JP6452113B2 - 交流電機システム及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、交流電動機や交流発電機、交流電源等の交流電機と、この交流電機との間で電力を授受する電力変換器と、を備えた交流電機システム及びその制御方法に関する。更に詳しくは、本発明は、電力変換器の運転停止時に、交流電機から電力変換器側に電磁エネルギーが流入するのを防止または抑制して過電圧や過電流の発生を防止するようにした交流電機システム及びその制御方法に関するものである。
図3は、交流電機システムの一例を示す概念図であり、10は、インバータやコンバータのように交流電力を制御可能な電力変換器、20は、交流電動機や交流発電機、交流電源等の交流電機である。この交流電機システムでは、電力変換器10による電力変換動作、及び、交流電機20による電動機動作、発電機動作等により、電力変換器10と交流電機20との間で交流電力を授受している。
上記構成において、交流電機20にはリアクタンス成分が存在し、電力変換器10と交流電機20との間のケーブルにもリアクタンス成分が存在する。また、ケーブルの途中に接続された部品としてのリアクトルやフィルタにもリアクタンス成分が存在する。図3において、30は、交流電機20を除いた上記ケーブルやリアクトル、フィルタ等によるリアクタンス成分を示す。
次に、図4は、図3の具体例を示す構成図である。
図4において、11は三相の電力変換器としてのフルブリッジ型の電圧形インバータ、111〜116はインバータ11を構成する半導体スイッチング素子、21は交流電機としての交流電動機、40は電源(直流電源)、50はインバータ11の直流電圧部に接続されたコンデンサである。
この交流電機システムにおいては、インバータ11のスイッチング素子111〜116をオン・オフして交流電動機21に供給する三相(U,V,W相)の交流電力を制御することにより、交流電動機21の発生トルクや回転速度を調整することができる。
上述した交流電機システムでは、インバータ11の運転停止時、すなわち、インバータ11の全てのスイッチング素子111〜116をオフした際に、交流電動機21のリアクタンス成分の電磁エネルギーがインバータ11に流入することにより、次のような問題が生じる。
まず、交流電動機21側からインバータ11内の還流ダイオードを介して電磁エネルギーが流入することにより、直流電圧部のコンデンサ50の電圧が上昇し、その電圧がコンデンサ50やスイッチング素子111〜116の耐圧を超えると、これらの部品が破損する。この問題を回避するには、コンデンサ50の静電容量を増大させる、コンデンサ50やスイッチング素子111〜116の耐圧を高める、等の対策が有効であるが、何れもコスト、体積、発生損失の増大等を伴う。
これに対し、コンデンサ50と並列に半導体スイッチング素子と抵抗との直列接続回路(ダイナミックブレーキ回路)を付加し、コンデンサ50に印加される電圧が過大になった場合にダイナミックブレーキ回路を動作させてコンデンサ50の電圧上昇を抑える方法がある。しかし、この方法も、ダイナミックブレーキ回路を付加することによるコストや体積の増大が避けられない。特に、電流通流時にインバータ11の運転を停止するのは非常時のみという場合が多く、そのためだけにダイナミックブレーキ回路を設けることは著しく不経済である。
次に、交流電動機21が、例えば永久磁石型同期電動機(Permanent Magnet Synchronous Motor:PMSM、以下、PMモータともいう)である場合、電動機の高速回転時には無負荷誘起電圧(誘導起電力)が直流電圧部の電圧よりも高くなることがあり、その場合にはインバータ11の停止後も直流電圧部に電流が流れ続ける。特に、直流電圧部に電源40としてバッテリーが接続されている場合には、直流電圧部に流入する電流が過大になるとバッテリーが破損することがある。
