添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態の駐車場管理サーバ100およびセンサ装置300から構成される駐車場管理システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
この駐車場管理システムは、事前に登録された利用者の携帯端末400と通信接続することができ、この携帯端末400からの予約およびチェックイン(駐車の申し込み)を受けると、課金処理を開始することができる。
駐車場管理サーバ100は、携帯端末400やGW(Gate Way)装置200と通信を行い、携帯端末400からの予約の受付や、チェックイン処理の受付を行なう。また、GW装置200からの駐車場に配置されるセンサ装置300からの信号処理を受け付け、またGW装置200を介して駐車場の各種装置(カメラや、アラーム装置等)の制御を行なう。
センサ装置300は、駐車場に配置されている、車両の駐車の有無を検出するための装置である。例えばループコイルなどで構成されている。このセンサ装置300は、車室(駐車スペース)ごとにその車室の番号を示す車室IDが割り当てられており、図2においては、車室ごとにセンサ装置300a、センサ装置300b・・・センサ装置300dが車室IDが割り当てられて配置されている。このセンサ装置300は、車室に駐車された車両を検知すると、GW装置200を介して、駐車場管理サーバ100に駐車有りの通知(車室IDを含む)を行なうことができる。
ビーコン発信機350は、センサ装置300と同様に車室ごとに配置されており、車室に車両が入庫したことを検知すると、所定の有効範囲(例えば、車室の範囲のみ)に対してビーコン信号を発信することにより、その有効範囲にいる携帯端末400にインストールされている駐車場利用のためのアプリケーションを起動させることができる。
カメラ370は、車室ごとに配置されており、GW装置200からの指示によって、車室に駐車した車両のナンバープレート等を撮影することができる機能を有する。車両の識別情報を取得する識別情報取得装置として機能する。
アラーム装置390は、駐車場管理サーバ100からの不正駐車の通知に基づいて、不正駐車の旨の警報をその周囲に対して発する装置である。この警報は、音声によるものでもよいし、点灯・点滅などによるものでもよい。
携帯端末400は、ビーコン発信機350からのビーコン信号を受信することにより、あらかじめ定められたチェックインのためのアプリケーションを起動させることができる。ユーザは、そのアプリケーションに対して、チェックインのための操作を行なうことにより、携帯端末400は、駐車場管理サーバ100に対してチェックインのための情報を送信することができる。
ここでチェックイン処理は、駐車場IDおよび車室IDを指定して行われる。駐車場IDおよび車室IDは、ビーコン発信機350からのビーコン信号に含まれている情報であり、センサ装置300と同様にビーコン発信機350ごとにあらかじめ割り当てられて設定されている情報である。携帯端末400は、これら駐車場ID、車室IDを含んだビーコン信号を受信し、それに基づいてチェックイン処理のためのアプリケーションを起動し、これら駐車場IDおよび車室IDを指定してチェックイン処理を行なうことができる。これにより、どの駐車場のどの車室にチェックインしたかを駐車場管理サーバ100において管理することができる。
なお、チェックイン処理の方法として、以下のものも考えられる。例えば、車両にチェックイン処理のための車載端末を搭載しておき、その車載端末は、車両が車室に駐車するとビーコン発信機350からのビーコン信号に反応して、利用者ID等を含んだチェックイン情報を送信する。また、チェックイン情報の送信の方法としては、RFID(Radio Frequency IDentification)などを用いてもよい。
ビーコン発信機350は、その送信されたチェックイン情報を受信して、GW装置200を介して、駐車場管理サーバ100に送信する。駐車場管理サーバ100は、ビーコン発信機350からのチェックイン情報に基づいて、チェックイン処理を行なう。このようなチェックイン処理に基づいて、チェックイン時間が決まり、課金処理や清算処理が可能になる。
また、車載端末が、ビーコン発信機もしくはセンサ装置からの信号を検知して利用者ID等を含んだチェックイン情報を直接モバイルネットワーク(移動体通信網)を経由してチェックイン処理を行なうようにしてもよい。
