JP2017216770A - 発電装置および電子デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性材料を用いて発電装置のケースを構成することにより、小型化および生産性の向上が可能な発電装置および該発電装置を用いた電子デバイスを提供する。【解決手段】発電装置100は、磁性材料で構成されたケース1と、コイル21を備えるコイル組立体2と、コイル21と所定の距離だけ離間して設けられたマグネット31を備えるマグネット組立体3と、マグネット組立体3を、回転可能に保持するマグネット組立体ホルダー4と、マグネット組立体ホルダー4を駆動させ、マグネット組立体3を第1の方向に回転させるための外力を印加するための操作部6と、外力を弾性エネルギーとして貯蔵し、さらに、貯蔵された弾性エネルギーを解放することにより、マグネット組立体3を第2の方向に回転させる弾性部材(コイルバネ)5とを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、一般に、発電装置および該発電装置を用いた電子デバイスに関し、より具体的には、操作部を介して印加された外力を利用して発電を行う発電装置および該発電装置を用いた電子デバイスに関する。
従来、無線通信を介して照明装置等の電子デバイスをON/OFFする無線操作装置(例えば、無線スイッチ)が知られている。無線操作装置を用いた場合、制御される電子機器と操作装置とを分離して配置することができるため、両者を一体化した装置に比べて、電子機器および操作装置の配設位置の自由度が高くなる。このため、電子機器および操作装置の配設位置に制約がある場合等において、無線操作装置は高い利便性を有する。
この無線操作装置の電源として、乾電池やリチウムイオン電池等のバッテリーが一般的に用いられている。しかしながら、バッテリーを無線操作装置の電源として用いた場合、バッテリーの交換や点検等の保守作業が必要となり、無線操作装置の使用性および保守性(メンテナンス性)が低下してしまう。このため、外部から供給されるエネルギー(運動エネルギー、熱エネルギー、振動エネルギー、電気エネルギー等)を利用して発電を行う発電装置を無線操作装置内に設け、使用性および保守性を向上させたバッテリーレス無線スイッチが提案されている。
例えば、特許文献1は、操作者がボタンを押圧することにより印加された外力を利用して発電を行う発電装置を無線操作装置内において用いることを開示している。特許文献1の発電装置は、平板状のマグネットと、平板状のマグネットのN極側およびS極側の両面上にそれぞれ接着された2枚の平板状のヨークとから構成されるマグネット組立体と、該マグネット組立体の下方に配置されたコイルとを有している。特許文献1の発電装置では、操作者がボタンを押圧することにより印加された外力を利用して、コイル上方にてマグネット組立体を回転させることにより、コイルを貫く磁束密度(磁力線の数)を変化させ、発電を行っている。このような発電装置では、回転するマグネットおよびヨークによって、コイルを貫く磁束(磁力線)が流れる磁気回路が構成されている。
特許文献1の発電装置では、2枚の平板状のヨークの間に平板状のマグネットを設けることによって、マグネット組立体のN極およびS極をヨークの先端部に位置させている。さらに、マグネット組立体のN極およびS極であるヨークの先端部をコイルに近接させることにより発電効率の向上を図っている。しかしながら、特許文献1の発電装置のような構成を用いた場合、平板状のマグネットに加えて、2枚の平板状のヨークも回転させる必要があるため、マグネット組立体が大型化してしまう。さらに、マグネット組立体を回転させるための回転機構も大型化してしまうため、結果として、発電装置が大型化してしまう。
また、特許文献1の発電装置では、発電効率を向上させるため、回転するヨークの先端部をコイルに近接させる必要がある。このような回転するヨークの先端部をコイルに衝突しないように近接させるためには、発電装置の生産時において、マグネット組立体のヨークの先端部とコイルとの間の離間距離を厳密に管理する必要がある。そのため、発電装置の生産時の寸法管理が困難となり、発電装置の生産性が低下してしまう。
そのため、特許文献1が開示するような、平板状のマグネットと、平板状のマグネットの両面上にそれぞれ接着された2枚の平板状のヨークとから構成されるマグネット組立体を回転させることにより発電を行う発電機構を用いた場合、発電装置を小型化すること、および該発電装置の生産性を向上させることが困難であった。
特開2015−50844号公報
本発明は、上記従来の問題点を鑑みたものであり、その目的は、磁性材料を用いて発電装置のケースを構成することにより、小型化および生産性の向上が可能な発電装置および該発電装置を用いた電子デバイスを提供することにある。
このような目的は、以下の(1)〜(7)の本発明により達成される。
(1)磁性材料で構成されたケースと、
前記ケース内に設けられ、コイルを備えるコイル組立体と、
前記コイルと所定の距離だけ離間して設けられたマグネットを備え、前記ケース内に設けられたマグネット組立体と、
前記マグネット組立体を、回転可能に保持するマグネット組立体ホルダーと、
前記マグネット組立体ホルダーを駆動させ、前記マグネット組立体を第1の方向に回転させるための外力を印加するための操作部と、
前記操作部を介して印加された前記外力を弾性エネルギーとして貯蔵し、さらに、前記貯蔵された弾性エネルギーを解放することにより、前記マグネット組立体ホルダーを駆動させ、前記マグネット組立体を第2の方向に回転させる弾性部材と、を含み、
前記マグネットから発せられ、前記コイルを貫く磁束が流れる磁気回路は、前記ケース、前記コイル組立体、および前記マグネット組立体により構成されており、
前記マグネット組立体ホルダーは、前記弾性部材が解放した前記弾性エネルギーによって駆動されたとき、前記マグネット組立体を前記第2の方向に回転させることにより、前記コイルを貫く前記磁束の密度を変化させ、発電を行うことを特徴とする発電装置。
(2)前記マグネット組立体ホルダーは、前記操作部を介して印加された前記外力によって駆動されたとき、前記マグネット組立体を前記第1の方向に回転させるよう構成されていることを特徴とする上記(1)に記載の発電装置。
(3)前記操作部は、前記外力が印加されたとき、前記マグネット組立体が前記第1の方向に所定の量回転するまで、前記マグネット組立体ホルダーを押圧し、さらに、前記マグネット組立体が前記第1の方向に前記所定の量回転した時、前記マグネット組立体ホルダーに対する押圧を解除するよう構成されている上記(1)または(2)に記載の発電装置。
(4)前記弾性部材は、前記マグネット組立体ホルダーが前記操作部によって押圧されたとき、前記マグネット組立体ホルダーによって圧縮され、前記外力を前記弾性エネルギーとして貯蔵し、さらに、前記操作部による前記マグネット組立体ホルダーに対する前記押圧が解除されたとき、前記貯蔵された前記弾性エネルギーを解放する上記(3)に記載の発電装置。
(5)前記コイル組立体は、前記コイルの中央空洞部内に挿通された磁性材料から構成される芯部をさらに備える上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の発電装置。
(6)前記ケースを構成する前記磁性材料は、0.12mH/m以上の透磁率を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の発電装置。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の発電装置と、
前記発電装置が発電した電力によって駆動される電子回路と、を含むことを特徴とする電子デバイス。
本発明によれば、発電装置のケースが磁性材料によって構成されているため、従来技術と比較して、磁気回路を構成するための部品点数を削減することができる。そのため、発電装置全体を小型化することができる。さらに、本発明によれば、ケースを磁気回路の一部として利用しているため、マグネット組立体と、コイルの中央空洞部内に挿入され、磁気回路を構成する芯部(コア)とを近接させる必要がなくなる。そのため、マグネット組立体とコイル(または、芯部)との間の離間距離の変動に強い構造を実現できる。これにより、発電装置の寸法管理が容易となり、発電装置の生産性を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、磁気回路を構成するための部品としてケースを用いるため、発電装置の部品点数が削減され、発電装置の構造をより簡略化することができる。そのため、発電装置の機械設計が容易となる。
