JP2017185204A - 起立補助装置 - Google Patents

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柵木 貞雄
Sadao Sakugi
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Abstract

【課題】持ち運びが容易であり、また使用者の起立及び着座動作を安全に支援できる起立補助装置を提供する。
【解決手段】起立補助装置は、互いに平行に配置された前フレーム及び後フレームと、これらを互いに連結する側方フレームとを有し、椅子の座面位置に取り付け可能なフレームと、前フレームに回動可能に接続された前座部と、前座部の後縁にヒンジ接続された後座部とを有し、フレームの上方に配置された座部と、後座部の下面中央に一端が接続された第1リンクと、第1リンクの他端に一端が接続され側方フレームに他端が接続された第2リンクと、を備えるリンク部材と、側方フレームに一端が接続され、他端が側方フレーム16A、16Bの下方に延びる保持部材と、保持部材の他端に一端が接続され、リンク部材30に他端が接続されたガススプリングとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、起立補助装置に関する。
高齢者や身体障害者等は、車椅子や他の椅子から起立又は着座する際の中腰の姿勢を脚力により支えることができない場合、介護者の補助により自分の体重を支えて貰いながら、起立または着座する必要がある。
このような高齢者や身体障害者等を補助するために、例えば、特許文献1では、使用者の起立及び着座を支援するためのシートを有する折り畳み式車椅子が提案されている。特許文献1においては、シートは、シートへの荷重が弾性部材の付勢力より大きい状態において略水平な着座形態となり、シートへの荷重が弾性部材の付勢力より小さい状態において弾性部材の付勢力により右後座部及び左後座部が持ち上げられると共に右前座部及び左前座部が前傾した立ちあがり形態となるようになっている。
また例えば、特許文献2では、折り畳み式車椅子両側の肘掛け部及び座底部に布等を被せ、その布等の座底部の両側にフレーム部を取り付け、車椅子の背部に取り付けられた駆動部で紐等のロープを緊緩して、フレーム部を上昇、降下する折り畳み式車椅子用起立補助装置が提案されている。
特許第4612117号 特開2008−237470号公報
しかしながら、特許文献1に記載の折り畳み式車椅子においては、使用者の起立及び着座動作を安全に支援することはできるものの、当該シートが取り付けられた専用の車椅子が必要とされ、シートだけを持ち運びすることはできない。
一方、特許文献2に記載の折り畳み式車椅子用起立補助装置では、汎用の車椅子に取り付けは可能であるが、座部を上昇、下降するためのロープ部の巻取りを行うための駆動部等を有しており、大きさや重量の観点から持ち運びに適したものではない。また、構造上、座部全体が前傾して上昇するので、使用者の身体が滑り台のように座部の表面を滑り落ちたり、前方に投げ出されてしまったりする可能性もあり、そもそも起立補助装置として十分なものとはいえなかった。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、持ち運びが容易であり、使用者の起立及び着座動作を安全に支援できる起立補助装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の好ましい一態様によれば、互いに平行に配置された前フレーム及び後フレームと、これらを互いに連結する側方フレームとを有し、椅子の座面位置に取り付け可能なフレームと、前記前フレームに回動可能に接続された前座部と、前記前座部の後縁にヒンジ接続された後座部とを有し、前記フレームの上方に配置された座部と、前記後座部の下面中央に一端が接続された第1リンクと、前記第1リンクの他端に一端が接続され前記側方フレームに他端が接続された第2リンクと、を備えるリンク部材と、前記側方フレームに一端が接続され、他端が前記側方フレームの下方に延びる保持部材と、前記保持部材の前記他端に一端が接続され、前記リンク部材に他端が接続されたガススプリングと、を備え、前記座部は、前記リンク部材を介した前記ガススプリングの付勢力によって、前記フレームに対して平行な着座位置から、前記後座部が前方に立ち上がり前記前座部が前記フレームに対して前傾する立ち上がり位置まで移動する、起立補助装置を構成する。
上記構成によれば、リンク部材の第1リンクが後座部の中央に配置されていることで、ガススプリングの付勢力は後座部の下面の中央にかかる。そのため、使用時には、着座した使用者の臀部中央部分(着座した使用者の重心位置)に、ガススプリングの付勢力が(リンク部材を介して)かかる。これにより、座部の他の箇所をガススプリングで押圧する場合に比べて、より安定して後座部を持ち上げることができ、また、ガススプリングの押圧力による使用者の違和感を軽減することができる。さらに、座部の他の箇所をガススプリングで押圧する場合に比べて、座部自体に必要とされる剛性を小さくすることができるので、座部ひいては起立補助装置を軽量化することができる。これにより、持ち運びも容易になる。
また、ガススプリングで直接後座部を押圧する場合は、ガススプリングの設置位置を後座部の位置に合わせて決める必要があるが、上記構成によれば、ガススプリングの付勢力の向きをリンク部材により変えることができるので、ガススプリングの設置位置に関する設計の自由度を高くすることができる。椅子の座面下の構造物を避けてガススプリングの位置を設計しなければならないケースは十分に考えられるので(例えば、折り畳み式の車椅子では、座面の下に正面視X字状に交差したクロスリンクが配置されるので、ガススプリングは、このクロスリンクと干渉しないような位置になければならない)、ガススプリングの配置について設計の自由度が高いことは、起立補助装置の汎用性を高める上で重要である。
