JP2017223344A - 油圧機器用油圧回路 - Google Patents

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俊希 宮島
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Abstract

【課題】プーリー機構用油圧回路において常時駆動ポンプの駆動動力を大幅に低減すると共に電動ポンプを駆動するモータを小型化する。
【解決手段】第1ポンプ10とDNプーリーPu2とを接続する第1ライン1の間に第1逆止弁41を設ける。DRプーリーPu1とDNプーリーPu2とを接続する第4ライン4の間にアンロードバルブ40及びDNレギュレータバルブ30を各々設ける。DNレギュレータバルブ30に第4ラインの開閉に係る第6ポートP5、第5ライン5の開閉に係る第2ポートP2、並びに第6ライン6の開閉に係る第4ポートP4を各々設ける。そして、第2ポンプ20とDNプーリーPu2を接続する第3ライン3の間にアンロードバルブ40を設ける。また、第2ポンプ20とアンロードバルブ40との間に第1リミットバルブ81と、第1ポンプ10とDNレギュレータバルブ30との間に第2リミットバルブ85を各々設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は油圧機器用油圧回路に関し、より詳細には一対で動作する油圧機器に対し第1ポンプによって機器の動作に最低限必要な第1油圧を供給しながら、第2ポンプによって機器の変速制御に必要な第2油圧を交互に供給する油圧機器用油圧回路に関するものである。
従来、第2プーリーに対しベルト容量保持に必要な油圧(セカンダリ圧)を供給する第1電動ポンプと、第1プーリーと第2プーリーとの間で変速に必要なオイルを交互に移動させる第2電動ポンプとを備え、これら2個の電動ポンプを用いて第1プーリーの駆動圧(プライマリ圧)と第2プーリーの駆動圧(セカンダリ圧)を、圧力制御弁・リニアソレノイド等を介さずに直接制御するように構成されたベルト式無段変速機(CVT)用油圧回路が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記CVT用油圧回路は、第1電動ポンプを駆動する第1モータを制御するための第1制御器と、第2電動ポンプを駆動する第2モータを制御するための第2制御器とを別個独立に備えている。第1制御器は、実セカンダリ圧を目標セカンダリ圧に一致させるフィードバック制御に、第2電動ポンプへの変速流量変化に対応させるフィードフォワード補償を加えながら第1モータを制御することとしている。一方、第2制御器は、第1プーリーの駆動圧が最低プライマリ圧を下回らないように第2電動ポンプの変速流量を制限しながら第2モータを制御することとしている。
特開2000−193075号公報
上記特許文献1に記載のCVT用油圧回路の場合、プーリーのベルト容量保持に必要な作動圧は第1電動ポンプによって供給されることとしている。
しかし、上記油圧回路の場合、プーリーにかける油圧エネルギーの全てを2個のモータ(第1及び第2モータ)から供給しているため、急停止又はキックダウンにおいて第2モータの駆動トルクは必然的に大きくなる。同様に、車両の全開発進や登り坂において第1モータの駆動トルクは必然的に大きくなる。
その結果、全ての走行状況においてプーリーに求められる油圧エネルギーの全てを第1及び第2モータから賄う場合、各モータのサイズ及び重量、ひいては油圧回路全体の寸法及び重量が大きくなるという問題がある。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、一対で動作する油圧機器に対し第1ポンプによって機器の動作に最低限必要な第1油圧を供給しながら、第2ポンプによって機器の変速制御に必要な第2油圧を交互に供給する油圧回路において、第1ポンプの駆動動力を大幅に低減すると共に第2ポンプを駆動するモータを小型化することが可能な油圧機器用油圧回路を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る油圧機器用油圧回路は、一対で動作する第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)と、前記第1及び第2油圧機器を駆動するために最低限必要となるベース油圧を供給する第1ポンプ(10)と、前記第1及び第2油圧機器の間でオイルを交互に移動させる第2ポンプ(20)と、前記第1ポンプ(10)と前記第2油圧機器(Pu2)を接続する第1ライン(1)と、前記第2ポンプ(20)と前記第1油圧機器(Pu1)を接続する第2ライン(2)と、前記第2ポンプ(20)と前記第2油圧機器(Pu2)を接続する第3ライン(3)と、前記第1油圧機器(Pu1)と前記第2油圧機器(Pu2)を接続する第4ライン(4)と、前記第1ライン(1)から分岐し、前記第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)より圧力が低い低圧回路(TC)に接続する第5ライン(5)と、フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによって前記第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)を該パイロット圧に対応する又は等しくなるように調圧する第1圧力調整弁(30)と、前記第1圧力調整弁(30)とリザーバ(80)を接続する第6ライン(6)と、を備えた油圧回路であって、前記第1ライン(1)は、前記前記第1ポンプ(10)の吐出圧(P10)が前記第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)より高い場合にオイルの流入を許可する第1逆止弁(41、41’)を有し、前記第1圧力調整弁(30)は、前記フィードバック圧として前記第2駆動圧(PDN)を取り込みながら前記第4ライン(4)、前記第5ライン(5)又は前記第6ライン(6)を開閉するように構成され、且つ前記第3ライン(3)は、前記第2ポンプ(20)の差圧(P20)の絶対値がマイナス方向において予め設定された第1制限値(PLIM1)を超えようとするときに、該第3ライン(3)を閉じる又はオイルを排出するように作動する第1リミットバルブ(81)をその途中に備えていることを特徴とする。
上記構成では、第1油圧機器(Pu1)の第1駆動圧(PDR)が第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)より高くなる場合であって、第5ライン(5)が第1圧力調整弁(30)によって開状態となる場合、第1ポンプ(10)が第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)より圧力が低い低圧回路(TC)に連通する。第1ポンプ(10)が低圧回路(TC)に連通することにより、第1逆止弁(41、41’)の上流側に低圧回路(TC)の圧力(PTC)が作用する。第1逆止弁(41、41’)の下流側は、第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)に調圧されるため、第1逆止弁(41、41’)は閉じ、オイルが第2油圧機器(Pu2)へ供給されなくなる。
つまり、第1油圧機器(Pu1)の第1駆動圧(PDR)が第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)より高くなる場合、第1圧力調整弁(30)が第5ライン(5)を開くバルブ位置(D)でバランスするように構成することにより、第1ポンプ(10)が第2油圧機器(Pu2)に供給されないようにすること(第1ポンプをアンロード状態にすること)が可能となる。
一方、第1油圧機器(Pu1)の第1駆動圧(PDR)が第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)より低い場合であって、第5ライン(5)が第1圧力調整弁(30)によって絞られる場合、第1ポンプ(10)の吐出圧(P10)が上昇する。これにより第1逆止弁(41、41’)の上流側の圧力(P10)が上昇することになる。その結果、第1逆止弁(41、41’)の上流側の圧力(P10)が第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)に超えるときに、第1逆止弁(41、41’)が開き、これによりオイルが第1ポンプ(10)から第2油圧機器(Pu2)へ供給されるようになる。
つまり、第1油圧機器(Pu1)の第1駆動圧(PDR)が第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)より低い場合、第1圧力調整弁(30)が第5ライン(5)を絞るバルブ位置(B)でバランスするように構成することにより、第1ポンプ(10)が第2油圧機器(Pu2)に供給されるようにすること(第1ポンプをオンロード状態にすること)が可能となる。
また、オイルが全体として第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)から流出している場合(QDR+QDN≦0)、第1圧力調整弁(30)においてフィードバック圧が上昇することになる。そのため、第1及び第2駆動圧(PDR、PDN)の大小関係に関わらず、第1ポンプ(10)をアンロード状態にすることが可能となる。この場合、第1圧力調整弁(30)が第6ライン(6)を開状態とすることにより、余剰圧力に係るオイルを第6ライン(6)を経由して排出し、第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)をパイロット圧に等しくなるように調圧することになる。
以上の通り、上記構成によれば、第1油圧機器(Pu1)の第1駆動圧(PDR)が第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)より高くなる場合、或いはオイルが全体として第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)から流出している場合(QDR+QDN≦0)、第1ポンプ(10)をアンロードすることが可能となる。
また、第3ライン(3)は上記特性の第1リミットバルブ(81)を備えている。そのため、オイルが全体として第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)に供給されている場合(QDR+QDN>0)であって第2ポンプ差圧(P20=PDR−PA)の絶対値が差圧マイナス方向において第1制限値(PLIM1)を超えようとする場合、第1リミットバルブ(81)は第3ライン(3)を絞りながら閉じることにより、第2ポンプ(20)の第2油圧機器(Pu2)側の圧力(PA)を低下させて差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧(P20)の絶対値を第1制限値(PLIM1)に調圧(制限)する。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第2の特徴は、前記第1ポンプ(10)と、前記第2ポンプ(20)と前記第1リミットバルブ(81)との間に位置する部位(A)にそれぞれ連通して、前記第2ポンプ(20)の差圧(P20)がプラス方向において予め設定された第2制限値(PLIM2)を超えようとするとき、該部位(A)の圧力(PA)を昇圧させるように作動する第2リミットバルブ(85、85’)を備えていることである。
上記構成では、オイルが全体として第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)に供給されている場合(QDR+QDN>0)であって第2ポンプ差圧(P20=PDR−PA)が差圧プラス方向において第2制限値(PLIM2)を超えようとする場合、第2リミットバルブ(85、85’)は、第1ポンプ(10)に連通する油路を絞ることにより中間圧を発生させ、この中間圧によって上記部位(A)の圧力(PA)を昇圧させて差圧プラス方向における第2ポンプ差圧(P20)を第2制限値(PLIM2)に調圧(制限)する。
以上の通り、上記第1リミットバルブ(81)及び第2リミットバルブ(85、85’)によれば、急停止又はキックダウン等の急変速状態において第2ポンプ(20)を駆動するモータ(M)のトルク増大(出力増大)を抑えることが可能となる。その結果、第2ポンプ(20)を駆動するモータ(M)の小型化が可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第3の特徴は、前記第1油圧機器(Pu1)の第1駆動圧(PDR)が前記第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)より高くなる場合に前記第3ライン(3)を切断する遮断弁(40、40’)を備えることである。
上記構成では、第3ライン(3)が切断されている場合、例えば第2油圧機器(Pu2)から送り出されるオイルは第1圧力調整弁(30)側に供給されることになる。その結果、第1圧力調整弁(30)のフィードバック圧が上昇し、これにより弁体(31)を所望のバルブ位置(D)で作動させることが可能となる。また、この場合、第1油圧機器(Pu1)から送り出されるオイルについても同様に第1圧力調整弁(30)側に供給されるため、弁体(31)を所望のバルブ位置(D)で作動させることが可能となる。つまり、上記構成では遮断弁(40、40’)が作動している間、第1ポンプ(10)はアンロード状態になる。
また、第1駆動圧(PDR)が第2駆動圧(PDN)より高くなる場合に、第2ポンプ(20)によって第2油圧機器(Pu2)のオイルが吸い上げられることを防止することが可能となる。これにより、第2油圧機器(Pu2)から駆動圧(挟み圧)が抜けることを防止することが可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第4の特徴は、前記遮断弁(40)は、前記第1駆動圧(PDR)と前記第2駆動圧(PDN)との圧力差によって前記第3ライン(3)又は前記第4ライン(4)の何れか一方を選択的に開閉することである。
上記構成では、第3ライン(3)が切断されているとき、第4ライン(4)は連通している。第4ライン(4)は第1圧力調整弁(30)に連通しているため、第1油圧機器(Pu1)から送り出されるオイルが第4ライン(4)を経由して第1圧力調整弁(30)に供給される。これにより、第1駆動圧(PDR)が第2駆動圧(PDN)より高くなる場合に、第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)が第1圧力調整弁(30)によってパイロット圧に等しくなるように調圧されることとなる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第5の特徴は、前記第4ライン(4)は、前記第1油圧機器(Pu1)の第1駆動圧(PDR)が前記第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)より高くなる場合に前記第1油圧機器(Pu1)から送り出されるオイルを前記第1圧力調整弁(30)に流す第2逆止弁(42)を備えることである。
