JP2017155672A - 車両の液体循環システム - Google Patents

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洋介 野老
聡志 ▲高▼田
聡志 ▲高▼田
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Abstract

【課題】変速機オイルの温度が低い場合であってもエンジンを効率的に暖機することが可能な液体循環システムを提供する。
【解決手段】液体循環システム100は、水圧ポンプ10から吐出された冷却水と油圧ポンプ20から吐出された油とを熱交換する熱交換器104と、油の温度に応じて弁開度が変化する弁装置27と、水圧ポンプ10から吐出された冷却水がエンジン101と熱交換器104とを介して循環するように構成された水循環回路1と、油圧ポンプ20から吐出された油が動力伝達機構と熱交換器104と弁装置27とを介して循環するように構成された油環回路2とを備え、弁装置27は、その近傍の油の温度に応じて弁開度が変化するように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン冷却水の循環回路と油の循環回路とを有する車両の液体循環システムに関する。
従来より、エンジンと自動変速機との間にATFウォーマーを配置し、ATFウォーマーでエンジンの冷却水と変速機オイルとを熱交換させて、変速機オイルの温度を調節するようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の装置は、冷却水温に応じて開閉するサーモスタット弁を有し、サーモスタット弁の開閉により、ラジエータに連通するラジエータ経路を開閉する一方、ATFウォーマーへは冷却水温に拘らず常に冷却水を供給し、エンジン冷間時とエンジン温間時のいずれにおいても冷却水と変速機オイルとを熱交換させる。
特開2005−220828号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の装置では、ATFウォーマーへ常に冷却水を供給して冷却水と変速機オイルとを熱交換させるため、変速機オイルの温度が低いときに、ATFウォーマーで冷却水と低温の変速機オイルとが熱交換されて冷却水の温度上昇が妨げられ、エンジンを効率的に暖機することが困難である。
本発明の一態様は、冷却水により冷却されるエンジンと、作動油により動作し、エンジンの動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構と、が搭載された車両の液体循環システムであり、冷却水を吐出する水圧ポンプと、作動油として用いられる油を吐出する油圧ポンプと、冷却水と油とを熱交換する熱交換器と、油の温度に応じて弁開度が変化する弁装置と、水圧ポンプから吐出された冷却水がエンジンと熱交換器とを介して循環するように構成された水循環回路と、油圧ポンプから吐出された油が動力伝達機構と熱交換器と弁装置とを介して循環するように構成された油循環回路と、を備え、弁装置は、弁装置の近傍の油の温度に応じて弁開度が変化するように構成されることを特徴とする。
本発明によれば、油圧ポンプから吐出された油が動力伝達機構と熱交換器と弁装置とを介して循環するように油環回路を構成するとともに、弁装置の近傍の油の温度に応じて弁開度が変化するように弁装置を構成する。このため、弁装置の近傍の変速機オイルの温度が低いときには、熱交換器を介した変速機オイルの流れが阻止され、エンジンを効率的に暖機することができる。また、熱交換器を介した変速機オイルの流れが阻止された状態においては、冷却水温と熱交換器近傍の変速機オイルの温度とがほぼ等しくなるが、弁装置を動力伝達機構の筐体の内部に配置すれば、熱交換器近傍の変速機オイルの温度と弁装置近傍の変速機オイルの温度とが良好に対応するようになり、弁装置を適切なタイミングで動作させることができる。
本発明の実施形態に係る車両の液体循環システムの要部構成を示す回路図。 本発明の実施形態に係る液体循環システムが適用される車両を前方から見たときのエンジンと変速機の配置を概略的に示す正面図。 図1の液体循環システムを構成するサーモスタットの配置の一例を示す図。 図3Aの変形例を示す図。 図3Aのサーモスタットの配置をより詳細に示す図。
以下、図1〜図4を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車両の液体循環システムの要部構成を示す回路図である。この液体循環システム100は、水冷式のエンジンと、エンジンの動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構とが搭載された車両に適用される。
