JP7035345B2 - フィルター - Google Patents

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Description

本発明は、コピー機、プリンター、多機能OA機、POD印刷機等の電子機器からの排気に含まれるトナー等の粉塵捕集を目的としたフィルターに関する。
コピー機、プリンター機と言った画像形成装置は、まず、帯電された感光耐ドラム上に露光相を形成し、さらに、このトナー像を用紙等に転写する形態を取る。その際に、供給したトナーが全て用紙等に転写されるわけではなく、装置内部には浮遊トナーが発生し、排気と共に外部に排出される。
近年、環境問題への意識の高まりからトナー等の粉塵の排気規制が行われるようになっており、その規制をクリアするために、トナー等を効率良く捕集できるフィルターが望まれている。また、このようなフィルターは装置内部に設置されることが多く、難燃性に優れていることが望まれている。
トナーの捕集を目的としたフィルターとしては、例えば特許文献1に記載の少なくとも2層構造のサーマルボンド不織布からなる濾材を使用したフィルターが知られている。特許文献1には、上流側の不織布が、ハロゲン系以外の難燃剤をもって難燃処理を施したポリプロピレン繊維を芯として鞘部をポリエチレンとした芯鞘構造熱融着線をもって構成され、上流側および下流側の不織布層同士が熱融着性繊維の熱融着をもって積層一体化されていると共に、不織布層全体にエレクトレット化処理を施していることを特徴とする濾材を用いたトナーフィルターが開示されている。
また、高捕集・高寿命及び難燃性を有するフィルターとして、例えば特許文献2では、繊維の交点周りに塩化ビニル基からなる重合体等の難燃性樹脂が接着された不織布が提案されている。
特開2008-151980号公報 特開平05-68824号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、フィルターを構成している濾材の充填密度が高い為、十分に高いトナー捕集量が得られないという問題がある。また、特許文献2の技術は、難燃性樹脂を付与する工程において、浸漬及び絞り加工又は難燃性樹脂を付与した後にサクション工程にて難燃性樹脂を吸引するものの、不織布の厚みが減少することで、トナーを捕集する繊維表面積が減少し、捕集効率と寿命とが低下する。さらに、トナーの種類が破砕トナーから重合トナーに変わり、粒径の均一性が向上し離型性又は帯電荷も均一となり、トナー粒子同士が凝集することが無く、トナー粒子の上にトナー粒子が堆積しない為、フィルターの捕集効率が低下する問題がある。
本発明は、上記従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、コピー機、プリンター、多機能OA機、POD印刷機等の電子機器からの排気に含まれるトナー等の粉塵の捕集効率の低下を抑制すると共に、より多くのトナー等の粉塵を捕集できるフィルターを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.円形断面短繊維不織布を備えたエレクトレット層と、布帛から成る非エレクトレット層とが固着せずに積層されていることを特徴とするフィルター。
2. 前記エレクトレット層は、空気流入部の開口面積率が70~99%である補強ネットをさらに備え、前記補強ネットは、前記エレクトレット層において前記非エレクトレット層が積層されていない面に融着にて積層されていることを特徴とする上記1に記載のフィルター。
3.前記非エレクトレット層の布帛は、サーマルボンド不織布または長繊維不織布であり、前記非エレクトレット層と前記エレクトレット層との密度比は、0.3~6.0であることを特徴とする上記1または2に記載のフィルター。
4.プリーツ形状を有することを特徴とする上記1から3のいずれか1つに記載のフィルター。
