JP2017152191A - 燃料電池システムの低温起動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な制御で、迅速且つ有効な低温起動を遂行することができ、発電安定性を良好に確保することを可能にする。
【解決手段】燃料電池システムの低温起動方法では、低温起動時には、水素ポンプの駆動指令が発せられるとともに、前記低温起動時の水素供給圧力を、通常起動時の水素供給圧力よりも上昇させている。そして、例えば、燃料電池コンタンクタがONされることにより、低温起動が完了した後、燃料電池システムでは、待機発電及びパージ処理が開始されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池、前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置、前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置、及び冷却媒体を供給する冷却媒体供給装置を備える燃料電池システムの低温起動方法に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の一方の面にアノード電極が、他方の面にカソード電極が、それぞれ配設された電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。電解質膜・電極構造体は、セパレータによって挟持されることにより、発電セル(単位セル)が構成されている。通常、所定の数の発電セルが積層されることにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして燃料電池車両(燃料電池電気自動車等)に組み込まれている。
燃料電池は、水素ガス(燃料ガス)と酸素ガス(酸化剤ガス)との電気化学反応により発電(運転)を行うため、前記燃料電池に燃料ガス供給装置及び酸化剤ガス供給装置が接続された燃料電池システムが採用されている。
燃料ガス供給装置では、通常、アノード電極から排出された燃料オフガスは、燃料循環流路を通って燃料供給流路に戻され、燃料供給源から供給される燃料ガスと混合されて前記アノード電極に再供給されている。例えば、特許文献1に開示されている燃料電池システムでは、燃料循環流路に燃料ポンプが設けられるとともに、燃料ポンプの下流側にあたる燃料循環流路と燃料供給流路の合流点にエゼクタが設けられている。
そして、燃料ポンプ及びエゼクタで燃料オフガスを昇圧させる際に、前記エゼクタに供給する燃料ガスの圧力及び前記燃料ポンプによる燃料オフガスの昇圧を、前記エゼクタによる燃料オフガスの昇圧値が0以上となるように制御させている。このため、燃料ポンプで昇圧した燃料オフガスの圧力の一部が、エゼクタで失われる事態を回避することができ、燃料オフガスをエゼクタ及び燃料ポンプで効率良く昇圧させることができる、としている。
特開2009−283171号公報
しかしながら、上記の燃料電池システムでは、水素ガスと酸素ガスとの電気化学反応により生成された水が残存している。従って、システム停止中に、低温環境下、すなわち、氷点下に長時間に亘って放置されていると、残存した生成水が燃料ポンプ内で凍結し、次回の起動時に前記燃料ポンプを駆動させることができないという問題がある。
本発明は、この種の課題を解決するものであり、簡単な制御で、迅速且つ有効な低温起動を遂行することができ、発電安定性を良好に確保することが可能な燃料電池システムの低温起動方法を提供することを目的とする。
本発明に係る低温起動方法が適用される燃料電池システムは、燃料電池と、燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、冷却媒体を供給する冷却媒体供給装置と、を備えている。燃料電池は、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電している。燃料ガス供給装置は、燃料電池から排出される燃料ガスを、前記燃料電池に供給される新たな燃料ガスに混在させる循環流路を有するとともに、前記循環流路に燃料ポンプが配設されている。
この低温起動方法では、低温起動時には、燃料ポンプの駆動指令が発せられるとともに、前記低温起動時の燃料ガス供給圧力を、通常起動時の燃料ガス供給圧力よりも上昇させている。
また、この低温起動方法では、低温起動時の燃料ガス供給圧力は、燃料電池の温度が低い程、低く設定されることが好ましい。
さらに、この低温起動方法では、燃料電池の電流印加を開始するための処理が完了した際、酸化剤ガスが燃料電池から排出される酸化剤ガス排出口の温度を検出し、前記酸化剤ガス排出口の温度に基づいて、前記燃料電池への外部からの運転要求を規制する待機時間を設定することが好ましい。
