JP2017157962A - 印刷装置、印刷装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 調整画像が印刷されたシートをADFにより搬送して読み取ることで印刷に関するパラメータを調整する場合に、ADFによる搬送に伴って発生する画像欠けの影響を補正できるようにすることを目的とする。【解決手段】 MFP101は、印刷を調整するための補正パターン(620)と、ADFによる原稿の搬送に伴う読取時の誤差を補正するための補正パターン(622)を含む調整画像をシートに印刷する(S1003)。また、MFP101は、調整画像が印刷されたシートをADFによって流し読み方式で読み取ることにより、読取画像を生成し(S1008)、印刷パラメータの計算に必要となる実測値と補正値を当該生成した読取画像に基づいて算出し(S1013〜S1015)、印刷パラメータを調整する。【選択図】 図10
Description
本発明は、シートに画像を印刷する印刷装置に関するものである。
補正パターンを配置した調整画像をシートに印刷し、調整画像が印刷されたシートを読取部で読み取ることにより、シートに画像を印刷する際の印刷位置や印刷倍率を調整することができる印刷装置が知られている(例えば、特許文献1)。
これらの印刷装置では、補正パターンが印刷されるべき位置や印刷されるべき大きさ(即ち理論値)と、実際に当該印刷装置で印刷されたシートを読み取った画像から得られる補正パターンの位置や大きさ(即ち、実測値)を比較する。比較した結果に基づいて、理論値により近い印刷ができるように印刷を行う際の印刷位置や印刷倍率を調整するための印刷パラメータを算出し、当該印刷パラメータを記憶する(以降、印刷パラメータを算出して記憶する処理をキャリブレーションと呼ぶ)。印刷装置は、次回以降の印刷を行う際に、キャリブレーションによって得られた印刷パラメータに基づいて、シートに画像を印刷する際の印刷位置や印刷倍率を調整する。
印刷を調整するためのパターンが印刷されたシートを印刷装置が備える読取部によって読み取る際に、図3に例示するような自動原稿搬送ユニット(ADF:Auto Document Feeder)を用いて流し読み方式で読み取ることが考えられる。
ADFを用いた流し読み方式での読み取りについて、図3を用いて説明する。ADFによる流し読みでは、まず、原稿載置台30上に載置された原稿を、読取部の読取位置Rに通じる搬送路内へと給送する。搬送路内に給送された原稿は、搬送経路内の各所に設けられたローラ3〜7によって挟持されながら搬送され、排出トレイに排出される。読取部は、読取位置Rを通過する原稿を読み取って読取画像を生成する。
ここで、搬送される原稿の先端が読み取られるタイミングでは、下流に配置されたローラ6はまだ当該搬送される原稿を把持していない。従って、原稿がローラ6に突入する前のタイミングでは、原稿は多少のたるみを持った状態で搬送される。このような状態で、搬送される原稿の先端がローラ6に突入すると、ローラ6により原稿を搬送方向に搬送する力が働き、たるみが解消される。たるみが解消される際に、画像読取位置付近の原稿の搬送速度が変動する場合がある。
このようにADFによる原稿の搬送速度が変動すると、原稿を読み取る際に画像欠けが発生する。従って、ADFを用いて補正パターンが印刷されたシートを搬送して読み取らせる場合、搬送速度の変化による画像欠けを含んだ読取画像が生成される。この場合、補正パターンの実測値は、画像欠けによる誤差を含んだ読取画像から算出されることになり、印刷パラメータの精度を高めることが難しいという課題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものである。本発明は、印刷位置や印刷倍率を調整する印刷パラメータを算出する際の精度を高める仕組みを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の印刷装置は、シートに画像を印刷する印刷手段と、原稿を読み取る読取手段と、前記読取手段が原稿を読み取る読取位置から見て上流の位置及び下流の位置にそれぞれ配設されたローラを駆動して原稿を搬送する搬送手段と、少なくとも印刷パラメータを調整するための第1の補正パターンと、原稿の搬送に伴う読み取り時の誤差を補正するための第2の補正パターンを含む調整画像をシートに印刷する印刷制御手段と、前記搬送手段によって搬送される前記調整画像が印刷されたシートを前記読取手段によって読み取り、当該読み取って得られた読取画像に基づいて印刷パラメータを生成する生成手段と、を備え、前記印刷手段は、前記印刷パラメータに基づいて少なくともシートに画像を印刷する位置を調整することを特徴とする。
本発明によれば、印刷位置や印刷倍率を調整する印刷パラメータを算出する際の精度を高めることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<第1の実施形態>
図1は、本発明が適用される印刷装置のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態では印刷装置の一例としてMFP(Multi Function Peripheral)101を説明する。
図1は、本発明が適用される印刷装置のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態では印刷装置の一例としてMFP(Multi Function Peripheral)101を説明する。
MFP101はシート上の画像を読み取る読取機能、シートに画像を印刷する印刷機能を有する。また、他にもMFP101は、画像を外部装置に送信するファイル送信機能などを有している。
CPU(Central Processing Unit)111を含む制御部110は、MFP101全体の動作を制御する。CPU111は、ROM(Read Only Memory)112又はストレージ114に記憶された制御プログラムを読み出して、読取制御や印刷制御などの各種制御を行う。ROM112は、CPU111で実行可能な制御プログラムを格納する。RAM(Random Access Memory)113は、CPU111の主記憶メモリであり、ワークエリア又は各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。ストレージ114は、印刷データ、画像データ、各種プログラム、及び各種設定情報を記憶する。本実施形態ではストレージ114としてHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置を想定しているが、HDDの代わりにSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを用いるようにしても良い。RAM113又はストレージ114には、印刷に使用するシートを管理するテーブルが記憶されている(詳細は後述する)。
