JP2017162633A - 非水二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温貯蔵特性に優れた非水二次電池を提供する。【解決手段】 本発明の非水二次電池は、負極活物質を含有する負極合剤層と集電体とを有する負極、正極、セパレータ、並びにリチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液を備えた非水二次電池であって、前記負極合剤層の表面に、平均粒子径が10〜500nmの粒子状堆積物が存在しており、前記負極合剤層の表面をX線光電子分光分析したときに、190〜195eVにホウ素に基づくピークが、280〜292eVに炭素に基づくピークが、526〜536eVに酸素に基づくピークが、682〜690eVにフッ素に基づくピークが、それぞれ観察され、前記非水電解液は、リチウムビスオキサレートボレート、または、ビニレンカーボネートを含有していることを特徴とするものである。【選択図】 図5
Description
本発明は、高温貯蔵特性に優れた非水二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの非水二次電池は、高電圧、高容量であることから、各種携帯機器の電源として広く採用されている。また、近年では電動工具などのパワーツールや電気自動車、電動式自転車などのように、中型や大型での用途も広がりを見せている。
非水二次電池は、民生用途としてまず普及し、現時点では車載用や産業用としても広がりを見せつつある。こうした状況下で、非水二次電池には各種の電池特性の向上が望まれている。
非水二次電池の特性を改善する手法の一つに、非水電解液の改良が挙げられる。例えば、特許文献1には、特定のラクトン類を含有する非水電解液を用いて、非水二次電池の連続充電特性などを改善する技術が提案されている。なお、特許文献1に記載の技術では、抵抗の高い被膜が正極表面で厚く形成されることを防止するために、非水電解液中の特定のラクトン類を非常に少ない量に制限している。
他方、特許文献2には、非水溶媒の一部にγ−ブチロラクトン誘導体を使用した非水電解質に、亜リン酸エステルを添加して、負極表面に被膜を形成させて高温環境下における非水二次電池の自己放電特性を高める技術の提案もある。
また、特許文献3には、特定の電気容量を有し、かつ金属多孔体からなる集電体を有する正極および負極を備え、負極活物質に表面非晶質黒鉛を含有するリチウムイオン二次電池において、非水電解液溶媒にエチレンカーボネートとγ−ブチロラクトンとを特定の比率で使用することで、安全性を高める技術が提案されている。
ところで、非水二次電池においては、特に車載用や産業用への適用を考慮すると、例えば、高温環境下に置かれても特性の低下が生じ難いような貯蔵特性を備えることが求められることが想定される。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温貯蔵特性に優れた非水二次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水二次電池は、負極活物質を含有する負極合剤層と集電体とを有する負極、正極、セパレータ、並びにリチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液を備えており、前記負極合剤層の表面に、平均粒子径が10〜500nmの粒子状堆積物が存在しており、前記負極合剤層の表面をX線光電子分光分析したときに、190〜195eVにホウ素に基づくピークが、280〜292eVに炭素に基づくピークが、526〜536eVに酸素に基づくピークが、682〜690eVにフッ素に基づくピークが、それぞれ観察され、前記非水電解液は、リチウムビスオキサレートボレート、または、ビニレンカーボネートを含有していることを特徴とするものである。
本発明によれば、高温貯蔵特性に優れた非水二次電池を提供することができる。
非水二次電池では、その充放電反応によって非水電解液の構成成分が分解して正極や負極の表面に堆積し、SEI(Solid Electrolyte Interface)皮膜を形成する。前記SEI皮膜は、正極や負極と非水電解液との接触による非水電解液の分解反応を防止する機能を有しているため、このSEI皮膜が形成されることで、例えば充電状態の電池を長期間保存しても、電池特性の低下が抑制される。
ところが、通常の非水二次電池で形成されるSEI皮膜は耐熱性が低く、電池が高温環境下に置かれると非水電解液中に溶け出してしまうため、その機能が有効に発揮されなくなる。
そこで、本発明の非水二次電池では、負極(その負極合剤層)の表面に特定の平均粒子径の粒子状堆積物を形成し、かつ負極合剤層の表面におけるX線光電子分光(XPS)分析により求められる前記粒子状堆積物の含有元素として、ホウ素、炭素、酸素およびフッ素が含まれるようにした。更に、前記粒子状堆積物の性状をより良好なものとし、有効に機能させるため、非水電解液に、リチウムビスオキサレートボレート、または、ビニレンカーボネートを含有させるようにした。この場合、負極合剤層表面の前記粒子状堆積物(それにより形成されているSEI皮膜)の耐熱性が、通常の非水二次電池で形成されているSEI皮膜に比べて高く、電池が高温に曝されても非水電解液中に溶け出し難いため、その非水電解液の分解防止機能が、より高い温度下でも有効に発揮されることから、非水二次電池の高温貯蔵特性が向上する。
本発明の非水二次電池は、負極活物質を含有する負極合剤層と集電体とを有し、負極合剤層が集電体の片面または両面に形成された構造の負極を有している。
負極合剤層は、その表面に平均粒子径が10〜500nmの粒子状堆積物が存在している。そして、負極合剤層の表面をXPS分析したときに、190〜195eVにホウ素に基づくピークが、280〜292eVに炭素に基づくピークが、526〜536eVに酸素に基づくピークが、682〜690eVにフッ素に基づくピークが、それぞれ観察される。
負極合剤層においては、前記XPS分析において観察される前記炭素に基づくピーク、酸素に基づくピークおよびフッ素に基づくピークのピーク強度を、それぞれIa、IbおよびIcとしたときに、Ic/(Ia+Ib)≧0.3であることが好ましい。すなわち、負極合剤層の表面には、前記の粒子状堆積物がある程度以上の量存在し、かつ前記ピークの強度比が前記の値を満たすことにより、SEI皮膜の耐熱性がより優れたものとなる。
前記粒子状堆積物の平均粒子径は、粒子径が小さすぎると耐熱皮膜としての効果が得られ難くなることから、10nm以上であり、50nm以上であることが好ましい。また、粒子径が大きすぎると、抵抗増大の要因となり充放電の阻害要因となり得ることから、前記粒子状堆積物の平均粒子径は、500nm以下であり、400nm以下であることが好ましい。
本明細書でいう前記粒子状堆積物の平均粒子径は、負極合剤層の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて3万倍の倍率で観察し、粒子状堆積物100個の粒子径の平均値(数平均値)として求められる値である。なお、個々の粒子状堆積物の粒子径は、平面視で粒子に外接する円を描いたときの円の直径として求めればよい。
