JP2017198265A - 等速ジョイント及び等速ジョイントの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】組付け作業の簡素化を図ることができる等速ジョイント及び等速ジョイントの製造方法を提供すること。【解決手段】等速ジョイント100は、軸方向へ延びる外側転動溝11及び周方向へ延びる内周溝12を有する外側ジョイント部材10と、軸方向へ延びる内側転動溝31を有する内側ジョイント部材30と、外側転動溝11と内側転動溝31との間に配置されるボール40と、内周溝12に装着される弾性変形可能な止め輪20と、を備える。止め輪20と内周溝12との間には隙間Sが形成され、止め輪20の内周側部分は、外側転動溝11から径方向内方へ突出し、外側ジョイント部材10の開口側から押圧された場合には止め輪20の内周側部分が内周溝12に収容される一方、外側ジョイント部材10の奥側から押圧された場合には止め輪20の内周側部分が外側転動溝11から突出した状態が維持される。【選択図】図2A
Description
本発明は、等速ジョイント及び等速ジョイントの製造方法に関する。
ジョイント中心を軸方向へ移動可能な等速ジョイントを車体等に取り付ける前の段階において、外側ジョイント部材の内部に挿入された転動体の脱落を防止するための対策が講じられている。特許文献1には、外輪(外側ジョイント部材)の開口端内部にクリップを取り付けることにより、外輪の内部に挿入された案内ローラ(転動体)の脱落を防止する技術が開示されている。
特許文献1に記載の等速ジョイントの製造工程において、クリップは、外輪の内部に転動体を挿入した後に装着される。一般に、転動体は、シャフトが固定されたトリポード部材に組み付けた状態で外輪の内部に挿入されるので、長尺であるシャフトがクリップを装着する際の妨げとなり、等速ジョイントの組付け作業が繁雑となる。
本発明は、組付け作業の簡素化を図ることができる等速ジョイント及び等速ジョイントの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の等速ジョイントは、ジョイント中心を軸方向へ移動可能であって、前記等速ジョイントは、軸方向一方側が開口する筒状に形成され、内周面に軸方向へ延びる外側転動溝及び周方向へ延びる内周溝を有する外側ジョイント部材と、前記外側ジョイント部材の内側に配置され、軸方向へ延びる内側転動溝を外周面に有する内側ジョイント部材と、前記外側転動溝と前記内側転動溝との間に配置される転動体と、前記内周溝に装着される弾性変形可能な止め輪と、を備え、前記止め輪と前記内周溝との間には隙間が形成され、前記止め輪の内周側部分は、前記外側転動溝から径方向内方へ突出し、前記外側ジョイント部材の開口側から押圧された場合には前記止め輪の内周側部分が前記内周溝に収容される一方、前記外側ジョイント部材の奥側から押圧された場合には前記止め輪の内周側部分が前記外側転動溝から突出した状態が維持される。
本発明の等速ジョイントによれば、止め輪と内周溝との間には隙間が形成され、外側ジョイント部材の開口側から押圧された場合に、外側転動溝から径方向内方へ突出する止め輪の内周側部分が内周溝に収容される。よって、外側ジョイント部材に転動体を組み付ける際に、転動体を止め輪よりも外側ジョイント部材の奥側へ挿入することができる。即ち、等速ジョイントの組付け作業において、内周溝に止め輪を装着した後に内側ジョイント部材及び転動体を外側ジョイントに組み付けることができる。
これにより、内側ジョイント部材及び転動体を外側ジョイント部材に挿入した後に止め輪を装着する場合と比べて、止め輪の装着を容易に行うことができるので、等速ジョイントの組付け作業を効率よく行うことができる。
一方、外側ジョイント部材の奥側から押圧された場合には、止め輪の内周側部分が外側転動溝から突出した状態が維持されるので、転動体が外側ジョイント部材の奥側から止め輪を越えて開口側へ転動することを回避できる。よって、外側ジョイント部材に組み付けた転動体が、外側ジョイント部材から脱落することを確実に防止することができる。
以下、本発明に係る等速ジョイント及び等速ジョイントの製造方法を適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、本発明の第一実施形態における等速ジョイント100を用いたプロペラシャフト1の全体構成を説明する。なおここでは、本発明をダブルオフセット型の等速ジョイント(DOJ)に適用する場合について説明するが、ジョイント中心が軸方向へ移動可能な他の等速ジョイントに本発明を適用することも可能である。
<第一実施形態>
(1−1.等速ジョイント100の全体構成)
図1に示すように、等速ジョイント100は、外側ジョイント部材10と、止め輪20と、内側ジョイント部材30と、転動体としての6つのボール40と、保持器50と、を備える。
(1−1.等速ジョイント100の全体構成)
図1に示すように、等速ジョイント100は、外側ジョイント部材10と、止め輪20と、内側ジョイント部材30と、転動体としての6つのボール40と、保持器50と、を備える。
外側ジョイント部材10は、軸方向一方側(図1左側)が開口する筒状に形成される。外側ジョイント部材10の軸方向他方側(図1右側)には、円筒状のチューブ2が溶接や圧着等により固定され、外側ジョイント部材10の内部とチューブ2の内部とが円板状の区画部材3により区画されている。区画部材3は、外側ジョイント部材10の軸方向他方側に圧入され、内側ジョイント部材30によって軸方向他方側への大きな押付力が付与されることにより、区画部材3を外側ジョイント部材10から離脱させることができる。
