JP2017159222A - 砒素の除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】砒素除去工程でのpH調整剤の使用量を削減できると共に、殿物の発生量を減少でき、高い砒素除去率が得られる砒素の除去方法の提供。
【解決手段】2価の鉄イオンと砒素とを含む排液に3価の鉄イオン源を添加した後、pH調整剤によりpHを3.2以上5以下に調整して、前記砒素と3価の鉄イオンとの沈殿物を形成し、前記沈殿物と2価の鉄イオンを含む溶液を分離して砒素を除去する砒素除去工程と、前記砒素除去工程で得られた前記2価の鉄イオンを含む溶液を鉄酸化細菌で処理して2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化し、細菌酸化殿物を形成する酸化工程と、を含み、前記3価の鉄イオン源が、前記酸化工程で形成された細菌酸化殿物、またはポリ硫酸第二鉄と前記酸化工程で形成された細菌酸化殿物である砒素の除去方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、砒素の除去方法に関する。
従来より、砒素を含む工業廃水、金属鉱山から流出される砒素を含む排液などから砒素を除去する方法としては、種々の提案がなされているが、必ずしも砒素除去効率は十分ではなく、更に高い砒素除去効率を有する方法が検討されている。
前記排液中に含まれる砒素を、分離し、鉄源を回収する方法として、例えば、前記排液中に含まれる2価の鉄イオンの一部を、酸化処理して3価の鉄イオン(共沈剤)とし、前記砒素と前記3価の鉄イオンとを共沈させて、得られた析出物を濾過することにより、前記排液中から砒素を除去して、前記排液中における残部の2価の鉄イオンを鉄源として回収する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、前記提案では、砒素の除去効率は十分なものではなく、排液中から鉄源を、高収率で簡便に回収することができないという問題がある。
前記問題点を解決するため、本願出願人は、既に、2価の鉄イオンと砒素とを含む排液に3価の鉄イオン源を添加した後、pH調整剤によりpH3.2以上pH5以下に調整して、前記砒素と前記3価の鉄イオンとの沈殿物を形成する砒素除去工程と、前記砒素除去工程で得られた2価の鉄イオンを含む溶液を鉄酸化細菌で処理して2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化し、細菌酸化殿物を形成する工程と、得られた細菌酸化殿物からポリ硫酸第二鉄を製造する工程とを含む方法を提案している(特許文献2参照)。
この提案によれば、排液中に含まれる砒素を、その価数に関係なく分離でき、鉄源を高収率で簡便に回収して、前記砒素の含有率が低い、低砒素品位のポリ硫酸第二鉄を効率よく製造することができる。
しかしながら、前記提案の方法では、前記砒素除去工程におけるpH調整剤としての水酸化ナトリウム(NaOH)の使用量が多くなり、殿物の発生量も多くなると共に、砒素除去率の点でも十分満足できるものではなく、更なる改良が望まれている。
特開2004−202488号公報 特開2012−176864号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、砒素除去工程でのpH調整剤の使用量を削減できると共に、殿物の発生量を減少でき、高い砒素除去率が得られる砒素の除去方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 2価の鉄イオンと砒素とを含む排液に3価の鉄イオン源を添加した後、pH調整剤によりpHを3.2以上5以下に調整して、前記砒素と3価の鉄イオンとの沈殿物を形成し、前記沈殿物と2価の鉄イオンを含む溶液を分離して砒素を除去する砒素除去工程と、
前記砒素除去工程で得られた前記2価の鉄イオンを含む溶液を鉄酸化細菌で処理して2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化し、細菌酸化殿物を形成する酸化工程と、を含み、
前記3価の鉄イオン源が、前記酸化工程で形成された細菌酸化殿物、またはポリ硫酸第二鉄と前記酸化工程で形成された細菌酸化殿物であることを特徴とする砒素の除去方法である。
<2> 前記pH調整剤が、水酸化ナトリウムである、前記<1>に記載の砒素の除去方法である。
<3> 前記砒素除去工程において、前記沈殿物を形成する際に、凝集剤を添加する、前記<1>または<2>に記載の砒素の除去方法である。
<4> 前記3価の鉄イオン源がポリ硫酸第二鉄と細菌酸化殿物の場合、前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度が、前記ポリ硫酸第二鉄と細菌酸化殿物の添加により生成する全ての鉄の排液中の濃度に対して、40%以上である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の砒素の除去方法である。
<5> 前記排液が、廃鉱山由来の排液である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の砒素の除去方法である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、砒素除去工程でのpH調整剤の使用量を削減できると共に、殿物の発生量を減少でき、高い砒素除去率が得られる砒素の除去方法を提供することができる。
