JP2017179154A - ブロック共重合体及び樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
これら光学材料用樹脂としては、従来、アクリル樹脂が主として用いられてきた。
しかしながら、二軸延伸で強度を付与する場合、延伸倍率等により強度の異方性が生じる問題があった。また、ソフト成分を混合する場合、透明性との両立が困難であり、更に改善の余地があった。
一方、特許文献3には、アクリル系熱可塑性樹脂は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算の重量平均分子量(Mw)が3000〜100万が望ましいことが記載されているが、実施例で使用されているアクリル系熱可塑性樹脂のMwは29万以上であり、比較的Mwの大きなアクリル系熱可塑性樹脂が想定されている。
また、特許文献3では、アクリル系共重合体ブロックのMwや、アクリル系熱可塑性樹脂を他の樹脂と混合した際の樹脂の物性については、言及されていない。
本発明の他の目的は、強度に優れたアクリル系ブロック共重合体及びこのブロック共重合体で構成されたフィルムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、透明性、強度、耐熱性をバランス良く有する新規なアクリル系ブロック共重合体及びこのブロック共重合体で構成されたフィルムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、他の樹脂に混合して樹脂の耐衝撃性を改善又は向上できるアクリル系ブロック共重合体を提供することにある。
また、このようなブロック共重合体の優れた強度は、他の樹脂と混合した場合にも維持できることを見出した。
本発明者らは、上記以外にも下記するように種々の新知見を得て、さらに鋭意検討を重ねて本発明を完成するに至った。
[1]環構造を含むポリマーブロック(A)とアクリル酸エステル由来の構造単位を含むポリマーブロック(B)とを有するブロック共重合体であって、重量平均分子量が2万〜20万であるブロック共重合体。
[2]環構造を含むポリマーブロック(A)とアクリル酸エステル由来の構造単位を含むポリマーブロック(B)とを有するブロック共重合体であって、共連続構造を形成しているブロック共重合体。
[3]ポリマーブロック(B)の重量平均分子量が1万〜10万である前記[1]又は[2]に記載のブロック共重合体。
[4]共連続構造を形成している前記[1]又は[3]に記載のブロック共重合体。
[5]トリブロック共重合体である前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のブロック共重合体。
[6]前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のブロック共重合体を含む樹脂組成物。
[7]さらに、他の樹脂(C)を含む前記[6]記載の樹脂組成物。
[8]ポリマーブロック(A)と他の樹脂(C)のSP値の差が、2以下である前記[7]記載の樹脂組成物。
[9]他の樹脂(C)のガラス転移温度が、110〜180℃である前記[7]又は[8]に記載の樹脂組成物。
[10]ブロック共重合体と他の樹脂(C)の質量比が、前者/後者=1/99〜99/1である前記[7]〜[9]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[11]ブロック共重合体を5〜90重量%含む前記[6]〜[10]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[12]前記[6]〜[11]のいずれか一項に記載の樹脂組成物で形成されたフィルム。
[13]前記[12]に記載のフィルムを備えた偏光板。
[14]前記[13]記載の偏光板を備えた画像表示装置。
また、本発明によれば、透明性、強度、耐熱性をバランス良く有するアクリル系ブロック共重合体及びこのブロック共重合体で構成されたフィルムを提供することができる。
また、本発明のブロック共重合体は、他の樹脂に添加することによって、樹脂の耐衝撃性を改善又は向上することができる。
本発明のブロック共重合体は、環構造を含むポリマーブロック(A)とアクリル酸エステル由来の構造単位を含むポリマーブロック(B)とを有する。
ポリマーブロック(A)(又は、単に「ブロック(A)」ということがある。)は、メタクリル酸エステル由来の構造単位(又は、単に「メタクリル酸エステル単位」ということがある。以下、同様の表現において同じ。)を含む場合が多い。
このようなメタクリル酸エステル単位としては、例えば、ヒドロキシル基を有するメタクリル酸エステル[例えば、メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸ヒドロキシC1−12アルキル)等]、アルコキシ基を有するメタクリル酸エステル[例えば、メタクリル酸アルコキシアルキルエステル(例えば、メタクリル酸2−メトキシエチル等のメタクリル酸C1−12アルコキシC1−12アルキル等)]、グリシジル基を有するメタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸グリシジル等)等のメタクリル酸エステル由来の構造単位等が挙げられる。
