JP2017171062A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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利和 尾上
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Abstract

【課題】物理モデルに基づいた制御系を構成し、規範モデルに制御対象の出力(ラックエンドまでの距離)が追従するようなモデルフォローイング制御を構成し、トルク及び推力伝達機構の破損を抑制し、さらにモデルフォローイング制御に対して安全方策を取れるような電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、ラックエンド手前の所定角度の範囲内で粘弾性モデルを規範モデルとしたモデルフォローイング制御の構成とし、モデルフォローイング制御での制御量の範囲を制限し、ラックエンド端当てを防止する。
【選択図】図18

Description

本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、電流指令値によってモータを駆動し、車両の操舵系にアシスト力を付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特に粘弾性モデルを規範モデルとし、ラックエンド近傍で電流指令値を絞ることによりアシストトルクを減少させ、端当て時の勢いを減衰して衝撃エネルギーを低くし、トルク及び推力伝達機構の破損を抑制し、操舵フィーリングを向上した電動パワーステアリング装置に関する。
車両の操舵系にモータの回転力でアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置(EPS)は、モータの駆動力で減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸にアシスト力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシスト力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいて、アシストマップを用いてアシスト指令の電流指令値の演算を行い、演算された電流指令値に補償等を施した電圧制御値Vrefによってモータ20に供給する電流を制御する。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VelはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
このような電動パワーステアリング装置において、コントロールユニット30は主としてCPU(MPUやMCUを含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと、例えば図2に示されるような構成となっている。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10からの操舵トルクTh及び車速センサ12からの車速Velは電流指令値を演算するトルク制御部31に入力され、演算された電流指令値Iref1は減算部32Bに入力され、モータ電流検出値Imと減算される。減算部32Bでの減算結果である偏差I(=Iref1−Im)はPI制御等の電流制御部35で制御され、電流制御された電圧制御値VrefがPWM制御部36に入力されてデューティを演算され、PWM信号でインバータ37を介してモータ20をPWM駆動する。モータ20のモータ電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bに入力されてフィードバックされる。モータ20にはレゾルバ等の回転角センサ21が連結されており、回転角θが検出されて出力される。
このような電動パワーステアリング装置では、操舵系の最大舵角(ラックエンド)の近傍で大きなアシストトルクがモータにより付加されると、操舵系が最大舵角に至った時点で大きな衝撃が生じ、トルク及び推力伝達機構に過大な負荷がかかり、耐久性を劣化させる可能性がある。
そのため、特公平6−4417号公報(特許文献1)には、操舵系の操舵角が最大操舵角より所定値手前になったことを判定する操舵角判定手段を備えると共に、操舵角が最大操舵角より所定値手前になったときにモータへ供給する電力を減少させて、アシストトルクを減少させる補正手段を備えた電動式パワーステアリング装置が開示されている。
また、特許第4115156号公報(特許文献2)には、調節機構が端位置に近づいているかどうかを決定し、調節機構が端位置に近づいていることがわかった場合、ステアリング補助を減少するように駆動手段を制御し、調節機構が端位置に近づく速度を決定するため、位置センサによって決定された調節速度が評価される電動パワーステアリング装置が示されている。
特公平6−4417号公報 特許第4115156号公報
しかしながら、特許文献1に開示された電動式パワーステアリング装置では、操舵角が最大操舵角より所定値手前になったことで電力を減少させており、操舵速度等を全く考慮していないので、微細な電流低減制御ができない。また、モータのアシストトルクを減少させる特性が全く示されておらず、具体的な構成となっていない。
また、特許文献2に開示された電動パワーステアリング装置では、アシスト量が終端に向かうに従って減少していくが、終端に近づく速度に応じてアシスト量低減の速さを調整し、終端での速度を十分に落とすようにしている。しかし、特許文献2では、速度に応じて低減する特性を変化させることのみを示しており、物理的なモデルには基づいていない。また、フィードバック制御していないため、路面状況(負荷状態)によっては特性或いは結果が変化する恐れがある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、物理モデルに基づいた制御系を構成し、規範モデルに制御対象の出力(ラックエンドまでの距離)が追従するようなモデルフォローイング制御を構成し、トルク及び推力伝達機構の破損を抑制する電動パワーステアリング装置を提供することにある。さらに、モデルフォローイング制御に対して安全方策を取れるようにする。
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、ラックエンド手前の所定角度の範囲内で粘弾性モデルを規範モデルとしたモデルフォローイング制御の構成とし、前記モデルフォローイング制御での制御量の範囲を制限し、ラックエンド端当てを防止することにより達成される。
本発明の上記目的は、前記モデルフォローイング制御の構成がフィードバック制御部であることにより、或いは前記モデルフォローイング制御の構成がフィードフォワード制御部であることにより、或いは前記モデルフォローイング制御の構成がフィードバック制御部及びフィードフォワード制御部であることにより、より効果的に達成される。
また、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値1を演算し、前記電流指令値1に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記電流指令値1をラック軸力若しくはコラム軸トルク1に変換する第1の変換部と、前記モータの回転角から判定用ラック位置に変換するラック位置変換部と、前記判定用ラック位置に基づいてラックエンドに接近したことを判定し、ラック変位及び切替信号を出力するラックエンド接近判定部と、前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク1、前記ラック変位及び前記切替信号に基づいて、粘弾性モデルを規範モデルとしたラック軸力若しくはコラム軸トルク2を生成する粘弾性モデル追従制御部と、前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク2に対して上限値及び下限値を設定し、前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク2を制限する制御量制限部と、前記制限されたラック軸力若しくはコラム軸トルク2を電流指令値2に変換する第2の変換部とを具備し、前記電流指令値2を前記電流指令値1に加算して前記アシスト制御を行い、ラックエンド端当てを防止することにより達成される。
