以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な具体例であって、種々の好ましい技術を開示しているが、本発明の技術範囲はこれらの態様に限定されるものではない。
本発明の実施形態による駐車場管理システム1について説明する。図1は、本実施形態による駐車場管理システム1を示している。図2は、駐車場管理システム1におけるフラップ装置5を示している。図3は、駐車場管理システム1におけるフラップ装置5及び精算機6の内部構成を示している。図4は、駐車場管理システム1のフラップ装置5で撮像された撮像画像の記憶処理及び記録処理の流れを示している。図5〜図7は、駐車場管理システム1における精算機6の表示器40で表示される画面の例を示している。
駐車場管理システム1において、駐車場2には、図1に示すように、複数の駐車スペース3が設けられ、1つの駐車スペース3に1台の車両を駐車することができる。複数の駐車スペース3は、それぞれ異なる駐車スペース番号等の識別情報で識別される。各駐車スペース3には、車両の駐車を駐車スペース3内に規制する車止め4が設けられる。以下の説明において、前方とは駐車スペース3からの車両の出車方向を示し、後方とは駐車スペース3への車両の入車方向を示す。また、以下の説明において、左右の向きは、駐車スペース3からの車両の出車方向(前方向)を見たときの左右方向を示す。
駐車場管理システム1は、複数のフラップ装置5及び精算機6を備え、各フラップ装置5を各駐車スペース3に設けることで、駐車場2はフラップ式の駐車場として構成される。駐車場管理システム1において、精算機6は、所定のネットワークを介して遠隔の管理装置7(図3参照)と通信可能に接続されていてもよい。
先ず、フラップ装置5について説明する。各フラップ装置5は、各駐車スペース3に対応して設けられていて、以下の説明では、駐車スペース3とはフラップ装置5に対応する駐車スペース3を示す。フラップ装置5は、図1及び図2に示すように、フラップ板10、本体ケース11及びカメラ12(撮像部)(図3参照)の窓部13を備える。本実施形態において、フラップ装置5を備えた駐車スペース3では、様々なイベントが発生し、例えば、駐車スペース3への車両の入庫を検出する入庫イベント、駐車スペース3からの車両の出庫を検出する出庫イベント、フラップ装置5のフラップ板10に生じた異常を検出する異常イベントが発生する。
フラップ板10は、駐車スペース3における入車方向及び出車方向と交差する方向(左右方向)へと延びる板状部材である。フラップ板10は、駐車スペース3上で入車又は出車する車両のタイヤの通過位置に設けられる。また、フラップ板10は、前端の回動軸10aを介して本体ケース11に回動可能に取り付けられ、回動することで起立又は横臥する。横臥状態のフラップ板10は、駐車スペース3における車両の入出車(入庫及び出庫)を許容し、また、起立状態のフラップ板10は、駐車スペース3に駐車された車両の出庫を規制する。なお、横臥状態のフラップ板10は、回動軸10aが設けられる前端よりも後端が低く路面に近くなるように傾斜していて、フラップ板10の前側には、スロープ14が固定されている。スロープ14は、左右方向にフラップ板10と同じ長さの板状部材であり、後端がフラップ板10の前端と同じ高さに設けられ、後端よりも前端が低く路面に近くなるように傾斜していている。
本体ケース11は、駐車スペース3の側部(例えば、右端)に設けられ、フラップ板10及びスロープ14は、本体ケース11から駐車スペース3の中央側に向かって、例えば、本体ケース11の左側部から更に左側へと延びるように設けられる。本体ケース11は、フラップ板10側(左側)に向かって下方に傾斜する傾斜面11aを上面に有し、本体ケース11の傾斜面11aは、略中央に開口した窓部13を有する。
カメラ12(図3参照)は、CCDやCMOS等の撮像装置で構成され、フラップ板10の起立状態及び横臥状態を含む撮像範囲を撮像した撮像画像を撮像時の時刻情報(タイムコード)と共に精算機6へと出力する。例えば、カメラ12は、精算機6の切替変換部60と無線又は有線を介して(外部通信部24を介することなく)直接的に接続されて撮像信号を出力するとよい。カメラ12は、撮像時の撮像日時や撮像時刻を示す文字をリアルタイムに埋め込んで撮像画像を生成することもできる。なお、カメラ12は、動画の撮像画像を出力することが好ましいが、連続静止画の撮像画像を出力してもよい。
また、記憶装置、照明装置、通信機能(無線LAN等)を備えたカメラ12を使用しても良い。これにより、撮影されて連続静止画として記憶された証拠画像をカメラ12から精算機6に直接、取り込むことができ、よりシンプルな構成にできる。
カメラ12は、本体ケース11の内部に取り付けられ、本体ケース11の傾斜面11aに開口された窓部13を介して得られる撮像範囲を撮像する。このカメラ12は、車両が駐車スペース3に入出車する様子の遠景から、フラップ板10が動作する様子(横臥状態から起立状態へと移行する動作や、起立状態から横臥状態へと移行する動作等)の近景までの広い撮像範囲を撮像することができる。更に、カメラ12は、このように近景から遠景までの広い撮像範囲を、本体ケース11の窓部13を介して撮像するために、広角レンズや魚眼レンズ等が装着される。
また、フラップ装置5の内部には、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)20及びメモリ21を備えてフラップ装置5を統括制御する制御部が設けられ、CPU20及びメモリ21はバス22を介して接続されている。メモリ21は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、フラッシュメモリ等からなり、当該フラップ装置5を制御するためのプログラムやデータが格納される。CPU20は、メモリ21に格納されたプログラムやデータを読み取り、このプログラムを実行することにより、当該フラップ装置5を制御する。バス22は、更にインタフェース23に接続されていて、CPU20及びメモリ21は、バス22及びインタフェース23を介して、上記のカメラ12に接続される。
更に、フラップ装置5は、バス22及びインタフェース23を介してCPU20及びメモリ21と接続される外部通信部24、フラップ板駆動部25(駆動部)、車両感知器26(車両感知部)、フラップ板センサ27、衝撃センサ28(異常検出部)、人感センサ29、照明装置30、タイマー31等を備える。
メモリ21は、例えば、駐車スペース3の駐車スペース番号等の識別情報を格納している。また、メモリ21は、フラップ装置5の各部の状態や、各部で生成されるデータ、各部に供給されるデータを一時的に記憶することができる。例えば、メモリ21は、フラップ板10の起立状態又は横臥状態を示す状態フラグや、カメラ12で撮像された撮像画像、フラップ板駆動部25に入力される上昇信号や下降信号等の駆動信号、車両感知器26で検出される車両感知信号、衝撃センサ28で検出される衝撃検出信号等のデータをデータ取得時の時刻情報と共に記憶する。更に、メモリ21は、CPU20に実行されるプログラムとして、入庫制御部33、出庫制御部34及びタイミング情報出力部35を格納する。