上記構成では、第3ライン(3)を切断する遮断弁(40’)が単一の内部油路を有する場合であっても、第2逆止弁(42)を介して第1油圧機器(Pu1)から送り出されるオイルを第1圧力調整弁(30)に供給することが可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第6の特徴は、前記第3ライン(3)の内で前記第2ポンプ(20)と前記遮断弁(40)との間から分岐しリザーバ(80)に接続する第7ライン(7)を備え、該第7ライン(7)は前記リザーバ(80)から前記第2ポンプ(20)へのオイルの流入のみを許可する第3逆止弁(43)を有することである。
上記構成では、第3ライン(3)が遮断弁(40)によって切断される場合に、第2ポンプ(20)によってリザーバ(80)から第1油圧機器(Pu1)にオイルが供給されるようになる。これにより、第1油圧機器(Pu1)に対し機器の変速比制御上必要となる駆動圧を供給することが可能となる。また、第1圧力調整弁(30)にオイルを供給して所定のバルブ位置で動作させることが可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第7の特徴は、前記第3ライン(3)の内で前記第2ポンプ(20)と前記遮断弁(40、40’)との間から分岐し前記第1ライン(1)に接続する第8ライン(8)を備え、該第8ライン(8)は前記第3ライン(3)から前記第1ライン(1)へのオイルの流入のみを許可する第4逆止弁(44)を有することである。
上記構成では、第3ライン(3)が遮断弁(40、40’)によって切断される場合に、第2ポンプ(20)によって第1油圧機器(Pu1)から第2油圧機器(Pu2)へオイルが供給されるようになる。また、遮断弁(40、40’)の閉状態で、第2ポンプ(20)によって第2油圧機器(Pu2)側にオイルを流す場合、第4逆止弁(44)を通ってオイルが流れるから,遮断弁(40、40’)の閉状態をスムーズに解除して開状態に戻すことが可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第8の特徴は、前記第1逆止弁(41)は、上流側圧力と下流側圧力との力の釣り合いによって前記第1ライン(1)を開閉するスプール型の通常閉弁であって、該上流側圧力を前記第1ライン(1a)から取り込むと共に、該下流側圧力を前記第1圧力調整弁(30)のフィードバック圧ライン(13)から取り込むように構成されていることである。
上記構成では、第1逆止弁(41)の動作と第1圧力調整弁(30)の動作が互いに連動するようになる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第9の特徴は、前記フィードバック圧ライン(13)はオリフィス(OR)を備えることである。
上記構成では、第1逆止弁(41)の動作と第1圧力調整弁(30)の動作が互いに制動し合うようになる。これにより、例えば、第1逆止弁(41)が閉状態から開状態に切り替わる際に発生する圧力振動を好適に抑制することが可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第10の特徴は、前記第1圧力調整弁(30)は、外周面に凹凸が形成された弁体(31)、該弁体が摺動するボディ(32)、及び該弁体を付勢するスプリング(33)によって構成され、前記第5ライン(5)が開き始めるバルブ位置(B)ならびに前記第4ライン(4)が閉じ始めると共に前記第6ライン(6)が開き始めるバルブ位置(D)を有することである。
上記構成では、第5ライン(5)が開き始めるバルブ位置(B)では、第5ライン(5)が絞られることにより、第1ポンプ(10)の吐出圧(P10)が上昇することなる。これにより、第1逆止弁(41、41’)の上流側圧力(P10)を下流側圧力(PDN)より高くし、第1ポンプ(10)をアンロード状態からオンロード状態に切り替えることが可能となる。
そして、第5ライン(5)が十分に開いた状態となると、第1ポンプ(10)が低圧回路(TC)に連通する。その結果、第1ポンプ(10)の吐出圧(P10)が低圧回路(TC)の圧力(PTC)に等しくなる。その結果、第1逆止弁(41、41’)の上流側圧力が低圧回路(TC)の圧力(PTC)に等しくなり、下流側圧力(PDN)よりも低くなる。これにより、第1ポンプ(10)をオンロード状態からアンロード状態に切り替えることが可能となる。
他方、第4ライン(4)が閉じ始めると共に前記第6ライン(6)が開き始めるバルブ位置(D)では、第1ポンプ(10)がアンロード状態である場合、第4ライン(4)を閉じることにより又は第6ライン(6)を開いてオイルをリザーバ(80)に排出することによって、第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)をパイロット圧に比例するように調圧することが可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第11の特徴は、前記第1圧力調整弁(30)に対し前記ベース油圧に係るパイロット圧を供給するリニアソレノイド(50)と、
前記リニアソレノイド(50)に対し元圧を供給する第2圧力調整弁(60)とを備えることである。
上記構成では、モータに依らずに第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(PDN)を所望の圧力に素早く調圧することが可能となる。これにより、機器の駆動上最低限必要となるベース油圧源を機械的に構成することが可能となる。これは油圧回路全体の小型化に寄与することとなる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第12の特徴は、前記第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)は、一対のプーリー機構であることである。
上記構成では、第1ポンプ10のオンロード状態を最小限に抑えながら、第1ポンプ10がアンロード状態においては、第2ポンプ20によってDRプーリーPu1及びDNプーリーPu2に対しベース油圧及び変速比圧を供給するようにすることが可能となる。
また、第2油圧機器の第2駆動圧(PDN)が第1油圧機器の第1駆動圧(PDR)より大きい場合であって、第2ポンプ(20)の差圧(P20)の絶対値が第1制限値(PLIM1)を超えようとする場合に、第1リミットバルブ(81)が瞬時に作動して第2ポンプ(20)の差圧(P20)の絶対値を第1制限値(PLIM1)以下に制限する。他方、第1駆動圧(PDR)が第2駆動圧(PDN)より大きい場合であって、第2ポンプ(20)の差圧(P20)が第2制限値(PLIM2)を超えようとする場合に、第2リミットバルブ(85、85’)が瞬時に作動して第2ポンプ(20)の差圧(P20)を第2制限値(PLIM2)以下に制限する。その結果、キックダウン・急停止等において第2ポンプ(20)を駆動するモータ(M)のトルク増大(出力増大)を抑えることが可能となる。これにより、モータ(M)の小型化が可能となると共に、モータ(M)の出力が小さい場合であってもキックダウン・急停止等の素早い変速比制御が可能となる。
本発明の油圧機器用油圧回路によれば、一対で動作する油圧機器に対し第1ポンプによって機器の動作に最低限必要な第1油圧を供給しながら、第2ポンプによって機器の変速制御に必要な第2油圧を交互に供給する油圧回路において、第1ポンプの駆動動力を最小限に抑えることが可能となる。
第1ポンプの駆動動力が最小限に抑えられることにより、第1ポンプにおける動力損失が大幅に低減される。その結果、油圧機器における動力損失が低減され、これにより車両における燃料消費率を向上させることが可能となる。
また、本発明の油圧機器用油圧回路によれば、第2ポンプ(20)を駆動するモータ(M)の小型化が可能となると共に、モータ(M)の出力が小さい場合であってもキックダウン・急停止等の素早い変速比制御が可能となる。
本実施形態に係る油圧回路の構成を簡略化して示した説明図である。 本実施形態に係るDNレギュレータバルブを示す要部断面説明図である。 本実施形態に係るDNレギュレータバルブのバルブ位置を示す説明図である。 本実施形態に係るアンロードバルブを示す要部断面説明図である。 本実施形態に係るアンロードバルブのバルブ位置を示す説明図である。 本実施形態に係る第1リミットバルブを示す要部断面説明図である。 本実施形態に係る第1リミットバルブのバルブ位置を示す説明図である。 本実施形態に係る第2リミットバルブを示す要部断面説明図である。 本実施形態に係る第2リミットバルブのバルブ位置を示す説明図である。 プーリー制御装置が第2ポンプのモータを調整して実プーリー位置を目標プーリー位置に等しくなるようにフィードバック制御した際の各データ(プーリー位置、外力、プーリー流量/第2ポンプ流量、プーリー駆動圧/プーリー駆動圧指令値、ポンプ吐出圧/TCレギュレータ圧)の時系列変化を示すグラフである。 プーリー制御装置が第2ポンプのモータを調整して実プーリー位置を目標プーリー位置に等しくなるようにフィードバック制御した際の各データ(プーリー流量/第2ポンプ流量、プーリー駆動圧/プーリー駆動圧指令値、第1ポンプ吐出圧/点Aの圧力、バルブ位置)の時系列変化を示すグラフである。 プーリー制御装置が第2ポンプのモータを調整して実プーリー位置を目標プーリー位置に等しくなるようにフィードバック制御した際の各データ(プーリー流量/第2ポンプ流量、プーリー駆動圧/プーリー駆動圧指令値、第1逆止弁流量/第2逆止弁流量、第3逆止弁流量/第4逆止弁流量)の時系列変化を示すグラフである。 図10から図12における各ポンプ圧力状態および各バルブ状態を示す説明図である。 QDR+QDN>0且つPDR>PDN且つPDR≦PLIM2である場合の本油圧回路の動作を示す説明図である。 QDR+QDN>0且つPDR≦PDN且つPDR≧PDN−PLIM1である場合の本油圧回路の動作を示す説明図である。 QDR+QDN≦0且つPDR>PDNである場合の本油圧回路の動作を示す説明図である。 QDR+QDN≦0且つPDR≦PDN且つPDR≧PDN−PLIM1である場合の本油圧回路の動作を示す説明図である。 QDR+QDN>0且つPDR>PDN且つPDR>PLIM2である場合の本油圧回路の動作を示す説明図である。 QDR+QDN>0且つPDR≦PDN且つPDR<PDN−PLIM1である場合の本油圧回路の動作を示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係る油圧回路の構成を簡略化して示した説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る油圧回路100の構成を簡略化して示した説明図である。
この油圧回路100は、第1ポンプ10及び第2ポンプ20を併用してベルト式無段変速機(以下、「CVT」ともいう。)のドライブプーリー(以下、「DRプーリー」という。)Pu1及びドリブンプーリー(以下、「DNプーリー」という。)Pu2にオイル(油圧)を供給するCVT用油圧回路である。第1ポンプ10はCVTの摩擦伝動に最低限必要とされるベース圧力(=一定値)をDRプーリーPu1及びDNプーリーPu2へ供給する。一方、第2ポンプ20はオイルを両プーリーPu1,Pu2間で交互に移動することにより、CVTの変速比制御に必要とされる圧力(以下、「変速比圧」ともいう。)をDRプーリーPu1又はDNプーリーPu2へ交互に供給する。
特に、第1ポンプ10については、第1ポンプ10はDRプーリーPu1及びDNプーリーPu2に対しオイルを常時供給するのではなく、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより低い状態であり(PDR≦PDN)、且つオイルが全体として両プーリーへ供給されている場合(QDR+QDN>0)だけに限って、DRプーリーPu1及びDNプーリーPu2に対しオイル供給状態(以下、「オンロード状態」ともいう。)になるように構成されている。従って、上記場合を除く殆どの場合(PDR>PDN又はQDR+QDN≦0)、第1ポンプ10はDRプーリーPu1及びDNプーリーPu2に対しオイル無供給状態(以下、「アンロード状態」ともいう。)になることになる。つまり、本油圧回路100は、第1ポンプ10のオンロード状態を最小限に抑えながら、第1ポンプ10がアンロード状態においては、第2ポンプ20によってDRプーリーPu1及びDNプーリーPu2に対しベース油圧及び変速比圧を供給するように構成されている。
更に、第2ポンプ20については、第2ポンプ20の差圧P20が予め設定した制限値(PLIM1、PLIM2)を超えようとする場合に、第2ポンプ差圧P20を一定値以下に制限するように構成されている。第2ポンプ差圧P20が一定値以下に制限されることにより、例えば巡行状態から急停止又はキックダウン等の急変速状態において第2ポンプ20を駆動するモータMのトルク(出力)が増大することを好適に抑えることができるようになる。これによりモータMを小型化することが可能となる。なお、ここで言う「第2ポンプ差圧P20」とは、ポートP22に対するポートP21のポート間圧力差を意味する。第2ポンプ差圧P20は、「DRプーリー駆動圧PDR」と「点Aの圧力PA」との差(すなわち、P20=PDR−PA)によって規定される。また、以降において、DRプーリー駆動圧PDRが点Aの圧力PAより高くなる方向を「差圧プラス方向」と、同低くなる方向を「差圧マイナス方向」と言い、単に「第2ポンプ差圧P20」というときは「差圧プラス方向における第2ポンプ差圧P20」を意味している。
