JP2017153857A - 生体内分解性塞栓コイル - Google Patents

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【課題】留置することで目標とするとする病変部を治癒した後、速やかに生体内で自然に分解消失し、後期異物反応や毒性反応を惹起したり、正常な生体組織に障害をもたらしたりすることない生体内分解性を有し、かつカテーテルを用いて管空臓器内に挿入留置するための優れた送達性および留置性を有する塞栓コイルを提供する。【解決手段】本発明により、カテーテルを用いて管空臓器内に挿入留置される塞栓コイルであって、マグネシウム系金属からなる直径75〜150μmの線材で形成されていることを特徴とする、生体内分解性塞栓コイルが提供される。このマグネシウム系金属としては、例えばマグネシウム、アルミニウムおよび亜鉛からなる合金が好ましい。また、前記塞栓コイルの1次形状コイルの外径は0.2〜2.0mmの範囲であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、血管、リンパ管等に対してカテーテル等とともに用いられる、管空臓器内治療用の塞栓コイルに関する。
塞栓コイルは、血管等の管空臓器内の治療を目的とし、カテーテル等の医療用具により患部まで送達された後、適用部位に留置される医療器具である。生命に危険を及ぼす出血性ショック患者の多くは大血管が損傷しており、迅速かつ安全な止血術が望まれる。また、実質臓器に発生した悪性新生物に対する栄養供給源となる動脈を閉塞することにより、いわゆる兵糧攻めにより悪性新生物を治療することができる。このような治療目的のために、近年では開腹止血術のみならず、カテーテルおよび塞栓コイルを用いた経皮的血管内塞栓術が普及し、低侵襲な止血術が可能となっている。
現在使用されている塞栓コイルは基本的に、白金等の耐食性金属で作られている非分解性のものであるため、原則、長期間または一生にわたり生体組織内に物理的に存在することが問題にならない、あるいは存在することが必要である対象患部に使用されている。例えば、破裂した、もしくは未破裂の脳などの動脈瘤内に塞栓コイルを留置し、止血または(再)破裂防止の処置をするために用いる場合は、塞栓コイルはその動脈瘤内に永続的に存在しても(器質化しても)問題とはならない。
一方で、そのような永続的な塞栓コイルによる遮断が望ましくない患部に対してやむを得ず使用しなければならないこともあり、その結果、末梢組織の血流障害、梗塞、壊死、慢性的なアレルギー反応など様々な合併症が引き起こされる。例えば、骨盤骨折による出血性ショックに対して塞栓コイルにて内腸骨動脈を止血した患者では、その数日後に大臀筋の広範な血流障害と壊死を認め、壊死創の切除術を施行した事例もある。このように現行の非分解性塞栓コイルによる血流の途絶と人工物の永続的留置は様々な合併症を引き起こすため、所定の役割を果たした後に体内で溶解する新たな塞栓コイルの開発が急務である。
塞栓コイルまたはその他の管空臓器内治療法に用いられる医療機器に関して、次のような技術が公知となっている。
特開2004−267570号公報(特許文献1)には、構成要素として銅を含有する、例えば銅または銅合金からなる金属素線、あるいは銅または銅合金によって被覆されている白金またはその合金等から構成される金属素線を巻回したコイルである、生体管腔を閉塞するための塞栓用具が開示されており、実施例では、素線径45μmの銅素線などを巻回してコイルを作製したことが記載されている。しかしながらこの文献には、マグネシウムまたはマグネシウム合金を用いて(その表面を銅などによって被覆した)コイルを作製したことは、実施例等によって具体的に実証されていない。
一方、特開2010−148682号公報(特許文献2)には、マグネシウムまたはマグネシウム合金を基材とし、その表面がアパタイト結晶を主成分とする生体吸収性の耐食性皮膜で覆われている、医療用生体吸収性部材が開示されており、医療用生体吸収性部材の一例として動脈瘤栓塞用コイルも挙げられている。しかしながらこの文献には、上記特定の基材を用いて動脈瘤栓塞用コイルを実際に製造することが可能であることは、実施例等によって具体的に実証されていない。
