JP2017193474A - 多孔質炭素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶媒を使用せずに多孔質炭素を製造することができる新規な方法を提供すること。
【解決手段】無溶媒下で、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つと、炭素源として芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物、メラミンおよび尿素からなる群から選ばれる少なくとも一つと、アルデヒド多量体とを混合して、混合物を得る工程(1)、および得られた混合物を不活性ガス雰囲気下で加熱して、多孔質炭素を得る工程(2)を含む、多孔質炭素の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質炭素の製造方法に関する。
活性炭等の多孔質炭素は、触媒担体、電極材料等の用途に有用である。多孔質炭素の製造方法として、例えば特許文献1には、溶媒下で、フェノール類と、ホルムアルデヒドと、ブロック共重合体とを混合し、溶媒を除去し、得られた固形物を加熱して、多孔質炭素を製造する方法が記載されている。
上述のような溶媒を用いる多孔質炭素の製造方法では、使用した溶媒の除去のために時間がかかるという問題がある。そのため、溶媒を使用せずに、多孔質炭素を製造することが望ましい。
溶媒を用いない多孔質炭素の製造方法として、例えば、非特許文献1には、レゾルシノールと、テレフタルアルデヒドと、ブロック共重合体とを混合し、得られた混合物を加熱して、多孔質炭素を製造する方法が記載されている。
特開2014−34475号公報
Q. Wang et al., "A facile solvent-free route to synthesize ordered mesoporous carbons", RSC Adv., 2014, 4, 32113-32116
本発明の目的は、溶媒を使用せずに多孔質炭素を製造することができる新規な方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、無溶媒下で、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つと、炭素源として芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物、メラミンおよび尿素からなる群から選ばれる少なくとも一つと、アルデヒド多量体とを混合して得られる混合物を不活性ガス雰囲気下で加熱することによって、非特許文献1に記載の方法と異なり、ブロック共重合体を使用せずとも、多孔質炭素を製造し得ることを見出した。なお、本発明においても、ブロック共重合体を使用してもよい。このような知見に基づく本発明は、以下の通りである。
[1] 無溶媒下で、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つと、炭素源として芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物、メラミンおよび尿素からなる群から選ばれる少なくとも一つと、アルデヒド多量体とを混合して、混合物を得る工程(1)、および
得られた混合物を不活性ガス雰囲気下で加熱して、多孔質炭素を得る工程(2)
を含む、多孔質炭素の製造方法。
[2] アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化バリウムからなる群から選ばれる少なくとも一つである前記[1]に記載の製造方法。
[3] アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つが、水酸化カリウムである前記[1]に記載の製造方法。
[4] アルデヒド多量体が、ヘキサメチレンテトラミン、メタホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、パラアルデヒドおよびメタアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも一つである前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の製造方法。
[5] アルデヒド多量体が、ヘキサメチレンテトラミンである前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の製造方法。
[6] 芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物が、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガノール、フロログルシノールおよびヒドロキシヒドロキノンからなる群から選ばれる少なくとも一つである前記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の製造方法。
[7] 芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物が、レゾルシノールである前記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の製造方法。
[8] 工程(1)において、親水性ブロックおよび疎水性ブロックを有するブロック共重合体をさらに混合する前記[1]〜[6]のいずれか一つに記載の製造方法。
[9] ブロック共重合体が、親水性ブロック−疎水性ブロックの構造を有するジブロック共重合体、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの構造を有するトリブロック共重合体および疎水性ブロック−親水性ブロック−疎水性ブロックの構造を有するトリブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つである前記[8]に記載の製造方法。
[10] 親水性ブロックがポリエチレンオキシドブロックであり、疎水性ブロックが炭化水素ブロックまたはポリプロピレンオキシドブロックである前記[8]または[9]に記載の製造方法。
[11] ブロック共重合体が、ポリエチレンオキシドブロック−ポリプロピレンオキシドブロック−ポリエチレンオキシドブロックの構造を有するトリブロック共重合体である前記[8]に記載の製造方法。
