御時閾値を出力電流と比較する。【選択図】図1

Description

本発明は、電動機駆動用のインバータを過電圧及び過電流から保護するための技術に関するものである。
図6は、特許文献1に記載された電気機械用インバータの構成図であり、例えばハイブリッド車両に搭載されるインバータを示している。
図6において、1Aは電動機を含む電気機械、2は電気機械1Aを駆動する三相のインバータ、3は三相各相に対応して設けられた出力段ユニット、4は制御ユニット、5は給電ユニット、6は蓄電要素を備えたエネルギー供給網、7はメインスイッチ、8はバッテリー等のエネルギー蓄積器である。
図7は、一相分の出力段ユニット3の構成を示している。
図7において、3aは相給電ユニット、3bはエネルギー供給網6に接続された緊急動作時給電部、3cは緊急動作時制御部、3dは相給電ユニット3aの出力電圧を閾値Aと比較する比較ユニット、3eは緊急動作時給電部3bの出力電圧を閾値Bと比較する比較ユニット、3fは出力段駆動制御部、3gは、制御ユニット4からの通常時制御信号と緊急時制御信号Cとの何れかを比較ユニット3eの出力により選択する切替スイッチ、3hは、切替スイッチ3gからの制御信号に従って駆動指令を生成する駆動部、3iは、駆動指令によりオン・オフして直流/交流変換を行う複数の半導体スイッチング素子からなる出力段であり、この出力段3iから図5の電気機械1Aに交流電力が供給される。
この従来技術では、制御ユニット4や給電ユニット5等に故障が発生すると、比較ユニット3eの出力により切替スイッチ3gが緊急時制御信号C側に切り替わると共に、緊急動作時給電部3bから給電された駆動部3hが、全相の上アームまたは下アームのスイッチング素子をオンさせて電気機械1A内の電動機巻線を短絡させるように各相の出力段3iを制御する。このため、電動機の誘起電圧によりエネルギー供給網6(蓄電要素)が過電圧になるのを防止してインバータ2を保護することができる。
ここで、図8は、前述した出力段3iを三相分備えたインバータの主回路構成図であり、例えば、永久磁石同期電動機1を駆動する駆動装置を示している。
図8において、Eは直流電源、Cは平滑コンデンサ、Ry,Ryはリレー、Q,Q,Q,Q,Q,QはIGBT等の半導体スイッチング素子、F,F,F,F,F,Fはスイッチング素子Q〜Qのセンスエミッタに接続された異常検出回路である。
図8の回路では、異常検出回路F〜Fの何れかにより、制御回路や電源回路、スイッチング素子等の異常を検出すると、リレーRyまたはRyを開放して直流電源Eからの給電を停止する。そして、リレーRyまたはRyの開放を検出したら、全相の上アームのスイッチング素子Q,Q,Qまたは下アームのスイッチング素子Q,Q,Qをオンさせて電動機1の巻線を短絡させ、電動機1の誘起電圧により直流母線電圧(平滑コンデンサCの電圧)が過大になるのを防止している。
特開2013−183522号公報(段落[0019]〜[0026]、図1等)
特許文献1に記載された電気機械用インバータや図8の回路では、インバータの故障発生に伴う電動機巻線の短絡制御時に、電動機の過渡時定数によって決まる一定期間にわたり、電動機の誘起電圧及び過渡リアクタンスに応じて大きな電流が流れる。
図9は、インバータの各相の出力電流i,i,i及び平滑コンデンサCの電圧の時間的な変化を示した波形図であり、tは故障検出によりリレーを開放した時刻、tは例えば全相の上アームのスイッチング素子Q,Q,Qをオンさせて電動機巻線の短絡制御を開始した時刻である。
図9によれば、出力電流i,i,iは時刻t以後の期間Δtにわたって大きな値となり、その後、永久短絡電流として収束する。特に、破線で囲んだ部分Pから明らかなように、短絡制御の開始直後には出力電流が著しく大きくなる。
一方、この種のインバータは、通常、出力電流が過大になったことを検出して全てのスイッチング素子をオフ(いわゆる全ゲートオフ)させる過電流保護機能を備えている。このため、図9に示したごとく、時刻t以後に出力電流が過大になって所定の過電流閾値を超えると、全ゲートオフ動作が実行されて短絡制御がキャンセルされることになり、結果として、インバータを過電圧から保護する機能が働かなくなるおそれがあった。
そこで、本発明の解決課題は、インバータに対する過電流保護機能と、インバータの故障時に電動機巻線を短絡して直流回路への過電圧印加を防止する過電圧保護機能とを備えた電動機駆動装置において、過電流閾値の大きさやその有効期間等を調整することにより、短絡制御による過電圧保護機能を毀損することがないようにした電動機駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、インバータにより電動機を駆動する電動機駆動装置であって、
