JP2017160362A - 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像の形成方法及び形成装置 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像の形成方法及び形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、色材にシアン顔料を用いた場合に、顔料の分散安定性、通液性および吐出性、硬化性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物を提供することである。【解決手段】シアン顔料、重合性化合物、および顔料吸着性成分を含有し、前記シアン顔料1gに吸着した顔料吸着性成分量(A0)が50〜230mgであり、かつ、顔料に吸着していない顔料吸着性成分の量が顔料に吸着している量の15〜50質量%である活性エネルギー線硬化型組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、該組成物を収容した組成物収容容器、それらを用いた2次元又は3次元の像の形成方法及び形成装置に関する。
活性エネルギー線硬化型インクジェット記録方式は、無溶媒であるため揮発性有機化合物(以下、「VOC」と称することがある)の発生が無く、環境上有利であり、速乾性であり、インクを吸収しない液体非吸収性の記録用メディアにも記録できるという利点がある。
また、活性エネルギー線硬化型組成物であるインクは、様々な耐久性の観点から顔料系インクが求められることが多いが、顔料をインク中に均一に分散させる必要がある。顔料分散性の低下は、インクろ過時の通液性の低下やノズル詰まりなどの吐出性の低下をもたらす。
顔料を分散させる手段としては、顔料の樹脂被覆や分散剤の添加などが挙げられる。例えば、特許文献1には、吐出性、保存性に優れた紫外線硬化性インクジェットインクとして、顔料に吸着していない遊離した高分子分散剤がインク全体の1.0質量%以下であることを特徴とするインクジェットインクが提案されている。
また、特許文献2には、分散性に優れたカラーフィルター用透明着色組成物として、一次粒子径が50nm以下の有色微細複合着色剤であり、該有色微細複合着色剤の分散剤表面吸着量が5.1〜50.0mg/m2であることを特徴とする有色微細複合着色剤が提案されている。
しかしながら、少量の顔料吸着量成分で良好な分散安定性が得られるシアン顔料組成物、インクジェットインキは、いまだ実現できていない。そのため、分散安定性と、通液性および吐出性、硬化性などの膜特性を両立させることは困難であった。
本発明の目的は、色材にシアン顔料を用いた場合に、顔料の分散安定性、通液性および吐出性、硬化性、密着性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物を提供することである。
前記課題を解決するための手段としての本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、シアン顔料、重合性化合物、および顔料吸着性成分を含有し、前記シアン顔料1gに吸着した顔料吸着性成分量(A0)が50〜230mgであり、かつ、顔料に吸着していない顔料吸着性成分の量が顔料に吸着している量の15〜50質量%であることを特徴とする。
本発明によれば、色材にシアン顔料を用いた場合に、顔料の分散安定性、通液性および吐出性、硬化性、密着性に優れた活性エネルギー線硬化型組成物を提供することができる。
本発明における像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明における別の像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明におけるさらに別の像形成装置の一例を示す概略図である。
(活性エネルギー線硬化型組成物)
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、シアン顔料、重合性化合物および顔料吸着性成分を含有し、更に必要に応じて、重合開始剤、重合促進剤、その他の成分を含有してなる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、シアン顔料1gに吸着した顔料吸着性成分(A0)が50〜230mgである。顔料表面に顔料吸着性成分が吸着することにより、顔料と分散媒間の親和性のバランスが良くなり顔料の分散媒に対する濡れ性が向上する。吸着性成分の量が少なく濡れ性が低いと、顔料と分散媒間の親和性が保てず分散安定性が低下する。前記顔料吸着性成分(A0)が50mg以上であると、顔料吸着性成分が吸着したことによる立体反発効果により良好な分散安定性が得られ、前記(A0)が230mg以下であると、良好な通液性および吐出性が得られる。
前記顔料吸着性成分とは、分散媒へのぬれ性を付与する効果と、顔料の媒体中での分散安定性を付与する効果を持ち、分散剤ポリマーや顔料を被覆する樹脂成分などが挙げられる。分散剤ポリマーとしては、疎水性ブロックと親水性ブロックからなるブロック共重合体が利用でき、顔料表面に親水性ブロックが配向し、疎水性ブロックが分散媒側に広がってその立体障害効果から高い分散安定性が得られる。一方、被覆は、顔料表面を樹脂で覆うことで顔料の表面活性を下げ、媒体中への分散能をもたせて分散が可能である。
顔料吸着性成分は、分散剤ポリマーや顔料を被覆する樹脂成分などが挙げられるが、分散剤ポリマーであり、シアン顔料1gに吸着した分散剤ポリマー量が70〜200mgであることがさらに好ましい。
また、顔料に吸着していない顔料吸着性成分は、一定量含有すること必要であり、その量は顔料に吸着している量の15〜50質量%である。顔料に吸着していない顔料吸着性成分量が15質量%未満であると、顔料に吸着されている顔料吸着性成分が分散媒に移行し、顔料の分散安定性が低下する。顔料に吸着していない顔料吸着性成分量が50質量%を越えると、通液性および吐出性の低下に加えて、さらに、硬化時の阻害要因となり膜特性の低下をもたらす恐れがある。顔料に吸着していない顔料吸着性成分は、インクのチクソ性を大きくする要因の一つと考えられ、チクソ性の増大はインクろ過時の通液性の低下をもたらし、さらにはミストによるノズル汚れの発生からインク吐出性を悪化させる恐れがある。
顔料に吸着している顔料吸着性成分の量は、顔料吸着性成分の配合量や、酸価、アミン価などの物性に影響を受けるだけでなく、顔料の粒径、表面処理状態、分散条件などによっても左右される。
前記活性エネルギー線硬化型組成物の顔料吸着性成分の含有量としては、シアン顔料全量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましく、15質量%以上40質量%以下がより好ましい。前記含有量が、10質量%以上であると、顔料に吸着した顔料吸着性成分の立体反発効果により分散性を確保でき、50質量%以下であると、シアン顔料に吸着していない顔料吸着性成分量が少なく、インクを低粘度化することが可能である。また、吸着していない顔料吸着性成分量が少ないためインクのチクソ性上昇は抑制され、通液性および吐出性の向上をもたらす。他にも、吸着していない顔料吸着性成分量は膜物性にも影響を与え、吸着していない顔料吸着性成分が少ないことは膜の硬化阻害成分を減少させることになり、硬化性、基材との密着性の向上も期待される。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を70℃で14日間静置後、前記シアン顔料1gに吸着した顔料吸着性成分量をAとしたとき、下記の式(1)に基づいて得られる顔料吸着性成分量変化率(ΔA)が±20%以下であることが好ましい。ΔAが±20%以下であると吸着成分変化量が少なく、立体反発効果による良好な分散安定性を示すと考えられる。同時に、顔料に吸着していない顔料吸着性成分が増加することなく良好な通液性および吐出性が得られる。
ΔA(%)=(A−A0)/A0 × 100 ・・・(1)
シアン顔料1gに吸着した顔料吸着性成分量(A0)及び(A)は、次に示す方法などで評価可能である。
まず、対象組成物を遠心分離用チューブに1mL入れ、遠心分離機(装置名:卓上微量高速遠心機CT13型、日立工機社製、条件:13000rpm、90分)を用いて顔料等の沈降固形分成分と上澄み液との分離を行う。上澄み液除去後、アセトンを合計1mLになるように添加し、沈降固形分成分をスパチュラでほぐし、超音波分散を20分行う。遠心分離とアセトンによる洗浄工程を4回繰り返し、上澄み液除去後の沈降固形分成分を得る。なお、洗浄回数は上澄み液の不揮発分量を確認した上で決定する。得られた沈降固形分成分を25℃減圧条件の下、アセトンを完全に除去し、分散剤ポリマー等の顔料吸着性成分が吸着されているシアン顔料を取り出す。採取したシアン顔料100mgを電気炉(装置名:ROP−001、アズワン社製、条件:400℃、60分)にて焼成し、焼成前後での質量減少分を顔料吸着性成分の吸着量とする。