[12] 工程(1)において、金属、金属塩、金属錯体および金属酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つをさらに混合する前記[1]〜[11]のいずれか一つに記載の製造方法。
本発明によれば、溶媒を使用せずに多孔質炭素を製造することができる。
実施例1および2で得られた多孔質炭素の窒素吸着測定による等温線のグラフである。 実施例1および2で得られた多孔質炭素の細孔径分布を表すグラフである。なお、縦軸のdV/dlogDとは、Log微分細孔容積分布(積算細孔容積分布を細孔径の対数で微分したもの)を意味する。
本発明は、無溶媒下で、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つと、炭素源として芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物、メラミンおよび尿素からなる群から選ばれる少なくとも一つ(以下、「炭素源」と略称することがある。)と、アルデヒド多量体とを混合して、混合物を得る工程(1)、および得られた混合物を不活性ガス雰囲気下で加熱して、多孔質炭素を得る工程(2)を含む、多孔質炭素の製造方法である。
「芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物」における「芳香環」は、多環の芳香環でもよく、芳香族複素環であってもよい。多環の芳香環としては、例えば、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられる。芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、フラン環等が挙げられる。
炭素源は、芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物であることが好ましい。芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガノール、フロログルシノール、ヒドロキシヒドロキノン、ヒドロキシナフタレン、ヒドロキシアントラセン、ヒドロキシピリジン等が挙げられる。これらの中で、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガノール、フロログルシノールおよびヒドロキシヒドロキノンが好ましく、レゾルシノールがより好ましい。
炭素源の使用量は、工程(1)で使用する全原料中、好ましくは5〜60重量%、より10〜50重量%、さらに15〜40重量%である。
炭素源は、粉体であることが好ましい。粉体ではない炭素源は、粉砕してから使用することが好ましい。炭素源の粉砕手段に特に限定はなく、公知の手段によって、これを粉砕することができる。
炭素源は、小さいことが望ましい。炭素源の最大径は、好ましくは1mm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。この最大径は、光学顕微鏡によって測定することができる。詳しくは、炭素源の光学顕微鏡写真から、画像解析ソフトまたは手動で該化合物の長径を測定し、その中の最大値を最大径とする。他の成分の最大径も同様の方法で測定することができる。
アルデヒド多量体は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルデヒド多量体としては、例えば、ヘキサメチレンテトラミン(ホルムアルデヒドとアミンとの縮合体)、メタホルムアルデヒド(ホルムアルデヒドの環状3量体)、パラホルムアルデヒド(ホルムアルデヒドの鎖状重合体)、パラアルデヒド(アセトアルデヒドの環状3量体)、メタアルデヒド(アセトアルデヒドの環状4量体)等が挙げられる。
アルデヒド多量体としては、ホルムアルデヒド多量体(即ち、ホルムアルデヒドに由来する繰返し単位を2以上有する化合物)が好ましく、ヘキサメチレンテトラミン、メタホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒドがより好ましく、ヘキサメチレンテトラミンがより好ましい。
アルデヒド多量体の使用量は、炭素源100重量部(即ち、芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物、メラミンおよび尿素からなる群から選ばれる少なくとも一つの合計100重量部)に対して、好ましくは20〜100重量部、より好ましくは30〜80重量部、さらに好ましくは40〜65重量部である。
アルデヒド多量体は粉体であることが好ましい。粉体ではないフレーク状のようなアルデヒド単量体は、粉砕してから使用することが好ましい。アルデヒド多量体の粉砕手段に特に限定はなく、公知の手段によって、これを粉砕することができる。
アルデヒド多量体は小さいことが望ましい。アルデヒド多量体の最大径は、好ましくは1mm以下、より好ましくは700μm以下、さらに好ましくは500μm以下である。
本発明は、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つを使用することを特徴の一つとする。アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つを使用することによって、非特許文献1に記載の方法と異なり、ブロック共重合体を使用せずとも、無溶媒下で多孔質炭素を製造することができる。但し、本発明において、ブロック共重合体を使用してもよい。
アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等が挙げられ、好ましくは水酸化カリウムである。
アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの使用量の合計は、炭素源100重量部に対して、好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜700重量部、さらに好ましくは200〜500重量部である。
アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つは、粉体であることが好ましい。粉体ではないアルカリ金属水酸化物等は、粉砕してから使用することが好ましい。アルカリ金属水酸化物等を粉砕するための手段および装置に特に限定はなく、公知の手段および装置によって、これを粉砕することができる。
アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つの最大径は、好ましくは1mm以下、より好ましくは500μm以下、さらに好ましくは300μm以下である。
本発明において、工程(1)で、親水性ブロックおよび疎水性ブロックを有するブロック共重合体をさらに混合してもよい。ブロック共重合体は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ブロック共重合体としては、例えば、親水性ブロック−疎水性ブロックの構造を有するジブロック共重合体、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの構造を有するトリブロック共重合体および疎水性ブロック−親水性ブロック−疎水性ブロックの構造を有するトリブロック共重合体等が挙げられる。
親水性ブロックとしては、例えば、ポリエチレンオキシドブロック、ポリビニルピリジンブロック、ポリメタクリル酸メチルブロック等が挙げられる。これらの中で、ポリエチレンオキシドブロックが好ましい。ポリエチレンオキシドブロック中のエチレンオキシド単位の数は、好ましくは20〜150、より好ましくは90〜120である。
疎水性ブロックとしては、例えば、ポリプロピレンオキシドブロック、炭化水素ブロック、ポリスチレンブロック等が挙げられる。これらの中で、ポリプロピレンオキシドブロックおよび炭化水素ブロックが好ましく、ポリプロピレンオキシドブロックがより好ましい。ポリプロピレンオキシドブロック中のプロピレンオキシド単位の数は、好ましくは30〜100、より好ましくは60〜80である。炭化水素ブロック中の炭素数は、好ましくは8〜30、より好ましくは10〜15である。
ブロック共重合体としては、ポリエチレンオキシドブロック−ポリプロピレンオキシドブロック−ポリエチレンオキシドブロックの構造を有するトリブロック共重合体および炭化水素ブロック−ポリエチレンオキシドブロックの構造を有するジブロック共重合体が好ましく、ポリエチレンオキシドブロック−ポリプロピレンオキシドブロック−ポリエチレンオキシドブロックの構造を有するトリブロック共重合体がより好ましい。
ブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜20,000、より好ましくは10,000〜15,000である。この重量平均分子量は、GPCによって測定することができる。
ブロック共重合体を使用する場合、その量は、炭素源100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部、より好ましくは20〜150重量部、さらに好ましくは40〜100重量部である。
ブロック共重合体は、粉体であることが好ましい。ブロック共重合体の最大径は、好ましくは1mm以下、より好ましくは500μm以下である。
本発明において、工程(1)で、金属、金属塩、金属錯体および金属酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つをさらに混合してもよい。工程(1)の段階で金属等を混合することにより、金属等を含有する多孔質炭素を製造することができる。このような多孔質炭素は、触媒としての利用が期待される。
金属としては、例えば、白金、パラジウム、銅、銀、金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、コバルト、マグネシウム、ランタン、ストロンチウム、セリウム、ガドミウム、イットリウム、ジルコニウム、タンタル等が挙げられる。金属塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム等が挙げられる。金属錯体としては、例えば、白金錯体、パラジウム錯体、ルテニウム錯体、金錯体、銅錯体等が挙げられる。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化イリジウム、酸化バナジウム等が挙げられる。
金属、金属塩、金属錯体および金属酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つを使用する場合、その使用量の合計は、炭素源100重量部に対して、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは5〜30重量部である。
上述した原料を混合するための手段および装置に特に限定はなく、公知の手段および装置によって、これらを混合することができる。
本発明の工程(1)で得られた混合物を、不活性ガス雰囲気下で加熱することによって(工程(2))、多孔質炭素を製造することができる。加熱するための装置に特に限定はなく、公知の装置で混合物を加熱すればよい。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられ、窒素ガスが好ましい。
加熱は1段階で行ってもよく、2段階以上で行ってもよい。1段階加熱を場合、加熱温度は、好ましくは600〜1,000℃、より好ましくは700〜900℃であり、加熱温度での保持時間は、好ましくは1〜5時間、より好ましくは1〜3時間であり、室温から加熱温度までの昇温速度は、好ましくは5〜20℃/分、より好ましくは10〜15℃/分である。
2段階加熱を行う(即ち、第1加熱温度および第2加熱温度で混合物を一定時間保持する)場合、第1加熱温度は、好ましくは300〜500℃、より好ましくは350〜450℃であり、第1加熱温度での保持時間は、好ましくは1〜6時間、より好ましくは2〜5時間であり、室温から第1加熱温度までの昇温速度は、好ましくは1〜5℃/分、より好ましくは1〜3℃/分である。また、第2加熱温度は、好ましくは600〜1,000℃、より好ましくは700〜900℃であり、第2加熱温度での保持時間は、好ましくは1〜6時間、より好ましくは2〜5時間であり、第1加熱温度から第2加熱温度までの昇温速度は、好ましくは1〜5℃/分、より好ましくは1〜3℃/分である。
以上のような加熱によって、多孔質炭素を製造することができる。このようにして得られた多孔質炭素は、触媒、触媒担体、二次電池または燃料電池の電極材料、吸着剤等の用途に有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