また、座部はリンク部材を介したガススプリングの付勢力によって、フレームに対して平行な着座位置から、後座部が前方に立ち上がり前座部が前記フレームに対して前傾する立ち上がり位置まで移動する。後座部と前座部とはヒンジ接続されており、後座部と前座部は、立ち上がり位置において前傾角度をそれぞれ異ならせることができる。これにより、使用者の臀部が滑り台のように座部の表面を滑り落ちたりするようなことを抑制でき、安全性を高めることができる。
また、ガススプリングの付勢力により座部を押圧するので、座部を変位させる駆動源としての電源等が不要であり、起立補助装置を軽量化できる。これにより、持ち運びも容易になる。
また、上記構成において、前記第1リンクの前記他端には、前記座部が荷重により前記立ち上がり位置から前記着座位置に移動する際に前記後座部に当接する突起部が設けられているようにしてもよい。
座部は、例えば使用者が着座することにより荷重を受けて、立ち上がり位置から着座位置に移動する。このとき、ガススプリングは付勢されて圧縮される。ガススプリングは、圧縮されるに伴い付勢力が増すので、リンク部材は座部が着座位置に移動するに従ってより強い付勢力をうけることになる。ここで、第1リンクの他端には、座部が荷重により立ち上がり位置から着座位置に移動する際に後座部に当接する突起部が設けられている。そのため、座部が着座位置に移動する際にリンク部材にかかる強い付勢力を、第1リンクの一端のみならず、第1リンクの他端の突起部を介して座部に伝達することができる。すなわち、座部が着座位置に移動する際にリンク部材にかかる強い付勢力を分散することができる。これにより、リンク部材に必要とされる剛性を小さくすることができるので、リンク部材ひいては起立補助装置を軽量化することができる。そのため持ち運びも容易になる。
また上記構成において、前記後フレームには、前記ガススプリングの付勢力による前記リンク部材の移動を規制するフックが回動可能に設けられており、前記フックは、前記座部が荷重により前記立ち上がり位置から前記着座位置に移動する際に回動し、前記リンク部材に係合するようにしてもよい。
上記構成によれば、例えば使用者の着座による荷重により、座部が立ち上がり位置から着座位置に移動する際に、フックがリンク部材に係合する。フックは、ガススプリングの付勢力によるリンク部材の移動を規制するものであるので、フックが係合している状態では、リンク部材の移動が規制され、座部が着座位置から立ち上がり位置へ移動することはない。言い換えると、フックは、座部の立ち上がり位置への移動に関し、ロック機構として機能する。
リンク部材と係合したフックは、例えば使用者が着座する等して後座部に荷重がかかった状態においては、そのまま回動させてリンク部材との係合を解除することができる。しかしながら、座部に荷重がかかっていない状態においては、リンク部材と係合したフックはガススプリングの付勢力を強く受けるので、回動させてリンク部材との係合を解除することは困難である。そのため、座部に荷重がかかっていない状態において、リンク部材とフックとの係合が予期せず解除されて座部が立ち上がり位置に移動してしまうことを防止できる。
また上記のとおり、フックはロック機構として機能するが、このロック機構には、安全性の観点からは、着座した使用者自身よりは、介助者がアクセスするほうがより好ましい。この点、上記構成によれば、フックは後フレームに設けられており、使用者が着座した状態においては、使用者の背中側に位置するので、使用者は容易にはアクセスできない。そのため、使用者がロック機構を予期せずに外してしまうようなことを抑制できる。
また上記構成において、前記保持部材の前記一端は、前記側方フレームの後方側の位置に回動可能に接続されており、前記保持部材は、前記座部が前記着座位置にあるときに、前記ガススプリングとともに、前記側方フレームに垂直な位置から平行な収容位置へ回動可能であるようにしてもよい。
上記構成によれば、座部が着座位置にある状態において、ガススプリングとともに保持部材を側方フレームに平行な位置に回動させることができる。これにより、起立補助装置をコンパクトに折り畳むことができるので、持ち運びがより容易になる。
また上記構成において、前記保持部材の前記一端には、前記保持部材が前記収容位置へ回動する際に前記フックに当接して前記フックの回動を規制する回動規制部が設けられているようにしてもよい。
保持部材が収容位置へ回動すると、ガススプリングも側方フレームに平行な位置に一緒に移動するが、これによりガススプリングの付勢力がリンク部材を介してフックにかからなくなる又は弱まってしまい、フックが自由に回動してフックによるロック機構が外れてしまう場合がある。この点、上記構成によれば、保持部材の一端に設けられた回動規制部が、収容位置への回動とともにフックに当接しフックの回動を規制するようになっているので、このような事態を防止できる。
また上記構成において、前記保持部材の前記一端は、前記側方フレームの前方側の位置に固定して接続されているようにしてもよい。
上記構成によれば、保持部材の一端が側方フレームに固定され、他端が側方フレームの下方に延びてガススプリングに接続する。ガススプリングは、後座部の下面中央に接続する必要があるところ、保持部材は側方フレームの前方側の位置に固定されているので、保持部材の長さ(一端から他端までの距離)を、保持部材が側方フレームの後方側の位置に固定されている場合に比べて短くすることができる。また、保持部材は固定されているので、保持部材が可動である場合に比べて、起立補助装置の構成を簡単にすることができ、取り扱いがより容易になる。
また上記構成において、前記保持部材の前記他端には、前記ガススプリングの前記一端との接続位置を調節する位置調節部が設けられているようにしてもよい。
