JP2017160308A - プレス成形用繊維強化樹脂シートとそれを用いた繊維強化樹脂板およびその製造方法 - Google Patents

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芙美子 波多江
澤田 浩
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Abstract

【課題】プレス成形した繊維強化樹脂板における強度の向上を図ることができ、かつ縦横方向の物性を制御することができるプレス成形用繊維強化樹脂シートとそれを用いた繊維強化樹脂板およびその製造方法を提供する。【解決手段】連続する長尺の強化繊維1を幅方向に複数本並べて、強化繊維の配向を揃えたシート状強化繊維体4とし、このシート状強化繊維体を連続的に液状の樹脂コンパウンド2中に供給して含浸し、圧搾して強化繊維同士の間に樹脂コンパウンドの架橋部2aを形成した後、この架橋部を形成したシート状強化繊維体を幅方向に切断することを特徴としている。【選択図】図1

Description

本発明は、プレス成形用繊維強化樹脂シートとそれを用いた繊維強化樹脂板およびその製造方法に関する。
従来、繊維強化プラスチックの成形材料として、ガラス繊維を樹脂コンパウンドに含浸したシートモールディングコンパウンド(Sheet Molding Compound、以下、SMCとも称する。)が使用されている(特許文献1、2参照)。
従来、SMCを製造する際には、上下一対のフィルムの各々に樹脂コンパウンドを塗布し、これらのうち下側のフィルムに塗布した樹脂コンパウンド上に、ガラス繊維を落下させ、散布している。
ガラス繊維は、円筒状に巻回された長尺のガラス繊維を繰り出して、散布直前に数十本を、切断設備で主に1インチに切断してチョップドストランドとし、下側のフィルムに塗布した樹脂コンパウンド上に落下させて散布している。
その後、さらにこの上から、樹脂コンパウンドを塗布したフィルムを被せて、上下一対のフィルムの各々に塗布した樹脂コンパウンド間にガラス繊維を挟む。次いでこのシートを搬送しながらロールやメッシュベルトにて一定圧力を加え、ガラス繊維間に樹脂コンパウンドを含浸させる。含浸後のSMCシートは、例えば、ロールに円筒状に巻き取られるか、あるいはつづら折れ状にコンテナに収納された状態で、熟成庫に保管して樹脂コンパウンドを増粘させることにより、シートを硬くして最終形態とされる。
その後、SMCシートを幅方向に切断し、これを複数枚積層した積層体をプレス成形装置である金型に供給し、下金型に所定の形状(チャージパターン)にセットした後、上金型を降下し、この積層体をプレス成形することによって繊維強化樹脂板が製造される。
特許第4001086号公報 特開2010−138349号公報
SMCを用いた成形板の強度を高めるための方法として、ガラス繊維含有量を高める方法があり、この場合少ない樹脂コンパウンドで含浸させる必要がある。しかしながら、上記従来のSMCの製造方法においては、ガラス繊維への含浸は樹脂コンパウンドのガラス繊維層への浸透が必要であるが、厚み方向中心部が含浸不良になりやすい。そのため、ガラス繊維含有量をある一定量(一般的には25質量%)を超えて増やすことは困難である。
また、上記従来のSMCの製造方法においては、細かく切断されたガラス繊維がランダムに分散するが、散布条件等によっては配向する場合がある。しかしながら、配向の度合いによっては成形板における縦横の強度バランスの低下や反りが発生する場合があり、配向を制御して強度を向上させることは困難であった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、プレス成形した繊維強化樹脂板における強度の向上を図ることができ、かつ縦横方向の物性を制御することができるプレス成形用繊維強化樹脂シートとそれを用いた繊維強化樹脂板およびその製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明のプレス成形用繊維強化樹脂シートの製造方法は、連続する長尺の強化繊維を幅方向に複数本並べて、強化繊維の配向を揃えたシート状強化繊維体とし、このシート状強化繊維体を連続的に液状の樹脂コンパウンド中に供給して含浸し、圧搾して強化繊維同士の間に樹脂コンパウンドの架橋部を形成した後、この架橋部を形成したシート状強化繊維体を幅方向に切断することを特徴としている。
本発明の繊維強化樹脂板の製造方法は、上記プレス成形用繊維強化樹脂シートを複数枚用いて、少なくとも1枚のプレス成形用繊維強化樹脂シートにおける強化繊維の配向が、他の少なくとも1枚のプレス成形用繊維強化樹脂シートにおける強化繊維の配向と互いに交差するように積層した積層体を、プレス成形することを特徴としている。
