JP2017196581A - フィルタ用の濾材の製造方法 - Google Patents

フィルタ用の濾材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017196581A
JP2017196581A JP2016090481A JP2016090481A JP2017196581A JP 2017196581 A JP2017196581 A JP 2017196581A JP 2016090481 A JP2016090481 A JP 2016090481A JP 2016090481 A JP2016090481 A JP 2016090481A JP 2017196581 A JP2017196581 A JP 2017196581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
papermaking raw
fiber
filter
papermaking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016090481A
Other languages
English (en)
Inventor
中村 敏之
Toshiyuki Nakamura
敏之 中村
光俊 鈴木
Mitsutoshi Suzuki
光俊 鈴木
ジェホ チェ
Jaeho Choi
ジェホ チェ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Clean & Science Co Ltd
Mahle Filter Systems Japan Corp
Original Assignee
Clean & Science Co Ltd
Mahle Filter Systems Japan Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Clean & Science Co Ltd, Mahle Filter Systems Japan Corp filed Critical Clean & Science Co Ltd
Priority to JP2016090481A priority Critical patent/JP2017196581A/ja
Publication of JP2017196581A publication Critical patent/JP2017196581A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】ダストおよびカーボンの双方に対して、寿命と捕捉効率とを高いレベルで両立させるとともに、化学繊維の配合に伴う強度の低下を回避する。【解決手段】上層用の第1の抄紙原料と下層用の第2の抄紙原料とを用いて、上層から下層へと層間で連続的な密度勾配を有するように抄紙する。各抄紙原料は、パルプ等の天然繊維とPET等の化学繊維とを含むが、第1の抄紙原料における化学繊維の配合比は第2の抄紙原料における化学繊維の配合比よりも高く、第1の抄紙原料の化学繊維は第2の抄紙原料の化学繊維よりも太い。さらに、第2の抄紙原料の化学繊維の一部として、融点が低い鞘部を備えたバイコンポーネント繊維を配合する。抄紙後の乾燥工程において鞘部が軟化ないし溶融し、繊維同士を結合するので、強度が向上する。【選択図】図1

Description

この発明は、自動車用内燃機関のエアクリーナ等のフィルタに用いられる濾材、特に、パルプ等の天然繊維とポリエステルやレーヨン等の化学繊維とを用いて湿式の抄紙により製造される濾材の製造方法に関する。
例えば自動車用内燃機関のエアクリーナの濾材は、一般に、パルプやリンター等の天然繊維を主体とした濾紙からなり、この濾紙を多数回折り返した形としてケース内に収容した構成となっている。このような濾紙は、一般に単層のものであるが、濾材の長寿命化を図るために、特許文献1では、上層用の抄紙原料と下層用の抄紙原料とを用い、両者が部分的に混合するように抄紙機のワイヤ上に供給することで、上層と下層との層間で連続した密度勾配を有する複合濾紙を得るようにした製造方法が提案されている。
さらに、特許文献2においては、連続的な密度勾配を有する濾紙を製造するに際して、上層用の抄紙原料と下層用の抄紙原料の化学繊維の配合比や化学繊維の太さをより適切に設定して、捕捉効率と寿命とをより高いレベルで両立させた濾材が開示されている。
特公昭53−17687号公報 特開2014−557号公報
上記のように上層と下層とで密度が異なるようにした複合型の濾紙にあっては、上層では化学繊維の割合が多くなるため、濾紙の強度は、天然繊維(パルプ等)を主体とした下層に主に依存することとなる。そのため、単層の濾紙に比較して強度が低下する傾向となり、単層の濾紙よりも厚さを厚くしても強度が低くなってしまう。このような強度の低下に伴い、抄紙時や樹脂加工時に応力に耐えられずに破れてしまうことが発生しやすくなり、これを回避するためには、生産設備での生産速度を低くせざるを得ない、といった問題が生じる。
