JP2017165933A - インクジェット記録用水性インクセット - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録媒体上のテトラブラックの光学濃度(OD値)及び定着性を向上可能なインクジェット記録用水性顔料インクセットを提供する。【解決手段】 イエロー顔料と、樹脂分散剤と、水とを含む水性イエローインクと、マゼンタ顔料と、樹脂分散剤と、水とを含む水性マゼンタインクと、シアン顔料と、樹脂分散剤と、水とを含む水性シアンインクと、自己分散型カーボンブラックと、水とを含む水性ブラックインクと、を含むインクジェット記録用水性インクセットであって、前記水性イエローインク、前記水性マゼンタインク及び前記水性シアンインクからなる群から選択される少なくとも一つの水性カラーインクが、さらに、染料を含み、前記自己分散型カーボンブラックの平均粒子径が、120nm〜170nmであることを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水性インクセットに関する。
水性カラー顔料インクと、水性ブラック顔料インクとを含むインクジェット記録用水性顔料インクセットにおいて、画品質を向上させる提案が各種なされている(特許文献1〜4参照)。
特開2002−226738号公報 特開2005−15765号公報 特開2005−23325号公報 特開2006−89559号公報
一方、インクジェット記録用水性顔料インクセットにおいて、水性カラー顔料インク及び水性ブラック顔料インクを併用することで、記録媒体上でテトラブラックを形成する技術が知られている。近年、様々な種類の記録媒体におけるテトラブラックの更なる光学濃度(OD値)の向上及び記録媒体上のテトラブラックの定着性を向上する新たな手法が求められている。なお、本発明において、「テトラブラック」とは、例えば、水性イエローインク、水性マゼンタインク、水性シアンインク及び水性ブラックインクの4色の水性インクにより形成したブラックを意味する。
そこで、本発明は、記録媒体上のテトラブラックの光学濃度(OD値)及び定着性を向上可能なインクジェット記録用水性顔料インクセットを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、
イエロー顔料と、樹脂分散剤と、水とを含む水性イエローインクと、
マゼンタ顔料と、樹脂分散剤と、水とを含む水性マゼンタインクと、
シアン顔料と、樹脂分散剤と、水とを含む水性シアンインクと、
自己分散型カーボンブラックと、水とを含む水性ブラックインクと、
を含むインクジェット記録用水性インクセットであって、
前記水性イエローインク、前記水性マゼンタインク及び前記水性シアンインクからなる群から選択される少なくとも一つの水性カラーインクが、さらに、染料を含み、
前記自己分散型カーボンブラックの平均粒子径が、120nm〜170nmであることを特徴とする。
本発明によれば、平均粒子径が120nm〜170nmの自己分散型カーボンブラックを含む水性ブラックインクと、カラー顔料と、樹脂分散剤とを含む水性カラーインクとで水性インクセットを構成し、さらに、いずれかの水性カラーインクに染料を添加したことで、記録媒体上のテトラブラックの光学濃度(OD値)及び定着性を向上可能である。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一例の構成を示す概略斜視図である。 図2は、本発明の実施例における接触凝集評価の方法を説明する図である。 図3は、本発明の実施例における接触凝集評価の評価基準を説明する図である。
本発明のインクジェット記録用水性インクセット(以下、「水性インクセット」又は「インクセット」と言うことがある。)について説明する。本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、水性イエローインクと、水性マゼンタインクと、水性シアンインクと、水性ブラックインクとを含む。前記水性イエローインク、前記水性マゼンタインク及び前記水性シアンインクからなる群から選択される少なくとも一つの水性カラーインクは、さらに、染料を含む。
(水性イエローインク)
まず、前記水性イエローインクについて説明する。前記水性イエローインクは、イエロー顔料と、樹脂分散剤と、水とを含む。
前記イエロー顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、15、16、17、55、73、74、75、78、83、93、94、95、97、98、114、128、129、138、150、151、154、180、185及び194、並びにこれらの顔料の固溶体等があげられ、これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー74が好ましい。
前記イエロー顔料の平均粒子径は、例えば、80nm〜200nm、100nm〜170nm、110nm〜140nmである。前記平均粒子径は、例えば、固形分量が0.02重量%となるように希釈して、(株)堀場製作所製の動的散乱式粒度分布測定装置「LB−550」を用いて、散乱光強度を粒子径基準として算出可能であり、これ以降において同様である。
前記水性イエローインク全量における前記イエロー顔料の配合量(イエロー顔料固形分量)は、特に限定されず、例えば、所望の彩度等により、適宜決定できる。前記イエロー顔料固形分量は、例えば、0.1重量%〜20重量%、1重量%〜10重量%、2重量%〜6重量%である。
前記樹脂分散剤としては、例えば、一般的な高分子分散剤等を用いてよく、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、ジョンソンポリマー(株)製の「ジョンクリル(登録商標)611」、「ジョンクリル(登録商標)60」、「ジョンクリル(登録商標)586」、「ジョンクリル(登録商標)687」、「ジョンクリル(登録商標)63」及び「ジョンクリル(登録商標)HPD296」;ビックケミー社製の「Disperbyk190」及び「Disperbyk191」;ゼネカ社製の「ソルスパース20000」及び「ソルスパース27000」等があげられる。
前記水性イエローインク全量における前記樹脂分散剤の配合量は、例えば、0.01重量%〜10重量%、0.02重量%〜5重量%、0.5重量%〜3重量%である。
前記水は、イオン交換水又は純水であることが好ましい。前記水性イエローインク全量における前記水の配合量は、例えば、他の成分の残部としてもよい。
前記水性イエローインクが、前記染料を含む場合には、前記染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、86、98、132、142及び173;C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、61及び71;等があげられる。前記水性イエローインク全量における前記染料の配合量は、例えば、0.1重量%〜10重量%、0.2重量%〜5重量%、0.5重量%〜2重量%である。ただし、前記水性マゼンタインク又は前記水性シアンインクが、前記染料を含む場合には、前記水性イエローインクは、前記染料を含まなくてもよい。
