JP2017215556A - マーク検出装置、露光装置、デバイス製造方法、及びマーク検出方法 - Google Patents

マーク検出装置、露光装置、デバイス製造方法、及びマーク検出方法 Download PDF

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茂樹 江上
哲寛 上田
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Abstract

【課題】アライメント検出時間を短縮する。【解決手段】 アライメント系30は、X軸方向に所定間隔で配置され、ウエハWに設けられた格子マークGMを光学系を介して検出可能な複数のアライメントセンサ32p、32sを有し、該アライメントセンサ32p、32sを用いて前記物体に設けられた複数の格子マークGMを同時に検出可能なマーク検出系と、アライメントセンサ32p、32sそれぞれの光学系の焦点深度内に検出対象の格子マークGMが位置する際のウエハWの位置を算出する制御系と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、マーク検出装置、露光装置、デバイス製造方法、及びマーク検出方法に係り、更に詳しくは、物体に設けられたマークを検出するマーク検出装置及びマーク検出方法、前記マーク検出装置を含む露光装置、並びに前記露光装置を用いたデバイス製造方法に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
この種の露光装置では、ウエハ又はガラスプレートなど(以下、「ウエハ」と総称する)上に複数層のパターンが重ね合せて形成されることから、ウエハ上に既に形成されたパターンと、マスク又はレチクル(以下「レチクル」と総称する)が有するパターンとを最適な相対位置関係にするための操作(いわゆるアライメント)が行われている。
米国特許第8,054,472号明細書
第1の態様によれば、所定の2次元平面内の第1方向に所定間隔で配置され、物体に設けられたマークを光学系を介して検出する複数の検出装置を有し、該複数の検出装置を用いて前記物体に設けられた複数のマークを同時に検出するマーク検出系と、前記複数の検出装置それぞれの前記光学系の焦点深度に関する情報と、前記2次元平面と直交する第2方向に関する前記物体の位置に関する情報とに少なくとも基づいて、前記複数の検出装置のそれぞれの前記光学系と前記物体との位置関係を制御する制御系と、を備えるマーク検出装置が、提供される。
第2の態様によれば、第1の態様に係るマーク検出装置と、前記マーク検出装置の前記制御系が算出した位置に応じて前記物体の位置決めを行う位置決め装置と、前記位置決め装置により位置決めされた前記物体にエネルギビームで露光することにより所定のパターンを形成するパターン形成装置と、を備える露光装置が、提供される。
第3の態様によれば、第2の態様に係る露光装置を用いて前記物体を露光することと、露光された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法が、提供される。
第4の態様によれば、所定の2次元平面内の第1方向に所定間隔で配置された複数の検出装置を含むマーク検出系を用いて、物体に設けられた複数のマークを同時に検出することと、前記複数の検出装置それぞれの光学系の焦点深度に関する情報と、前記2次元平面と直交する第2方向に関する前記物体の位置に関する情報とに少なくとも基づいて、前記複数の検出装置のそれぞれの前記光学系と前記物体との位置関係を制御することと、を含むマーク検出方法が、提供される。
第5の態様によれば、物体上に複数のパターンを重ねて形成するデバイス製造方法であって、回折格子を含むマークに計測光を照射する計測装置を用いて、前記物体に設けられた第1マークの位置計測を行うとともに、前記第1マークの非対称性に関する計測を行うことと、前記第1マークの位置計測結果を、前記計測結果に応じた補正係数を用いて補正することと、前記補正後の前記第1マークの位置計測結果に基づいて前記物体上の既設のパターンに重ねてパターンを形成するとともに、前記第1マーク上に第2マークを重ねて形成することと、前記第1及び第2マークを用いて前記パターン同士の重ね精度を計測することと、前記重ね精度計測結果が所定の条件を満たさない場合に前記補正係数を修正すること、とを含み、前記計測装置は、前記計測光の前記マークからの回折光と干渉させる参照光を発生するための光学部材を有し、前記回折光と前記参照光との干渉に基づいて前記位置計測及び前記非対称計測を行うデバイス製造方法が、提供される。
第6の態様によれば、物体上に複数のパターンを重ねて形成するデバイス製造システムであって、回折格子を含むマークに計測光を照射する計測装置を用いて、前記物体に設けられた第1マークの位置計測を行うとともに、前記第1マークの非対称性に関する非対称計測を行う計測系と、前記第1マークの位置計測結果を、前記スキャトロメトリ計測結果に応じた補正係数を用いて補正する制御系と、前記補正後の前記第1マークの位置計測結果に基づいて前記物体上の既設のパターンに重ねてパターンを形成するとともに、前記第1マーク上に第2マークを重ねて形成するパターン形成系と、前記第1及び第2マークを用いて前記パターン同士の重ね精度を計測する重ね計測系と、を備え、前記制御系は、前記重ね精度計測結果が所定の条件を満たさない場合に前記補正係数を修正し、前記計測装置は、前記計測光の前記マークからの回折光と干渉させる参照光を発生するための光学部材を有し、前記回折光と前記参照光との干渉に基づいて前記位置計測及び前記非対称計測を行うデバイス製造システムが、提供される。
第1の実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。 図1の露光装置が備えるステージ装置を示す平面図である。 図3(a)は、X格子及びY格子を含む格子マークの一例、図3(b)は、α格子及びβ格子を含む格子マークの一例(その1)、図3(c)は、α格子及びβ格子を含む格子マークの一例(その2)である。 図4(a)は、アライメントセンサの構成を概略的に示す図であり、図4(b)は、図4(a)のアライメントセンサが有する対物レンズの瞳面上における照明光と回折光との関係を示す図である。 ウエハ上に設定されたアランメントショット領域の配置と、図1の露光装置が備える複数のアライメントセンサとの配置関係を示す図である。 アライメントセンサが備える検出器の出力に基づいて生成される波形の一例を示す図である。 図1の露光装置が備える制御系の主要な構成を示すブロック図である。 図8(a)及び図8(b)は、アライメント系のキャリブレーション動作を説明するための図(その1及びその2)である。 図9(a)及び図9(b)は、アライメント系のキャリブレーション動作を説明するための図(その3及びその4)である。 アライメント系のキャリブレーション動作を説明するための図(その5)である。 図11(a)〜図11(d)は、アライメント動作時におけるアライメント系とウエハとの相対位置関係を示す図(その1〜その4)である。 アライメント系を用いた多眼同時計測動作を説明するためのフローチャートである。 図11に示されるフローチャートのステップS14で生成されるグラフである。 アライメントセンサが有する光学系のテレセントリック性が低下した状態を示す図である。 図15(a)は、第2の実施形態に係るアライメントセンサの構成を示す図であり、図15(b)は、図15(a)のアライメントセンサが有する対物レンズの瞳面上における計測光と回折光との関係を示す図である。 図16(a)は、第3の実施形態に係るアライメントセンサの構成を示す図であり、図16(b)は、図16(a)のアライメントセンサが有する対物レンズの瞳面上における計測光と回折光との関係を示す図である。 図17(a)は、第4の実施形態に係るアライメントセンサの構成を示す図であり、図17(b)は、図17(a)のアライメントセンサが有する対物レンズの瞳面上における計測光と回折光との関係を示す図である。 図18(a)及び図18(b)は、格子マークからの回折光を示す図(その1及びその2)である。 スキャトロ計測値に基づくアライメント結果の補正方法を説明するためのフローチャートである。 図19のステップS512で用いられる補正係数の求め方を説明するための図である。 図21(a)及び図21(b)は、重ね計測器による重ね計測動作を説明するための図(その1及びその2)である。 ステージ装置の変形例を示す図である。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図14を用いて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る露光装置10の構成が概略的に示されている。露光装置10は、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。
露光装置10は、照明系12、該照明系12からの露光用照明光(以下、「照明光」又は「露光光」と呼ぶ)ILにより照明されるレチクルRを保持するレチクルステージ14、レチクルRから射出した照明光ILをウエハW上に投射する投影光学系16bを含む投影ユニット16、局所液浸装置18(図1では不図示。図7参照)、ウエハステージ24及び計測ステージ26を含むステージ装置20、アライメント系30、及びこれらの制御系等を備えている。ウエハステージ24上には、ウエハWが載置されている。
照明系12は、米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、ビームスプリッタ、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド等(いずれも不図示)を含む。照明系12は、レチクルブラインドで規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域を照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。照明光ILとしては、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。
レチクルステージ14上には、回路パターンなどがそのパターン面(図1における下面)に形成されたレチクルRが、真空吸着により固定されている。レチクルステージ14は、リニアモータ等を含むレチクル駆動系52(図1では不図示、図7参照)によって、XY平面内で微小駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図1における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージ14のステージ移動面内の位置(Z軸回りの回転を含む)は、エンコーダシステム(あるいはレーザ干渉計システム)を含むレチクル計測系56(図1では不図示、図7参照)によって計測される。レチクル計測系56の計測値は、主制御装置50(図1では不図示、図7参照)に供給され、主制御装置50は、レチクル計測系56の計測値に基づいてレチクルステージ14のX軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)の位置を算出するとともに、この算出結果に基づいてレチクル駆動系52を制御することで、レチクルステージ14の位置(及び速度)を制御する。