また、外側ジョイント部材10の内周面には、外側ジョイント部材10の軸方向(図1左右方向)へ延びる6つの外側転動溝11が周方向等間隔に形成される。さらに、外側ジョイント部材10の内周面のうち、外側ジョイント部材10の開口側端部の近傍には、周方向へ延びる内周溝12が形成される。なお、内周溝12の詳細について後述する。
止め輪20は、内周溝12に装着されるC形の金属製スナップリングであり、内周溝12に装着される前における止め輪20の外径は、後述する内周溝12の溝底面13(図2A参照)の内径よりも大きな寸法に設定される。止め輪20は、内周溝12に対し、径方向内方へ圧縮された状態で装着されるので、内周溝12に装着された止め輪20には径方向外方への付勢力を発生する。よって、ボール40に押圧された止め輪20が内周溝12から外れることを防止できる。また、内周溝12に装着された状態における止め輪20の内径が、外側転動溝11の最大内径よりも小さな寸法となるように設定され、内周溝12に装着された止め輪20の一部は、外側転動溝11から径方向内方へ突出する。
内側ジョイント部材30は、円筒状に形成され、内側ジョイント部材30の内周側にはスタブシャフト4が連結される。また、内側ジョイント部材30の外周面には、内側ジョイント部材30の軸方向へ延びる6つの内側転動溝31が周方向等間隔に形成される。
6つのボール40は、6つの外側転動溝11と6つの内側転動溝31との間に1つずつ配置され、各々のボール40は、外側転動溝11及び内側転動溝31に対し、外側ジョイント部材10及び内側ジョイント部材30の軸方向へ転動可能である。また、各々のボール40は、外側転動溝11及び内側転動溝31に対し、外側ジョイント部材10及び内側ジョイント部材30の周方向において係合し、外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材30との間でトルクを伝達する。
保持器50は、筒状に形成される。保持器50の内周面は、内側ジョイント部材30の外周面の球面凸部に倣った球面凹状に形成され、保持器50の外周面は、外側ジョイント部材10の内周面に倣った球面凸状に形成される。保持器50は、外側ジョイント部材10と内側ジョイント部材30との間に配置される。保持器50の外周面の球面中心は、ジョイント中心に対して外側ジョイント部材10の奥側(外側ジョイント部材10の軸方向他方側、図1右側)へオフセットし、保持器50の内周面の球面中心は、ジョイント中心に対して外側ジョイント部材10の開口側(外側ジョイント部材10の軸方向一方側、図1左側)へそれぞれオフセットしている。なお、ジョイント中心に対する保持器50の外周面の球面中心のオフセット量は、ジョイント中心に対する保持器50の内周面の球面中心のオフセット量と同等である。
また、保持器50には、複数の窓部51が周方向等間隔に形成され、各々の窓部51にはボール40が1つずつ嵌め込まれ、保持器50は、6つのボール40を内側ジョイント部材30に対して保持する。
なお、外側ジョイント部材10の開口側は、蛇腹筒状に形成されたブーツ5により閉塞される。ブーツ5は、中心軸線方向へ伸縮可能であって、中心軸線を屈曲可能に形成される。ブーツ5の中心軸線方向一端側(図1左側)は、スタブシャフト4の外周面に対し、小径クランプ部材6により締付固定され、ブーツ5の中心軸線方向他端側(図1右側)は、外側ジョイント部材10の外周面の開口側に対し、大径クランプ部材7により締付固定される。また、区画部材3とブーツ5とにより区画された外側ジョイント部材10の内部領域にはグリースが封入され、その封入されたグリースの漏出を区画部材3及びブーツ5により防止している。
(1−2:内周溝12の形状)
次に、図2Aを参照して、内周溝12の形状について説明する。図2Aに示すように、内周溝12は、内周溝12の底面を形成する溝底面13と、外側ジョイント部材10の開口側(図2A左側)において止め輪20に対向する開口側内壁面14と、外側ジョイント部材10の奥側(図2A右側)において止め輪20に対向する奥側内壁面15と、を備える。
次に、図2Aを参照して、内周溝12の形状について説明する。図2Aに示すように、内周溝12は、内周溝12の底面を形成する溝底面13と、外側ジョイント部材10の開口側(図2A左側)において止め輪20に対向する開口側内壁面14と、外側ジョイント部材10の奥側(図2A右側)において止め輪20に対向する奥側内壁面15と、を備える。
開口側内壁面14は、溝底面13から径方向内方へ延びる平面状に形成される。奥側内壁面15は、溝底面13から径方向内方へ延びる第一奥側内壁面16と、第一奥側内壁面16よりも径方向内側に形成される第二奥側内壁面17とを備える。奥側内壁面15は、段状に形成されており、第二奥側内壁面17は、第一奥側内壁面16よりも開口側内壁面14との対向間距離が大きい。
また、開口側内壁面14と第一奥側内壁面16との対向間距離は、止め輪20の軸方向における厚さ寸法よりも僅かに大きな寸法に設定され、内周溝12に装着された止め輪20の軸方向への変位は、開口側内壁面14及び第一奥側内壁面16により規制される。