さらに、特表2013−544954号公報(特許文献3)には、特定の組成を有する生浸食性マグネシウム合金を含む、ステントに代表される生浸食性内部人工器官が開示されている。特表2015−524512号公報(特許文献4)、特表2015−526591号公報(特許文献5)、特表2015−526592号公報(特許文献6)および特表2015−528052号公報(特許文献7)にはそれぞれ、特定の組成を有するマグネシウム合金が開示されており、それを用いて生分解性インプラント、例えばステントなどの血管内インプラントを製造することができると記載されている。特表2010−538747号公報(特許文献8)には、プラグ、合成ワイヤーおよびフットプレートを具備する、生体組織で形成された開口を封止するための閉鎖デバイスが開示されており、当該閉鎖デバイス(プラグ、合成ワイヤーおよびフットプレートの少なくとも1つの、少なくとも一部)はマグネシウムまたはマグネシウム合金を含む生体腐食性金属で形成することができると記載されている。特表2008−540006号公報(特許文献9)には、マグネシウム合金等を用いて製造される、血管系を通して(カテーテル等を用いて)心臓に隣接する体管内および/または心臓に挿入され、心臓組織および/または体管内を切断するように構成された、組織切断装置が開示されている。しかしながらこれらのいずれの文献にも、マグネシウム合金を用いて、血管内インプラントとして栓塞コイルを実際に製造することが可能であることは、実施例等によって具体的に実証されていない。
特開2004−267570号公報 特開2010−148682号公報 特表2013−544954号公報 特表2015−524512号公報 特表2015−526591号公報 特表2015−526592号公報 特表2015−528052号公報 特表2010−538747号公報 特表2008−540006号公報
純マグネシウムおよびマグネシウム合金(本明細書において「マグネシウム系金属」と呼ぶ。)が生体内分解性を有することは特許文献2〜9に記載されているように公知であり、そのような生体内分解性の線材から、カテーテルを用いて管空臓器内に挿入留置されるステントや塞栓コイルを作製できる可能性があることも、それらの特許文献に文言上は記載ないし示唆されているといえるかもしれない。しかしながら、マグネシウム系金属を用いて実用性に耐える塞栓コイルを作製できたことは、特許文献2〜9には具体的に実証されておらず、実用化に成功したとの報告もない。
本発明は、留置することで目標とする病変部を治癒した後、速やかに生体内で自然に分解消失し、後期異物反応や毒性反応を惹起したり、正常な生体組織に障害をもたらしたりすることない生体内分解性を有し、かつカテーテルを用いて管空臓器内に挿入留置するための優れた送達性および留置性を有する塞栓コイルを提供することを目的とする。
塞栓コイルには、適用部位に対して過大な負荷を与えて損傷を生じることなく留置操作を行えるような、柔軟性や配置能力(留置後にコイルが意図しないところに移動しない)を有するという基本的な特性が要求される。これまでマグネシウム系金属からなる塞栓コイルが実現されていなかった一因として、マグネシウム系金属は、一般的な工業材料として使用される鉄、ステンレススチール、アルミニウム合金、チタン合金などに比べ引張弾性率(ヤング率)が低く、塞栓コイルのように高い機械強度が求められる構造材としての使用には不向きである、と認識されていることがあるだろう。特に塞栓コイルは、ステントとも異なる形態を有しており、バネとして使用できなくてはならないが、マグネシウム系金属は易変形性材料であるためバネ性の発現が難しいという問題がある。具体的には、マグネシウム系金属の引張弾性率は30GPaから60Gpa程度と低いのに対し、構造材料として汎用されているチタンは110GPa、ステンレススチールは200GPa、また現在臨床的に使用されている白金コイルの白金は170GPaと、比較的高い引張弾性率を有している。
このように、マグネシウム系金属は生体内分解性という好ましい特性を持つ素材でありながら、引張弾性率の観点からバネ性を付与することが難しいと考えられていた材料であり、これまでは実用性のある塞栓コイルの作製に活用することができなかった。