投影ユニット16は、レチクルステージ14の図1における下方に配置されている。投影ユニット16は、鏡筒16aと、該鏡筒16a内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子から成る投影光学系16bとを含む。投影光学系16bとしては、Z軸方向の共通の光軸AXを有する複数のレンズ(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。投影光学系16bは、両側テレセントリックで所定の投影倍率(1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する。このため、照明系12からの照明光ILによってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系16b(投影ユニット16)を介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な領域(以下、「露光領域」とも呼ぶ)IAに形成される。
局所液浸装置18(図1では不図示。図7参照)は、投影光学系16bを構成する最下端の光学部材(以下、先端レンズと称する)とウエハステージ24に保持されたウエハW(あるいは計測ステージ26)との間の空間に液体(純水)を局所的に満たして液浸領域を形成するための装置である。局所液浸装置18は、液体供給装置、液体回収装置、ノズルユニット、及び各種配管部材(それぞれ不図示)など含み、液浸領域内の液体を循環させることによって、ウエハステージ24、及び計測ステージ26の位置に関わらず、常に液浸領域内に液体が保持されるようにする。露光装置10において、ウエハWは、上記液体を介して(液浸領域を通過した)照明光ILにより露光される。局所液浸装置18を用いた液浸露光方法については、米国特許第8,004,650号明細書などに開示されているので、ここでは詳細な説明を省略する。
ステージ装置20は、ベース盤22、該ベース盤22の上面の上方に配置されたウエハステージ24、及び計測ステージ26、各ステージ24、26を駆動するステージ駆動系54(図1では不図示。図7参照)、並びに各ステージ24、26の位置を計測するステージ計測系58(図1では不図示。図7参照)などを備えている。
ウエハステージ24は、ステージ本体24aと、該ステージ本体24a上に不図示のZ・レベリング機構(ボイスコイルモータなど)を介して搭載され、ステージ本体24aに対してZ軸方向及びX軸回りの回転方向(θx方向)、Y軸回りの回転方向(θy方向)に相対的に微小駆動されるウエハテーブル24bとを含む。ウエハテーブル24b上には、ウエハWを真空吸着等によって保持するウエハホルダ(不図示)が配置されている。また、ウエハテーブル24bの上面には、ウエハホルダに保持されたウエハとほぼ面一であって、外形(輪郭)が矩形でその中央部にウエハホルダよりも一回り大きな円形の開口(図2参照)が形成された撥水板24cが配置されている。
また、図2に示されるように、撥水板24c上には、計測プレート24dが埋め込まれている。計測プレート24dの長手方向の中央には、基準マークが形成されるとともに、該基準マークのX軸方向の一側と他側に、基準マークの中心に関して対称な配置で一対の空間像計測スリットパターン(L字状のスリットパターン)が形成されている。基準マークとしては、後述するプライマリアライメントセンサ32p、セカンダリアライメントセンサ32s(それぞれ図1参照)が検出可能な格子マークが用いられている。
計測ステージ26は、ステージ本体26aと、該ステージ本体26a上に不図示のZ・レベリング機構(ボイスコイルモータなど)を介して搭載され、ステージ本体26aに対してZ軸方向及びX軸回りの回転方向(θx方向)、Y軸回りの回転方向(θy方向)に相対的に微小駆動される計測テーブル26bとを含む。
計測ステージ26は、照度むらセンサ、波面収差計測器、空間像計測器などのセンサ群62を有している。照度むらセンサ、及び波面収差計測器は、計測テーブル26bの中央部近傍に配置されており、投影光学系16b、及び液浸領域(液体Lq)を介して照明光IL(図2では不図示。図1参照)を受光する。また、空間像計測器は、ウエハステージ24と計測ステージ26とが、Y軸方向に関して所定距離以内に接近(あるいは接触)した状態で、上述したウエハステージ24が有するスリットパターンを介してウエハステージ24から送光される照明光ILを受光する。上記センサ群62を用いた照明光ILの各種キャリブレーション動作に関しては、米国特許第8,054,472号明細書などに開示されているので、ここでは詳細な説明を省略する。
また、ステージ本体26aの−Y側の側面には、断面矩形の棒状部材から成る基準部材としてのフィデューシャルバー(以下、「FDバー」と略述する)28が取り付けられている。FDバー28は、原器として機能する部材であり、低熱膨張の素材によって形成されている。FDバー28の上面には、複数の基準マークMが形成されている。基準マークMとしては、後述するプライマリアライメントセンサ32p、セカンダリアライメントセンサ32sが検出可能な格子マークが用いられている。これらの複数の基準マークMの相互の位置関係は、既知であるものとする。
ウエハステージ24、及び計測ステージ26それぞれのステージ本体24a、26aは、底面に複数のエアベアリングを有している。ステージ本体24a、26aそれぞれは、該エアベアリングからベース盤22の上面に対して噴出する加圧空気の静圧により、ベース盤22の上面の上方に数μm程度のクリアランスを介して非接触で浮上している。また、各ステージ本体24a、26aは、ステージ駆動系54(図7参照)によって、ベース盤22の上面に沿ってY軸、及びX軸方向に独立して駆動可能となっている。なお、図7では、上記ステージ本体24a、26bをXY2軸方向に駆動するためのアクチュエータと、上記各テーブル24b、26bをステージ本体24a、26bに対して微小駆動するためのZ・レベリング機構とを含んで、ステージ駆動系54として示されている。
また、ステージ装置20では、ウエハテーブル24bの上面と計測テーブル26bの上面とを同一高さ、且つY軸方向に関して所定距離以内に接近(あるいは接触)した状態(以下、スクラム状態と称する)とすることで、液浸領域(液体Lq)の受け渡しを行う。すなわち、ステージ装置20では、ウエハテーブル24bと計測テーブル26bの一方と投影光学系16b(先端レンズ)との間に液浸領域が形成された状態から、上記スクラム状態で各ステージ24、26がY軸方向に駆動されることにより、ウエハテーブル24bと計測テーブル26bの他方と投影光学系16bとの間に液浸領域が形成された状態に移行する。上記液浸領域の相互受け渡し動作に関しては、米国特許第8,054,472号明細書などに開示されているので、ここでは詳細な説明を省略する。
なお、ステージ装置20において、各ステージ24、26の構造は、これに限定されず、適宜変更が可能である。すなわち、各ステージ24、26において、各テーブル24b、26bを、対応するステージ本体24a、26aに対して一体化し、該一体化されたステージ本体24a、26aそれぞれを6自由度(X、Y、Z、θx、θy、θz)方向に駆動しても良い。また、上述したステージ駆動系54(図7参照)の構成も、特に限定されず、米国特許第8,054,472号明細書などに開示されるような、XリニアモータとYリニアモータとを組み合わせた駆動系を用いることが可能であるし、公知のXY2次元平面モータを含む駆動系を用いることも可能である。
また、上述したステージ計測系58(図7参照)の構成も、特に限定されない。ステージ計測系58としては、2次元エンコーダシステムを含む計測系、レーザ干渉計システムを含む計測系、2次元エンコーダシステムとレーザ干渉計システムとを併用する計測系などを用いることが可能である。また、計測系としてエンコーダシステムを用いる場合には、計測対象物(ここではウエハステージ24、及び計測ステージ26)にエンコーダスケール(回折格子)が配置されるとともに、所定の固定部材(ここでは投影ユニット16を支持するメトロロジフレーム16c(それぞれ図1参照))にエンコーダヘッドが配置されるようなシステムを用いても良いし、これとは逆に、計測対象物にエンコーダヘッドが配置されるとともに、所定の固定部材にエンコーダスケールが配置されるようなシステムを用いても良い。また、2次元エンコーダシステムとレーザ干渉計システムとを併用する計測系を用いる場合、高精度で計測対象物の位置計測を行う必要がある領域でのみ2次元エンコーダシステムを用いつつ、その2次元エンコーダシステムの計測可能領域以外の領域でレーザ干渉計システムを用いるシステムであっても良いし、計測対象物の全移動可能範囲において2次元エンコーダシステム、及びレーザ干渉計システムの双方を用いるシステムであっても良い。
また、計測対象物(ここではウエハステージ24、及び計測ステージ26)のZ軸方向の位置計測系としては、光ピックアップのような構成の光学式の変位センサを含む複数のZセンサを用いるシステムを用いても良いし、レーザ干渉計システムを用いても良い。また、計測対象物のXY平面内の位置計測をエンコーダシステムを用いて行う場合、該エンコーダシステムの計測ヘッド(Xヘッド、Yヘッド)を、Z軸方向の位置計測も可能な2次元ヘッド(XZヘッド、YZヘッド)とした3次元エンコーダシステムを用いても良い。なお、上述したレチクル計測系56(図7参照)も、ステージ計測系58と同様な計測システムを用いることができる。
次に、ウエハWに形成されたアライメントマーク、及び該アライメントマークの検出に用いられるオフ・アクシス型のアライメントセンサ32p、32sを含むアライメント系30について説明する。
アライメント系30による検出対象であるアライメントマークとして、ウエハW上の各ショット領域には、図3(a)〜図3(c)の何れかに示されるような格子マークGMが形成されている。格子マークGMは、各ショット領域のスクライブライン内に少なくとも1つ形成されている。
図3(a)に示される一例の格子マークGMは、X格子GxとY格子Gyとを含む。X格子Gxは、X軸方向に所定ピッチで配列されたY軸に平行な複数の格子線を有し、Y格子Gyは、Y軸方向に所定ピッチで配列されたX軸に平行な複数の格子線を有する。格子マークGMがアライメントセンサ32p、32s(図2参照)からの照明光Lに対して各格子Gx、Gyの周期方向(X軸方向、Y軸方向)に相対移動(図3(a)の矢印参照)することによって、格子マークGM(すなわちウエハW(図1参照))のX位置、及びY位置が計測される。なお、図3(a)に示される例では、X格子GxとY格子GyとがX軸方向に所定間隔で並んで配置されているが、これに限られず、Y軸方向に所定間隔で並んで配置されていても良い。
