JP2017183334A - 巻磁心の磁場中熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 各巻磁心の透磁率の差を小さくすることが可能な、巻磁心の磁場中熱処理方法を提供する。【解決手段】 炉内に、複数の巻磁心を同軸状に並べて配置し、巻磁心の磁路の垂直方向に磁場を印加して熱処理する巻磁心の磁場中熱処理方法において、透磁率が5以下の材質からなるスペーサを、前記の並べた複数の巻磁心の間に、間隔が50mm以上200mm以下となるように、複数配置した状態で、前記熱処理を行うことを特徴とする巻磁心の磁場中熱処理方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、軟磁性合金からなる巻磁心の磁場中熱処理方法に関する。
軟磁性材料として、アモルファス磁性合金やナノ結晶合金(商品名:ファインメット(登録商標))が開発されて以来、様々な用途で使用されている。このアモルファス磁性合金やナノ結晶合金は、主に薄帯状に作製される。そして、この薄帯を巻いてリング状にした巻磁心が製品として使用される。
巻磁心は、用途に応じて磁場中熱処理が施され、これによりB―H特性が調整される。このB―H特性の調整方法は、主に2通りの方法がある。一つは巻磁心の磁路方向に磁場を印加して熱処理することで異方性を付け、ヒステリシスループを高角形にしたものであり、もう一つは巻磁心の磁路の垂直方向に磁場を印加して熱処理(以下、横磁場熱処理)することで異方性を付け、低角形にしたものである。
横磁場熱処理は、例えば、巻磁心を配置する容器の外側にヒータとソレノイドコイルを配置した磁場中熱処理炉により行なわれる。この様な構成の磁場中熱処理炉では、複数の巻磁心を同軸状に並べて配置し、ソレノイドコイルの巻軸と巻磁心の巻軸とを平行に、つまり、巻磁心の磁路の垂直方向(巻磁心の高さ方向)に磁場を印加して熱処理する方法が採用される。
低角形の巻磁心は、例えば、ラインフィルタ、パルストランス、センサー用コア、チョークコイル等で使用される。
横磁場熱処理は、例えば特許文献1に開示されるように、炉内に複数の巻磁心を、巻磁心の厚み方向に間隔をあけて同軸状に並べて配置し、この状態で、巻磁心の磁路の垂直方向に磁場を印加する方法が採用されている。
また特許文献2に開示されるように、被熱処理の巻磁心を、熱処理温度範囲で強磁性体からなるスペーサを介して連続的に配置した状態で横磁場熱処理する方法もある。
特開平7−320920号公報 特開平5−62849号公報
しかし、上記のような、炉内に複数の巻磁心を同軸状に並べて配置して横磁場熱処理を行った巻磁心は、一度に同じ処理で得た巻磁心であっても、両端側の巻磁心の透磁率は中間部の巻磁心の透磁率よりも大きくなりやすく、それぞれの巻磁心の透磁率に大きな差が生じるという問題があった。
この問題は、両端側の巻磁心が、磁場中熱処理炉内の端に配置されるときだけでなく、並べる個数を減らすことで磁場中熱処理炉内の中央よりに配置された場合でも発生する。つまりは、磁場中熱処理炉内の磁場の不均一性に起因する現象ではなく、上記のような、複数の巻磁心を同軸状に並べて配置し、巻磁心の磁路の垂直方向に磁場を印加して熱処理する横磁場熱処理において、必然的に発生してしまうものである。
したがって本発明の目的は、複数の巻磁心を同軸状に並べて配置し、巻磁心の磁路の垂直方向に磁場を印加して熱処理する横磁場熱処理において、各巻磁心の透磁率の差を小さくすることが可能な、巻磁心の磁場中熱処理方法を提供することにある。
本発明の課題を解決する手段は、炉内に、複数の巻磁心を同軸状に並べて配置し、巻磁心の磁路の垂直方向に磁場を印加して熱処理する巻磁心の磁場中熱処理方法において、透磁率が5以下の材質からなるスペーサを、前記の並べた複数の巻磁心の間に、間隔が50mm以上200mm以下となるように、複数配置した状態で、前記熱処理を行うことを特徴とする。
この熱処理で印加する磁場は、:199kA/m(2.5KOe)以下であることが好ましい。