本油圧回路100は、油路として、第1逆止弁41を介して第1ポンプ10とDNプーリーPu2とを接続する第1ライン1と、第2ポンプ20とDRプーリーPu1とを接続する第2ライン2と、アンロードバルブ40及び第1リミットバルブ81を介して第2ポンプ20とDNプーリーPu2とを接続する第3ライン3と、アンロードバルブ40及びDNレギュレータバルブ30を介してDRプーリーPu1とDNプーリーPu2とを接続する第4ライン4と、第2リミットバルブ85及びDNレギュレータバルブ30を介して第1ポンプ10とトルクコンバータTC(図示せず)とを接続する第5ライン5と、DNレギュレータバルブ30とリザーバ80とを接続する第6ライン6と、第3逆止弁43を介して第2ポンプ20とリザーバ80とを接続する第7ライン7と、第7ライン7から分岐して第2リミットバルブ85に接続する第7aライン7aと、第7ライン7から分岐して第2逆止弁42を介して第2リミットバルブ85に接続する第7bライン7bと、第4逆止弁44を介して第1ライン1と第7ライン7とを接続する第8ライン8と、第2ライン2から分岐してアンロードバルブ40に接続する第9ライン9と、第9ライン9から分岐して第2リミットバルブ85に接続する第9aライン9aと、第1ライン1から分岐してアンロードバルブ40に接続する第11ライン11と、DNソレノイドバルブ50とDNレギュレータバルブ30とを接続する第12ライン12と、第4ライン4から分岐してDNレギュレータバルブ30に接続する第13ライン13と、第13ライン13から分岐して第1逆止弁41に接続する第14ライン14と、第1ライン1から分岐して第1逆止弁41に接続する第15ライン15と、第4ライン4から分岐してクラッチリデューシングバルブ60に接続する第16ライン16と、クラッチリデューシングバルブ60とDNソレノイドバルブ50とを接続する第17ライン17と、第17ライン17から分岐してクラッチリデューシングバルブ60及びクラッチ機構CL(図示せず)に接続する第18ライン18とを具備して構成されている。
また、本油圧回路100はポンプ及びバルブとして、エンジンEによって常時駆動される第1ポンプ10と、モータMによって駆動される第2ポンプ20と、DNプーリー駆動圧PDNをパイロット圧(=DNプーリー駆動圧指令値PDNCMD)に等しくなるように調圧するDNレギュレータバルブ30と、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより高くなる場合に第3ライン3を遮断して第1ポンプ10をアンロード状態にするアンロードバルブ40と、第1ポンプ吐出圧P10がDNプーリー駆動圧PDNより高くなる場合に第1ライン1を連通させる第1逆止弁41と、第7bライン7bにおいて第2ポンプ20側から第2リミットバルブ85へのオイルの流入を阻止する第2逆止弁42と、第7ライン7において第2ポンプ20側からリザーバ80へのオイルの流入を阻止する第3逆止弁43と、第8ライン8においてDNプーリーPu2側から第2ポンプ20側へのオイルの流入を阻止する第4逆止弁44と、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値を第1制限値PLIM1以下に制限する第1リミットバルブ81と、第2ポンプ差圧P20を第2制限値PLIM2以下に制限する第2リミットバルブ85と、DNレギュレータバルブ30の調圧基準圧(設定圧)となるパイロット圧を供給するDNソレノイドバルブ50と、DNソレノイドバルブ50に元圧を供給するクラッチリデューシングバルブ60と、第1ポンプ吐出圧P10をトルクコンバータ駆動圧(TCレギュレータ圧)PTCに調圧するTCレギュレータバルブ70と、オイルを貯留するリザーバ80とを具備して構成されている。以下、各構成について更に詳細に説明する。
第1ライン1は、第2リミットバルブ85と第1逆止弁41を接続する第1ライン1aと、第1逆止弁41とDNプーリーPu2を接続する第1ライン1bと、第1ポンプ10と第2リミットバルブ85を接続する第1ライン1cとから構成される。従って、第1ライン1は、第2リミットバルブ85及び第1逆止弁41が開状態となるときに、第1ポンプ10から吐出されるオイルをDRプーリーPu1及びDNプーリーPu2に供給するための油路となる。
なお、上述した通り、第1逆止弁41が開状態(第1ポンプ10がオンロード状態)となるのは、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより低い状態であり(PDR≦PDN)、且つオイルが全体として両プーリーへ供給されている場合(QDR+QDN>0)だけである。また、第2リミットバルブ85は第2ポンプ差圧P20を第2制限値PLIM2以下に制限するためのものであり、本実施形態において第1ライン1を完全に閉じることはない。
また、第1ライン1と第3ライン3は、図中の点C2で連通している。従って、第2リミットバルブ85及び第1逆止弁41が開状態となる場合、第1ポンプ10から吐出されるオイルは、一部がDNプーリーPu2に供給され、残りが第3ライン3を通って第2ポンプ20に供給される。第2ポンプ20に供給されたオイルは、第2ポンプ20によって昇圧あるいは減圧された後、第2ライン2を通ってDRプーリーPu1に供給される。
第2ライン2は、変速比圧に係るオイルをDRプーリーPu1から第2ポンプ20へ、或いは第2ポンプ20からDRプーリーPu1へ供給するための油路である。また、第2ライン2と第2aライン2aは、図中の点C1で連通している。従って、DRプーリー駆動圧PDRは第2aライン2aを通って第1リミットバルブ81の第1ポートP1に常時作用している。
第3ライン3は、第2ポンプ20と第1リミットバルブ81を接続する第3ライン3aと、第1リミットバルブ81とアンロードバルブ40を接続する第3ライン3bと、アンロードバルブ40と第1ライン1bを接続する第3ライン3cとから構成される。第3ライン3は、第2ライン2と同様に変速比圧に係るオイルを、DNプーリーPu2から第2ポンプ20へ、又はリザーバ80から第2ポンプ20へ、或いは第2ポンプ20からDNプーリーPu2へ供給するための油路である。
また、第3ライン3と第7ライン7は、図中の点Aで連通している。従って、第3ライン3がアンロードバルブ40によって切断されている場合(第1ポンプ10がアンロード状態となる場合)、オイルが第2ポンプ20によってリザーバ80から第7ライン7を介してDRプーリーPu1へ供給されるようになる。また、第2ポンプ差圧P20が第2制限値PLIM2を超えようとする場合、第2リミットバルブ85が作動してオイルが第1ポンプ10から点Aに供給されるようになる。
第4ライン4は、アンロードバルブ40とDNレギュレータバルブ30を接続する第4ライン4aと、DNレギュレータバルブ30と第1ライン1b(DNプーリーPu2)を接続する第4ライン4bと、アンロードバルブ40と第9ライン9(DRプーリーPu1)を接続する第4ライン4cとから構成される。第4ライン4は、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより高くなる場合(第1ポンプ10がアンロード状態となる場合)に、DNプーリー駆動圧PDNの調圧に係るオイルをDNレギュレータバルブ30に供給するための油路となる。また、第4ライン4と第1ライン1は、図中の点C4で連通している。従って、第1ポンプ10がアンロード状態となる場合、DNレギュレータバルブ30は、第4ライン4aが接続する第6ポートP6を絞ることにより、DNプーリー駆動圧PDNをパイロット圧に等しくなるように調圧する。
第5ライン5は、第1ライン1a(第2リミットバルブ85)とDNレギュレータバルブ30を接続する第5ライン5aと、DNレギュレータバルブ30とトルクコンバータTCを接続する第5ライン5bとから構成される。第5ライン5は、第1ポンプ10がアンロード状態となる場合、第1ポンプ10から吐出されるオイルを、DNレギュレータバルブ30を経由してトルクコンバータTCに供給するための油路となる。この場合、第5ライン5の圧力、すなわち第1ポンプ吐出圧P10はTCレギュレータバルブ70によってトルクコンバータ駆動圧(TCレギュレータ圧)PTCに等しくなるように調圧される。
また、第5ライン5と第1ライン1は、図中の点C3で連通している。これにより、第5ライン5は、第1逆止弁41を開状態にするための駆動ラインとなる。詳細については後述するが、DNレギュレータバルブ30が第2ポートP2を絞るバルブ位置Bで作動することにより、第5ライン5aの圧力が上昇する。第5ライン5aの圧力が上昇することにより、第1逆止弁41上流側の第1ライン1aの圧力が上昇する。そして、第1ライン1aの圧力がDNプーリー駆動圧PDNを超えるときに第1逆止弁41が開状態になる。第1逆止弁41が開状態になると、第1ポンプ10は第1ライン1及び第4ライン4bを介してDNレギュレータバルブ30に連通する。これにより、第1ポンプ吐出圧P10は、DNレギュレータバルブ30によってDNプーリー駆動圧PDNに等しくなるように調圧される。
第6ライン6は、第4ライン4と同様に、第1ポンプ10がアンロード状態となる場合に、DNプーリー駆動圧PDNの調圧に係るオイルを排出(ドレイン)するための油路である。すなわち、DNレギュレータバルブ30は、第6ライン6が接続する第4ポートP4を開とし、パイロット圧を超える余剰圧力に係るオイルを第6ライン6を介してリザーバ80にドレインしながらDNプーリー駆動圧PDNをパイロット圧に等しくなるように調圧する。
つまり、第1ポンプ10がアンロード状態となる場合、DNレギュレータバルブ30は、第4ライン4(第6ポートP6)を絞りながらDNプーリー駆動圧PDNをパイロット圧(=DNプーリー駆動圧指令値PDNCMD)に等しくなるように調圧し、等しくならない場合は第6ライン6(第4ポートP4)を開としオイルをリザーバ80にドレインしながら、DNプーリー駆動圧PDNをパイロット圧に等しくなるように調圧することになる。
第7ライン7は、特に第3ライン3がアンロードバルブ40によって切断されている場合(第1ポンプ10がアンロード状態となる場合)であってオイルが全体として両プーリーへ供給されている場合(図14)、第2ポンプ20がオイルをリザーバ80から吸い上げてDRプーリーPu1に供給するための油路である。この場合、点Aの圧力PA(第2ポンプ20のポートP22側の圧力)は、ゼロ圧に等しくなる。
また、第7ライン7は、詳細については後述するが、差圧プラス方向において第2ポンプ差圧P20が設定圧を超えようとする場合(図18)、第2リミットバルブ85が点Aの圧力PAを上げるために、第1ポンプ10から吐出されるオイルを第7bライン7bを介して第2ポンプ20のポートP22側に供給するための油路となる。
また、第7ライン7は、点Aの圧力PA(第2ポンプ20のポートP22側の圧力)を第1リミットバルブ81に常時作用し、さらに第7aライン7aを介して第2リミットバルブ85に常時作用している。
第8ライン8は、第3ライン3が遮断状態の場合(第1ポンプ10がアンロード状態となる場合)であってオイルが全体としてプーリーから戻って来る場合(図16)、DRプーリーPu1から戻って来るオイルをDNプーリーPu2に流すためのバイパス油路である。
第9ライン9は、DRプーリー駆動圧PDRをアンロードバルブ40に作用するための油路である。また第11ライン11は、DNプーリー駆動圧PDNをアンロードバルブ40に作用するための油路である。
第12ライン12は、DNプーリー駆動圧PDNの調圧基準圧となるパイロット圧をDNレギュレータバルブ30に供給するための油路である。
第13ライン13は、調圧対象であるDNプーリー駆動圧PDNをDNレギュレータバルブ30に供給するための油路である。また、第13ライン13はオリフィスORを介して第4ライン4に接続している。
第14ライン14は、信号油圧であるDNプーリー駆動圧PDNを第1逆止弁41に供給するための油路である。また、第14ライン14は第13ライン13に連通し、第13ライン13はオリフィスORを介して第4ライン4に接続している。これにより、一方の弁体の動作が他方の弁体の動作に制動をかけることになる。その結果、弁体の急激な動作ならびに圧力振動および急激な圧力上昇等が好適に抑制されることになる。その結果、第1ポンプ10のオンロード状態/アンロード状態がスムーズに切り替わることとなる。
DNレギュレータバルブ30は、外部に7つのポートP1〜P7とを有し、第2ポートP2と第3ポートP3を連通する第1油路と、第4ポートP4と第5ポートP5を連通する第2油路と、第5ポートP5と第6ポートP6を連通する第3油路と、を選択的に切り替えるように構成されている。
また、DNレギュレータバルブ30は、後述するAからEにて示される5つのバルブ位置を有している。なお、本実施形態におけるDNレギュレータバルブ30は、2つのバルブ位置B及びバルブ位置Dを中心にバランスすることによって、第1ポンプ10のオンロード状態/アンロード状態を維持しながら、DNプーリー駆動圧PDNをパイロット圧に等しくなるように調圧している。なお、詳細については後述するが、DNレギュレータバルブ30は、第1ポンプ10がオンロード状態ではバルブ位置Bを中心にバランスし、第1ポンプ10がアンロード状態ではバルブ位置Dを中心にバランスするように構成されている。
アンロードバルブ40は、外部に6つのポートP1〜P6とを有し、第2ポートP2と第3ポートP3を連通する第1油路と、第4ポートP4と第5ポートP5を連通する第2油路と、を選択的に切り替えるように構成されている。
またアンロードバルブ40は、後述するAからEにて示される5つのバルブ位置を有している。なお、本実施形態におけるアンロードバルブ40は、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより高くなる場合、バルブ位置Eを中心に作動しながら第3ライン3を遮断し第4ライン4を連通状態にする。一方、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDN以下になる場合、アンロードバルブ40はバルブ位置Aを中心にバランスして第3ライン3を連通状態にし第4ライン4を遮断する。
第1逆止弁41は、いわゆるスプール型の逆止弁である。第15ライン15の圧力(第1ポンプ吐出圧P10)が第14ライン14の圧力(DNプーリー駆動圧PDN)を超える場合に、第1ライン1が連通状態になる。これによりオイルが第1ポンプ10からDNプーリーPu2及びDRプーリーPu1へ供給されることになる。
第1リミットバルブ81は、外部に5つのポートP1〜P5とを有し、第2ポートP2と第3ポートP3を連通する第1油路と、第3ポートP3と第4ポートP4を連通する第2油路を選択的に切り替えるように構成されている。また、第1リミットバルブ81は、後述するAからCにて示される3つのバルブ位置を有している。従って、詳細については後述するが、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値が第1制限値PLIM1を超えようとする場合、弁体82(図6)がバルブ位置AからB又はCに移動して、第4ポートP4(第3ライン3)を絞りながら閉じる又は第2ポートP2(第6aライン6a)を開としてリザーバ80にオイルをドレインし、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値を第1制限値PLIM1に調圧する。