一方、開口側内壁面14と第二奥側内壁面17との対向間距離は、開口側内壁面14と第一奥側内壁面16との対向間距離よりも大きく、止め輪20と第二奥側内壁面17との間には隙間Sが形成される。なお、開口側内壁面14と第二奥側内壁面17との対向間距離は、止め輪20を弾性変形させることにより、外側転動溝11から径方向内方へ突出する止め輪20の内周側部分を内周溝12に収容可能となる寸法に設定される。
(1−3:プロペラシャフト1の組付け手順の概要)
次に、図1に戻り、プロペラシャフト1の組付け手順の概要を説明する。まず、内側ジョイント部材30及び保持器50をスタブシャフト4に組み付け、スタブシャフト4の外周面にブーツ5の中心軸線方向一端側を装着した後、保持器50に形成された6つの窓部51にボール40を1つずつ挿入する。その一方、外側ジョイント部材10の軸方向他方側の端部にはチューブ2及び区画部材3を装着し、内周溝12には止め輪20を装着しておく。
次に、図1に戻り、プロペラシャフト1の組付け手順の概要を説明する。まず、内側ジョイント部材30及び保持器50をスタブシャフト4に組み付け、スタブシャフト4の外周面にブーツ5の中心軸線方向一端側を装着した後、保持器50に形成された6つの窓部51にボール40を1つずつ挿入する。その一方、外側ジョイント部材10の軸方向他方側の端部にはチューブ2及び区画部材3を装着し、内周溝12には止め輪20を装着しておく。
次に、各々の窓部51にボール40が挿入された状態を維持しつつ、各々のボール40が外側転動溝11に挿入されるように位相を合わせ、内側ジョイント部材30、ボール40及び保持器50を外側ジョイント部材10の内部に挿入する。
(1−4:内周溝12に装着された止め輪20の変形態様)
次に、図2Aから2Cを参照して、止め輪20の変形態様について説明する。上記したように、内側ジョイント部材30、ボール40及び保持器50は、止め輪20を内周溝12に装着した後に、外側ジョイント部材10の内部に挿入することができる。ボール40が転動する外側転動溝11には、止め輪20の内周側部分が突出しているのに対し、止め輪20は、外側ジョイント部材10の開口側から転動するボール40に止め輪20の内周側部分が押圧されることで弾性変形し、止め輪20の内周側部分が内周溝12に収容される。このときの止め輪20の変形態様について、図2Bを参照しながら説明する。なお、図2B及び図2Cには、ボール40に押圧される前の止め輪20の形状が破線で図示されている。
次に、図2Aから2Cを参照して、止め輪20の変形態様について説明する。上記したように、内側ジョイント部材30、ボール40及び保持器50は、止め輪20を内周溝12に装着した後に、外側ジョイント部材10の内部に挿入することができる。ボール40が転動する外側転動溝11には、止め輪20の内周側部分が突出しているのに対し、止め輪20は、外側ジョイント部材10の開口側から転動するボール40に止め輪20の内周側部分が押圧されることで弾性変形し、止め輪20の内周側部分が内周溝12に収容される。このときの止め輪20の変形態様について、図2Bを参照しながら説明する。なお、図2B及び図2Cには、ボール40に押圧される前の止め輪20の形状が破線で図示されている。
図2Aに示すように、外側ジョイント部材10の奥側(図2B右側)を向く止め輪20の側面は、第二奥側内壁面17との間において、外側転動溝11から径方向内方へ突出する止め輪20の内周側部分を収容可能な隙間Sが形成される。これに対し、外側ジョイント部材10の奥側を向く止め輪20の側面と第一奥側内壁面16との対向間距離は僅かである。
従って、図2Bに示すように、外側ジョイント部材10の開口側(図2B左側)から外側転動溝11を転動するボール40により止め輪20が押圧されると、止め輪20のうち開口側内壁面14と第一奥側内壁面16との間に位置する止め輪20の外周側部分は、第一奥側内壁面16に支持され、外側ジョイント部材10の奥側への弾性変形量が規制される。
一方、止め輪20のうち第一奥側内壁面16よりも径方向内方に位置する部位は、第二奥側内壁面17との間に隙間Sが形成され、外側ジョイント部材10の奥側への弾性変形が許容される。従って、止め輪20のうち第一奥側内壁面16よりも径方向内方に位置する部位は、外側ジョイント部材10の開口側からボール40によって付与される押圧力により、弾性変形しながら外側ジョイント部材10の奥側へ傾倒する。これにより、外側転動溝11から径方向内方へ突出する止め輪20の内周側部分を、内周溝12に収容することができ、外側ジョイント部材10の開口側から転動するボール40を止め輪20よりも奥側へ円滑に挿入することができる。
このように、等速ジョイント100では、内周溝12に止め輪20を装着した状態で、内側ジョイント部材30及びボール40を外側ジョイント部材10に挿入することができる。従って、内側ジョイント部材30及びボール40を外側ジョイント部材10に挿入した後に止め輪20を装着する場合と比べて、止め輪20の装着を容易に行うことができるので、等速ジョイント100の組付け作業を効率よく行うことができる。
なお、止め輪20の断面形状は、径方向における厚さ寸法が止め輪20の軸方向における厚さ寸法よりも大きく形成された略矩形状に形成される。これにより、止め輪20の内周側部分が軸方向から押圧された場合に、止め輪20を弾性変形させやすくすることができる。よって、外側ジョイント部材10にボール40を組み付ける際に、ボール40を外側ジョイント部材10の開口側から止め輪20の奥側へ円滑に挿入することができる。
