JP2017165268A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】物理モデルに基づいた制御系を構成し、規範モデルに制御対象の出力が追従するようなモデルフォローイング制御を構成し、トルク及び推力伝達機構の破損を抑制し、モデルパラメータ、制御パラメータを可変し、入力の制限により破損を抑制した電動パワーステアリング装置を提供する。【解決手段】ラックエンド手前の所定角度の範囲内で粘弾性モデルを規範モデルとした、FB制御部で成るモデルフォローイング制御の構成であり、FB制御部が入力側ラック軸力に基づいて目標ラック変位を演算するFB要素と、目標ラック変位及びラック変位の位置偏差に基づいて出力側ラック軸力を出力する制御要素部とで構成され、FB要素及び制御要素部の少なくとも一方のパラメータを可変して設定する補正部と、操舵トルク及び電流指令値に基づいてラック軸力を演算する軸力演算部と、ラック軸力の最大値を制限値により制限して出力するリミッタとを具備する。【選択図】図17

Description

本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、電流指令値によってモータを駆動し、車両の操舵系にアシスト力を付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特に粘弾性モデルを規範モデルとし、ラックエンド近傍で電流指令値を絞ることによりアシストトルクを減少させ、端当て時の勢いを減衰させ、ラック軸力(SAT)、ラック変位に基づいて規範モデルのモデルパラメータ、制御系(フィードバック制御部)の制御パラメータを可変させ、入力の制限によりトルク及び推力伝達機構の破損を抑制し、安全性を向上し、かつ、あらゆる路面状況にも対応可能な高性能な電動パワーステアリング装置に関する。
車両の操舵系にモータの回転力でアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置(EPS)は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸にアシスト力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシスト力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいて、アシストマップを用いてアシスト指令の電流指令値の演算を行い、演算された電流指令値に補償等を施した電圧制御値Vrefによってモータ20に供給する電流を制御する。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VelはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
このような電動パワーステアリング装置において、コントロールユニット30は主としてCPU(MPUやMCUを含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと、例えば図2に示されるような構成となっている。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10からの操舵トルクTh及び車速センサ12からの車速Velは電流指令値を演算するトルク制御部31に入力され、演算された電流指令値Iref1は減算部32Bに入力され、モータ電流検出値Imと減算される。減算部32Bでの減算結果である偏差I(=Iref1−Im)はPI制御等の電流制御部35で制御され、電流制御された電圧制御値VrefがPWM制御部36に入力されてデューティを演算され、PWM信号でインバータ37を介してモータ20をPWM駆動する。モータ20のモータ電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bに入力されてフィードバックされる。モータ20にはレゾルバ等の回転角センサ21が連結されており、回転角θが検出されて出力される。
このような電動パワーステアリング装置では、操舵系の最大舵角(ラックエンド)の近傍で大きなアシストトルクがモータにより付加されると、操舵系が最大舵角に至った時点で大きな衝撃が生じ、トルク及び推力伝達機構に過大な負荷がかかり、耐久性を劣化させる可能性がある。
そのため、特公平6−4417号公報(特許文献1)には、操舵系の操舵角が最大操舵角より所定値手前になったことを判定する操舵角判定手段を備えると共に、操舵角が最大操舵角より所定値手前になったときにモータへ供給する電力を減少させて、アシストトルクを減少させる補正手段を備えた電動式パワーステアリング装置が開示されている。
