JP2017179664A - 通気可変性ストレッチ織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線遮蔽性を有し、かつ通気性が可逆的に変化することができるストレッチ性に優れた織物の提供【解決手段】ポリウレタン弾性糸を使用してなる織物であって、未伸長時とタテまたはヨコ方向の一方、または両方を20%伸長させた際の通気度が20cc/cm2・sec以上の差を有し、未伸長時のUPF評価が30以上であり、ストレッチ率が20%以上、伸長回復率が80%以上の織物であり、ポリウレタン弾性繊維の使用混率が織物全体の5重量%以上の織物である。【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線遮蔽性を有し、かつ通気性が可逆的に変化することができるストレッチ性に優れた通気可変性ストレッチ織物に関するものである。
従来から織物の通気性を大きく向上させる手段として、織物組織による密度の制御や、特定溶剤に対して溶解する糸を部分的に使用して製織し、染色性加工工程中にて溶解させ意図的に空隙を作る技術(特許文献1)、レーザーパンチングなどにより物理的に穴を開ける技術が提案され、初期通気量を飛躍的に増大させることが可能になっており、衣服にした場合、衣服内の熱気、湿気を系外へ効果的に放出することが可能となっている。しかし、衣服にして人間が着用した場合、着衣直後、運動時、安静時など様々なシーンで衣服内環境は一定では無く、求められる必要な通気性は異なり、快適な着用環境を提供するためには可変的な通気性能が必要であることが課題であった。
例えば、可逆的な通気を得るために、高水膨潤性成分と低水膨潤性成分がサイドバイサイドに複合された膨潤性コンジュゲート繊維を用い、発汗による衣服内湿度上昇にともない通気度を変化することができる方法が知られている(特許文献2)。
しかし、雨が降った場合、撥水加工が施されていたとしても湿度は吸収するため、衣服内湿度が上昇していない状態でも外気の湿気を吸収し通気度が大きくなってしまう可能性がある。
一方、湿度に寄らず通電により通気度が可逆的に変化する通気量可変布帛が提案されているが(特許文献3)、電気が必要であるため衣料品として汎用性があるとはいえない可能性がある。
特開2011−089231号公報 特開2006−161237号公報 特開2007−277791号公報
そこで本発明の目的は、安静時の通気性を抑え、運動時の生地伸長時には通気性が大きくなる可変的な通気性をもち、かつ高ストレッチ性を有する通気可変性ストレッチ織物を安定的に提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、ポリウレタン弾性繊維を用いた織物であって、JISL1096:2010記載のA法(フラジール形)で測定した未伸長時の通気度と、タテまたはヨコ方向の一方、または両方を20%伸長させた際の通気度とが20cc/cm2/sec以上の差を有することを特徴とする通気可変性ストレッチ織物である。
本発明の織物の好ましい態様によれば、前記の織物において未伸長時の通気度が30cc/cm2/sec以下の通気量を有することである。
本発明の織物の好ましい態様によれば、前記の織物において、タテまたはヨコ方向の一方、または両方を20%伸長させた際の通気度が40cc/cm2/sec以上の通気量を有することである。
本発明の織物の好ましい態様によれば、前記の織物において、ポリウレタン弾性繊維が織物全体に対して、5重量%以上の使用混率である。
本発明の織物の好ましい態様によれば、前記の織物をオーストラリア/ニュージーランド規格4399で測定したUPF評価が未伸長時30以上の紫外線遮蔽効果を有することである。
本発明の織物の好ましい態様によれば、前記の織物をカトーテック社製KES−FB1−AUT0−A自動引張試験機(500cN/cm荷重)で測定したタテ方向及び/又はヨコ方向の伸張率(EMT)が20%以上かつ,伸張回復率(RT)が80%以上有することである。
本発明の織物の好ましい態様によれば、前記の織物を製織する際、少なくとも隣り合ったタテ糸2本以上を連続してとばす空羽組織で、空羽の間隔は1mm以上有することである。
