JP2017197154A - 太陽電池モジュール用運搬装置、並びに、太陽光発電システムの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール用運搬装置、並びに、太陽光発電システムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールを破損することなく運搬することが可能であり、運搬に多くの人員を必要とすることなく、作業者の運搬作業に係る負担を軽減することが可能な技術を提供する。
【解決手段】
台車部2と、レール部3を備えた太陽電池モジュール用運搬装置1を提供する。このとき、台車部2を、下方側に回転可能に取り付けられた車輪37を備えた構造とし、レール部3を、長手方向に沿って延びる車輪載置部50aを備えた構造とする。そして、台車部2の車輪37が車輪載置部50aに常時接触した状態で、台車部2を走行させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールを運搬するときに使用する太陽電池モジュール用運搬装置に関するものである。また、そのような太陽電池モジュール用運搬装置を使用する太陽光発電システムの製造方法に関する。
近年、太陽光のエネルギーにより発電する太陽光発電システムが急速に普及している。このような太陽光発電システムとして、太陽電池モジュールを屋外の土地に設置するものが知られている。
このような太陽光発電システムは、脚部を地面に埋め込んだ設置用架台や、下端を地面に埋め込んだ支柱の上側に中間取付金具を取り付けて形成される基礎構造物といった設置用構造物に対して、太陽電池モジュールを取り付けることで形成されている。
ところで、このような太陽光発電システムを製造する際には、予め設置用構造物を構築し、太陽電池モジュールを外部から設置用構造物を構築した場所まで運搬した後、設置用構造物に対して太陽電池モジュールを取り付けている。
しかしながら、設置用構造物を構築する場所(以下、設置予定地とも称す)は、必ずしも広大な場所だけではなく、太陽電池モジュールを運搬するトラック等の車両が入り込めない場所に構築する場合があった。
そして、この場合、太陽電池モジュールをトラック等で設置予定地の付近まで運搬し、その後に作業員が人の手で太陽電池モジュールを荷降ろしし、そのまま太陽電池モジュールを設置予定地まで運んだ後、取り付け作業を実施していた。
しかしながら、太陽電池モジュールには大型のものもあり、その重量が非常に重くなる場合がある。この場合、複数の作業員によって太陽電池モジュールを持ち運ぶが、複数の作業員の人手が割かれるので作業効率が悪くなってしまう上、重い物を持ち運ぶ作業員の負担も大きくなってしまう。
そこで、本発明者らは、トラックから荷卸しした太陽電池モジュールを台車で運搬することで、多くの人手を掛けずに太陽電池モジュールを運搬することを可能とし、且つ、作業員の運搬時の負担を軽減することを考えた。なお、台車としては、例えば、特許文献1に開示されたような台車が一般的に知られている。
特開2016−32953号公報
ところが、太陽電池モジュールの設置用構造物を構築する場所は、必ずしも整地されている場所に限らず、砂利が広範囲に亘って広がっていたり、多くの雑草が生い茂っていたりする場合があった。
そして、そのような場所で、台車を使用して太陽電池モジュールを運搬すると、台車が振動することで、太陽電池モジュールに振動が伝わり、運搬する太陽電池モジュールが破損してしまう場合があった。
そこで本発明は、太陽電池モジュールを破損することなく運搬することが可能であり、運搬に多くの人員を必要とすることなく、作業者の運搬作業に係る負担を軽減することが可能な太陽電池モジュール用運搬装置を提供することを課題とする。
また、そのような太陽電池モジュール用運搬装置を使用して太陽光発電システムを製造する太陽光発電システムの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、太陽電池モジュールを運搬する太陽電池モジュール用運搬装置であって、台車部とレール部とを有しており、台車部は、前記太陽電池モジュールを載置するものであり、下方側に回転可能に取り付けられた車輪を備え、レール部は、当該レール部の長手方向に沿って延びる車輪載置部を備えたものであって、前記台車部は、前記車輪が前記車輪載置部に常時接触しながら走行することを特徴とする太陽電池モジュール用運搬装置である。
本発明では、屋外の土地にレール部を設置し、太陽電池モジュールを載置する台車部を使用するため、作業者が太陽電池モジュールを直接手で持って運搬する場合に比べ、少ない人数で簡単に運搬が可能となる。
そして、この台車部がレール部の上を走行する構造となっているため、砂利が広範囲に亘って広がっているような舗装されていない土地の上で台車を走行させる場合とは異なり、走行時の台車の振動を抑制させることが可能となる。このことから、振動による太陽電池モジュールの破損を防止可能となる。
請求項2に記載の発明は、前記台車部は、並列して配され、車軸の向きが同一となる2つの前記車輪を備えており、2つの前記車輪の間には空間が形成され、前記レール部は、2つの前記車輪載置部を備えており、2つの前記車輪載置部の間に上方に向かって突出するレール側係合突起を有し、2つの前記車輪の間に形成される空間に、前記レール側係合突起が常時挿入された状態で走行することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用運搬装置である。
かかる構成では、2つの車輪の間に形成される空間にレール側係合突起が常時挿入された状態で台車部が走行するので、台車部が不意にレールの上から脱落してしまうことを防止できる。また、並列配置された2つの車輪の間に形成される空間を、レール側係合突起を係合する係合部として機能させるので、新たに係合部を設ける場合に比べ、構造を簡易化することが可能となり、太陽電池モジュール用運搬装置を安価に製造できる。
請求項3に記載の発明は、前記レール部は、複数のレール片部材を連結させて形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用運搬装置である。
かかる構成では、レール部を複数のレール片部材を分解して持ち運びできるので、レール部を太陽電池モジュールと共にトラック等で運搬する際、場所をとらず、利便性が高い。
請求項4に記載の発明は、前記レール片部材は、外方へ向かって突出する突起状の連結突起部と、前記連結突起部を挿入可能な突起挿入部とを有しており、前記連結突起部の突出方向は、前記レール部の延び方向と同一方向であって、前記レール部の少なくとも一部は、一の前記レール片部材の前記連結突起部が他の前記レール片部材の前記突起挿入部に挿入され、一の前記レール片部材と他の前記レール片部材とが連結して形成されることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュール用運搬装置である。
かかる構成によると、簡単な構造でレール片部材の連結が可能となるので、好ましい。
本発明では、前記レール部は、樹脂で構成されていること好ましい(請求項5)。
請求項6に記載の発明は、前記台車部は、前記太陽電池モジュールを載置する載置板部と、前記載置板部から上方へ突出する立壁部と、2つの脱落防止部を有しており、2つの前記脱落防止部は、間に前記載置板部と前記立壁部が位置した状態で離間対向しており、それぞれの前記脱落防止部は、前記載置板部と前記立壁部の連結部と、前記立壁部の突出端と、前記載置板部の前記連結部から最も離れた部分と結んで形成される領域の外側に位置していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽電池モジュール用運搬装置である。
かかる構成によると、台車部からの太陽電池モジュールの不意の脱落を防止できる。
さらに、かかる構成では、脱落防止部が、載置板部と立壁部の連結部と、立壁部の突出端と、載置板部の連結部から最も離れた部分と結んで形成される領域の外側にのみ位置した構造となっている。つまり、載置板部と立壁部の外側側方の一部にのみ脱落防止部が設けられているので、太陽電池モジュールが必要以上に脱落防止部と接触することを防止可能となり、脱落防止部への接触を起因とする太陽電池モジュールの破損を防止可能となっている。
請求項7に記載の発明は、前記台車部は、使用者が把持する持ち手部をさらに有し、持ち手部は、前記載置板部から上方に突出する部分と、当該突出する部分の上方に位置する持ち手となる部分とを有し、前記持ち手部は、前記載置板部との連結部分を支点として回動可能に取り付けていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池モジュール用運搬装置である。
かかる構成によると、持ち手部が載置板部との連結部分を支点として回動可能に取り付けているので、台車部に太陽電池モジュールを積載したり、台車部から太陽電池モジュールを荷降ろしたりする際には、持ち手部を作業の邪魔にならない位置に退避させることができる。この一方で、台車部を走行させる際には、この持ち手部を作業者が持ち易い位置に配置することが可能となっている。