この発明は、連続的な密度勾配を有する複合型の濾紙において、その強度を向上させることを目的とする。
この発明は、上層用の第1の抄紙原料と下層用の第2の抄紙原料とを用いて、上層から下層へと層間で連続的な密度勾配を有するように抄紙するフィルタ用の濾材の製造方法であって、
上記第1の抄紙原料および上記第2の抄紙原料は、天然繊維と化学繊維とを含み、
上記第1の抄紙原料における化学繊維の配合比は上記第2の抄紙原料における化学繊維の配合比よりも高く、
上記第1の抄紙原料における化学繊維の太さが上記第2の抄紙原料における化学繊維の太さよりも太く、
上記第2の抄紙原料における化学繊維の少なくとも一部は、相対的に高融点の芯部の周囲に相対的に低融点の鞘部を備えたバイコンポーネント繊維からなり、上記芯部の融点が抄紙後の乾燥工程におけるドライヤ温度よりも高く、かつ上記鞘部の融点が上記ドライヤ温度よりも低い、ことを特徴としている。
上記のような第1の抄紙原料と第2の抄紙原料とを用いて連続密度勾配となるように抄紙することで、層間で単に配合比が連続的に変化するにとどまらず、繊維径の太い化学繊維が上層ほど多く存在し、繊維径の細い化学繊維が下層ほど多く存在する形となり、比較的大きなダスト粒子(例えば7μmの粒子で試験が行われる)に対するダスト性能と、非常に小さなカーボン粒子(例えば0.5μm程度のすす)に対するカーボン性能と、の双方について、捕捉効率と寿命(目詰まりまでの期間)とがより高いレベルで両立する。
そして、第2の抄紙原料に含まれる化学繊維の少なくとも一部として配合されたバイコンポーネント繊維は、抄紙後の乾燥工程においてドラム状のドライヤを通過する際に、鞘部の化学繊維材料が軟化ないし溶融し、バイコンポーネント繊維同士、あるいは、他の天然繊維や化学繊維と結合する。そのため、主に下層側部分の強度が向上し、濾紙としての強度が高く得られる。また、第1の抄紙原料と第2の抄紙原料とは、連続的な密度勾配を構成するように部分的に混合しながら抄紙されるので、バイコンポーネント繊維の一部は上層側へも混ざっていき、同様に乾燥工程において他の繊維と結合する。そのため、上層側部分と下層側部分との結合強度が向上し、両者の剥離が防止される。
本発明の好ましい一つの態様では、上記バイコンポーネント繊維は、上記芯部および上記鞘部が互いに融点の異なるポリエステルからなる。
また、本発明の好ましい一つの態様では、上記第1の抄紙原料における化学繊維の一部として、上記ドライヤ温度よりも融点が高い芯部の周囲に上記ドライヤ温度よりも融点が低い鞘部を備えたバイコンポーネント繊維を配合する。このように上層用の第1の抄紙原料にもバイコンポーネント繊維を配合することで、上層側部分の強度も向上し、濾紙としての強度がより高く得られる。
このような場合に、好ましくは、上記第1の抄紙原料に配合されるバイコンポーネント繊維の太さが、上記第2の抄紙原料におけるバイコンポーネント繊維の太さよりも太い。これにより、上述したダスト粒子ならびにカーボン粒子に対する捕捉効率と寿命との両立を損なうことがない。
この発明によれば、ダスト粒子ならびにカーボン粒子の双方に対して捕捉効率と寿命とを高いレベルで両立させることができるとともに、上層で化学繊維を多く含むことによる濾紙の強度の低下を回避することができる。
この発明における抄紙工程の説明図。 この発明により製造された濾材の説明図。 バイコンポーネント繊維の断面形状を模式的に示した説明図。
以下、この発明の具体的な実施例を詳細に説明する。ここでは、自動車用内燃機関のエアクリーナエレメントに適用する濾材を例に説明する。
図1は、本発明の濾材の製造方法における抄紙工程の説明図であって、これは、特許文献1に記載されている方法と特に変わりがない。すなわち、図示しない別々のヘッドボックスから第1の抄紙原料1と第2の抄紙原料2とが、ワイヤ送りドラム3およびワイヤ4からなる抄紙機のワイヤパートへ供給されるが、混合率調整板5よりも下流側では、2つの抄紙原料1,2が部分的に混合し、明確な界面が存在しない状態となってワイヤ4上に載る。これにより、上面から下面の間で2つの抄紙原料1,2の配合割合が連続的に変化した濾紙が得られる。なお、本発明における「上層」および「下層」の語は、濾過される流体の流れ(例えばエアクリーナ用の濾材であれば空気の流れ)に対する上流側の層および下流側の層の意味であり、抄紙時の上下がこれに限定されるものではない。図1に示す抄紙工程で抄紙された濾紙は、図示せぬ乾燥工程に送られ、この乾燥工程において水分の蒸発が行われる。乾燥工程は、1つあるいは複数のドラム状のドライヤを備えており、抄紙された濾紙が、所定温度に加熱されたドライヤの表面に巻き付きながら送られるようになっている。ドライヤの温度は、水分を蒸発させるために必要な100℃以上の温度、例えば130℃に設定される。