本発明の上記目的は、前記粘弾性モデル追従制御部が、前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク1に基づいてフィードフォワード制御してラック軸力若しくはコラム軸トルク3を出力するフィードフォワード制御部と、前記ラック変位及び前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク1に基づいてフィードバック制御してラック軸力若しくはコラム軸トルク4を出力するフィードバック制御部と、前記切替信号により前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク3の出力をON/OFFする第1の切替部と、前記切替信号により前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク4の出力をON/OFFする第2の切替部と、前記第1及び第2の切替部の出力を加算して前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク2を出力する加算部とで構成されていることにより、或いは前記粘弾性モデル追従制御部が、前記ラック変位に基づいてフィードフォワード制御してラック軸力若しくはコラム軸トルク3を出力するフィードフォワード制御部と、前記ラック変位及び前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク1に基づいてフィードバック制御してラック軸力若しくはコラム軸トルク4を出力するフィードバック制御部と、前記切替信号により前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク3の出力をON/OFFする第1の切替部と、前記切替信号により前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク4の出力をON/OFFする第2の切替部と、前記第1及び第2の切替部の出力を加算して前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク2を出力する加算部とで構成されていることにより、或いは前記ラック変位によって、前記フィードバック制御部及びフィードフォワード制御部のパラメータを変更することにより、或いは前記上限値及び下限値を操舵方向に応じて設定することにより、或いは前記上限値及び下限値を前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク1に基づいて設定することにより、或いは前記上限値及び下限値を操舵速度により変更することにより、或いは前記操舵速度による変更では、前記操舵速度の変化に対して前記上限値及び下限値が徐々に変化することにより、或いは前記上限値及び下限値を車速により変更することにより、或いは前記車速による変更では、前記車速の変化に対して前記上限値及び下限値が徐々に変化することにより、より効果的に達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、物理モデルに基づいた制御系を構成しているので、定数設計に見通しが立て易くなり、規範モデルに制御対象の出力(ラックエンドまでの距離)が追従するようなモデルフォローイング制御を構成しているので、負荷状態(外乱)や制御対象の変動にロバスト(頑健)なトルク及び推力伝達機構の保護が可能となる利点がある。
また、モデルフォローイング制御での制御量の範囲に制限を設けているので、制御量過多による違和感を抑えることができる。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の構成例を示すブロック図である。 ラック位置変換部の特性例を示す図である。 粘弾性モデル追従制御部の構成例(実施形態1)を示すブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の構成例(実施形態2)を示すブロック図である。 本発明の動作例(全体)を示すフローチャートである。 粘弾性モデル追従制御部の動作例を示すフローチャートである。 粘弾性モデルの模式図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例(実施形態3)を示すブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例(実施形態4)を示すブロック図である。 ラック位置によって規範モデルのパラメータを変更する例を示す図である。 粘弾性モデル追従制御部の動作例を示すフローチャートである。 本発明の構成例(実施例1)を示すブロック図である。 本発明の動作例(全体)(実施例1)を示すフローチャートである。 粘弾性モデル追従制御の動作例(実施例1)を示すフローチャートである。 制御量制限部の動作例(実施例1)を示すフローチャートである。 本発明の構成例(実施例2)を示すブロック図である。 実施例1での制限値の変化例を示す図である。 実施例2での制限値の変化例を示す図である。 制御量制限部の動作例(実施例2)を示すフローチャートである。 実施例3での制限値の変化例を示す図である。 実施例4での制限値の変化例を示す図である。 本発明の構成例(実施例5)を示すブロック図である。 実施例5の制御量制限部の構成例を示すブロック図である。 操舵速度に対する高操舵時ゲインの特性例を示す図である。 操舵速度に対する低操舵時ゲインの特性例を示す図である。 制御量制限部の動作例(実施例5)を示すフローチャートである。 本発明の構成例(実施例6)を示すブロック図である。 実施例6の制御量制限部の構成例を示すブロック図である。 車速に対する高速時ゲインの特性例を示す図である。 車速に対する低速時ゲインの特性例を示す図である。 制御量制限部の動作例(実施例6)を示すフローチャートである。
本発明は、ラックエンド近傍の物理モデルに基づいた制御系を構成し、粘弾性モデル(バネ定数、粘性摩擦係数)を規範モデルとし、その規範モデルに制御対象の出力(ラックエンドまでの距離)が追従するようなモデルフォローイング制御を構成し、トルク及び推力伝達機構の破損を抑制する電動パワーステアリング装置である。
モデルフォローイング制御は粘弾性モデル追従制御部で構成し、粘弾性モデル追従制御部をフィードフォワード制御部若しくはフィードバック制御部或いはその両者で構成し、ラックエンド手前の所定角度外では通常のアシスト制御を行い、ラックエンド手前の所定角度内でモデルフォローイング制御を行い、ラックエンドに当たることを防止する。
また、仮想ラックエンドがあるように、即ち、運転者がハンドルを切り込もうとしてもラックエンドであるかのようにハンドルが進まないようにするために、運転者の手入力とタイヤ側からの反力との和に釣り合うようにアシスト力を出力する(タイヤと路面の摩擦が極低い場合は、運転者の手入力分だけとなる)。しかし、この場合、運転者の操舵方向と逆方向にアシストすることになるために、安全性を考慮して、アシスト力の最大値を制限する。また、運転者の操舵方向と同じ方向へのアシストにおいても、同様に、アシスト力の最大値を制限する。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図3は本発明の実施形態の一例を図2に対応させて示しており、電流指令値Iref1は変換部101でラック軸力fに変換され、ラック軸力fは粘弾性モデル追従制御部120に入力される。ラック軸力fはコラム軸トルクと等価であるが、以下の説明では便宜的にラック軸力として説明する。なお、図2に示される構成と同一構成には同一符号を付して説明は省略する。
電流指令値Iref1からラック軸力fへの変換は、下記数1に従って行われる。
Figure 2017171062
ここで、Ktをトルク定数[Nm/A]、Grを減速比、Cfを比ストローク[m/rev.]として、G1=Kt×Gr×(2π/Cf)である。