前記水性イエローインクは、さらに、後述の水溶性有機溶剤及びアセチレングリコール系界面活性剤を含んでもよい。また、前記水性イエローインクは、必要に応じて、さらに、従来公知の添加剤を含んでもよい。前記添加剤としては、例えば、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、防黴剤等があげられる。前記粘度調整剤は、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性樹脂等があげられる。
前記水性イエローインクは、例えば、前記イエロー顔料、前記樹脂分散剤及び水と、必要に応じて他の添加成分とを、従来公知の方法で均一に混合し、フィルタ等で不溶解物を除去することにより調製できる。
(水性マゼンタインク)
つぎに、前記水性マゼンタインクについて説明する。前記水性マゼンタインクは、マゼンタ顔料及び含み得る染料以外は、前記水性イエローインクと構成及び調製方法等は同様であるので、マゼンタ顔料及び含み得る染料についてのみ説明する。
前記マゼンタ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、12、15、16、48、48:1、53:1、57、57:1、112、122、123、139、144、146、149、150、166、168、175、176、177、178、184、185、190、202、209、221、222、224及び238、C.I.ピグメントバイオレット19及び196、並びにこれらの顔料の固溶体等があげられ、これらの中でも、C.I.ピグメントレッド122が好ましい。前記固溶体としては、例えば、C.I.ピグメントレッド122及びC.I.ピグメントバイオレット19の2種の顔料を含むもの、C.I.ピグメントレッド202及びC.I.ピグメントバイオレット19の2種の顔料を含むもの等があげられる。
前記マゼンタ顔料の平均粒子径は、例えば、80nm〜200nm、100nm〜170nm、110nm〜150nmである。
前記水性マゼンタインクが、前記染料を含む場合には、前記染料としては、例えば、式(1)で表される染料;C.I.ダイレクトレッド1、4、17、28、83及び227;C.I.アシッドレッド1、6、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、256、289、315及び317;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14及び37;等があげられ、これらの中でも、式(1)で表される染料、C.I.アシッドレッド1及びC.I.アシッドレッド289が好ましい。前記水性マゼンタインク全量における前記染料の配合量は、例えば、0.1重量%〜10重量%、0.2重量%〜5重量%、0.5重量%〜2重量%である。ただし、前記水性イエローインク又は前記水性シアンインクが、前記染料を含む場合には、前記水性マゼンタインクは、前記染料を含まなくてもよい。
Figure 2017165933
式(1)において、
nは、0、1又は2であり、
、R及びRは、それぞれ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子、水素原子、ヒドロキシル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアミノ基、ニトロ基、スルホン酸エステル基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基であり、R、R及びRは互いに同一でも異なっていてもよく、
、R及びRは、それぞれ、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換の脂環基、置換又は無置換のヘテロ環基であり、R、R及びRは互いに同一でも異なっていてもよく、
〜Rのいずれかが酸基を有する場合、その一部又は全部は、塩型のものであってもよく、
3つのMは、それぞれ、H、Li、Na、K、NH、NHCH、N(CH、NH、N(C、NH(COH)、NH(CNH)、CNHのいずれかであり、3つのMは互いに同一でも異なっていてもよい。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のアルキル基は、好ましくは、総炭素原子数が1〜9のアルキル基である。前記置換又は無置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノメチル基等があげられる。前記置換アルキル基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;シアノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;カルボン酸塩、スルホン酸塩等のイオン性親水性基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のアルコキシ基は、好ましくは、総炭素原子数が1〜9のアルコキシ基である。前記置換又は無置換のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のカルバモイル基としては、例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のスルファモイル基としては、例えば、スルファモイル基、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−エチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、p−カルボキシフェニルスルファモイル基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のアミノ基としては、例えば、N−メチルアミノ基、カルバモイルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、アセチルアミノ基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおけるスルホン酸エステル基としては、例えば、フェノキシスルホニル基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のアルキルスルホニル基は、好ましくは、総炭素原子数が1〜9のアルキルスルホニル基である。前記置換又は無置換のアルキルスルホニル基としては、例えば、ヒドロキシスルホニル基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のアリールスルホニル基は、好ましくは、総炭素原子数が6〜15のアリールスルホニル基である。