図1は、本発明の砒素の除去方法の一例を示す工程図である。
(砒素の除去方法)
本発明の砒素の除去方法は、砒素除去工程と、細菌酸化工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
<砒素除去工程>
前記砒素除去工程は、2価の鉄イオンと砒素とを含む排液に3価の鉄イオン源を添加した後、pH調整剤によりpHを3.2以上5以下に調整して、前記砒素と3価の鉄イオンとの沈殿物を形成し、前記沈殿物と2価の鉄イオンを含む溶液を分離して砒素を除去する工程であり、前記3価の鉄イオン源は、細菌酸化殿物またはポリ硫酸第二鉄と細菌酸化殿物の添加で行われ、前記細菌酸化殿物は後述の酸化工程で形成されるものを用いる。
前記砒素除去工程において、前記3価の鉄イオン源を添加した後、特開2012−176864号公報(特許文献2)に示されるように、pHを調整剤によりpH3.2以上5以下、更にはpH4以下に調整することが、排液中の砒素を効率よく除去することができ、且つ銅など他の元素との共沈が少ない点から好ましい。
−排液−
前記排液としては、少なくとも、2価の鉄イオンと砒素とを含む排液であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、pH3以下の排液が好ましい。
前記排液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、工業由来の排液、鉱業由来の排液、農業由来の排液などの各種産業において発生する排液などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記鉱業由来の排液は、鉄、砒素濃度を調整することがないまま、排出されるため、その処理が困難であるが、本発明の処理において処理可能となる。
前記鉱業由来の排液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫化鉄鉱床の鉱山跡地からの排水(廃鉱山由来の排液)などが挙げられる。
前記排液中に含まれる2価の鉄イオンの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000質量ppm以上3,000質量ppm以下が好ましい。
前記排液中に含まれる砒素としては、例えば、3価の砒素(化合物(亜ヒ酸))イオン、5価の砒素(化合物(ヒ酸))イオンなどが挙げられ、これらは、混在していても構わない。
前記排液中に含まれる砒素の含有量としては、0.3質量ppm以下が好ましく、0.15質量ppm以下がより好ましい。
なお、前記排液中に含まれる砒素の含有量が、1質量ppmを超える場合は、鉄濃度が10質量%以上である中和沈殿物の坑内還元法を用いて前処理することによりある程度の砒素を(好ましくは砒素の含有量が1質量ppm以下になるまで)除去しておくことが好ましく、これにより、排水中の砒素濃度を低コストで低下させることができる。
前記排液中には、前記2価の鉄イオンや砒素以外にも、その他の成分を含有することができる。前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3価の鉄イオン、銅イオン、亜鉛イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
前記排液中に含まれる3価の鉄イオンの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、pH調整が煩雑とならず、pH調整剤の使用量が増大しない点から、100質量ppm以下が好ましい。
前記排液中に含まれる銅イオンの排液中に含まれる濃度としては、20質量ppm以下が好ましい。
−3価の鉄イオン源−
前記3価の鉄イオン源は、前記排液中に含まれるものではなく、外部より、前記排液中に添加するものであり、前記排液中に含まれる砒素の共沈剤として機能する。
前記3価の鉄イオン源は、液性に応じて前記排液中に添加すると3価の鉄イオンとなるものであり、前記砒素と共沈するので、前記排液中に含まれる2価の鉄イオンが前記砒素と共沈することなく、前記排液中から砒素を分離することができる。
本発明においては、pH調整剤の使用量を削減できると共に、殿物の発生量を減少でき、高い砒素除去率が得られる点から、前記3価の鉄イオン源として後述の酸化工程で形成される細菌酸化殿物、またはポリ硫酸第二鉄と細菌酸化殿物を用いる。
前記3価の鉄イオン源がポリ硫酸第二鉄と細菌酸化殿物の場合、前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度が、前記ポリ硫酸第二鉄と細菌酸化殿物(前記3価の鉄イオン源の全て)の添加により生成する全ての鉄の排液中の濃度に対して、40%以上となるように添加することが好ましく、50%以上、また95%以下がより好ましく、さらには90%以下としてもよい。前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度が、前記全ての3価の鉄イオン源の添加により生成する鉄の排液中の濃度に対して40%未満であると、砒素除去工程でのpH調整剤の使用量の削減効果が小さく、また、殿物の発生量が多くなり、高い砒素除去率が得られない恐れがある。