回転角センサ21からの回転角θはラック位置変換部100に入力され、判定用ラック位置Rxに変換される。判定用ラック位置Rxはラックエンド接近判定部110に入力され、ラックエンド接近判定部110は図4に示すように、判定用ラック位置Rxがラックエンド手前の所定位置x以内にあると判定したときに端当て抑制制御機能を働かせ、ラック変位xを出力すると共に切替信号SWSを出力する。切替信号SWS及びラック変位xは、ラック軸力fと共に粘弾性モデル追従制御部120へ入力され、粘弾性モデル追従制御部120で制御演算されたラック軸力ffは変換部102で電流指令値Iref2に変換され、電流指令値Iref2は加算部103で電流指令値Iref1と加算されて電流指令値Iref3となる。電流指令値Iref3に基づいて、上述したアシスト制御が行われる。
なお、図4に示すラックエンド近接領域を設定する所定位置xは、適宜な位置に設定可能である。また、回転角θをモータに連結された回転角センサ21から得ているが、舵角センサから取得するようにしても良い。
変換部102でのラック軸力ffから電流指令値Iref2への変換は、下記数2に従って行われる。
Figure 2017171062

粘弾性モデル追従制御部120の詳細を、図5又は図6に示す。
図5の実施形態1では、ラック軸力fはフィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部140に入力され、ラック変位xはフィードバック制御部140に入力される。フィードフォワード制御部130からのラック軸力FFは切替部121に入力され、フィードバック制御部140からのラック軸力FBは切替部122に入力される。切替部121及び122は切替信号SWSによってON/OFFされ、切替信号SWSによってOFFされているときは、各出力u及びuはゼロである。切替信号SWSによって切替部121及び122がONされたとき、切替部121からのラック軸力FFがラック軸力uとして出力され、切替部122からのラック軸力FBがラック軸力uとして出力される。切替部121及び122からのラック軸力u及びuが加算部123で加算され、加算値のラック軸力ffが粘弾性モデル追従制御部120から出力される。ラック軸力ffは、変換部102で電流指令値Iref2に変換される。
また、図6の実施形態2では、ラック変位xはフィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部140に入力され、ラック軸力fはフィードバック制御部140に入力される。以下は図5の実施形態1と同様に、フィードフォワード制御部130からのラック軸力FFは切替部121に入力され、フィードバック制御部140からのラック軸力FBは切替部122入力される。切替部121及び122は切替信号SWSによってON/OFFされ、切替信号SWSによってOFFされているときは、各出力u及びuはゼロである。切替信号SWSによって切替部121及び122がONされたとき、切替部121からのラック軸力FFがラック軸力uとして出力され、切替部122からのラック軸力FBがラック軸力uとして出力される。切替部121及び122からのラック軸力u及びuが加算部123で加算され、加算値のラック軸力ffが粘弾性モデル追従制御部120から出力される。ラック軸力ffは変換部102で電流指令値Iref2に変換される。
このような構成において、先ず本発明の動作例全体を図7のフローチャートを参照して、次いで粘弾性モデル追従制御(実施形態1及び2)の動作例を図8のフローチャートを参照して説明する。
スタート段階においては、切替部121及び122は切替信号SWSによってOFFされている。そして、動作がスタートすると先ず、トルク制御部31は操舵トルクTh及び車速Velに基づいて電流指令値Iref1を演算し(ステップS10)、ラック位置変換部100は回転角センサ21からの回転角θを判定用ラック位置Rxに変換する(ステップS11)。ラックエンド接近判定部110は判定用ラック位置Rxに基づいてラックエンド接近か否かを判定し(ステップS12)、ラックエンド接近でない場合には、粘弾性モデル追従制御部120からラック軸力ffは出力されず、電流指令値Iref1に基づく通常の操舵制御が実行され(ステップS13)、終了となるまで継続される(ステップS14)。
一方、ラックエンド接近判定部110でラックエンド接近が判定された場合には、粘弾性モデル追従制御部120による粘弾性モデル追従制御が実行される(ステップS20)。即ち、図8に示すように、ラックエンド接近判定部110から切替信号SWSが出力されると共に(ステップS201)、ラック変位xが出力される(ステップS202)。また、変換部101は、前記数1に従って電流指令値Iref1をラック軸力fに変換する(ステップS203)。図5の実施形態1では、フィードフォワード制御部130はラック軸力fに基づいてフィードフォワード制御を行い(ステップS204)、フィードバック制御部140はラック変位x及びラック軸力fに基づいてフィードバック制御を行う(ステップS205)。また、図6の実施形態2では、フィードフォワード制御部130はラック変位xに基づいてフィードフォワード制御を行い(ステップS204)、フィードバック制御部140はラック変位x及びラック軸力fに基づいてフィードバック制御を行う(ステップS205)。なお、いずれの場合も、フィードフォワード制御及びフィードバック制御の順番は、逆であっても良い。
ラックエンド接近判定部110からの切替信号SWSは切替部121及び122に入力され、切替部121及び122がONされる(ステップS206)。切替部121及び122がONされると、フィードフォワード制御部130からのラック軸力FFがラック軸力uとして出力され、フィードバック制御部140からのラック軸力FBがラック軸力uとして出力される。ラック軸力u及びuは加算部123で加算され(ステップS207)、加算結果としてのラック軸力ffが変換部102で、前記数2に従って電流指令値Iref2に変換される(ステップS208)。
ここで、本発明の粘弾性モデル追従制御部120は、ラックエンド近辺の物理モデルに基づいた制御系となっており、ラックエンド手前の所定角度以内で粘弾性モデル(バネ定数k[N/m]、粘性摩擦係数μ[N/(m/s)])を規範モデル(入力:力、出力:変位で記述された物理モデル)としたモデルフォローイング制御を構成し、ラックエンドに当たることを防止している。
図9はラックエンド近傍の模式図を示しており、質量mと力F,Fの関係は数3である。粘弾性モデルの方程式の算出は、例えば関西大学理工学会誌「理工学と技術」Vol.17(2010)の「弾性膜と粘弾性の力学の基礎」(大場謙吉)に示されている。
Figure 2017171062
そして、ラック変位x、xに対して、k、kをバネ定数とすると、数4〜数6が成立する。
Figure 2017171062
Figure 2017171062
Figure 2017171062
従って、上記数3に上記数4〜数6を代入して数7となる。
Figure 2017171062
上記数7を微分すると、下記数8となり、μ/kを両辺に乗算すると数9となる。
Figure 2017171062
Figure 2017171062
そして、数7と数9を加算すると、数10となる。
Figure 2017171062

数10に上記数4及び数6を代入すると、下記数11となる。
Figure 2017171062
ここで、μ/k=τ,k=E,μ(1/k+1/k)=τδとすると、上記数11は数12となり、ラプラス変換すると数13が成立する。
Figure 2017171062
Figure 2017171062
上記数13をX(s)/F(s)で整理すると、下記数14となる。
Figure 2017171062
数14は入力力fから出力変位xまでの特性を示す3次の物理モデル(伝達関数)となり、バネ定数k=∞のバネとするとτ→0であり、τδ=μ・1/kであるので、2次関数の下記数15が導かれる。
Figure 2017171062

本発明では、数15で表される2次関数を規範モデルGmとして説明する。即ち、数16を規範モデルGmとしている。ここで、μ=μとしている。
Figure 2017171062

