JP2017161189A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】品質の低下なく短時間で冷凍対象品を冷凍させる。【解決手段】冷凍対象品を配置可能な冷凍室10と、冷凍室10内を冷却する冷却装置11と、冷凍室10内の冷凍対象品が配置される空間に電界を発生させる電極12と、電極12に冷凍対象品の過冷却を抑制する所定の強さの電界を発生させる電圧を印加する電源装置13とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、短時間で品質の低下なく冷凍対象品の冷凍が可能な冷凍装置に関する。
食品等の冷凍対象品の冷凍方法には、短時間で冷凍する『急速冷凍』と、急速冷凍より長い時間をかけて冷凍する『緩慢冷凍』とがある。冷凍する際、最大氷晶生成帯(氷結晶が生成される約−1〜−5℃の温度帯)の通過時間が短いと冷凍対象品の氷結晶は小さくなり、通過時間が長いと氷結晶は大きくなる。また、冷凍対象品内の氷結晶が大きいよりも小さい方が、細胞破壊が少なく、品質の劣化が少ないとされている。
図7に示すように、急速冷凍(ラインA)では最大氷晶生成帯の通過時間が短い。したがって、急速冷凍で冷凍された冷凍対象品内では、細かい氷結晶が多く存在する。一方、緩慢冷凍(ラインB)では、急速冷凍と比較して最大氷晶生成帯の通過時間が長くなる。したがって、緩慢冷凍で冷凍された冷凍対象品内では、急速冷凍の場合よりも氷結晶が大きくなる。そのため、長い時間かけて冷凍する緩慢冷凍より、短時間で冷凍する急速冷凍の方が、冷凍対象品の品質の低下を防止できると考えられてきた。
これに対し、緩慢冷凍において過冷却を利用する方法が検討されている(ラインC)。過冷却とは、凍結点より低い温度になっても凍結されていないことをいう。過冷却状態におかれた冷凍対象品は、内部まで十分に低い温度に保たれるため、過冷却状態の後に氷結されると、冷凍対象品内には細かい氷結晶が均一に生じ、冷凍対象品の品質を維持することができると考えられている。したがって、近年、急速冷凍の場合の品質の劣化と過冷却を利用して緩慢冷凍で冷凍した場合の品質の劣化とを比較すると、過冷却を利用して緩慢冷凍で冷凍した場合の方が、品質の劣化が少ないと考える説もある。一例として、冷凍対象品に交番電界と磁場を作用させながら過冷却を利用し、高鮮度高品質に冷凍する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
過冷却が発生した水で温度低下すると冷熱は蓄えられるが過冷却解消時に必要な熱量までにはならず、凝固点まで温度が上昇し、凝固が開始される。このため冷凍されるまでに時間を要することになる。
特開2003-88347号公報
上述したように、冷凍対象品を凍結する際、冷凍対象品の品質を維持し、かつ、冷凍時間を短縮することが課題となっている。
上記課題に鑑み、本発明は、冷凍対象品の品質低下を防止し、短時間で冷凍することのできる冷凍装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、冷凍対象品を配置可能な冷凍室と、前記冷凍室内を冷却する冷却装置と、前記冷凍室内の冷凍対象品が配置される空間に電界を発生させる電極と、前記電極に冷凍対象品の過冷却を抑制する300V/cm近傍の強さの電界を発生させる電圧を印加する電源装置とを備える。
本発明によれば、冷凍対象品の品質低下を防止し、短時間で冷凍が可能な冷凍装置を得ることができる。
本発明の実施形態に係る冷凍装置の構成を説明する概略図である。 本発明の実施形態に係る冷凍装置の電極の配置を説明する概略図である。 本発明の実施形態に係る冷凍装置の電極の配置と電界の強さの分布を説明する概略図である。 本発明の実施形態に係る冷凍装置の電極の構成と電界の強さの分布を説明する概略図である。 実験で得られた冷凍対象品の冷凍時の温度変化を表すグラフである。 市販のプリンを用いた実験例を示すグラフである。 一般的な冷凍方法を説明するグラフである。