前記砒素除去工程における3価の鉄イオン源として細菌酸化殿物、またはポリ硫酸第二鉄と細菌酸化殿物を用いることにより、前記砒素除去工程におけるpH調整剤の使用量を少なくすることができる。
前記砒素除去工程におけるpH調整剤として水酸化ナトリウム(NaOH)を用いた場合、その消費量は、下記数式1で表される。
<数式1>
NaOHの消費量(kg)=[(10−α−10−β)+(CFe/1000/56)×Fe_valent]×40g/mol×Vm/d
ただし、前記数式1中、αは原水(排液)のpH、βは設備設定のpH(例えば3.6)、CFeは添加しているFe(III)濃度、Fe_valent(Feの価数)は3、Vは日間処理水量を表す。
前記細菌酸化殿物は、主に組成式:Fe(OH)8−2X(SO・nHO(ただし、1<x<1.75)で表される鉱物(シュベルトマナイト)であり、FeO(OH)八面体で作られるトンネル構造の中に硫酸イオンSO 2−を保持している。この硫酸イオンSO 2−を砒素イオンなどと置換できるので、砒素(As)を構造内に取り込むことができる。また、前記細菌酸化殿物は、低結晶性の構造を有しているため、pH調整剤としてのNaOHを消費しない。一方、前記ポリ硫酸第二鉄は、NaOHを消費して水酸化鉄を形成する。したがって、前記細菌酸化殿物を3価の鉄イオン源とすれば、従来法(ポリ硫酸第二鉄添加)におけるNaOH消費源である水酸化鉄形成過程でのNaOHの添加(前記数式1の(CFe/1000/56)×Fe_valentの部分)を抑制することができ、NaOHの消費量を少なくすることができる。
前記ポリ硫酸第二鉄は、組成式:[Fe(OH)(SO3−n/2で表される。
前記ポリ硫酸第二鉄としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3価の鉄イオンの濃度11質量%以上、及び硫酸濃度28質量%以上のものが好ましい。
前記3価の鉄イオンの前記排液における含有率としては、前記排液中に含まれる砒素濃度に応じて適宜選択することができるが、pH調整剤の使用量を増大しない点から、5質量ppm以上200質量ppm以下が好ましく、50質量ppm以上150質量ppm以下がより好ましい。さらに3価の鉄イオンの前記排液における含有率を140質量ppm以下に制御してもよい。
−pH調整剤−
前記pH調整剤により、前記排液のpHを3.2以上5以下(好ましくはpHを3.2以上4以下、更にはpH3.3以上3.9以下)に調整することにより、前記排液中に含まれる砒素と、前記排液中の3価の鉄イオンとからなる沈殿物を効率よく形成することができる。
前記pH調整剤としては、前記排液のpHを3.2以上5以下(好ましくはpHを3.2以上4以下、更にはpH3.3以上3.9以下)に調整することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ性を示すpH調整剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記排液中の2価の鉄イオンの残存率が高く、かつアルカリ成分に由来する副沈殿物を生じにくい点から、水酸化ナトリウム(NaOH)が好ましい。
前記排液中のpHを調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記排液中に3価の鉄イオン源を添加した後に、排液中の2価の鉄イオンが酸化しないように嫌気攪拌しながら、前記pH調整剤を添加する方法などが挙げられる。
前記排液中のpHとしては、pH3.2以上5以下の範囲内であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記排液中の砒素を分離でき、銅等との共沈率が20質量%以下となる点から、pH4未満が好ましく、pH3.4以上3.9以下がより好ましい。これにより、前記排液中に含まれる砒素の価数に関係なく、前記砒素を80質量%以上、さらには90質量%以上除去することができる。
以上により、前記2価の鉄イオンと砒素とを含む排液から、前記3価の鉄イオンと前記砒素とを含む沈殿物を形成し、砒素を除去することができる。
前記砒素除去工程においては、形成された沈殿物の固液分離性を向上させるために、前記沈殿物を形成する際に、凝集剤を添加することが好ましい。
前記凝集剤としては、前記沈殿物の凝集性を向上させることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ノニオン性凝集剤、アニオン性凝集剤、両性凝集剤などが挙げられる。
前記凝集剤としては、例えば、澱粉、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸などが挙げられる。
前記沈殿物を回収する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記沈殿物を含む溶液を濾過して回収する方法、シックナー、ヌッチェ、フィルタープレス、遠心分離機などにより固液分離して回収する方法などが挙げられる。
<酸化工程>
前記酸化工程は、前記砒素除去工程で得られた2価の鉄イオンを含む溶液を鉄酸化細菌で処理して2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化し、3価の鉄イオンを含む細菌酸化殿物を形成する工程である。
鉄酸化細菌としては、例えば、Tiobacillus ferooxidans(チオバチルス フェロオキシダンス)、Gallionella ferruginea、Leptothrix ochracea等が挙げられるが、pH4以下の場合はチオバチルス フェロオキシダンスが好ましい。
