JP2017212320A - 酸化チタン膜の形成方法および形成システム、ならびにコンタクト構造の形成方法 - Google Patents

酸化チタン膜の形成方法および形成システム、ならびにコンタクト構造の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコン上に、界面シリコン酸化膜の形成量を少ない状態としつつ、良好な成膜レートと膜厚均一性で酸化チタン膜を形成する。【解決手段】表面にシリコン部分を有する被処理体のシリコン部分の表面に形成されている自然酸化膜を除去する第1の前処理工程と、第1の前処理後の被処理体のシリコン部分の表面に表面酸化処理を施す第2の前処理工程と、第2の前処理後の被処理体上に、Ti原料ガスおよび酸化剤であるH2Oを用いたALD法により酸化チタン膜を成膜する工程とを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、MISコンタクトに好適な酸化チタン膜の形成方法および形成システム、ならびにコンタクト構造の形成方法に関する。
例えば、MISコンタクトの絶縁膜として酸化チタン膜が検討されている。MISコンタクトは、シリコンウエハ上に1nm程度の極薄い酸化チタン膜を成膜し、その上にメタルプラグを形成することにより得られる。
一方、酸化チタンの形成方法としては、TiClガスと酸化剤とを交互に供給して成膜する原子層成膜(ALD)法が知られている(例えば特許文献1〜3)。
上記特許文献1〜3には、ALD法により酸化チタン膜を成膜する際の酸化剤としてOやHO等が記載されている。
特開2015−214730号公報 特表2012−511106号公報 特開2011−124371号公報
上記特許文献1〜3に示された酸化剤の中でOは酸化力が強く、高い成膜レートが得られる。しかしながら、酸化剤としてOを用いてシリコンウエハ上に薄い酸化チタン膜を成膜すると、シリコンとの界面に相対的に厚いシリコン酸化膜が形成され、コンタクト抵抗が高くなってしまう懸念がある。
これに対し、酸化剤として、Oよりも酸化力が弱いとされるHOを用いた場合、シリコンとの界面のSiO形成量は少なくなるが、成膜レートが十分ではなく、膜厚均一性も不十分な結果となった。
したがって、本発明は、シリコン上に、界面シリコン酸化膜の形成量を少ない状態としつつ、良好な成膜レートと膜厚均一性を得ることができる酸化チタン膜の形成方法および形成システム、ならびにコンタクト構造の形成方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、表面にシリコン部分を有する被処理体にALD法によって酸化チタン膜を形成する酸化チタン膜の形成方法であって、前記被処理体の前記シリコン部分の表面に形成されている自然酸化膜を除去する第1の前処理工程と、前記第1の前処理後の前記被処理体の前記シリコン部分の表面に表面酸化処理を施す第2の前処理工程と、前記第2の前処理後の被処理体上に、Ti原料ガスおよび酸化剤であるHOを用いたALD法により酸化チタン膜を成膜する工程とを有することを特徴とする酸化チタン膜の形成方法を提供する。
前記第2の前処理工程により、前記被処理体の前記シリコン部分に形成されるシリコン酸化膜は可能な限り薄いことが望ましく、その厚さは0.2nm以下であることが好ましい。
前記第1の前処理工程は、前記被処理体にHFガスおよびNHガスを供給して、HFガスおよびNHガスと前記被処理体の前記自然酸化膜とを反応させ、生成された反応生成物を加熱除去することにより行うことができる。また、前記第1の前処理工程は、前記被処理体に希フッ酸を接触させる液処理により行うこともできる。
前記第2の前処理工程は、前記被処理体に酸素含有薬剤を含む薬液を接触させる処理により行うことができる。この場合に、前記酸素含有薬剤は、アンモニア水と過酸化水素の混合水溶液、塩酸と過酸化水素の混合水溶液、過酸化水素の水溶液、および硫酸と過酸化水素の混合水溶液から選択されたものを用いることができる。また、前記第2の前処理工程は、前記被処理体に対してプラズマ酸化処理を施すことにより行うこともできる。
前記酸化チタン膜を成膜した後、前記被処理体の前記シリコン部分と前記酸化チタン膜との間の界面シリコン酸化膜は可能な限り薄いことが望ましく、その厚さは0.2nm以下であることが好ましい。
本発明の第2の観点は、シリコン部分に上記第1の観点の方法により酸化チタン膜を形成する工程と、前記酸化チタン膜の上に所定の構造体に接続されるメタルプラグを形成する工程とを有し、前記シリコン部分と、前記酸化チタン膜と、前記メタルプラグとによりMISコンタクト構造を形成することを特徴とするコンタクト構造の形成方法を提供する。
前記酸化チタン膜の膜厚は、1nm以下であることが好ましい。前記所定の構造体は、DRAMのキャパシタとすることができる。
本発明の第3の観点は、表面にシリコン部分を有する被処理体にALD法によって酸化チタン膜を形成する酸化チタン膜の形成システムであって、前記被処理体の前記シリコン部分の表面に形成されている自然酸化膜を除去する自然酸化膜除去装置と、自然酸化膜が除去された後の前記被処理体の前記シリコン部分の表面に表面酸化処理を施す表面酸化処理装置と、表面酸化処理後の被処理体上に、Ti原料ガスおよび酸化剤であるHOを用いたALD法により酸化チタン膜を成膜する成膜装置とを具備することを特徴とする酸化チタン膜の形成システムを提供する。
前記表面酸化処理装置において、前記被処理体の前記シリコン部分に形成されるシリコン酸化膜の厚さは可能な限り薄くすることが望ましく、0.2nm以下に形成することが好ましい。
前記自然酸化膜除去装置としては、チャンバーと、前記チャンバー内で被処理体を載置する載置台と、チャンバー内にHFガスおよびNHガスを供給するガス供給機構と、前記チャンバー内を減圧排気する排気機構とを有し、HFガスおよびNHガスと前記被処理体の前記自然酸化膜とを反応させ反応生成物を生成させるCOR装置を有するものを用いることができる。また、前記自然酸化膜除去装置としては、希フッ酸を被処理体に接触させる液処理装置を有するものを用いることができる。