本発明のプレス成形用繊維強化樹脂シートは、強化繊維と、この強化繊維を架け渡す架橋部を形成する樹脂コンパウンドとを含むプレス成形用繊維強化樹脂シートであって、強化繊維は、シート内で途切れずに連続し、かつ配向が一方向に揃うように複数本の強化繊維がシート内で並んでいることを特徴とする。
本発明の繊維強化樹脂板は、強化繊維を含む繊維強化樹脂板であって、強化繊維が板内で途切れずに連続し、かつ配向が一方向に揃うように複数本の強化繊維が板内で並んでいる強化繊維面を、板の厚み方向に複数含み、少なくとも1つの強化繊維面における強化繊維の配向が、他の少なくとも1つの強化繊維面における強化繊維の配向と互いに交差していることを特徴とする。
本発明によれば、プレス成形した繊維強化樹脂板における強度の向上を図ることができ、かつ縦横方向の物性を制御することができる。
本発明のプレス成形用繊維強化樹脂シートとそれを用いた繊維強化樹脂板およびその製造方法の一実施形態を説明するための模式図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態のプレス成形用繊維強化樹脂シート5の製造方法では、連続する長尺の強化繊維1を幅方向に複数本並べて、強化繊維1の配向を揃えたシート状強化繊維体4とする。このシート状強化繊維体4は、連続的に液状の樹脂コンパウンド2中に供給、含浸され、圧搾されて強化繊維1,1同士の間に樹脂コンパウンド2の架橋部2aが形成された後、架橋部2aが形成されたシート状強化繊維体4が幅方向に切断される。シート状強化繊維体4の樹脂コンパウンド2中への含浸は、含浸槽10に供給して行われる。樹脂コンパウンド2に含浸後のシート状強化繊維体4の圧搾は、含浸槽10の下流側にある絞りロール23,23で行われる。架橋部2aが形成されたシート状強化繊維体4の切断は、熟成庫11において熟成し樹脂コンパウンド2を増粘した後、カッター12を用いて行われる。
本実施形態では、強化繊維1として、例えばガラス繊維を使用し、プレス成形用繊維強化樹脂シート5として、例えばSMCを製造するものである。
以下、工程順に本実施形態のプレス成形用繊維強化樹脂シート5の製造方法について説明する。
図1において、長尺の強化繊維1は、不図示の芯体の外周に強化繊維1が円筒状に巻回された複数個の巻回状強化繊維体3,3…から繰り出される。各々の巻回状強化繊維体3,3…から繰り出された強化繊維1は、下流のシート形成ロール20に並列して供給され、合流する。これにより、連続する長尺の強化繊維1を幅方向に複数本並べて、強化繊維1の配向をシート供給方向に揃えたシート状強化繊維体4が形成される。このときのシート状強化繊維体4を形成するそれぞれの強化繊維1は、並べて配置されるだけで、結合はされていない状態で配置される。
巻回状強化繊維体3,3…は、ガラス繊維を使用する場合、ロービング、すなわちガラスの単繊維に集束剤を塗布し集束したストランドを引き揃えたものが上記芯体の外周に円筒状に巻回されたものである。強化繊維1としてのガラス繊維は、例えば、一般的な樹脂成形用の強化繊維を使用することができる。したがって、シート状強化繊維体4は、ガラス繊維がストランドを引き揃えたロービング状態であってもよく、あるいはストランド状態であってもよい。その他、強化繊維1には、ガラス繊維の代替物として、炭素繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等を使用してもよい。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シート状強化繊維体4は、強化繊維1が、ストランドの本数で例えば5〜10本/cmとなるように並べて形成することができる。
シート状強化繊維体4は、シート形成ロール20の下流にある含浸槽10に連続的に供給される。含浸槽10は、ディップパンなどの収容体であり、液状の樹脂コンパウンド2を収容している。シート状強化繊維体4は、含浸槽10中に設置されたガイドロール21,22に案内されながら、連続的に液状の樹脂コンパウンド2中に供給、含浸される。含浸槽10中の樹脂コンパウンド2は、適度に増粘させて含浸ライフを延長するために、例えば10℃以下に温度調節される。但し、温度が低くなりすぎると粘度が高まるので0℃以上を確保することが望ましい。
樹脂コンパウンド2は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂等のベース樹脂に、必要に応じて、硬化剤、重合禁止剤、重合性単量体、低収縮剤、無機充填剤、内部離型剤、着色剤、増粘剤等を添加して得られる。
ベース樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂の他、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ベース樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂は、例えば、不飽和または飽和ポリカルボン酸と、有機ポリオールとの縮合反応によって得られる熱硬化性樹脂である。この熱硬化性樹脂は、ビニルモノマー等の不飽和単量体が溶解されていてもよい。