前記インバータの出力電流が過電流閾値を超えたことを出力過電流検出手段により検出して前記インバータの過電流保護動作を行う第1の保護手段と、前記インバータの故障時に全相の上アームまたは下アームの半導体スイッチング素子をオンさせて前記電動機の巻線を短絡することにより前記インバータの過電圧保護動作を行う第2の保護手段と、を有する電動機駆動装置において、
前記インバータの故障検出時に、前記電動機の巻線を短絡させるためのアーム選択指令及び短絡制御指令を出力する短絡制御手段と、
前記短絡制御指令が出力された直後に、前記過電流閾値としての通常時閾値を当該過電流閾値より大きい短絡制御時閾値に変更する閾値変更手段と、を備え、
前記出力過電流検出手段は、
前記短絡制御指令の有無に応じて、前記短絡制御時閾値または前記通常時閾値を前記インバータの出力電流と比較するものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した電動機駆動装置において、前記閾値変更手段は、前記短絡制御指令が出力された直後に、前記通常時閾値を一定期間にわたり前記短絡制御時閾値に変更し、前記一定期間の経過後に前記通常時閾値に復帰させるものである。
請求項3に係る発明は、インバータにより電動機を駆動する電動機駆動装置であって、
前記インバータの出力電流が過電流閾値を超えたことを出力過電流検出手段により検出して前記インバータの過電流保護動作を行う第1の保護手段と、前記インバータの故障時に全相の上アームまたは下アームの半導体スイッチング素子をオンさせて前記電動機の巻線を短絡することにより前記インバータの過電圧保護動作を行う第2の保護手段と、を有する電動機駆動装置において、
前記インバータの故障検出時に、前記電動機の巻線を短絡させるためのアーム選択指令及び短絡制御指令を出力する短絡制御手段と、
前記短絡制御指令により前記第2の保護手段が動作している間に、前記第1の保護手段の動作を一定期間、無効にする手段と、
を備えたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2に記載した電動機駆動装置において、前記インバータの出力電流が前記短絡制御時閾値を超えた時に保護動作異常信号を出力する手段を備えたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載した電動機駆動装置において、前記インバータの直流電圧が過電圧閾値を超えた時に保護動作異常信号を出力する手段を備えたものである。
請求項6に係る発明は、請求項1,請求項2または請求項4に記載した電動機駆動装置において、前記短絡制御時閾値を、少なくとも、前記第2の保護手段による短絡制御の開始時における前記電動機の端子電圧及び過渡リアクタンスに基づいて設定するものである。
請求項7に係る発明は、請求項2または請求項4に記載した電動機駆動装置において、前記閾値変更手段により変更される短絡制御時閾値の有効期間を、少なくとも前記電動機の短絡過渡時定数に基づいて設定するものである。
請求項8に係る発明は、請求項3に記載した電動機駆動装置において、前記第1の保護手段の動作を無効にする一定期間を、少なくとも前記電動機の短絡過渡時定数に基づいて設定するものである。
請求項9に係る発明は、請求項4または請求項5に記載した電動機駆動装置において、前記保護動作異常信号に基づいて、前記第2の保護手段によりオンさせる全相の半導体スイッチング素子が属するアームを切り替えるものである。
本発明によれば、インバータの故障時に電動機巻線を短絡制御する場合には過電流閾値の大きさを調整し、または過電流閾値をマスクすることにより、インバータのスイッチング素子の動作による短絡制御を有効にしてインバータの直流回路に過電圧が印加されるのを防止し、過電圧保護を確実に実行することができる。
