JP2017181026A - 故障診断装置、回転角センサ、故障診断方法、およびプログラム - Google Patents

故障診断装置、回転角センサ、故障診断方法、およびプログラム Download PDF

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Shigeki Okatake
茂樹 岡武
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謙 赤松
剛生 山本
Takeo Yamamoto
剛生 山本
智史 深瀬
Satoshi Fukase
智史 深瀬
片岡 誠
Makoto Kataoka
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Abstract

【課題】回転角度センサを動作させつつ、回転角度センサの角度非線形性誤差を検出する。
【解決手段】第1の軸の磁場と第2の軸の磁場の検出結果に応じて、回転体の角度信号および振幅信号を出力する回転角センサの出力を取得する取得部と、回転角センサの故障モードに対応する予め定められた周期関数と、振幅信号に基づく被測定信号との相関信号を算出する相関信号算出部と、相関信号に基づいて、回転角センサの故障を判定する故障判定部と、を備える故障診断装置、故障診断方法、およびプログラムを提供する。
【選択図】図4

Description

本発明は、故障診断装置、回転角センサ、故障診断方法、およびプログラムに関する。
従来、X方向およびY方向の磁場の変化を検出し、当該検出結果に基づき、回転磁石等の回転位置を検出する非接触回転角センサが知られていた。そして、このような回転角センサは、角度非線形性誤差を有するので、誤差の調整および校正等が実行されていた(例えば、特許文献1〜9参照)。
特許文献1 特開2002−71381号公報
特許文献2 特開2011−158488号公報
特許文献3 米国特許出願公開第2006/0290545号明細書
特許文献4 特開平9−196699号公報
特許文献5 特開2010−217151号公報
特許文献6 特開2010−164449号公報
特許文献7 米国特許第6426712号明細書
特許文献8 特開2010−217150号公報
特許文献9 特開2012−181188号公報
非特許文献1 R.S. Popovic著、「Hall Effect Devices」、Inst of Physics Pub Inc、1991年5月
非特許文献2 Bilotti他著、「Monolithic Magnetic Hall Sensor Using Dynamic Quadrature Offset Cancellation」、IEEE Journal of Solid-State Circuits、Vol.32、 No.6、 1997年、 P. 829−836
非特許文献3 Udo Ausserlechner著、「Limits of offset cancellation by the principle of spinning current Hall probe」、Proceedings of IEEE Sensors 2004、Vol.3、P. 1117−1120
非特許文献4 一松信著、「初等関数の数値計算」、教育出版、1974年1月
しかしながら、角度非線形性誤差は、温度の変化等に応じて変動するので、出荷段階においてセンサを調整しても、センサを動作し続けると周囲温度の変化等に応じて誤差が生じる場合があった。また、回転角センサは、このような角度非線形性誤差が増大して故障する場合があるが、当該センサの動作中に故障を判断することは困難であった。
本発明の第1の態様においては、第1の軸の磁場と第2の軸の磁場の検出結果に応じて、回転体の角度信号および振幅信号を出力する回転角センサの出力を取得する取得部と、回転角センサの故障モードに対応する予め定められた周期関数と、振幅信号に基づく被測定信号との相関信号を算出する相関信号算出部と、相関信号に基づいて、回転角センサの故障を判定する故障判定部と、を備える故障診断装置、故障診断方法、およびプログラムを提供する。
本発明の第2の態様においては、第1の態様の故障診断装置を備え、第1の軸の磁場と第2の軸の磁場の検出結果に応じて、回転体の角度信号および当該回転角センサの故障信号を出力する、回転角センサを提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係る回転角センサ100の構成例を示す。 本実施形態に係る第1ホール素子対110が第1方向の磁界を検出する場合の一例を示す。 本実施形態に係る角度検出回路200の構成例を示す。 本実施形態に係る故障診断装置300の構成例を示す。 本実施形態に係る故障診断装置300の動作フローを示す。 本実施形態に係る相関信号算出部330が有する計算回路の一例を示す。 ホール起電力信号(V,V)の一例を示す。 ホール起電力信号(V,V)の振幅の一例を示す。 ホール起電力信号(V,V)の角度非線形性誤差の一例を示す。 ホール起電力信号(V,V)の一例を示す。 ホール起電力信号(V,V)の振幅の一例を示す。 ホール起電力信号(V,V)の角度非線形性誤差の一例を示す。 本実施形態に係る故障診断装置300の変形例を示す。 本実施形態に係るシステムの一例を示す。 本実施形態に係る故障診断装置300として機能するコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る回転角センサ100の構成例を示す。回転角センサ100は、例えば、当該センサの近傍において回転軸を中心に回転する回転磁石の回転角を非接触で検出する。回転角センサ100は、基板10と、第1ホール素子対110と、第2ホール素子対120と、磁気収束板130と、を備える。
基板10は、シリコン等の半導体によって形成され、半導体回路および半導体素子等を含む。基板10は、ICチップであってよく、この場合、端子を備え、外部の基板、回路、および配線等と電気的に接続される。図1において、基板10の一方の表面を、X軸およびY軸を有するXY面とし、XY面に垂直な軸をZ軸とした。即ち、X、Y、Z軸は互いに直交する座標系である。
第1ホール素子対110は、基板10上に形成され、当該基板10に形成された回路等と接続される。第1ホール素子対110は、一例として、第1方向に配置される。ここで、本実施形態における第1方向は、図1におけるX軸方向(第1の軸)である。第1ホール素子対110は、第1ホール素子112と第2ホール素子114とを有し、X軸に平行に(例えばX軸上に)当該2つのホール素子が配置される。
第1ホール素子112および第2ホール素子114は、一例として、X軸方向に電流を流すとZ軸方向に入力する磁場に応じたY軸方向の起電力(ホール効果)を発生させる素子である。第1ホール素子112および第2ホール素子114は、半導体等で形成されてよい。
第1ホール素子112および第2ホール素子114は、一例として、基板10上において、Y軸に対して線対称に配置される。これに代えて、第1ホール素子112および第2ホール素子114は、基板10上において、原点に対して点対称に配置されてもよい。本実施例において、第1ホール素子112および第2ホール素子114がY軸に対して線対称に配置される例を説明する。
第2ホール素子対120は、第1ホール素子対110と同様に、基板10上に形成され、当該基板10に形成された回路等と接続される。第2ホール素子対120は、一例として、第2方向に配置される。ここで、本実施形態における第2方向は、図1におけるY軸方向(第2の軸)である。また、第3方向は、図1におけるZ軸方向(第3の軸)である。第2ホール素子対120は、第3ホール素子122と第4ホール素子124とを有し、Y軸に平行に(例えばY軸上に)当該2つのホール素子が配置される。
第3ホール素子122および第4ホール素子124は、一例として、Y軸方向に電流を流すとZ軸方向に入力する磁場に応じたX軸方向の起電力(ホール効果)を生じさせる素子である。第3ホール素子122および第4ホール素子124は、一例として、基板10上において、X軸に対して線対称に配置される。これに代えて、第3ホール素子122および第4ホール素子124は、基板10上において、原点に対して点対称に配置されてもよい。本実施例において、第3ホール素子122および第4ホール素子124がX軸に対して線対称に配置される例を説明する。