本発明の織物の好ましい態様によれば、前記の織物のタテ糸および/またはヨコ糸の一部が、水および/または特定溶剤で溶解される繊維からなる織物であって、前記の水および/または特定溶剤中で溶解除去して、前記の繊維の交絡部分に織物伸長時にその繊度に応じた表面から裏面に貫通した穴と、前記の繊維の交絡部分以外はその繊度に応じた、前記の水および/または特定溶剤で完全除去されない繊維からなる糸条がタテ糸のみまたはヨコ糸のみの部分として実質的に存在していることである。
本発明の織物の好ましい態様によれば、タテ糸及びヨコ糸の一部に水および/または溶剤で溶解する繊維を用いることである。
本発明の織物の好ましい態様によれば、前記の特定溶剤は、水酸化ナトリウムを含むアルカリ水溶液である。
本発明の織物を用いた衣服によれば、運動時、すなわち生地が伸長する状態では通気性が一時的に高まり、衣服内の熱気を系外に排出する効果が得られる。また安静時、すなわち静止状態では通気性を抑えているため保温性を保つことが可能となり、運動時と静止時の快適な着用環境を両立せんとするものである。これにより、快適で安全な着用環境を提供することができる。
本発明の織物は、上記のとおりのポリウレタン弾性繊維を用いた織物であって、好適には芯糸にポリウレタン弾性繊維、鞘糸に合成繊維を配したカバーリング糸を用いた織物である。
本発明の織物は、JISL1096:2010記載のA法(フラジール形)で測定した通気度が未伸長時と、タテまたはヨコ方向の一方、または両方を20%伸長させた時とで、20cc/cm2/sec以上の差、好適には30cc/cm2/sec以上の差、さらに好適には40cc/cm2/sec以上の差を有するという特徴をもつ、通気可変性ストレッチ織物である。
本発明は、前記の課題、すなわち非伸長時と伸長時において著しく大きな通気性変化を有する織物について、鋭意検討した結果、ポリウレタン弾性繊維を用いた織物において、隣り合ったタテ糸の2本以上分の間隔をあける空羽組織とし、空羽同士の間隔を1mm以上とする織物を用いたり、タテ糸の一部とヨコ糸の一部に、水または特定溶剤で溶解除去できる繊維を用いて処理した織物を用いる等することで、織物に可変的な通気性を付与できることを究明したものである。
中でも、弾性繊維を芯糸とし、合成繊維等を鞘糸としたカバーリング糸を用いることで、加工工程中におけるカバーリング糸が十分に収縮し、未伸長状態における仕上がりでは空隙がないが、伸長時にはその空隙が発現することができ、可変的な通気性を付与することができる。
本発明では、織物のタテ糸および/またはヨコ糸の一部に合成繊維等を鞘糸、ポリウレタン弾性繊維を芯糸にしたカバーリング糸が好適に使用される。
鞘糸としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリル系、ポリプロピレン系、ポリ塩化ビニル系などの種々の合成繊維、アセテート、レーヨンなどの半合成繊維等が好適に用いられる。
鞘糸の形態としては、複数の単繊維からなる連続マルチフィラメント糸が好ましい。その単繊維の断面が長さ方向に均一なものや太細があるものも使用することができ、断面形状が丸断面、三角、Y型、X型、八葉型、中空型および扁平等不定形なものも使用することができる。芯糸に用いられるポリウレタン弾性繊維の混用率は、織物全体に対して5重量%以上であることが、織物空隙を閉じさせるだけの収縮力を得る点で好ましい。
ポリウレタン弾性繊維を構成するポリウレタン重合体は、ポリウレタン−ウレア共重合体であっても良いし、ポリウレタンとポリウレタン−ウレアの混合物もしくは共重合体であってもよい。より具体的には、このポリウレタン重合体は、2種類の型のセグメント、即ち、ソフトセグメントとハードセグメントとから構成されることが好ましい。ソフトセグメントは、長分子鎖からなるポリエーテル及び/又はポリエステルのセグメントからなることが好ましく、ハードセグメントは、有機イソシアネートとジアミン鎖伸長剤またはジオール鎖伸長剤との反応により誘導された比較的短鎖のセグメントからなることが好ましい。