以下に、図面を用いて本発明の実施形態に係る冷凍装置を説明する。実施形態に係る冷凍装置は、食品等の水分を含む冷凍対象品を冷凍する。以下の説明において、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図1に示すように、実施形態に係る冷凍装置1は、冷凍対象品Xを内部に配置可能に形成される冷凍室10と、冷凍室10内を冷却する冷却装置11と、冷凍対象品Xの過冷却を抑制する所定電圧の電界を発生させる電極12(12a,12b)と、電極12に印加する電圧を供給する電源装置13とを備える。
〈冷凍室〉
冷凍室10は、冷凍対象品Xの出し入れに利用される扉(図示せず)を備え、冷凍時には扉が閉じられて密閉可能な空間が形成される。また、冷凍室10は、内部の冷気が外部に伝熱されることのないように形成される。冷凍室10は、冷凍対象品Xを収納可能であり、冷却(冷凍)することができれば、そのサイズ及び形状は限定されない。
〈冷却装置〉
冷却装置11は、冷凍室10内を、冷凍対象品Xを冷凍することができる温度に冷却する。この冷却装置11の構成は限定されないが、一般的な冷却装置であって、例えば、圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を備えるとともに冷媒を有し、冷気を生成する。また、冷却装置11は、生成した冷気を冷凍室10に送り、冷凍室10内を冷却する。
〈電極〉
電極12は、電圧の印加により、冷却装置11内に電界を発生させる。電極12の形状及び配置方法は限定されない。例えば、図2に示すように、複数の平板状の電極12を水平に配置し、冷凍室10内で電極12によって棚を形成してもよい。この場合、冷凍対象品Xは、電極12上に配置され、この電極12によって発生された電界に曝される。図2は、3枚の電極12(12A〜12C)を支持部材14(14A〜14F)で支持し、電極12B上と電極12C上に冷凍対象品Xを載置可能とする一例である。また、各電極12に電圧が印加されると、2枚の電極12間(12Aと12Bの間、12Bと12Cの間)にそれぞれ電界が発生し、電極12間に配置される各冷凍対象品Xが電界に曝される。
図2に示すように電極12が支持部材14で支持されるとき、電極12には、電源装置13から支持部材14を介して、電界形成に必要な電圧が供給されてもよい。例えば、各電極12A〜12Cと各支持部材14A〜14Fとの間を、電気的な接続が可能な固定具によって導通を確保することができるように固定することで、電源装置13から供給される電圧が支持部材14を介して電極12に印加されるよう構成される。この場合、複数ある支持部材14の全てを介して電極12に電圧を印加することが可能に形成されてもよいし、一部の支持部材14のみを介して電極12に電圧を供給するように形成されてもよい。
〈電源装置〉
電源装置13は、冷凍対象品Xを冷凍する際、電極12に電圧を印加する。電源装置13が印加する電圧は、冷凍対象品Xにおける過冷却の発生を防止する電界を発生させる電圧である。この電源装置13は、商用電源を使用することができる。
電源装置13は、電極12に電圧を印加し、冷凍室10内で電界を発生させ、冷凍対象品Xに電界を与える。冷凍装置1では、冷凍の際に冷凍対象品Xに電界を与えることにより、冷凍時に生じる過冷却を抑制する。
電源装置13が電極12に電圧を印加するタイミングは限定されない。例えば、電源装置13は、冷凍の開始時から電圧を印加して電界を発生させてもよいし、冷凍対象品Xが過冷却状態となった時点からこの過冷却を抑制するために電界を発生させてもよい。なお、冷凍対象品Xが過冷却状態であるか否かは、冷凍室10内に冷凍対象品Xの温度変化を計測する温度センサ(図示せず)を設け、その温度センサの計測結果により判断することができる。