また、特許第4115156号公報(特許文献2)には、調節機構が端位置に近づいているかどうかを決定し、調節機構が端位置に近づいていることがわかった場合、ステアリング補助を減少するように駆動手段を制御し、調節機構が端位置に近付く速度を決定するため、位置センサによって決定された調節速度が評価される電動パワーステアリング装置が示されている。
特公平6−4417号公報 特許第4115156号公報
しかしながら、特許文献1に開示された電動式パワーステアリング装置では、操舵角が最大操舵角より所定値手前になったことで電力を減少させており、操舵速度等を全く考慮していないので、微細な電流低減制御ができない。また、モータのアシストトルクを減少させる特性が全く示されておらず、具体的な構成となっていない。
また、特許文献2に開示された電動パワーステアリング装置では、アシスト量を終端に向かうに従って減少していくが、終端に近づく速度に応じてアシスト量低減の速さを調整し、終端での速度を十分に落とすようにしている。しかし、特許文献2では、速度に応じて低減する特性を変化させることのみを示しており、物理的なモデルには基づいていない。また、フィードバック制御していないため、路面状況(負荷状態)によっては特性或いは結果が変化する恐れがある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、物理モデルに基づいた制御系を構成し、規範モデルに制御対象の出力(ラックエンドまでの距離)が追従するようなモデルフォローイング制御を構成し、トルク及び推力伝達機構の破損を抑制し、安全性を更に向上させると共に、フィードバック(FB)制御部のモデルパラメータ、制御パラメータを可変とし、入力制限によりトルク及び推力伝達機構の破損を抑制した高性能な電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、ラックエンド手前の所定角度xの範囲内で粘弾性モデルを規範モデルとした、フィードバック制御部で成るモデルフォローイング制御の構成であり、前記フィードバック制御部が入力側ラック軸力fに基づいて目標ラック変位を演算するフィードバック要素と、前記目標ラック変位及びラック変位xの位置偏差に基づいて出力側ラック軸力ffを出力する制御要素部とで構成され、前記フィードバック要素及び前記制御要素部の少なくとも一方のパラメータを可変して設定する補正部と、前記操舵トルク及び前記電流指令値に基づいてラック軸力f4を演算する軸力演算部と、前記ラック軸力f4の最大値を制限値により制限して前記入力側ラック軸力fを出力するリミッタとを具備ことにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記制限値が可変になっていることにより、或いは前記制限値の可変を、所定角度xになった時の初期ラック軸力Fzに応じて行うようになっていることにより、或いは前記制限値が前記初期ラック軸力Fzに応じて線形若しくは非線形で増加する特性であることにより、或いは前記制限値が前記初期ラック軸力Fzに応じて線形若しくは非線形で減少する特性であることにより、或いは前記ラック軸力の演算に、慣性成分及び摩擦成分が除去されていることにより、より効果的に達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、物理モデルに基づいた制御系を構成しているので、定数設計に見通しが立て易くなり、規範モデルに制御対象の出力(ラックエンドまでの距離)が追従するようなモデルフォローイング制御を構成しているので、負荷状態(外乱)や制御対象の変動にロバスト(頑健)なトルク及び推力伝達機構の保護が可能となる利点がある。
更に、本発明の電動パワーステアリング装置によれば、規範モデルのモデルパラメータ及び制御要素のパラメータをラック軸力、ラック変位に基づいて可変しているので制御性が一層向上し、また、ラック軸力の入力を制限しているので衝撃を抑制することができ、あらゆる路面状況に応じた対応が可能となる利点がある。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の構成例を示すブロック図である。 ラック位置変換部の特性例を示す図である。 粘弾性モデル追従制御部の構成例(実施形態1)を示すブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の構成例(実施形態2)を示すブロック図である。 