表面酸化処理装置としては、前記被処理体に酸素含有薬剤を含む薬液を接触させる液処理装置を有するものを用いることができる。この場合に、前記液処理装置は、前記酸素含有薬剤として、アンモニア水と過酸化水素の混合水溶液、塩酸と過酸化水素の混合水溶液、過酸化水素の水溶液、および硫酸と過酸化水素の混合水溶液から選択されたものを用いることができる。また、表面酸化処理装置としては、前記被処理体に対してプラズマ酸化処理を施すプラズマ処理装置を有するものを用いることができる。
本発明によれば、自然酸化膜を除去した後の表面酸化処理により、極薄い酸化膜を均一に形成することができ、その上に酸化チタン膜を成膜するので、成膜後の界面シリコン酸化膜を薄く維持したまま、所定の成膜レートを確保しつつ均一に酸化チタン膜を成膜することができる。
本発明に係る酸化チタン膜の形成方法の一実施形態を示すフローチャートである。 酸化剤としてHOを用いてTiO膜を成膜した場合の、保管状態ごとの界面シリコン酸化膜の膜厚TiO膜の膜厚および膜厚均一性を示す図である。 種々の条件で前処理を行った後、TiClの供給とHOの供給を40サイクル繰り返すALD法によりTiO膜を成膜したサンプルについて、界面シリコン酸化膜の膜厚、TiO膜の膜厚および膜厚均一性を求めた実験結果を示す図である。 図3の各サンプルの界面シリコン酸化膜の膜厚およびTiO膜の膜厚均一性を拡大して示す図である。 本発明の方法で形成したTiO膜を用いたコンタクト構造の例を示す断面図である。 本発明のTiO膜の形成方法に用いることができるTiO膜の形成システムを示すブロック図である。 図6のシステムの自然酸化膜除去装置の主要部の一例であるCOR処理装置の一例を示す断面図である。 図6のシステムの表面酸化処理装置の主要部の一例である液処理装置の一例を示す概略断面図である。 図6のシステムの表面酸化処理装置の主要部の一例である液処理装置の他の例を示す概略断面図である。 図6のシステムのTiO膜成膜装置の主要部であるALD成膜装置の一例を示す断面図である。 図10のALD成膜装置におけるガス供給シーケンスを示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。
<酸化チタン膜の形成方法の一実施形態>
最初に、本発明に係る酸化チタン膜(TiO膜)の形成方法の一実施形態について図1のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態では、被処理体として少なくとも表面がシリコンであるもの、例えば、シリコンウエハを用いる。シリコンの表面には、薄い皮膜状のシリコン酸化膜、すなわち自然酸化膜が形成されている。このため、最初に第1の前処理として被処理体表面の自然酸化膜を除去する処理を行う(ステップ1)。
ステップ1の自然酸化膜を除去する処理としては、プラズマを用いないドライプロセスである化学的酸化膜除去処理(Chemical Oxide Removal;COR)を好適に用いることができる。CORは、被処理体表面にフッ化水素(HF)ガスとアンモニア(NH)ガスを吸着させ、これらを表面の自然酸化膜と反応させた後、加熱することにより酸化膜を除去する処理である。
ステップ1の自然酸化膜除去処理としては、他に、希フッ酸(DHF)を用いたウエット洗浄や、アルゴンスパッタを用いる処理を挙げることができる。DHFを用いたウエット洗浄は、洗浄槽に貯留したDHFに被処理体を浸漬する等、被処理体にDHFを接触することにより行われる。また、アルゴンスパッタは、プラズマによりアルゴンイオンを形成し、被処理体に高周波バイアスを印加することにより被処理体をアルゴンイオンによりスパッタする。
次に、表面の自然酸化膜が除去された後のシリコンウエハに対し、第2の前処理として、ウエハ表面に極薄いシリコン酸化膜を形成する表面酸化処理を行う(ステップ2)。この表面酸化処理は、次のTiClとHOを用いたALDによるTiO膜の成膜により、シリコンウエハとTiO膜との間に、極薄い界面シリコン酸化膜を均一に形成するためのものである。このとき、表面酸化処理によって形成されるシリコンウエハ表面の酸化膜は、可能な限り薄く形成されることが望ましい。具体的には、その厚さが0.2nm以下であることが好ましく、一分子層程度で十分である。この表面酸化処理は、TiO膜を成膜した際の界面シリコン酸化膜の厚さが可能な限り薄くなるような条件であることが望ましい。具体的には界面シリコン酸化膜の厚さが0.2nm以下となるような条件であることが好ましい。
ステップ2の表面酸化処理としては、酸素含有薬剤を含む薬液によるウエット処理が好適である。このような酸素含有薬剤を含む薬液としては、通常、ウエット洗浄処理に用いられる薬液、例えば、アンモニア水(NHOH)と過酸化水素(H)の混合水溶液(アンモニア過水;SC1)、塩酸(HCl)と過酸化水素(H)の混合水溶液(塩酸過水;SC2)、過酸化水素(H)の水溶液、硫酸(HSO)と過酸化水素(H)の混合水溶液(硫酸過水;SPM)を挙げることができる。薬液を用いたウエット洗浄は、洗浄槽に貯留した薬液に被処理体を浸漬する等、被処理体に薬液を接触することにより行われる。
これらのウエット洗浄用薬液による処理により、下地のシリコン表面に0.2nm以下の極薄いシリコン酸化膜を形成することができるのみならず、酸化チタン膜成膜前の被処理体(シリコンウエハ)表面のパーティクル、金属不純物、有機物を除去することができ、表面が清浄な被処理体(シリコンウエハ)を得ることができる。例えば、SC1はパーティクルや有機物の除去に好適であり、SC2は金属不純物除去に好適であり、過酸化水素(H)は金属不純物や有機物の除去に好適である。
ステップ2の表面酸化処理としては、以上のようなウエット洗浄処理に限らず、プラズマ酸化処理等のドライ処理を用いてもよい。ドライ処理による表面酸化処理としては、制御性よく薄い酸化膜を形成することができる処理が好ましく、例えばマイクロ波プラズマ酸化処理を好適に用いることができる。