つまり、第1リミットバルブ81は、点Aの圧力PAをフィードバック圧として且つDRプーリー駆動圧PDRをパイロット圧として導入して、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)の絶対値が第1制限値PLIM1を超えようとする場合に、第2ポンプ差圧P20を一定値以下に制限(調圧)するように動作する。従って、第1リミットバルブ81の調圧対象は、点Aの圧力PAである。なお、弁体82(図6)において点Aの圧力PAが作用する作用面積S1とDRプーリー駆動圧PDRが作用する作用面積S2は、互いに等しくなるように設定されている。そのため、第1リミットバルブ81が点Aの圧力PAを調圧することは、結果的に差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値を調圧することに等しくなる。
第2リミットバルブ85は、外部に5つのポートP1〜P5とを有し、第2ポートP2と第3ポートP3を連通する第1油路と、第3ポートP3と第2ポートP2及び第4ポートP4を連通する第2油路と、第3ポートP3と第4ポートP4を連通する第3油路を選択的に切り替えるように構成されている。また、第2リミットバルブ85は、後述するAからEにて示される5つのバルブ位置を有している。従って、詳細については後述するが、第2ポンプ差圧P20が差圧プラス方向において設定圧を超えようとする場合、弁体がバルブ位置AからDに移動して、第2ポートP2(ライン7b)を開け、次いで第4ポートP4を絞って第1ポンプ10の吐出圧P10を上昇させて点Aの圧力PAを上昇させるように構成されている。
つまり、第2リミットバルブ85は、DRプーリー駆動圧PDRをフィードバック圧として且つ点Aの圧力PAをパイロット圧として導入して、第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)が差圧プラス方向において第2制限値PLIM2を超えようとする場合に、第2ポンプ差圧P20を第2制限値PLIM2に制限(調圧)するように動作する。従って、第2リミットバルブ85の調圧対象も、点Aの圧力PAである。なお、弁体86(図8)においてDRプーリー駆動圧PDRが作用する作用面積S1と点Aの圧力PAが作用する作用面積S2は、互いに等しくなるように設定されている。そのため、第2リミットバルブ85が点Aの圧力PAを調圧することは、結果的に差圧プラス方向における第2ポンプ差圧P20を調圧することに等しくなる。
DNソレノイドバルブ50は、クラッチリデューシングバルブ60の出口圧を元圧として、リニアソレノイドによってDNプーリー駆動圧指令値(PDNCMD)に相当するパイロット圧になるように調圧し、その出力値をパイロット圧としてDNレギュレータバルブ30に出力する。
クラッチリデューシングバルブ60は、第4ライン4bの圧力を元圧とし且つ出口圧をフィードバック圧として取り込み、フィードバック圧とスプリング荷重圧との力の釣り合いによって、出口圧をスプリング荷重圧に等しくなるように調圧する。
第1ポンプ10は、容積型ポンプ、例えば内接ギヤポンプである。DRプーリーPu1及びDNプーリーPu2に対し、CVTの摩擦伝動に最低限必要されるベース油圧を供給する。なお、第1ポンプ吐出圧P10は、DNレギュレータバルブ30によってオンロード状態ではDNプーリー駆動圧PDNに、アンロード状態ではトルクコンバータ駆動圧PTCに等しくなるように調圧される。
第2ポンプ20は、一方のプーリーから他方のプーリーへ交互に変速比制御に必要なオイルを移動させる往復式ポンプである。従って、オイルがDRプーリーPu1へ供給される場合、ポートP21は吐出口となり、ポートP22は吸込口となる。他方、オイルがDNプーリーPu2へ供給される場合、ポートP22は吐出口となり、ポートP21は吸込口となる。
また、本実施形態では、第2ポンプ20のオイル流量(第2ポンプ流量)Q20は、DRプーリーPu1のオイル流量(DRプーリー流量)QDRに殆ど等しくなる。すなわち、DRプーリーPu1から流出する(戻って来る)オイルの殆どは、第2ポンプ20を経由して点Aに流入する。他方、DRプーリーPu1へ流入する(送り出される)オイルの殆どは、第2ポンプ20を経由して点Aから流出する。
プーリー制御装置PCUは、第2ポンプ20のモータMの出力(動力)を調節しながら、制御対象である実ピストン位置PISAを、目標ピストン位置PISTに追従する(近付ける)ようにフィードバック制御する。これについては、図10を参照しながら後述する。
図2は、本実施形態に係るDNレギュレータバルブ30を示す要部断面説明図である。なお、説明の都合上、各ポートに接続される油路(第4ライン4a,4b、第5ライン5a,5b、第6ライン6、第12ライン12、第13ライン13)についても併せて図示されている。
DNレギュレータバルブ30は、弁体31とボディ32とスプリング33とから構成されている。弁体31には軸方向左側から順に、第6ポートP6を絞る又は閉じるための第1周状凸部31aと、第6ポートP6と第5ポートP5又は第5ポートP5と第4ポートP4を選択的に連通する第1周状凹部31bと、第4ポートP4を閉じるための第2周状凸部31cと、第3ポートP3と第2ポートP2を連通する第2周状凹部31dと、第2ポートP2を閉じるための第3周状凸部31eがそれぞれ形成されている。
ボディ32には軸方向右側から順に、第12ライン12を介してパイロット圧(=DNプーリー駆動圧指令値PDNCMD)を導入するための第1ポートP1と、第5ライン5aを介して第1ポンプ10からのオイルを導入するための第2ポートP2と、第5ライン5bを介してオイルをトルクコンバータTCへ供給するための第3ポートP3と、第6ライン6を介してオイルをリザーバ80にドレインするための第4ポートP4と、第4ライン4bを介してオイルをDNプーリーPu2へ供給するための第5ポートP5と、第4ライン4aを介してオイルをDRプーリーPu1から導入するための第6ポートP6と、第13ライン13を介してフィードバック圧(=DNプーリー駆動圧PDN)を導入するための第7ポートP7とがそれぞれ形成されている。さらに弁体31が突き当たる左エンド部32aと、スプリング33が突き当たる右エンド部32bとがそれぞれ形成されている。
図3は、本実施形態に係るDNレギュレータバルブ30のバルブ位置を示す説明図である。なお、図中の丸印は調圧箇所を表している。
バルブ位置Aでは、弁体31がスプリング33に押されて左エンド部32aに突き当たっている状態である。この状態は、第1ポンプ10及び第2ポンプ20が駆動される前の初期状態である。
バルブ位置Bでは、第3周状凸部31eによって第2ポートP2が開けられた直後の状態である。バルブ位置Aにおいて、フィードバック圧がパイロット圧とスプリング荷重圧を上回るとき、弁体31は軸方向右側に移動し始める。弁体31が移動することにより第2ポートP2が開き始める。第2ポートP2が開き始める(絞られる)ことによって第5ライン5aの圧力が上昇するようになる。第5ライン5aの圧力が上昇することにより、第1逆止弁41上流側の第1ライン1aの圧力が上昇して第1逆止弁41を開状態にする。その結果、第1ポンプ10はオンロード状態となる。
バルブ位置Cでは、オイルがスムーズに流れる程度に第2ポートP2が開けられた状態である。この場合、第1ポンプ10から吐出されたオイルはトルクコンバータTCに供給される。これにより、第1ポンプ吐出圧P10はTCレギュレータバルブ70によってトルクコンバータ駆動圧PTCに等しくなるように調圧される。
また、第6ポートP6及び第5ポートP5がともに開いた状態である。従って、オイルがDRプーリーPu1側からDNプーリーPu2側に第4ライン4を経由して流れている状態である。
バルブ位置Dでは、第1周状凸部31aによって第6ポートP6が閉じられる直前の状態であると同時に、第2周状凸部31cによって第4ポートP4が開けられる直前の状態である。第6ポートP6を絞ることにより、或いは第4ポートP4を開けて余剰圧力に係るオイルをリザーバ80にドレインすることにより、DNレギュレータバルブ30はDNプーリー駆動圧をパイロット圧(=DNプーリー駆動圧指令値PDNCMD)に等しくなるように調圧する。
なお、第2ポートP2は開状態であり、第1ポンプ吐出圧P10はTCレギュレータバルブ70によってトルクコンバータ駆動圧PTCに等しくなるように調圧されている。
バルブ位置Eでは、第1周状凸部31aによって第6ポートP6が完全に閉じられた状態であると同時に、第2周状凸部31cによって第4ポートP4が開けられた状態である。この場合、DNレギュレータバルブ30は、第4ポートP4を開けて余剰圧力に係るオイルをリザーバ80にドレインすることにより、DNレギュレータバルブ30はDNプーリー駆動圧をパイロット圧(=DNプーリー駆動圧指令値PDNCMD)に等しくなるように調圧している。
なお、第2ポートP2は開状態であり、第1ポンプ吐出圧P10はTCレギュレータバルブ70によってトルクコンバータ駆動圧PTCに等しくなるように調圧されている。
以上の通り、フィードバック圧が上昇するにつれて、弁体31は軸方向右側に移動して、先ず第5ライン5の開閉に係る第2ポートP2が開けられる。これにより第1ポンプ10から吐出されるオイルがトルクコンバータTCに供給され、第1ポンプ吐出圧P10がTCレギュレータバルブ70によってトルクコンバータ駆動圧(TCレギュレータ圧)PTCに等しくなるように調圧される。次に、第4ライン4の開閉に係る第6ポートP6が閉じられる。これにより、DNプーリーPDNがパイロット圧に等しくなるように調圧される。また、第6ポートP4が閉じられるのと同時に、或いは僅かに遅れて第6ライン6の開閉に係る第4ポートP4が開けられる。同様に、DNプーリーPDNがパイロット圧に等しくなるように調圧される。
図4は、本実施形態に係るアンロードバルブ40を示す要部断面説明図である。なお、説明の都合上、各ポートに接続される油路(第3ライン3b,3c、第4ライン4a,4c、第9ライン9、第11ライン11)についても併せて図示されている。
アンロードバルブ40は、弁体45とボディ46とスプリング47とから構成されている。弁体45には軸方向左側から順に、第6ポートP6を閉じるための第1周状凸部45aと、第4ポートP4と第5ポートP5を連通する第1周状凹部45bと、第4ポートP4および第3ポートP3を選択的に閉じるための第2周状凸部45cと、第2ポートP2と第3ポートP3を連通する第2周状凹部45dと、第1ポートP1を閉じるための第3周状凸部45eがそれぞれ形成されている。
弁体45において、DRプーリー駆動圧PDRが作用する軸方向の投影面積(ピストン作用面積)S1と、DNプーリー駆動圧PDNが作用する軸方向の投影面積(ピストン作用面積)S2は等しくなっている。
ボディ46には軸方向右側から順に、第11ライン11を介してパイロット圧(=DNプーリー駆動圧PDN)を導入するための第1ポートP1と、第3ライン3cを介してDNプーリーPu2に係るオイルを授受するための第2ポートP2と、第3ライン3bを介して第2ポンプ20に係るオイルを授受するための第3ポートP3と、第4ライン4cを介してDRプーリーPu1に係るオイルを授受するための第4ポートP4と、DRプーリーPu1からのオイルをDNレギュレータバルブ30に供給するための第5ポートP5と、第9ライン9を介してフィードバック圧(=DRプーリー駆動圧PDR)を導入するための第6ポートP6とがそれぞれ形成されている。さらに弁体45が突き当たる左エンド部46aと、スプリング47が突き当たる右エンド部46bとがそれぞれ形成されている。
図5は、本実施形態に係るアンロードバルブ40のバルブ位置を示す説明図である。
バルブ位置Aでは、弁体45がスプリング47に押されて左エンド部46aに突き当たっている状態である。この状態では、第3ライン3に係る第2ポートP2と第3ポートP3は連通している。従って、DNプーリーPu2とDRプーリーPu1との間で第3ライン3を介してオイルが交互に移動している。なお、第4ポートP4は第2周状凸部45cによって閉じられている。
バルブ位置Bでは、第2周状凸部45cによって第3ポートP3が閉じられる直前の状態である。
バルブ位置Cでは、第3ポートP3が第2周状凸部45cによって完全に閉じられた状態である。この場合、第3ポートP3及び第4ポートP4がともに閉じられ、第3ライン3及び第4ライン4はともに遮断された状態である。
バルブ位置Dでは、第2周状凸部45cによって第4ポートP4が開けられた直後の状態である。この場合、第3ポートP3は閉じた状態である。
バルブ位置Eでは、第4ポートP4が第2周状凸部45cによって完全に開けられた状態である。
以上の通り、DRプーリー駆動圧PDR(フィードバック圧)が上昇するにつれて、弁体45は軸方向右側に移動して、先ず第3ライン3の開閉に係る第3ポートP3が閉じられる。次に第4ライン4の開閉に係る第4ポートP4が開けられる。これにより、第1ポンプ10がアンロード状態となる。オイルがDRプーリーPu1に供給される場合、第2ポンプ20のDNプーリーPu2側ポートP22の圧力が負圧となり、リザーバ80からオイルが第3逆止弁43及び第7ライン7を経由して第2ポンプ20によって吸い上げられ、DRプーリーPu1へ供給される。一方、オイルがDRプーリーPu1から戻って来る場合は、オイルは第2ポンプ20を通って第8ライン8及び第4逆止弁44を経由してDNプーリーPu2及びクラッチ機構CLへ供給される。
また、第3ライン3が切断されている場合、オイルは第9ライン9及び第4ライン4を経由してDNレギュレータバルブ30にも供給される。DNレギュレータバルブ30はバルブ位置Dを中心に作動しながらDNプーリー駆動圧PDNをパイロット圧(=PDNCMD)に等しくなるように調圧する。
図6は、本実施形態に係る第1リミットバルブ81を示す要部断面説明図である。なお、説明の都合上、各ポートに接続される油路(第2aライン2a、第3ライン3a,3b、第6aライン6a、第7ライン)についても併せて図示されている。
第1リミットバルブ81は、弁体82とボディ83とスプリング84とから構成されている。弁体82には軸方向左側から順に、第4ポートP4を絞る又は閉じるための第1周状凸部82aと、第4ポートP4と第3ポートP3又は第3ポートP3と第2ポートP2を選択的に連通する第1周状凹部82bと、第2ポートP2を絞る又は閉じるための第2周状凸部82cと、がそれぞれ形成されている。
ボディ83には軸方向右側から順に、第2aライン2aを介して第2ポンプ20のポートP21側の圧力(=DRプーリー駆動圧PDR)を導入するための第1ポートP1と、第6aライン6aを介してオイルをリザーバ80にドレインするための第2ポートP2と、DRプーリーPu1からオイルを授受するための第3ポートP3と、DNプーリーPu2からオイルを授受するための第4ポートP4と、第7ライン7を介して第2ポンプ20のポートP22側の圧力(=点Aの圧力PA)を導入するための第5ポートP5とがそれぞれ形成されている。さらに弁体82が突き当たる左エンド部83aと、スプリング84が突き当たる右エンド部83bとがそれぞれ形成されている。