本明細書でいう負極合剤層の表面のXPS分析は、例えば以下の条件下で行うことができる。アルゴン雰囲気に保たれたグローブボックス内で電池を解体し、取り出した負極をジエチルカーボネートに一晩浸漬する。その後、負極を乾燥し、カーボンテープで試料台に貼付け、アルゴン雰囲気を保ったまま、トランスファーベッセルを用いて前記試料台を測定装置に導入し測定を行う。装置には、例えばULVAC−PHI社製「Quantera SXM」を用いることができる。測定条件は、励起源:軟X線AlKα(1486.6eV)、分析領域:φ100μm、光電子検出角(TOA):45degで測定し、ピーク分割を行って各ピークの原子比を算出する。なお、後記の実施例における負極合剤層の表面のXPS分析は、前記の条件で行った。
負極活物質には、従来から知られている非水二次電池の負極に使用されている負極活物質、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を用いることができる。このような負極活物質の具体例としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛;熱分解炭素類、メソフェーズカーボンマイクロビーズ、炭素繊維などの易黒鉛化炭素を2800℃以上で黒鉛化処理した人造黒鉛;など)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソフェーズカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素材料;リチウムと合金化可能な金属(Si、Snなど)や、これらの金属を含む材料(合金、酸化物など);チタン酸リチウム、スピネルマンガンリチウムなどのリチウム含有複合酸化物;などの粒子が挙げられる。負極には、前記例示の負極活物質のうち、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記例示の負極活物質の中でも、前記粒子状堆積物の作用がより明確となることから、炭素材料が好ましく用いられる。
負極合剤層には、通常、バインダを含有させる。負極合剤層に係るバインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アクリル樹脂などが挙げられる。
前記のアクリル樹脂としては、ブチルアクリレートとアクリル酸との共重合体(ブチルアクリレート由来のユニットとアクリル酸由来のユニットとを分子内に有する共重合体)などが挙げられ、このような樹脂を負極合剤層のバインダに使用することがより好ましい。このようなバインダを使用することで、負極の耐熱性を向上させ得るため、電池の高温貯蔵特性をより高めることができる。
負極合剤層には導電助剤を含有させてもよい。負極合剤層に係る導電助剤としては、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などの黒鉛(黒鉛質炭素材料);アセチレンブラック;ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカ−ボンブラック;炭素繊維(カーボンナノファイバーを含む);カーボンナノチューブ;などの炭素材料などが挙げられる。
負極は、例えば、負極活物質や必要に応じて使用されるバインダおよび導電助剤などを、水やN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒といった溶媒に分散させて負極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶媒に溶解していてもよい)、これを集電体の片面または両面に塗布し乾燥して負極合剤層を形成する方法で製造することができる。また、負極合剤層の形成後に、例えば、負極合剤層の密度を調整するために、カレンダ処理などのプレス処理を施してもよい。
負極に係る集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体を薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、機械的強度を確保するために厚みの下限は5μmであることが望ましい。
負極合剤層においては、負極活物質の含有量(複数種の負極活物質を使用する場合は、それらの合計量。)は90〜98質量%であることが好ましく、バインダの含有量は2〜10質量%であることが好ましい。また、負極合剤層に導電助剤を含有させる場合には、活物質層における導電助剤の含有量は、2〜10質量%であることが好ましい。更に、負極合剤層の厚み(集電体の両面に負極合剤層を有する場合は、片面あたりの厚み)は、20〜100μmであることが好ましい。
負極には、電池内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
非水二次電池に係る正極には、例えば、正極活物質、バインダおよび導電助剤などを含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用される。
正極合剤層に係る正極活物質については特に制限はなく、従来から知られている非水電解質二次電池の正極活物質として使用されているものと同じもの、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な正極活物質を用いることができる。具体的には、例えば、Li1+xM1O2(−0.1<x<0.1、M1:Co、Ni、Mn、Al、Mgなど)で表される層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMn2O4やその元素の一部を他元素で置換したスピネル構造のリチウムマンガン酸化物、LiM2PO4(M2:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などのリチウム含有複合酸化物などが挙げられる。前記層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoO2やLiNi1−aCoa−bAlbO2(0.1≦a≦0.3、0.01≦b≦0.2、0<a−b)などのほか、少なくともNi、CoおよびMnを含む酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi5/12Co1/6Mn5/12O2、LiNi1/2Co2/10Mn3/10O2、LiNi3/5Co1/5Mn1/5O2など)などを例示することができる
正極合剤層に係るバインダには、負極合剤層に含有させ得るものとして先に例示した各種のバインダと同じものや、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)などが好ましいものとして挙げられる。
正極合剤層に係る導電助剤には、負極合剤層に含有させ得るものとして先に例示したものと同じものが使用できる。
正極は、例えば、正極活物質、バインダおよび導電助剤を、NMPなどの有機溶媒などの溶媒に分散させて正極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶媒に溶解していてもよい)、これを集電体の片面または両面に塗布し乾燥して正極合剤層を形成する方法で製造することができる。また、正極合剤層の形成後に、必要に応じてカレンダ処理を施してもよい。