−2価の鉄イオンを含む溶液−
前記砒素除去工程により、前記2価の鉄イオンを含む溶液中に含まれる砒素の含有率は、0.1質量ppm以下となっていることが好ましい。
前記2価鉄イオンを含む溶液の酸化処理前のpHとしては、pH2.8以上5以下の範囲内であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記沈殿物の回収率が高い点から、pH2.8以上4以下が好ましい。
なお、前記2価鉄イオンを含む溶液の酸化処理前のpHは、前記砒素除去工程において、pH3.2以上5以下の範囲内に調整されているため、特にpH調整しなくてもよく、続いて前記2価鉄イオンを含む溶液を酸化することにより、前記3価の鉄イオンからなる細菌酸化殿物が形成される。
前記酸化としては、前記2価の鉄イオンを含む溶液中に含まれる2価の鉄イオンを、3価の鉄イオンに酸化する前述の鉄酸化細菌による生物酸化処理により実施する。
具体的には、2価の鉄イオンを含む溶液の入っている酸化処理槽に鉄酸化細菌を添加するか、予め鉄酸化細菌を酸化処理槽に入れておき2価の鉄イオンを含む溶液を注入するなどにより、酸化処理を実施する。酸化処理はブロアーなどで2価の鉄イオンを含む溶液と鉄酸化細菌の入った酸化処理槽に空気を送り込みながら実施することが好ましい。予め前記鉄酸化細菌を酸化処理槽に入れておく前記方法の場合、2価の鉄イオンを含む溶液を連続(或いは間欠)的に酸化処理槽に注入して酸化処理し、酸化処理後の細菌酸化殿物を含む溶液をオーバーフローによりシックナーなどに移送することにより、連続(或いは間欠)的に酸化処理できる設備で酸化してもよい。
前記2価鉄イオンを含む溶液がpH2.8以上5以下の範囲であれば、前記酸化処理により得られる3価の鉄イオンは、細菌酸化殿物として溶液中に析出され、例えば、鉄酸化細菌による生物酸化処理によって生成する細菌酸化殿物は、下記一般式(1)で表されるシュベルトマナイトである。
ただし、前記一般式(1)中、Xは、1以上1.75以下である。
以上により、前記酸化工程により得られた前記2価の鉄イオンを含む溶液から、前記砒素除去工程に用いる3価の鉄イオン源である、3価の鉄イオンを含む細菌酸化殿物を形成することができる。また、前記細菌酸化殿物中における3価の鉄イオンに対する砒素の質量の割合(砒素/鉄)は50ppm以下となる。なお、前記細菌酸化殿物が回収された後の残液には、銅イオンや亜鉛イオンなどの他の金属イオンが残存する。
前記細菌酸化殿物を回収する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記細菌酸化殿物を含む溶液を濾過して回収する方法、シックナー、ヌッチェ、フィルタープレス、遠心分離機などにより固液分離して回収する方法などが挙げられる。なお、前記回収方法で得られる細菌酸化殿物は、通常、スラリー状あるいは水分を含んだ状態である。
以上により、前記細菌酸化殿物を回収することにより、前記砒素除去工程における3価の鉄イオン源を簡便に、かつ高収率で回収することができる。
なお、前記細菌酸化殿物は、前記酸化処理槽(工程)に戻してもよく、またポリ硫酸第二鉄の原料としても用いることができる。
<その他の工程>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、排液の前処理工程、ポリ硫酸第二鉄を製造する場合には硫酸添加工程などを具備してもよい。
ここで、図1は、本発明の砒素の除去方法の一例を示す工程図である。
まず、砒素除去工程において、2価の鉄イオンと砒素とを含む排液に、3価の鉄イオン源として細菌酸化殿物、または細菌酸化殿物とポリ硫酸第二鉄を添加した後、pH調整剤としての例えば水酸化ナトリウム(NaOH)によりpH3.2以上5以下に調整して、前記砒素と3価の鉄イオンとの沈殿物を形成する。更に必要に応じて、pHを調製した後、沈殿物の固液分離性を向上させるために凝集剤を添加することもできる。
次に、酸化工程において、前記砒素除去工程で得られた2価の鉄イオンを含む溶液を鉄酸化細菌で処理して2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化し、細菌酸化殿物を形成する。固液分離を行い得られた細菌酸化殿物は、前記砒素除去工程の3価の鉄イオン源として用いられる。
本発明の砒素の除去方法は、砒素除去工程でのpH調整剤の使用量を削減できると共に、殿物の発生量を減少でき、高い砒素除去率が得られる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
<細菌酸化殿物の作製>
(砒素除去工程)
−沈殿物形成工程−
排液として、廃鉱山(硫化鉄鉱山跡)由来の排液であり、1,010mg/Lの鉄(Fe(II))、0.16mg/Lの砒素(As)を含有し、pHが3.0のものを用いた。前記排液を10m汲み上げ、10mの嫌気雰囲気の撹拌槽に、3価の鉄イオン源として、ポリ硫酸第二鉄(Fe3+濃度11質量%、比重:1.5)を6kg添加し、1分間撹拌した後に、25質量%水酸化ナトリウム水溶液を6L添加してpH3.6に調整し、5分間撹拌した。