本発明の構成によれば、非エレクトレット層とエレクトレット層が存在しており、層間が固着されずに積層されている。ここで、固着されていないとは、濾過に用いられる部分、フィルターの周囲部分を除く部分、即ち空気流入部の層同士が、一体化されていない、あるいは、分離状態である、ことを意味する。また、層間は、接着、融着、または絡合されていない、あるいは、搭載させているのみ、と言うこともできる。
本発明に係るフィルターは、非エレクトレット層とエレクトレット層とが存在することで、非エレクトレット層によってトナーの電荷が安定化し、エレクトレット層によってより捕集効率が向上する。また、層間が固着していないため、フィルター材をプリーツ加工したときにプリーツの頂部または谷部付近の層間に間隙を生じさせることができる。この間隙により粉塵捕集量を従来よりも格段に増大させることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のフィルターは、円形断面短繊維不織布を備えたエレクトレット層と、布帛から成る非エレクトレット層とが固着せずに積層されている。
まずエレクトレット層について説明する。
エレクレット層は円形断面短繊維不織布を備えている。繊維の断面形状が円形のように直線部を有さなければ、繊維同士の接触による有効濾過面積の減少が少ないため好ましい。例えばフィルムスプリット繊維のような矩形断面であると繊維同士で接触により、有効濾過面積の減少および粉塵負荷時の粉塵保持空間の減少が生じるので好ましくない。本明細書で記載の円形断面形状とは真円に限定されず楕円形を含むものである。
エレクトレット層のエレクトレット化方法は特に限定されず、コロナ荷電法、摩擦帯電法、流体摩擦荷電法等広く用いることができるが、摩擦帯電法は空隙率が高い濾材を高帯電量でエレクトレット化できるので好ましい。
円形断面短繊維不織布に別の層(例えば長繊維不織布層)が積層されていてもよい。この別の層により、円形断面短繊維不織布のウェブの加工性(搬送性)向上させることができる。
エレクトレット層に摩擦帯電濾材を用いる場合は、ポリエステル系繊維を少なくとも20質量%とポリオレフィン系繊維を少なくとも30質量%とを含んでおり、該摩擦帯電濾材中にリン原子および/またはイオウ原子が300ppm以上含有されていることが好ましい。これらリン原子および/またはイオウ原子は、ホスフィン酸化合物および/またはスルホン酸化合物としてポリエステル分子鎖と共重合して存在していることが好ましい。このような摩擦帯電繊維は、例えば特開2005-296825号公報に開示されているような公知の方法にて作製することができ、難燃性と濾過性能に優れている。
本実施形態のエレクトレット層は、さらに補強ネットを備えているのが好ましい。補強ネットは、フィルターに剛性を付与し、形状保持性、プリーツ加工性を向上させるためのものである。例えば合成繊維、無機繊維、金属繊維を使用することができる。熱接着性、プリーツ加工性の面からは、合成繊維を使用することが好ましい。
また、補強ネットは空気流入部の開口面積率が70~99%であることが必要である。好ましくは80~97%である。開口面積率が70%以上であると、有効濾過面積が減少せず、圧力損失を抑えられる。また、99%以下であると、フィルタに十分な剛性を付与でき、形状保持性が好ましい。
補強ネットの厚みは、0.1~2mmであることが好ましい。より好ましくは0.2~1mmである。厚みが0.1mmであると、布帛間の間隔が小さくならず、十分に高い粉塵捕集量が得られる。また、2mm以下であると、プリーツ加工時の加工性が悪くなり難い。ここで厚みとは、補強ネットに7g/cmの荷重をかけた時の厚みを指す。
補強ネットの目付けは、10~100g/mであることが好ましい。より好ましくは20~50g/mである。目付けが10g/m以上であると、布帛間の間隙が小さくならず、十分に高い粉塵捕集量が得られる。また、100g/m以下であるとプリーツ加工時の加工性がよい。