正極に係る集電体には、従来から知られている非水二次電池の正極に使用されているものと同様のものが使用でき、例えば、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好ましい。
正極合剤層の厚み(集電体の両面に正極合剤層が形成されている場合には、片面あたりの厚み。)は、30〜95μmであることが好ましい。また、正極合剤層においては、正極活物質の含有量は85〜98質量%であることが好ましく、バインダの含有量は1〜10質量%であることが好ましく、導電助剤の含有量は1〜10質量%であることが好ましい。
正極には、電池内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
非水二次電池において、前記の負極と前記の正極とは、例えば、セパレータを介して重ね合わせた積層体(積層電極体)や、この積層体を更に渦巻状に巻回した巻回体(巻回電極体)の形態で使用される。
セパレータには、80℃以上(より好ましくは100℃以上)170℃以下(より好ましくは150℃以下)において、その孔が閉塞する性質(すなわち、シャットダウン機能)を有していることが好ましく、通常の非水二次電池などで使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。また、耐熱性の優れている(分解温度200℃以上)セルロースやポリイミド製の不織布を用いてもよい。
非水二次電池に係る非水電解液には、リチウム塩および有機溶媒を含有し、このリチウム塩が有機溶媒に溶解した溶液が使用される。
負極合剤層の表面において、ホウ素、炭素、酸素およびフッ素を含有する前記の粒子状堆積物を形成するには、α位に置換基を有するラクトン類を有機溶媒として含有し、LiBF4をリチウム塩として含有する非水電解液を使用すればよい。
α位に置換基を有するラクトン類は150℃以上の高い沸点を有しているため、電池が高温環境下に置かれても揮発し難く、非水電解液の組成の変動や外装体の膨れによる電池特性の低下を抑制できる。また、LiBF4も耐熱性が高いリチウム塩である。よって、前記の非水電解液を使用することで、負極合剤層の表面に耐熱性に優れたSEI皮膜が形成されることのみならず、これらの理由によっても、電池の高温貯蔵特性が向上する。
なお、α位に置換基を有するラクトン類以外にも、150℃以上の沸点を有する高沸点溶媒は知られているが、一般に高沸点溶媒はポリオレフィン製のセパレータなどの非水二次電池に通常使用されているセパレータへの浸透性が低いことから、非水電解液のセパレータへの浸透性を高めるために別の溶媒(一般に沸点が低い)を併用する必要がある。これに対し、α位に置換基を有するラクトン類は前記のような非水二次電池に通常使用されているセパレータへの浸透性が良好であるため、これを使用した非水電解液を用いることで、例えば電池の負荷特性を損なうことなく、耐熱性を高めることができる。
α位に置換基を有するラクトン類は、例えば5員環のもの(環を構成する炭素数が4つのもの)が好ましい。また、前記ラクトン類のα位の置換基は、1つであってもよく、2つであってもよい。
前記置換基としては、炭化水素基、ハロゲン基(フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基)などが挙げられる。炭化水素基としては、アルキル基、アリール基などが好ましく、その炭素数は1以上15以下(より好ましくは6以下)であることが好ましい。前記置換基が炭化水素基の場合、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基などが更に好ましい。
α位に置換基を有するラクトン類の具体例としては、α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−エチル−γ−ブチロラクトン、α−プロピル−γ−ブチロラクトン、α−ブチル−γ−ブチロラクトン、α−フェニル−γ−ブチロラクトン、α−フルオロ−γ−ブチロラクトン、α−クロロ−γ−ブチロラクトン、α−ブロモ−γ−ブチロラクトン、α−ヨード−γ−ブチロラクトン、α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α,α−ジエチル−γ−ブチロラクトン、α,α−ジフェニル−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α−フェニル−γ−ブチロラクトン、α,α−ジフルオロ−γ−ブチロラクトン、α,α−ジクロロ−γ−ブチロラクトン、α,α−ジブロモ−γ−ブチロラクトン、α,α−ジヨード−γ−ブチロラクトンなどが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非水電解液の有機溶媒には、α位に置換基を有するラクトン類のみを用いてもよいが、他の有機溶媒を共に使用する場合には、150℃以上の沸点を有する高沸点溶媒(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェートなど)を使用することが好ましく、鎖状カーボネート(ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど)など沸点が150℃未満である溶媒の割合は、例えば30質量%以下のように少なくすることが好ましい。
有機溶媒にα位に置換基を有するラクトン類の、非水電解液における全有機溶媒中の割合は、30〜100質量%であることが好ましい。
また、非水電解液のリチウム塩には、LiBF4のみを用いてもよいが、LiBF4とともに他のリチウム塩を使用してもよい。LiBF4とともに用い得る他のリチウム塩としては、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6などの無機リチウム塩;LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li2C2F4(SO3)2、LiC(CF3SO2)3、LiCnF2n+1SO3(n≧2)、LiN(FSO2)2〔LiFSI〕、LiN(CF3SO2)2〔LiTFSI〕、LiN(C2F5SO2)2、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)などの有機リチウム塩;が挙げられる。
特に、非水二次電池には、リチウム塩として、LiBF4とともにLiBOBを含有する非水電解液を使用することがより好ましい。この場合には、負極合剤層の表面に形成される前記の粒子状堆積物において、形成されるSEI皮膜の性状が良好なものとなって耐熱性がより向上する。
電池に使用する非水電解液におけるリチウム塩の濃度(リチウム塩を複数種使用する場合には、それらの合計濃度)は、0.6mol/L以上であることが好ましく、0.9mol/L以上であることがより好ましく、また、1.8mol/L以下であることが好ましく、1.6mol/L以下であることがより好ましい。
また、電池に使用する非水電解液におけるLiBF4の濃度は、負極合剤層の表面において、前記の粒子状堆積物を形成し、かつ前記ピークの強度比Ic/(Ia+Ib)を前記の値に調整することを容易にする観点から、0.3mol/L以上であることが好ましく、0.6mol/L以上であることがより好ましい。なお、非水電解液のリチウム塩には、LiBF4のみを用いてもよいことから、電池に使用する非水電解液におけるLiBF4の濃度は、先に記載したリチウム塩濃度の好適上限値を満たす範囲で設定すればよい。