上記構成によれば、位置調節部によってガススプリングと保持部材との接続位置を調節することで、立ち上がり位置におけるガススプリングと後座部との間の傾斜角を調節することができる。傾斜角が小さくなれば、リンク部材を介した後座部へのガススプリングの付勢力は小さくなるのでより体重の軽い使用者に対応できる。一方、傾斜角が大きくなれば、リンク部材を介した後座部へのガススプリングの付勢力が大きくなるので、より体重の重い使用者に対応できる。これにより、体重が異なる複数の使用者に一つのガススプリングで対応できることになり(使用者ごとに別の付勢力のガススプリングに変更したりする必要がなくなり)、起立補助装置の汎用性をより高めることができる。
また上記構成において、前記前座部と前記後座部との間であって、前記前座部と後座部とをヒンジ接続するヒンジの真下には、前記前座部と前記後座部との逆反りを防止するための棒状部材が懸架されているようにしてもよい。
上記構成によれば、棒状部材により、前座部と後座部との逆そり方向の移動を規制することができるとともに、この際に前座部や後座部が撓んでしまった場合であっても、ヒンジの真下は撓みの影響を受けないので、棒状部材に撓みによる力がかかることを抑制できる。そのため、棒状部材に必要とされる剛性を小さくすることができ、棒状部材ひいては起立補助装置を軽量化することができる。これにより、持ち運びも容易になる。
本発明によれば、持ち運びが容易であり、使用者の起立及び着座動作を安全に支援できる起立補助装置を提供することができる。
着座位置にある起立補助装置の斜視図である。 着座位置にある起立補助装置の側面図である。 立ち上がり位置にある起立補助装置の側面図である。 収容位置にある起立補助装置の側面図である。 収容位置にある起立補助装置の保持部材とロック部材とを示す模式図である。 車椅子に装着した起立補助装置の状態を説明するための模式図である。 変形例1に係る着座位置にある起立補助装置の側面図である。 変形例1に係る立ち上がり位置にある起立補助装置の側面図である。 変形例2に係る立ち上がり位置にある起立補助装置の側面図である。 収容位置にある起立補助装置の斜視図である。 立ち上がり位置にある起立補助装置の斜視図である。 起立補助装置が収容位置にある状態の車椅子の斜視図である。 起立補助装置が立ち上がり位置にある状態の車椅子の斜視図である。 座部を取り外した状態の車椅子を前方からみた斜視図である。 座部を取り外した状態の車椅子を前方やや上方からみた斜視図である。 車椅子に装着した起立補助装置の係合部周辺の構成例を画像で示す図である。 車椅子に装着した起立補助装置の係合部周辺の構成例を別の角度からみた画像で示す図である。 車椅子に装着した起立補助装置の係合部周辺の構成例を上方からみた画像で示す図である。 車椅子に装着した起立補助装置の構成例を車椅子の下方からみた画像で示す図である。 車椅子に装着した起立補助装置の構成例を車椅子の下方の別の角度からみた画像で示す図である。 車椅子に装着した起立補助装置の構成例を車椅子の下方のさらに別の角度からみた画像で示す図である。 起立補助装置が装着された車椅子の構成例を前方からみた画像で示す図である。 起立補助装置が装着された車椅子の構成例を前方からみた拡大画像で示す図である。 起立補助装置が装着された車椅子の左側の0構成例を前方から拡大画像で示す図である。
本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。起立補助装置は、取り付けようとする椅子や座席等にあわせて適宜構成可能であるが、ここでは、車椅子に取り付け可能な起立補助装置を例に説明する。なお、以下の各図においては、共通の部材には、同一の符号を付している。
(全体構成)
図1及び図2に示すように、起立補助装置1は、大別すると、フレーム10、座部20、リンク部材30、保持部材40、ガススプリング50、ロック部材60、案内部材70等を備えている。なお、以下図1におけるZ軸方向を上下方向(Z1方向を上方向、Z2方向を下方向)、X軸方向を幅方向、Y軸方向を前後方向(Y1方向を前方、Y2方向を後方)とし、説明する。
起立補助装置1の材質は、例えば、鉄、ステンレス、アルミ等の金属、樹脂、木材等及びこれらの組合せから、剛性(安全な使用)及び重量(持ち運びのしやすさ)の双方の観点から適宜選択可能である。
(フレーム10の構成)
図1及び図2に示すように、フレーム10は、互いに離間して平行に配置された前フレーム12及び後フレーム14と、前フレーム12及び後フレーム14に直交し、これらを互いに連結する一対の側方フレーム16A、16Bとを備えている。フレーム10は、車椅子の座面位置に取り付け及び取り外し自在に構成されている。
より具体的には、前フレーム12と後フレーム14との幅は、車椅子の座面幅に合わせて設定されている。前フレーム12の両端部には、一対の第1係合部120が幅方向に延出して形成されている。また後フレーム14の両端部には、一対の第2係合部140が幅方向に延出して形成されている。第1係合部120及び第2係合部140は、断面視逆L字形状であり、車椅子の側面側のフレームにそれぞれ載置可能である。
前フレーム12と後フレーム14とは、椅子の座面幅に合わせて長さが設定されているので、第1係合部120及び第2係合部140を車椅子のフレームに載置した状態で、車椅子のフレームに嵌って、車椅子と係合する。
なお、車椅子との係合をより強固なものとするために、第1係合部120及び第2係合部140に追加の接合部材(例えば、車椅子のフレームに巻きつけ可能なマジックテープ(登録商標)等)をつけてもよい。
