JP2017197660A - アクリル系共重合体、粘着剤組成物および粘着シート - Google Patents

アクリル系共重合体、粘着剤組成物および粘着シート Download PDF

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Abstract

【課題】低極性かつ硬い粘着剤を形成することができ、例えば極性の低い粘着付与樹脂との相溶性に優れるアクリル系共重合体を提供する。【解決手段】下記式(1)に示すアルキルアクリレート(a1)を含むモノマー成分の共重合体である、アクリル系共重合体(A)。【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系共重合体、粘着剤組成物および粘着シートに関する。
アクリル系共重合体は、粘着剤を形成する粘着剤組成物の含有成分として一般的に使用されている。前記用途のアクリル系共重合体では、主モノマーとしてn−ブチルアクリレート(BA)および2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)が一般的に使用されている(例えば特許文献1参照)。Polymer Handbook Fourth Edition(Wiley−Interscience 2003)によれば、BAの単独重合体のTgは−50℃であり、2EHAの単独重合体のTgは−70℃である。
例えば、アクリル系共重合体におけるBA/2EHAの量比を調整することで、粘着剤の硬いまたは柔らかいという物性をある程度の範囲で調整することができる。粘着剤を硬くする場合、BA量を増やす手段が有効である。
また、単独重合体のTgが高い、メチルアクリレート(MA;Tg=8℃)、エチルアクリレート(EA;Tg=−24℃)、tert−ブチルアクリレート(t−BA;Tg=14℃)等のモノマーを共重合することにより、上記物性を調整することができる。しかしながら、単独重合体のTgが高いアルキルアクリレートはアルキル基の炭素数が小さいため、その共重合量を増やすと、アクリル系共重合体の極性が上がる。このため、粘着剤を硬くしつつ極性の上昇を防ぐことは困難であった。
アクリル系共重合体の極性が上がることによる問題点としては、例えば、ロジン系、テルペン系、石油系等の極性の低い粘着付与樹脂と、(上記原因により極性の高い)アクリル系共重合体との相溶性が低下する、粘着剤の比誘電率が上昇する、低極性被着体に対する密着性が低下する、水蒸気バリア性が低下する等が挙げられる。
特開2015−183178号公報
本発明の課題は、低極性かつ硬い粘着剤を形成することができ、例えば極性の低い粘着付与樹脂との相溶性に優れるアクリル系共重合体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下のアクリル系共重合体によって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、例えば以下の[1]〜[7]である。
[1]下記式(1)に示すアルキルアクリレート(a1)を含むモノマー成分の共重合体である、アクリル系共重合体(A)。
Figure 2017197660
[2]前記モノマー成分が、前記アルキルアクリレート(a1)以外の、式(a2−1)で表される(メタ)アクリレート(a2)、および架橋性基含有モノマー(a3)をさらに含む前記[1]に記載のアクリル系共重合体(A)。
CH2=CR1−COO−(R2O)n3・・・(a2−1)
[式(a2−1)中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2はアルキレン基であり、R3はアルキル基、脂環含有基、アリール基またはアラルキル基であり、nは0以上の整数である。]
[3]前記モノマー成分が、架橋性基含有モノマー(a3)をさらに含む前記[1]に記載のアクリル系共重合体(A)。
[4]示差走査熱量計(DSC)を用いて測定されるガラス転移温度(Tg)が、0℃未満である前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のアクリル系共重合体(A)。
[5]前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のアクリル系共重合体(A)と、硬化剤(B)とを含有する粘着剤組成物。
[6]粘着付与樹脂(C)をさらに含有する前記[5]に記載の粘着剤組成物。
[7]前記[5]または[6]に記載の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シート。
本発明によれば、低極性かつ硬い粘着剤を形成することができ、例えば極性の低い粘着付与樹脂との相溶性に優れるアクリル系共重合体を提供することができ、また、前記共重合体を含有する粘着剤組成物、および前記組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シートを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
なお、本明細書において、「重合体」とは単独重合体および共重合体を包含する意味で用い、また、「重合」とは単独重合および共重合を包含する意味で用いる。
本明細書において、アクリル酸エステルに由来する構成単位を少なくとも有する共重合体を「アクリル系共重合体」といい、前記共重合体において、前記共重合体を形成するために用いられるモノマー成分のうち5質量%以上がアクリル酸エステルであることが好ましい。ここでアクリル酸エステルとしては、例えば、以下に記載するアルキルアクリレート(a1)、式(a2−1)で表される(メタ)アクリレートにおいてR1=水素原子であるアクリレート等のアクリレートが挙げられる。
また、アクリルおよびメタクリルを総称して「(メタ)アクリル」とも記載し、アクリレートおよびメタクリレートを総称して「(メタ)アクリレート」とも記載する。また、モノマーとは、通常は重合性不飽和結合を有する化合物である。
〔アクリル系共重合体(A)〕
本発明のアクリル系共重合体(A)は、以下に説明するアルキルアクリレート(a1)を含むモノマー成分の共重合体である。以下、前記(A)を「共重合体(A)」ともいい、前記(a1)を「モノマー(a1)」ともいう。すなわち共重合体(A)は、モノマー(a1)由来の構成単位を有する。
共重合体(A)を形成するモノマー成分としては、モノマー(a1)のほか、例えば、前記(a1)以外の後述する(メタ)アクリレート(a2)、架橋性基含有モノマー(a3)が挙げられる。以下、これらをそれぞれ「モノマー(a2)」および「モノマー(a3)」ともいう。
《モノマー(a1)》
モノマー(a1)は、下記式(1)に示すアルキルアクリレートである。