次に、電動パワーステアリング装置の実プラント146を下記数17で表わされるPとし、本発明の規範モデル追従型制御を2自由度制御系で設計すると、Pn及びPdを実際のモデルとして図10の構成となる。ブロック143(Cd)は制御要素部を示している。(例えば朝倉書店発行の前田肇、杉江俊治著「アドバンスト制御のためのシステム制御理論」参照)
Figure 2017171062
実プラントPを安定な有理関数の比で表わすために、N及びDを下記数18で表わす。Nの分子はPの分子、Dの分子はPの分母となる。ただし、αは(s+α)=0の極が任意に選択できる。
Figure 2017171062

図10の構成を規範モデルGmに適用すると、x/f=Gmとなるためには、1/Fを下記数19のように設定する必要がある。なお、数19は、数16及び数18より導かれる。
Figure 2017171062
フィードバック制御部のブロックN/Fは下記数20である。
Figure 2017171062
フィードフォワード制御部のブロックD/Fは下記数21である。
Figure 2017171062

2自由度制御系の一例を示す図10において、実プラントPへの入力(ラック軸力若しくはコラム軸トルクに対応する電流指令値)uは、下記数22で表される。
Figure 2017171062
また、実プラントPの出力(ラック変位)xは下記数23である。
Figure 2017171062
数23を整理し、出力xの項を左辺に、fの項を右辺に揃えると、数24が導かれる。
Figure 2017171062
数24を入力fに対する出力xの伝達関数として表わすと、数25となる。ここで、3項目以降ではP=Pn/Pdとして表現している。
Figure 2017171062


実プラントPを正確に表現できたとすれば、Pn=N、Pd=Dとすることができ、入力fに対する出力xの特性は、Pn/F(=N/F)として表わされるので、数26が成立する。
Figure 2017171062
入力fに対して出力xの特性(規範モデル(伝達関数))を、下記数27のようにすると考えるとき、
Figure 2017171062
1/Fを下記数28のようにすることで達成できる。
Figure 2017171062

図10において、フィードフォワード制御系をブロック144→実プラントPの経路で考えると、図11となる。ここで、P=N/Dとすると、図11(A)は図11(B)となり、数20より図11(C)が得られる。図11(C)より、f=(m・s+μ・s+k0)xとなるので、これを逆ラプラス変換すると、下記数29が得られる。
Figure 2017171062

一方、図12に示すようなフィードフォワード制御系の伝達関数ブロックを考えると、下記数30が入力f及び出力xにおいて成立する。
Figure 2017171062
数30を整理すると下記31となり、数31を入力fについて整理すると、数32が得られる。
Figure 2017171062
Figure 2017171062
数32を逆ラプラス変換すると上記数29となり、結果的に図13に示すように2つのフィードフォワード制御部A及びBは等価である。
上記前提を踏まえ、以下に本発明の具体的な構成例を図14及び図15に示して説明する。図14の実施形態3は図5の実施形態1に対応し、ラック軸力fがフィードフォワード制御部130内のフィードフォワード要素144(数21で示されるD/F)及びフィードバック制御部140に入力され、ラック変位xがフィードバック制御部140に入力される。また、図15の実施形態4は図6の実施形態2に対応し、ラック変位xがフィードフォワード制御部130内のバネ定数項131及び粘性摩擦係数項132に入力され、ラック軸力fがフィードバック制御部140に入力される。
図14の実施形態3ではフィードフォワード要素144からのラック軸力FFは切替部121のb1接点に入力される。また、図15の実施形態4では、フィードフォワード制御部130内のバネ定数項131及び粘性摩擦係数項132の出力を減算部133で減算し、減算部133の減算結果であるラック軸力FFが切替部121のb1接点に入力される。切替部121のa1接点には、固定部125から固定値「0」が入力されている。
図14の実施形態3及び図15の実施形態4のいずれにおいても、フィードバック制御部140はフィードバック要素(N/F)141、減算部142、制御要素部143で構成され、フィードバック制御部140からのラック軸力FB、つまり制御要素部143の出力は切替部122のb2接点に入力される。切替部122のa2接点には、固定部126から固定値「0」が入力されている。
図14の実施形態3では、ラック軸力fはフィードフォワード制御部130内のフィードフォワード要素144に入力されると共に、フィードバック制御部140のフィードバック要素(N/F)141に入力される。ラック変位xはフィードバック制御部140の減算部142に減算入力されると共に、パラメータ設定部124に入力される。パラメータ設定部124はラック変位xに対して、例えば図16に示すような特性のバネ定数k及び粘性摩擦係数μを出力し、バネ定数k及び粘性摩擦係数μは、フィードフォワード制御部130内のフィードフォワード要素144及びフィードバック制御部140内のフィードバック要素(N/F)141に入力される。
図15の実施形態4では、ラック変位xはフィードフォワード制御部130内のバネ定数項131及び粘性摩擦係数項132に入力されると共に、フィードバック制御部140の減算部142に入力され、更にパラメータ設定部124に入力される。ラック軸力fはフィードバック制御部140のフィードバック要素(N/F)141に入力される。パラメータ設定部124はラック変位xに対して、上述と同様なバネ定数k及び粘性摩擦係数μを出力し、バネ定数kはバネ定数項131及びフィードバック要素(N/F)141に入力され、粘性摩擦係数μは粘性摩擦係数項132及びフィードバック要素(N/F)141に入力される。
また、切替信号SWSは、実施形態3及び4においていずれも切替部121及び122に入力され、切替部121及び122の接点は通常時はそれぞれ接点a1及びa2に接続されており、切替信号SWSによってそれぞれ接点b1及びb2に切替えられるようになっている。
このような構成において、図15の実施形態4の動作例を図17のフローチャートを参照して説明する。
ラックエンド接近判定部110から切替信号SWSが出力されると共に(ステップS21)、ラック変位xが出力される(ステップS22)。ラック変位xはバネ定数項131、粘性摩擦係数項132、パラメータ設定部124及び減算部142に入力される。パラメータ設定部124は、ラック変位xに応じて図16の特性に従って求められたバネ定数k及び粘性摩擦係数μを、バネ定数項131、粘性摩擦係数項132及びフィードバック要素(N/F)141に設定する(ステップS23)。また、変換部101は電流指令値Iref1をラック軸力fに変換し(ステップS23A)、ラック軸力fはフィードバック要素(N/F)141に入力され、N/F演算される(ステップS24)。N/F演算値は減算部142に加算入力され、ラック変位xが減算され(ステップS24A)、その減算値が制御要素部143でCd演算される(ステップS24B)。制御要素部143から、演算されたラック軸力FBが出力されて切替部122の接点b2に入力される。
フィードフォワード制御部130内の粘性摩擦係数項132は、粘性摩擦係数μに基づいて“(μ−η)・s”の演算を行い(ステップS25)、バネ定数項131にバネ定数kを設定し(ステップS25A)、減算部でバネ定数k及び“(μ−η)・s”の減算を行い(ステップS25B)、演算結果としてラック軸力FFを出力する。ラック軸力FFは切替部121の接点b1に入力される。なお、フィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部140の演算の順番は、逆であっても良い。
ラックエンド接近判定部110からの切替信号SWSは切替部121及び122に入力され、切替部121及び122の各接点がa1からb1へ、a2からb2へ切替えられ、切替部121及び122からのラック軸力u及びuが加算部123で加算され(ステップS26)、加算結果としてのラック軸力ffが変換部102で電流指令値Iref2に変換される(ステップS26A)。電流指令値Iref2は加算部103に入力され、電流指令値Iref1に加算され(ステップS27)、操舵制御が実行され、ステップS14へとつながる。