この場合、直流電圧部への流入電流が過大になる状態から脱するために、図5に示すごとく、バッテリー41とコンデンサ50との間に直流スイッチ42を設け、この直流スイッチ42を遮断することが考えられる。しかし、直流スイッチ42を遮断したとしても、交流電動機21としてのPMモータに電流が流れているときには、やはりリアクタンス成分30の有する電磁エネルギーがコンデンサ50に流入する結果、コンデンサ50に過電圧が印加されることになる。
また、交流電機システムとしては、図4,図5に示したインバータ11以外にも、例えばマトリクスコンバータのように、電流を双方向に通流、遮断可能な複数の半導体スイッチング素子からなる電力変換器10が交流電機20に接続される場合がある。このマトリクスコンバータにおいて、スイッチング素子をオフさせて何れの方向にも電流が流れ得ない状態にすると、リアクタンス成分の有する電磁エネルギーが行き場を失う結果、過大な電圧がスイッチング素子に瞬時に印加され、スイッチング素子を破損するおそれがある。
更に、図5の構成においては、インバータ11の運転停止後に、インバータ11側から電源40に電流を流し込めない場合に問題が生じる。例えば、インバータ11の運転停止と同時に直流スイッチ42がオフされると、交流電動機21からの回生電力による電流を、インバータ11の還流ダイオードを介してバッテリー41に流し込むことができなくなり、結果としてコンデンサ50に過電圧が印加される。
上記の問題を解決する方法として、下記の従来技術が公知になっている。
例えば、特許文献1に記載された従来技術では、回路の主スイッチ(図5の直流スイッチ42に相当)が何らかの理由で開放されたとき、インバータの上アームまたは下アームのスイッチング素子を全てオン状態として交流電動機の固定子巻線を短絡させている。これにより、交流電動機の電磁エネルギーをインバータとの間で還流させてコンデンサ側への流入を回避し、コンデンサに過電圧が印加されるのを防止することができる。
しかし、特許文献1の従来技術では、交流電動機の固定子巻線を短絡させることによって過大な電流が持続して流れるので、交流電動機の過熱や永久磁石の減磁を生じ得る。また、固定子巻線の短絡により流れる過大な電流の減衰を、もっぱら交流電動機の減速動作に依存しているため、通常、過大な短絡電流が減衰するまでに相当な時間を必要とする。
そこで、非特許文献1に開示された従来技術では、回路の主スイッチが開放された時に、インバータの上アームまたは下アームのスイッチング素子を全てオン状態として交流電動機の固定子巻線を短絡させた後、電流がゼロになった相から順次、スイッチング素子をオフしている。これにより、交流電動機が減速する以前に電動機からインバータへ電磁エネルギーが流入するのを遮断し、過大な短絡電流が流れる時間を短くしている。
しかし、特許文献1や非特許文献1に開示された従来技術では、交流電動機の固定子巻線を短絡することにより、交流電動機に過大な電流が持続して流れるという問題がある。
また、非特許文献1に記載された方法によって短絡電流を短時間のうちに減衰させることができたとしても、短絡電流のピーク(過渡的な最大電流)を抑制する効果は得られず、スイッチング素子の破壊や電動機の過熱、PMモータの場合の永久磁石の減磁等を生じ得る。
これに対し、特許文献2には、電力変換器と交流電機との間で授受される有効電力を予めゼロ近傍に制御した後に交流電機の各端子を短絡することにより、短絡後にスイッチング素子及び交流電機に流れる電流が過大になるのを防止するようにした制御方法が開示されている。
この制御方法では、図6(a),(b)に示すように、コンデンサ50に蓄積されたエネルギーを放電する制御とコンデンサ50にエネルギーを充電する制御とを繰り返すことでコンデンサ50の直流電圧を一定値に制御し、インバータ11と交流電動機21との間で授受される有効電力がゼロ近傍となる状態を生成する。
例えば、交流電動機21がPMモータである場合、PMモータに供給される有効電力Pは数式1により表されると共に、数式1におけるトルクTは数式2により表わすことができる。
[数式1]
P=ωT
ω:機械角速度
[数式2]
T=P{Ψ+(L−L)I}I
:極対数、Ψ:永久磁石磁束
:d軸インダクタンス、L:q軸インダクタンス
:d軸電流、I:q軸電流