補強ネットは、布帛に熱接着されるが、それ自身で熱接着するように、熱接着性合成樹脂からなることが好ましい。この場合、加工性の面から、できるだけ低融点の材質が好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、またはそれらの共重合体が好ましく使用される。補強ネットがそれ自身熱接着性を有しない場合は、熱接着性接着剤で布帛に接着される。
補強ネットに別の層(例えば長繊維不織布層)が積層されてもよい。別の層によりフィルターのプリーツにした場合の加工性(補強目的)を向上することができる。
次に非エレクトレット層について説明する。
本実施形態の非エレクトレット層を成す布帛は短繊維不織布であってもよい。非エレクトレット層を成す布帛が短繊維不織布である場合、当該短繊維不織布は、少なくとも芯鞘型複合熱接着短繊維と被接着短繊維とを含むのが好ましい。この場合、熱接着短繊維の鞘成分が溶融して被接着繊維と接着して層状態を成す。芯鞘型複合熱接着短繊維は、鞘部分が低融点樹脂であって、芯部分が高融点樹脂である芯鞘型の複合繊維であると、被接着短繊維と良好に接着する。芯鞘型複合短繊維以外のサイドバイサイド型複合短繊維等の場合は、外表面に存在する高融点樹脂が溶融せず接着に寄与しないため、繊維交点の接着力不足が発生し、短繊維不織布において毛羽や剛性不足といった不具合がある場合がある。
非エレクトレット層を成す短繊維不織布に芯鞘型複合熱接着短繊維が含まれる場合、芯鞘型複合熱接着短繊維の芯成分樹脂と鞘成分樹脂の融点の差は、80℃以上あることが好ましい。80℃以上融点の差があると、不織布製造時の熱接着工程において、熱接着短繊維の鞘成分樹脂の融点以上の温度の熱風にて鞘成分を溶融して熱接着させる際に、芯成分樹脂が軟化又は溶融するのを抑制でき、熱風の風圧により短繊維不織布の厚みが減少するのを抑制できる。
非エレクトレット層を成す短繊維不織布を構成する繊維は、限界酸素指数(以下LOI値と示す)が20以上である短繊維が80重量%以上含有されているのが好ましい。80%重量以上であると、燃焼し難く、UL94発泡材料水平燃焼試験(ASTM D4986)の難燃性試験において、HF-1の基準をクリアできる。
非エレクトレット層を成す短繊維不織布に芯鞘型複合熱接着短繊維が含まれる場合、芯鞘型複合熱接着短繊維は、LOI値が20以上であることが好ましく、特に限定はしないが鞘成分が低融点ポリエステル、芯成分が高融点ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維が好ましい。一般的に知られているポリエチレン(鞘)/ポリプロピレン(芯)、または、ポリエチレン(鞘)/ポリエステル(芯)で構成される芯鞘型複合熱接着短繊維に比べて、円形断面短繊維層の難燃性を十分とすることができるからである。
非エレクトレット層を成す短繊維不織布に被接着短繊維が含まれる場合、被接着短繊維も、LOI値が20以上であることが好ましい。被接着短繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等の繊維が挙げられる。特に限定はされないが、被接着短繊維は、芯鞘型複合熱接着短繊維に鞘成分が低融点ポリエステル芯成分が高融点ポリエステルからなる繊維を使用した場合、繊維交点の接着性、リサイクル性の面から、高融点ポリエステル繊維を使用することが好ましい。
本実施形態のフィルターが備える非エレクトレット層を成す短繊維不織布の製造方法は、例えば、次のようである。短繊維を通常のカード工程に通して開繊したウェブを、レイヤー工程で積層し、低融点繊維の融点以上及び高融点繊維の融点以下の温度の熱風をウェブに吹きつけ繊維交点を熱接着させる。本実施形態の製造方法では、繊維を交絡させるニードルパンチ加工及び水流交絡法はウェブの厚みが減少するために実施しない。