なお、制御要素部143(Cd)は任意のPID(比例積分微分)制御、PI制御、PD制御の構成のいずれでも良い。また、図14の実施形態3の動作も、ラック軸力f及びラック変位xが入力する部分(要素)が異なるだけで、同様である。さらに、図14の実施形態3及び図15の実施形態4では、フィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部140の両方の制御演算を実行しているが、フィードフォワード制御部130のみの構成でも良く、フィードバック制御部140のみの構成でも良い。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本実施例において、ラック軸力(及びコラム軸トルク)は、ハンドルが右に切られている(以下、「右切操舵」とする)ときは正の値に、ハンドルが左に切られている(以下、「左切操舵」とする)ときは負の値になるように設定されているとする。
まず、本発明の実施例1について説明する。図18は実施例1の構成例を図3に対応させて示しており、図3に示される実施形態に対して制御量制限部150が追加されており、ラックエンド接近判定部110がラックエンド接近判定部210に代わっている。
ラックエンド接近判定部210は、ラック変位x及び切替信号SWの他に、ハンドルの操舵方向を示す方向信号Sdを出力する。ラックエンド接近判定部210に入力される判定用ラック位置Rxに基づいてハンドルの操舵方向を判定し、右切操舵の場合は方向信号Sdを「右切」にして出力し、左切操舵の場合は方向信号Sdを「左切」にして出力する。
制御量制限部150は、粘弾性モデル追従制御部120から出力されるラック軸力ff(制御量)の最大値及び最小値を制限する。制限するためにラック軸力ffに対する上限値及び下限値(以下、上限値及び下限値の総称を「制限値」とする)を設定するが、右切操舵の場合の制限値と左切操舵の場合の制限値をそれぞれ設定する。例えば、右切操舵の場合、上限値(以下、「右切上限値」とする)RU1は下記数33のように所定の値Fx1(例えば2Nm(ニュートンメートル))とし、下限値(以下、「右切下限値」とする)RL1は下記数34のようにシステムの最大出力fmax(正の値)の符号を反転した値から所定の値Fx2(例えば10Nm)を減算した値とする。
Figure 2017171062
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左切操舵の場合は、右切操舵の場合の上限値及び下限値を入れ替えた値を上限値(以下、「左切上限値」とする)LU1及び下限値(以下、「左切下限値」とする)LL1とする。即ち、下記数35及び数36のようになる。
Figure 2017171062
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制御量制限部150はラックエンド接近判定部210から出力される方向信号Sdを入力する。そして、方向信号Sdが「右切」の場合、右切上限値RU1及び右切下限値RL1を用いてラック軸力ffに制限をかけ、方向信号Sdが「左切」の場合、左切上限値LU1及び左切下限値LL1を用いてラック軸力ffに制限をかける。制限されたラック軸力ffはラック軸力ffmとして変換部102に出力される。
このような構成において、実施例1の動作例を、図19及び図20のフローチャートを参照して説明する。
図19に全体の動作例をフローチャートで示しており、図7のフローチャートと比べると、方向信号Sdの出力(ステップS11A)が追加され、通常操舵(ステップS13)及び粘弾性モデル追従制御(ステップS20)に制御量制限部150での処理が加わるので、変更が生じている(ステップS13A、S20A)。
ステップS11Aでは、ラックエンド接近判定部210が、入力された判定用ラック位置Rxに基づいてハンドルの操舵方向を判定し、判定結果(右切、左切)を方向信号Sdとして制御量制限部150に出力する。
粘弾性モデル追従制御(ステップS20A)での動作例を図20のフローチャートで示す。図8のフローチャートと比べると、ステップS207Aが追加されている。ステップS207Aでは、ラックエンド接近判定部210から出力された方向信号Sdに基づいて、粘弾性モデル追従制御部120から出力されたラック軸力ffに制限がかけられる。図21にステップS207Aの詳細な動作例を示す。制御量制限部150は方向信号Sdを入力する(ステップS207B)。そして、方向信号Sdが「右切」の場合(ステップS207C)、ラック軸力ffが右切上限値RU1以上ならば(ステップS207D)、ラック軸力ffの値を右切上限値RU1とし(ステップS207E)、ラック軸力ffが右切下限値RL1以下ならば(ステップS207F)、ラック軸力ffの値を右切下限値RL1とし(ステップS207G)、それ以外ならばラック軸力ffの値は変更しない。方向信号Sdが「左切」の場合(ステップS207C)、ラック軸力ffが左切上限値LU1以上ならば(ステップS207H)、ラック軸力ffの値を左切上限値LU1とし(ステップS207I)、ラック軸力ffが左切下限値LL1以下ならば(ステップS207J)、ラック軸力ffの値を左切下限値LL1とし(ステップS207K)、それ以外ならばラック軸力ffの値は変更しない。制限をかけられたラック軸力ffはラック軸力ffmとして出力され(ステップS207L)、ラック軸力ffmは変換部102で電流指令値Iref2に変換され(ステップS208A)、加算部103で電流指令値Iref1に加算される。
通常操舵(ステップS13A)でも、粘弾性モデル追従制御の場合と同様に、粘弾性モデル追従制御部120から出力されたラック軸力ffに制限がかけられる。しかし、この場合のラック軸力ffの値はゼロであるから、制限されることなく、ラック軸力ffがそのままラック軸力ffmとして出力される。
なお、左切上限値及び左切下限値は右切上限値及び右切下限値を入れ替えた値としているが、違う所定の値を使用する等して、入れ替えた値にしなくても良い。また、右切操舵の場合と左切操舵の場合で同じ制限値を使用しても良く、その場合は、方向信号Sdは不要となるので、ラックエンド接近判定部210でのハンドルの操舵方向の判定及び制御量制限部150での方向信号Sdによる動作の切替えも不要となる。
本発明の実施例2について説明する。
実施例1ではラック軸力ffに対する制限値は固定の値であるが、実施例2では、電流指令値Iref1から変換されたラック軸力fに基づいて設定される。ラック軸力fに基づいて設定することにより、より適切な制限値を設定することができる。
図22に実施例2の構成例を示す。図18に示される実施例1の構成例と比べると、制御量制限部150が制御量制限部250に代わっている。制御量制限部250には、ラック軸力ff及び方向信号Sdの他に、変換部101から出力されるラック軸力fが入力されており、方向信号Sd及びラック軸力fに基づいてラック軸力ffの最大値及び最小値を制限する。具体的には、例えば右切上限値RU2は下記数37のようにラック軸力fに所定の値Fx3(例えば2Nm)を加算した値とし、右切下限値RL2は下記数38のようにラック軸力fの符号を反転した値から所定の値Fx4(例えば10Nm)を減算した値とする。
Figure 2017171062
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左切上限値LU2及び左切下限値LL2は、右切上限値RU2及び右切下限値RL2を入れ替えた、下記数39及び数40のような値とする。
Figure 2017171062
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例えば、ラック軸力fが操舵角に対して図24の破線で示されるように変化する場合、実施例1での制限値は図23に示されるようにラック軸力fによらず一定であるが、実施例2での制限値は図24の実線で示されるように変化する。