以上の第1ホール素子対110および第2ホール素子対120は、オフセット出力をキャンセルすべく、X軸方向の通電およびY軸方向の通電をそれぞれ交互に実行されてもよい。このようなオフセットのキャンセル方法は、非特許文献5に記載されているように、Spinning Current法として知られている。
磁気収束板130は、第1ホール素子対110および第2ホール素子対120の上方に配置され、回転角センサ100に入力する磁場を曲げる。磁気収束板130は、磁性材料等で形成され、例えば、X軸方向および/またはY軸方向の磁場を、Z軸方向の成分が発生するように曲げ、Z軸方向に感度を有する第1ホール素子対110および第2ホール素子対120に入力させる。磁気収束板130は、基板10の上面に形成されてよく、これに代えて、基板10の上方に、絶縁層等を介して形成されてもよい。
以上の回転角センサ100は、第1ホール素子対110および第2ホール素子対120からの出力信号(ホール起電力)を外部に出力する。ここで、第1ホール素子対110および第2ホール素子対120からの出力信号は、回転磁石の回転角に応じて出力される。当該出力信号について、図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る第1ホール素子対110が第1方向の磁界を検出する場合の一例を示す。図2において、水平方向(紙面の横方向)をX軸、垂直方向(紙面の縦方向)をZ軸方向とする。
ここで、回転角センサ100に入力する磁場ベクトルH(H,H,H)が、磁気収束板130で曲げられ、第1ホール素子112に入力する磁束密度ベクトルB(Hall,X1)は、第1ホール素子112の位置における透磁率Mu(Hall,X1)を用いて、次式で示される。ここで、透磁率Mu(Hall,X1)は、2階のテンソル(3行3列の行列)となる。
Figure 2017181026
同様に、第2ホール素子114に入力する磁束密度ベクトルB(Hall,X2)は、第2ホール素子114の位置における透磁率Mu(Hall,X2)を用いて、次式で示される。
Figure 2017181026
第1ホール素子112および第2ホール素子114は、Z軸方向の磁場を検出する。したがって、第1ホール素子112および第2ホール素子114は、次式で示すように、磁気収束板130で曲げられたZ軸方向の磁束密度Bを検出することになる。
Figure 2017181026
ここで、図2に示すように、回転角センサ100の上方に+X軸方向の磁場ベクトルHin(H,0,0)が入力する例を説明する。磁気収束板130は、一例として、図中の磁束密度ベクトルBのように、入力した磁場を曲げ、第1ホール素子112に+Z軸方向の磁束を入力させる。
また、磁性材料等で形成された磁気収束板130の透磁率は、空気の透磁率と比較して値が高くなるので、空気中の磁束密度と比較して、当該磁気収束板130内の磁束密度は高くなる。例えば、第1ホール素子112の位置におけるZ軸方向の磁束密度は、次式で示すように、入力磁場Hに空気の透磁率μを乗じて得られる磁束密度に比較して、略1.4倍程度高くなる。
Figure 2017181026
同様に、磁気収束板130は、一例として、第2ホール素子114に−Z軸方向の磁束を発生させ、第2ホール素子114の位置におけるZ軸方向の磁束密度は、次式で示される。
Figure 2017181026
第1ホール素子112および第2ホール素子114は、このようにZ軸方向に入力する磁束密度に応じて、ホール起電力を発生させる。ここで、第1ホール素子112および第2ホール素子114が略同一形状、略同一材料で形成される場合、それぞれの磁気感度は略等しくなる。また、第1ホール素子112および第2ホール素子114に入力する磁束密度は互いに逆向きとなるので、発生するそれぞれのホール起電力は正負の符号が異なる。
そこで、当該磁気感度をSとすると、第1ホール素子対110のホール起電力信号Vを、第1ホール素子112のホール起電力Vsig(Hall,X1)および第2ホール素子114のホール起電力Vsig(Hall,X2)の差分である次式のように定めることができる。
Figure 2017181026
このように、回転角センサ100は、ホール起電力信号Vを算出することで、X軸方向に入力される磁場ベクトルHin(H,0,0)に応じたホール起電力を出力することができる。また、ホール起電力信号Vを、各ホール素子のホール起電力の差分としたので、第1ホール素子112および第2ホール素子114に同一方向(+Z軸方向または−Z軸方向)で、かつ、絶対値が略同一の磁場によって生じるホール起電力は、相殺されて略零となる。
即ち、回転角センサ100は、ホール起電力信号Vを算出することで、XZ面に平行な方向の磁場ベクトルHXZ(H,0,H)が入力しても、X軸方向の磁場ベクトルの成分H(H,0,0)に応じたホール起電力を算出することができる。また、第1ホール素子112および第2ホール素子114は、Y軸方向の磁場には感度がなく、また、磁気収束板130は、理想的にはY軸方向の磁場をZ軸方向には変換しない。したがって、回転角センサ100は、ホール起電力信号Vを算出することで、直交する3つの各成分が零ではない(任意の方向の)磁場ベクトルHXYZ(H,H,H)が入力しても、X軸方向の磁場ベクトルの成分H(H,0,0)に応じたホール起電力を検出することができる。
同様に、Y軸方向に配列した第2ホール素子対120は、Y軸方向の磁場を算出することができる。即ち、回転角センサ100は、第2ホール素子対120を用いて、次式のホール起電力信号Vを算出することで、磁場ベクトルHXYZ(H,H,H)が入力しても、Y軸方向の磁場ベクトルの成分H(0,H,0)に応じたホール起電力を算出することができる。
Figure 2017181026
また、同様に、第1ホール素子112および第2ホール素子114は、Z軸方向に入力する磁束密度に応じて、ホール起電力が発生する。そして、第1ホール素子対110のホール起電力信号Vを、第1ホール素子112のホール起電力Vsig(Hall,X1)および第2ホール素子114のホール起電力Vsig(Hall,X2)の和として算出してもよい。本実施形態の回転角センサ100は、ホール起電力信号VおよびVを出力する例を説明し、ホール起電力信号Vについては省略するが、回転角センサ100は、当該ホール起電力信号Vについても、ホール起電力信号VおよびVと同様に出力してもよい。
以上のように、回転角センサ100は、第1ホール素子対110および第2ホール素子対120の出力信号に基づき、入力する磁場ベクトルHXYZ(H,H,H)のX軸成分H(H,0,0)およびY軸成分H(0,H,0)に対応するホール起電力信号VおよびVを出力する。即ち、回転角センサ100は、XY面と水平な方向の磁場に対応するホール起電力を、X軸成分およびY軸成分に分解して算出することができる。
回転角センサ100は、例えば、回転軸をZ軸と平行にした回転磁石の、XY面と平行な面における回転による磁場を検出して、回転角に応じたホール起電力信号を出力することができる。ここで、回転角センサ100は、一例として、次式で示されるホール起電力信号(V,V)を出力する。ここで、AおよびAは各信号の振幅値、θは回転磁石の回転角、αは信号間の非直交性誤差、Vos_xおよびVos_yは各信号のオフセットである。
(数8)
(θ)=A・cos(θ)+Vos_x
(θ)=A・sin(θ+α)+Vos_y
以上のホール起電力信号(V,V)を用いて、回転磁石の回転角θに対応する角度信号φ(θ)は、一例として、次式により算出することができる。
(数9)
φ(θ)=tan−1{V(θ)/V(θ)}
ここで、回転角センサ100は、XY面と平行な面における磁場を検出することを説明したが、他の面における磁場の変化を検出してもよい。回転角センサ100は、Z軸方向の磁場を検出することもできるので、例えば、回転軸をY軸と平行にした回転磁石の、XZ面と平行な面における回転による磁場を検出して、回転角θに応じたホール起電力信号を出力することができる。回転角センサ100は、同様に、回転軸をX軸と平行にした回転磁石の、YZ面と平行な面における回転による磁場を検出して、回転角θに応じたホール起電力信号を出力することもできる。
