JP2017213641A - 蛍光体樹脂シートの製造方法 - Google Patents

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Koji Noro
弘司 野呂
吉田 直子
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直子 吉田
善彦 北山
Yoshihiko Kitayama
善彦 北山
宏中 藤井
Hironaka Fujii
宏中 藤井
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Abstract

【課題】蛍光体樹脂シートを効率よく製造することができる、蛍光体樹脂シートの製造方法を提供すること。
【解決手段】蛍光体樹脂シート3の製造方法は、Bステージの蛍光体樹脂シート3を用意する工程(1)と、蛍光体樹脂シート3に、貫通孔5および貫通孔5に臨む貫通面6を形成する工程(2)と、蛍光体樹脂シート3を切断して、貫通面6を含む複数の蛍光体樹脂シート3を形成する工程(3)とを、順に備える。工程(3)では、第1切断線31が貫通孔5を通過するように、蛍光体樹脂シート3を切断し、それによって、1つの貫通孔5を区画する貫通面6が複数の蛍光体樹脂シート3のそれぞれに分け与えられるように、貫通面6を分割して、周端面4から内側に切り欠かれる切欠部23を有する複数の蛍光体樹脂シート3を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光体樹脂シートの製造方法に関する。
従来より、半硬化状態の樹脂を含有する蛍光体含有シートを、LEDチップの大きさに個片化するために、切断し、その後、蛍光体含有シートにおける、LEDチップ上の電極部に対応する部分に孔開け加工し、その後、蛍光体樹脂シートをLEDチップに貼り付けることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
LED上の電極部は、蛍光体含有シートの孔から露出しており、その後、蛍光体含有シートの孔にワイヤが挿入されて、電極部がワイヤボンディングされる。
特開2013−1792号公報
しかし、特許文献1に記載の方法によれば、個片化した蛍光体含有シートの1つ1つに、孔開け加工するので、製造効率が低いという不具合がある。
本発明の目的は、蛍光体樹脂シートを効率よく製造することができる、蛍光体樹脂シートの製造方法を提供することにある。
本発明(1)は、Bステージの蛍光体樹脂シートを用意する工程(1)と、前記蛍光体樹脂シートに、貫通孔および前記貫通孔に臨む貫通面を形成する工程(2)と、前記蛍光体樹脂シートを切断して、前記貫通面を含む複数の蛍光体樹脂シートを形成する工程(3)とを、順に備え、前記工程(3)では、切断線が前記貫通孔を通過するように、前記蛍光体樹脂シートを切断し、それによって、1つの前記貫通孔を区画する前記貫通面が複数の前記蛍光体樹脂シートのそれぞれに分け与えられるように、前記貫通面を分割して、周端面から内側に切り欠かれる切欠部を有する複数の蛍光体樹脂シートを得る、蛍光体樹脂シートの製造方法を含む。
この方法によれば、切断線を伴う蛍光体樹脂シートの切断によって、1つの貫通孔を区画する貫通面が複数の蛍光体樹脂シートのそれぞれに分け与えられるように、貫通面を分割するため、切欠部を有する複数の蛍光体樹脂シートを効率よく製造することができる。
本発明(2)は、前記工程(3)では、前記蛍光体樹脂シートを切断刃により切断する、(1)に記載の蛍光体樹脂シートの製造方法を含む。
この方法によれば、工程(3)では、蛍光体樹脂シートを切断刃により切断するので、工程(3)を確実に実施することができる。
本発明(3)は、前記工程(2)では、前記蛍光体樹脂シートをパンチングする、(1)または(2)に記載の蛍光体樹脂シートの製造方法を含む。
この方法によれば、工程(2)では、蛍光体樹脂シートをパンチングするので、工程(2)を確実に実施することができる。
本発明(4)は、前記工程(1)では、前記蛍光体樹脂シートが、周波数1Hzおよび昇温速度20℃/分の条件で動的粘弾性測定することにより得られる貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す曲線が、極小値を有し、前記極小値における温度Tが、40℃以上、200℃以下の範囲にあり、前記極小値における貯蔵剪断弾性率G’が、1,000Pa以上、90,000Pa以下の範囲にある、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の蛍光体樹脂シートの製造方法を含む。
この方法によれば、蛍光体樹脂シートの極小値における温度Tが、40℃以上、200℃以下の範囲にあり、極小値における貯蔵剪断弾性率G’が、1,000Pa以上、90,000Pa以下の範囲にあるので、40℃以上、200℃以下の範囲で、光半導体素子に貼着するように蛍光体樹脂シートを使用するときに、蛍光体樹脂シートを優れた密着力で光半導体素子に貼着できる。
また、この方法によれば、蛍光体樹脂シートは、上記した貯蔵剪断弾性率G’を有するので、工程(2)において、貫通孔を高い精度で形成することができる。そのため、この信頼性に優れる蛍光体樹脂シートを得ることができる。
本発明の蛍光体樹脂シートの製造方法によれば、切欠部を有する蛍光体樹脂シートを効率よく複数製造することができる。
図1A〜図1Cは、本発明の蛍光体樹脂シートの製造方法の一実施形態である第2シート部材の製造方法の一部工程図であり、図1Aが、第1シート部材を用意する工程(1)、図1Bが、貫通孔を形成する工程(2)、図1Cが、蛍光体樹脂シートを個片化する工程(3)を示す。 図2D〜図2Fは、図1Cに引き続き、図1に示す第2シート部材の製造方法の一部工程図であり、図2Dが、蛍光体樹脂シートを延伸支持シートに転写する工程(4)、図2Eが、延伸支持シートを延伸する工程(5)、図2Fが、蛍光体樹脂シートを光半導体素子に貼着する工程(6)を示す。 図3A〜図3Cは、図1A〜図2Eに示す第2シート部材の製造方法の変形例の一部工程図であり、図3Aが、平面視略矩形状の貫通孔を形成する工程(2)、図3Bが、蛍光体樹脂シートを個片化する工程(3)、図3Cが、延伸支持シートを延伸して、平面視略五角形形状の蛍光体樹脂シートを得る工程(5)を示す。 図4A〜図4Cは、図1A〜図2Eに示す第2シート部材の製造方法の変形例の一部工程図であり、図4Aが、平面視略矩形状の貫通孔を形成する工程(2)、図4Bが、蛍光体樹脂シートを個片化する工程(3)、図4Cが、延伸支持シートを延伸して、平面視略L字形状の蛍光体樹脂シートを得る工程(5)を示す。 図5A〜図5Cは、図1A〜図2Eに示す第2シート部材の製造方法の変形例の一部工程図であり、図5Aが、平面視略矩形状の貫通孔を形成する工程(2)、図5Bが、蛍光体樹脂シートを個片化する工程(3)、図5Cが、延伸支持シートを延伸して、2つの切欠部を有する蛍光体樹脂シートを得る工程(5)を示す。 図6は、実施例Aにおける蛍光体樹脂シートの貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す。
各図に記載される上下方向(第1方向、厚み方向、上側が第1方向一方側、下側が第1方向他方側)、左右方向(第1方向に直交する第2方向、左側が第2方向一方側、右側が第2方向他方側)、および、前後方向(第1方向および第2方向に直交する第3方向、前側が第3方向一方側、後側が第3方向他方側)は、各図の矢印で示す方向に準拠する。
<一実施形態>
本発明の蛍光体樹脂シートの製造方法の一実施形態である第2シート部材7の製造方法を、図1A〜図2Eを参照して説明する。
この方法は、剥離支持シート10および蛍光体樹脂シート3を備える第1シート部材1を用意する工程(1)(図1A参照)と、第1シート部材1に貫通孔5を形成する工程(2)(図1B参照)と、蛍光体樹脂シート3を切断する工程(3)(図1C参照)と、蛍光体樹脂シート3を剥離支持シート10から延伸支持シート11に転写して、第2シート部材7を得る工程(4)(図2D参照)と、第2シート部材7を延伸する工程(5)(図2E参照)とを順に備える。