すなわち、使用状況に応じて持ち手部を適切な位置に配置することが可能となり、太陽電池モジュールの運搬に係る一連の作業を容易に実施可能となる。
請求項8に記載の発明は、前記レール部は、2つの前記車輪載置部を備えており、2つの前記車輪載置部の間に上方に向かって突出するレール側係合突起を備えており、前記車輪には、前記レール側係合突起を挿入可能な溝部が形成されており、前記台車部は、前記溝部に前記レール側係合突起が常時挿入された状態で走行することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用運搬装置である。
請求項9に記載の発明は、前記レール部は、上方に突出する突起部を有し、2つの前記突起部の間であって周囲より低位置となる部分に前記車輪載置部が位置しており、前記台車部は、前記車輪が2つの前記突起部の間に嵌入された状態で走行することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用運搬装置である。
これらの構成においても、走行時に台車部が不意にレールの上から脱落してしまうことを防止できる。
請求項10に記載の発明は、前記レール部は、少なくとも一部が可撓性を有する部材で形成されており、前記可撓性を有する部材の内側に空間が形成されるものであって、
前記可撓性を有する部材の内側の空間に気体又は液体を充填することで、前記レール部の少なくとも一部を膨張させることが可能なことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用運搬装置である。
かかる構成によると、レール部の少なくとも一部を収縮した状態で運搬できるので、太陽電池モジュールと共にトラック等で運搬する際に場所をとらず、利便性が高い。
請求項11に記載の発明は、前記台車部は、前側下方に前記車輪が設けられ、後側下方に脚部が設けられるものであって、前記脚部の下端部分は、前記車輪を前記車輪載置部に接触させて前記台車部を停車させた状態で、前記レール部の幅方向における端部より外側に位置することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の太陽電池モジュール用運搬装置である。
かかる構成によると、後側下方に脚部が設けられており、前方にのみ車輪を設けた場合であっても、台車部を自立させることが可能となる。また、このように自立させたとき、脚部がレール部に接触しないので、この接触に起因するレール部の破損を防止可能となる。
請求項12に記載の発明は、前記車輪は、水平面に対して垂直な垂直軸に対して回動可能に取り付けられている請求項1乃至11のいずれかに記載の太陽電池モジュール用運搬装置である。
かかる構造によると、台車部が屈曲して延びるレール上を走行可能となり、レールの延設方向の自由度を高くすることができる。
請求項13に記載の発明は、太陽電池モジュールを基礎構造体に固定することで形成される太陽光発電システムを製造する太陽光発電システムの製造方法であって、前記太陽電池モジュールを取り付けるための前記基礎構造体を構築する工程と、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の太陽電池モジュール用運搬装置を使用して前記太陽電池モジュールを運搬する工程と、前記基礎構造体に対して前記太陽電池モジュールを取り付ける工程を実施することを特徴とする太陽光発電システムの製造方法である。
本発明の太陽光発電システムの製造方法においても、上記の太陽電池モジュール用運搬装置を使用して太陽電池モジュールを運搬する工程を実施するので、少ない人数で簡単に太陽電池モジュールの運搬が可能となり、運搬時の台車部の振動による太陽電池モジュールの破損を防止可能となる。
本発明によると、太陽電池モジュールの運搬に多くの人員を必要とすることなく、作業者の運搬作業に係る負担を軽減することが可能であって、運搬時の振動に起因する太陽電池モジュールの破損を防止できる。
本発明の実施形態に係る運搬装置を示す斜視図であり、台車部が運搬時姿勢の状態を示す。 図1の台車部が積み降ろし姿勢をとった状態を示す斜視図である。 図1の運搬装置を示す背面図である。 図1の台車部の回動連結機構の周辺を示す説明図であり、運搬時姿勢から積み降ろし姿勢へ移行する様子を示すものであって、(a)〜(c)の順に移行していく。 図1の運搬装置を示す正面図であり、一部を拡大して示す。 図1のレール部を構成するレール片部材を示す斜視図であり、(a)、(b)はそれぞれ異なる方向からみた斜視図である。 図6のレール片部材を連結させる様子を示す説明図であり、(a)、(b)の順に連結させる。 図1の運搬装置を用いて太陽光発電システムを製造する様子を示す説明図である。 図6とは異なるレール片部材を連結させる様子を示す説明図であり、(a)、(b)の順に連結させる。 図1、図9とは異なるレール部を示す斜視図であり、(a)はリール部材に巻回して収納した状態から引き出す様子を示し、(b)〜(c)はレール部を収縮状態から膨張状態へ移行させる様子を示す。 図1、図9、図10とは異なるレール部を示す斜視図であり、(a)はリール部材に巻回して収納した状態から引き出す様子を示し、(b)〜(c)はレール部の膨張部を収縮状態から膨張状態へ移行させる様子を示す。 図1とは異なる運搬装置を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は下側部分のみを拡大した背面図である。 図1、図12とは異なる運搬装置を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は下側部分のみを拡大した背面図である。 図1、図12、図13とは異なる運搬装置を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は下側部分のみを拡大した背面図である。 図1、図12乃至図14とは異なる運搬装置を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は下側部分のみを拡大した背面図である。 図1とは異なる台車部の載置板部及び車輪部を示す図であり、載置板部を透過して示すものであって、(a)、(b)はそれぞれ異なる車輪部を示す。 図1、図12乃至図15とは異なる運搬装置を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は下側部分のみを拡大した正面図である。 図1、図12乃至図15、図17とは異なる運搬装置を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は下側部分のみを拡大した正面図である。 図1、図12乃至図15、図17、図18とは異なる運搬装置を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は下側部分のみを拡大した正面図である。 図1、図12乃至図15、図17乃至図19とは異なる運搬装置を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は下側部分のみを拡大した正面図である。 図1、図12乃至図15、図17乃至図20とは異なる運搬装置を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は下側部分のみを拡大した正面図である。 図1とは異なる台車部を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図を示す。 図22の台車部において、車輪部が回動する際の要部を載置板部を透過させて示す説明図であり、(a)〜(c)の順に回動する。 図22の台車部が屈曲したレール上を走行する様子を示す説明図であって、上側の図は模式的に示す平面図であり、下側の図は載置板部を透過させた要部を示す説明図であって、(a)〜(c)の順に走行していく。
以下、本発明の実施形態に係る運搬装置1(太陽電池モジュール用運搬装置)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、前後方向、上下方向、左右方向については、特に断りのない限り図1で示される状態を基準として説明する。
本発明の第1実施形態に係る運搬装置1は、台車部2とレール部3とを備えた構造となっている。
台車部2は、載置板部10と、持ち手部11と、正面壁部12(立壁部)と、脱落防止部13と、車輪部14と、脚部15とを備えており、これらが一体となって形成されている。
載置板部10は、略長方形平板状となる載置板本体10aと、前端側に位置する車輪取付部10bとが、一体となって形成される部分となっている。
車輪取付部10bは、平面視した形状が略凸字状となる部分であり、前端側における幅方向の両端部のそれぞれに、後述する車輪37の一部を配置するための欠落部が設けられている。この欠落部は、いずれも平面視した形状が略長方形状となるように欠落している。
つまり、載置板部10は、長方形平板状となる部材の前端部分の一部を欠落して形成されるものである。換言すると、載置板部10の前端側の部分を形成する車輪取付部10bでは、幅方向における両端部分のそれぞれが欠落した状態となっている。