また、止め輪20の表面硬度は、ボール40の表面硬度よりも低く設定されている。従って、ボール40により止め輪20を押圧する際に、ボール40が損傷することを抑制できる。ここで、なお、プロペラシャフト1(図1参照)を車体等に取り付けた状態では、止め輪20がなくても外側ジョイント部材10に組み付けられたボール40が脱落することはなく、止め輪20は、プロペラシャフト1を車体等に取り付けるまでの間において、ボール40の脱落を防止できればよい。その点において、止め輪20の表面硬度をボール40の表面硬度よりも低くし、ボール40の損傷を抑制することが望ましい。
さらに、止め輪20には、外側ジョイント部材10の開口側を向く面の内周側部分に、軸方向断面において円弧状となる面取り部21が形成される。よって、ボール40が外側ジョイント部材10の開口側から止め輪20を越えて奥側へ挿入される際に、止め輪20との干渉によってボール40が損傷することを防止できる。
一方、図2Cに示すように、外側ジョイント部材10の開口側(図2C左側)を向く止め輪20の側面と開口側内壁面14との対向間距離は僅かであり、止め輪20と開口側内壁面14との間には止め輪20の内周側部分を収容可能なスペースが形成されていない。
従って、外側ジョイント部材10の奥側から転動するボール40に止め輪20が押圧されたとしても、止め輪20の弾性変形量は、開口側内壁面14により規制される。これにより、止め輪20の内周側部分が外側転動溝11から径方向内方へ突出した状態を維持できるので、外側ジョイント部材10の奥側から転動するボール40が止め輪20を越えて外側ジョイント部材10の開口側へ転動することを回避できる。従って、外側ジョイント部材10に組み付けられたボール40が、外側ジョイント部材10から脱落することを確実に防止することができる。
(1−5:止め輪20の製造方法)
ここで、図3A及び図3Bを参照して、止め輪20に製造方法について説明する。図3Aに示すように、止め輪20は、ダイDに配置された円板状の工作物Wに対し、その工作物Wの中心を、円柱状のパンチPで打ち抜くことにより円環状に形成される。
ここで、図3A及び図3Bを参照して、止め輪20に製造方法について説明する。図3Aに示すように、止め輪20は、ダイDに配置された円板状の工作物Wに対し、その工作物Wの中心を、円柱状のパンチPで打ち抜くことにより円環状に形成される。
図3Bに示すように、パンチPで打ち抜かれた後の工作物Wの内周側部分の上面には、円弧状のダレ部が形成される。本実施形態では、こうした打ち抜き加工により形成されるダレ部を、完成品である止め輪20の面取り部21として利用している。よって、打ち抜き加工後の工作物Wの内周側部分に対し、面取り加工を施すことにより面取り部21を形成する場合と比べて、等速ジョイント100を製造する際の作業工数を少なくすることができる。
<2.第二実施形態>
次に、図4Aから図4Cを参照し、第二実施形態について説明する。第一実施形態では、奥側内壁面15が段状に形成される場合について説明したが、第二実施形態では、奥側内壁面215が径方向内方へ向かうにつれて開口側内壁面14との対向間距離が大きくなる傾斜面状に形成される。なお、第二実施形態における等速ジョイント200は、内周溝212の形状が異なる点を除き、第一実施形態における等速ジョイント100と同等の構成を有する。また、上記した第一実施形態と同一の部品には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、図4Aから図4Cを参照し、第二実施形態について説明する。第一実施形態では、奥側内壁面15が段状に形成される場合について説明したが、第二実施形態では、奥側内壁面215が径方向内方へ向かうにつれて開口側内壁面14との対向間距離が大きくなる傾斜面状に形成される。なお、第二実施形態における等速ジョイント200は、内周溝212の形状が異なる点を除き、第一実施形態における等速ジョイント100と同等の構成を有する。また、上記した第一実施形態と同一の部品には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(2−1:内周溝212の形状)
図4Aに示すように、内周溝212は、溝底面13と、開口側内壁面214と、奥側内壁面215とを備える。開口側内壁面214及び奥側内壁面215は、外側ジョイント部材10の軸方向に垂直な面に対し、径方向内方へ向かうにつれて外側ジョイント部材10の開口側端部から離れるように傾斜する傾斜面であり、軸方向断面において直線状に形成される。なお、奥側内壁面215は、開口側内壁面214と比べて、外側ジョイント部材10の軸方向に垂直な面に対する傾斜角度が大きい。
図4Aに示すように、内周溝212は、溝底面13と、開口側内壁面214と、奥側内壁面215とを備える。開口側内壁面214及び奥側内壁面215は、外側ジョイント部材10の軸方向に垂直な面に対し、径方向内方へ向かうにつれて外側ジョイント部材10の開口側端部から離れるように傾斜する傾斜面であり、軸方向断面において直線状に形成される。なお、奥側内壁面215は、開口側内壁面214と比べて、外側ジョイント部材10の軸方向に垂直な面に対する傾斜角度が大きい。
止め輪20が内周溝212に装着された状態において、止め輪20と開口側内壁面214及び奥側内壁面215との間、及び、止め輪20と奥側内壁面215との間には隙間Sが形成される。止め輪20と奥側内壁面215との間に形成される隙間Sは、径方向内方へ向かうにつれて大きくなり、止め輪20と開口側内壁面214との間に形成される隙間Sは、径方向外方へ向かうほど大きくなる。