次に、濃度が2,000質量ppmになるように溶解したノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、ポリ硫酸第二鉄及び水酸化ナトリウム水溶液を添加した前記排液の全量の3質量ppm(前記高分子凝集剤換算)の濃度となるように添加し、1分間撹拌して撹拌停止させた後、10分間静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。
−沈殿物除去(固液分離)工程−
前記沈殿物と2価の鉄イオン等を含む溶液を、シックナーに移送して前記沈殿物を除去(固液(沈降)分離)した。
(酸化工程)
−細菌酸化殿物形成工程−
シックナーより固液分離した前記2価の鉄イオンを含む溶液(上澄液)をオーバーフローさせて、鉄酸化細菌(チオバチルス・フェロオキシダンス)を含むスラリー状の鉄細菌酸化殿物が約40体積%入っている約10mの容量の酸化処理槽に送液し、pH3.0で、ブロアーで空気を吹き込みながら前記鉄酸化細菌により酸化処理した。前記酸化処理により、3価の鉄イオンを含むスラリー状の細菌酸化殿物が形成された。
次いで、前記酸化処理槽の前記細菌酸化殿物と溶液をシックナーに移送して、固液分離し、(本発明で使用する3価の鉄イオン源に相当する)スラリー状の細菌酸化殿物(主成分シュベルトモナイト)を回収した。
(実施例1〜3、及び比較例1)
<砒素の除去>
ビーカーに廃鉱山(硫化鉄鉱山跡)由来の排液3L(1,010mg/Lの鉄(Fe(II))、0.16mg/Lの砒素(As)を含有し、pHが3.0)を入れ、表1に示す量で、ポリ硫酸第二鉄(Fe3+濃度11質量%、比重:1.5)、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物、及び25質量%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液の少なくとも1種を下記の通り加えて、攪拌し、反応後に発生した殿物を十分に沈降させた。
−実施例1−
実施例1は、前記ビーカーに入っている排液に前記製造例1で作製した細菌酸化殿物を濃度が0.43L/m(鉄の濃度として55.0mg/L)、前記ポリ硫酸第二鉄を濃度が0.5L/m(鉄の濃度として38.8mg/L)となるように添加し、1分間撹拌した。全ての3価の鉄イオン源のうち細菌酸化殿物の添加割合は46質量%であり、前記全ての3価の鉄イオン源の添加により生成する鉄の排水中の濃度に対する、前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度の割合は58.7%であり、添加した全ての鉄(Fe)の濃度は93.8mg/Lであった。次いで、前記水酸化ナトリウム水溶液を濃度が0.13L/mとなるように添加し、pHを3.62(3.6狙い)に調整し5分間撹拌した。次いで、濃度が2,000質量ppmになるように溶解したノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、前記3価の鉄源及び水酸化ナトリウム水溶液を添加した前記排液の全量の2質量ppm(2.83L/m)となるように添加し、1分間撹拌して撹拌停止させた後、10分間静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。なお、沈降分離時のpHは3.47であった。
なお、前記細菌酸化殿物を排液に1L/m添加することにより生成する鉄の排液中の濃度が128mg/Lとなること、前記ポリ硫酸第二鉄を排液に1L/m添加にすることにより生成する鉄の排液中の濃度が77.5mg/Lとなることを、予め試験で求めた。3価の鉄イオン源の添加により生成する鉄の排液中の濃度は、この試験結果に基づいて、それぞれの3価の鉄イオン源の添加量に応じて換算した値である(以下の実施例、比較例も同様)。
−実施例2−
実施例2は、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物を濃度が0.56L/m(鉄の濃度として71.7mg/L)、前記ポリ硫酸第二鉄を濃度が0.25L/m(鉄の濃度として19.4mg/L)となるように添加し、1分間撹拌した。全ての3価の鉄イオン源のうち細菌酸化殿物の添加割合は69質量%であり、前記全ての3価の鉄イオン源の添加により生成する鉄の排水中の濃度に対する、前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度の割合は78.7%であり、添加した全ての鉄(Fe)の濃度は91.1mg/Lであった。次いで、前記水酸化ナトリウム水溶液を濃度が0.11L/mとなるように添加し、pHを3.60(3.6狙い)に調整し5分間撹拌した。次いで、濃度が2,000質量ppmになるように溶解したノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、前記3価の鉄源及び水酸化ナトリウム水溶液を添加した前記排液の全量の2質量ppm(2.83L/m)となるように添加し、1分間撹拌して撹拌停止させた後、10分間静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。なお、沈降分離時のpHは3.50であった。
−実施例3−