図3(b)及び図3(c)に示される他の例の格子マークGMは、それぞれα格子Gαとβ格子Gβとを含む。α格子Gαは、XY平面内でX軸に対して45°の角度を成す方向(以下、本実施形態における座標系において、α方向と称する)に所定ピッチで配列された、XY平面内でα方向に直交する方向(同様に、β方向と称する)に平行な複数の格子線を有し、β格子Gβは、β方向に所定ピッチで配列された、α方向に平行な複数の格子線を有する。図3(b)に示される格子マークGMでは、α格子Gαとβ格子GβとがY軸方向に並んで配置されており、図3(c)に示される格子マークGMでは、α格子Gαとβ格子GβとがX軸方向に並んで配置されている。上述した図3(a)に示される格子マークGMの位置計測では、照明光Lに対して格子マークGMをX軸方向及びY軸方向に(すなわち2回)相対移動させる必要があるのに対し、図3(b)及び図3(c)に示される格子マークGMの位置計測では、各格子Gα、Gβの配列方向(Y軸又はX軸方向)への1回の相対移動動作で各格子マークGMのα方向、及びβ方向の(すなわち、演算によりXY平面内の)位置計測を行うことができる。
なお、ウエハW(図1参照)に形成される格子マークGMの種類は、特に限定されないが、本実施形態では、図3(c)に示される格子マークGMが形成されているものとする。また、図3(a)〜図3(c)では、図示の便宜上から、格子のピッチは、実際のピッチに比べて格段に広く図示されている。その他の図における回折格子も同様である。また、図3(a)〜図3(c)では、照明光Lが格子マークGMに対して走査されるように図示されているが、実際には、計測中の照明光Lの照射点のXY平面内の位置は、固定であり、格子マークGMが計測ビームの照射点に対して移動する。
アライメント系30は、図1に示されるように、投影ユニット16の−Y側に配置されたプライマリアライメントセンサ32p、及びセカンダリアライメントセンサ32s、並びに各アライメントセンサ32s、32pに計測用照明光を供給する光源34(図1では不図示。図4(a)、図7など参照)を備えている。光源34としては、全体的な波長域が、200〜1600nm程度となるように、それぞれの色が異なる複数のレーザダイオードが組み合わされたものが使用される。なお、光源34は、各アライメントセンサ32p、32sそれぞれが個別に有していても良い。
アライメント系30は、図2に示されるように、1つのプライマリアライメントセンサ32pと、6つのセカンダリアライメントセンサ32sとを有している。プライマリアライメントセンサ32pは、投影光学系16bの光軸AX(図1参照)から−Y側に所定距離隔てた位置に配置され、メトロロジフレーム16c(図1参照)の下面に固定されている。プライマリアライメントセンサ32pの検出視野は、投影光学系16bの光軸AXと直交し、且つY軸に平行な直線CL上に配置されている。また、6つのセカンダリアライメントセンサ32sのうち、3つがプライマリアライメントセンサ32pの+X側にX軸方向に所定間隔で配置され、残りの3つがプライマリアライメントセンサ32pの−X側にX軸方向に所定間隔で配置されている。+X側の3つのセカンダリアライメントセンサ32sと、−X側のセカンダリアライメントセンサ32sとは、直線CLを中心としてほぼ対称な配置で設けられている。
各セカンダリアライメントセンサ32sは、アライメント駆動系36(図2では不図示。図7参照)によってX軸方向に所定のストロークで独立して駆動可能となっている。アライメント駆動系36は、各セカンダリアライメントセンサ32sを駆動するためのアクチュエータと、各セカンダリアライメントセンサ32sをメトロロジフレーム16c(図1参照)に対して固定する(メトロロジフレーム16cに各セカンダリアライメントセンサ32sを保持させる)ための保持機構とを含む。これにより、アライメント系30では、各セカンダリアライメントセンサ32sの検出視野のX位置を個別に調整することができるようになっている(図5参照)。
ここで、本実施形態において、アライメント系30は、スループットとの兼ね合いから、図5に示されるように、全ショット領域のうちの一部(図5において太線で囲まれている合計で24のショット領域S)に形成された格子マークGMを検出対象とする。以下、検出対象の格子マークGMが形成されたショット領域Sを、サンプルショット領域Sと称して説明する。
本実施形態における、24のサンプルショット領域Sは、互いのY軸方向の位置が異なる、4つのグループに分けられている。以下、上記4つのグループを、+Y側から順に第1〜第4グループと称して説明する。第1〜第4の各グループには、複数(第1及び第4グループには5つ、第2及び第3グループには7つ)のサンプルショット領域Sが含まれており、本実施形態におけるアライメント系30は、1つのグループに含まれる複数(5又は7)のサンプルショット領域S内の格子マークGMを、可能な限り少ない回数で検出するように制御される。すなわち、アライメント系30は、可能であれば、複数(5又は7)の格子マークGMを一括計測(同時計測)するように制御される。複数の格子マークGMの同時計測が可能であるか否かの判定手法については、後に説明する。
次に、各アライメントセンサ32p、32sの構成、及び動作について図4(a)及び図4(b)を用いて説明する。なお、セカンダリアライメントセンサ32sは、アライメント駆動系36(図7参照)によるX軸方向への移動及び位置決めが可能である点を除き、光学系の構成、及びマークMkの検出方法などは、プライマリアライメントセンサ32pと実質的に同じである。
図4(a)に示されるように、アライメントセンサ32p、32sは、ビームスプリッタ40、対物レンズ42a、42b、固定鏡44、及び複数の検出器46などを備えている。
光源34から出射した照明光Lは、ビームスプリッタ40に入射し、その一部である計測光L1が、ウエハW(図2参照)に形成された格子マークGMに対して、対物レンズ42aを介して垂直に入射する。すなわち、アライメント系30では、光源34とビームスプリッタ40とによって、格子マークGMに照明光Lを照射する照明系が構成されている。ここで、各アライメントセンサ32p、32sは、光源34から出射した照明光Lの光路上に不図示の絞りを備えており、この絞りによって、計測光L1の格子マークGM上における照射点の径(スポット径)が、図3(a)〜図3(c)に示されるように、格子線の長さよりも短く設定される。従って、無効となる(マーク検出に使用されない無駄な)光が少なく、効率が良い。なお、この絞りは、ウエハWの表面(格子マークGMの位置)と光学的に共役な位置に配置されていても良い。
また、照明光Lの他部である参照光L2は、対物レンズ42bを介して固定鏡44に垂直に入射する。固定鏡44には、反射型の回折格子(不図示)が形成されている。固定鏡44に形成された回折格子のピッチは、ウエハWに形成された格子マークGMのピッチと同じに設定されている。以下、固定鏡44に形成された回折格子を、適宜「参照格子」と称して説明する。
格子マークGMからは、計測光L1に基づく複数の回折光が発生する。格子マークGMからの複数の回折光(α格子Gαからの+N次の回折光+Ldα、及び−N次の回折光−Ldα、β格子Gβからの+N次の回折光+Ldβ、及び−N次の回折光−Ldβ。Nは、1以上の整数)は、対物レンズ42a、及びビームスプリッタ40を介して複数の検出器46に入射する(図4(b)参照)。なお、計測光L1がα格子Gαを照射している場合には、±N次回折光±Ldαが発生しており、計測光L1がβ格子を照射している場合には、±N次回折光±Ldβが発生している。また、固定鏡44(参照格子)からは、参照光L2に基づく複数の回折光が発生する。固定鏡44からの複数の回折光(+N次の複数の回折光+Ld、及び−N次の複数の回折光−Ld。Nは、1以上の整数)は、対物レンズ42b、及びビームスプリッタ40を介して複数の検出器46に入射する。複数の検出器46は、不図示のフォトダイオードを含み、その出力は、主制御装置50に供給される(図7参照)。
なお、ビームスプリッタ40は、偏光ビームスプリッタを有していても良い。このとき、偏光ビームスプリッタの格子マークGM側の光路、並びに固定鏡44側の光路のそれぞれに1/4波長板を配置しても良い。
ここで、アライメントセンサ32p、32sでは、格子マークGM、及び固定鏡44から発生する特定方向の回折光同士、具体的には、同一次数の一対の回折光(+N次回折光と−N次回折光)同士がビームスプリッタ40で干渉する。同一次数の一対の回折光は、回折角度が同じであるので、アライメントセンサ32p、32sの光学系の焦点深度(DOF)を広くすることができる。すなわち、仮に回折次数(回折角度)が異なる一対の回折光同士を干渉させる場合、光軸方向に関して理想的な結像位置(ベストフォーカス位置)が互いに異なる(ずれる)ので、デフォーカス状態が発生し易く(DOFが狭く)なる。これに対し、本実施形態では、同次数の回折光、すなわち特定方向の光同士を干渉させるので、DOFを広く(例えば数μm程度と)することができる。また、特定方向の光のみを用いるので、対物レンズ42a、42bは、特定の部位のみが用いられる。言い換えると、対物レンズ42の特定の部位のみを光が通過する。これにより、特定の光路を通過する光のみに関して収差補正をすれば良いので、対物レンズ42a、42bの小型化、及び高NA化が可能となる。
検出器46の出力からは、一例として、図6に示されるような波形の信号(干渉信号)が得られる。主制御装置50(図7参照)は、図6に示されるような信号の位相から、格子マークGM(X格子Gx、Y格子Gy、あるいはα格子Gα、β格子Gβ。それぞれ図3(a)〜図3(c)参照)それぞれの位置を演算によって求める。これにより、XY2次元座標系上における格子マークGMの位置が求まる。
より具体的に説明すると、図6に示される波形のエッジ部分(横軸方向の両端部において波形が立ち上がる部分)の位置によって、格子マークGMのラフな位置を求めることができ、波形がサイン波形状となっている部分の位相から、格子マークGMの詳細な位置を求めることができる。従って、上記ラフな位置情報から、ウエハのサーチアライメントを行うこと、及び上記詳細な位置情報から、ウエハのファインアライメントを行うことができる。また、上記サイン波形状となっている部分の振幅から、格子マークGM(回折格子)の回折効率が分かる。このように、本実施形態の露光装置10(図1参照)では、アライメント系30(光源34、及びアライメントセンサ32p、32s)と主制御装置50(それぞれ図7参照)とにより、ウエハWに形成された格子マークGMの位置情報を求めるためのアライメント装置(格子マークGMの位置計測装置)が構成されている。