Figure 2017197660
モノマー(a1)は、従来公知の方法により合成することができる。
モノマー(a1)の単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、−37℃程度である。
モノマー(a1)の単独重合体のTgは、以下の条件で合成した単独重合体を、以下の条件で測定する。
攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、モノマー(a1)100質量部および酢酸エチル100質量部を仕込み、窒素ガスを導入しながら80℃に昇温する。次いで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を加え、窒素ガス雰囲気下、80℃で6時間重合反応を行う。反応終了後、酢酸エチルにて希釈し、固形分濃度30質量%のモノマー(a1)の単独重合体溶液を調製する。
得られたモノマー(a1)の単独重合体を簡易密閉パンに封入する。示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素気流下、−100℃から200℃まで10℃/分で昇温して熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される特徴的な変曲をガラス転移とする。なお、Tgは、DSC曲線からミッドポイント法によって得た値を使用する。
モノマー(a1)は、炭素数が比較的多いアルキル基を有するアルキルアクリレートであり、かつ炭素数が同程度のアルキル基を有する他のアルキルアクリレートと比較して、高いTgを有する。前記他のアルキルアクリレートとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート(−70℃)、イソオクチルアクリレート(−58℃)、イソノニルアクリレート(−58℃)が挙げられ、ここで括弧内の数値は各モノマーの単独重合体のTgである。モノマー(a1)を共重合することが、共重合体の極性を上げることなく硬い粘着剤を形成することができる点で有効である。したがって、例えば、極性の低い粘着付与樹脂との相溶性に優れる共重合体(A)を得ることができ、よって低極性で誘電率特性や水蒸気バリア性に優れながら、定荷重剥離性に優れた粘着剤を形成できる。
また、単独重合体のTgが高く、炭素数が比較的多いアルキル基を有する、イソオクチルメタクリレート(−45℃)およびイソデシルメタクリレート(−41℃)と比較して、モノマー(a1)は各重合体分子中により均一に取り込まれる傾向にあり、得られる重合体において各重合体分子中の組成がより均一となりやすく、したがって耐久性に優れた粘着剤が得られる。
共重合体(A)を形成するために用いられるモノマー成分100質量%中、モノマー(a1)の量は、通常は5〜98質量%、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは15〜50質量%である。このような態様であると、低極性でありながら硬さを有した粘着剤が得られるため好ましい。
《モノマー(a2)》
上記モノマー成分は、モノマー(a2)をさらに含んでもよい。すなわち共重合体(A)は、モノマー(a2)由来の構成単位をさらに有してもよい。
モノマー(a2)は、式(a2−1)で表される(メタ)アクリレートである。
CH2=CR1−COO−(R2O)n3・・・(a2−1)
1は水素原子またはメチル基であり、R2はアルキレン基であり、R3はアルキル基、脂環含有基、アリール基またはアラルキル基であり、nは0以上の整数である。アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜24、より好ましくは1〜10であり、脂環含有基の炭素数は好ましくは3〜10であり、アリール基の炭素数は好ましくは6〜10であり、アラルキル基の炭素数は好ましくは7〜10である。nは、好ましくは0〜20、より好ましくは0〜4、さらに好ましくは0〜2である。ただし、モノマー(a2)からは、モノマー(a1)に該当するアルキルアクリレートを除く。
式(a2−1)で表される(メタ)アクリレートとしては、例えば、モノマー(a1)以外のアルキル(メタ)アクリレート、脂環含有(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、アラルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリールオキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート;イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂環含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート(単環系脂環含有(メタ)アクリレート)、イソボルニル(メタ)アクリレート等の多環系脂環含有(メタ)アクリレートが挙げられ;アリール(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレートが挙げられ;アラルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−エトキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
アリールオキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、キシリルオキシメチル(メタ)アクリレート、ナフチルオキシメチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
モノマー(a2)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
共重合体(A)を形成するために用いられるモノマー成分100質量%中、モノマー(a1)および(a2)の合計量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは70〜99質量%である。このような態様であると、得られる粘着剤層の粘着力および凝集力が優れるため好ましい。また、モノマー(a2)100質量%のうち、50質量%以上が式(a2−1)中のR1が水素原子のアクリレートであることが好ましく、70質量%以上が前記アクリレートであることがより好ましい。
《モノマー(a3)》
上記モノマー成分は、モノマー(a3)をさらに含むことが好ましい。すなわち共重合体(A)は、モノマー(a3)由来の構成単位をさらに有することが好ましい。