本発明の動作例(全体)を示すフローチャートである。 粘弾性モデル追従制御部の動作例を示すフローチャートである。 粘弾性モデルの模式図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細原理を説明するためのブロック図である。 粘弾性モデル追従制御部の詳細な構成例(実施形態3)を示すブロック図である。 ラック位置によって規範モデルのパラメータを変更する例を示す図である。 走行状態による反力(ラック軸力)の特性例を示す特性図である。 本発明の第1実施例を示すブロック構成図である。 リミッタの特性例を示す特性図である。 制御パラメータ設定部の特性例を示す特性図である。 本発明の第1実施例の動作例を示すフローチャートである。 フィードバック制御の動作例を示すフローチャートである。 本発明の効果を説明する特性図である。 本発明の第2実施例を示すブロック構成図である。 制限値の変化例(増加)を示す特性図である。 制限値の変化例(減少)を示す特性図である。 本発明の第3実施例を示すブロック構成図である。
本発明は、ラックエンド近傍の物理モデルに基づいた制御系を構成し、粘弾性モデル(バネ定数、粘性摩擦係数)を規範モデルとし、その規範モデルに制御対象の出力(ラックエンドまでの距離)が追従するようなモデルフォローイング制御を構成し、トルク及び推力伝達機構の破損を抑制し、安全性を更に向上させると共に、フィードバック(FB)制御部のモデルパラメータ、制御パラメータを可変とし、入力制限によりトルク及び推力伝達機構の破損を抑制した高性能な電動パワーステアリング装置である。
モデルフォローイング制御は粘弾性モデル追従制御部で構成し、粘弾性モデル追従制御部をフィードフォワード制御部若しくはフィードバック制御部或いはその両者で構成し、ラックエンド手前の所定角度外では通常のアシスト制御を行い、ラックエンド手前の所定角度内でモデルフォローイング制御を行い、ラックエンドに当たることを防止する。
更に本発明では、モデルフォローイング制御の粘弾性モデルのモデルパラメータ及び制御要素に対する制御パラメータ(フィードバック制御部の制御ゲイン)を所定角度内で可変すると共に、ラック軸力の最大入力を制限する。例えば、開始舵角付近では、粘弾性モデルのバネ項を小さく、制御ゲインを低くし、ラックエンドに近づくにつれて大きく設定する。また、所定角度範囲内に入ったときのラック軸力が小さいほどバネ項を大きくし、制御ゲインを大きく設定する。このようにすることで、開始舵角付近の制御量が小さく、所定範囲内外でのアシスト量の変化量が小さくなる。これにより、運転者はアシスト量の変化による反力違和感を感じないようにできる。また、ラックエンドに近い領域では制御ゲインを大きく設定し、制御量を大きくすることができるため、ラックエンドに到達することを防止できる。
また、路面状態(アスファルト、濡れた路面、氷上、雪上等)により、所定角度範囲のラック軸力が変化する。路面の摩擦係数が小さい場合(氷上、雪上)ではラック軸力が小さく、アスファルトでは路面摩擦係数が大きくラック軸力が大きい。モデルパラメータ、制御パラメータ(ゲイン)をアスファルトで適切に設定した場合、氷上、雪上などでは適切ではなくなる可能性がある。摩擦係数が小さい場合は、ラックエンドに向けて大きなアシスト力を発生できる余裕量が大きく、舵角が大きく進み、ラックエンドに到達する可能性が高くなる。所定角度範囲に入った時点でのラック軸力が小さいほど、粘弾性モデルのバネ定数を大きくし、制御ゲインを高くすることで、舵角進み角度を小さくすることが望まれる。そこで、本発明では、ラック軸力が小さいほど、バネ定数が大きく制御ゲインを高くすることのできる補正部を設けると共に、ラック軸力の最大入力を制限値により制限して、衝撃の抑制を図っている。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
先ず、本発明の前提となるモデルフォローイング制御について、図2に対応させて示す図3を説明する。
図3に示すモデルフォローイング制御では、電流指令値Iref1は変換部101でラック軸力fに変換され、ラック軸力fは粘弾性モデル追従制御部120に入力される。ラック軸力fはコラム軸トルクと等価であるが、以下の説明では便宜的にラック軸力として説明する。
電流指令値Iref1からラック軸力fへの変換は、下記数1に従って行われる。
Figure 2017165268
ここで、Ktをトルク定数[Nm/A]、Grを減速比、Cfを比ストローク[m/rev.]として、G1=Kt×Gr×(2π/Cf)である。