前記置換又は無置換のアリールスルホニル基としては、例えば、ベンジルスルホニル基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおけるカルボン酸エステル基としては、例えば、メトキシカルボニル基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のアルキル基は、好ましくは、総炭素原子数が1〜18のアルキル基である。前記置換又は無置換のアルキル基としては、例えば、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシシクロヘキシルメチル基、1−カルボキシ−2−メルカプトエチル基、1−カルボキシ−2−カルバモイル−エチル基、1−イソプロピル−1−カルボキシメチル基、1,2−ジカルボキシプロピル基等があげられる。前記置換アルキル基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;シアノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;カルボン酸塩、スルホン酸塩等のイオン性親水性基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のアルケニル基は、好ましくは、総炭素原子数2〜18のアルケニル基である。前記置換又は無置換のアルケニル基としては、例えば、2−メチル−1−プロペニル基、ビニル基、アリル基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のアリール基としては、例えば、3,4−ジカルボキシフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−カルボキシフェニル基等があげられる。前記置換アリール基の置換基としては、例えば、前記置換アルキル基の置換基と同じものがあげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、1−カルボキシ−2−フェニル−エチル基、1−カルボキシ−2−ヒドロキシフェニルエチル基、4−カルボキシベンジル基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換の脂環基としては、例えば、シクロヘキシル基、4−カルボキシシクロヘキシル基等があげられる。
式(1)において、R、R及びRにおける置換又は無置換のヘテロ環基としては、例えば、ピリジル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基等があげられる。前記置換ヘテロ環基の置換基としては、例えば、前記置換アルキル基の置換基と同じものがあげられる。
式(1)において、R、R及びRとしては、少なくとも一つが1〜4個のカルボキシ基又はスルファモイル基で置換されているアルキル基、アルケニル基、アリール基、脂環基、アラルキル基若しくはヘテロ環基であってもよい。
式(1)において、R及びRは、それぞれ、水素原子又は3置換フェニル基であってもよく、R及びRは互いに同一でも異なっていてもよい。ここで、前記3置換フェニル基の三つの置換基は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、総炭素原子数が1〜9の置換又は無置換のアルキル基、総炭素原子数が1〜9の置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアミノ基、ニトロ基、スルホン酸エステル基、カルボン酸エステル基であり、前記三つの置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
式(1)で表される染料の好ましい態様としては、例えば、式(1)において、R、R及びRの少なくとも一つが、1〜4個のカルボキシ基又はスルファモイル基で置換されているアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基若しくはシクロへキシル基である態様があげられる。
式(1)で表される染料は、その構造中に、スルホ基及びカルボキシ基又はこられの塩を合計で6個以下、好ましくは5個以下、特に好ましくは4個以下有することが好ましい。
式(1)で表される染料の好ましい態様としては、例えば、式(1)において、
nは、0であり、
は、カルボキシ基、カルバモイル基、トリフルオロメチル基又はスルファモイル基であり、
、R及びRは、それぞれ、水素原子であり、
は、カルボキシ基又はスルファモイル基で置換されてもよいフェニル基又はカルボキシアルキル基であり、
は、水素原子又はアルキル基であり、
〜Rのいずれかが酸基を有する場合、その一部又は全部は、塩型のものであってもよく、
3つのMは、それぞれ、H、Li、Na、K、NH、NHCH、N(CH、NH、N(C、NH(COH)、NH(CNH)、CNHのいずれかである態様があげられる。
式(1)で表される染料の好ましい具体例としては、式(1−1)〜(1−5)で表される化合物があげられる。
Figure 2017165933
式(1−1)で表される化合物は、式(1)において、
nは、0であり、
は、アゾ基に結合するフェニル基の2位に位置するカルボキシ基であり、
、R及びRは、それぞれ、水素原子であり、
は、2−カルボキシフェニル基であり、
は、水素原子であり、
Mは、NHである態様である。
Figure 2017165933
式(1−2)で表される化合物は、式(1)において、
nは、0であり、
は、アゾ基に結合するフェニル基の2位に位置するカルバモイル基であり、
、R及びRは、それぞれ、水素原子であり、
は、2−カルボキシフェニル基であり、
は、水素原子であり、
Mは、Naである態様である。
Figure 2017165933
式(1−3)で表される化合物は、式(1)において、
nは、0であり、
は、アゾ基に結合するフェニル基の3位に位置するスルファモイル基であり、
、R及びRは、それぞれ、水素原子であり、
は、2−スルファモイルフェニル基であり、
は、イソプロピル基であり、
Mは、NHである態様である。
Figure 2017165933
式(1−4)で表される化合物は、式(1)において、
nは、0であり、
は、アゾ基に結合するフェニル基の2位に位置するトリフルオロメチル基であり、
、R及びRは、それぞれ、水素原子であり、
は、1−カルボキシ−2−メチルブチル基であり、
は、メチル基であり、
Mは、NHCHである態様である。
Figure 2017165933
式(1−5)で表される化合物は、式(1)において、
nは、0であり、
は、アゾ基に結合するフェニル基の2位に位置するカルボキシ基であり、
、R及びRは、それぞれ、水素原子であり、
は、フェニル基であり、
は、水素原子であり、
Mは、NHである態様である。
本発明の水性インクセットにおいて、前記水性マゼンタインクが、前記染料を含むことが好ましい。前記水性マゼンタインクに含まれる前記染料の色相角は、例えば、330〜360又は0〜10、340〜360である。