なお、本実施形態のMFP101では、1つのCPU111が1つのメモリ(RAM113)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の様態であっても構わない。例えば複数のCPU、RAM、ROM、及びストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行することもできる。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field−Programmable Gate Array)等のハードウェア回路を用いて一部の処理を実行するようにしてもよい。
操作部インタフェース(I/F)115は、操作部116と制御部110を接続する。操作部116には、タッチパネル機能を有する液晶表示部や各種ハードキーなどが備えられ、情報を表示する表示部やユーザの指示を受け付ける受付部として機能する。
読取部I/F117は、読取部118と制御部110を接続する。読取部118は原稿を読み取って、読取画像を生成する。なお、生成された読取画像はストレージ114又はRAM113に格納されるものとする。読取部118によって生成された読取画像は外部装置に送信されたり、シート上への画像の印刷に用いられたりする。
印刷部I/F119は、印刷部120と制御部110を接続する。読取部118で生成された読取画像は印刷部I/F119を介して制御部110から印刷部120に転送される。印刷部120は制御部110を介して制御コマンド及び印刷すべき画像を受信し、当該画像に基づいてシートに画像を印刷する。
また、制御部110は、通信部I/F123を介してネットワーク100に接続される。通信部I/F123は、ネットワーク100上の外部装置に画像や情報を送信したり、ネットワーク100上の情報処理装置から印刷データや情報を受信したりする。
画像処理部124は、読取部118で読み取られた読取画像や、印刷部120に転送する印刷画像に対して画像処理を行う。画像処理部124はストレージ114又はRAM113に格納された画像を読み出して、画像の回転処理や、拡大縮小処理などを行うことができる。また、後述する印刷調整に用いる調整画像を生成することができる。また、画像内にある所定の形状を検出し、検出したパターンの中心座標や、エッジ座標を算出することができる。これらの所定パターンの検出は、画像の濃度変化を走査することで行われる。
なお、本実施形態では、画像処理部124がハードウェア回路(ASIC又はFPGAなど)で実現されることを想定しているが、これに限定されるものではない。例えば、MFP101が画像処理用途向けのプロセッサーを更に備え、当該画像処理用途向けのプロセッサーが画像処理プログラムを実行することにより画像に対する画像処理を実現してもよい。この場合、画像処理用のプロセッサーとCPU111が協働して後述するフローチャートを実現するものとする。更には、画像処理を行うためのプログラムをCPU111が実行し、画像に対する画像処理を行うように構成することもできる。また、これらのいずれかの組み合わせにより画像処理を行うようにしてもよい。
次に、印刷部120及び読取部118について説明する。図2は、MFP101の断面図を示している。MFP101は、大きく分けると、画像をシート(普通紙、厚紙、透明フィルムなど)上に印刷する印刷部120と、原稿を読み取って画像を生成する読取部118から、構成される。
印刷部120は、感光体ドラム11、一次帯電ローラ12、ロータリ現像ユニット13、中間転写ベルト14、転写ローラ15、クリーナ16、露光ユニット17等を備えている。また、印刷部120は不図示の画像変換用のASICを備えている。RAM113から転送された画像は不図示のASICによりマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のレーザ信号を生成する。露光ユニット17内のレーザLED(Light Emitting Diode)は生成されたレーザ信号のON/OFFに応じて変調したレーザ光を照射する。また、一次帯電ローラ12は、レーザ光の照射前に感光体ドラム11の表面を均一に帯電する。レーザ光は露光ユニット17内の等速回転するポリゴンミラーにより感光体ドラム11の表面上を走査するよう偏向される。均一に帯電したドラムの表面は、レーザ光により露光され、所定ライン分(例えば1ライン分)の静電潜像が形成される。本実施形態では、レーザ光を走査する向きを印刷の主走査と定義し、レーザ光を走査する向きと直交する向きを印刷の副走査と定義する。副走査方向に回転する感光体ドラム11の表面を主走査方向に繰り返し走査して露光することにより、画像に基づく静電潜像が形成される。
ロータリ現像ユニット13は、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像にマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色トナーを付着させ、トナー像を形成する。感光体ドラム11の表面に現像されたトナー像が中間転写ベルト14に転写され、中間転写ベルト14上のトナー像が転写ローラ15によってシートSに転写される。クリーナ16は、トナー像が転写された後に感光体ドラム11に残留したトナーを除去する。
ロータリ現像ユニット13は、回転現像方式を用いており、現像器13K、現像器13Y、現像器13M、現像器13Cを有し、モータ(不図示)により回転可能である。感光体ドラム11上にモノクロのトナー像を形成する時は、感光体ドラム11と近接する現像位置に現像器13Kを回転移動させて現像を行う。フルカラーのトナー像を形成する時は、ロータリ現像ユニット13を回転して現像位置に各現像器を配置させ、色ごとに順に現像を行う。
中間転写ベルト14上のトナー像が転写されるシートSは、カセット18もしくは手差しトレイ20から転写位置に供給されるようになっている。転写ローラ15の搬送方向下流側には定着器19が設けられており、搬送されるシートS上のトナー像を定着する。トナー像が定着されたシートSは、排出ローラ21によってMFP101から搬送方向下流側のシート処理装置50に排出される。
本実施形態においては、印刷時のシート搬送方向の先端をシートの先端と呼び、搬送方向におけるシートの後端をシートの後端と呼ぶものとする。また、シートの搬送方向と直交する方向の端部を横端(左端、右端)と呼ぶものとする。なお、左端はシートの先端を天として見たときに左側となる端部であり、右端はシートの先端を天として見たときに右側となる端部であるものとする。
なお、本実施形態では、印刷部120の印刷方式として、回転現像方式を用いたカラー電子写真方式を説明したがこれに限定されるものではない。例えば、タンデム方式のカラー電子写真方式であってもよいし、単色のトナー像を形成する現像器を備えたモノクロ電子写真方式であってもよい。また、印刷部120の印刷方式はインクジェット方式であってもよい。