図2は、本発明の実施形態に係る車両を前方から見たときの、エンジンルーム内におけるエンジン101と変速機102の配置を概略的に示す正面図である。図2に示すように、エンジン101と変速機102とは、例えば車幅方向に互いに隣接して配置される。変速機102は、エンジン101の動力が入力されるトルクコンバータを含み、トルクコンバータから出力された動力を変速して出力する。なお、以下では、変速機102を無段変速機(CVT)として説明する。図2で図示は省略するが、エンジン101の前方にはラジエータ15(図1)が配置される。
変速機102の下方には、変速機102の各部への油(変速機オイルと呼ぶ)の流れを制御するコントロールバルブ103が配置される。変速機102の側端部には、エンジン101の冷却水と変速機オイルとを熱交換するCVTウォーマー(以下、単に熱交換器と呼ぶ)104が配置される。熱交換器104には、エンジン101からの冷却水が流出入する管路110と、変速機オイルが流出入する管路111とが接続される。管路110は外部に露出しているのに対し、管路111は変速機102の内部に設けられる。
図1に示すように、液体循環システム100は、水圧ポンプ10から吐出された冷却水が循環する水循環回路1と、油圧ポンプ20から吐出された変速機オイルが循環する油循環回路2とを有する。なお、図1では、水循環回路1を実線の矢印で、油循環回路2を点線の矢印でそれぞれ示す。
まず、水循環回路1の構成について説明する。水圧ポンプ10から吐出された冷却水は、エンジン101のシリンダブロック11およびシリンダヘッドの周囲の流路(図1ではシリンダブロック11で代表)を通過し、エンジン101を冷却する。このとき、シリンダブロック11の周囲を通過した冷却水の温度は上昇する。シリンダブロック11の周囲の流路の出口には、バイパスバルブ12と、ヒーター13と、スロットルバルブ14と、熱交換器104(図1)と、ラジエータ15とが接続される。ラジエータ15の流路の出口には、サーモスタット16が接続される。
熱交換器104は、冷却水が通過する水用流路と変速機オイルが通過する油用流路とを内部に有する。水用流路と油用流路とは、互いに平行かつ近接して、それぞれ交互に複数配設される。なお、水用流路と油用流路とを有する熱交換器104は、種々のものを採用することができる。
バイパスバルブ12とサーモスタット16とは、サーモスタット組立体17として一体に構成される。サーモスタット16は、冷却水温に応じて開閉する弁装置である。サーモスタット16は、例えば内部に感温部としてのワックスを封入し、ワックスの熱膨張により弁を開閉するように構成される。すなわち、冷却水温が所定温度T1より低いと、サーモスタット16は閉弁し、冷却水のラジエータ15への流れを遮断する。これによりエンジン101の暖機が促進される。
一方、冷却水温が所定温度T1以上になると、サーモスタット16は開弁し、シリンダブロック11の周囲の流路を通過した冷却水の一部が、ラジエータ15を流れる。これにより冷却水と大気とが熱交換され、冷却水が冷却される。ラジエータ15を通過して低温となった冷却水は、サーモスタット16を通過し、水圧ポンプ10に還流する。
バイパスバルブ12は、シリンダブロック11の周囲の流路から流出した冷却水の圧力が所定値以上になると、開弁する。これにより、シリンダブロック11の周囲の流路を通過した冷却水の一部が、バイパスバルブ12を介してそのまま水圧ポンプ10に還流する。
シリンダブロック11の周囲の流路を通過した冷却水の一部は、空調装置のヒーター13と、スロットルバルブ14の周囲の流路と、熱交換器104とにもそれぞれ供給される。ヒーター13では、冷却水の熱によって空気が加熱され、加熱された空気は空調装置により車内に送風され、車内を暖房する。スロットルバルブ14は、その周囲を流れる冷却水の熱によって加熱され、これにより極低温時のスロットルバルブ14の凍結および固着を防止することができる。
ヒーター13、スロットルバルブ14、および熱交換器104を通過した冷却水は、それぞれサーモスタット組立体17を通過して水圧ポンプ10に還流する。特に本実施形態では、シリンダブロック11と熱交換器104とを接続する管路110(図1)の途中にサーモスタットが設けられないため、冷却水温に拘らずに、冷却水が常に熱交換器104を通過する。