本実施形態のフィルターは嵩高性を必要とするため、非エレクトレット層を成す短繊維不織布の製造の熱接着工程において熱風の風圧を下げて短繊維不織布の厚みが小さくならないように熱接着させる必要がある。厚みの減少を抑制するために、短繊維不織布を構成する短繊維の平均繊維直径は15~25μmであるのが好ましい。平均繊維直径が15μm以上であると、通気抵抗が大きくならずに、熱接着工程にて短繊維不織布の厚みが大きくなり、25μm以下場合は繊維重量当りの繊維表面積が大きくトナー捕集性が高くなる。
非エレクトレット層を成す短繊維不織布を構成する短繊維の平均繊維径を上記範囲にするため、構成繊維の繊維径が5~20dtexの太繊度の繊維を10%~50%混綿することが好ましい。より好ましくは繊度が6~10dtex、構成比率が20%~40%である。太繊度の繊維の構成比率が10%以上であると、通気抵抗の低下の効果を発現し易くし、50%以下であると、繊維重量当りの繊維表面積が大きくトナー捕集性が高くなる。
本実施形態のフィルターの非エレクトレット層を成す短繊維不織布に芯鞘型複合熱接着短繊維と被接着短繊維とが含まれる場合、その混繊比率は、芯鞘型複合熱接着短繊維と被接着短繊維とが60:40~95:5であることが好ましい。熱接着短繊維の混繊比率が60%未満の場合は、不織布製造時の熱接着工程において、ウェブの嵩高性を維持することが困難となる。熱接着短繊維の混繊比率が95%を越える場合は、接着交点が減少することによって、不織布の毛羽や剛性不足の問題が発生することがある。
本実施形態のフィルターの非エレクトレット層を成す短繊維不織布に使用する短繊維の繊維長は、特に定めないが30~130mmであることが好ましい。この範囲であると、不織布を作成する際の加工性がよい。
本実施形態のフィルターが備える非エレクトレット層を成す布帛は、長繊維不織布であってもよい。非エレクトレット層が長繊維不織布から成る場合、その材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の一般的な高分子材料を使用することができるが、コスト、強度、の面からは、ポリプロピレン不織布を使用することが好ましい。
本実施形態のフィルターの非エレクトレット層を成す布帛が長繊維不織布である場合、長繊維不織布の繊維径は20~50μmが好ましく、25~35μmがより好ましい。目付量は50~250g/mが好ましく、100~200g/mがより好ましい。繊維径が20μmよりも小さい場合や目付量が250g/mよりも大きいと通気抵抗が高くなり好ましくなく、繊維径が50μmよりも大きいと繊維本数が少ないために交絡が弱くなり好ましくない。
長繊維不織布の製造方法は特に限定されず、スパンボンド法やメルトブロー法を用いることができる。
長繊維不織布を構成する繊維素材は特に限定されず、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系合成繊維を単一あるいは芯鞘状に複合して用いることができる。
本実施形態の非エレクトレット層を成す布帛の目付けは40~200g/mであることが好ましく、より好ましくは80~200g/mである。目付けがこの範囲であると、捕集効果向上が見込め、また、圧力損失の増加やプリーツ加工時の加工性の低下を抑制できる。
本実施形態の非エレクトレット層を成す布帛の厚みは0.5~3.0mmであることが好ましく、より好ましくは1.0~3.0mmである。厚さが0.5mm以上であると、布帛の密度が低く、十分にトナーを捕集できる。また、3.0mm以下であると、プリーツ加工時の加工性の悪化を防ぐことができる。ここで厚みとは、布帛に7g/cmの荷重をかけた時の厚みを指す。
本実施形態のフィルターの目付は、100~400g/mが好ましく、より好ましくは130~300g/mである。目付が100g/m以上であるとフィルターの効果を発現し易く、400g/m以下であると、初期圧力損失が高くなり過ぎず、設置する環境も限定されずに用いることができる。
