JP2017154366A - 建材用防湿シートおよび化粧板 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドアパネルなどの建具に適用しても、環境の温度や湿度の変化による影響に対し、化粧板の反りを抑制し且つ基材との接着性を維持できる防湿シートを目的とする。
【解決手段】建材用防湿シート1は、合成樹脂製からなる基材層2と、基材層2の一方の面側に形成された無機酸化物からなる蒸着層3と、蒸着層3の上に形成されたコート層4とを有する。コート層4は、金属アルコキシド加水分解物とポリビニルアルコールを含む水溶性高分子とを有し、シート全体の水蒸気透過度が0.5g/m・day以下であり、且つシート表面側からシート裏面側が視認可能な透明度を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ドアパネルなどの建具その他の建材を構成する木質系基材などに貼り付けられる建材用防湿シート、およびその防湿シートを有する化粧板に関する。
室内のドアパネルなどの化粧板では、室内雰囲気での温度や湿度の変化による吸湿・放湿などが原因で発生する基材の反りを防止するために、化粧板を構成する木質系基材の表面に防湿シートが貼り合わされる場合がある。
すなわち、化粧板は、例えば合板、中密度繊維板(MDF)、ベニア板、ボード材、その他の多層構造の木質系基材の表面に、隠蔽性を与えるためのベタ印刷層や意匠性を向上させるための絵柄摸様層を印刷した化粧シートを貼り合わせて構成される。そして、これらの化粧板には、温度や湿度による変形(反り、寸法変化)を防止するために、木質系基材の表面に塗料を塗ったり、防湿シートを貼り合せたりする方法が知られている(特許文献1)。
しかし、前記各種化粧板に接着性を有し、防湿性を有する防湿シートに用いる材質としては、単にその間に接着剤を塗布したり、界面に接着性の処理を施したりするだけでは十分な接着性は見込めなかった。特に前記のような温度や湿度の変化による影響に耐えることも要求されるようなものでは十分な接着性を維持することができなかった。
特許第4946350号公報
本発明は、ドアパネルなどの建具に適用しても、環境の温度や湿度の変化による影響に対し、化粧板の反りを抑制し且つ基材との接着性を維持できる防湿シートを目的とする。
課題を解決するために、本発明の一態様の建材用防湿シートは、透明な合成樹脂製からなる基材層と、上記基材層の一方の面側に形成された無機酸化物からなる蒸着層と、上記蒸着層の上に形成された透明なコート層と、を有し、上記コート層は、金属アルコキシド加水分解物とポリビニルアルコールを含む水溶性高分子とを有し、シート全体の水蒸気透過度が0.5g/m・day以下であり、且つシート表面側からシート裏面側が視認可能な透明度を有することを特徴とする。
本発明の態様である防湿シートによれば、水蒸気透過度が0.5g/m・day以下であることから、優れた防湿性能を有し、このことはまた、本発明の態様である防湿シートを用いた化粧板は、ドア、引き戸、間仕切りなど、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、反りを生じることが殆どないという優れた効果を奏する。
更に、視認可能なだけの透明度を有することで、基材の割れなどを防湿シートを貼り付けた後でも確認可能となる。
ここで、基材層の蒸着層形成面に第2の表面濡れ性改質部を有する場合には、基材層と蒸着層との密着性が向上して、防湿シートは、更に水蒸気透過度が向上すると共に、基材層に形成した蒸着層の経時的劣化を抑制することが出来る。
本発明に基づく実施形態に係る防湿シートの構成例を示す断面図である。 防湿シートの構成の別例を示す断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の建材用防湿シート1は、図1に示すように、透明な基材層2の表面に対して、無機酸化物からなる蒸着層3、および透明なコート層4がこの順に形成され、更に、防湿シート1の表裏両面を構成する、コート層4の表面、及び基材層2の裏面に対しそれぞれ透明な接着用プライマー層5,6が形成されている。ここで、接着用プライマー層5,6は無くても構わない。また、基材層2の表面に対し、リアクティブエッチング処理などの物理的は表面改質処理によって、表面濡れ性が改質された表面濡れ性改質部2aが形成されている。ここで、透明には、表から裏が視認できる程度の透明度を指し、防湿シート1全体で表面側から裏面側が視認できるだけの透明度を指す。
また、図2のように、コート層4の上に、無機化合物を添加した樹脂層7を設けても良い。
また、防湿シート1は、シート全体の水蒸気透過度が0.5g/m・day以下となっている。
<基材層>
例えば、基材層2を、厚さ12μmの透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる。また、蒸着層3を、酸化アルミニウムを、真空蒸着法を用い、また真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式に150nmの厚みとなるように形成する。その際、蒸着層3と、基材層2の密着性及び蒸着層3の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法を用いつつ、蒸着膜の透明性を上げるために、蒸着の際、酸素ガスを吹き込み、反応蒸着を行う。以上によって水蒸気透過度が1.0g/m・day以下であり、且つシート表面側からシート裏面側が視認可能な透明度を有する建材用防湿シートを作成する事が可能となる。
透明合成樹脂製の基材層2の材料としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−ビニルアルコール共重合体,あるいは、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体,ポリカーボネート,ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂、ポリメタアクリル酸メチル,ポリメタアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、あるいは、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
基材層2は、1軸ないし2軸方向に延伸したシートであっても、未延伸であってもよいが、後述する蒸着層3が少なくとも一方の面に形成される基材となるものであり、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から2軸方向に延伸したシートが好ましい。基材層2の厚さは、例えば9〜100μmの範囲である。例えば、基材層2は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、基材層2を構成するフィルムは透明である。
<表面濡れ性改質部2a>
基材層2における蒸着層3を形成する面に、その面の表面濡れ性が改質された表面濡れ性改質部2aを形成することが好ましい。