上述の合成繊維やポリウレタン重合体にはその使用用途によってベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤、酸化チタン、酸化鉄等の各種顔料、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化セシウム、炭酸カルシウム、銀イオン等を含有する機能性添加剤等、金属石鹸を代表とする滑剤が含有されていてもよい。
カバリング糸としては、ポリウレタン弾性繊維の廻りに他の繊維を一重に巻き付けるシングルカバードヤーン、ポリウレタン弾性繊維の廻りに他の繊維を下撚、上撚の二重に巻き付けたダブルカバードヤーン、ポリウレタン弾性繊維と他の繊維を撚り合わせたツイステッドヤーン、ポリウレタン弾性繊維と他の繊維を同時にインターレース加工した交絡部と開繊部を交互に有するエアカバードヤーンなどが挙げられ、本発明では用途、コスト面、製織性から好適にはシングルカバードヤーンが用いられる。
本発明において、タテ糸の一部とヨコ糸の一部に用いられる水または特定溶剤で溶解される繊維としては、例えば、ポリビニルアルコール系繊維などの水溶性繊維、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびメトオキシポリオキシエチレングリコールなどの第3成分が共重合されたポリエステル系繊維、ポリ乳酸系繊維などの易アルカリ溶解性繊維などを用いることができる。また、これらを単独あるいは2種以上の複合物として使用することもできる。これらを単独で使用する場合は、2本以上を配列、引き揃え、合糸および合撚などの形態にすることによって用いることができる。
溶解される繊維からなる糸条の総繊度は、繊維が溶解して伸長時織物表面から裏面に貫通した穴が形成されるために、33dTex以上150dTex以下であることが好ましい。総繊度が33dTexより小さいと伸長時の通気性に劣る場合があり、総繊度が150dTexより大きいと伸長時通気性は良好であるが、紫外線遮蔽性、目寄れで劣る傾向がある。
また、織物表面から裏面に貫通した穴の面積は、未伸長時はサイズが規定することが出来ない程度に閉じており、タテ又はヨコ20%伸長時、又はタテヨコ20%伸長時は1×10−2mm以上2.5×10−1mm以下であることが好ましい。穴の大きさが1×10−2mmより小さいと通気性に劣る傾向があり、2.5×10−1mmより大きいと通気性はよいが、紫外線遮蔽性、目寄れで劣る場合がある。穴の大きさは、より好ましくは2×10−2mm以上1.6×10−1mm以下である。
また、タテ又はヨコ20%伸長時、又はタテヨコ20%伸長時発現する織物表面から裏面に貫通した穴のタテヨコ比は3:1〜1:3の比率であることが好ましい。タテヨコ比が3:1〜1:3の比率から外れると、一般に衣料品として使用される場合、生地端ほつれ、滑脱抵抗値等の物性値に劣る傾向があり、外観においても生地目寄れが発生しやすくなる場合がある。穴のタテヨコ比は、安定した生地の設計ができるという観点から、より好ましくは2:1〜1:2の比率である。
本発明の織物は、未伸長時とタテ又はヨコ20%伸長時、又はタテヨコ20%伸長時の通気度差が20cc/cm・sec以上であることが重要である。
人体の皮膚伸びに関する文献から、肩甲上部の水平/垂直伸びは3.6%/17.6%、肩甲部の水平/垂直伸びは18.1%/9.2%、後肘部の水平/垂直伸びは30.0%/38.0%、臀部水平/垂直伸びは8.2%/36.4%、膝蓋部水平/垂直伸びは15.6%/36.8%というモデル計測結果がある。実際には衣服のデザインやゆとり量が様々であるため動作による衣服伸びは異なるが、20%以上の生地伸びがないと、シャープなシルエットで動作が楽な衣服は作りにくいと言われている。
また通気度差は100cc/cm・sec以下であることが好ましい。