また、各アライメントセンサ32p、32s(それぞれ図2参照)は、それぞれアライメントオートフォーカス(アライメントAF)系38(図7参照)を有している。アライメントAF系38は、各アライメントセンサ32p、32sにおける対物光学系のZ軸方向の検出範囲(焦点深度)内に格子マークGMが位置するように、自動的に光学系を制御(調整)する機構を有している。ここで、アライメントAF系38は、各アライメントセンサ32p、32sの光学系が独立に有することから、各アライメントセンサ32p、32sを用いて、ウエハW表面の表面形状(凹凸など)を計測することも可能である。なお、アライメントAF系38の詳細は、例えば米国特許第5,783,833号明細書を参照することができる。
また、露光装置10は、上述したアライメントAF系38とは別に、オートフォーカス系(AF系)64(図7参照)を有している。AF系64は、米国特許第5,448,332号明細書や米国特許出願公開第2012/0008150号明細書などに開示されるような、斜入射方式の多点焦点型位置検出装置を含み、ウエハW上にX軸方向に延びる帯状の検出領域を形成し、該検出領域内におけるウエハWの面位置(ウエハW表面の凹凸、平面度など)を計測する。
図7には、露光装置10における、制御系の主要な構成がブロック図にて示されている。制御系は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含み、装置全体を統括して制御する主制御装置50を中心として構成されている。
次に、本実施形態の露光装置10(図1参照)で行われるアライメント系30のキャリブレーション動作、及びアライメント系30を用いたウエハアライメント動作について、図8〜図11(d)を用いて説明する。以下のキャリブレーション動作、及びウエハアライメント動作は、主制御装置50(図7参照)の管理の元に行われる。なお、図8〜図11(d)において、主制御装置50は、不図示とする。
露光装置10(図1参照)では、ウエハアライメント動作の事前にアライメント系30のキャリブレーション動作が行われる。キャリブレーション動作には、各アライメントセンサ32p、32sのベースライン計測が含まれる。ここで、プライマリアライメントセンサ32pのベースラインとは、投影光学系16bによるパターン(レチクルRのパターン)の投影位置とプライマリアライメントセンサ32pの検出中心との位置関係(又は距離)を意味する。また、以下に説明するウエハアライメント動作、及びキャリブレーション動作において、各セカンダリアライメントセンサ32sは、サンプルショット領域S(図5参照)の配置に合わせて、X軸方向の位置調整が事前に行われているものとする。
プライマリアライメントセンサ32pのベースライン計測が開始される時点では、図8(a)に示されるように、投影光学系16bと計測ステージ26(FDバー28)との間に、液浸領域(以下、液体Lqと同じ符号を付して、液浸領域Lqとして説明する)が形成されている。また、ウエハステージ24と計測ステージ26とは、離間した状態にある。主制御装置50は、ウエハテーブル24b上の計測プレート24dに形成された基準マーク(不図示)を、プライマリアライメントセンサ32pによって検出する。また、主制御装置50は、そのプライマリアライメントセンサ32pの検出結果と、その検出時におけるステージ計測系58(図7参照)の計測値とを対応付けて不図示のメモリに記憶する。この処理を、以下では、便宜上Pri−BCHKの前半の処理と呼ぶものとする。
次に、主制御装置50は、図8(b)に示されるように、計測プレート24dが投影光学系16bの直下に位置するように、ウエハステージ24の位置制御を行う。この際、計測ステージ26とウエハステージ24とが互いに接触した状態又は互いに近接した状態で一体的にY軸方向に移動することによって、液浸領域LqがFDバー28からウエハテーブル24bに受け渡される。また、主制御装置50は、投影光学系16bによって投影されたレチクルR(図1参照)上の計測マークの投影像(空間像)を、前述した空間像計測器を用いて計測し、その計測結果を記憶する。以下、上記レチクルR上の計測マークの投影像の計測処理を、便宜上Pri−BCHKの後半の処理と称して説明する。そして、主制御装置50は、前述のPri−BCHKの前半の処理の結果とPri−BCHKの後半の処理の結果とに基づいて、プライマリアライメントセンサ32pのベースラインを算出する。
次に、主として各ロットのウエハに対する処理を開始する直前(ロット先頭)に行われる、セカンダリアライメントセンサ32sのベースライン計測動作について説明する。ここで、セカンダリアライメントセンサ32sのベースラインとは、プライマリアライメントセンサ32pの検出中心を基準とする、各セカンダリアライメントセンサ32sの検出中心の相対位置を意味する。
セカンダリアライメントセンサ32sのベースライン計測(以下、適宜Sec−BCHKとも呼ぶ)に際して、主制御装置50は、図9(a)に示されるように、ロット先頭のウエハW(プロセスウエハ)上の特定の格子マークGMをプライマリアライメントセンサ32pで検出し、その検出結果と、その検出時のステージ計測系58(図7参照)の計測値とを対応付けて記憶する。また、主制御装置50は、ウエハステージ24を適宜駆動し、図9(b)に示されるように、上記特定の格子マークGMを、各セカンダリアライメントセンサ32sで検出し、その検出結果と、その検出時のステージ計測系58の計測値とを対応付けて記憶する。主制御装置50は、上記記憶したデータに基づいて、各セカンダリアライメントセンサ32sのベースラインをそれぞれ算出する。
このように、本実施形態では、ロット先頭のウエハW(プロセスウエハ)を用いて、そのウエハW上の同一のアライメントマークを、プライマリアライメントセンサ32pと各セカンダリアライメントセンサ32sとで検出することによって、各セカンダリアライメントセンサ32sのベースラインを求めることから、結果的に、プロセスに起因するアライメントセンサ間の検出オフセットの差も補正される。
次に、ロット内の処理中に、所定のタイミング、一例として、ウエハWの露光終了から次のウエハWのウエハテーブル24b上へのロードが完了するまでの間、すなわちウエハ交換中に行われるSec−BCHKの動作について説明する。この場合のSec−BCHKは、ウエハ交換毎というインターバルで行われるので、以下ではSec−BCHK(インターバル)とも記述する。
Sec−BCHK(インターバル)に際して、主制御装置50は、図10に示されるように、FDバー28に形成された複数のマークのうち、中央近傍のマークをプライマリアライメントセンサ32pに検出させる。主制御装置50は、この状態で、各セカンダリアライメントセンサ32sそれぞれに視野内のマークを同時検出させることによって、各セカンダリアライメントセンサ32sのベースラインをそれぞれ求める。このように、Sec−BCHKをウエハ交換毎というインターバルで行うことにより、各セカンダリアライメントセンサ32sのベースラインの影響を補正することができる。なお、上記説明では、各セカンダリアライメントセンサ32sが視野内のマークを同時検出するものとして説明したが、これに限られず、各セカンダリアライメントセンサ32sがFDバー28上の同一のマークを順次検出しても良い。
次に、アライメント系30を用いたウエハアライメント動作について、図11(a)〜図11(d)を用いて説明する。上述したように、ウエハW上に設定された24のサンプルショット領域Sは、第1〜第4グループに分けられ、ウエハアライメント動作は、最も+Y側の第1グループから順番に行われる。なお、第1及び第4グルーブに属する格子マークGMの検出時において、最も+X側、及び最も−X側のセカンダリアライメントセンサ32sは、それぞれ使用されない。
主制御装置50は、所定のローディングポジションにおいて、ウエハステージ24(図1参照)上にウエハWがローディングされると、図11(a)に示されるように、ステージ計測系58(図7参照)の出力に基づいて、ウエハステージ24をX軸、及びY軸方向に適宜駆動し、第1グループのアライメント開始位置にウエハWを位置決めする。
本実施形態のアライメント系30では、上記アライメント開始位置からウエハWを各アライメントセンサ32p、32sから照射される照明光Lに対して所定の走査方向(本実施形態では、Y軸方向)に相対移動(図3(c)参照)させることにより、第1グループに含まれる5つのサンプルショット領域内に形成された格子マークGMの同時検出を行う。主制御装置50は、第1グループに含まれる、5つの格子マークGMの検出結果と、その検出時におけるステージ計測系58(図6参照)の計測値とを関連付けて記憶する。
次に、主制御装置50は、図11(b)に示されるように、ステージ計測系58(図7参照)の計測値に基づいて、ウエハステージ24をY軸方向に駆動して、7つのアライメントセンサ32p、32sが、ウエハW上の第2グループに属する7つのサンプルショット領域Sに形成された格子マークGMをほぼ同時に且つ個別に検出可能となる位置に位置決めする。7つのアライメントセンサ32p、32sそれぞれは、対応する7つの格子マークGMをほぼ同時に且つ個別に検出し、主制御装置50は、上記7つのアライメントセンサ32p、32sの検出結果と、その検出時におけるステージ計測系58の計測値とを関連付けて記憶する。
次に、主制御装置50は、図11(c)に示されるように、ステージ計測系58(図7参照)の計測値に基づいて、ウエハステージ24をY軸方向に駆動して、7つのアライメントセンサ32p、32sが、ウエハW上の第3グループに属する7つのサンプルショット領域Sに形成された格子マークGMをほぼ同時に且つ個別に検出可能となる位置に位置決めする。7つのアライメントセンサ32p、32sそれぞれは、対応する7つの格子マークGMをほぼ同時に且つ個別に検出し、主制御装置50は、上記7つのアライメントセンサ32p、32sの検出結果と、その検出時におけるステージ計測系58の計測値とを関連付けて記憶する。
次に、主制御装置50は、図11(d)に示されるように、ステージ計測系58(図7参照)の計測値に基づいて、ウエハステージ24をY軸方向に駆動して、5つのアライメントセンサ32p、32sが、ウエハW上の第4グループに属する5つのサンプルショット領域Sに形成された格子マークGMをほぼ同時に且つ個別に検出可能となる位置に位置決めする。5つのアライメントセンサ32p、32sそれぞれは、対応する7つの格子マークGMをほぼ同時に且つ個別に検出し、主制御装置50は、上記5つのアライメントセンサ32p、32sの検出結果と、その検出時におけるステージ計測系58の計測値とを関連付けて記憶する。