弁体82において、第2ポンプ20のポートP22側の圧力PAが作用する軸方向の投影面積(ピストン作用面積)S1と、第2ポンプ20のポートP21側の圧力(DRプーリー駆動圧PDR)が作用する軸方向の投影面積(ピストン作用面積)S2は等しくなっている。
従って、第1リミットバルブ81が制限する第2ポンプ差圧P20の第1制限値PLIM1として、弁体82の移動量XがX1となる時のスプリング荷重圧f(X1)を設定することが可能である。X1は、第1周状凸部82aが第4ポートP4開口を閉じる直前における弁体82の左エンド部83aからの移動量である。この場合、第2ポンプ差圧P20がスプリング荷重圧f(X1)に等しくなるときに第4ポートP4が閉じられることになる。
この第1制限値PLIM1は、DNプーリー駆動圧PDNがDRプーリー駆動圧PDRより大きい場合であって、オイルが全体として両プーリーに流入している場合(QDR+QDN>0)に、第1リミットバルブ81が制限する差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20である。
第1リミットバルブ81が制限するその他の第2ポンプ差圧P20の第1’制限値PLIM1’として、弁体82の移動量XがX1’となる時のスプリング荷重圧f(X1’)を設定することが可能である。X1’は、第2周状凸部82cが第2ポートP2開口を開ける直前における弁体82の左エンド部83aからの移動量である。この場合、第2ポンプ差圧P20がスプリング荷重圧f(X1’)に等しくなるときに第2ポートP2が開けられ、オイルが第6aライン6aを介してリザーバ80にドレインされることになる。
この第1’制限値PLIM1’は、DNプーリー駆動圧PDNがDRプーリー駆動圧PDRより大きい場合であって、オイルが全体とし両プーリーから戻って来る場合(QDR+QDN≦0)に、第1リミットバルブ81が制限する差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20である。
図7は、本実施形態に係る第1リミットバルブ81のバルブ位置を示す説明図である。なお、図中の丸印は調圧箇所を示す。
バルブ位置Aでは、初期スプリング荷重圧f(0)が第2ポンプ差圧P20を上回っており、弁体82がスプリング84に押されて左エンド部83aに突き当たっている状態である。この場合、第4ポートP4及び第3ポートP3がともに開いた状態である。従って、第3ライン3は開いた状態(連通状態)にある。
バルブ位置Bは、第1周状凸部82aによって第4ポートP4が閉じられる直前の状態である。バルブ位置Aにおいて、第2ポンプ差圧P20が初期スプリング荷重圧f(0)を上回るとき、弁体82は軸方向右側に移動し始める。弁体82が移動することにより第4ポートP4が絞られる。第4ポートP4が絞られることによって点Aの圧力PAが低下するようになる。最終的に弁体82は、第1周状凸部82aによって第4ポートP4が閉じられるバルブ位置Bを中心にバランスするようになる。弁体82がバルブ位置Bを中心にバランスする場合、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)の絶対値は第1制限値PLIM1(=スプリング荷重圧f(X1))に調圧される。
なお、バルブ位置Bにおいて、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値がスプリング荷重圧f(X1)より小さくなると、弁体82がスプリング84によって軸方向左側へ押されバルブ位置A側に戻り始める。
バルブ位置Cは、第2周状凸部82cによって第2ポートP2が開けられた直後の状態である。バルブ位置Bにおいて第4ポートP4が閉じられてもなお、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値がスプリング荷重圧f(X1)を超えて上昇する場合は、弁体82はバルブ位置Bを通過してさらに軸方向右側に移動し始める。そして、弁体82は、スプリング荷重圧f(X1’)と第2ポンプ差圧P20が釣り合うバルブ位置Cを中心にバランスするようになる。弁体82がバルブ位置Cを中心にバランスする場合、オイルはリザーバ80にドレインされると共に、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値は第1’制限値PLIM1’(=スプリング荷重圧f(X1’))に調圧される。
なお、バルブ位置Cにおいて、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値がスプリング荷重圧f(X1’)より小さくなると、弁体82がスプリング84によって軸方向左側へ押されバルブ位置A側に戻り始める。
以上の通り、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値が、初期スプリング荷重圧f(0)を超えると、弁体82は軸方向右側に移動して、先ず第3ライン3の開閉に係る第4ポートP4を絞りながら、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値を第1制限値PLIM1(=スプリング荷重圧f(X1))に調圧する。そして、第4ポートP4が閉じられてもなお、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値がスプリング荷重圧f(X1)を超えて上昇する場合は、更に軸方向右側に移動して第6aライン6aの開閉に係る第2ポートP2を開け、オイルをドレインしながら、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値を第1’制限値PLIM1’(=スプリング荷重圧f(X1’))に調圧する。
このように、第1リミットバルブ81は、第2ポンプ20を流れるオイルの方向に応じて、バルブ位置AからBへ作動し、或いはバルブ位置AからCへ作動して、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値を第1制限値PLIM1又は第1’制限値PLIM1’に調圧する。なお、第1制限値PLIM1と第1’制限値PLIM1’は値が近似していること、バルブ位置Bとバルブ位置Cがほとんど継ぎ目無く切り替わることから、以降において第1制限値PLIM1と第1’制限値PLIM1’は互いに区別せずに、第1制限値PLIM1に統一することとする。また、バルブ位置Bとバルブ位置Cについても互いに区別せずに、バルブ位置Bに統一することとする。なお、第1リミットバルブ81がバルブ位置Aで作動することを単に「非作動」と、バルブ位置Bで作動することを単に「作動」と言う場合がある。
図8は、本実施形態に係る第2リミットバルブ85を示す要部断面説明図である。なお、説明の都合上、各ポートに接続される油路(第1ライン1a,1c、第7aライン7a、第7bライン7b、第9aライン9a)についても併せて図示されている。
第2リミットバルブ85は、弁体86とボディ87とスプリング88とから構成されている。弁体86には軸方向左側から順に、第4ポートP4を絞る又は閉じるための第1周状凸部86aと、第3ポートP3と第4ポートP4、又は第3ポートP3と第4ポートP4及び第2ポートP2、或いは第3ポートP3と第2ポートP2を選択的に連通する第1周状凹部86bと、第2ポートP2を閉じるための第2周状凸部86cと、がそれぞれ形成されている。
ボディ87には軸方向右側から順に、第7ライン7及び第7aライン7aを介して第2ポンプ20のポートP22側の圧力(=点Aの圧力PA)を導入するための第1ポートP1と、第7ライン7及び第7bライン7bを介して第2ポンプ20のポートP22側にオイルを供給するための第2ポートP2と、第1ポンプ10から吐出されるオイルを導入するための第3ポートP3と、第1ライン1aを介してオイルをDNレギュレータバルブ30に供給するための第4ポートP4と、第9ライン9及び第9aライン9aを介してDRプーリー駆動圧PDRを導入するための第5ポートP5とがそれぞれ形成されている。さらに弁体86が突き当たる左エンド部87aと、スプリング88が突き当たる右エンド部87bとがそれぞれ形成されている。
弁体86において、DRプーリー駆動圧PDRが作用する軸方向の投影面積(ピストン作用面積)S1と、第2ポンプ20のポートP22側の圧力PAが作用する軸方向の投影面積(ピストン作用面積)S2は等しくなっている。
従って、第2リミットバルブ85が制限する第2ポンプ差圧P20の第2制限値PLIM2として、弁体86の移動量XがX2となる時のスプリング荷重圧f(X2)を設定することが可能である。X2は、第1周状凸部86aが第4ポートP4開口を閉じる直前における弁体86の左エンド部87aからの移動量である。この場合、第2ポンプ差圧P20がスプリング荷重圧f(X2)に等しくなるときに第4ポートP4が閉じられることになる。
この第2制限値PLIM2は、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより大きい場合であって、オイルが全体としてプーリーに供給されている場合(QDR+QDN>0)に、第2リミットバルブ85が制限する差圧プラス方向における第2ポンプ差圧P20である。
図9は、本実施形態に係る第2リミットバルブ85のバルブ位置を示す説明図である。なお、図中の丸印は調圧箇所を示す。
バルブ位置Aでは、初期スプリング荷重圧f(0)が第2ポンプ差圧P20を上回っており、弁体86がスプリング88に押されて左エンド部87aに突き当たっている状態である。この場合、第4ポートP4及び第3ポートP3がともに開いた状態である。従って、第1ポンプ10とDNレギュレータバルブ30は連通状態にある。従って、第2リミットバルブ85がバルブ位置Aにある場合、第1ポンプ10から吐出されるオイルは、DNレギュレータバルブ30を経由してトルクコンバータTCへ供給される。
バルブ位置Bは、第2周状凸部86cによって第2ポートP2が開けられる直前の状態である。バルブ位置Aにおいて、差圧プラス方向における第2ポンプ差圧P20が初期スプリング荷重圧f(0)を上回るとき、弁体86は軸方向右側に移動し始める。弁体86が移動することにより第2ポートP2が開けられる。第2ポートP2が開けられることによって、第1ポンプ10から吐出されるオイルは第2ポンプ20にも供給されるようになる。
バルブ位置Cは、第2周状凸部86cによって第2ポートP2が完全に開けられた状態である。この場合、第1ポンプ10から吐出されるオイルは、DNレギュレータバルブ30及び第2ポンプ20の双方向に供給されるようになる。
バルブ位置Dは、第1周状凸部86aによって第4ポートP4が閉じられる直前の状態である。この場合、弁体86はバルブ位置Dを中心にバランスするため、第2ポンプ差圧P20は一定値に(=第2制限値PLIM2)に調圧される。従って、DRプーリー駆動圧PDRとDNプーリー駆動圧PDNとの圧力差が増える場合であっても、差圧プラス方向における第2ポンプ差圧P20は第2制限値PLIM2以下に制限されるようになる。
バルブ位置Eは、弁体86が右エンド部87bに突き当たっている状態である。差圧プラス方向における第2ポンプ差圧P20がスプリング荷重圧を上回った状態である。この場合、第2ポートP2が全開状態となる。
このように、第2リミットバルブ85は、第2ポンプ差圧P20が増加するにつれて、先ず第2ポンプ20に連通する第2ポートP2を開状態にする。これにより、第1ポンプ10は第2逆止弁42を経由して第2ポンプ20のDNプーリーPu2側に連通する。次に、第2リミットバルブ85は、DNレギュレータバルブ30に連通する第4ポートP4を絞るのと同時に第2ポートP2開口を拡大するように作動する。これにより、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより高い場合であってオイルが全体として両プーリーへ供給されている場合に、第2ポンプ差圧P20が第2制限値PLIM2を超えようとすると、第1ポンプ10からオイルが第2ポンプ20のDNプーリーPu2側に供給されるようになる。これにより、点Aの圧力PAが上昇して第2ポンプ差圧P20が第2制限値PLIM2以下に制限されることになる。
図10から図12は、プーリー制御装置PCUが第2ポンプ20のモータMを調整して実ピストン位置PISAを目標ピストン位置PISTに等しくなるようにフィードバック制御した際の各データの時系列変化を示すグラフである。なお、各グラフの横軸は時刻2Tから18Tまでに統一された時間軸を表している。
図10の縦軸は、上から順に、ピストン位置PIST,PISA、外力F、プーリー流量QDR,QDN及び第2ポンプ流量Q20、プーリー駆動圧PDR,PDN及びDNプーリー駆動圧指令値PDNCMD、並びにポンプ吐出圧P10,P20及びトルクコンバータ駆動圧(TCレギュレータ圧)PTCに関する時刻2Tから時刻18Tにおける時系列変化をそれぞれ示している。
先ず、図10(a)について、縦軸はDRプーリーピストン位置(DRプーリー位置)を表している。DRプーリーピストンは正弦波振動で2往復している。時刻2Tから6Tの期間では、DRプーリーピストンが伸長してDRプーリーPu1の2つの円錐面の間隔が狭くなり、巻き掛け径が大きくなる。従って、この場合DRプーリーPu1はOD側へ変速している状態に等しい。
一方、時刻6Tから10Tの期間では、DRプーリーピストンが縮んでDRプーリーPu1の2つの円錐面の間隔が広くなり、巻き掛け径が小さくなる。従って、この場合DRプーリーPu1はLOW側へ変速している状態に等しい。目標ピストン位置PISTと実ピストン位置PISAを比較すると、両者は殆ど一致していることが分かる。ことから、第2ポンプ20のモータMを使用したプーリー位置制御(PI制御器によるピストン位置制御)が有効であることを示している。
ところで、一対のプーリーにベルトが巻き掛けられたベルト又はチェーン式CVTでは、プーリーの挟み圧は油圧ピストンにより発生させ、プーリー間における力の授受はベルト又はチェーンを介して行われる。そして、DRプーリーピストンが伸長すればDRプーリーPu1の2つの円錐間の間隔は狭まりDRプーリーの巻き掛け径が大きくなり、これによりDNプーリーPu2側のベルトが引っ張られる。ベルトが引っ張られることによりDNプーリーPu2の2つの円錐間の間隔は広くなり、DNプーリーPu2の巻き掛け径が小さくなる。すなわち、DRプーリーピストンが伸長する場合、DNプーリーピストンは収縮する。他方、DRプーリーピストンが収縮する場合、DNプーリーピストンは伸長するという連動が行われる。