外部通信部24は、有線や無線を介して精算機6と通信可能に接続され、フラップ装置5と精算機6との間で各種データの通信を行う。
フラップ板駆動部25は、フラップ板10の回動軸10aに接続される駆動モータ等で構成され、本体ケース11に内蔵される。フラップ板駆動部25は、入庫制御部33や精算機6から上昇信号を入力すると、フラップ板10を起立させるように回動させ、また、出庫制御部34や精算機6から下降信号を入力すると、フラップ板10を横臥させるように回動させる。
車両感知器26は、駐車スペース3の駐車位置に入車した車両を感知して感知状態又は非感知状態を示す車両感知信号を出力する。車両感知器26は、例えば、ループコイル式センサや超音波式センサ等の何れのセンサで構成されてもよい。
フラップ板センサ27は、フラップ板10の状態を検出してその検出結果を出力するセンサである。例えば、フラップ板センサ27は、起立状態(上昇位置)まで回動した、或いは、上昇駆動により車両の底部に当って停止したフラップ板10や、横臥状態(下降位置)まで回動したフラップ板10を検出して、起立検出信号や横臥検出信号を出力する。また、フラップ板センサ27は、フラップ板10が駆動中であるか停止中であるかを検出して、駆動検出信号や停止検出信号を出力する。
衝撃センサ28は、フラップ板10への衝撃や振動等の外力に起因する異常を検出して異常検出信号を精算機6へと出力するセンサであって、例えば、圧電セラミックスにより加速度(衝撃)を電気信号に変換するセンサ等で構成される。即ち、衝撃センサ28は、フラップ板10の作動状態の確認や事故発生の検知を可能としている。
また、フラップ装置5の異常を検出する衝撃センサ28以外の他の異常検出部として、フラップ板10が横臥状態でない時に車両感知器26が感知状態から非感知状態に変わった場合も異常と認識し、異常検出信号を精算機6へと出力する異常検出部を備えてもよい。
人感センサ29は、駐車スペース3、フラップ装置5又はカメラ12の撮像範囲の近傍の人を検出して人検出信号を出力するセンサであって、例えば、焦電センサ等で構成される。
照明装置30は、白色光等を発光する撮像照明によって、少なくともカメラ12の撮像範囲を照明して、夜間や曇天等、あるいは屋内等の暗い周囲状況でも、カメラ12による良好な撮像を維持する。照明装置30は、撮像照明を常時点灯してもよいが、通常時は撮像照明を消灯していて、駐車スペース3で発生する各イベント(例えば、入庫イベント、出庫イベント、異常イベント)のイベント期間(例えば、入庫動作期間、出庫動作期間、異常動作期間等)中に撮像照明を点灯するように構成されてもよい。これにより、照明装置30の点灯時間を短くして消費電力を抑えることができる。また、照明装置30は、カメラ12で撮像された撮像画像の明度等の明るさ情報に基づいて、撮像照明の点灯及び消灯を切り替えてもよい。例えば、撮像画像の明度が所定の閾値より高い場合には撮像照明を消灯し、撮像画像の明度が所定の閾値以下の場合には撮像照明を点灯してもよい。
また、照明装置30は、フラップ板10の駆動を運転者や同乗者等の利用者に知らせる駆動報知照明を、フラップ板10の上昇駆動や下降駆動の際に点灯又は点滅させてもよい。これにより、利用者にフラップ板10が駆動中であることを気付かせることができ、フラップ板10駆動中の車両移動を抑止させることができる。また、照明装置30は、例えば、フラップ板10が起立状態であって人感センサ29からの人検出信号により人が検出されている場合に、この駆動報知照明を点灯又は点滅させてもよい。これにより、フラップ板10が起立状態のときに、乗車や荷物積載の回避を促すことができ、フラップ板10の起立状態での乗車や荷物積載に起因する事故を防ぐことができる。なお、フラップ板10が起立状態の期間は長いことが予想されるので、人感センサ29による検出を組み合わせることで、照明装置30の点灯時間を短くして消費電力を抑えることができる。
更に、照明装置30は、駐車スペース3から離れた位置の利用者に対して駐車スペース3の位置を知らせる位置確認照明を、精算機6等から入力される位置確認信号に応じて点灯又は点滅させてもよい。これにより、利用者は、自車を駐車した駐車スペース3が精算操作の対象であることを、精算前に確認することができ、駐車スペース番号の間違え操作等に起因する誤精算を回避することができる。なお、駐車料金の精算完了後に照明装置30を点灯又は点滅させる場合でも、精算完了後、直ぐに誤精算を利用者に気付かせることができ、素早い対応につながる。
照明装置30は、撮像照明、駆動報知照明及び位置確認照明をそれぞれ異なる照明で構成してもよいが、1つの同じ照明で構成してもよい。同じ照明からなる撮像照明、駆動報知照明及び位置確認照明は、単一色の照明で構成されてもよいが、複数色を切替可能な調色照明で構成されてもよい。例えば、調色照明を利用する照明装置30は、撮像照明に通常の発光(白色)を使用し、フラップ板10が上昇中又は下降中の場合の駆動報知照明に赤色を使用し、フラップ板10が起立状態の場合の駆動報知照明に青色を使用し、位置確認照明に赤色と青色の交互点灯を使用する等、様々なパターンで使い分けが可能である。また、調色照明を利用する照明装置30は、シチュエーションに合わせて、他の色の使用や発光強度の切替制御等の様々な組み合わせを適用することもできる。
あるいは、照明装置30が赤外線発光機能を備えると共に、カメラ12が赤外線を感知して撮像を行うように構成されてもよい。これにより、照明装置30が不可視の赤外線を発光するため、強い光で照らしても、運転者の目を眩ませたり、近所からの苦情の原因を発生させたりする等の、周囲への影響を回避することができる。また、照明装置30の発光が運転者の注意をそらす等の運転上の影響を回避して、事故等の危険性を解消し、安全性を高めることができる。
尚、照明装置30は本体11の内部でカメラ12の近傍に配置され、窓部13を介して光を照射するが、図示しない別の窓部を設けたり、本体11から突出させて光照射部を別途設けても良い。更には、これらを組み合わせることも良好である。駐車スペース3とフラップ装置5及び精算機6の配置より、撮像時の照明効果と目視による利用者への明示(注意喚起)効果を踏まえて、適宜選択して配置される。
入庫制御部33は、車両感知器26の車両感知信号に基づいて、駐車スペース3に駐車した車両を所定の入車時間継続して感知したときに、駐車スペース3を駐車状態と判断する。例えば、入庫制御部33は、車両感知器26の車両感知信号を監視していて、車両感知信号が非感知状態から感知状態に変化したときにタイマー31によって時間計測を開始し、感知状態の車両感知信号が所定の入車時間継続するかによって駐車状態か否かを判定する。