顔料に吸着していない顔料吸着性成分の量は、上記方法の上澄みを回収し、液体クロマトグラフィーを測定すること等により求めることができる。
<シアン顔料>
前記シアン顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記シアン顔料の個数平均一次粒径としては、30nm以上120nm以下が好ましい。前記個数平均一次粒径が、30nm以上120nm以下であると、分散性を向上できる。
なお、前記個数平均一次粒径としては、走査型電子顕微鏡(装置名:SU3500、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、1万倍視野での一次粒子200個以上500個以下の一次粒子を挟む一定方向の二本の平行線の間隔にある定方向径を測定して、その累積分布の平均値から求めることができる。
前記シアン顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料などが挙げられる。フタロシアニン顔料は、広範囲の色域を持ち、高い着色力、最高級の堅牢性を持つので、屋外の厳しい条件下での用途にも幅広く使用されている。
前記フタロシアニン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4などが挙げられる。これらの中でも、色特性、分散性及び耐候性の点から、C.I.ピグメントブルー15:4であることが好ましい。
また、良好な分散性を得るために顔料表面が酸性処理されていることが望ましい。酸性処理されることにより塩基性の分散剤ポリマーが吸着されやすくなり、立体反発効果により分散性を向上できる。
前記表面処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料誘導体処理、樹脂被覆、酸化処理、プラズマ処理など公知の方法が挙げられる。
前記シアン顔料としては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、例えば、LX−8091(C.I.ピグメントブルー15:4、東洋カラー株式会社製)、B4G(C.I.ピグメントブルー15:4、クラリアントジャパン株式会社製)、D7110F(C.I.ピグメントブルー15:4、BASF社製)などを用いることができる。
前記シアン顔料の含有量としては、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、1質量%以上5質量%以下が好ましい。前記含有量が、1質量%以上であると、着色性を向上でき、5質量%以下であると、粘度の上昇を抑制して、吐出性を向上できる。
<重合性化合物>
前記重合性化合物としては、活性エネルギー線(紫外線、電子線等)により重合反応を行うことができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、反応速度、インク物性、及び硬化膜物性などを調整する点から、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記重合性化合物としては、例えば、ラジカル重合性の重合性化合物、重合性オリゴマーなどが挙げられる。
前記ラジカル重合性の重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、芳香族ビニル化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、及びメタクリレートの少なくともいずれかを意味し、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの少なくともいずれかを意味する。
<<(メタ)アクリレート化合物>>
前記(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、単官能の(メタ)アクリレート、二官能の(メタ)アクリレート、三官能の(メタ)アクリレート、四官能の(メタ)アクリレート、五官能の(メタ)アクリレート、六官能の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ベンジルアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低粘度、低臭気、及び高硬化性の点から、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、アクリル酸−2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、光重合開始剤及びその他モノマーとの相溶性の点から、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、アクリル酸−2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルが特に好ましい。
前記二官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記三官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記四官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記五官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記六官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<<(メタ)アクリルアミド化合物>>
前記(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましい。
<<芳香族ビニル化合物>>
前記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<<重合性オリゴマー>>
前記重合性オリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を1個以上有することが好ましい。なお、オリゴマーとは、モノマー構造単位の繰り返し数が2以上20以下の重合体を意味する。
前記重合性オリゴマーの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリスチレン換算で、1,000以上30,000以下が好ましく、5,000以上20,000以下がより好ましい。前記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記重合性オリゴマーとしては、例えば、ウレタンアクリルオリゴマー(例えば、芳香族ウレタンアクリルオリゴマー、脂肪族ウレタンアクリルオリゴマー等)、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、その他の特殊オリゴマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、不飽和炭素−炭素結合が2個以上5個以下のオリゴマーが好ましく、不飽和炭素−炭素結合が2個のオリゴマーがより好ましい。不飽和炭素−炭素結合の数が、2個以上5個以下であると、良好な硬化性を得ることができる。