さらにまた、この低温起動方法では、待機時間が経過した際、起動時の燃料ガス置換完了前であっても、燃料ガス供給圧力の上限値を低下させることが好ましい。
本発明によれば、低温起動時には、燃料ポンプの駆動指令が発せられるとともに、前記低温起動時の燃料ガス供給圧力を、通常起動時の燃料ガス供給圧力よりも上昇させている。このため、燃料ポンプが凍結していても、燃料ガスの供給量を有効に確保することができる。従って、燃料ガス置換不足を確実に防止し、起動後に燃料電池から引かれる電流に電流制限がかかることを抑制することが可能になる。これにより、簡単な制御で、迅速且つ有効な低温起動を遂行することができ、発電安定性を良好に確保することが可能になる。
本発明の実施形態に係る低温起動方法が適用される燃料電池システムの概略構成説明図である。 前記低温起動方法において、待機時間がパージ処理よりも短い場合のタイムチャートである。 燃料電池スタックの温度と水素上限圧との関係説明図である。 前記低温起動方法において、待機時間がパージ処理よりも長い場合のタイムチャートである。 水素圧力と発電電流制限時間との関係説明図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る低温起動方法が適用される燃料電池システム10は、例えば、燃料電池電気自動車等の燃料電池車両(図示せず)に搭載される。
燃料電池システム10は、燃料電池スタック12を備える。燃料電池スタック12には、燃料ガスである、例えば、水素ガスを供給する燃料ガス供給装置14と、酸化剤ガスである、例えば、空気を供給する酸化剤ガス供給装置16と、冷却媒体を供給する冷却媒体供給装置18とが設けられる。燃料電池システム10は、さらにエネルギ貯蔵装置であるバッテリ20と、システム制御装置である制御部(ECU)22とを備える。
燃料電池スタック12は、複数の発電セル24が水平方向又は鉛直方向に積層される。発電セル24は、電解質膜・電極構造体26を第1セパレータ28及び第2セパレータ30で挟持する。第1セパレータ28及び第2セパレータ30は、金属セパレータ又はカーボンセパレータにより構成される。
電解質膜・電極構造体26は、例えば、水分が含まれたパーフルオロスルホン酸の薄膜である固体高分子電解質膜32と、前記固体高分子電解質膜32を挟持するアノード電極34及びカソード電極36とを備える。固体高分子電解質膜32は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質が使用される。
第1セパレータ28は、電解質膜・電極構造体26との間に、アノード電極34に水素ガスを供給するための水素ガス流路38を設ける。第2セパレータ30は、電解質膜・電極構造体26との間に、カソード電極36に空気を供給するための空気流路40を設ける。互いに隣接する第1セパレータ28と第2セパレータ30との間には、冷却媒体を流通させるための冷却媒体流路42が設けられる。
燃料電池スタック12には、水素ガス入口44a、水素ガス出口44b、空気入口46a、空気出口46b、冷却媒体入口48a及び冷却媒体出口48bが設けられる。水素ガス入口44aは、各発電セル24の積層方向に貫通するとともに、水素ガス流路38の供給側に連通する。水素ガス出口44bは、各発電セル24の積層方向に貫通するとともに、水素ガス流路38の排出側に連通する。水素ガス流路38、水素ガス入口44a及び水素ガス出口44bにより、アノード流路が構成される。
空気入口46aは、各発電セル24の積層方向に貫通するとともに、空気流路40の供給側に連通する。空気出口46bは、各発電セル24の積層方向に貫通するとともに、空気流路40の排出側に連通する。空気流路40、空気入口46a及び空気出口46bにより、カソード流路が構成される。
冷却媒体入口48aは、各発電セル24の積層方向に貫通するとともに、冷却媒体流路42の供給側に連通する。冷却媒体出口48bは、各発電セル24の積層方向に貫通するとともに、冷却媒体流路42の排出側に連通する。
燃料ガス供給装置14は、高圧水素を貯留する水素タンク50を備え、この水素タンク50は、水素ガス供給路52を介して燃料電池スタック12の水素ガス入口44aに連通する。水素ガス供給路52は、燃料電池スタック12に水素ガスを供給する。
水素ガス供給路52には、インジェクタ54及びエゼクタ56が直列に設けられるとともに、前記インジェクタ54及び前記エゼクタ56を跨いでバイパス供給路58が接続される。バイパス供給路58には、BP(バイパス)インジェクタ60が設けられる。BPインジェクタ60は、燃料電池スタック12の始動時や高負荷発電が要求された際等に、高濃度な水素を供給するために使用されるサブインジェクタである一方、インジェクタ54は、通常の発電時に主として使用されるメインインジェクタである。