(水性シアンインク)
つぎに、前記水性シアンインクについて説明する。前記水性シアンインクは、シアン顔料及び含み得る染料以外は、前記水性イエローインクと構成及び調製方法等は同様であるので、シアン顔料及び含み得る染料についてのみ説明する。
前記シアン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、22及び60、並びにこれらの顔料の固溶体等があげられ、これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
前記シアン顔料の平均粒子径は、例えば、80nm〜200nm、100nm〜170nm、100nm〜130nmである。
前記水性シアンインク全量における前記シアン顔料の配合量(シアン顔料固形分量)は、特に限定されず、例えば、所望の彩度等により、適宜決定できる。前記シアン顔料固形分量は、例えば、0.1重量%〜20重量%、1重量%〜10重量%、2重量%〜6重量%である。
前記水性シアンインクが、前記染料を含む場合には、前記染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、86、90、106及び199;C.I.アシッドブルー9、22、40、59、90、93、102、104、117、120、167、229及び234;C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28及び29;等があげられる。前記水性シアンインク全量における前記染料の配合量は、例えば、0.1重量%〜10重量%、0.2重量%〜5重量%、0.5重量%〜2重量%である。ただし、前記水性イエローインク又は前記水性マゼンタインクが、前記染料を含む場合には、前記水性シアンインクは、前記染料を含まなくてもよい。
(水性ブラックインク)
つぎに、前記水性ブラックインクについて説明する。前記水性ブラックインクは、自己分散型カーボンブラックと、水とを含む。
前記自己分散型カーボンブラックは、例えば、カーボンブラックの粒子にカルボニル基、ヒドロキシル基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性基及びそれらの塩の少なくとも一種が、直接又は他の基を介して化学結合により導入されていることによって、分散剤を使用しなくても水に分散可能なものである。前記自己分散型カーボンブラックは、例えば、特開平8−3498号公報、特表2000−513396号公報、特表2008−524400号公報、特表2009−515007号公報、特表2011−515535号公報等に記載の方法によってカーボンブラックが処理されたものを用いることができる。前記処理を行うのに適したカーボンブラックとしては、例えば、三菱化学(株)製の「MA8」、「MA100」及び「#2650」等があげられる。前記自己分散型カーボンブラックは、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、キャボット・コーポレーション社製の「CAB−O−JET(登録商標)200」、「CAB−O−JET(登録商標)300」、「CAB−O−JET(登録商標)400」;オリエント化学工業(株)製の「BONJET(登録商標)BLACK CW−2」及び「BONJET(登録商標)BLACK CW−3」;東洋インキ製造(株)製の「LIOJET(登録商標)WD BLACK 002C」等があげられる。
前記自己分散型カーボンブラックの平均粒子径は、120nm〜170nmである。前記自己分散型カーボンブラックの平均粒子径は、135nm〜170nm、140nm〜170nmであってもよい。
前記水性ブラックインク全量における前記自己分散型カーボンブラックの配合量(ブラック顔料固形分量)は、特に限定されず、例えば、所望の光学濃度(OD値)等により、適宜決定できる。前記ブラック顔料固形分量は、例えば、0.1重量%〜20重量%、1重量%〜15重量%、2重量%〜10重量%、6重量%〜10重量%である。
前記水性ブラックインクは、前記自己分散型カーボンブラックに加え、さらに染料等の他の着色剤を含んでもよい。
前記水については、前記水性イエローインクと同様である。また、前記水性ブラックインクは、前記水性イエローインクと同様に、前記水溶性有機溶剤、アセチレングリコール系界面活性剤及び添加剤を含んでもよい。
前記水性ブラックインクは、例えば、前記自己分散型カーボンブラック及び水と、必要に応じて他の添加成分とを、従来公知の方法で均一に混合し、フィルタ等で不溶解物を除去することにより調製できる。
前記水性イエローインク、前記水性マゼンタインク、前記水性シアンインク及び前記水性ブラックインクは、それぞれ、さらに、水溶性有機溶剤を含んでもよい。前記水溶性有機溶剤としては、例えば、インクジェットヘッドのノズル先端部における水性インクの乾燥を防止する湿潤剤及び記録媒体上での乾燥速度を調整する浸透剤があげられる。
前記湿潤剤は、特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトン等のケトン;ジアセトンアルコール等のケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;ポリアルキレングリコール等のポリエーテル;アルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等があげられる。前記ポリアルキレングリコールは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等があげられる。前記アルキレングリコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等があげられる。これらの湿潤剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの中で、アルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが好ましい。
前記水性イエローインク全量における前記湿潤剤の配合量は、例えば、0重量%〜95重量%、5重量%〜80重量%、5重量%〜50重量%であり、前記水性マゼンタインク、前記水性シアンインク及び前記水性ブラックインクにおいて同様である。
前記浸透剤は、例えば、グリコールエーテルがあげられる。前記グリコールエーテルは、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコール−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテル及びトリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等があげられる。前記浸透剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記水性イエローインク全量における前記浸透剤の配合量は、例えば、0重量%〜20重量%、0重量%〜15重量%、1重量%〜6重量%であり、前記水性マゼンタインク、前記水性シアンインク及び前記水性ブラックインクにおいて同様である。