側方フレーム16A及び16Bは、前フレーム12と後フレーム14の幅方向中央を結ぶ線から等間隔離間して互いに平行に前後方向に延びて、前フレーム12及び後フレーム14を連結している。起立補助装置1が着座位置にある場合には、側方フレーム16A及び16B間にリンク部材30が収容され(図1、図2参照)、収容位置にある場合には、さらに保持部材40及びガススプリング50が収容される(図4参照)。
(座部20の構成)
図1及び図2に示すように、座部20は、前座部22、後座部24、蝶番26、逆そり防止機構28等を備え、フレーム10の上方に配置されている。前座部22及び後座部24は、クッション等を内包した表皮(図示せず)を備えていても良いし、クッション等を取り外し可能に構成してもよい。
前座部22は、前縁220、後縁222を備えた平板状の板材である。前座部22の上面は、利用者が着座した際に主に大腿部が置かれる箇所である。
前縁220は、幅広に構成され、その両端部が、前フレーム12の一対の係合部120にそれぞれ回動可能に軸支されている。後縁222は、前縁220より幅狭である。後縁222は、互いに等間隔離間して後方に突出した3つの凸部から形成されている。
後座部24は、前縁240、後縁242を備えた平板状の板材である。後座部24の上面は、利用者が着座した際に主に臀部が置かれる箇所である。後座部24は、幅方向両端がやや上方に持ち上がった形状となっており(図1参照)、臀部形状に合わせて幅方向断面(XZ面に平行な面で切った断面)が凹状となっている。
前縁240は、互いに等間隔離間して前方に突出した3つの凸部から形成されている。この3つの凸部は、前座部22の後縁222の3つの凸部に対応する位置に形成されている。前座部22の後縁222を構成する3つの凸部と、後座部24の前縁240を構成する3つの凸部とは、3つの蝶番26によってヒンジ接続されている。これにより、後座部24は、前座部22に対して揺動可能となっている。一方、後座部24の後縁242は、自由端を構成している。
3つの蝶番26のうち、中央に配置された蝶番26の真下には、逆そり防止機構28が配置されている(図3参照)。逆そり防止機構28は、前座部22と後座部24との間に懸架するように配置された棒状部材であり、前座部22と後座部24との逆反り(後座部24が前座部22に対して逆方向(前座部22よりもフレーム10に対して傾斜が大きくなる方向)に揺動して、折れ曲がった状態となること)を防止する。逆そり防止機構28は、軽量化の観点からは、中央の蝶番26に一つ設けることがより好ましいが、両端の蝶番26にもさらに追加で設けても良い。
逆そり防止機構28は、蝶番26の真下に配置されるので、仮に前座部22又は後座部24が逆そりして撓んでしまった場合であっても、撓みの影響を受けにくく、棒状部材に撓みによる力がかかることを抑制できる。そのため、逆そり防止機構28に必要とされる剛性を小さくすることができ、逆そり防止機構28を軽量化することができる。
(リンク部材30の構成)
図3に示すように、リンク部材30は、第1リンク32、第2リンク34、及び、これらを連結するリンク軸36を備えている。
第1リンク32は、一端320、他端322を備え、幅方向に互いに離間して対向配置された一対のリンク片で構成されている。
第2リンク34は、一端340、他端342を備え、幅方向に互いに離間して対向配置された一対のリンク片で構成されている。第2リンク34の一対のリンク片どうしの間隔は、第1リンク32の一対のリンク片どうしの間隔よりも大きい。
第1リンク32の一端320は、後座部24の下面中央に回動可能に軸支されている。一方、第1リンク32の他端322は、第1リンクの一対のリンク片が第2リンクの一対のリンク片に挟まれるようにして、第2リンクの一端340にリンク軸36を介して回動可能に軸支されている。
第1リンク32の他端322には、突起部324が形成されている。突起部324は、第1リンク32の長手方向(一端320と他端322とを結ぶ方向)に直交する方向に山状に突出した湾曲面で構成されている。突起部324は、起立補助装置1が着座位置にある場合には、後座部24の下面に当接するようになっている(図2参照)。
第2リンク34の一対の他端342は、側方フレーム16A(16B)に回動可能に接続されている。より具体的には、第2リンク34の一対のリンク片がそれぞれ側方フレーム16A及び16Bに軸支されている。
(保持部材40の構成)
図1に示すように、保持部材40は、幅方向に互いに離間して対向配置される一対の保持片42A、42Bと、保持片42A、42Bを連結するとともに保持部材40に必要な剛性を提供する幅広の連結体44とから構成されている。起立補助装置1が着座位置にある場合において、保持部材40は、一対の保持片42A、42Bと連結体44とで画成される凹部内にガススプリング50を保持する。
図3に示すように、一対の保持片42A(42B)の一端420A(420B)は、側方フレーム16A(16B)に第1連結軸48A(48B)を介してそれぞれ軸支されている。これにより、保持部材40は、側方フレーム16A(16B)に対して垂直な位置(図1、図3)と平行な位置(図4、図5)との間で、回動可能になっている。なお、保持片42A(42B)と、側方フレーム16A(16B)との接続位置は、第2リンクの一対のリンク片の他端342と側方フレーム16A(16B)との接続位置よりも後方である。
図3に示すように、一対の保持片42A(42B)の一端420A(420B)は、先端向かって幅狭になっており、当該幅狭の先端には、両者を連結する棒状の回動規制部46が形成されている。回動規制部46は、保持部材40が側方フレーム16A、16Bに対して平行な位置にあるときに、ロック部材60に係合するようになっている(図5参照)。
図3に示すように、一対の保持片42A、42Bの他端422A、422Bには、両者を繋ぐ第2連結軸49を介してガススプリング50の一端が回動自在に接続されている。
(ガススプリング50の構成)