また、回転角センサ100は、XYZ軸の三次元の磁場を検出することができるので、XYZ軸で表現できる面における回転による磁場を検出して、回転角θに応じたホール起電力信号を出力することができる。本実施形態の回転角センサ100は、(数8)式で示されるホール起電力信号を出力する例を説明する。
(数8)式において、例えば、AがAに略等しく、αが略零であり、AがAに略等しい場合、即ち、理想的なホール起電力信号(V,V)が得られる場合、(数9)式の角度信号φ(θ)は回転角θと略一致する。しかしながら、振幅値の差分(A−A)、非直交性誤差α、およびオフセットの差分(Vos_x−Vos_y)が略零でない場合、φ(θ)およびθは一致せず、φ(θ)およびθの差異(φ(θ)−θ)が回転角センサ100の角度非線形性誤差となる。
図3は、本実施形態に係る角度検出回路200の構成例を示す。角度検出回路200は、角度誤差信号ε(=φ(θ)−θ)を低減させるように閉ループ処理を実行して、回転角センサ100の角度信号φ(θ)を検出する。即ち、角度検出回路200は、第1ホール素子対110および第2ホール素子対120からホール起電力信号(V,V)を受け取り、ホール起電力信号(V,V)に応じた角度信号φ(θ)を出力する。また、角度検出回路200は、ホール起電力信号(V,V)に応じた振幅信号A(φ)を出力する。
角度検出回路200は、増幅部210、増幅部212、AD変換部220、AD変換部222、乗算部230、乗算部232、積算部240、積算部242、積算部244、位相補償部250、および記憶部260を備える。増幅部210は、第1ホール素子対110に接続され、ホール起電力信号Vを受け取り、予め定められた増幅度で増幅する。増幅部210は、増幅したホール起電力信号VをAD変換部220に供給する。AD変換部220は、増幅部210に接続され、受け取ったホール起電力信号Vをデジタル信号に変換する。AD変換部220は、変換したデジタル信号Vを乗算部230に供給する。
同様に、増幅部212は、第2ホール素子対120に接続され、ホール起電力信号Vを受け取り、予め定められた増幅度で増幅する。増幅部212は、増幅したホール起電力信号VをAD変換部222に供給する。AD変換部222は、増幅部212に接続され、受け取ったホール起電力信号Vをデジタル信号に変換する。AD変換部222は、変換したデジタル信号Vを乗算部230に供給する。
乗算部230は、デジタル信号Vに正弦波信号sin(φ)を乗算する。また、乗算部230は、デジタル信号Vに余弦波信号cos(φ)を乗算する。乗算部230は、次式で示すように、2つの乗算結果の差分を角度誤差信号εとして出力する。ここで、増幅部210および増幅部212の増幅度を1とした。
(数10)
ε=−sin(φ)・V+cos(φ)・V
ホール起電力信号(V,V)が理想的な信号の場合、角度誤差信号εは次のように表される。ここで、振幅信号A=A=Aとした。
(数11)
ε=−A・sin(φ)・cos(θ)+A・cos(φ)・sin(θ)
=A・sin(θ−φ)
乗算部230は、算出した角度誤差信号εを積算部240に供給する。積算部240は、乗算部230に接続され、受け取った角度誤差信号εを積算し、積算した角度誤差信号εを位相補償部250に供給する。
位相補償部250は、積算部240に接続され、閉ループ回路の位相安定性を確保する様に位相補償を行う。図3に示す角度検出回路200は、一例として、閉ループ回路のなかに2つの積算部(時間積分)を備えたことを特徴とする、所謂、2型サーボ回路であることから、位相補償部250の出力は角度φの時間微分である角速度信号となる。位相補償部250は、角速度信号を積算部242に供給する。
積算部242は、位相補償部250に接続され、受け取った角速度信号を積算して角度信号φを生成する。積算部242は、一例として、DCO(Digitally Controlled Oscillator)回路とDCOの出力信号に対してアップカウント/ダウンカウント動作を行うアップダウンカウンターから構成される回路であってもよい。
記憶部260は、複数の角度信号φに対応する正弦波信号sin(φ)および余弦波信号cos(φ)を予めそれぞれ記憶する。記憶部260は、積算部242に接続され、受け取った角度信号φに対応する正弦波信号sin(φ)および余弦波信号cos(φ)を、乗算部230に供給する。即ち、記憶部260は、取得した角度信号φに応じて、対応する正弦波信号sin(φ)および余弦波信号cos(φ)を乗算部230にフィードバックする。
以上の本実施形態の角度検出回路200は、乗算部230から位相補償部250および記憶部260を経たフィードバックループにより、θにより近づけた角度信号φを積算部242から出力させる。また、角度検出回路200は、角度信号φに基づいて、角度誤差信号εの振幅信号A(φ)を出力する。
この場合、AD変換部220は、ホール起電力信号Vから変換したデジタル信号Vを、乗算部230に供給すると共に、乗算部232にも供給する。同様に、AD変換部222は、ホール起電力信号VYから変換したデジタル信号Vを、乗算部230に供給すると共に、乗算部232にも供給する。
乗算部232は、デジタル信号Vに余弦波信号cos(φ)を乗算する。また、乗算部232は、デジタル信号Vに正弦波信号sin(φ)を乗算する。乗算部232は、次式で示すように、2つの乗算結果の和を振幅信号A(φ)として、積算部244を介して出力する。ここで、増幅部210および増幅部212の増幅度を1とした。
(数12)
A(φ)=cos(φ)・V+sin(φ)・V
ホール起電力信号(V,V)が理想的な信号で、かつ、角度信号φがθに略等しい値となった場合、振幅信号A(φ)は次のように表される。ここで、振幅信号A=A=Aとした。
(数13)
A(φ)=[A ・{cos(φ)}+A ・{sin(φ)}1/2=A
以上のように、本実施形態の角度検出回路200は、入力されるホール起電力信号(V,V)に応じて、角度信号φ(θ)および振幅信号A(φ)を出力する。そして、角度検出回路200は、ホール起電力信号(V,V)が理想的な信号の場合、回転磁石の回転角θと略同一な角度信号φ(θ)を出力することができる。また、角度検出回路200は、ホール起電力信号(V,V)が理想からずれている場合は、回転角θとは異なる角度信号φ(θ)を出力する(即ち、角度非線形性誤差(φ(θ)−θ)が非零となる)。
このような角度非線形性誤差は、2つのホール起電力信号の振幅のミスマッチ(即ち、第1ホール素子対110および第2ホール素子対120の磁気検出感度のミスマッチ)、非直交性、およびオフセットに起因する。そして、これらの要因は温度依存性を有するので、当該角度非線形性誤差も周囲温度に応じて変動する。このような角度非線形性誤差の温度変動は、回転角センサ100の製造段階および出荷段階で計測することができるので、システム等に搭載する前に予め計測し、校正および補正等を実行することが好ましい。しかしながら、例えば、回転角センサ100が劣化すると、このような角度非線形性誤差の温度変動が当該回転角センサ100を搭載するシステム等に要求される誤差範囲を超えてしまう場合が生じ、システム全体の動作に影響を及ぼしてしまうことがある。
このような回転角センサ100の劣化、および経時変化等は、製造段階および出荷段階においては予測することが困難なので、当該回転角センサ100がシステム等に搭載された状態であっても、角度非線形性誤差の変動を検出できることが望ましい。そこで、本実施形態の故障診断装置は、システム等に搭載された回転角センサ100の検出結果に基づき、角度非線形性誤差を検出して、当該回転角センサ100の劣化、異常動作、および故障等を診断する。
図4は、本実施形態に係る故障診断装置300の構成例を示す。故障診断装置300は、ホール起電力信号(V,V)に応じて出力される角度信号φおよび振幅信号A(φ)に基づき、角度非線形性誤差を検出する。故障診断装置300は、取得部310と、記憶部320と、相関信号算出部330と、故障判定部340とを備える。