さらに、未伸長時の通気度が30cc/cm・sec以下であることが好ましい。通気性が30cc/cm・secを越えると、衣服内と系外で通気が容易になされてしまい、結果として保温効果が少なくなってしまう。未伸長時の通気度は、より好ましくは20cc/cm・sec以下であり、さらに好ましくは10cc/cm・sec以下である。上記の通気性は、空羽組織の空羽数や間隔の検討、水および/または特定溶剤で溶解される繊維の繊度や設計による配列の検討と、加工工程中に十分な収縮が得られるポリウレタン弾性糸を使用する等により制御することが可能である。未伸長時の通気度は非運動時の保温の点から、1cc/cm・sec以上であることが好ましい。
本発明の織物について、タテまたはヨコ方向の一方、または両方を20%伸長させた際の通気度が40cc/cm2/sec以上であることが、運動時衣服内の湿気を系外へ排出する機能の点で好ましい。一方、急激な排出を抑制する点から、100cc/cm2/sec以下であることが好ましい。
本発明の織物は、未伸長状態でオーストラリア/ニュージーランド規格4399で測定したUPF評価が30以上の紫外線遮蔽効果を有することが好ましい。
前記のUPF評価が30未満である場合、結果として布帛の空隙が大きい、又は密度が低い設計であり、保温性に乏しい織物となってしまう。上記のUPF評価は、空羽組織の空羽数や間隔の検討、水および/または特定溶剤で溶解される繊維の繊度や設計による配列の検討と、加工工程中に十分な収縮が得られるポリウレタン弾性糸を使用すること等により制御することが可能である。また、オーストラリア/ニュージーランド規格4399で測定したUPF評価は、紫外線から人体を最大限保護する快適な衣服 の点から50+以下の紫外線遮蔽効果を有することが望ましい。
本発明の織物は、カトーテック社製KES−FB1−AUT0−A自動引張試験機(500cN/cm荷重)で測定したタテ方向又は/及びヨコ方向の伸張率(EMT)が20%以上かつ,伸張回復率(RT)が80%以上の織物であることが好ましい。
伸長率を20%以上とすることで、上述の通りシャープなシルエットで動作が楽な衣服を作ることが可能となる。この伸長率、伸長回復率は、ポリウレタン弾性糸のドラフト率を調整することにより制御が可能で上記ある。伸長率が20%を下回る場合、スポーツ衣料など運動量の大きい用途の場合、快適な着用環境が制限される可能性がある。伸長率は、衣服の保型性の点で50%以下であることが好ましい。
また、上記伸長回復率を下回る場合、肘抜け、膝抜けなど着用耐久性が劣る可能性がある。伸長回復率は好ましくは100%に近い値である。
次に、本発明の織物の製造方法について説明する。
本発明の織物の製造方法としては、隣り合ったタテ糸の2本分以上の間隔をあける空羽組織で空羽同士の間隔を1mm以上とするか、水または特定溶剤で溶解する繊維糸条をタテ糸に用いておいて、かかる水および/または特定溶剤で溶解除去する方法が挙げられる。その際ヨコ糸の一部にも、水、および/または特定溶剤で溶解する繊維糸条を用いることにより、かかる繊維糸条を、水および/または特定溶剤中で溶解除去して、前記のタテ糸との交絡部分にその総繊度に応じた繊維表面から裏面に貫通した穴を開けることができる。
さらに、同一の特定溶剤で溶解するタテ糸とヨコ糸を、タテ糸とヨコ糸の一部に用いた織物とし、その特定溶剤中で溶解除去することも、効率的に交絡部に貫通した穴を空けることができ好ましい。タテ糸とヨコ糸がともに溶解する特定溶剤は水であっても良い。
水で溶解する繊維(糸条)とは、ポリビニルアルコール系繊維などの水溶性繊維であって、少なくとも1本のタテ糸と少なくとも1本のヨコ糸にその水溶性繊維を用い、水中において溶解除去することにより、前記のタテ糸とヨコ糸の交絡部分に繊維表面から裏面に貫通した穴を形成させるものである。タテ糸に関しては、空羽組織を用いることで上記水溶性繊維を用いずに間隙を形成させてもよい。用いられる水の水温は20℃以上であることが好ましいが、溶解の効率と完全溶解させない繊維の捲縮を十分に発現させるために、50℃以上の温度で溶解除去することが好ましい態様である。さらに、完全溶解させない繊維の捲縮を十分に発現させるために、60℃以上100℃以下の温度の湯浴処理を同浴または別浴で処理することが好ましい。