実施例3は、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物を濃度が0.7L/m(鉄の濃度として89.6mg/L)となるように添加し、前記ポリ硫酸第二鉄を添加しないで、1分間撹拌した。全ての3価の鉄イオン源のうち細菌酸化殿物の添加割合は100質量%であり、前記全ての3価の鉄イオン源の添加により生成する鉄の排水中の濃度に対する、前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度の割合は100%であり、添加した全ての鉄(Fe)の濃度は89.6mg/Lであった。次いで、前記水酸化ナトリウム水溶液を濃度が0.09L/mとなるように添加し、pHを3.61(3.6狙い)に調整し5分間撹拌した。次いで、濃度が2,000質量ppmになるように溶解したノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、前記3価の鉄源及び水酸化ナトリウム水溶液を添加した前記排液の全量の2質量ppm(2.83L/m)となるように添加し、1分間撹拌して撹拌停止させた後、10分間静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。なお、沈降分離時のpHは3.58であった。
−比較例1−
比較例1(従来例)は、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物は添加せず、前記ポリ硫酸第二鉄を濃度が1L/m(鉄の濃度として77.5mg/L)となるように添加し、1分間撹拌した。全ての3価の鉄イオン源のうち細菌酸化殿物の添加割合は0質量%であり、前記全ての3価の鉄イオン源の添加により生成する鉄の排水中の濃度に対する、前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度の割合は0%であり、添加した全ての鉄(Fe)の濃度は77.5mg/Lであった。次いで、前記水酸化ナトリウム水溶液を濃度が0.25L/mとなるように添加し、pHを3.60に調整し5分間撹拌した。次いで、濃度が2,000質量ppmになるように溶解したノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、前記3価の鉄源及び水酸化ナトリウム水溶液を添加した前記排液の全量の2質量ppm(2.83L/m)となるように添加し、1分間撹拌して撹拌停止させた後、10分間静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。なお、沈降分離時のpHは3.50であった。
次に、前記比較例1及び実施例1〜3について、以下に示すようにして、砒素除去率、及び殿物の泥面高さの評価を行った。結果を表1に示した。
<砒素除去率>
排水(原水)中及び砒素除去処理後の排水の上澄み液中の砒素濃度を誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)(SII社製、SPS5100)を用いて測定し、次式、[排水(原水)中の砒素(As)濃度(mg/L)−砒素除去処理後の上澄み液のAs濃度(mg/L)]/廃液の原水中の砒素(As)濃度(mg/L)×100、により砒素除去率(%)を求めた。なお、原水の砒素(As)濃度は0.16mg/Lであった。
<殿物の泥面高さ>
沈降分離において5分間静置後のビーカー中の殿物の泥面高さを定規により、測定した。
表1の結果から、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物を3価の鉄イオン源として添加することにより、NaOHの使用量及び殿物の発生量を削減できると共に、砒素除去率が(85%以上に)向上することがわかった。
(実施例4〜6、及び比較例2)
<砒素の除去>
ビーカーに廃鉱山(硫化鉄鉱山跡)由来の排液3L(1,010mg/Lの鉄(Fe(II))、0.13mg/Lの砒素(As)を含有し、pHが3.0)を入れ、表2に示す量で、ポリ硫酸第二鉄(Fe3+濃度11質量%、比重:1.5)、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物、及び25質量%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液の少なくとも1種を加えて、攪拌し、反応後に発生した殿物を十分に沈降させた。
−比較例2−
比較例2(従来例)は、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物は添加せず、前記ポリ硫酸第二鉄を濃度が1L/m(鉄の濃度として77.5mg/L)となるように添加し、1分間撹拌した。全ての3価の鉄イオン源のうち細菌酸化殿物の添加割合は0質量%であり、前記全ての3価の鉄イオン源の添加により生成する鉄の排水中の濃度に対する、前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度の割合は0%であり、添加した全ての鉄(Fe)の濃度は77.5mg/Lであった。次いで、前記水酸化ナトリウム水溶液を濃度が0.25L/mとなるように添加し、pHを3.60に調整し5分間撹拌した。次いで、濃度が2,000質量ppmになるように溶解したノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、前記3価の鉄源及び水酸化ナトリウム水溶液を添加した前記排液の全量の2質量ppm(2.83L/m)となるように添加し、1分間撹拌して撹拌停止させた後、10分間静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。なお、沈降分離時のpHは3.50であった。