また、入庫制御部33は、駐車スペース3の駐車状態を判断すると、フラップ板10の上昇制御を開始し、上昇信号をフラップ板駆動部25へと出力して、フラップ板駆動部25によってフラップ板10を上昇駆動(起立)させる。そして、入庫制御部33は、フラップ板センサ27の検出信号を監視していて、起立検出信号や停止検出信号が出力されたときに、上昇信号の出力を停止し、フラップ板駆動部25によるフラップ板10の上昇駆動を停止する。これにより、入庫制御部33では、フラップ板10の上昇制御が完了し、フラップ板10が起立状態となる。更に、入庫制御部33は、フラップ板10の上昇制御を完了すると、駐車スペース3を入庫状態と判断して、駐車スペース3の識別情報を含む入庫信号を精算機6へと出力する。
出庫制御部34は、駐車スペース3の精算済信号を精算機6から入力したときに、フラップ板10の下降制御を開始し、下降信号をフラップ板駆動部25へと出力して、フラップ板駆動部25によってフラップ板10を下降駆動(横臥)させる。そして、出庫制御部34は、フラップ板センサ27の検出信号を監視していて、横臥検出信号や停止検出信号が出力されたときに、下降信号の出力を停止し、フラップ板駆動部25によるフラップ板10の下降駆動を停止する。これにより、出庫制御部34では、フラップ板10の下降制御が完了し、フラップ板10が横臥状態となる。
また、出庫制御部34は、車両感知器26の車両感知信号に基づいて、フラップ板10を横臥させてから所定の出車時間内に駐車スペース3における車両を感知しなくなったときに、駐車スペース3を出庫状態と判断して、駐車スペース3の識別情報を含む出庫信号を精算機6へと出力する。例えば、出庫制御部34は、車両感知器26の車両感知信号を監視していて、フラップ板センサ27で横臥検出信号や停止検出信号が出力されたときにタイマー31によって時間計測を開始し、所定の出車時間内に車両感知信号が感知状態から非感知状態に変化するかを判定する。
なお、出庫制御部34は、フラップ板10を横臥させてから所定の出車時間を経過しても、車両感知器26の車両感知信号が非感知状態にならない場合には、駐車スペース3を入庫継続状態と判断して、フラップ板10の上昇制御を開始し、上昇信号をフラップ板駆動部25へと出力して、フラップ板駆動部25によってフラップ板10を上昇駆動(起立)させる。そして、出庫制御部34は、駐車スペース3の識別情報を含む入庫継続信号を精算機6へと出力する。
タイミング情報出力部35は、フラップ装置5の各部の動作や、各部で入力又は検出される信号等のタイミング情報を、その動作時刻や、入力又は検出時刻等の時刻情報と共に、精算機6へと出力する。タイミング情報としては、例えば、フラップ板10の起立状態又は横臥状態を示す状態フラグや、フラップ板駆動部25に入力される駆動信号、車両感知器26で検出される感知信号、フラップ板センサ27で検出される検出信号、衝撃センサ28で検出される検出信号、人感センサ29で検出される検出信号、照明装置30の動作情報等がある。タイミング情報出力部35は、カメラ12による撮像画像の出力に合わせて、常時、タイミング情報を出力してもよく、あるいは、タイミング情報が変化したときのみ、タイミング情報を出力してもよい。
なお、本実施形態では、タイミング情報出力部35によってタイミング情報を出力する構成を説明するが、この構成に限定されない。例えば、他の実施形態では、フラップ板駆動部25やフラップ板センサ27がフラップ板10の状態フラグを、フラップ板駆動部25が駆動信号を、車両感知器26が感知信号を、フラップ板センサ27が検出信号を、衝撃センサ28が検出信号を、人感センサ29が検出信号を、照明装置30が動作情報を、それぞれ精算機6へと直接出力してもよい。
次に、精算機6について説明する。精算機6は、複数の駐車スペース3の精算処理を行うと共に複数のフラップ装置5を制御するもので、駐車場2内の所定の駐車スペース3の近傍や駐車場2の出入口の近傍に設置される。本実施形態では、駐車場管理システム1に1台の精算機6が設置されるが、駐車場2が大規模な場合には、駐車場管理システム1に複数の精算機6を設置してもよい。
精算機6は、図1に示すように、表示器40(表示部)、操作キー41、カード挿入口42、紙幣挿入口43、硬貨投入口44、釣銭・領収書取出口45、インターホン46及びスピーカ47等を前面に備える。
表示器40は、例えば、液晶ディスプレイ等からなり、ガイドメッセージ、駐車料金、エラーメッセージ等を含む様々な画面を状況に応じて表示する。また、表示器40は、駐車場2の管理者や係員による操作に応じて、駐車スペース3で発生したイベントのイベント選択画面70(図5参照)や証拠画像画面71(図6及び図7参照)を表示する。イベント選択画面70や証拠画像画面71については後述する。
操作キー41は、精算機6の操作、情報入力等を行うためのもので、例えば、利用者が料金精算時に駐車スペース番号を入力する場合に用いられる。操作キー41は、例えば、テンキー、精算キー、領収書キー、取消キー等の種々のキーを備える。本実施形態では、操作キー41は、表示器40と別個に設けられているが、表示器40がタッチパネルで構成される場合には、表示器40に表示されて構成されてもよい。また、操作キー41は、表示器40にイベント選択画面70や証拠画像画面71を表示させる場合の操作にも用いられる。更に、操作キー41を用いて駐車スペース番号の入力操作が行われたときに、この駐車スペース番号で識別される駐車スペース3に対応するフラップ装置5に対して、照明装置30の位置確認照明を点灯又は点滅させるために、位置確認信号をフラップ装置5へと出力してもよい。
カード挿入口42、紙幣挿入口43及び硬貨投入口44は、利用者が駐車料金を支払うために設けられたもので、釣銭・領収書取出口45は、利用者がお釣りや領収書等を受け取るために設けられたものである。また、カード挿入口42は、駐車料金の支払いの際に、サービス券やクレジットカードの挿入を受け入れるだけでなく、管理者に特有の管理カード等の挿入を受け入れることもできる。
インターホン46及びスピーカ47は、操作キー41の操作時に利用者に対して音声ガイドを出力したり、利用者が遠隔の管理装置7と音声によって通信したりするための機器である。
また、精算機6の内部には、図3に示すように、CPU50及びメモリ51を備えて精算機6を統括制御する制御部が設けられ、CPU50及びメモリ51はバス52を介して接続されている。メモリ51は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等からなり、当該精算機6や他の各装置を制御するためのプログラムやデータが格納される。CPU50は、メモリ51に格納されたプログラムやデータを読み取り、このプログラムを実行することにより、当該精算機6や他の各装置を制御する。バス52は、更にインタフェース53に接続されていて、CPU50及びメモリ51は、バス52及びインタフェース53を介して、上記の表示器40、操作キー41、インターホン46及びスピーカ47に接続される。