次に、油循環回路2の構成について説明する。油圧ポンプ20から吐出された変速機オイルは、圧力調整弁21で所定圧力P1(例えば1〜5MPa)に調圧される。所定圧力P1の変速機オイルは、CVTのプーリやクラッチ(前後進クラッチ、発進クラッチなど)等の油圧機器を駆動するための作動油として変速機102内の所定の油室に供給される。圧力調整弁21を介した余剰の変速機オイルは、圧力調整弁23でP1より小さい所定圧力P2(例えば0.1〜0.6Mpa程度)に調圧される。所定圧力P2の変速機オイルは、トルクコンバータ24に作動油として供給される。圧力調整弁23を介した余剰の変速機オイルは、潤滑を必要とする所定の部位(潤滑部25)に潤滑油として供給される。油圧機器22および潤滑部25から流出した変速機オイルは、油圧ポンプ20に還流する。
トルクコンバータ24の流路の出口には、熱交換器104と逆止弁26とが接続される。熱交換器104の流路の出口には、サーモスタット27が接続される。サーモスタット27は、サーモスタット近傍の油温に応じて開閉する弁装置である。サーモスタット27は、例えば内部に感温部としてのワックスを封入し、ワックスの熱膨張により弁を開閉するように構成される。すなわち、サーモスタット内の感温部の油温が所定温度T2より低いと、サーモスタット27は閉弁し、熱交換器104を通過する変速機オイルの流れを遮断する。これにより熱交換器104における冷却水と変速機オイルとの熱交換が抑制されるため、エンジン101の暖機が促進される。
一方、サーモスタット近傍の油温が所定温度T2以上になると、サーモスタット27は開弁し、熱交換器104を通過した変速機オイルがサーモスタット27を介して油圧ポンプ20に還流する。これにより冷却水と変速機オイルとが熱交換され、変速機オイルの温度(例えばオイルパン内で検出される温度)が調整される。なお、オイルパン内で検出される温度は、変速機オイルの全体的な温度であり、熱交換器104の近傍における変速機オイルの局所的温度と区別するため、以下、これを代表温度と呼ぶことがある。
サーモスタット27の開閉の基準となる所定温度T2は、サーモスタット16の開閉の基準となる所定温度T1よりも低いことが好ましい。例えば所定温度T1が80℃〜90℃程度、所定温度T2が70℃〜80℃程度となるようにサーモスタット16,27が設定される。これにより、サーモスタット27の開弁により冷却水と変速機オイルとの熱交換が開始された後、すなわち変速機102の暖機が開始された後に、サーモスタット16が開弁し、冷却水がラジエータ15を通過してエンジン101の過熱を防止できる。
逆止弁26(ワンウェイバルブとも呼ぶ)は、熱交換器104とサーモスタット27とをバイパスするバイパス回路2Aに設けられる。逆止弁26は、その上流の変速機オイルの圧力が所定値P3未満のときに閉鎖し、所定値P3以上になると開放するチェック弁である。所定値P3は、熱交換器104とサーモスタット27との圧力損失の合計よりも大きく、かつ、所定値P2未満となる値に設定される。逆止弁26は、開弁した状態では、トルクコンバータ24の流路出口から油圧ポンプ20に還流する一方向の変速機オイルの流れを許可し、逆方向の変速機オイルの流れを禁止する。圧力調整弁21,23と逆止弁26とは、コントロールバルブ103(図1)に組み込まれる。
本実施形態の特徴的構成として、熱交換器104に常に冷却水を循環させることに加え、サーモスタット27は変速機102のケースの内部に配置される。図3Aは、サーモスタット27の配置の一例を示す図であり、図3Bは、図3Aの比較例を示す図である。なお、図3A,3Bには、冷却水の流れと変速機オイルの流れをそれぞれ点線および実線の矢印で示す。
図3Aに示すように、変速機102のケース102aには熱交換器104が取り付けられ、サーモスタット27は、熱交換器104に隣接してケース102aの内部に配置される。図4は、サーモスタット27の配置をより詳細に示すケース102aの要部断面図である。
図4に示すように、熱交換器104は、ボルト105によりケース102aの端面に取り付けられる。このケース102aの端面には、ケース内から熱交換器104に変速機オイルが流出する流出部102bと、熱交換器104からケース内に変速機オイルが流入する流入部102cとが設けられる。サーモスタット27は、外形が略円筒形状を呈し、その内部にワックスの熱膨張によって移動する弁体を有する。