また、特定溶剤とは、易アルカリ溶解性繊維であるポリエステル系繊維やポリ乳酸系繊維に対しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムおよび炭酸ナトリウムなどのアルカリ物質溶液のことであり、アルカリ水溶液として用いることが好ましい態様である。特に、水酸化ナトリウムを含むアルカリ水溶液であることが好ましく、アルカリ水溶液の浴中温度は50℃以上で溶解除去することが好ましい。さらに、完全溶解させない繊維の捲縮を十分に発現させるために、60℃以上100℃以下の温度の湯浴処理を同浴または別浴で実施することが好ましい。
また、水溶性繊維を、アルカリ物質を併用しアルカリ水溶液中で溶解除去することもできる。アルカリ物質の使用濃度は、水酸化ナトリウムであれば0.1%以上であることが好ましく、溶解時間を早める観点から、より好ましくは1%以上である。
本発明の織物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、帯電防止剤、吸水剤、吸湿剤、撥水剤、撥油剤、防汚剤、着色剤および増摩剤などで処理することができる。
本発明の織物は、衣料品として、スポーツウェア、ホームウェア、コート、ブルゾン、ブラウス、シャツ、スカート、スラックス、室内運動着、パジャマ、寝間着、肌着、オフィスウェア、作業服、食品白衣、看護白衣、患者衣、介護衣、学生服、および厨房衣などとして好ましく用いられる。また、雑貨用品として、エプロン、タオル、手袋、マフラー、靴下、帽子、靴、サンダル、およびかばんなどにも用いられる。また、インテリア用品として、カーテン、こたつカバー、ソファーカバー、クッションカバー、ソファー用側地、およびテーブルクロスなどに好ましく用いられる。さらに、寝具用品として、布団用側地、シーツ、布団カバー、および枕カバーなどにも好ましく用いられる。
次に、本発明の織物について、実施例によりさらに具体的に説明する。実施例中における各種の評価方法は、下記の方法を用いた。
(通気度)
JIS−L1096:2010通気性A法(フラジール形法)に規定される方法で、フラジール形試験機を用い、試験片を通過する空気量(cc/cm・sec)を求めた。
(UPF評価)
オーストラリア/ニュージーランド規格4399で規定される方法で、280nm〜400nmにおいて、分光光度計又は分光照射量計を用いて試験片に照射、透過率を測定してUPF値を算出し、少なくとも4回測定の平均をUPF値とした。
(伸長率)
カトーテック社製KES−FB1−AUT0−A自動引張試験機で測定する方法で、つかみ巾20cm、つかみ間隔5cm、引張速度0.2mm/secで、500cN/cm荷重時の伸長率EMT(%)を求めた。
(伸長回復率)
カトーテック社製KES−FB1−AUT0−A自動引張試験機で測定する方法で、つかみ巾20cm、つかみ間隔5cm、速度0.2mm/secで、最大荷重500cN/cmのヒステリシスから回復率RT(%)を求めた。
(混用率)
JIS―L1030−2:2012繊維製品の混用率試験方法に基づき混用率を求めた。
(実施例1)
タテ糸に、78dTex/68フィラメントのポリアミド繊維糸条を鞘糸とし、44dTexのポリウレタン弾性糸を芯糸とするシングルカバーリング繊維糸条と、84dTex/24フィラメントの5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合成分として用いた易アルカリ溶解性のポリエステル繊維糸条とを、それぞれ12本:2本の割合で交互に配列した。ヨコ糸に、78dTex/68フィラメントのポリアミド繊維糸条を鞘糸とし、44dTexのポリウレタン弾性糸を芯糸とするシングルカバーリング繊維糸条と、84dTex/24フィラメントの5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合成分として用いた易アルカリ溶解性のポリエステル繊維糸とを、10本:3本の割合で交互に配列し、タテ密度が120本/2.54cmで、ヨコ密度が80本/2.54cmの織物を製織した。
次に、常法に従い精練、乾燥および中間セットした後、濃度3%の水酸化ナトリウム水溶液中で90℃の温度で10分間、浴中処理を実施し易アルカリ溶解性のポリエステル繊維を完全溶解した。