本発明者らは、前記課題に基づき鋭意検討を行った結果、引張弾性率が30GPaから60GPaの範囲にあるマグネシウム系金属でも、直径が75〜150μmという特定の範囲にある線材を用いることで、体腔内で十分に使用できるレベルの形態復元性や柔軟性を持ち合わせた生体内分解性塞栓用コイルを作製することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、カテーテルを用いて管空臓器内に挿入留置される塞栓コイルであって、マグネシウム系金属からなる直径75〜150μmの線材で形成されていることを特徴とする、生体内分解性塞栓コイルを提供する。このマグネシウム系金属としては、例えばマグネシウム、アルミニウムおよび亜鉛からなる合金が好ましい。また、前記塞栓コイルの1次形状コイル径は0.2〜2.0mmの範囲であることが好ましい。
本発明により、治療に必要な一定の期間、血管等の管空臓器を閉塞した後、生体内で分解され、正常な生体組織に障害をもたらさないという理想的な塞栓コイルを作製することが可能となる。そして、このような生体内分解性塞栓コイルを使用することにより、止血治療や、悪性新生物質または血管内病変に対する治療の効果を高めることができるようになる。
図1は、使用時に用いられる各種の器具を付属した、本発明の塞栓コイルの一実施形態を表す模式図である。 図2は、本発明の塞栓コイルを出血原因動脈の上流に留置する止血治療の一実施形態を表した模式図である。
本発明の生体内分解性塞栓コイルは、マグネシウム系金属からなる直径75〜150μmの線材で形成されている。
「マグネシウム系合金属材料」には、マグネシウム合金(少なくともマグネシウムを含有する合金)および純マグネシウム(合金ではない純度の高いマグネシウム)の両方が包含される。マグネシウム合金の組成は、生体内分解性等を考慮しながら適宜調整することができる。マグネシウムに添加して合金化される金属元素としては、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、マンガン、鉄、銅、ニッケル、カルシウム、ケイ素、タングステン、銀、イットリウム、希土類元素等を例示することができ、中でもアルミニウム、亜鉛、タングステンが好ましい。生体内での塞栓コイルの分解に伴い溶出する金属イオンの安全性から、合金化される金属元素の添加量は、マグネシウム合金の全体に対して、10質量%未満であることが望ましい。より好ましいマグネシウム合金としては、「AZ系合金」および「WE系合金」という名称で一般的に知られているものが例示できる。特に、線材としての機械物性や、工業的な入手のしやすさなどから、「AZ31」(重量比=マグネシウム:97、アルミニウム:3、亜鉛:1)および「AZ61」(重量比=マグネシウム:93、アルミニウム:6、亜鉛:1)が望ましい。
また、線材に用いるマグネシウム系金属の材質によって、塞栓コイルが生体内で分解されるまでの期間、すなわち管空臓器内に留置された状態で所定の機能を果たす期間(例えば血管内で血流を停めておく期間)が変動する。塞栓コイルが生体内で分解されるまでの期間を所望の範囲とするために、どのようなマグネシウム系金属を用いることができるかは、当業者であれば適切に把握することができる。塞栓コイル用途に応じて、生体内で分解されるまでの期間は所望の範囲で調整することができるが、例えば1ヶ月程度あれば、一般的な治療用途において十分と言える。
本発明では、直径75〜150μmの線材を用いることにより、マグネシウム系金属からなる生体内分解性の塞栓コイルを作製することができる。線材の直径が75μmより小さいと、得られるコイルは柔軟性はあるものの、形態復元性に劣るため、カテーテル等を使って患部組織に送達、留置したときに形状が元に戻らないという観点から、治療用途には不適切なものとなる。一方、線材の直径が150μmより大きいと、得られるコイルは形態復元性はあるものの、コイル径は非常に大きくなり、しかもコイルとしての柔軟性が低くなる(剛性が高い)ため、カテーテル等を使っての患部送達が困難になったり、留置部位組織を損傷したりするという観点から、やはり治療用途に不適切なものとなる。