このようにステップ2の表面酸化処理により表面に極薄いシリコン酸化膜を成膜した後、引き続きALD法により酸化チタン(TiO)膜を成膜する(ステップ3)。本実施形態では、このステップ3の成膜処理に際し、Ti原料としてTiClを用い、酸化剤としてHOを用い、これらを気相状態で交互に所定回数供給することにより、1原子層のTi層の吸着およびTi層の酸化を繰り返して所定膜厚のTiO膜を成膜する。各TiClガスの供給および各HOガスの供給の後には、被処理体であるシリコンウエハ上に残留するガスを除去する処理、例えばパージ処理を行う。
ステップ3のTiO膜成膜処理の際の温度は、許容される界面シリコン酸化膜の厚さや用途等に応じて変化し、特に限定されるものではないが、一般的な用途では90〜250℃の範囲内が好ましい。また、ステップ3の際の圧力も特に限定されるものではないが、400〜700Paの範囲を好適に用いることができる。
従来から、Ti原料としてのTiClと酸化剤を用いてALD法によりTiO膜を成膜する技術は知られていたが、酸化剤としてOを用いた場合は、高い成膜レートが得られるものの、酸化力が強過ぎ界面にシリコン酸化膜が0.5nm以上厚く形成されてしまい、抵抗が高くなる懸念があった。一方、酸化剤としてHOを用いた場合は、シリコンとの界面のシリコン酸化膜の形成量を少なくすることはできるが、それにともなって成膜レートが極めて遅くなり、膜厚均一性も不十分な結果となった。
その原因について調査した結果、酸化剤としてHOを用いたALDによりTiO膜を成膜する場合には、COR処理等により自然酸化膜を除去した後、保管方法や保管時間が自然酸化膜の再生成量に影響し、自然酸化膜が実質的に存在しない場合には、TiO膜の成膜レートが小さ過ぎ、膜厚の不均一性も大きくなり、一方、自然酸化膜が再生成する条件ではTiO膜の成膜レートは上昇するものの、やはりTiO膜厚の不均一性が大きくなることが判明した。
図2はその調査結果を示す図である。ここでは、COR処理後、クローズFOSBに0.5H保管したシリコンウエハ(ウエハ1)、クローズFOSBに24H保管したシリコンウエハ(ウエハ2)、オープン(大気)FOSBに24H保管したシリコンウエハ(ウエハ3)、オープン/クローズFOUPに24H保管したウエハ(ウエハ4)に対して、TiClの供給とHOの供給を40サイクル繰り返すALD法によりTiO膜を成膜した。ウエハステージの温度は250℃とした。その結果、保管状態で自然酸化膜の厚さが変化し、自然酸化膜がほとんど存在しないウエハ1では界面シリコン膜も存在せず、TiO膜の膜厚が極めて薄いものとなったのに対し、わずかに自然酸化膜が存在するウエハ2では界面シリコン膜がわずかに存在しTiO膜の膜厚が0.6nm程度となり、自然酸化膜の形成量が多いサンプル3では、界面シリコン酸化膜の膜厚が0.29nm、TiO膜の膜厚が1.8nmとなった。また、自然酸化膜の厚さがサンプル3よりも小さいサンプル4では、界面シリコン酸化膜の膜厚が0.2nm程度、TiO膜の膜厚が1.25nm程度となった。このことから、表面にシリコン酸化膜が少ない状態でTiO膜を成膜すると、界面シリコン酸化膜の厚さは小さいものの、TiO膜の成膜レートが極めて遅く、膜厚均一性も不十分であること、および自然酸化膜がある程度形成されれば、TiO膜成膜後の界面シリコン酸化膜の厚さを所定の厚さ維持しつつ、適切な成膜レートが得られることが確認された。しかし、自然酸化膜は生成量にばらつきがあり、自然酸化膜を残したままTiO膜を成膜すると膜厚がばらついてしまう。
そこで、本実施形態では、上述したように、被処理体であるシリコンウエハの表面の自然酸化膜を除去した後、表面酸化処理によりシリコンウエハ表面に極薄いシリコン酸化膜を形成し、その後TiClとHOを用いたALD法によりTiO膜を成膜するのである。これにより、自然酸化膜を除去した後の表面酸化処理により、極薄い酸化膜を均一に形成することができ、その上にTiO膜を成膜するので、成膜後の界面シリコン酸化膜を薄く維持したまま、所定の成膜レートを確保しつつ均一にTiO膜を成膜することができる。
本実施形態では、ステップ1において第1の前処理としてシリコン表面の自然酸化物膜を除去した後、ステップ2において第2の前処理として表面酸化処理を行うが、ステップ2は、ステップ1の自然酸化膜除去の後、実質的に自然酸化膜が形成される前に行うことが望ましい。具体的には、再度形成される自然酸化膜の厚さが実質的に0である状態であることが望ましく、例えば、ステップ1の自然酸化膜除去処理後、クローズFOSB(不活性ガス雰囲気)保管であれば2H以内、大気保管であれば0.5H以内にステップ2の表面酸化処理を行うことが望ましい。ステップ1の自然酸化膜の除去とステップ2の表面酸化処理とが、一連の工程として連続して行えることが最も望ましい。
<実験結果>
次に、種々の条件で前処理を行った後、TiClの供給とHOの供給を40サイクル繰り返すALD法によりステージ温度250℃でTiO膜を成膜したサンプルについて、界面シリコン酸化膜の膜厚、TiO膜の膜厚および膜厚均一性を求めた結果について説明する。
ここでは、前処理としてCOR処理により自然酸化膜を除去し、FOSBで6時間保管した後にTiO膜を成膜したサンプル(S1)、COR処理により自然酸化膜を除去し、大気中で24時間保管した後にTiO膜を成膜したサンプル(S2)、DHFによるウエット洗浄により自然酸化膜を除去し、FOSBで6時間保管した後にTiO膜を成膜したサンプル(S3)、DHFによるウエット洗浄により自然酸化膜を除去し、大気中で24時間保管した後にTiO膜を成膜したサンプル(S4)、および本発明に従って、第1の前処理としてDHFによるウエット洗浄により自然酸化膜除去処理を行い、第2の前処理として種々の条件で表面酸化処理を行った後、自然酸化膜がほとんど再形成されない条件で保管(クローズドFOSBで2H以内)した後TiO膜を成膜したサンプル(S5〜S25)を用いた。サンプルS5〜S25のうち、サンプル5〜11は、表面酸化処理としてSC1(NHOH:H:HO=1:2:40)による薬液処理を行ったものであり、S12〜18は、表面酸化処理としてSC2(HCl:H:HO=1:2:40)による薬液処理を行ったものであり、S19〜S25は、表面酸化処理として過酸化水素水溶液(H:HO=1:40)による薬液処理を行ったものである。各薬液による処理の処理条件は、以下の表1に示す7種類とした。なお、DHF、SC1、SC2、Hによる薬液処理は、薬液に所定時間浸漬することにより行った。