燃料電池スタック12の水素ガス出口44bには、水素ガス排出路(オフガス配管)62が連通する。水素ガス排出路62は、アノード電極34で少なくとも一部が使用された水素ガスである水素排ガスを、燃料電池スタック12から導出する。水素ガス排出路62には、気液分離器64が接続されるとともに、前記気液分離器64の下流から分岐する水素循環流路66を介してエゼクタ56が接続される。
水素循環流路66には、水素ポンプ(燃料ポンプ)68が設けられる。水素ポンプ68は、特に起動時に、水素ガス排出路62に排出された水素排ガスを、水素循環流路66を通って水素ガス供給路52に循環させる。
水素ガス排出路62の下流には、パージ流路70の一端が連通するとともに、前記パージ流路70の途上には、パージ弁72が設けられる。気液分離器64の底部には、主に液体成分を含む流体を排出する排水流路74の一端が接続される。排水流路74の途上には、ドレイン弁76が配設される。
燃料ガス供給装置14は、アノード流路の水素ガス圧力を検出するために、例えば、水素ガス供給路52に水素ガス入口44aの近傍に位置してアノード圧力センサ77を備え、前記アノード圧力センサ77の検出信号が制御部22に送られる。
酸化剤ガス供給装置16は、大気からの空気を圧縮して供給するエアポンプ78を備え、前記エアポンプ78が空気供給路80に配設される。空気供給路80は、燃料電池スタック12に空気を供給する。
空気供給路80は、エアポンプ78の下流側に位置して供給側開閉弁(入口封止弁)82a及び加湿器84を配設するとともに、燃料電池スタック12の空気入口46aに連通する。空気供給路80には、加湿器84を跨いでバイパス供給路86が接続される。バイパス供給路86には、前記バイパス供給路86を流通する空気の流量を調整するBP流量調整弁88(バイパス弁)が配設される。
燃料電池スタック12の空気出口46bには、空気排出路90が連通する。空気排出路90には、供給空気と排出空気との間で水分及び熱を交換する加湿器84、排出側開閉弁(出口封止弁)82b及び背圧弁92が配設される。空気排出路90は、カソード電極36で少なくとも一部が使用された空気である排出空気を、燃料電池スタック12から排出する。空気排出路90の下流には、パージ流路70の他端及び排水流路74の他端が接続され、希釈部を構成する。
空気供給路80と空気排出路90とには、供給側開閉弁82aの上流側と排出側開閉弁82bの下流側及び背圧弁92の下流側とに位置して、バイパス流路94の両端が連通する。バイパス流路94には、前記バイパス流路94を流通する空気の流量を調整するBP流量調整弁96が配設される。
空気供給路80と空気排出路90とには、供給側開閉弁82aの下流側及び排出側開閉弁82bの上流側に位置して、空気循環流路98が連通する。空気循環流路98には、循環ポンプ100が配置される。循環ポンプ100は、空気排出路90に排出された排出空気を、空気循環流路98を通って空気供給路80に循環させる。空気排出路90には、燃料電池スタック12の空気出口温度を検出するための空気温度センサ101が配設される。空気温度センサ101の検出信号は、制御部22に送られる。
冷却媒体供給装置18は、燃料電池スタック12の冷却媒体入口48aに接続される冷却媒体供給路102を備え、前記冷却媒体供給路102の途上には、水ポンプ104が配置される。冷却媒体供給路102は、ラジエータ106に接続されるとともに、前記ラジエータ106には、冷却媒体出口48bに連通する冷却媒体排出路108が接続される。冷却媒体排出路108には、冷却媒体出口温度を検出するための冷媒温度センサ110が配設される。冷媒温度センサ110の検出信号は、制御部22に送られる。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、以下に説明する。
燃料ガス供給装置14では、水素タンク50から水素ガス供給路52に水素ガスが供給される。この水素ガスは、インジェクタ54及びエゼクタ56を通って燃料電池スタック12の水素ガス入口44aに供給される。水素ガスは、水素ガス入口44aから水素ガス流路38に導入され、前記水素ガス流路38に沿って移動することにより電解質膜・電極構造体26のアノード電極34に供給される。
酸化剤ガス供給装置16では、エアポンプ78の回転作用下に、空気供給路80に空気が送られる。この空気は、加湿器84を通って加湿された後、燃料電池スタック12の空気入口46aに供給される。空気は、空気入口46aから空気流路40に導入され、前記空気流路40に沿って移動することにより電解質膜・電極構造体26のカソード電極36に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体26では、アノード電極34に供給される水素ガスと、カソード電極36に供給される空気中の酸素とが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