数式1,数式2によれば、有効電力Pをゼロ近傍に制御するためには、トルクTまたはq軸電流Iがゼロとなるように、所定期間に行う放電制御と充電制御との比率を制御すればよい。これにより、交流電動機21からインバータ11への回生エネルギーをゼロ近傍の状態に制御することができるので、直流電圧部へのエネルギーの流入を防止または抑制することができる。
更に、この従来技術では、有効電力Pがゼロ近傍になった後に、交流電動機21の電気端子を短絡させる制御に移行する。
この従来技術の一連の動作を、図7のフローチャートに従って説明する。なお、以下の説明において、変換器動作期間とはインバータ11と交流電動機21との間で電力を授受している期間、変換器停止期間とはインバータ11の全相をゲートオフして運転を停止する期間、変換器移行期間とは変換器動作期間から変換器停止期間に至るまでの期間をいう。
図7の変換器動作期間T0では、インバータ11に対する運転指令に従って交流電動機21を運転するために所定のゲートパルスを出力している。この変換器動作期間T0から、変換器停止期間に向けた変換器移行期間に入ったら、第一制御期間T1において、まず、インバータ11と交流電動機21との間で授受される有効電力がゼロであるか否かを、q軸電流I(またはトルク)を演算して判断する(ステップS11)。
有効電力がゼロでない場合(ステップS11No)、インバータ11によりコンデンサ50に対する充電制御または放電制御を行って有効電力をゼロに制御する。すなわち、コンデンサ50の直流電圧が上限設定値を超えた場合は放電モードに設定し(ステップS12Yes,S13)、直流電圧が下限設定値を下回った場合は充電モードに設定する(ステップS12No,S14Yes,S15)。
次に、放電モードか充電モードかに応じてインバータ11のスイッチングパターンを生成する(ステップS16)。具体的には、例えば各相電流の極性の組み合わせに基づいてスイッチングパターンを決定する。その後、このスイッチングパターンに従って各スイッチング素子に対するゲート信号を出力する(ステップS17)。この制御を繰り返し行うことにより、インバータ11と交流電動機21との間で授受される有効電力を実質的にゼロ近傍に制御する。
次に、有効電力をゼロに制御した後に(ステップS11Yes)、第二制御期間T2に移行する。第二制御期間T2では、交流電動機21の各電気端子を短絡するようにインバータ11のスイッチングパターンを制御し、交流電動機21から直流電圧部にエネルギーが流入しないようにする。その後、相電流のゼロクロスが検出された相から、スイッチング素子を順次、オフさせる(ステップS21〜S26)。
上記の動作を全相のスイッチング素子がオフするまで繰り返し実行し(ステップS27〜S29)、全相のスイッチング素子がオフしたらインバータ11の運転を停止して終了する(ステップS30)。
上記のように、特許文献2に記載された従来技術では、インバータ11と交流電動機21との間で授受される有効電力を予めゼロ近傍にした状態で交流電動機21の各電気端子を短絡するため、短絡後に流れる電流を抑制できると共に、交流電動機21からインバータ11へのエネルギーの流入を防止することができる。
特開平9−47055号公報(段落[0024]〜[0034]、図1、図2等) 特開2014−155393号公報(段落[0057]〜[0060]、図8等)
青木 渉,中島 雄希,伊東 淳一,鳥羽 章夫,「インバータ緊急停止時における直流コンデンサの電圧上昇抑制法」(平成24年度電気関係学会北陸支部連合大会,A−72),平成24年9月2日
特許文献2に係る従来技術では、第一制御期間T1において、q軸電流I(またはトルク)の演算により有効電力がゼロであることを確認する必要がある(ステップS11)。
しかし、例えばq軸電流Iがゼロであることを演算するにはマイクロコンピュータに実装されたソフトウェアが必要であり、演算能力に優れた高価なハードウェアやソフトウェアを用いることが要求される。この場合、仮にマイクロコンピュータが故障してしまうと、過電圧や過電流の発生を防止することを目的とした交流電機システムの実現が困難になり、十分な安全性を確保することができなくなる。