モノマー(a3)は、架橋性基を少なくとも1つ有するモノマーである。共重合体(A)を構成するモノマー成分として、モノマー(a3)を用いることで、後述する架橋剤(B1)によって架橋され得る架橋点を共重合体(A)に導入することができる。
架橋性基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基が挙げられる。
モノマー(a3)としては、例えば、カルボキシル基含有モノマー(a31)、前記(a31)以外の水酸基含有モノマー(a32)が挙げられる。
カルボキシル基含有モノマー(a31)としては、例えば、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノ不飽和脂肪酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のジ不飽和脂肪酸およびその酸無水物が挙げられる。
水酸基含有モノマー(a32)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルシクロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
モノマー(a3)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
共重合体(A)を形成するために用いられるモノマー成分100質量%中、モノマー(a3)の量は、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.3〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜8質量%である。このような態様であると、共重合体(A)と後述する架橋剤(B1)とが反応して適切な架橋構造を形成することができ好ましい。
《その他のモノマー(a4)》
上記モノマー成分は、モノマー(a1)〜(a3)以外のモノマー(a4)をさらに含んでもよい。すなわち共重合体(A)は、モノマー(a4)由来の構成単位をさらに有してもよい。
モノマー(a4)としては、例えば、モノマー(a1)〜(a3)以外の(メタ)アクリルモノマー、ビニル基含有モノマーが挙げられる。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、
グリシジル基またはイソシアネート基含有(メタ)アクリルレート:例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート;
窒素原子含有モノマー:例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、アルキルシアノアクリレート、(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;
が挙げられる。
ビニル基含有モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマーが挙げられる。
モノマー(a4)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
共重合体(A)を形成するために用いられるモノマー成分100質量%中、モノマー(a4)の量は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
《共重合体(A)の物性》
共重合体(A)のTgは、好ましくは0℃未満であり、より好ましくは−70〜−20℃、さらに好ましくは−60〜−30℃である。Tgが前記範囲内にあると、粘着剤層の被着体に対する密着性の観点から好ましい。また、Tgが前記下限値以上であると、粘着剤層の凝集力に優れ、耐久性向上の観点から好ましい。共重合体(A)のTgは、例えば、実施例に記載の方法で示差走査熱量計により測定することができる。
共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5×104〜200×104、より好ましくは20×104〜180×104、さらに好ましくは25×104〜150×104である。Mwが前記範囲内にあると、粘着剤組成物に充分な凝集力が付与されるため高温条件下や高温かつ高湿条件下における耐久性向上の観点から好ましい。
共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは30以下、より好ましくは1.5〜25、さらに好ましくは1.8〜20である。Mw/Mnが前記範囲内にあると、耐久性向上の観点から好ましい。
共重合体(A)の上記分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定し、ポリスチレン換算値である。測定条件の詳細は、実施例に記載する。
《共重合体(A)の製造条件》
共重合体(A)は、上記モノマー成分を共重合することにより製造することができ、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体のいずれでもよい。共重合体(A)は、例えば、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法等の従来公知の重合法により製造することができ、これらの中でも溶液重合法が好ましい。
具体的には、溶液重合法および塊状重合法において、反応容器内にモノマー成分、重合開始剤および必要に応じて連鎖移動剤、重合溶媒等の他の成分を仕込み、反応開始温度を通常は40〜100℃、好ましくは50〜80℃に設定し、通常は50〜90℃、好ましくは60〜90℃の温度に反応系を維持して、2〜20時間反応させる。反応は、例えば、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行う。また、重合反応中に、モノマー成分、重合開始剤、連鎖移動剤および重合溶媒から選択される少なくとも1種を追加添加してもよい。
重合開始剤としては、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物系重合開始剤等の熱重合開始剤が挙げられる。
アゾ系開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)ジヒドレート、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−シアノプロパノール)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物が挙げられる。
過酸化物系重合開始剤としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、カプロイルパーオキシド、ジ−i−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシビバレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンが挙げられる。