回転角センサ21からの回転角θはラック位置変換部100に入力され、判定用ラック位置Rxに変換される。判定用ラック位置Rxはラックエンド接近判定部110に入力され、ラックエンド接近判定部110は図4に示すように、判定用ラック位置Rxがラックエンド手前の所定位置x以内にあると判定したときに端当て抑制制御機能を働かせ、ラック変位xを出力すると共に切替信号SWSを出力する。切替信号SWS及びラック変位xは、ラック軸力fと共に粘弾性モデル追従制御部120へ入力され、粘弾性モデル追従制御部120で制御演算されたラック軸力ffは変換部102で電流指令値Iref2に変換され、電流指令値Iref2は加算部103で電流指令値Iref1と加算されて電流指令値Iref3となる。電流指令値Iref3に基づいて、上述したアシスト制御が行われる。
なお、図4に示すラックエンド近接領域を設定する所定位置xは、適宜な位置に設定可能である。
変換部102でのラック軸力ffから電流指令値Iref2への変換は、下記数2に従って行われる。
Figure 2017165268

粘弾性モデル追従制御部120の詳細は、図5又は図6に示される。
図5の実施形態1では、ラック軸力fはフィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部140に入力され、ラック変位xはフィードバック制御部140に入力される。フィードフォワード制御部130からのラック軸力FFは切替部121に入力され、フィードバック制御部140からのラック軸力FBは切替部122入力される。切替部121及び122は切替信号SWSによってON/OFFされ、切替信号SWSによってOFFされているときは、各出力u及びuはゼロである。切替信号SWSによって切替部121及び122がONされたとき、切替部121からのラック軸力FFがラック軸力uとして出力され、切替部122からのラック軸力FBがラック軸力uとして出力される。切替部121及び122からのラック軸力u及びuが加算部123で加算され、加算値のラック軸力ffが粘弾性モデル追従制御部120から出力される。ラック軸力ffは、変換部102で電流指令値Iref2に変換される。
また、図6の実施形態2では、ラック変位xはフィードフォワード制御部130及びフィードバック制御部140に入力され、ラック軸力fはフィードバック制御部140に入力される。以下は図5の実施形態1と同様に、フィードフォワード制御部130からのラック軸力FFは切替部121に入力され、フィードバック制御部140からのラック軸力FBは切替部122入力される。切替部121及び122は切替信号SWSによってON/OFFされ、切替信号SWSによってOFFされているときは、各出力u及びuはゼロである。切替信号SWSによって切替部121及び122がONされたとき、切替部121からのラック軸力FFがラック軸力uとして出力され、切替部122からのラック軸力FBがラック軸力uとして出力される。切替部121及び122からのラック軸力u及びuが加算部123で加算され、加算値のラック軸力ffが粘弾性モデル追従制御部120から出力される。ラック軸力ffは変換部102で電流指令値Iref2に変換される。
このような構成において、先ずその動作例全体を図7のフローチャートを参照して、次いで粘弾性モデル追従制御(実施形態1及び2)の動作例を図8のフローチャートを参照して説明する。
スタート段階においては、実施形態1及び2の切替部121及び122はいずれも、ラックエンド接近判定部110からの切替信号SWSによってOFFされている。そして、動作がスタートすると先ず、トルク制御部31は操舵トルクTh及び車速Velに基づいて電流指令値Iref1を演算し(ステップS10)、ラック位置変換部100は回転角センサ21からの回転角θを判定用ラック位置Rxに変換する(ステップS11)。ラックエンド接近判定部110は判定用ラック位置Rxに基づいてラックエンド接近か否かを判定し(ステップS12)、ラックエンド接近でない場合には、粘弾性モデル追従制御部120からラック軸力ffは出力されず、電流指令値Iref1に基づく通常の操舵制御が実行され(ステップS13)、終了となるまで継続される(ステップS14)。
一方、ラックエンド接近判定部110でラックエンド接近が判定された場合には、粘弾性モデル追従制御部120による粘弾性モデル追従制御が実行される(ステップS20)。即ち、図8に示すように、ラックエンド接近判定部110から切替信号SWSが出力されると共に(ステップS201)、ラック変位xが出力される(ステップS202)。また、変換部101は、前記数1に従って電流指令値Iref1をラック軸力fに変換する(ステップS203)。図5の実施形態1では、フィードフォワード制御部130はラック軸力fに基づいてフィードフォワード制御を行い(ステップS204)、フィードバック制御部140はラック変位x及びラック軸力fに基づいてフィードバック制御を行う(ステップS205)。また、図6の実施形態2では、フィードフォワード制御部130はラック変位xに基づいてフィードフォワード制御を行い(ステップS204)、フィードバック制御部140はラック変位x及びラック軸力fに基づいてフィードバック制御を行う(ステップS205)。なお、いずれの場合も、フィードフォワード制御及びフィードバック制御の順番は、逆であっても良い。
ラックエンド接近判定部110からの切替信号SWSは切替部121及び122に入力され、切替部121及び122がONされる(ステップS206)。切替部121及び122がONされると、フィードフォワード制御部130からのラック軸力FFがラック軸力uとして出力され、フィードバック制御部140からのラック軸力FBがラック軸力uとして出力される。ラック軸力u及びuは加算部123で加算され(ステップS207)、加算結果としてのラック軸力ffが変換部102で、前記数2に従って電流指令値Iref2に変換される(ステップS208)。
ここで、本発明の粘弾性モデル追従制御部120は、ラックエンド近辺の物理モデルに基づいた制御系となっており、ラックエンド手前の所定角度以内で粘弾性モデル(バネ定数k[N/m]、粘性摩擦係数μ[N/(m/s)])を規範モデル(入力:力、出力:変位で記述された物理モデル)としたモデルフォローイング制御を構成し、ラックエンドに当たることを防止している。
図9はラックエンド近傍の模式図を示しており、質量mと力Fo,F1の関係は数3である。粘弾性モデルの方程式の算出は、例えば関西大学理工学会誌「理工学と技術」Vol.17(2010)の「弾性膜と粘弾性の力学の基礎」(大場謙吉)に示されている。
Figure 2017165268
そして、ラック変位x、xに対して、k、kをバネ定数とすると、数4〜数6が成立する。
Figure 2017165268
Figure 2017165268
Figure 2017165268
従って、上記数3に上記数4〜数6を代入して数7となる。
Figure 2017165268
上記数7を微分すると、下記数8となり、μ/kを両辺に乗算すると数9となる。
Figure 2017165268
Figure 2017165268
そして、数7と数9を加算すると、数10となる。
Figure 2017165268