Figure 2017212320
各サンプルのTiO膜の膜厚、膜厚均一性、および界面シリコン酸化膜の膜厚を図3に示す。また、図4にTiO膜の膜厚均一性および界面シリコン酸化膜の膜厚の結果のみを拡大して示す。なお、TiO膜の膜厚は、エリプソメーターにより測定し、界面シリコン酸化膜の膜厚は、XPSにより測定した。また、界面シリコン酸化膜の膜厚結果について、検出限界はおよそ0.2nmであるが、それ以下の測定値についても示している。
図3,4に示すように、自然酸化膜を除去する第1の前処理を行った後の保管状態および保管時間を変化させ、第2の前処理を行わないサンプルS1〜S4は、その保管状況に応じて生成される再生成される自然酸化膜に対応した界面シリコン酸化膜が形成され、自然酸化膜がほとんど生成されない条件のサンプルS1、S3では、界面シリコン酸化膜の膜厚が小さく、TiO膜厚および均一性が不十分であり、自然酸化膜が生成される条件のサンプルS2、S4ではTiO膜は十分な厚さで成膜されるものの、TiO膜の均一性が不十分であった。
これに対し、自然酸化膜除去後、ほとんど自然酸化膜が再生成されない状態で、表面酸化処理を行ったサンプル5〜25では、界面シリコン酸化膜の厚さがほぼ0.2nm未満であり、TiO膜の厚さは1.6nm以上、膜厚の不均一性に関しても1σが2%以下となり、サンプルS1〜S4と比べて膜厚の均一性が高く、界面シリコン酸化膜が薄く、TiO膜の成膜レートおよび膜厚均一性が高いことが確認された。
<コンタクト構造>
次に、上記実施形態の方法で形成されたTiO膜を用いたコンタクト構造の例について説明する。ここでは、TiO膜をDRAMキャパシタのMISコンタクト構造に用いた場合について説明する。
図5はそのコンタクト構造の例を示す概略断面図である。
所定の素子構造部(図示せず)が内部に形成され、シリコンウエハに形成された、周囲にSiO膜2を有するシリコン部分1の上に、上述した方法でTiO膜3が形成され、その上に例えばTiN膜4およびW膜5からなるメタルプラグ6が形成されている。
メタルプラグ6の上には、シリコン部分1の内部に形成された素子構造部に接続される構造体、例えば、シリンダ状のDRAMキャパシタ10が接続される。DRAMキャパシタ10は、TiN膜からなる下部電極7と、その上に形成された、例えばAlとZrOを積層した構造等のhigh−k膜からなる誘電体膜8と、TiN膜からなる上部電極9とで構成されており、メタルプラグ6と下部電極7とが接続される。
このような構造体において、シリコン部分1と、TiO膜3と、メタルプラグ6とはMISコンタクト構造を形成している。
MISコンタクトは、金属/半導体界面に非常に薄い絶縁体(誘電体)膜を挟むことで、障壁を低くして抵抗を低下させる手法であり、TiO膜3には、1nm以下の極薄膜を所定の成膜レートで均一に形成すること、および抵抗を上昇させる界面シリコン酸化膜が厚くならないことが要求される。
上述したTiO膜の形成方法は、このような要求を満たすものであり、TiO膜3を上述したTiO膜の形成方法により形成することにより、良好な特性のMISコンタクト構造を得ることができる。
<TiO膜の形成システム>
次に、本発明のTiO膜の形成方法に用いることができるTiO膜の形成システムについて説明する。図6はTiO膜の形成システムを示すブロック図である。
図6に示すように、TiO膜の形成システム100は、少なくとも表面がシリコンからなる被処理体であるシリコンウエハ(以下、単にウエハと記す)の表面の自然酸化膜を除去する自然酸化膜除去装置101と、ウエハのシリコン表面に表面酸化処理を施す表面酸化処理装置102と、表面酸化処理後のウエハの表面にALD法によりTiO膜を成膜するTiO膜成膜装置103と、自然酸化膜除去装置101と表面酸化処理装置102との間でウエハを収容したキャリアを搬送する第1のキャリア搬送装置104と、表面酸化処理装置102とTiO膜成膜装置103との間でキャリアを搬送する第2のキャリア搬送装置105と、これら各構成部を制御するための制御部106とを有している。
制御部106は、自然酸化膜除去装置101と、表面酸化処理装置102と、TiO膜成膜装置103と、第1および第2のキャリア搬送装置104,105とを制御するCPU(コンピュータ)を有する主制御部と、入力装置(キーボード、マウス等)、出力装置(プリンタ等)、表示装置(ディスプレイ等)、記憶装置を有している。そして、記憶装置に処理レシピが記憶された記憶媒体をセットすることにより、主制御部は、記憶媒体から呼び出された処理レシピに基づいてシステム100に所定の動作を実行させる。これにより、CPU(コンピュータ)の制御下で、システム100に所定の動作を実行させる。
次に、自然酸化膜除去装置101の一例について説明する。
図7は自然酸化膜除去装置101の主要部の一例であるCOR処理装置の一例を示す断面図である。
自然酸化膜除去装置101は、真空処理システムとして構成され、搬入出部(図示せず)と、真空搬送室(図示せず)と、図7に示すようなCOR処理装置200と、加熱処理装置(図示せず)とを有し、COR処理装置200と加熱処理装置とが真空搬送室に接続されている。搬入出部にウエハのキャリアが接続され、ウエハが1枚ずつ搬送されて処理されるようになっている。
COR処理装置200は、密閉構造のチャンバー21を有している。チャンバー21の内部には、ウエハWを略水平にした状態で載置させる載置台22が設けられている。また、自然酸化膜除去装置101は、チャンバー21にHFガスおよびNHガス等を供給するガス供給機構23、およびチャンバー21内を排気する排気機構24を有している。
チャンバー21の側壁部には、真空搬送室に対して搬送機構(図示せず)によりウエハWを搬入出する搬入出口25が設けられており、この搬入出口25はゲートバルブ26により開閉可能となっている。