その後、常法に従い染色、乾燥および仕上げセットを行い、タテ密度が172本/2.54cm、ヨコ密度が128本/2.54cm、未伸長時にあきらかな空隙は肉眼では確認出来ず、未伸長時の通気度が10.0cc/cm2/sec、ヨコ20%伸長時の通気度が50.4cc/cm2/sec、タテヨコ20%伸長時の通気度が70.9cc/cm2/sec、伸長率がタテ25.0%、ヨコ28.0%、伸長回復率がタテ95.2%、ヨコ96.8%、未伸長時のUPF評価が50+の加工布を得た。
得られた加工布は、表1に示すとおり、未伸長時と伸長時の通気度差40.4cc/cm2/secを有し、紫外線遮蔽性能、伸長率、伸長回復率がともに良好なものであった。
(実施例2)
タテ糸に、78dTex/68フィラメントのポリアミド繊維糸条を芯糸、44dTexのポリウレタン弾性糸を鞘糸とするシングルカバーリング繊維糸条と、84dTex/24フィラメントの5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合成分とした易アルカリ溶解性のポリエステル繊維糸条を、それぞれ12本:2本の割合で交互に配列した。ヨコ糸に、78dTex/68フィラメントのポリアミド繊維糸条を鞘糸とし、22dTexのポリウレタン弾性糸を芯糸とするシングルカバーリング繊維糸条と、84dTex/24フィラメントの5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合成分とした易アルカリ溶解性のポリエステル繊維糸を、10本:3本の割合で交互に配列し、タテ密度が104本/2.54cmで、ヨコ密度が75本/2.54cmの織物を製織した。
次に、常法に従い精練、乾燥および中間セットした後、濃度3%の水酸化ナトリウム水溶液中で90℃の温度で10分間、浴中処理を実施し易アルカリ溶解性のポリエステル繊維を完全溶解した。
その後、常法に従い染色、乾燥および仕上げセットを行い、タテ密度が145本/2.54cm、ヨコ密度が131本/2.54cm、未伸長時にあきらかな空隙は肉眼では確認出来ず、未伸長時の通気度が4.4cc/cm2/sec、ヨコ20%伸長時の通気度が40.2cc/cm2/sec、タテヨコ20%伸長時の通気度が61.3cc/cm2/sec、伸長率がタテ30.5%、ヨコ40.2%、伸長回復率がタテ96.6%、ヨコ98.8%、未伸長時のUPF評価が50+の加工布を得た。
得られた加工布は、表1に示すとおり、未伸長時と伸長時の通気度差35.8cc/cm2/secを有し、紫外線遮蔽性能、伸長率、伸長回復率がともに良好なものであった。
(実施例3)
タテ糸に、78dTex/68フィラメントのポリアミド繊維糸条を鞘糸とし、44dTexのポリウレタン弾性糸を芯糸とするシングルカバーリング繊維糸条を、タテ糸3本分の空羽を12本間隔で配列した。ヨコ糸に、78dTex/68フィラメントのポリアミド繊維糸条を鞘糸とし、44dTexのポリウレタン弾性糸からなるシングルカバーリング繊維糸条を芯糸とした84dTex/24フィラメントの5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合成分とした易アルカリ溶解性のポリエステル繊維糸を、10本:3本の割合で交互に配列し、タテ密度が120本/2.54cmで、ヨコ密度が80本/2.54cmの織物を製織した。
次に、常法に従い精練、乾燥および中間セットした後、3%水酸化ナトリウム水溶液中で90℃の温度で10分間、浴中処理を実施し易アルカリ溶解性のポリエステル繊維を完全溶解した。
その後、常法に従い染色、乾燥および仕上げセットを行い、タテ密度が172本/2.54cm、ヨコ密度が128本/2.54cm、未伸長時にあきらかな空隙は肉眼では確認出来ず、未伸長時の通気度が9.1cc/cm2/sec、ヨコ20%伸長時の通気度が31.0cc/cm2/sec、タテヨコ20%伸長時の通気度が41.1cc/cm2/sec、伸長率がタテ25.0%、ヨコ28.0%、伸長回復率がタテ95.2%、ヨコ96.8%、未伸長時のUPF評価が50+の加工布を得た。