前記重合性オリゴマーとしては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、例えば、日本合成化学工業株式会社製のUV−2000B、UV−2750B、UV−3000B、UV−3010B、UV−3200B、UV−3300B、UV−3700B、UV−6640B、UV−8630B、UV−7000B、UV−7610B、UV−1700B、UV−7630B、UV−6300B、UV−6640B、UV−7550B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7610B、UV−7630B、UV−7640B、UV−7650B、UT−5449、UT−5454;サートマー社製のCN902、CN902J75、CN929、CN940、CN944、CN944B85、CN959、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J85、CN964、CN965、CN965A80、CN966、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN968、CN969、CN970、CN970A60、CN970E60、CN971、CN971A80、CN971J75、CN972、CN973、CN973A80、CN973H85、CN973J75、CN975、CN977、CN977C70、CN978、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN983、CN984、CN985、CN985B88、CN986、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9013、CN9018、CN9019、CN9024、CN9025、CN9026、CN9028、CN9029、CN9030、CN9060、CN9165、CN9167、CN9178、CN9290、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893;ダイセル・サイテック株式会社製のEBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、KRM8200、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260、KRM7735、KRM8296、KRM8452、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL9270、EBECRYL8311、EBECRYL8701などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、市販品ではなく、合成により得た合成品を使用することもでき、合成品及び市販品を併用することもできる。
前記シアン顔料の分散に用いる分散媒としては、分散性、及び低粘度の点から、単官能化合物を用いることが好ましい。分散性の向上により粒径分布が均一になるため、過剰に小さい粒子や凝集した粒子が低減することで、紫外光の吸収阻害を抑制でき、硬化性を向上でき、また、同時に吐出性を向上できる。
前記分散媒として用いる単官能化合物としては、例えば、フェノキシエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、ベンジルアクリレートなどが挙げられる。
前記分散媒として用いる単官能化合物としては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、分散安定性に優れる分散液が得られる点から、例えば、商品名:ビスコート#192(化合物名:フェノキシエチルアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製、構造式:下記式(M−1))、商品名:ACMO(化合物名:アクリロイルモルホリン、興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、構造式:下記式(M−2))、商品名:ビスコート#160(化合物名:ベンジルアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製、構造式:下記式(M−3))などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
Figure 2017160362
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前記重合性化合物の含有量としては、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、50質量%以上95質量%以下が好ましく、60質量%以上92質量%以下がより好ましく、70質量%以上90質量%以下が特に好ましい。
<顔料吸着性成分>
顔料吸着性成分は、分散剤ポリマーや顔料を被覆する樹脂成分などが挙げられ、分散剤ポリマーであることが好ましい。
前記分散剤ポリマーとしては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルとの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテートなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。前記分散剤ポリマーを用いると、分散剤吸着に伴う立体反発効果を向上でき、高い分散安定性を得ることができる。なお、前記分散剤ポリマーとは、重量平均分子量が1,000以上のものを意味する。また、前記分散剤ポリマーは塩基性の極性官能基を有することが好ましく、塩基性の極性官能基としては、例えば、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、含窒素複素環基などが挙げられる。
前記分散剤ポリマーが、塩基性の極性官能基を有することにより、シアン顔料表面に吸着しやすく、分散安定性を向上できる。前記分散剤ポリマーの塩基性の極性官能基としては、吸着能、光重合性モノマー中での分散性、粘度低下能の点から、アミノ基が好ましい。
前記分散剤ポリマーのアミン価としては、10mgKOH/g以上30mgKOH/g以下が好ましく、15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下がより好ましい。前記アミン価が、10mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であると、長期間保存時や加温時においても、組成物成分である重合性化合物との重合反応の促進を抑制することができると考えられ、長期間保存時や加温時においても粘度変化が小さく、高い保存安定性を有するものと推測される。前記アミン価としては、前記分散剤ポリマー1gをメチルイソブチルケトン100mLに溶解し、0.01モル/Lの塩素酸メチルイソブチルケトン溶液で自動滴定装置(装置名:GT−200、株式会社三菱化学アナリティック製)を用いて電位差滴定を行い、電位差を測定し、得られた電位差に基づいて、アミン価を算出することができる。
前記分散剤ポリマーとしては、市販品を使用することができ、前記市販品としては、例えば、商品名:ソルスパース24000(アミン価:41.6mgKOH/g)、商品名:ソルスパース32000(アミン価:31.2mgKOH/g)、商品名:ソルスパース39000(アミン価:25.7mgKOH/g)、商品名:ソルスパースJ100、商品名:ソルスパースJ200等の日本ルーブルリゾール株式会社製のソルスパースシリーズ、商品名:DisperBYK−162(アミン価:13mgKOH/g)、商品名:DisperBYK−163(アミン価:10mgKOH/g)、商品名:DisperBYK−168(アミン価:11mgKOH/g)、商品名:DisperBYK−2050(アミン価:30.7mgKOH/g)、商品名:DisperBYK−2150(アミン価:56.7mgKOH/g)等のビックケミー・ジャパン株式会社製のDisperBYKシリーズ、商品名:BYKJET−9151(アミン価:17.2mgKOH/g)、商品名:BYKJET−9152(アミン価:27.3mgKOH/g)等のビックケミー・ジャパン株式会社製のBYKJETシリーズ、商品名:アジスパーPB821(アミン価:11.2mgKOH/g)、商品名:アジスパーPB822(アミン価:18.2mgKOH/g)、商品名:アジスパーPB881(アミン価:17.4mgKOH/g)等の味の素ファインテクノ株式会社製のアジスパーシリーズなどの市販品を用いることができる。
前記分散剤ポリマーの含有量としては、前述のように、シアン顔料全量に対して、10質量%以上50質量%以下が好ましく、15質量%以上40質量%以下がより好ましい。前記含有量が、10質量%以上であると、顔料に吸着した分散剤ポリマーの立体反発効果により分散性を確保でき、50質量%以下であると、シアン顔料に吸着していない分散剤ポリマー量が少なく、インクを低粘度化することが可能である。また、吸着していない分散剤ポリマー量が少ないためインクのチクソ性上昇は抑制され、通液性および吐出性の向上をもたらす。他にも、吸着していない分散剤ポリマー量は膜物性にも影響を与え、吸着していない分散剤ポリマー量が少ないことは膜の硬化阻害成分を減少させることになり、硬化性、基材との密着性の向上も期待される。