不飽和または飽和ポリカルボン酸としては、例えば、脂肪族不飽和ポリカルボン酸、脂肪族飽和ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸等が挙げられる。脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、例えば、(無水)マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。脂肪族飽和カルボン酸としては、例えば、セバシン酸、(無水)コハク酸、アジピン酸等が挙げられる。芳香族ポリカルボン酸としては、例えば、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機ポリオールとしては、例えば、ジオール、トリオール、テトラオール等が挙げられ、脂肪族ポリオールや芳香族ポリオール等を用いることができる。脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、グリセリン、水素化ビスフェノールA等が挙げられる。芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硬化剤としては、例えば、SMC、バルクモールディングコンパウンド(BMC)、粒状成形材料、アリル系樹脂の成形材料等を用いた成形や、マッチドダイ成形、化粧板の成形等の成形機械、金型を用いた成形において、100℃以上の高温、圧力下で成形するための高温硬化系の触媒を用いることができる。高温硬化系の触媒としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド等が挙げられる。
重合禁止剤としては、例えば、キノン系重合防止剤、フェノール系重合防止剤等が挙げられる。キノン系重合防止剤としては、例えば、p−べンゾキノン、t−ブチルp−べンゾキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、トルキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−べンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−べンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−べンゾキノン等が挙げられる。フェノール系重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)等が挙げられる。
重合性単量体としては、例えば、樹脂と架橋可能な不飽和単量体を用いることができる。ベース樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を使用する場合、重合性単量体として、例えば、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等を用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
低収縮剤は、ベース樹脂の硬化収縮を低減させる目的で使用され、一般的に熱可塑性樹脂が用いられる。低収縮剤としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメタクリル酸メチル、飽和ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン変性共重合体等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナ等が挙げられる。無機充填剤の添加量は、特に限定されるものではないが、ベース樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を使用する場合、不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量体、および低収縮剤の混合物100質量部に対して、例えば100〜300質量部である。また、無機充填剤は、脂肪酸やカップリング剤等で表面処理されていることが好ましい。
内部離型剤としては、例えば、ステアリン酸等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、酸化チタン等の無機系顔料、有機系顔料等、あるいはそれらを主成分とするトナーを用いることができる。
増粘剤は、SMC等のプレス成形用繊維強化樹脂シート5が成形加工に適した粘度となるように添加される。このような増粘剤を含む樹脂コンパウンド2は、含浸槽10での含浸後に、樹脂コンパウンド2を含むシート状強化繊維体4の増粘が始まるように配合設計されている。すなわち、増粘剤を含有する樹脂コンパウンド2は、シート状強化繊維体4への樹脂コンパウンド2の含浸作業時は粘度の低い状態に保たれ、熟成庫11での熟成後は成形加工に適した粘度の高い状態とされる。増粘剤としては、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。
