JP2017182887A - 非水電解質二次電池用電極の導電助剤及びその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用電極の導電助剤及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有効かつ効率的に高い導電性を示すことができる、高性能な非水電解質二次電池用電極を得るための導電助剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】セルロースナノファイバー由来の炭素からなる非水電解質二次電池用電極の導電助剤であり、好ましくはBET比表面積が5〜60m2/gである非水電解質二次電池用電極の導電助剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池用電極の導電助剤に関するものである。
リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池は、電極、セパレータ及び電解質を備える。かかる電極は、結着剤を含む溶媒中に電極活物質と導電助剤を分散させて電極用スラリーとし、これを電極集電体用金属箔上に塗工・乾燥して合材層を形成することにより製造される。
このような電極を製造する際に用いられる導電助剤は、形成された合材層における電子伝導性の向上に寄与するものの、かかる導電助剤の添加によってリチウムイオン伝導性が低下してしまう傾向にあり、結果として、二次電池全体としての性能を向上させることが困難となる場合がある。さらに、導電助剤の添加量が増大するにつれ、電極の単位面積当たり若しくは単位体積当たりの電池容量を担う活物質量が低下するおそれが高まり、その結果として電池容量の低下を招く場合もある。
こうしたなか、得られる二次電池の性能を向上させるべく、種々の導電助剤を用いた技術が開発されている。例えば、特許文献1には、スチレン含有バインダー樹脂とアスペクト比が2〜1000の炭素繊維とを併用した正極合材層形成用スラリーが開示されており、正極合材層の電気抵抗を減少させることを可能としている。また、特許文献2には、導電助剤としてカーボンナノチューブ(CNT)等の繊維状炭素とアセチレンブラック等の球状炭素とが含有されている正極層を有する二次電池が開示されており、活物質間に良好な導電ネットワークを形成させている。
特開2010−262764号公報 特開2016−9679号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、使用する樹脂バインダーがスチレン含有バインダー樹脂に限られ、樹脂バインダーの選択の自由度が低い。また、上記特許文献2に記載の技術では、導電助剤として用い得るカーボンナノチューブがコスト高であることも影響し、汎用性が低く、工業的な使用への適用も困難である。
したがって、本発明の課題は、高い導電性を示すことができる、高性能な非水電解質二次電池用電極を得るための非水電解質二次電池の導電助剤及びその製造方法を提供することにある。
そこで、本発明者らは、種々検討したところ、セルロースナノファイバー(CNF)を用いた導電助剤であれば、有効かつ効率的に良好なレート特性を生じ得る非水電解質二次電池を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、セルロースナノファイバー由来の炭素からなる非水電解質二次電池用電極の導電助剤を提供するものである。
また、本発明は、セルロースナノファイバー及び水を含有するスラリーを噴霧乾燥して、造粒体を得る工程(I)、並びに
得られた造粒体を、還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(II)
を備える非水電解質二次電池用電極の導電助剤の製造方法を提供するものである。
本発明の導電助剤であれば、電極活物質、樹脂バインダー、及び電解液とともに電極スラリーを形成した際、電解液等の溶媒の吸収量を有効に低減して、高密度かつ良好な電池特性を有する電極を簡易に製造することができる。また、導電助剤の添加量を低減することも可能であり、有効かつ効率的に電極を製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の非水電解質二次電池用電極の導電助剤は、セルロースナノファイバー由来の炭素からなるもの、すなわちセルロースナノファイバーが炭化されてなるものである。かかるセルロースナノファイバーとは、全ての植物細胞壁の約5割を占める骨格成分であって、かかる細胞壁を構成する植物繊維をナノサイズまで解繊等することにより得ることができる軽量高強度繊維であり、セルロースナノファイバーを構成するセルロース分子鎖は、炭素による周期的構造で形成されている。かかるセルロースナノファイバーは、繊維径が1〜500nm、繊維長が1〜500μmであり、水への良好な分散性を有している。したがって、セルロースナノファイバーと水を混合してスラリーとした後、かかるスラリーを適度な攪拌力で攪拌することによって、セルロースナノファイバーが均一に分散したスラリーを得ることができる。用いるセルロースナノファイバーの繊維長は、好ましくは1〜470μmであり、より好ましくは1〜450μmであり、さらに好ましくは1〜430μmであり、例えば、セリッシュKY−100G(繊維長:200〜400μm、ダイセルファインケム株式会社製)等の市販品を好適に用いることができる。