そこで、本発明の解決課題は、変換器移行期間において有効電力ゼロを判定するためのソフトウェアによる煩雑な演算処理を不要とし、低コストにて安全性の向上を可能にした交流電機システム及びその制御方法を提供することにある。
更に、本発明の他の解決課題は、システムの故障に対する冗長性を持たせて安全性を一層高めることができる交流電機システム及びその制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る交流電機システムは、交流電機と、前記交流電機の複数の電気端子に接続され、前記交流電機との間で電力を授受する電力変換器と、前記電力変換器を構成する半導体スイッチング素子を制御する制御装置と、前記電力変換器の直流入力端子に接続されたコンデンサと、を有する交流電機システムにおいて、
前記電力変換器と前記交流電機との間で電力を授受している変換器動作期間から電力の授受を行わない変換器停止期間へ移行するための変換器移行期間が、第一制御期間及び第二制御期間からなり、
前記制御装置は、
前記第一制御期間において、
前記半導体スイッチング素子の制御により、前記コンデンサを放電させる放電制御と前記コンデンサを充電する充電制御とを繰り返し行う第1の手段と、前記電力変換器の各相出力電流の絶対値の最大相を判定し、前記最大相の出力電流絶対値がピーク値に到達したことから前記電力変換器と前記交流電機との間で授受される有効電力がゼロ近傍になったことを判定する第2の手段と、を備え、かつ、
前記第2の手段による判定後に移行する前記第二制御期間において、
前記半導体スイッチング素子の制御により、前記交流電機の各電気端子を短絡状態にする短絡制御を行う第3の手段と、前記交流電機の各電気端子を流れる電流がゼロ近傍となった時点で当該電気端子を開放し、または、前記電力変換器の内部の整流素子を介して当該電気端子を導通可能な状態にする制御を、全ての前記電気端子について行う第4の手段と、を備えたものである。
請求項2に係る交流電機システムは、請求項1に記載した交流電機システムにおいて、少なくとも前記第2の手段を、アナログ演算回路及びディジタル演算回路により構成されるハードウェアによって実現したものである。
請求項3に係る交流電機システムの制御方法は、交流電機と、前記交流電機の複数の電気端子に接続され、前記交流電機との間で電力を授受する電力変換器と、前記電力変換器を構成する半導体スイッチング素子を制御する制御装置と、前記電力変換器の直流入力端子に接続されたコンデンサと、を有する交流電機システムの制御方法において、
前記電力変換器と前記交流電機との間で電力を授受している変換器動作期間から電力の授受を行わない変換器停止期間へ移行するための変換器移行期間が、第一制御期間及び第二制御期間からなり、
前記第一制御期間では、前記半導体スイッチング素子の制御により、前記コンデンサを放電させる放電制御と前記コンデンサを充電する充電制御とを繰り返し行い、前記電力変換器の各相出力電流の絶対値を演算して前記絶対値の最大相を検出し、前記最大相の出力電流絶対値がピーク値に到達したことにより前記電力変換器と前記交流電機との間で授受される有効電力がゼロ近傍になったことを判定して前記第二制御期間に移行し、
前記第二制御期間では、前記半導体スイッチング素子の制御により、前記交流電機の各電気端子を短絡状態にする短絡制御を行い、前記交流電機の各電気端子を流れる電流がゼロ近傍となった時点で当該電気端子を開放し、または、前記電力変換器の内部の整流素子を介して当該電気端子を導通可能な状態にする制御を、全ての前記電気端子について行うものである。
請求項4に係る交流電機システムの制御方法は、請求項3に記載した交流電機システムの制御方法において、
前記第一制御期間では、アナログ演算回路及びディジタル演算回路により構成されるハードウェアを用いて、前記最大相の出力電流絶対値がピーク値に到達したことを検出して前記有効電力がゼロ近傍になったことを判定する処理と、マイクロコンピュータ及びソフトウェアを用いた演算により、前記電力変換器と前記交流電機との間で授受される有効電力がゼロ近傍になったことを判定する処理と、を選択可能にしたものである。