1.工程(1)
図1Aに示すように、工程(1)では、剥離支持シート10および蛍光体樹脂シート3を備える第1シート部材1を用意する。
第1シート部材1を用意するには、まず、剥離支持シート10を用意する。
1−1.剥離支持シート
剥離支持シート10は、蛍光体樹脂シート3の下面を保護するとともに、工程(2)における貫通孔5の形成、および、工程(3)における蛍光体樹脂シート3の切断において、蛍光体樹脂シート3を支持する。剥離支持シート10は、可撓性フィルムからなる。剥離支持シート10としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム(PETなど)などのポリマーフィルム、例えば、セラミクスシート、例えば、金属箔などが挙げられる。剥離支持シート10は、平面視略矩形状などを有している。剥離支持シート10の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、2,000μm以下、好ましくは、1,000μm以下である。
1−2.蛍光体樹脂シート
次いで、Bステージの蛍光体樹脂シート3を剥離支持シート10の上面に配置する。
蛍光体樹脂シート3は、例えば、蛍光体および樹脂を含有する蛍光体樹脂組成物から、Bステージのシートとして形成されている。
1−2.(1)蛍光体
蛍光体は、波長変換材料である。具体的には、蛍光体としては、例えば、青色光を黄色光に変換することのできる黄色蛍光体、青色光を赤色光に変換することのできる赤色蛍光体などが挙げられる。
黄色蛍光体としては、例えば、(Ba,Sr,Ca)SiO;Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu(バリウムオルソシリケート(BOS))などのシリケート蛍光体、例えば、YAl12:Ce(YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)、TbAl12:Ce(TAG(テルビウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)などのガーネット型結晶構造を有するガーネット型蛍光体、例えば、Ca−α−SiAlONなどの酸窒化物蛍光体などが挙げられる。
赤色蛍光体としては、例えば、CaAlSiN:Eu、CaSiN:Euなどの窒化物蛍光体などが挙げられる。
蛍光体として、好ましくは、黄色蛍光体、より好ましくは、ガーネット型蛍光体が挙げられる。
蛍光体の形状としては、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。
蛍光体の最大長さの平均値(球状である場合には、平均粒子径)は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下でもある。
蛍光体は、単独使用または併用することができる。
蛍光体の配合割合は、蛍光体樹脂組成物に対して、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上であり、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
1−2.(2)樹脂
樹脂は、蛍光体樹脂組成物において蛍光体を均一に分散させるマトリクスであり、好ましくは、透明樹脂である。樹脂としては、例えば、硬化性樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。
硬化性樹脂として、Bステージ状態となることができる硬化性樹脂が挙げられる。
Bステージ状態となることができる硬化性樹脂としては、2段反応硬化性樹脂、1段反応硬化性樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
2段反応硬化性樹脂は、2つの反応機構を有しており、第1段の反応で、Aステージ状態からBステージ化(半硬化)し、次いで、第2段の反応で、Bステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる。つまり、2段反応硬化性樹脂は、適度の加熱条件によりBステージ状態となることができる熱硬化性樹脂である。Bステージ状態(半硬化状態)は、熱硬化性樹脂が、液状であるAステージ状態(未硬化状態)と、完全硬化したCステージ状態(完全硬化状態)との間の状態であって、硬化およびゲル化がわずかに進行し、剪断弾性率がCステージ状態の剪断弾性率よりも小さい半固体状態または固体状態である。
1段反応硬化性樹脂は、1つの反応機構を有しており、第1段の反応で、Aステージ状態からCステージ化することができる。このような1段反応硬化性樹脂は、第1段の反応の途中で、その反応が停止して、Aステージ状態からBステージ状態となることができ、その後のさらなる加熱によって、第1段の反応が再開されて、Bステージ状態からCステージ化することができる熱硬化性樹脂を含む。つまり、1段反応硬化性樹脂は、Bステージ状態となることができる熱硬化性樹脂を含む。一方、1段反応硬化性樹脂は、1段の反応の途中で停止するように制御できず、つまり、Bステージ状態となることができず、一度に、AステージからCステージ化する熱硬化性樹脂を含まない。
Bステージ状態となることができる熱硬化性樹脂としては、好ましくは、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられ、より好ましくは、シリコーン樹脂が挙げられる。
上記した熱硬化性樹脂は、同一種類または複数種類のいずれでもよい。
シリコーン樹脂としては、透明性、耐久性、耐熱性、耐光性の観点から、例えば、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物、縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物などのシリコーン樹脂組成物が挙げられ、好ましくは、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物が挙げられる。シリコーン樹脂は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、1段反応硬化性樹脂組成物であって、例えば、アルケニル基含有ポリシロキサンと、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンと、ヒドロシリル化触媒とを含有する。
アルケニル基含有ポリシロキサンは、分子内に2個以上のアルケニル基および/またはシクロアルケニル基を含有する。アルケニル基含有ポリシロキサンは、具体的には、下記平均組成式(1)で示される。
平均組成式(1):
SiO(4−a−b)/2
(式中、Rは、炭素数2〜10のアルケニル基および/または炭素数3〜10のシクロアルケニル基を示す。Rは、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基およびシクロアルケニル基を除く。)を示す。aは、0.05以上、0.50以下であり、bは、0.80以上、1.80以下である。)
式(1)中、Rで示されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基などの炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。Rで示されるシクロアルケニル基としては、例えば、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基などの炭素数3〜10のシクロアルケニル基が挙げられる。
として、好ましくは、アルケニル基、より好ましくは、炭素数2〜4のアルケニル基、さらに好ましくは、ビニル基が挙げられる。
で示されるアルケニル基は、同一種類または複数種類のいずれでもよい。
で示される1価の炭化水素基は、アルケニル基およびシクロアルケニル基以外の非置換または置換の炭素原子数1〜10の1価の炭化水素基である。