図1に示すように、塞栓コイルは、線材を密着して巻回したもの(1次形状コイル)(1)によって形成されており、外力を受けていないとき、1次形状コイル(1)は絡み合って、略球状の不定形な2次形状コイル(2)を形成している。
マグネシウム系金属からなる1次形状コイル(1)の外径(中空部分の内径に、線材の直径を加えた長さ)は、用いるマグネシウム系金属の機械的特性を考慮しつつ、閉塞する管空臓器の性状およびそこに送達させるためのカテーテルの太さに合わせて調整することができるが、好ましくは0.2〜2.0mmの範囲である。1次形状コイル(1)の長さ(2次形状コイル(2)を引き延ばしたときの長さ)や2次形状コイル(2)の形状は、用いるマグネシウム系金属の機械的特性、閉塞する管空臓器の性状などを考慮して適宜調整することができるが、特に限定されるものではなく、例えば従来の塞栓コイルと同程度とすることができる。
マグネシウム系金属からなる直径75〜150μmの線材で形成された塞栓コイルは、基本的には白金等を用いた従来の塞栓コイルの製造方法に準じて、必要に応じてマグネシウム系金属の機械的特性を考慮して条件を調節した上で、製造することができる。そのような本発明の生体内分解性塞栓コイルの製造方法の概要は次の通りである。まず、マグネシウム系金属の原線(例えば直径3.0mm)を延伸し、直径75〜150μmの線材を調製する。次に、その線材をコイル状(らせん状)に加工し、密着巻回した塞栓コイルを作製する。例えば、第1の線材を芯とし、その周りに第2の線材を巻き付けた後、芯を引き抜くことにより、中空部を有するバネ状の塞栓コイルが得られる
塞栓コイルは通常、カテーテル内に挿入した後、目的とする部位に送達させるための、デリバリーシステムに合わせた各種の部材と組み合わせて使用され、本発明の生体内分解性塞栓コイルもそれと同様に使用することができる。
例えば、図1に示すように、塞栓コイル(1,2)は一般的に、後端側に送達手段(20)を連結して使用される。例えば、電気式離脱型のデリバリーシステムにおいて使用される場合、送達手段(20)は、塞栓コイル(1,2)と連結するための接続部材(21)、X線透視下で位置を確認するための先端造影部材(22)、およびワイヤー部材(23)とを備える。接続部材(9)が電流による加熱で溶融、切断されることにより、生体内の目的とする位置で塞栓コイル(1, 2)をワイヤー部(23)から離脱し、留置することができる。接続部材(21)は、例えばポリビニルアルコール(PVA)系の樹脂材料で形成されている。ワイヤー部材(23)は、先端造影部分(22)に接続された柔軟部分(24)、柔軟部分(24)に接続され、電気的に絶縁するための被覆が表面に設けられている後端側部分(25)、および電源装置に接続するための端子部分(26)を備える。ワイヤー部材(23)は、通電性を有する金属材料、例えばステンレス鋼を用いて形成される。先端造影部材(17)は、X線不透過性の高い金属材料、例えば金、銀、タングステン、タンタル、白金、パラジウム等の金属またはそれらの合金を用いて形成される。さらに、塞栓コイル(1,2)の前端側には必要に応じて、管腔臓器内を傷つけないようにするためのチップ(11)を装着してもよい。チップ(11)は、塞栓コイルと同様のマグネシウム系金属で形成されていてもよいし、その他の金属で形成されていてもよい。なお、送達手段(20)は図1に示すような実施形態に限定されるものではなく、例えばプッシャーカテーテル、イントロデューサーシースなどを備えるデリバリーカテーテルに準じた構成に変更することもできる。
本発明の生体内分解性塞栓コイルに関するその他の技術的事項、例えば塞栓コイルとしての基本的な構造や使用形態は、基本的に一般的な塞栓コイルと同様であり、また公知の様々な塞栓コイルに関する技術的事項を組み合わせることができる。