メノウ乳鉢を用いて、0.66gのフレーク状レゾルシノールを粉砕した(最大径:150μm)。続いて、粉砕したレゾルシノールに、0.42gのヘキサメチレンテトラミン(最大径:470μm)を混合した。最後に、得られた混合物に、メノウ乳鉢を用いて粉砕した2.0gの水酸化カリウム(最大径:600μm)を添加し、メノウ乳鉢を用いて混練した。得られた混練物を、窒素雰囲気下、13.3℃/分で800℃まで昇温し、800℃で1時間保持した。得られた炭素材料を、ろ液のpHが7になるまで水および5規定の塩酸で洗浄し、EYELA東京理化器械株式会社製 WFO-700 を用いて90℃で乾燥して、粉末状の多孔質炭素(約0.27g)を得た。得られた多孔質炭素の窒素吸着測定による等温線のグラフを図1に、細孔径分布を表すグラフを図2に、表面積および細孔容積を表1に示す。
窒素ガス吸脱着測定は、Quantachrome 社製の「AUTOSORB-1」を用いて行った。表面積(Stotal)は、Brunauer-Emmett-Teller 法(BET法)を用いて計算した。ミクロ孔容積(Vmicro)、メソ孔容積(Vmeso)、マクロ孔容積(Vmacro)は、吸着等温線から Barrett-Joyner-Halenda 法(BJH法)を用いて計算した。なお、窒素ガス吸脱着測定のために、前処理を250℃で3時間以上行った。ここで、ミクロ孔とは、幅が2nm未満である細孔をいい、メソ孔とは、幅が2nm以上50nm未満である細孔をいい、マクロ孔とは、幅が50nm以上である細孔をいい、幅とは、細孔の壁から壁までの長さをいう。
実施例2
メノウ乳鉢を用いて、0.66gのフレーク状レゾルシノールを粉砕した(最大径:150μm)。続いて、粉砕したレゾルシノールに、0.42gのヘキサメチレンテトラミン(最大径:470μm)を混合した。続いて、得られた混合物に、0.6gの Pluronic F127(BASF 社製、ポリオキシエチレンブロック−ポリオキシプロピレンブロック−ポリオキシエチレンブロックの構造を有するトリブロック共重合体、重量平均分子量:12,600、ポリエチレンオキシドブロック中のエチレンオキシド単位の数:約106、ポリオキシプロピレンブロック中のプロピレンオキシド単位の数:約70)を混合し、混練した。最後に、得られた混練物に、メノウ乳鉢を用いて粉砕した2.0gの水酸化カリウム(最大径:600μm)を添加し、メノウ乳鉢を用いて混練した。得られた混練物を、窒素雰囲気下、13.3℃/分で800℃まで昇温し、800℃で1時間保持した。得られた炭素材料を、ろ液のpHが7になるまで水および5規定の塩酸で洗浄し、EYELA東京理化器械株式会社製 WFO-700 を用いて90℃で乾燥して、粉末状の多孔質炭素(約0.27g)を得た。得られた多孔質炭素の窒素吸着測定による等温線のグラフを図1に、細孔径分布を表すグラフを図2に、表面積および細孔容積を表1に示す。
本発明によれば、溶媒を使用せずに多孔質炭素を製造することができる。本発明の製造方法から得られる多孔質炭素は、触媒担体、電極材料等の用途に有用である。

Claims (12)

  1. 無溶媒下で、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つと、炭素源として芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物、メラミンおよび尿素からなる群から選ばれる少なくとも一つと、アルデヒド多量体とを混合して、混合物を得る工程(1)、および
    得られた混合物を不活性ガス雰囲気下で加熱して、多孔質炭素を得る工程(2)
    を含む、多孔質炭素の製造方法。
  2. アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化バリウムからなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の製造方法。
  3. アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つが、水酸化カリウムである請求項1に記載の製造方法。
  4. アルデヒド多量体が、ヘキサメチレンテトラミン、メタホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、パラアルデヒドおよびメタアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. アルデヒド多量体が、ヘキサメチレンテトラミンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物が、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガノール、フロログルシノールおよびヒドロキシヒドロキノンからなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 芳香環に少なくとも一つのフェノール性水酸基が結合した化合物が、レゾルシノールである請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 工程(1)において、親水性ブロックおよび疎水性ブロックを有するブロック共重合体をさらに混合する請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. ブロック共重合体が、親水性ブロック−疎水性ブロックの構造を有するジブロック共重合体、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロックの構造を有するトリブロック共重合体および疎水性ブロック−親水性ブロック−疎水性ブロックの構造を有するトリブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項8に記載の製造方法。
  10. 親水性ブロックがポリエチレンオキシドブロックであり、疎水性ブロックが炭化水素ブロックまたはポリプロピレンオキシドブロックである請求項8または9に記載の製造方法。
  11. ブロック共重合体が、ポリエチレンオキシドブロック−ポリプロピレンオキシドブロック−ポリエチレンオキシドブロックの構造を有するトリブロック共重合体である請求項8に記載の製造方法。
  12. 工程(1)において、金属、金属塩、金属錯体および金属酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つをさらに混合する請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
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