駐車場管理サーバ100は、携帯端末400からのチェックイン処理を受けると課金処理のための管理を開始する。そして、駐車場管理サーバ100は、当該チェックイン処理を受けることなく、センサ装置300から駐車有りの通知を受けると、不正駐車であると判断し、アラーム装置390に対してアラームの報知の旨を依頼する。アラーム装置は、その依頼を受けると、不正駐車があることをその周囲に報知するため、アラームやランプなどで報知する。
図2は、この駐車場管理サーバ100の機能構成を示すブロック図である。図2に示される通り、駐車場管理サーバ100は、通信部101、課金処理部102(課金処理手段)、予約受付部103、チェックイン処理部104(受付手段、通知手段)、利用者管理テーブル105および駐車場管理テーブル106を含んで構成されている。この駐車場管理サーバ100は、図3に示されるようなハードウェア構成をとる。
図3は、駐車場管理サーバ100のハードウェア構成図である。図2に示される駐車場管理サーバ100は、物理的には、図3に示すように、一または複数のCPU11、主記憶装置であるRAM12及びROM13、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置14、ディスプレイ等の出力装置15、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール16、ハードディスクや半導体メモリ等の補助記憶装置17などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図2における各機能は、図3に示すCPU11、RAM12等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御のもとで入力装置14、出力装置15、通信モジュール16を動作させるとともに、RAM12や補助記憶装置17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図2に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
通信部101は、GW装置200を介してセンサ装置300およびビーコン発信機350と、また携帯端末400と通信する部分である。具体的には、通信部101は、携帯端末400からチェックインの依頼や、予約の依頼を受けることができる。また、通信部101は、GW装置200を介して、センサ装置300から駐車されたこと(入庫)または駐車場から出たこと(出庫)の旨の通知を受ける。
課金処理部102は、通信部101を介して携帯端末400からチェックインが受け付けられると、その受け付けた時刻に基づいて課金処理を行なう部分である。具体的には、課金処理部102は、利用者管理テーブル105のチェックイン時間とチェックアウト時間から計算される駐車時間に基づいて、課金処理を行なう。
予約受付部103は、予約の受け付け処理を行なう部分である。携帯端末400から予約を受け付けると、予約受付部103は、利用者管理テーブル105における携帯端末400の利用者IDに対応する利用者状態を“予約”状態とする。また、予約受付部103は、予約が受け付けられると予約タイマを起動し、この予約タイマが所定時間経過するまでの間に、駐車がなされたことの通知を受けない場合には、当該利用者状態を“キャンセル”状態とする。
予約受付部103は、当該利用者IDの予約がキャンセルされると、キャンセルタイマを起動し、キャンセルタイマが所定時間カウントするまでは、キャンセルをした利用者IDによる再度の予約を受け付けないようにする。そのほか、予約受付部103は、キャンセル待ちを受け付けることもできる。
チェックイン処理部104は、携帯端末400からのチェックインの要求および利用者ID、並びにセンサ装置300からの車室の車室IDに基づいて、誰がどの車室に駐車したかを判断して、チェックイン処理を行なう部分である。すなわち、チェックイン処理部104は、利用者からチェックインが行われると、利用状態、利用者から入力された利用者ID、センサ装置300からの車室の車室ID、チェックイン時間を、利用者管理テーブル105に記述する。また、駐車場管理テーブル106に車室状態を記述する。
また、チェックイン処理部104は、チェックイン処理がなされることなく、駐車された場合には、その駐車に対しては不正駐車と判断して、アラーム通知などの処理を行なう。
利用者管理テーブル105は、予め利用者IDと課金処理のためのクレジットカード番号とを対応付けて記憶している。なお、クレジットカード番号に限定するものではなく、銀行の口座情報や、そのほかプリペイド用の口座情報など、金銭の授受を行なうための情報であればよい。さらに、利用者管理テーブル105は、利用者からのチェックインに応じてチェックイン時間を記述するとともに、センサ装置300からの出庫の通知に応じてチェックアウト時間を記述する。