本発明では、第一制御期間においてコンデンサの充放電制御を行いつつ、簡易なハードウェアを用いて電力変換器と交流電機との間で授受される有効電力がゼロ近傍であることを判定した後に、第二制御期間による短絡制御等に移行するものである。
このため、電磁エネルギーによる過電圧、過電流の発生を防止するために、従来技術のごとくマイクロコンピュータ及びソフトウェアによりq軸電流等を演算して有効電力がゼロ近傍であることを判定する必要がなく、低コストで安全性の高い交流電機システムを実現することができる。
また、有効電力がゼロ近傍であることを判定する場合に、本発明と特許文献2による処理とを選択可能にすれば、装置の異常や故障に対する冗長性を高めて交流電機システムの安全性を一層向上させることができる。
本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の動作を示す波形図である。 交流電機システムの一例を示す概念図である。 図3の具体例を示す構成図である。 図4の具体例を示す構成図である。 図5のコンデンサに対する充放電制御の説明図である。 従来技術の動作を示すフローチャートである。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、例えば図4,図5に示した三相の交流電機システムに適用されるものであるが、交流電機システムの相数が三相を超える場合にも適用可能である。また、以下では、交流電機20がPMモータ等の交流電動機21であるものとして説明するが、本発明は交流電機20が交流発電機や交流電源等である場合にも適用可能である。
本実施形態においても、変換器移行期間において、図6(a),(b)により説明したように、コンデンサ50に対する放電制御と充電制御とを繰り返し行ってインバータ11と交流電動機21との間で授受される有効電力がゼロ近傍となる状態を生成し、その後に交流電動機21の電気端子を短絡する処理を実行する。
ここで、本実施形態が図7の従来技術と相違するのは、有効電力がゼロであることをソフトウェアによる演算を行って判定するのではなく、コンデンサ50の充放電制御を行いながら各相出力電流の絶対値に基づいて有効電力がゼロ近傍であることを推定する点にある。
図1は、この実施形態の動作を示すフローチャートであり、図2は動作波形図である。
なお、図2(a)はインバータ11の各相の出力電流i,i,i、図2(b)は上記電流をd−q軸座標系に回転座標変換したd軸電流i及びq軸電流i、図2(c)はコンデンサ50の直流電圧Edcを示している。また、「運転指令あり」から「運転指令なし」への移行時(変換器動作期間T0から第1制御期間T1への移行時)は、図6に示した直流スイッチ42がオンからオフに移行する時点である。
以下、図1,図2を参照しつつ本実施形態の動作を説明する。
図1において、インバータ11に対する運転指令に従って交流電動機21を運転している変換器動作期間T0から、変換器停止期間に向けた変換器移行期間に入ったら、第一制御期間T1において、まず、インバータ11の各相出力電流の絶対値を演算する(図1のステップS01)。次に、演算した各相の出力電流絶対値から、何れの相の出力電流絶対値が最大であるかを判定する(ステップS02)。例えば、図2の波形の例では、出力電流i,i,iの各絶対値iuabs,ivabs,iwabsのうち、ivabsが最大であるため、V相が最大相と判定される。
次に、最大相である相の出力電流絶対値は時間の経過と共に増加するが、この最大相の出力電流絶対値がピーク値に到達したか否かを判定する(ステップS03)。図2の例では、出力電流絶対値の最大相であるV相の電流絶対値ivabsが時間の経過と共に増加していくので、このivabsがピーク値に到達したかを否かをステップS03により判定する。このことの物理的な意味は、図2の波形に示すように、ivabsがピーク値に到達した時にq軸電流iがゼロ、すなわち有効電力がゼロになっているため、ivabsのピーク値への到達をもって、有効電力がゼロになったことを間接的に判定可能であるということである。