また、奥側内壁面215の径方向外側端部は、開口側内壁面214の径方向内側端部に対して外側ジョイント部材10の奥側へオフセットした位置に配置されている。なお、奥側内壁面215の径方向外側端部と開口側内壁面214の軸方向におけるオフセット量は、止め輪20の軸方向における厚さ寸法よりも僅かに大きく、止め輪20と、開口側内壁面214の径方向内側端部及び奥側内壁面215の径方向外側端部との間隔は僅かである。これにより、止め輪20は、外側ジョイント部材210の開口側への弾性変形量が規制され、止め輪20の内周側部分が外側ジョイント部材210の開口側へ傾倒することを規制される。
一方、止め輪20は、内周溝212に装着された状態において、奥側内壁面215の径方向内側端部との間隔が、奥側内壁面215の径方向外側端部との間隔よりも広く、開口側内壁面214の径方向外側端部との間隔が、開口側内壁面214の径方向内側端部との間隔よりも広い。これにより、止め輪20は、外側ジョイント部材210の奥側への弾性変形が許容されるので、止め輪20の内周側部分を外側ジョイント部材210の奥側へ傾倒させることができる。
(2−2:内周溝12に装着された止め輪20の変形態様)
図4Bに示すように、外側ジョイント部材210の開口側(図4B左側)から転動するボール40が止め輪20を押圧すると、止め輪20の内周側部分は、外側ジョイント部材210の奥側へ傾倒し、これに追従して止め輪20の外周側部分が外側ジョイント部材210の開口側へ変位する。
図4Bに示すように、外側ジョイント部材210の開口側(図4B左側)から転動するボール40が止め輪20を押圧すると、止め輪20の内周側部分は、外側ジョイント部材210の奥側へ傾倒し、これに追従して止め輪20の外周側部分が外側ジョイント部材210の開口側へ変位する。
ここで、止め輪20は、径方向内方へ圧縮された状態で内周溝212に装着され、止め輪20には径方向外方への付勢力が発生している。よって、止め輪20は、止め輪20の外周側端面と溝底面13との接触を維持しながら、止め輪20の内周側部分が、外側ジョイント部材210の奥側へ押圧されながら、径方向外方へ押し広げられる。これにより、止め輪20の内周側部分を内周溝212に収容することができ、外側ジョイント部材210の開口側から転動するボール40を、止め輪20よりも奥側へ円滑に挿入することができる。
一方、図4Cに示すように、外側ジョイント部材210の奥側から転動するボール40により止め輪20が押圧されたとしても、止め輪20の弾性変形量は、開口側内壁面214の径方向内側端部により規制される。これにより、止め輪20の内周側部分が外側転動溝11から径方向内方へ突出した状態を維持できるので、外側ジョイント部材210の奥側から転動するボール40が止め輪20を越えて外側ジョイント部材210の開口側へ転動することを回避できる。従って、外側ジョイント部材210に組み付けられたボール40が、外側ジョイント部材210から脱落することを確実に防止できる。
<3.第三実施形態>
次に、図5Aから図5Cを参照して、第三実施形態について説明する。第一実施形態及び第二実施形態では、止め輪20の断面形状が略矩形状であるのに対し、第三実施形態では、止め輪320の径方向外側端部が屈曲している。なお、上記した各実施形態と同一の部品には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第三実施形態における等速ジョイント300は、内周溝312及び止め輪320の形状を除き、第一実施形態及び第二実施形態における等速ジョイント100,200と同等の構成を有する。
次に、図5Aから図5Cを参照して、第三実施形態について説明する。第一実施形態及び第二実施形態では、止め輪20の断面形状が略矩形状であるのに対し、第三実施形態では、止め輪320の径方向外側端部が屈曲している。なお、上記した各実施形態と同一の部品には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第三実施形態における等速ジョイント300は、内周溝312及び止め輪320の形状を除き、第一実施形態及び第二実施形態における等速ジョイント100,200と同等の構成を有する。
(3−1:内周溝312及び止め輪320の形状)
図5Aに示すように、内周溝312は、溝底面313と、開口側内壁面14と、奥側内壁面315とを備える。奥側内壁面315は、径方向内方へ向かうにつれて外側ジョイント部材310の開口側端部から離れるように傾斜する傾斜面であり、止め輪320と奥側内壁面315との間には、径方向内方へ向かうにつれて止め輪312との間隔が広くなる隙間Sが形成される。
図5Aに示すように、内周溝312は、溝底面313と、開口側内壁面14と、奥側内壁面315とを備える。奥側内壁面315は、径方向内方へ向かうにつれて外側ジョイント部材310の開口側端部から離れるように傾斜する傾斜面であり、止め輪320と奥側内壁面315との間には、径方向内方へ向かうにつれて止め輪312との間隔が広くなる隙間Sが形成される。
止め輪320は、径方向外側端部が屈曲したC形の金属製スナップリングである。止め輪320は、径方向外側端面を外側ジョイント部材310の開口側(図5A左側)へ向けた状態で内周溝312に装着される。止め輪320の外周側端部の軸方向における長さ寸法は、開口側内壁面14の径方向外側端部と奥側内壁面315の径方向外側端部との間隔よりも僅かに大きく、止め輪320の径方向外側端部は、軸方向への変位量が規制されている。