図4に、その具体例を示す。図4に示される通り、利用者IDごとに、クレジットカード番号、チェックイン時間、チェックアウト時間、課金情報、予約時の位置情報、予約タイマ、キャンセルタイマが対応付けられている。チェックイン処理部104は、携帯端末400からのチェックイン要求およびセンサ装置300からの出庫通知に応じて、予約タイマを起動させ、また停止させて、さらにチェックイン時間、チェックアウト時間を記述する。なお、チェックイン時間、チェックアウト時間の管理を行なうことに代えて、課金タイマなるものを車室IDごとにもうけ、チェックイン処理で起動させ、出庫に応じて停止させることで、駐車時間をカウントするようにしてもよい。
課金情報は、あらかじめ定められた期間(例えば1ヶ月)における課金額を示す。この課金情報は、チェックイン時間、チェックアウト時間に基づいて計算される。
予約時の位置情報は、携帯端末400が予約を行った時の位置情報であり、携帯端末400から予約時に送信された情報である。予約タイマは、予約がなされたときに起動するタイマであり、位置情報に基づいて計算された時間、駐車場を確保するためのタイマである。
キャンセルタイマは、予約がキャンセルされた場合に、起動するタイマであり、所定時間、再度予約を拒否するためのタイマである。このキャンセルタイマが所定時間経過するまでは、対応付けられている利用者IDによる予約は受け付けられないように予約受付部103は動作する。
図5は、駐車場管理テーブル106の具体例を示す図である。駐車場管理テーブル106は、駐車場ID、車室ID、車室状態、利用者ID、キャンセル待ちフラグ、キャンセル待ちIDを対応付けて記憶している。駐車場IDは、駐車場を特定するための識別情報であり、車室IDは、各駐車場における車室を特定するための識別情報である。車室状態は、車室ごとの状態を示し、空車であるか、予約されているか、仮駐車(駐車(仮))であるか、不正駐車であるか、正常な駐車がされているか、を示す。利用者IDは、その車室を利用している(駐車または予約)利用者を示す識別情報であり、利用者管理テーブル105に記述されている利用者IDと同じである。また、キャンセル待ちフラグは、予約状態の車室に対してキャンセル待ちの利用者の存在を示している。キャンセル待ちIDは、キャンセル待ちをした利用者IDを示す。
このように構成された駐車場管理システムの処理について説明する。図6は、駐車場管理システムのチェックイン処理を示すシーケンス図である。
携帯端末400において、ユーザ操作に従って、駐車場管理サーバ100に対して、駐車場予約のために一または複数の駐車場の空き状況の確認要求(満・空確認)が送信される(S101)。
駐車場管理サーバ100において、この確認要求に対して、一または複数の駐車場の空き状況を示す満・空情報通知が携帯端末400に対して送信される(S102)。
そして、携帯端末400において、ユーザ操作に従って、その満・空情報から一の駐車場(場所)が選択され、その駐車場を特定する駐車場IDが指定されて予約依頼が行なわれる(S103)。その予約依頼とともにその予約時における携帯端末400の位置情報が送信される(S104)。この携帯端末400においては、GPSやそのほか測位機能を用いて事前にまたは予約時にその位置情報が取得され、その位置情報が送信される。
駐車場管理サーバ100において、携帯端末400から予約依頼と位置情報とが受信されると、予約受付部103によりその位置情報に基づいた距離判定が行われる。駐車場ごとに位置はあらかじめ管理されているため、利用者により指定された駐車場の位置情報と利用者(携帯端末400)の位置情報とに基づいて、予約受付部103により、概算距離が算出される。そして、予約受付部103により、その距離に基づいて入庫までの予想時間が計算される。その予想時間に基づいて予約タイマによる駐車場の確保のための確保時間が設定され、予約タイマが起動される。予約タイマはその確保時間になるまで計時することになる。予約タイマがその確保時間を計時するまで、駐車がなされない場合には、予約受付部103によりその予約はキャンセルとされる。
そして、予約受付部103により、利用者管理テーブル105における、予約をした利用者IDの利用者状態は、“予約中”とされる。また、駐車場管理テーブル106の駐車場IDの車室IDのいずれか一つの車室状態は“予約中”とされ、それに対応付けて利用者IDが記述される。なお、空車となっている車室IDに対応する車室状態を“予約中”とする。(S105)。複数の車室が“空車”状態である場合には、ランダムに一の車室を決定して、その位置の車室の車室状態を“予約中”としてよい。そして、予約が完了した旨の予約通知が携帯端末400に対して送信される(S106)。