2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル単位としては、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アルキルエステル[例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル等の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸C1−18アルキル]単位等である。2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル単位は、炭化水素基等の置換基[例えば、脂肪族基(例えば、C1−20アルキル基、C2−20不飽和脂肪族炭化水素基等)、芳香族基(例えば、C6−20芳香族炭化水素基等)等]で置換されていてもよい。
ブロック(A)が有する環構造は、例えば、環状イミド構造(例えば、マレイミド構造、グルタルイミド構造等)、環状無水物構造(例えば、無水マレイン酸構造、無水グルタル酸構造等)、ラクトン環構造等であり、好ましくは、無水マレイン酸構造、マレイミド構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造及びラクトン環構造から選ばれる少なくとも1種である。
マレイミド構造としては、例えば、シクロヘキシルマレイミド構造、メチルマレイミド構造、フェニルマレイミド構造、ベンジルマレイミド構造等が挙げられる。
これら環構造は、ブロック(A)に1種又は2種以上含まれていてよい。また、ブロック(A)は、これらの環構造を主鎖に有している場合が多い。
当該炭化水素基としては、例えば、脂肪族基、脂環族基、芳香族基である。尚、炭化水素基は、さらにハロゲン等の置換基を有していてもよい。
当該炭化水素基としては、例えば、脂肪族基{例えば、アルキル基[例えば、C1−6直鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、C1−6分岐アルキル基(例えば、イソプロピル基等)等のC1−6アルキル基等]等}、脂環族基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC3−20シクロアルキル基等)、芳香族基{例えば、C6−20芳香族基[例えば、C7−20アラルキル基(例えば、ベンジル基等)、C6−20アリール基(例えば、フェニル基等)]}である。尚、炭化水素基は、さらにハロゲン等の置換基を有していてもよい。
また、X2が窒素原子のとき、式(2)により示される環構造はマレイミド構造となる。
当該炭化水素基としては、例えば、脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などのC1−20アルキル基、エテニル基、プロペニル基などのC2−20不飽和脂肪族炭化水素基等)、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基などのC6−20芳香族炭化水素基等)等である。前記炭化水素基は、酸素原子を含んでいてもよく、水素原子の一つ以上が、水酸基、カルボキシル基、エーテル基及びエステル基から選ばれる少なくとも1種類の基により置換されていてもよい。
尚、本願では相溶性パラメーターとして、Bicerano法(Synthia)による溶解度パラメーター計算により得られるFedors式を基準に算出される値とする。即ち、溶解度パラメーターδは、下記式で表される値を採用する。
ポリマーブロック(B)(又は、単に「ブロック(B)」ということがある。)は、アクリル酸エステル由来の構造単位(アクリル酸エステル単位)を含むものであれば、特に限定されない。
このような他の単位としては、例えば、前記ブロック(A)に含まれる他の単位として例示したもの等が挙げられる。
ブロック(B)において、アクリル酸エステル単位の含有割合は、例えば、50〜100質量%、好ましくは70〜100質量%である。なお、ブロック(B)において、アクリル酸エステル単位の含有割合は、ブロック(B)を構成するモノマー換算で、例えば、50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%である。
また、ブロック(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、例えば、1.0〜2.5、好ましくは1.1〜2.0、より好ましくは1.2〜1.8である。
また、ブロック(A)とブロック(B)の相溶性パラメーターの差は、好ましくは1.5〜4、より好ましくは2〜3である。このような範囲であれば、共連続構造を形成しやすくなり、ブロック共重合体の強度が優れる等の観点から好ましい。