数10に上記数4及び数6を代入すると、下記数11となる。
Figure 2017165268
ここで、μ/k=τ,k=E,μ(1/k+1/k)=τδとすると、上記数11は数12となり、ラプラス変換すると数13が成立する。
Figure 2017165268
Figure 2017165268
上記数13をX(s)/F(s)で整理すると、下記数14となる。
Figure 2017165268
数14は入力力fから出力変位xまでの特性を示す3次の物理モデル(伝達関数)となり、バネ定数k=∞のバネとするとτe→0であり、τδ=μ・1/kであるので、2次関数の下記数15が導かれる。
Figure 2017165268

本発明では、数15で表される2次関数を規範モデルGmとして説明する。即ち、数16を規範モデルGmとしている。ここで、μ=μとしている。
Figure 2017165268

次に、電動パワーステアリング装置の実プラント146を下記数17で表わされるPとし、本発明の規範モデル追従型制御を2自由度制御系で設計すると、Pn及びPdを実際のモデルとして図10の構成となる。ブロック143(Cd)は、PID,PI,PD等の制御要素部を示している。(例えば朝倉書店発行の前田肇、杉江俊治著「アドバンスト制御のためのシステム制御理論」参照)
Figure 2017165268
実プラントPを安定な有理関数の比で表わすために、N及びDを下記数18で表わす。Nの分子はPの分子、Dの分子はPの分母となる。ただし、αは(s+α)=0の極が任意に選択できる。
Figure 2017165268

図10の構成を規範モデルGmに適用すると、x/f=Gmとなるためには、1/Fを下記数19のように設定する必要がある。なお、数19は、数16及び数18より導かれる。
Figure 2017165268
フィードバック制御部のブロックN/Fは下記数20である。
Figure 2017165268
フィードフォワード制御部のブロックD/Fは下記数21である。
Figure 2017165268

2自由度制御系の一例を示す図10において、実プラントPへの入力(ラック軸力若しくはコラム軸トルクに対応する電流指令値)uは、下記数22で表される。
Figure 2017165268
また、実プラントPの出力(ラック変位)xは下記数23である。
Figure 2017165268
数23を整理し、出力xの項と左辺fの項を右辺に揃えると、数24が導かれる。
Figure 2017165268
数24を入力fに対する出力xの伝達関数として表わすと、数25となる。ここで、3項目以降ではP=Pn/Pdとして表現している。
Figure 2017165268

実プラントPを正確に表現できたとすれば、Pn=N、Pd=Dとすることができ、入力fに対する出力xの特性は、Pn/F(=N/F)として表わされるので、数26が成立する。
Figure 2017165268
入力fに対して出力xの特性(規範モデル(伝達関数))を、下記数27のようにすると考えるとき、
Figure 2017165268
1/Fを下記数28のようにすることで達成できる。
Figure 2017165268

図10において、フィードフォワード制御系をブロック144→実プラントPの経路で考えると、図11となる。ここで、P=N/Dとすると、図11(A)は図11(B)となり、数20より図11(C)が得られる。図11(C)より、f=(m・s+μ・s+k0)xとなるので、これを逆ラプラス変換すると、下記数29が得られる。
Figure 2017165268