更に、リチウム塩にLiBF4とLiBOBとを併用する場合には、LiBOBの使用による前記の効果を良好に確保する観点から、電池に使用する非水電解液が含有するLiBF4とLiBOBとの合計を100mol%としたときに、LiBOBの割合は、1mol%以上であることが好ましく、5mol%以上であることがより好ましい(すなわち、非水電解液が含有するLiBF4とLiBOBとの合計を100mol%としたときに、LiBF4の割合は、99mol%以下であることが好ましく、95mol%以下であることがより好ましい)。なお、LiBOBは非水電解液溶媒への溶解性が比較的低いため、電池に使用する非水電解液が含有するLiBF4とLiBOBとの合計を100mol%としたときに、LiBOBの割合は、18mol%以下であることが好ましく、15mol%以下であることがより好ましい(すなわち、非水電解液が含有するLiBF4とLiBOBとの合計を100mol%としたときに、LiBF4の割合は、82mol%以上であることが好ましく、85mol%以上であることがより好ましい)。
また、非水電解液には、電池の安全性や充放電サイクル性を向上させたり、高温貯蔵特性を更に向上させたりする目的で、ビニレンカーボネート(VC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)などのハロゲン置換された環状カーボネート、トリエチルホスホノアセテート(TEPA)などのホスホノアセテート類、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼン、プロパンスルトンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
なかでも、VCを含有する非水電解液を使用することがより好ましく、この場合にも、LiBOBを含有する場合と同様に、負極合剤層の表面に形成されるSEI皮膜の耐熱性がより良好となり、電池の高温貯蔵特性が更に向上する。
VCを含有する非水電解液を使用する場合、電池に使用する非水電解液におけるVCの含有量は、その使用による前記の効果をより良好に確保する観点から、1.0質量%以上であることが好ましく、2.0質量%以上であることがより好ましい。ただし、非水電解液中のVCの量が多すぎると、負極合剤層の表面に形成されるSEI皮膜が厚くなりすぎて、電池の内部抵抗の増大を引き起こす虞があることから、これを抑制するために、電池に使用する非水電解液におけるVCの含有量は、10質量%以下であることが好ましく、7.5質量%以下であることがより好ましい。
更に、非水電解液は、ポリマーなどの公知のゲル化剤を加えてゲル状(ゲル状電解質)として用いてもよい。
非水二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)やコイン形などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
本発明の非水二次電池の一例を模式的の表す縦断面図を図1に示す。図1に示す非水二次電池1はコイン形(ボタン形を含む)の形態を有するものである。この非水二次電池1においては、複数の正極5および複数の負極6A、6Bを、セパレータ7を介して、それらの平面が電池の扁平面に略平行(平行を含む)となるように積層した積層電極体と、非水電解液(図示しない)とが、外装缶2、封口板3および絶縁ガスケット4により形成される空間(密閉空間)内に収容されている。封口板3は、外装缶2の開口部に絶縁ガスケット4を介して嵌合しており、外装缶2の開口端部が内方に締め付けられ、これにより絶縁ガスケット4が封口板3に当接することで、外装缶2の開口部が封口されて電池内部が密閉構造となっている。外装缶2および封口板3は、ステンレス鋼などの金属製であり、絶縁ガスケット4は、PPなどの絶縁性を有する樹脂製である。
図1の電池では、外装缶2が正極端子を兼ね、封口板3が負極端子を兼ねているが、本発明の電池においては、例えば電極体の構成に応じて、外装缶が負極端子を兼ね、封口板が正極端子を兼ねていてもよい。
非水二次電池1が有する積層電極体では、負極6A、6Bと正極5とが、セパレータ7を介して交互に積層されている。積層電極体の上下両端に配されている負極6Bは、負極集電体62の片面に負極合剤層61を有しており、その他の箇所に配されている負極6Aは、負極集電体62の両面に負極合剤層61を有している。また、正極5も、正極集電体52の両面に正極合剤層51を有している。
積層電極体を構成する全ての正極5からは正極タブ部5bが引き出されており、全ての正極タブ部5bは、溶接などにより一体化した上で外装缶2の内面に溶接されるなどして電気的に接続している。
また、積層電極体を構成する全ての負極6A、6Bからは負極タブ部6bが引き出されており、全ての負極タブ部6bは、溶接などにより一体化している。そして、図中上側の負極6Bの負極集電体62の露出面が、封口板3の内面と接することで、全ての負極6A、6Bが、封口板3と電気的に接続している。
図中下側の負極6Bの負極集電体62の露出面と、外装缶2の内面との間には、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミドなどで形成されたテープなどからなる絶縁シール8が配されている。
なお、図1は、本発明の非水二次電池の一例を模式的に表すものであって、本発明の非水二次電池は、前記の通り、図1に示されるコイン形のものに限定される訳ではなく、また、非水二次電池が有する電極体の構成および構造も、図1に示されるものに限定される訳ではない。
なお、非水二次電池の製造に際しては、通常、正極および負極を含む電極体、並びに非水電解液を外装体に収容し、その外装体の封止前または封止後に予備充電やエージングを行う活性化処理(化成処理)が施されるが、この活性化処理によって非水電解液中の成分が反応し、負極合剤層の表面において、前記の粒子状堆積物が形成される(すなわち、SEI皮膜が形成される)。また、製品となった電池において充放電を行うことによっても、負極合剤層の表面において、前記の粒子状堆積物が形成される。
本発明の非水二次電池は、高温貯蔵特性に優れていることから、前記特性を生かして車載用や産業用の蓄電池などに好適に使用できるほか、従来から知られているリチウムイオン二次電池などの非水二次電池が適用されている用途と同じ用途にも使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質としてLiCoO2を、導電助剤としてカーボンブラックを、バインダとしてPVDFを、それぞれ用いて正極を作製した。まず、LiCoO2:93質量部とカーボンブラック:3質量部とを混合し、得られた混合物とPVDF:4質量部を予めNMPに溶解させておいたバインダ溶液とを混合して正極合剤含有ペーストを調製した。得られた正極合剤含有ペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面にアプリケータにより塗布した。なお、正極合剤含有ペーストの塗布に際しては、塗布部と未塗布部とが5cmおきに連続するように、かつ表面で塗布部とした箇所は、裏面でも塗布部となるようにした。続いて、塗布した正極合剤含有ペーストを乾燥して正極合剤層を形成し、その後、ロールプレスし、所定の大きさに切断して、帯状の正極シートを得た。なお、この正極シートは、幅を40mmとし、正極合剤層形成部の厚みが140μmとなるようにした。