ブロック共重合体は、ポリブロック共重合体(例えば、ジ乃至デカブロック共重合体など)であればよい。ブロック共重合体は、少なくともブロック(B)の両側にブロック(A)を有する((A)−(B)−(A)を有する)ことが好ましい。ブロック共重合体が2以上のブロック(A)又はブロック(B)を有する場合、ブロック(A)又はブロック(B)の分子量、組成等は、同じであってもよいし、相互に異なっていてもよい。
なお、ブロック共重合体における環構造の含有率は、特に限定されないが、例えば、1〜80質量%、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは2〜40質量%である。この場合、ブロック共重合体が優れた透明性、耐熱性、強度を有する等の観点から、好ましい。
ブロック共重合体における環構造の含有率が5質量%以上であれば、ブロック共重合体で形成されたフィルムの耐熱性、耐溶剤性、表面硬度が良好となるため好ましい。一方、前記含有率が90質量%以下であれば、フィルムの成形性や機械的特性に優れるため好ましい。
なお、ブロック共重合体におけるグルタルイミド構造及び/又は無水グルタル酸構造の含有率は、ブロック共重合体の耐熱性及び透明性を向上させる等の観点から、ブロック共重合体を構成するモノマー換算で、例えば、3〜85モル%、好ましくは6〜50モル%、より好ましくは10〜40モル%である。
なお、ブロック共重合体における無水マレイン酸構造及び/又はマレイミド構造の含有率は、ブロック共重合体の耐熱性及び透明性を向上させる等の観点から、ブロック共重合体を構成するモノマー換算で、例えば、7〜90モル%、好ましくは10〜75モル%、より好ましくは10〜60モル%である。
なお、ブロック共重合体におけるラクトン環構造の含有率は、ブロック共重合体の耐熱性及び透明性を向上させる等の観点から、ブロック共重合体を構成するモノマー換算で、例えば、6〜60モル%、好ましくは9〜37モル%、より好ましくは9〜30モル%である。
海島構造の場合、一般的に硬脆い連続層である海島構造に発生する乖離(クレイズ)を、島構造が緩和することで強度を向上するが、島構造により緩和効率は通常低く、クレイズの成長を抑制する効果は低いものとなる。一方、共連続構造の場合、弱い側の層(通常ガラス転移温度が高い層)にクレイズが発生しても、もう一方の層(ガラス転移温度が低い層)による緩和効率が極めて高く、結果として強度が向上すると推定される。
ブロック共重合体は、単独でも優れた強度を有するが、他の樹脂(C)に混合した場合も、ブロック共重合体の共連続構造を反映でき、優れた強度となる。
すなわち、ブロック共重合体は、他の樹脂(C)に添加することにより、樹脂の耐衝撃性を改善又は向上することができる。
ブロック共重合体の製造方法は、特に限定されず、例えば、リビング重合(例えば、リビングラジカル重合、リビングアニオン重合等)等が挙げられ、好ましくは、リビングラジカル重合(例えば、原子移動ラジカル重合、可逆的付加―開裂連鎖移動重合等)である。
重合開始剤は、重合方法やブロック共重合体の構成等に応じて適宜選択することができ、例えば、リビング重合において使用される重合開始剤等が挙げられる。
特に、ブロック共重合体がトリブロック体の場合、重合開始剤は、2官能開始剤が好ましい。2官能開始剤としては、例えば、アミン系化合物(例えば、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンなど)、ジブロモエタン、エチレンビス(2−ブロモイソブチラート)、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル、ビス[2−(2’−ブロモイソブチリルオキシ)エチル]ジスルフィド、ベンジル−N,N−ジエチルジチオカーバメート、p−キシレンビス(N,N−ジエチルジチオカーバメート)等が挙げられる。中でも、カーバメート系重合開始剤を用いて得られるブロック共重合体を熱可塑性樹脂として使用する場合、加熱時に強く着色することがあるため、エチレンビス(2−ブロモイソブチラート)、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル等の非カーバメート系重合開始剤を用いることが好ましい。
重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、有機過酸化物(例えば、クメンハイドロパーオキサイドなど)、アゾ化合物(例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)など)などと組み合わせて使用してもよい。重合開始剤の使用量は、単量体の組合せや反応条件等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
連鎖移動剤としては、例えば、チオール系化合物(例えば、ドデシルメルカプタンなど)、ハロゲン系化合物(例えば、クロロホルムなど)などが挙げられる。連鎖移動剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。連鎖移動剤の使用量は、単量体の組合せや反応条件等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