本発明の生体内分解性塞栓コイルの用途、換言すれば本発明の生体内分解性塞栓コイルを用いた治療法(経皮的血管内塞栓術)の実施形態は、特に限定されるものではないが、生体内分解性であるという利点を活用した用途、すなわち生体内非分解性の塞栓コイルを用いることが不可能ないし不適切な用途が好適である。そのような用途としては、例えば、(i)外傷に伴う骨盤骨折・腹部血管損傷・実質臓器(脾臓・肝臓・腎臓)・顔面骨骨折、(ii)分娩後の弛緩性出血(子宮動脈から出血)、(iii)喀血(気管支動脈からの出血)、(iv)肝細胞癌などの治療が挙げられる。これらの対象疾患において、出血原因動脈(腫瘍の場合は栄養動脈)の上流に塞栓コイルを留置することで、低浸襲で血流の遮断と出血性ショックからの離脱が可能となる。そして所定の機能を果たした後、血管内等に留置された塞栓コイルは分解され、必要な部位への血流等を復活させることができる。
本発明の塞栓コイルの使用に係る実施形態として、止血治療における一例を図2に示す。塞栓コイルは管空臓器(200)、例えば動脈内に通されたカテーテル(100)を用いて、患部(210)、例えば出血部の上流に送達、留置される。その際に、2次形状の塞栓コイル(2)は引き延ばされてカテーテル(100)の一端の開口から挿入され、ほぼ直線状態の1次形状の塞栓コイル(1)がカテーテル(100)内を移動し、もう一端の開口から押し出された後、塞栓コイルの2次形状(2)が管空臓器(200)内の所望の位置で復元される。塞栓コイル(2)は出血部(210)が治癒するまで所定の期間血流を遮断し、その後溶解して血流が再開する。
[実施例1]
マグネシウム合金としてAZ31合金の線材(線材外径100μm)を用い、一般的な手法によりコイル(1次形状コイルの直径約0.5mm、長さ約50mm)を作製した。得られたコイルを伸張し、白金コイル挿入用カテーテルに充填し、押し込み、その先端から回収したコイルを調べたところ、挿入前の形状およびサイズに復元することを確認した。カテーテル内の移送は白金コイル等と違和感を認めなかった。これより、本実施例のコイルは柔軟性と適切なバネ特性(変形性、形状復元性)を有していると判断できた。
上記コイルを10mm長に切断し、1.5mLの牛血清に無菌的に浸漬した後、37℃下に静置することにより、in vitroでの分解性を肉眼的に調べた。血清は3日に1回交換した。コイルを血清に浸漬すると、しばらくしてきわめて細かな泡が発生し、分解が始まったことが観察された。浸漬2週間ほどでコイルの折損が発生し、断片化が始まった。4週間たった時点では一辺が1mm程度の小片に分解し、生体内で分解することが十分予想される結果となった。
[比較例1]
外径50μmのマグネシウム合金AZ31の線材を用いた以外は実施例1と同様にしてコイル状物(1次形状コイルの直径約0.5mm、長さ約50mm)を作製した。このコイル状物を伸張しカテーテルに充填し、先端より回収したところ、延伸したまま元の形状に復元せず、バネ特性を有していなかった。
[比較例2]
外径200μmのマグネシウム合金AZ31の線材を用いた以外は実施例1と同様にしてコイル状物(1次形状コイルの直径約0.5mm、長さ約50mm)を作製した。得られたコイル状物はバネ特性は有しているものの、剛性が高く、組織内に留置したとき周囲組織を損傷することが予想された。また、このコイルを伸張しカテーテルに充填し、先端より回収を試みたが本コイルではカテーテル内での移動がスムースにできず、充填の操作性に劣ることが明らかであった。
1 1次形状コイル(塞栓コイルの1次形状)
2 2次形状コイル(塞栓コイルの2次形状)
11 チップ
20 送達手段
21 接続部材
22 先端造影部材
23 ワイヤー部材
24 柔軟部分
25 後端側部分
26 端子部分
100 カテーテル
200 管腔臓器(血管)
210 患部(出血部)

Claims (3)

  1. カテーテルを用いて管空臓器内に挿入留置される塞栓コイルであって、マグネシウム系金属からなる直径75〜150μmの線材で形成されていることを特徴とする、生体内分解性塞栓コイル。
  2. 前記マグネシウム系金属が、マグネシウム、アルミニウムおよび亜鉛からなる合金である、請求項1に記載の生体内分解性塞栓コイル。
  3. 前記塞栓コイルの1次形状コイルの外径が0.2〜2.0mmの範囲である、請求項1または2に記載の生体内分解性塞栓コイル。
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