非置換の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基などの炭素数1〜10のアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜6のシクロアルキル基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基などの炭素数6〜10のアリール基、例えば、ベンジル基、ベンジルエチル基などの炭素数7〜8のアラルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、より好ましくは、メチル基および/またはフェニル基が挙げられる。
一方、置換の1価の炭化水素基は、上記した非置換の1価の炭化水素基における水素原子を置換基で置換したものが挙げられる。
置換基としては、例えば、塩素原子などのハロゲン原子、例えば、グリシジルエーテル基などが挙げられる。
置換の1価の炭化水素基としては、具体的には、3−クロロプロピル基、グリシドキシプロピル基などが挙げられる。
1価の炭化水素基は、非置換および置換のいずれであってもよく、好ましくは、非置換である。
で示される1価の炭化水素基は、同一種類または複数種類であってもよい。好ましくは、メチル基および/またはフェニル基が挙げられ、より好ましくは、メチル基およびフェニル基の併用が挙げられる。
aは、好ましくは、0.10以上、0.40以下である。
bは、好ましくは、1.5以上、1.75以下である。
アルケニル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、例えば、100以上、好ましくは、500以上であり、また、例えば、10,000以下、好ましくは、5,000以下である。アルケニル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定される標準ポリスチレンによる換算値である。
アルケニル基含有ポリシロキサンは、適宜の方法によって調製され、また、市販品を用いることもできる。
また、アルケニル基含有ポリシロキサンは、同一種類または複数種類であってもよい。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、例えば、分子内に2個以上のヒドロシリル基(SiH基)を含有する。ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、具体的には、下記平均組成式(2)で示される。
平均組成式(2):
SiO(4−c−d)/2
(式中、Rは、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基およびシクロアルケニル基を除く。)を示す。cは、0.30以上、1.0以下であり、dは、0.90以上、2.0以下である。)
式(2)中、Rで示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基は、式(1)のRで示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基と同一のものが例示される。好ましくは、非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、より好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、さらに好ましくは、メチル基および/またはフェニル基が挙げられる。
cは、好ましくは、0.5以下である。
dは、好ましくは、1.3以上、1.7以下である。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、例えば、100以上、好ましくは、500以上であり、また、例えば、10,000以下、好ましくは、5,000以下である。ヒドロシリル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定される標準ポリスチレンによる換算値である。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、適宜の方法によって調製され、また、市販品を用いることもできる。
また、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、同一種類または複数種類であってもよい。
上記した平均組成式(1)および平均組成式(2)中、RおよびRの少なくともいずれか一方の炭化水素基は、好ましくは、フェニル基を含み、より好ましくは、RおよびRの両方の炭化水素が、フェニル基を含む。なお、RおよびRの少なくともいずれか一方の炭化水素基がフェニル基を含む場合には、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、フェニル系シリコーン樹脂組成物とされる。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンの配合割合は、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基およびシクロアルケニル基のモル数の、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基のモル数に対する割合(アルケニル基およびシクロアルケニル基のモル数/ヒドロシリル基のモル数)が、例えば、1/30以上、好ましくは、1/3以上、また、例えば、30/1以下、好ましくは、3/1以下となるように、調整される。
ヒドロシリル化触媒は、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基とのヒドロシリル化反応(ヒドロシリル付加)の反応速度を向上させる物質(付加触媒)であれば、特に限定されず、例えば、金属触媒が挙げられる。金属触媒としては、例えば、白金黒、塩化白金、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニル錯体、白金−アセチルアセテートなどの白金触媒、例えば、パラジウム触媒、例えば、ロジウム触媒などが挙げられる。
ヒドロシリル化触媒の配合割合は、金属触媒の金属量(具体的には、金属原子)として、アルケニル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル基含有ポリシロキサンに対して、質量基準で、例えば、1.0ppm以上であり、また、例えば、10,000ppm以下、好ましくは、1,000ppm以下、より好ましくは、500ppm以下である。
付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、アルケニル基含有ポリシロキサン、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル化触媒を、上記した割合で配合することにより、調製される。
上記した付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、まず、アルケニル基含有ポリシロキサン、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル化触媒を配合することによって、Aステージ(液体)状態として調製されて使用される。
上記したように、フェニル系シリコーン樹脂組成物は、所望条件の加熱により、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基とのヒドロシリル化付加反応を生じ、その後、ヒドロシリル化付加反応が、一旦、停止する。これによって、Aステージ状態からBステージ(半硬化)状態となることができる。
その後、フェニル系シリコーン樹脂組成物は、さらなる所望条件の加熱により、上記したヒドロシリル化付加反応が再開されて、完結する。これによって、Bステージ状態からCステージ(完全硬化)状態となることができる。
縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、2段反応硬化性樹脂であって、具体的には、例えば、特開2010−265436号公報、特開2013−187227号公報などに記載される第1〜第8の縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物、例えば、特開2013−091705号公報、特開2013−001815号公報、特開2013−001814号公報、特開2013−001813号公報、特開2012−102167号公報などに記載されるかご型オクタシルセスキオキサン含有シリコーン樹脂組成物などが挙げられる。なお、縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、固体状であって、熱可塑性および熱硬化性を併有する。
そして、樹脂は、少なくともBステージ(半硬化)状態にあるとき、すなわち、蛍光体樹脂シート3を形成しているときの樹脂は、固体状である。そして、このような樹脂は、熱可塑性および熱硬化性を併有する。つまり、樹脂は、加熱により、一旦、可塑化した後、完全硬化する。より具体的には、樹脂は、昇温とともに、粘度が次第に下降し、その後、昇温を継続すると、粘度が次第に上昇する。
樹脂の配合割合は、蛍光体樹脂組成物に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、25質量%以上であり、また、例えば、97質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。樹脂の、蛍光体100質量部に対する配合割合は、例えば、25質量部以上、好ましくは、30質量部以上であり、また、例えば、3000質量部以下、好ましくは、2000質量部以下である。
1−2.(3).フィラー
蛍光体樹脂組成物は、例えば、フィラーを含有することができる。
フィラーとしては、例えば、光拡散性粒子が挙げられる。光拡散性粒子としては、例えば、無機粒子、有機粒子などが挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ(SiO)、タルク(Mg(Si10)(HO))、アルミナ(Al)、酸化ホウ素(B)、酸化カルシウム(CaO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化アンチモン(Sb)などの酸化物、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)などの窒化物などの無機物粒子(無機物)が挙げられる。また、無機粒子として、例えば、上記例示の無機物から調製される複合無機物粒子が挙げられ、具体的には、酸化物から調製される複合無機酸化物粒子(具体的には、ガラス粒子など)が挙げられる。
無機粒子として、好ましくは、シリカ粒子、ガラス粒子が挙げられる。
無機粒子は、通常、トルエンなどの溶剤に不溶である。
有機粒子の有機材料としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。
有機粒子として、好ましくは、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂粒子が挙げられる。
有機粒子は、例えば、トルエンなどの溶剤に不溶である。なお、有機粒子は、例えば、溶剤に溶解するものを含むこともできる。
フィラーは、単独使用または併用することができる。
フィラーの平均粒子径は、例えば、1.0μm以上、好ましくは、2.0μm以上、より好ましくは、4.0μm以上であり、また、例えば、30μm以下、好ましくは、25μm以下、より好ましくは、10μm以下である。平均粒子径は、粒度分布測定装置により測定される。
フィラーの含有割合は、蛍光体樹脂組成物に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは、30質量%以下である。フィラーの樹脂100重量部に対する配合割合は、例えば、2質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、200質量部以下、好ましくは、100質量部以下である。
1−3.蛍光体樹脂シートの調製
蛍光体樹脂シート3を調製するには、例えば、上記した各成分(蛍光体、樹脂、および、必要により、フィラー)を配合して、蛍光体樹脂組成物のワニスを調製する。続いて、蛍光体樹脂組成物のワニスを、剥離支持シート10の上面に塗布する。次いで、蛍光体樹脂組成物を、Bステージ化する。具体的には、蛍光体樹脂組成物を、加熱(ベイク)する。
加熱(ベイク)条件は、蛍光体樹脂シート3において動的粘弾性測定における貯蔵剪断弾性率G’が所望の範囲となるように、適宜設定される。
つまり、加熱温度は、蛍光体樹脂組成物における樹脂の組成によって適宜設定され、具体的には、例えば、50℃以上、好ましくは、70℃以上であり、また、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下である。加熱温度が上記下限以上、および/または、加熱温度が上記上限以下であれば、上記した貯蔵剪断弾性率G’の極小値を所望の範囲に設定することができる。
加熱時間は、例えば、2.5分以上、好ましくは、5.5分以上であり、また、例えば、4時間以下、好ましくは、1時間以下である。加熱時間が上記下限以上、および/または、上記上限以下であれば、上記した貯蔵剪断弾性率G’の極小値を所望の範囲に設定することができる。
これにより、蛍光体樹脂シート3が調製される。
蛍光体樹脂シート3の厚みT1は、例えば、25μm以上、好ましくは、50μm以上、より好ましくは、75μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、250μm以下、より好ましくは、200μm以下である。
蛍光体樹脂シート3の厚みT1が上記した下限以上、または、上記した上限以下であれば、後述する工程(2)を確実に実施することができる。
1−4.蛍光体樹脂シートの動的粘弾性
このような蛍光体樹脂シート3を、周波数1Hzおよび昇温速度20℃/分の条件で動的粘弾性測定することにより得られる貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す曲線は、極小値を有する。
そして、そのような極小値における温度Tが、40℃以上、200℃以下の範囲にあり、上記した極小値における貯蔵剪断弾性率G’が、例えば、1,000Pa以上、90,000Pa以下の範囲にある。
極小値における温度Tが40℃未満であれば、次に説明する工程(3)における40℃以上の加熱において、粘度が過度に上昇するため、蛍光体樹脂シート3の光半導体素子15(図2F参照)に対する密着力が低下する不具合がある。
極小値における温度Tが200℃超過であれば、次に説明する工程(3)における200℃以下の加熱において、蛍光体樹脂シート3の粘度が十分に下降しないので、蛍光体樹脂シート3の半導体素子15(図2E参照)に対する密着力が低下する不具合がある。
また、極小値における温度Tが、40℃以上、200℃以下の範囲にあり、上記した極小値における貯蔵剪断弾性率G’は、好ましくは、10,000Pa以上、より好ましくは、20,000Pa以上、さらに好ましくは、30,000Pa以上であり、また、好ましくは、70,000Pa以下の範囲にある。
極小値における貯蔵剪断弾性率G’が上記した下限以上であれば、次に説明する工程(2)における貫通孔5の形成を確実に実施でき、さらには、工程(3)における蛍光体樹脂シート3を確実に切断することができる。
極小値における貯蔵剪断弾性率G’が上記した上限以下であれば、次に説明する工程(3)において、蛍光体樹脂シート3の粘度が十分に下降し、そのため、蛍光体樹脂シート3の半導体素子15(図2F参照)に対する密着力に優れる。
1−5.第1シート部材
第1シート部材1は、所定の厚みを有し、左右方向および前後方向に延び、平坦な上面(表面)および平坦な下面(裏面)を有している。
第1シート部材1は、剥離支持シート10と、剥離支持シート10の上面に位置する蛍光体樹脂シート3とを備える。第1シート部材1は、好ましくは、剥離支持シート10と、蛍光体樹脂シート3とのみからなる。
なお、第1シート部材1において、剥離支持シート10の周端部の上面は、蛍光体樹脂シート3から露出している。
2−2.工程(2)