ここでは、図示はされていないが、この力の伝達態様を対向する2つのピストン(図1中のDRプーリーピストンとDNプーリーピストン)を同軸上に配置することによって模擬した。また、一般的なCVTの構成に合わせてDRプーリーPu1のピストン面積をDNプーリーPu2のピストン面積より大きくした。
更に、実際の油圧回路は、伝達トルクに応じて、LOW側すなわちDRプーリーピストンを収縮して巻き掛け径を小さくする方向に力を及ぼしたり、OD側すなわちDRプーリーピストンを伸長して巻き掛け径を大きくする方向に力を及ぼしたりしている。これを、DRプーリーピストンに外力Fを与えることで模擬した。すなわち、DRプーリー駆動圧PDRとDNプーリー駆動圧PDNが等しくなる初期状態をゼロとしてDRプーリーPu1を押し戻す方向が正になるようピストンに直接外力Fを与えた。図10(b)に示されるように、外力Fは、ゼロを境にプラス・マイナス方向に振動する周期4Tの4回の振動荷重とした。なお、1回目と2回目は小振幅、3回目と4回目は大振幅とした。
また、以降において時刻2Tから4Tの期間を「第1状態」と、時刻4Tから6Tの期間を「第2状態」と、時刻6Tから8Tの期間を「第3状態」と、時刻8Tから10Tの期間を「第4状態」と、時刻10Tから12Tの期間を「第5状態」と、時刻12Tから14Tの期間を「第6状態」とそれぞれ呼ぶ場合がある。
図10(c)について、DRプーリー流量QDRとDNプーリー流量QDNの各符号については、油圧回路からプーリーに向けてオイルを送り出す方向を正、プーリーから油圧回路にオイルが戻って来る方向を負としている。第2ポンプ流量Q20の符号については、DNプーリーPu2側のポートP22からDRプーリーPu1側のポートP21へオイルが流れる方向を正としている。
図10(c)に示されるように、DRプーリー流量QDRとDNプーリー流量QDNの各符号は、互いに逆になることが分かる。従って、例えばDRプーリーPu1へオイルが送り出されているときはDNプーリーPu2からオイルが戻って来ることが分かる。これは、一対のプーリーに1本のベルトが巻き掛けられるという構造上、DRプーリーピストンが伸長すれば2つの円錐間の間隔は狭まり、DRプーリーPu1の巻き掛け径が大きくなる。これにより、DNプーリーPu2側でベルトが引っ張られてDNプーリーPu2の巻き掛け径が小さくなり、DNプーリーPu2の2つの円錐間の間隔は拡がってDNプーリーピストンは縮むという連動が行われることを示している。
また、DRプーリー流量QDRとDNプーリー流量QDNの各絶対値を比較すると、DRプーリー流量QDRのほうが大きいことが分かる。これは、一般的なCVTの構成にならってDRプーリーのピストン面積がDNプーリーのピストン面積よりも大きいことに起因する。
目標ピストン位置PISTが正に変化している時刻2Tから6Tの期間では、DRプーリーピストンは伸長してDRプーリーPu1へ油圧回路からオイルが流れる。そのため、DRプーリー流量QDRは正となる。また、目標ピストン位置PISTが負に変化している時刻6Tから10Tの期間では、DRプーリーピストンは縮んでDRプーリーPu1から油圧回路にオイルが戻って来る。そのため、DRプーリー流量QDRは負となる。
DRプーリー流量QDRと第2ポンプ流量Q20を比較すると、動作状態によって若干のずれはあるものの、第2ポンプ流量Q20はDRプーリー流用QDRにほぼ等しいことが分かる。これにより、モータMで駆動される第2ポンプ20を利用してDRプーリー流量Q20を調整して、プーリー位置、ひいてはCVTの変速比を調整することが可能であることが分かる。
図10(d)について、DNプーリー駆動圧指令値PDNCMDは一定値であり、DNプーリー駆動圧PDNはDNプーリーPu2の動作状態によらずにDNレギュレータバルブ30によってほぼDNプーリー駆動圧指令値PDNCMDに等しい一定値に維持されることが分かる。これから、DNソレノイドバルブ50によってDNプーリー駆動圧PDNを調整することにより、CVTの伝達容量を適切に調整できることが分かる。
DRプーリー駆動圧PDRは、DNプーリー駆動圧PDNに対して、時刻2Tから4Tまでは大きく、時刻4Tから6Tまでは小さく、以後交互に繰り返すことが分かる。すなわち、DRプーリー駆動圧PDRとDNプーリー駆動圧PDNとの大小関係が2Tの間隔で交互に切り替わることが分かる。図10(b)と対照すると、プーリーに加わる外力Fが正のとき、DRプーリー駆動圧PDRはDNプーリー駆動圧PDNよりも大きくなる。一方、プーリーに加わる外力Fが負のとき、DRプーリー駆動圧PDRはDNプーリー駆動圧PDNよりも小さくなることが分かる。
なお、本実施形態において、外力F、DRプーリー駆動圧PDR及びDNプーリー駆動圧PDNの間には、PDR=PDN+kF(kは正の定数)、という関係が成立する。すなわち、DRプーリー駆動圧PDRは、DNプーリー駆動圧PDNと外力Fにより引き起こされる圧力差との和に常に等しくなる。従って、DRプーリー駆動圧PDRは、DNプーリー駆動圧PDNと外力Fによって一意的に決定される。次に、第1ポンプ吐出圧P10、第2ポンプ差圧P20及びトルクコンバータ駆動圧(TCレギュレータ圧)PTCについて説明する。
図10(e)について、第1状態では、第1ポンプ10はプーリー回路へオイルを供給せずにトルクコンバータTCにのみ供給している。これは、詳細については図14を参照しながら後述するが、アンロードバルブ40が第3ライン3を切断するためである。そのため、第1ポンプ吐出圧P10は、TCレギュレータバルブ70によってトルクコンバータ駆動圧PTCに等しくなるように調圧される。
一方、第2ポンプ20はリザーバ80からオイルを吸入してプーリー回路全体の圧力を供給している。この場合、第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)は、DRプーリー駆動圧PDRとDNプーリー駆動圧PDNとの圧力差(=PDR−PDN)ではなく、回路最高圧であるDRプーリー駆動圧PDRに等しくなる。これは、第2ポンプ20のポートP22側がリザーバ80に連通して、点Aの圧力PAがゼロ圧になるためである。
第2状態では、第1ポンプ10はDNプーリーPu2へオイルを供給している。これは、詳細については図15を参照しながら後述するが、DNレギュレータバルブ30がバルブ位置Bを中心に作動するためである。この場合、第1ポンプ吐出圧P10はDNプーリー駆動圧PDNに等しくなっている。これは、第1ポンプ10がDNレギュレータバルブ30に連通し、第1ポンプ吐出圧P10がDNレギュレータバルブ30によってDNプーリー駆動圧PDNに等しくなるように調圧されるためである。
一方、第2ポンプ20はオイルをDNプーリーPu2側からDRプーリーPu1側へ送り出している。従って、第2ポンプ差圧P20はDRプーリー駆動圧PDRとDNプーリー駆動圧PDNとの圧力差のみ受けている。この場合、第2ポンプ20のポートP22側がDNプーリーPu2に連通して、点Aの圧力PAがDNプーリー駆動圧PDNに等しくなる。
第3状態では、第1ポンプ10はプーリー回路へオイルを供給せずにトルクコンバータTCにのみ供給している。これは詳細については図16を参照しながら後述するが、アンロードバルブ40が第3ライン3を切断するためである。そのため、第1ポンプ吐出圧P10は、TCレギュレータバルブ70によってトルクコンバータ駆動圧PTCに等しくなるように調圧される。
一方、第2ポンプ20はオイルをDRプーリーPu1側からDNプーリーPu2側へ送り出している。従って、第2ポンプ差圧P20はDRプーリー駆動圧PDRとDNプーリー駆動圧PDNとの圧力差のみ受ける。この場合、DRプーリーPu1からオイルが戻って来ている。つまり、油圧エネルギーがプーリーから油圧回路に流れる場合、第1ポンプ10から油圧エネルギーを油圧回路に供給しなくても、プーリーから受け取る油圧エネルギーによって油圧回路を動作させることができる。第3状態では、ポンプから供給されるエネルギーを最小限に抑えることが可能となる。
第4状態では、第3状態におけるプーリー駆動圧PDR,PDNの大小関係が切り替わったものに相等する。従って、第3状態と同様に、ポンプから供給されるエネルギーを最小限に抑えることが可能となる。
第5状態では、DRプーリー駆動圧PDRが差圧プラス方向に増大している(図10(d))。そのため、第2リミットバルブ85が作動して、差圧プラス方向における第2ポンプ差圧P20が第2制限値PLIM2を超えないように制限している。この場合、第2リミットバルブ85は第1ポンプ吐出圧P10を昇圧させ、これを後述する第7bライン7b及び第7ライン7を介して第2ポンプ20のポートP22側に圧力伝達する。これにより、点Aの圧力PAが上昇して第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)が第2制限値PLIM2以下に制限される。
従って、第1ポンプ10はプーリー回路及びトルクコンバータTCの双方にオイルを供給している。この場合、第1ポンプ吐出圧P10はトルクコンバータ駆動圧PTCより高くなる。
第6状態では、DRプーリー駆動圧PDRが差圧マイナス方向に増大している(図10(d))。そのため、第1リミットバルブ81が作動して、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値が第1制限値PLIM1を超えないように制限している。この場合、第1リミットバルブ81は、第4ポートP4を絞りながら閉じることによって点Aの圧力PAを下げる。これにより、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20(=PA−PDR)の絶対値が第1制限値PLIM1以下に制限される。
時刻14Tから16Tの期間では、第2ポンプ差圧P20は第2制限値PLIM2未満であるため、第2リミットバルブ85は非作動状態となる。従って、この期間は実質的に上記第3状態に等しくなる。
また、時刻16Tから18Tの期間について、上述した通り、第1リミットバルブ81において第1制限値PLIM1(バルブ位置B)及び第1’制限値PLIM1’(バルブ位置C)を区別しないこととしたため、この期間は実質的に上記第6状態に等しくなる。
このように、全体として、第1ポンプ10は適宜アンロード状態となると共に、第2ポンプ差圧P20は、PLIM2と−PLIM1との範囲内に制限されることが本油圧回路100の最大の特徴である。引き続いて、第3ライン3aの圧力PA、第3ライン3bの圧力PB、DNレギュレータバルブ30及びアンロードバルブ40の各バルブ位置、第1リミットバルブ81及び第2リミットバルブ85の各バルブ位置について説明する。
なお、図10(c)及び(d)にて示されているプーリー流量QDR,QDN及びプーリー駆動圧PDR,PDNについては、上記各バルブ30,40,81,85にとっての作動条件となる。従って、これらについては説明の都合上、図11(a)及び(b)として再度図示されている。
図11(c)は、第1ポンプ吐出圧P10、第3ライン3aの圧力PA及び第3ライン3bの圧力PBの時系列変化を示している。
第1状態では、第3ライン3bと第3ライン3cの間はアンロードバルブ40によって遮断され、且つ第2ポンプ20はリザーバ80からオイルを吸い上げている。そのため圧力PA,PBはどちらもゼロ圧に等しくなることが分かる。なお、第1ポンプ吐出圧P10はトルクコンバータ駆動圧PTCに等しくなる。
第2状態から第4状態では、点A及び点BはDNプーリーPu2に連通してDNプーリー駆動圧PDNに殆ど等しくなることが分かる。
第5状態(時刻10Tから12T)では、前述のように、差圧プラス方向における第2ポンプ差圧P20が第2制限値PLIM2を超えないよう第2リミットバルブ85が作動して点Aに対し、第1ポンプ10からオイルが供給されるため、点Aの圧力PAと第1ポンプ吐出圧P10は一緒に上昇することが分かる。この場合、第1リミットバルブ81は動作してないので、点Aと点Bはつながっていて、点Aの圧力PAと点Bの圧力PBは等しくなる。従って、第1ポンプ吐出圧P10、点Aの圧力PA及び点Bの圧力PBが互いに等しい状態である。
第6状態では、前述のように、第1リミットバルブ81が動作して点Aの圧力PAを下げることにより、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値を第1制限値PLIM1を超えないように制限している。この場合、アンロードバルブ40は動作してないから、点BとDNプーリーPu2は連通していて、点Bの圧力PBはDNプーリー駆動圧PDNに等しくなることが分かる。
図11(d)及び(e)は、各バルブ30,40,81,85のバルブ位置をそれぞれ示している。
アンロードバルブ40は、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNよりも高いときにバルブ位置Eで作動して,それ以外のときはバルブ位置Aで作動する。図11(b)及び(d)を対照すると、実際この通りになっていることが分かる。
DNレギュレータバルブ30は、第1ポンプ10からDNプーリーPu2へオイルを供給するとき(第1ポンプ10がオンロード状態になるとき)にはバルブ位置Bで調圧して、それ以外では(第1ポンプ10がアンロード状態になるとき)バルブ位置Dで調圧する。図11(c)及び(d)を対照すると、実際この通りになっていることが分かる。
第1リミットバルブ81は、DRプーリー駆動圧PDRと点Aの圧力PAとの圧力差の絶対値が、差圧マイナス方向において第1制限圧PLIM1を超えようとする場合に作動する。時刻12Tから14Tの第6状態では、DRプーリーPu1へオイルが流れており、第1リミットバルブ81は、DNプーリーPu2からのオイルを絞ることで点Aの圧力を下げる、いわゆるリデューシングバルブとして動作する。
一方、16Tから18Tの第6状態では、DRプーリーPu1からオイルが戻って来る。そのため、第1リミットバルブ81はオイルを点Aからリザーバ80に流して点Aの圧力PAを下げる、いわゆるリリーフバルブとして動作する。これら2つの動作(12Tから14T、16Tから18T)を第6状態として1つにまとめたのは、第1リミットバルブ81のリデューシング動作(バルブ位置B)とリリーフ動作(バルブ位置C)の開閉タイミング差が小さい場合、2つの動作は継ぎ目なく切り替わるためである。
また、図11(e)から弁体の移動量は、リデューシング動作時の移動量(=X1)よりもリリーフ動作時の移動力(=X1’)の方が若干大きいことが分かる。
また、図11(c)の第1状態から第4状態において、点Aの圧力PAは第1状態ではゼロ圧に等しく、それ以外ではDNプーリー駆動圧PDNに等しいことが分かる。第2ポンプ差圧P20が差圧プラス方向に増大し、モータMのトルクが最大となるのは第1状態のときである。第1状態において第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)が第2制限値PLIM2を超えると、第2リミットバルブ85が動作する第5状態に移行する。なお、第5状態以外では、第2ポンプ差圧P20は第2制限値PLIM2を超えることはないため、第2リミットバルブ85が動作するのは第5状態だけである。