<活性エネルギー線>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
<重合開始剤>
前記重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマーやオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、中でもラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、前記重合開始剤の含有量としては、十分な硬化速度を得るために、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、5質量%以上20質量%以下が好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、重合開始剤に加え、重合促進剤を併用することもできる。
前記重合促進剤としては、特に限定されないが、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、安息香酸−2−ジメチルアミノエチル、p−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチル等のアミン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分>
その他の成分としては、特に制限されないが、例えば、従来公知の、その他の色材、有機溶剤、重合禁止剤、スリップ剤(界面活性剤)、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
<<その他の色材>>
前記その他の色材としては、本発明における活性エネルギー線硬化型組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀などの光沢色などを付与する種々のその他の顔料や染料を用いることができ、その含有量は、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記その他の顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンなどを使用することができる。
前記有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、キナクリドン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
前記染料としては、特に限定されないが、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、塩基性染料などが使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<<重合禁止剤>>
前記重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、メトキノン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、p−ベンゾキノン、ジ−t−ブチルジフェニルアミン、9,10−ジ−n−ブトキシシアントラセン、4,4’−〔1,10−ジオキソ−1,10−デカンジイルビス(オキシ)〕ビス〔2,2,6,6−テトラメチル〕−1−ピペリジニルオキシなどが挙げられる。
前記重合禁止剤の含有量としては、重合開始剤全量に対して、0.005質量%以上3質量%以下が好ましい。前記含有量が、0.005質量%以上であると、保存安定性を向上、及び高温環境下で粘度の上昇を抑制でき、3質量%以下であると、硬化性を向上できる。
<<界面活性剤>>
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高級脂肪酸系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
前記界面活性剤の含有量としては、活性エネルギー線硬化型組成物全量に対して、0.1質量%以上3質量%以下が好ましく、0.2質量%以上1質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上であると、ぬれ性を向上でき、3質量%以下であると、硬化性を向上できる。前記含有量が、より好ましい範囲内であると、ぬれ性、及びレベリング性を向上できる。
<<有機溶剤>>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
<活性エネルギー線硬化型組成物の調整>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調整手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液にさらに重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調整することができる。
<分散方法>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の分散方法としては、ボールミル、サンドミルやビーズミルなどのメディアを用いた分散装置を用いてもよく、メディアレス分散装置を用いてもよい。なお、分散方法として、分散体の目的顔料濃度の2倍程度の高顔料濃度状態で本分散を行い、分散体の抜き出し前に目的の顔料濃度まで分散媒で希釈する方法が有効である。高顔料濃度状態では、分散剤ポリマーに対する顔料の割合が増加し、分散剤ポリマーと顔料の接触回数が増大し、顔料に対する分散剤ポリマーの吸着が促進されることが期待される。
前記メディアを用いた分散装置における分散メディアとしては、分散性、及び分散効率の点から、ジルコニアビーズを用いることが好ましい。また、これらの分散方法は2種以上組み合わせて用いてもよい。例えば、ボールミル分散の場合、直径5mmのジルコニアビーズを用いて分散を行った後に、直径1mmのジルコニアビーズを用いて分散を行うなどの2段階分散を行うことにより、均一な粒度分布の分散液を得ることができる。
前記メディアレス分散装置は、顔料に過剰なエネルギーを付与しないため顔料粒子の破砕などが起こらず、顔料表面に対する分散剤ポリマーの吸着が促進され、分散安定性を向上できる。また、過分散を防止するだけでなく、メディア由来のコンタミが発生しないことから、系内に微粉、粗粉の発生を抑制できる。これらは粒度分布の均一性を向上できることから、高いインク吐出性を得ることができる。
前記メディアレス分散装置としては、例えば、衝突分散型、超音波分散型などによる高速せん断力を利用する分散装置又は高速撹拌を利用する分散装置などが挙げられる。
高速せん断力を利用する分散装置としては、例えば、装置名:ナノヴェイタシリーズラボ機C−ES008(吉田機械興業株式会社製)などが挙げられる。
分散時における分散液の温度としては、5℃以上60℃以下が好ましい。前記温度が、5℃以上60℃以下であると、モノマーの硬化反応を抑制することができる。また、硬化反応を抑制するために重合禁止剤をあらかじめ少量加えておくことも可能である。
本発明においては、活性エネルギー線硬化型組成物中のシアン顔料の50%累積体積粒径が、100nm以上160nm以下であり、下記式(2)から求められる粒径分布の分布幅が、60nm以下であることが好ましい。
粒径分布の分布幅=(84%累積体積粒径−16%累積体積粒径)/2 ・・・(2)
前記50%累積体積粒径が、100nm以上160nm以下であることにより、分散性の向上と、通液性及び吐出性が向上するという効果を奏する。
また、上記式(2)から求められる粒径分布の分布幅が、60nm以下であることにより、分散粒径がシャープとなり通液性および吐出性が向上するという効果を奏する。
さらに好ましい50%累積体積粒径は、100nm以上140nm以下である。
さらに好ましい上記式(2)から求められる粒径分布の分布幅は、50nm以下である。
なお、50%累積体積粒径(D50)および粒径分布の分布幅は、次のようにして求めることができる。
前記50%累積体積粒径(D50)としては、得られた活性エネルギー線硬化型組成物を分散媒として用いた重合性化合物を用いて2000倍程度に希釈して、粒度分布計(商品名:UPA150、日機装株式会社製)を用いて測定する。
前記粒径分布の分布幅としては、前記50%累積体積粒径(D50)と同様にして、84%累積体積粒径(D84)、及び16%累積体積粒径(D16)を測定し、上記式(2)により求めることができる。