取得部310は、第1の軸の磁場と第2の軸の磁場の検出結果に応じて、回転体の角度信号φ(θ)および振幅信号A(φ)を出力する回転角センサ100の出力を取得する。取得部310は、図3で説明した角度検出回路200等を介して、回転角センサ100の出力に応じた角度信号φおよび振幅信号A(φ)を取得してよい。また、回転角センサ100が図3で説明した角度検出回路200等を備える場合、取得部310は、回転角センサ100から角度信号φおよび振幅信号A(φ)を取得してよい。ここで、取得部310は、非接触回転角センサの出力を取得してよい。
取得部310は、回転角センサ100または角度検出回路200等と、有線、無線またはネットワーク等で接続され、角度信号φおよび振幅信号A(φ)を取得してよい。また、取得部310は、記憶装置等に接続され、当該記憶装置等に記憶された回転角センサ100の出力を取得してもよい。取得部310は、取得した角度信号φおよび振幅信号A(φ)を相関信号算出部330に供給する。また、取得部310は、取得した角度信号φおよび振幅信号A(φ)を記憶部320に供給してもよい。
記憶部320は、回転角センサの故障モードに対応する予め定められた周期関数を記憶する。記憶部320は、周期関数として、正弦関数および余弦関数を記憶する。周期関数については後述する。記憶部320は、故障診断装置300が生成するデータ等を記憶してよい。また、記憶部320は、当該データ等を生成する過程において処理する中間データ等を記憶してもよい。また、記憶部320は、故障診断装置300内の各部の要求に応じて、記憶したデータを要求元に供給してよい。
例えば、記憶部320は、取得部310に接続され、取得部310から角度信号φおよび振幅信号A(φ)を受け取る場合、当該角度信号φおよび振幅信号A(φ)を記憶する。そして、記憶部320は、相関信号算出部330の要求に応じて記憶した角度信号φおよび振幅信号A(φ)を当該相関信号算出部330に供給する。
相関信号算出部330は、取得部310および記憶部320にそれぞれ接続され、回転角センサ100の故障モードに対応する予め定められた周期関数と、振幅信号A(φ)に基づく被測定信号との相関信号を算出する。相関信号算出部330は、取得部310が取得した角度信号φの値を周期関数に適用し、適用した周期関数および振幅信号A(φ)を用いて相関信号を算出する。
相関信号算出部330は、振幅信号のN乗信号(Nは1以上の自然数)を被測定信号として算出する。例えば、相関信号算出部330は、振幅信号A(φ)を被測定信号とする。これに代えて、相関信号算出部330は、振幅信号A(φ)の2乗を被測定信号としてよい。相関信号算出部330は、算出した相関関数を故障判定部340に供給する。
故障判定部340は、相関信号に基づいて、回転角センサ100の故障を判定する。故障判定部340は、一例として、相関信号の絶対値が予め定められた閾値を超える場合に、回転角センサ100が故障していると判定する。また、故障判定部340は、相関信号の絶対値が閾値以下の場合に、回転角センサ100が故障していないと判定してよい。
以上の本実施形態に係る故障診断装置300の動作について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態に係る故障診断装置300の動作フローを示す。故障診断装置300は、図5に示す動作フローを実行して、回転角センサ100が故障しているか否かを診断する。
まず、取得部310は、振幅信号A(φ)を取得する(S400)。取得部310は、一例として、図3で説明した角度検出回路200の積算部244に接続され、積算部244が出力する振幅信号A(φ)を取得する。ここで、取得部310が取得する振幅信号A(φ)は、次式で近似することができる。
(数14)
A(φ)≒A(θ)={V(θ)+V(θ)1/2
=[{A・cos(θ)+Vos_x
+{A・sin(θ+α)+Vos_y1/2
次に、故障診断装置300は、第1の軸であるX軸のオフセットVos_xが異常な値となっているか否かを判定する(S410)。この場合、相関信号算出部330は、X軸のオフセットの故障モードに対応する予め定められた周期関数と、振幅信号との相関信号を算出する。
ここで、故障診断装置300は、当該故障モードを、回転角センサ100が第1の軸方向に対応する信号のオフセット成分を含む第1モードとする。回転角センサ100が、このような第1モードの故障となった場合、X軸のオフセットVos_xが大きくなるので、(数8)式のホール起電力信号(V,V)は、次式のように取り扱うことができる。ここで、Aavgは、AおよびAの平均値とした。
(数15)
(θ)=Aavg・cos(θ)+Vos_x
(θ)=Aavg・sin(θ)
したがって、(数14)式の振幅信号A(θ)は、次式のように算出される。ここで、Cは、定数を示す。
(数16)
A(θ)={V(θ)+V(θ)1/2
={Aavg +Vos_x +2・Aavg・Vos_x・cos(θ)}1/2
≒C+Vos_x・cos(θ)
このように、振幅信号A(θ)は、回転角θに応じて余弦関数のように変動する成分を有するので、余弦関数cos(θ)との相関を取ることにより、X軸のオフセットVos_xに応じた信号を検出することができる。即ち、相関信号算出部330は、故障モードが第1モードの場合に、周期関数を1倍角の余弦として、被測定信号との相関信号を算出する。
より具体的には、回転角θは、360°(2π)周期であり、相関信号算出部330が、当該周期をMで離散化した場合、相関信号は、次式で示される。
Figure 2017181026
このような相関信号の計算は、一例として、図6に示す回路で実行できる。図6は、本実施形態に係る相関信号算出部330が有する計算回路の一例を示す。相関信号算出部330は、バッファメモリ332と、乗算部334と、加算部336とを有する。
バッファメモリ332は、一例として、取得した振幅信号A(φ)を、一例として、M=8で離散化した周期に対応する45°おきの8点のデータとして記憶する例を示す。即ち、図6は、(数17)式のMを8にした場合の一例を示す。
乗算部334は、バッファメモリ332の数(即ち、回転角センサ100の分解能に対応する数)に応じた数の乗算器を含む。乗算部334は、記憶部320およびバッファメモリ332に接続され、バッファメモリ332の数と少なくとも同数の乗算器を含むことが望ましい。乗算器のそれぞれは、記憶部320から受け取る周期関数(第1モードの場合は1倍角の余弦関数)に、45°おきの8点の角度信号φをそれぞれ代入した周期関数の値と、対応する振幅信号A(φ)の値とを乗算し、乗算結果を加算部336にそれぞれ供給する。
ここで、記憶部320は、取得部310から角度信号φを受けとって記憶する場合、当該角度信号φを対応する周期関数に代入して、算出される周期関数の値を乗算部334に供給してもよい。図6の例の場合、記憶部320は、一例として、45°間隔の8点の角度信号φを取得部310から受けとって記憶した後、周期関数であるcos(θ)にそれぞれ代入して算出される8つの値を、乗算部334の対応する8つの乗算器にそれぞれ供給する。
加算部336は、乗算部334に接続され、受け取ったそれぞれの乗算結果の総和を算出する。加算部336は、乗算結果の総和を、相関信号の算出結果として出力する。以上のように、本実施形態の相関信号算出部330は、第1モードの故障モードを検出する場合、振幅信号A(φ)と余弦関数の相関信号を算出する。このような相関信号が、X軸のオフセットVos_xに応じた信号となることは、(数16)および(数17)式を用いて説明した。これに加えて、この場合における角度非線形性誤差について、図7から図9を用いて説明する。
図7は、ホール起電力信号(V,V)の一例を示す。図7の横軸はX軸方向のホール起電力信号Vを示し、縦軸はY軸方向のホール起電力信号Vを示す。点線で示す信号は、理想的なホール起電力信号であり、XY平面において略円形の形状を有する信号となる。実線で示す信号は、X軸のオフセットVos_xを有するホール起電力信号であり、略円形の形状がオフセットVos_xに対応する距離だけV方向に平行移動した例を示す。図7に示した例におけるホール起電力信号(V,V)の振幅を次に説明する。
図8は、ホール起電力信号(V,V)の振幅の一例を示す。回転磁石が360°回転することに応じて、回転角センサ100は、360°周期のホール起電力信号(V,V)を出力する。図8は、横軸を回転磁石の角度位置θ、縦軸を振幅として、この場合のホール起電力信号(V,V)を示す。