なお、上述では、駐車場(駐車場ID)単位で予約を行なう処理を示したものであるが、車室ごとに予約を行なうようにしてもよい。予約する際には、車室IDを指定することによって、予約を可能にする必要がある。
その後、予約をした利用者が駐車場に到着して、任意の車室に駐車すると、センサ装置300によりその駐車が検知される。そして、駐車された旨と車室IDとからなる状態通知が、センサ装置300からGW装置200を介して駐車場管理サーバ100に送信され(S107)、駐車場管理サーバ100において、その駐車場管理テーブル106の車室IDに対応する車室状態が、“予約中”から“駐車(仮)”(仮駐車状態)に変更される(S108)。
また、ビーコン発信機350が車両の駐車を検知すると、ビーコン発信機350から、当該ビーコン発信機350の識別情報を含む、携帯端末400のアプリケーションを起動するためのビーコン信号が発信される(S109)。そして、送信されたビーコン信号が、利用者が保持する携帯端末400により受信され、その駐車場を利用するためのアプリケーションが起動する。携帯端末400においては、ビーコン信号によって駐車場IDおよび車室IDが特定され、駐車場IDおよび車室IDに対応する駐車場における車室のチェックイン処理を受け付ける表示画面が表示される。そして、利用者による操作に従って、利用者ID、駐車場ID、車室IDを用いてチェックイン処理が行われると、その駐車場における車室IDに対応する車室において駐車がなされた旨の駐車通知(利用者ID、駐車場ID、車室IDを含む)が駐車場管理サーバ100に対して送信される(S110)。
なお、センサ装置300において駐車が検知されると、そのセンサ装置300には車室IDが対応付けられており、駐車場管理テーブル106における車室IDに対応する車室状態を“予約中”から“駐車中”に、変更する。また、利用者管理テーブル105における利用者状態を“予約中”から“駐車中”変更して、その時間をチェックイン時間としてもよい。これによりビーコン発信機350を不要とすることもできる。
そして、駐車場管理サーバ100において、チェックイン処理部104により駐車通知が受け付けられると、その利用者IDで予約された車室があるか否かが判断される。そして、予約者である場合には、駐車場管理テーブル106におけるその車室IDに対応する車室状態が“駐車中”に変更され、利用者管理テーブル105の利用者状態が“駐車中”に変更される。また、利用者管理テーブル105における予約タイマが停止される。そして、時間がチェックイン時間として、記述される(S111)。また、予約者ではない場合には、その駐車場の空き状況に応じて、チェックイン処理部104により、駐車不可のメッセージがそのアプリケーション上に出力される。また、その車室IDの車室状態を“駐車中”にするか、または“不正駐車”とするかの処理を行なうようにしてもよい。
なお、駐車場管理テーブル106においては、予約時の駐車場管理テーブル106の更新処理(S105)と、駐車確定時の駐車場管理テーブル106の更新処理(S111)とにおいて、車室状態を“予約中”とした車室IDと、“駐車中”とした車室IDが異なる場合が当然にありえる。本実施形態においては、S111の処理の後または同タイミングで、実際に駐車した車室IDの車室状態を“駐車中”とするとともに、その利用者により予約された車室IDの車室状態を“予約中”から“予約無し”(無表示)に変更することで、駐車場管理テーブル106内における管理の整合をとるようにする。
例えば、図10および図11に利用者管理テーブル105と駐車場管理テーブル106における管理状態の遷移を示す。
図10(a)および(b)は、それぞれ予約した時の(S105)の利用者管理テーブル105と駐車場管理テーブル106の管理状態である。駐車場管理テーブル106では、ランダムに決定した車室ID:1−2の車室状態を予約中としておく。
図10(c)および(d)は、それぞれ駐車(仮駐車)した時の(S108)の利用者管理テーブル105と駐車場管理テーブル106の管理状態である。このタイミングでは、だれが(予約者であるか否か)が駐車したのかは、駐車場管理サーバ100では把握できていないため、実際に駐車した車室ID:1−1の車室状態を駐車(仮)としておき、予約中となっている車室ID:1−2の車室状態は変更しない。