ここで、第一制御期間T1における各相出力電流の絶対値の算出や、絶対値同士の比較による最大相の判定、及びピーク値への到達の判定は、周知のアナログ演算回路及びディジタル演算回路からなるハードウェアによって実現可能であり、高価なマイクロコンピュータ及びこれに実装されるソフトウェアを用いる必要はない。
最大相の電流絶対値がピーク値に到達していない場合(ステップS03No)、コンデンサ50に対する充電制御または放電制御を行うことにより、実質的に、インバータ11と交流電動機21との間で授受される有効電力をゼロの状態に制御する。具体的には、特許文献2に記載された従来技術と同様に、コンデンサ50の直流電圧Edcが所定の上限設定値を超えた場合に放電モードに設定し(ステップS12Yes,S13)、直流電圧Edcが所定の下限設定値を下回った場合に充電モードに設定する(ステップS12No,S14Yes,S15)。
次に、設定モードが放電モードか充電モードかに応じて、インバータ11のスイッチングパターンを生成する(ステップS16)。具体的には、特許文献2と同様に、各相電流の極性の組み合わせに基づいてスイッチングパターンを決定する。その後、このスイッチングパターンに従って各スイッチング素子に対するゲート信号を出力する(ステップS17)。
上記の制御、すなわちステップS01〜S03,S12〜S17を繰り返し行うことにより、q軸電流i=0等の演算を行わなくても、インバータ11と交流電動機21との間で授受される有効電力を実質的にゼロ近傍に制御することができる。
このときの動作を、図2の波形図を用いて説明すると、第一制御期間T1において、コンデンサ50の充放電制御を繰り返すことで、コンデンサ50の直流電圧Edcをほぼ400[V]付近の一定値に維持しながら、q軸電流iがゼロ、すなわち有効電力がゼロ近傍となるように制御が行われる。
更にこの実施形態では、最大相の出力電流絶対値がピーク値に到達した後に(ステップS03Yes)、第二制御期間T2に移行する。第二制御期間T2の動作は、特許文献2に記載された従来技術と同様である。
すなわち、交流電動機21の各電気端子を短絡するようにインバータ11のスイッチングパターンを制御し、交流電動機21から直流電圧部にエネルギーが流入しないようにする。その後、相電流のゼロクロスが検出された相からスイッチング素子を順次、オフさせる(ステップS21〜S26)。
上記の動作を全相のスイッチング素子がオフするまで繰り返し実行し(ステップS27〜S29)、全相のスイッチング素子がオフしたらインバータ11の運転を停止して終了する(ステップS30)。
これにより、インバータ11と交流電動機21との間で授受される有効電力を予めゼロ近傍に制御した状態で交流電動機21の各電気端子を短絡するため、短絡後に流れる電流を抑制できると共に、交流電動機21からインバータ11へのエネルギーの流入を防止することができる。
なお、この実施形態の第一制御期間T1では、アナログ演算回路及びディジタル演算回路により構成されるハードウェアを用い、最大相の出力電流絶対値がピーク値に到達したことを検出して有効電力がゼロ近傍になったことを判定している。
一方、特許文献2に記載されているように、マイクロコンピュータ及びソフトウェアを用いた演算により、インバータ11と交流電動機21との間で授受される有効電力がゼロ近傍になったことを判定する判定手段を別個に設け、この判定手段による判定処理と、本実施形態による判定処理とを選択可能に構成しても良い。
これにより、有効電力がゼロ近傍になったことの判定手段を冗長化することができ、一方の判定手段を構成するハードウェア等に異常や故障が発生したときに他方の判定手段を利用するようにして、交流電機システムの安全性を一層向上させることができる。
本発明は、例えばインバータにより車両駆動用交流電動機を駆動する電気自動車用またはハイブリッド自動車用の電動機駆動システムを始めとして、電力変換器と交流電機との間で電力を授受する各種の交流電機システムに利用することができる。
10 電力変換器
11 インバータ