理想的なホール起電力信号の場合、振幅Aは一定となる。しかしながら、点線で示すホール起電力信号Vのように、一方のホール起電力信号VがオフセットVos_xを含む場合、振幅Aは一点鎖線で示すようにθに応じて変動する。図8の例に示すように、当該変動は、オフセットを有する余弦波信号と正弦波信号との和によって生じるので、周期360°の余弦信号と同期した変動となり、周期360°の余弦信号との相関が強くなる。
図9は、図7および図8に示すホール起電力信号(V,V)の角度非線形性誤差の一例を示す。横軸は回転磁石の角度位置θ、縦軸は角度非線形性誤差(φ−θ)を示す。例えば、角度位置θが0°の場合、ホール起電力信号(V=A+Vos_x,V=0)に応じて算出される角度信号φ(0°)も0°となり、角度非線形性誤差は0°となる。また、角度位置θが90°の場合、ホール起電力信号(V=Vos_x,V=A)に応じて算出される角度信号φ(90°)は90°より小さくなり、角度非線形性誤差は0°より小さい値となる。
また、角度位置θが180°の場合、ホール起電力信号(V=−A+Vos_x,V=0)に応じて算出される角度信号φ(180°)も180°となり、角度非線形性誤差は0°となる。また、角度位置θが270°の場合、ホール起電力信号(V=Vos_x,V=−A)に応じて算出される角度信号φ(270°)は270°より大きくなり、角度非線形性誤差は0°より大きい値となる。このように、角度非線形性誤差は、角度位置θに対して−sin(θ)を示すように変動する。図9に示す角度非線形性誤差の変動、および図8に示す振幅Aの変動は、ホール起電力信号のオフセットVos_xに起因するものであるから、振幅Aの変動を相関信号より検出することは、角度非線形性誤差の変動を検出することに相当する。
そこで、相関信号算出部330は、図6で説明したように、相関信号を算出し、算出結果を故障判定部340に供給する。そして、故障判定部340は、相関信号の大きさと、予め定められた閾値とを比較することで、角度非線形性誤差の大きさが異常か否かを判定することができる(即ち、回転角センサ100の故障を判定することができる)。
故障判定部340の判定結果が回転角センサ100の故障(S410:Yes)の場合、故障判定部340は、X軸のオフセットVos_xが異常であることを通知する故障信号を外部に送信する(S420)。これに代えて、またはこれに加えて、故障判定部340は、アラームを発してもよい。当該アラームは、例えば、音、光、および/または振動等を発することで実行される。これによって、回転角センサ100を搭載するシステム等または当該システムの使用者は、回転角センサ100の動作中における故障を感知することができる。
故障判定部340の判定結果が正常である場合(S410:No)、故障診断装置300は、第2の軸であるY軸のオフセットVos_yが異常な値となっているか否かを判定する(S430)。また、故障診断装置300は、X軸のオフセットVos_xが異常であることを送信した後、Y軸のオフセットを判定してもよい。
相関信号算出部330は、Y軸のオフセットの故障モードに対応する予め定められた周期関数と、振幅信号との相関信号を算出する。故障診断装置300は、当該故障モードを、回転角センサ100が第2の軸方向のオフセット成分を含む第2モードとする。回転角センサ100が、このような第2モードの故障となった場合、第1モードの故障と同様に、(数8)式のホール起電力信号(V,V)は、次式のように取り扱うことができる。
(数18)
(θ)=Aavg・cos(θ)
(θ)=Aavg・sin(θ)+Vos_y
したがって、(数14)式の振幅信号A(θ)は、次式のように算出される。ここで、Cは、定数を示す。
(数19)
A(θ)={V(θ)+V(θ)1/2
={Aavg +Vos_y +2・Aavg・Vos_y・sin(θ)}1/2
≒C+Vos_y・sin(θ)
このように、振幅信号A(θ)は、回転角θに応じて正弦関数のように変動する成分を有するので、正弦関数sin(θ)との相関を取ることにより、Y軸のオフセットVos_yに応じた信号を検出することができる。即ち、相関信号算出部330は、故障モードが第2モードの場合に、周期関数を1倍角の正弦として、被測定信号との相関信号を算出する。
より具体的には、相関信号は、次式で示される。
Figure 2017181026
。このような相関信号の計算は、図6に示す回路において、45°おきの角度に対応した係数(即ち、記憶部320から受け取る周期関数)をcos(θ)からsin(θ)に変えることによって実行することが出来る。相関信号算出部330は、相関信号を算出し、算出結果を故障判定部340に供給する。そして、故障判定部340は、相関信号の大きさと、予め定められた閾値とを比較することで、角度非線形性誤差の大きさが異常か否かを判定することができる(即ち、回転角センサ100の故障を判定することができる)。
故障判定部340の判定結果が回転角センサ100の故障(S430:Yes)の場合、故障判定部340は、Y軸のオフセットVos_yが異常であることを通知する故障信号を外部に送信する(S440)。故障判定部340の判定結果が正常である場合(S430:No)、故障診断装置300は、第1ホール素子対110および第2ホール素子対120の磁気感度のミスマッチを示す振幅値の差分(A−A)が異常な値となっているか否かを判定する(S450)。また、故障診断装置300は、Y軸のオフセットVos_yが異常であることを送信した後、磁気感度のミスマッチを判定してもよい。
相関信号算出部330は、磁気感度のミスマッチの故障モードに対応する予め定められた周期関数と、振幅信号との相関信号を算出する。故障診断装置300は、当該故障モードを、回転角センサが第1の軸に対応する信号および第2の軸に対応する信号の間の磁気感度ミスマッチを含む第3モードとする。回転角センサ100が、このような第3モードの故障となった場合、(数8)式のホール起電力信号(V,V)は、次式のように取り扱うことができる。
(数21)
(θ)={Aavg+(A−A)/2}・cos(θ)
(θ)={Aavg+(A+A)/2}・sin(θ)
したがって、(数14)式の振幅信号A(θ)は、次式のように算出される。
(数22)
A(θ)={V(θ)+V(θ)1/2
≒Aavg+{(A−A)/2}・cos(2θ)
このように、振幅信号A(θ)は、回転角θに応じて2倍角の余弦関数のように変動する成分を有するので、2倍角の余弦関数cos(2θ)との相関を取ることにより、磁気感度のミスマッチ(A−A)に応じた信号を検出することができる。即ち、相関信号算出部330は、故障モードが第3モードの場合に、周期関数を2倍角の余弦として、被測定信号との相関信号を算出する。
より具体的には、相関信号は、次式で示される。
Figure 2017181026
このような相関信号の計算は、図6に示す回路において、45°おきの角度に対応した係数をcos(θ)からcos(2θ)に変えることによって実行することが出来る。ここで、この場合における角度非線形性誤差について、図10から図12を用いて説明する。
図10は、ホール起電力信号(V,V)の一例を示す。図10は、図7と同様に、横軸がX軸方向のホール起電力信号Vを示し、縦軸がY軸方向のホール起電力信号Vを示す。点線で示す信号は、理想的なホール起電力信号であり、XY平面において略円形の形状を有する信号となる。実線で示す信号は、磁気感度のミスマッチを有するホール起電力信号であり、(A−A)/Aが0.1となる例を示す。図10に示した例におけるホール起電力信号(V,V)の振幅を次に説明する。
図11は、ホール起電力信号(V,V)の振幅の一例を示す。回転磁石が360°回転することに応じて、回転角センサ100は、360°周期のホール起電力信号(V,V)を出力する。図11は、図8と同様に、横軸を回転磁石の角度位置θ、縦軸を振幅として、ホール起電力信号(V,V)を示す。
理想的なホール起電力信号の場合、振幅Aは一定となる。しかしながら、点線で示すホール起電力信号Vの振幅が、ホール起電力信号Vの振幅よりも10%程度大きい場合、振幅Aは一点鎖線で示すようにθに応じて変動する。図11の例に示すように、当該変動は、振幅値の異なる正弦波信号および余弦波信号の和によって生じるので、周期180°の余弦信号と同期した変動となり、2倍角の余弦信号との相関が強くなる。