(3−2:内周溝312に装着された止め輪320の変形態様)
図5Bに示すように、外側ジョイント部材310の開口側(図5B左側)から転動するボール40により止め輪320が押圧されると、止め輪320の内周側部分は、外側ジョイント部材210の奥側へ傾倒し、これに追従して止め輪20の外周側部分が外側ジョイント部材210の開口側へ変位する。その結果、止め輪320は、外周側端面と溝底面313との接触が維持された状態で、止め輪320の内周側部分が、外側ジョイント部材310の奥側へ押圧されながら、径方向外方へ押し広げられる。これにより、止め輪320の内周側部分を内周溝312に収容することができ、外側ジョイント部材310の開口側から転動するボール40を、止め輪320よりも奥側へ円滑に挿入することができる。
図5Bに示すように、外側ジョイント部材310の開口側(図5B左側)から転動するボール40により止め輪320が押圧されると、止め輪320の内周側部分は、外側ジョイント部材210の奥側へ傾倒し、これに追従して止め輪20の外周側部分が外側ジョイント部材210の開口側へ変位する。その結果、止め輪320は、外周側端面と溝底面313との接触が維持された状態で、止め輪320の内周側部分が、外側ジョイント部材310の奥側へ押圧されながら、径方向外方へ押し広げられる。これにより、止め輪320の内周側部分を内周溝312に収容することができ、外側ジョイント部材310の開口側から転動するボール40を、止め輪320よりも奥側へ円滑に挿入することができる。
一方、図5Cに示すように、外側ジョイント部材310の奥側から転動するボール40により止め輪320が押圧され、止め輪320の内周側部分が外側ジョイント部材310の開口側へ傾倒する。しかしながら、止め輪320の内周側部分は、外側ジョイント部材310の開口側への弾性変形量が開口側内壁面14の径方向内側端部により規制される。これにより、止め輪320の内周側部分が外側転動溝11から径方向内方へ突出した状態を維持できるので、外側ジョイント部材310の奥側から転動するボール40が止め輪320を越えて外側ジョイント部材310の開口側へ転動することを回避できる。従って、外側ジョイント部材310に組み付けられたボール40が、外側ジョイント部材310から脱落することを確実に防止できる。
(4.その他)
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。また、上記各実施形態に挙げた数値は一例であり、他の数値を適用することは当然に可能である。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。また、上記各実施形態に挙げた数値は一例であり、他の数値を適用することは当然に可能である。
例えば、上記した内周溝12,212,312や止め輪20,320等の形状は一例であり、内周溝12,212,312をその他の形状としてもよい。例えば、第二実施形態及び第三実施形態において、奥側内壁面215,315が、軸方向断面において直線状となるように形成される場合について説明したが、奥側内壁面215,315が軸方向断面において円弧状となるように形成されていてもよい。また、止め輪20,320が、軸方向断面において、径方向を長径とする楕円状となるように形成されていてもよい。
(5.効果)
ジョイント中心を軸方向へ移動可能な等速ジョイント100,200,300において、等速ジョイント100,200,300は、軸方向一方側が開口する筒状に形成され、軸方向へ延びる外側転動溝11及び周方向へ延びる内周溝12,212,312を内周面に有する外側ジョイント部材10,210,310と、外側ジョイント部材10,210,310の内側に配置され、軸方向へ延びる内側転動溝31を外周面に有する内側ジョイント部材30と、外側転動溝11と内側転動溝31との間に配置される転動体としてのボール40と、内周溝12,212,312に装着される弾性変形可能な止め輪20,320と、を備える。
ジョイント中心を軸方向へ移動可能な等速ジョイント100,200,300において、等速ジョイント100,200,300は、軸方向一方側が開口する筒状に形成され、軸方向へ延びる外側転動溝11及び周方向へ延びる内周溝12,212,312を内周面に有する外側ジョイント部材10,210,310と、外側ジョイント部材10,210,310の内側に配置され、軸方向へ延びる内側転動溝31を外周面に有する内側ジョイント部材30と、外側転動溝11と内側転動溝31との間に配置される転動体としてのボール40と、内周溝12,212,312に装着される弾性変形可能な止め輪20,320と、を備える。
これに加え、等速ジョイント100,200,300は、止め輪20,320と内周溝12,212,312との間には隙間Sが形成され、止め輪20,320の内周側部分は、外側転動溝11から径方向内方へ突出し、外側ジョイント部材10,210,310の開口側から押圧された場合には止め輪20,320の内周側部分が内周溝12,212,312に収容される一方、外側ジョイント部材10,210,310の奥側から押圧された場合には止め輪20,320の内周側部分が外側転動溝11から突出した状態が維持される。