図2は、本発明の製造方法によって製造された濾材の説明図であって、各々の層の密度ないしポアサイズを孔の大きさで模式的に示した説明図である。図示するように、2つの層の界面は存在せず、密度ないしポアサイズが厚さ方向に変化する。そのため、基本的に、界面での目詰まりが生じにくいものとなる。
第1の抄紙原料1および第2の抄紙原料2は、いずれもパルプやリンター等の天然繊維とポリエステルやレーヨン等の化学繊維を含む。そして、第1の抄紙原料1における化学繊維の配合比は第2の抄紙原料2における化学繊維の配合比よりも高く、また、第1の抄紙原料1における化学繊維の太さが第2の抄紙原料2における化学繊維の太さよりも太いものとなっている。
化学繊維は、パルプ等の天然繊維に比較して真っ直ぐなため、化学繊維が多く配合されると濾材内部に空隙が生じ、密度が低下する。このような作用は、同じ化学繊維でも、繊維径が太いほど大となる。そのため、図1に示したような抄紙方法で層間が連続密度勾配となるように抄紙した場合に、層間で単に配合比が連続的に変化するにとどまらず、繊維径の太い化学繊維が上層ほど多く存在し、繊維径の細い化学繊維が下層ほど多く存在する形となり、比較的大きなダスト粒子(例えば7μmの粒子で試験が行われる)に対するダスト性能と、非常に小さなカーボン粒子(例えば0.5μm程度のすす)に対するカーボン性能と、の双方について、捕捉効率と寿命(目詰まりまでの期間)とがより高いレベルで両立する。
好ましい一つの例では、第1の抄紙原料1における化学繊維の配合比は、10〜80%(重量%、以下同じ)であり、その繊維の太さは、2〜3デシテックス前後である。第2の抄紙原料における化学繊維の配合比は、60%以下であり、その繊維の太さは、1デシテックス前後である。
すなわち、上層における化学繊維の配合量が少ないと、空隙率が低く、低密度化の効果が得られない。逆に配合量が多すぎると、空隙率が高くなりすぎてダストが上層を通過してしまい、上層の役割を果たせなくなる。従って、第1の抄紙原料における化学繊維の配合比は、10〜80%が好ましい。また、下層は、上層よりも密度を高くして密度勾配を確保するとともに、例えばエアクリーナエレメントとして後行程でプリーツ加工しやすいように天然繊維の割合を多くする必要があることから、第2の抄紙原料における化学繊維の配合比は、60%以下であることが好ましい。また、化学繊維の繊維太さは、上述したように太い方が空隙を確保して密度を下げる効果が高いことから、上層を2〜3デシテックス前後とし、下層を1デシテックス前後とすることが好ましい。
また、原紙の坪量は、紙力(強度)や厚さとの相関が高く、60g/m2未満ではフィルタ例えばエアクリーナエレメントとしての必要強度が得られないことから、60g/m2以上であることが望ましい。但し、250g/m2を越えると、強度は強いものの、ある厚さを越えてしまい、プリーツ加工してフィルタ(例えばエアクリーナエレメント)としてケース内に収容するに際して、必要な濾材の面積を十分に確保できなくなる(つまり濾材の嵩が過大となる)とともに、厚みが過大で通気抵抗が高くなることから、250g/m2以下であることが望ましい。
本発明においては、望ましくは、第1の抄紙原料1と第2の抄紙原料2とが、坪量比で、2:8〜6:4の割合で用いられる。
本発明のような密度勾配を有する濾材では、上層および下層の坪量比は、濾過性能(例えばダストホールディングキャパシティ:DHC)および濾材の剛性との相関が高い。上流側となる低密度層の割合が大きくなると、ダスト性能の寿命(ライフ)が向上するが、これに伴って下流側の高密度材料の割合が少なくなり過ぎると、濾材の剛性が低下し、濾材密着等が発生してフィルタとしての性能低下(寿命の低下や効率の低下)が起こりやすくなる。従って、両者を勘案して、ダスト性能と剛性とのバランスがとれた2:8〜6:4の割合が望ましい。
また望ましくは、濾材(濾紙)の厚みは、0.4〜1.5mmの範囲である。濾材の厚みは、濾過面積および通気抵抗との相関が高く、濾材が薄いほど、同じフィルタにおいて濾過面積を大きく確保できるとともに、通気抵抗を小さくできるので、1.5mm以下であることが望ましい。但し、強度の点で、少なくとも0.4mmは必要である。
また望ましくは、濾材(濾紙)の密度は、0.1〜0.5g/cm3の範囲にある。濾材の密度は濾過性能との相関が高く、密度が低いほど目詰まりまでの寿命(ライフ)は長くなるが、効率は低くなるので、両者のバランスがとれた0.1〜0.5g/cm3の範囲が望ましい。
ここで、第2の抄紙原料2には、化学繊維の少なくとも一部として、バイコンポーネント繊維が配合されている。このバイコンポーネント繊維は、図3に断面形状を模式的に示したように、相対的に高融点の芯部11の周囲に相対的に低融点の鞘部12を備えたいわゆる芯鞘型の構造を有している。特に、芯部11の融点が上記の乾燥工程におけるドライヤの温度(例えば130℃)よりも高く、かつ鞘部12の融点がドライヤの温度よりも低いものとなっている。
さらに、本発明の好ましい実施例においては、上層用の第1の抄紙原料1に、その化学繊維の一部として同様のバイコンポーネント繊維を配合するようにしてもよい。