引き続いて、各逆止弁41,42,43,44の流量について説明する。また、図11と同様な理由から、プーリー流量QDR,QDN及びプーリー駆動圧PDR,PDNについては、図12(a)及び(b)として再度図示されている。
図12(c)は、第1逆止弁41及び第2逆止弁42の各流量特性をそれぞれ示している。
第1逆止弁41は、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより低い場合であって、オイルが全体として両プーリーへ供給されている場合(時刻4Tから6T、時刻12Tから14T、時刻16Tから18Tの各期間)に限り、開状態となり第1ポンプ10からDNプーリーPu2にオイルを流す。それ以外の場合、第1逆止弁41は閉状態となりオイルがDNプーリーPu2から第1ポンプ10へ逆流するのを阻止する。このことは、図12(a)及び(b)から明らかである。
一方、第2逆止弁42は、第2ポンプ差圧P20が第2制限値PLIM2を超えようとする場合(時刻10Tから12Tの期間)に限り、開状態となり第1ポンプ10から吐出されるオイルを第7bライン7b及び第7ライン7を経由して点Aに流す。それ以外の場合、第2逆止弁42は閉状態となりオイルが第1ポンプ10に逆流するのを阻止する。このことは、図12(a)及び(b)から明らかである。
図12(d)は、第3逆止弁43及び第4逆止弁44の各流量特性をそれぞれ示している。
第3逆止弁43は、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより高い状態であり且つオイルが全体としてプーリーに供給されている場合であって、第2逆止弁42が閉状態の場合(時刻2Tから4Tの期間)に限り、リザーバ80からDRプーリーPu1へオイルを流す。それ以外の場合、第3逆止弁43は閉状態となり点Aの圧力PAがリザーバ80に抜けてしまうことを阻止する。このことは、図12(a)及び(b)から明らかである。
一方、第4逆止弁44は、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより高い場合であって、オイルが全体としてプーリーから戻って来る場合(時刻6Tから8Tの期間、時刻14Tから16Tの期間)に限り、開状態となりDRプーリーPu1からDNプーリーPu2にオイルを流す。このことは図12(a)及び(b)から明らかである。
また、点Aの圧力PAがDNプーリー駆動圧PDNより高くなる場合、第4逆止弁44は開状態となりDNプーリー駆動圧PDNを超える余剰圧力に係るオイルをDNプーリーPu2側に流す。これにより第1リミットバルブ81が元のバルブ位置Aに正常に復帰することが出来るようになる。
図13は、上記図10から図12における各ポンプ圧力状態および各バルブ状態を示す説明図である。なお、図13中の「正」とは条件が成立することを意味し、「偽」とは条件が成立しないことを意味している。
第1ポンプ10がオンロード状態(第1逆止弁41が開状態)となるのは、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより低く且つオイルが全体として両プーリーへ供給されている場合(第2状態:時刻4Tから6T、第6状態:12Tから14T)に限られる。この場合、DNレギュレータバルブ30はバルブ位置Bを中心に調圧作動する。アンロードバルブ40はバルブ位置Aを中心に動作する。従って、第1ポンプ吐出圧P10については、DNレギュレータバルブ30によってDNプーリー駆動圧PDNに調圧される。逆止弁については、第1逆止弁41のみ開状態であり、その他の逆止弁42,43,44は閉状態である。
従って、上記場合を除くDRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより高くなる場合(第1状態:時刻2Tから4T、第3状態:時刻6Tから8T、第5状態:時刻10Tから12T)、又はオイルが全体として両プーリーから戻って来る場合(第3状態と第4状態:時刻6Tから10T)は、第1ポンプ10がアンロード状態となる。第1ポンプ10がアンロード状態になる場合、第1ポンプ吐出圧P10は、TCレギュレータバルブ70によってトルクコンバータ駆動圧(TCレギュレータ圧)PTCに調圧される。なお、時刻10Tから12Tにおいて、第1ポンプ吐出圧P10がトルクコンバータ駆動圧PTCに等しくなっていないのは、第2リミットバルブ85が作動したためである。
第2リミットバルブ85は、差圧プラス方向における第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)が第2制限値PLIM2を超えようとする場合、第2制限値PLIM2からの超過分に係る圧力をカットして第2ポンプ差圧P20を第2制限値PLIM2に調圧(制限)する。その結果、点Aの圧力PAは、PA=PDR−P20=PDR−PLIM2に等しくなる。この場合、点Aと第1ポンプ10は連通しているため、第1ポンプ吐出圧P10は、PDR−PLIM2に等しくなる。
一方、第1リミットバルブ81は、差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)の絶対値が第1制限値PLIM1を超えようとする場合、第1制限値PLIM1からの超過分に係る圧力をカットして差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20の絶対値を第1制限値PLIM1に調圧(制限)する。すなわち第1ポンプ差圧P20が、−PLIM1に等しくなる。この場合、点Aの圧力PAは、PA=PDR−P20=PDR+PLIM1に調圧される。この場合、点Aと第1ポンプ10は連通していない。第1ポンプ吐出圧P10は、DNレギュレータバルブ30によってDNプーリー駆動圧PDNに調圧される。次に、各時系列におけるオイルの流れを説明する。
図14は、QDR+QDN>0且つPDR>PDN且つPDR≦PLIM2である場合の本油圧回路100の動作を示す説明図である。なお、図中の太実線はDRプーリー駆動圧PDRに等しい圧力範囲を示し、太点線はDNプーリー駆動圧PDNに等しい圧力範囲を示し、一点鎖線はトルクコンバータ駆動圧(TCレギュレータ圧)PTCに等しい圧力範囲を示し、点線はゼロ圧(大気圧)に等しい圧力範囲を示している。以降において同じ。また、この場合における流量及び圧力並びにポンプ及びバルブの各状態は上記図10から図12の時刻2Tから4Tにおける各データに対応している。
この場合、プーリー駆動圧がPDR−PDN>0なのでアンロードバルブ40がバルブ位置Eで作動して第2ポンプ20のDNプーリー側P22とDNプーリーPu2を遮断する。そして2つのプーリー流量の総和QDR+QDNが正なので、オイルは全体として油圧回路から両プーリーへ流れる。その結果、全体として両プーリーのオイルが不足する。そのため、第2ポンプ20のDNプーリー側P22は負圧になり、これによりオイルが第3逆止弁43及び第7ライン7を介してリザーバ80から第2ポンプ20のDNプーリー側P22に吸入される。第2ポンプ20のDRプーリー側P21から吐出されたオイルは、大部分がDRプーリーPu1へ、残りが第9ライン9及びアンロードバルブ40を通ってDNレギュレータバルブ30の高圧供給側(第6ポートP6)にそれぞれ供給される。
DNレギュレータバルブ30はバルブ位置Dを中心に作動して、第6ポートP6を絞りながら或いは第4ポートP4を開としてオイルを第6ライン6を介してリザーバ80にドレインしながら、DNプーリー駆動圧PDNをパイロット圧に比例するように調圧する。そして、調圧されたオイルは、DNプーリーPu2やクラッチ機構CLへ供給される。また、オイルが第6ライン6を介してリザーバ80にドレインされる場合、第6ライン6の圧力はゼロ圧に等しくなる。
他方、差圧プラス方向における第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA=PDR−0=PDR)は第2制限値PLIM2より小さい状態である。その結果、第2リミットバルブ85はバルブ位置Aで作動し、第1ポンプ10が第5ライン5を介してTCレギュレータバルブ70に連通する。その結果、第1ポンプ吐出圧P10はTCレギュレータ圧(トルクコンバータ駆動圧)PTCに調圧される。これにより、第1ライン1aの圧力もTCレギュレータ圧PTCに調圧される。その結果、第1逆止弁41は閉状態となり、第1ポンプ10はオイルを両プーリーへ供給しないアンロード状態となる。
なお、第2ポンプ差圧P20の方向はプラス方向であるため、第1リミットバルブ81は非作動状態である。
図15は、QDR+QDN>0且つPDR≦PDN且つPDR≧PDN−PLIM1である場合の本油圧回路100の動作を示す説明図である。なお、この場合における流量及び圧力並びにポンプ及びバルブの各状態は上記図10から図12の時刻4Tから6Tにおける各データに対応している。
この場合、プーリー駆動圧がPDR−PDN≦0なのでアンロードバルブ40はバルブ位置Aで作動している。従って、第3ライン3bと第3ライン3cは連通状態である。差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA=PDR−PDN)の絶対値は、第1制限値PLIM1より小さい状態である。これにより、第1リミットバルブ81は非作動状態となる。その結果、第2ポンプ20のDNプーリー側P22とDNプーリーPu2は連通している。従って、QDR+QDN>0なので、DRプーリーPu1へオイルが供給されている状態である。
一方、第2ポンプ差圧P20の方向はマイナス方向であるため、第2リミットバルブ85はバルブ位置Aで作動している。また、DRプーリーPu1からDNレギュレータバルブ30にオイルを供給するための第4ライン4は切断された状態である。その結果、オイルはDRプーリーPu1からアンロードバルブ40を経由してDNレギュレータバルブ30に供給されなくなる。これにより、DNレギュレータバルブ30においてフィードバック圧が低下し、弁体31はバルブ位置Bを中心にバランスして第2ポートP2を絞るようになる。これにより、第1ライン1a及び第15ライン15の圧力が上昇して、DNプーリー駆動圧PDNを超えるようになる。その結果、第1逆止弁41が開状態となり、第1ポンプ10から吐出されたオイルは、第1ライン1を通ってDNプーリーPu2へ供給される。従って、第1ポンプ10はオンロード状態となる。
この場合、第1ポンプ10は第1ライン1a及び第4ライン4bを介してDNレギュレータバルブ30に連通するため、第1ポンプ吐出圧P10は、DNプーリー駆動圧PDNに比例するように調圧される。また、第2ポンプ20のDNプーリーPu2側の圧力PAも同様にDNプーリー駆動圧PDNに等しくなるように調圧される。
また、上流側圧力と下流側圧力との大小関係によって第2逆止弁42、第3逆止弁43及び第4逆止弁44は全て閉状態となる。
図16は、QDR+QDN≦0且つPDR>PDNである場合の本油圧回路100の動作を示す説明図である。なお、この場合における流量及び圧力並びにポンプ及びバルブの各状態は上記図10から図12の時刻6Tから8Tにおける各データに対応している。
この場合、プーリー駆動圧がPDR−PDN>0なのでアンロードバルブ40がバルブ位置Eで作動して第2ポンプ20のDNプーリー側P22とDNプーリーPu2を遮断する。QDR+QDN≦0より、DRプーリーPu1からオイルが送り出されている状態である。従って、第2ポンプ20はオイルをDRプーリーPu1側からDNプーリーPu2側へ送り出すから、第2及び第3逆止弁42,43は閉じると共に第4逆止弁44は開状態となる。従って、DRプーリーPu1から戻って来るオイルの一部は、第4逆止弁44を経由してDNプーリーPu2又はクラッチ機構CLへ供給され、その残りは第9ライン9及びアンロードバルブ40を通ってDNレギュレータバルブ30の高圧供給側(第6ポートP6)に供給される。
DNレギュレータバルブ30はバルブ位置Dを中心に作動して、第6ポートP6を絞りながら或いは第4ポートP4を開としてオイルを第6ライン6を介してリザーバ80にドレインしながら、DNプーリー駆動圧PDNをパイロット圧に比例するように調圧する。そして、調圧されたオイルは、DNプーリーPu2やクラッチ機構CLへ供給される。また、オイルが第6ライン6を介してリザーバ80にドレインされる場合、第6ライン6の圧力はゼロ圧に等しくなる。
他方、差圧プラス方向における第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA=PDR−PDN)は第2制限値PLIM2より小さい状態である。その結果、第2リミットバルブ85はバルブ位置Aで作動し、第1ポンプ10が第5ライン5を介してTCレギュレータバルブ70に連通する。その結果、第1ポンプ吐出圧P10はTCレギュレータ圧(トルクコンバータ駆動圧)PTCに調圧される。これにより、第1ライン1aの圧力もTCレギュレータ圧PTCに調圧される。その結果、第1逆止弁41は閉状態となり、第1ポンプ10はオイルを両プーリーへ供給しないアンロード状態となる。
図17は、QDR+QDN≦0且つPDR≦PDN且つPDR≧PDN−PLIM1である場合の本油圧回路100の動作を示す説明図である。なお、この場合における流量及び圧力並びにポンプ及びバルブの各状態は上記図10から図12の時刻8Tから10Tにおける各データに対応している。
この場合、プーリー駆動圧がPDR−PDN≦0なのでアンロードバルブ40はバルブ位置Aで作動している。従って、第3ライン3bと第3ライン3cは連通状態である。差圧マイナス方向における第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA=PDR−PDN)の絶対値は、第1制限値PLIM1より小さい状態である。これにより、第1リミットバルブ81は非作動状態となる。その結果、第2ポンプ20のDNプーリー側P22とDNプーリーPu2は連通している。従って、QDR+QDN≦0なので、DRプーリーPu1からオイルが送り出されている状態である。
この場合、第2ポンプ20のDNプーリー側の圧力PAは、DNプーリー駆動圧PDN(>ゼロ圧)に等しくなるため、第3逆止弁43は閉状態になる。また、第4逆止弁44において上流側と下流側の圧力差がゼロとなるため、第4逆止弁44は閉状態となる。その結果、オイルを捨てる場所がなくなり、DNプーリー駆動圧PDNは上昇する。その結果、DNレギュレータバルブ30においてフィードバック圧が上昇し、DNレギュレータバルブ30はバルブ位置Dを中心に作動して、第4ポートP4を開としてオイルを第6ライン6を介してリザーバ80にドレインしながら、DNプーリー駆動圧PDNをパイロット圧に等しくなるように調圧する。また、オイルが第6ライン6を介してリザーバ80にドレインされる場合、第6ライン6の圧力はゼロ圧に等しくなる。