図1Bに示すように、工程(2)では、第1シート部材1に貫通孔5を形成する。
貫通孔5は、蛍光体樹脂シート3を含む第1シート部材1において、前後方向および左右方向に互いに間隔を隔てて複数整列配置されている。複数の貫通孔5のそれぞれは、第1シート部材1を厚み方向(上下方向)に貫通する丸孔である。貫通孔5は、剥離支持シート10および蛍光体樹脂シート3のいずれにも形成されているので、貫通孔5に臨む貫通面6は、剥離支持シート10および蛍光体樹脂シート3にわたって連続する。
工程(2)を実施する方法として、例えば、第1シート部材1をパンチングする方法、例えば、第1シート部材1をブラスト加工する方法、例えば、第1シート部材1をドリル加工する方法、例えば、レーザ加工する方法などの穿孔方法が挙げられる。
パンチングでは、パンチング金型22を、第1シート部材1の上方、または、下方から第1シート部材1を貫通するように、移動させる。好ましくは、パンチング金型22を、第1シート部材1の上方(具体的には、蛍光体樹脂シート3側)から、第1シート部材1を貫通するように、下方(具体的には、剥離支持シート10側)に向かって移動させる。パンチング金型22を下方に移動させれば、パンチング金型22を上方に移動させる方法に比べて、パンチングにより生じるかす(ゴミ)などを容易に除去することができる。
ブラスト加工として、例えば、直圧式ブラスト加工、サイフォン式加工などが挙げられる。ブラスト加工では、具体的に、第1シート部材1において、貫通孔5を形成する箇所以外にレジストを配置して、レジストによって第1シート部材1を被覆した後、噴射材料を第1シート部材1に噴射する。ブラスト加工に用いる噴射材料の種類や粒径、噴射速度、方式(直圧式、サイフォン式)などを適宜調整することにより、貫通孔5の寸法を適宜調整する。
レーザ加工では、YAGレーザ、CO2レーザなどのレーザが用いられる。
ブラスト加工は、レーザ加工よりも、生産性の向上を図ることができる。
工程(2)を実施する方法として、タクトタイムの短縮、加工費用の低減の観点から、好ましくは、第1シート部材1をパンチングする方法、第1シート部材1をドリル加工する方法が挙げられる。
第1シート部材1をドリル加工する場合には、ドリルは、径が小さいことから、破損し(折れ)易いので、それを防止するためにドリル加工に長時間を要する。そのため、タクトタイムの短縮の観点から、より好ましくは、第1シート部材1をパンチングする方法が挙げられる。
また、工程(2)を実施する方法として、寸法安定性の観点から、さらに好ましくは、第1シート部材1をパンチングする方法が挙げられる。
そして、複数の貫通孔5が第1シート部材1に形成されることによって、第1シート部材1には、複数の貫通孔5のそれぞれに臨む複数の貫通面6のそれぞれが形成される。つまり、この工程(2)では、貫通孔5および貫通面6が同時に形成される。
貫通面6は、第1シート部材1において厚み方向(上下方向)に延びる貫通孔5の内周面である。
貫通孔5は、次の工程(3)において、その貫通面6が、複数に個片化された蛍光体樹脂シート3(図1C参照)のそれぞれに分け与えられる寸法を有する。
具体的には、貫通孔5の直径L1は、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、400μm以下である。前後方向および左右方向に隣接する貫通孔5間の間隔L2は、好ましくは、等間隔であり例えば、50μm以上、好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、5mm以下である。また、隣接する貫通孔5のピッチL3、すなわち、貫通孔5の直径L1と間隔L2との和は、例えば、80μm以上、好ましくは、150μm以上であり、また、例えば、10.5mm以下、好ましくは、5.4mm以下である。
2−3.工程(3)
図1Cに示すように、工程(3)では、蛍光体樹脂シート3を切断する。
具体的には、1つの貫通孔5を区画する貫通面6が複数の蛍光体樹脂シート3のそれぞれに分け与えられて、1つの貫通面6を分割するように、蛍光体樹脂シート3を切断する。詳しくは、1つの貫通孔5を区画する貫通面6が4つの蛍光体樹脂シート3のそれぞれに分け与えられて、1つの貫通面6を4分割するように、蛍光体樹脂シート3を切断する。
工程(3)を実施する方法として、例えば、切断刃による加工、ブラスト加工、レーザ加工などが挙げられる。
切断刃としては、例えば、円盤状を有し、その軸に対して回転可能なダイシングソー(ダイシングブレード)、例えば、略水平に沿う刃先を有するトムソン刃(図示せず)が挙げられる。切断刃として、好ましくは、トムソン刃が挙げられる。
ブラスト加工として、上記したブラスト加工が用いられる。
レーザ加工では、上記したレーザが用いられる。
円滑な切断性の観点から、好ましくは、切断刃による加工、ブラスト加工が挙げられ、寸法安定性の観点から、より好ましくは、切断刃による加工が挙げられる。
まず、工程(3)では、蛍光体樹脂シート3に第1切断線31が形成されるように、蛍光体樹脂シート3を切断する。
具体的には、第1切断線31が、複数の貫通孔5のそれぞれの中心を通過するように、蛍光体樹脂シート3を切断する。すると、1つの貫通面6が複数(具体的には、4つ)に分割される。
第1切断線31は、前後方向に延び、左右方向に互いに間隔を隔てて配置される第1前後切断線32と、左右方向に延び、前後方向に互いに間隔を隔てて配置される第1左右切断線33とを有している。
第1前後切断線32および第1左右切断線33は、複数の貫通孔5のそれぞれの中心において、直交するように、交差している。
また、第1切断線31に沿う蛍光体樹脂シート3の切断とともに、第2切断線34に沿う蛍光体樹脂シート3の切断を実施する。
第2切断線34は、貫通孔5を通過せず、具体的には、隣接する貫通孔5の間を通過する。第2切断線34は、前後方向に延び、第1前後切断線32に隣接して並行する第2前後切断線35と、左右方向に延び、第1左右切断線33に隣接して並行する第2左右切断線36とを有している。
第2前後切断線35と第1前後切断線32とは、左右方向において、交互に等間隔で配置されている。第2左右切断線36と第1左右切断線33とは、前後方向において、交互に等間隔で配置されている。
そして、上記した第1切断線31および第2切断線34に沿う蛍光体樹脂シート3の切断により、複数の蛍光体樹脂シート3が剥離支持シート10に支持された状態で得られる。
なお、上記した蛍光体樹脂シート3の切断に伴って、例えば、剥離支持シート10の上面にも第1切断線31および第2切断線34が形成されていてもよい。
2−4.工程(4)
図2Dに示すように、工程(4)では、蛍光体樹脂シート3を剥離支持シート10から延伸支持シート11に転写する。
工程(4)では、図1Cに示すように、まず、延伸支持シート11を用意する。
延伸支持シート11は、個片化された複数の蛍光体樹脂シート3のそれぞれを支持しつつ、それらを面方向において互いに間隔を隔てられるように、延伸可能なシートであり、例えば、感圧接着シートある。また、例えば、延伸支持シート11は、処理(例えば、活性エネルギー線の照射など)によって感圧着力が低下して、それによって、後述する光半導体素子15に転写可能なシートである。
延伸支持シート11としては、例えば、特開2014−168036号公報、特開2014−168033号公報、特開2014−130918号公報、特開2014−090157号公報、特開2014−075450号公報に記載のものが挙げられる。延伸支持シート11として、市販品が用いられ、例えば、SPVシリーズ(SPV−224S、感圧接着シート、日東電工社製)などが用いられる。
延伸支持シート11の厚みは、例えば、0.1mm以上1mm以下である。
工程(4)では、図1Cに示すように、延伸支持シート11を、蛍光体樹脂シート3の上方に配置する。次いで、延伸支持シート11の下面を、蛍光体樹脂シート3の上面に接触させ、それらを感圧接着させる。
その後、図4Dに示すように、剥離支持シート10を蛍光体樹脂シート3から引き剥がす。
これにより、延伸支持シート11と、蛍光体樹脂シート3とを備える第2シート部材7を得る。延伸支持シート11は、好ましくは、延伸支持シート11と、蛍光体樹脂シート3とのみからなる。