この等速ジョイント100,200,300によれば、止め輪20,320と内周溝12,212,312との間には隙間Sが形成され、外側ジョイント部材10,210,310の開口側から押圧された場合に、外側転動溝11から径方向内方へ突出する止め輪20,320の内周側部分が内周溝12,212,312に収容される。よって、外側ジョイント部材10,210,310に転動体としてのボール40を組み付ける際に、転動体を止め輪20,320よりも外側ジョイント部材10,210,310の奥側へ挿入することができる。即ち、等速ジョイント100,200,300の組付け作業において、内周溝12,212,312に止め輪20,320を装着した後に内側ジョイント部材30及び転動体を外側ジョイント部材10,210,310に組み付けることができる。
従って、内側ジョイント部材30及び転動体を外側ジョイント部材10,210,310に挿入した後に止め輪20,320を装着する場合と比べて、止め輪20,320の装着を容易に行うことができるので、等速ジョイント100,200,300の組付け作業を効率よく行うことができる。
一方、外側ジョイント部材10,210,310の奥側から押圧された場合には、止め輪20,320の内周側部分が外側転動溝11から突出した状態が維持されるので、転動体が外側ジョイント部材10,210,310の奥側から止め輪20,320を越えて開口側へ転動することを防止できる。これにより、外側ジョイント部材10,210,310に組み付けた転動体が、外側ジョイント部材10,210,310から脱落することを確実に防止することができる。
上記した等速ジョイント100,200,300において、内周溝12,212,312は、外側ジョイント部材10,210,310の開口側において止め輪20,320に対向する開口側内壁面14,214と、外側ジョイント部材10,210,310の奥側において止め輪20,320に対向する奥側内壁面15,215,315と、を備える。隙間Sは、少なくとも奥側内壁面15,215,315と止め輪20,320との間に形成され、開口側内壁面14,214は、外側ジョイント部材10,210,310の開口側から止め輪20,320を支持し、止め輪20,320の弾性変形量を規制する。
この等速ジョイント100,200,300によれば、少なくとも奥側内壁面15,215,315と止め輪20,320との間には隙間Sが形成される。よって、止め輪20,320が外側ジョイント部材10,210,310の開口側から押圧された場合に、止め輪20,320の内周側部分を内周溝12,212,312に確実に収容することができる。
一方、開口側内壁面14,214は、外側ジョイント部材10,210,310の開口側から止め輪20,320を支持し、止め輪20,320の弾性変形量を規制する。よって、止め輪20,320が外側ジョイント部材10,210,310の奥側から押圧された場合に、止め輪20,320の内周側部分が外側転動溝11から突出した状態を確実に維持することができる。
上記した等速ジョイント100において、奥側内壁面15は、外側ジョイント部材10の奥側から止め輪20の外周側部分を支持し、止め輪20の外周側部分の弾性変形量を規制する第一奥側内壁面16と、第一奥側内壁面16よりも径方向内側に位置し、第一奥側内壁面16よりも開口側内壁面14との対向間距離を大きくすることにより、止め輪との間に隙間Sを形成する第二奥側内壁面17と、を備える。
この等速ジョイント100によれば、止め輪20のうち開口側内壁面14と第一奥側内壁面16との間に配置された止め輪20の外周側部分は、第一奥側内壁面16に支持され、外側ジョイント部材10の奥側への弾性変形量が規制される。一方、止め輪20のうち第一奥側内壁面16よりも径方向内方に位置する部位は、第二奥側内壁面17との間に隙間Sが形成され、外側ジョイント部材10の奥側への弾性変形が許容される。
従って、止め輪20のうち第一奥側内壁面16よりも径方向内方に位置する部位は、ボール40により外側ジョイント部材10の開口側から付与される押圧力により、弾性変形しながら外側ジョイント部材10の奥側へ傾倒する。これにより、外側転動溝11から径方向内方へ突出する止め輪20の内周側部分を、内周溝12に確実に収容することができる。
上記した等速ジョイント200,300において、奥側内壁面215,315は、径方向内側へ向かうにつれて止め輪20,320との間隔が広くなるように形成される。この等速ジョイント200,300によれば、止め輪20,320が外側ジョイント部材210、310の開口側から押圧されると、止め輪20,320の内周側部分が外側ジョイント部材210,310の奥側へ傾倒し、これに伴って止め輪20,320の内周側部分は、外側ジョイント部材210,310の奥側へ押圧されながら、径方向外方へ押し広げられる。よって、止め輪20,320の内周側部分を内周溝212,312に収容することができるので、外側ジョイント部材210に.310の開口側から転動する転動体としてのボール40を止め輪20,320よりも奥側へ円滑に挿入することができる。
上記した等速ジョイント100,200,300において、止め輪20,320の径方向における厚さ寸法は、止め輪20,320の軸方向における厚さ寸法よりも大きい。この等速ジョイント100,200,300によれば、止め輪20,320の内周側部分が軸方向から押圧された場合に、止め輪20,320を弾性変形させやすくすることができる。これにより、外側ジョイント部材10,210,310に転動体としてのボール40を組み付ける際に、ボール40を外側ジョイント部材10,210,310の開口側から止め輪20,320の奥側へ円滑に挿入することができる。