<正極の作製>
正極活物質としてLiCoO2を、導電助剤としてカーボンブラックを、バインダとしてPVDFを、それぞれ用いて正極を作製した。まず、LiCoO2:93質量部とカーボンブラック:3質量部とを混合し、得られた混合物とPVDF:4質量部を予めNMPに溶解させておいたバインダ溶液とを混合して正極合剤含有ペーストを調製した。得られた正極合剤含有ペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面にアプリケータにより塗布した。なお、正極合剤含有ペーストの塗布に際しては、塗布部と未塗布部とが5cmおきに連続するように、かつ表面で塗布部とした箇所は、裏面でも塗布部となるようにした。続いて、塗布した正極合剤含有ペーストを乾燥して正極合剤層を形成し、その後、ロールプレスし、所定の大きさに切断して、帯状の正極シートを得た。なお、この正極シートは、幅を40mmとし、正極合剤層形成部の厚みが140μmとなるようにした。
前記の帯状の正極シートを、正極合剤層形成部が本体部(円弧の部分の直径15.1mm)となり、正極合剤層未形成部が集電タブ部(幅3.5mm)となるように打ち抜いて、図2に示す形状の正極を得た。図2は、打ち抜き後の前記正極を模式的に表す平面図である。正極5は、集電体の両面に正極合剤層51を形成している本体部5aと、本体部5aから突出した幅狭の正極タブ部(集電タブ部)5bとを有している。
<負極の作製>
負極活物質として黒鉛を、バインダとしてPVDFを、それぞれ用いて負極を作製した。前記黒鉛:94質量部とPVDF:6質量部と予めNMPに溶解させておいたバインダ溶液とを混合して、負極合剤含有ペーストを調製した。得られた負極合剤含有ペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の片面または両面にアプリケータにより塗布した。なお、負極合剤含有ペーストの塗布に際しては、塗布部と未塗布部とが5cmおきに連続するように、かつ集電体の両面に塗布したものでは、表面で塗布部とした箇所は、裏面でも塗布部となるようにした。続いて、塗布した負極合剤含有ペーストを乾燥して負極合剤層を形成し、その後、ロールプレスし、所定の大きさに切断して、帯状の負極シートを得た。なお、この負極シートは、幅を40mmとし、負極合剤層形成部の厚みを、集電体の両面に形成したものでは190μm、集電体の片面に形成したものでは100μmとなるようにした。
負極活物質として黒鉛を、バインダとしてPVDFを、それぞれ用いて負極を作製した。前記黒鉛:94質量部とPVDF:6質量部と予めNMPに溶解させておいたバインダ溶液とを混合して、負極合剤含有ペーストを調製した。得られた負極合剤含有ペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の片面または両面にアプリケータにより塗布した。なお、負極合剤含有ペーストの塗布に際しては、塗布部と未塗布部とが5cmおきに連続するように、かつ集電体の両面に塗布したものでは、表面で塗布部とした箇所は、裏面でも塗布部となるようにした。続いて、塗布した負極合剤含有ペーストを乾燥して負極合剤層を形成し、その後、ロールプレスし、所定の大きさに切断して、帯状の負極シートを得た。なお、この負極シートは、幅を40mmとし、負極合剤層形成部の厚みを、集電体の両面に形成したものでは190μm、集電体の片面に形成したものでは100μmとなるようにした。
前記の帯状の負極シートを、負極合剤層形成部が本体部(円弧の部分の直径16.3mm)となり、負極合剤層未形成部が集電タブ部となるように打ち抜くことにより、図3に示す形状であって、集電体の片面に負極合剤層を有する負極と、集電体の両面に負極合剤層を有する負極とを得た。なお、集電体の片面に負極合剤層を有する負極のうち、外装缶側に配置される負極については、前記の帯状の負極の集電体の露出面に、厚みが100μmのPETフィルムを貼り付けた後に打ち抜いた。
図3は、打ち抜き後の負極を模式的に表す平面図である。負極6A、6Bは、集電体の両面に負極合剤層61を形成しているか(負極6A)または集電体の片面に負極合剤層61を形成している(負極6B)本体部6aと、本体部6aから突出した幅狭の負極タブ部(集電タブ部)6bとを有している。
<電池用正極とセパレータとの一体化>
図4に、本実施例で使用したセパレータを模式的に表した平面図を示す。前記の正極の両面に、図4に示す形状のPE製微多孔膜セパレータ(厚み16μm)を配置し、図4に示す箇所を加熱プレス(温度170℃、プレス時間2秒)により溶着し、2枚のセパレータに係る主体部の周縁部の一部および張り出し部の周縁部の一部に接合部を形成して、正極とセパレータとを一体化した。
図4に、本実施例で使用したセパレータを模式的に表した平面図を示す。前記の正極の両面に、図4に示す形状のPE製微多孔膜セパレータ(厚み16μm)を配置し、図4に示す箇所を加熱プレス(温度170℃、プレス時間2秒)により溶着し、2枚のセパレータに係る主体部の周縁部の一部および張り出し部の周縁部の一部に接合部を形成して、正極とセパレータとを一体化した。
図4では、セパレータ7とともに、正極、負極およびセパレータが積層された積層電極体とした場合を想定して、セパレータ7の下に配置される正極5を点線で示し、それらの更に下側に配置される負極に係る集電タブ部6bを一点鎖線で示し、積層電極体に係る各構成要素の位置ずれを抑えるための結束テープ9を二点鎖線で示している。また、図4に示す正極5は、積層電極体において、その両側(両面)が一体化されたセパレータ7を介して負極と対向するものであり、図4では図示していないが、積層電極体とした状態では、セパレータ7の上側(図中手前方向)に負極を配置する。
図4に示すセパレータ7は、正極5(図中点線で表示)を介してその下側(図中奥行き方向)に配置される他のセパレータと、その周縁部において互いに溶着した接合部7c(図中、格子模様で表示)を有している。すなわち、セパレータ7と、その下側に配置されたセパレータとは、周縁部で互いに溶着されて袋状となっており、その内部に正極5を収容することで、正極とセパレータとが一体化している。
なお、図4に示すセパレータ7は、正極5の本体部5a全面を覆う主体部7a(すなわち、正極5の本体部5aよりも平面視での面積が大きな主体部7a)と、主体部7aから突出し、正極5の集電タブ部5bの、本体部5aとの境界部を少なくとも含む部分を覆う張り出し部7bとを有している。そして、セパレータ7の主体部7aの周縁部の少なくとも一部に、正極5の両面に配置された2枚のセパレータ(セパレータ7と、正極5の下側に配置されたセパレータ)同士を互いに溶着した接合部7cを設けている。また、主体部7aの周縁部の一部は、セパレータ同士を溶着せずに非溶着部7d、7dとして残している。
なお、2枚のセパレータに係る接合部の幅は、主体部、張り出し部とも0.3mmとし、張り出し部の周縁部における主体部からの突出方向の長さは0.5mmとした。また、2枚のセパレータの主体部の外縁のうち、90%の長さ部分を接合部とした。
<非水電解液の調製>