更に、精算機6は、バス52及びインタフェース53を介してCPU50及びメモリ51と接続される外部通信部54、カードリーダ55、紙幣リーダ56、コインセレクタ57、硬貨払出装置58、領収書プリンタ59、切替変換部60(変換部)、画像記録装置61(画像記録部)、監視画像記録装置62(監視画像記録部)及びタイマー63等を備える。
メモリ51は、例えば、各駐車スペース3の駐車状況を示すステータスや、各駐車スペース3の識別情報及び入庫時間を含む入庫情報等を記憶する。また、メモリ51は、フラップ装置5で撮像された撮像画像を一時的に記憶・蓄積する画像記憶メモリ65(一時記憶部)を含む。なお、画像記憶メモリ65は、動画及び静止画の何れの撮像形式の撮像画像を記憶してもよく、例えば、画質や撮像条件等の諸条件を鑑みて撮像形式を適宜選択してもよいが、車両とフラップ板10の動きや状態を確認できる画像であればよく、本実施形態では、撮像画像に基づいて得られる静止画としての記憶画像を記憶する例を説明する。
画像記憶メモリ65は、図4に示すように、精算機6が管理する複数のフラップ装置5(カメラ12)のそれぞれに対応する複数のメモリブロック65aを含む。メモリブロック65aには、例えば、10〜20分程度の画像(連続静止画)を記憶・蓄積できる所定の容量が割り当てられるが、必要に応じて画像記憶メモリ65の予備領域を利用することで容量を拡大してもよい。更に、メモリ51は、CPU50に実行されるプログラムとして、精算処理部66、画像処理部67及び画像表示制御部68を格納する。
外部通信部54は、有線や無線を介して複数のフラップ装置5と通信可能に接続され、フラップ装置5と精算機6との間で各種データの通信を行う。
カードリーダ55は、精算時にカード挿入口42から挿入されたサービス券やクレジットカード等や、精算機6の管理操作時にカード挿入口42から挿入された管理カード等を判別してカード情報を読み取るものである。紙幣リーダ56は、精算時に紙幣挿入口43から挿入された紙幣を判別するものであり、コインセレクタ57は、精算時に硬貨投入口44から投入された硬貨を判別するものである。
硬貨払い出し装置58は、精算時につり銭を払い出しするものであり、領収書プリンタ59は精算時に領収書をプリントするものである。払い出しされたつり銭やプリントされた領収書は、釣銭・領収書取出口45を介して取り出される。なお、領収書プリンタ59は、証拠画像画面71で表示される記憶画像やタイミング情報を印刷して出力してもよい。これにより、駐車場2の管理者や係員は、記憶画像の印刷物をその場で証拠物件として残すことができ、更に、トラブルが係争に発展した場合には、その証拠印刷物を警察や保険会社に提示することができる。また、管理者や係員が、その証拠印刷物を日報へ貼り付けて利用することも可能になる。
切替変換部60は、図4に示すように、複数のフラップ装置5のそれぞれのカメラ12に接続されていて、各カメラ12で撮像された撮像画像を入力して、画像記憶メモリ65のメモリブロック65aに記憶すべき記憶画像に変換する。なお、切替変換部60による変換処理や、この記憶画像の画像記憶メモリ65への記憶処理は、画像処理部67に制御されて行われる。切替変換部60は、動画及び連続静止画の何れの撮像画像を入力してもよいが、所定の切替時間(例えば、50ミリ秒)毎に、撮像画像から静止画を抽出して記憶画像に変換する。
例えば、切替変換部60は、信号切替回路を備えていて、複数のフラップ装置5のそれぞれのカメラ12からの撮像画像を、信号切替回路によって所定の切替時間(例えば、50ミリ秒)毎に順に切り替えて出力させる。そして、切替変換部60は、信号切替回路から出力された撮像画像を静止画の記憶画像に変換する。各フラップ装置5の記憶画像は、画像処理部67に制御されて、そのフラップ装置5に対応するメモリブロック65aに自動的に蓄積される。一例として、切替変換部60が、10台のカメラ12から撮像画像を入力していて、変換する撮像画像を50ミリ秒の切替時間毎に切り替える場合には、1台のカメラ12について1秒間に2つの記憶画像を取得することができる。なお、各メモリブロック65aは、複数の記憶画像を記憶できるように構成されていて、例えば、20分間の撮像画像について50ミリ秒毎の記憶画像を記憶する場合には、2×60(秒)×20(分)=2400枚の静止画像を記憶できる。
画像記録装置61は、各駐車スペース3で発生した各イベントのイベント情報として、各フラップ装置5に対応する画像記憶メモリ65から取り出されるそのイベント期間内の一連の記憶画像を記録する。なお、この記憶画像の画像記録装置61への記録処理は、画像処理部67に制御されて行われる。この画像記録装置61では、駐車スペース3やイベントを指定することで、対応する記憶画像及びタイミング情報を読み出すことが可能となる。
画像記録装置61は、上記のイベント情報として、そのイベント期間内の一連の記憶画像を、そのイベントが発生したフラップ装置5又は対応する駐車スペース3と紐付けて記録し、例えば、一連の記憶画像の他に、駐車スペース3の識別情報、イベントの日時や期間、イベントの種類も記録する。また、画像記録装置61は、上記のイベント情報として、各イベントのイベント期間内のタイミング情報も記録し、例えば、「17:30車両感知ON」や「19:20車両感知OFF」のように、変化時刻や変化内容を示す変化時のみのタイミング情報を記録する。
監視画像記録装置62は、駐車場2内の主要な場所、例えば、各駐車スペース3と車両通路及び精算機6周辺を撮像範囲に納めた場内監視カメラ(図示せず)に接続されている。場内監視カメラは、駐車場2内の様子を常時撮影してその監視画像を監視画像記録装置62に出力し、監視画像記録装置62は、その監視画像を時刻情報と共に記録する。例えば、監視画像記録装置62及び場内監視カメラは、撮影フレームレートの少ないタイムラプスビデオで構成される。
精算処理部66は、各駐車スペース3について精算機6側での入車処理及び出車処理を実行する。精算処理部66による入庫処理では、フラップ装置5から駐車スペース3の識別情報を含む入庫信号を入力すると、その入庫信号の入力時刻を取得して、又はフラップ板10の上昇制御完了時の時刻情報を入庫信号から取得して、入庫時刻に設定する。そして、この入庫時刻と駐車スペース3の識別情報とを含む入庫情報をメモリ51に記憶し、また、メモリ51に記憶されたこの駐車スペース3のステータスを入庫中に切り替えて、入庫処理を完了する。