また、重合開始剤として後述する[光重合開始剤(D)]の欄に記載した光重合開始剤を用い、紫外線照射等を行う光重合により共重合体(A)を得てもよい。
重合開始剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
共重合体(A)の製造において、重合開始剤の使用量は、前記(A)を形成するために用いられるモノマー成分100質量部に対して、通常は0.001〜5質量部、好ましくは0.005〜3質量部である。
重合溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、フェニルエチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル;クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン等のアミド;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシドが挙げられる。
重合溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
〔粘着剤組成物〕
本発明の粘着剤組成物は、上述したアクリル系共重合体(A)と、硬化剤(B)とを含有し、さらに粘着付与樹脂(C)を含有してもよい。
[アクリル系共重合体(A)]
本発明の粘着剤組成物は、アルキルアクリレート(a1)由来の構成単位を有するアクリル系共重合体(A)を含有することから、低極性でありながら硬さを有した粘着剤層を形成することができる。
本発明の粘着剤組成物は、硬化剤(B)および粘着付与樹脂(C)を除いた固形分100質量%中、アクリル系共重合体(A)を通常は50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上の範囲で含有する。このような態様であると、粘着剤を任意の極性と硬さに調整できるため好ましい。固形分とは、通常は溶媒以外の成分を指す。
[硬化剤(B)]
本発明の粘着剤組成物は、硬化剤(B)を含有する。
硬化剤(B)により、共重合体(A)を架橋する、及び/又は組成物を硬化させることで、架橋体(ネットワークポリマー)及び/又は硬化体を形成することができ、耐熱性に優れた粘着剤層を得ることができる。
本発明の粘着剤組成物は、熱硬化系および活性エネルギー線硬化系のいずれでもよい。
硬化剤(B)の種類は、共重合体(A)に導入され得る架橋性基、および粘着剤組成物の硬化系によって適宜選択される。例えば、アクリル系共重合体(A)が架橋性基を有する場合、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物等の前記架橋性基と反応し得る架橋剤(B1)を用いることができる。また、硬化剤(B)としては、例えば、多官能(メタ)アクリレート(B2)を用いることもできる。
イソシアネート化合物としては、1分子中のイソシアネート基数が2以上のイソシアネート化合物が通常用いられ、好ましくは2〜8であり、より好ましくは3〜6である。イソシアネート基数が前記範囲にあると、共重合体(A)とイソシアネート化合物との架橋反応効率の点、および粘着剤層の柔軟性を保つ点で好ましい。
1分子中のイソシアネート基数が2のジイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートが挙げられる。脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の炭素数4〜30の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。脂環族ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチルジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の炭素数7〜30の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルプロパンジイソシアネート等の炭素数8〜30の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
1分子中のイソシアネート基数が3以上のイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。具体的には、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートが挙げられる。
また、イソシアネート化合物としては、例えば、イソシアネート基数が2または3以上の上記イソシアネート化合物の、多量体(例えば2量体または3量体、ビウレット体、イソシアヌレート体)、誘導体(例えば、多価アルコールと2分子以上のジイソシアネート化合物との付加反応生成物)、重合物が挙げられる。前記誘導体における多価アルコールとしては、低分子量多価アルコールとして、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリトール等の3価以上のアルコールが挙げられ;高分子量多価アルコールとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールが挙げられる。
このようなイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの3量体、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはトリレンジイソシアネートのビウレット体またはイソシアヌレート体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートとの反応生成物(例えばトリレンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートの3分子付加物)、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物(例えばヘキサメチレンジイソシアネートの3分子付加物)、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートが挙げられる。