α−メチル−γ−ブチロラクトン(MBL)とプロピレンカーボネート(PC)との質量比が52:48の混合溶媒に、電解質であるリチウム塩として、LiBF4とLiB(C2O4)2〔LiBOB〕とを、それぞれ1.0mol/Lおよび0.03mol/Lとなる濃度で溶解し、更に、ビニレンカーボネート(VC)を5.0質量%添加した非水電解液を作製した。
α−メチル−γ−ブチロラクトン(MBL)とプロピレンカーボネート(PC)との質量比が52:48の混合溶媒に、電解質であるリチウム塩として、LiBF4とLiB(C2O4)2〔LiBOB〕とを、それぞれ1.0mol/Lおよび0.03mol/Lとなる濃度で溶解し、更に、ビニレンカーボネート(VC)を5.0質量%添加した非水電解液を作製した。
<電池の組み立て>
前記のセパレータと一体化した正極3枚と、集電体の両面に負極合剤層を形成した負極2枚と、集電体の片面に負極合剤層を形成した負極2枚(このうち1枚は、集電体の露出面にPETフィルムを貼り付けたもの)とを用い、集電体の片面に負極合剤層を形成した負極が最外部の電極になるように、正極と負極とを交互に重ね、全体を結束テープで固定して積層電極体とした。
前記のセパレータと一体化した正極3枚と、集電体の両面に負極合剤層を形成した負極2枚と、集電体の片面に負極合剤層を形成した負極2枚(このうち1枚は、集電体の露出面にPETフィルムを貼り付けたもの)とを用い、集電体の片面に負極合剤層を形成した負極が最外部の電極になるように、正極と負極とを交互に重ね、全体を結束テープで固定して積層電極体とした。
積層電極体の一方の両側に出ている各正極の集電タブ部と、その反対側に出ている各負極の集電タブ部を、それぞれ纏めて溶接して一体化した後、積層電極体の負極のPETフィルムが外装缶(正極端子)の内面と対向するようにして、積層電極体を外装缶内に入れ、一体化した各正極の集電タブ部を外装缶の内面に溶接した。
次に、封口板(負極端子)に絶縁ガスケットを装着し、前記非水電解液を90mg(70μl)注入した後、電極体を収容した外装缶を被せ、周囲をかしめて、直径20mm、厚み1.6mmで、セパレータの形態が異なる以外は図1に示すものと同様の構造のコイン形非水二次電池を得た。
なお、前記のコイン非水二次電池は、電流値6mAでの放電で、放電容量が30mAhとなるように設計したものである。
作製した電池に対し、6mAの電流で90%の充電深度(充電電気量:27mAh)となるまで充電し、更に60℃の恒温槽中で6時間保持することにより活性化処理を行った。その後、一部の電池を分解して負極を取り出し、負極合剤層の表面のSEM観察を行った。これにより得られたSEM写真を図5に示す。図5に示す通り、実施例1の非水二次電池に係る負極の負極合剤層の表面には、粒子状堆積物が形成されており、その平均粒子径は100nmであった。また、負極合剤層の表面のXPS分析を行ったところ、190〜195eVにホウ素に基づくピークが、280〜292eVに炭素に基づくピークが、526〜536eVに酸素に基づくピークが、682〜690eVにフッ素に基づくピークが、それぞれ観察された。更に、XPS分析により得られた前記の各ピークのピーク強度から求めたホウ素、炭素、酸素およびフッ素の量は、それぞれ、1.6原子%、23.4原子%、17.0原子%および18.3原子%であり、Ic/(Ia+Ib)の値は0.45であった。
実施例2
非水電解液の調製において、MBLとPCとの質量比が68:32の混合溶媒を用い、LiBOBを添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
非水電解液の調製において、MBLとPCとの質量比が68:32の混合溶媒を用い、LiBOBを添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
実施例3
非水電解液の調製において、MBLとPCとの質量比が68:32の混合溶媒を用い、VCを添加しなかった以外は実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
非水電解液の調製において、MBLとPCとの質量比が68:32の混合溶媒を用い、VCを添加しなかった以外は実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
実施例4
非水電解液の調製において、MBLとPCとの質量比が68:32の混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
非水電解液の調製において、MBLとPCとの質量比が68:32の混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
実施例5
非水電解液の調製において、VCに代えてプロパンスルトン(PS)を5.0質量%添加した以外は、実施例3と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
非水電解液の調製において、VCに代えてプロパンスルトン(PS)を5.0質量%添加した以外は、実施例3と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
実施例6
非水電解液の調製において、MBLとPCとの混合溶媒に代えて、MBLのみを溶媒として用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
非水電解液の調製において、MBLとPCとの混合溶媒に代えて、MBLのみを溶媒として用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
実施例7
非水電解液の調製において、MBLとPCとエチルメチルカーボネート(EMC)との質量比が69:22:9の混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
非水電解液の調製において、MBLとPCとエチルメチルカーボネート(EMC)との質量比が69:22:9の混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
実施例8
セパレータに、セルロース材の不織布を用いた以外は実施例3と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
セパレータに、セルロース材の不織布を用いた以外は実施例3と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
実施例9
<正極の作製>
実施例1で調製した正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス処理を施して正極合剤層を形成し、正極シートを得た。得られた正極シートの正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり60μmであった。その後、得られた正極シートを裁断することにより、正極合剤層の形成部分が幅105mm、長さ200mmであり、更に正極タブとなる正極集電体の露出部を有する正極を得た。
<正極の作製>
実施例1で調製した正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス処理を施して正極合剤層を形成し、正極シートを得た。得られた正極シートの正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり60μmであった。その後、得られた正極シートを裁断することにより、正極合剤層の形成部分が幅105mm、長さ200mmであり、更に正極タブとなる正極集電体の露出部を有する正極を得た。