カセット18は、4つのカセットを含み、各カセットは同一又は互いに異なるサイズのシートを保持することができる。各カセットには、保持されているシートのサイズをガイドの位置に基づいて検知するためのセンサや、シートの残量(シート無し状態であるか否か)を検知するためのセンサが備えられている。なお、シートは長辺がシート搬送方向に対して垂直となるLEF(Long Edge Feed)方向で保持されてもよいし、短辺がシート搬送方向に対して垂直となるSEF(Short Edge Feed)方向で保持されてもよい。
シート処理装置50は、MFP101のシート排出位置に接続されると共に、MFP101と信号線(不図示)を介して通信可能に構成されている。シート処理装置50は、MFP101と通信を行うことにより、MFP101と協働して動作する。シート処理装置50は、排出ローラ21によって排出されたシートSに対して、針を用いて複数枚のシートを綴じるステイプラ51と、針を用いずに複数枚のシートを綴じるステイプラ52を備えている。
シート処理装置50は、シートSの有無を検出するシート検出センサ56、シートSを整合するシート整合部57を備えている。シート処理装置50は、シート整合部57に搬送されたシートSをシート検出センサ56によって検出し、ユーザからの指定に従い、ステイプラ51又はステイプラ52による綴じ処理を行う。
続いて、読取部118によって原稿を読み取る方法について図3を用いて説明する。読取部118の読み取り方式には、流し読み方式と光学系移動方式の2つの方式がある。まず、流し読み方式について説明する。流し読み方式では、原稿載置部(原稿トレイとも呼ぶ)30に載置された原稿Sを自動原稿搬送ユニット301(ADFとも呼ぶ)によって搬送させることにより、当該搬送される原稿を読み取る。なお、本実施形態では一例として、読取部118の制御用CPU(不図示)がADF301を用いた原稿搬送などを制御するものとする。
ADF301は、原稿載置台30に載置された原稿束Sから1枚の原稿を搬送路に供給するための分離ローラ2、分離パッド8及びピックアップローラ1を有する。ピックアップローラ1は、原稿載置部201に積載された原稿束Sの原稿面に接して回転する。これにより、原稿束Sの最上面の原稿が搬送路に給送される。
ピックアップローラ1によって給送された原稿は、分離ローラ2と分離パッド8の摩擦力によって1枚に分離される。また、原稿載置台30の下流には原稿検知センサ316があり、原稿載置部上に載置された原稿の有無を検知できるようになっている。
分離ローラ2と分離パッド8によって分離された原稿は、レジストローラ3に向けて搬送される。なお、レジストローラ3は、搬送される原稿の先端が到達したタイミングでは停止している。当該停止しているレジストローラ3に突き当てられた原稿は、分離ローラ2による搬送に伴うループが形成されることにより斜行が補正される。斜行が補正された原稿は回転を開始したレジストローラ3より搬送ローラ4の方向に搬送される。レジストローラ3の下流側には、原稿を原稿台ガラス351方向へ搬送する給送パスが配置されている。原稿は、搬送ローラ5と搬送ローラ4によって更に搬送される。そして、原稿ガラス351に接触する形で搬送された原稿は、搬送ローラ5と搬送ローラ6によって搬送されて、排出ローラ7により排出部31に排出される。なお、原稿の搬送方向の下流に配設されたローラは、原稿の搬送方向の上流に配設されたローラよりも速く回転するものとする。これは、搬送路内で原稿が滞留することによる紙詰まりを抑制するためである。
また、ADF301は原稿読み取りのタイミングなどを検知するための、フォトカプラなどで構成されたリードセンサ314を備えている。また読取部118を制御する制御用のCPU(不図示)は、リードセンサ314が搬送されている原稿の先端を検知してONとなったタイミングから、ローラ4、5などの駆動源となる搬送モータ(不図示)の駆動クロックの計数を開始する。1駆動クロックによるローラの回転量と、駆動クロックとに基づいて、原稿がどこまで搬送されているのか(搬送されている原稿の先端の位置がどこか)を計測することができる。読取部118の制御用CPUは、この計測結果を用いて、原稿載置部201から搬送されている原稿の先端がガラス351上の原稿の読取位置Rに達するタイミングで、原稿の第1面の読み取りを開始する。読取位置Rを通過した原稿は、読取位置Rから見て搬送方向の下流に位置する搬送ローラ6に突入し、排出トレイ方向に搬送される。
読取部118は表面の読み取り開始のタイミングとなると、光源353を点灯し、ガラス351の面を通過する原稿に光を照射する。このとき原稿からの反射光は複数のミラー354、355、356を介して、ラインセンサ360に入射する。ラインセンサ360は原稿からの反射光を電気信号に変換する。ラインセンサ360は、例えばCCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサなどが用いられる。電気信号は図示しないA/D変換器によってデジタルデータ(読取画像)に変換され制御部110のストレージ114又はRAM113に格納される。
なお、本実施形態では、光源353として棒状の光源を使用し、光源353の長手方向と平行に読み取りラインを設定し、この読み取りラインに対して直交する方向に原稿を搬送しながら読取画像を生成する。なお読み取りラインと平行な方向をスキャンの主走査と定義する。また、読み取りラインに対して直交する方向(原稿の搬送方向)をスキャンの副走査方向と定義する。
次に、原稿の両面を読み取る場合について説明する。原稿の両面を読み取る場合は、原稿の第1面を読み取った後に、原稿を排出トレイに排出することなく、反転パス320へと導く。
読取部118は、反転パス320を通って反転した原稿を第1面と同様に読み取り、裏面に対応する読取画像を生成する。読取位置Rを通過した原稿は、搬送ローラ6に突入し、排出トレイ方向に搬送される。
なお複数枚の原稿を流し読み方式で読み取る場合、前述した処理を繰り返して当該複数の原稿を読み取って、読取画像を生成するものとする。
続いて、MFP101が使用するシートの属性情報を管理するためのシート管理テーブルについて説明する。MFP101が使用するシートには、例えば、標準的に使用されるシート、プリンタメーカによって評価済みのシート、及び、標準シートや評価済みシートの属性情報がユーザによってカスタマイズされたユーザ定義のシート等がある。これら複数のシートの属性情報は、RAM113又はストレージ114に格納される。図4は、シート管理テーブルのデータモデルの一例を示すものである。
シート管理テーブル400に登録されるデータ(シートの属性情報)の詳細について以降説明する。シート名称(411)は、印刷に使用されるシートの名称を示す情報である。シートの表面性(412)は、シートの表面の物理特性を表すための属性であり、例えば、光沢性を上げるためのコートが施された「コート」や、コートが施されていないことを示す「普通紙」等がある。シートの坪量(413)は、1平方メートル当たりのシートの重さを示している。プレプリント(414)は、印刷に使用されるシートがプレプリント紙であるか否かを識別するための情報である。ここでは、ロゴや罫線などが事前に印刷されたシートをプレプリント紙と定義する。