セルロースナノファイバーを含むスラリーは、噴霧乾燥した後、還元雰囲気焼成又は不活性雰囲気焼成によって、セルロースナノファイバーを炭化させ、かかる炭素からなる本発明の導電助剤を得ることができる。得られる導電助剤は、比表面積が小さいため、これとともに電極活物質、樹脂バインダー、及び電解液を用いて電極スラリーを形成した際、電解液等の溶媒の吸収量を有効に低減することができ、高密度かつ良好な電池特性を有する電極を得ることができる。具体的には、本発明の導電助剤のBET比表面積は、好ましくは5〜60m2/gであり、より好ましくは5〜55m2/gであり、さらに好ましくは5〜50m2/gである。
本発明の導電助剤は、凝集体、又はかかる凝集体の破片が集結した繊維体を呈するが、繊維体であるのが好ましい。本発明の導電助剤が繊維体である場合、その繊維長は、好ましくは1〜470μmであり、より好ましくは1〜450μmであり、さらに好ましくは1〜430μmである。また、本発明の導電助剤が凝集体である場合、その平均粒径は、好ましくは、1〜100μmであり、より好ましくは1〜80μmであり、さらに好ましくは1〜50μmである。
本発明の非水電解質二次電池用電極の合材層は、上記導電助剤を用いて得られ、電極活物質、樹脂バインダー、及び本発明の導電助剤を含有し、非水電解質二次電池用電極に備えられるものである。
合材層に含有される電極活物質は、二次電池の正極活物質、又は二次電池の負極活物質のいずれであってもよく、特に制限されないが、具体的には、例えば正極活物質としては、LiFePO4、Li2MnSiO4、NaFePO4の酸化物を用いたものが挙げられ、負極活物質としては、Li4Ti512の酸化物を用いたものが挙げられる。
合材層に含有される樹脂バインダーとは、電極の構成材料同士を接着するために用いられるもので、例えば正極では、上記正極活物質に用いられる酸化物と集電体を接着するために、また負極では、上記負極活物質に用いられる酸化物と集電体を接着するために用いられる。より具体的には、例えば正極に用いられる樹脂バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられ、負極に用いられる樹脂バインダーとしては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリフッ化ビニリデン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)が挙げられる。
なお、正極活物質、及び負極活物質ともに、樹脂バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを用いる場合、ポリフッ化ビニリデンは水に溶解又は分散しないため、有機溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を併用する必要がある。
かかる合材層は、本発明の導電助剤1質量部に対し、好ましくは電極活物質を16〜48質量部、及び樹脂バインダーを0.5〜2質量部含有し、より好ましくは電極活物質を17〜48質量部、及び樹脂バインダーを0.5〜1.5質量部含有する。具体的には、これら導電助剤、電極活物質、及び樹脂バインダーを含むスラリーを調製し、後述する製造方法によって形成することができる。
本発明の非水電解質二次電池用電極の導電助剤の製造方法は、セルロースナノファイバー及び水を含有するスラリーを噴霧乾燥して、造粒体を得る工程(I)、並びに
得られた造粒体を、還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(II)
を備える。
工程(I)は、セルロースナノファイバー及び水を含有するスラリーを噴霧乾燥して、造粒体を得る工程である。かかるスラリー中におけるセルロースナノファイバーの含有量は、水100質量部に対し、好ましくは10〜50質量部であり、より好ましくは10〜25質量部である。
上記スラリーは、撹拌するのが好ましく、スラリー中にセルロースナノファイバーを良好に分散させる観点から、かかる攪拌には分散機(ホモジナイザー)を用いることが好ましい。かかる分散機としては、例えば、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等が挙げられる。なかでも、セルロースナノファイバーの分散効率の観点から、超音波攪拌機が好ましい。スラリー中におけるセルロースナノファイバーの分散の程度は、例えば、UV・可視光分光装置を使用した光線透過率や、E型粘度計を使用した粘度で定量的に評価することができ、また目視によって白濁度が均一であることを確認することで、簡便に評価することもできる。分散機で撹拌する時間は、好ましくは0.5〜6分間であり、より好ましくは1〜4分間である。