<粘度>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3〜40mPa・sが好ましく、5〜15mPa・sがより好ましく、6〜12mPa・sが特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34'×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
前記活性エネルギー線硬化型組成物の粘度変化率としては、15%以下が好ましく、10%がより好ましく、5%以下が特に好ましい。前記粘度変化率が、15%以下であると、保存安定性に優れ、分散性を向上できる。なお、前記粘度変化率は、下記式(3)から求めることができる。また、前記粘度変化率における粘度は、コーンプレート型回転粘度計(装置名:VISCOMETER TV−22、東機産業株式会社製)を用いて、恒温循環水の温度が25℃、回転数が50rpm、及びせん断速度が191.4sec-1の条件で測定することができる。
粘度変化率(%)
=((70℃で14日間保存後の粘度−初期粘度)/初期粘度)×100 …(3)
<用途>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の用途は、一般に活性エネルギー線硬化型材料が用いられている分野であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、成形用樹脂、塗料、接着剤、絶縁材、離型剤、コーティング材、シーリング材、各種レジスト、各種光学材料などが挙げられる。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、インクとして用いて2次元の文字や画像、各種基材への意匠塗膜を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。この立体造形用材料は、例えば、粉体層の硬化と積層を繰り返して立体造形を行う粉体積層法において用いる粉体粒子同士のバインダーとして用いてもよく、また、図2や図3に示すような積層造形法(光造形法)において用いる立体構成材料(モデル材)や支持部材(サポート材)として用いてもよい。なお、図2は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を所定領域に吐出し、活性エネルギー線を照射して硬化させたものを順次積層して立体造形を行う方法であり(詳細後述)、図3は、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物5の貯留プール(収容部)1に活性エネルギー線4を照射して所定形状の硬化層6を可動ステージ3上に形成し、これを順次積層して立体造形を行う方法である。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて立体造形物を造形するための立体造形装置としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、該組成物の収容手段、供給手段、吐出手段や活性エネルギー線照射手段等を備えるものが挙げられる。
また、本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させて得られた硬化物や当該硬化物が基材上に形成された構造体を加工してなる成形加工品も含む。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された硬化物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形することが必要な用途に好適に使用される。
上記基材としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又はこれらの複合材料などが挙げられ、加工性の観点からはプラスチック基材が好ましい。
また、本発明における硬化物の延伸性は、180℃における延伸性として、(引張り試験後の長さ−引張り試験前の長さ)/(引張り試験前の長さ)の比で表した時、50%以上であることが好ましく、さらには100%以上であることがより好ましい。
(活性エネルギー線硬化型インク)
本発明の活性エネルギー線硬化型インク(以下、「インク」と称することがある)は、本発明の前記活性エネルギー線硬化型組成物からなり、インクジェット用であることが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化型インクの25℃における静的表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下が好ましく、28mN/m以上35mN/m以下がより好ましい。
前記静的表面張力は、静的表面張力計(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z型)を使用し、25℃で測定した。前記静的表面張力は、例えば、リコープリンティングシステムズ株式会社製GEN4など、市販のインクジェット吐出ヘッドの仕様を想定したものである。
<組成物収容容器>
本発明の組成物収容容器は、活性エネルギー線硬化型組成物が収容された状態の容器を意味し、上記のような用途に供する際に好適である。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物がインク用途である場合において、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。また、容器それ自体の形状や大きさ、材質等は、用途や使い方に適したものとすればよく、特に限定されないが、その材質は光を透過しない遮光性材料であるか、または容器が遮光性シート等で覆われていることが望ましい。
<像の形成方法、形成装置>
本発明の像の形成方法は、少なくとも、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために、活性エネルギー線を照射する照射工程を有し、本発明の像の形成装置は、活性エネルギー線を照射するための照射手段と、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を収容するための収容部と、を備え、該収容部には前記容器を収容してもよい。さらに、活性エネルギー線硬化型組成物を吐出する吐出工程、吐出手段を有していてもよい。吐出させる方法は特に限定されないが、連続噴射型、オンデマンド型等が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
図1は、インクジェット吐出手段を備えた像形成装置の一例である。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色活性エネルギー線硬化型インクのインクカートリッジと吐出ヘッドを備える各色印刷ユニット23a、23b、23c、23dにより、供給ロール21から供給された被記録媒体22にインクが吐出される。その後、インクを硬化させるための光源24a、24b、24c、24dから、活性エネルギー線を照射して硬化させ、カラー画像を形成する。その後、被記録媒体22は、加工ユニット25、印刷物巻取りロール26へと搬送される。各印刷ユニット23a、23b、23c、23dには、インク吐出部でインクが液状化するように、加温機構を設けてもよい。また必要に応じて、接触又は非接触により記録媒体を室温程度まで冷却する機構を設けてもよい。また、インクジェット記録方式としては、吐出ヘッド幅に応じて間欠的に移動する記録媒体に対し、ヘッドを移動させて記録媒体上にインクを吐出するシリアル方式や、連続的に記録媒体を移動させ、一定の位置に保持されたヘッドから記録媒体上にインクを吐出するライン方式のいずれであっても適用することができる。
被記録媒体22は、特に限定されないが、紙、フィルム、金属、これらの複合材料等が挙げられ、シート状であってもよい。また片面印刷のみを可能とする構成であっても、両面印刷も可能とする構成であってもよい。
更に、光源24a、24b、24cからの活性エネルギー線照射を微弱にするか又は省略し、複数色を印刷した後に、光源24dから活性エネルギー線を照射してもよい。これにより、省エネ、低コスト化を図ることができる。
本発明のインクにより記録される記録物としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する被印刷面に印刷されたものや、金属やセラミックなどの種々の材料からなる被印刷面に印刷されたものも含む。また、2次元の画像を積層することで、一部に立体感のある画像(2次元と3次元からなる像)や立体物を形成することもできる。