持ち手部11は、図1、図2で示されるように、直立姿勢(図1参照)と、傾倒姿勢(図2参照)とを切替え可能となっている。
なお、持ち手部11が直立姿勢をとることで、台車部2が運搬時姿勢となり、持ち手部11が傾倒姿勢をとることで、台車部2が積み降ろし姿勢(図2参照)となる。
このことから、台車部2は、運搬時姿勢を取ることで、載置物(太陽電池モジュール59であり、図8参照)の予期しない脱落を防止しつつ載置物を運搬することが可能となる。また、積み降ろし姿勢を取ることにより、載置物の積み降ろしを行う際、載置物を僅かに抱え上げ、そのまま水平移動するだけで、載置物の積み降ろしが可能となる。すなわち、載置物を高い位置まで持ち上げずとも、載置物の積み降ろしが可能となる。
この持ち手部11は、2つの丸棒状部20と、連結棒部21と、把持棒部22とを備えた構造となっており、回動連結機構24を介して、載置板部10の上面に取り付けられている。
丸棒状部20は、直立姿勢時(図1、図3参照)において、それぞれ縦方向(上下方向)に延びている。このことから、2つの丸棒状部は、互いに平行となるように縦方向に延びた状態となっている。
連結棒部21は、2つの丸棒状部20の間に位置し、これらを一体に連結するものである。より具体的には、この連結棒部21は、直立姿勢時(図1、図3参照)において、2つの丸棒状部20のうち、上端側(把持棒部22が連結する端部側)よりの部分であり、上端側よりもやや下方側に位置する部分同士を連結している。
したがって、連結棒部21の長手方向の両端部分は、それぞれ異なる丸棒状部20と一体に連結された状態となっている。
把持棒部22は、丸棒状部20の長手方向における端部を屈曲して形成される部分であり、より具体的には、丸棒状部20の直立姿勢時(図1、図3参照)における上端部分を、直立姿勢時(図1、図3参照)における側方側へ屈曲させて形成される部分となっている。換言すると、丸棒状部20の延び方向(図1、図3では上下方向)の一端側に位置する部分であり、この一端側の部分を丸棒状部20の延び方向と交わる方向に屈曲させて形成される部分となっている。
つまり、把持棒部22は、丸棒状部20と連結している部分を基端として延びる部分であって、延び方向における先端側に位置する部分には、ゴム等で形成されるグリップ部材が取り付けられた状態となっている。
回動連結機構24は、図4で示されるように、載置板部10の上面に固定され、丸棒状部20を回動可能な状態で一体に取り付ける取付台部28と、2つの取付台部28に跨って延びる回動規制棒部29とを備えた状態となっている。
回動規制棒部29は、図示しない付勢部材によって常時上方に付勢した状態で固定されており、その一部が取付台部28の内部に入り込んだ状態となっている。すなわち、回動規制棒部29は、載置板部10の幅方向であって、直立した姿勢をとる丸棒状部20の延び方向(上下方向)と交わる方向に延びている。そして、外力が加わらない自然状態における回動規制棒部29は、取付台部28の内部に入り込んだ部分が、2つの丸棒状部20の回動軌道上に位置した状態となっている。
より具体的に説明すると、取付台部28の内部には、丸棒状部20が直立した姿勢から前方へ倒れる方向への回動を阻止する回動阻止棒部(図示しない)と、自然状態において、丸棒状部20が直立した姿勢から後方へ倒れる方向への回動を一時的に阻止する回動規制棒部29の一部が位置した状態となっている。
回動阻止棒部(図示しない)は、仮に丸棒状部20の下端側部分が直立した姿勢から前方へ倒れる方向へと回動しようととき、その回動軌道上となる部分に配されることで、このような回動を阻止する部材となっている。
そして、自然状態における回動規制棒部29は、2つの丸棒状部20の下端側部分がそれぞれ直立した姿勢から後方へ回動するときの回動軌道上に、その一部と他の一部とが位置しており、それぞれの回動を一時的に阻止する状態となっている。
そして、図4で示されるように、使用者が回動規制棒部29を足で踏む等して、付勢部材(図示しない)の付勢力に抗して回動規制棒部29を下方へ移動させると、回動規制棒部29の取付台部28の内部に入り込んだ部分が、2つの丸棒状部20の後方へ倒れる方向への回動軌道上から移動し、2つの丸棒状部20が回動可能な状態となる(図4(a)、図4(b)参照)。
すなわち、取付台部28の側面壁には、縦長に延びる長孔状の部分が形成されており、この長孔状の部分の一部を介して、回動規制棒部29が取付台部28の内側に入り込んだ状態となっている。このことから、回動規制棒部29は常時上方に付勢された状態で、且つ、上下方向への移動が可能な状態となっている。
以上のことから、回動規制棒部29に上方から力を加えると、回動規制棒部29は付勢力に抗して下方へと移動することとなる。そして、回動規制棒部29が下方へと移動すると、上記したように、回動規制棒部29が回動軌道上から移動して2つの丸棒状部20が回動可能な状態となる
この状態で2つの丸棒状部20(持ち手部11)を後方へと回動させ、2つの丸棒状部20を傾倒(又は横倒)させた姿勢とすることにより、台車部2が運搬時姿勢(図1参照)から積み降ろし姿勢(図2参照)へと移行する。
なお、台車部2を積み降ろし姿勢から運搬時姿勢へと移行させる際もまた、回動規制棒部29を一時的に下方へと移動させ、丸棒状部20(持ち手部11)を前方へ回動させることで、移行する。
つまり、回動連結機構24は、使用者が回動規制棒部29を人力で移動させることにより、台車部2の運搬時姿勢から積み降ろし姿勢への移行、又は、積み降ろし姿勢から運搬時姿勢への移行が可能な状態と、これらの移行が不可能な状態とを切替え可能となっている。言い換えると、持ち手部11の直立姿勢(図1参照)から傾倒姿勢(図2参照)への切替えを阻止する状態と、阻止しない状態を切替え可能なものとなっている。
正面壁部12は、載置板部10の上面から上方に向かって突出する状態となるように取り付けられた、直立姿勢をとる略長方形板状の部分である。この正面壁部12の厚さ方向は、台車部2の前後方向と同一の方向となっている。言い換えると、その前面及び後面が前後方向と直交する状態となるように、取り付けられている。
脱落防止部13は、図1で示されるように、複数の棒状(又は筒状)となる部材によって形成されており、より具体的には、長さが異なる丸棒状(又はパイプ状)の部材をそれぞれが前方に向かうにつれて高さが高くなるように傾斜した姿勢で取り付けている。このとき、長さが異なる丸棒状の部材は、台車部2の前方下側から後方上側に向かう方向において、それぞれ間隔を空けて並列している。なお、台車部2の前方下側から後方上側に向かうにつれて、その長さが長くなっている。
そして、この脱落防止部13は、載置板部10と正面壁部12の幅方向における両端部それぞれの外側に位置しており、片側端部の外側に位置する脱落防止部13と、他方側端部の外側に位置する脱落防止部13とが離間対向した状態で配置されている。
より具体的には、載置板部10と正面壁部12が連結されている部分(載置板部10と正面壁部12の境界となる部分)と、正面壁部12の上端(突出端)と、載置板部10の後端とを結んで形成される側面視が略三角形状となる領域の外側側方となる位置に、脱落防止部13が配置された状態となっている。
なお、載置板部10の後端は、載置板部10のうち、載置板部10と正面壁部12が連結されている部分から最も離れた部分となっている。
車輪部14は、図5で示されるように、載置板部10(車輪取付部10b)の裏面に取り付けられる車輪取付金具35と、車輪取付金具35に支持される1つの車軸部36(車軸)と、2つの車輪37を備えている。本実施形態の台車部2は、前方下端側にのみ車輪部14が設けられ、その使用時に前方下端の車輪37で荷重を支持する構造となっている(図1等参照)。
車輪取付金具35は、図5で示されるように、載置板部10の裏面を上面に一体に固定させた状態で取り付ける天面板部40と、天面板部40の裏面から下方へ垂下される2つの軸取付板部41を備えている。
2つの軸取付板部41は、いずれもその厚さ方向が載置板部10の幅方向(図5における左右方向)と同方向となっており、内側面同士が離間対向した状態となっている。
車軸部36は、載置板部10の幅方向に延びるものであり、2つ軸取付板部41を貫通して延び、その延び方向における片側端部よりの位置と他方側端部よりの位置のそれぞれに、車輪37が一体的に取り付けられた状態となっている。
本実施形態では、載置板部10の幅方向であり、台車部2の進行方向(前後方向)に直交する方向で、2つの車輪37が間隔を空けて並列配置されている。つまり、車輪37の内側面同士が離間対向するように、取り付けられた状態となっている。
このことから、2つの車輪37の間であって車軸部36の下方側に位置する部分、換言すると、2つの車輪37の下方側部分同士の間となる部分に、係合空間43が形成されている。この係合空間43は、図5で示されるように、レール部3のレール側係合突起51(詳しくは後述する)が挿通可能な空間となっている。
脚部15は、図1、図3で示されるように、載置板部10の裏面から突出する棒状の部分であり、詳細には、載置板部10の裏面のうち、後端よりも僅かに前方となる部分から突出している。言い換えると、脚部15の上端部分は、載置板部10の裏面に固定された状態となっている。そして、この脚部15は、載置板部10の幅方向における外側であり下方側へ向かって突出している。