冷凍対象品Xに電界を与えて過冷却を抑制すると、冷凍対象品X内では、水と氷がほぼ同じ温度で混在して氷結が進行する状態が生じる。液体の水と固体の氷の熱伝導率を比較すると、水よりも氷の方が熱伝導率が高い。すなわち、過冷却状態で冷凍対象品Xの水分が液体である場合よりも、過冷却が抑制されて冷凍が開始され、冷凍対象品Xの水分が液体と固体の状態で混在する場合の方が、冷凍対象品Xの内部で冷熱が伝わりやすい。したがって、冷凍装置1では、過冷却を抑制し、冷凍対象品X内で水と氷とを混在させることで、冷凍対象品Xの冷凍を促進させ、凍結に要する時間を短縮させることができる。
なお、水の熱伝導率は0.467kcal/m・h・℃、氷の熱伝導率は2.05kcal/m・h・℃、水の比熱は4.186kJ/kg・K、氷の比熱は2.09kJ/kg・K、である。
また、一般的な急速冷凍では冷凍対象品Xの外側から凍結されることによって内部での氷結晶が不均一となる。これに対し、冷凍装置1では、過冷却を抑制した液体と固体とが混在した状態で均一に凍結することができるため、細かい氷結晶が均一になるように凍結させることができる。すなわち、冷凍装置1では、品質の低下を防止することができる。
このように、本実施形態の過冷却を抑制した冷凍は、従来の過冷却を利用しない緩慢冷凍・急速冷凍と比較して、氷核生成物が発生し易くなり氷が早くでき、冷凍に必要な時間を短縮でき、また冷凍品質を高めることができる。
過冷却を抑制するために冷凍対象品Xに与える電界は、冷凍対象品Xの種類に応じて異なる。これは、冷凍対象品Xの種類毎にその誘電率が異なり、その誘電率に応じて冷凍対象品X内における電界の強さが影響を受けるためである。
例えば、冷凍対象品Xの外部と内部の電界の強さと、冷凍対象品Xの誘電率とは式(1)の関係にある。
E1=ε×E2 ・・・(1)
E1;冷凍対象品の外の電界の強さ(冷凍対象品が配置される空間の電界)
E2;冷凍対象品の中の電界の強さ
ε;冷凍対象品の誘電率
したがって、冷凍対象品Xの誘電率に応じて、冷凍対象品Xに与える電界の強さを決定する。なお、電界の強さは、電源装置13から与える電圧を制御したり、電極12の配置や電極12の種類を選択して調整することができる。
(電極配置の一例)
電極12は、冷凍対象品Xが配置される導電性棚板を構成し、導電性棚板としての電極は、一部が絶縁され、電圧を印加する位置、又は電圧極性を変更可能に構成されている。
図3は、図2の棚を形成する電極12の側面の概略図であり、このように電極12が配置され、電圧が印加された場合の電極12間での電界の強さの分布を『強』、『中』、『弱』で表すものである。図3の例は、電極12に、支持部材14C,14Dを介して電圧が印加される場合の電界分布である。なお、図3は、分布の強弱を簡略化して表すものであり、実際は、電界の強さは連続的に変化する。また、図3では、支持部材14A,14B,14E,14Fの図示は省略する。
図3(a)は、上段の第1電極12Aと下段の第3電極12Cとを陽極とし、中段の第2電極12Bを陰極とした場合の一例である。すなわち、図3(a)に示す例は、電極12の陽極と陰極を交互にしたものである。図3(a)に示すように、複数の電極12A〜12Cの極性を交互にした場合、各電極12間において、陰極付近の一部において電界はわずかに弱くなるものの、その他においては強い電界及び中程度の電界の領域を広くすることができる。
また、図3(b)は、第1電極12A、第2電極12B及び第3電極12Cの全てを陽極とした場合である。図3(b)に示すように、複数の電極12A〜12Cの極性を同一にした場合、各電極12間では比較的弱い電界の領域が広くなる。特に、電極12において電圧が印加される側の電界が弱くなる。
図3に示すように、複数の電極12を使用する際、各電極12の極性を調整し、電界の強弱の分布を調整することができる。
(電極構造の一例)
図4は、絶縁部20を有する電極12と、この電極12を支持する支持部材14(14A〜14F)の位置関係と、電界の強さの分布を説明する上面図である。冷凍対象品Xが配置される電極12の一部に絶縁部20を設けることで、各支持部材14を介して電極12に電圧が印加される場合であっても、電極12の支持の方法(方向)に応じて電界の状態、すなわち、電界の分布や電界の強さを調整することができる。