精算処理部66による出庫処理では、運転者や同乗者等の利用者が操作キー41を操作することによって駐車スペース番号を入力して精算処理を開始すると、この駐車スペース番号で識別される駐車スペース3に対応する入庫情報をメモリ51から読み出す。そして、この入庫情報の入庫時刻と現在時刻とに基づいて駐車料金を算出し、必要に応じて各種の割引サービスを適用して、決定した駐車料金を表示器40に表示する。また、利用者が、カード挿入口42や紙幣挿入口43、硬貨投入口44を利用して、表示器40に表示された駐車料金の精算を完了すると、精算処理部66は、その駐車スペース3についてメモリ51に記憶されたステータスを精算済に切り替えると共に、その駐車スペース3に対応するフラップ装置5へと精算済信号を出力する。
精算処理部66からの精算済信号に応じて、フラップ装置5がフラップ板10を下降し、車両出庫の検出により出庫信号を出力した後、精算機6が駐車スペース3の出庫信号をフラップ装置5から入力すると、精算処理部66は、出庫信号に基づいて駐車ログデータを作成してメモリ51に記憶する。更に、精算処理部66は、その駐車スペース3についてメモリ51に記憶されたステータスをクリアして、出庫処理を完了する。なお、精算処理部66は、精算済信号をフラップ装置5に出力した場合でも、フラップ装置5から入庫継続信号を入力したときには、その駐車スペース3についてメモリ51に記憶されたステータスを入庫中に切り替え、その駐車スペース3については精算待ち状態になる。
画像処理部67は、複数のフラップ装置5のそれぞれのカメラ12から得られる撮像画像の記憶や記録を制御する。画像処理部67は、各駐車スペース3で発生したイベントに応じて撮像画像の記憶や記録を制御し、例えば、駐車スペース3の車両感知信号又は精算済信号を入力したときに、その駐車スペース3について入庫イベント又は出庫イベントが発生したと判定し、また、フラップ装置5から異常検出信号を入力したときに、対応する駐車スペース3について異常イベントが発生したと判定する。
なお、本実施形態では、画像処理部67において、車両感知信号が入庫イベントのトリガとなり、精算済信号が出庫イベントのトリガとなり、異常検出信号が異常イベントのトリガとなる例を記載するが、入庫イベントのトリガ、出庫イベントのトリガ、異常イベントのトリガは、これらの信号に限定されず、フラップ板10の駆動信号等の他のタイミング信号に基づいていてもよい。
また、画像処理部67は、駐車スペース3のフラップ装置5から入庫信号又は出庫信号を入力したときに、その駐車スペース3について入庫イベント又は出庫イベントが終了したと判定し、また、異常イベントの発生からタイマー63によって時間計測を開始し、所定の異常イベント時間の経過後に、そのフラップ装置5の異常イベントが終了したと判定する。異常イベント時間は、メモリブロック65aの容量に相当する期間よりも短く、例えば、メモリブロック65aの半分の容量の記憶画像に必要な撮影時間に相当する時間である。
画像処理部67は、撮像画像の記憶処理として、切替変換部60によって各フラップ装置5のカメラ12からの撮像画像を静止画の記憶画像に変換した後、各フラップ装置5に対応するメモリブロック65aにこの記憶画像を蓄積して記憶する。更に、画像処理部67は、各フラップ装置5のタイミング情報出力部35から出力されるタイミング情報や、精算機6で判定されるタイミング情報をメモリ51に記憶し、例えば、「17:30車両感知ON」や「19:20車両感知OFF」のように、変化時刻や変化内容を示す変化時のみのタイミング情報を記憶する。精算機6で判定されるタイミング情報には、例えば、操作キー41による精算操作等がある。精算操作は、精算操作入力から完了までをオンにした信号で示される。
また、画像処理部67は、撮像画像の記憶処理として、各駐車スペース3で発生する各イベントに応じて異なる蓄積処理を行うことができる。例えば、画像処理部67は、イベントが発生していない通常時のフラップ装置5については、切替変換部60から記憶画像が出力される度に、その記憶画像を所定の容量のメモリブロック65aにFIFO(First−In First−Out:先入れ先出し)方式で蓄積する第1蓄積処理を行う。また、画像処理部67は、入庫イベント又は出庫イベントが発生したフラップ装置5については、入庫イベントの入庫動作期間又は出庫イベントの出庫動作期間に相当する容量のメモリブロック65aの先頭から順に切替変換部60から出力される記憶画像を積み上げて蓄積して入庫動作期間内又は出庫イベントの出庫動作期間内の記憶画像を記憶する第2蓄積処理を行う。
また、画像処理部67は、記憶画像の記録処理として、各駐車スペース3で発生するイベント毎の記憶画像を、その駐車スペース3のフラップ装置5に対応するメモリブロック65aから取り出して、駐車スペース3やフラップ装置5と紐付けて(駐車スペース3の識別情報等と共に)画像記録装置61に記録する。このとき、画像処理部67は、各イベントに応じて異なる記録処理を行うことができ、記憶画像と共にイベントに関する情報も画像記録装置61に記録する。
例えば、画像処理部67は、駐車スペース3の入庫イベント又は出庫イベントの終了時には、入庫動作期間内又は出庫動作期間内の一連の記憶画像を、その駐車スペース3のフラップ装置5に対応するメモリブロック65aから取り出して画像記録装置61に記録する第1記録処理を行う。このとき、画像処理部67は、出庫イベント終了(出庫信号入力)に拘らず、出庫イベント発生(精算済信号入力)からタイマー63によって時間計測を開始し、所定の出庫時間の経過後に、そのフラップ装置5の出庫イベントが中止したと判定してよい。
なお、画像処理部67は、入庫イベントが発生した場合(感知状態の車両感知信号を入力した場合)でも、入庫信号を入力する前に非感知状態の車両感知信号を入力して入庫イベントが発生していない状態になると、入庫イベント未発生と判定して、記憶画像の第1記録処理を行わない。また、画像処理部67は、出庫イベントが発生した場合(精算済信号を入力した場合)でも、フラップ装置5から出庫信号を入力せずに入庫継続信号を入力すると、出庫イベント未発生と判定して、記憶画像の第1記録処理を行わない。このとき、画像処理部67は、第2蓄積処理から第1蓄積処理へと切り替わり、積み上げ式で蓄積されたメモリブロック65a内の記憶画像を過去のデータとしてFIFO方式での記憶画像の蓄積処理が続く。
また、画像処理部67は、駐車スペース3で発生した異常イベントの終了時には、異常イベントに係る異常動作期間の一連の記憶画像を、その駐車スペース3のフラップ装置5に対応するメモリブロック65aから取り出して画像記録装置61に記録する第2記録処理を行う。このとき、画像処理部67は、異常イベントの発生前後の時間を含む異常動作期間の一連の記憶画像として、異常イベントの発生前後の異常イベント時間内(例えば、異常イベント時間を10分とすると、異常イベント発生10分前から異常イベント発生10分後まで)の記憶画像(20分間の撮影に相当する記憶画像)をメモリブロック65aから取り出す。