2−5.工程(5)
図2Eに示すように、工程(5)では、第2シート部材7を面方向に外側に延伸する。
具体的には、延伸支持シート11の周端部を、前後方向外側および左右方向外側(面方向外側)に向かって延伸させる。
これによって、個片化された複数の蛍光体樹脂シート3間の間隔Iが生じ、かつ、それらが面方向に隔てられる。
また、複数の蛍光体樹脂シート3は、分け与えられた貫通面6に対応する切欠部23を有する。なお、切欠部23は、図2Dに示すように、工程(3)の切断において蛍光体樹脂シート3に備えられるが、図2Eに示すように、工程(4)における複数の蛍光体樹脂シート3間の間隔Iの発生により、複数の蛍光体樹脂シート3のそれぞれに顕在する。
切欠部23は、個片化された蛍光体樹脂シート3の角部を厚み方向に沿って切り欠く(面取りする)ように、形成されている。詳しくは、切欠部23は、蛍光体樹脂シート3の角部を平面視略扇形形状に切り欠くことによって、平面視において略円弧状の湾曲面を有する。
このように、切欠部23を有する複数の蛍光体樹脂シート3を、延伸支持シート11に支持された状態で得る。
2.貼着光半導体素子の製造方法、および、光半導体装置の製造方法
次に、上記した蛍光体樹脂シート3を用いて、貼着光半導体素子19を製造する方法、および、光半導体装置30を製造する方法を説明する。
2−1.貼着光半導体素子の製造方法
貼着光半導体素子19を製造するには、図2Eに示すように、延伸支持シート11に支持された蛍光体樹脂シート3を、光半導体素子15に貼着する。
光半導体素子15は、基板16の上面に配置されている。
基板16は、略板形状を有しており、絶縁材料からなる。また、基板16は、光半導体素子15の前方に端子17を備える。端子17は、基板16の上面に配置されている。
光半導体素子15は、基板16の上面に固定されており、端子17と間隔を隔てて配置されている。光半導体素子15は、略矩形板形状を有しており、光半導体材料からなる。また、光半導体素子15の上面には、接続部18が形成されている。
工程(6)を実施するには、針などの押圧部材(図示せず)を第2シート部材7の上方に配置し、続いて、押圧部材を、1つの蛍光体樹脂シート3に対応する延伸支持シート11を押し込むことによって、1つの蛍光体樹脂シート3を押し下げる。なお、蛍光体樹脂シート3の押し込みは、複数の蛍光体樹脂シート3のそれぞれについて、順次実施される。
別途、熱源を、基板16の下側に配置させ、かかる熱源によって、基板16および光半導体素子15を加熱する。なお、熱源は、第2シート部材7を直接加熱しないように、基板16に対して配置される。
加熱温度は、例えば、40℃以上、好ましくは、45℃以上であり、また、200℃以下、好ましくは、180℃以下、より好ましくは、150℃以下である。
続いて、加熱された光半導体素子15に対して、蛍光体樹脂シート3を接触させる。
すると、光半導体素子15の上面に接触した蛍光体樹脂シート3は、上記した温度に加熱される。そのため、蛍光体樹脂シート3は、まず、蛍光体樹脂組成物(具体的には、樹脂)が可塑化することに基づいて、光半導体素子15の上面に貼着する。続いて、蛍光体樹脂シート3は、樹脂がわずかに硬化することに基づいて、光半導体素子15の上面に対して、強固に密着する。
蛍光体樹脂シート3のガラス板に対する密着力は、例えば、0.10N/8.5mm以上、好ましくは、0.20N/8.5mm以上、より好ましくは、0.30N/8.5mm以上、さらに好ましくは、0.40N/8.5mm以上、とりわけ好ましくは、0.50N/8.5mm以上であり、また、例えば、10.00N/8.5mm以下である。密着力が上記下限以上であれば、蛍光体樹脂シート3および光半導体素子15の良好な密着力を確保することができる。密着力の測定方法は、後の実施例で詳述する。
その後、延伸支持シート11を蛍光体樹脂シート3から剥離する。具体的には、押圧部材を上方に引き上げて、延伸支持シート11を上方に引き上げる。
その後、貼着光半導体素子19および基板16を、例えば、オーブンなどによって、加熱する。蛍光体樹脂組成物が熱硬化性樹脂を含有する場合には、熱硬化性樹脂が完全硬化(Cステージ化)する。
加熱温度は、例えば、100℃以上、好ましくは、120℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、160℃以下である。また、加熱時間が、例えば、10分以上、好ましくは、30分以上であり、また、例えば、480分以下、好ましくは、300分以下である。
なお、加熱を、異なる温度で複数回実施することもできる。
これによって、樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂を硬化(Cステージ化)させる。これによって、熱硬化性樹脂を完全に反応させて生成物を生成する。
(生成物)
樹脂が、熱硬化性のシリコーン樹脂組成物である場合において、シリコーン樹脂組成物の反応(Cステージ化反応)では、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基とのヒドロシリル付加反応がさらに促進される。その後、アルケニル基および/またはシクロアルケニル基、あるいは、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基が消失して、ヒドロシリル付加反応が完結することによって、Cステージのシリコーン樹脂組成物、つまり、生成物(あるいは硬化物)が得られる。つまり、ヒドロシリル付加反応の完結により、シリコーン樹脂組成物において、硬化性(具体的には、熱硬化性)が発現する。
上記したCステージの生成物において、ケイ素原子に直接結合する炭化水素基におけるフェニル基の含有割合は、例えば、30モル%以上、好ましくは、35モル%以上であり、また、例えば、55モル%以下、好ましくは、50モル%以下である。
上記したフェニル基の含有割合は、29Si−NMRにより算出される。フェニル基の含有割合の算出方法の詳細は、例えば、WO2011/125463などの記載に基づいて、29Si−NMRにより算出される。
これによって、蛍光体樹脂シート3が光半導体素子15の上面に対して接着する。
これにより、基板16の上において、光半導体素子15と、光半導体素子15の上面に密着する蛍光体樹脂シート3とを備える貼着光半導体素子19を得る。
光半導体素子15の接続部18は、蛍光体樹脂シート3の切欠部23から露出する。
2−2.光半導体装置の製造方法
光半導体装置30を製造するには、図2Fに示すように、上記した貼着光半導体素子19を用意し、その後、接続部18および端子17を電気的に接続する。
具体的には、接続部18および端子17をワイヤボンディングする。
ワイヤボンディングでは、まず、ワイヤ29を用意し、続いて、ワイヤ29の一端部を接続部18と電気的に接続し、ワイヤ29の他端部を端子17と電気的に接続させる。また、ワイヤ29は、切欠部23(貫通面6)を迂回している。ワイヤ29は、貫通面6が臨む空間を通過している。
なお、ワイヤ29は、上側に向かって撓むように配置されている。具体的には、ワイヤ29は、下方に向かって開放される略U字形状に撓んでいる。
これにより、貼着光半導体素子19と、ワイヤ29と、端子17と、基板16とを備える光半導体装置30が得られる。
3.作用効果
この方法によれば、第1切断線31を伴う蛍光体樹脂シート3の切断によって、1つの貫通孔5を区画する貫通面6が複数の蛍光体樹脂シート3のそれぞれに分け与えられるように、貫通面5を分割するため、切欠部23を有する複数の蛍光体樹脂シート3を効率よく製造することができる。
また、この方法によれば、工程(3)では、蛍光体樹脂シートを切断刃により切断すれば、工程(3)を確実に実施することができる。
また、この方法によれば、工程(2)では、蛍光体樹脂シートをパンチングすれば、工程(2)を確実に実施することができる。
この方法によれば、蛍光体樹脂シート3の極小値における温度Tが、40℃以上、200℃以下の範囲にあり、極小値における貯蔵剪断弾性率G’が、1,000Pa以上、90,000Pa以下の範囲にある。そのため、40℃以上、200℃以下の範囲で、光半導体素子15に貼着するように蛍光体樹脂シート3を使用するときに、蛍光体樹脂シート3を優れた密着力で光半導体素子15に貼着できる。