このような構成において、実施例2の動作例を図25のフローチャートを参照して説明する。
図25は制御量制限部250の動作例を示すフローチャートであり、図21に示される実施例1の動作例と比べると、粘弾性モデル追従制御部120から出力されたラック軸力ffを制限値と比較する前に、変換部101から出力されたラック軸力fに基づいて各制限値が設定されている。即ち、ラック軸力ffを右切上限値RU2と比較する前に右切上限値RU2が数37により設定され(ステップS207d)、ラック軸力ffを右切下限値RL2と比較する前に右切下限値RL2が数38により設定され(ステップS207f)、ラック軸力ffを左切上限値LU2と比較する前に左切上限値LU2が数39により設定され(ステップS207h)、ラック軸力ffを左切下限値LL2と比較する前に左切下限値LL2が数40により設定される(ステップS207j)。その他の動作は実施例1の動作と同じである。
なお、制限値算出で使用する所定の値Fx3及びFx4として、実施例1で使用する所定の値Fx1及びFx2を使用しても良い。また、実施例1の場合と同様に、左切上限値及び左切下限値は右切上限値及び右切下限値を入れ替えた値ではなく、違う所定の値を使用する等して、入れ替えた値にしなくても良く、右切操舵の場合と左切操舵の場合で同じ制限値を使用しても良い。
本発明の実施例3について説明する。
実施例3では、実施例2と同様に、制限値をラック軸力fに基づいて設定するが、より制御量を制限して安全性を高めるべく、右切下限値及び左切上限値の算出において所定の値の加減算を実施例2とは逆にする。しかし、逆方向のアシスト力を加えないようにするために、右切下限値はゼロを超えず、左切上限値はゼロ未満にならないようにする。
実施例3の構成例は、図22に示される実施例2の構成例と基本的に同じであるが、制御量制限部での動作が異なる。即ち、制御量制限部では、例えば右切上限値RU3は下記数41のようにラック軸力fに所定の値Fx5(例えば2Nm)を加算した値とし、右切下限値RL3は下記数42のようにラック軸力fの符号を反転した値に所定の値Fx6(例えば5Nm)を加算した値とするが、右切下限値RL3がゼロを超えた場合、右切下限値RL3はゼロにする。
Figure 2017171062
Figure 2017171062
左切上限値LU3及び左切下限値LL3は、右切上限値RU3及び右切下限値RL3を入れ替えた、下記数43及び数44のような値とするが、左切上限値LU3がゼロ未満の場合、左切上限値LU3はゼロにする。
Figure 2017171062
Figure 2017171062
例えば、ラック軸力fが操舵角に対して図26の破線で示されるように変化する場合、実施例3での制限値は実線で示されるように変化する。
実施例3の動作は、上述のように制御量制限部での動作が実施例2の動作例と異なるだけで、他は同じである。
なお、制限値算出で使用する所定の値Fx5及びFx6として、実施例1及び/又は実施例2で使用する所定の値を使用しても良い。また、左切上限値及び左切下限値は右切上限値及び右切下限値を入れ替えた値ではなく、違う所定の値を使用する等して、入れ替えた値にしなくても良い。
本発明の実施例4について説明する。
実施例4では、実施例1と実施例2とでの制限値の設定方法を組み合わせて、制限値を設定する。例えば、右切上限値及び左切下限値は実施例1のようにして設定し、右切下限値及び左切上限値は実施例2のようにして設定する。即ち、右切上限値RU4、右切下限値RL4、左切上限値LU4及び左切下限値LL4は、下記数45〜48にように設定される。
Figure 2017171062
Figure 2017171062
Figure 2017171062
Figure 2017171062
例えば、ラック軸力fが操舵角に対して図27の破線で示されるように変化する場合、実施例4での制限値は実線で示されるように変化する。
実施例4の構成例及び動作例は、制御量制限部での動作が上述のように異なるのみで、他は実施例2の構成例及び動作例と同じである。
なお、制限値の設定方法の組み合わせとして、上述とは逆に、右切上限値及び左切下限値は実施例2のようにして設定し、右切下限値及び左切上限値は実施例1のようにして設定しても良い。また、実施例1と実施例3とでの制限値の設定方法を組み合わせても良い。
本発明の実施例5について説明する。
実施例2〜4ではラック軸力fに基づいて制限値を設定しているが、実施例5では、さらに操舵速度により制限値を変更する。これにより、操舵速度が速いときは仮想ラックエンドになるように強く制御し、遅いときは制御量の制限を強くして安全性を高める等、より柔軟な対応を取ることが可能となる。
図28に実施例5の構成例を示す。図22に示される実施例2の構成例と比べると、制御量制限部250が制御量制限部350に代わっており、制御量制限部350には、ラック軸力ff、方向信号Sd及びラック軸力fの他に、操舵速度ωが入力されている。
制御量制限部350は、操舵速度が速いときは、仮想ラックエンドになるように強く制御するために実施例2での設定方法で制限値を設定し、操舵速度が遅いときは、制御量の制限を強くして安全性を高めるために実施例3での設定方法で制限値を設定する。また、設定方法の移行が徐々に行われるように、実施例2及び実施例3での設定方法で設定された各制限値にゲインを乗算し、それらを加算した値を制限値とする。
制御量制限部350の構成例を図29に示す。制御量制限部350は、高操舵時制限値演算部351、低操舵時制限値演算部352、高操舵時ゲイン部353、低操舵時ゲイン部354、制限部355及び加算部356、357で構成されている。
高操舵時制限値演算部351は、方向信号Sd及びラック軸力fを用いて、実施例2での設定方法により上限値UPH及び下限値LWHを算出する。即ち、方向信号Sdが「右切」の場合は、数37で算出される右切上限値RU2(=f+Fx3)を上限値UPHとし、数38で算出される右切下限値RL2(=−f−Fx4)を下限値LWHとする。方向信号Sdが「左切」の場合は、数39で算出される左切上限値LU2(=−f+Fx4)を上限値UPHとし、数40で算出される左切下限値LL2(=f−Fx3)を下限値LWHとする。
低操舵時制限値演算部352は、方向信号Sd及びラック軸力fを用いて、実施例3での設定方法により上限値UPH及び下限値LWHを算出する。即ち、方向信号Sdが「右切」の場合は、数41で算出される右切上限値RU3(=f+Fx5)を上限値UPLとし、数42で算出される右切下限値RL3(=−f+Fx6)を下限値LWLとするが、下限値LWLがゼロを超えた場合、下限値LWLはゼロにする。方向信号Sdが「左切」の場合は、数43で算出される左切上限値LU3(=−f−Fx6)を上限値UPLとし、数44で算出される左切下限値LL3(=f−Fx5)を下限値LWLとするが、上限値UPLがゼロ未満の場合、上限値UPLはゼロにする。
高操舵時ゲイン部353は、操舵速度ωに対して、例えば図30に示されるような特性を有する高操舵時ゲインGHを上限値UPH及び下限値LWHにそれぞれ乗算し、上限値UPHg及び下限値LWHgを算出する。図30に示される高操舵時ゲインGHの特性は、所定の操舵速度ω1までは0%で、所定の操舵速度ω1からω2(ω2>ω1)の間では操舵速度ωに比例して大きくなり、所定の操舵速度ω2を超えると100%となるような特性である。
低操舵時ゲイン部354は、操舵速度ωに対して、例えば図31に示されるような特性を有する低操舵時ゲインGLを上限値UPL及び下限値LWLにそれぞれ乗算し、上限値UPLg及び下限値LWLgを算出する。図31に示される低操舵時ゲインGLの特性は、図30に示される高操舵時ゲインGHの特性の逆の特性となっている。
加算部356は、上限値UPHgとUPLgを加算し、上限値UPを算出する。加算部357は、下限値LWHgとLWLgを加算し、下限値LWを算出する。
制限部355は、上限値UP及び下限値LWを用いて、ラック軸力ffに制限をかける。
このような構成において、実施例5の動作例を図32のフローチャートを参照して説明する。
図32は制御量制限部350の動作例を示すフローチャートであり、実施例5の動作は、制御量制限部350の動作が異なるだけで、他の動作は実施例1〜4の動作と同じである。