この巻磁心は、組成式:(Fe1-aa100-x-y-z-α-β-γCuxSiyzM’αM”βγ(原子%)(ここで、MはCo及び/又はNiであり、M’はNb,Mo,Ta,Ti,Zr,Hf,V,Cr,Mn及びWからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、M”はAl,白金族元素,Sc,希土類元素,Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素である。また、a,x,y,z,α,β及びγは、それぞれ0≦a≦0.5,0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30,0≦α≦20,0≦β≦20及び0≦γ≦20を満足する。さらに、0≦a<0.1,0.8≦x≦1.5,14≦y≦20,5≦z≦7,2≦α≦5,0≦β≦10及び0≦γ≦10を満足する)で表される、アモルファス合金薄帯を巻き回したものを用いることができる。
上述のように、本発明の巻磁心の磁場中熱処理方法によれば、得られる複数の巻磁心の透磁率の差を小さくでき、安定した軟磁気特性を持つ巻磁心を量産できる。
本実施例における熱処理炉内での巻磁心の配置順と透磁率の関係を示す図である。 比較例における熱処理炉内での巻磁心の配置順と透磁率の関係を示す図である。 別の本実施例における熱処理炉内での巻磁心の配置順と透磁率の関係を示す図である。 磁場中熱処理炉の構造を説明するための図である。 巻磁心に流れる磁束の状態を説明するための模式図である。
本発明は、炉内に、複数の巻磁心を同軸状に並べて配置し、巻磁心の磁路の垂直方向に磁場を印加して熱処理する巻磁心の磁場中熱処理方法において、透磁率が5以下の材質からなるスペーサを、前記の並べた複数の巻磁心の間に、間隔が50mm以上200mm以下となるように、複数配置した状態で、前記熱処理を行うことを特徴とするものである。この巻磁心の磁場中熱処理方法を用いることで、巻磁心の透磁率の差を小さくできる。
連続的に巻磁心を配置した横磁場熱処理、若しくは、並べた巻磁心の間に強磁性のスペーサを配置した、従来の横磁場熱処理は、磁場の印加方向に見て、端部側に配置された巻磁心ほど高い透磁率となりやすく、中央部に配置した巻磁心は透磁率が低くなる傾向にある。
しかし本発明のように、横磁場熱処理において巻磁心間に透磁率の低いスペーサを配置することで、端部から離れた位置に配置した巻磁心でも、端部に配置した巻磁心の透磁率に近づけることができ、得られる複数の巻磁心の透磁率の差を小さくできる。
スペーサの材質の透磁率が5を超えると得られる巻磁心の透磁率の差が大きくなるため、スペーサは透磁率が5以下の材質のものとする。スペーサの透磁率は、3以下、(非磁性材程度)とすることが好ましい。なお、スペーサはエアギャップであってもよい。
スペーサどうしの間隔は50mm以上200mm以下となるように複数配置する。
スペーサの間隔が50mm未満である場合、磁場の印加方向に見て、巻磁心に対するスペーサの体積比率が増えるので、同じ特性の巻磁心を得るためには磁場の印加を強める必要がある。そのためにはソレノイドコイルに流す電流量を増やす必要があり、製造コストが大きくなったり、装置に負荷がかかりやすい等の問題が発生する。また、配置するスペーサの数が多くなるので、その分だけ一度に熱処理できる数が少なくなる。そのため、スペーサの間隔は50mm以上とする。
一方、スペーサの間隔が200mmを超えると、中央付近に配置された巻磁心の透磁率が、スペーサ付近の巻磁心の透磁率に対して25%を超えて下がってしまい、透磁率の差が大きくなってしまう。そのため、スペーサの間隔は200mm以下とする。
なお、スペーサ自体の幅は3mm以上とすることで、巻磁心の透磁率の差をさらに小さくすることができる。5mm以上、さらには10mm以上とすることが好ましい。
本発明の巻磁心の磁場中熱処理方法により、得られる巻磁心の透磁率の差が小さくなる理由は、磁路の垂直方向に印加される磁場の強さが、最端部側の巻磁心と中央部の巻磁心で同程度になることが原因と考えられる。次の段落でその説明を行う。
まず、端部側の巻磁心の透磁率が大きくなる原因について述べる。
ソレノイドコイルにより発生した磁束は、巻磁心が並べられた位置よりもさらに外側においては、巻磁心の軸方向に見て、巻磁心よりも広い面積の範囲に分散して流れている。その分散した状態の磁束は、端部の巻磁心に向けて集中するように流れ込む。そのため、磁束が磁路の垂直方向だけでなく傾いた方向にも流れやすい。その結果、磁場が、磁路の垂直方向に印加される方向においては、小さくなった状況で熱処理されることになり、熱処理後の透磁率が高くなっているものと思われる。