例えば、不飽和ポリエステル樹脂等のベース樹脂に、必要に応じて、硬化剤、重合禁止剤、重合性単量体、低収縮剤、無機充填剤、内部離型剤等を添加し、撹拌混合して主剤の樹脂コンパウンド2を得る。その後、この主剤の樹脂コンパウンド2に、増粘剤と、その他に必要に応じて着色剤等の原料を添加し、攪拌混合して液状の樹脂コンパウンド2が調製される。
シート状強化繊維体4を含浸槽10に収容された液状の樹脂コンパウンド2中に供給、含浸した後、シート状強化繊維体4は含浸槽10から引き上げられ、一対の絞りロール23,23の間を通過することによって圧搾される。これにより、シート状強化繊維体4に付着している余剰な樹脂コンパウンド2が搾り取られ、シート状強化繊維体4が樹脂コンパウンド2によってコーティングされた状態となると共に、強化繊維1,1同士の間に樹脂コンパウンド2の架橋部2aを形成する。樹脂コンパウンド2の圧搾量は、強化繊維1の所望の含有率に応じて、絞りロール23,23同士の締め付け力を調整すること等によって設定することができる。
余剰の樹脂コンパウンド2が絞りロール23,23で圧搾された後、樹脂コンパウンド2の架橋部2aを形成したシート状強化繊維体4は、熟成庫11を通過する。熟成庫11は、例えば40℃程度に温度調整され、シート状強化繊維体4に含まれる樹脂コンパウンド2が増粘する。含浸直後は樹脂コンパウンド2に粘性があり、そのままでは、樹脂コンパウンド2の架橋部2aを形成したシート状強化繊維体4をカッター12によってプレス成形用に所定質量に切断することが困難である。しかし、熟成庫11で熟成し樹脂コンパウンド2を増粘させることによって、樹脂コンパウンド2の粘性が小さくなる。これにより、樹脂コンパウンド2の架橋部2aを形成したシート状強化繊維体4のハンドリング性が向上し、カッター12による切断が可能となる。シート状強化繊維体4に含まれる樹脂コンパウンド2を増粘させる方法は、熟成庫11を連続的に通過させる方法に限定されるものではなく、例えば、間に離型フィルムを挟んでロールに円筒状に巻き取った状態で保管してもよく、つづら折れ状にコンテナに収納して熟成庫11に保管してもよい。
樹脂コンパウンド2の架橋部2aを形成したシート状強化繊維体4は、熟成庫11を通過させて樹脂コンパウンド2を増粘させた後、繰り出しロール24,24によって繰り出して連続的に熟成庫11から引き出し、カッター12の位置に供給される。そして樹脂コンパウンド2の架橋部2aを形成したシート状強化繊維体4は、カッター12によって、プレス成形に適する所定質量となるように所定の長さに切断される。カッター12による切断は、手作業で行うか、あるいは樹脂コンパウンド2の架橋部2aを形成したシート状強化繊維体4の幅方向にカッター12を移動可能な自動の切断装置を用いて行うことができる。
このようにして得られる本実施形態のプレス成形用繊維強化樹脂シート5は、強化繊維1と、強化繊維1を架け渡す架橋部2aを形成する樹脂コンパウンド2とを含む。そして強化繊維1は、プレス成形用繊維強化樹脂シート5内で途切れずに連続し、かつ配向が一方向に揃うように複数本の強化繊維1がプレス成形用繊維強化樹脂シート5内で並んでいる。
すなわち、強化繊維1,1…の配向が一方向に揃い、かつ強化繊維1,1…が一方の切断端面から他方の切断端面まで連続したプレス成形用繊維強化樹脂シート5が得られる。プレス成形用繊維強化樹脂シート5大きさとしては、特に限定されるものではないが、プレス成形工程における取り扱いが良好となる点等を考慮すると、例えば、幅10〜50cm、長さ10〜50cmの範囲内とすることができる。また、1〜2m程度の長さに切断しておき、後工程で、プレス成形に適した大きさに切断するようにしてもよい。
以下、工程順に本実施形態の繊維強化樹脂板7の製造方法について説明する。
本実施形態の繊維強化樹脂板7の製造方法では、プレス成形用繊維強化樹脂シート5を複数枚用いる。そして少なくとも1枚のプレス成形用繊維強化樹脂シート5aにおける強化繊維強化繊維1,1…の配向が、他の少なくとも1枚のプレス成形用繊維強化樹脂シート5bにおける強化繊維1,1…の配向と互いに交差するように積層する。この積層体6をプレス成形することによって、繊維強化樹脂板7が製造される。
好ましくは、図1中央下側に一対のプレス成形用繊維強化樹脂シート5a,5bによって例示したように、プレス成形用繊維強化樹脂シート5a,5bにおける強化繊維強化繊維1,1…の配向が互いに直交するように積層する。より好ましくは、図1右下側に金型30内に例示したように、積層体6の全ての隣接するプレス成形用繊維強化樹脂シート5a,5bにおける強化繊維1,1…の配向が互いに直交するように積層する。