他方、第2ポンプ差圧P20の方向はマイナス方向であるため、第2リミットバルブ85はバルブ位置Aで作動している。その結果、第1ポンプ10は第5ライン5を介してTCレギュレータバルブ70に連通するため、第1ポンプ吐出圧P10がTCレギュレータ圧(トルクコンバータ駆動圧)PTCに調圧される。これにより、第1ライン1aの圧力もTCレギュレータ圧PTCに調圧される。その結果、第1逆止弁41は閉状態となり、第1ポンプ10はオイルを両プーリーへ供給しないアンロード状態となる。
図18は、QDR+QDN>0且つPDR>PDN且つPDR>PLIM2である場合の本油圧回路100の動作を示す説明図である。なお、図中の二点鎖線は、DNプーリー駆動圧PDNより低く且つTCレギュレータ圧PTCより高い中間圧を示している。以降において同じ。また、この場合における流量及び圧力並びにポンプ及びバルブの各状態は上記図10から図12の時刻10Tから12Tにおける各データに対応している。
この場合、第2ポンプ差圧P20の方向はプラス方向で、第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)は第2制限値PLIM2を超えようとしている。その結果、第2リミットバルブ85はバルブ位置Dで作動して、第2ポートP2(ライン7b)を開け、次いで第1ポンプ10の吐出口に連通する第4ポートP4の開口を絞ることにより中間圧を発生させ、この中間圧を第2ポートP2、第2逆止弁42及び第7ライン7を経由して点Aに伝達する。これにより、点Aの圧力PAが上昇して、第2ポンプ差圧P20が第2制限値PLIM2を超えないように制限される。その結果、第2ポンプ差圧P20は、第2リミットバルブ85によって第2制限値PLIM2に調圧される。なお、その他の流量及び圧力並びにポンプ及びバルブの各状態は、上記図14と同じである。
図19は、QDR+QDN>0且つPDR≦PDN且つPDR<PDN−PLIM1である場合の本油圧回路100の動作を示す説明図である。なお、この場合における流量及び圧力並びにポンプ及びバルブの各状態は上記図10から図12の時刻12Tから14Tにおける各データに対応している。
この場合、第2ポンプ差圧P20の方向はマイナス方向で、第2ポンプ差圧P20(=PDR−PA)の絶対値は第1制限値PLIM1を超えようとしている。その結果、第1リミットバルブ81が作動して、第4ポートP4を絞る又は閉じることによって点Aの圧力PAを低下させる。点Aの圧力PAが低下して中間圧となり、第2ポンプ差圧P20の絶対値が第1制限値PLIM1を超えないように制限される。その結果、その結果、第2ポンプ差圧P20の絶対値は、第1リミットバルブ81によって第1制限値PLIM1に調圧される。なお、その他の流量及び圧力並びにポンプ及びバルブの各状態は、上記図15と同じである。
以上、本油圧回路100によれば、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより低い状態であり(PDR≦PDN)、且つオイルが全体として両プーリーへ供給されている場合(QDR+QDN>0)だけに限って、第1ポンプ10がオンロード状態になる。つまり、それ以外のDRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより高い状態の場合(PDR>PDN)、又はオイルが全体として両プーリーから戻って来る場合(QDR+QDN≦0)は、第1ポンプ10はアンロード状態になる。その結果、常時駆動される第1ポンプ10の駆動動力が大幅に低減され、ひいてはCVTの動力損失が低減されることになる。これにより、車両の燃料消費率を向上させることが可能となる。
また、急停止又はキックダウン等の急変速状態において、第2ポンプ差圧P20を一定値以下(第1制限値PLIM1、第2制限値PLIM2)に制限しながら、DRプーリーPu1及びDNプーリーPu2に対し摩擦伝動に最低限必要なベース油圧及び変速比制御に必要な油圧を瞬時に供給することが可能となる。これにより、第2ポンプ(20)を駆動するモータ(M)の小型化が可能となると共に、モータ(M)の出力が小さい場合であってもキックダウン・急停止等の素早い変速比制御が可能となる。
図20は、本発明の他の実施形態に係る油圧回路200の構成を簡略化して示した説明図である。
この油圧回路200では、スプール弁タイプの上記第1逆止弁41がボール弁タイプの第1逆止弁41’に置き換えられている。なお、第1逆止弁41’の開条件は、第1ポンプ吐出圧P10がDNプーリー駆動圧PDNを上回る時であり第1逆止弁41と同じである。
また、2系統の油路(第3ライン3、第4ライン4)を選択的に開閉するアンロードバルブ40が、1系統の油路(第3ライン3)を開閉するアンロードバルブ40’に置き換えられている。本油圧回路200の第4ライン4は、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより高い場合に開状態となる第2逆止弁42を備える。これにより、PDR>PDNの場合にDRプーリーPu1からオイルがDNレギュレータバルブ30に供給されるようになる。その結果、アンロードバルブ40’及び第2逆止弁42の組み合わせはアンロードバルブ40と同等の機能を有するようになる。
更に、2系統の油路を選択的に又は同時に開閉する第2リミットバルブ85が、1系統の油路を開閉する第2リミットバルブ85’に置き換えられている。第2リミットバルブ85’は、第4aライン4aを介して第2ポンプ20のDRプーリー側P21の圧力PDRが常時作用し、第7aライン7aを介して第2ポンプ20のDNプーリー側P22の圧力PAが常時作用する。従って、第2ポンプ差圧P20が差圧プラス方向において第2制限値PLIM2を超えようとする場合に、第2リミットバルブ85’が作動し第5ライン5を絞りながら閉じるように作動する。これにより、第2リミットバルブ85’の上流側の第5ライン5bのライン圧が上昇して中間圧を発生させる。中間圧は第7bライン7b、第3逆止弁43及び第7ライン7を経由して点Aに伝わり、これにより点Aの圧力PAが上昇する。点Aの圧力PAが上昇することにより、第2ポンプ差圧P20が第2制限値PLIM2を超えないように制限される。つまり、第2リミットバルブ85’は第2リミットバルブ85と同等の機能を有する。
なお、上記図14と同じQDR+QDN>0且つPDR>PDN且つPDR≦PLIM2である場合、第3ライン3がアンロードバルブ40’によって切断されると、第1ポンプ10から吐出されるオイルは、第7bライン7b及び第3逆止弁43、第7ライン7を介して第2ポンプ20に供給される。オイルは第2ポンプ20によって昇圧された後、一部がDRプーリーPu1に供給され、残りが第4ライン4を経由してDNレギュレータバルブ30に供給される。つまり、PDR>PDN且つQDR+QDN>0である場合、第1ポンプ10から吐出されるオイルは、DRプーリーPu1に供給される。
しかし、この場合、第1ポンプ10とTCレギュレータバルブ70は連通状態になる。従って、第1ポンプ吐出圧P10はTCレギュレータバルブ70によってトルクコンバータ駆動圧(TCレギュレータ圧)PTCに調圧される。トルクコンバータ駆動圧PTCはDNプーリー駆動圧PDNよりかなり低い値である。従って、上記場合であっても第1ポンプ10はアンロード状態になる。従って、本油圧回路200についても、DRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより低い状態であり(PDR≦PDN)、且つオイルが全体として両プーリーへ供給されている場合(QDR+QDN>0)だけに限って、第1ポンプ10がオンロード状態になる。つまり、それ以外のDRプーリー駆動圧PDRがDNプーリー駆動圧PDNより高い状態の場合(PDR>PDN)、又はオイルが全体として両プーリーから戻って来る場合(QDR+QDN≦0)は、第1ポンプ10はアンロード状態になる。
以上の通り、本油圧回路200では、上記第1逆止弁41’、アンロードバルブ40’及び第2リミットバルブ85’等が簡素化され、上記油圧回路100に比べ軽量化・小型化およびコストダウンの点で有利となる。その反面、本油圧回路200はDNレギュレータバルブ30と第1逆止弁41’との間にオリフィスORを用いた振動抑止機構を容易に構成することが出来ないというデメリットを有している。
1 第1ライン
2 第2ライン
3 第3ライン
4 第4ライン
5 第5ライン
6 第6ライン
6a 第6aライン
7 第7ライン
7a 第7aライン
7b 第7bライン
8 第8ライン
9 第9ライン
9a 第9aライン
11 第11ライン
12 第12ライン
13 第13ライン
14 第14ライン
15 第15ライン
16 第16ライン
17 第17ライン
18 第18ライン
10 第1ポンプ
20 第2ポンプ
30 DNレギュレータバルブ(第1圧力調整弁)
40、40’ アンロードバルブ(遮断弁)
41、41’ 第1逆止弁
42 第2逆止弁
43 第3逆止弁
44 第4逆止弁
50 DNソレノイドバルブ(リニアソレノイド)
60 クラッチリデューシングバルブ(第2圧力調整弁)
70 TCレギュレータバルブ
80 リザーバ
81 第1リミットバルブ
85、85’ 第2リミットバルブ
100、200 油圧回路

Claims (12)

  1. 一対で動作する第1及び第2油圧機器と、
    前記第1及び第2油圧機器を駆動するために最低限必要となるベース油圧を供給する第1ポンプと、
    前記第1及び第2油圧機器の間でオイルを交互に移動させる第2ポンプと、
    前記第1ポンプと前記第2油圧機器を接続する第1ラインと、
    前記第2ポンプと前記第1油圧機器を接続する第2ラインと、
    前記第2ポンプと前記第2油圧機器を接続する第3ラインと、
    前記第1油圧機器と前記第2油圧機器を接続する第4ラインと、
    前記第1ラインから分岐し、前記第2油圧機器の第2駆動圧より圧力が低い低圧回路に接続する第5ラインと、
    フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによって前記第2油圧機器の第2駆動圧を該パイロット圧に対応する又は等しくなるように調圧する第1圧力調整弁と、
    前記第1圧力調整弁とリザーバを接続する第6ラインと、を備えた油圧回路であって、
    前記第1ラインは、前記前記第1ポンプの吐出圧が前記第2油圧機器の第2駆動圧より高い場合にオイルの流入を許可する第1逆止弁を有し、且つ
    前記第1圧力調整弁は、前記フィードバック圧として前記第2駆動圧を取り込みながら前記第4ライン、前記第5ライン又は前記第6ラインを開閉するように構成され、且つ
    前記第3ラインは、前記第2ポンプの差圧の絶対値がマイナス方向において予め設定された第1制限値を超えようとするときに、該第3ラインを閉じる又はオイルを排出するように作動する第1リミットバルブをその途中に備えていることを特徴とすることを特徴とする油圧機器用油圧回路。
  2. 前記第1ポンプと、前記第2ポンプと前記第1リミットバルブとの間に位置する部位にそれぞれ連通して、前記第2ポンプの差圧がプラス方向において予め設定された第2制限値を超えようとするとき、該部位の圧力を昇圧させるように作動する第2リミットバルブを備えていることを特徴とする請求項1に記載の油圧機器用油圧回路。
  3. 前記第3ラインは、前記第1油圧機器の第1駆動圧が前記第2油圧機器の第2駆動圧より高くなる場合に該第3ラインを切断する遮断弁を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧機器用油圧回路。
  4. 前記遮断弁は、前記第1駆動圧と前記第2駆動圧との圧力差によって前記第3ライン又は前記第4ラインの何れか一方を選択的に開閉することを特徴とする請求項3に記載の油圧機器用油圧回路。
  5. 前記第4ラインは、前記第1油圧機器の第1駆動圧が前記第2油圧機器の第2駆動圧より高くなる場合に前記第1油圧機器から送り出されるオイルを前記第1圧力調整弁に流す第2逆止弁を備えることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の油圧機器用油圧回路。
  6. 前記第3ラインの内で前記第2ポンプと前記遮断弁との間から分岐しリザーバに接続する第7ラインを備え、該第7ラインは前記リザーバから前記第2ポンプへのオイルの流入のみを許可する第3逆止弁を有することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の油圧機器用油圧回路。
  7. 前記第3ラインの内で前記第2ポンプと前記遮断弁との間から分岐し前記第1ラインに接続する第8ラインを備え、該第8ラインは前記第3ラインから前記第1ラインへのオイルの流入のみを許可する第4逆止弁を有することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の油圧機器用油圧回路。
  8. 前記第1逆止弁は、上流側圧力と下流側圧力との力の釣り合いによって前記第1ラインを開閉するスプール型の通常閉弁であって、該上流側圧力を前記第1ラインから取り込むと共に、該下流側圧力を前記第1圧力調整弁のフィードバック圧ラインから取り込むことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の油圧機器用油圧回路。
  9. 前記フィードバック圧ラインは、オリフィスを備えることを特徴とする請求項8に記載の油圧機器用油圧回路。
  10. 前記第1圧力調整弁は、外周面に凹凸が形成された弁体、該弁体が摺動するボディ、及び該弁体を付勢するスプリングによって構成され、
    前記第5ラインが開き始めるバルブ位置ならびに前記第4ラインが閉じ始めると共に前記第6ラインが開き始めるバルブ位置を有することことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載に油圧機器用油圧回路。
  11. 前記第1圧力調整弁に対し前記ベース油圧に係るパイロット圧を供給するリニアソレノイドと、
    前記リニアソレノイドに対し元圧を供給する第2圧力調整弁とを備えることを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の油圧機器用油圧回路。
  12. 前記第1及び第2油圧機器は、一対のプーリー機構であることを特徴とする請求項1から11の何れかに記載の油圧機器用油圧回路。
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