次いで工程(I)では、セルロースナノファイバー及び水を含有するスラリーを噴霧乾燥して造粒体を得る。かかる造粒体の粒径は、レーザー回折・散乱法に基づく粒度分布におけるD50値で、好ましくは1〜20μmであり、より好ましくは2〜15μmである。ここで、粒度分布測定におけるD50値とは、レーザー回折・散乱法に基づく体積基準の粒度分布により得られる値であり、D50値は累積50%での粒径(メジアン径)を意味する。また、噴霧乾燥には、スプレードライヤーを用いるのが好ましく、適宜スプレードライヤーの運転条件を最適化することにより、かかる造粒体の粒径を所望の値に調整すればよい。
噴霧乾燥の温度は、得られる造粒体中に、繊維体又は凝集体としてセルロースナノファイバーを含有させる観点から、好ましくは100〜320℃であり、より好ましくは150〜250℃である。
工程(II)は、工程(I)で得られた造粒体を、還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程である。これにより、セルロースナノファイバー由来の炭素からなる導電助剤が得られる。かかる工程(II)の焼成条件は、還元雰囲気又は不活性雰囲気中で、焼成温度が、好ましくは700〜1200℃、より好ましくは800〜1200℃であり、焼成時間が、好ましくは5分〜3時間、より好ましくは5分〜1.5時間である。工程(II)は、工程(I)で得られた造粒体のみを焼成する工程であって、造粒体のみの事情を考慮して焼成条件を選択することができるため、高温かつ長時間の焼成が可能であることから、結晶度が高く導電性に優れた炭素質導電助剤を得ることができる。
本発明の非水電解質二次電池用電極の導電助剤の製造方法は、さらに工程(II)で得られた導電助剤を粉砕する工程(III)を備えてもよい。かかる工程(III)を経ることによって、炭化される前から炭化された後にわたり維持されているセルロースナノファイバーの繊維体又は凝集体構造を破壊して、導電助剤を繊維状又はシート状にすることができる。したがって、かかる工程(III)では、導電助剤に過剰な圧縮力等が加わることで粒子状に粉砕されるのを防ぐ観点から、媒体を投入することなく導電助剤のみを投入した容器を転動させるか、或いは小径の媒体を少量で投入したボールミル粉砕を数十秒行うのがよい。
本発明の非水電解質二次電池用電極の導電助剤とともに電極活物質、及び樹脂バインダーを用いることにより合材層を形成して非水電解質二次電池電極を得た後、非水電解質二次電池用電極を得ることができる。合材層は、具体的には、まず、本発明の導電助剤1質量部に対し、電極活物質を好ましくは16〜48質量部、及び樹脂バインダーを好ましくは0.5〜2質量部で混合し、或いは電極活物質をより好ましくは17〜48質量部、及び樹脂バインダーを0.5〜1.5質量部で混合する。次いで、電解液を加えて充分混練し、電極スラリー(極合材)を調製して厚さ5〜40μmのアルミニウム箔等からなる集電体に塗布し、乾燥することにより形成する。その後、得られた合材層が形成された集電体を所定の形状、大きさに打ち抜いた後、プレスして電極とする。得られた電極(正極又は/及び負極)と別途準備したセパレータを、組み込み収容することにより、非水電解質二次電池が得られる。
上記の電解液は、有機溶媒に支持塩を溶解させたものである。有機溶媒は、通常リチウムイオン二次電池やナトリウムイオン二次電池の電解液に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。
支持塩は、その種類が特に限定されるものではないが、リチウムイオン二次電池の場合、LiPF6、LiBF4、LiClO4及びLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF32及びLiN(SO3CF32、LiN(SO2252及びLiN(SO2CF3)(SO249)から選ばれる有機塩、並びに該有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。また、ナトリウムイオン二次電池の場合、NaPF6、Nb1F4、NaClO4及びNa1sF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、NaSO3CF3、NaC(SO3CF32及びNaN(SO3CF32、NaN(SO2252及びNaN(SO2CF3)(SO249)から選ばれる有機塩、並びに該有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