チャンバー21の天壁にはガス導入ノズル27が設けられており、ガス供給機構23からこのガス導入ノズル27を介して所定のガスがチャンバー21内に導入される。
載置台22は、平面視略円形をなしており、チャンバー21の底部に固定されている。載置台22の内部には、載置台22の温度を調節する温度調節器28が設けられている。温度調節器28は温調媒体流路あるいはヒーターを有しており、温調媒体との熱交換またはヒーターによる加熱により載置台22の温度を所定の温度に温調するようになっている。
ガス供給機構23は、HFガス供給源31と、NHガス供給源32と、Arガス供給源33と、Nガス供給源34とを有している。HFガス供給源31には、第1のガス供給配管35の一端が接続され、NHガス供給源32には、第2のガス供給配管36の一端が接続されている。第1のガス供給配管35の他端および第2のガス供給配管36の他端は合流配管39に接続され、合流配管39の他端はガス導入ノズル27に接続されている。Arガス供給源33には第3のガス供給配管37の一端が接続されている。第3のガス供給配管37の他端は第1のガス供給配管35に接続されている。Nガス供給源34には第4のガス供給配管38の一端が接続されている。第4のガス供給配管38の他端は第2のガス供給配管36に接続されている。
第1〜第4のガス供給配管35,36,37,38には、流量制御器としてのマスフローコントローラ40および開閉バルブ41が設けられている。
上記ガスのうちHFガスとNHガスは反応ガスであり、ArガスおよびNガスは希釈ガスである。そして、これらガスをガス導入ノズル27を介してチャンバー21内に導入することにより、HFガスおよびNHガスとウエハW表面の自然酸化膜とを反応させる。
希釈ガスとしては、Arガスのみ、またはNガスのみであってもよく、また、他の不活性ガスを用いても、Arガス、Nガスおよび他の不活性ガスの2種以上を用いてもよい。希釈ガスはパージガスとしても使用される。
排気機構24は、チャンバー21の底部に接続された排気配管29に設けられており、チャンバー21内の圧力を制御するための自動圧力制御バルブおよびチャンバー21内を排気するための真空ポンプ等で構成されている。
このように構成されたCOR処理装置200においては、まず、ゲートバルブ26を開放して真空搬送室から搬送装置によりウエハWを搬入し、載置台22上に載置する。そして、搬送装置を退避させた後、ゲートバルブ26を閉じ、チャンバー21内を所定の減圧状態に保持するとともに、温調機構28により載置台22の温度を例えば20〜75℃の範囲内の所定温度に制御する。
この状態で、ガス供給機構23から、HFガスおよびNHガスを、それぞれArガスおよびNガスに希釈された状態で供給し、これらをガス導入ノズル27からチャンバー21内に導入する。
そして、これらのガスが載置台21上のウエハWの表面に供給される。これにより、ウエハ表面の自然酸化膜(シリコン酸化膜)が、HFおよびNHと化学反応して、自然酸化膜がフルオロケイ酸アンモニウム(ASF)や水等に変換され、ウエハW表面には反応生成物であるASFが残存した状態となる。
その後、ウエハWをCOR処理装置200から搬出し、上記加熱処理装置に搬入し、ウエハWを100〜300℃に加熱して反応生成物であるASFを気化させる。これにより、ウエハW表面の自然酸化膜が除去される。
これにより、ドライ処理により自然酸化膜の除去を行うことができる。また、プラズマレスであるからダメージの少ない処理が可能となる。
なお、上記反応処理が終了後、載置台21の温調機構28の温度を上昇させてASFを気化させてもよい。この場合は、加熱処理装置が不要である。
次に、表面酸化処理装置102の一例について説明する。
図8は表面酸化処理装置102の主要部の一例である液処理装置の一例を示す概略断面図である。
表面酸化処理装置102は、バッチ式の常圧システムとして構成され、複数枚のウエハを収容するキャリアを搬入出する搬出入部(図示せず)と、搬入出部においてキャリアから取り出されたウエハを搬送する搬送装置(図示せず)と、図8に示すような液処理装置300と、ウエハを乾燥する乾燥装置とを有している。
液処理装置300は、液体Lを貯留して処理を行う液処理槽51を有している。液処理槽51に貯留された液体Lに、ウエハ保持部材52に保持された複数のウエハWが浸漬されるようになっている。ウエハ保持部材52は、複数のウエハ保持棒52aを有しており、これらウエハ保持棒52aにより複数のウエハWが保持される。ウエハ保持部材52は、搬送装置(図示せず)により上下動および水平動され、保持した複数のウエハWが搬送されるようになっている。
液処理槽51内にはノズル53が設けられており、ノズル53には液供給配管54が接続されている。液供給配管54には液体供給機構55から表面酸化処理を行うための薬液、リンス液、純水(DIW)等が供給可能となっている。表面酸化処理を行うための薬液としては、上述したSC1、SC2、H水溶液、SPM等を用いることができる。リンス液、純水(DIW)は、薬液処理後のウエハWの洗浄処理に用いられる。
液処理槽51の底部には排液配管56が接続されており、排液機構57により排液配管56を介して液処理槽51内の液体を排液するようになっている。
なお、液処理槽51内に貯留された薬液は、撹拌装置(図示せず)により攪拌可能となっている。また、表面酸化処理を行うための薬液は、室温〜80℃程度に温調されるようになっている。
このように構成される液処理装置300においては、液処理槽51内に表面酸化処理を行うための薬液が貯留された状態で、ウエハ保持部材52に保持された状態で搬送装置により搬送されてきた複数のウエハを液処理槽51内の薬液に浸漬し、所定時間保持する。このとき、必要に応じて攪拌装置により薬液を撹拌する。
これにより、ウエハWの表面に極薄いシリコン酸化膜が均一に形成される。
このような薬液による表面酸化処理を行った後、液処理槽51内を排液し、引き続きリンス液によるリンス処理、および純水による処理を行う。
その後、搬送装置によりウエハ保持部材52を液処理槽51から引き上げ、乾燥装置(図示せず)により乾燥処理を行う。