本実施形態のフィルターの見掛け密度は、0.007~0.10g/cmが好ましく、より好ましくは、0.01~0.08g/cmである。見掛け密度が0.007g/cm以上の場合は、必要とするトナー捕集性と寿命を満足するためのフィルターの厚みの増加を抑制し、取り扱い性が向上する。見掛け密度が0.10g/cm以下であれば、UL94発泡材料水平燃焼試験(ASTM D4986)の難燃性試験において、HF-1の基準をクリアできる。さらに密度が0.05g/cm以下である場合は、繊維の接着交点及び接着面が大きくならないため繊維表面積の低下を防げ、トナーの捕集性能の低下を抑制できる。
本実施形態のフィルターの最大の特徴は、非エレクトレット層とエレクトレット層が存在しており、層間が固着されずに積層されていることである。ここで、固着されていないとは、濾過に用いられる部分、フィルターの周囲部分を除く部分、即ち空気流入部の層同士が、一体化されていない、あるいは、分離状態である、ことを意味する。また、層間は、接着、融着、または絡合されていない、あるいは、搭載させているのみ、と言うこともできる。
本実施形態のフィルターでは、非エレクトレット層とエレクトレット層とが存在することで、非エレクトレット層によってトナーの電荷が安定化し、エレクトレット層によってより捕集効率が向上する。また、層間が固着していないため、フィルター材をプリーツ加工したときにプリーツの頂部または谷部付近の層間に間隙を生じさせることができる。この間隙により粉塵捕集量を従来よりも格段に増大させることができる。
本実施形態のフィルターは、単体もしくは他の濾材や枠材等と組み合わせて用いることもできる。また、本発明のフィルターは、例えば、プリーツ加工、支持体や枠などへの取付加工などが施されていてもよい。
本実施形態のフィルターは、その形状を特に定めないが、単板形状やプリーツ形状が好ましい。なおプリーツ加工は、一般的なひだ折機を使用することができる。例えば、レシプロ方式や、ロータリー方式の折機を使用することができる。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。実施例、比較例中のフィルター性能特性は以下に示す方法にて評価を行う。
[難燃性]
UL94発泡材料水平燃焼試験(ASTM D4986)の難燃性試験の規格に準じて合否判断を行う。HF-1合格レベルを良好(○)として、それ以外を不良(×)と判定する。
[平均繊維径]
走査型電子顕微鏡にてランダムに写真撮影した画像の繊維径をノギスにて1/100mm単位まで実測し、撮影した画像の倍率で除算して繊維径を算出し、得られたn=100の平均値を平均繊維径とする。
[トナー捕集特性]
試験条件は、サンプルサイズ150mm×150mm、風速0.5m/sec、粉塵濃度0.5g/mのトナー粉塵を負荷し、トナー負荷前の圧力損失[mmAq]を測定する。そこから圧力損失が40mmAq増加した時点で、トナーの負荷を停止する。トナー負荷停止時のトナー捕集量[g]および、トナー供給量[g]を測定し、トナー捕集量をトナー供給量で割ることにより、トナー捕集効率[%]算出する。
(実施例1)
<エレクトレット層Xの作製>
ラミネート工程において、目付15g/mのポリプロピレン製スパンボンド不織布A(シンワ株式会社製、繊度5.5dtex、平均繊維径23μm)と接触するロール温度123℃、および、ポリプロピレン製補強ネットB(目付30g/m、厚み0.5mm、空気流入部の開口面積85%)と接触するロール温度93℃にセットし、スパンボンド不織布Aおよび補強ネットBを上下ロールで挟み、プレス圧力3.9MPa、速度4.0m/分で加工して熱接着品Cを作製した。
リンを含有する難燃性の円形断面ポリエステル短繊維(東洋紡株式会社製「ハイム」(登録商標)、繊度1.7dtex、繊維長44mm、平均繊維径13μm)と円形断面ポリプロピレン短繊維(宇部日東化成株式会社製、繊度2.2dtex、繊維長51mm、平均繊維径15μm)とを1:1の重量比で混綿、カーディングして目付45g/mの混繊ウェブDを作製し、これにスパンボンド不織布Aを積層後3MPaの高圧水を連続的に噴霧して交絡させると同時に油剤を除去、乾燥し積層体Eを作製した。積層体Eのスパンボンド不織布Aと反対面に熱接着品Cの補強ネットBがくるように積層し、針密度50本/cmにてニードルパンチ処理を行い、摩擦帯電と交絡を同時に行って、全目付105g/mのエレクトレット層Xを得た。作製したエレクトレット層Xの密度は0.055g/cmであった。