セパレータは、正極及び負極を電気的に絶縁し、電解液を保持する役割を果たすものである。たとえば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いればよい。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例1:正極活物資(LiFePO/C)の製造]
LiOH・H2O 1272g、及び水4000mLからなるスラリー水に、85%のリン酸水溶液1153gを滴下して、LiPOを含有するスラリーを得た。次いで、得られたスラリーにFeSO4・7H2O 2780gを添加して混合液を得た後、得られた混合液を水熱合成反応に付してLiFePOを得た。得られたLiFePO 1000gに水1000gとグルコース(無水結晶ぶどう糖、日本食品化工(株)製)100gを加えて噴霧乾燥して複合体を得た後、かかる複合体を還元雰囲気焼成に付して、グルコース由来の炭素が担持されたLiFePO4/C(炭素の量=2.0質量%)を得た。
[製造例2:正極活物資(Li2MnSiO4/C)の製造]
LiOH・H2O 2141g、Na4SiO4・nHO 10479g及び水15000mLからなるスラリー水に、MnSO4・5H2O 6027gを添加して混合液を得た後、得られた混合液を水熱合成反応に付してLi2MnSiO4を得た。得られたLi2MnSiO4 1000gに水1000gとグルコース225gを加えて噴霧乾燥して複合体を得た後、かかる複合体を還元雰囲気焼成に付して、グルコース由来の炭素が担持されたLi2MnSiO4/C(炭素の量=4.5質量%)を得た。
[製造例3:正極活物資(NaFePO4/C)の製造]
NaOH 1200g、及び水18000mLからなるスラリー水に、85%のリン酸水溶液1154gを滴下して、NaPOを含有するスラリーを得た。次いで、得られたスラリーにFeSO4・7H2O 2780gを添加して混合液を得た後、得られた混合液を水熱合成反応に付してNaFePOを得た。得られたNaFePO 1000gに水1000gとグルコース100gを加えて噴霧乾燥して複合体を得た後、かかる複合体を還元雰囲気焼成に付して、グルコース由来の炭素が担持されたNaFePO/C(炭素の量=2.0質量%)を得た。
[製造例4:負極活物資(Li4Ti512/C)の製造]
アナターゼ型TiO2 1597g、Li2CO3 1478g、及びエタノール 30gをボールミルで混合し、大気雰囲気焼成してLi4Ti512を得た。得られたLi4Ti512 1000gに水1000gとグルコース100gを加えて噴霧乾燥して複合体を得た後、かかる複合体を還元雰囲気焼成に付して、グルコース由来の炭素が担持されたLi4Ti512/C(炭素の量=2.0質量%)を得た。
[実施例1]
水 4500mL及びセルロースナノファイバー500g(ダイセルファインケム製セリッシュFD200L(繊維長:300〜500μm)、含水量20質量%)を混合してスラリー水を得た。得られたスラリー水を、超音波攪拌機(IKA製、、T25)で攪拌しながら、180℃で噴霧乾燥(スプレードライヤー;藤崎電機(株)製 MDL−050M)を行い、セルロースナノファイバーの凝集体(平均粒径3μm)を得た。得られた凝集体を、アルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)1000℃で1時間焼成した後、得られた焼成物10gについて、φ3mmのジルコニアボール50gを媒体としたボールミル粉砕を30秒間行い、セルロースナノファイバーが炭化されてなる導電助剤を得た。
[実施例2]
水 4000mL及びセルロースナノファイバー1000g(ダイセルファインケム製セリッシュKY100G(繊維長:200〜400μm)、含水量10質量%)を混合してスラリー水を作製した以外、実施例1と同様にして導電助剤を得た。
[比較例1](アセチレンブラック)
導電助剤として、市販のアセチレンブラック(電気化学工業社製、粒状グレード)を用いた。
[比較例2](ケッチェンブラック)
導電助剤として、市販のケッチェンブラック(ライオン社製EC300J)を用いた。
《導電助剤のBET比表面積の測定》
比表面積測定装置((株)島津製作所製FlowSorbIII 2305)を用いて、実施例及び比較例で得られた導電助剤の窒素吸着法によるBET比表面積を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2017182887
《二次電池を用いた充放電特性の評価》