また、冷却媒体供給装置18では、水ポンプ104の作用下に、冷却媒体供給路102から燃料電池スタック12の冷却媒体入口48aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。冷却媒体は、冷却媒体流路42に沿って流動し、発電セル24を冷却した後、冷却媒体出口48bから冷却媒体排出路108に排出される。
次いで、アノード電極34に供給されて一部が消費された水素ガス(水素排ガス)は、水素ガス出口44bから水素ガス排出路62に排出される。水素排ガスは、水素ガス排出路62から水素循環流路66に導入され、エゼクタ56の吸引作用下に水素ガス供給路52に循環される。水素ガス排出路62に排出された水素排ガスは、必要に応じて、パージ弁72の開放作用下に外部に排出(パージ)される。
同様に、カソード電極36に供給されて一部が消費された空気(排出空気)は、空気出口46bから空気排出路90に排出される。排出空気は、加湿器84を通って空気供給路80から供給される新たな空気を加湿した後、背圧弁92の設定圧力に調整された後、希釈部に排出される。なお、空気排出路90に排出された空気は、必要に応じて、循環ポンプ100の作用下に空気循環流路98を通って空気供給路80に循環する。
次いで、本実施形態に係る燃料電池システム10の低温起動方法について、図2以降に沿って、以下に説明する。
低温雰囲気、例えば、氷点下雰囲気で、イグニッションスイッチがオンされることにより、制御部22に起動信号が入力される。このため、制御部22は、燃料ガス供給装置14、酸化剤ガス供給装置16及び冷却媒体供給装置18を駆動制御する。その際、燃料ガス供給装置14では、水素ポンプ68の駆動指令が発せられるとともに、低温起動時の水素供給圧力を、通常起動時の水素供給圧力(図2中、波線に示す通常起動時を参照)よりも上昇させている。
低温起動時の水素供給圧力の上限値である本願の水素上限圧Pmaxは、通常起動時及び通常発電時の水素上限圧Pnorよりも高圧に設定される。水素上限圧Pmaxは、図3に示すように、燃料電池スタック12の温度(FCスタック温度)に比例しており、前記燃料電池スタック12の温度が低い程、低く設定される。燃料電池スタック12では、低温時にシール部材(図示せず)が硬くなってシール面圧が低下している。このため、水素供給圧力を上げると、内圧が上昇してガス漏れが惹起するおそれがある。従って、水素上限圧Pmaxは、燃料電池スタック12の温度に比例して設定される。
図2に示すように、水素供給圧力が上昇することにより、発電に必要な水素量が早期に得られ、燃料電池スタック12の起電力が上昇する。そして、例えば、燃料電池コンタンクタ(図示せず)がONされることにより、燃料電池スタック12の電流印加を開始するための処理が完了する。すなわち、燃料電池スタック12から電流を引くことができる状態である。次いで、燃料電池システム10では、待機発電及びパージ処理が開始される。
待機発電は、燃料電池スタック12への外部からの運転要求、例えば、使用者のアクセル操作による走行要求等を規制しながら発電する状態である。制御部22は、例えば、空気温度センサ101により検出される燃料電池スタック12の空気出口46bの温度に基づいて、待機発電が継続される待機時間を設定する。空気出口46bの温度が高い場合には、図2に示すように、待機時間が短く設定される一方、前記空気出口46bの温度が低い場合には、図4に示すように、前記待機時間が長く設定される。
パージ処理は、アノード流路内のガスを高濃度水素ガスにより置換する処理(燃料ガス置換処理)である。起動時には、アノード流路内には、水素ガスの他、窒素ガス含む不純物が混在しており、アノード側の水素濃度を上げて水素ガスのストイキ(アノードストイキ)を確保するために行われる。図2及び図4に示すパージ処理は、水素濃度等に基づいた許容電流値以下の電流を印加した状態で行われる。
図2に示すように、待機発電がパージ処理よりも早く完了する際には、前記待機発電が完了した後、水素上限圧Pmaxは、通常発電時の水素上限圧Pnorに減圧される。待機時間経過後に、使用者による走行に移行するため、急激な水素圧変動に耐える必要があるからである。
一方、図4に示すように、待機発電がパージ処理よりも遅く完了する際には、前記パージ処理が完了した後、水素上限圧Pmaxは、通常発電時の水素上限圧Pnorに減圧される。例えば、急速暖機が行われると、電流値が増加し易くなるため、水素上限圧Pmaxに余裕を持たせている。