ケース102aの流入部102cは、サーモスタット27の外形形状に対応して円筒状に形成される。すなわち、サーモスタット27の外径に相当する孔径を有する円筒状の孔が、ケース端面からサーモスタット27の長さに相当する所定深さ分だけ、形成される。流入部102cより下流では、孔径が小さくなり、流入部102cは段付き状に形成される。これによりサーモスタット27を流入部102cに挿入した後、ケース端面に熱交換器104を取り付けて、サーモスタット27を覆うことで、サーモスタット27を熱交換器104に隣接した状態で固定することができる。なお、ケース端面と熱交換器104の端面との間には、流出部102bと流入部102cとを密封するようにOリング106,107が介装される。
図1,図3Aを参照して本発明の実施形態に係る車両の液体循環システム100の特徴的な動作を説明する。エンジン101を冷間始動した直後等であって、熱交換器104の近傍の変速機オイルの局所的温度と変速機オイルの代表温度とが等しく、その温度が所定温度T2より低いときは、サーモスタット27が閉弁し、低温状態にある熱交換器104を通過する変速機オイルの流れが阻止される。このとき、冷却水は、サーモスタット27の開閉に拘らず、熱交換器104を介して循環する。エンジン始動後の冷却水温は変速機オイルの代表温度よりも高くなるが、サーモスタット27が閉弁することで、冷却水と低温の変速機オイルとの熱交換が抑制される。これによりエンジン101を効率的に暖機することができる。
サーモスタット27が閉弁しているとき、トルクコンバータ24を通過して昇温された変速機オイルは、バイパス回路2Aを経由し、逆止弁26を介して循環する。すなわち、変速機オイルは熱交換器104をバイパスして循環する。これにより、変速機オイル全体を早期に昇温させることができ、変速機102の効率を高めることができる。
サーモスタット27が閉弁しているとき、熱交換器104は、エンジン101を通過して加熱された冷却水からの熱によって昇温し、熱交換器104の内部に滞留している変速機オイルの局所的温度が冷却水の温度とほぼ等しくなる。さらに、本実施形態では、サーモスタット27が熱交換器104に隣接して変速機102の内部に配置されているため、サーモスタット27の温度は、冷却水の温度上昇に追従して上昇し、冷却水温と熱交換器104内の変速機オイルの局所的温度とサーモスタット27の温度とが互いにほぼ等しくなる。
このため、熱交換器104近傍の変速機オイルの局所的温度が所定温度T2に達すると、サーモスタット27の感温部(ワックス)の温度も応答性よく所定温度T2となり、サーモスタット27が変速機オイルの温度に追従して遅れなく開弁する。これにより、変速機オイルが熱交換器104を介して循環し、熱交換器104における変速機オイルと冷却水との熱交換が開始される。したがって、変速機オイルと冷却水との熱交換をタイミングよく開始することができ、変速機オイルを早期に昇温させ、変速機102の効率を高めることができる。
冷却水温が所定温度T1に達すると、サーモスタット16が開弁し、冷却水がラジエータ15を介して循環する。これにより冷却水温の上昇が抑えられ、エンジン101のオーバーヒートを防ぐことができる。このとき、熱交換器104での冷却水と変速機オイルとの熱交換は継続されるため、変速機オイルの代表温度は、冷却水温に応じた温度に調整される。
以上のように本実施形態では、エンジン101と変速機102の双方の暖機を促進するために、変速機102の内部にサーモスタット27を設けるようにした。一方、エンジン101の暖気を促進するためには、図3Bの比較例に示すように、管路110の途中にサーモスタット27Aを配置し、冷却水温が所定温度より低いときに、熱交換器104における冷却水と変速機オイルとの熱交換を行わないように構成することも考えられる。なお、図3Bでは、変速機オイルの循環回路にサーモスタットは設けられず、変速機オイルが熱交換器104を常時循環している。
図3Bの構成では、冷却水の低温時にサーモスタット27Aが閉弁し、サーモスタット27Aを冷却水が通過しない。このため、サーモスタット27Aは、主として管路110を介した冷却水の熱伝導により昇温することとなり、サーモスタット27Aの温度上昇は冷却水温の上昇に対して遅れを伴う。さらに、管路110とサーモスタット27Aとは露出しているため、サーモスタット27Aの温度は外気温や走行風等、周囲の環境の影響を受けやすく、サーモスタット27Aの昇温にばらつきが生じる。サーモスタット27Aの温度は、車体レイアウト(冷却ファンの配置等)によっても影響を受ける。その結果、サーモスタット27Aが意図したタイミングで開弁せず、サーモスタット27Aの開弁遅れにより変速機102等の所望の性能を得られないおそれがある。