具体的には、図4(a)及び図4(b)に示す電極12は、平板状の電極12の外周4辺のうち第1の辺121aと第2の辺121bの2辺は、電極となる金属であり、第3の辺121cと第4の辺121dの2辺は、絶縁体で覆われた絶縁部20である場合の一例である。図4の例において、電極12には、全ての支持部材14A〜14Fから電圧が供給可能に形成される。しかしながら、電圧供給時に絶縁部20と接する支持部材14からは電圧は供給されず、金属部分と接する支持部材14のみから電圧が供給される。
図4(a)と図4(b)に示す電極12は同一であるが、支持方向を変更することで、支持部材14と接する辺が異なる。図4(a)の例では、第1支持部材14A及び第2支持部材14Bが金属部分である第1の辺121aを支持し、第3支持部材14C及び第4支持部材14Dが金属部分である第2の辺121bを支持する。また、第5支持部材14E及び第6支持部材14Fが絶縁部20の辺である第3の辺121cを支持する。したがって、電極12には、支持部材14A,14B,14C,14Dを介して電圧が供給される。
図4(b)の例では、第1支持部材14A及び第2支持部材14Bが絶縁部20の辺である第3の辺121cを支持し、第3支持部材14C及び第4支持部材14Dが絶縁部20の辺である第4の辺121dを支持し、第5支持部材14E及び第6支持部材14Fが金属部分である第1の辺121aを支持する。したがって、電極12には、支持部材14E,14Fを介して電圧が供給される。
このように、図4(a)に示す支持方法と図4(b)に示す支持方法とでは、電気的な接続が異なる。したがって、電極12の支持方法(支持方向)を変更することで、電極12間に形成される電界の状態を制御することができる。具体的には、各支持部材14から印加される電圧の大きさが同一であるとしても、図4(a)に示す例では、第1の辺121a及び第2の辺121bと近接する範囲(図中の『弱』の範囲)の電界は弱くなり、第3の辺121c及び第4の辺121dと近接する範囲(図中の『強』の範囲)の電界が強くなる。また、図4(b)に示す例では、第1の辺121aと近接する範囲(図中の『弱』の範囲)のみ電界が弱くなり、その他の範囲(図中の『強』の範囲)の電界は強くなる。
また、図4(c)及び図4(d)に示す電極12は、平網状の電極12の外周4辺のうち第1の辺121aと第2の辺121bの2辺は、電極となる金属であり、第3の辺121cと第4の辺121dの2辺の支持部材14と接触する部分が、絶縁体で覆われた絶縁部20である場合の一例である。また、この電極12は、複数の支持部材14(14A〜14F)で支持される。
図4(c)と図4(d)に示す電極12は同一であるが、支持方向を変更することで、支持部材14と接する辺が異なる。図4(c)の例では、第1支持部材14A及び第2支持部材14Bが金属部分である第1の辺121aを支持し、第3支持部材14C及び第4支持部材14Dが金属部分である第2の辺121bを支持する。また、第5支持部材14E及び第6支持部材14Fが絶縁部20を有する第3の辺121cを支持する。したがって、電極12には、支持部材14A,14B,14C,14Dを介して電圧が供給される。
図4(d)の例では、第1支持部材14A及び第2支持部材14Bが絶縁部20を有する第3の辺121cを支持し、第3支持部材14C及び第4支持部材14Dが絶縁部20を有する第4の辺121dを支持し、第5支持部材14E及び第6支持部材14Fが金属部分である第1の辺121aを支持する。したがって、電極12には、支持部材14E,14Fを介して電圧が供給される。