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた導電助剤を用い、リチウムイオン二次電池及びナトリウムイオン電池の正極及び負極を作製した。具体的には、製造例1〜4で得られた各正極活物質又は負極活物質、実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた導電助剤、ポリフッ化ビニリデンを重量比90:5:5の配合割合で混合し、これにN−メチル−2−ピロリドンを加えて充分混練し、正極もしくは負極スラリーを調製した。正極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体に塗工機を用いて塗布し、80℃で12時間の真空乾燥を行った。負極スラリーの場合には、銅箔への塗工を行った。その後、φ14mmの円盤状に打ち抜いてハンドプレスを用いて16MPaで2分間プレスし、正極もしくは負極とした。
次いで、上記の正極又は負極を用いてコイン型リチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池を構築した。対極には、φ15mmに打ち抜いたリチウム箔(リチウムイオン電池の場合)もしくはナトリウム箔(ナトリウムイオン電池の場合)を用いた。電解液には、エチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比3:7の割合で混合した混合溶媒に、LiPF6(リチウムイオン二次電池の場合)もしくはNaPF(ナトリウムイオン二次電池の場合)を1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。セパレータには、ポリプロピレンなどの高分子多孔フィルムなど、公知のものを用いた。これらの電池部品を露点が−50℃以下の雰囲気で常法により組み込み収容し、コイン型リチウム二次電池(CR−2032)を製造した。
製造した二次電池を用い、下記方法にしたがって、充放電試験を行った。
正極活物質の場合には、充電条件を電流密度170mA/g、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電条件を電流密度170mA/g、終止電圧2.0V、及び電流密度1700mA/g、終止電圧2.0Vの2種類の定電流放電について、放電容量を求めた。
負極活物質の場合には、充電条件を電流密度175mA/g、電圧3.0Vの定電流定電圧充電とし、放電条件を電流密度175mA/g、終止電圧1.0V、及び電流密度1750mA/g、終止電圧2.0Vの2種類の定電流放電について、放電容量を求めた。
結果を表2〜5に示す。
なお、各表に示す容量比率(%)は、下記式から求めたレート特性の指標であって、値が大きいほど高速充放電が可能であることを示す。
容量比率(%)={電流密度1700mA/gの場合の放電容量(mA/g)/
電流密度170mA/gの場合の放電容量(mA/g)×100}
Figure 2017182887
Figure 2017182887
Figure 2017182887
Figure 2017182887
上記結果より、実施例の導電助剤は、比較例の導電助剤に比して、BET比表面積が小さいことから有効に電解液等の溶媒の吸収量を低減することができるため、得られる電池において同等以上の性能を発揮できることがわかる。

Claims (8)

  1. セルロースナノファイバー由来の炭素からなる非水電解質二次電池用電極の導電助剤。
  2. BET比表面積が、5〜60m2/gである請求項1に記載の非水電解質二次電池用電極の導電助剤。
  3. 繊維長が1〜470μmの繊維体、又は平均粒径が1〜100μmの凝集体である請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池用電極の導電助剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極の導電助剤1質量部に対し、電極活物質を16〜48質量部、及び樹脂バインダーを0.5〜2質量部含有する非水電解質二次電池用電極の合材層。
  5. セルロースナノファイバー及び水を含有するスラリーを噴霧乾燥して、造粒体を得る工程(I)、並びに
    得られた造粒体を、還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(II)
    を備える非水電解質二次電池用電極の導電助剤の製造方法。
  6. 工程(I)で用いるスラリーにおけるセルロースナノファイバーの含有量が、水100質量部に対して10〜50質量部である請求項5に記載の非水電解質二次電池用電極の導電助剤の製造方法。
  7. 工程(I)で得られる造粒体の粒径が、レーザー回折・散乱法に基づく粒度分布におけるD50値で1〜20μmである請求項5又は6に記載の非水電解質二次電池用電極の導電助剤の製造方法。
  8. 工程(II)における焼成温度が、700〜1200℃である請求項5〜7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極の導電助剤の製造方法。
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