本発明の実施形態を示す回路構成図である。 本発明の実施例1におけるインバータの出力電流及び平滑コンデンサの電圧を示す波形図である。 本発明の実施例2におけるインバータの出力電流及び平滑コンデンサの電圧を示す波形図である。 本発明の実施例3におけるインバータの出力電流及び平滑コンデンサの電圧を示す波形図である。 本発明の他の実施形態を示す回路構成図である。 特許文献1に記載された電気機械用インバータの構成図である。 図6における出力段ユニットの構成図である。 特許文献1における出力段(三相分)を含むインバータの主回路構成図である。 図8の主回路を対象とした短絡制御時の動作波形図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る駆動装置の構成図である。この駆動装置は、例えば、三相のインバータ(電圧形インバータ)INVにより永久磁石同期電動機等の電動機1を駆動するためのものである。
インバータINVの主回路において、直流電源Eの両極間には、リレーRy,Ryを介して平滑コンデンサCが接続されている。平滑コンデンサCの両端には、IGBT等の半導体スイッチング素子Q,Q,Q,Q,Q,Qが三相ブリッジ接続され、その交流出力端には電動機1が接続されている。なお、2,2,2はインバータINVの各相の出力電流i,i,iを検出する電流検出器である。
リレーRy,Ryの両端にはリレー状態検出器3,3がそれぞれ接続され、リレーRy,Ryの開放時にリレー状態検出器3,3からリレー開放信号F,Fが出力されるようになっている。ここで、リレーRy,Ryは、電源電圧の異常や制御装置の故障、スイッチング素子Q〜Qの故障等が発生した場合に開放され、直流電源Eからの給電を停止する。
一方、スイッチング素子Q〜Qの駆動信号(ゲート信号)を生成する制御装置は、電動機制御手段11、PWM(パルス幅変調)生成手段12、駆動信号制御手段13、故障検出手段14、短絡制御手段15、及び、各相に対応する出力過電流検出手段16,16,16を備えている。
以下、上述した各手段の機能について説明する。
まず、電動機制御手段11は、電動機1を所定の速度、トルクにて駆動するための制御指令を生成する。PWM生成手段12は、上記制御指令とキャリア信号とを用いてPWM信号を生成する。
駆動信号制御手段13は、PWM信号と後述する各指令とに基づいてスイッチング素子Q,Q,Q,Q,Q,Qをオン・オフする駆動信号を生成し、出力する。
故障検出手段14は、リレー開放信号F,Fに基づいてインバータINVに故障が発生したことを検出し、故障検出信号Fを短絡制御手段15に出力する。
短絡制御手段15は、故障検出信号Fに応じて、全相の上アームのスイッチング素子Q,Q,Qを短絡させる上アーム選択指令S、または、全相の下アームのスイッチング素子Q,Q,Qを短絡させる下アーム選択指令Sの何れかを駆動信号制御手段13に送出する。同時に、短絡制御手段15は、上記選択指令SまたはSにより短絡させるアームに応じて、上アームまたは下アームに対する短絡制御を開始する旨の短絡制御指令Sを生成し、各相の出力過電流検出手段16,16,16に送出する。
出力過電流検出手段16,16,16の構成は、U,V,W相の何れも同一であるため、ここでは、U相の出力過電流検出手段16について説明する。
出力過電流検出手段16は、短絡制御指令Sが入力される閾値変更手段161と、その出力によって直流電圧、すなわち過電流閾値が変化する可変電源162と、可変電源162による正の過電流閾値の極性を反転させて負の過電流閾値を得る極性反転手段163と、可変電源162による正の過電流閾値が正入力端子に印加され、U相出力電流iに相当する電圧が負入力端子に印加される第1の比較手段164と、極性反転手段163から出力される負の過電流閾値が負入力端子に印加され、U相出力電流iに相当する電圧が正入力端子に印加される第2の比較手段165と、を備えている。そして、第1,第2の比較手段164,165の出力信号の論理和がU相遮断指令Suoffとして駆動信号制御手段13に送出される。
他のV相,W相の出力過電流検出手段16,16においては、第1,第2の比較手段164,165への入力信号がV相,W相出力電流i,iに相当する電圧にそれぞれ変わるだけであり、U相の出力過電流検出手段16と構成、機能は同一である。これらのV相,W相の出力過電流検出手段16,16によって生成されるV相遮断指令Svoff,W相遮断指令Swoffも、駆動信号制御手段13に送出される。
なお、U相遮断指令Suoff,V相遮断指令Svoff,W相遮断指令Swoffは、例えば「Low」レベルであるときに、対応する相の上アームまたは下アームのスイッチング素子をオフさせるものとする。