対して、中央部の巻磁心に流れる磁束は、隣接する巻磁心から流れこむので、磁束が流れる方向はほぼ磁路の垂直方向と平行である。その結果、印加される磁場が、端部に配置された巻磁心より大きくなった状況で熱処理されることになり、熱処理後の透磁率が低くなっているものと思われる。
そのため本発明においては、図5に示すように、並べた巻磁心6の間に非磁性のスペーサ1を配置することで、磁束7がその近辺で拡散し、磁路の垂直方向に印加される方向において、磁場が実質的に小さくなるようにした。この結果、端部に配置された巻磁心と同様に、スペーサ1の近傍の巻磁心も、磁場が小さくなった状況で熱処理されることになり、熱処理後の透磁率が高くなるものと思われる。
印加する磁場は、199kA/m(2.5KOe)以下であることが好ましい。この理由は、印加する磁場が小さいほど、透磁率の差は大きくなる傾向にあるため、本発明による透磁率の差をさらに小さくできるためである。印加する磁場は、159kA/m(2.0KOe)以下、さらには80kA/m(1.0KOe)以下、さらには、56kA/m(0.7KOe)以下とすることが好ましい。
この巻磁心は、組成式:(Fe1-aa100-x-y-z-α-β-γCuxSiyzM’αM”βγ(原子%)(ここで、MはCo及び/又はNiであり、M’はNb,Mo,Ta,Ti,Zr,Hf,V,Cr,Mn及びWからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、M”はAl,白金族元素,Sc,希土類元素,Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素である。また、a,x,y,z,α,β及びγは、それぞれ0≦a≦0.5,0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30,0≦α≦20,0≦β≦20及び0≦γ≦20を満足する。さらに、0≦a<0.1,0.8≦x≦1.5,14≦y≦20,5≦z≦7,2≦α≦5,0≦β≦10及び0≦γ≦10を満足する)で表される、アモルファス合金薄帯を積層したものを用いることができる。
以下に、前記アモルファス合金薄帯を巻いて積層体からなる巻磁心とし、この巻磁心を横磁場熱処理する場合について説明する。
まず、熱処理によりナノ結晶化するアモルファス合金薄帯を用意する。アモルファス合金薄帯は、例えば、公知の単ロール法によって作製することができる。単ロール法では、原料合金を溶解して得られた溶湯を回転ロール上に吐出し、急冷凝固することによって、薄帯状のアモルファス合金を作製する。
アモルファス合金薄帯の厚さは、例えば、8μm〜30μm程度であってよい。厚さが8μm未満では、鋳造時の薄帯破断の頻度が高くなり、安定した長時間の鋳造が困難であり、また、鋳造後の薄帯の機械的強度が不十分になるおそれがある。厚さが30μm超では急冷時の冷却が不十分となり安定してアモルファス相を形成することが困難になる場合がある。また、高周波用途に使用する場合、渦電流の発生による損失を抑えるためには、薄帯は薄い方が好ましい。この観点から、薄帯の厚さは8〜20μmが好ましく、9〜15μmがより好ましい。
アモルファス合金薄帯の幅は、例えば、10mm〜100mmであってよい。ただし、合金薄帯の安定した製造のためには、薄帯の幅は70mm以下、さらには60mm以下が好ましい。なお、幅広に形成した合金薄帯を裁断(スリット加工)して、より幅狭の複数の薄帯を得るようにしてもよい。このようにすれば、生産性を向上させて低コスト化を図ることができる。
次に、このアモルファス合金薄帯を巻回して環状の積層体を作製する。アモルファス合金薄帯を、巻き回す内周の直径を持つ円柱状の基台に固定し、基台を回転させることによって環状の積層体を作製する。環状の積層体は、内径が例えばφ5mm〜300mmであってよく、外径が例えば10mm〜400mmであってよい。また、軸方向の幅は3mm〜100mmであってよい。
その後、環状の積層体からなる巻磁心に対して横磁場熱処理を行う。所定の温度範囲で巻磁心に対して磁場を印加しながら熱処理を行う。磁場は巻磁心の磁路の垂直方向、例えば、巻回体の軸方向(薄帯の幅方向)に印加する。