−実施例4−
実施例4は、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物を濃度が0.5L/m(鉄の濃度として64.0mg/L)、前記ポリ硫酸第二鉄を濃度が0.5L/m(鉄の濃度として38.8mg/L)となるように添加し、1分間撹拌した。全ての3価の鉄イオン源のうち細菌酸化殿物の添加割合は50質量%であり、前記全ての3価の鉄イオン源の添加により生成する鉄の排水中の濃度に対する、前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度の割合は62.3%であり、添加した全ての鉄(Fe)の濃度は102.8mg/Lであった。次いで、前記水酸化ナトリウム水溶液を濃度が0.12L/mとなるように添加し、pHを3.55(3.6狙い)に調整し5分間撹拌した。次いで、濃度が2,000質量ppmになるように溶解したノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、前記3価の鉄源及び水酸化ナトリウム水溶液を添加した前記排液の全量の2質量ppm(2.83L/m)となるように添加し、1分間撹拌して撹拌停止させた後、10分間静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。なお、沈降分離時のpHは3.47であった。
−実施例5−
実施例5は、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物を濃度が0.83L/m(鉄の濃度として106.2mg/L)、前記ポリ硫酸第二鉄を濃度が0.17L/m(鉄の濃度として13.2mg/L)となるように添加し、1分間撹拌した。全ての3価の鉄イオン源のうち細菌酸化殿物の添加割合は83質量%であり、前記全ての3価の鉄イオン源の添加により生成する鉄の排水中の濃度に対する、前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度の割合は89.0%であり、添加した全ての鉄(Fe)の濃度は119.4mg/Lであった。次いで、前記水酸化ナトリウム水溶液を濃度が0.07L/mとなるように添加し、pHを3.58(3.6狙い)に調整し5分間撹拌した。次いで、濃度が2,000質量ppmになるように溶解したノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、前記3価の鉄源及び水酸化ナトリウム水溶液を添加した前記排液の全量の2質量ppm(2.83L/m)となるように添加し、1分間撹拌して撹拌停止させた後、10分間静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。なお、沈降分離時のpHは3.47であった。
−実施例6−
実施例6は、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物を濃度が1.0L/m(鉄の濃度として128.0mg/L)となるように添加し、前記ポリ硫酸第二鉄を添加しないで、1分間撹拌した。全ての3価の鉄イオン源のうち細菌酸化殿物の添加割合は100質量%であり、前記全ての3価の鉄イオン源の添加により生成する鉄の排水中の濃度に対する、前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度の割合は100%であり、添加した全ての鉄(Fe)の濃度は128mg/Lであった。次いで、前記水酸化ナトリウム水溶液を濃度が0.07L/mとなるように添加し、pHを3.58(3.6狙い)に調整し5分間撹拌した。次いで、濃度が2,000質量ppmになるように溶解したノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、前記3価の鉄源及び水酸化ナトリウム水溶液を添加した前記排液の全量の2質量ppm(2.83L/m)となるように添加し、1分間撹拌して撹拌停止させた後、10分間静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。なお、沈降分離時のpHは3.54であった。
次に、前記比較例2及び実施例4〜6について、前記実施例1〜3及び比較例1と同様にして、砒素除去率の評価を行った。また、沈降分離した沈殿物の量をビーカーの目盛を用い目視で測定した。その結果を表2に示した。なお、原水の砒素(As)濃度は0.13mg/Lであった。
表2の結果から、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物を3価の鉄イオン源として添加することにより、NaOHの使用量及び殿物の発生量を削減できると共に、80%以上の優れた砒素除去率であった。
(実施例7〜8、及び比較例3)
<実機検証試験>
以下の内容で実機検証試験を行った。
−比較例3−