特に、ブロック共重合体がA−B−A型のトリブロック体の場合、例えば、アクリル酸エステルを含む単量体組成物を重合することによってアクリル酸エステル単位を含むブロック(B)を得た後、ブロック(B)と、ブロック(A)を構成するメタクリル酸エステル等のモノマーを含む単量体組成物を重合する方法等を使用してよい。この方法によって、トリブロック体((A)−(B)−(A)型のトリブロック体)を得ることができる。
分子内脱アルコール反応の方法は、特に限定されないが、例えば、加熱することによって行うことができる。
加熱温度は、脱アルコールにより分子内環化反応が生じる温度であれば特に限定されないが、例えば、180〜350℃等であってよい。
加熱時間は、反応温度などに応じて適宜変更できるが、例えば、1〜2時間などであってよい。
また、分子内脱アルコール反応においては、触媒(例えば、酸触媒、塩基性触媒、塩系触媒等)を使用してもよい。
マレイミド系化合物としては、例えば、N−置換マレイミド[例えば、N−アルキルマレイミド(例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド等のN−C1−10アルキルマレイミド等)、N−シクロアルキルマレイミド(例えば、シクロヘキシルマレイミド等のN−C3−20シクロアルキルマレイミド等)、N−アリールマレイミド(例えば、N−フェニルマレイミド等のN−C6−10アリールマレイミド等)、N−アラルキルマレイミド(例えば、N−ベンジルマレイミド等のN−C7−10アラルキルマレイミド等)]、マレイミド等が挙げられる。
分子内脱アルコール反応を行う方法は、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂を加熱することによって行うことができる。
加熱温度は、脱アルコールにより分子内環化反応が生じる温度であれば特に限定されず、例えば、60〜350℃などであってよい。
加熱時間は、反応温度などに応じて適宜変更できるが、例えば1〜5時間などであってよい。
また、分子内脱アルコール反応においては、触媒(例えば、有機リン化合物、塩基性化合物、有機カルボン酸塩、炭酸塩等)を使用してもよい。
有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。重合溶媒は、最終的に得られる樹脂の残存揮発分を少なくできる等の観点から、沸点が40〜200℃である溶媒が好ましく、沸点が40〜100℃である溶媒がより好ましい。
本発明は、本発明のブロック共重合体を含む樹脂組成物も含有する。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果が得られる限り、本発明のブロック共重合体以外の他の樹脂(C)を含んでいてもよい。
他の樹脂(C)は、樹脂組成物を用いて透明性や耐熱性に優れたフィルムを形成できる等の観点から、好ましくは、アクリル系樹脂等である。
アクリル系樹脂としては、光学フィルムに使用する等の観点から、ポリメタクリル酸メチル系樹脂が好ましい。また、アクリル系樹脂は、環構造[例えば、環状イミド構造(例えば、マレイミド構造、グルタルイミド構造等)、環状無水物構造(例えば、無水マレイン酸構造、無水グルタル酸構造等)、ラクトン環構造等]、メタクリル酸メチル単位以外の単位{例えば、メタクリル酸、アクリル酸、ビニル化合物[例えば、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン等)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル等)、α,β−不飽和ニトリル(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−オクテン等のC2−10アルケン)]、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル等の単量体由来の単位等}を有していてもよい。
尚、他の樹脂(C)は、1種又は2種以上を使用してよい。
ブロック(A)と他の樹脂(C)のSP値の差は、例えば、2以下、好ましくは0.5〜1.5である。
また、ブロック(B)と他の樹脂(C)のSP値の差は、例えば、1.5〜4、好ましくは2〜3である。
また、得られた樹脂組成物を、フィルター(例えば、1〜10μmのリーフディスクフィルターなど)で濾過してもよい。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、4−n−オクチルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノン)−ブタン等が挙げられる。
ベンゾエート系化合物としては、例えば、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