そして、主制御装置50は、このようにして得た合計で24の格子マークGMの検出結果と、対応するステージ計測系58(図7参照)の計測値とを用いて、米国特許第4,780,617号明細書などに開示される統計演算(いわゆるEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント))を行って、ステージ計測系58の計測軸で規定される座標系上におけるウエハW上の全てのショット領域の配列を算出する。以下、主制御装置50は、上記配列座標に基づいて、レチクルR及びウエハWを適宜XY平面内で適宜位置決めしつつ、各ショット領域に対するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光動作を行う。この走査露光動作に関しては、従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式の走査露光動作と同じであるので、説明を省略する。
このように、本実施形態では、互いにY位置の異なる第1〜第4グループの各グループに属する5又は7の格子マークGMを一括検出することができる。従って、合計で4回の検出動作で合計24の格子マークGMの検出動作を完了することができ、仮に24の格子マークGMを個別に検出する場合などに比べて、格段に短時間でショット領域の配列を算出することができる。
ここで、複数(5又は7)の格子マークGMを同時に、且つ高精度で検出するためには、各アライメントセンサ32p、32sそれぞれの焦点深度(DOF)内に対象となる格子マークGMが位置している必要がある。これに対し、ウエハWの表面は、理想的な平面ではなく、多少の凹凸があるのが通常である。従って、各アライメントセンサ32p、32sによって複数の格子マークGMの同時検出を行う場合には、少なくとも一部のアライメントセンサは、格子マークGMの検出をデフォーカス状態で行う蓋然性が高い。
このような場合には、各アライメントセンサ32p、32sのDOF内に格子マークGMが位置するように、ウエハテーブル24bのZ軸方向の位置を適宜変化させることが考えられるが、実際には各センサ間のDOFにばらつきがあり、さらに本実施形態のようにセンサの数が多い場合には、ウエハテーブル24bのZ駆動回数が多くなり、スループットの低下の原因となるおそれがある。
そこで、本実施形態では、以下に説明する手順により、格子マークGMの検出回数を低減し、スループットの低下を抑制する。以下、図12に示されるフローチャートを用いて、アライメント系30を用いた第1〜第4グループの各グループに属する複数の格子マークGMの同時多眼検出動作について説明する。以下の制御は、主制御装置50(図7参照。以下の説明において不図示)の管理の元に行われる。
主制御装置50は、ステップS10で、上述した各アライメントセンサ32p、32sそれぞれが有するアライメントAF系38(図7参照)を用いて、ウエハWの表面形状を計測する。なお、ここでのウエハWの形状とは、ウエハW全体の表面形状ではなく、同時計測対象となる複数(5又は7)の格子マークGMを通るX軸に平行な線を通るウエハWのXZ断面内の形状を意味する。従って、ウエハ形状は、7つのZ軸方向の値として出力される。
ここで、上述したように、各アライメントセンサ32p、32sは、互いに独立してX軸方向に所定間隔でメトロロジフレーム16c(図1参照)に取り付けられているので、その高さ位置にばらつきがある。そこで、主制御装置50は、ステップS12において、上記ステップS10で求めたウエハ形状(Z軸方向の値)と、計測に用いた各アライメントセンサ32p、32sの高さ位置(ALG高さ位置)との差を求める。これにより、各アライメントAF系38の出力が補正され、ウエハWの実際の表面高さ位置を求めることができる。なお、各アライメントセンサ32p、32sの高さ位置は、既知であるものとする。図13のグラフは、上記ステップ12において求めた、各計測点におけるウエハWの表面高さ位置を示している。
次いで、主制御装置50は、ステップS14において、演算(1次フィッティング)により、上記ステップS12において求めた、各計測点におけるウエハWの表面高さ位置のデータに基づく1次近似式(図13のグラフにおける直線Ap)を求める。この1次近似式の傾きは、各センサ32p、32sを用いた同時多眼検出動作時におけるウエハWのチルト方向(傾斜方向)の姿勢制御に用いる。
また、主制御装置50は、ステップS16において、図13のグラフから、直線Ap(1次近似式)と各プロット(実測値)との差の最大値(Δmax)、及び最小値(Δmin)を求めるとともに、図13のグラフにおいて、直線Apを縦軸方向に動かすことによって、Δmax=ΔminとなるZ軸方向の座標値を求める。このZ座標値は、各センサ32p、32sを用いた同時多眼検出動作時におけるウエハWの高さ位置の制御に用いる。
次に、主制御装置50は、ステップS18において、ウエハWの姿勢分を除去した状態での乖離量Δを求める。ここで、ウエハWの姿勢分とは、ステップS12において求めた1次近似式(図13の直線Ap)の傾きを意味し、乖離量Δとは、図13のグラフにおける直線Apと上記Δmax(及びΔmin)となるプロットとの距離であって、そのプロットに対応するアライメントセンサ32p、32sのウエハW表面に対するデフォーカス量を意味する。
次に、主制御装置50は、ステップS20において、ステップS18で求めた乖離量Δが、対応するアライメントセンサ32p、32sのDOF内であるか否かを判定する。なお、各アライメントセンサ32p、32sのDOFは、既知であるものとする。乖離量ΔがDOFの範囲内である場合には、ステップS22へ進み、乖離量ΔがDOFの範囲外である場合には、ステップS24へ進む。
ステップS22において、主制御装置50は、上記ステップS14において求めた1次関数(図13の直線Ap)の傾き、及びステップS16において求めたZ軸方向の座標値に基づいて、ウエハステージ24を姿勢制御し、ウエハWの表面のZ位置、及びチルト量を調節する。ウエハステージ24の姿勢制御がされた状態では、上記乖離量Δが各アライメントセンサ32p、32sのDOFの範囲内であるので(ステップS20でYes判定)、全てのアライメントセンサ32p、32sは、検出対象の格子マークGMがDOF内に位置している結果になる。したがって、主制御装置50は、5又は7の格子マークGMを同時計測することができる。主制御装置50は、各アライメントセンサ32p、32sを用いて検出対象の格子マークGMの同時計測を行い、処理を終了する。
これに対し、上記乖離量ΔがDOFの範囲外である場合(ステップS20でNo判定)、一部のアライメントセンサ32p、32sは、検出対象の格子マークGMがDOF外に位置するので、上記5又は7の格子マークの同時(一括)計測を行うことができない。そこで、主制御装置50は、ステップS24において、各プロットを2つにグループ分けする。ここでは、直線Ap(近似式)と各プロット(実測値)との差Δが、プラス(Δ>0)、マイナス(Δ<0)によってグループ分けを行う。すなわち、図13のグラフにおいて、縦軸方向に直線Apよりも+側のプロット群と、−側のプロット群とにグループ分けを行う。以下、主制御装置50は、各グループ毎にステップS14に戻り(ステップS26)、ステップS14以降の処理を繰り返す。
主制御装置50は、第1〜第4のグループそれぞれについて、図12に示されるステップS10〜ステップS26の処理を繰り返すことによって、第1〜第4グループに属する合計で24の格子マークGMの位置計測を行うとともに、該24の格子マークGMの計測結果に基づいて、ウエハW上の全てのショット領域の配列を算出する。なお、ステップS10におけるウエハ形状測定は、アライメントAF系38に替えてAF系64(図7参照)を用いても良い。また、露光装置10とは異なる外部計測機を用いて、ステップS10におけるウエハ形状測定を行っても良い。
ここで、本実施形態のアライメントセンサ32p、32sは、上述したように、格子マークGMから発生する回折光と、固定鏡44から発生する参照光とを光学系内で干渉させて格子マークGMの位置計測を行う構成であることから、図14に示されるように、固定鏡44(参照格子が形成された格子面)が傾いて光学系のテレセントリック性が低下した場合、デフォーカス状態で計測を行うと、アライメント計測誤差が発生する。これを回避するために、主制御装置50は、アライメントセンサ32p、32sの光学系のテレセントリック性に応じて、アライメントセンサ32p、32sの出力を補正する。
アライメントセンサ32p、32sの光学系のテレセントリック性の計測は、上述したステージ計測系58(図7参照)を用いて行う。具体的には、ウエハステージ24のZ軸方向への位置ずれ量に応じたアライメント計測値のずれ量を、エンコーダシステム(あるいは光干渉計システム)を含むステージ計測系58を用いて計測し、この計測結果を補正データとして不図示の記憶装置に記憶する。すなわち、ステージ計測系58は、アライメントセンサ32p、32sの光学系のテレセントリック性を計測する計測部としても機能する。そして、実際のアライメント計測時には、アライメントAF系38を用いて、アライメントセンサ32p、32sのデフォーカス量(図13のグラフにおける直線Apと各プロットとの差)を計測し、そのデフォーカス量に応じて、上記補正データに基づいてアライメント計測結果を補正する。これにより、仮にアライメント計測中にウエハステージ24がZ軸方向に移動したり、ウエハWの表面に凹凸があったとしても、アライメントセンサ32p、32sの光学系のテレセントリック性の低下に起因するアライメント計測結果の誤差を補正することができ、アライメントセンサ32p、32sがデフォーカス状態で計測を行わないように、仮にセンサ内に調整機構を配置する場合に比べ、センサの大型化を抑制できる。
《第2の実施形態》
次に第2の実施形態に係るアライメントセンサ132について、図15(a)及び図15(b)を用いて説明する。第2の実施形態に係るアライメントセンサ132の構成は、光学系の構成が異なる点を除き、上記第1の実施形態と同じであるので、以下、相違点についてのみ説明し、上記第1の実施形態と同じ構成及び機能を有する要素については、上記第1の実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。後述する第3及び第4の実施形態についても同様である。また、本第2の実施形態に係るアライメントセンサ132は、XY平面内の位置が固定のプライマリアライメントセンサとしても、XY平面内で位置が可動のセカンダリアライメントセンサとしても用いることができる。後述する第3及び第4の実施形態に係るアライメントセンサについても同様である。なお、ウエハWに形成される格子マークGMの種類は、特に限定されないが、第2の実施形態、並びに後述する第3及び第4の実施形態では、図3(a)に示される格子マークGMが形成されているものとする。
アライメントセンサ132において、不図示の光源からの照明光Lがビームスプリッタ140に入射する。ビームスプリッタ140からは一対の照明光L1、L2が出射する。照明光L1、L2は、レンズ142を介して、上記第1の実施形態と同様に、ビームスプリッタ40に入射する。照明光L1、L2それぞれの一部である計測光L1A、L2Aは、対物レンズ42aの互いに異なる位置を通過して格子マークGMに入射する。ここで、計測光L1A、L2Aは、それぞれウエハW表面の法線方向(Z軸方向)に対して互いに反対の方向から斜めに入射する(図15(b)参照)。計測光L1A、L2Aに基づく格子マークGMからの回折光L1Ad、L2Adは、それぞれ対物レンズ42a、ビームスプリッタ40を透過して複数の検出器46に入射する。