表面濡れ性改質部2aは、基材層2の表面に対して、リアクティブエッチング(RIE)を利用したプラズマ前処理やコロナ処理を施すことで形成され、表面の粗さを物理的に改質して濡れ性を向上する。特にリアクティブエッチング(RIE)を利用したプラズマ前処理が好ましい。表面濡れ性改質部2aを形成することで、蒸着層3との密着性が向上して、経時的な蒸着層の剥離によるクラック発生などを抑制出来る。
プラズマ前処理は、公知の方法で行えば良いが、例えば印加電力が120Wで、処理時間0.1〜0.5秒で、処理ガスとしてアルゴンを使用し、処理ユニット圧力が2.0Paで、電極の周波数13.56MHzの高周波電源を用いて行う。
<蒸着層>
蒸着層3は、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物の薄膜からなる。
ここで、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる無機物からなる蒸着層3は金属光沢があるが、本実施形態のように無機酸化物蒸着層は透明な蒸着膜となる。
蒸着層3の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、防湿シート1としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また、膜厚が300nmを越える場合は薄膜の残留応力によりフレキシビリティを保持させることができず、成膜後外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。より好ましくは、10〜150nmの範囲内にあることが好ましい。
蒸着層3を基材層2に積層する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることができる。ただし、生産性を考慮すれば、真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式または抵抗加熱方式を用いることがより好ましい。また蒸着層3と基材層2の密着性及び蒸着層3の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素等の各種ガスなど吹き込む反応蒸着を用いても一向に構わない。
<コート層4>
透明なコート層4は、金属アルコキシド加水分解物とポリビニルアルコールを含む水溶性高分子を主成分として構成される。主成分とは、全体を100質量部とした場合に70質量部以上を指す。コート層4は、蒸着層3を保護すると共に、蒸着層3のガスバリア性を向上させるために設けられる。すなわち、蒸着層3の層数が1層だけであっても、高いバリア性を担保可能となる。
すなわち、コート層4はガスバリア性を持った被膜層であり、ポリビニルアルコールを含む水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。例えば、ポリビニルアルコールを水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させたものに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合し、溶液とする。この溶液を蒸着層3の上にコーティング後、加熱乾燥することで被膜が形成される。ポリビニルアルコールをコーティング剤に用いることで優れたガスバリア性を担保可能となる。
金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n (M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C25 等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC254〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C373〕などが挙げられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
この溶液中にガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を必要に応じて加えることも可能である。
コーティング剤の塗布方法としては、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の方法を用いることが可能である。
コート層4の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって最適条件が異なる。但し乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一に塗膜が得られず、十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題となる場合がある。0.01〜50μmの範囲にあり、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
<樹脂層7>
ここで、コート層4の上に、図2のように、無機化合物を添加した樹脂層7を積層しても良い。この樹脂層7は、硬い層である蒸着層3やコート層4の塑性変形を抑制し、蒸着層3やコート層4にクラックなどが発生してバリア劣化となることを防止するために設ける。特に、台所とか風呂場のように熱変化の衝撃が入り易い箇所に使用される化粧シートに好適である。
無機化合物としては、酸化チタン、酸化鉄、弁柄、鉄黒、黄鉛、コバルトブルー、クロムバーミリオン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アルミ粉末などの無機顔料が挙げられる。これらの無機化合物は単独で混合して使用しても構わない。また、これらの化合物の粒径、形状等は特にこだわらない。
無機化合物の添加量としては、樹脂100質量部に対し、0.1〜50質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜40質量部の範囲である。0.1質量部未満であると、熱水に対する目的の耐久性を付与することが出来ず、バリア性劣化を防ぐ効果は得られない。添加量が50質量部を越えると、樹脂に均一分散できないばかりでなく、層の凝集力が低下し、接着強度が低下するため好ましくない。
無機化合物を添加する樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂などがあげられる。
この無機化合物を添加した樹脂中に、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤などの添加剤を適宜添加しても構わない。
無機化合物を添加したコート層4の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件が採用される。
<接着用プライマー層>
接着用プライマー層5,6は、化粧板の木質系基材や化粧シート11との接着を良くするために設けられるものであって、具体的にはエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独ないし混合して接着組成物とし、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて形成することができる。