<負極の作製>
実施例1で調製した負極合剤含有ペーストを、厚みが10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス処理を施して負極合剤層を形成し、負極シートを得た。得られた負極シートの負極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり60μmであった。その後、得られた負極シートを裁断することにより、負極合剤層の形成部分が幅110mm、長さ205mmであり、更に負極タブとなる負極集電体の露出部を有する負極を得た。
実施例1で調製した負極合剤含有ペーストを、厚みが10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス処理を施して負極合剤層を形成し、負極シートを得た。得られた負極シートの負極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり60μmであった。その後、得られた負極シートを裁断することにより、負極合剤層の形成部分が幅110mm、長さ205mmであり、更に負極タブとなる負極集電体の露出部を有する負極を得た。
<電池の組み立て>
前記の正極20枚と、前記の負極21枚とを、セパレータ(厚みが25μmのポリエチレン製微多孔フィルム)を介して積層し、積層電極体とした。なお、積層電極体の両端は、いずれも負極となるように積層した。次に、前記の積層電極体の各々の正極タブを重ねて正極外部端子(長さ30mm、幅20mm、厚み0.2mmのアルミニウム板)に超音波溶接し、また、前記の積層電極体の各々の負極タブを重ねて負極外部端子(長さ30mm、幅20mm、厚み0.2mmの銅板)に超音波溶接した。更に、ポリエステルフィルム/アルミニウムフィルム/変性ポリオレフィンフィルムからなる厚み150μmの三層構造の2枚の金属ラミネートフィルム(矩形で、サイズ130mm×230mm)を用意し、前記変性ポリオレフィンフィルムが内側になるようにして前記積層電極体を間に挟んで重ね、前記正極外部端子および前記負極外部端子の一部が、金属ラミネートフィルムの同一辺から突出するようにして、重ねた金属ラミネートフィルムの3辺を熱シールして封止し、外装体を形成した。これを70℃で15時間真空乾燥した後、ラミネートフィルム外装体の封止していない一辺から、実施例4で調製した非水電解液を注入し、減圧状態で前記の一辺を熱シールして、ラミネート形非水二次電池を作製した。なお、ラミネートフィルム外装体の熱シールの幅は、10mmとした。
前記の正極20枚と、前記の負極21枚とを、セパレータ(厚みが25μmのポリエチレン製微多孔フィルム)を介して積層し、積層電極体とした。なお、積層電極体の両端は、いずれも負極となるように積層した。次に、前記の積層電極体の各々の正極タブを重ねて正極外部端子(長さ30mm、幅20mm、厚み0.2mmのアルミニウム板)に超音波溶接し、また、前記の積層電極体の各々の負極タブを重ねて負極外部端子(長さ30mm、幅20mm、厚み0.2mmの銅板)に超音波溶接した。更に、ポリエステルフィルム/アルミニウムフィルム/変性ポリオレフィンフィルムからなる厚み150μmの三層構造の2枚の金属ラミネートフィルム(矩形で、サイズ130mm×230mm)を用意し、前記変性ポリオレフィンフィルムが内側になるようにして前記積層電極体を間に挟んで重ね、前記正極外部端子および前記負極外部端子の一部が、金属ラミネートフィルムの同一辺から突出するようにして、重ねた金属ラミネートフィルムの3辺を熱シールして封止し、外装体を形成した。これを70℃で15時間真空乾燥した後、ラミネートフィルム外装体の封止していない一辺から、実施例4で調製した非水電解液を注入し、減圧状態で前記の一辺を熱シールして、ラミネート形非水二次電池を作製した。なお、ラミネートフィルム外装体の熱シールの幅は、10mmとした。
作製した電池に対し、90%の充電深度となるまで定電流充電し、更に60℃の恒温槽中で6時間保持することにより活性化処理を行った。
実施例2〜9の非水二次電池についても、実施例1と同様にして、一部の電池を分解して負極を取り出し、負極合剤層の表面のSEM観察を行った。その結果、負極合剤層の表面に形成されている粒子状堆積物の平均粒子径が、10〜500nmの範囲にあることが確認された、また、負極合剤層の表面のXPS分析を行ったところ、190〜195eVにホウ素に基づくピークが、280〜292eVに炭素に基づくピークが、526〜536eVに酸素に基づくピークが、682〜690eVにフッ素に基づくピークが、それぞれ観察され、炭素、酸素およびフッ素の各ピークのピーク強度から求めたIc/(Ia+Ib)の値は、いずれも0.3以上であった。
比較例1
非水電解液の調製において、MBLとPCとの質量比が52:48の混合溶媒を用い、LiBOBおよびVCを添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
非水電解液の調製において、MBLとPCとの質量比が52:48の混合溶媒を用い、LiBOBおよびVCを添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
活性化処理後の電池の一部を分解して負極を取り出し、負極合剤層の表面のSEM観察を行ったところ、平均粒子径が50nmの粒子状堆積物が形成されていた。また、前記負極の負極合剤層の表面のXPS分析を行ったところ、190〜195eVにホウ素に基づくピークが、280〜292eVに炭素に基づくピークが、526〜536eVに酸素に基づくピークが、682〜690eVにフッ素に基づくピークがそれぞれ観察され、炭素、酸素およびフッ素の各ピークのピーク強度から求めたIc/(Ia+Ib)の値は、0.28であった。
比較例2
非水電解液の調製において、MBLとPCとの混合溶媒に代えて、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との質量比が30:70の混合溶媒を用いた以外は、実施例2と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
非水電解液の調製において、MBLとPCとの混合溶媒に代えて、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との質量比が30:70の混合溶媒を用いた以外は、実施例2と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
活性化処理後の電池の一部を分解して負極を取り出し、負極合剤層の表面のSEM観察を行ったが、平均粒子径が10nm以上となる粒子状堆積物は形成されていなかった。
比較例3
非水電解液の調製において、電解質であるリチウム塩として、LiBF4とに代えて、LiPF6を1.2mol/Lとなる濃度で溶解した以外は、比較例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