液処理装置としては、このようなバッチ式のものに限らず、枚葉式のものであってもよい。図9に液処理装置の他の例として枚葉式の液処理装置について説明する。
図9に示すように、液処理装置300′は、チャンバー61と、チャンバー61内でウエハWを回転可能に保持するスピンチャック62と、スピンチャック62を回転させるモータ63と、スピンチャック62に保持されたウエハWに液体を吐出するノズル64と、ノズル64に液体を供給する液体供給機構65とを有している。液体供給機構65からノズル64へは、液供給配管66により液体が供給されるようになっている。液体供給機構65からは、表面酸化処理を行うための薬液、リンス液、純水(DIW)等が供給可能となっている。表面酸化処理を行うための薬液としては、上述したSC1、SC2、H水溶液、SPM等を用いることができる。リンス液、純水(DIW)は、薬液処理後のウエハWの洗浄処理に用いられる。
チャンバー61内には、スピンチャック62に保持されたウエハWを覆うためのカップ67が設けられている。カップ67の底部には、排気および排液のための排気・排液管68が、チャンバー61の下方へ延びるように設けられている。チャンバー61の側壁には、ウエハWを搬入出するための搬入出口69が設けられている。
このように構成される液処理装置300′においては、一枚のウエハWを搬送装置(図示せず)によりチャンバー61内に搬入し、スピンチャック62に装着する。この状態で、モータ63によりスピンチャック62とともにウエハを回転させながら、液体供給機構65から液供給配管66を介してノズル64から薬液を吐出させ、薬液をウエハWの表面全体に保持させる。ウエハWの表面に所定時間薬液を保持させることにより、ウエハWの表面に極薄いシリコン酸化膜が均一に形成される。
このような薬液による表面酸化処理を行った後、液体をリンス液および純水に順次切り替え、リンス処理および純水処理を行い、最後に振り切り乾燥を行う。
次に、TiO膜成膜装置103の一例について説明する。
図10はTiO膜成膜装置103の主要部であるALD成膜装置400の一例を示す断面図である。
TiO膜成膜装置103は、真空処理システムとして構成され、
搬入出部(図示せず)と、真空搬送室(図示せず)と、図10に示すようなALD成膜装置400とを有し、ALD成膜装置400が真空搬送室に接続されている。搬入出部にウエハのキャリアが接続され、ウエハが1枚ずつ搬送されて処理されるようになっている。
ALD成膜装置400は、チャンバー71と、チャンバー71内でウエハWを水平に支持するためのサセプタ72と、チャンバー71内に処理ガスをシャワー状に供給するためのシャワーヘッド73と、チャンバー71の内部を排気する排気部74と、シャワーヘッド73に処理ガスを供給する処理ガス供給機構75とを有している。
チャンバー1は、略円筒状の金属からなり、その側壁部には真空搬送室に対して搬送機構(図示せず)によりウエハWを搬入出するための搬入出口76が形成され、搬入出口76はゲートバルブ77で開閉可能となっている。
チャンバー71の本体の上には、断面が矩形状をなす円環状の排気ダクト78が設けられている。排気ダクト78には、内周面に沿ってスリット78aが形成されている。また、排気ダクト78の外壁には排気口78bが形成されている。排気ダクト78の上面にはチャンバー71の上部開口を塞ぐように天壁79が設けられている。天壁79と排気ダクト78の間はシールリング80で気密にシールされている。
サセプタ72は、ウエハWに対応した大きさの円板状をなし、支持部材83に支持されている。このサセプタ72の内部にウエハWを加熱するためのヒーター81が埋め込まれている。ヒーター81はヒーター電源(図示せず)から給電されて発熱するようになっている。そして、ヒーター81の出力を制御することにより、ウエハWを所定の温度に制御するようになっている。サセプタ72には、ウエハ載置面の外周領域、およびサセプタ72の側面を覆うようにセラミックス製のカバー部材82が設けられている。
サセプタ72を支持する支持部材83は、サセプタ72の底面中央からチャンバー71の底壁に形成された孔部を貫通してチャンバー71の下方に延び、その下端が昇降機構84に接続されており、昇降機構84によりサセプタ72が支持部材83を介して、図10に示す処理位置と、その下方の一点鎖線で示すウエハの搬送が可能な搬送位置との間で昇降可能となっている。また、支持部材83のチャンバー71の下方位置には、鍔部85が取り付けられており、チャンバー71の底面と鍔部85の間には、チャンバー71内の雰囲気を外気と区画し、サセプタ72の昇降動作にともなって伸縮するベローズ86が設けられている。
チャンバー71の底面近傍には、昇降板87aから上方に突出するように3本(2本のみ図示)のウエハ支持ピン87が設けられている。ウエハ支持ピン87は、チャンバー71の下方に設けられた昇降機構88により昇降板87aを介して昇降可能になっており、搬送位置にあるサセプタ72に設けられた貫通孔72aに挿通されてサセプタ72の上面に対して突没可能となっている。これにより、ウエハ搬送機構(図示せず)とサセプタ72との間でウエハWの受け渡しが行われる。
シャワーヘッド73は、サセプタ72に対向するように設けられており、サセプタ72とほぼ同じ直径を有している。シャワーヘッド73は、チャンバー71の天壁79に固定された本体部89と、本体部89の下に接続されたシャワープレート90とを有している。本体部89とシャワープレート90との間にはガス拡散空間91が形成されており、このガス拡散空間91には、本体部89およびチャンバー71の天壁79の中央を貫通するように設けられたガス導入孔92が接続されている。シャワープレート90の周縁部には下方に突出する環状突起部93が形成され、シャワープレート90の環状突起部93の内側の平坦面にはガス吐出孔90aが形成されている。
サセプタ72が処理位置に存在した状態では、シャワープレート90とサセプタ72との間に処理空間94が形成され、環状突起部93とサセプタ72のカバー部材82の上面が近接して環状隙間95が形成される。