図3に示すように、ガススプリング50は、シリンダ52と可動部54とを備える。ガススプリング50は、圧縮方向の力に対して反発力を生じるバネであって、かつ、シリンダ52により可動部54の伸縮方向が案内されているから、圧縮バネとガイド部材とを兼ねる部材である。
ガススプリング50は、座部20を上方前方へ移動させる駆動源として機能する。ガススプリング50の付勢力により座部20を押圧するので、座部20を変位させる駆動源としての電源等が不要であり、起立補助装置1を軽量化できる。
シリンダ52の内部は密閉され、内部に高圧ガス(例えば窒素ガス)が封入されている。シリンダ52の先端(ガススプリング50の他端)は、円形の取付孔が設けられており、この取付孔にリンク部材30のリンク軸36が挿通されている。
可動部54は、シリンダ52内に配置されたピストンと、このピストンに接続されたロッドとを備え、シリンダ52内部の高圧ガスの付勢力によって、ガススプリング50の長手方向に沿って伸長する。可動部54の先端(ガススプリング50の一端)は、円形の取付孔が設けられており、図3に示すように、この取付孔に保持部材40の第2連結軸49が挿通されている。
高圧ガスの付勢力は、座部20に着座した使用者の荷重により可動部54が圧縮方向(可動部54をシリンダ52に近づける方向)に移動してシリンダ52内の収容位置まで移動可能な程度に適宜設定される。なお、ガススプリング50の付勢力を調節するために、ガススプリング50にさらにコイルバネ等を設けてもよい。
(ロック部材60の構成)
図1乃至図3に示すように、ロック部材60は、固定台62と、フック64とを備える。
図1に示すように、固定台62は、後フレーム14下面の幅方向略中央に固定されている。フック64は、固定台62の回動軸に軸支されており、レバー640を操作することにより、リンク部材30のリンク軸36に係合する係合位置(図2)と、係合が解除される解除位置(図3)との間で回動可能である。
ロック部材60は、フック64がリンク部材30のリンク軸36に係合することで、ガススプリング50によるリンク部材30の移動を規制するロック機構として機能する。
フック64は、固定台62に連結するバネ(図示せず)により付勢されており、座部20が使用者の荷重により立ち上がり位置から着座位置に移動する際に、当該付勢力により回動してリンク部材30のリンク軸36に自動的に係合するようになっている。
(案内部材70の構成)
図1及び図3に示すように案内部材70は、一対の第1軸支部72A、72B、一対の第2軸支部74A、74B、一対のガイドロット76A、76Bを備えている。
図3に示すように、第1軸支部72A(72B)は、側方フレーム16A(16B)の上面に固定されている。第1軸支部72A(72B)と側方フレーム16A(16B)との接続箇所は、前フレーム12寄りの位置であり、第2リンク34のリンク片の他端342と側方フレーム16A(16B)との接続箇所よりも前方である。
図3に示すように、第2軸支部74A(74B)は、後座部24の下面に固定されている。第2軸支部74A(74B)と後座部24との接続箇所は、後座部24の後縁242寄りの位置であり、第1リンク32の一対のリンク片と後座部24との接続位置(すなわち後座部24の下面中央)よりも後方である。
図3に示すように、ガイドロット76A(76B)は、棒状部材であり一端が第1軸支部72A(72B)に軸支され、他端が第2軸支部74A(74B)に軸支されている。ガイドロット76A(76B)は、第1軸支部72A(72B)を回動中心として回動可能である。
以上の構成により、案内部材70は、起立補助装置1が着座位置(図2)から立ち上がり位置(図3)まで移動する際に、後座部24の移動方向を案内するガイド機構として機能する。
(起立補助装置1の使用方法)
次に、上記のように構成された起立補助装置1の使用方法について説明する。起立補助装置1は、例えば、座面の取り外しが可能な汎用の車椅子100に取り付けて使用可能である(図6参照)。なお、座面の取り外しが可能な構造の車椅子については、株式会社松永製作所の販売する車椅子(アルミSAシリーズ)に関する2010年11月発行の取扱説明書や、この車椅子等のメンテナンスマニュアル(http://www.matsunaga-w.co.jp/)等に記載されており、例えば、このメンテナンスマニュアルの16頁「座シートの交換-1」によれば、シートは座シートビスを取り外すことで容易に取り外すことが可能である。
ここで、座面の取り外しが可能な構造の汎用の車椅子100を図に示す(図14、図15参照)。また、起立補助装置1が取り付けられた状態の車椅子100あるいは当該状態の起立補助装置1を画像で示す図を図16〜図24に示す。左右のフレーム102,104を連結する本例のクロスリンク106は、これら左右のフレーム102,104を平行に保ちながら接近離反可能なようにX状に連結するリンクである。また、面から明らかなように、車椅子100は、座面を取り外してから起立補助装置1を取り付けた場合に、保持部材40、ガススプリング50等がクロスリンク106等に干渉しないだけの十分なスペースを座面下部に備えうる構造である。なお、起立補助装置1を車椅子100に装着した状態では既にもともとあった座面は取り外されているので、起立補助装置1の一部が当該取り外された座面に干渉することはそもそも起こり得ないことはいうまでもない(図12、図13参照)。
起立補助装置1は、座部20がフラットで使用者の着座に適した状態である着座位置(図3)と、座部20が前方上方に移動し、使用者の立ち上がりに適した状態である立ち上がり位置(図3)との間で移動可能である。
(装着)