図11(a)および(b)は、それぞれチェックインした時の(S111)の利用者管理テーブル105と駐車場管理テーブル106の管理状態である。チェックインした時には、利用者ID、駐車場ID、車室IDをもって登録することになるため、ここで、利用者ID:aaaの利用者管理テーブル105にチェックイン時間を登録するとともに、利用者ID:aaaにより予約された(予約中となっている)車室ID:1−2の車室状態を空車に変更する。また、駐車(仮)となっている車室ID:1−1の駐車状態を駐車に変更するとともに、利用者IDを記述する。
これにより予約時には、車室IDを特定することなく、予約を行なうことができる。
その後、駐車場から利用者の車両が出庫すると、センサ装置300によりその出庫したとの状態通知(車室IDを含む)が駐車場管理サーバ100に対して送信される(S112)。駐車場管理サーバ100において、駐車場管理テーブル106の送信された車室IDの車室状態は、“空車”に変更され、その利用者IDが削除される。また、利用者管理テーブル105において、駐車場管理テーブル106に車室IDに対応付けられている利用者IDのチェックアウト時間が記述される。また、利用者管理テーブルにおいては、利用者状態の“駐車中”状態が削除される(S113:図11(c)および(d)参照)。 このようにして、利用者が駐車場に車両を駐車した場合に、適正に課金処理を行なうことができる。
上述の処理は、予約を前提にした処理であるが、予約をすることなくチェックイン処理を行なうことにより、その駐車を許可して、課金処理のための管理を開始するようにしてもよい。
ただし、予約をしなかった利用者が駐車したことによって、予約した利用者のための車室が塞がってしまうことを防止するための処理が必要である。上述のS111の処理において、駐車通知(S110)のときに携帯端末400から送信される利用者IDの利用者管理テーブル105における利用者状態が、“予約中”等の状態が記述されておらず、何も登録されていない時には、駐車場管理テーブル106のその駐車場IDに対応する車室の車室状態を確認して、“空車”となっている車室がある場合には、その予約をしなかった利用者の駐車を許可するのがよい。
つぎに、予約をしたもののチェックインをしなかった場合の駐車場管理サーバ100の処理について説明する。図7は、そのときの駐車場管理システムの処理を示すシーケンス図である。
処理S101〜S109までは、図6と同じである。すなわち、駐車場管理サーバ100においては、ある利用者における利用状態は“予約中”として利用者管理テーブル105にて、管理するとともに、駐車場管理テーブル106にて、予約された駐車場は“予約中”であるとして管理している。
その後、車両が予約されていた駐車場に到着すると、上述通り、センサ装置300およびビーコン発信機350において状態通知およびアプリケーションの起動処理を行って、センサ装置300およびビーコン発信機350により特定される車室IDの車室に対するチェックインを促す処理が行われる。
その後、駐車場管理サーバ100において、所定時間のあいだに、利用者によりチェックイン処理が受け付けられない場合には、チェックイン処理部104により、チェックイン処理がないと判断される(S121)。そして、駐車場管理テーブル106におけるチェックイン処理がなされなかった車室IDに対応する車室状態は、チェックイン処理部104により、“駐車(仮)”から“不正駐車”に変更される(S122)。なお、予約をしていた利用者(利用者ID)の利用状態は、予約タイマが確保時間を計時した後に、“キャンセル”に変更される。
そして、駐車場管理サーバ100において、チェックイン処理部104により、不正駐車であると判断されると、当該車室IDで特定される車室に駐車している車両のナンバープレートの読取依頼および不正駐車のアナウンス依頼がGW装置200に送信される(S123)。そして、GW装置200においては、カメラ370に対してナンバープレートの撮影を指示し、そのナンバープレートの情報(番号や、ナンバープレートそのものの画像データ)が取得される。また、アラーム装置390に対して、不正駐車をしない旨のアラームを報知させる処理が行われる。取得したナンバープレートの情報は、駐車場管理サーバ100に送信される(S124)。
以上の通り、予約をしたにもかかわらず、チェックイン処理をしなかった場合には、その車両の出庫前に不正駐車として取り締まることが可能となる。この処理は、予約をした利用者を対象とするだけではなく、予約をすることなく駐車してしまった場合にも当然に適用することができる。