イソシアネート化合物の中でも、難黄変性の点で、キシリレンジイソシアネート系およびヘキサメチレンジイソシアネート系の架橋剤が好ましく、応力緩和性の観点からトリレンジイソシアネート系の架橋剤が好ましい。キシリレンジイソシアネート系架橋剤としては、例えば、キシリレンジイソシアネートおよびその多量体や誘導体、重合物が挙げられ;ヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびその多量体や誘導体、重合物が挙げられ;トリレンジイソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネートおよびその多量体や誘導体、重合物が挙げられる。
エポキシ化合物としては、分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられ、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N'−ジアミングリシジルアミノメチル)が挙げられる。
金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属に、アルコキシド、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等が配位した化合物が挙げられる。具体的には、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムセカンダリーブチレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネートが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート(B2)としては、例えば、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ,トリ又はポリアルキレングリコール−ジ(メタ)アクリレート;
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールAアルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAアルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール系ジ(メタ)アクリレート;
グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等の3官能以上のポリオールポリ(メタ)アクリレート;
ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート;
が挙げられる。
硬化剤(B)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の粘着剤組成物は、硬化剤(B)を、共重合体(A)100質量部に対して、通常は0.01〜25質量部、好ましくは0.05〜20質量部、より好ましくは0.1〜15質量部の範囲で含有する。
一実施態様において、前記組成物は、架橋剤(B1)を、共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.05〜2.5質量部、さらに好ましくは0.1〜2.0質量部の範囲で含有する。あるいは他の一実施態様において、前記組成物は、多官能(メタ)アクリレート(B2)を、共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.05〜15質量部、さらに好ましくは0.1〜10質量部の範囲で含有する。このような態様であると、適切な架橋度・硬化度を達成し、優れた粘着特性を実現できるため好ましい。
[粘着付与樹脂(C)]
本発明の粘着剤組成物は、粘着付与樹脂(C)を含有することが好ましい。この場合、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系低極性素材への貼着においても良好な粘着力および定荷重剥離性を発揮する粘着剤層を形成することができる。また、上述したとおり共重合体(A)と粘着付与樹脂(C)との相溶性が優れることから、ヘイズ値が小さく、また適度なタック性を有する粘着剤層を形成することができる。
粘着付与樹脂(C)としては、例えば、ロジンエステル系樹脂等のロジン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系樹脂等のテルペン系粘着付与樹脂、スチレン系粘着付与樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂が挙げられ、ロジンエステル系樹脂が好ましい。
ロジンエステル系樹脂とは、ロジン系樹脂をアルコールによってエステル化させて得られた樹脂である。ロジン系樹脂としては、例えば、アビエチン酸等の樹脂酸を主成分とする、ロジン樹脂、不均化ロジン樹脂および水添ロジン樹脂や、アビエチン酸等の樹脂酸の二量体(重合ロジン樹脂)が挙げられる。アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられる。
ロジン樹脂をエステル化した樹脂がロジンエステル樹脂であり、不均化ロジン樹脂をエステル化した樹脂が不均化ロジンエステル樹脂であり、水添ロジン樹脂をエステル化した樹脂が水添ロジンエステル樹脂であり、重合ロジン樹脂をエステル化した樹脂が重合ロジンエステル樹脂である。
テルペンフェノール系樹脂とは、フェノールの存在下においてテルペンを重合させて得られた樹脂である。
粘着付与樹脂(C)の軟化温度は、好ましくは70〜170℃、より好ましくは100〜170℃である。軟化温度は、JIS K2207環球法により測定する。
不均化ロジンエステル樹脂としては、例えば、スーパーエステルA75(75℃)、スーパーエステルA100(100℃)、スーパーエステルA115(115℃)、スーパーエステルA125(125℃)が挙げられる。水添ロジンエステル樹脂としては、例えば、パインクリスタルKE−359(100℃)、エステルガムH(70℃)が挙げられる。重合ロジンエステル樹脂としては、例えば、ペンセルD−135(135℃)、ペンセルD−125(125℃)、ペンセルD−160(160℃)が挙げられる。以上の製品は、荒川化学工業(株)製であり、括弧内の温度は軟化温度である。
テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、YSポリスターG150(150℃)、YSポリスターT100(100℃)、YSポリスターG125(125℃)、YSポリスターT115(115℃)、YSポリスターT145(145℃)、YSポリスターT130(130℃)が挙げられる。以上の製品は、ヤスハラケミカル(株)製であり、括弧内の温度は軟化温度である。