一方、図12に示すようなフィードフォワード制御系の伝達関数ブロックを考えると、下記数30が入力f及び出力xにおいて成立する。
Figure 2017165268
数30を整理すると下記31となり、数31を入力fについて整理すると、数32が得られる。
Figure 2017165268
Figure 2017165268
数32を逆ラプラス変換すると上記数29となり、結果的に図13に示すように2つのフィードフォワード制御部A及びBは等価である。
上記前提を踏まえると、フィードフォワード制御部130がなくても動作上に支障はなく、この場合の粘性モデル追従制御部120の構成は図14となる(実施形態3)。即ち、フィードバック制御部140は、バネ定数k、粘性摩擦係数μをパラメータとして、ラック軸力fに基づいて目標ラック変位(目標舵角)を演算するフィードバック要素(N/F)141と、目標ラック変位及びラック変位xの位置偏差を求める減算部142と、位置偏差に基づいてラック軸力FBを制御処理するPID、PI等で成る制御要素部143とで構成され、フィードバック制御部140からのラック軸力FB、つまり制御要素部143の出力は切替部122のb2接点に入力される。切替部122のa2接点には、固定部126から固定値「0」が入力されている。そして、ラック軸力fがフィードバック要素141に入力され、ラック変位xがフィードバック制御部140内の減算部142に減算入力されると共に、パラメータ設定部124に入力される。パラメータ設定部124はラック変位xに対して、図15に示すような特性でバネ定数k及び粘性摩擦係数μを出力し、バネ定数k及び粘性摩擦係数μはフィードバック要素141に入力される。切替部122の接点は、ラックエンド接近判定部120からの切替信号SWSによって接点a2と接点b2を切替えられる。
本発明は上記実施形態3における規範モデルのモデルパラメータ(フィードバック要素141)又は制御要素部の制御パラメータ或いは両者のパラメータを、ラック軸力(SAT)f、ラック変位xに基づいて可変させると共に、入力側ラック軸力fのフィードバック要素141への入力を、制限値(可変)の設定により制限している。
即ち、ラックエンド手前の所定角度の範囲内で、粘弾性モデルを規範モデルとしたモデルフォローイング制御の構成をとり、その粘弾性モデルのモデルパラメータ及び制御パラメータ(制御ゲイン)を所定角度内で可変とする。さらに加えて、所定角度範囲内に入ったときのラック軸力に応じてモデルパラメータ及び制御パラメータを可変とする。例えば、開始舵角付近では、粘弾性モデルのバネ項を小さく、制御ゲインを低くし、ラックエンドに近づくに従って大きく設定する。また、所定角度範囲内に入ったときのラック軸力が小さいほどバネ項を大きく、制御ゲインを大きく設定する。このようにすることで、開始舵角付近の制御量が小さく、所定範囲内外でのアシスト量の変化量が小さく、結果、運転者はアシスト量変化による反力違和感を感じないようにできる。また、ラックエンドに近い領域では制御ゲインを大きく設定し、制御量を大きくすることができるため、ラックエンドに到達することを防止できる。
更に、路面状態(アスファルト、濡れた路面、氷上、雪上)により、所定角度範囲のラック軸力が変化する。路面の摩擦係数が小さい場合(氷上、雪上)ではラック軸力が小さく、アスファルトでは路面摩擦係数が大きくラック軸力が大きい。また、図16に示すように、停車中やクリーピング速度での走行では、タイヤからの反力が異なり、ラック軸力が変わる。また、タイヤの捩れ程度によっても、負荷特性が異なる。路面状態や走行状態によらず、ほぼ一定で舵角を制御することが望まれ、それを達成するために、本発明では規範モデルへのラック軸力の入力の正負最大値を制限する。制限値を設定して入力を制限すれば、規範モデル出力(目標舵角)は一定となり、制御効果のバラツキを抑えられる。また、制限値をラック軸力に応じて調整できるようにすることで、規範モデル出力(目標舵角)を調整でき、さらに効果のバラツキを小さくできる。
図17は、本発明の第1実施例を図3及び図14に対応させて示しており、操舵トルクThからラック軸力f1に変換する変換部200と、ラック軸力f1と変換部101からのラック軸力f2を加算する加算部202と、加算部202で得られたラック軸力f3(=f1+f2)からラック軸力f4を演算する軸力演算部201と、軸力演算部201からのラック軸力f4の最大値を制限して入力側ラック軸力fを出力するリミッタ204と、制御系の制御パラメータを設定する制御パラメータ設定部211と、モデル系のモデルパラメータを設定するモデルパラメータ設定部221とが設けられている。
ラック軸力f3(=f1+f2)を入力する軸力演算部201は、ラック変位xが所定角度範囲になった時のラック軸力f3を初期ラック軸力Fzとして設定し記憶する設定記憶部201−1と、以後、ラック軸力f3から初期ラック軸力Fzを減算して軸力f4を出力する減算部201−2とで構成されている。初期ラック軸力Fzは、ラック変位xが所定角度範囲になった時のラック軸力であり、軸力演算部201は、ラック変位xが所定角度範囲になって以降、下記数33に従ってラック軸力f4を演算する。これは、所定角度では規範モデルの出力として“0”とし、制御要素部143から出力されるラック軸力FBを“0”とするためである。所定角度付近での操舵で指令値の段差をなくし、保舵を容易とするためである。
Figure 2017165268