まず、車椅子100から、下からついている座面シートを取り外し(ネジ等で固定されている場合は、ネジ等を取り外す)、座面位置には何も配置されていない状態にする。この状態で第1係合部120及び第2係合部140を車椅子のフレームに載置すると、上述のとおり、起立補助装置1の前フレーム12と後フレーム14とは、車椅子の側方のフレーム幅に合わせて長さが設定されており、第1係合部120及び第2係合部140が車椅子のフレームに載置された状態となり(図12参照)、これら前フレーム12と後フレーム14が車椅子のフレームに嵌って車椅子と係合する。このように、起立補助装置1の車椅子への装着は非常に容易である。
なお、特に図示していないが、起立補助装置1を車椅子100に取り付け固定するための手段としては、ネジやボルト・ナットといった締結手段、両面ファスナー付きのテープ状の緊締手段、ゴムベルトのような緊締手段、鉤部をフレーム等に着脱可能に係止させる係止手段、樹脂等の弾性を利用して楔状のフックを係合させ取り外し時には押圧等して係合を解除する係合手段、といった公知の各種手段を利用することができる。これら手段を利用することにより、ユーザー等は、必要に応じて起立補助装置1を自ら車椅子100に取り付け、あるいは取り外す作業を簡便に行うことが可能である。
ここで、車椅子の座面中央下方には、他の構造物が配置されていることがある(例えば、正面視X字状に交差したクロスリンク)。しかしながら、図1及び図2に示すように、起立補助装置1の保持部材40及びガススプリング50は、後座部24の中央よりも後方側に配置されている。そのため、起立補助装置1を車椅子に装着した状態で、保持部材40及びガススプリング50は、車椅子の座面中央下方に配置される他の構造物(例えば、クロスリンク)と干渉しない。
保持部材40及びガススプリング50が後座部24の中央よりも後方側に配置できているのは、起立補助装置1が、ガススプリング50の付勢力を、リンク部材30を介して後座部24の下面中央に伝達するようにしているためである。言い換えると、保持部材40及びガススプリング50の位置は、リンク部材30があることにより、後座部24の中央よりも後方に配置可能になっている。
なお、リンク部材30及びガススプリング50の長さ、接続位置を適宜設定することで、ガススプリング50(及び保持部材40)の位置は、後座部24の前後方向で適宜設計できることは言うまでもない。ガススプリング50(及び保持部材40)の配置について設計の自由度が高いため、起立補助装置1は種々なタイプの車椅子に適用可能である。
(ロック解除)
起立補助装置1を車椅子に装着し、使用者が着座する前の状態では、座部20には荷重がかかっていない。このとき、ロック部材60のフック64は、リンク部材30のリンク軸36を介したガススプリング50の上方向の付勢力を強く受け(しかもこの状態では、ガススプリング50が最も圧縮されているので付勢力が最大の状態である)、リンク軸36に強固に係合し、回動不能(レバー640の操作が不能)となっている。
すなわち、起立補助装置1は、使用者が着座する前の状態では、ロック部材60のロックを解除することができないようになっている。そのため、使用者が着座する前の状態で、リンク部材30とフックとの係合が予期せず解除されて座部20が立ち上がり位置に移動してしまうことを防止できる。これは、安全上の観点から重要である。
車椅子への装着後、使用者が座部20に着座すると、リンク部材30のリンク軸36には、ガススプリング50の上方向の付勢力に加えて、当該付勢力を打ち消す使用者の自重による下方向の力が加わる。これにより、ロック部材60のフック64は、リンク軸36から僅かに離間し、レバー640の操作が可能となる。
この状態で、このレバー640を操作してフック64を回動させると、ロック部材60によるロックが解除される。
なお、レバー640操作は、安全性の観点からは、着座した使用者自身よりは、介助者がアクセスするほうがより好ましい。この点、ロック部材60は、後フレーム14下面の幅方向略中央に設けられており、使用者が着座した状態においては、使用者の背中側で腕が届きにくい箇所に位置するので、使用者は容易にはアクセスできない。そのため、使用者ではなく介助者がロック部材60によるロック機構を外すことを、使用者及び介助者に自然に意識づけさせることができる。
(立ち上がり動作)
ロック部材60によるロックが解除され、使用者が自分の脚力又は介助者の補助により座部20から臀部を浮かせると、座部20への荷重が軽減される。この荷重がガススプリング50の付勢力よりも小さくなると、ガススプリング50の可動部54が伸長して、リンク部材30のリンク軸36を上方に押し上げる。
これにより、リンク部材30が屈曲した状態(第1リンク32及び第2リンク34が重なった状態、図1及び図2参照)から、広がった状態(第1リンク32及び第2リンク34が上下方向に離間した状態、図3参照)まで移動する。
リンク部材30の移動に伴い、後座部24が案内部材70によって案内されながら前方に立ち上がり、また、後座部24にヒンジ接続された前座部22がフレーム10に対して前傾する。これにより、起立補助装置1は、立ち上がり位置まで移動する(図3及び図6参照)。これにより使用者の起立に必要な前方上方の力が提供される。
ここで、図3及び図6に示すように、前座部22と後座部24とは、立ち上がり位置における前傾角度がそれぞれ異なる。より具体的には、後座部24は、前座部22よりもフレーム10に対する傾斜が小さくなっている。これにより、使用者の臀部はより平坦な後座部により支持され持ち上がるので、滑り台のように座部20の表面を滑り落ちたりするようなことを抑制でき、安全性を高めることができる。
また、リンク部材30の第1リンク32が後座部24の下面中央に配置されていることで、リンク部材30を介したガススプリング50の付勢力は、後座部24の下面の中央にかかる。
そのため、着座した使用者の臀部中央部分(着座した使用者の重心位置)に、ガススプリング50の付勢力がリンク部材30を介してかかる。これにより、座部20の他の箇所をガススプリング50で押圧する場合と比較して、より安定して後座部24を持ち上げることができるとともに、ガススプリング50の付勢力による使用者の違和感を軽減することができる。