前記水性イエローインク、前記水性マゼンタインク、前記水性シアンインク及び前記水性ブラックインクは、それぞれ、さらに、アセチレングリコール系界面活性剤を含んでもよい。前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、式(3)で表される化合物等があげられる。
Figure 2017165933
式(3)において、p及びqは同一でも異なっていてもよく、例えば、p+q=1〜15、3〜11、4〜10を満たす数である。式(3)において、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基である。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、日信化学工業(株)製の「オルフィン(登録商標)E1004」、「オルフィン(登録商標)E1008」及び「オルフィン(登録商標)E1010」;等があげられる。
前記水性イエローインク全量における前記アセチレングリコール系界面活性剤の配合量は、例えば、0.1重量%〜5重量%、0.1重量%〜2重量%、0.1重量%〜1重量%であり、前記水性マゼンタインク、前記水性シアンインク及び前記水性ブラックインクにおいて同様である。
前述のとおり、前記水性インクセットでは、前記水性ブラックインクが、自己分散型カーボンブラックを含み、前記水性カラーインクが、カラー顔料と、樹脂分散剤とを含む。この水性インクセットにより記録媒体上にテトラブラックを形成すると、前記水性カラーインクに含まれる前記樹脂分散剤が有する樹脂が、記録媒体上で前記カラー顔料及び前記自己分散型カーボンブラックをコーティングし、結果として、記録媒体上でのテトラブラックの定着性が向上すると推定される。なお、前記水性カラーインクが、カラー顔料と、樹脂分散剤とを含むことから、前記水性カラーインクを用いて記録されるカラー記録部の定着性も向上すると推定される。ただし、これらのメカニズムは推定に過ぎず、本発明はこれらの推定に限定されない。
また、前述のとおり、前記水性インクセットでは、前記水性イエローインク、前記水性マゼンタインク及び前記水性シアンインクからなる群から選択される少なくとも一つの水性カラーインクが、さらに、前記染料を含む。前記水性インクセットでは、前記染料を含む水性カラーインク単色の色発現性が大きくなり、この水性カラーインクと他の水性インクとを用いて形成される画像の品質を向上させることが可能となるため、テトラブラック以外の色再現範囲も広くできると推定される。ただし、このメカニズムは推定に過ぎず、本発明はこの推定に限定されない。
前記水性インクセットにおいて、前記自己分散型カーボンブラックの平均粒子径が、前記イエロー顔料、前記マゼンタ顔料及び前記シアン顔料のいずれの平均粒子径よりも大きく、前記イエロー顔料、前記マゼンタ顔料及び前記シアン顔料の中で最も平均粒子径が大きいカラー顔料を含む前記水性カラーインクに、前記染料が含まれていることが好ましい。前記自己分散型カーボンブラックの平均粒子径を大きくすることで、光学濃度(OD値)が向上する一方、前記自己分散型カーボンブラックが記録媒体に浸透しにくく、濃淡ムラや白スジが発生するおそれがある。これに対し、前記水性インクセットでは、ブラック記録部をテトラブラックで形成することで、濃淡ムラや白スジの発生を抑制可能である。また、前記イエロー顔料、前記マゼンタ顔料及び前記シアン顔料の中で最も平均粒子径が大きいカラー顔料を含む前記水性カラーインクにおいても、当該カラー顔料が記録媒体に浸透しにくく、当該水性カラーインクで記録したカラー記録部に白スジが発生するおそれがある。これに対し、前記水性インクセットでは、当該水性カラーインクが染料を含むことで、白スジの発生を抑制可能である。ただし、これらのメカニズムは推定に過ぎず、本発明はこれらの推定に限定されない。
前記水性インクセットにおいて、前記水性イエローインク、前記水性マゼンタインク及び前記水性シアンインクの全てに前記染料が含まれていても、いずれか1色の前記水性カラーインクのみに前記染料が含まれていても、画品質を向上可能である。さらに、高耐水性と高画品質の両立を図るためには、いずれか1色の前記水性カラーインクのみに前記染料が含まれていることが好ましい。
前記各顔料の平均粒子径の大きさは、特に制限するものではないが、例えば、前記自己分散型カーボンブラック>前記マゼンタ顔料>前記イエロー顔料>前記シアン顔料である。前記水性インクセットにおいて、前記マゼンタ顔料の平均粒子径は、110nm〜150nmであり、前記イエロー顔料の平均粒子径は、110nm〜140nmであり、前記シアン顔料の平均粒子径は、100nm〜130nmであることが好ましい。
前記水性インクセットにおいて、前記水性ブラックインク全量における前記自己分散型カーボンブラックの配合量(P)と、前記染料を含む前記水性カラーインク全量における前記染料の配合量(D)との重量比は、例えば、D:P=1:3〜100、1:3〜50である。
つぎに、本発明のインクジェット記録装置について説明する。
本発明のインクジェット記録装置は、インク収容部及びインク吐出手段を含み、前記インク収容部に収容されたインクを前記インク吐出手段によって吐出するインクジェット記録装置であって、前記インク収容部に、本発明のインクジェット記録用水性インクセットを構成する水性イエローインク、水性マゼンタインク、水性シアンインク及び水性ブラックインクが収容されていることを特徴とする。
図1に、本発明のインクジェット記録装置の一例の構成を示す。図示のとおり、このインクジェット記録装置1は、4つのインクカートリッジ2と、インク吐出手段(インクジェットヘッド)3と、ヘッドユニット4と、キャリッジ5と、駆動ユニット6と、プラテンローラ7と、パージ装置8とを主要な構成要素として含む。
4つのインクカートリッジ2は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の水性インクを、それぞれ1色ずつ含む。前記4色の水性インクが、それぞれ、本発明の水性イエローインク、水性マゼンタインク、水性シアンインク及び水性ブラックインクである。本例では、4つのインクカートリッジ2のセットを示したが、これに代えて、水性イエローインク収納部、水性マゼンタインク収納部、水性シアンインク収納部及び水性ブラックインク収納部を形成するようにその内部が間仕切りされた一体型のインクカートリッジを用いてもよい。前記インクカートリッジの本体としては、例えば、従来公知のものを使用できる。
ヘッドユニット4に設置されたインクジェットヘッド3は、記録媒体(例えば、記録用紙)Pに記録を行う。キャリッジ5には、4つのインクカートリッジ2及びヘッドユニット4が搭載される。駆動ユニット6は、キャリッジ5を直線方向に往復移動させる。駆動ユニット6としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008−246821号公報参照)。プラテンローラ7は、キャリッジ5の往復方向に延び、インクジェットヘッド3と対向して配置されている。