駆動信号制御手段13は、インバータINVに故障が発生していない通常時には、PWM生成手段12からのPWM信号に従ってスイッチング素子Q〜Qの駆動信号を生成する。そして、通常時においてインバータINVの出力電流が過電流閾値を超えた場合には、出力過電流検出手段16,16,16から出力される遮断指令Suoff,Svoff,Swoffに従って全相の上下アームのスイッチング素子Q〜Qをオフさせ、インバータINVに故障が発生した場合には、上アーム選択指令Sまたは下アーム選択指令Sにより選択された一方のアームの全相のスイッチング素子をオンさせて電動機巻線の短絡制御を行うように動作する。
上記の構成において、主として出力過電流検出手段16,16,16、駆動信号制御手段13は、請求項における第1の保護手段を構成し、故障検出手段14、短絡制御手段15、駆動信号制御手段13は、同じく第2の保護手段を構成している。
次に、出力過電流検出手段16,16,16の動作を、実施例1〜実施例3として図2〜図4を参照しつつ詳細に説明する。
図2は、実施例1におけるインバータINVの出力電流及び平滑コンデンサCの電圧を示す波形図である。
前述したように、インバータINVの故障検出に伴い時刻tでリレーを開放し、直後の時刻tで、例えば上アーム選択指令Sに基づき全相の上アームのスイッチング素子Q,Q,Qをオンさせて電動機巻線の短絡制御を開始すると、図2の上段に示すようにインバータINVの出力電流i,i,iは過大になる。
この時、図1における出力過電流検出手段16,16,16の閾値変更手段161には、短絡制御手段15からの短絡制御指令Sが入力されている。これにより、各相の閾値変更手段161は、可変電源162を操作して通常時の正側過電流閾値(正側の通常時閾値)TH をそれよりも大きい正側過電流閾値(正側の短絡制御時閾値)TH に変更すると共に、極性反転手段163を介して、通常時の負側過電流閾値(負側の通常時閾値)TH をTH の極性反転信号である負側過電流閾値TH (負側の短絡制御時閾値)に変更する。
ここで、正側,負側の短絡制御時閾値TH ,TH の大きさを、図2に破線で囲んだ部分Pに示す短絡電流の最大値よりも大きい値に設定することにより、出力過電流検出手段16,16,16の比較手段164,165の出力の論理和、言い換えれば各相の遮断指令Suoff,Svoff,Swoffは「High」レベルとなる。
従って、スイッチング素子Q〜Qが強制的にオフされることはなく、例えば全相の上アームのスイッチング素子Q,Q,Qをオンさせた状態の短絡制御はそのまま維持されることになる。なお、図示するように、平滑コンデンサCの電圧は時刻t〜tの期間に若干増加するが、時刻t以後は徐々に低下していき、インバータINVの直流回路に設定される過電圧閾値を超える恐れはない。
なお、正側,負側の短絡制御時閾値TH ,TH の大きさを決定するために考慮する短絡電流の最大値は、短絡直前の電動機1の速度(角速度)言い換えれば電動機1の端子電圧(誘起電圧)、過渡電流及び過渡時定数によって決まり、過渡電流及び過渡時定数は電動機1の初期過渡リアクタンスや過渡リアクタンス等によって決まることが知られている(例えば、加賀貞広,鈴木正材,「同期機」,p.99〜p.105,東京電機大学出版局,昭和42年12月20日,初版発行、あるいは、「電気機器工学II(電気学会大学講座)」,p.59〜p.63,社団法人電気学会,昭和53年2月20日,第21版発行)。なお、短絡の種類(三相短絡、線間短絡、一相/中性点短絡)に応じて流れる短絡電流の大きさは異なるが、この実施例における短絡制御は三相短絡によるものと考えて良い。
従って、電動機1の短絡電流の最大値は、電動機1の速度検出値(速度推定値または速度指令値)、過渡リアクタンス等に基づいて算出可能であるから、閾値変更手段161は、これらに基づいて算出した短絡電流の最大値よりも大きい値を正側,負側の短絡制御時閾値TH ,TH に設定すれば良い。
なお、短絡制御によりオンされるスイッチング素子には一時的に過大な短絡電流が流れることになるが、各スイッチング素子には上記短絡電流に対する過電流耐性を有するものを選定することは言うまでもない。
以上のように、この実施例1によれば、インバータINVの故障時に過電流保護のための通常時閾値を短絡制御時閾値に変更することによって短絡制御が支障なく行われるようにしているため、平滑コンデンサCの電圧が上昇するのを防いで適切な過電圧保護を行うことができる。
次に、図3は、実施例2におけるインバータINVの出力電流及び平滑コンデンサCの電圧を示す波形図である。