本発明の実施形態に係る発電装置の外観を示す斜視図である。 図1に示す発電装置の分解斜視図である。 図1に示す発電装置が備えるケースの別の視点からの斜視図である。 図1に示す発電装置が備えるコイル組立体の別の視点からの斜視図である。 図1に示す発電装置が備えるコイル組立体の断面図である。 図1に示す発電装置が備えるマグネット組立体の分解斜視図である。 図1に示す発電装置が備えるマグネット組立体の断面図である。 図1に示す発電装置が備えるラック支持体の別の視点からの斜視図である。 図1に示す発電装置が備えるラックの別の視点からの斜視図である。 図9に示すラックが図8に示すラック支持体に支持された状態を示す斜視図である。 図1に示す発電装置が備える蓋部の別の視点からの斜視図である。 図1に示す発電装置が備える押圧部の別の視点からの斜視図である。 図1に示す発電装置が備える板バネの別の視点からの斜視図である。 図1に示す発電装置の内部構造を示す側面図である。 図1に示す発電装置の動作を説明するための断面図である。 図1に示す発電装置におけるマグネット組立体の回転動作を説明するための一部断面図である。 図1に示す発電装置の動作を説明するための断面図である。 図1に示す発電装置の動作を説明するための断面図である。 図1に示す発電装置における磁気回路を説明するための図である。
以下、本発明の発電装置および該発電装置を備えた電子デバイスを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。最初に、図1〜図14を参照して、本発明の発電装置および該発電装置の各部品について詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係る発電装置の外観を示す斜視図である。図2は、図1に示す発電装置の分解斜視図である。図3は、図1に示す発電装置が備えるケースの別の視点からの斜視図である。図4は、図1に示す発電装置が備えるコイル組立体の別の視点からの斜視図である。図5は、図1に示す発電装置が備えるコイル組立体の断面図である。図6は、図1に示す発電装置が備えるマグネット組立体の分解斜視図である。図7は、図1に示す発電装置が備えるマグネット組立体の断面図である。図8は、図1に示す発電装置が備えるラック支持体の別の視点からの斜視図である。図9は、図1に示す発電装置が備えるラックの別の視点からの斜視図である。図10は、図9に示すラックが図8に示すラック支持体に支持された状態を示す斜視図である。図11は、図1に示す発電装置が備える蓋部の別の視点からの斜視図である。図12は、図1に示す発電装置が備える押圧部の別の視点からの斜視図である。図13は、図1に示す発電装置が備える板バネの別の視点からの斜視図である。図14は、図1に示す発電装置の内部構造を示す側面図である。
なお、以下の説明では、各図のZ1方向側を「上」または「上方」と言い、Z2方向側を「下」または「下方」と言う場合がある。
図1および図2に示す本発明の発電装置100は、大略すると、磁性材料で構成されたケース1と、コイル21を備えるコイル組立体2と、コイル21と所定の距離だけ離間して設けられたマグネット31を備えるマグネット組立体3と、マグネット組立体3を回転可能に保持するマグネット組立体ホルダー4と、マグネット組立体ホルダー4を駆動させるためのコイルバネ(弾性部材)5と、外力を印加するための操作部6とを含んでいる。
図1に示すように、発電装置100が組み立てられた状態において、操作部6の押圧部61は、ケース1の上側(Z1方向側)の端部から上方に向かって突出している。また、ケース1の下端部からは、外部に設けられた電子回路(図示せず)に電力を供給するための一対の端子211が下方に向かって延伸している。
操作者(ユーザーや、発電装置100に外力を印加するその他のデバイス等)は、ケース1の上側の端部から突出している押圧部61を下方向(Z2方向)に押圧することにより、発電装置100に対して外力を印加することができる。発電装置100に対して外力が印加されると、発電装置100は、印加された外力を利用して発電を行い、電力を一対の端子211に接続された電子回路に供給することができる。
より具体的には、発電装置100は、操作者により印加された外力を利用して、マグネット組立体3を回転させることにより、コイル21を貫く磁束の密度を変化させ、発電を行い、電力を一対の端子211に接続された電子回路に供給することができる。
以下、発電装置100の各部品について詳述する。
<ケース1>
ケース1は、磁性材料によって構成され、コイル組立体2およびマグネット組立体3と協働して、コイル21を貫く磁束(磁力線)が流れる磁気回路を構成する。
ケース1を構成する磁性材料は、約0.12mH/m以上の透磁率を有していることが好ましい。ケース1を構成する磁性材料の透磁率が上記下限値未満であると、コイル21を貫く磁束(磁力線)が流れる磁気回路を十分に形成することができず、発電装置100の発電効率が低下する場合がある。また、ケース1を構成する磁性材料の透磁率の上限値は、約10H/mであることが好ましい。
このような透磁率を有している磁性材料としては、例えば、フェライト系ステンレス鋼(例えば、JIS SUS430)、マルテンサイト系ステンス鋼(例えば、JIS SUS403)、純鉄(例えば、JIS SUY)、軟鉄、炭素鋼、電磁鋼(ケイ素鋼)、高速度工具鋼、構造鋼(例えば、JIS SS400)、パーマロイ、またはこれらの組み合わせを挙げることができ、これらの中でも、優れた強度と耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼を用いてケース1を構成することが特に好ましい。
図3に示すように、ケース1は、有底の円筒状形状を有し、発電装置100の各部品をその内部に収納する。ケース1は、略円形の平面視形状を有する底板部11と、底板部11の周辺部から上方(図2中のZ1方向)に突出するよう設けられた壁部12とを有している。
底板部11の略中央部には、後述するコイル組立体2の凸部224(図5参照)を受け入れ、支持するための略円形の貫通孔111が形成されている。さらに、底板部11の端部には、一対の端子211を挿通させるための端子用孔112が形成されている。また、壁部12の上端側には、一対の孔部13が互いに対向するよう形成されている。この一対の孔部13は、発電装置100が組み立てられた状態において、蓋部43の凸部439(図11参照)を受け入れ可能なよう形成されている。
なお、図示の形態において、ケース1は、有底の円筒状形状を有しているが、ケース1の形状は、発電装置100の各部品をその内部に収納することができれば、これに限られない。例えば、ケース1は、有底の四角筒形状、八角筒形状等の有底の多角筒形状、有底の楕円筒形状、または任意の水平断面形状を有する筒形状を有していてもよい。
また、ケース1の各部品(底板部11および壁部12)は、それぞれ個別の部品であってもよいが、部品点数の削減および各部品間の接着不良防止や離脱防止の観点から、ケース1は、一体成型により形成されていることが好ましい。
<コイル組立体2>
コイル組立体2は、ケース1およびマグネット組立体3と協働して、コイル21を貫く磁束(磁力線)が流れる磁気回路を構成する。図4および図5に示すように、コイル組立体2は、コイル21と、コイル21を保持するコイルホルダー22とを備えている。
コイルホルダー22は、磁性材料で構成され、下板部221と、上板部222と、下板部221と上板部222とを連結する円柱状の芯部223とを備えている。下板部221および上板部222は、略円形の平面視形状を有しており、同心円状に互いに対向するよう設けられている。
図4および図5に示すように、下板部221の直径は、コイル21および上板部222の直径よりも大きい。そのため、下板部221を上側(Z1方向側)から見た場合、下板部221の周辺部2211は、上板部222から外側に向かって突出している。発電装置100が組み立てられた状態において、この下板部221の周辺部2211上に、コイルバネ5が載置される。したがって、下板部221は、コイルバネ5用のバネ載置部としての機能を果たすことができる。