パージ装置8は、インクジェットヘッド3の内部に溜まる気泡等を含んだ不良インクを吸引する。パージ装置8としては、例えば、従来公知のものを使用できる(例えば、特開2008−246821号公報参照)。
パージ装置8のプラテンローラ7側には、パージ装置8に隣接してワイパ部材20が配設されている。ワイパ部材20は、へら状に形成されており、キャリッジ5の移動に伴って、インクジェットヘッド3のノズル形成面を拭うものである。図1において、キャップ18は、水性インクの乾燥を防止するため、記録が終了するとリセット位置に戻されるインクジェットヘッド3の複数のノズルを覆うものである。
本例のインクジェット記録装置1においては、4つのインクカートリッジ2は、ヘッドユニット4と共に、1つのキャリッジ5に搭載されている。ただし、本発明は、これに限定されない。インクジェット記録装置1において、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジは、ヘッドユニット4とは別のキャリッジに搭載されていてもよい。また、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジは、キャリッジ5には搭載されず、インクジェット記録装置1内に配置、固定されていてもよい。これらの態様においては、例えば、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジと、キャリッジ5に搭載されたヘッドユニット4とが、チューブ等により連結され、4つのインクカートリッジ2の各カートリッジからヘッドユニット4に前記水性インクが供給される。また、これらの態様においては、4つのインクカートリッジ2に代えて、ボトル形状の4つのインクボトルを用いてもよい。この場合、前記インクボトルには、外部から内部にインクを注入するための注入口が設けられていることが好ましい。
このインクジェット記録装置1を用いたインクジェット記録は、例えば、つぎのようにして実施される。まず、記録用紙Pが、インクジェット記録装置1の側方又は下方に設けられた給紙カセット(図示せず)から給紙される。記録用紙Pは、インクジェットヘッド3と、プラテンローラ7との間に導入される。導入された記録用紙Pに、インクジェットヘッド3から吐出される水性インクにより所定の記録がされる。このとき、例えば、インクジェットヘッド3のノズルから前記水性ブラックインク、前記水性マゼンタインク、前記水性シアンインク、前記水性イエローインクを記録用紙P上に吐出し、テトラブラックを形成してもよい。前記水性ブラックインク、前記水性マゼンタインク、前記水性シアンインク、前記水性イエローインクの吐出順序は、特に限定されない。記録後の記録用紙Pは、インクジェット記録装置1から排紙される。本発明によれば、記録媒体上のテトラブラックの光学濃度(OD値)及び定着性に優れた記録物を得ることが可能である。図1においては、記録用紙Pの給紙機構及び排紙機構の図示を省略している。
図1に示す装置では、シリアル型インクジェットヘッドを採用するが、本発明は、これに限定されない。前記インクジェット記録装置は、ライン型インクジェットヘッドを採用する装置であってもよい。
つぎに、本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体に水性インクセットを構成する水性インクをインクジェット方式で吐出して記録するインクジェット記録方法であって、前記水性インクセットが、本発明のインクジェット記録用水性インクセットであることを特徴とする。前記記録は、印字、印画、印刷等を含む。
つぎに、本発明のテトラブラックは、本発明のインクジェット記録用水性インクセットを構成する水性イエローインク、水性マゼンタインク、水性シアンインク及び水性ブラックインクを用いて、記録媒体上に記録されたことを特徴とする。本発明のテトラブラックは、記録媒体上の光学濃度(OD値)及び定着性に優れる。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例及び比較例により限定及び制限されない。
〔カラー顔料分散液の調製〕
表1〜3に示す顔料20重量%、樹脂分散剤(アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体)5.0重量%に、純水を加えて全体を100重量%とし、撹拌混合して混合物を得た。この混合物を、0.3mm径ジルコニアビーズを充填した湿式サンドミルに入れ、6時間分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズをセパレータにより取り除き、孔径3.0μmセルロースアセテートフィルターでろ過することにより、表1〜3に示す顔料分散液1、3〜5及び7を得た。
〔ブラック顔料分散液の調製〕
三菱化学(株)製のカーボンブラック「#2650」40gをイオン交換水200gに混合して、ビーズミルにて粉砕した。これにカルボキシル基剤を添加して、加熱撹拌を行い、酸化処理を行った。ついで、得られた液を溶剤にて数回洗浄後、水中に注ぎ、再度水洗を繰り返した後フィルターにてろ過処理し、表4に示す顔料分散液9〜11を得た。この顔料分散液9〜11に含まれるカーボンブラックの平均粒子径を、(株)堀場製作所製の「LB−550」を用いて測定したところ、それぞれ、155nm、135nm及び115nmであった。
〔水性イエローインクの調製〕
水性インク組成(表1)における、顔料分散液を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、顔料分散液に、前記インク溶媒を加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、表1に示す水性イエローインクY1〜Y6及びY1cを得た。
Figure 2017165933
〔水性マゼンタインクの調製〕
水性インク組成(表2)における、顔料分散液を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、顔料分散液に、前記インク溶媒を加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、表2に示す水性マゼンタインクM1〜M11、M1c及びM2cを得た。なお、表2において、染料(1−1)は、式(1−1)で表される化合物を表す。
Figure 2017165933
〔水性シアンインクの調製〕
水性インク組成(表3)における、顔料分散液を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、顔料分散液に、前記インク溶媒を加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、表3に示す水性シアンインクC1〜C6及びC1cを得た。