スチレン系粘着付与樹脂としては、例えば、FMR−0150(145℃)、FTR−6100(100℃)、FTR−6110(110℃)、FTR−6125(125℃)、FTR−7100(100℃)、FTR−8120(120℃)、FTR−0100(100℃)、FTR−2120(120℃)、FTR−2140(145℃)が挙げられる。以上の製品は、三井化学(株)製であり、括弧内の温度は軟化温度である。また、SX−100(100℃、ヤスハラケミカル(株)製)も挙げられる。
脂環族飽和炭化水素樹脂としては、例えば、アルコンP−90(90℃)、アルコンP−100(100℃)、アルコンP−115(115℃)、アルコンP−125(125℃)、アルコンM−90(90℃)、アルコンM−100(100℃)、アルコンM−115(115℃)、アルコンP−135(135℃)が挙げられる。以上の製品は、荒川化学工業(株)製であり、括弧内の温度は軟化温度である。
粘着付与樹脂(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の粘着剤組成物は、粘着付与樹脂(C)を、共重合体(A)100質量部に対して、例えば5〜50質量部、好ましくは8〜40質量部、より好ましくは10〜30質量部の範囲で含有する。このような態様であると、粘着剤層が適度なタック性を有し、ポリオレフィン系低極性素材への粘着力および定荷重剥離性に優れる。
[光重合開始剤(D)]
本発明の粘着剤組成物は光重合開始剤(D)をさらに含有してもよい。例えば、硬化剤(B)として多官能(メタ)アクリレート(B2)を少なくとも含み、光重合開始剤(D)をさらに含む組成物は、活性エネルギー線硬化系粘着剤組成物として好ましい。
光重合開始剤(D)としては、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤が挙げられ、これらの開始剤の具体例としては特開2009−013361号公報の段落[0023]〜[0027]に列挙された化合物が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、一実施態様において、光重合開始剤(D)を、多官能(メタ)アクリレート(B2)100質量部に対して、例えば0.1〜200質量部、好ましくは10〜150質量部、より好ましくは20〜100質量部の範囲で含有する。
[添加剤(E)]
本発明の粘着剤組成物は、上記成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲で、共重合体(A)以外の(メタ)アクリル系重合体、シランカップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、金属腐食防止剤、可塑剤、架橋促進剤、界面活性剤およびリワーク剤から選択される1種または2種以上の添加剤を含有してもよい。
[有機溶媒(F)]
本発明の粘着剤組成物は、その塗布性を調整するため、有機溶媒(F)を含有することが好ましい。有機溶媒(F)としては、例えば、《共重合体(A)の製造条件》の欄で説明した重合溶媒が挙げられる。本発明の粘着剤組成物において、有機溶媒の含有量は、通常は30〜90質量%、好ましくは40〜90質量%である。
[粘着剤組成物の調製]
本発明の粘着剤組成物は、例えば、上記各成分を従来公知の方法により混合することで調製することができる。例えば、共重合体(A)の合成で得られた共重合体(A)を含む溶液と、硬化剤(B)と、必要に応じて他の成分とを混合することにより、粘着剤組成物を調製することができる。
〔粘着シート〕
本発明の粘着シートは、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する。
粘着シートとしては、例えば、上記粘着剤層のみを有する両面粘着シート、基材と、基材の両面に形成された粘着剤層とを有し、少なくとも一方の粘着剤層が本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層である両面粘着シート、基材と、基材の一方の面に形成された上記粘着剤層を有する片面粘着シート、およびそれら粘着シートの粘着剤層における基材と接していない面に剥離処理されたカバーフィルムが貼付された粘着シートが挙げられる。
粘着剤層の厚さは、粘着性能維持の観点から、通常は5〜200μm、好ましくは10〜100μmである。また、粘着剤層のゲル分率は、凝集力、接着力および再剥離性の観点から、好ましくは10〜98質量%、より好ましくは20〜95質量%、さらに好ましくは30〜90質量%である。
例えば、本発明の粘着剤組成物中の硬化反応を進めることにより、例えば共重合体(A)を架橋剤(B1)で架橋することにより、上記粘着剤層が得られる。
粘着剤層の形成条件は、例えば以下のとおりである。本発明の粘着剤組成物を基材または支持体上に塗布する。前記組成物が溶媒を含有する場合、通常は50〜150℃、好ましくは60〜100℃で、通常は1〜10分間、好ましくは2〜7分間乾燥して溶媒を除去する。以上のようにして、塗膜を形成する。
粘着剤組成物の塗布方法としては、公知の方法、例えばスピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法により、所定の厚さになるように塗布・乾燥する方法を用いることができる。
熱硬化系粘着剤組成物の場合、上記塗膜を、通常は3日以上、好ましくは7〜10日間、通常は5〜60℃、好ましくは15〜40℃、および通常は30〜70%RH、好ましくは40〜70%RHの環境下で、養生してもよい。前記熟成条件で架橋を行うと、効率よく架橋体(ネットワークポリマー)の形成が可能である。
活性エネルギー線硬化系粘着剤組成物の場合、上記塗膜に活性エネルギー線を照射することにより、粘着剤を得ることができる。活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、可視光線および電子線が挙げられ、紫外線が好ましい。活性エネルギー線の照射条件としては、積算光量が通常は300〜3000mJ/cm2である。
基材、支持体およびカバーフィルムとしては、例えば、プラスチックフィルム、発泡体基材、不織布、紙、フラットヤーン布が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。発泡体基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂を用いて得られる発泡体基材、ポリスチレンを用いて得られる発泡体基材、ポリウレタンを用いて得られる発泡体基材、ポリ塩化ビニルを用いて得られる発泡体基材、(メタ)アクリル系ゴムを用いて得られる発泡体基材、その他のエラストマー等を用いて得られる発泡体基材が挙げられる。不織布としては、例えば、マニラ麻、木材パルプ、レーヨン、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維等の化学繊維、およびこれらの2種以上の混合物を用いて得られる不織布が挙げられる。フラットヤーン布としては、例えば、ポリエチレンフラットヤーン、ポリプロピレンヤーンを織ったものや、その表面に樹脂フィルムをラミネートしたものが挙げられる。基材、支持体およびカバーフィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば5〜150μmである。