下記表1に実施例1として示すように、上層を構成する第1の抄紙原料1としては、天然繊維としてパルプを40%、化学繊維として繊維太さが3.3デシテックスのポリエステル繊維詳しくはPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維を50%、さらに化学繊維の一部として繊維太さが2.2デシテックスのバイコンポーネント繊維を10パーセント、配合したものを用いた。下層を構成する第2の抄紙原料2としては、天然繊維としてパルプを90%、化学繊維として繊維太さが1.1デシテックスのバイコンポーネント繊維を10%、配合したものを用いた。
ここで、第1の抄紙原料1に配合したバイコンポーネント繊維および第2の抄紙原料2に配合したバイコンポーネント繊維のいずれも、芯部11および鞘部12の双方がポリエステル詳しくはPETからなり、芯部11の融点が約220℃、鞘部12の融点が約120℃である。具体的には、第1の抄紙原料1に配合した2.2デシテックスのバイコンポーネント繊維は、帝人株式会社が市販している商標名「テピルス(tepyrus)」製品番号「TJ04CN SD2.2×5」のバイコンポーネント繊維であり、第2の抄紙原料2に配合した1.1デシテックスのバイコンポーネント繊維は、同じく帝人株式会社が市販している商標名「テピルス(tepyrus)」製品番号「TJ04CN SD1.1×5」のバイコンポーネント繊維である。なお、繊維長は、いずれも5mmである。
これら2つの抄紙原料を用いて、前述した図1のような湿式の抄紙方法によって、連続的な密度勾配を有する濾材(濾紙)を抄紙した。そして、ドライヤの温度を130℃に設定した乾燥工程でもって水分の除去を行った。ここで、全体の坪量が120g/m2となり、かつ第1の抄紙原料1と第2の抄紙原料2との坪量比が4:6となるように、それぞれの原料の供給量を調整した。これにより得られた濾紙の厚み(カレンダー処理していない厚み)は、0.95mmであり、ポアサイズは75μm、全体の密度は0.13g/cm3であった。
下記表1に実施例2として示すように、上層を構成する第1の抄紙原料1としては、天然繊維としてパルプを40%、化学繊維として繊維太さが3.3デシテックスのPET繊維を60%、配合したものを用いた。下層を構成する第2の抄紙原料2としては、実施例1と同じく、天然繊維としてパルプを90%、化学繊維として繊維太さが1.1デシテックスの上述したバイコンポーネント繊維を10%、配合したものを用いた。つまり、実施例2は、上層用の第1の抄紙原料1にバイコンポーネント繊維が含まれていない。
これら2つの抄紙原料を用いて、前述した図1のような湿式の抄紙方法によって、連続的な密度勾配を有する濾材(濾紙)を抄紙した。そして、ドライヤの温度を130℃に設定した乾燥工程でもって水分の除去を行った。ここで、全体の坪量が120g/m2となり、かつ第1の抄紙原料1と第2の抄紙原料2との坪量比が4:6となるように、それぞれの原料の供給量を調整した。これにより得られた濾紙の厚み(カレンダー処理していない厚み)は、0.95mmであり、ポアサイズは75μm、全体の密度は0.13g/cm3であった。
表1に比較例として示すものは、第1の抄紙原料1および第2の抄紙原料2のいずれもバイコンポーネント繊維を含まない。すなわち、上層を構成する第1の抄紙原料1としては、天然繊維としてパルプを40%、化学繊維として繊維太さが3.3デシテックスのPET繊維を60%、配合したものを用いた。下層を構成する第2の抄紙原料2としては、天然繊維としてパルプを95%、化学繊維として繊維太さが3.3デシテックスのPET繊維を5%、配合したものを用いた。
これら2つの抄紙原料を用いて、前述した図1のような湿式の抄紙方法によって、連続的な密度勾配を有する濾材(濾紙)を抄紙した。そして、ドライヤの温度を130℃に設定した乾燥工程でもって水分の除去を行った。ここで、全体の坪量が120g/m2となり、かつ第1の抄紙原料1と第2の抄紙原料2との坪量比が4:6となるように、それぞれの原料の供給量を調整した。これにより得られた濾紙の厚み(カレンダー処理していない厚み)は、0.95mmであり、ポアサイズは75μm、全体の密度は0.13g/cm3であった。
Figure 2017196581
上記のような実施例1,2および比較例のそれぞれの濾紙に対し、フェノール樹脂を含浸させる前の原紙状態において、ISO2758に規定される破裂強度試験を実施した。この試験によって示された破裂強度は、表1に示したように、比較例では40kPaであったのに対し、実施例2では60kPaであり、実施例1ではさらに高い70kPaの破裂強度が得られた。
このように、実施例1,2によれば、乾燥工程において鞘部が軟化ないし溶融するバイコンポーネント繊維を配合することにより、厚みを厚くすることなく高い強度の濾紙が提供される。従って、抄紙時や樹脂加工時における濾紙の破損を抑制することができるとともに、生産設備での生産速度を高く設定することが可能となる。また、バイコンポーネント繊維は、第1の抄紙原料を主とする上層部分と第2の抄紙原料を主とする下層部分との間の結合強度の向上にも寄与し、両者の剥離がより確実に抑制される。