より詳細に説明すると、本実施形態の台車部2は、2つの脚部15を備えており、一方が、載置板部10の裏面のうちで幅方向における中心よりやや片側端部よりの位置から、幅方向における片側端部側へ向かって突出している。対して、もう一方が、幅方向における中心よりやや他方側端部よりの位置から、幅方向における他方側端部側へ向かって突出している。
そして、2つの脚部15のそれぞれは、その下端部にゴム等で形成されるキャップ部材が取り付けられている。このキャップ部材は、台車部2を設置したときの滑止部材として機能すると共に、脚部15が誤ってレール部3等の外部物体に触れたときに、触れた外部物体や脚部15自身の損傷を防止する保護部材としても機能する。
レール部3は、図6、図7で示されるように、複数のレール片部材45を連結させて形成される長尺状の部材である。
レール片部材45は、断面形状が略凸字状で延びる部材であり、硬質ゴム等の適宜な原料を用いて形成される部材となっている。
より具体的には、レール片部材45は、平板状の走行面形成部46と、走行面形成部46の上面のうちで幅方向の中心近傍から上方に突出する略直方体状の突起形成部47とが一体的に形成される部材となっている。
突起形成部47は、外形が略直方体状となる長尺体であって、断面形状が略四角形状で延びる部分となっている。そして、長手方向における一方端に位置する面には、当該面からさらに長手方向における外側へ向かって突出する連結突起47a(連結突起部)が形成されている。この連結突起47aは、横倒した円柱状の突起となっている。
対して、長手方向における他方端に位置する面には、当該面からさらに長手方向における内側へ向かって窪んだ突起片挿入孔47b(突起挿入部)が設けられている。この突起片挿入孔47bは、横倒した円柱状の空間を形成しており、上記した連結突起47aが略丁度嵌り込む形状となっている。
すなわち、レール片部材45には、長手方向における片側端部に位置する面のうち、レール片部材45の幅方向の中心近傍であって、上方側に位置する部分に連結突起47aが設けられている。さらに、長手方向における他方側端部に位置する面のうち、レール片部材45の幅方向の中心近傍であって、上方側に位置する部分に突起片挿入孔47bが設けられている。
このことから、図7で示されるように、一のレール片部材45の連結突起47aを他のレール片部材45の突起片挿入孔47bに挿入させ、一のレール片部材45の連結突起47aの基端が連続する面と、他のレール片部材45の突起片挿入孔47bが形成された面とを面接触させることで、2つのレール片部材45を一体的に連結させることが可能となる。
このレール片部材45は、連結した2つのレール片部材45に対し、同様の手順でさらに他のレール片部材45を連結させることが可能となっている。このことから、必要な長さに応じて複数のレール片部材45を一体に連結することで、必要な長さのレール部3を構築することが可能となっている。
なお、特に限定されるものではないが、本実施形態のレール片部材45は、長手方向の長さが2m程度(ここでいう「程度」とは、数パーセント程度の誤差を含むものとする、以下同様)となっている。したがって、例えば、20mの長さのレール部3が必要であれば、10のレール片部材45を一体に連結させ、30mの長さのレール部3が必要であれば、15のレール片部材45を一体に連結させるといった具合である。
このような形成されたレール部3は、平板状で長尺に延びる走行路形成部50と、走行路形成部50の上面のうちで幅方向の中心近傍となる位置から上方に突出するレール側係合突起51とを備えたものとなる。
すなわち、走行路形成部50の上面であり、レール側係合突起51の側方に位置する部分が、台車部2の使用時に車輪37が乗る車輪載置部50aとして機能する(図1等参照)。言い換えると、本実施形態のレール部3は、車輪載置部50aを2つ備えたものであり、この2つの車輪載置部50aのそれぞれには、異なる2つの車輪37が乗ることとなる。この車輪載置部50aは、いずれも地面と略平行となる水平面を形成するものであり、この水平面がレール部3の長手方向に沿って延びた状態となっている。
このことから、レール側係合突起51は、2つの車輪載置部50aの間に位置し、周囲よりも上方へ盛り上がった部分であるともいえる。
以上のことから、本実施形態の運搬装置1は、台車部2の2つの車輪37をレール部3の2つの車輪載置部50aにそれぞれ載置させた状態で(図1参照)、使用者が持ち手部11の把持棒部22を把持し、台車部2の後側をやや持ち上げつつ前方へと押すことにより、台車部2をレール部3の長手方向に沿って移動させることが可能なものとなっている。
地面にレール部3を載置し、さらに台車部2の2つの車輪37を2つの車輪載置部50aにそれぞれ載置させたとき、図3に示されるように、レール部3の幅方向における外側に位置する部分に脚部15の下端が位置し、地面と接触した状態となる。
すなわち、本実施形態の運搬装置1では、2つの車輪37を2つの車輪載置部50aにそれぞれ載置させた状態であり、且つ、外力が加わらない自然状態である場合、脚部15がレール部3と接触しない状態となる。言い換えると、台車部2は、車輪37及び脚部15によってその自重を支持するものであり、車輪37をレール部3の上に配すると共に脚部15をレール部3の側方に配した状態で、載置板部10の上面及び下面がレール部3の設置面と平行な面となるように、配置することが可能なものとなっている。言い換えると、脚部15の下端は、車輪37の下端よりも走行路形成部50の厚さ(上下方向の長さ)だけ下方に位置した状態となっている。
また、上記したように、2つの車輪37を2つの車輪載置部50aにそれぞれ載置させた状態では、2つの車輪37の間に形成される係合空間43の間に、レール側係合突起51が位置した状態となる。つまり、台車部2の係合空間43にレール部3のレール側係合突起51が挿通された状態であり、係合空間43とレール側係合突起51とが余裕をもって嵌合した状態となっている。
このことから、台車部2の使用中に風などにより不意に側方から力が加わった場合等において、台車部2がレール部3から脱落することを防止できる。言い換えると、車輪37が車輪載置部50aから脱落することを防止できる。すなわち、台車部2がレール部3の幅方向における外側へ移動しようとすると、いずれかの車輪37の内側面がレール側係合突起51に当接し、その移動が阻止される。台車部2のレール部3からの脱落を防止することが可能となる。
ここで、仮にレール側係合突起51が係合空間43に略丁度嵌り込むような大きさであれば、台車部2を走行させる際により大きな力が必要となってしまう。
対して、レール側係合突起51が非常に低い突起である場合、台車部2がレール部3の幅方向における外側へ不意に移動しようとしたとき、車輪37がレール側係合突起51を乗り越えてしまうことで、この不意の移動を規制できなくなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、車輪37が車輪載置部50aに載置された状態から、レール部3の幅方向へとスライド移動しようとしたとき、車輪37がレール側係合突起51を乗り越えない程度に、係合空間43とレール側係合突起51とを余裕をもって嵌合させる構造としている。
すなわち、係合空間43の上下方向の長さ(車輪37の下端から軸取付板部41の下端までの長さであり、車輪37の半径よりもやや短い長さ)を基準長さAとしたとき、レール側係合突起51の高さが基準長さAの10パーセント以上となる長さとなっている。なお、上記した脱落を防止するという観点から、レール側係合突起51の高さは可能な限り高いことが好ましく、基準長さAよりも数パーセント程度短い長さとなることが好ましい。つまり、基準長さAの10パーセント以上であり、基準長さAよりも数パーセント短い長さ以下となることが好ましい。
具体的に説明すると、レール側係合突起51を基準長さAとすると、走行時に台車部2がレール側係合突起51と接触してしまう。この場合、無理に押せば台車部2を前進させることが可能ではあるが、台車部2の前進に非常に力が必要となるので、僅かに(数mm程度の)空間があることが好ましい。このことから、レール側係合突起51の高さは、基準長さAよりも数パーセント短い長さであることが好ましい。
以上のことから、本実施形態では、使用時に車輪37の乗り越えが不可能な程度に十分なレール側係合突起51の大きさとは、上記したように車輪37の半径程度の長さを基準長さAとしたとき、レール側係合突起51の高さが基準長さAの10パーセント以上となる長さとしている。
この場合、「車輪37の半径程度の長さ」は、車輪37の半径よりも、車軸部36の半径と、車軸部36の下端から軸取付板部41の下端までの長さの合計分だけ短くなる長さとなっている。
なお、同様の理由により、レール側係合突起51の幅方向(レール部3の長手方向に直交する水平方向)の長さもまた、係合空間43の同方向の長さよりも数パーセント短い長さであることが好ましい。すなわち、レール側係合突起51と係合空間43の幅方向の長さを同一の長さとし、2つの車輪37のそれぞれの内側面がレール側係合突起51の両側面にそれぞれ接触した状態で台車部2を走行させてもよいが、2つの車輪37のそれぞれの内側面とレール側係合突起51の側面の間に数mm程度の空間があることが好ましい。