非水電解液の調製において、電解質であるリチウム塩として、LiBF4とに代えて、LiPF6を1.2mol/Lとなる濃度で溶解した以外は、比較例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
活性化処理後の電池の一部を分解して負極を取り出し、負極合剤層の表面のSEM観察を行ったところ、平均粒子径が50nmの粒子状堆積物が形成されていた。また、前記負極の負極合剤層の表面のXPS分析を行ったところ、190〜195eVにホウ素に基づくピークは観察されなかった。
比較例4
非水電解液の調製において、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との質量比が30:70の混合溶媒を用いた以外は、比較例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
非水電解液の調製において、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との質量比が30:70の混合溶媒を用いた以外は、比較例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
活性化処理後の電池の一部を分解して負極を取り出し、負極合剤層の表面のSEM観察を行ったが、平均粒子径が10nm以上となる粒子状堆積物は形成されていなかった。
比較例5
非水電解液の調製において、VCを2.0質量%添加した以外は、比較例4と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
非水電解液の調製において、VCを2.0質量%添加した以外は、比較例4と同様にしてコイン形非水二次電池を作製し、前記と同様の活性化処理を行った。
活性化処理後の電池の一部を分解して負極を取り出し、負極合剤層の表面のSEM観察を行った。これにより得られたSEM写真を図6に示す。図6に示す通り、比較例5に係る負極の負極合剤層の表面には、平均粒子径が10nm以上となる粒子状堆積物は形成されていなかった。なお、前記負極の負極合剤層の表面のXPS分析を行ったところ、190〜195eVにホウ素に基づくピークは観察されなかった。また、XPS分析により得られた炭素、酸素およびフッ素の各ピークのピーク強度から求めたIc/(Ia+Ib)の値は0.17であった。
実施例および比較例の非水二次電池について、以下の各評価を行った。
<高温充放電サイクル特性評価>
実施例1〜9および比較例1〜5の各非水二次電池について、85℃の環境下で、1Cの電流値で4.2Vになるまで定電流充電を行い、引き続いて電流値が0.1Cになるまで4.2Vで定電圧充電を行った後、2.5Vになるまで定電流放電を行う一連の操作を1サイクルとして、これらを50サイクル実施した。そして、その間の短絡の有無を調べた。
実施例1〜9および比較例1〜5の各非水二次電池について、85℃の環境下で、1Cの電流値で4.2Vになるまで定電流充電を行い、引き続いて電流値が0.1Cになるまで4.2Vで定電圧充電を行った後、2.5Vになるまで定電流放電を行う一連の操作を1サイクルとして、これらを50サイクル実施した。そして、その間の短絡の有無を調べた。
<高温貯蔵特性評価>
実施例1〜9および比較例1〜5の各非水二次電池について、室温(25℃)で、1Cの電流値で4.2Vになるまで定電流充電を行い、引き続いて電流値が0.1Cになるまで4.2Vで定電圧充電を行った後、2.5Vになるまで定電流放電を行い、放電容量(初期容量)を測定した。
実施例1〜9および比較例1〜5の各非水二次電池について、室温(25℃)で、1Cの電流値で4.2Vになるまで定電流充電を行い、引き続いて電流値が0.1Cになるまで4.2Vで定電圧充電を行った後、2.5Vになるまで定電流放電を行い、放電容量(初期容量)を測定した。
次に、初期容量測定時と同じ条件で定電流充電および定電圧充電を行った各電池を、100℃の恒温槽内で48時間貯蔵した。その後、各電池を恒温槽から取り出して室温に戻した後に、2.5Vになるまで定電流放電を行った後、初期容量測定時と同じ条件で、定電流充電、定電圧充電および定電流放電を行って、放電容量(回復容量)を求めた。
そして、各電池について、回復容量を初期容量で除した値を百分率で表して容量回復率を求めた。
実施例および比較例の各非水二次電池に用いた非水電解液の構成を表1、2に示し、前記の各評価結果を表3に示す。表3における「高温充放電サイクル特性」の欄では、短絡が生じなかった場合を「○」で示し、短絡が生じた場合を「×」で示す。
表1〜3に示す通り、負極合剤層の表面が適正な性状の負極を有する実施例1〜9の非水二次電池は、高温貯蔵特性評価時の容量維持率が高く、優れた高温貯蔵特性を有しており、また、高温充放電サイクル特性評価時に短絡も認められなかった。
これに対し、LiBOBおよびVCのいずれも含有しない非水電解液を使用した比較例1の電池、適正なサイズの粒子状堆積物が負極合剤層の表面に形成されていない比較例2、4の電池、負極合剤層の表面にホウ素が認められない比較例3、5の電池は、高温貯蔵時の容量維持率が低く、高温充放電サイクル特性評価時に短絡が生じており、高温貯蔵特性および高温充放電サイクル特性が劣っていた。
1 非水二次電池
2 外装缶
3 封口板
4 絶縁ガスケット
5 正極
51 正極合剤層
52 正極集電体
5b 正極タブ部
6A、6B 負極
61 負極合剤層
62 負極集電体
6b 負極タブ部
7 セパレータ
8 絶縁シール
2 外装缶
3 封口板
4 絶縁ガスケット
5 正極
51 正極合剤層
52 正極集電体
5b 正極タブ部
6A、6B 負極
61 負極合剤層
62 負極集電体
6b 負極タブ部
7 セパレータ
8 絶縁シール
Claims (4)
- 負極活物質を含有する負極合剤層と集電体とを有する負極、正極、セパレータ、並びにリチウム塩および有機溶媒を含有する非水電解液を備えた非水二次電池であって、
前記負極合剤層の表面に、平均粒子径が10〜500nmの粒子状堆積物が存在しており、
前記負極合剤層の表面をX線光電子分光分析したときに、190〜195eVにホウ素に基づくピークが、280〜292eVに炭素に基づくピークが、526〜536eVに酸素に基づくピークが、682〜690eVにフッ素に基づくピークが、それぞれ観察され、
前記非水電解液は、リチウムビスオキサレートボレート、または、ビニレンカーボネートを含有していることを特徴とする非水二次電池。 - 前記炭素に基づくピーク、酸素に基づくピークおよびフッ素に基づくピークの強度を、それぞれIa、IbおよびIcとしたときに、Ic/(Ia+Ib)≧0.3である請求項1に記載の非水二次電池。
- 前記非水電解液は、前記有機溶媒としてα位に置換基を有するラクトン類を含有し、かつ前記リチウム塩としてLiBF4を含有している請求項1または2に記載の非水二次電池。
- 前記負極合剤層は、前記負極活物質として炭素材料を含有している請求項1〜3のいずれかに記載の非水二次電池。
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- 2016-03-09 JP JP2016045198A patent/JP2017162633A/ja active Pending
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