図12は、図10および図11に示すホール起電力信号(V,V)の角度非線形性誤差の一例を示す。図12は、図9と同様に、横軸は回転磁石の角度位置θ、縦軸は角度非線形性誤差(φ−θ)を示す。例えば、角度位置θが0°の場合、ホール起電力信号(V=1.1A,V=0)に応じて算出される角度信号φ(0°)も0°となり、角度非線形性誤差は0°となる。同様に、角度位置θが90°、180°、270°の場合、ホール起電力信号に応じて算出される角度信号φ(θ)も0°となり、角度非線形性誤差は0°となる。
また、角度位置θが45°の場合、ホール起電力信号(V=1.1・2−1/2,V=2−1/2)に応じて算出される角度信号φ(45°)は45°より小さくなり、角度非線形性誤差は0°より小さい値となる。また、角度位置θが135°の場合、ホール起電力信号(V=−1.1・2−1/2,V=2−1/2)に応じて算出される角度信号φ(135°)は135°より大きくなり、角度非線形性誤差は0°より大きい値となる。このように、角度非線形性誤差は、角度位置θに対して−sin(2θ)を示すように変動する。図12に示す角度非線形性誤差の変動、および図11に示す振幅Aの変動は、ホール起電力信号の磁気感度のミスマッチ(A−A)に起因するものであるから、振幅Aの変動を相関信号より検出することは、角度非線形性誤差のうちの磁気感度のミスマッチ(A−A)成分を検出することに相当する。
そこで、相関信号算出部330は、相関信号を算出し、算出結果を故障判定部340に供給する。そして、故障判定部340は、相関信号の大きさと、予め定められた閾値とを比較することで、角度非線形性誤差の大きさが異常か否かを判定することができる(即ち、回転角センサ100の故障を判定することができる)。
故障判定部340の判定結果が回転角センサ100の故障(S450:Yes)の場合、故障判定部340は、磁気感度のミスマッチ(A−A)が異常であることを通知する故障信号を外部に送信する(S460)。故障判定部340の判定結果が正常である場合(S450:No)、故障診断装置300は、ホール起電力信号(V,V)間の非直交性誤差αが異常な値となっているか否かを判定する(S470)。また、故障診断装置300は、磁気感度のミスマッチが異常であることを送信した後、非直交性誤差αを判定してもよい。
相関信号算出部330は、非直交性誤差の故障モードに対応する予め定められた周期関数と、振幅信号との相関信号を算出する。故障診断装置300は、当該故障モードを、回転角センサ100が第1の軸に対応する信号および第2の軸に対応する信号の間の非直交性誤差を含む第4モードとする。回転角センサ100が、このような第4モードの故障となった場合、(数8)式のホール起電力信号(V,V)は、次式のように取り扱うことができる。
(数24)
(θ)=Aavg・cos(θ)
(θ)=Aavg・sin(θ+α)
したがって、(数14)式の振幅信号A(θ)は、次式のように算出される。
(数25)
A(θ)={V(θ)+V(θ)1/2
=Aavg・{cos(θ)+sin(θ+α)}1/2
≒Aavg・[1+α・{sin(2θ)}/2]
このように、振幅信号A(θ)は、回転角θに応じて2倍角の正弦関数のように変動する成分を有するので、2倍角の正弦関数sin(2θ)との相関を取ることにより、非直交性誤差αに応じた信号を検出することができる。即ち、相関信号算出部330は、故障モードが第4モードの場合に、周期関数を2倍角の正弦として、被測定信号との相関信号を算出する。
より具体的には、相関信号は、次式で示される。
Figure 2017181026
このような相関信号の計算は、図6に示す回路において、45°おきの角度に対応した係数をcos(θ)からsin(2θ)に変えることによって実行することが出来る。相関信号算出部330は、相関信号を算出し、算出結果を故障判定部340に供給する。そして、故障判定部340は、相関信号の大きさと、予め定められた閾値とを比較することで、角度非線形性誤差の大きさが異常か否かを判定することができる(即ち、回転角センサ100の故障を判定することができる)。
故障判定部340の判定結果が回転角センサ100の故障(S470:Yes)の場合、故障判定部340は、非直交性誤差αが異常であることを通知する故障信号を外部に送信する(S480)。故障判定部340の判定結果が正常である場合(S470:No)、または、故障判定部340が非直交性誤差αが異常であることを送信した後、故障診断装置300は、角度非線形性誤差の判定を終了するか否かを判断する(S490)。
故障診断装置300は、角度非線形性誤差の判定を続行する場合(S490:No)、振幅信号の取得の段階(S400)に戻り、角度非線形性誤差の判定を続ける。故障診断装置300は、ユーザ等の入力により、角度非線形性誤差の判定を終了する場合(S490:Yes)は、角度非線形性誤差の判定を停止する。
以上のように、本実施形態の故障診断装置300は、X軸のオフセット、Y軸のオフセット、磁気検出感度のミスマッチ、および非直交性誤差に起因する角度非線形性誤差を検出し、動作中の回転角センサ100の故障を有無を診断することができる。したがって、故障診断装置300は、回転角センサ100がシステム等に搭載された状態においても、故障の有無を診断することができ、故障が発生した場合に直ちにシステム等に通知してシステムへの影響を低減させることができる。
以上の本実施形態の故障診断装置300は、相関信号算出部330が、振幅信号A(φ)の1乗信号(即ち、振幅信号そのもの)を被測定信号とする例を説明した。これに代えて、相関信号算出部330は、振幅信号A(φ)の2乗信号を被測定信号としてもよい。
この場合、(数16)式で示された被測定信号は、次式のように算出される。
(数27)
(θ)=V(θ)+V(θ)
=Aavg +Vos_x +2・Aavg・Vos_x・cos(θ)
被測定信号A(θ)は、回転角θに応じて余弦関数のように変動する成分を有するので、余弦関数cos(θ)との相関を取ることにより、X軸のオフセットVos_xに応じた信号を検出することができる。具体的な相関信号は、次式で示される。
Figure 2017181026
同様に、(数19)式で示された被測定信号は、次式のように算出される。
(数29)
(θ)=V(θ)+V(θ)
=Aavg +Vos_y +2・Aavg・Vos_y・sin(θ)
被測定信号A(θ)は、回転角θに応じて正弦関数のように変動する成分を有するので、正弦関数sin(θ)との相関を取ることにより、Y軸のオフセットVos_yに応じた信号を検出することができる。具体的な相関信号は、次式で示される。
Figure 2017181026
以上の第1モードおよび第2モードの故障モードと同様に、第3モードおよび第4モードも、被測定信号A(θ)を被測定信号としてよい。この場合、故障モードに対応する周期関数は、被測定信号をA(θ)とした場合の周期関数としてよい。この場合、(数23)式に示された第3モードの相関信号は(数31)式のように、(数26)式に示された第4モードの相関信号は(数32)式のように示される。
Figure 2017181026
Figure 2017181026
以上のように、相関信号算出部330は、各モード毎に、被測定信号および故障モードに対応する周期関数を算出することができる。したがって、相関信号算出部330は、振幅信号A(φ)のN乗信号を被測定信号として算出することもできる。
また、本実施形態の故障診断装置300は、第1モードから第4モードの故障モードを有する例を説明した。これに代えて、故障診断装置300は、第1モードから第4モードの故障モードのうちの少なくとも1つのモードを有し、少なくとも1つのモードの故障を診断してもよい。
また、本実施形態の故障診断装置300は、角度検出回路200を介して回転角センサ100と接続される例を説明した。これに代えて、故障診断装置300は、回転角センサ100に設けられてもよい。この場合、故障診断装置300は、角度検出回路200と共に回転角センサ100に設けられることが望ましい。即ち、回転角センサ100は、故障診断装置300を備え、第1の軸の磁場と第2の軸の磁場の検出結果に応じて、回転体の角度信号、振幅信号、および回転角センサ100の故障信号を出力する。