20 交流電機
21 交流電動機
30 リアクタンス成分
40 電源
41 バッテリー
42 直流スイッチ
50 コンデンサ
111〜116 半導体スイッチング素子

Claims (4)

  1. 交流電機と、前記交流電機の複数の電気端子に接続され、前記交流電機との間で電力を授受する電力変換器と、前記電力変換器を構成する半導体スイッチング素子を制御する制御装置と、前記電力変換器の直流入力端子に接続されたコンデンサと、を有する交流電機システムにおいて、
    前記電力変換器と前記交流電機との間で電力を授受している変換器動作期間から電力の授受を行わない変換器停止期間へ移行するための変換器移行期間が、第一制御期間及び第二制御期間からなり、
    前記制御装置は、
    前記第一制御期間において、
    前記半導体スイッチング素子の制御により、前記コンデンサを放電させる放電制御と前記コンデンサを充電する充電制御とを繰り返し行う第1の手段と、前記電力変換器の各相出力電流の絶対値の最大相を判定し、前記最大相の出力電流絶対値がピーク値に到達したことから前記電力変換器と前記交流電機との間で授受される有効電力がゼロ近傍になったことを判定する第2の手段と、を備え、かつ、
    前記第2の手段による判定後に移行する前記第二制御期間において、
    前記半導体スイッチング素子の制御により、前記交流電機の各電気端子を短絡状態にする短絡制御を行う第3の手段と、前記交流電機の各電気端子を流れる電流がゼロ近傍となった時点で当該電気端子を開放し、または、前記電力変換器の内部の整流素子を介して当該電気端子を導通可能な状態にする制御を、全ての前記電気端子について行う第4の手段と、を備えたことを特徴とする交流電機システム。
  2. 請求項1に記載した交流電機システムにおいて、
    少なくとも前記第2の手段を、アナログ演算回路及びディジタル演算回路により構成されるハードウェアによって実現したことを特徴とする交流電機システム。
  3. 交流電機と、前記交流電機の複数の電気端子に接続され、前記交流電機との間で電力を授受する電力変換器と、前記電力変換器を構成する半導体スイッチング素子を制御する制御装置と、前記電力変換器の直流入力端子に接続されたコンデンサと、を有する交流電機システムの制御方法において、
    前記電力変換器と前記交流電機との間で電力を授受している変換器動作期間から電力の授受を行わない変換器停止期間へ移行するための変換器移行期間が、第一制御期間及び第二制御期間からなり、
    前記第一制御期間では、前記半導体スイッチング素子の制御により、前記コンデンサを放電させる放電制御と前記コンデンサを充電する充電制御とを繰り返し行い、前記電力変換器の各相出力電流の絶対値を演算して前記絶対値の最大相を検出し、前記最大相の出力電流絶対値がピーク値に到達したことにより前記電力変換器と前記交流電機との間で授受される有効電力がゼロ近傍になったことを判定して前記第二制御期間に移行し、
    前記第二制御期間では、前記半導体スイッチング素子の制御により、前記交流電機の各電気端子を短絡状態にする短絡制御を行い、前記交流電機の各電気端子を流れる電流がゼロ近傍となった時点で当該電気端子を開放し、または、前記電力変換器の内部の整流素子を介して当該電気端子を導通可能な状態にする制御を、全ての前記電気端子について行うことを特徴とする交流電機システムの制御方法。
  4. 請求項3に記載した交流電機システムの制御方法において、
    前記第一制御期間では、
    アナログ演算回路及びディジタル演算回路により構成されるハードウェアを用いて、前記最大相の出力電流絶対値がピーク値に到達したことを検出して前記有効電力がゼロ近傍になったことを判定する処理と、マイクロコンピュータ及びソフトウェアを用いた演算により、前記電力変換器と前記交流電機との間で授受される有効電力がゼロ近傍になったことを判定する処理と、を選択可能にしたことを特徴とする交流電機システムの制御方法。
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