また、下板部221の下面の略中央部には、凸部224が形成されている。凸部224は、略円形の平面視形状を有し、ケース1の底板部11に形成された貫通孔111の直径と略等しい直径を有している。発電装置100が組み立てられた状態において、凸部224がケース1の貫通孔111内に挿入され、コイル組立体2が支持される。これにより、発電装置100が組み立てられた状態において、ケース1内部におけるコイル組立体2の面方向(X方向およびY方向)への揺動が防止される。なお、発電装置100が組み立てられた状態において、凸部224は、カシメ、溶接(レーザー溶接、電気溶接)、接着剤等により、ケース1の貫通孔111内で固定される。
また、図4に示すように、下板部221の一部は、半径方向に沿って切り欠かれ、切り欠け部2212が形成されている。切り欠け部2212を介して、コイル21の一対の端部が、端子211としてコイルホルダー22から下方(Z2方向)に延伸する。
上板部222は、下板部221の直径よりも小さく、芯部223の直径よりも大きい直径を有している。また、上板部222の直径は、下板部221の周辺部2211上に載置されるコイルバネ5の内径よりも小さい。そのため、図15に示すように、コイルバネ5の中央空洞部内に、上板部222、芯部223、およびコイル21が挿通された状態で、コイルバネ5を下板部221の周辺部2211上に載置することができる。
また、図15に示すように、発電装置100が組み立てられた状態において、上板部222の上面には、マグネット組立体3が載置される。そのため、マグネット組立体3は、上板部222と、後述する蓋部43の円弧状切り欠け部434との間で、上下方向(Z方向)に揺動しないよう、回転可能に保持される。
なお、本実施形態では、発電装置100が組み立てられた状態において、マグネット組立体3が、上板部222上に載置されるが、本発明はこれに限られない。例えば、マグネット組立体3は、発電装置100が組み立てられた状態において、マグネット組立体ホルダー4によって、コイル組立体2の上板部222の上方に、コイル組立体2の上板部222から所定の距離だけ離間するよう保持されていてもよい。
発電装置100が組み立てられた状態において、マグネット組立体3がコイル組立体2の上板部222上に載置される場合、上板部222の上面であって、マグネット組立体3が接触する部分には、潤滑剤の塗布やフッ素樹脂やシリコン樹脂等によるコーティング加工等の摩擦係数を減少させるための滑り加工が施されていてもよい。これにより、上板部222の上面であって、マグネット組立体3が接触する部分の摩擦係数が減少するので、マグネット組立体3の回転が、上板部222の上面と、マグネット組立体3との間の摩擦によって妨げられることを防止することができる。
芯部223は、下板部221と上板部222とを連結している。芯部223は、芯部223の下端部が下板部221の上面の略中央部に接し、上端部が上板部222の下面の略中央部に接するよう設けられている。上述したように、芯部223の直径は、下板部221および上板部222の直径よりも小さい。そのため、芯部223の外周面と、下板部221の上面と、上板部222の下面とによって規定される空間内に、コイル21を収納することができる。
このような下板部221、上板部222、および芯部223を備えるコイルホルダー22は、磁性材料で構成されているため、ケース1およびマグネット組立体3と協働して、コイル21を貫く磁束(磁力線)が流れる磁気回路を構成することができる。コイルホルダー22を構成する磁性材料として、上述したケース1を構成する磁性材料と同じ磁性材料を用いることができ、特に、高い透磁率を有する純鉄等の鉄系材料を用いることが好ましい。
また、コイルホルダー22の各部品(下板部221、上板部222、および芯部223)は、それぞれ個別の部品であってもよいが、部品点数の削減および各部品間の接着不良防止や離脱防止の観点から、コイルホルダー22は、一体成型により形成されていることが好ましい。
コイル21は、コイルホルダー22の芯部223に線材を巻回することにより形成される。また、コイル21の外径は、コイルホルダー22の上板部222の直径よりも小さい。また、コイル21の一対の端部は、外部に設けられた電子回路(図示せず)に電力を供給するための一対の端子211として、下板部221の切り欠け部2212を介して下方(Z2方向)に延伸している。この一対の端子211は、発電装置100が組み立てられた状態において、ケース1の底板部11に設けられた端子用孔112を介して、ケース1の外部に延伸する。
コイル21は、コイルホルダー22の芯部223の周りを囲むように設けられているため、磁気回路内、特に、コイルホルダー22の芯部223内を流れる磁束の密度が変化した時、コイル21内に電力が発生する。
また、コイル21の中央空洞部内には、磁性材料により構成されたコイルホルダー22の芯部223が挿通されているため、コイル21を貫く磁束の密度を高めることができ、発電装置100の発電効率を向上させることができる。
コイル21を形成する線材としては、特に限定されないが、例えば、銅製の基線に絶縁被膜を被覆した線材や、銅製の基線に融着機能を付加した絶縁被膜を被覆した線材や、これらの組み合わせを用いることができる。なお、線材の横断面形状は、例えば、三角形、正方形、長方形、六角形のような多角形、円形、楕円形等のいかなる形状であってもよい。
コイル21の高さ、中央空洞部の断面積(コイル21の内径)、およびコイル21を構成する線材の巻き数は、マグネット組立体3から発せられる磁束の密度(磁力線の数)、後述するマグネット組立体3の回転速度等に応じて、コイル21内に発生する電力が、外部に設けられた電子回路を駆動するための駆動最低電力(例えば、約200μJ)以上となるよう適宜設定される。
<マグネット組立体3>
マグネット組立体3は、ケース1およびコイル組立体2と協働して、コイル21を貫く磁束(磁力線)が流れる磁気回路を構成する。図6および図7に示すように、マグネット組立体3は、円柱状のマグネット31と、第1のマグネット組立体部品32aと、第2のマグネット組立体部品32bとを備えている。
マグネット31は、円柱形状を有しており、上面側にN極が位置しており、下面側にS極が位置している。したがって、マグネット31は、その高さ方向(Z方向)に磁化方向(着磁方向)Mを有している。
なお、本実施形態では、マグネット31は、円柱形状を有しているが、マグネット31のN極とS極が、マグネット31の最外殻で高さ方向(Z方向)において互いに対になっていれば、マグネット31の形状は、これに限られない。例えば、マグネット31は、四角柱形状、球状等を有していてもよい。
マグネット31としては、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石や、それらを粉砕して樹脂材料やゴム材料に混練した複合素材を成形してなる磁石(ボンド磁石)等を用いることができる。これらの中でも、マグネット31として、強い磁力を有するネオジム磁石や高い耐熱性を有するサマリウムコバルト磁石を用いることが好ましい。
第1のマグネット組立体部品32aおよび第2のマグネット組立体部品32bは、弱磁性材料または非磁性材料で構成されており、互いに係合し、マグネット31をその内部に収納する。第1のマグネット組立体部品32aおよび第2のマグネット組立体部品32bの構成材料としては、重量の軽い樹脂材料を用いることが好ましい。
第1のマグネット組立体部品32aは、略半球状の全体形状を有しており、略円形の平面視形状を有する板状部320と、板状部320から半球状に外側に向かって突出する半球状突出部321と、半球状突出部321の板状部320と接している面に対して反対側の面の略中心部上に設けられた歯車(ピニオンギア)322と、歯車322の半球状突出部321と接している面に対して反対側の面の略中心部上に設けられた突出部323とを有している。
また、第1のマグネット組立体部品32aの板状部320の第2のマグネット組立体部品32bと対向する面(板状部320の半球状突出部321が設けられている面に対して反対側の面)上には、マグネット収納部324と、係合凹部325と、係合凸部326とが形成されている。
マグネット収納部324は、板状部320に形成された凹部であり、その形状およびサイズ(幅および高さ)は、マグネット31の形状に応じて適宜設定される。係合凹部325は、マグネット収納部324の上側に設けられており、略円形の平面視形状を有する。一方、係合凸部326は、マグネット収納部324の下側に設けられており、略円柱状の全体形状を有している。
第2のマグネット組立体部品32bは、係合凹部325および係合凸部326の位置が入れ替わっている点を除き、第1のマグネット組立体部品32aと同じ構成を有している。