また、本実施形態では、車輪載置部50aの幅方向の長さを、車輪37の厚さ方向の長さよりも十分に長い長さとしており、仮に台車部2が側方へスライド移動して、一方の車輪37の内側面がレール側係合突起51の片側側面に接触しても、他方の車輪37がレール部3から脱落しない長さとなっている。
すなわち、車輪載置部50aの幅方向の長さは、一方の車輪37の内側面がレール側係合突起51の片側側面に接触した状態において、他方の車輪37の内側面とレール側係合突起51の他方側側面の距離を基準長さBとすると、車輪37の厚さ方向の長さと基準長さBを合計した長さ以上であることが好ましい。
なお、車輪37の厚さ方向の長さと基準長さBを合計した長さより小さい場合であっても、車輪37の厚さ方向における外側の一部のみがレール部3に載置されず、内側の一部のみがレール部3に載置された状態では、車輪37が車輪載置部50aから脱落したり、台車部2が側方へ倒れるように傾斜したりすることが無い場合が考えられる。そこで、車輪載置部50aの幅方向の長さは、車輪37の厚さ方向の長さの50パーセントと基準長さBを合計した長さ以上であっても構わない。しかしながら、車輪37の車輪載置部50aからの脱落や、台車部2の傾きをより確実に防止するという観点から、上記したように、車輪37の厚さ方向の長さと基準長さBを合計した長さ以上であることが好ましい。
続いて、本実施形態の運搬装置1を使用して、太陽光発電システム55を製造する手順について、図8を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態の太陽光発電システム55は、屋外の土地に下端を地中に埋没させた状態で立設される支柱部56を所定の間隔を空けて設置していき、設置した複数の支柱部56の上に架台57を取り付けることで基礎構造体58を形成し、基礎構造体58の上に太陽電池モジュール59を取り付けることで製造されるものである。
つまり、太陽電池モジュール59の取り付けに先立って、基礎構造体58を形成する工程を実施した後、基礎構造体58が構築されている場所まで太陽電池モジュール59を運ぶ工程、太陽電池モジュール59を基礎構造体58の上に取り付ける工程を実施する。
なお、作図の都合上、一部のみの支柱部56、架台57、太陽電池モジュール59に対してのみ符号を付し、他への符号を省略する。
すなわち、本実施形態の太陽光発電システム55の製造方法では、まず、屋外の土地に支柱部56を設置する工程を実施する。
この支柱部56は、地中に埋没させたコンクリートブロック等の基礎部材と、この基礎部材から上方に突出させた金属製の柱状部材とが一体となって形成される部材となっている。本実施形態では、複数の支柱部56のそれぞれにおける地上での露出部分(柱状部材)が、行方向と列方向のそれぞれで所定の間隔を空けて行列状に配置されるように、それぞれの支柱部56を立設させている。
屋外の土地に支柱部56を設置する工程に続いて、支柱部56の上に架台57を取り付ける工程を実施する。
この架台57は、支柱部56の上端側部分に直接又は金具を介して間接的に取り付けることが可能となっている。本実施形態では、複数の支柱部56に対して一つの架台57が取り付けられており、この架台57もまた、地上より離れた位置で所定の間隔を空けて並列配置された状態となる。
より具体的には、それぞれの架台57は、その長手方向が行方向と同一の方向となる状態で取り付けられている。このとき、行方向で隣り合う架台57同士の端部が接触又は僅かに隙間を空けて近接した状態となっており、列方向で隣り合う架台57同士が比較的広く間隔を空けて並列した状態となっている。
なお、本実施形態では、架台57を行列状に配置した例を挙げたが、さらに長尺の架台57を採用することで、行方向で並列する複数の架台57に替わって一つの長尺の架台を使用してもよい。すなわち、架台57を行列状に配置する構造に替わって、長尺の架台を所定の間隔を空けて一列に並列配置する構造であってもよい。
基礎構造体58を構築する工程(支柱部56を設置する工程、架台57を取り付ける工程)を実施する一方、レール部3を敷設する工程を実施する。なお、この工程は、基礎構造体58を構築する工程に先立って実施してもよく、並行して実施してもよく、基礎構造体58を構築する工程の後に実施してもよい。
より具体的には、上記したように、レール片部材45を連結させてレール部3を形成し、形成したレール部3を屋外の土地に設置する。
このとき、レール部3は、長手方向の一端が太陽電池モジュール59をトラック等の運搬車60から荷降ろしする位置の近傍に位置し、他端が、基礎構造体58を設置位置(設置予定位置)の近傍に位置するように、レール部3を配置する。
続いて、台車部2をレール部3の上に配置し、台車部2に太陽電池モジュール59を積載する工程を実施する。このとき、台車部2を積み降ろし姿勢(図2参照)とし、太陽電池モジュール59を積載する。
すなわち、本実施形態の台車部2は、上記したように、載置板部10と、持ち手部11と、正面壁部12と、脱落防止部13を備えており、これらによって囲まれた空間が載置物を配置するための載置物配置空間61となっている(図1参照)。
したがって、台車部2を積み降ろし姿勢(図2参照)とし、持ち手部11を横倒させた姿勢とすると、載置物配置空間61の後側(載置物配置空間61を囲む周壁となる部分の一部)が大きく開放された状態となる。この状態で、太陽電池モジュール59を載置物配置空間61に配置することで、太陽電池モジュール59を高く持ち上げることなく、台車部2への積載が可能となる。
ところで、台車部2に積載される太陽電池モジュール59は、太陽電池パネルにフレーム部材を取り付けることで形成されるものである。
太陽電池パネルは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置であり、面状に広がりを持った薄板状の装置となっている。すなわち、太陽電池パネルは、平面視した形状が略横長長方形状の板体となっている。
この太陽電池パネルには、特に限定されるものではないが、所謂結晶型太陽電池パネルと称されるものや、薄膜型太陽電池パネルと称されるものを好適に採用することができる。なお、結晶型太陽電池パネルとは、ガラス板と封止部材との間に複数の太陽電池を配し、この太陽電池間を配線部材によって電気的に接続したものである。対して、薄膜型太陽電池パネルとは、ガラス板に導電膜や半導体膜を積層し、これに複数の溝を設けて所定数の単体電池(太陽電池)を形成し、各太陽電池を電気的に接続したものである。
本実施形態の太陽電池モジュール59は、このような太陽電池パネルを採用しており、受光面は、平面状に広がり持つガラス面によって形成されている。
このため、太陽電池モジュール59を積載する工程では、2つの太陽電池モジュール59を裏面側が背中合わせとなるように、載置物配置空間61に配置している。すなわち、2つの太陽電池モジュール59の受光面が外側側方を向いた状態で載置している。
ここで、2つの太陽電池モジュール59の外側側方に位置する脱落防止部13は、丸棒状の部材を所定の間隔を空けて配置することで形成されている。そのため、太陽電池モジュール59の側方外側の面(ガラス面)に脱落防止部13が接触したとき、太陽電池モジュール59と脱落防止部13とが接触する面積を少なくすることが可能となり、太陽電池モジュール59のガラス面の破損を防止することができる。
続いて、運搬装置1によって太陽電池モジュール59を運搬する工程を実施する。
この工程では、太陽電池モジュール59を積載した台車部2を運搬時姿勢(図1参照)とし、レール部3の上を走行させて運搬する工程となっている。
このとき、使用者は、持ち手部11を把持し、台車部2の後端側を持ち上げて、台車部2を走行させる。すなわち、脚部15の下端が地面に設置しない状態として、台車部2を走行させている。言い換えると、台車部2は、後端側が上側に持ち上がった傾斜した姿勢で走行するものとなっている。
最後に、台車部2を再び積み降ろし姿勢(図2参照)とし、太陽電池モジュール59を台車部2から荷降ろしする工程と、太陽電池モジュール59を架台57の上に取り付ける工程を実施することで、太陽光発電システム55の製造が完了する。
太陽電池モジュール59を架台57の上に取り付ける工程では、太陽電池モジュール59を行列状に敷き詰められた状態で取り付けており、隣接する太陽電池モジュール59同士が隙間なく(又は僅かに隙間を空けた状態で)並列した状態となっている。
上記した第1実施形態では、レール片部材45の突起形成部47に、連結突起47aと突起片挿入孔47bを形成する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
また、連結突起47aと突起片挿入孔47bの形状を横倒した円柱状としたが、レール片部材45を連結するための係合部の形状は、これに限るものではない。
例えば、図9で示されるように、レール片部材145の走行面形成部46に対し、連結突起146a(連結突起部)と突起片挿入凹部146b(突起挿入部)からなる係合部を形成してもよい。