〔用途〕
本発明の粘着シートは、粘着力およびリワーク性のバランスに優れる。
また、本発明の粘着シートは、ポリオレフィン系低極性素材への貼着に良好な粘着力および定荷重剥離性を発揮する。ポリオレフィン系低極性素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。したがって、本発明の粘着シートは、工業用粘着シートとして広く使用でき、特に自動車の内装や電子機器内部に用いられる、不織布両面テープやウレタンフォーム貼り合わせ用として使用することができる。
また、本発明の粘着シートは、粘着剤層の極性の低さから、誘電率が低く、さらに水蒸気バリア性にも優れている。したがって、低誘電率が求められる用途(例:タッチパネル等の入力装置の製造用途)、水蒸気バリア性が求められる用途(例:有機ELディスプレイ等の画像表示装置、偏光板用途)においても使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
物性の測定方法は、以下のとおりである。
〔GPC〕
アクリル系共重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により、下記条件で重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求めた。
・測定装置:HLC−8320GPC(東ソー(株)製)
・GPCカラム構成:以下の4連カラム(すべて東ソー(株)製)
(1)TSKgel HxL−H(ガードカラム)
(2)TSKgel GMHxL
(3)TSKgel GMHxL
(4)TSKgel G2500HxL
・流速:1.0mL/min
・カラム温度:40℃
・サンプル濃度:1.5%(w/v)(テトラヒドロフランで希釈)
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・標準ポリスチレン換算
〔ガラス転移温度(Tg)〕
アクリル系共重合体またはアルキルアクリレートの単独重合体を簡易密閉パンに封入した。示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素気流下、−100℃から200℃まで10℃/分で昇温して熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される特徴的な変曲をガラス転移とした。なお、Tgは、DSC曲線からミッドポイント法によって得た値を使用した。
[実施例A1]
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、モノマー成分としてモノマー(a1)80部、2−ヒドロキシエチルアクリレート19部、アクリルアミド1部、溶媒として酢酸エチル100部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を70℃に加熱した。次いで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.05部を攪拌下フラスコ内に添加した。フラスコ内の内容物の温度が70℃に維持できるように、加熱および冷却を2時間半行った。温度を80℃に昇温した後、2時間還流反応を行い、共重合体(A−1)を得た。反応終了後、酢酸エチルにて希釈し、共重合体(A−1)を含む、固形分濃度40質量%の共重合体溶液を調製した。共重合体(A−1)のMwは36万、Mw/Mnは4.6、Tgは−32℃であった。
[実施例A2〜A6、比較例A1〜A3]
モノマー成分を表1または表2に記載したとおりに変更したこと以外は実施例A1と同様に行い、共重合体(A−2)〜(A−6)、(A’−1)〜(A’−3)をそれぞれ含む共重合体溶液を得た。結果を表1および表2に示す。
[実施例B1〜B7、比較例B1〜B3]
(1)粘着剤組成物の調製
実施例A1〜A3、比較例A1〜A2で得られた共重合体溶液(固形分濃度40質量%)と、架橋剤としてD−90(綜研化学(株)製:ヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤、固形分濃度90質量%)とを、固形分比がアクリル系共重合体:D−90=100部:0.4部となる量でそれぞれ混合して、粘着剤組成物を得た。
また、実施例A4〜A6、比較例A3で得られた共重合体溶液(固形分濃度40質量%)と、架橋剤としてL−45(綜研化学(株)製:トリレンジイソシアネート系架橋剤、固形分濃度45質量%)と、粘着付与樹脂としてD−135(ペンセルD−135;荒川化学(株)製、固形分濃度100質量%)またはT−145(YSポリスターT145;ヤスハラケミカル(株)製、固形分濃度100質量%)とを、固形分比がアクリル系共重合体:L−45:D−135またはT−145=100部:2部:25部となる量でそれぞれ混合して、粘着剤組成物を得た。
(2)粘着シートの作製
剥離処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に、上記(1)で得られた粘着剤組成物を、泡抜け後、ドクターブレードを用いて液温25℃で塗布し、90℃で3分間乾燥して、乾燥膜厚50μmまたは65μmの塗膜を有する粘着シートを得た。塗膜の前記PETフィルムの貼付面とは反対面に、剥離処理されたPETフィルムをさらに貼り合わせ、23℃/50%RH環境下で7日間エージングを行い、厚さ50μmの粘着剤層を有する粘着シート(a)、および厚さ65μmの粘着剤層を有する粘着シート(b)を得た。粘着シート(a)の粘着剤層の形成には実施例B1〜B3および比較例B1〜B2の粘着剤組成物を用い、粘着シート(b)の粘着剤層の形成には実施例B4〜B7および比較例B3の粘着剤組成物を用いた。
剥離処理された紙セパレーター上に、上記(1)で得られた粘着剤組成物を、泡抜け後、ドクターブレードを用いて液温25℃で塗布し、90℃で3分間乾燥して、乾燥膜厚65μmの塗膜を有する粘着シートを得た。得られた粘着塗膜を厚さ38μmの不織布基材の両面に貼り合わせ、23℃/50%RH環境下で7日間エージングを行い、紙セパレーター/粘着剤層/不織布基材/粘着剤層/紙セパレーターからなる粘着シート(c)を得た。粘着シート(c)の粘着剤層の形成には実施例B4〜B7および比較例B3の粘着剤組成物を用いた。
[評価]
〔表1:比誘電率〕