また着座した使用者の重心位置に、ガススプリング50の付勢力がリンク部材30を介してかかるので、座部20の他の箇所をリンク部材30を介してガススプリング50で押圧する場合に比べて、座部20自体に必要とされる剛性を小さくすることができる。そのため、座部20を軽量化することができる。
(着座動作)
次に、起立補助装置1が立ち上がり位置にある状態で、使用者が座部20に腰掛けて、脚力を弱めると、使用者の自重による座部20への荷重が大きくなる。この荷重がガススプリング50の付勢力よりも大きくなると、ガススプリング50の可動部54が縮んで、ガススプリング50が圧縮される。
これにより、リンク部材30が広がった状態(第1リンク32及び第2リンク34が上下方向に離間した状態)から、屈曲した状態(第1リンク32及び第2リンク34が重なった状態)まで移動する。リンク部材30の移動に伴い、前座部22及び後座部24がフレーム10に対して平行な着座位置まで移動する。
第1リンク32の他端322に設けられた突起部324(図3参照)は、座部20が立ち上がり位置から着座位置に移動する際に、後座部24に当接する。ガススプリング50は、圧縮されるに伴い付勢力が増すので、座部20が着座位置に移動するに従ってリンク部材30はより強い付勢力をうけることになるが、この強い付勢力を、第1リンクの一端320のみならず、第1リンクの他端322の突起部324を介して後座部24に伝達することができる。
すなわち、座部20が着座位置に移動する際にリンク部材30にかかる強い付勢力を2方向に分散することができる。これにより、リンク部材30に必要とされる剛性を小さくすることができるので、リンク部材30を軽量化することができる。
なお、リンク部材30の上記移動に伴い、ロック部材60のフック64は、固定台62に連結するバネからの付勢力を受け回動し、リンク部材30のリンク軸36に係合し、ロックが掛かる。すなわち、使用者の着座に伴い自動的にロック機構が働くようになっている。
(持ち運び)
起立補助装置1を車椅子から取り外して持ち運ぶ際には、起立補助装置1は収容位置に変形可能である。
より具体的には、保持部材40を、側方フレーム16A(16B)に対して垂直な位置(図1及び図2)から、平行な収容位置(図4)まで回動させる。このとき、保持部材40に接続されるガススプリング50も併せて回動する。これにより、保持部材40及びガススプリング50の出っ張りがなくなるので、起立補助装置1全体をコンパクトなものにすることができる。これにより持ち運びが容易になる。
ここで、保持部材40が収容位置へ回動すると、ガススプリング50も側方フレーム16A(16B)に平行な位置に一緒に移動し、ガススプリング50の付勢力の方向が90度変位する(下から上に向かう方向から前から後に向かう方向になる)。これにより、ガススプリング50の付勢力がリンク部材30を介してフック64にかからなくなる又は弱まる。
しかしながら、図5に示すように、保持部材40が収容位置まで移動すると、保持部材40の回動規制部46は、ロック部材60のフック64に設けた凹部に係合するようになっている。これにより、フック64の回動方向(図5の矢印A方向)の移動が規制される。従って、ガススプリング50の付勢力がリンク部材30を介してフック64にかからなくなったとしても、フック64は、依然として回動できないので、ロック機構が外れてしまうことはない。すなわち、起立補助装置1が収容位置にあるかぎりは、ロック部材60によるロック機構を外すことはできないので、持ち運び途中に起立補助装置1が立ち上がり位置に移動してしまうようなことを防止できる。
(変形例)
上記実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
(変形例1)
例えば、図7及び図8に示す起立補助装置1Aのような変形も可能である(変形例1)。上記実施形態との主な相違点としては、起立補助装置1Aは、側方フレーム16A(16B)に対して固定された保持部材40Aを用いていることと、起立補助装置1A内の位置及びリンク部材30との接続位置が変更されたガススプリング50Aを用いていることである。なお、起立補助装置1Aの構成のうち、起立補助装置1と同一又は同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
保持部材40Aは、側方フレーム16A(16B)の前方寄りの位置、より具体的には、第2リンクの一対のリンク片と側方フレーム16A(16B)との接続位置よりも前方で、側方フレーム16A(16B)に固定されている。
また、保持部材40Aの位置に併せて、ガススプリング50Aも全体として前方寄りの位置に配置されている。さらに、ガススプリング50Aとリンク部材30との接続位置もリンク部材30のリンク軸36から、第1リンク32に変更されている。これにより、ガススプリング50Aは、着座位置において、側方フレーム16A(16B)に対して側面視斜め後方に傾斜して延びる。
この構成によれば、着座位置における起立補助装置1Aの上下方向の大きさを小さくすることができる。そのため、装着時における車椅子の座面下方の構造物の影響を受けにくくすることができる。また起立補助装置1Aの上下方向の大きさが小さくコンパクトであるので(上記実施形態のように収容位置に変形することはないものの)持ち運びも容易である。また保持部材80は側方フレーム16A(16B)に固定されているので、保持部材が可動である場合に比べて、起立補助装置1Aの構成を簡単にすることができ、取り扱いがより容易になる。
(変形例2)
また例えば、図9に示す起立補助装置1Bのような変形も可能である(変形例2)。上記変形例1との主な相違点としては、起立補助装置1Bは、保持部材40Bの他端には、位置調節部400Bが設けられていることである。これにより、ガススプリング50Bと保持部材40Bとの接続位置が調節可能になっている。