積層体6におけるプレス成形用繊維強化樹脂シート5の積層枚数は、製造する繊維強化樹脂板7の大きさや厚みに応じて適宜設定することができるが、好ましくは3枚以上積層する。
プレス成形用繊維強化樹脂シート5の積層体6は、プレス成形装置である金型30に供給され、下金型32に所定の形状(チャージパターン)にセットした後、上金型31を降下しプレスすることで成形を行うことができる。プレス成形することによって、成形品として繊維強化樹脂板7が製造される。
プレス成形用繊維強化樹脂シート5をカッター12で切断するサイズやチャージパターン、プレス圧力、金型温度、金型締切速度等の成形条件は、樹脂コンパウンド2の樹脂特性、プレス成形用繊維強化樹脂シート5の厚みや積層枚数等に応じて、成形品の不良率を低減すること等を考慮して適宜に調整される。プレス圧力は、例えば3〜10MPa、金型温度は、例えば125〜150℃の範囲内にすることができる。
このようにして得られる本実施形態の繊維強化樹脂板7は、強化繊維1を含み、強化繊維面を、繊維強化樹脂板7の厚み方向に複数含んでいる。強化繊維面は、強化繊維1が繊維強化樹脂板7内で途切れずに連続し、かつ配向が一方向に揃うように複数本の強化繊維1が繊維強化樹脂板7内で並んでいる。さらに、少なくとも1つの強化繊維面における強化繊維1の配向が、他の少なくとも1つの強化繊維面における強化繊維1の配向と互いに交差している。
この繊維強化樹脂板7における強化繊維1の含有量は、例えば、10〜70質量%の範囲内とすることができる。
この繊維強化樹脂板7は、例えば、浴槽、洗面化粧台、キッチンカウンター、内装ドア、間仕切り等の基材または表面補強材等として用いることができる。
以上に説明した本実施形態のプレス成形用繊維強化樹脂シート5とそれを用いた繊維強化樹脂板7およびその製造方法によれば、プレス成形した繊維強化樹脂板7における強度の向上を図ることができる。また、繊維強化樹脂板7における縦横方向の物性を制御することができる。
すなわち、連続する長尺の強化繊維1を幅方向に複数本並べて、強化繊維1の配向を揃えたシート状強化繊維体4を用いることで、得られる繊維強化樹脂板7に、長尺の強化繊維1が、方向がほぼ揃った状態で内在する状態になる。したがって、得られる繊維強化樹脂板7の強化繊維1の長さ方向の強度が、短い強化繊維1を使用した場合より高くなる。そのため、繊維強化樹脂板7における強化繊維1の長さ方向の強度の向上を図ることができ、品質向上に寄与できる。
また、シート状強化繊維体4を連続的に液状の樹脂コンパウンド2中に供給して含浸し、圧搾することで余剰な樹脂を搾り取り、必要量の樹脂コンパウンド2をコーティングすることにより、強化繊維1への含浸性が良好となる。これにより、強化繊維1の含有量を高めることができるため、強度向上に寄与できる。
さらに、プレス成形用繊維強化樹脂シート5における強化繊維1,1…の配向を互いに交差するように積層した積層体6をプレス成形することで、繊維強化樹脂板7の縦横方向の物性を制御可能となり、強度だけでなく寸法安定化向上にも寄与できる。
1 強化繊維
2 樹脂コンパウンド
2a 架橋部
4 シート状強化繊維体
5 プレス成形用繊維強化樹脂シート
6 積層体
7 繊維強化樹脂板

Claims (4)

  1. 連続する長尺の強化繊維を幅方向に複数本並べて、前記強化繊維の配向を揃えたシート状強化繊維体とし、このシート状強化繊維体を連続的に液状の樹脂コンパウンド中に供給して含浸し、圧搾して前記強化繊維同士の間に前記樹脂コンパウンドの架橋部を形成した後、この架橋部を形成した前記シート状強化繊維体を幅方向に切断することを特徴とするプレス成形用繊維強化樹脂シートの製造方法。
  2. 請求項1に記載のプレス成形用繊維強化樹脂シートを複数枚用いて、少なくとも1枚の前記プレス成形用繊維強化樹脂シートにおける前記強化繊維の配向が、他の少なくとも1枚の前記プレス成形用繊維強化樹脂シートにおける前記強化繊維の配向と互いに交差するように積層した積層体を、プレス成形することを特徴とする繊維強化樹脂板の製造方法。
  3. 強化繊維と、この強化繊維を架け渡す架橋部を形成する樹脂コンパウンドとを含むプレス成形用繊維強化樹脂シートであって、
    前記強化繊維は、前記シート内で途切れずに連続し、かつ配向が一方向に揃うように複数本の前記強化繊維が前記シート内で並んでいることを特徴とするプレス成形用繊維強化樹脂シート。
  4. 強化繊維を含む繊維強化樹脂板であって、
    前記強化繊維が前記板内で途切れずに連続し、かつ配向が一方向に揃うように複数本の前記強化繊維が前記板内で並んでいる強化繊維面を、前記板の厚み方向に複数含み、
    少なくとも1つの前記強化繊維面における前記強化繊維の配向が、他の少なくとも1つの前記強化繊維面における前記強化繊維の配向と互いに交差していることを特徴とする繊維強化樹脂板。
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