図7に示すように、マグネット31を第1のマグネット組立体部品32a(または第2のマグネット組立体部品32b)のマグネット収納部324内に収納した状態において、第1のマグネット組立体部品32aの係合凹部325内に第2のマグネット組立体部品32bの係合凸部326を挿入し、第2のマグネット組立体部品32bの係合凹部325内に第1のマグネット組立体部品32aの係合凸部326を挿入することによって、マグネット組立体3が組み立てられる。
また、マグネット組立体3が組み立てられた状態において、第1のマグネット組立体部品32aは、接着剤による接着や、熱や超音波等による溶着によって、第2のマグネット組立体部品32bに接合される。
発電装置100が組み立てられた状態において、マグネット組立体3の一対の歯車322は、後述するマグネット組立体ホルダー4のラック42の係合面423(図9参照)と噛み合い係合する。ラック42の係合面423が歯車322と係合した状態で、ラック42が上下方向(Z方向)にスライド移動すると、マグネット組立体3がマグネット31の磁化方向Mに対して垂直な軸周りに回転する。
また、図15に示すように、発電装置100が組み立てられた状態において、マグネット組立体3は、コイル組立体2の上板部222上に載置され、コイル組立体2の上板部222と、蓋部43の円弧状切り欠け部434との間で、上下方向(Z方向)に揺動しないように保持される。マグネット組立体3は、コイル組立体2の上板部222上に載置されるため、発電装置100が組み立てられた状態において、マグネット31は、コイル21から所定の距離だけ離間して配置される。
また、マグネット組立体3は、マグネット組立体3が組み立てられた状態において、一対の突出部323間の距離が、ケース1の壁部12の内径と略等しくなるよう構成されている。そのため、図15に示すように、発電装置100が組み立てられた状態において、マグネット組立体3の一対の突出部323は、ケース1の壁部12の内周面と係合し、ケース1内部におけるマグネット組立体3のX方向への揺動を防止するとともに、マグネット組立体3の回転軸Aを規定する。
また、第1のマグネット組立体部品32aおよび第2のマグネット組立体部品32bの各部品は、それぞれ個別の部品であってもよいが、部品点数の削減および各部品間の接着不良防止や離脱防止の観点から、第1のマグネット組立体部品32aおよび第2のマグネット組立体部品32bのそれぞれは、一体成型により形成されていることが好ましい。また、第1のマグネット組立体部品32aおよび第2のマグネット組立体部品32bは、マグネット31を埋め込んだ状態で樹脂材料の成形を行うインサート成形により、一体的に形成されていてもよい。
<マグネット組立体ホルダー4>
マグネット組立体ホルダー4は、弱磁性材料または非磁性材料により構成されており、マグネット組立体3を回転可能に保持する。マグネット組立体ホルダー4の構成材料としては、重量の軽い樹脂材料を用いることが好ましい。
図2に示すように、マグネット組立体ホルダー4は、ラック支持体41と、ラック42と、蓋部43とを備えている。
<<ラック支持体41>>
図8に示すように、ラック支持体41は、下板部411と、下板部411から上方に延伸するよう設けられた一対の壁部412と、一対の壁部412を連結する連結部413とを備えている。
下板部411は、円環形状を有し、その中央部には、略円形の平面視形状を有する開口が形成されている。下板部411は、ケース1の壁部12の内径と略等しい外径と、コイルバネ5の内径よりも小さな内径を有している。そのため、図15に示すように、発電装置100が組み立てられた状態において、下板部411の下面は、コイルバネ5の上端と接する。また、図10に示すように、ラック42がラック支持体41によって支持された状態において、下板部411は、ラック42の一対の板状部421の下端部を受ける。
一対の壁部412は、下板部411の外周面および内周面に沿って、上方に延伸するよう形成されている。また、一対の壁部412の間には、連結部413が設けられており、連結部413によって一対の壁部412が連結されている。
一対の壁部412のそれぞれの上端部4121の外側(連結部413が設けられている側とは反対側)の一部が切り欠かれており、係合凹部4122が形成されている。図10に示すように、壁部412の上端部4121は、ラック42の傾斜係合部424(図9参照)の平坦面4242と係合し、壁部412の係合凹部4122は、ラック42の傾斜係合部424の係合凸部4243と係合する。
連結部413は、一対の壁部412の間に設けられ、円弧上の外周面と、平坦な内周面とを有する。連結部413は、一対の壁部412の高さよりも低い高さを有している。連結部413の上側には、スリット414が形成されている。スリット414の幅は、蓋部43の板状部432(図11参照)の厚さ(図2中のX方向の長さ)と略等しくなるよう設定されている。発電装置100が組み立てられた状態において、スリット414内には、蓋部43の板状部432の一方の端部435が挿入され、蓋部43が支持される。
ラック支持体41は、個別の部品を接着または接合することによって構成されていてもよいが、部品点数の削減および各部品間の接着不良防止や離脱防止の観点から、ラック支持体41は、一体成型により構成されていることが好ましい。
<<ラック42>>
図10に示すように、ラック42は、ラック支持体41に支持されたときに、ラック支持体41と共に略円筒状の全体形状を有する組立体を形成する。図9に示すように、ラック42は、対向する一対の板状部421と、一対の板状部421を連結する連結部422とを備えている。
一対の板状部421のそれぞれは、略円弧状の平面視形状を有しており、連結部422が設けられている側とは反対側の面上に形成された係合面423と、上端から板状部421の円周方向に延伸するよう設けられた傾斜係合部424とを備えている。
係合面423は、マグネット組立体3の歯車322と噛み合い係合可能な凹凸形状(ラック部)を有しており、板状部421の高さ方向に沿って形成されている。マグネット組立体3の歯車322と、板状部421の係合面423とが噛み合い係合した状態において、ラック42が上下方向にスライド移動すると、マグネット組立体3が回転する。係合面423の長さ(図2中のZ方向の長さ)は、ラック42のスライド移動によって、マグネット組立体3が半回転以上(本実施形態では、略半回転)回転可能となるよう設定されている。
傾斜係合部424は、上面側に傾斜面4241と、下面側に平坦面4242とを有しており、外側から内側に向かってその高さが漸減する。また、平坦面4242の外周部には、下方向に向かって突出するよう係合凸部4243が形成されている。
図10に示すように、ラック42がラック支持体41に支持された状態において、傾斜係合部424の平坦面4242は、ラック支持体41の上端部4121と係合し、傾斜係合部424の係合凸部4243は、ラック支持体41の係合凹部4122と係合する。
さらに、図15に示すように、発電装置100が組み立てられた状態において、傾斜係合部424の傾斜面4241は、後述する操作部6の板バネ62の傾斜係合部623と係合する。
傾斜係合部424の傾斜面4241の傾斜角は、操作部6に対して外力が印加されたとき、板バネ62の傾斜係合部623がラック42を押下するとともに、板バネ62の傾斜係合部623がラック42の傾斜係合部424の傾斜面4241に沿って下方に向かってスライド移動するよう設定されている。これにより、板バネ62の傾斜係合部623が所定の量だけラック42の傾斜係合部424に沿って下方に向かってスライド移動し、マグネット組立体3が所定の量回転したとき、操作部6の板バネ62の傾斜係合部623と、ラック42の傾斜係合部424との間の係合が解除される構成を実現することができる。
連結部422は、一対の板状部421の間に設けられ、円弧上の外周面と、平坦な内周面とを有している。連結部422は、一対の板状部421の高さよりも低い高さを有している。連結部422の上側には、スリット425が形成されている。スリット425の幅は、蓋部43の板状部432の厚さ(図2中のX方向の長さ)と略等しくなるよう設定されている。発電装置100が組み立てられた状態において、スリット425内には、蓋部43の板状部432の他方の端部435が挿入され、蓋部43が支持される。
ラック42は、個別の部品を接着または接合することによって構成されていてもよいが、部品点数の削減および各部品間の接着不良防止や離脱防止の観点から、ラック42は、一体成型により構成されていることが好ましい。
<<蓋部43>>