送り方向(415)、幅方向(416)は、シートの各方向の寸法を示す情報である。また、サイズ名(414)はシートのサイズを示す名称である。方向(415)は、印刷に使用されるシートがカセットに保持される向きを示す情報である。
また、本実施形態では、印刷を行う場合に理想的な位置や理想的な倍率で印刷できるように、印刷位置や印刷倍率を調整するためのパラメータ(印刷パラメータと呼ぶ)を記憶することができる。本実施形態では、シートの種類、サイズ、及びシートがカセットに保持される向きごとに、各々異なる印刷パラメータを記憶する。これらの印刷パラメータは後述する印刷調整機能を用いて算出される。
シートに印刷を行う場合の表面(第1面)に対する印刷パラメータ(420)は、シートの第1面に印刷する場合の印刷パラメータを示す情報である。また、シートに印刷を行う場合の裏面(第2面)に対する印刷パラメータ(421)は、シートの第1面に印刷を行った後にシートの第2面に印刷する場合の印刷パラメータを示す情報である。
印刷パラメータ(420,421)としては、例えば、シートの先端を基準とした副走査方向の印刷開始位置を調整するためのオフセット量(以降、先端位置のオフセット量)がある。印刷部120は、先端位置のオフセット量に基づいて、露光ユニット17がレーザビームの照射を開始するタイミング(シートに対する書き出しのタイミング)を調整することにより、副走査方向の印刷位置を調整する。
また、印刷パラメータ(420,421)としては、例えば、シートの左端を基準とした主走査方向の印刷開始位置を調整するためのオフセット量(以降、左端位置のオフセット量)がある。印刷部120は、左端位置のオフセットに基づいて、露光ユニット17が感光体ドラム11の走査するレーザを照射するタイミングを調整することにより、主走査方向の印刷位置を調整する。
また、印刷パラメータ(420,421)としては、例えば、副走査方向の倍率調整量と、主走査方向の倍率調整量がある。印刷部120は、副走査方向のサイズを縮小する場合は、画像をレーザ信号に変調する際に、画像の一部分(例えば1ライン分)を間引くことで副走査方向のサイズを縮小する。また、副走査方向のサイズを拡大する場合は画像の一部分(例えば1ライン分)と同じデータを挿入することで副走査方向のサイズを拡大する。一方、主走査方向の倍率を調整する場合は、主走査方向の画素の一部分を間引いたり同じ画素を挿入したりすることで倍率を調整する。
なお、本実施形態では、倍率調整を印刷部120によって行う場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、RAM113に格納された画像を拡大又は縮小して倍率を調整するようにしてもよい。
次に図4で説明した印刷パラメータを算出するキャリブレーションの処理について説明する。本実施形態のMFP101はキャリブレーションを行うための機能(以下、印刷調整機能)を備えている。印刷調整機能は、以下の処理によってキャリブレーションを行う。まず、補正パターンをシートに印刷する。次に読取部118を用いて、補正パターンが印刷されたシートを読み取る。また、読み取って得られた画像を解析し、補正パターンの印刷位置や大きさ(以降、解析によって得られた値を実測値と呼ぶ)を算出する。次に、実測値と、当該補正パターンが印刷されるべき位置や印刷されるべき大きさ(以下、理論値と呼ぶ)とを用いて印刷位置や印刷倍率を調整するための各パラメータを算出し、図4に例示している印刷パラメータ(420,421)を更新する。
ここで、印刷部120により、補正パターンが印刷されたシートをADF301を用いて流し読み方式で読み取ることが考えられる。ここで、ADFの搬送パス(図3)の影響を考える。ADF301を用いて原稿を搬送する際に、搬送される原稿の先端が読み取られるタイミングでは、下流に配置されたローラ6はまだ当該搬送される原稿を把持していない。従って、原稿がローラ6に突入する前のタイミングでは、原稿は多少のたるみを持った状態で搬送される。このような状態で、原稿の先端がローラ6に突入すると、ローラ6により原稿を搬送方向に搬送する力が働き、たるみが解消される。たるみが解消される際に、画像読取位置R付近の原稿の搬送速度が変動する場合がある。
このようにADFで原稿を搬送して読み取る場合には、原稿が搬送速度の変動に伴い、スキャンの副走査方向の画像の欠けが発生する恐れがある。
この場合、実測値が画像欠けによる誤差を含んだ読取画像から算出されるため、印刷に関するパラメータを調整する際の精度を高めることが難しい。
これを鑑みて本実施形態では、印刷調整するための補正パターンに加えて、ADFによる搬送に伴って発生する画像欠けの影響を補正するための補正パターンを含む調整画像を印刷し、搬送に伴う影響を補正できるようにする。
本実施形態の印刷調整機能について具体的に説明する。MFP101を利用するユーザは、操作部116に表示される不図示の設定画面から、印刷調整機能を選択することができる。CPU111は、印刷調整機能のボタンがユーザによって押下されたことに従って、印刷調整機能の画面を表示する。図5は操作部116に表示される設定画面の一例を示すものであり、図5(a)は印刷調整機能における第1の操作画面を例示している。また、図5(b)は印刷調整機能における第2の操作画面を例示している。
ユーザは、第1の画面で調整を行いたいシートを選択し、選択したシートに対する印刷調整を行うことができる。第1の画面には、カセット18が保持するシートの一覧が表示される。ここでは、行501、即ち最上段のカセットが選択されている状態を例示している。キャンセルキー511は、印刷調整をキャンセルする場合に使用するキーである。また、調整開始キー512は印刷調整を開始する場合に使用するキーである。
CPU111は、調整開始キー512が押下されると、調整画像の印刷を開始すると共に、操作部116に表示する画面を図5(b)に示す第2の画面に遷移させる。
ユーザは、第2の画面を介して、調整画像が印刷されたシート(以下、調整チャートと呼ぶ)の読み取りの開始を指示することができる。情報523は、チャートをADFにセットする方向をユーザにイラストで説明する情報である。ここでは、「表面」という文字が印刷された面を上にし、ADFにより原稿が搬送される方向とシートに印刷された矢印の方向とが同じ向きになるようにセットする場合を例示している。また、情報524は、調整チャートのセットする方向を補足する文字情報である。情報523及び情報524を第2の画面に提示することにより、ユーザに原稿をセットする向きを分かりやすく説明することができる。
読取開始キー521は、調整チャートの読取を開始する場合に使用するキーである。また、キャンセルキー522は、印刷調整をキャンセルする場合に使用するキーである。