<非エレクトレット層Yの作製>
芯鞘型複合熱接着短繊維として、芯成分に融点が255℃のポリエステル樹脂および鞘成分に融点110℃のポリエステル樹脂が用いられ、繊度2.2dtex、繊維長51mmの短繊維を80重量%と、被接着短繊維として、融点が255℃のポリエステル樹脂からなる繊度6.6dtex、繊維長51mm、平均繊維径25μmの短繊維を20重量%とを混合した後、カード加工を実施した。次に、140℃のエアースルの熱処理によって熱接着短繊維を溶融し被接着短繊維と接着させることで、非エレクトレット層Yである短繊維不織布(布帛)を作製した。作製した非エレクトレット層Yは、目付80g/m、密度は0.022g/cmであった。
<フィルターの作製>
エレクトレット層Xと非エレクトレット層Yとを用意し、エレクトレット層Xの積層体Eの側に非エレクトレット層Yを積層した。このとき、エレクトレット層Xと非エレクトレット層Yは積層したのみで、固着していない。このエレクトレット層Xと非エレクトレット層Yとを積層したものを、レシプロ方式のひだ折り機を使用して、山高さ50mm、ピッチ30mmで共折りプリーツ加工を行い、150×150mmサイズのフィルターサンプルを作製した。このフィルターの積層順は、非エレクトレット層Y、スパンボンド不織布A、混繊ウェブD、補強ネットB、スパンボンド不織布Aである。実施例1では、非エレクトレット層Yのエレクトレット層Xに対する密度比は0.4であった。
(実施例2)
実施例1と同じ繊維構成及び作製方法にて作製したエレクトレット層X(ただし、混繊ウェブDの目付65g/m、エレクトレット層Xの全目付125g/m、エレクトレット層Xの密度0.056g/cm)と、実施例1と同じ繊維構成及び作製方法にて作製した非エレクトレット層Yとを用意し、エレクトレット層Xの積層体Eの側に非エレクトレット層Yを積層した。このとき、エレクトレット層Xと非エレクトレット層Yは積層したのみで、固着していない。このエレクトレット層Xと非エレクトレット層Yとを積層したものを、レシプロ方式のひだ折り機を使用して、山高さ50mm、ピッチ20mmで共折りプリーツ加工を行い、150×150mmサイズのフィルターサンプルを作製した。実施例2では、非エレクトレット層Yのエレクトレット層Xに対する密度比は、0.39であった。
(実施例3)
実施例1と同じ繊維構成及び作製方法にて作製したエレクトレット層X(ただし、混繊ウェブDの目付25g/m、エレクトレット層Xの全目付85g/m、エレクトレット層Xの密度0.05g/cm)と、実施例1と同じ繊維構成及び作製方法にて作製した非エレクトレット層Y(ただし、目付40g/m、密度0.033g/cm)とを用意し、エレクトレット層Xの積層体Eの側に非エレクトレット層Yを積層した。このとき、エレクトレット層Xと非エレクトレット層Yは積層したのみで、固着していない。このエレクトレット層Xと非エレクトレット層Yとを積層したものを、レシプロ方式のひだ折り機を使用して、山高さ50mm、ピッチ20mmで共折りプリーツ加工を行い、150×150mmサイズのフィルターサンプルを作製した。実施例3では、非エレクトレット層Yのエレクトレット層Xに対する密度比は、0.6であった。
(実施例4)
実施例1と同じ繊維構成及び作製方法にて作製したエレクトレット層X(ただし、混繊ウェブDの目付25g/m、エレクトレット層Xの全目付85g/m、エレクトレット層Xの密度0.05g/cm)と、非エレクトレット層Yとしてポリプロピレン製スパンボンド不織布(目付200g/m、厚み2.7mm、平均繊維直径30μm、密度0.074g/cm)とを用意し、エレクトレット層Xの積層体Eの側に非エレクトレット層Yを積層した。このとき、エレクトレット層Xと非エレクトレット層Yは積層したのみで、固着していない。このエレクトレット層Xと非エレクトレット層Yとを積層したものを、レシプロ方式のひだ折り機を使用して、山高さ50mm、ピッチ20mmで共折りプリーツ加工を行い、150×150mmサイズのフィルターサンプルを作製した。実施例5では、非エレクトレット層Yのエレクトレット層Xに対する密度比は、1.5であった。