図11に示すように、蓋部43は、略円形の平面視形状を有する上板部431と、上板部431から下方に延伸するよう設けられた板状部432とを備えている。上板部431の略中心部には、略四角形の平面視形状を有する開口部4311が形成されており、発電装置100が組み立てられた状態において、操作部6は、開口部4311から上側へ向かってケース1から突出する。
上板部431は、ケース1の壁部12の外径と略等しい直径を有しており、発電装置100が組み立てられた状態において、上板部431の下面がケース1の壁部12の上端と係合する。また、開口部4311は、発電装置100が組み立てられた状態において、上板部431の下面と、押圧部61のかぎ状部613(図12参照)とが係合するよう形成されている。
板状部432は、発電装置100が組み立てられた状態において、板状部432の両端部435がそれぞれ、ラック支持体41のスリット414およびラック42のスリット425内に収納されるよう構成されている。
また、板状部432の下側には、円弧上に切り欠かれた円弧状切り欠け部434が形成されている。円弧状切り欠け部434は、マグネット組立体3の第1および第2のマグネット組立体部品32a、bの板状部320に対応する形状を有している。さらに、円弧状切り欠け部434には、発電装置100が組み立てられた状態において、第1および第2のマグネット組立体部品32a、bの板状部320と係合する2つの係合突起部436が形成されている。そのため、発電装置100が組み立てられた状態において、マグネット組立体3は、円弧状切り欠け部434内に位置し、コイル組立体2の上板部222と、蓋部43の係合突起部436とによって、上下方向(Z方向)および図2中のY方向に揺動しないよう、回転可能に保持される。
板状部432の上側には、略四角形状の開口部433が形成されている。また、開口部433の下側には、板状部432から外側に突出する載置部437が設けられている。また、載置部437の上面の略中央部には、上方に向かって突出するよう設けられた円柱状のバネ装着軸438が設けられている。
載置部437は、略円形の平面視形状を有しており、後述する操作部6のコイルバネ63の外径よりも大きい直径を有している。発電装置100が組み立てられた状態において、載置部437上には、開口部4311を介して挿入された操作部6のコイルバネ63が載置される。バネ装着軸438は、載置部437の直径および操作部6のコイルバネ63の内径よりも小さい直径を有している。そのため、発電装置100が組み立てられた状態において、コイルバネ63の中央空洞部内に、バネ装着軸438が挿通される。
板状部432の外側両側面上には、ケース1の一対の孔部13内に収納される凸部439が形成されている。一対の凸部439をケース1の一対の孔部13内にそれぞれ挿入することで、蓋部43をケース1に対して固定することができる。
蓋部43は、個別の部品を接着または接合することによって構成されていてもよいが、部品点数の削減および各部品間の接着不良防止や離脱防止の観点から、蓋部43は、一体成型により構成されていることが好ましい。
<コイルバネ(弾性部材)5>
コイルバネ5は、弱磁性または非磁性の金属材料から構成され、発電装置100が組み立てられた状態において、コイル組立体2と、マグネット組立体ホルダー4との間に配置される。コイルバネ5は、ケース1の壁部12の内径と略等しい外径を有している。そのため、発電装置100が組み立てられた状態において、コイルバネ5は、ケース1の壁部12によって支持される。図15に示すように、コイルバネ5の下端部は、コイル組立体2の下板部221に接触しており、コイルバネ5の上端部は、ラック支持体41の下板部411に接触している。
そのため、操作者が操作部6を押圧することによって印加される外力によってラック42およびラック支持体41が下方向にスライド移動すると、ラック支持体41の下板部411によってコイルバネ5が圧縮される。そのため、コイルバネ5は、印加された外力を、弾性エネルギーとして貯蔵することができる。
後述するように、板バネ62の傾斜係合部623からの押圧によって、所定の量ラック42およびラック支持体41が下方向に移動し、板バネ62の傾斜係合部623と、ラック42の傾斜係合部424との間の係合が解除されると、ラック支持体41の下板部411によるコイルバネ5に対する押圧が解除される。
コイルバネ5に対する押圧が解除されると、コイルバネ5は、貯蔵された弾性エネルギーを解放し、マグネット組立体ホルダー4を駆動、すなわち、ラック42およびラック支持体41を上方向に移動させる。このとき、ラック42の係合面423とマグネット組立体3の歯車322の作用により、マグネット組立体3がマグネット31の磁化方向に対して垂直な軸方向に所定の量(本実施形態では、略半回転)だけ回転する。
コイルバネ5の弾性エネルギーの解放によって、マグネット組立体3がマグネット31の磁化方向に対して垂直な軸方向に回転すると、コイル21を貫く磁束の密度(磁力線の数)が変化し、コイル21内に電力が発生する。すなわち、本実施形態において、コイルバネ5は、操作部6を介して印加された外力を弾性エネルギーとして貯蔵し、さらに、貯蔵された弾性エネルギーを解放することにより、マグネット組立体ホルダー4を駆動させ、マグネット組立体3を回転させる弾性部材として機能する。
コイルバネ5のバネ定数は、コイル21の巻き数、中央空洞部の断面積(コイル21の内径)、マグネット31から発せられる磁力線の数(磁束密度)、マグネット組立体ホルダー4の重量等に応じて、コイル21内に発生する電力が、外部に設けられた電子回路(図示せず)を駆動するための駆動最低電力(例えば、約200μJ)以上となるように適宜設定されるが、コイルバネ5のバネ定数は、1〜2N/mm程度であることが好ましい。コイルバネ5のバネ定数が上記下限値未満であると、マグネット組立体3を十分な速度で回転させることができず、また、操作部6のクリック感が柔らかくなりすぎる場合がある。一方、コイルバネ5のバネ定数が上記上限値を超えると、操作部6を操作するために要求される外力が大きくなり、操作部6のクリック感が固くなりすぎる場合がある。
<操作部6>
図2に示すように、操作部6は、押圧部61と、板バネ62と、コイルバネ63とを備えており、操作者は、操作部6の押圧部61を下方向(Z2方向)押圧することにより、発電装置100に外力を印加する。
押圧部61は、弱磁性材料または非磁性材料により構成され、図12に示すように、上板部611と、上板部611を介して連結された対向する一対の板状部612とを備えている。押圧部61の構成材料としては、重量の軽い樹脂材料を用いることが好ましい。
上板部611は、略四角形の平面視形状を有しており、図2中のX方向の両端部には、一対の板状部612が下方に延伸するよう設けられている。また、上板部611の図2中のX方向の両端部には、板バネ62の突出部6212(図13参照)を受け入れるための略四角形の平面視形状を有する孔部6111が形成されている。さらに、上板部611の下面には、略十字状の平面視形状を有する凸部6112が形成されている。
板状部612のそれぞれの下端部には、2つのかぎ状部613が外側に突出するように設けられている。かぎ状部613は、上面側が平坦面となっており、下面側が傾斜面となっており、その高さが外側から内側に向かって漸増する形状を有している。図14に示すように、発電装置100が組み立てられた状態において、かぎ状部613の上面は、蓋部43の上板部431の下面と係合し、押圧部61の上方向(Z1方向)への移動を制限する。
押圧部61の各部品は、それぞれ個別の部品であってもよいが、部品点数の削減および各部品間の接着不良防止や離脱防止の観点から、押圧部61は、一体成型により形成されていることが好ましい。
図13に示すように、板バネ62は、一枚の板状部材を加圧加工等によって折り曲げることによって得られる逆Uの字状のバネであり、弱磁性または非磁性の金属材料によって構成されている。
板バネ62は、上板部621と、上板部621の両側面から下方に向かって延伸するよう設けられた一対の板状部622と、一対の板状部622のそれぞれの下端部に設けられた傾斜係合部623とを備えている。
上板部621は、略四角形の平面視形状を有し、押圧部61の上板部611および一対の板状部612によって規定される空間内に収納可能なサイズを有している。上板部621には、押圧部61の凸部6112に対応した形状を有する開口部6211が形成されている。さらに、上板部621の図2中のX方向の両端部には、押圧部61の孔部6111に挿入可能な突出部6212が形成されている。