この横磁場熱処理により、高周波領域まで透磁率の低下が抑制された軟磁気特性を得ることができる。磁場の強度は、上記した通り199kA/m以下であることが好ましい。つまり、磁束密度が0.25T以下になるように、ソレノイドに電流を流すことが好ましい。
また、磁場を印加する時間については、特に制限はないが、1分〜180分程度が実用的である。
横磁場熱処理は、ナノ結晶化のための熱処理を同時に行うことができる。
ナノ結晶化のための熱処理を同時に行う場合は、上記の組成を有するアモルファス合金を、結晶化温度以上に加熱すると、ナノ結晶化できる。なお、温度が高すぎると結晶が粗大化してナノ結晶組織が維持されなくなるので、典型的には最高温度550℃〜600℃で熱処理を行うことが好ましい。この熱処理は、酸素濃度が100ppm以下に制限された難酸化性雰囲気中で行われることが好ましい。用いる難酸化性ガスとしては例えばArガスやN2ガス等の不活性ガスが挙げられる。
また、横磁場熱処理の工程とは別に、ナノ結晶化の熱処理を設定することもできる。また、無磁場や磁路方向へ磁場を印加した状態で行う、さらに別の熱処理を設定することもできる。
磁場の印加は、所定の温度域においてのみ選択的に行ってもよいし、熱処理開始時から、最高温度を経て、100℃程度まで冷却し、巻回体を取り出す直前まで行っても良い。例えば、横磁場熱処理がナノ結晶化の熱処理を兼ねる場合、結晶化開始温度より50℃低い温度から、結晶化開始温度より50℃高い温度までの範囲だけ印加する等、適宜設定することが可能である。
本発明の製造方法を適用することにより、目標とする透磁率に対して25%以下の差の巻磁心を量産できる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
合金組成がFe:74、Cu:1、Nb:3、B:6.5、Si:15.5(いずれも原子%)とする合金溶湯を、単ロール法により急速凝固させて、厚さ13μm、幅52mmの合金リボンを作製した。作製した合金リボンをスリット加工して6.2mm幅のリボンとした。スリット加工後の6.2mm幅の合金リボンを巻回して、内径12.8mm、外径16.1mm、高さ6.2mmとなる巻回体を120ヶ作製した。巻始めと巻終わりは、スポット溶接によって隣接する合金リボンと固定させた。
磁場中熱処理炉10は、ヒーター4を有する容器3内に、巻磁心6を並べて配置する構成を持つ。容器3の外側にはソレノイドコイル5が設置されている。巻磁心6は、内径側の孔に非磁性のホルダー2(SUS304)を通して同軸になるよう並べられる。ソレノイドコイル5は巻磁心の磁路の垂直方向(巻磁心の高さ方向)に磁場をかけることができる。
並べた巻磁心の両端に円盤状の非磁性のスペーサ1(材質:SUS304、透磁率1(測定限界以下)、寸法:外径22.2mm、内径12.7mm、厚さ10mm)を配置した。また、前記スペーサ1の間に、巻磁心を10個連続して配置するごとに、同じ非磁性のスペーサ1を11ヶ所に配置した。スペーサ1どうしの間隔は、62mmである。
この横磁場熱処理において、炉内の磁束密度が0.06Tとなるように、ソレノイドコイルに電流を流した。また、熱処理における最高温度は580℃、最高温度での保持時間は20分、炉内の雰囲気はN雰囲気とした。
この横磁場熱処理を行った後、スペーサ1と巻磁心6をホルダー2から外し、各巻磁心の透磁率(初透磁率)を測定した。透磁率の測定は、10kHzで行った。
なお、この横磁場熱処理を施した巻磁心で設定する透磁率は10kHzで70000±25%である。
図1は実施例1の測定結果である。横軸は磁場が印加される方向に見たときの巻磁心の並び順を示す番号である。縦軸は透磁率である。なお、縦軸に平行な太線の位置は、スペーサが配置されていた位置を示す。
図1を見ると、10kHzでの透磁率は、巻磁心が非磁性のスペーサに隣接する巻磁心は透磁率が高く、ほぼ最端部に配置された巻磁心と同等の透磁率約70000のものが得られた。スペーサ間の中央に近い巻磁心ほど透磁率が低くなる傾向があるものの、全てが同程度の透磁率である。得られた巻磁心120ヶの透磁率は全て70000±10%の範囲であり、顧客が要望する透磁率±25%の範囲に入る巻磁心が量産で得られた。
(実施例2)