さらに、実施例1のように上層用の第1抄紙原料に配合したバイコンポーネント繊維は、上層の表面付近における化学繊維の結合強度を高めるため、化学繊維が多く含まれる上層表面での「ささくれ」や皺の抑制にも寄与する。
なお、この発明は、エアクリーナ用の濾材に限定されず、オイルフィルタや燃料フィルタ等の濾材の製造にも適用することができる。

Claims (4)

  1. 上層用の第1の抄紙原料と下層用の第2の抄紙原料とを用いて、上層から下層へと層間で連続的な密度勾配を有するように抄紙するフィルタ用の濾材の製造方法であって、
    上記第1の抄紙原料および上記第2の抄紙原料は、天然繊維と化学繊維とを含み、
    上記第1の抄紙原料における化学繊維の配合比は上記第2の抄紙原料における化学繊維の配合比よりも高く、
    上記第1の抄紙原料における化学繊維の太さが上記第2の抄紙原料における化学繊維の太さよりも太く、
    上記第2の抄紙原料における化学繊維の少なくとも一部は、相対的に高融点の芯部の周囲に相対的に低融点の鞘部を備えたバイコンポーネント繊維からなり、上記芯部の融点が抄紙後の乾燥工程におけるドライヤ温度よりも高く、かつ上記鞘部の融点が上記ドライヤ温度よりも低い、ことを特徴とするフィルタ用の濾材の製造方法。
  2. 上記バイコンポーネント繊維は、上記芯部および上記鞘部が互いに融点の異なるポリエステルからなる、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ用の濾材の製造方法。
  3. 上記第1の抄紙原料における化学繊維の一部として、上記ドライヤ温度よりも融点が高い芯部の周囲に上記ドライヤ温度よりも融点が低い鞘部を備えたバイコンポーネント繊維を配合した、ことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ用の濾材の製造方法。
  4. 上記第1の抄紙原料に配合されるバイコンポーネント繊維の太さが、上記第2の抄紙原料におけるバイコンポーネント繊維の太さよりも太い、ことを特徴とする請求項3に記載のフィルタ用の濾材の製造方法。
JP2016090481A 2016-04-28 2016-04-28 フィルタ用の濾材の製造方法 Pending JP2017196581A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016090481A JP2017196581A (ja) 2016-04-28 2016-04-28 フィルタ用の濾材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016090481A JP2017196581A (ja) 2016-04-28 2016-04-28 フィルタ用の濾材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017196581A true JP2017196581A (ja) 2017-11-02

Family

ID=60236935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016090481A Pending JP2017196581A (ja) 2016-04-28 2016-04-28 フィルタ用の濾材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017196581A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115595823A (zh) * 2022-10-26 2023-01-13 石家庄辰泰滤纸有限公司(Cn) 一种耐水洗阻燃滤纸及其制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020088592A1 (en) * 2000-05-12 2002-07-11 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Process for increasing the softness of base webs and products made therefrom
JP2008000652A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Mitsubishi Paper Mills Ltd 濾材
JP2012516399A (ja) * 2009-01-28 2012-07-19 ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド 繊維媒体並びにその形成方法及び装置