換言すれば、画像処理部67は、入庫イベント又は出庫イベントが発生すると、第1蓄積処理を中止して、改めてメモリブロック65aの先頭から記憶画像を蓄積する第2蓄積処理を開始し、また、入庫イベント又は出庫イベントが終了すると、第2蓄積処理を中止して後述の第1記録処理を行い、再度、第1蓄積処理を開始する。なお、画像処理部67は、入庫イベントの発生後に、非感知状態の車両感知信号等によって入庫イベント未発生を判定すると、第1記録処理を行うことなく、第2蓄積処理から第1蓄積処理へと切り換える。
また、画像処理部67は、異常イベントが発生すると、第1蓄積処理をそのまま継続し、異常イベントが終了すると、第2記録処理を行う。なお、画像処理部67は、上記の入庫イベント又は出庫イベントの発生時には、車両がフラップ板10に接触して衝撃センサ28が反応することがあるが、上記の入庫イベント又は出庫イベントが発生して第2蓄積処理や第1記録処理が行われている場合には、異常イベントが発生した場合(異常検出信号を入力した場合)でも、第2記録処理を行わない。
画像表示制御部68は、駐車場2の管理者や係員による操作に応じて、表示器40にイベント選択画面70(図5参照)や証拠画像画面71(図6及び図7参照)を表示する。例えば、管理者や係員がカード挿入口42から挿入した管理カード等をカードリーダ55が読み取って認証したときや、管理者や係員による操作キー41を介した管理操作を受け付けたときに、精算機6は通常運用モードから証拠画像表示モードに切り替わる。そして、精算機6が証拠画像表示モードで動作する場合、表示器40に表示されるガイダンスやスピーカ47から出力される音声案内等によって、駐車スペース3の選択が促される。ここで、管理者や係員が操作キー41等を操作して駐車スペース3を選択すると、画像表示制御部68は、選択された駐車スペース3についての各イベント情報を画像記録装置61から読み出し、このイベント情報に基づいてイベント選択画面70を表示器40に表示する。
イベント選択画面70には、図5に示すように、選択された駐車スペース3の駐車スペース番号等の識別情報73に加えて、各イベント情報のリスト74が何れかのイベント情報を選択可能に表示される。このリスト74では、各イベント情報のリスト番号、撮像時刻、イベント内容(証拠画像記録の要因、切っ掛け等)が表示される。イベント選択画面70で所定のイベント情報が選択されると、画像表示制御部68は、選択されたイベント情報に基づいて証拠画像画面71を表示器40に表示する。
証拠画像画面71には、図6に示すように、画像表示領域75及びタイミング情報表示領域76が表示される。画像表示領域75では、選択されたイベント情報に含まれる連続静止画である一連の記憶画像が所定の時間間隔で順次切り替えられて表示、再生される。記憶画像には、撮像時の撮像日時や撮像時刻を示す文字が埋め込まれて表示される。
証拠画像画面71のタイミング情報表示領域76には、動画再生バー、車両感知バー、フラップ駆動バー、フラップ衝撃バー、精算操作バーが同じ時間軸で表示され、これらのバーの長さは、選択されたイベント情報の一連の記憶画像の全時間長さに相当する。動画再生バーには、表示中の記憶画像の再生位置が示される。車両感知バーには、選択された駐車スペース3における車両の感知状態又は非感知状態(例えば、車両感知器26の車両感知信号)が示される。フラップ駆動バーには、選択された駐車スペース3のフラップ装置5におけるフラップ板10の状態(例えば、フラップ板駆動部25に入力される上昇信号又は下降信号)が示される。なお、フラップ駆動バーでは、フラップ板10の上昇駆動中と下降駆動中とを、例えば、バー中央から上下に分けて配置したり、異なる色や線種を用いたりすることによって、区別して表示してもよい。フラップ衝撃バーには、選択された駐車スペース3のフラップ装置5におけるフラップ板10の異常状態(例えば、衝撃センサ28で検出される衝撃検出信号)が示される。精算操作バーには、精算機6における精算操作(例えば、精算済信号)が示される。
また、画像表示制御部68は、操作キー41等の操作によって記憶画像の再生の停止、再生、巻き戻し、早送り等の再生操作を受け付け、この再生操作に応じた記憶画像を証拠画像画面71の画像表示領域75に表示することもできる。
更に、画像表示制御部68は、操作キー41等の操作によって二画面表示操作を受け付け、この二画面表示操作に応じて、図7に示すように、監視画像表示領域77を画像表示領域75に並べて証拠画像画面71に表示することもできる。このとき、画像表示制御部68は、選択された駐車スペース3を撮影した監視画像であって、選択されたイベント情報のイベント期間に相当する監視画像を監視画像記録装置62から取得して、画像表示領域75に表示される記憶画像と同じ時系列で同時(連動)再生されるように監視画像表示領域77に表示する。
上述のように、本実施形態によれば、駐車スペース3毎に設けられてこの駐車スペース3に駐車した車両の出庫を規制するフラップ装置5は、駐車スペース3における車両の進入退出方向(前後方向)と交差する方向(左右方向)へと延びるフラップ板10と、フラップ板10を起立及び横臥させるフラップ板駆動部25(駆動部)と、フラップ板10の起立状態及び横臥状態を含む撮像範囲を撮影した撮像画像を出力するカメラ12(撮像部)と、を備える。
このような構成により、本実施形態に係るフラップ装置5では、車両の不正な出庫やフラップ板10との接触による事故が発生した場合や、発生していない事故の申告があった場合でも、フラップ板10周辺の撮像画像を証拠として残すことができる。そのため、その撮像画像を用いることにより、駐車場2の管理者や係員と、車両の運転者や同乗者との間のトラブル発生の原因を確認することができ、このようなトラブルの発生を回避することができる。なお、フラップ装置5とカメラ12とを別個に距離を取って設置した場合には、カメラ12用筐体の設置や配線等でコストが増大し、カメラ12用筐体の設置場所の確保の問題が生じる等のデメリットが生じるが、本実施形態によれば、フラップ装置5とカメラ12とを一体とすることで、上記のようなデメリットが解消され、より手軽で安価に実装することができる。
更に、本実施形態に係るフラップ装置5は、駐車スペース3の側部に設けられる本体ケース11を更に備え、フラップ板10は、本体ケース11から駐車スペース3の中央側へと延びるように取り付けられ、本体ケース11は、フラップ板10側に向かって下方に傾斜する傾斜面11aを上面側に有し、カメラ12は、本体ケース11の傾斜面11aに開口された窓部13を介してフラップ板10を撮像するように、本体ケース11の内部に取り付けられる。
このような構成により、カメラ12よりもフラップ板10側の位置で本体ケース11が低くなるため、カメラ12によるフラップ板10側の撮像範囲を広く取ることができ、フラップ板10(特に手前側)を良好に撮像範囲に納めること事ができる。また、駐車スペース3の車両の進入側(前側)でも、カメラ12から見て本体ケース11が影になるエリアが少なくなり、車両の進入側(前側)の撮像範囲を広く取ることができる。更に、カメラ12の撮像範囲を決める窓部13が傾斜面11aに設けられるため、雨が窓部13に留まり難くなり、また、空き缶等の異物も窓部13に置き難くなるので、カメラ12に対する遮蔽物の影響が小さくなる。