ラックエンド接近判定部210から出力された方向信号Sd及び変換部101から出力されたラック軸力fは、高操舵時制限値演算部351及び低操舵時制限値演算部352に入力される(ステップS301)。
高操舵時制限値演算部351は、方向信号Sdが「右切」の場合(ステップS302)、右切上限値RU2を上限値UPHとし、右切下限値RL2を下限値LWHとして出力する(ステップS303)。方向信号Sdが「左切」の場合(ステップS302)、左切上限値LU2を上限値UPHとし、左切下限値LL2を下限値LWHとして出力する(ステップS304)。
低操舵時制限値演算部352は、方向信号Sdが「右切」の場合(ステップS305)、右切上限値RU3を上限値UPLとし、右切下限値RL3を下限値LWLとして出力する(ステップS306)。方向信号Sdが「左切」の場合(ステップS305)、左切上限値LU3を上限値UPLとし、左切下限値LL3を下限値LWLとして出力する(ステップS307)。なお、高操舵時制限値演算部351での動作と低操舵時制限値演算部352での動作の順番は逆でも並行して実行しても良い。
高操舵時ゲイン部353は、上限値UPH、下限値LWH及び操舵速度ωを入力し、図30に示される特性を用いて操舵速度ωに対する高操舵時ゲインGHを求め、上限値UPH及び下限値LWHにそれぞれ乗算し、上限値UPHg(=UPH×GH)及び下限値LWHg(=LWH×GH)を出力する(ステップS308)。
低操舵時ゲイン部354は、上限値UPL、下限値LWL及び操舵速度ωを入力し、図31に示される特性を用いて操舵速度ωに対する低操舵時ゲインGLを求め、上限値UPL及び下限値LWLにそれぞれ乗算し、上限値UPLg(=UPL×GL)及び下限値LWLg(=LWL×GL)を出力する(ステップS309)。なお、高操舵時ゲイン部353での動作と低操舵時ゲイン部354での動作の順番は逆でも並行して実行しても良い。
上限値UPHg及びUPLgは加算部356に入力され、加算結果が上限値UPとして出力される(ステップS310)。下限値LWHg及びLWLgは加算部357に入力され、加算結果が下限値LWとして出力される(ステップS311)。
上限値UP及び下限値LWは、粘弾性モデル追従制御部から出力されたラック軸力ffと共に、制限部355に入力される。制限部355は、ラック軸力ffが上限値UP以上ならば(ステップS312)、ラック軸力ffの値を上限値UPとし(ステップS313)、ラック軸力ffが下限値LW以下ならば(ステップS314)、ラック軸力ffの値を下限値LWとし(ステップS315)、それ以外ならばラック軸力ffの値を変更しない。制限をかけられたラック軸力ffはラック軸力ffmとして出力される(ステップS316)。
なお、高操舵時ゲインGH及び低操舵時ゲインGLの操舵速度ω1とω2の間の特性は、図30及び図31に示されるような直線的な特性に限られず、高操舵時ゲインGHと低操舵時ゲインGLの和が100%となるならば、曲線的な特性でも良い。また、高操舵時制限値演算部351及び/又は低操舵時制限値演算部352において実施例1での設定方法で制限値を設定しても良い。この場合、操舵速度が速いときは仮想ラックエンドになるように強く制御し、遅いときは制御量の制限を強くして安全性を高めるように、上限値及び下限値を調整する。
本発明の実施例6について説明する。
実施例5では操舵速度により制限値を変更しているが、実施例6では車速により制限値を変更する。例えば、停車を含む極低速走行時は仮想ラックエンドになるように強く制御し、低速走行を超えるようになるにつれて、制限値を徐々に変化させていく。
図33に実施例6の構成例を示す。図28に示される実施例5の構成例に比べると、制御量制限部350が制御量制限部450に代わっており、制御量制限部450には、操舵速度ωの代わりに車速Velが入力されている。
制御量制限部450は、車速が低速のときは、仮想ラックエンドになるように強く制御するために実施例2での設定方法で制限値を設定し、車速が高速になると実施例3での設定方法で制限値を設定する。そして、実施例5と同様に、設定方法の移行が徐々に行われるように、実施例2及び実施例3での設定方法で設定された各制限値にゲインを乗算し、それらを加算した値を制限値とする。
制御量制限部450の構成例を図34に示す。制御量制限部450は、高速時制限値演算部451、低速時制限値演算部452、高速時ゲイン部453、低速時ゲイン部454、制限部355及び加算部356、357で構成されている。制限部355及び加算部356、357は、実施例5と同様の構成で同様の動作をするので、説明は省略する。
高速時制限値演算部451は、実施例5での低操舵時制限値演算部352と同様に、方向信号Sd及びラック軸力fを用いて、実施例3での設定方法により上限値UpH及び下限値LwHを算出する。
低速時制限値演算部452は、実施例5での高操舵時制限値演算部351と同様に、方向信号Sd及びラック軸力fを用いて、実施例2での設定方法により上限値UpL及び下限値LwLを算出する。
高速時ゲイン部453は、車速Velに対して、例えば図35に示されるような特性を有する高速時ゲインgHを上限値UpH及び下限値LwHにそれぞれ乗算し、上限値UpHg及び下限値LwHgを算出する。図35に示される高速時ゲインgHの特性は、所定の車速Vel1までは0%で、所定の車速Vel1からVel2(Vel2>Vel1)の間では車速Velに比例して大きくなり、所定の車速Vel2を超えると100%となるような特性である。
低速時ゲイン部454は、車速Velに対して、例えば図36に示されるような特性を有する低速時ゲインgLを上限値UpL及び下限値LwLにそれぞれ乗算し、上限値UpLg及び下限値LwLgを算出する。図36に示される低速時ゲインgLの特性は、図35に示される高速時ゲインgHの特性の逆の特性となっている。
このような構成において、実施例6の動作例を図37のフローチャートを参照して説明する。
図37は制御量制限部450の動作例を示すフローチャートであり、実施例6の動作は、制御量制限部450の動作が異なるだけで、他の動作は実施例5の動作と同じである。
方向信号Sd及びラック軸力fは、高速時制限値演算部451及び低速時制限値演算部452に入力される(ステップS301A)。
高速時制限値演算部451は、方向信号Sdが「右切」の場合(ステップS302A)、右切上限値RU3を上限値UpHとし、右切下限値RL3を下限値LwHとして出力する(ステップS303A)。方向信号Sdが「左切」の場合(ステップS302A)、左切上限値LU3を上限値UpHとし、左切下限値LL3を下限値LwHとして出力する(ステップS304A)。
低速時制限値演算部452は、方向信号Sdが「右切」の場合(ステップS305A)、右切上限値RU2を上限値UpLとし、右切下限値RL2を下限値LwLとして出力する(ステップS306A)。方向信号Sdが「左切」の場合(ステップS305A)、左切上限値LU2を上限値UpLとし、左切下限値LL2を下限値LwLとして出力する(ステップS307A)。なお、高速時制限値演算部451での動作と低速時制限値演算部452での動作の順番は逆でも並行して実行しても良い。
高速時ゲイン部453は、上限値UpH、下限値LwH及び車速Velを入力し、図35に示される特性を用いて車速Velに対する高速時ゲインgHを求め、上限値UpH及び下限値LwHにそれぞれ乗算し、上限値UpHg(=UpH×gH)及び下限値LwHg(=LwH×gH)を出力する(ステップS308A)。
低速時ゲイン部454は、上限値UpL、下限値LwL及び車速Velを入力し、図36に示される特性を用いて車速Velに対する低速時ゲインgLを求め、上限値UpL及び下限値LwLにそれぞれ乗算し、上限値UpLg(=UpL×gL)及び下限値LwLg(=LwL×gL)を出力する(ステップS309A)。なお、高速時ゲイン部453での動作と低速時ゲイン部454での動作の順番は逆でも並行して実行しても良い。
その後は、実施例5での動作と同様に、上限値UpHg、UpLg及び下限値LwHg、LwLgから加算部356、357を介して上限値Up及び下限値Lwを算出し(ステップS310、S311)、上限値Up、下限値Lw及びラック軸力ffから制限部355を介してラック軸力ffを出力する(ステップS312〜S316)。