これらは単独で、または2種類以上の組み合わせで使用することができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート、n−オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、n−ドデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、ネオドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(n−オクチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(n−オクチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ジエチルグリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアルアミド−N,N−ビス−[エチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−ブチルイミノ−N,N−ビス−[エチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,2−プロピレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、グリセリン−1−n−オクタデカノエート−2,3−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス−[3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,1−トリメチロールエタントリス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ソルビトールヘキサ−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−ヒドロキシエチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−ステアロイルオキシエチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,6−n−ヘキサンジオールビス[(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリトリトールテトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
本発明は、本発明の樹脂組成物で形成されたフィルムも含有する。
本発明のフィルムは、光学用途に用いることが好適であり、例えば、光学用保護フィルム、光学フィルム、光学シート等に用いることができる。
光学シートとしては、例えば、拡散板、導光体、位相差板、ゼロ位相差板、プリズムシート等が挙げられる。
例えば、樹脂組成物を、公知の成膜方法[例えば、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法等]によって成膜することにより、フィルムを得ることができる。成膜方法としては、溶液キャスト法、溶融押出法等が好ましい。
また、溶融押出する際に、樹脂組成物をフィルター(例えば、1〜10μmのリーフディスクフィルターなど)で濾過してもよい。
例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置に用いられる保護フィルム、反射防止フィルム、偏光フィルム等の用途に用いる場合には、好ましくは1〜250μm、より好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜80μmである。
また、例えば、ITO蒸着フィルム、銀ナノワイヤーフィルム、メタルメッシュフィルム等に用いられる透明導電性フィルム等の用途に用いる場合には、好ましくは20〜400μm、より好ましくは30〜350μm、さらに好ましくは40〜300μmである。
また、厚みを100μmとした際の、フィルムの破壊強度としては、10mJ以上が好ましく、20mJ以上がより好ましい。
本発明は、本発明のフィルムを備えた偏光板も含有する。
すなわち、本発明のフィルムは、偏光子保護フィルムとして用いて、偏光板に使用することができる。
本発明において、偏光板の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法に従ってよい。例えば、偏光子の少なくとも片面に、常法を用いて本発明のフィルムを貼り合わせることにより、偏光板を得ることができる。当該貼り合わせは、本発明のフィルムの偏光子に接合する側をアルカリ鹸化処理し、偏光子の少なくとも片面に完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を塗布した後、本発明のフィルムと偏光子とを貼り合わせることにより、好適に実施することができる。