Figure 2017165933
〔水性ブラックインクの調製〕
水性インク組成(表4)における、顔料分散液を除く成分を、均一に混合しインク溶媒を得た。つぎに、顔料分散液に、前記インク溶媒を加え、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製のセルロースアセテートタイプメンブレンフィルタ(孔径3.00μm)でろ過することで、表4に示す水性ブラックインクBk1〜Bk5及びBk1cを得た。
Figure 2017165933
[実施例1〜14及び比較例1〜3]
〔インクジェット記録用水性インクセットの構成〕
表5に示すように水性イエローインク、水性マゼンタインク、水性シアンインク及び水性ブラックインクを組み合わせて、インクジェット記録用水性インクセットを構成した。
〔インクジェット記録用水性インクセットの評価〕
実施例及び比較例の水性インクセットについて、(a)マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)評価、(b)光沢紙へのテトラブラック記録時の定着性評価及び(c)接触凝集評価を、下記の方法により実施した。
(a)マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)評価
ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタMFC−J4510を使用して、実施例及び比較例の水性インクセットを構成する水性インクを用いてマット紙(ブラザー工業(株)製の「BP60MA」)上にテトラブラックを含む画像を記録し評価サンプルを作製した。前記評価サンプル中の3箇所の光学濃度(OD値)を、X−Rite社製の分光測色計SpectroEye(光源:D50、視野角:2°、ANSI−T)により測定し、平均値を求め、下記評価基準に従って、マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)を評価した。
マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)評価 評価基準
AA:光学濃度(OD値)が、1.55以上であった。
A :光学濃度(OD値)が、1.45以上1.55未満であった。
C :光学濃度(OD値)が、1.45未満であった。
(b)光沢紙へのテトラブラック記録時の定着性評価
前記インクジェットプリンタMFC−J4510を使用して、実施例及び比較例の水性インクセットを構成する水性インクを用いて光沢紙(ブラザー工業(株)製の「BP71G」)上にテトラブラックを含む画像を記録し評価サンプルを作製した。前記評価サンプルを用いて、下記評価基準に従って、マット紙へのテトラブラック記録時の定着性を評価した。
光沢紙へのテトラブラック記録時の定着性評価 評価基準
AA:記録から3分後に評価サンプルを擦っても汚れが出なかった。
A :記録から3分後に評価サンプルを擦ると汚れるが、10分後に擦っても汚れが出なかった。
C :記録から1時間後に評価サンプルを擦っても汚れた。
(c)接触凝集評価
まず、図2(A)に示すように、実施例及び比較例の水性インクセットを構成する水性ブラックインク22と、水性シアンインク23とを、それぞれ、3μLずつスライドガラス21上に滴下した。ついで、図2(B)に示すように、前記滴下した両インクをカバーガラス24で覆うことで、前記両インクを接触させた。このようにして作製したプレパラートの前記両インクの界面25を、光学顕微鏡(200倍)で観察し、下記評価基準に従って評価した。そして、水性ブラックインクと水性マゼンタインク、水性ブラックインクと水性イエローインクの組み合わせにおいても同様に評価し、前記水性ブラックインクと水性カラーインクの組み合わせにおける接触凝集性について評価した。なお、この接触凝集評価の結果が良好であれば、ワイパ部材によりノズル形成面を拭う際に凝集が生じることがなく、吐出安定性に優れた水性インクセットであると判断できる。
接触凝集評価 評価基準
AA:図3(A)に示すように、前記両インクの界面25に、凝集は見られなかった。
A :図3(B)に示すように、前記両インクの界面25に、凝集による小さな固形物26が見られた。
C :図3(C)に示すように、前記両インクの界面25に、凝集による大きな固形物27が見られた。
実施例1〜14及び比較例1〜3の水性インクセットの構成及び評価結果を、表5に示す。
Figure 2017165933
表5に示すとおり、実施例1〜14では、マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)、光沢紙へのテトラブラック記録時の定着性及び接触凝集の評価結果が良好であった。なお、実施例1〜14では、マット紙及び光沢紙以外の記録媒体においても、テトラブラック記録時の光学濃度(OD値)及び定着性が良好であった。特に、最も平均粒子径が大きいカラー顔料を含む水性マゼンタインクに染料が含まれている実施例1では、最も平均粒子径が大きいカラー顔料を含む水性イエローインクではなく、水性マゼンタインクに染料が含まれている点を除き同条件である実施例3と比べて、マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)の評価結果が、極めて優れていた。また、染料の配合量が0.50重量%である実施例4では、染料の配合量が0.35重量%である点を除き同条件である実施例5と比べて、マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)の評価結果が、極めて優れていた。そして、染料の配合量(D)が2.00重量%であり、かつ、D:P=1:3である実施例6では、染料の配合量(D)が2.50重量%であり、かつ、D:P=1:2.4である点を除き同条件である実施例7と比べて、接触凝集の評価結果が、極めて優れていた。さらに、染料が、式(1)で表される染料である実施例1では、染料が、C.I.アシッドレッド52である点を除き同条件である実施例8と比べて、マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)の評価結果が、極めて優れていた。さらに、マゼンタ顔料が、C.I.ピグメントレッド122である実施例1では、マゼンタ顔料が、C.I.ピグメントバイオレット19である点を除き同条件である実施例9と比べて、光沢紙へのテトラブラック記録時の定着性の評価結果が、極めて優れていた。さらに、自己分散型カーボンブラックの配合量が8.00重量%である実施例1では、自己分散型カーボンブラックの配合量が5.00重量%である点を除き同条件である実施例11と比べて、マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)の評価結果が、極めて優れていた。