また、図3Bの構成では、変速機オイルの温度に拘らず、変速機オイルが熱交換器104を循環する。サーモスタット27Aが閉弁しているときには、冷却水が熱交換器104を循環しないので、熱交換器104もその内部に滞留する冷却水も低温のままであり、変速機オイルの熱が熱交換器104およびその内部に滞留する冷却水によって奪われる。その結果、変速機オイルの昇温が阻害され、変速機102の暖機が遅れる。
この点、本実施形態では、熱交換器104における冷却水と変速機オイルとの熱交換を許可または禁止するためのサーモスタット27を、変速機102のケース102aの内部に配置する。このため、走行環境や車体レイアウト等の影響を受けることなく、サーモスタット27を、変速機オイルの温度に応答性よく追従して動作させることができる。また、サーモスタット27が閉弁すると、低温状態にある熱交換器104を介した変速機オイルの循環が阻止されるため、変速機オイルを早期に昇温させることができる。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)液体循環システム100は、冷却水により冷却されるエンジン101と、変速機オイルにより動作し、エンジン101の動力を駆動輪に伝達する変速機102とが搭載された車両に適用される(図2)。この液体循環システム100は、冷却水を吐出する水圧ポンプ10と、変速機オイルを吐出する油圧ポンプ20と、冷却水と変速機オイルとを熱交換する熱交換器104と、変速機オイルの温度に応じて開閉するサーモスタット27と、水圧ポンプ10から吐出された冷却水がエンジン101(シリンダブロック11等)と熱交換器104とを介して循環するように構成された水循環回路1と、油圧ポンプ20から吐出された変速機オイルが変速機102(トルクコンバータ24等)と熱交換器104とサーモスタット27とを介して循環するように構成された油循環回路2とを備え(図1)、サーモスタット27は、その近傍の油の温度に応じて弁開度が変化するように構成される。これにより、熱交換器104近傍の変速機オイルの低温時においては、低温状態にある熱交換器104を通過する変速機オイルの流れがサーモスタット27により阻止され、エンジン101を効率的に暖機することができる。
(2)サーモスタット27は変速機102のケース102aの内部に配置される(図3A)。これにより、サーモスタット27が外部に露出しないので、サーモスタット27の周囲は走行風で冷却されずに温度が安定し、走行環境や車体レイアウト等に拘らず、熱交換器近傍の変速機オイルの温度とサーモスタット近傍の変速機オイルの温度とが良好に対応する。このため、熱交換器近傍の変速機オイル、すなわち熱交換器104を通過する冷却水からの熱によって加熱される変速機オイルの温度上昇に追従して、サーモスタット27を応答性よく昇温させることができる。したがって、熱交換器近傍の変速機オイルの局所的温度に応じてサーモスタット27をタイミングよく開弁させることができ、変速機102等の所望の性能を得ることができる。また、サーモスタット27を固定するブラケットやサーモスタット27に接続するホース等を省略することができ、構成を簡素化できる。
(3)熱交換器104は、変速機102のケース102aに取り付けられ、サーモスタット27は、熱交換器104に隣接して配置される(図4)。このため、熱交換器104を介して冷却水からサーモスタット27へと伝熱され、サーモスタット27の感温部の温度を冷却水の温度に良好に追従させることができる。したがって、熱交換器近傍の変速機オイルの局所的温度が所定温度T2に達すると、サーモスタット27を遅れなく開弁させることができ、冷却水と変速機オイルとの熱交換を最適なタイミングで開始することができる。
(4)油循環回路2は、油圧ポンプ20から吐出された変速機オイルが熱交換器104とサーモスタット27とをバイパスし、変速機102(トルクコンバータ24等)を介して循環するように構成されたバイパス回路2Aをさらに有する(図1)。これにより、トルクコンバータ24を通過して昇温された変速機オイルが低温状態にある熱交換器104をバイパスして循環するため、エンジン101の暖機性能を高めつつ、変速機オイルを早期に昇温させることができる。
(変形例)