図2は、本発明に係る別の像形成装置(3次元立体像の形成装置)の一例を示す概略図である。図2の像形成装置39は、インクジェットヘッドを配列したヘッドユニット(AB方向に可動)を用いて、造形物用吐出ヘッドユニット30から第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、支持体用吐出ヘッドユニット31、32から第一の活性エネルギー線硬化型組成物とは組成が異なる第二の活性エネルギー線硬化型組成物を吐出し、隣接した紫外線照射手段33、34でこれら各組成物を硬化しながら積層するものである。より具体的には、例えば、造形物支持基板37上に、第二の活性エネルギー線硬化型組成物を支持体用吐出ヘッドユニット31、32から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて溜部を有する第一の支持体層を形成した後、当該溜部に第一の活性エネルギー線硬化型組成物を造形物用吐出ヘッドユニット30から吐出し、活性エネルギー線を照射して固化させて第一の造形物層を形成する工程を、積層回数に合わせて、上下方向に可動なステージ38を下げながら複数回繰り返すことで、支持体層と造形物層を積層して立体造形物35を製作する。その後、必要に応じて支持体積層部36は除去される。なお、図2では、造形物用吐出ヘッドユニット30は1つしか設けていないが、2つ以上設けることもできる。
(2次元又は3次元の像)
本発明に係る2次元又は3次元の像は、基材上に、本発明の前記活性エネルギー線硬化型組成物及び本発明の前記活性エネルギー線硬化型インクのいずれかを付与し、硬化させてなる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクにより記録される2次元又は3次元の像としては、通常の紙や樹脂フィルムなどの平滑面に印刷されたものだけでなく、凹凸を有する記録面に記録されたものや、金属やセラミックスなどの種々の材料からなる記録面に記録されたものも含む。
前記2次元の像としては、例えば、文字、記号、図形又はこれらの組み合わせ、ベタ画像などが挙げられる。
前記3次元の像としては、例えば、立体造形物などが挙げられる。
前記立体造形物の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10μm以上が好ましい。
前記2次元又は3次元の像は、本発明の前記活性エネルギー線硬化型組成物及び本発明の前記活性エネルギー線硬化型インクのいずれかを用いているので、非浸透性基材に形成した2次元又は3次元の像が、水に浸漬した後でも密着性が良好に維持できるという優れた耐水性を有するものである。
前記2次元又は3次元の像としては、活性エネルギー線の照射量が500mJ/cm2以下の発光ダイオード光を用いて硬化されることが好ましい。
(構造体)
本発明に係る構造体としては、基材と、前記基材上に本発明の2次元又は3次元の像と、を有する。
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(成形加工品)
本発明に係る成形加工品としては、本発明の2次元又は3次元の像、及び本発明の構造体のいずれかを延伸加工してなる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
また、活性エネルギー線硬化型組成物中のシアン顔料の50%累積体積粒径(D50)、粒径分布の分布幅、分散剤ポリマーのアミン価は、次のようにして求めた。
<50%累積体積粒径(D50)、及び粒径分布の分布幅>
前記50%累積体積粒径(D50)としては、得られた活性エネルギー線硬化型組成物を各分散媒に用いた重合性モノマーを用いて500倍程度に希釈して、粒度分布計(商品名:UPA150、日機装株式会社製)を用いて測定した。
前記粒径分布の分布幅としては、前記50%累積体積粒径(D50)と同様にして、84%累積体積粒径(D84)、及び16%累積体積粒径(D16)を測定し、下記式(2)により求めた。
粒径分布の分布幅=(84%累積体積粒径−16%累積体積粒径)/2 ・・・(2)
<分散剤ポリマーのアミン価>
分散剤ポリマーのアミン価としては、分散剤ポリマー1gをメチルイソブチルケトン100mLに溶解し、0.01モル/Lの塩素酸メチルイソブチルケトン溶液で電位差滴定を行い、電位差を測定した。得られた電位差に基づいて、アミン価を算出した。前記電位差滴定としては、自動滴定装置(装置名:GT−200、株式会社三菱化学アナリティック製)を用いて測定した。
(シアン顔料分散液の作製)
<シアン顔料分散液Aの作製>
分散剤ポリマー(商品名:アジスパーPB−822、味の素ファインテクノ株式会社製、アミン価:18.2mgKOH/g)0.4質量部をベンジルアクリレート(商品名:ビスコート#160、大阪有機化学工業株式会社製、構造式:上記式(M−3))17.6質量部に入れ、40℃にて4時間撹拌溶解して分散媒を作製した。
70mLのマヨネーズ瓶(商品名:UMサンプル瓶、アズワン株式会社製)に、直径2mmのジルコニアボール80質量部、C.I.ピグメントブルー15:4(商品名:LX−8091、東洋カラー株式会社製)4.5質量部、前記分散媒18.0質量部を入れ、下記条件のボールミルで3日間分散を行い、[シアン顔料分散液A](顔料濃度:20質量%)を作製した。
−ボールミルの条件−
メディア : YTZボール直径2mm
(ジルコニアボール、株式会社ニッカトー製)
ミル : MIX−ROTAR VMR−5(アズワン株式会社製)
回転数 : マヨネーズ瓶の回転数75rpm
<シアン顔料分散液Bの作製>
分散剤ポリマー商品名:アジスパーPB−822、味の素ファインテクノ株式会社製、アミン価:18.2mgKOH/g)0.6質量部をベンジルアクリレート(ビスコート#160、大阪有機化学工業株式会社製)9.9質量部に入れ、40℃にて4時間撹拌溶解して分散媒を作製した。
70mLのマヨネーズ瓶(商品名:UMサンプル瓶、アズワン株式会社製)に、直径5mmのジルコニアボール80質量部、C.I.ピグメントブルー15:4(商品名:LX−8091、東洋カラー株式会社製)4.5質量部、前記分散媒10.5質量部を加え、さらにベンジルアクリレート7.5質量部を加え、下記条件のボールミルにて8時間分散を行い、直径5mmのジルコニアボールを取り除いた後、直径1mmのジルコニアボール80質量部を加え、さらにボールミルにて2日間分散を行い、[シアン顔料分散液B](顔料濃度:20質量%)を作製した。
−ボールミルの条件−
メディア : YTZボール直径5mm
(ジルコニアボール、株式会社ニッカトー製)
YTZボール直径1mm
(ジルコニアボール、株式会社ニッカトー製)
ミル : MIX−ROTAR VMR−5(アズワン株式会社製)
回転数 : マヨネーズ瓶の回転数75rpm
<シアン顔料分散液C〜Dの作製>
前記シアン顔料分散液Aの作製において、シアン顔料、分散剤ポリマー、及び重合性化合物及びその含有量を、下記表1に記載のものに変更した以外は、シアン顔料分散液Aの作製と同様にして、シアン顔料分散液C〜Dを作製した。
<シアン顔料分散液Eの作製>
分散剤ポリマー(商品名:BYKJET−9151、ビックケミー・ジャパン株式会社製、アミン価:17.2mgKOH/g)1.0質量部をフェノキシエチルアクリレート(ビスコート#192、大阪有機化学工業株式会社製)9.5質量部に入れ、40℃にて4時間撹拌溶解して分散媒を作製した。
70mLのマヨネーズ瓶(商品名:UMサンプル瓶、アズワン株式会社製)に、直径2mmのジルコニアボール80質量部、C.I.ピグメントブルー15:4(商品名:D7110F、BASF社製)4.5質量部、前記分散媒10.5質量部を加え、下記条件のボールミルにて8日間分散を行い(顔料濃度:30質量%)さらにフェノキシエチルアクリレート(ビスコート#192、大阪有機化学工業株式会社製)7.5質量部を加え、さらにボールミルにて2時間分散を行い、[シアン顔料分散液E](顔料濃度:20質量%)を作製した。
−ボールミルの条件−
メディア : YTZボール直径2mm
(ジルコニアボール、株式会社ニッカトー製)
ミル : MIX−ROTAR VMR−5(アズワン株式会社製)
回転数 : マヨネーズ瓶の回転数75rpm
<シアン顔料分散液Fの作製>
分散剤ポリマー(商品名:BYKJET−9152、ビックケミー・ジャパン株式会社製、アミン価:27.3mgKOH/g)0.6質量部をアクリロイルモルホリン(ACMO、興人ケミカルズジャパン株式会社製)9.9質量部に入れ、40℃にて4時間撹拌溶解して分散媒を作製した。