実施例等で得られた粘着シート(a)を2つ用意し、各々から剥離処理されたPETフィルムを剥がし、次いで粘着剤層同士を貼り合わせ、厚さ100μmの粘着剤層を有する粘着シートを作製した後、厚さ100μmの銅箔に、前記粘着剤層を転写し、この粘着剤層上に、さらに厚さ100μmの銅箔を貼り付け、測定サンプルとした。東洋テクニカ製LCRメーター6440Bを用いて銅箔へ接続して、23℃/50%RH雰囲気下で比誘電率(100Hz)を算出した。
〔表1:180°粘着力、およびリワーク性〕
実施例等で得られた粘着シート(a)の片側の剥離処理されたPETフィルムを剥がし、粘着剤層全面を厚さ100μmのPETフィルムに貼り合わせ、20mm×150mmに裁断して、試験片を作成した。次いで、もう一方の剥離処理されたPETフィルムを剥がして露出した粘着剤層をガラス板に張り合わせて、重さ2kgのローラーを3往復させて圧着させた。圧着後23℃/50%RH雰囲気下で2時間放置した後、試験片の短辺を引き剥がし速度300mm/minで180°方向に引っ張り、剥離を開始する力を180°粘着力とした。また、剥離後のガラス板を目視し、リワーク性の評価を以下の基準で行った。
AA:ガラス板に糊残りがない。
BB:ガラス板に糊残りがある。
〔表2:ヘイズ試験〕
実施例等で得られた粘着シート(b)の片側の剥離処理されたPETフィルムを剥がし、粘着剤層全面を厚さ25μmのPETフィルムに貼り合わせ、50mm×50mmのサイズに裁断した。次いで、もう一方の剥離処理されたPETフィルムを剥がして露出した粘着剤層をガラス板に貼り合わせて、50℃/5atmのオートクレーブで20分間処理した後、23℃/50%RH雰囲気下に1時間静置して、試験片を作成した。その後、ヘイズを測定した。ヘイズの測定には、MH−150(村上色彩技術研究所(株)製)を用いた。
〔表2:180°粘着力〕
実施例等で得られた粘着シート(c)の片側の剥離処理された紙セパレーターを剥がし、粘着剤層全面を厚さ25μmのPETフィルムに貼り合わせ、20mm×150mmに裁断して、試験片を作成した。次いで、もう一方の剥離処理された紙セパレーターを剥がして露出した粘着剤層をポリエチレン板に張り合わせて、重さ2kgのローラーを3往復させて圧着させた。圧着後23℃/50%RH雰囲気下で2時間放置した後、試験片の短辺を引き剥がし速度300mm/minで180°方向に引っ張り、剥離を開始する力を180°粘着力とした。
〔表2:プローブタック〕
実施例等で得られた粘着シート(c)の片側の剥離処理された紙セパレーターを剥がし、露出した粘着剤層のプローブタックを測定した。プローブは直径5mmのSUS、接触時間は1秒、プローブ速度は1cm/sec、荷重は20gとした。
〔表2:定加重剥離試験〕
実施例等で得られた粘着シート(c)の片側の剥離処理された紙セパレーターを剥がし、粘着剤層全面を厚さ25μmのPETフィルムに貼り合わせた。その後、もう一方の紙セパレーターを剥がし、露出した粘着剤層をSUS板に張り合わせて、重さ2kgのローラーを3往復させて圧着させた。貼り付け面積は20mm×50mmとした。貼り合わせから20分後に、80℃、かつ乾燥条件下で、PETフィルム面から200gの荷重を90°方向に鉛直にかけ、1時間後の剥がれ長さ(mm)を測定した。
表1および表2中、モノマーの各記号は以下のとおりである。
・a1: 上記式(1)に示すアルキルアクリレート
・MA: メチルアクリレート
・BA: n−ブチルアクリレート
・2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
・AA: アクリル酸
・2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
・AM: アクリルアミド
Figure 2017197660
比較例A1では、アルキルアクリレートとしてモノマー(a1)が共重合体されておらず、アルキル基の炭素数が小さいMAが共重合されているので、アクリル系共重合体の極性が上がり、比較例B1では比誘電率が6.7と大きくなっている。これに対して実施例A1〜A3ではアルキルアクリレートとしてモノマー(a1)が共重合されていることから、アクリル系共重合体の極性が低く、実施例B1〜B3では比誘電率が5.1以下となっている。
比較例A2では、アルキルアクリレートとして2EHAのみが共重合されているので、
比較例B2ではリワーク性は高いが粘着力が低くなっている。これに対して実施例A1〜A3ではアルキルアクリレートとしてモノマー(a1)が共重合されていることから、実施例B1〜B3では高い粘着力を有しながらリワーク性にも優れている。
Figure 2017197660
実施例ではヘイズ値が小さく、綺麗な粘着剤層が得られた。これは、実施例のアクリル系共重合体と粘着付与樹脂との相溶性が高いことに起因していると考えられる。また、実施例B4おおび比較例B3の結果から、同程度のTgを有するアクリル系共重合体を含む組成物を対比すると、実施例では前記相溶性が高いため、プローブタックが高くなっていることがわかる。

Claims (7)

  1. 下記式(1)に示すアルキルアクリレート(a1)を含むモノマー成分の共重合体である、アクリル系共重合体(A)。
    Figure 2017197660
  2. 前記モノマー成分が、前記アルキルアクリレート(a1)以外の、式(a2−1)で表される(メタ)アクリレート(a2)、および架橋性基含有モノマー(a3)をさらに含む請求項1に記載のアクリル系共重合体(A)。
    CH2=CR1−COO−(R2O)n3・・・(a2−1)
    [式(a2−1)中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2はアルキレン基であり、R3はアルキル基、脂環含有基、アリール基またはアラルキル基であり、nは0以上の整数である。]
  3. 前記モノマー成分が、架橋性基含有モノマー(a3)をさらに含む請求項1に記載のアクリル系共重合体(A)。
  4. 示差走査熱量計(DSC)を用いて測定されるガラス転移温度(Tg)が、0℃未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクリル系共重合体(A)。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクリル系共重合体(A)と、
    硬化剤(B)と
    を含有する粘着剤組成物。
  6. 粘着付与樹脂(C)
    をさらに含有する請求項5に記載の粘着剤組成物。
  7. 請求項5または6に記載の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シート。
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