上記した等速ジョイント100,200,300において、止め輪20,320の表面硬度は、転動体としてのボール40の表面硬度よりも低い。この等速ジョイント100,200,300によれば、転動体としてのボール40により止め輪20,320を押圧する際に、ボール40が損傷することを抑制できる。
上記した等速ジョイント100,200,300において、止め輪20,320の外径は、内周溝12,212,312に装着されていない状態において、内周溝12,212,312の溝底面の内径よりも大きい。この等速ジョイント100,200,300によれば、内周溝12,212,312に対し、止め輪20,320が径方向内方へ圧縮された状態で装着されるので、転動体としてのボール40に押圧された止め輪20,320が内周溝12、212,312から外れることを防止できる。
上記した等速ジョイント100,200,300において、止め輪20,320には、外側ジョイント部材10,210,310の開口側を向く面の内周側部分に、軸方向断面において円弧状となる面取り部21が形成される。この等速ジョイント100,200,300によれば、転動体としてのボール40が外側ジョイント部材10,210,310の開口側から止め輪20,320を越えて奥側へ挿入される際に、止め輪20,320との干渉によって転動体が損傷することを防止できる。
上記した等速ジョイント100,200,300の製造方法であって、止め輪20,320は、金属からなる円板状の工作物Wに対し、打ち抜き加工を施すことで円環状に形成され、面取り部21は、前記打ち抜き加工により止め輪20,320の内周側部分に形成されるダレ部である。
この等速ジョイント100,200,300の製造方法によれば、工作物Wに打ち抜き加工を施して止め輪20,320を形成する際に、止め輪20,320の内周側部分に形成されるダレ部を面取り部21として利用する。よって、打ち抜き加工後において止め輪20,320の内周側部分に面取り加工を施すことにより面取り部21を形成する場合と比べて、等速ジョイント100,200,300を製造する際の作業工数を少なくすることができる。
10,210,310:外側ジョイント部材、 11:外側転動溝、 12,212,312:内周溝、 14,214:開口側内壁面、 15,215,315:奥側内壁面、 16:第一奥側内壁面、 17:第二奥側内壁面、 20,320:止め輪、 21:面取り部、 30:内側ジョイント部材、 31:内側転動溝、 40:ボール(転動体)、 100,200,300:等速ジョイント、 S:隙間、 W:工作物
Claims (9)
- ジョイント中心を軸方向へ移動可能な等速ジョイントにおいて、
前記等速ジョイントは、
軸方向一方側が開口する筒状に形成され、内周面に軸方向へ延びる外側転動溝及び周方向へ延びる内周溝を有する外側ジョイント部材と、
前記外側ジョイント部材の内側に配置され、軸方向へ延びる内側転動溝を外周面に有する内側ジョイント部材と、
前記外側転動溝と前記内側転動溝との間に配置される転動体と、
前記内周溝に装着される弾性変形可能な止め輪と、を備え、
前記止め輪と前記内周溝との間には隙間が形成され、
前記止め輪の内周側部分は、前記外側転動溝から径方向内方へ突出し、前記外側ジョイント部材の開口側から押圧された場合には前記止め輪の内周側部分が前記内周溝に収容される一方、前記外側ジョイント部材の奥側から押圧された場合には前記止め輪の内周側部分が前記外側転動溝から突出した状態が維持される、等速ジョイント。 - 前記内周溝は、
前記外側ジョイント部材の開口側において、前記止め輪に対向する開口側内壁面と、
前記外側ジョイント部材の奥側において、前記止め輪に対向する奥側内壁面と、を備え、
前記隙間は、少なくとも前記奥側内壁面と前記止め輪との間に形成され、
前記開口側内壁面は、前記外側ジョイント部材の開口側から前記止め輪を支持し、前記止め輪の弾性変形量を規制する、請求項1に記載の等速ジョイント。 - 前記奥側内壁面は、
前記外側ジョイント部材の奥側から前記止め輪の外周側部分を支持し、前記止め輪の外周側部分の弾性変形量を規制する第一奥側内壁面と、
前記第一奥側内壁面よりも径方向内側に位置し、前記第一奥側内壁面よりも前記開口側内壁面との対向間距離を大きくすることにより、前記止め輪との間に前記隙間を形成する第二奥側内壁面と、
を備える、請求項2に記載の等速ジョイント。 - 前記奥側内壁面は、径方向内側へ向かうにつれて前記止め輪との間隔が広くなるように形成される、請求項2に記載の等速ジョイント。
- 前記止め輪の径方向における厚さ寸法は、前記止め輪の軸方向における厚さ寸法よりも大きい、請求項1−4の何れか一項に記載の等速ジョイント。
- 前記止め輪の表面硬度は、前記転動体の表面硬度よりも低い、請求項1−5の何れか一項に記載の等速ジョイント。
- 前記止め輪の外径は、前記内周溝に装着されていない状態において、前記内周溝の溝底面の内径よりも大きい、請求項1−6の何れか一項に記載の等速ジョイント。
- 前記止め輪には、前記外側ジョイント部材の開口側を向く面の内周側部分に、軸方向断面において円弧状となる面取り部が形成される、請求項1−7の何れか一項に記載の等速ジョイント。
- 請求項8に記載の等速ジョイントの製造方法であって、
前記止め輪は、金属からなる円板状の工作物に対し、板状の金属材料に打ち抜き加工を施すことにより円環状に形成され、
前記面取り部は、前記打ち抜き加工において前記止め輪の内側部分を打ち抜く際に形成されたダレ部である、等速ジョイントの製造方法。
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