また、本実施形態の故障診断装置300は、図3に示す角度検出回路200に接続され、角度信号φおよび振幅信号A(φ)を取得する例を説明した。故障診断装置300は、角度信号φおよび振幅信号A(φ)を取得できれば、故障を診断することができるので、角度検出回路200は図3の例に限定されない。例えば、角度検出回路200は、三角関数計算モデルに基づく計算回路等であってよい。
図13は、本実施形態に係る故障診断装置300の変形例を示す。本変形例の故障診断装置300は、角度算出回路500から角度信号φおよび振幅信号A(φ)を取得する。角度算出回路500は、増幅部510、増幅部512、AD変換部520、AD変換部522、およびCORDIC回路部530を備える。増幅部510、増幅部512、AD変換部520、およびAD変換部522は、図3で説明した増幅部210、増幅部212、AD変換部220、およびAD変換部222と略同一の動作を実行するので、ここでは説明を省略する。
CORDIC(Coordinate Rotation Digital Computing)回路部530は、三角関数、乗算、および除算等の各種演算を実行するアルゴリズムに基づき、入力信号であるホール起電力信号から角度信号φおよび振幅信号A(φ)を算出する。CORDIC回路部530は、CORDICアルゴリズムが搭載されたFPGA(Field−Programable Gate Array)、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路でよい。
CORDIC回路部530は、予め定められたCORDICアルゴリズムを実行して、角度信号φおよび振幅信号A(φ)を算出する。ここで、CORDIC回路部530は、図3に示す角度検出回路200が出力する振幅信号と比較して、1.6倍程度大きい振幅信号を出力することが知られている。
しかしながら、本実施形態の相関信号算出部330は、当該振幅信号に基づく被測定信号と、故障モードに対応する予め定められた周期関数との相関を算出するので、振幅信号が(1.6倍程度の)定数倍になっても、ほとんど影響のない相関信号を算出する。したがって、本変形例の故障診断装置300は、図4から図12で説明した故障診断装置300と略同一の動作で、回転角センサ100の故障を診断することができる。
以上の本実施形態の故障診断装置300は、回転角センサ100とは別個独立の装置であってよく、これに代えて、回転角センサ100の一部であってもよいことは説明した。これに代えて、故障診断装置300は、回転角センサ100が搭載されるシステム等の一部であってもよい。また、故障診断装置300は、システム等を制御する制御回路の一部であってもよい。
図14は、本実施形態に係るシステムの一例を示す。当該システムは、回転磁石等の回転体を安定に制御しつつ、回転体の動作に応じて、他の装置等を制御する。当該システムは、例えば、乗用車の電動パワーステアリングに用いられるモーター制御システム、および乗用車のステアリングの回転角度を検出する操舵角センシングシステム等である。当該システムは、センサーIC140と、制御部600と、システム部610とを備える。
センサーIC140は、回転角センサ100を含む。また、センサーIC140は、角度検出回路200または角度算出回路500を更に含んでよい。センサーIC140は、モーターのローター、ステアリング、および車輪等の回転体の角度信号φおよび振幅信号A(φ)を制御部600に供給する。
制御部600は、センサーIC140に接続され、角度信号φおよび振幅信号A(φ)に応じて回転機構を含む回転系システムを制御する。制御部600は、マイクロコンピュータおよびマイクロプロセッサ等の集積回路でよく、入力されたプログラムを実行する機能を有する。制御部600は、当該プログラムの一部として、振幅信号A(φ)に基づく被測定信号を算出し、当該被測定信号と予め定められた周期関数との相関信号を算出し、相関信号に基づいて回転角センサ100の故障を判定するプログラムを有する。
即ち、制御部600は、回転系システムを制御しつつ、回転角センサ100の故障を判定する。制御部600は、判定結果が故障である場合に、故障情報をシステム部610に供給する。システム部610は、制御部600に接続され、故障情報を受け取ったことに応じて、システムの停止、中断、およびアラームの発生等を制御する。これによって、本実施形態のシステムは、回転角センサ100に故障が生じても、システム動作に重大な影響を及ぼす前に、速やかにシステムを停止または中断することができる。
以上の本実施形態の故障診断装置300は、回転角センサ100が第1ホール素子対110および第2ホール素子対120を備える例を説明した。ここで、故障診断装置300は、第1の軸の磁場と第2の軸の磁場の検出結果に応じて、回転体の角度信号および振幅信号を出力する回転角センサの故障を診断するので、磁場の検出素子はホール素子に限定されない。例えば、回転角センサ100は、第1の軸の磁場と第2の軸の磁場を検出する複数のGMR(Giant Magneto−Resistance)素子および/またはTMR(Tunnel Magneto−Resistance)素子等を備えてもよい。
図15は、本実施形態に係る故障診断装置300として機能するコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、および表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、およびDVDドライブ2060を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、フレキシブルディスク・ドライブ2050、および入出力チップ2070を有するレガシー入出力部と、を備える。
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000およびグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010およびRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、DVDドライブ2060を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用するプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブ2060は、DVD−ROM2095からプログラムまたはデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、フレキシブルディスク・ドライブ2050、および入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、および/または、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ2050は、フレキシブルディスク2090からプログラムまたはデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、フレキシブルディスク・ドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続すると共に、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク2090、DVD−ROM2095、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
プログラムは、コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を取得部310、記憶部320、相関信号算出部330、および故障判定部340として機能させる。
プログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である取得部310、記憶部320、相関信号算出部330、および故障判定部340として機能する。そして、この具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算または加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の故障診断装置300が構築される。