また、偏光子の膜厚は、5〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
本発明は、上述した本発明の偏光板を備えた画像表示装置も含有する。
本発明において、画像表示装置の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法に従ってよい。画像表示装置としては、液晶表示装置(LCD)や有機EL表示装置(OLED)等が好ましい。
ブロックポリマー及び重合体の重量平均分子量Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算により求めた。測定に用いた装置および測定条件は以下の通りである。
システム:東ソー製GPCシステム HLC−8220
測定側カラム構成
・ガードカラム:東ソー製、TSKguardcolumn SuperHZ−L
・分離カラム:東ソー製、TSKgel SuperHZM−M 2本直列接続
リファレンス側カラム構成
・リファレンスカラム:東ソー製、TSKgel SuperH−RC
展開溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業製、特級)
展開溶媒の流量:0.6mL/分
標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー製、PS−オリゴマーキット)
カラム温度:40℃
モノマーの転化率は、ガスクロマトグラフィー(島津製作所社製、装置名:GC−2014)を用いて残存モノマーを測定することで求めた。
ブロック共重合体のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121の規定に準拠して始点法により求めた。40℃以上で観測されるTgは、具体的には、示差走査熱量計(株式会社リガク製、DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを25℃から毎分10℃の昇温速度で200℃まで昇温を複数回繰り返すことで安定させたDSC曲線から得た。尚、リファレンスにはα−アルミナを用いた。
また、40℃未満で観測されるTgは、示差走査熱量計(NETZSCH社製、DSC204F1)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを−100℃から毎分10℃の昇温速度で40℃まで昇温を複数回繰り返すことで安定させたDSC曲線から得た。
熱分解温度は、以下の方法(ダイナミックTG法)で分析した。
測定装置:差動型示差熱天秤(ThermoPlus2TG−8120ダイナミックTG、(株)リガク製)
測定条件: 試料量10mg
昇温速度: 10℃/min
雰囲気: 窒素フロー200mL/min
方法: 階段状等温制御法(150℃ から500℃までの範囲内における質量減少速度値0.005%/s以下に制御)
ブロック共重合体あるいは樹脂組成物を、手動式加熱プレス機(井元製作所製、IMC−180C型)を用い、270℃で2分間溶融プレス成形し、100±10μmの未延伸フィルム(原フィルム)を作製した。
上記原フィルムに5.5gの試験球を10mmずつ高さを上げながら落下させ、フィルムに亀裂が入る前後の高さ(破壊前後の高さ;mm)をn数=10で記録し、それぞれの値をy軸に、フィルムの厚み(μm)をx軸にプロットし、厚み100μmでの破壊前後の高さ(mm)をそれぞれ算出した。この破壊前の高さと破壊後の高さの平均値からフィルムにかかった試験力を下記式により算出し、その値を100μmの厚みのシートにした場合の破壊強度(mJ)とした。
破壊強度(mJ)={試験球重量(g)}×{破壊前後の高さの平均値(mm)}×9.807/1000
フィルムの厚さは、デジマチックマイクロメーター(ミツトヨ社製)を用いて測定した。以降に評価方法を示す物性を含め、フィルムの物性を測定、評価するためのサンプルは、フィルムの幅方向の中央部から取得した。
フィルムのヘイズは、日本電色工業社製NDH−1001DPを用いて石英セルに1,2,3,4−テトラヒドロナフタリン(テトラリン)を満たし、その中にフィルムを浸漬して測定し、100μmあたりの内部ヘイズ値として算出した。
フィルムの切片をエポキシ樹脂に梱包した後、エポキシ樹脂を硬化させ、ミクロトームで薄く切り取り、観察用のサンプルを作製した。得られたサンプルを走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ社製、FE−SEM S−4800型)で測定し、得られたフィルム断面の透過電子像から熱可塑性樹脂に対する有機微粒子の分散性を観察した。
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応装置に、2.97部の臭化第一銅(CuBr;和光純薬工業製)、1.39部の2,5-ジブロモアジピン酸ジエチル(DBADE;東京化成工業製)、85.14部のアクリル酸n−ブチル(BA;東京化成工業製)、15.64部のアセトニトリル(ACN;東京化成工業製)を仕込み、これに窒素を通じつつ、80℃まで昇温させた。次いで、開始剤として0.53部のN,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA;和光純薬工業製)と2.00部のACNの混合液を加え、80℃で2時間反応を進行させた。この時の反応液中のモノマー量より算出したBAの転化率は68%であった。