JP2013126626A (ja) * 2011-12-19 2013-06-27 Mahle Filter Systems Japan Corp フィルター用ろ材およびその製造方法、ならびにフィルター
JP2014000557A (ja) * 2012-06-21 2014-01-09 Mahle Filter Systems Japan Corp フィルタ用の濾材
US20160023146A1 (en) * 2013-03-09 2016-01-28 Janelle M. Hampton Nonwoven filtration media including microfibrillated cellulose fibers

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020088592A1 (en) * 2000-05-12 2002-07-11 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Process for increasing the softness of base webs and products made therefrom
JP2008000652A (ja) * 2006-06-20 2008-01-10 Mitsubishi Paper Mills Ltd 濾材
JP2012516399A (ja) * 2009-01-28 2012-07-19 ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド 繊維媒体並びにその形成方法及び装置
JP2013126626A (ja) * 2011-12-19 2013-06-27 Mahle Filter Systems Japan Corp フィルター用ろ材およびその製造方法、ならびにフィルター
JP2014000557A (ja) * 2012-06-21 2014-01-09 Mahle Filter Systems Japan Corp フィルタ用の濾材
US20160023146A1 (en) * 2013-03-09 2016-01-28 Janelle M. Hampton Nonwoven filtration media including microfibrillated cellulose fibers

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115595823A (zh) * 2022-10-26 2023-01-13 石家庄辰泰滤纸有限公司(Cn) 一种耐水洗阻燃滤纸及其制备方法
CN115595823B (zh) * 2022-10-26 2023-11-10 石家庄辰泰滤纸有限公司 一种耐水洗阻燃滤纸及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102340662B1 (ko) 필터용 다층 여과재 및 그의 제조 방법 및 에어 필터
CN111617557B (zh) 适合液压应用的过滤介质
US10603615B2 (en) Filter medium
CN107106953A (zh) 包括预过滤层的过滤介质
JP6138812B2 (ja) フィルター材料
EP2414064A2 (en) Filter media suitable for hydraulic applications
CN105828903A (zh) 具有细短纤维的过滤介质
CN110062649B (zh) 具有密度变化的过滤介质
WO2013190905A1 (ja) フィルタ用の濾材およびその製造方法
JP6685589B2 (ja) 不織布濾過材及びエアクリーナエレメント
CN107073370A (zh) 包含包括带电颗粒的纤维的过滤介质
JP2007113135A (ja) 液体濾過用フィルタ用紙及び液体濾過用フィルタ用紙の製造方法
JP2017196581A (ja) フィルタ用の濾材の製造方法
JP4120737B2 (ja) 液体濾過用の濾過材
JP2006061789A (ja) 液体濾過用フィルター濾材
US20170087496A1 (en) Filter Medium and Use of the Filter Medium
WO2013159298A1 (zh) 一种自洁式空气过滤材料及其制备方法
JP2014073432A (ja) 濾材
JP5759435B2 (ja) 濾材
JP2019034269A (ja) フィルタ用濾材及び積層フィルタ用濾材
JP7035345B2 (ja) フィルター
JP2023094688A (ja) 液体フィルタ用濾材
JP2022055118A (ja) フィルタ用不織布及びフィルタ用濾材
JP2023120047A (ja) 液体フィルタ用濾材
JP2023148945A (ja) 液体フィルタ用濾材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201006