更に、本実施形態に係るフラップ装置5において、カメラ12は、撮像時の撮像時刻を示す文字を埋め込んだ撮像画像を生成する。
このような構成により、撮像画像と撮像時刻とが一体で記録されるため、事故等のトラブルの発生状況を時間経過と共に把握し易くなり、証拠性を高めることができる。
更に、本実施形態に係るフラップ装置5は、カメラ12の撮像範囲を照明する照明装置30を備える。
このような構成により、夜間や曇天等、あるいは屋内等の暗い周囲状況でも、カメラ12による良好な撮像を維持することができる。なお、照明装置30は、カメラ12の撮像のための撮像照明と、フラップ板10の状態の利用者への明示(注意喚起)を併用することもできる。
また、本実施形態によれば、上述のようなフラップ装置5を制御可能な精算機6は、フラップ装置5に対応するメモリブロック65aを有する画像記憶メモリ65(一時記憶部)と、カメラ12から入力した撮像画像を、メモリブロック65aに記憶すべき記憶画像へと変換する切替変換部60(変換部)と、駐車スペース3で発生したイベント毎のイベント情報として、この駐車スペースのフラップ装置5に対応するメモリブロック65aから取り出される記憶画像を記録可能な画像記録装置61(画像記録部)と、記憶画像のメモリブロック65aへの蓄積処理、及びイベント毎の記憶画像の画像記録装置61への記録処理を行う画像処理部67と、を備える。
このような構成により、本実施形態に係る精算機6では、フラップ装置5のカメラ12で撮像した撮像画像を、フラップ装置5毎のメモリブロック65aに記憶するため、撮像画像を適切に管理することができる。また、フラップ装置5毎のメモリブロック65aに記憶された記憶画像を、イベント毎に画像記録装置61に記録するため、フラップ装置5毎及びイベント毎の記憶画像を適切に管理することができる。更に、イベントの発生していない記憶画像については画像記録装置61に記録されないため、画像記録装置61のメモリ使用の無駄を回避することができる。
また、本実施形態に係る精算機6は、画像記録装置61に記録されたイベント毎の記憶画像を表示可能な表示器40(表示部)を更に備える。
このような構成により、駐車場2の管理者や係員は、精算機6を利用して、トラブル発生の原因を示す画像をその場で確認することができる。
更に、本実施形態に係る駐車場管理システム1において、表示器40は、イベントの記憶画像と共にイベントのイベント期間内のフラップ装置5の動作タイミングを示すタイミング情報を表示する。
このような構成により、記憶画像の撮影時のフラップ板10の動作等のタイミング情報を比較表示することができ、トラブル発生原因の解析をより容易にすることができる。なお、タイミング情報は、フラップ板10の起立状態又は横臥状態を示す状態フラグや、フラップ板駆動部25に入力される駆動信号等で示されるフラップ板10の駆動状態だけでなく、車両感知器26で検出される感知信号、フラップ板センサ27で検出される検出信号、衝撃センサ28で検出される検出信号、人感センサ29で検出される検出信号、照明装置30の動作情報、精算機6での精算操作等の情報を含むこともでき、即ち、これらの情報を記憶画像と比較表示することもできる。
更に、本実施形態に係る精算機6は、駐車スペース3及びその周囲を撮影した監視画像を入力して記録する監視画像記録装置62(監視画像記録部)を更に備え、表示器40は、同時刻の記憶画像と監視画像とを並べて表示する。
このような構成により、証拠画像で確認したい事象を監視画像のマクロな視点からみることができ、人と車両の動きを同時に確認することができる。例えば、料金精算を行わずに出庫しようとした場合等を、車両とフラップ板10との関係を詳細に示す証拠画像と共に、人や車両の動きを示す監視画像と合わせて確認することで、トラブル発生の原因を確実に判定できる。
また、本実施形態によれば、駐車場管理システム1は、上記したようなフラップ装置5と、上記したような精算機6と、を備える。
このような構成により、フラップ装置5で撮像した画像を精算機6で確認することにより、駐車場2の管理者や係員と、車両の運転者や同乗者との間のトラブル発生の原因を確認して、トラブルの発生を回避するシステムを提供することができる。また、フラップ板10の接触事故等のトラブル発生の状況を、その場で確認できるので、当事者が納得し易く、早期解決に寄与することができる。
更に、本実施形態に係る駐車場管理システム1において、精算機6の画像処理部67は、記憶画像をメモリブロック65aに蓄積して記憶する蓄積処理として、通常時には、記憶画像を所定の容量のメモリブロック65aにFIFO方式で蓄積する第1蓄積処理を行い、また、イベントとして入庫イベント又は出庫イベントが発生する場合には、入庫イベントの入庫動作期間内又は出庫イベントの出庫動作期間内の記憶画像を入庫動作期間又は出庫動作期間に相当する容量のメモリブロック65aに先頭から順に積み上げて蓄積する第2蓄積処理を行い、記憶画像を画像記録装置61に記録する記録処理として、入庫イベント又は出庫イベントの終了時には、第2蓄積処理によってメモリブロック65aに蓄積された記憶画像をメモリブロック65aから取り出して画像記録装置61に記録し、また、イベントとしての異常イベントの終了時には、第1蓄積処理によって異常イベントの発生前後の時間を含む異常動作期間内にメモリブロック65aに蓄積された記憶画像をメモリブロック65aから取り出して画像記録装置61に記録する。
このような構成により、2つの蓄積処理及び2つの記録処理を切り替えて使用することができる。メモリブロック65aを2つの蓄積処理で切り替えて共用するため、蓄積処理毎にメモリブロックを確保する必要がなく、メモリ容量を節減することができる。そして、イベントの開始時点を予め想定できる入庫イベントや出庫イベント等の通常イベントについては、そのイベント期間の先頭から記憶画像を記録することができる。また、イベントの開始時点を予め想定できない異常イベント等の例外イベントについては、過去の画像を含めて記憶画像を記録することができる。このように、シチュエーションに合わせて適切な蓄積処理や記録処理を採用することができる。