300mLの三角フラスコに、C.I.ピグメントブルー15:4(商品名:D7110F、BASF社製)4.5質量部、前記分散媒10.5質量部、さらにアクリロイルモルホリン(ACMO、興人ケミカルズジャパン株式会社製)7.5質量部を加え、下記条件のホモジナイザーにて10分間プレ分散を行った。その後、直径0.5mmのジルコニアビーズをビーズミルに入れ周速10m/sで1時間分散させ顔料分散液F(顔料濃度:20質量%)を作製した。
−ホモジナイザーの条件−
ホモジナイザー : HG30、C20カッター(日立工機株式会社製)
回転数 : 10,000rpm
−ビーズミルの条件−
メディア : YTZボール直径0.5mm
(ジルコニアボール、株式会社ニッカトー製)
ミル : ダイノーミルMultiLab型
(シンマルエンタープライゼス社製)
周速 : 10m/s
<シアン顔料分散液G〜Kの作製>
前記シアン顔料分散液Aの作製において、シアン顔料、分散剤ポリマー、及び重合性化合物及びその含有量を、下記表1に記載のものに変更した以外は、シアン顔料分散液Aの作製と同様にして、シアン顔料分散液G〜Kを作製した。
<シアン顔料分散液Lの作製>
前記シアン顔料分散液Fの作製において、シアン顔料、分散剤ポリマー、及び重合性化合物及びその含有量を、下記表1に記載のものに変更した以外は、シアン顔料分散液Fの作製と同様にして、シアン顔料分散液Lを作製した。
得られたシアン顔料分散液A〜Lの組成、及び分散方法を表1に示す。
Figure 2017160362
なお、表1において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
シアン顔料
・LX−8091:C.I.ピグメントブルー15:4、東洋カラー株式会社製、
・D7110F:C.I.ピグメントブルー15:4、BASF社製、
・B4G:C.I.ピグメントブルー15:4、クラリアント株式会社製、
・D7079:C.I.ピグメントブルー15:3、BASF社製、
・B10G:C.I.ピグメントブルー15:4、クラリアントジャパン株式会社製、
分散剤ポリマー
・アジスパーPB−822:味の素ファインテクノ株式会社、
アミン価:18.2mgKOH/g
・BYKJET−9151:ビックケミー・ジャパン株式会社、
アミン価:17.2mgKOH/g
・BYKJET−9152:ビックケミー・ジャパン株式会社、
アミン価:27.3mgKOH/g
・DISPERBYK−168:ビックケミー・ジャパン株式会社、
アミン価:11.2mgKOH/g
・DISPERBYK−2050:ビックケミー・ジャパン株式会社、
アミン価:30.7mgKOH/g
・DISPERBYK−2150:ビックケミー・ジャパン株式会社、
アミン価:56.7mgKOH/g
・DISPERBYK−2000:ビックケミー・ジャパン株式会社、
アミン価:4mgKOH/g
・ソルスパース39000:日本ルーブルリゾール株式会社、
アミン価:25.7mgKOH/g
・EFKA4020:BASF社製、アミン価9mgKOH/g
単官能重合性化合物
・ベンジルアクリレート:大阪有機化学工業株式会社製、商品名:ビスコート#160
・フェノキシエチルアクリレート:大阪有機化学工業株式会社製、
商品名:ビスコート#192
・アクリロイルモルホリン:興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、商品名:ACMO
(実施例1)
シアン顔料分散液A10.0質量部、ベンジルアクリレート(商品名:ビスコート#160、大阪有機化学工業株式会社製、単官能モノマー)53.5質量部、アクリロイルモルホリン(商品名:ACMO、興人ケミカルズジャパン株式会社製、単官能モノマー)15.0質量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート(商品名:ビスコート#260、大阪有機化学工業株式会社製、2官能モノマー)1.0質量部、ウレタンアクリレート樹脂(商品名:UV−3010B、日本合成化学工業株式会社製、紫外線硬化樹脂)5.5質量部、界面活性剤A(商品名:BYK−3575、ビックケミージャパン株式会社製)0.3質量部、重合開始剤A(Irgacure819(BASF社製))6.0質量部、重合開始剤B(商品名:DAROCURE TPO、BASF社製)5.0質量部、重合開始剤C(商品名:SpeedcureDETX、Lambson社製)3.5質量部、及びp−メトキシフェノール(日本化薬株式会社製)0.2質量部を混合し、実施例1の活性エネルギー線硬化型組成物を得た。
(実施例2〜8及び比較例1〜4)
実施例2〜8、及び比較例1〜4は、実施例1において、表2〜表3に記載の組成、及び含有量に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜8及び比較例1〜4の活性エネルギー線硬化型組成物を得た。表2〜表3に実施例1〜8及び比較例1〜4の組成及び含有量(質量部)を示す。
Figure 2017160362
Figure 2017160362
なお、表2〜表3において、界面活性剤Bの商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・界面活性剤B:(商品名:BYK−3510、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
得られた実施例1〜8、及び比較例1〜4の活性エネルギー線硬化型組成物について、シアン顔料1gに吸着した顔料吸着性成分量(A0)を次のようにして求めた。
まず、対象組成物を遠心分離用チューブに1mL入れ、遠心分離機(装置名:卓上微量高速遠心機CT13型、日立工機社製、条件:13000rpm、90分)を用いて顔料等の沈降固形分成分と上澄み液との分離を行う。上澄み液除去後、アセトンを合計1mLになるように添加し、沈降固形分成分をスパチュラでほぐし、超音波分散を20分行う。遠心分離とアセトンによる洗浄工程を4回繰り返し、上澄み液除去後の沈降固形分成分を得る。得られた沈降固形分成分を25℃減圧条件の下、アセトンを完全に除去し、顔料吸着性成分が吸着されているシアン顔料を取り出す。採取したシアン顔料100mgを電気炉(装置名:ROP−001、アズワン社製、条件:400℃、60分)にて焼成し、焼成前後での質量減少分を顔料に吸着した顔料吸着性成分量とし、シアン顔料1gに吸着した顔料吸着性成分量を求めた。
また、顔料に吸着していない顔料吸着性成分の顔料に吸着している顔料吸着性成分に対する割合は、
(顔料吸着性成分処方量(g)/顔料処方量(g))×1000(mg)
−顔料1gに吸着している顔料吸着性成分量(mg)
により、顔料に吸着していない顔料吸着性成分の顔料1gに対する量を求め、前記A0に対する割合を求めることにより得た。
また、活性エネルギー線硬化型組成物を70℃で14日間静置後、上記と同様の方法により、シアン顔料1gに吸着した顔料吸着性成分量をAを求め、下記の式(1)に基づき、顔料吸着性成分量変化率(ΔA)を求めた。これらの結果を表4に示す。
ΔA(%)=(A−A0)/A0 × 100 ・・・(1)
Figure 2017160362
また、得られた実施例1〜8、及び比較例1〜4の活性エネルギー線硬化型組成物について、以下のようにして、通液性(初期および保存後)、吐出性(初期および保存後)、粘度変化率(保存安定性)、硬化性、及び密着性を評価した。結果を表5に示す。
(通液性)
実施例1〜8、及び比較例1〜4の活性エネルギー線硬化型組成物について、100mLを、50kPaの加圧条件下で10.0μmの疎水性PTFEメンブレンフィルターでろ過して、初期通液性の評価を行った。また、下記記載の保存安定性評価で用いた70℃で14日静置後の活性エネルギー線硬化型組成物についても、同様に通液性の評価を行った(保存後通液性)。
−評価基準−
◎:100mLが全通した
○:50mL以上75mmL未満しか通液しない
△:25mL以上50mmL未満しか通液しない
×:25mL未満しか通液しない
(吐出性)
インクジェット記録装置として、インク供給系からヘッド部までのインクの温度調節が可能なピエゾ型インクジェットヘッドを使用した。このインクジェット記録装置に、実施例1〜8および比較例1〜4の活性エネルギー線硬化型組成物を充填し、粘度が10mPa・sとなる温度に温度調節し、吐出速度3kHzで初期の吐出評価を行った。吐出を60分間連続して行い、60分後に下記評価基準で評価した(初期吐出性)。また、下記記載の保存安定性評価で用いた70℃で14日静置後の活性エネルギー線硬化型組成物を充填して、同様に吐出評価を行った(保存後吐出性)。温度条件は初期評価条件と同一とした。