なお、ビームスプリッタ140は、偏光ビームスプリッタを有していても良い。このとき、偏光ビームスプリッタの格子マークGM側の光路、並びに固定鏡44側の光路のそれぞれに1/4波長板を配置しても良い。
また、照明光L1、L2の他部である参照光L1B、L2Bは、対物レンズ42bの互いに異なる位置を通過して固定鏡44に入射する。ここでも参照光L1B、L2Bは、それぞれ固定鏡44の格子面の法線方向(X軸方向)に対して互いに反対の方向から斜めに入射する。参照光L1B、L2Bに基づく固定鏡44からの回折光L1Bd、L2Bdは、それぞれ対物レンズ42a、ビームスプリッタ40を透過して複数の検出器46に入射する。複数の検出器46は、格子マークGMからの回折光と固定鏡44からの回折光同士の干渉(回折光L1Ad、L2Bdの干渉、及び回折光L2Ad、L1Bdの干渉)に基づいて、格子マークGMの位置ズレを検出する。本第2の実施形態に係るアライメントセンサ132では、計測光L1A、L2Aが、それぞれ格子マークGMに対して斜入射するので、上記第1の実施形態に比べてより狭いピッチの回折格子が形成された格子マークを検出することができるので、格子マークGMの検出精度が向上する。
また、上記各実施形態のアライメントセンサ32p、32s、132は、格子マークGMからの回折光と干渉させる参照光を発生する参照光発生部材として、反射型の回折格子(参照格子)を含む固定鏡44を備えていたが、参照光発生部材としては、これに限られず、SLM(Spatial Light Modulator)、AOM(Acoustic Optical Modulator)などを用いても良い。
また、上記各実施形態のアライメントセンサ32p、32s、132における参照光発生部材としての反射型の回折格子として、2次元回折格子を用いても良い。この2次元回折格子は、格子マークGMのα格子Gαのピッチ方向とβ格子Gβのピッチ方向とのそれぞれに対応したピッチ方向であっても良い。また、参照光発生部材は、入射光を散乱させる散乱面であっても良い。この散乱面として、所定の角度範囲に射出光を散乱させるものであっても良い。このように参照光発生部材として、所定の角度範囲にわたって光を射出するものを用いた場合には、格子マークGMのピッチが任意のピッチであっても検出できる利点がある。
《第3の実施形態》
次に第3の実施形態に係るアライメントセンサ232について、図16(a)及び図16(b)を用いて説明する。アライメントセンサ232は、ビームスプリッタ40、対物レンズ242を含む光学系に対して照明光Lを供給する照明型が、固定鏡240を有している。固定鏡240は、透過型の回折格子を有しており、照明光L1に基づく回折光である計測光L1、L2が固定鏡240から出射する。計測光L1、L2は、上記第2の実施形態と同様に、ビームスプリッタ40に入射するとともに、対物レンズ42aの互いに異なる位置を通過して格子マークGMに斜入射する。格子マークGMでは、計測光L1、L2それぞれの0次回折光(反射光)L1r、L2r、及び1次回折光L1d、L2dが発生し、これらの0次光L1r、L2r、及び回折光L1d、L2dは、対物レンズ42a、ビームスプリッタ40を透過して一対の検出器46に入射する(図16(b)参照)。一対の検出器46は、0次光L1rと回折光L2dとの干渉、及び0次光L2rと回折光L1dとの干渉に基づいて格子マークGMの位置ズレを検出する。本第3の実施形態も、上記第2の実施形態と同様に、計測光L1、L2が格子マークGMに対して斜入射するので、より狭いピッチの回折格子の検出が可能となる。
《第4の実施形態》
次に第4の実施形態に係るアライメントセンサ332について、図17(a)及び図17(b)を用いて説明する。アライメントセンサ332は、いわゆる自己参照型のアライメントセンサであり、光源34から出射した照明光Lは、ミラー340によって光路が曲げられ、格子マークGMに対し、上記第1の実施形態と同様(図4(a)参照)に、対物レンズ42の中心を通過(透過)してほぼ垂直に入射し、格子マークGMからは、照明光Lに基づく複数の回折光+Ld、−Ldが発生する。対物レンズ42を通過した複数の±N次回折光±Ldは、干渉計344に入射する。干渉計344は、米国特許第6,961,116号明細書に開示される干渉計と同様の機能を有しており、格子マークGMからの+N次回折光+Ldに対して格子マークGMからの−N次回折光−Ldを所定の混合比率で重ね合わせるとともに、格子マークGMからの−N次回折光−Ldに対して格子マークGMからの+N次回折光+Ldを所定の混合比率で重ね合わせる。干渉計344は、入射する±N次回折光を分割し、分割された一方の光路と他方の光路とを、光軸に関して相対的に180度(180度±n×360度:nは整数)だけ回転させた後に合成する。なお、干渉計344を自己参照干渉計と称しても良い。干渉計344から出射した光束は、瞳面48(絞り位置)上に配置された一対の検出器46に入射する。一対の検出器46は、回折光同士の干渉に基づいて格子マークGMの位置ズレを検出する。
なお、上記第1〜第3の各実施形態の構成は、一例であって、適宜変更が可能である。すなわち、アライメントセンサの数及び配置は、上記各実施形態に限定されず、セカンダリアライメントセンサ32sの数は、上記実施形態では6つであったが、6つ未満であっても良いし、7つ以上であっても良い。また、上記実施形態において、隣接する一対のセカンダリアライメントセンサ32s間の間隔も、任意に設定可能である。また、検出対象のサンプルショット領域Sの数、及び配置も、上記実施形態で説明したものに限定されず、任意に設定可能であり、可能であれば、ウエハW上に形成された全てのショット領域をサンプルショット領域Sに設定しても良い。また、1つのサンプルショット領域内に形成された複数の格子マークGMを検出しても良い。
また、上記第1及び第2の実施形態のアライメントセンサ32p、32s、132は、格子マークGMからの回折光と干渉させる参照光を発生する参照光発生部材として、反射型の回折格子(参照格子)を含む固定鏡44を備えていたが、参照光発生部材としては、これに限られず、SLM(Spatial Light Modulator)、AOM(Acoustic Optical Modulator)などを用いても良い。
また、上記第1及び第2の実施形態のアライメントセンサ32p、32s、132における参照光発生部材としての反射型の回折格子として、2次元回折格子を用いても良い。この2次元回折格子は、格子マークGMのα格子Gαのピッチ方向とβ格子Gβのピッチ方向とのそれぞれに対応したピッチ方向であっても良い。また、参照光発生部材は、入射光を散乱させる散乱面であっても良い。この散乱面として、所定の角度範囲に射出光を散乱させるものであっても良い。このように参照光発生部材として、所定の角度範囲にわたって光を射出するものを用いた場合には、格子マークGMのピッチが任意のピッチであっても検出できる利点がある。
また、上記各実施形態においては、複数の検出器46を設けたが、互いに独立して光を検出する複数の検出面を備えた1つの検出器を用いても良い。
《第5の実施形態》
また、上記格子マークGMのXY平面内での位置計測に加え、アライメント系30を用いて格子マークGMの特徴に関する計測値を求めることができるようにしても良い。
具体的には、アライメント系30は、格子マークGMからの複数の回折光に基づいて、いわゆるスキャトロメトリ法(光波散乱計測法)によって所定の計測値(以下、「スキャトロ計測値」と称して説明する)を求め、該スキャトロ計測値に基づいて、格子マークGMの周期方向に関する形状の対称性を求める。すなわち、図4(a)に示されるように、格子マークGMの回折格子は、周期方向に凹凸が連続する形状で形成されている。そして、計測光L1が回折格子に照射される際、図18(a)に示されるように、計測光L1の光軸中心に対して格子マークGMの形状の対称性が確保されている場合には、格子マークGMからの+N次(図18(a)ではN=1〜3)、及び−N次回折光の互いの強度、及び位相が対称(同じ)となる。ここで、図18(a)及び図18(b)において、各矢印の太さは、光の強度を示し、各矢印の長さは、光の位相を示している。
これに対して、周期方向に関して格子マークGMの形状の対称性が損なわれている場合には、図18(b)に示されるように、+N次(図18(b)ではN=1〜3)回折光と−N次回折光とで、互いの強度、及び位相が、非対称となる。
上述したように、アライメントセンサ32p、32sでは、図6に示されるような波形信号が生成される。この波形信号の座標系の縦軸は、光量を表しており、波形の振幅は、回折効率を表している。すなわち、上記格子マークGMからの回折光の強度、及び位相は、各検出器46の出力に基づいて生成される波形信号に反映され、これにより、該波形信号から、格子マークGMの形状の周期方向に関する対称性を推定することができる。
主制御装置50は、複数の格子マークGMに関して、それぞれアライメントセンサ32p、32sから、図6に示されるような波形信号を取得するとともに、該波形信号に基づいて、上記複数の格子マークGMそれぞれについての波形信号を比較することによって、複数の格子マークGMのうち、最も形状が安定した(対称性に優れる)格子マークGMを選択することができる。
このように、本実施形態では、アライメントセンサ32p、32sを用いて、ウエハアライメントに用いるのに最適な格子マークGM、及びマーク検出用の照明光の選択を行うことができる。格子マークGMの形状の対称性は、格子マークGMの位置計測精度に大きな影響を与えるため、格子マークGMの位置計測を行う際、上記選択された格子マークGM(最も形状的に対称性が高い格子マークGM)を用いることによって、格子マークGMの位置情報を、より高精度で求めることができる。また、ウエハアライメント時におけるウエハWの位置決め精度が向上する。
また、本実施形態のアライメントセンサ32p、32sは、上述したように、照明光Lとして、互いに波長の異なる複数の光(レーザ)を照射可能である。主制御装置50は、上記選択された格子マークGMに対し、波長の異なる複数の光を照射し、該複数の光それぞれに基づいて、図6に示されるような波形信号を取得する。そして、主制御装置50は、上記複数の光それぞれについての波形信号を比較することによって、複数の光のうち、ウエハアライメントに最も適した波長の光を選択することができる。
また、上述したスキャトロメトリ法による格子マークGMの形状の対称性(又は非対称性)の推定(計測)は、アライメントセンサ32p、32sを用いて格子マークGMに対して計測光L1を照射することによって行われることから、格子マークGMのXY座標系内での位置計測動作と、格子マークGMの形状の対称性の推定(計測)動作を、同時に行うことができる。したがって、スループットに影響を与えることなく格子マークGMの形状の推定を行うことができる。