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、フレキシブルディスク2090、またはDVD−ROM2095等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置または通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030または記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、DVDドライブ2060(DVD−ROM2095)、フレキシブルディスク・ドライブ2050(フレキシブルディスク2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、および/または記憶装置に含まれるものとする。
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(または不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
以上に示したプログラムまたはモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスク2090、DVD−ROM2095の他に、DVD、Blu−ray(登録商標)、またはCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1900に提供してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 基板、100 回転角センサ、110 第1ホール素子対、112 第1ホール素子、114 第2ホール素子、120 第2ホール素子対、122 第3ホール素子、124 第4ホール素子、130 磁気収束板、140 センサーIC、200 角度検出回路、210 増幅部、212 増幅部、220 AD変換部、222 AD変換部、230 乗算部、232 乗算部、240 積算部、242 積算部、244 積算部、250 位相補償部、260 記憶部、300 故障診断装置、310 取得部、320 記憶部、330 相関信号算出部、332 バッファメモリ、334 乗算部、336 加算部、340 故障判定部、500 角度算出回路、510 増幅部、512 増幅部、520 AD変換部、522 AD変換部、530 CORDIC回路部、600 制御部、610 システム部、1900 コンピュータ、2000 CPU、2010 ROM、2020 RAM、2030 通信インターフェイス、2040 ハードディスクドライブ、2050 フレキシブルディスク・ドライブ、2060 DVDドライブ、2070 入出力チップ、2075 グラフィック・コントローラ、2080 表示装置、2082 ホスト・コントローラ、2084 入出力コントローラ、2090 フレキシブルディスク、2095 DVD−ROM

Claims (15)

  1. 第1の軸の磁場と第2の軸の磁場の検出結果に応じて、回転体の角度信号および振幅信号を出力する回転角センサの出力を取得する取得部と、
    前記回転角センサの故障モードに対応する予め定められた周期関数と、前記振幅信号に基づく被測定信号との相関信号を算出する相関信号算出部と、
    前記相関信号に基づいて、前記回転角センサの故障を判定する故障判定部と、
    を備える
    故障診断装置。
  2. 前記故障判定部は、前記相関信号の絶対値が予め定められた閾値を超える場合に、前記回転角センサが故障していると判定する請求項1に記載の故障診断装置。
  3. 前記故障判定部は、前記相関信号の絶対値が前記閾値以下の場合に、前記回転角センサが故障していないと判定する請求項2に記載の故障診断装置。
  4. 前記故障モードは、
    前記回転角センサが前記第1の軸方向に対応する信号のオフセット成分を含む第1モードと、
    前記回転角センサが前記第2の軸方向のオフセット成分を含む第2モードと、
    前記回転角センサが前記第1の軸に対応する信号および前記第2の軸に対応する信号の間の磁気感度ミスマッチを含む第3モードと、
    前記回転角センサが前記第1の軸に対応する信号および前記第2の軸に対応する信号の間の非直交性誤差を含む第4モードと、
    のうちの少なくとも1つのモードを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の故障診断装置。
  5. 前記相関信号算出部は、
    前記故障モードが前記第1モードの場合に、前記周期関数を1倍角の余弦として、前記被測定信号との相関信号を算出し、
    前記故障モードが前記第2モードの場合に、前記周期関数を1倍角の正弦として、前記被測定信号との相関信号を算出し、
    前記故障モードが前記第3モードの場合に、前記周期関数を2倍角の余弦として、前記被測定信号との相関信号を算出し、
    前記故障モードが前記第4モードの場合に、前記周期関数を2倍角の正弦として、前記被測定信号との相関信号を算出する、請求項4に記載の故障診断装置。
  6. 前記相関信号算出部は、前記振幅信号のN乗信号(Nは1以上の自然数)を前記被測定信号として算出する、請求項1から5のいずれか一項に記載の故障診断装置。
  7. 前記取得部は、非接触回転角センサの出力を取得する、請求項1から6のいずれか一項に記載の故障診断装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の故障診断装置を備え、
    第1の軸の磁場と第2の軸の磁場の検出結果に応じて、回転体の角度信号および当該回転角センサの故障信号を出力する、
    回転角センサ。
  9. 第1の軸の磁場と第2の軸の磁場の検出結果に応じて、回転体の角度信号および振幅信号を出力する回転角センサの故障診断方法であって、
    前記回転角センサの出力を取得し、
    前記回転角センサの故障モードに対応する予め定められた周期関数と、前記振幅信号に基づく被測定信号との相関信号を算出し、
    前記相関信号に基づいて、前記回転角センサの故障を判定する、
    故障診断方法。
  10. 前記故障を判定することは、
    前記相関信号の絶対値が予め定められた閾値を超える場合に、前記回転角センサが故障していると判定することを含む請求項9に記載の故障診断方法。
  11. 前記故障を判定することは、
    前記相関信号の絶対値が前記閾値以下の場合に、前記回転角センサが故障していないと判定することを含む請求項10に記載の故障診断方法。
  12. 前記故障モードは、
    前記回転角センサが前記第1の軸方向のオフセット成分を含む第1モードと、
    前記回転角センサが前記第2の軸方向のオフセット成分を含む第2モードと、
    前記回転角センサが前記第1の軸および前記第2の軸の間の磁気感度ミスマッチを含む第3モードと、
    前記回転角センサが非直交性誤差を含む第4モードと、
    のうちの少なくとも1つのモードを有する、請求項9から11のいずれか一項に記載の故障診断方法。
  13. 前記相関信号を算出することは、
    前記故障モードが前記第1モードの場合に、前記周期関数を1倍角の余弦として、前記被測定信号との相関信号を算出し、
    前記故障モードが前記第2モードの場合に、前記周期関数を1倍角の正弦として、前記被測定信号との相関信号を算出し、
    前記故障モードが前記第3モードの場合に、前記周期関数を2倍角の余弦として、前記被測定信号との相関信号を算出し、
    前記故障モードが前記第4モードの場合に、前記周期関数を2倍角の正弦として、前記被測定信号との相関信号を算出する、請求項12に記載の故障診断方法。
  14. コンピュータに、請求項9から13のいずれか一項に記載の故障診断方法を実行させるプログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラムを記憶する媒体。
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