また、この方法によれば、蛍光体樹脂シート3は、上記した貯蔵剪断弾性率G’を有するので、工程(2)において、貫通孔5を高い精度で形成することができる。そのため、この信頼性に優れる蛍光体樹脂シート3を得ることができる。
4.変形例
一実施形態では、工程(2)において、図1Bに示すように、貫通孔5を丸孔としているが、貫通孔5の形状は特に限定されない。貫通孔5を、例えば、多角形状に形成することができ、具体的には、図3Aおよび図5Aに示すように、矩形状(好ましくは、正方形状)に形成することもできる。つまり、貫通孔5を角孔とすることができる。
図3Aに示すように、角孔の貫通孔5に臨む貫通面6は、平面視において、前後方向および左右方向に対して傾斜する4つの面からなる。一方、平面視において、貫通孔5の2つの対角線のそれぞれは、前後方向および左右方向のそれぞれに沿う。
図3Cに示すように、切欠部23は、側面視略矩形状を有する。
切欠部23を有する複数の蛍光体樹脂シート3のそれぞれは、平面視略五角形形状を有する。貫通面6は、前後方向および左右方向に対して傾斜する。
切欠部23は、蛍光体樹脂シート3の角部を平面視略三角形状(具体的には、直角三角形状、あるいは、二等辺三角形状、好ましくは、直角二等辺三角形状)に切り欠くことにより、平面視略直線状の平坦面を有する。
あるいは、図4Aに示すように、角孔の貫通孔5に臨む貫通面6は、前後方向および左右方向に沿う。
図4Cに示すように、切欠部23を有する複数の蛍光体樹脂シート3のそれぞれは、平面視略L字形状を有する。
切欠部23は、蛍光体樹脂シート3の角部を平面視略矩形状(好ましくは、正方形状)に切り欠くことにより、平面視略L字形状を有する。
一実施形態では、1つの蛍光体樹脂シート3は、1つの切欠部23を有している。しかし、切欠部23の数は特に限定されない。例えば、図5Cに示すように、1つの蛍光体樹脂シート3が、複数の切欠部23を有することもできる。
工程(2)において、図5Aに示すように、蛍光体樹脂シート3において、複数の貫通孔5および第2切欠部8が、前後左右に、互いに間隔を隔てて整列して配置される。なお、第2切欠部8は、蛍光体樹脂シート3の右側面および左側面のそれぞれを半円形状に切り欠いた形状を有している。
次いで、図5Bに示すように、工程(3)において、左右方向に隣接する2つの貫通面6のそれぞれが分割されて、1つの蛍光体樹脂シート3に与えられるように、蛍光体樹脂シート3を切断する。
この工程(3)では、図5Bに示すように、第2切断線34は、第2前後切断線35(図1C参照)を有さず、第2左右切断線36のみを有する。
蛍光体樹脂シート3は、図5Cに示すように、複数(2つ)の切欠部23を有する。
一実施形態では、図1Cおよび図2Dに示すように、蛍光体樹脂シート3を、剥離支持シート10から延伸支持シート11に転写する工程(4)を備える。
しかし、工程(4)を備えず、蛍光体樹脂シート3を延伸支持シート11の上面に直接塗布して、延伸支持シート11の上面に蛍光体樹脂シート3を直接設けて、蛍光体樹脂シート3および延伸支持シート11からなる第2シート部材7を得、その後、蛍光体樹脂シート3に貫通孔5を形成し、続いて、延伸支持シート11を延伸して、切欠部23を有する複数の蛍光体樹脂シート3に個片化することもできる。
一実施形態の工程(1)では、第1シート部材1は、蛍光体樹脂シート3に対して、1つの剥離支持シート10を備える。しかし、図示しないが、第1シート部材1は、蛍光体樹脂シート3の厚み方向両側に配置される2つの剥離支持シート10を備えることもできる。
蛍光体樹脂シート3の上側に配置される剥離支持シート10は、工程(2)および工程(3)にわたって、蛍光体樹脂シート3の上面を保護する。
上記した各変形例によっても、上記した一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
<アルケニル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル基含有ポリシロキサンの合成>
合成例1
撹拌機、還流冷却管、投入口および温度計が装備された四ツ口フラスコに、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン93.2g、水140g、トリフルオロメタンスルホン酸0.38gおよびトルエン500gを投入して混合し、撹拌しつつメチルフェニルジメトキシシラン729.2gとフェニルトリメトキシシラン330.5gの混合物1時間かけて滴下し、その後、1時間加熱還流した。その後、冷却し、下層(水層)を分離して除去し、上層(トルエン溶液)を3回水洗した。水洗したトルエン溶液に水酸化カリウム0.40gを加え、水分離管から水を除去しながら還流した。水の除去完了後、さらに5時間還流し、冷却した。その後、酢酸0.6gを投入して中和した後、ろ過して得られたトルエン溶液を3回水洗した。その後、減圧濃縮することにより、液体状のアルケニル基含有ポリシロキサンAを得た。アルケニル基含有ポリシロキサンAの平均単位式および平均組成式は、以下の通りである。
平均単位式:
((CH=CH)(CHSiO1/20.15(CHSiO2/20.60(CSiO3/20.25
平均組成式:
(CH=CH)0.15(CH0.90(C0.85SiO1.05
つまり、アルケニル基含有ポリシロキサンAは、Rがビニル基、Rがメチル基およびフェニル基であり、a=0.15、b=1.75である上記平均組成式(1)で示される。
また、ゲル透過クロマトグラフィーによって、アルケニル基含有ポリシロキサンAのポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ、2,300であった。
合成例2
撹拌機、還流冷却管、投入口および温度計が装備された四ツ口フラスコに、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン93.2g、水140g、トリフルオロメタンスルホン酸0.38gおよびトルエン500gを投入して混合し、撹拌しつつジフェニルジメトキシシラン173.4gとフェニルトリメトキシシラン300.6gの混合物1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間加熱還流した。その後、冷却し、下層(水層)を分離して除去し、上層(トルエン溶液)を3回水洗した。水洗したトルエン溶液に水酸化カリウム0.40gを加え、水分離管から水を除去しながら還流した。水の除去完了後、さらに5時間還流し、冷却した。酢酸0.6gを投入して中和した後、ろ過して得られたトルエン溶液を3回水洗した。その後、減圧濃縮することにより、液体状のアルケニル基含有ポリシロキサンBを得た。アルケニル基含有ポリシロキサンBの平均単位式および平均組成式は、以下の通りである。
平均単位式:
(CH=CH(CHSiO1/20.31((CSiO2/20.22(CSiO3/20.47
平均組成式:
(CH=CH)0.31(CH0.62(C0.91SiO1.08
つまり、アルケニル基含有ポリシロキサンBは、Rがビニル基、Rがメチル基およびフェニル基であり、a=0.31、b=1.53である上記平均組成式(1)で示される。
また、ゲル透過クロマトグラフィーによって、アルケニル基含有ポリシロキサンBのポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ、1,000であった。
合成例3
撹拌機、還流冷却管、投入口および温度計が装備された四ツ口フラスコに、ジフェニルジメトキシシラン325.9g、フェニルトリメトキシシラン564.9g、およびトリフルオロメタンスルホン酸2.36gを投入して混合し、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン134.3gを加え、撹拌しつつ酢酸432gを30分かけて滴下した。滴下終了後、混合物を撹拌しつつ50℃に昇温して3時間反応させた。室温まで冷却した後、トルエンと水を加え、良く混合して静置し、下層(水層)を分離して除去した。その後、上層(トルエン溶液)を3回水洗した後、減圧濃縮することにより、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンC(架橋剤C)を得た。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンCの平均単位式および平均組成式は、以下の通りである。