また、本実施形態では、上述した格子マークGMの周期方向に関する形状の非対称性に基づいて生ずるアライメント計測結果の誤差を、スキャトロ計測値(格子マークGMからの一対の回折光の強度比率)に基づいて主制御装置50(図7参照。以下の説明において不図示)が補正する。以下、この補正方法について図19のフローチャートを用いて説明する。
主制御装置50は、ステップS510において、1ロット中の最初(ロット先頭)のウエハW(図1参照。以下の説明において不図示)に形成された格子マークGM(図3(a)〜図3(c)参照。以下の説明において不図示)を上述した手順(図11(a)〜図11(d))で検出する。この複数の格子マークGMの検出動作には、各格子マークGMのXY平面内での位置情報の計測と、スキャトロ計測値の計測値との計測とが含まれる。スキャトロ計測値からは、格子マークGMの非対称性(マーク特徴)を推定することができる点は上述した通りである。
ここで、上述したように、格子マークGMの形状が非対称であると、アライメント計測結果に誤差、換言すれば、格子マークGMのマーク特徴に起因したアライメント計測結果の騙されが生じる。そこで、主制御装置50は、ステップS512において、スキャトロ計測値に基づいて、上記アライメント計測結果の騙されを補正する。この補正処理では、図20に示されるグラフを用いて求められた所定の補正係数を用いる。図20のグラフにおいて、横軸は、スキャトロ計測値を示し、縦軸は、重ね計測結果を示している。ここで、縦軸の重ね計測結果とは、既設の格子マークGM上に、該格子マークGMの位置計測結果に基づいて別の格子マークGMを重ねて形成した際の、各格子マークGMの位置ずれ量を意味し、CD−SEMなどを用いて予め求められる。図20に示されるように、スキャトロ計測値と重ね計測値との間の相関に基づいて、スキャトロ計測値に応じた重ね計測誤差を予め求めることができるので、ステップS510で求めたスキャトロ計測値と、上記相関(図20のグラフ中に示される直線)とから、重ね計測誤差を予測することができる。そこで、主制御装置50は、上記相関に基づいて求めた補正係数を用いて、予測される重ね計測誤差を打ち消すように、ステップS510で求めたアライメント計測結果を補正する。
図19に戻り、主制御装置50は、ステップS514において、補正後のアライメント計測結果(格子マークGMの位置情報)に基づいてEGA演算によりウエハW上の全てのショット領域の配列を算出するとともに、ステップS516において、上記EGA演算の結果に基づいてウエハWの位置制御を行いつつ、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作により、ウエハWに形成された既設のパターン上に新たなパターンを形成する。
ステップS516において露光処理が行われたウエハWは、露光装置10(図7参照)に併設された光学式の重ね計測装置800(インライン重ね計測器800)へ送られ、該インライン重ね計測器800は、ステップS516で形成したパターンと既設のパターンとの重ね合わせ精度を計測する。インライン重ね計測器800としては、上述したアライメントセンサ32p、32s(図4(a)参照)と同様に、スキャトロメトリ法によって、格子マークGMの同士の重ね計測を行う、いわゆるDBO(Diffraction Based Overley)方式の重ね計測装置が用いられる。主制御装置50は、ステップS518において、インライン重ね計測器800から、上記重ね合わせ精度に関する情報を取得する。また、1枚目のウエハWに対する重ね計測と並行して、露光装置10では、2枚目以降のウエハWに対する露光動作が行われる。この2枚目以降のウエハWの露光動作でも、露光動作に先立ってアライメント計測、及びスキャトロ計測が行われるとともに、該アライメント計測結果が上記補正係数を用いて補正される。
主制御装置50は、ステップS518で取得した重ね合わせ精度に関する情報に基づいて、ステップS520において、重ね合わせ精度が許容範囲か否かを判定し、許容範囲内であれば、ステップS512で用いた補正係数が適正であったものとして(Yes判定)、以降のウエハの露光動作を行う。これに対し、重ね合わせ精度が許容範囲外であった場合(No判定)には、ステップS522に進み補正係数を修正した後、以降のウエハの露光動作を行う。上述したように、ステップS512〜S522までの処理は、2枚目以降のウエハWの露光動作と並行して行われることから、ステップS522で決定された補正値は、1ロット中の数枚目以降のウェハのアライメント結果に適用される。これにより、修正された補正値に基づいて重ね露光が行われるウエハの露光精度(歩留まり)が向上する。なお、ロット先頭(1枚目)のウエハWに関してステップS522までの処理が終了するのを待って、2枚目のウエハのアライメント計測、及びスキャトロ計測を開始しても良い。この場合、タクトが低下するが全体的な歩留まりが向上する。
ここで、上記重ね計測器800(図7参照)は、DBO方式によって格子マーク同士の重ねズレを計測する構成であることから、下層(下地)の格子マークGM自体の形状が正常であるにもかかわらず格子マークGM同士に重ねズレが生じた場合(図21(a)参照)、及び格子マークGM同士が正確に重ね合わされているにもかかわらず下層の格子マークGMの形状に欠陥がある場合(図21(b)参照)には、それぞれ同様に、格子マークGMからの一対の回折光(例えば正負の同一字数の回折光)の強度、及び位相が非対称となる(図21(a)及び図21(b)の黒矢印参照)。そして、重ね計測器800は、アライメントセンサ32p、32sと同様に、一対の回折光の強度、及び位相に基づいて重ねズレ量を求めるので、実際には、重ね精度が確保されている場合(図21(b)に示される場合)であっても、重ね精度が低下していると判定する(重ね計測器800が騙される)可能性がある。このような重ね計測器800の騙されを回避するために、上層のパターンの露光前に下層(下地)の格子マークGMをアライメントセンサ32p、32sによって計測し、各格子マークの形状を計測(実際には推定)しておき、その計測結果(推定結果)を光学式の重ね計測器800へ伝達しておくと良い。
以上説明したように、本実施形態の露光装置10のアライメント系30は、各格子マークGMの位置計測と同時に該格子マークGMからの回折光に基づいて、各格子マークGMについてのスキャトロ計測値を取得することができる。したがって、格子マークの位置情報とスキャトロ計測値とを個別に計測する場合に比べ、スループットの低下を抑制できる。
また、本実施形態の露光装置10は、スキャトロ計測値を用いて補正係数を修正することによってアライメント結果を補正するので、露光精度を向上させることができる。また、スキャトロ計測値を用いて光学式の重ね計測器800の計測値を補正することもできるので、各パターンの重ね合わせ計測の精度も向上する。
また、上記実施形態において、ステージ装置20は、ウエハステージ24と計測ステージ26とを有していたが、ステージ装置20の構成は、これに限定されず、適宜変更が可能である。すなわち、図22に示されるステージ装置120のように、ウエハWを保持可能なウエハステージ124を、2つ有していても良い。ステージ装置120では、一方のウエハステージ124に保持されたウエハWに対するアライメント計測動作、及び走査露光動作と並行して、他方のウエハステージ124に対してウエハのロード及びアンロード動作を行うことができる。この場合、一対のウエハステージ124の少なくとも一方が、基準マークが複数形成されたFDバー28を有しており(図22では、一対のウエハステージ124それぞれがFDバー28を有している)、該FDバー28を用いて上記アライメント系30のベースライン計測(キャリブレーション動作)を行う。
また、露光装置10は、アライメント系30を備えていなくても良い。この場合、アライメント系30を備える計測装置が露光装置10とは別個に用意されていても良い。計測装置がアライメント動作を行った基板は、搬送装置を用いて露光装置10に搬送されても良い。露光装置10は、計測装置が取得したマーク検出情報を用いて、複数のショット領域の位置座標の補正量を算出し、その後、基板を露光しても良い。或いは、アライメント系30を備える計測装置が存在する場合であっても、露光装置10は、アライメント系30を備えていても良い。この場合、露光装置10は、計測装置が行ったアライメント動作の結果を用いて、更にアライメント動作を行っても良い。なお、このような露光装置と当該露光装置とは別個のアライメント系とを備えた露光システムは、例えば米国特許第4,861,162号明細書に開示されている。
また、照明光ILは、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に限らず、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、エルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、照明光ILの波長は、100nm以上の光に限られず、波長100nm未満の光を用いても良く、軟X線領域(5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を用いるEUV露光装置にも上記実施形態を適用することができる。その他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、上記実施形態は適用できる。
また、露光装置における投影光学系は、縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良いし、投影光学系は屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、上記実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)を用いたが、このレチクルに代えて、米国特許第6,778,257号明細書などに開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれ、非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いても良い。
また、上記実施形態では、投影光学系と露光対象物体(ウエハ)との間に液体(純水)を満たした状態で露光動作を行う、いわゆる液浸露光装置について説明したが、これに限られない。
また、国際公開第2001/035168号などに開示されているように、干渉縞をウエハW上に形成することによって、ウエハW上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも上記実施形態を適用することができる。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置にも上記実施形態は適用することができる。