つぎに、予約のキャンセルおよびキャンセル待ちの処理について説明する。図8は、予約キャンセルおよびその後の予約をできなくする駐車場管理システムの処理を示すシーケンス図である。
処理S101からS106までは、図6および図7の処理と同じである。すなわち、駐車場管理サーバ100において、携帯端末400a(利用者ID:01)から予約の依頼を受け付け、利用者管理テーブル105の利用者状態が“予約中”に、駐車場管理テーブル106の車室状態が“予約中”に、それぞれ更新される(S101−S106)。
駐車場管理サーバ100において、その後、携帯端末400b(利用者ID:02)から、予約のための満空確認要求を受けると(S201)、そのときの駐車場管理テーブル106の車室状態が、予約受付部103により確認される。本例においては、すべての車室が満車であるため、車室の空きがないとして、満室である旨の満空情報の通知が行われる(S202)。
その後、携帯端末400aから、利用者IDとともにキャンセル依頼が送信されると(S131)、予約受付部103により、その利用者IDが、駐車場管理テーブル106から探索され、その利用者IDで予約している駐車場の車室IDが探索される。そして、その車室IDの車室状態が“予約中”から“空車”に変更される。また、利用者管理テーブル105の利用者IDの利用者状態も“予約中”から“キャンセル”に変更される。そして、利用者管理テーブル105の利用者IDのキャンセルタイマが開始される(S132)。
利用者管理テーブル105および駐車場管理テーブル106が更新されると、予約受付部103により、キャンセル完了通知が携帯端末400aに送信される(S133)。
その後、携帯端末400aの利用者が再度予約をしようとして、満空確認の要求(利用者ID:01とともに送信)を駐車場管理サーバ100に対して行なうと(S134)、駐車場管理サーバ100においては、予約受付部103により、利用者管理テーブル105における、その利用者IDに対応するキャンセルタイマが所定時間(例えば5分)以内か否かが判断される(S135)。本例示においては、所定時間以内であると判断され、その場合には、キャンセルしてから所定時間内の予約をできないようにするために、駐車場管理テーブル106における各駐車場の車室状態に関係なく、すべて満室であることを示す満空情報が携帯端末400aに送信される(S136)。
一方で、携帯端末400bから、予約のための満空確認の要求(利用者ID:02とともに送信)が行われると(S208)、その利用者ID:02に対応する利用者管理テーブル105においてキャンセルタイマは存在しないため、駐車場管理テーブル106を参照して、各駐車場の車室状態に応じた満空情報(空き情報または満車情報)が通知される(S210)。
その後、駐車場管理サーバ100において、利用者ID:01に対応するキャンセルタイマが所定時間計時し終わると、そのキャンセルタイマは終了とし、キャンセルタイマは削除され(S137)、利用者ID:01からの予約を再度受け付けることが可能となる。
すなわち、携帯端末400aから、駐車場IDを指定して予約のための満空確認の要求が来ると(S138)、駐車場管理サーバ100において、その利用者管理テーブル105には、利用者ID:01に対応するキャンセルタイマが存在しないことを判断し、そして、駐車場管理テーブル106における、指定された駐車場IDの車室状況に応じた満空情報が通知される(S139)。
以上の通り、予約がキャンセルされると、所定時間内においては再度の予約ができないように、利用者管理テーブル105において管理されている。したがって、予約とキャンセルを繰り返すような不正な利用を防止することができ、他の利用者も利用しやすくすることができる。
つぎに、キャンセル待ちについての処理を説明する。図9は、キャンセル待ちを受け付ける駐車場管理サーバ100の処理を示すシーケンス図である。
処理S101からS106までは、図6および図7の処理と同じである。すなわち、駐車場管理サーバ100において、携帯端末400a(利用者ID:01)から予約の依頼を受け付け、利用者管理テーブル105の利用者IDの利用者状態が“予約中”に、駐車場管理テーブル106の車室状態が“予約中”に、それぞれ更新される(S101−S106)。
駐車場管理サーバ100において、その後、携帯端末400b(利用者ID:02)から、予約のための満空確認要求を受けると(S201)、そのときの駐車場管理テーブル106の車室状態が、予約受付部103により確認される。本例においては、すべての車室が満車であるため、車室の空きがないとして、満室である旨の満空情報の通知が行われる(S202)。ここまでは、図8における処理と同じである。