反応溶液を活性アルミナでろ過し触媒残渣を除去した後、2.6kPa、80℃で約2時間残存モノマーおよび溶媒を除去し、ポリアクリル酸ブチルのポリマーブロック(B−1)を得た。B−1のMnは1.5万、Mwは1.8万、Mw/Mn=1.20、ガラス転移温度は−45℃であった。
0.67部のCuBr、0.32部のDBADE、38.70部のBA、7.02部のACNを仕込み、これに窒素を通じつつ、80℃まで昇温させた。次いで、開始剤として0.08部のPMDETAと、1.00部のACNの混合液を加え、80℃で4時間反応を進行させ、合成例1と同様に触媒除去ならびに残存モノマーと溶媒の除去を行った。この時の反応液中のモノマー量より算出したBAの転化率は91%であった。
反応溶液を活性アルミナでろ過し触媒残渣を除去した後、2.6kPa、80℃で約2時間残存モノマーおよび溶媒を除去し、ポリアクリル酸ブチルのポリマーブロック(B−2)を得た。B−2のMnは4.3万、Mwは4.9万、Mw/Mn=1.13、ガラス転移温度は−45℃であった。
0.67部のCuBr、0.28部のDBADE、85.14部のBA、16.60部のACNを仕込み、これに窒素を通じつつ、80℃まで昇温させた。次いで、0.16部のPMDETAと1.04部のACNを加え、80℃で8時間反応を進行させ、合成例1と同様に触媒除去ならびに残存モノマーと溶媒の除去を行った。この時の重合液中のモノマー量より算出したBAの転化率は70%であった。
反応溶液を活性アルミナでろ過し触媒残渣を除去した後、2.6kPa、80℃で約2時間残存モノマーおよび溶媒を除去しポリアクリル酸ブチルのポリマーブロック(B−3)を得た。B−3のMnは7.7万、Mwは9.2万、Mw/Mn=1.20、ガラス転移温度は−45℃であった。
以上の結果を表1に示す。
合成例1で合成したポリアクリル酸ブチル(B−1)33部、0.657部の臭化第一銅(CuBr;和光純薬製)、12部のN−フェニルマレイミド(PMI;日本触媒製)、55部のメタクリル酸メチル(MMA;日本メタアクリルモノマー製)および重合溶媒としてトルエン20部を、攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応装置に仕込み、窒素を通じつつ、80℃まで昇温させた。次いで、開始剤として0.131部のPMDETAと、2.3部のトルエンの混合液を加え、80℃で4時間反応を進行させ、合成例1と同様に触媒除去を行った。得られた反応溶液を多量のメタノールに沈殿し、濾過、乾燥することでブロックポリマー(C−1)を得た。
(C−1)のMnは3.3万、Mwは4.0万、Mw/Mn=1.20であり、ガラス転移温度は124℃、熱分解温度は310℃であった。
(B−1)の代わりに合成例2で合成したポリアクリル酸ブチル(B−2)33部とする以外は実施例1と同様にして、80℃で4時間反応を進行させ、得られた反応溶液を多量のメタノールに沈殿し、濾過、乾燥することでブロックポリマー(C−2)を得た。
(C−2)のMnは7.5万、Mwは9.3万、Mw/Mn=1.24であり、ガラス転移温度は124℃、熱分解温度は311℃であった。
(B−1)の代わりに合成例3で合成したポリアクリル酸ブチル(B−3)33部とする以外は実施例1と同様にして、80℃で4時間反応を進行させ、得られた反応溶液を多量のメタノールに沈殿し、濾過、乾燥することでブロックポリマー(C−3)を得た。
(C−3)のMnは11.5万、Mwは15.0万、Mw/Mn=1.30であり、ガラス転移温度は124℃、熱分解温度は310℃であった。
以上の結果を表2に示す。
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応装置に、17部のPMI、82部のMMA、ならびに重合溶媒として99部のトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う環流が始まったところで、重合開始剤として0.10部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富製、商品名:ルペロックス570)を添加するとともに、1.0部のスチレン(ST)、1.0部のトルエンおよび0.20部の上記t−アミルパーオキシイソノナノエートの混合溶液を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させた。モノマーの転化率はそれぞれPMIが98.6%、MMAが96.9%、STが99.0%であった。次に、得られた重合溶液に、2部の紫外線吸収剤(ADEKA社製、LA−F70)を添加し混合した後に、240℃、減圧度2.4kPaで1時間減圧乾燥を行い、PMI、MMA、ST単位を構成単位として有する透明な重合体(D−1)のペレットを得た。得られた重合体(D−1)のMwは17.2万、Mnは5.9万、Tgは135℃、熱分解温度は312℃であった。