このレール片部材145は、上記したレール片部材45と係合部の構造のみが異なっており、その他は同一の構造となっている。そのため、レール片部材45と同一の部分には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下で説明する第1実施形態とは異なる各実施形態においても、同様である。
連結突起146aは、走行面形成部46の長手方向における片側端部に位置する面に形成されており、この面からさらに外側に向かって突出する突起となっている。すなわち、連結突起146aは、走行面形成部46の長手方向に沿って突出する突起となっている。
この連結突起146aは、突出方向における基端側に位置する幅の狭い部分と、先端側に位置する幅の広い部分とを備えた構造となっており、その上面(天面)が走行面形成部46の上面と連続する同一の平面を形成している。
本実施形態では、走行面形成部46の長手方向における片側端部に位置する面において、幅方向で間隔を空けて並列した状態となるように、2つ(複数)の連結突起146aが形成されている。
突起片挿入凹部146bは、走行面形成部46の長手方向における他方側端部に位置する面に形成されており、この面からさらに内側に向かって窪んだ部分となっている。言い換えると、走行面形成部46の長手方向における他方側端部に位置する一部分を欠落させることで、形成される部分となっている。
この突起片挿入凹部146bは、走行面形成部46の長手方向における外側に位置する幅の狭い空間と、この幅の狭い空間のさらに内側に位置する幅の広い空間とを備えた空間となっている。すなわち、突起片挿入凹部146bは、連結突起146aが略丁度嵌り込む形状となっている。そして、この突起片挿入凹部146bは、走行面形成部46を上下方向に貫通しており、その上部と下部とが開放された状態となっている。
本実施形態では、走行面形成部46の長手方向における片側端部側において、幅方向で間隔を空けて並列した状態となるように、2つ(複数)の突起片挿入凹部146bが形成されている。
したがって、図9で示されるように、一のレール片部材145の連結突起146aのそれぞれを、他のレール片部材145の突起片挿入凹部146bのそれぞれに係合させることで、2つのレール片部材145を一体的に連結させることが可能となる。すなわち、一のレール片部材145の連結突起146aを他のレール片部材145の突起片挿入凹部146bに上方(又は下方)から近接させ、連結突起146aを突起片挿入凹部146bに嵌入させることで、これらを一体に連結させることが可能となる。
なお、このように連結させることで形成したレール部103は、レール部103の長手方向における引抜き強度を向上させることが可能となる。すなわち、連結させた2つのレール片部材145に対し、レール部103の長手方向に沿う方向であって、これらを引き離す方向へ力を加えたとしても、連結突起146aが破損しない限りこれらが分離することはない。このことから、このようなレール片部材145によると、レール部103の長手方向における引抜き強度の強い連結が可能となる。
上記した実施形態では、複数のレール片部材45を連結させてレール部3を形成する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、図10で示されるように、中空の可撓性を有する部材でレール部203を形成し、不使用時にはリール部材204に巻回した状態で収納し、使用時には引き出して設置予定位置に配置した後、中空部分に液体や気体を充填してもよい。
すなわち、レール部203は、扁平状の長尺体となる収縮状態と、内部中空部分に気体や液体を充填することで、断面形状が略凸字状で延びる膨張状態とを切替え可能なものであってもよい。この場合、少なくとも膨張状態時に、車輪37が乗る車輪載置部205や、台車部2と係合するレール側係合突起206が形成される構成であればよい。
また、図11で示されるように、レール部208は、全体が収縮状態と膨張状態とを切り替え可能なものに限らず、その一部のみが収縮状態と膨張状態とを切り替え可能なものであってもよい。言い換えると、少なくとも一部が収縮状態と膨張状態とを切り替え可能なものであってもよい。
例えば、図11で示されるように、薄板状のベース板部211と、ベース板部211の上面に固定された2つの膨張部212とを備えた構造であっても構わない。
このレール部208は、膨張部212の内側に、膨張部212の内側面とベース板部211の上面によって囲まれた空間が形成されており、この空間に水等の液体や空気等の気体を充填させることにより、膨張部212を収縮させた状態から膨張させた状態へ移行させることが可能となっている。
そして、膨張部212を膨張させることで、ベース板部211の上では、膨張部212による略角柱状となる突起部分が形成され、この突起部分がレール部208の幅方向で間隔を空けて並列した状態となる。
言い換えれば、膨張部212による突起部分の間に空間が形成され、この空間が台車部と係合するための係合空間213(図11(d)参照)となる。なお、このレール部208を採用する場合、前方側に一輪の車輪37を備えた台車部602(図17参照)を共に採用することが好ましい。
このレール部208では、膨張部212の内側に、膨張部212の内側面とベース板部211の上面によって囲まれた空間が形成される例を示したが、膨張部の内側に形成される空間は、膨張部の内側面のみによって囲まれた空間であってもよい。つまり、筒状の膨張部をベース板部211の上面に取り付けてもよい。取り付ける膨張部は、1つであってもよく、複数であってもよい。言い換えると、1以上の膨張部をベース板部211に取付ける構造であって構わない。
さらに、図12で示されるように、レール部220は、円筒状の可撓性を有する部材のみよって形成されるものであって構わない。
この場合、台車部202の車輪部214を、一つの車輪237を備えた、一軸一輪の車輪部214としてもよい。
このとき、車輪237は、幅方向の中心側よりの位置で、外周面の周方向に沿って延びる溝部238を備えたものであってもよい。この溝部238は、内周面が丸みを帯びた形状となっており、幅方向における中心付近が最も深くなり、外側に向かうにつれてその深さが浅くなる溝となっている。すなわち、この溝部238は、外周面に形成され、径方向の内方に窪む溝であり、内周面の断面形状が円弧状で周方向に延びる溝となっている。
ここで、この溝部238は、車輪237をレール部220の上に載置させたとき、円筒状のレール部220の上側部分が略丁度嵌り込む形状であることが好ましい。言い換えると、溝部238にレール部220の上側部分を挿入したとき、溝部238の内周面とレール部220の外周面とが隙間なく接触(又は僅かに隙間が形成される状態で接触)することが好ましい。
なお、この台車部202は、略長方形平板状の載置板部210を採用し、正面壁部12の下方に車輪部214を固定した構造としている。
すなわち、台車部202の載置板部210は、必ずしも前端の一部を欠落させて車輪取付部10bを形成する必要はなく、車輪部214が正面壁部12の下方に位置する構造であってもよい。
上記した第1実施形態では、載置板部10の下面に2つの脚部15を取り付けた例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。台車部に形成する脚部は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。すなわち、少なくとも1つの脚部を有する構造であっても構わない。
例えば、図13で示されるように、脚部15を1つのみ設けて形成される、一本足の脚部15を備えた台車部302であっても構わない。しかしながら、外力の加わらない自然状態において、自立した台車部302の姿勢をより安定させるという観点から、この一本足の脚部15を備えた構成よりも、第1実施形態のように、2つの脚部15を備えた構成であることがより好ましい。
また、脚部は、直線状に延びたものに限るものではなく、例えば、図14で示されるように、正面視した形状が略コ字状となるように延びる脚部315であってもよい。言い換えると、脚部315は、棒状体(又は筒状体)が折曲(又は屈曲)して延びた形状であってもよい。
この脚部315は、レール部3の幅方向に延びる連結棒部315aと、連結棒部315aから下方に延びる2つの垂直脚片315bとを備えている。そして、脚部315を使用して台車部303を自立させるとき、それぞれの垂直脚片315bの下端が接地した状態となる。
なお、垂直脚片315bは、2つのみに限るものではなく、1つであってもよく、3以上であってもよい。言い換えると、脚部315は、1箇所以上の部分を接地させて使用する構造であってもよい。
また、図15で示されるように、脚部316は、載置板部10の下面から下方に突出する基端棒部316aと、基端棒部316aの下端部分が二股に分岐して形成される下側脚部316bとが一体となった構造であっても構わない。
このとき、下側脚部316bは、正面視(又は背面視)した形状が略V字状となっており、それぞれ直線状に延びる2つの脚棒部316cが一体に連結された状態となっている。つまり、この脚部316は、脚棒部316cの一方をレール部3の幅方向における一端よりもさらに外側に接地させ、他方をレール部3の幅方向における他端よりもさらに外側に接地させた状態で使用する構造となっている。