リミッタ204は、例えば図18に示すような特性で正負最大値を制限し、最大値を制限された入力側ラック軸力fがフィードバック制御部140内のフィードバック要素141に入力される。なお、図18において、xOR及びxOLは、所定角度範囲を設定する角度である。
また、制御系の制御パラメータ設定部211はラック変位xを入力し、例えば図19に示すように、ラック変位xが大きくなるに従って増加率が大きくなる非線形な関係で、制御パラメータkd、kpを出力する。制御パラメータkd、kpは、フィードバック制御部140内の制御要素部143に、下記数34のように設定される。
Figure 2017165268

モデル系の制御パラメータ設定部211はラック変位xを入力し、例えば図15に示すような特性でモデルパラメータμ(粘性摩擦係数)、k(バネ定数)を出力する。モデルパラメータμ、kは、フィードバック制御部140内のフィードバック要素(N/F)141に設定される。
このような構成において、図17の第1実施例の動作例を図20及び図21のフローチャートを参照して説明する。
ラックエンド接近判定部110から切替信号SWSが出力され、切替部122の接点がa2から接点b2に切替えられると共に(ステップS201)、変換部200で操舵トルクThがラック軸力f1に変換される(ステップS202)。トルク制御部31で電流指令値Iref1が演算され、電流指令値Iref1は変換部101でラック軸力f2に変換され(ステップS203)、切替部122が接点b2に切替えられた瞬間にその時のラック軸力f3=f1+f2を初期ラック軸力Fzとして設定記憶部201−1に設定し(ステップS204)、その後はラック軸力f3から、記憶された初期ラック軸力Fzを減算部201−2で減算してラック軸力f4を演算し(ステップS205)、リミッタ204で制限処理を行い(ステップS206)、制限処理されたラック軸力をフィードバック制御部140内のフィードバック要素141に入力側ラック軸力fとして入力する。
また、ラックエンド接近判定部110からラック変位xが出力され(ステップS210)、ラック変位xはフィードバック制御部140内の減算部142に減算入力されると共に、制御パラメータ設定部211及びモデルパラメータ設定部221に入力される。制御パラメータ設定部211はラック変位xに基づいて制御パラメータkp、kdを演算し(ステップS211)、制御パラメータkp、kdは、フィードバック制御部140内の制御要素部143に設定される。また、モデルパラメータ設定部221はラック変位xに基づいてモデルパラメータμ、kを演算し(ステップS213)、モデルパラメータμ、kは、フィードバック制御部140内のフィードバック要素141に設定される。
フィードバック制御部140は、ラック軸力f、ラック変位x及び設定された制御パラメータkp、kd、モデルパラメータμ、kによりフィードバック制御の処理を行い(ステップS220)、出力側ラック軸力ffを出力する(ステップS230)。ラック軸力ffは変換部102で電流指令値Iref2に変換され(ステップS231)、終了となるまで上記動作を繰り返す(ステップS232)。
上記ステップS232で終了となった場合には、切替信号SWSの出力によって切替部122の接点を接点b2から接点a2に切替え(ステップS233)、その後、図7のステップS14に移行する。
フィードバック制御部140におけるフィードバック制御の処理は、図21に示すような動作で実施される。
先ずモデルパラメータ設定部221で演算されたモデルパラメータμ、kがフィードバック要素141に設定され(ステップS221)、フィードバック要素141でN/F処理が実施され、目標ラック変位(目標舵角)が演算される(ステップS222)。目標ラック変位は減算部142に加算入力され、減算入力されるラック変位xとの位置偏差が演算され(ステップS223)、求められた位置偏差は制御要素部143に入力される。また、制御パラメータ設定部211で演算された制御パラメータkp、kdが、制御要素部143に設定され(ステップS224)、制御演算が実施され(ステップS225)、制御演算により得られたラック軸力FBが出力される(ステップS226)。なお、制御パラメータkp、kdの設定順序は適宜変更可能である。
本発明では、入力側ラック軸力fの入力がリミッタ204で制限されるため、図22の実線に示すように規範モデル出力が飽和する。制限されないと、破線のように飽和しないで変化し続ける。
次に、本発明の第2実施例を図23に示して説明する。
本第2実施例では、設定記憶部201−1に設定記憶された初期ラック軸力Fzをパラメータとしてリミッタ204に入力している。そして、最大値を制限するための制限値fthを初期ラック軸力Fzに応じて可変とする。例えば図24の特性Aのように、初期ラック軸力Fzが小さいときは小さく、初期ラック軸力Fzが大きくなるに従って線形的に大きくなるように、制限値fthを変化させたり、或いは特性Bのように非線形で制限値fthを増加させる。或いは図25の特性Aのように、初期ラック軸力Fzが小さいときに大きく、初期ラック軸力Fzが大きくなるに従って線形的に小さくなるように、制限値fthを変化させたり、或いは特性Bのように非線形で制限値fthを減少させる。これにより、車両のラック軸力の立ち上がり方(舵角が大きくなったときのラック軸の大きくなる割合)に応じて、調整が可能となる。
図26は本発明の第3実施例を示しており、初期ラック軸力Fzの設定において慣性成分及び摩擦成分を取り除いた値としている。これにより、記憶された初期ラック軸力Fzは、所定角度で保舵したときのラック軸力として記憶される。
即ち、第3実施例では、軸力演算部201に慣性/摩擦部201−3及び減算部201−4を更に設けている。そして、ラック速度及びラック加速度を慣性/摩擦部201−3に入力し、演算された慣性成分及び摩擦成分を減算部201−4に減算入力される。また、減算部201−4にはラック軸力f3(=f1+f2)が減算入力されており、減算部201−4で減算処理されたラック軸力f5が設定記憶部201−1に入力されている。従って、ラック変位xが所定角度になった時、慣性成分及び摩擦成分が差し引かれたラック軸力が初期ラック軸力Fzとして設定記憶される。
なお、制御要素部143(Cd)は任意のPID(比例積分微分)制御、PI制御、PD制御の構成のいずれでも良い。また、上述では位置補正部とパラメータ設定部を個別に表示しているが、一体的な構成であっても良い。更に、上述では回転角θをモータに連結された回転角センサから得ているが、舵角センサから取得するようにしても良い。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
13 バッテリ
14 舵角センサ
20 モータ
23 モータ駆動部
30 コントロールユニット(ECU)
31 トルク制御部
35 電流制御部
36 PWM制御部
100 ラック位置変換部
101、200 変換部
110 ラックエンド接近判定部
120 粘弾性モデル追従制御部
121、122 切替部
130 フィードフォワード制御部
140 フィードバック制御部
141 フィードバック要素
143 制御要素部
201 軸力演算部
201−1 設定記憶部
201−3 慣性/摩擦部
203 角速度演算部
211 制御パラメータ設定部
221 モデルパラメータ設定部