実施例2では、閾値変更手段161、可変電源162及び極性反転手段163の動作により、時刻t以後は、実施例1と同様に正側,負側の通常時閾値TH ,TH を正側,負側の短絡制御時閾値TH ,TH にそれぞれ変更し、短絡電流が過大である期間Δtの経過後に、通常時閾値TH ,TH に復帰させる処理を行う。
上記の期間Δtは、短絡電流が十分に減衰する時間とするために、例えば、電動機1の短絡時過渡時定数の3倍程度の時間とし、閾値変更手段161にタイマ機能を持たせて期間Δtを設定すれば良い。
実施例2によれば、期間Δtでは、実施例1と同様に短絡制御により平滑コンデンサCの電圧上昇を抑制して過電圧保護を行い、また、期間Δtの経過後は、通常時閾値TH ,TH を用いた過電流保護を行うことができる。
更に、実施例1または実施例2において、インバータINVの出力電流が短絡制御時閾値TH ,TH を超えるような場合には、通常の過電流保護動作では対応できないことを示す保護動作異常信号を出力させても良い。
このような事態が発生した時は、例えば一方のアームのスイッチング素子のオン・オフ制御が不能になっている可能性があり、その場合には、上記の保護動作異常信号を用いて、他方のアームの全相のスイッチング素子をオンさせることにより短絡制御を行っても良い。つまり、保護動作異常信号から一方のアームのスイッチング素子の故障を検出した時に、図1の短絡制御手段15がアーム選択指令SまたはSを切り替え、他方のアームの全相のスイッチング素子をオンさせて短絡制御を行うことができる。
次いで、図4は、実施例3におけるインバータINVの出力電流及び平滑コンデンサCの電圧を示す波形図である。
実施例3では、閾値変更手段161が、時刻t以後も正側,負側の通常時閾値TH ,TH を維持する(閾値変更機能を働かせずに閾値を固定する)一方で、出力過電流検出手段16,16,16が、時刻tから時刻tまでの期間Δtにわたって過電流検出機能(過電流保護機能)をマスクして無効とする。具体的には、期間Δtにわたり比較手段164,165の動作を停止するものである。
上記のマスク期間Δtは、少なくとも図4に破線で囲んだ部分Pを含み、過大な短絡電流が正側過電流閾値TH または負側過電流閾値TH を超える可能性のある期間である。このマスク期間Δtについても、電動機1の短絡時過渡時定数に基づいて設定することができ、実施例3における期間Δtと等しくしても良い。
図4に示すように、上アーム選択指令Sまたは下アーム選択指令Sは、時刻t以前はオフであり、時刻t以後はオンとなる。また、各相の遮断指令Suoff,Svoff,Swoffは、マスク期間Δtを含んでその前後にわたり、オフ(「High」レベル)となっている。
この実施例3によれば、過電流閾値を固定しておくことができるため、出力過電流検出手段16,16,16の構成を簡略化することができる。
次に、図5は本発明の他の実施形態に係る駆動装置の構成図である。
この実施形態では、図1の構成に、インバータINVの直流回路の過電圧検出・保護機能が追加されている。
図5において、主回路の平滑コンデンサCの両端には電圧検出器17が接続されている。この電圧検出器17による直流電圧検出値Vdcは過電圧検出手段18に入力され、その出力信号は短絡制御手段15に入力されている。また、出力過電流検出手段16,16,16から出力される全相の遮断指令Suoff,Svoff,SwoffがANDゲート19に入力され、その出力信号が短絡制御手段15に入力されている。
ここで、過電圧検出手段18は、直流電圧検出値Vdcが図2〜図4に示す過電圧閾値を超えた時に過電圧検出信号を出力する機能を有し、請求項5における保護動作異常信号(過電圧に関する保護動作異常信号)を出力する手段に相当する。また、ANDゲート19は、インバータINVの全ゲートオフを検出することにより、請求項4における保護動作異常信号(過電流に関する保護動作異常信号)を出力する手段に相当する。
この実施形態においては、インバータINVの故障検出時に短絡制御を行っても平滑コンデンサCの電圧が低下しないような異常時に、短絡制御手段15を介してアーム選択指令SまたはSを切り替えて短絡制御を再度行わせる動作が可能である。また、全ゲートオフ時には、ANDゲート19の出力信号を用いて短絡制御を停止させる動作を行うことができる。
本発明は、車両用電動機や産業機械用電動機等をインバータにより駆動する駆動装置であって、インバータの過電流保護機能、及び、電動機の巻線短絡による過電圧保護機能を備えた各種の電動機駆動装置として利用することができる。
INV:インバータ