上板部621の突出部6212を、押圧部61の孔部6111内にそれぞれ挿入し、さらに、押圧部61の凸部6112を上板部621の開口部6211内に挿通させることにより、板バネ62が押圧部61に対して固定される。
板状部622のそれぞれは、板状部622の上側に位置する折り曲げ部6221を中心として、外側に向かって折り曲げられており、一対の板状部622間の離間距離は、折り曲げ部6221から下方向に向かって漸増している。板バネ62に対して上側から外力が付与され、板バネ62がラック42の傾斜係合部424に対して押圧されると、板状部622のそれぞれが内側に弾性変形する。一方、板バネ62に対する上側からの外力が解除されると、板状部622のそれぞれが、外側に弾性復元する。そのため、板バネ62は、上下方向への弾性力を有する弾性部材として機能することができる。
傾斜係合部623は、板状部622の下端部に設けられており、板状部622から下方向かつ内側方向に延伸している。図15に示すように、発電装置100が組み立てられた状態において、傾斜係合部623の下面は、ラック42の傾斜係合部424の傾斜面4241と係合する。
発電装置100が組み立てられた状態において、操作部6に対して外力が印加されたとき、板バネ62の傾斜係合部623がラック42を押下するとともに、一対の板状部622が内側に向かって弾性変形する。その結果、ラック支持体41およびラック42が下方向にスライド移動するのに伴って、板バネ62の傾斜係合部623がラック42の傾斜係合部424上を下方に向かってスライド移動する。
板バネ62の傾斜係合部623が所定の距離だけ傾斜係合部424上を下方に向かってスライド移動し、マグネット組立体3が所定の量だけ回転すると、板バネ62の傾斜係合部623がラック42の傾斜係合部424の端部より内側に到達し、板バネ62の傾斜係合部623と、ラック42の傾斜係合部424との係合が解除される。これにより、板バネ62の傾斜係合部623が所定の量ラック42の傾斜係合部424上を下方に向かってスライド移動したとき(すなわち、マグネット組立体3が所定の量だけ回転したとき)、操作部6の板バネ62の傾斜係合部623と、ラック42の傾斜係合部424との間の係合が解除され、ラック42(マグネット組立体ホルダー4)への押圧を解除する構成を実現することができる。
コイルバネ63は、弱磁性または非磁性の金属材料によって構成されている。図15に示すように、発電装置100が組み立てられた状態において、コイルバネ63は、蓋部43の載置部437と、板バネ62の上板部621との間に配置される。
そのため、操作者が押圧部61を下方向(Z2方向)に向かって押圧することにより外力を印加すると、押圧部61および板バネ62が下方向に移動し、その結果、コイルバネ63が圧縮される。そのため、コイルバネ63は、操作者によって印加された外力を弾性エネルギーとして貯蔵することができる。その後、操作者が押圧部61に対する外力の印加を解除すると、コイルバネ63に貯蔵された弾性エネルギーが解放され、押圧部61および板バネ62を上方向(Z1方向)に移動させる。押圧部61および板バネ62の上方向への移動は、押圧部61のかぎ状部613が蓋部43の上板部431と係合することにより制限される。
コイルバネ63のバネ定数は、操作部6の重量等に応じて適宜設定されるが、コイルバネ63のバネ定数は、コイルバネ5のバネ定数の20〜40%程度であることが好ましく、コイルバネ5のバネ定数の30%程度であることがより好ましい。コイルバネ63のバネ定数が上記下限値未満であると、操作部6のクリック感が柔らかくなりすぎる場合がある。一方、コイルバネ63のバネ定数が上記上限値を超えると、操作部6を操作するために要求される外力が大きくなり、操作部6のクリック感が固くなりすぎる場合がある。
図14は、発電装置100が組み立てられた状態における、発電装置100の内部構造を示す図である。なお、図14中では、説明の目的のため、ケース1が省略されている。
図14に示すように、発電装置100が組み立てられた状態において、コイルバネ5は、コイル組立体2の下板部221と、ラック支持体41の下板部411との間に位置している。
ラック42の一対の板状部421の下端は、ラック支持体41の下板部411と係合している。さらに、ラック42の一対の傾斜係合部424の平坦面4242は、ラック支持体41の上端部4121と係合し、傾斜係合部424の係合凸部4243は、ラック支持体41の係合凹部4122と係合している。
さらに、蓋部43の板状部432の一方の端部435は、ラック支持体41のスリット414内に挿入され、板状部432の他方の端部435は、ラック42のスリット425内に挿入されている。
また、ラック42の傾斜係合部424の傾斜面4241は、板バネ62の傾斜係合部623と係合している。そのため、操作者が操作部6の押圧部61を押圧することにより外力が印加されると、ラック42の傾斜係合部424が板バネ62の傾斜係合部623によって下方向に押圧され、ラック42およびラック支持体41が下方向にスライド移動する。この際、コイルバネ5が圧縮されるので、印加された外力がコイルバネ5に弾性エネルギーとして貯蔵される。
一方、ラック42およびラック支持体41が所定の距離だけ下方向にスライド移動すると、板バネ62の傾斜係合部623とラック42の傾斜係合部424との間の係合が解除され、コイルバネ5に貯蔵された弾性エネルギーが解放される。その際、コイルバネ5によってラック支持体41の下板部411が下方向から急速に押し上げられ、ラック42およびラック支持体41が上方向(Z1方向)にスライド移動する。
マグネット組立体3は、コイル組立体2の上板部222と、蓋部43の円弧状切り欠け部434との間に回転可能に支持されている。また、マグネット組立体3の歯車322は、ラック42の係合面423と噛み合い係合している。そのため、ラック42が上下方向にスライド移動すると、マグネット組立体3の歯車322とラック42の係合面423との作用により、マグネット組立体3がマグネット31の磁化方向Mに対して垂直な軸方向周り(図14中の時計回りおよび反時計回り)に回転する。すなわち、ラック42が下方向にスライド移動すると、マグネット組立体3は、図14中の時計回り方向(第1の方向)に回転し、ラック42が上方向にスライド移動すると、マグネット組立体3は、図14中の反時計回り方向(第2の方向)に回転する。
コイルバネ63は、蓋部43の載置部437と、板バネ62の上板部621との間に位置している。そのため、操作者が操作部6の押圧部61を押圧することにより外力が印加されると、押圧部61および板バネ62が下方向に移動し、コイルバネ63が圧縮される。その結果、印加された外力がコイルバネ63の弾性力として貯蔵される。その後、操作者による押圧部61への外力の印加が解除されると、コイルバネ63は、弾性エネルギーを解放し、押圧部61および板バネ62を上方向に押し上げる。押圧部61および板バネ62の上方向への移動は、押圧部61のかぎ状部613が、蓋部43の上板部431の下面に係合することにより制限される。
次に、図15〜図18を参照して、発電装置100の動作を詳述する。図15は、図1に示す発電装置の動作を説明するための断面図である。図16は、図1に示す発電装置におけるマグネット組立体の回転動作を説明するための一部断面図である。図17は、図1に示す発電装置の動作を説明するための断面図である。図18は、図1に示す発電装置の動作を説明するための断面図である。
<外力の印加>
図15には、発電装置100が組み立てられ、かつ、操作部6に外力が印加されていない自然状態における発電装置100の断面図が示されている。図16には、ラック支持体41およびラック42の下方向へのスライド移動によって、マグネット組立体3が第1の方向へ回転する動作が示されている。なお、図16では、マグネット31の回転動作を示すため、発電装置100の左側半分が断面図として示されている。
図15に示すように、操作部6の押圧部61に外力が印加されていない自然状態において、板バネ62の傾斜係合部623は、ラック42の傾斜係合部424の傾斜面4241に係合している。
操作者によって操作部6の押圧部61が下方向(Z2方向)に押圧され、外力が印加されると、押圧部61および板バネ62が下方向に移動する。さらに、押圧部61および板バネ62が下方向に移動するのに伴って、板バネ62の板状部622が、内側方向(ケース1の中心に向かう方向)に向かって弾性変形し、板バネ62の傾斜係合部623が、ラック42の傾斜係合部424上を下方向にスライド移動する。
この際、押圧部61および板バネ62の下方向への移動によって、コイルバネ63が板バネ62の上板部621によって圧縮される。すなわち、押圧部61および板バネ62が下方向に移動している間、コイルバネ63は、印加された外力を、弾性エネルギーとして貯蔵する。