(実施例5)
実施例1と同じ繊維構成及び作製方法にて作製したエレクトレット層Xにおいて、ポリプロピレン製熱接着ネットBの開口面積率を96%に変更した以外は実施例1と同様のエレクトレット層Xと、実施例1と同様の非エレクトレット層Yとを用いて、実施例1と同様にフィルターサンプルを作成した。実施例5では、非エレクトレット層Yのエレクトレット層Xに対する密度比は、0.4であった。
(比較例1)
実施例1と同じ繊維構成及び作製方法にて作製したエレクトレット層Xと実施例1と同じ繊維構成及び作製方法にて作製した非エレクトレット層Yとを用意し、エレクトレット層Xの積層体Eの側に非エレクトレット層Yを積層し、層間を熱接着し、レシプロ方式のひだ折り機を使用して、山高さ50mm、ピッチ20mmで共折りプリーツ加工を行い、150×150mmサイズのフィルターサンプルを作製した。比較例1の非エレクトレット層Yとエレクトレット層Xとの密度比は0.4であった。
(比較例2)
実施例1と同じ繊維構成及び作製方法にて作製したエレクトレット層X(ただし、混繊ウェブDの目付25g/m、エレクトレット層Xの全目付85g/m、エレクトレット層Xの密度0.05g/cm)を2枚用いて、上流より積層体E、熱接着品C、積層体E、熱接着品Cの順になるように積層した。このとき、エレクトレット層Xとエレクトレット層Xは積層したのみで、固着していない。このエレクトレット層Xを2枚積層したものを、レシプロ方式のひだ折り機を使用して、山高さ50mm、ピッチ20mmで共折りプリーツ加工を行い、150×150mmサイズのフィルターサンプルを作製した。
実施例1~5及び比較例1~2で得られたフィルターサンプルについて、非エレクトレット層Yが通気流の上流側になるように配置し(ただし、比較例2は積層体Eが上流と成るように配置し)、トナー負荷前の圧力損失、トナー捕集効率、トナー捕集量を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0007035345000001
表1から明らかなように、実施例1~5は比較例1~2と同様にトナー捕集効率が高いが、トナー捕集量に関しては、実施例1~5は比較例1~2と比べてかなり高いことがわかる。
本発明の濾材およびフィルターは、高いトナー捕集効率を維持しながら、十分に高いトナー捕集量を有するので、コピー機、プリンター、多機能OA機、POD印刷機等の電子機器に組み込んで、前記機器の排気中に含まれる重合トナー等の粉塵を捕集するフィルターに使用できる。

Claims (4)

  1. 円形断面短繊維不織布を備えたエレクトレット層と、布帛から成る非エレクトレット層とが固着せずに積層されており、
    前記エレクトレット層は補強ネットをさらに備え、
    前記補強ネットは、前記エレクトレット層において前記非エレクトレット層が積層されていない面に融着にて積層されていることを特徴とするフィルター。
  2. 前記補強ネットは、空気流入部の開口面積率が70~99%であることを特徴とする請求項1に記載のフィルター。
  3. 前記非エレクトレット層の布帛はサーマルボンド不織布または長繊維不織布であり、
    前記非エレクトレット層の前記エレクトレット層に対する密度比は、0.3~6.0であることを特徴とする請求項2に記載のフィルター。
  4. プリーツ形状を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフィルター。
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