図9に示すとおり、位置調節部400Bは、保持部材40Bの他端に設けられた複数(ここでは5個)の開口であり、これら開口の何れか一つにガススプリング50Bの一端を締結部材等で接続可能になっている。
これら複数の開口は、保持部材40B上において上下方向および前後方向の位置がそれぞれ異なっているから、ガススプリング50Bを位置調節部400Bのどの開口に接続するかで、立ち上がり位置におけるガススプリングと後座部との間の傾斜角(図9中「θ」で示す角度)を調節することができる。
例えば、ガススプリング50Bを位置調節部400Bの最も前方の開口に接続すると傾斜角θが最も小さくなる。この場合、リンク部材30を介した後座部24へのガススプリング50Bの付勢力は小さくなるので、より体重の軽い使用者(例えば、40〜50kg)に対応できる。
一方、ガススプリング50Bを位置調節部400Bの最も後方の開口に接続すると傾斜角θが最も大きくなる。この場合、リンク部材30を介した後座部24へのガススプリング50Bの付勢力が大きくなるので、より体重の重い使用者(本変形例2おいては、最も前方の開口に接続した場合に比べてほぼ倍の体重、例えば、80〜100kg)に対応できる。
これにより、一つのガススプリング50Bで異なる体重の複数の使用者に対応できることになり(使用者ごとに別の付勢力のガススプリングに変更したりする必要がなくなり)、起立補助装置1Bの汎用性をより高めることができる。
なお、位置調節部400Bの構成としては、ガススプリング50Bとの接続位置を調節できれば特に限定はなく、例えば、上下および前後方向に広がった幅広の開口を一つ設け、ガススプリング50Bの一端を当該幅広の開口の一箇所で締結するようにしてもよい。この場合、ガススプリング50Bとの接続位置を無段階で微調整することができる。
1、1A、1B……起立補助装置
10……フレーム、12……前フレーム、120……第1係合部、14……後フレーム、140……第2係合部、16A、16B……側方フレーム
20……座部、22……前座部、220……前縁、222……後縁、24……後座部、240……前縁、242……後縁、26……蝶番、28……逆そり防止機構
30……リンク部材、32……第1リンク、320……一端、322……他端、34……第2リンク、340……一端、342……他端、36……リンク軸
40、40A……保持部材、400B……位置調節部、42A、42B……保持片、420A、420B……一端、422A、422B……他端、44……連結体、46……回動規制部、48A、48B……第1連結軸、49……第2連結軸
50、50A、50B……ガススプリング、52……シリンダ、54……可動部
60……ロック部材、62……固定台、64……フック、640……レバー
70……案内部材、72A、72B……第1軸支部、74A、74B……第2軸支部、76A……ガイドロット
100……車椅子

Claims (8)

  1. 互いに平行に配置された前フレーム及び後フレームと、これらを互いに連結する側方フレームとを有し、椅子の座面位置に取り付け可能なフレームと、
    前記前フレームに回動可能に接続された前座部と、前記前座部の後縁にヒンジ接続された後座部とを有し、前記フレームの上方に配置された座部と、
    前記後座部の下面中央に一端が接続された第1リンクと、前記第1リンクの他端に一端が接続され前記側方フレームに他端が接続された第2リンクと、を備えるリンク部材と、
    前記側方フレームに一端が接続され、他端が前記側方フレームの下方に延びる保持部材と、
    前記保持部材の前記他端に一端が接続され、前記リンク部材に他端が接続されたガススプリングと、を備え、
    前記座部は、前記リンク部材を介した前記ガススプリングの付勢力によって、前記フレームに対して平行な着座位置から、前記後座部が前方に立ち上がり前記前座部が前記フレームに対して前傾する立ち上がり位置まで移動する、起立補助装置。
  2. 前記第1リンクの前記他端には、前記座部が荷重により前記立ち上がり位置から前記着座位置に移動する際に前記後座部に当接する突起部が設けられている、請求項1に記載の起立補助装置。
  3. 前記後フレームには、前記ガススプリングの付勢力による前記リンク部材の移動を規制するフックが回動可能に設けられており、前記フックは、前記座部が荷重により前記立ち上がり位置から前記着座位置に移動する際に回動し、前記リンク部材に係合する、請求項1又は請求項2に記載の起立補助装置。
  4. 前記保持部材の前記一端は、前記側方フレームの後方側の位置に回動可能に接続されており、前記保持部材は、前記座部が前記着座位置にあるときに、前記ガススプリングとともに、前記側方フレームに垂直な位置から平行な収容位置へ回動可能である、請求項3に記載の起立補助装置。
  5. 前記保持部材の前記一端には、前記保持部材が前記収容位置へ回動する際に前記フックに当接して前記フックの回動を規制する回動規制部が設けられている、請求項4に記載の起立補助装置。
  6. 前記保持部材の前記一端は、前記側方フレームの前方側の位置に固定して接続されている、請求項3に記載の起立補助装置。
  7. 前記保持部材の前記他端には、前記ガススプリングの前記一端との接続位置を調節する位置調節部が設けられている、請求項6に記載の起立補助装置。
  8. 前記前座部と前記後座部とをヒンジ接続するヒンジの真下かつ前記前座部と後座部との間には、前記前座部と前記後座部との逆反りを防止するための棒状部材が懸架されている、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の起立補助装置。
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