図9では、駐車場管理サーバ100において、駐車場管理テーブル106が参照され、駐車場における各車室のいずれかの車室状態が“予約中”であると判断される場合には、そのような車室状態である駐車場に対するキャンセル待ち確認が携帯端末400bに送信される(S203)。なお、車室状態が“駐車中”または“不正駐車”などの“予約中”以外の状態である駐車場に対しては、キャンセル待ち確認は行われない。すなわち、キャンセル待ち確認には、駐車場を列挙してどの駐車場に対するキャンセル待ちを行なうかの確認リストを提示するが、“予約中”以外の状態の駐車場については、確認リストには列挙されない。
そして、携帯端末400bにおいて、駐車場IDを指定して、キャンセル待ちの依頼が行われると(S204)、駐車場管理サーバ100において、その依頼が受け付けられ、予約受付部103により、利用者管理テーブル105の携帯端末400bの利用者ID:02の利用者状態は“キャンセル待ち”に変更される(S151)。そして、予約受付部103により、キャンセル待ち完了通知が、携帯端末400bに送信される(S205)。
その後、駐車場管理サーバ100において、携帯端末400a(利用者ID:01)から、キャンセル依頼が受け付けられると(S152)、予約受付部103により、利用者ID:01が利用者IDとして登録されている車室IDが探索される。そして、その車室IDに、キャンセル待ちフラグが対応付けられていると、その車室状態は、変更されることなく、“駐車中”状態が継続されるとともに、キャンセル待ちIDで特定されている利用者IDが抽出される。そして、利用者管理テーブル105における、抽出された利用者IDの利用者状態は“キャンセル待ち”から“仮予約”の状態に変更される(S153)。また、駐車場管理テーブル106においては、その車室IDの利用者IDが消去される。
利用者管理テーブル105の更新処理後、駐車場管理サーバ100において、携帯端末400aに対しては、キャンセル完了通知が送信される(S154)。一方、携帯端末400bに対しては、キャンセル待ちに対する予約確認が送信される(S206)。携帯端末400bにおいては、その利用者の操作によって、駐車場IDを指定して予約依頼が行われる(S207)。
駐車場管理サーバ100において、駐車場IDが指定された予約依頼が行われると、その利用者管理テーブル105において、利用者ID:02の利用者状態が“仮予約”から“予約中”に変更される(S155)。また、駐車場管理テーブル106のその車室IDの利用者IDがID:02に変更される。そして、予約通知が携帯端末400bに送信される(S208)。
このようにして、予約に対するキャンセル待ちを可能にすることで、使いやすい駐車場管理システムを提供することができる。
つぎに、本実施形態の駐車場管理システムの作用効果について説明する。本実施形態の駐車場管理サーバ100において、チェックイン処理部104が、車両の利用者(携帯端末400)から、利用者IDおよび駐車の申し込みであるチェックイン処理を受け付けると、課金処理部102は、その利用者IDに対して課金処理を行なう。
課金処理は、以下の処理をもって行われる。チェックイン処理部104により、利用者管理テーブル105にチェックン時間が記述され、センサ装置300から出庫の検知を受けると、チェックイン処理部104によりチェックアウト時間が利用者管理テーブル105に記述される。そして、チェックイン時間とチェックアウト時間に基づいて駐車時間が計算され、その駐車時間に対して課金処理が行われる。課金処理は、利用者管理テーブル105に記述されているクレジットカード番号に基づいて行われる。
チェックイン処理部104が、駐車の申し込みを受け付けられることなく、センサ装置300から駐車有りの通知を受けると、当該駐車場に駐車した車両は不正駐車であることの通知を行なう。この通知処理は、GW装置200を介して、駐車場に配置されているアラーム装置に対して行ってもよいし、駐車場を管理監督する管理者(携帯端末や管理センター等)に通知するようにしてもよい。
これにより、不正な駐車を、その出庫を待つことなく特定することができる。よって、不正駐車をした者に逃げられることなく、事前に違反金の徴収等を可能にすることができる。
また、本実施形態においては、カメラ370を駐車場に配置しておき、チェックイン処理部104からの指示に従って、不正駐車が存在する旨が通知されると、対応する車室に駐車される車両の識別情報を取得する。そして、取得された識別情報を駐車場管理サーバ100に通知してもらうことで、不正利用者の車両を特定することができる。