平均単位式:
(H(CHSiO1/20.33((CSiO2/20.22(CPhSiO3/20.45
平均組成式:
0.33(CH0.66(C0.89SiO1.06
つまり、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンCは、Rがメチル基およびフェニル基であり、c=0.33、d=1.55である上記平均組成式(2)で示される。
また、ゲル透過クロマトグラフィーによって、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンCのポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ、1,000であった。
<その他の原料>
アルケニル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル基含有ポリシロキサン以外の原料について、以下に詳述する。
[その他、使用した材料]
白金カルボニル錯体:
商品名「SIP6829.2」、Gelest社製、白金濃度2.0質量%
蛍光体:
商品名「Y468」、YAG:Ce、平均粒子径17μm、ネモト・ルミマテリアル社製
ガラス粒子:
組成および組成比率(重量%):SiO/Al/CaO/MgO=60/20/15/5の無機粒子、平均粒子径:20μm
アエロジル粒子:
商品名「R976S」、平均粒子径7nm、エボニック社製
シリコーン系樹脂粒子:
商品名「トスパール145」、平均粒子径4.5μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製
<シリコーン樹脂組成物の調製>
調製例1
アルケニル基含有ポリシロキサンA 20g、アルケニル基含有ポリシロキサンB 25g、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンC 25g、白金カルボニル錯体5mgを混合させて、シリコーン樹脂組成物を調製した。
<工程(1)>
実施例A
シリコーン樹脂組成物49.1g、蛍光体34g、シリコーン系樹脂粒子5g、ガラス粒子10g、アエロジル粒子1.9gを加えて、それらを3分間撹拌し、蛍光体樹脂組成物を調製した。
次に、蛍光体樹脂組成物を、剥離シート(セパレータ、品名「SE−1」、厚み50μm、フジコー社製)10の表面に、加熱(ベイク)後の厚みが100μmとなるようにコンマコーターで塗布し、続いて、90℃、5.7分加熱(ベイク)した。これにより、剥離支持シート10と、蛍光体樹脂シート3とを備える第1シート部材Aを得た(図1A参照)。
<第2シート部材の製造>
実施例1(切欠部を有する蛍光体樹脂シート)
<工程(2)>
図1Bに示すように、第1シート部材1の上方に配置されたパンチング金型22を用いて、第1シート部材1を上方からパンチングして、第1シート部材1に、直径L1が200μmである貫通孔(丸孔)5を形成した。
<工程(3)>
図1Cに示すように、トムソン刃を用いて、蛍光体樹脂シート3を切断した。具体的には、蛍光体樹脂シート3に、貫通孔5を通過する第1切断線31を形成し、貫通孔5を通過しない第2切断線34を形成して、蛍光体樹脂シート3を個片化した。また、切断刃として、ダイシングソーを用いた。
<工程(4)>
図2Dに示すように、蛍光体樹脂シート3を剥離支持シート10から延伸支持シート11に転写して、第2シート部材7を得た。
<工程(5)>
図2Eに示すように、延伸支持シート11を外側に延伸した。
これにより、切欠部23を有する複数の蛍光体樹脂シート3と、延伸支持シート11とからなる第2シート部材7を得た。
<評価>
下記の項目を評価した。
(貯蔵剪断弾性率G’)
実施例Aで得られた第1シート部材における蛍光体樹脂シート3を、下記の条件で、動的粘弾性測定した。
[条件]
粘弾性装置:回転式レオメータ(C−VOR装置、マルバーン社製)
サンプル形状:円板形状
サンプル寸法:厚み225μm、直径8mm
歪量:10%
周波数:1Hz
プレート径:8mm
プレート間ギャップ:200μm
昇温速度20℃/分
温度範囲:20〜200℃
貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す曲線を図6に示す。
また、貯蔵剪断弾性率G’の極小値は、2,000Paであった。
(蛍光体樹脂シートのガラス板に対する密着力)
実施例1で用いた第1シート部材1を、幅8.5mmで切り出し、実施例1におけるそれぞれの熱プレス条件で厚み1mmのガラス板に真空熱プレスし、剥離シートを剥離してから100℃で10分加熱し、その後、150℃で8時間加熱して、蛍光体樹脂シート3を完全硬化(フルキュア)(Cステージ化)させて、25℃における蛍光体樹脂シート3のガラス板に対する密着力を算出した。その結果、蛍光体樹脂シート3のガラス板に対する密着力は、0.51(N/8.5mm)と高かった。
(シリコーン樹脂組成物の反応により得られる生成物におけるケイ素原子に直接結合する炭化水素基の含有割合の測定)
シリコーン樹脂組成物(つまり、蛍光体およびフィラーが含まれていないシリコーン樹脂組成物)の反応により得られる生成物中、ケイ素原子に直接結合する炭化水素基におけるフェニル基の含有割合(モル%)を、29Si−NMRにより算出した。
具体的には、Aステージのシリコーン樹脂組成物を、蛍光体およびフィラーを添加せずに、100℃1時間で、反応(完全硬化、Cステージ化)させて、生成物を得た。
次いで、得られた生成物のH−NMRおよび29Si−NMRを測定することで、ケイ素原子に直接結合している炭化水素基(R)におけるフェニル基が占める割合(モル%)を算出した。
その結果、シリコーン樹脂組成物の反応により得られる生成物の炭化水素基(R)におけるフェニル基の含有割合は、48%であった。
3 蛍光体樹脂シート
5 貫通孔
6 貫通面
31 第1切断線
23 切欠部

Claims (4)

  1. Bステージの蛍光体樹脂シートを用意する工程(1)と、
    前記蛍光体樹脂シートに、貫通孔および前記貫通孔に臨む貫通面を形成する工程(2)と、
    前記蛍光体樹脂シートを切断して、前記貫通面を含む複数の蛍光体樹脂シートを形成する工程(3)とを、順に備え、
    前記工程(3)では、切断線が前記貫通孔を通過するように、前記蛍光体樹脂シートを切断し、それによって、1つの前記貫通孔を区画する前記貫通面が複数の前記蛍光体樹脂シートのそれぞれに分け与えられるように、前記貫通面を分割して、周端面から内側に切り欠かれる切欠部を有する複数の蛍光体樹脂シートを得ることを特徴とする、蛍光体樹脂シートの製造方法。
  2. 前記工程(3)では、前記蛍光体樹脂シートを切断刃により切断することを特徴とする、請求項1に記載の蛍光体樹脂シートの製造方法。
  3. 前記工程(2)では、前記蛍光体樹脂シートをパンチングすることを特徴とする、請求項1または2に記載の蛍光体樹脂シートの製造方法。
  4. 前記工程(1)では、前記蛍光体樹脂シートが、
    周波数1Hzおよび昇温速度20℃/分の条件で動的粘弾性測定することにより得られる貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す曲線が、極小値を有し、
    前記極小値における温度Tが、40℃以上、200℃以下の範囲にあり、
    前記極小値における貯蔵剪断弾性率G’が、1,000Pa以上、90,000Pa以下の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光体樹脂シートの製造方法。
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