なお、温度調節が可能なコーンプレート型粘度計を用い、インク粘度が10.0±0.5mPa・sとなる温度条件を調べ、印写時の加温条件とした。
−評価基準−
◎:95%以上のノズルから正常に吐出している
○:90%以上のノズルから正常に吐出している
△:70%以上のノズルから正常に吐出している
×:70%未満のノズルから正常に吐出している
(保存安定性)
実施例1〜8、及び比較例1〜4の活性エネルギー線硬化型組成物について、コーンプレート型回転粘度計(装置名:VISCOMETER TV−22、東機産業株式会社製)を用いて、恒温循環水の温度が25℃、回転数が50rpm、及びせん断速度が191.4sec−1の条件で作製直後の初期粘度を測定した。その後、前記活性エネルギー線硬化型組成物を70℃で14日間静置した。その後、初期粘度の測定と同様の条件で、保存後の粘度を測定した。下記式(3)から粘度変化率を算出した。前記粘度変化率が低いほうが、保存安定性に優れ、分散性が良好である。
粘度変化率(%)
=((70℃で14日間保存後の粘度−初期粘度)/初期粘度)×100 …(3)
(硬化性 −表面硬化性評価−)
得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、記録媒体(商品名:コスモシャインA4300コートPETフィルム、東洋紡株式会社製、平均厚み:100μm、色:透明)に、プリンタ(装置名:SG7100、株式会社リコー製)を改造した評価用プリンタを用いて、10cm×10cmのベタ画像を得た。得られたベタ画像を、インクジェットプリンタ用UV−LED装置(装置名:UV−LEDモジュール(シングルパス水冷、ウシオ電機株式会社製)を用いて、照度が1W/cm、照射量が500mJ/cmになるように硬化処理を行い、平均厚みが10μmである10cm×10cmの像(硬化物)を得た。
なお、照射量の測定は、紫外線強度計(装置名:UM−10)、受光部(装置名:UM−400)(以上、コニカミノルタ株式会社製)を使用した。また、前記平均厚みの測定方法としては、電子マイクロメーター(アンリツ株式会社製)を用いて厚み測定し、10点の厚みの平均値より求めた。また、前記評価用プリンタは、装置名:SG7100の搬送、駆動部を用い、ヘッド部を加熱吐出でき高粘度インクに対応できるMH2620ヘッド(株式会社リコー製)に変更したものである。
得られた像(硬化物)を、クロックメーター(装置名:NO416、株式会社安田精機製作所製)に取り付けた白綿布によって、50g/cmの荷重で10往復摩擦させた。その後、反射分光濃度計(装置名:X−Rite939、X−Rite社製)を用いて、前記往復摩擦前後の白綿布の濃度を測定して、前記往復摩擦後の濃度から前記往復摩擦前の濃度を差し引いた値を算出して、下記の評価基準に基づいて、「硬化性」を評価した。
−評価基準−
◎:0.001以下
○:0.001超0.005以下
△:0.005超0.009以下
×:0.009超
(密着性 −内部硬化性評価−)
得られた活性エネルギー線硬化型組成物を用いて、前記硬化性評価と同様にして、平均厚みが10μmである10cm×10cmの像(硬化物)を得た。得られた像(硬化物)のベタ部をJIS K5400に準じて1mm間隔で100マスの基盤目状にカッターナイフで切り込み、セロハン粘着テープ(商品名:スコッチメンディングテープ(18mm)、3M製)で引き剥がし、ルーペ(商品名:PEAK No.1961(×10)、東海産業株式会社製)で見ながら剥がれなかったマスを数えて、下記評価基準に基づいて、「密着性」を評価した。
−評価基準−
◎:剥がれなかったマスが、100マス中100マス
○:剥がれなかったマスが、100マス中80マス以上99マス以下
△:剥がれなかったマスが、100マス中40マス以上79マス以下
×:剥がれなかったマスが、100マス中39マス以下
Figure 2017160362
表5の結果から分かるように、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物(活性エネルギー線硬化型インク)は通液性、吐出性、分散安定性と、硬化性、密着性を両立できることが分かる。
分散剤吸着量が本発明の範囲内のものは、顔料粒子の凝集等が起こらず分散性は良好であると考えられる。また、余剰に遊離した分散剤が存在しないことにより、通液性や吐出性も良好になると考えられる。同時に、余剰な分散剤が存在しないことで硬化性、密着性も向上することと考えられる。
比較例1及び2においては、顔料吸着性成分の吸着量が過剰となり、保存安定性が低い結果となった。比較例3及び4においては、顔料吸着性成分の吸着量が本発明の範囲より少なく、未吸着割合が本発明の範囲より高くなり、通液性、吐出性、分散安定性と、硬化性、密着性において低い結果となった。
以上の結果から、同一材料を用いているにもかかわらず、分散処方の差異により分散剤吸着量に差が現れ、分散安定性、通液性、及び吐出性等に影響を及ぼす。このようにシアン顔料1mgに吸着した顔料吸着性成分量(A0)を50〜230mgに、かつ、顔料に吸着していない顔料吸着性成分の量が顔料に吸着している量の15〜50質量%に設定することにより、本発明における所望の効果を奏することができる。
1 貯留プール(収容部)
3 可動ステージ
4 活性エネルギー線
5 活性エネルギー線硬化型組成物
6 硬化層
21 供給ロール
22 被記録媒体
23a、23b、23c、23d 印刷ユニット
24a、24b、24c、24d 光源
25 加工ユニット
26 印刷物巻取りロール
30 造形物用吐出ヘッドユニット
31、32 支持体用吐出ヘッドユニット
33、34 紫外線照射手段
35 立体造形物
36 支持体積層部
37 造形物支持基板
38 ステージ
39 像形成装置
特開2005−263898号公報 特開2009−215380号公報

Claims (10)

  1. シアン顔料、重合性化合物、および顔料吸着性成分を含有し、
    前記シアン顔料1gに吸着した顔料吸着性成分量(A0)が50〜230mgであり、かつ、顔料に吸着していない顔料吸着性成分の量が顔料に吸着している量の15〜50質量%である活性エネルギー線硬化型組成物。
  2. 前記顔料吸着性成分が分散剤ポリマーであり、前記顔料吸着性成分量(A0)が70〜200mgである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. 前記活性エネルギー線硬化型組成物を70℃で14日間静置後の、前記シアン顔料1gに吸着した顔料吸着性成分量をAとしたとき、下記の式(1)に基づいて得られるシアン顔料1gに吸着した顔料吸着性成分量変化率(ΔA)が±20%以下である請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
    ΔA(%)=(A−A0)/A0 × 100 ・・・(1)
  4. 前記シアン顔料の50%累積体積粒径が、100nm以上160nm以下であり、
    下記式(2)から求められる粒径分布の分布幅が、60nm以下である請求項1から3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
    粒径分布の分布幅=(84%累積体積粒径−16%累積体積粒径)/2 ・・・(2)
  5. 前記シアン顔料が、C.I.ピグメントブルー15:4である請求項1から4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. 前記顔料吸着性成分が、アミン価10mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であるアミノ基を有する分散剤ポリマーである請求項1から5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物からなる活性エネルギー線硬化型インク。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を容器中に収容してなる組成物収容容器。
  9. 請求項7に記載の活性エネルギー線硬化型インクを収容してなる収容部と、
    前記活性エネルギー線硬化型インクに活性エネルギー線を照射するための照射手段と、
    を備える2次元又は3次元の像の形成装置。
  10. 請求項1から6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を含む2次元又は3次元の像の形成方法。
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