Claims (6)

  1. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記電流指令値に基づいてモータを駆動することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    ラックエンド手前の所定角度xの範囲内で粘弾性モデルを規範モデルとした、フィードバック制御部で成るモデルフォローイング制御の構成であり、
    前記フィードバック制御部が入力側ラック軸力fに基づいて目標ラック変位を演算するフィードバック要素と、前記目標ラック変位及びラック変位xの位置偏差に基づいて出力側ラック軸力ffを出力する制御要素部とで構成され、
    前記フィードバック要素及び前記制御要素部の少なくとも一方のパラメータを可変して設定する補正部と、
    前記操舵トルク及び前記電流指令値に基づいてラック軸力f4を演算する軸力演算部と、
    前記ラック軸力f4の最大値を制限値により制限して前記入力側ラック軸力fを出力するリミッタと、
    を具備し、トルク及び推力伝達機構の破損を抑制したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記制限値が可変になっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記制限値の可変を、所定角度xになった時の初期ラック軸力Fzに応じて行うようになっている請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記制限値が前記初期ラック軸力Fzに応じて線形若しくは非線形で増加する特性である請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記制限値が前記初期ラック軸力Fzに応じて線形若しくは非線形で減少する特性である請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記ラック軸力の演算に、慣性成分及び摩擦成分が除去されている請求項1乃至5のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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