なお、脚部316は、二股に分岐させるものに限るものではなく、例えば、3つに分岐させる所謂三脚のような形状であってもよい。この場合、2つの脚棒部の下端をレール部3の幅方向における一端よりもさらに外側に接地させ、残り1つをレール部3の幅方向における他端よりもさらに外側に接地させた状態で使用してもよい。
つまり、脚部316は、下端側に位置する部分が2以上に分岐して延びる形状であってもよい。
上記した第1実施形態では、台車部2の前方側にのみ車輪部14を設けた例について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、図16で示されるように、前方側と後方側のそれぞれに車輪部414を設けた構造であってもよい。このような構造とする場合、脚部15は必ずしも設ける必要はない。
例えば、図16(a)で示されるように、載置板部210の下面における前方側に二軸二輪の車輪部414を取り付け、下面における後方側に二軸二輪の車輪部414を取り付けた四輪の台車部を形成しても構わない。
この車輪部414では、一つの車輪取付金具415に対し、車軸部416を介して一つの車輪37が固定されている。そして、車輪取付金具415、車軸部416、車輪37によって形成される車輪固定部418が載置板部210の幅方向で間隔を空けて並列配置されている。つまり、車輪部414は、2つの車輪固定部418を備えた構造となっている。なお、車軸部416の延び方向はいずれも載置板部210の幅方向と同方向となっている。
さらに、図16(b)で示されるように、載置板部210の下面における前方側に一軸二輪の車輪部514を取り付け、下面における後方側に一軸二輪の車輪部514を取り付けた四輪の台車部を形成しても構わない。
この車輪部514では、二つの車輪取付金具415に対し、それぞれ一つずつ車輪37が取り付けられるものであり、この二つの車輪37が共通の一つの車軸部516によって連結された状態となっている。つまり、一つの車軸部516が二つの車輪取付金具415と、二つの車輪37を貫通して延びた状態となっている。
しかしながら、このような四輪の台車部は、上記した第1実施形態の台車部2と比べ、脚部15を設けずとも自立できる反面、走行時の振動が大きくなり易く、載置物に振動が伝わり易いという問題がある。したがって、上記した第1実施形態の台車部2のように、前方にのみ車輪部14を設け、後方側を持ち上げた状態で走行させることがより好ましい。
なお、上記したような前方に二輪、後方に二輪の四輪の構造に限らず、前方及び後方のいずれか一方に一輪、他方に二輪の三輪の構造とすることや、前方に一輪、後方に一輪の二輪とすることが考えられる。
しかしながら、上記したように、載置物に振動を伝わり難くするという観点から、前方に一輪のみ(図17参照、詳しくは後述する)の一輪の構造とすることや、第1実施形態のように前方に二輪のみの二輪の構造のように、前方のみに一以上の車輪を設ける構造がより好ましい。
このとき、後方にのみ車輪を設ける構造もまた考えられるが、使用者が容易に運搬を行うという観点から、このような構造よりも、前方のみに一以上の車輪を設ける構造が好ましい。
つまり、台車部は、一以上の車輪を設ける構造であってよく、前方にのみ車輪を設けてもよく、前方と後方のそれぞれに車輪を設けてもよく、後方のみに車輪を設けてもよいが、前方にのみ車輪を設ける構造がより好ましい。なお、このとき前方に設ける車輪の数及び位置と、後方に設ける車輪の数及び位置は、それぞれ変更して構わない。
そして、車輪の位置や数を変更する場合、レール部の構造も可変させることが望ましく、レール側係合突起51(図1参照)や係合空間213(図11(d)参照)の位置や数を変更してもよい。
例えば、図17で示されるように、前方に一軸一輪の車輪37を備えた台車部602であってもよい。
この台車部602では、載置板部210の下面における前方側であり、正面壁部12の下面に車輪部614が固定されている。そして、この車輪部614は、載置板部210の裏面に取り付けられる車輪取付金具635と、車輪取付金具635に支持される1つの車軸部636と、車輪37とを備えた構造となっている。
このとき、車輪取付金具635は、正面視(又は背面視)した形状が略コ字状となっており、平板状の部分と、この平板状の部分から下方に突出する2つの立板状の部分を備えた構造となっている。そして、2つの立板状の部分の間に車輪37が位置し、2つの立板状の部分と車輪37とを車軸部636が貫通して延びている。
このような台車部602と共に使用するレール部603は、断面形状が略凹字状で延びた構造となっている。
より詳細には、平板状で長尺に延びる板状部603aと、板状部603aの上面から上方に突出する2つの突起部603bとを備えた構造となっている。そして、突起部603bは、レール部603の幅方向で間隔を空けて並列しており、いずれも外形が略直方体状で長尺に延びる部分となっている。
したがって、2つの突起部603bの間には、断面形状が略四角形状で延びる係合空間610が形成されており、2つの突起部603bの間に位置する板状部603aの上面が、車輪37が載置される走行面として機能する。
つまり、台車部602では、車輪37そのものがレール部603と係合するための突起部分として機能する。対して、レール部603では、係合空間610が台車部602と係合するための係合部として機能する。ここで、係合空間610は、板状部603aの上面と、2つの突起部603bそれぞれの内側側面により囲まれた空間であることから、係合部の一部が走行面として機能するものといえる。
また、図18で示されるように、載置板部210の下面の前方のみに車輪部414を取り付け、二軸二輪の車輪37を備えた台車部604であってもよい。すなわち、第1実施形態の一軸二輪の車輪37を備えた車輪部14に替わって、二軸二輪の車輪37を備えた構造としてもよい。
このとき、第1実施形態と同様に、二つの車輪37に間に形成される空間を係合空間420とし、レール側係合突起51を挿通させても構わない。
さらにまた、一軸二輪の構造とするとき、第1実施形態のように2つの車輪37を接触させない構造に替わり、図19で示されるように、2つの車輪737の一部(内側側面)を接触させる構造の車輪部714であっても構わない。
具体的に説明すると、車輪部714は、載置板部210の裏面に取り付けられる車輪取付金具735と、車輪取付金具735に支持される1つの車軸部736と、2つの車輪737とを備えた構造となっている。
このとき、車輪取付金具735は、正面視(又は背面視)した形状が略コ字状となっており、平板状の部分と、この平板状の部分から下方に突出する2つの立板状の部分を備えた構造となっている。そして、2つの立板状の部分の間に2つの車輪737が位置し、2つの立板状の部分と2つの車輪737を車軸部736が貫通して延びている。そして、2つの車輪737は、レール部3の幅方向で並列した状態となっており、一方の車輪737の内側側面と他方の車輪737内側側面とが接触した状態となっている。
ここで、2つの車輪737は、幅方向の中心に位置する円盤状部737aと、円盤状部737aの幅方向の両端部それぞれの外側に位置する2つの円錐状部737bを備え、これらが一体となって形成されている。
円錐状部737bは、外側側方に向かうにつれて径寸法が小さくなるように形成されており、その外側側端に位置する部分には、側面視した形状が円形となる面が形成されている。そして、2つの車輪737の内側側端に位置する面同士が接触した状態となっている。
このとき、2つの車輪737の接触部分の下方には、正面視(又は背面視)した形状が略三角形状となる空間である係合空間744が形成されることとなる。そして、この係合空間744が、レール側係合突起51が挿通される空間として機能する。
上記した実施形態で、内周面が丸みを帯びた形状の溝部238を備えた車輪237(図12参照)について説明したが、車輪237に形成する溝部の形状はこれに限るものではない。
例えば、図20で示されるように、断面形状が略四角形状で周方向に延びる溝部768を備えた車輪767であってもよい。
この車輪767は、幅方向の中心部分に位置する径の小さい円柱状(横倒した円柱状)の小径円柱部767aと、この小径円柱部767aの幅方向における両端部それぞれの外側に位置する2つの径の大きな円柱状(横倒した円柱状)の大径円柱部767bとを備え、これらが一体となって形成されている。言い換えると、車輪767は、幅方向における中心部分のみ径が小さくなっており、この径が小さくなった部分と他の部分とが、段差を介して連続した状態となっている。
そして、溝部768によって形成される空間であり、車輪767の幅方向における中心側下方に位置する空間が、レール側係合突起51が挿通される空間として機能する。
さらに、図21で示されるように、幅方向の中心部分に位置する部分に対し、幅方向における中心付近が最も深くなり、外側に向かうにつれてその深さが浅くなる丸みを帯びた形状の溝部770を形成してもよい。この場合、図21で示されるように、溝部770の側端部分と大径円柱部767bの内側面とが連続するので、2つの大径円柱部767bの間に、内周面の断面形状が略U字状となる一部が丸みを帯びた深溝が形成された状態となる。言い換えると、最深部の周辺が丸みを帯びた形状となる溝部分が形成された状態となる。