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応容器に、メタクリル酸メチル(MMA)50部、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)7.2部、トルエン52部、およびn―ドデシルメルカプタン0.004部を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う環流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製「ルペロックス(登録商標)570」)0.044部を添加するとともに、上記t−アミルパーオキシイソノナノエート0.088部とスチレン2.8部とを2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、滴下終了後、同温度でさらに4時間の熟成を行った。続いて、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として、リン酸ステアリル(堺化学工業社製「Phoslex A―18」)0.05部を加え、約90〜110℃の環流下において2時間、ラクトン環構造を形成するための環化縮合反応を進行させた。その後、溶液及びモノマー類を真空下240℃で溶媒を除去することにより、ラクトン環を有する共重合体(D−2)を得た。D−2の重量平均分子量は14万、数平均分子量は6.4万、ガラス転移温度は123℃であった。
合成例および実施例で得た重合体と、重合体を配合した組成物のフィルム特性を表3に示す。
尚、実施例5では、16部のブロック重合体(C−2)、84部の重合体(D−1)を300部のメチルエチルケトンに溶解し溶液とした後、240℃、減圧度2.4kPaで1時間減圧乾燥を行い、樹脂組成物E−1を得た。
実施例6及び7では、表3に示す配合とした以外は実施例5と同様にして、樹脂組成物E−2、E−3を得た。
実施例8のD−3としては、市販のポリメチルメタクリル樹脂である住友化学社製スミペックス(登録商標)EXを、また実施例9のD−4としては、市販のグルタルイミド樹脂であるダイセルエボニック社製プレキシイミド(登録商標)TT50を使用し、それぞれ表3に示す配合とした以外は実施例5と同様にして、樹脂組成物E−4、E−5を得た。
合成例4で得た重合体(D−1)を用いて、フィルムを作製した。フィルム特性を表3に示す。
また、実施例5で作成した樹脂組成物E−1のフィルムの分散性を確認したところ、図1及び図2に示すようにブロック重合体のソフト成分が均一な共連続構造を形成していることがわかった。このような共連続構造により、実施例4〜9のフィルムは強度が優れたと考えられる。尚、図1及び2において、D−1は黒色部分、ソフト成分は白色部分、ハード成分は、白色部分と黒色部分の界面に存在する。
Claims (14)
- 環構造を含むポリマーブロック(A)とアクリル酸エステル由来の構造単位を含むポリマーブロック(B)とを有するブロック共重合体であって、重量平均分子量が2万〜20万であるブロック共重合体。
- 環構造を含むポリマーブロック(A)とアクリル酸エステル由来の構造単位を含むポリマーブロック(B)とを有するブロック共重合体であって、共連続構造を形成しているブロック共重合体。
- ポリマーブロック(B)の重量平均分子量が1万〜10万である請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
- 共連続構造を形成している請求項1又は3に記載のブロック共重合体。
- トリブロック共重合体である請求項1〜4のいずれか一項に記載のブロック共重合体。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のブロック共重合体を含む樹脂組成物。
- さらに、他の樹脂(C)を含む請求項6記載の樹脂組成物。
- ポリマーブロック(A)と他の樹脂(C)のSP値の差が、2以下である請求項7記載の樹脂組成物。
- 他の樹脂(C)のガラス転移温度が、110〜180℃である請求項7又は8に記載の樹脂組成物。
- ブロック共重合体と他の樹脂(C)の質量比が、前者/後者=1/99〜99/1である請求項7〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- ブロック共重合体を5〜90重量%含む請求項6〜10のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項6〜11のいずれか一項に記載の樹脂組成物で形成されたフィルム。
- 請求項12に記載のフィルムを備えた偏光板。
- 請求項13記載の偏光板を備えた画像表示装置。
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