さらに、押圧部61および板バネ62が下方向へ移動すると、ラック42の傾斜係合部424が板バネ62の傾斜係合部623によって下方向に押圧される。ラック42の傾斜係合部424が下方向に押圧されると、マグネット組立体ホルダー4が駆動、すなわち、ラック支持体41およびラック42が下方向にスライド移動する。この際、図16に示すように、マグネット組立体3の歯車322とラック42の係合面423との作用により、マグネット組立体3がマグネット31の磁化方向Mに対して垂直な軸A方向周りの第1の方向(図16中の時計回り方向)に回転する。
さらに、マグネット組立体ホルダー4が駆動され、ラック支持体41およびラック42が下方向にスライド移動した際、コイルバネ5がコイル組立体2の下板部221によって圧縮される。すなわち、ラック支持体41およびラック42が下方向にスライド移動している間、コイルバネ5は、印加された外力を、弾性エネルギーとして貯蔵する。
上述の押圧部61および板バネ62の下方向への移動、コイルバネ63の圧縮、ラック支持体41およびラック42の下方向へのスライド移動、およびコイルバネ5の圧縮は、ラック支持体41およびラック42が所定の距離だけ下方向に移動し(すなわち、マグネット組立体3が所定の回転量だけ回転し)、板バネ62の傾斜係合部623とラック42の傾斜係合部424との間の係合が解除されるまで続く。
なお、マグネット組立体3が第1の方向に回転することにより、コイル21を貫く磁束の密度(磁力線の数)が変化するが、操作者が印加した外力によるマグネット組立体3の回転速度は遅く、また、安定していないため、この回転移動に起因してコイル21内に発生する電力は微量である。したがって、マグネット組立体3が第1の方向に回転することによりコイル21内に発生する電力は、発電装置100の発電量に実質的に寄与しない。
<係合解除&発電>
ラック支持体41およびラック42が下方向に移動するのに伴って、板バネ62の板状部622が、内側方向(ケース1の中心に向かう方向)に向かって弾性変形し、さらに、板バネ62の傾斜係合部623が、ラック42の傾斜係合部424上を下方向にスライド移動する。そのため、ラック支持体41およびラック42が所定の距離だけ下方向に移動し、マグネット組立体3が所定の回転量だけ回転すると、板バネ62の傾斜係合部623がラック42の傾斜係合部424の端部より内側に到達し、板バネ62の傾斜係合部623とラック42の傾斜係合部424との間の係合が解除される。図17には、板バネ62の傾斜係合部623とラック42の傾斜係合部424との間の係合が解除された状態の発電装置100の断面図が示されている。
板バネ62の傾斜係合部623とラック42の傾斜係合部424との間の係合が解除されると、コイルバネ5に貯蔵されていた弾性エネルギーが解除され、マグネット組立体ホルダー4が駆動、すなわち、ラック支持体41およびラック42がコイルバネ5によって上方向に急速に押し上げられる。この際、マグネット組立体3の歯車322とラック42の係合面423との作用により、マグネット組立体3がマグネット31の磁化方向Mに対して垂直な軸A方向周りの第2の方向(図16中の反時計回り方向)に急速に回転する。
コイルバネ5に貯蔵されていた弾性エネルギーによって、マグネット組立体ホルダー4が駆動され、マグネット組立体3が第2の方向に急速に回転すると、コイル21を貫く磁束の密度(磁力線の数)が急激に変化し、コイル21内に電力が発生する。
コイルバネ5に貯蔵されていた弾性エネルギーによるラック支持体41およびラック42の上方向への移動は、ラック42が蓋部43の上板部431の下面に接触することにより、停止する。ラック支持体41およびラック42の上方向への移動が停止するまでのマグネット組立体3の回転量は、ラック42の係合面423の長さに依存する。発電装置100は、マグネット組立体3の回転量が半回転以上(本実施形態では、略半回転)となるよう構成されており、マグネット組立体3の回転によりマグネット31のN極とS極が上下反転する。
また、板バネ62の傾斜係合部623とラック42の傾斜係合部424との間の係合が解除されると、板バネ62の板状部622は、外側方向(ケース1の中心部から離れる方向)に弾性復元する。なお、板バネ62の板状部622の外側方向への弾性復元は、一対の板状部622の先端部間の距離が所定の距離(自然状態における一対の板状部622の先端部間の距離)になると停止する。
このように、発電装置100は、コイルバネ5の弾性エネルギーを用いて、マグネット組立体ホルダー4を駆動し、マグネット組立体3を回転させることによって、発電を行っている。すなわち、発電装置100は、操作者によって印加される外力をコイルバネ5の弾性エネルギーとして貯蔵し、貯蔵されたコイルバネ5の弾性エネルギーを用いて、マグネット組立体3を回転させ、発電を行っている。
コイルバネ5に貯蔵される弾性エネルギーは、操作者が操作部6の押圧部61を押圧する外力の大きさや速度に依存せず、コイルバネ5のバネ定数と圧縮量にのみ依存するので、操作者が操作部6に印加する外力の大きさや速度によって発電装置100の発電量は変動しない。そのため、発電装置100は、外部に設けられた電子回路を駆動するために要求される駆動最小電力を安定して発電することができる。
<外力印加解除>
マグネット組立体3の第2の方向への回転が終了し、さらに、ラック支持体41およびラック42の上方向への移動が停止した後、操作者による操作部6の押圧部61に対する外力の印加が解除される。図18には、操作部6の押圧部61に対する外力の印加が解除された状態の発電装置100の断面図が示されている。
操作部6の押圧部61に対する外力の印加が解除されると、コイルバネ63に貯蔵されていた弾性エネルギーが解放され、押圧部61および板バネ62が上方向に押し上げられる。また、押圧部61および板バネ62が上方向に押し上げられる際、板バネ62の板状部622の外側面(ケース1の中心部から遠い側の面)がラック42の傾斜係合部424と係合する。
押圧部61および板バネ62の上方向への移動に伴って、板バネ62の板状部622は、ラック42の傾斜係合部424と係合した状態で、上方向に移動する。この際、ラック42の傾斜係合部424によって、板バネ62の板状部622は、内側方向(ケース1の中心部へ向かう方向)に弾性変形する。
押圧部61および板バネ62が上方向へ所定の距離だけ移動すると、板バネ62の傾斜係合部623がラック42の傾斜係合部424よりも上側に到達し、板バネ62の板状部622の外側面と、ラック42の傾斜係合部424との間の係合が解除される。板バネ62の板状部622の外側面と、ラック42の傾斜係合部424との間の係合が解除されると、板バネ62の板状部622が、外側方向(ケース1の中心部から離れる方向)に弾性復元する。なお、板バネ62の板状部622の外側方向への弾性復元は、板状部622の傾斜係合部623が、ラック42の傾斜係合部424の傾斜面4241に係合、または、一対の板状部622の先端部間の距離が所定の距離になると停止する。
押圧部61および板バネ62の上方向への移動は、押圧部61のかぎ状部613が蓋部43の上板部431に係合することにより停止し、発電装置100は、図15に示した自然状態(初期状態)に戻る。
次に、図19を参照して、発電装置100における磁気回路を説明する。図19は、図1に示す発電装置における磁気回路を説明するための図である。なお、説明の簡略化のため、図19からは、磁気回路を構成する、ケース1、コイル組立体2(コイル21およびコイルホルダー22)、およびマグネット組立体3(マグネット31)以外の部品は省略されている。
図19に示すように、コイル21を貫く磁束は、マグネット31のN極側から発せられ、コイル組立体2のコイルホルダー22およびケース1を通過して、マグネット31のS極側に戻る。すなわち、発電装置100における磁気回路は、ケース1、コイル組立体2(コイルホルダー22)、およびマグネット組立体3(マグネット31)により構成されている。
このような磁気回路を有する発電装置100において、コイルバネ5が解放した弾性エネルギーによってマグネット組立体ホルダー4が駆動され、マグネット組立体3がマグネット31の磁化方向Mに対して垂直な軸周りに半回転以上(本実施形態では、略半回転)急速に回転する。この際、マグネット31が半回転し、マグネット31のN極とS極が上下反転し、磁力線の向きが反対方向となる。マグネット31が半回転するまでの間、コイル21を貫く磁束の密度(磁力線の数)が大きく変化し、その結果、コイル21内に電力が発生する。