なお、高速時ゲインgH及び低速時ゲインgLの車速Vel1とVel2の間の特性は、図35及び図36に示されるような直線的な特性に限られず、高速時ゲインgHと低速時ゲインgLの和が100%となるならば、曲線的な特性でも良い。また、高速時制限値演算部451及び/又は低速時制限値演算部452において実施例1での設定方法で制限値を設定しても良い。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
13 バッテリ
14 舵角センサ
20 モータ
21 回転角センサ
30 コントロールユニット(ECU)
31 トルク制御部
35 電流制御部
36 PWM制御部
100 ラック位置変換部
110、210 ラックエンド接近判定部
120 粘弾性モデル追従制御部
121、122 切替部
124 パラメータ設定部
130 フィードフォワード制御部
140 フィードバック制御部
150、250、350、450 制御量制限部
351 高操舵時制限値演算部
352 低操舵時制限値演算部
353 高操舵時ゲイン部
354 低操舵時ゲイン部
355 制限部
451 高速時制限値演算部
452 低速時制限値演算部
453 高速時ゲイン部
454 低速時ゲイン部

Claims (15)

  1. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    ラックエンド手前の所定角度の範囲内で粘弾性モデルを規範モデルとしたモデルフォローイング制御の構成とし、
    前記モデルフォローイング制御での制御量の範囲を制限し、トルク及び推力伝達機構の破損を抑制するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記モデルフォローイング制御の構成がフィードバック制御部である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記モデルフォローイング制御の構成がフィードフォワード制御部である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記モデルフォローイング制御の構成がフィードバック制御部及びフィードフォワード制御部である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記規範モデルのパラメータをラック変位に基づいて可変する請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値1を演算し、前記電流指令値1に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記電流指令値1をラック軸力若しくはコラム軸トルク1に変換する第1の変換部と、
    前記モータの回転角から判定用ラック位置に変換するラック位置変換部と、
    前記判定用ラック位置に基づいてラックエンドに接近したことを判定し、ラック変位及び切替信号を出力するラックエンド接近判定部と、
    前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク1、前記ラック変位及び前記切替信号に基づいて、粘弾性モデルを規範モデルとしたラック軸力若しくはコラム軸トルク2を生成する粘弾性モデル追従制御部と、
    前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク2に対して上限値及び下限値を設定し、前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク2を制限する制御量制限部と、
    前記制限されたラック軸力若しくはコラム軸トルク2を電流指令値2に変換する第2の変換部と、
    を具備し、前記電流指令値2を前記電流指令値1に加算して前記アシスト制御を行い、トルク及び推力伝達機構の破損を抑制するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  7. 前記粘弾性モデル追従制御部が、
    前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク1に基づいてフィードフォワード制御してラック軸力若しくはコラム軸トルク3を出力するフィードフォワード制御部と、
    前記ラック変位及び前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク1に基づいてフィードバック制御してラック軸力若しくはコラム軸トルク4を出力するフィードバック制御部と、
    前記切替信号により前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク3の出力をON/OFFする第1の切替部と、
    前記切替信号により前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク4の出力をON/OFFする第2の切替部と、
    前記第1及び第2の切替部の出力を加算して前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク2を出力する加算部とで構成されている請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記粘弾性モデル追従制御部が、
    前記ラック変位に基づいてフィードフォワード制御してラック軸力若しくはコラム軸トルク3を出力するフィードフォワード制御部と、
    前記ラック変位及び前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク1に基づいてフィードバック制御してラック軸力若しくはコラム軸トルク4を出力するフィードバック制御部と、
    前記切替信号により前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク3の出力をON/OFFする第1の切替部と、
    前記切替信号により前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク4の出力をON/OFFする第2の切替部と、
    前記第1及び第2の切替部の出力を加算して前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク2を出力する加算部とで構成されている請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記ラック変位によって、前記フィードバック制御部及びフィードフォワード制御部のパラメータを変更する請求項7又は8に記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 前記上限値及び下限値を操舵方向に応じて設定する請求項6乃至9のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  11. 前記上限値及び下限値を前記ラック軸力若しくはコラム軸トルク1に基づいて設定する請求項6乃至10のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  12. 前記上限値及び下限値を操舵速度により変更する請求項6乃至11のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  13. 前記操舵速度による変更では、前記操舵速度の変化に対して前記上限値及び下限値が徐々に変化する請求項12に記載の電動パワーステアリング装置。
  14. 前記上限値及び下限値を車速により変更する請求項6乃至11のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  15. 前記車速による変更では、前記車速の変化に対して前記上限値及び下限値が徐々に変化する請求項14に記載の電動パワーステアリング装置。
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