この場合も、図4(c)に示す支持方法と図4(d)に示す支持方法とでは、電気的な接続が異なる。したがって、電極12の支持方法(支持方向)を変更することで、電極12間に形成される電界の状態を制御することができる。具体的には、図4(c)に示す例では、図4(a)の場合と同様、第1の辺121a及び第2の辺121bと近接する範囲の電界が強くなり、第3の辺121c及び第4の辺121dと近接する範囲の電界が弱くなる。また、図4(d)に示す例では、図4(b)の場合と同様、第1の辺121aと近接する範囲のみ電界が強くなり、その他の範囲の電界は弱くなる。
なお、図2に示すように、複数の電極12を使用する場合、複数の電極12の支持方法を同一にする必要はなく、上段と下段の電極12A,12Cは図4(a)に示すように支持し、中段の電極12Bは図4(b)に示すように支持してもよい。複数の電極12を異なる方法で支持することで、各電極12間に形成される電界の状態をそれぞれ調整することができる。したがって、電極12間で形成される電界の状態が異なるように電極12を支持することで、異なる強さの電界で過冷却が抑制される複数種の冷凍対象品Xを同時に冷凍することができる。
また、複数の電極12を使用する場合、その種類は同一にする一用はなく、例えば、上段と下段の電極として図4(a)に示す電極12を使用し、中段の電極として図4(c)に示す電極12を利用してもよい。冷凍対象品Xの種類等に応じ、複数の電極12の支持の方法(方向)や使用する電極12の種類を選択し、電界の状態を制御することができる。さらに、絶縁部20の配置方法も限定されない。
(実験例)
本発明の冷凍装置1を利用した場合の実験例を説明する。
ここでは、商用電源を利用して電界(交流電界)を発生させた−6℃の冷凍室10内で、冷凍対象品XとしてPET(ポリエチレンテレフタレート)製のボトル中の生理食塩水200mlを凍結させ、生理食塩水中の温度を計測した計測結果が図5のグラフである。冷凍室10内の気体は空気である。計測方法としては、ボトル中央にポリアミド糸で温度センサとしてデータロガーを吊るし、このデータロガーによって生理食塩水中の温度を計測した。また、使用したデータロガーのサンプリング時間間隔は1分であり、温度分解能は0.5℃である。図5のグラフの横軸は時間(分)であり、縦軸は温度(℃)である。計測結果は、温度と電界のみで決まり、冷凍室10のサイズ、電極12の形状、冷凍室10内における電極12の配置位置等には依存しない。
図5(a)は、冷凍室10内に、290V/cmの電界を発生させた場合の計測結果である。時間の経過とともに、生理食塩水の温度は低下し、冷凍の開始後、約80〜120分の間、過冷却状態となっている。また、冷凍の開始から約120分経過した時点で生理食塩水は凝固点温度となり、過冷却状態が終了し、凍結が開始している。すなわち、290V/cmの電界を発生した場合、生理食塩水は、一度、過冷却状態となった後に冷凍されたことが分かる。したがって、この条件の場合、冷凍室10内における290V/cmの電界は、過冷却を抑制するものではないという結果を得た。
なお、290V/cmは、冷凍室10、すなわち、冷凍対象品Xの外側の電界である。したがって、冷凍対象品Xの内部、すなわち、生理食塩水中で発生する電界は、生理食塩水の誘電率に応じて弱くなる。具体的には、生理食塩水の比誘電率は70〜80であるため、上述の式(1)を用いた結果、生理食塩水中の電界は、3.6〜4.1V/cm程度であると求められる。
図5(b)は、冷凍室10内に、220V/cmの電界を発生させた場合と、330V/cmの電界を発生させた場合の計測結果である。220V/cmの電界を発生させた場合、冷凍の開始から約80分経過した時点で過冷却の状態となり、200分を過ぎても温度が低下し、過冷却状態が継続された。したがって、この条件の場合、冷凍室10内における220V/cmの電界は、過冷却を抑制するものではないという結果を得た。
なお、この場合も、220V/cmは、冷凍室10、すなわち、冷凍対象品Xの外側の電界である。したがって、冷凍対象品Xの内部、すなわち、生理食塩水中で発生する電界は、生理食塩水の誘電率に応じて弱くなる。具体的には、生理食塩水の比誘電率は70〜80であるため、上述の式(1)を用いた結果、生理食塩水中の電界は、2.7〜3.1V/cm程度であると求められる。