E:直流電源
C:平滑コンデンサ
Ry,Ry:リレー
,F:リレー開放信号
,Q,Q,Q,Q,Q:半導体スイッチング素子
1:電動機
,2,2:電流検出器
,3:リレー状態検出器
11:電動機制御手段
12:PWM生成手段
13:駆動信号制御手段
14:故障検出手段
15:短絡制御手段
16,16,16:出力過電流検出手段
161:閾値変更手段
162:可変電源
163:極性反転手段
164,165:比較手段
17:電圧検出器
18:過電圧検出手段
19:ANDゲート

Claims (9)

  1. インバータにより電動機を駆動する電動機駆動装置であって、
    前記インバータの出力電流が過電流閾値を超えたことを出力過電流検出手段により検出して前記インバータの過電流保護動作を行う第1の保護手段と、前記インバータの故障時に全相の上アームまたは下アームの半導体スイッチング素子をオンさせて前記電動機の巻線を短絡することにより前記インバータの過電圧保護動作を行う第2の保護手段と、を有する電動機駆動装置において、
    前記インバータの故障検出時に、前記電動機の巻線を短絡させるためのアーム選択指令及び短絡制御指令を出力する短絡制御手段と、
    前記短絡制御指令が出力された直後に、前記過電流閾値としての通常時閾値を当該過電流閾値より大きい短絡制御時閾値に変更する閾値変更手段と、を備え、
    前記出力過電流検出手段は、
    前記短絡制御指令の有無に応じて、前記短絡制御時閾値または前記通常時閾値を前記インバータの出力電流と比較することを特徴とする電動機駆動装置。
  2. 請求項1に記載した電動機駆動装置において、
    前記閾値変更手段は、前記短絡制御指令が出力された直後に、前記通常時閾値を一定期間にわたり前記短絡制御時閾値に変更し、前記一定期間の経過後に前記通常時閾値に復帰させることを特徴とする電動機駆動装置。
  3. インバータにより電動機を駆動する電動機駆動装置であって、
    前記インバータの出力電流が過電流閾値を超えたことを出力過電流検出手段により検出して前記インバータの過電流保護動作を行う第1の保護手段と、前記インバータの故障時に全相の上アームまたは下アームの半導体スイッチング素子をオンさせて前記電動機の巻線を短絡することにより前記インバータの過電圧保護動作を行う第2の保護手段と、を有する電動機駆動装置において、
    前記インバータの故障検出時に、前記電動機の巻線を短絡させるためのアーム選択指令及び短絡制御指令を出力する短絡制御手段と、
    前記短絡制御指令により前記第2の保護手段が動作している間に、前記第1の保護手段の動作を一定期間、無効にする手段と、
    を備えたことを特徴とする電動機駆動装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載した電動機駆動装置において、
    前記インバータの出力電流が前記短絡制御時閾値を超えた時に保護動作異常信号を出力する手段を備えたことを特徴とする電動機駆動装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載した電動機駆動装置において、
    前記インバータの直流電圧が過電圧閾値を超えた時に保護動作異常信号を出力する手段を備えたことを特徴とする電動機駆動装置。
  6. 請求項1,請求項2または請求項4に記載した電動機駆動装置において、
    前記短絡制御時閾値を、少なくとも、前記第2の保護手段による短絡制御の開始時における前記電動機の端子電圧及び過渡リアクタンスに基づいて設定することを特徴とする電動機駆動装置。
  7. 請求項2または請求項4に記載した電動機駆動装置において、
    前記閾値変更手段により変更される短絡制御時閾値の有効期間を、少なくとも前記電動機の短絡過渡時定数に基づいて設定することを特徴とする電動機駆動装置。
  8. 請求項3に記載した電動機駆動装置において、
    前記第1の保護手段の動作を無効にする一定期間を、少なくとも前記電動機の短絡過渡時定数に基づいて設定することを特徴とする電動機駆動装置。
  9. 請求項4または請求項5に記載した電動機駆動装置において、
    前記保護動作異常信号に基づいて、前記第2の保護手段によりオンさせる全相の半導体スイッチング素子が属するアームを切り替えることを特徴とする電動機駆動装置。
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