CPU111は、読取開始キー521が押下されると、調整チャートの読み取り及び印刷パラメータの更新を行う。具体的な処理については、後述するフローチャートにて説明する。印刷パラメータの更新が完了すると、印刷調整機能を終了し不図示のメイン画面に遷移する。
次に、印刷調整機能で用いる調整画像を生成する方法について説明する。図6は、印刷調整機能でシートに印刷する調整画像を説明するための図である。図6(a)は、表面に印刷される調整画像600aを例示している。また、図6(b)は裏面に印刷される調整画像600bを例示している。
調整画像は、補正パターン620乃至622と、ユーザに対する注釈画像610から構成される。ここでは、説明のために補正パターン620乃至622をハッチングで表現しているが、実際はベタ塗りの画像であるものとする。また、各パターン及び注釈画像の色は、シートに対して反射率の差が大きい色(例えば、白色のシートに印刷する場合であれば黒色)が用いられるものとする。
ここで、補正パターン620は、印刷パラメータを調整するためのパターンの一例である。補正パターン621は、シートの端部を検出するために、調整画像の各端に配置されるパターンの一例である。また、補正パターン622はADFによる原稿の搬送に伴う読み取り時の誤差を補正するためのパターンの一例である。
また、注釈画像610は、ユーザに原稿をセットする方向を識別させるための矢印画像、及び、印刷後のシートの表裏を識別するための画像である。
本実施形態では、調整するシートのサイズ(図中の破線の領域)より大きいサイズ(図中の実線の領域)の調整画像を生成される。これは、印刷時にシートに対する印刷位置のズレが発生したとしても、端部を検出するための補正パターン621がシートの端部にかかるように印刷するためである。なお、本実施形態では、補正パターン621をシートの端部にかかるように印刷する場合を例示したがこれに限定されるものではない。例えば、印刷部120の制約によりシートの端部に補正パターンがかかるように印刷を行うことができない場合は、ユーザがペンや鉛筆などでシート端部を塗りつぶすようにしてもよい。この場合、補正パターン621に代えて、塗りつぶす位置を示唆するための注釈画像を表示するものとする。
ところで、前述したように、ADFによる搬送では、搬送される原稿がローラ6に突入する際に搬送速度が変動する恐れがある。
そこで、本実施形態では、搬送される原稿がローラ6に突入する時点で読取位置Rで読み取られる位置の前後の近傍N(即ち、搬送速度の変動が発生する際に、読取位置Rで読み取られる位置の近傍)を避けて補正パターン620を配置する。一方、ADFによる原稿の搬送に伴う画像の変動を確認するための補正パターン622は、搬送される原稿がローラ6に突入する際に読取位置Rで読み取られる位置の近傍Nが含まれるよう配置する。
またCPU111は、補正パターンの印刷に関する理論値をRAM113に記憶する。例えば、シートの各端からパターン620のエッジまでの距離の理論値としてTth、Bth、Rth、及びLthを記憶する。また、シートの幅に関する理論値としてWth_feed及びWth_mainを記憶する。また補正パターン622の幅の理論値として、C1th、C2thを記憶する。これらの理論値は後述する印刷パラメータを算出する際に用いられる。
図7は、調整画像が印刷されたシートの読み取りを説明する図である。図7(a)は印刷部120で調整画像が印刷されたシートを例示するものである。ここでは、シートに画像を印刷する際に副走査方向のズレが生じた場合を例示している。
また、図7(b)は、調整画像が印刷されたシートを読み取って得られた読取画像700を例示するものである。ここでは、原稿の端部を確実に検出するために実際の原稿チャートのサイズよりも大きいサイズで読み取りを行っている。
図8は、調整画像が印刷されたシートの読み取る際のタイミング制御を説明する図であり、横軸が時間経過を示している。図8(a)は読み取り開始のタイミングを説明する図であり、図8(b)は読み取り終了のタイミングを説明する図である。通常、ADFによる読み取りを行う場合、読取位置Rに原稿の先端が到達するタイミングで原稿の読み取りを開始する。一方、調整画像が印刷されたシートを読み取る場合は、図8(a)に示すように読取位置Rに原稿が到達する前に原稿の読み取りを開始する。通常、ADFによる読み取りを行う場合、読取位置Rに原稿の後端が到達するタイミングで原稿の読み取りを終了する。一方、調整画像が印刷されたシートを読み取る場合は、図8(b)に示すように読取位置Rに原稿の後端原稿が到達した後も所定の時間だけ原稿の読み取りを継続する。
このように原稿の読み取りを制御することにより、原稿の端部を含んだ読取画像(図7(b)を生成することができる。
画像処理部124は、読取画像を解析し、各補正パターン620乃至622の中心座標や、エッジ座標を算出することができる。例えば、画像処理部124は、画像内で所定の濃度以上の画素からなる領域を抽出する。次に、抽出された領域ごとにエッジ座標や中心座標を算出する。
また、CPU111は、各パターンのエッジ座標や中心座標に基づいて、各パターンの幅やシート端からの距離を示す実測値(T1ex〜T4ex、B1ex〜B4ex、L1ex〜L4ex、C1ex〜C2ex)を算出し、RAM113に格納する。また、シート幅に関する実測値(W1ex_main、W1ex_feed、W2ex_main、W2ex_feed)を算出し、RAM113に記憶する。
続いて、実測値と理論値に基づく印刷パラメータの算出方法について、図9を用いて説明する。図9は、各印刷パラメータの理想値(910)、各印刷パラメータを算出する計算式、及び本実施形態における読み取り誤差を補正する処理を含めた計算式を示している。また、補正値C1〜C2は、読み取りに関する副走査方向の誤差を補正するための補正値を示している。
例えば、先端位置のオフセット量(表面)は、搬送に伴う誤差を考慮しない場合、理論値Tth、実測値T1ex及びT2exから求めることができる。ここでは、先端〜パターン620までの距離の実測値(T1exとT2exの平均)から、理論値(Tth)を減算することで印刷開始のオフセット量(mm)を算出することができる。
左端位置のオフセット量(表面)、主走査倍率調整(表面)、及び副走査倍率調整(表面)についても、各印刷パラメータの計算式に理論値と実測値を当てはめることにより算出することができる。また、裏面に対する印刷パラメータも同様に算出することができる。
次に、搬送に伴う誤差を補正する方法について説明する。補正値C1〜C2は、搬送に伴うスキャン時の副走査方向の画像サイズの誤差を補正するための補正値を示している。
例えば、補正値C1は、実測値C1exから理論値C1thを減算することで算出される。補正パターン622の幅(C1th)と、読取画像を実測して得られた補正パターンの幅(C1ex)の差分を取ることにより、搬送速度の変動に伴う副走査方向の画像欠けを補正する値を決定することができる。また、補正値C2に関しても各補正値の計算式に理論値と実測値を当てはめることにより決定することができる。