排気部74は、排気ダクト78の排気口78bに接続された排気配管96と、排気配管96に接続された、真空ポンプや圧力制御バルブ等を有する排気機構97とを備えている。処理に際しては、チャンバー71内のガスはスリット78aを介して排気ダクト78に至り、排気ダクト78から排気部74の排気機構97により排気配管96を通って排気される。
処理ガス供給機構75は、Ti原料ガスであるTiClガスを供給するTiClガス供給源111と、酸化剤であるHOガスを供給するHOガス供給源112と、パージガスであるNガスを供給する第1Nガス供給源113および第2Nガス供給源114とを有し、さらに、TiClガス供給源111から延びるTiClガス供給配管115と、HOガス供給源112から延びるHOガス供給配管116と、第1Nガス供給源113から延びる第1Nガス供給配管117と、第2Nガス供給源114から延びる第2Nガス供給配管118とを有する。TiClガス供給配管115とHOガス供給配管116とは合流配管119に合流しており、合流配管119は、上述したガス導入孔92に接続されている。また、第1Nガス供給配管117はTiClガス供給配管115に接続され、第2Nガス供給配管118はHOガス供給配管116に接続されている。配管115,116,117,118には、マスフローコントローラ120および開閉バルブ121が設けられている。
そして、第1Nガス供給配管117および第2Nガス供給配管118の開閉バルブ121を常時開にした状態で、TiClガス供給配管115およびHOガス供給配管116の開閉バルブ121を交互に間欠的に開閉することにより、TiClガスの供給→チャンバー内のパージ→HOガスの供給→チャンバー内のパージを繰り返し行えるようになっている。
なお、第1Nガス供給配管117および第2Nガス供給配管118からそれぞれ分岐してパージのときのみNガスの流量を増加する配管を設けてパージ工程の際にNガス流量を増加させてもよい。また、パージガスとしては、Nガスに限らず、Arガス等、他の不活性ガスであってもよい。
このように構成されたALD成膜装置400においては、まず、サセプタ72がゲートバルブ77を開放して真空搬送室から搬送装置によりウエハWを搬入し、サセプタ72上に載置し、サセプタ72を処理位置まで上昇させる。そして搬送装置を退避させた後、ゲートバルブ77を閉じ、チャンバー71内を所定の減圧状態に保持するとともに、ヒーター81によりサセプタ72の温度を所定温度に制御する。
そして、第1Nガス供給源113および第2Nガス供給源114からNガスを連続的に供給しつつ、TiClガス供給配管115およびHOガス供給配管116の開閉バルブ121を交互に間欠的に開閉させることにより、図11に示すように、Nガス+TiClガスの供給期間(T1)、Nガスのみの供給期間(T2)、Nガス+HOガスの供給期間(T3)、Nガスのみの供給期間(T4)を順次、繰り返し行う。これにより、TiClガスの供給→チャンバー内のパージ→HOガスの供給→チャンバー内のパージを繰り返し行うことができ、1原子層のTi層の吸着およびTi層の酸化を繰り返して所定膜厚のTiO膜を成膜する。このとき、第1Nガス供給配管117および第2Nガス供給配管118からそれぞれ分岐してパージのときのみNガスの流量を増加する配管を設けてパージ工程の際にNガス流量を増加させることにより、パージを強化することができる。
このようにしてALDによりTiO膜を成膜した後、チャンバー71内をパージし、サセプタ72を下降させ、ゲートバルブ77を開放し、ウエハWを搬出する。
このときの処理条件としては、以下のような条件が例示される。
圧力:3〜6Torr(400〜700Pa)
温度:90〜250℃
TiClガス流量:15〜50sccm(mL/min)
Oガス流量:100〜500sccm(mL/min)
ガス流量:3000〜6000sccm(mL/min)
T1の時間(1回あたり):0.05〜0.2sec
T3の時間(1回あたり):0.1〜2sec
T2(パージ)の時間(1回あたり):0.1〜1.0sec
T4(パージ)の時間(1回あたり):0.5〜5.0sec
なお、自然酸化膜除去装置101としては、DHFによるウエット処理を行う液処理装置を用いることもできる。この場合の装置としては、図8に示すような液処理装置を用いることができる。また、Arスパッタ装置を用いることもできる。
また、表面酸化処理装置としては、図8や図9に示すような液処理に限らず、プラズマ酸化処理装置等のドライ処理装置を用いてもよい。このように表面酸化処理装置をドライ処理装置にすることにより、一つの真空搬送室に図7の自然酸化膜除去装置、このようなドライ処理装置、および図10のALD成膜装置を接続することにより、TiO膜の形成システムを一体的に構成することができ、真空を破ることなく高スループットで処理を行うことができる。また、図10の装置にプラズマ生成機構を設ければ、表面酸化処理装置とALD成膜装置とを一つのチャンバーで構成することも可能となる。
<他の適用>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態ではTi原料ガスとしてTiCl4を用いたが、これに限らずテトラ(イソプロポキシ)チタン(TTIP)、四臭化チタン(TiBr)、四ヨウ化チタン(TiI)、テトラキスエチルメチルアミノチタン(TEMAT)、テトラキスジメチルアミノチタン(TDMAT)、テトラキスジエチルアミノチタン(TDEAT)等を用いることもできる。
また、上記実施形態では、被処理体としてシリコンウエハを用いた場合を示したが、本発明では、被処理体は少なくとも表面がシリコンであるものであればよく、例えば、化合物半導体やガラス基板、セラミックス基板の上にシリコン膜が形成されたものであってもよい。
さらに、上記実施形態では本発明のTiO膜の形成方法を、DRAMキャパシタのMISコンタクトに用いた場合を例にとって説明したが、他の素子のMISコンタクトに適用することもでき、また、MISコンタクト以外にも適用することができる。
1;シリコンウエハ
3;TiO
6;メタルプラグ
7;下部電極
8;誘電体膜
9;上部電極
10;DRAMキャパシタ
100;TiO膜形成システム