非磁性のスペーサの配置する位置を、最端側と、最端部から60ヶ目と61ヶ目の巻磁心の間、及び、90ヶ目と91ヶ目の巻磁心の間に配置し、それ以外は実施例1と同様に横磁場熱処理を行った。スペーサ1どうしの間隔は、最短側のスペーサと60ヶ目と61ヶ目の巻磁心の間に配置したスペーサの間隔が372mm、60ヶ目と61ヶ目の巻磁心の間に配置したスペーサと90ヶ目と91ヶ目の巻磁心の間に配置したスペーサの間隔が186mmである。
図3は実施例2の測定結果である。最端部や非磁性スペーサから離れた位置に配置された巻磁心ほど、透磁率が低下する傾向がある。
図3を見ると、60ヶ目と61ヶ目の巻磁心の間の非磁性スペーサから17ヶ目以上離れた巻磁心(距離にして非磁性スペーサから100mm以上離れた巻磁心)は、10kHzでの透磁率が、顧客が要望する透磁率±25%の範囲外である52500未満となるが、それよりもスペーサに近い位置に配置された巻磁心は70000±25%以下の範囲内の透磁率である。つまり、スペーサどうしの間隔はその倍の200mm以下であれば、スペーサと巻磁心の距離を全て100mm以下にできるので、横磁場熱処理を施した全ての巻磁心が顧客が要望する範囲に入れることができる
(比較例1)
スペーサとして透磁率が10のスペーサ(材質:SUS304(但し磁性を有する)、透磁率10、寸法:外径22.2mm、内径12.7mm、厚さ10mm)を用い、それ以外は実施例1と同様の条件で横磁場熱処理を行った。
図2は比較例1の10kHzでの透磁率を示した測定結果である。
両端(1ヶ目と120ヶ目)に配置された巻磁心は、どちらも透磁率が約70000程度である。しかし、配置された位置が端部から離れるにつれて、その巻磁心の透磁率は下がる傾向がある。そして、端部から10ヶ目(10ヶ目、110ヶ目)に配置された巻磁心は透磁率が55000程度である。
さらに、端部から20ヶ目(20ヶ目、100ヶ目)に配置された巻磁心は、透磁率が50000程度となり、それ以上内側(21ヶ目〜99ヶ目)に配置された巻磁心はその殆どが45000〜50000の透磁率となっている。
このように、透磁率が10である、比較的低い透磁率のスペーサを使った場合でも、端部と中央部の巻磁心では、透磁率の差が20000以上と大きいものである。
なお、スペーサを用いずに、巻磁心を全て連続的に並べた配置とし、それ以外は同様に横磁場熱処理を行ったが、比較例1と同等の結果であった。
1:スペーサ、2:ホルダー、3:容器、4:ヒーター、5:ソレノイドコイル、6
:巻磁心、7:磁束、10:磁場中熱処理炉

Claims (3)

  1. 炉内に、複数の巻磁心を同軸状に並べて配置し、巻磁心の磁路の垂直方向に磁場を印加して熱処理する巻磁心の磁場中熱処理方法において、
    透磁率が5以下の材質からなるスペーサを、前記の並べた複数の巻磁心の間に、間隔が50mm以上200mm以下となるように、複数配置した状態で、前記熱処理を行うことを特徴とする巻磁心の磁場中熱処理方法。
  2. 前記熱処理で印加する磁場は、199kA/m以下であることを特徴とする請求項1に記載の巻磁心の磁場中熱処理方法。
  3. 前記巻磁心は、組成式:(Fe1-aa100-x-y-z-α-β-γCuxSiyzM’αM”βγ(原子%)(ここで、MはCo及び/又はNiであり、M’はNb,Mo,Ta,Ti,Zr,Hf,V,Cr,Mn及びWからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、M”はAl,白金族元素,Sc,希土類元素,Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素である。また、a,x,y,z,α,β及びγは、それぞれ0≦a≦0.5,0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30,0≦α≦20,0≦β≦20及び0≦γ≦20を満足する。さらに、0≦a<0.1,0.8≦x≦1.5,14≦y≦20,5≦z≦7,2≦α≦5,0≦β≦10及び0≦γ≦10を満足する)で表される、アモルファス合金薄帯を巻き回したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の巻磁心の磁場中熱処理方法。
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