この場合、本実施形態では、低温起動時には、水素ポンプ68の駆動指令が発せられるとともに、図2及び図4に示すように、前記低温起動時の水素供給圧力を、通常起動時の水素供給圧力よりも上昇させている。このため、特に、氷点下の環境で、水素ポンプ68が凍結していても、水素ガスの供給量(すなわち、アノードストイキ)を有効に確保することができる。従って、水素ガス置換不足を確実に防止し、起動後に燃料電池スタック12から引かれる電流に電流制限がかかることを抑制することが可能になる。
図5には、水素圧力の上昇による電流制限時間の関係図が示されている。横軸は、水素圧力である一方、縦軸は、発電電流制限(例えば、100A以下)の時間である。これにより、水素圧力が高くなる程、電流制限される時間が短縮される。このため、本実施形態では、水素上限圧Pmaxが高く設定されることにより、発電に必要な水素量を早期に確保し、電流制限が一挙に軽減されるという効果が得られる。
しかも、水素ポンプ68が正常であるか否かの判断を不要とし、低温起動時の水素圧力と電力上昇とに基づいて、前記低温起動を完了させている。従って、起動の待ち時間が短縮されるとともに、水素ポンプ68が凍結していない場合に、パージ処理が一層短時間で完了することになる。これにより、簡単な制御で、迅速且つ有効な低温起動を遂行することができ、発電安定性を良好に確保することが可能になる。
また、本実施形態では、図2に示すように、低温起動時の水素供給圧力は、燃料電池スタック12の温度が低い程、低く設定されている。このため、燃料電池スタック12内のシール物性によりシール性能が低下している場合も、ガス漏れを確実に抑制することができる。
さらに、燃料電池スタック12の電流印加を開始するための処理が完了した際、空気が燃料電池スタック12から排出される空気出口46bの温度が検出され、前記温度に基づいて前記燃料電池スタック12への外部からの運転要求を規制する待機時間が設定されている。従って、上記処理完了時の空気出口46bの温度に応じて最低限の待機時間に設定することができ、使用者の利便性を向上させることが可能になる。
さらにまた、図2に示すように、待機時間が経過した際、パージ処理の完了前であっても、水素上限圧Pmaxを低下させている。これにより、待機時間経過後に、使用者による走行に移行する際、急激な水素圧変動に耐えることができる。
10…燃料電池システム 12…燃料電池スタック
14…燃料ガス供給装置 16…酸化剤ガス供給装置
18…冷却媒体供給装置 20…バッテリ
22…制御部 24…発電セル
26…電解質膜・電極構造体 28、30…セパレータ
32…固体高分子電解質膜 34…アノード電極
36…カソード電極 38…水素ガス流路
40…空気流路 50…水素タンク
52…水素ガス供給路 78…エアポンプ
80…空気供給路 82a…供給側開閉弁
82b…排出側開閉弁 84…加湿器
88、96…BP流量調整弁 90…空気排出路
92…背圧弁 94…バイパス流路
98…空気循環流路 100…循環ポンプ
101…空気温度センサ 110…冷媒温度センサ

Claims (4)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池内に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、
    前記燃料電池内に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記燃料電池内に冷却媒体を供給する冷却媒体供給装置と、
    を備え、
    前記燃料ガス供給装置は、前記燃料電池から排出される前記燃料ガスを、前記燃料電池に供給される新たな燃料ガスに混在させる循環流路を有するとともに、前記循環流路に燃料ポンプが配設される燃料電池システムの低温起動方法であって、
    低温起動時には、前記燃料ポンプの駆動指令が発せられるとともに、前記低温起動時の燃料ガス供給圧力を、通常起動時の燃料ガス供給圧力よりも上昇させることを特徴とする燃料電池システムの低温起動方法。
  2. 請求項1記載の低温起動方法であって、前記低温起動時の燃料ガス供給圧力は、前記燃料電池の温度が低い程、低く設定されることを特徴とする燃料電池システムの低温起動方法。
  3. 請求項1又は2記載の低温起動方法であって、前記燃料電池の電流印加を開始するための処理が完了した際、前記酸化剤ガスが前記燃料電池から排出される酸化剤ガス排出口の温度を検出し、前記酸化剤ガス排出口の温度に基づいて、前記燃料電池への外部からの運転要求を規制する待機時間を設定することを特徴とする燃料電池システムの低温起動方法。
  4. 請求項3記載の低温起動方法であって、前記待機時間が経過した際、起動時の燃料ガス置換完了前であっても、前記燃料ガス供給圧力の上限値を低下させることを特徴とする燃料電池システムの低温起動方法。
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