また、米国特許第6,611,316号明細書などに開示されているように、2つのレチクルパターンを、投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記実施形態を適用することができる。
また、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものでなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど他の物体でも良い。
また、露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記実施形態を適用できる。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態に係る露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
以上説明したように、本発明のマーク検出装置、及びマーク検出方法は、物体に設けられたマークを検出するのに適している。また、本発明の露光装置は、物体上に所定のパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの製造に適している。
10…露光装置、20…ステージ装置、30…アライメント系、32p…プライマリアライメントセンサ、32s…セカンダリアライメントセンサ、GM…格子マーク、W…ウエハ。

Claims (31)

  1. 所定の2次元平面内の第1方向に所定間隔で配置され、物体に設けられたマークを光学系を介して検出する複数の検出装置を有し、該複数の検出装置を用いて前記物体に設けられた複数のマークを同時に検出するマーク検出系と、
    前記複数の検出装置それぞれの前記光学系の焦点深度に関する情報と、前記2次元平面と直交する第2方向に関する前記物体の位置に関する情報とに少なくとも基づいて、前記複数の検出装置のそれぞれの前記光学系と前記物体との位置関係を制御する制御系と、を備えるマーク検出装置。
  2. 前記制御系は、複数の検出対象のマークのそれぞれが前記それぞれの光学系の前記焦点深度内に位置するように、前記位置関係を制御する請求項1に記載のマーク検出装置。
  3. 前記制御系は、前記複数の検出対象のマークのそれぞれの位置を検出する請求項2に記載のマーク検出装置。
  4. 前記制御系は、前記複数の検出装置それぞれの前記光学系のテレセントリック性に起因するマーク位置検出の誤差を補正する、請求項3に記載のマーク検出装置。
  5. 前記複数の検出装置それぞれの前記光学系のテレセントリック性を計測するテレセントリック計測部を更に備える、請求項4に記載のマーク検出装置。
  6. 前記第2方向における、前記複数の検出装置それぞれの前記光学系の焦点と前記物体とのずれ量を用いて、前記誤差を補正する請求項4または請求項5に記載のマーク検出装置。
  7. 前記第2方向における、前記複数の検出装置それぞれの前記光学系の焦点と前記物体とのずれ量を計測するアライメントフォーカス検出部を更に備える、請求項6に記載のマーク検出装置。
  8. 前記マークは、回折格子を含み、
    前記マーク検出系は、前記回折格子に計測ビームを照射し、前記マークと前記計測ビームを相対移動させつつ、前記計測ビームの前記回折格子からの同一次数の一対の回折光の干渉に基づいて前記マークを検出する請求項1〜7のいずれか一項に記載のマーク検出装置。
  9. 前記制御系は、前記2次元平面に直交する第2方向に関する前記物体の位置、及び前記2次元平面に対する前記物体の傾斜量を求める請求項1〜8のいずれか一項に記載のマーク検出装置。
  10. 前記制御系は、前記物体上における、前記複数の検出装置それぞれの検出位置の前記第2方向の位置計測を行うとともに、前記位置計測の結果に基づいて一次近似式を生成し、該一次近似式の傾きに基づいて前記物体の傾斜量を求める請求項9に記載のマーク検出装置。
  11. 前記制御系は、前記第1方向を横軸とし且つ第2方向を縦軸とする座標系上に前記一次近似式に基づくグラフを生成するとともに、前記位置計測結果を前記グラフ上にプロットし、前記グラフに対して前記第2方向に関して最もプラス方向に離れた点と最もマイナス方向に離れた点との中間点を通るように前記グラフの第2方向の位置を設定し、該グラフの前記縦軸方向の位置に基づいて前記物体の前記第2方向に関する位置を設定する請求項10に記載のマーク検出装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のマーク検出装置と、
    前記マーク検出装置の前記制御系が算出した位置に応じて前記物体の位置決めを行う位置決め装置と、
    前記位置決め装置により位置決めされた前記物体にエネルギビームで露光することにより所定のパターンを形成するパターン形成装置と、を備える露光装置。
  13. 請求項12に記載の露光装置を用いて前記物体を露光することと、
    露光された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  14. 所定の2次元平面内の第1方向に所定間隔で配置された複数の検出装置を含むマーク検出系を用いて、物体に設けられた複数のマークを同時に検出することと、
    前記複数の検出装置それぞれの光学系の焦点深度に関する情報と、前記2次元平面と直交する第2方向に関する前記物体の位置に関する情報とに少なくとも基づいて、前記複数の検出装置のそれぞれの前記光学系と前記物体との位置関係を制御することと、を含むマーク検出方法。
  15. 前記制御することでは、複数の検出対象のマークのそれぞれを前記それぞれの光学系の前記焦点深度内に位置させる請求項14に記載のマーク検出方法。
  16. 前記複数の検出対象のマークのそれぞれの位置を検出することをさらに含む請求項14又は15に記載のマーク検出方法。
  17. 検出対象のマークが位置する際の前記物体の前記第2方向に関する位置を算出することをさらに含む請求項14〜16のいずれか一項に記載のマーク検出方法。
  18. 前記算出することでは、前記2次元平面に直交する第2方向に関する前記物体の位置、及び前記2次元平面に対する前記物体の傾斜量を求める請求項17に記載のマーク検出方法。
  19. 前記算出することでは、前記物体上における、前記複数の検出装置それぞれの検出位置の前記第2方向の位置計測を行うとともに、前記位置計測の結果に基づいて一次近似式を生成し、該一次近似式の傾きに基づいて前記物体の傾斜量を求める請求項18に記載のマーク検出方法。
  20. 前記算出することでは、前記第1方向を横軸とし且つ第2方向を縦軸とする座標系上に前記一次近似式に基づくグラフを生成するとともに、前記位置計測結果を前記グラフ上にプロットし、前記グラフに対して前記第2方向に関して最もプラス方向に離れた点と最もマイナス方向に離れた点との中間点を通るように前記グラフの第2方向の位置を設定し、該グラフの前記縦軸方向の位置に基づいて前記物体の前記第2方向に関する位置を設定する請求項19に記載のマーク検出方法。
  21. 前記検出することでは、前記マークが有する回折格子に計測ビームを照射し、前記マークと前記計測ビームを相対移動させつつ、前記計測ビームの前記回折格子からの同一次数の一対の回折光の干渉に基づいて前記マークを検出する請求項14〜20のいずれか一項に記載のマーク検出方法。
  22. 物体上に複数のパターンを重ねて形成するデバイス製造方法であって、
    回折格子を含むマークに計測光を照射する計測装置を用いて、前記物体に設けられた第1マークの位置計測を行うとともに、前記第1マークの非対称性に関する非対称計測を行うことと、
    前記第1マークの位置計測結果を、前記非対称計測結果に応じた補正係数を用いて補正することと、
    前記補正後の前記第1マークの位置計測結果に基づいて前記物体上の既設のパターンに重ねてパターンを形成するとともに、前記第1マーク上に第2マークを重ねて形成することと、
    前記第1及び第2マークを用いて前記パターン同士の重ね精度を計測することと、
    前記重ね精度計測結果が所定の条件を満たさない場合に前記補正係数を修正すること、とを含み、
    前記計測装置は、前記計測光の前記マークからの回折光と干渉させる参照光を発生するための光学部材を有し、前記回折光と前記参照光との干渉に基づいて前記位置計測及び前記非対称計測を行うデバイス製造方法。
  23. 前記光学部材は、前記参照光としての回折光又は錯乱光を発生する回折格子を含む請求項22に記載のデバイス製造方法。
  24. 前記計測装置は、前記計測光を前記物体表面に対して斜入射させる請求項22又は23に記載のデバイス製造方法。
  25. 前記第1マークに関する前記非対称計測は、前記第1マークの位置計測と同時に行われる請求項22〜24のいずれか一項に記載のデバイス製造方法。
  26. 前記第1及び第2マークを用いた重ね計測は、走査線電子顕微鏡を用いて行われる請求項22〜25のいずれか一項に記載のデバイス製造方法。
  27. 物体上に複数のパターンを重ねて形成するデバイス製造システムであって、
    回折格子を含むマークに計測光を照射する計測装置を用いて、前記物体に設けられた第1マークの位置計測を行うとともに、前記第1マークの非対称性に関する非対称計測を行う計測系と、
    前記第1マークの位置計測結果を、前記非対称計測結果に応じた補正係数を用いて補正する制御系と、
    前記補正後の前記第1マークの位置計測結果に基づいて前記物体上の既設のパターンに重ねてパターンを形成するとともに、前記第1マーク上に第2マークを重ねて形成するパターン形成系と、
    前記第1及び第2マークを用いて前記パターン同士の重ね精度を計測する重ね計測系と、を備え、
    前記制御系は、前記重ね精度計測結果が所定の条件を満たさない場合に前記補正係数を修正し、
    前記計測装置は、前記計測光の前記マークからの回折光と干渉させる参照光を発生するための光学部材を有し、前記回折光と前記参照光との干渉に基づいて前記位置計測及び前記非対称計測を行うデバイス製造システム。
  28. 前記光学部材は、前記参照光としての回折光又は散乱光を発生する回折格子を含む請求項27に記載のデバイス製造システム。
  29. 前記計測装置は、前記計測光を前記物体表面に対して斜入射させる請求項27又は28に記載のデバイス製造システム。
  30. 前記計測系は、前記第1マークの位置計測と前記第1マークに関する前記非対称計測とを同時に行う請求項27〜29のいずれか一項に記載のデバイス製造システム。
  31. 前記重ね計測系は、走査線電子顕微鏡を含む請求項27〜29のいずれか一項に記載のデバイス製造システム。
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