本実施形態では、これらの補正値に基づいて各印刷パラメータを算出する際に読み取りに関する誤差の補正を行う。例えば、先端位置のオフセット量(表面)を算出する際に、補正値C1を加算することにより原稿搬送に伴うスキャン時の副走査方向の誤差を補正することができる。また、複走査倍率調整(表面)を算出する際に、補正値C1を考慮することにより、原稿搬送に伴うスキャン時の副走査方向の誤差を補正することができる。また先端位置のオフセット量(裏面)を算出する場合は、補正値C2を考慮して計算することにより、スキャン時の副走査方向の誤差を補正することができる。また、副走査倍率調整(裏面)を算出する場合は、補正値C2を考慮して計算することによりスキャン時の副走査方向の誤差を補正することができる。
本実施形態における具体的な印刷調整機能の制御について、図10のフローチャートを用いて説明する。
図10は、ユーザによって印刷調整機能が選択されたことに応じて開始されるMFP101の動作を説明するフローチャートである。図10のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU111がROM112又はストレージ114に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
S1000では、CPU111は、操作部116に第1の操作画面(図5(a))を表示する。また、第1の画面を介して調整対象となるシートの選択を受け付ける。S1001では、CPU111は、調整開始の指示を受け付けた否かを判断する。調整開始キー512が選択された場合は、S1003に進み、調整開始キー512が選択されていない場合は、S1002に進む。
S1002では、印刷調整をキャンセルする指示を受け付けたか否かを判断する。キャンセルキー511が選択された場合は、S1007に進みエラー画面(不図示)を表示して処理を終了する。キャンセルキー511が選択されない場合は、S1000に戻る。
次に、S1003では、CPU111は、調整対象のシートに調整画像600a及び600bを印刷する。CPU111は、画像処理部124と協働して、調整対象のシートのサイズに基づく調整画像を生成する。また、調整画像に関する理論値をRAM113に記憶する。次に、印刷部120と協働して、調整対象のシートに対して調整画像を印刷する。印刷が完了するとS1004に進む。
S1004では、CPU111は、操作部116に第2の操作画面(図5(b))を表示する。S1005では、読取開始の指示を受け付けたか否かを判断する。読取開始キー521が選択された場合は、S1008に進み、読取開始キー521が選択されない場合は、S1006に進む。
S1006では、CPU111は、印刷調整をキャンセルする指示を受け付けたか否かを判断する。キャンセルキー522が選択された場合は、S1007に進み、キャンセルキー522が選択されない場合は、S1005に戻る。S1007ではCPU111は、エラー画面(不図示)を操作部116に表示し、処理を終了する。
一方、S1008では、CPU111は、読取部118と協働してADF301の原稿載置台30に載置されたシート(即ち、調整画像が印刷されたシート)を流し読み方式で読み取って、読取画像700a及び700bを生成する。
S1009では、CPU111は、画像処理部124と協働して、読取画像700を解析し、シート端部を検出するための補正パターン621を検出する。次に、検出したパターンに基づいて、シートの各端の座標を算出する。
S1010では、CPU111は、画像処理部124と協働して、読取画像700を解析し、印刷調整用の補正パターン620を検出する。次に、検出した各パターンのエッジ座標を算出する。
S1011では、CPU111は、S1009及びS1010による解析により、座標を算出できたか否かを判断する。CPU111は、S1009及びS1010による解析により、読取画像700から各座標を検知できた場合は、S1013に進み、読取画像700から各座標のいずれか、又は全てを検知できなかった場合は、S1007に進む。なお、この処理は、ユーザがADFにセットする原稿を間違った場合や、原稿をセットする向きを間違った場合のエラー処理である。
S1013では、CPU111は、S1009及びS1010で算出した座標値に基づいて印刷パラメータの算出に必要となる実測値を算出する。S1014では、CPU111は、画像処理部124と協働して、読取画像700を解析して、スキャン時の副走査方向の補正値を算出する。具体的には、搬送に伴う誤差を補正する補正パターン622を検出する。次に、検出したパターンに基づいて、補正パターン622の副走査方向の幅の実測値を算出する。また、S1003で記憶された理論値と、算出した実測値に基づいて、スキャン時の副走査方向の補正値C1ex〜C2exを算出する。なお補正値Cの算出には、図9に示した補正値の計算式に基づく演算を行うものとする。
S1015では、S1003で記憶した理論値(*th)、S1013で算出した実測値(*ex)、及びS1014で算出したスキャン時の副走査方向の補正値Cに基づいて印刷パラメータを算出する。なお、印刷パラメータの算出には、図9の912に示す補正後の計算式に基づく演算を行うものとする。
S1016では、CPU111は、シート管理テーブル400を参照し、第1の操作画面上で選択されたシートに対応する印刷パラメータをS1015で算出した印刷パラメータに基づいて上書き(更新)する。更新が完了すると一連の処理を完了する。
なお、本実施形態では、印刷パラメータの一例として、先端位置のオフセット量、左端位置のオフセット量、主走査倍率調整、副走査倍率調整を例示したがこれに限定されるものではない。その他の印刷パラメータを算出する場合にも適用できる。この場合、スキャン時の搬送の影響を受ける実測値に対して、補正値Cによる補正を行うようにすればよい。
以上説明した通り本実施形態では、ADFによる搬送に伴って発生する画像欠けの影響を補正するためのパターン622を含む調整画像を印刷することができる。また、調整画像が印刷されたシートを読み取って得られた読取画像から印刷パラメータを算出する際に、ADFによる搬送に伴って発生する画像欠けの影響を補正するためのパターン622による補正を行うことができる。従って、調整画像が印刷されたシートをADFによって搬送して読み取って印刷パラメータを調整する場合であっても、ADFの搬送に伴って発生する画像欠けの影響を補正することができる。
更に、印刷パラメータの調整に用いる補正パターン620を、ADFの搬送に伴って画像欠けが発生しやすい領域以外の領域に配置した調整画像を印刷することができる。従って、印刷パラメータを算出する際に必要となる実測値の精度を高めることができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、印刷に使用するシートが給紙される向き(SEF方向又はLEF方向)に関わらず、読取部118による読み取りをSEF方向で行う印刷調整機能について説明する。なお、第2の実施形態において、前提となる装置のハードウェア構成は第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と同様の構成については、詳細な説明は省略する。