接着用プライマー層5,6を構成するプライマーとしては、アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体とイソシアネートとからなる樹脂で形成するのが特に好ましい。すなわち、アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレポリマーにさらにジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得られるものである。この反応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成される。このアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸基をイソシアネートと反応させて硬化させて形成するものである。
成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的には、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタンと共重合させて相溶化するのが容易である点から好ましい。成分Aは、共重合体においてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜7000(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良好であるために好ましく用いられる。また、成分Aは、両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いてもよいものである。
成分Bは、ジイソシアネートと反応してポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成するものである。成分Bは、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエステルジオールとしては、芳香族ないしスピロ環骨格を有するジオール化合物とラクトン化合物ないしその誘導体、またはエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジオールとの縮合生成物、および、環状エステル化合物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることができる。ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンテンジオール等の短鎖ジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール等の脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。また、塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分としてアジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3−メチルペンテンジオールおよび1,4−シクロへキサンジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルである。
成分Bと成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、接着用プライマー層5,6に柔軟性を与え、接着性向上に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル樹脂成分は、接着用プライマー層5,6の耐候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂において、成分Bの分子量は接着用プライマー層5,6に柔軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲であればよいのであって、アジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロへキサンジメタノールからなるポリエステルジオールの場合、500〜5000(重量平均分子量)が好ましい。
成分Cは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族ないし脂環族のジイソシアネート化合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4’−シクロヘキシルジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートが物性およびコストが優れる点で好ましい。成分A〜Cを反応させる場合のアクリル重合体、ポリエステルポリオールおよび後述する鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合もある)と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過剰となるようにする。
三成分A、B、Cを60〜120℃で2〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシアネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基および水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。このプレポリマーに鎖延長剤として、たとえば、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加えてイソシアネート基を鎖延長剤と反応させ、鎖延長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入され、末端に水酸基を有する(I)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができる。
アクリル−ポリエステルウレタン共重合体に、イソシアネートを加えると共に、塗布法、乾燥後の塗布量を考慮して必要な粘度に調節した塗布液となし、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより接着用プライマー層5,6を形成すればよいものである。また、イソシアネートとしては、アクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよく、たとえば、2価以上の脂肪族ないし芳香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、または、これらの2量体、3量体などの多量体、あるいは、これらのイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネートなどを挙げることができる。
接着用プライマー層5,6の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/mであり、好ましくは1〜5g/mである。また、接着用プライマー層5,6は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。