得られた加工布は、表1に示すとおり、未伸長時と伸長時の通気度差21.9cc/cm2/secを有し、紫外線遮蔽性能、伸長率、伸長回復率がともに良好なものであった。
(比較例1)
タテ糸に、78dTex/68フィラメントのポリアミド繊維糸条を鞘糸とし、44dTexのポリウレタン弾性糸を芯糸とするシングルカバーリング繊維糸条を用いた。ヨコ糸に、78dTex/68フィラメントのポリアミド繊維糸条を鞘糸とし、22dTexのポリウレタン弾性糸を芯糸とするシングルカバーリング繊維糸条を用い、タテ密度が120本/2.54cmで、ヨコ密度が80本/2.54cmの織物を製織した。
次に、常法に従い精練、乾燥および中間セット、染色、乾燥および仕上げセットを行い、タテ密度が172本/2.54cm、ヨコ密度が128本/2.54cm、未伸長時にあきらかな空隙は肉眼では確認出来ず、未伸長時の通気度が4.2cc/cm2/sec、ヨコ20%伸長時の通気度が8.8cc/cm2/sec、タテヨコ20%伸長時の通気度が10.5cc/cm2/sec、伸長率がタテ22.5%、ヨコ25.3%、伸長回復率がタテ95.1%、ヨコ96.7%、未伸長時のUPF評価が50+の加工布を得た。
得られた加工布は、表1に示すとおり、紫外線遮蔽性能、伸長率、伸長回復率がともに良好であるが、未伸長時と伸長時の通気度差は4.6cc/cm2/secで微少であった。
Figure 2017179664

Claims (10)

  1. ポリウレタン弾性繊維を用いた織物において、JISL1096:2010記載のA法(フラジール形)で測定した未伸長時の通気度、タテまたはヨコ方向の一方、または両方を20%伸長させた際の通気度とが20cc/cm2/sec以上の差を有することを特徴とする通気可変性ストレッチ織物。
  2. 該未伸長時の通気度が、30cc/cm2/sec以下であることを特徴とする請求項1記載の通気可変性ストレッチ織物。
  3. 該タテまたはヨコ方向の一方、または両方を20%伸長させた際の通気度が40cc/cm2/sec以上であることを特徴とする請求項1または2記載の通気可変性ストレッチ織物。
  4. 該ポリウレタン弾性繊維の混用率が織物全体に対して5重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の通気可変性ストレッチ織物。
  5. 未伸長状態の該織物をオーストラリア/ニュージーランド規格4399で測定したUPF評価が30以上の紫外線遮蔽効果を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の通気可変性ストレッチ織物。
  6. カトーテック社製KES−FB1−AUT0−A自動引張試験機(500cN/cm荷重)で測定したタテ方向及び/又はヨコ方向の伸張率(EMT)が20%以上かつ,伸張回復率(RT)が80%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の通気可変性ストレッチ織物。
  7. 少なくともタテ糸を2本以上をまとめてとばし、間隔が1mm以上の空羽組織で製織されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の通気可変性ストレッチ織物。
  8. タテ糸及びヨコ糸の一部に水および/または溶剤で溶解する繊維を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の通気可変性ストレッチ織物。
  9. タテ糸及びヨコ糸の一部に水または同一の溶剤でともに完全に溶解する繊維を用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の通気可変性ストレッチ織物。
  10. 該溶剤が水酸化ナトリウムを含むアルカリ水溶液であることを特徴とする請求項8または9に記載の通気可変性ストレッチ織物
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