第2の実施形態では、印刷に使用するシートが給紙される向き(SEF方向又はLEF方向)に関わらず、読取部118による読み取りをSEF方向で行う印刷調整機能について説明する。なお、第2の実施形態において、前提となる装置のハードウェア構成は第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と同様の構成については、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、調整画像が印刷されたシートをADFにSEF方向で載置して流し読み方式で読み取ることを前提として調整画像の生成を行う。これは、SEF方向で載置された原稿を流し読み方式で読み取ることで、LEF方向で載置された原稿を流し読み方式で読み取る場合に比べ、安定して搬送できる領域(即ち、ローラ2−6がシートを把持した状態で読取処理が行える領域)を広くするためである。
しかしながら、LEF方向で印刷された調整画像をSEF方向で読み取る場合、印刷時の主走査方向が読取時の副走査方向となる。従って、ADFによる原稿の搬送に伴う誤差は印刷時の主走査方向に影響を与えることとなる。
そこで、本実施形態では、LEF方向で印刷する場合とSEF方向で印刷する場合とで、調整画像の配置及び、印刷パラメータ算出時の補正値の取り扱い方を異ならせることについて説明する。
図11は、第2の実施形態においてLEF方向で保持されたシートに対して印刷調整を行う場合を説明する図である。図11(a)は、LEF方向のシートに印刷する調整画像1100の一例を示している。また、図11(b)が調整画像をLEF方向で給送されたシートに印刷した場合の印刷結果の一例を示している。図11(c)は、スキャン時に調整画像が印刷されたシートを載置する向きを示す図である。
LEF方向で印刷されたシート(図11(b))をSEF方向で読み取る(図11(c))ため、ADFによる原稿の搬送に伴う画像欠けは、印刷時の主走査方向に影響することになる。
図11(a)に示すように、LEF方向のシートに印刷する調整画像を生成する場合は、シートをSEF方向で読み取る場合に、ローラ2〜ローラ6がシートを把持した状態で搬送することが想定される領域に補正パターン620を配置する。また、補正パターン622についても、SEF方向で読み取る場合に、搬送速度が変動する恐れがある位置にかかるように配置する。
また、LEF方向のシートに印刷する調整画像を生成する場合は、第1の実施形態における注釈画像610に変えて、注釈画像1110を配置する。注釈画像1110は、ユーザに原稿をセットする方向を識別させるための矢印画像、及び、印刷後のシートの表裏を識別するための画像である。注釈画像1110と図5(b)の情報523及び524により、ユーザに対してシートをセットする向きを分かりやすく通知することができる。
次に、読取画像に基づく実測値の算出について説明する。図11(d)は、図11(b)に示すシートを読み取った画像を90度回転した読取画像を例示するものである。
画像処理部124は、読取画像を解析し、各補正パターン620乃至622の中心座標や、エッジ座標を算出する。また、CPU111は、画像処理部124により算出された各パターンのエッジ座標や中心座標に基づいて、各パターンの幅やシート端からの距離を示す実測値を算出し、RAM113に格納する。また、シート幅に関する実測値を算出し、RAM113に記憶する。
続いて、実測値と理論値に基づく印刷パラメータの算出方法について、図12を用いて説明する。図12は、第2の実施形態における印刷パラメータの算出するための計算式を示している。補正値C1〜C2及び補正値C1´〜C2´は、読取に関する副走査方向の誤差を補正するための補正値を示している。
補正を考慮しない印刷パラメータの計算式(911)及び、SEF方向で保持されたシートに対する補正を考慮した印刷パラメータの計算式(1212)は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第2の実施形態では、SEF方向で保持されるシートの印刷調整を行う場合は、第1の実施形態と同様の印刷パラメータの計算式(1212)を用いる。一方で、LEF方向で保持されるシートの印刷調整を行う場合は、印刷パラメータの計算式(1213)を用いて補正を考慮した印刷パラメータの算出を行う。この場合、左端位置のオフセット量(表面)、主走査倍率調整(表面)、左端位置のオフセット量(裏面)、及び、主走査倍率調整(裏面)が補正値C´によって補正される。
本実施形態における具体的な印刷調整機能の制御について、図13のフローチャートを用いて説明する。図13は、第1の実施形態における図10のフローチャートに代わるフローチャートである。図13では、第1の実施形態におけるS1003に示した調整画像の印刷のステップに替えて、S1331乃至S1333のステップを実行する。また、図13のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU111がROM112又はストレージ114に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
S1300乃至S1302は、第1の実施形態におけるS1000乃至S1302と同様の処理であるため説明を省略する。
S1331では、CPU111は、調査対象のシートがLEF方向で保持されているか否かを判断する。S1300において第1の操作画面を介してLEF方向のシートが選択された場合は、S1333に進む。一方、S1300において第1の操作画面を介してLEF方向のシートが選択されない場合(即ち、SEF方向のシートが選択された場合)はS1302に進む。
S1332では、CPU111は、調整対象のシートにSEF方向のシートに印刷する調整画像(600)を印刷する。CPU111は、画像処理部124と協働して、調整対象のシートのサイズに基づく調整画像を生成する。また、調整画像に関する理論値をRAM113に記憶する。次に、印刷部120と協働して、調整対象のシートに対して調整画像を印刷する。印刷が完了するとS1304に進む。
一方、S1333では、CPU111は、調整対象のシートにLEF方向のシートに印刷する調整画像(1100)を印刷する。CPU111は、画像処理部124と協働して、調整対象のシートのサイズに基づく調整画像を生成する。また、調整画像に関する理論値をRAM113に記憶する。次に、印刷部120と協働して、調整対象のシートに対して調整画像を印刷する。印刷が完了するとS1304に進む。
S1304乃至S1314の処理は第1実施形態におけるS1004乃至S1014の処理と同様の処理であるため詳細は省略する。