本実施形態の防湿シートによれば、水蒸気透過度が0.5g/m・day以下であることから、優れた防湿性能を有し、このことはまた、本発明の態様である防湿シートを用いた化粧板は、ドア、引き戸、間仕切りなど、両側の温湿度環境に大きな差がある場所で用いても、反りを生じることが殆どないという優れた効果を奏する。
更に、視認可能なだけの透明度を有することで、基材の割れなどを防湿シートを貼り付けた後でも確認可能となる。
ここで、基材層の蒸着層形成面に第2の表面濡れ性改質部を有する場合には、基材層と蒸着層との密着性が向上して、防湿シートは、更に水蒸気透過度が向上すると共に、基材層に形成した蒸着層の経時的劣化を抑制することが出来る。
<化粧板>
次に、本実施形態の防湿シート1を使用した化粧板の例を説明する。
本実施形態では、化粧板として、建具であるドアパネルに適用した場合を例に説明するが。これに限定されない。床パネルなどの化粧板に適用しても構わない。
ドアパネルは、図2に示すように、木質系基材を用いた芯材10の両面にそれぞれ、本実施形態の建材用防湿シート1、化粧シート11がこの順に貼り合わされることで形成されている。
木質系基材としては、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)等が例示出来る。
貼り付ける際の接着剤としては、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化型樹脂系、ゴム(エラストマー)系等のいずれのタイプの接着剤であってもよいものである。これらは、公知のもの、ないし、市販品を適宜選択して使用することができる。熱可塑性樹脂系接着剤としては、たとえば、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等を挙げることができ、また、熱硬化型樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等を挙げることができる。ゴム系接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS、SIS、SEBS等)等を挙げることができる。
化粧シート11は、例えば、熱可塑性樹脂層、絵柄層と、表面保護層がこの順に積層して構成されている。但し、化粧シート11の層構成などは、これに限定されるものではなく、適宜公知の化粧シート11を用いることが出来る。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
<実施例1>
厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材層2とし、その基材層2の片面に、電子線加熱方式を用いた反応蒸着により、酸化アルミニウムを20nmの厚みで成膜して、蒸着フィルムを作製した。次いで、下記のコート液をグラビアコート法により塗布乾燥し、厚さ0.4μmのコート層4を形成した。
ここで、下記に示す1液と2液を配合比(質量%)で6/4に混合したものを、上記のコート液として用いた。
・1液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3質量%(SiO換算)の加水分解溶液
・2液:ポリビニルアルコールの3質量%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール質量比で90:10)
次に、コート層の表面に対し、下記樹脂層用の溶液をグラビアコート法により塗布乾燥し、厚さ1μmの無機化合物を添加した樹脂層7を形成して、実施例1の防湿シートを作製した。
樹脂層用の溶液は、ウレタン樹脂に対し、酸化チタンを、ウレタン樹脂100質量部に対し10質量部配合して混練し、有機溶媒(イソプロピルアルコール:メチルエチレンケトン:トルエン=1:3:2)にて希釈した溶液である。
<実施例2>
実施例2では、基材層2の片面に、プラズマを利用したリアクティブエッチングによる前処理を施して表面濡れ性改質部2aを設けてから、蒸着フィルム(蒸着層)を形成した以外は、実施例1と同様な製造方法によって、実施例2の防湿シートを作製した。
なお、表面濡れ性改質部2aの処理条件として、電極には周波数13.56MHzの高周波電源を用い、自己バイアス値は800Vとした。処理ガスにはアルゴン/酸素混合ガスを用いた。
<比較例1>
一方の面にコロナ放電処理を施した23g/mの紙間強化紙をコロナ放電処理面が対向するように配置してTダイ押出機でPEを40μm厚さとなるように加熱溶融押し出しし、いわゆるサンドイッチラミネーション法で積層した防湿シート1(紙間強化紙23g/m/PE40μm/紙間強化紙23g/m)を作製した。
その防湿シート1を3mm厚さのMDFに酢酸ビニル系接着剤をウェット状態で8g/m塗布・乾燥した後に、該塗布面にロールラミネート機で貼着して比較例1の化粧板を作製した。
<評価>
上記で作製した実施例1、2、および比較例1の化粧板について、水蒸気透過度を評価した。その結果を表1に示した。
水蒸気透過度については、「JIS K7129のB法(赤外線センサ法)」(通称モコン法)に準拠して、実施例1、2および比較例1の防湿シート1を、温度40℃、湿度90%の条件にて測定して、水蒸気透過度を算出した。水蒸気透過度の単位は、「g/m・day」である。
Figure 2017154366
表1からも明らかなように、本発明の防湿シート1は、従来に比べて水蒸気透過度が大幅に向上して、雰囲気の温度・湿度の変化により発生する化粧板の反りを格段に少なくすることができることが分かる
また所定の透明度があるので、木質系基材の割れの有無を容易に確認することが出来る。
1 建材用防湿シート
2 基材層
2a 表面濡れ性改質部
3 蒸着層
4 コート層
5,6 接着用プライマー層
7 樹脂層
10 芯材
11 化粧シート

Claims (4)

  1. 透明な合成樹脂製からなる基材層と、上記基材層の一方の面側に形成された無機酸化物からなる蒸着層と、上記蒸着層の上に形成された透明なコート層と、を有し、
    上記コート層は、金属アルコキシド加水分解物とポリビニルアルコールを含む水溶性高分子とを有し、
    シート全体の水蒸気透過度が0.5g/m・day以下であり、
    且つシート表面側からシート裏面側が視認可能な透明度を有することを特徴とする建材用防湿シート。
  2. 上記基材層の上記蒸着層を形成する面には、その面の表面濡れ性が改質された表面濡れ性改質部を有することを特徴とする請求項1に記載した建材用防湿シート。
  3. 上記コート層の上に、無機化合物を添加した樹脂層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した建材用防湿シート。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の建材用防湿シートが、木質系基材の面に貼り付けられた化粧板。
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