このように、本発明の発電装置100では、ケース1が磁性材料によって構成されているため、コイル21を貫く磁束(磁力線)が流れる磁気回路が、ケース1、コイル組立体2(コイルホルダー22)、およびマグネット組立体3(マグネット31)によって構成されている。そのため、従来技術と比較して、磁気回路を構成するための部品点数を削減することができ、発電装置100を小型化することができる。
さらに、本発明の発電装置100では、磁気回路がケース1、コイル組立体2(コイルホルダー22)、およびマグネット組立体3(マグネット31)によって構成されているので、回転するマグネット組立体3と、コイル21の中央空洞部内に挿入され、磁気回路を構成する芯部223とを近接させる必要がない。そのため、マグネット組立体3とコイル21(芯部223)との間の離間距離の変動に強い構造を実現できる。その結果、発電装置100の生産時の寸法管理が容易となり、発電装置100の生産性を向上させることができる。
また、磁気回路を構成する部品としてケース1を用いているため、発電装置100の部品点数を削減することができ、発電装置100の構造をより簡略化することができる。そのため、発電装置100の機械設計が容易となる。さらに、ケース1は、マグネット組立体3の周囲を覆っているため、マグネット31から発せられ、拡散していく磁束(磁力線)をケース1によって吸収することができ、マグネット31から発せられた磁束(磁力線)を効率的に利用して、発電を行うことができる。
また、本発明の発電装置100の磁気回路においては、マグネット31の上側には、磁性体により構成された部品が存在しない。そのため、従来技術のようなマグネット31のN極側およびS極側の両側面を磁性体により構成された部品で挟み込む構成と比較して、本発明の発電装置100では、マグネット31の上側の空間を活用することが可能となる。そのため、マグネット組立体3を回転させるための回転機構の設計自由度を向上させることができる。
以上、本発明の様態の1つとして、発電装置100について説明した。本発明の別の様態において、本発明は、上述の発電装置100と、発電装置100が発電した電力によって駆動される電子回路(図示せず)とを含む電子デバイスである。
電子回路は、発電装置100の外部に設けられ、発電装置100のケース1から延伸している端子211に接続されている。電子回路は、端子211を介して発電装置100から供給される電力を利用して、任意の機能を実行する。
電子回路が実行する機能は、特に限定されない。例えば、電子回路は、発電装置100から供給される電力を利用して、照明機器等の外部機器をON/OFFするための信号を無線送信する無線送信機能を実行してもよい。この場合、電子回路は、発電装置100によって発電される微量の電力(例えば、約200μJ)を用いて信号を外部機器に無線送信するよう構成されている。
なお、上述の実施形態において、本発明の電子デバイスの電子回路は、発電装置100の外部に設けられているが、本発明はこれに限られない。例えば、電子回路は、発電装置100の内部に設けられていてもよい。この場合、発電装置100の端子211は、ケース1内において電子回路に接続される。
以上、本発明の発電装置および電子デバイスを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
例えば、上述の実施形態において、弾性部材としてコイルバネを用いたが、本発明はこれに限定されず、他の構成のバネ、ゴム、エアシリンダ等を用いた弾性機構を弾性部材として用いることができる。
また、上述の実施形態において、マグネット組立体3の回転方向である第1の方向および第2の方向は、同一の軌道上の互いに対向する方向であったが、本発明はこれに限られない。例えば、第1の方向および第2の方向は、同一の軌道上の同一の方向であってもよいし、それぞれ異なる軌道上の異なる方向であってもよい。
100…発電装置 1…ケース 11…底板部 111…貫通孔 112…端子用孔 12…壁部 13…孔部 2…コイル組立体 21…コイル 211…端子 22…コイルホルダー 221…下板部 2211…周辺部 2212…切り欠け部 222…上板部 223…芯部 224…凸部 3…マグネット組立体 31…マグネット 32a…第1のマグネット組立体部品 32b…第2のマグネット組立体部品 320…板状部 321…半球状突出部 322…歯車 323…突出部 324…マグネット収納部 325…係合凹部 326…係合凸部 4…マグネット組立体ホルダー 41…ラック支持体 411…下板部 412…壁部 4121…上端部 4122…係合凹部 413…連結部 414…スリット 42…ラック 421…板状部 422…連結部 423…係合面 424…傾斜係合部 4241…傾斜面 4242…平坦面 4243…係合凸部 425…スリット 43…蓋部 431…上板部 4311…開口部 432…板状部 433…開口部 434…円弧状切り欠け部 435…端部 436…係合突起部 437…載置部 438…バネ装着軸 439…凸部 5…コイルバネ 6…操作部 61…押圧部 611…上板部 6111…孔部 6112…凸部 612…板状部 613…かぎ状部 62…板バネ 621…上板部 6211…開口部 6212…突出部 622…板状部 6221…折り曲げ部 623…傾斜係合部 63…コイルバネ A…回転軸 M…磁化方向 X1、X2、Y1、Y2、Z1、Z2…方向

Claims (7)

  1. 磁性材料で構成されたケースと、
    前記ケース内に設けられ、コイルを備えるコイル組立体と、
    前記コイルと所定の距離だけ離間して設けられたマグネットを備え、前記ケース内に設けられたマグネット組立体と、
    前記マグネット組立体を、回転可能に保持するマグネット組立体ホルダーと、
    前記マグネット組立体ホルダーを駆動させ、前記マグネット組立体を第1の方向に回転させるための外力を印加するための操作部と、
    前記操作部を介して印加された前記外力を弾性エネルギーとして貯蔵し、さらに、前記貯蔵された弾性エネルギーを解放することにより、前記マグネット組立体ホルダーを駆動させ、前記マグネット組立体を第2の方向に回転させる弾性部材と、を含み、
    前記マグネットから発せられ、前記コイルを貫く磁束が流れる磁気回路は、前記ケース、前記コイル組立体、および前記マグネット組立体により構成されており、
    前記マグネット組立体ホルダーは、前記弾性部材が解放した前記弾性エネルギーによって駆動されたとき、前記マグネット組立体を前記第2の方向に回転させることにより、前記コイルを貫く前記磁束の密度を変化させ、発電を行うことを特徴とする発電装置。
  2. 前記マグネット組立体ホルダーは、前記操作部を介して印加された前記外力によって駆動されたとき、前記マグネット組立体を前記第1の方向に回転させるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発電装置。
  3. 前記操作部は、前記外力が印加されたとき、前記マグネット組立体が前記第1の方向に所定の量回転するまで、前記マグネット組立体ホルダーを押圧し、さらに、前記マグネット組立体が前記第1の方向に前記所定の量回転した時、前記マグネット組立体ホルダーに対する押圧を解除するよう構成されている請求項1または2に記載の発電装置。
  4. 前記弾性部材は、前記マグネット組立体ホルダーが前記操作部によって押圧されたとき、前記マグネット組立体ホルダーによって圧縮され、前記外力を前記弾性エネルギーとして貯蔵し、さらに、前記操作部による前記マグネット組立体ホルダーに対する前記押圧が解除されたとき、前記貯蔵された前記弾性エネルギーを解放する請求項3に記載の発電装置。
  5. 前記コイル組立体は、前記コイルの中央空洞部内に挿通された磁性材料から構成される芯部をさらに備える請求項1ないし4のいずれかに記載の発電装置。
  6. 前記ケースを構成する前記磁性材料は、0.12mH/m以上の透磁率を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の発電装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の発電装置と、
    前記発電装置が発電した電力によって駆動される電子回路と、を含むことを特徴とする電子デバイス。
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