S1315では、CPU111は、理論値(*ex)、実測値(*th)、及び、スキャン時の副走査方向の補正値に基づいて印刷パラメータを算出する。なお、SEF方向のシートに対する印刷パラメータを算出する場合は、図12の1212に示す補正後の計算式に基づく演算を行うものとする。また、LEF方向のシートに対する印刷パラメータを算出する場合は、図12の1213に示す補正後の計算式に基づく演算を行うものとする。S1316では、CPU111は、S1016と同様に、S1015で算出したパラメータ保存する。保存が完了すると一連の処理を完了する。
以上説明したように、第2の実施形態では、調整画像が印刷されたシートをADFにSEF方向で載置して流し読み方式で読み取ることを前提とした印刷パラメータの調整を行うことができる。従って、LEF方向で保持されたシートに対する印刷調整を行う場合であっても、印刷調整用の補正パターンをADFによる搬送に伴う影響を受けにくい領域に配置することができる。従って、印刷パラメータの調整の精度を高めることができる。
<その他の実施形態>
第1及び第2の実施形態では、シートの表面及び裏面の印刷パラメータを調整する場合を例示したがこれに限定されるものではない。例えば、シートの表面だけの印刷パラメータを調整する場合にも適用することができる。
第1及び第2の実施形態では、シートの表面及び裏面の印刷パラメータを調整する場合を例示したがこれに限定されるものではない。例えば、シートの表面だけの印刷パラメータを調整する場合にも適用することができる。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態では、調整画像を1枚印刷し、当該1枚のシートを読み取って印刷パラメータを算出する場合を例示したがこれに限定されるものではない。例えば、調整画像を複数枚印刷し、複数枚の調整画像が印刷されたシートを読み取って、印刷パラメータを算出する場合にも適用することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
101 印刷装置
111 CPU
118 読取部
120 印刷部
124 画像処理部
111 CPU
118 読取部
120 印刷部
124 画像処理部
Claims (12)
- シートに画像を印刷する印刷手段と、
原稿を読み取る読取手段と、
前記読取手段が原稿を読み取る読取位置から見て上流の位置及び下流の位置にそれぞれ配設されたローラを駆動して原稿を搬送する搬送手段と、
少なくとも印刷パラメータを調整するための第1の補正パターンと、原稿の搬送に伴う読み取り時の誤差を補正するための第2の補正パターンを含む調整画像をシートに印刷する印刷制御手段と、
前記搬送手段によって搬送される前記調整画像が印刷されたシートを前記読取手段によって読み取り、当該読み取って得られた読取画像に基づいて印刷パラメータを生成する生成手段と、
を備え、
前記印刷手段は、前記印刷パラメータに基づいて少なくともシートに画像を印刷する位置を調整することを特徴とする印刷装置。 - 前記生成手段は、前記読取画像から前記第2の補正パターンのサイズを検出し、当該検出したサイズと、前記調整画像に含まれる前記第2の補正パターンのサイズとに基づいて前記搬送手段によって搬送される前記調整画像が印刷されたシートを前記読取手段が読み取って得た画像サイズの誤差を決定し、当該誤差を用いて印刷パラメータを生成することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記生成手段は、前記読取画像から前記第1の補正パターンのサイズ及び位置を検出し、当該検出したサイズ及び位置と、前記決定した誤差とを用いて印刷パラメータを生成することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
- 前記生成手段によって生成される印刷パラメータは、前記印刷手段によってシートに画像の印刷を開始する先端位置を調整する印刷パラメータを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記生成手段によって生成される印刷パラメータは、前記印刷手段によってシートに画像を印刷する際の副走査方向の印刷倍率を調整する印刷パラメータを含むことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
- 前記調整画像に含まれる前記第1の補正パターンは、前記搬送手段によって搬送されるシートの先端が前記下流の位置に配設されたローラに突入する前に前記読取手段により読み取られる領域以外のシート上の領域に印刷されるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記調整画像に含まれる前記第2の補正パターンは、前記搬送手段によって搬送されるシートの先端が前記下流の位置に配設されたローラに突入する時点で、前記読取手段によって読み取られる位置の前後の領域を含むシート上の領域に印刷されるよう配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記調整画像は更に、前記搬送手段が備える原稿載置台に原稿をセットする方向をユーザに通知するための画像が含まれるように構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記調整画像が印刷されたシートを前記搬送手段が備える原稿載置台に載置する向きをユーザに通知するための通知を行う通知手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の印刷装置。
- シートの種類を選択する選択手段を更に備え、
前記印刷制御手段は、前記選択手段によって選択された種類のシートに前記調整画像を印刷し、前記生成手段は、前記選択手段によって選択された種類のシートに画像を印刷する際に使用する印刷パラメータを生成することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の印刷装置。 - シートに画像を印刷する印刷手段と、原稿を読み取る読取手段と、前記読取手段が原稿を読み取る読取位置から見て上流の位置及び下流の位置にそれぞれ配設されたローラを駆動して原稿を搬送する搬送手段と、を備える印刷装置の制御方法であって、
少なくとも印刷パラメータを調整するための第1の補正パターンと、原稿の搬送に伴う読み取り時の誤差を補正するための第2の補正パターンを含む調整画像をシートに印刷する印刷制御工程と、
前記搬送手段によって搬送される前記調整画像が印刷されたシートを前記読取手段によって読み取り、当該読み取って得られた読取画像に基づいて印刷パラメータを生成する生成工程と、
を備えることを特徴とする印刷装置の制御方法。 - 請求項11に記載の印刷装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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