101;自然酸化膜除去装置
102;表面酸化処理装置
103;TiO膜成膜装置
200;COR処理装置
300,300′;液処理装置
400;ALD成膜装置
W;シリコンウエハ(被処理体)

Claims (18)

  1. 表面にシリコン部分を有する被処理体にALD法によって酸化チタン膜を形成する酸化チタン膜の形成方法であって、
    前記被処理体の前記シリコン部分の表面に形成されている自然酸化膜を除去する第1の前処理工程と、
    前記第1の前処理後の前記被処理体の前記シリコン部分の表面に表面酸化処理を施す第2の前処理工程と、
    前記第2の前処理後の被処理体上に、Ti原料ガスおよび酸化剤であるHOを用いたALD法により酸化チタン膜を成膜する工程と
    を有することを特徴とする酸化チタン膜の形成方法。
  2. 前記第2の前処理工程により、前記被処理体の前記シリコン部分に形成されるシリコン酸化膜の厚さは0.2nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン膜の形成方法。
  3. 前記第1の前処理工程は、前記被処理体にHFガスおよびNHガスを供給して、HFガスおよびNHガスと前記被処理体の前記自然酸化膜とを反応させ、生成された反応生成物を加熱除去することにより行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸化チタン膜の形成方法。
  4. 前記第1の前処理工程は、前記被処理体に希フッ酸を接触させる液処理により行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸化チタン膜の形成方法。
  5. 前記第2の前処理工程は、前記被処理体に酸素含有薬剤を含む薬液を接触させる処理により行われることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の酸化チタン膜の形成方法。
  6. 前記酸素含有薬剤は、アンモニア水と過酸化水素の混合水溶液、塩酸と過酸化水素の混合水溶液、過酸化水素の水溶液、および硫酸と過酸化水素の混合水溶液から選択されたものであることを特徴とする請求項5に記載の酸化チタン膜の形成方法。
  7. 前記第2の前処理工程は、前記被処理体に対してプラズマ酸化処理を施すことにより行われることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の酸化チタン膜の形成方法。
  8. 前記酸化チタン膜を成膜した後、前記被処理体の前記シリコン部分と前記酸化チタン膜との間の界面シリコン酸化膜の厚さが0.2nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の酸化チタン膜の形成方法。
  9. シリコン部分に上記第1の観点の方法により酸化チタン膜を形成する工程と、
    前記酸化チタン膜の上に所定の構造体に接続されるメタルプラグを形成する工程と
    を有し、
    前記シリコン部分と、前記酸化チタン膜と、前記メタルプラグとによりMISコンタクト構造を形成することを特徴とするコンタクト構造の形成方法。
  10. 前記酸化チタン膜の膜厚は、1nm以下であることを特徴とする請求項9に記載のコンタクト構造の形成方法。
  11. 前記所定の構造体は、DRAMのキャパシタであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のコンタクト構造の形成方法。
  12. 表面にシリコン部分を有する被処理体にALD法によって酸化チタン膜を形成する酸化チタン膜の形成システムであって、
    前記被処理体の前記シリコン部分の表面に形成されている自然酸化膜を除去する自然酸化膜除去装置と、
    自然酸化膜が除去された後の前記被処理体の前記シリコン部分の表面に表面酸化処理を施す表面酸化処理装置と、
    表面酸化処理後の被処理体上に、Ti原料ガスおよび酸化剤であるHOを用いたALD法により酸化チタン膜を成膜する成膜装置と
    を具備することを特徴とする酸化チタン膜の形成システム。
  13. 前記表面酸化処理装置は、前記被処理体の前記シリコン部分に形成されるシリコン酸化膜の厚さを0.2nm以下に形成することを特徴とする請求項12に記載の酸化チタン膜の形成システム。
  14. 前記自然酸化膜除去装置は、チャンバーと、前記チャンバー内で被処理体を載置する載置台と、チャンバー内にHFガスおよびNHガスを供給するガス供給機構と、前記チャンバー内を減圧排気する排気機構とを有し、HFガスおよびNHガスと前記被処理体の前記自然酸化膜とを反応させ反応生成物を生成させるCOR装置を有することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の酸化チタン膜の形成システム。
  15. 前記自然酸化膜除去装置は、希フッ酸を被処理体に接触させる液処理装置を有することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の酸化チタン膜の形成システム。
  16. 表面酸化処理装置は、前記被処理体に酸素含有薬剤を含む薬液を接触させる液処理装置を有することを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の酸化チタン膜の形成システム。
  17. 前記液処理装置は、前記酸素含有薬剤として、アンモニア水と過酸化水素の混合水溶液、塩酸と過酸化水素の混合水溶液、過酸化水素の水溶液、および硫酸と過酸化水素の混合水溶液から選択されたものを用いることを特徴とする請求項16に記載の酸化チタン膜の形成システム。
  18. 表面酸化処理装置は、前記被処理体に対してプラズマ酸化処理を施すプラズマ処理装置を有することを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の酸化チタン膜の形成システム。
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