比較例3(従来例)は、実際の鉱山排水(1,010mg/Lの鉄(Fe(II))、0.16mg/Lの砒素(As)を含有し、pHが3.0)の排水処理設備において、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物は添加せず、前記ポリ硫酸第二鉄を濃度が0.38L/mとなるように添加し、撹拌した。全ての3価の鉄イオン源のうち細菌酸化殿物の添加割合は0質量%であった。次いで、水酸化ナトリウムを濃度が0.36kg/mとなるように添加し、pHを3.60に調整し撹拌した。次いで、濃度が2,000質量ppmになるように溶解した前記ノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、前記3価の鉄源及び水酸化ナトリウムを添加した前記排液の全量の2質量ppm(2.83L/m)となるように添加し、撹拌、停止させた後、静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。次いで、前記沈殿物と2価の鉄イオン等を含む溶液をシックナーに移送して固液分離し、沈殿物として砒素を除去した。
−実施例7−
実施例7は、前記製造例1で作製した細菌酸化殿物を濃度が0.034kg/mとなるように、前記ポリ硫酸第二鉄を濃度が0.2L/mとなるように添加し、撹拌した。次いで、水酸化ナトリウムを濃度が0.19kg/mとなるように添加し、pHを3.6に調整し撹拌した。次いで、濃度が2,000質量ppmになるように溶解した前記ノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、前記3価の鉄イオン源及び水酸化ナトリウムを添加した前記排液の全量の2質量ppm(2.83L/m)となるように添加し、撹拌して撹拌停止させた後、静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。
次いで、前記沈殿物と2価の鉄イオン等を含む溶液をシックナーに移送して固液分離し、沈殿物として砒素を除去した。前記2価の鉄イオンを含む溶液(シックナーの上澄液)をオーバーフローさせて、鉄酸化細菌(チオバチルス・フェロオキシダンス)を含むスラリー状の鉄細菌酸化殿物が約40体積%入っている約10mの容量の酸化処理槽に送液し、pH3.0で、ブロアーで空気を吹き込みながら前記鉄酸化細菌により酸化処理した。前記酸化処理により、3価の鉄イオンを含むスラリー状の細菌酸化殿物が形成された。次いで、前記酸化処理槽の前記細菌酸化殿物と溶液をシックナーに移送して、固液分離し、スラリー状の(本発明の3価の鉄イオン源としての)細菌酸化殿物(主成分シュベルトモナイト)を回収した。
−実施例8−
実施例8は、前記実施例7で回収した細菌酸化殿物を0.036kg/mと、前記ポリ硫酸第二鉄を0.19L/m添加し、撹拌した。次いで、水酸化ナトリウムを0.18kg/m添加し、pHを3.6に調整し撹拌した。次いで、濃度が2,000質量ppmになるように溶解した前記ノニオン系高分子凝集剤(山陰水処理株式会社製、登録商標「クリファーム」(粉体))の水溶液を、前記3価の鉄源及び水酸化ナトリウムを添加した前記排液の全量の2質量ppm(2.83L/m)となるように添加し、撹拌して撹拌停止させた後、静置し、砒素と3価の鉄イオンとを含む沈殿物を形成した。次いで、前記沈殿物と2価の鉄イオン等を含む溶液をシックナーに移送して固液分離し、沈殿物として砒素を除去した。
次に、前記比較例3及び実施例7〜8について、排水(原水)中及び砒素除去処理後の排水の上澄み液中の砒素濃度を誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)(SII社製、SPS5100)を用いて測定し、次式、[排水(原水)中の砒素(As)濃度(mg/L)−砒素除去処理後の上澄み液のAs濃度(mg/L)]により、脱砒素量を測定した。結果を表3に示した。なお、原水の砒素(As)濃度は0.16mg/Lであった。
表3の結果から、実施例7及び8は、比較例3に比べて、NaOHの使用量を削減できると共に、脱砒素量が増加することがわかった。
本発明の砒素の除去方法は、砒素除去工程でのpH調整剤の使用量を削減できると共に、殿物の発生量を減少することができ、高い砒素除去率が得られるので、産業上極めて有用である。

Claims (5)

  1. 2価の鉄イオンと砒素とを含む排液に3価の鉄イオン源を添加した後、pH調整剤によりpHを3.2以上5以下に調整して、前記砒素と3価の鉄イオンとの沈殿物を形成し、前記沈殿物と2価の鉄イオンを含む溶液を分離して砒素を除去する砒素除去工程と、
    前記砒素除去工程で得られた前記2価の鉄イオンを含む溶液を鉄酸化細菌で処理して2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化し、細菌酸化殿物を形成する酸化工程と、を含み、
    前記3価の鉄イオン源が、前記酸化工程で形成された細菌酸化殿物、またはポリ硫酸第二鉄と前記酸化工程で形成された細菌酸化殿物であることを特徴とする砒素の除去方法。
  2. 前記pH調整剤が、水酸化ナトリウムである、請求項1に記載の砒素の除去方法。
  3. 前記砒素除去工程において、前記沈殿物を形成する際に、凝集剤を添加する、請求項1または2に記載の砒素の除去方法。
  4. 前記3価の鉄イオン源がポリ硫酸第二鉄と細菌酸化殿物の場合、前記細菌酸化殿物の添加により生成する鉄の排液中の濃度が、前記ポリ硫酸第二鉄と細菌酸化殿物の添加により生成する全ての鉄の排液中の濃度に対して、40質量%以上である、請求項1から3のいずれかに記載の砒素の除去方法。
  5. 前記排液が、廃鉱山由来の排液である、請求項1から4のいずれかに記載の砒素の除去方法。
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