上記実施形態は種々の形態に変形することができる。上記実施形態では、変速機102を無段変速機として構成したが、有段変速機として構成してもよい。したがって、変速機オイルはCVT用オイル以外に、AT用オイル等、動力伝達機構を動作させる作動油として用いられる他の油を用いることもできる。エンジンの動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構としての変速機102は、自動変速機ではなく手動変速機であってもよい。上記実施形態では、変速機102がトルクコンバータ24を有するようにしたが、動力伝達機構がトルクコンバータの代わりに湿式クラッチ(例えば湿式デュアルクラッチ)を有するようにしてもよい。したがって、動力伝達機構の筐体の構成は、上述した変速機102のケース102aに限らない。
上記実施形態では、油循環回路2に変速機オイルの温度に応じて開閉するサーモスタット27を用いたが、その近傍の油の温度に応じて弁開度が変化するように構成された他の弁装置を用いることもできる。この場合の弁装置は、外部からの制御信号によって動作するものではなく、自己の感温部の温度変化によって動作するものであることが好ましい。感温部にワックス以外を用いてもよい。上記実施形態では、変速機102のケース102aに熱交換器104を取り付けるとともに、熱交換器104に隣接してケース102a内にサーモスタット27を配置するようにしたが、弁装置の配置はこれに限らず、例えばケース102aの外部に配置してもよい。すなわち、弁装置が接続される油循環回路が外部に露出している場合であっても、本発明は適用可能である。
上記実施形態では、熱交換器104とサーモスタット27とに対して並列に逆止弁26を設けてバイパス回路2Aを構成したが、油圧ポンプから吐出された油が低温状態にある熱交換器と弁装置とをバイパスし、動力伝達機構を介して循環するように構成されるのであれば、バイパス回路の構成はいかなるものでもよい。水圧ポンプから吐出された冷却水がエンジンと熱交換器とを介して循環するように構成されるのであれば、水循環回路の構成は上述したものに限らない。油圧ポンプから吐出された油が動力伝達機構と熱交換器と弁装置とを介して循環するように構成されるのであれば、油循環回路の構成は上述したものに限らない。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態および変形例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。すなわち、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。また、上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能である。変形例同士を組み合わせることもできる。
1 水循環回路、2 油循環回路、10 水圧ポンプ、20 油圧ポンプ、24 トルクコンバータ、27 サーモスタット、100 液体循環システム、101 エンジン、102 変速機、102a ケース、104 熱交換器

Claims (4)

  1. 冷却水により冷却されるエンジンと、作動油により動作し、前記エンジンの動力を駆動輪に伝達する動力伝達機構と、が搭載された車両の液体循環システムであって、
    前記冷却水を吐出する水圧ポンプと、
    前記作動油として用いられる油を吐出する油圧ポンプと、
    前記冷却水と前記油とを熱交換する熱交換器と、
    前記油の温度に応じて弁開度が変化する弁装置と、
    前記水圧ポンプから吐出された冷却水が前記エンジンと前記熱交換器とを介して循環するように構成された水循環回路と、
    前記油圧ポンプから吐出された油が前記動力伝達機構と前記熱交換器と前記弁装置とを介して循環するように構成された油循環回路と、を備え、
    前記弁装置は、前記弁装置の近傍の油の温度に応じて弁開度が変化するように構成されることを特徴とする車両の液体循環システム。
  2. 請求項1に記載の車両の液体循環システムにおいて、
    前記弁装置は、前記動力伝達機構の筐体の内部に配置されることを特徴とする車両の液体循環システム。
  3. 請求項2に記載の車両の液体循環システムにおいて、
    前記熱交換器は、前記動力伝達機構の前記筐体に取り付けられ、前記弁装置は、前記熱交換器に隣接して配置されることを特徴とする車両の液体循環システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の液体循環システムにおいて、
    前記油循環回路は、前記油圧ポンプから吐出された油が前記熱交換器と前記弁装置とをバイパスし、前記動力伝達機構を介して循環するように構成されたバイパス回路を有することを特徴とする車両の液体循環システム。
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