また、330V/cmの電界を発生させた場合、冷凍の開始から約80分経過して生理食塩水は−1℃程度に冷却された後、約160分経過の時点で凝固点温度となり、過冷却状態とならずに凍結が開始した。したがって、この条件の場合、冷凍室10内における330V/cmの電界は、過冷却を抑制するという結果を得た。すなわち、330V/cmの電界中では、生理食塩水は、水と氷とがほぼ同じ温度で氷結が進行する状態を得ている。したがって、330V/cmの環境で冷凍することにより、生理食塩水中において細かい氷結晶を均一な分布で生成できることが分かる。
なお、330V/cmは、冷凍室10、すなわち、冷凍対象品Xの外側の電界である。したがって、冷凍対象品Xの内部、すなわち、生理食塩水中で発生する電界は、生理食塩水の誘電率に応じて弱くなる。具体的には、生理食塩水の比誘電率は70〜80であるため、上述の式(1)を用いた結果、生理食塩水中の電界は、4〜5V/cm程度であると求められる。
図5に示す実験結果から、290V/cmでは過冷却が発生し、330V/cmでは過冷却が抑制されるという結果を得た。したがって、冷凍対象品Xを配置する環境の電界を300V/cm程度以上にした場合、冷凍の際に過冷却を抑制することができると予測される。なお、この値300V/cmは、電界発生に利用した電圧の周波数が商用電源50kHzであって、冷凍対象品Xとして生理食塩水を冷凍する場合の値である。したがって、周波数が異なる電圧で電界を発生させる場合、異なる冷凍対象品Xを冷凍する場合、冷凍室10に発生させる電界の値もその値に応じて異なる。
実験例として、ナトリウムを含むプリンを用いた例を図6に示す。図6に示す例は、市販のカップ入りプリンを冷蔵庫(6℃)で冷却後、恒温室(−8℃)内に置いて冷却し、過冷却が解消する温度と電界の関係を計測したものである。特性曲線に示すように、約500V/cmから電界の影響が表れていることが分かる。
上述した実施形態に係る冷凍装置1では、冷凍対象品Xに電界を与えて冷却することで、過冷却を抑制し、冷凍に要する時間を短縮するとともに、冷凍による品質の劣化を防止することができる。
その他、放電によって生じるイオン風を利用し、冷熱を冷凍室10内部で循環し、冷凍を促進させるようにすることもできる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲の記載と均等の範囲により決定されるものである。
1…冷凍装置
10…冷凍室
11…冷却装置
12、12a、12b、12A〜12C…電極
13…電源装置
14A〜14F…支持部材
20…絶縁部
X…冷凍対象品

Claims (3)

  1. 冷凍対象品を配置可能な冷凍室と、
    前記冷凍室内を冷却する冷却装置と、
    前記冷凍室内の冷凍対象品が配置される空間に電界を発生させる電極と、
    前記電極に冷凍対象品の過冷却を抑制する300V/cm近傍の強さの電界を発生させる電圧を印加する電源装置と、
    を備えることを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記冷凍室内の気体が空気であり、冷凍対象品がナトリウム水分を含み、前記冷却装置が、前記冷凍室内を0℃以下に冷却する場合において、
    前記電源装置は、商用電源を利用し、前記冷凍室内に300V/cm近傍の電界を発生させる電圧を前記電極に印加することを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  3. 前記電極は、冷凍対象品が配置される導電性棚板を構成し、当該導電性棚板は、一部が絶縁され、電圧を印加する位置、又は電圧極性を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
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