上記した第1実施形態では、車輪部14は、車輪37を水平回動(垂直軸に対して回動)が不可能な状態に取り付ける例を示したが、図22、図23で示されるように、車輪部814は、車輪37を水平回動自在に取り付けるものであってもよい。そして、このような車輪部814を備えた台車部802は、方向転換が可能となる(詳しくは後述する)。
この車輪部814は、平板状の連結板部材815の下面に対し、2つの車輪固定部418を取り付けて形成されている。このとき、2つの車輪固定部418は、車軸部416が同一の方向に延びた状態となるように取り付けられており、所定の間隔を空けて並列配置された状態で取り付けられている。
そして、車輪部814を載置板部210の下面に固定することき、車輪部814と載置板部210の間に回動機構816を介在させた状態で取り付けている。回動機構816は、連結板部材815を回動自在に取り付けるものであり、より具体的には、連結板部材815を垂直軸に対して回動可能な状態に固定するものである。
このことから、車輪部814は、連結板部材815を載置板部210に対して回動させることにより、2つの車輪37の向きを同時に変更可能となっている。すなわち、連結板部材815をどのように回動させても、2つの車軸部416の延び方向が同一の方向となる状態が常時維持されたまま、2つの車輪37の向きが変更されることとなる。
このような台車部802によると、図24で示されるように、屈曲して延びるレール部803の上を走行させることとなる。
すなわち、使用者が台車部802を押しつつ走行させるとき、レール部3の屈曲に応じて2つの車輪37の向きが変更されていくこととなる。この状態で、使用者が車輪37の向きに応じて台車部802のその他の部分の向きを変更させることにより、屈曲したレールの上の走行が可能となる。
上記した実施形態では、運搬装置1を屋外の土地で使用する例について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、ビル等の建屋の屋上で太陽光発電システムを製造する際に使用してもよい。
すなわち、建屋の屋上にコンクリートブロック等の基礎部材を配置し、その上に架台を設置して基礎構造体を構築し、さらに架台上(基礎構造体上)に太陽電池モジュール59を取り付けて太陽光発電システムを製造するとき、屋上の所定の部分から基礎構造体を構築の付近まで太陽電池モジュールを運搬する際に使用してもよい。
1 運搬装置(太陽電池モジュール用運搬装置)
2,202,302,303,602,604,605 台車部
3,103,203,208,220,603,803 レール部
10,210 載置板部
11 持ち手部
12 正面壁部(立壁部)
13 脱落防止部
15,315,316 脚部
36 車軸部(車軸)
37,237,737 車輪
43,213,420,610,744 係合空間
45,145 レール片部材
47a 連結突起(連結突起部)
47b 突起片挿入孔(突起挿入部)
50a,205 車輪載置部
51,206 レール側係合突起
55 太陽光発電システム
58 基礎構造体
59 太陽電池モジュール
603b 突起部
146a 連結突起(連結突起部)
146b 突起片挿入凹部(突起挿入部)
238,768,770 溝部

Claims (13)

  1. 太陽電池モジュールを運搬する太陽電池モジュール用運搬装置であって、
    台車部とレール部とを有しており、
    台車部は、前記太陽電池モジュールを載置するものであり、下方側に回転可能に取り付けられた車輪を備え、
    レール部は、当該レール部の長手方向に沿って延びる車輪載置部を備えたものであって、
    前記台車部は、前記車輪が前記車輪載置部に常時接触しながら走行することを特徴とする太陽電池モジュール用運搬装置。
  2. 前記台車部は、並列して配され、車軸の向きが同一となる2つの前記車輪を備えており、2つの前記車輪の間には空間が形成され、
    前記レール部は、2つの前記車輪載置部を備えており、2つの前記車輪載置部の間に上方に向かって突出するレール側係合突起を有し、
    2つの前記車輪の間に形成される空間に、前記レール側係合突起が常時挿入された状態で走行することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用運搬装置。
  3. 前記レール部は、複数のレール片部材を連結させて形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用運搬装置。
  4. 前記レール片部材は、外方へ向かって突出する突起状の連結突起部と、前記連結突起部を挿入可能な突起挿入部とを有しており、
    前記連結突起部の突出方向は、前記レール部の延び方向と同一方向であって、
    前記レール部の少なくとも一部は、一の前記レール片部材の前記連結突起部が他の前記レール片部材の前記突起挿入部に挿入され、一の前記レール片部材と他の前記レール片部材とが連結して形成されることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュール用運搬装置。
  5. 前記レール部は、樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の太陽電池モジュール用運搬装置。
  6. 前記台車部は、前記太陽電池モジュールを載置する載置板部と、前記載置板部から上方へ突出する立壁部と、2つの脱落防止部を有しており、
    2つの前記脱落防止部は、間に前記載置板部と前記立壁部が位置した状態で離間対向しており、
    それぞれの前記脱落防止部は、前記載置板部と前記立壁部の連結部と、前記立壁部の突出端と、前記載置板部の前記連結部から最も離れた部分と結んで形成される領域の外側に位置していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽電池モジュール用運搬装置。
  7. 前記台車部は、使用者が把持する持ち手部をさらに有し、
    持ち手部は、前記載置板部から上方に突出する部分と、当該突出する部分の上方に位置する持ち手となる部分とを有し、
    前記持ち手部は、前記載置板部との連結部分を支点として回動可能に取り付けていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池モジュール用運搬装置。
  8. 前記レール部は、2つの前記車輪載置部を備えており、2つの前記車輪載置部の間に上方に向かって突出するレール側係合突起を備えており、
    前記車輪には、前記レール側係合突起を挿入可能な溝部が形成されており、
    前記台車部は、前記溝部に前記レール側係合突起が常時挿入された状態で走行することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用運搬装置。
  9. 前記レール部は、上方に突出する突起部を有し、2つの前記突起部の間であって周囲より低位置となる部分に前記車輪載置部が位置しており、
    前記台車部は、前記車輪が2つの前記突起部の間に嵌入された状態で走行することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用運搬装置。
  10. 前記レール部は、少なくとも一部が可撓性を有する部材で形成されており、前記可撓性を有する部材の内側に空間が形成されるものであって、
    前記可撓性を有する部材の内側の空間に気体又は液体を充填することで、前記レール部の少なくとも一部を膨張させることが可能なことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用運搬装置。
  11. 前記台車部は、前側下方に前記車輪が設けられ、後側下方に脚部が設けられるものであって、
    前記脚部の下端部分は、前記車輪を前記車輪載置部に接触させて前記台車部を停車させた状態で、前記レール部の幅方向における端部より外側に位置することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の太陽電池モジュール用運搬装置。
  12. 前記車輪は、水平面に対して垂直な垂直軸に対して回動可能に取り付けられている請求項1乃至11のいずれかに記載の太陽電池モジュール用運搬装置。
  13. 太陽電池モジュールを基礎構造体に固定することで形成される太陽光発電システムを製造する太陽光発電システムの製造方法であって、
    前記太陽電池モジュールを取り付けるための前記基礎構造体を構築する工程と、
    請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の太陽電池モジュール用運搬装置を使用して前記太陽電池モジュールを運搬する工程と、
    前記基礎構造体に対して前記太陽電池モジュールを取り付ける工程を実施することを特徴とする太陽光発電システムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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