更に、本実施形態に係る駐車場管理システム1において、精算機6は、駐車スペース3の駐車料金の精算が完了したときに精算済信号を出力する精算処理部66を更に備え、フラップ装置5は、駐車スペース3に駐車した車両を感知すると車両感知信号を出力する車両感知器26(車両感知部)と、車両感知器26から出力された車両感知信号を所定の入車時間継続して感知したときに、フラップ板駆動部25によってフラップ板10を起立させると共に、駐車スペース3の入庫信号を精算機6へと出力する入庫制御部33と、駐車スペース3の精算済信号を精算機6から入力したときに、フラップ板駆動部25によってフラップ板10を横臥させ、また、フラップ板10を横臥させてから所定の出車時間内に、駐車スペース3における車両感知信号を感知しなくなったときに、駐車スペース3の出庫信号を精算機6へと出力する出庫制御部34と、を更に備え、精算機6の画像処理部67は、駐車スペース3の車両感知信号又は精算済信号を入力したときに、入庫イベント又は出庫イベントの発生を判定して、蓄積処理を第2蓄積処理に切り換え、駐車スペース3の入庫信号又は出庫信号を入力したときに、入庫イベント又は出庫イベントの終了を判定して、記録処理を行った後、蓄積処理を第1蓄積処理に戻す。
このような構成により、駐車スペース3の車両感知信号を入庫イベントの開始時点とし、駐車スペース3の入庫信号を入庫イベントの終了時点とするため、車両の駐車スペース3への入庫動作について撮影された画像を漏れなく記録することができる。また、駐車スペース3の精算済信号を出庫イベントの開始時点とし、駐車スペース3の出庫信号を出庫イベントの終了時点とするため、車両の駐車スペース3への出庫動作について撮影された画像を漏れなく記録することができる。これにより、トラブル発生時の画像を確実に記録することができる。
更に、本実施形態に係る駐車場管理システム1において、フラップ装置5は、このフラップ装置5の異常を検出して、異常検出信号を出力する衝撃センサ28等の異常検出部を更に備え、精算機6の画像処理部67は、異常検出信号を入力したときに、異常イベントの発生を判定し、異常イベントの発生から、メモリブロック65aの容量に相当する期間よりも短い所定の異常イベント時間の経過後に、異常イベントの終了を判定して、異常イベントの発生前後の所定の異常イベント時間内を前記異常動作期間として第1蓄積処理で蓄積された記憶画像について第2記録処理を行う。
このような構成により、異常イベントの発生前の記憶画像もメモリブロック65aに蓄積されているため、異常イベントの発生前後に撮影された画像を漏れなく記録することができる。これにより、トラブル発生時の画像を確実に記録することができる。
なお、本実施形態では、車両感知器26によって駐車スペース3に駐車された車両を感知して感知状態又は非感知状態の車両感知信号を出力する構成を説明したが、この構成に限定されない。例えば、他の実施形態では、精算機6が、フラップ装置5のカメラ12から出力される撮像信号、又は切替変換部60から出力される記憶画像に基づいて、駐車スペース3に駐車された車両を検出し、その検出結果から車両感知信号を生成する車両検出部(図示せず)を備えてもよい。車両検出部は、例えば、メモリ51に記憶されてCPU50によって実行されるプログラムで構成され、車両のない基準画像を予め記憶していて、撮像画像又は記憶画像と基準画像との差分を評価することで、車両有無を判定する。
このように、駐車場管理システム1における精算機6は、カメラ12から入力した撮像画像に基づいて駐車スペース3に駐車した車両を感知して車両感知信号をフラップ装置5へと出力する。
このような構成により、駐車スペース3毎に専用の車両感知装置を不要とし、コストを抑えることができる。
なお、本実施形態では、駐車場2の管理者や係員が精算機6の操作キー41等を操作して、画像記録装置61に記録された各イベントの記憶画像を表示器40に表示させる構成を説明したが、この構成に限定されない。例えば、他の実施形態では、精算機6は、外部の管理装置7からの遠隔操作に応じて、各イベントの記憶画像を表示器40に表示させたり、管理装置7へと出力させたりするように構成される。
精算機6は、例えば、事故等のトラブル発生時に、運転者等の利用者による非常ボタン等の操作を受け付けると、外部通信部54を介して管理装置7との広域通信を確立させる。そして、利用者は、精算機6のインターホン46及びスピーカ47を利用して、管理装置7側のサポート担当者と音声通信によって連絡を取り合うことができる。サポート担当者は、利用者から駐車場2の名称や駐車スペース番号等の情報を聞き取り、管理装置7にこれらの情報を入力して、対象となる精算機6を特定する。更に、管理装置7によって、広域通信を介して対象の精算機6を遠隔操作して、精算機6を通常運用モードから証拠画像表示モードに切り替える。
このとき、精算機6の画像記録装置61に記録された各フラップ装置5のイベントのリストが、広域通信によって精算機6から管理装置7へと出力される。そして、管理装置7側の表示装置(図示せず)及び精算機6の表示器40の両方に、イベント選択画面70が表示される。サポート担当者は、精算機6側の利用者と音声通信によって、事故の内容を聞き取りながら、トラブル対象のイベントを管理装置7側のイベント選択画面70で選択すると、そのイベントの記憶画像やタイミング情報が広域通信によって精算機6から管理装置7へと出力される。そして、管理装置7側の表示装置(図示せず)及び精算機6の表示器40の両方に、トラブル対象のイベントについての証拠画像画面71が表示される。これにより、サポート担当者及び利用者が、それぞれ管理装置7及び精算機6を利用して記憶画像の再生を同時に見ながら、双方で事故の状況を確認することができる。
このように、駐車場管理システム1において、精算機6は、所定のネットワークを介して外部の管理装置7と通信可能に接続され、管理装置7からの操作に応じて、画像記録装置61に記録されたイベント毎の記憶画像を表示器40に表示する。
このような構成により、管理装置7からの遠隔操作によって、精算機6を利用する管理者や同乗者に対して、精算機6の表示器40にイベント毎の記憶画像を表示するので、無人管理の駐車場2でもトラブル発生の原因を示す画像をその場で確認することができる。
このように、本発明のフラップ装置5、精算機6及び駐車場管理システム1によれば、車両やフラップ装置5の事故原因を特定して、駐車場2の管理者と車両の運転者との間のトラブルを回避することができる。また、事故発生時に、その場で管理者や運転者に証拠を提示して、トラブル発生の状況を確認できるので、当事者が納得し易く、早期解決に寄与することができる。
例えば、駐車車両とフラップ装置5との衝突、接触等の事故には、様々な発生パターンがあるが、本発明のフラップ装置5、精算機6及び駐車場管理システム1によれば、これらの発生パターンを網羅して、証拠画像となる連続静止画を取り逃がさずに提示することができる。事故発生パターンには、例えば、フラップ板10の起立状態で駐車料金を精算せずに意図的にフラップ板10を乗り越える不正出庫するパターンや、駐車料金の精算後、所定時間(例えば、5分のサービスタイム)経過によるフラップ板10の再上昇に気付かずに出庫するパターンがある。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うフラップ装置、精算機及び駐車場管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。