さらに、自己分散型カーボンブラックの配合量が6.00重量%であり、かつ、D:P=1:3である実施例6では、自己分散型カーボンブラックの配合量が5.00重量%であり、かつ、D:P=1:2.5である点を除き同条件である実施例13と比べて、マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)及び接触凝集の評価結果が、極めて優れていた。さらに、自己分散型カーボンブラックの配合量が8.00重量%である実施例1では、自己分散型カーボンブラックの配合量が11.00重量%である点を除き同条件である実施例14と比べて、光沢紙へのテトラブラック記録時の定着性の評価結果が、極めて優れていた。一方、水性ブラックインクにおける自己分散型カーボンブラックの平均粒子径が120nm未満である比較例1では、マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)の評価結果が悪かった。また、いずれの水性カラーインクにも染料が含まれていない比較例2でも、マット紙へのテトラブラック記録時の光学濃度(OD値)の評価結果が悪かった。そして、水性カラーインクとして、樹脂分散剤を含まない自己分散型顔料インクを用いた比較例3では、光沢紙へのテトラブラック記録時の定着性及び接触凝集の評価結果が悪かった。
以上のように、本発明の水性インクセットは、記録媒体上のテトラブラックの光学濃度(OD値)及び定着性に優れたものである。本発明の水性インクセットの用途は、特に限定されず、各種のインクジェット記録に広く適用可能である。
1 インクジェット記録装置
2 インクカートリッジ
3 インク吐出手段(インクジェットヘッド)
4 ヘッドユニット
5 キャリッジ
6 駆動ユニット
7 プラテンローラ
8 パージ装置

Claims (12)

  1. イエロー顔料と、樹脂分散剤と、水とを含む水性イエローインクと、
    マゼンタ顔料と、樹脂分散剤と、水とを含む水性マゼンタインクと、
    シアン顔料と、樹脂分散剤と、水とを含む水性シアンインクと、
    自己分散型カーボンブラックと、水とを含む水性ブラックインクと、
    を含むインクジェット記録用水性インクセットであって、
    前記水性イエローインク、前記水性マゼンタインク及び前記水性シアンインクからなる群から選択される少なくとも一つの水性カラーインクが、さらに、染料を含み、
    前記自己分散型カーボンブラックの平均粒子径が、120nm〜170nmであることを特徴とするインクジェット記録用水性インクセット。
  2. 前記自己分散型カーボンブラックの平均粒子径が、前記イエロー顔料、前記マゼンタ顔料及び前記シアン顔料のいずれの平均粒子径よりも大きく、
    前記イエロー顔料、前記マゼンタ顔料及び前記シアン顔料の中で最も平均粒子径が大きいカラー顔料を含む前記水性カラーインクに、前記染料が含まれている請求項1記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  3. 前記染料を含む前記水性カラーインク全量における前記染料の配合量が、0.5重量%〜2重量%である請求項1又は2記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  4. 前記水性マゼンタインクが、前記染料を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  5. 前記水性マゼンタインクに含まれる前記染料の色相角が、340〜360である請求項4記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  6. 前記水性マゼンタインクに含まれる前記染料が、式(1)で表される染料、C.I.アシッドレッド1及びC.I.アシッドレッド289からなる群から選択される少なくとも一つの染料を含む請求項4又は5記載のインクジェット記録用水性インクセット。
    Figure 2017165933
    式(1)において、
    nは、0、1又は2であり、
    、R及びRは、それぞれ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子、水素原子、ヒドロキシル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアミノ基、ニトロ基、スルホン酸エステル基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基であり、R、R及びRは互いに同一でも異なっていてもよく、
    、R及びRは、それぞれ、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換の脂環基、置換又は無置換のヘテロ環基であり、R、R及びRは互いに同一でも異なっていてもよく、
    〜Rのいずれかが酸基を有する場合、その一部又は全部は、塩型のものであってもよく、
    3つのMは、それぞれ、H、Li、Na、K、NH、NHCH、N(CH、NH、N(C、NH(COH)、NH(CNH)、CNHのいずれかであり、3つのMは互いに同一でも異なっていてもよい。
  7. 前記イエロー顔料が、C.I.ピグメントイエロー74を含み、
    前記マゼンタ顔料が、C.I.ピグメントレッド122を含み、
    前記シアン顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  8. 前記水性インクセットにおいて、前記水性ブラックインク全量における前記自己分散型カーボンブラックの配合量(P)と、前記染料を含む前記水性カラーインク全量における前記染料の配合量(D)との重量比が、D:P=1:3〜50である請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  9. 前記自己分散型カーボンブラックの平均粒子径が、135nm〜170nmである請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  10. 前記水性ブラックインク全量における前記自己分散型カーボンブラックの配合量が、6重量%〜10重量%である請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  11. 前記水性イエローインク、前記水性マゼンタインク、前記水性シアンインク及び前記水性ブラックインクが、さらに、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテルを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  12. 前記水性イエローインク、前記水性マゼンタインク、前記水性シアンインク及び前記水性ブラックインクが、さらに、アセチレングリコール系界面活性剤を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インクセット。
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