JP2017148685A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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【課題】ガソリン直噴エンジンを始動した直後に発生するHCを効率よく捕捉することができる、ガソリン粒子フィルタを備えるガソリン直噴エンジン用の排ガス浄化装置を提供する。【解決手段】ガソリン粒子フィルタを備えるガソリン直噴エンジン用の排ガス浄化装置であって、フィルタ基材と、前記フィルタ基材の排ガス流入側表面に形成されている、2種のゼオライトからなる混合物を含むガソリン粒子フィルタコート層と、前記フィルタ基材の排ガス流出側表面に形成されている、触媒金属を含む触媒コート層とを含み、前記2種のゼオライトからなる混合物が、MFI及びFAUをMFI:FAU=1:1〜1:2の重量比で含む、前記排ガス浄化装置に関する。【選択図】図3

Description

本発明は、ガソリン粒子フィルタを備える排ガス浄化装置に関する。
ガソリンエンジンの燃料効率は、ガソリン直噴(GDI:gasoline direct injection)技術の導入により、改良されてきている。ガソリン直噴技術を用いるエンジン(以下、「ガソリン直噴エンジン」ともいう)では、燃料であるガソリンをシリンダ内に高圧で直接噴射する。これにより、ガソリン直噴エンジンは、ディーゼルエンジンよりは少ないものの、通常のガソリンエンジンよりも多い粒子状物質が発生する。
このような粒子状物質を捕捉・低減させるために、ガソリン粒子フィルタ(GPF:gasoline particulate filter)を備える排ガス浄化装置の開発が進められている。
例えば、特許文献1には、粒子状物質フィルタを有するガソリンエンジン排ガス流の処理システムであって、該粒子状物質フィルタが、粒子状物質フィルタ基材と、該フィルタ基材の排ガス流入口表面上に設けられた流入口層と、該フィルタ基材の排ガス排出口表面上に設けられた排出口層とを含み、該流入口層がRh及び/又はPdを含み、該排出口層がRh及び/又はゼオライトを含む処理システムが記載されている。
特表2013−500857号公報
ガソリン直噴エンジンはディーゼルエンジンや通常のガソリンエンジンよりも高温で作用するため、その排ガス温度はより高温になる。また、ガソリン直噴エンジンから排出される排ガスには、低沸点炭化水素(低沸点HC)及び高沸点炭化水素(高沸点HC)が含まれる。
このような高温の排ガスに対応するために、ガソリン直噴エンジン用の排ガス浄化装置では、例えば排ガスが通過する部分をディーゼルエンジンや通常のガソリンエンジンと比較してより厚い壁厚にするなど、優れた耐熱性を持たせる必要がある。また、排ガス中に含まれる有害成分を効率よく捕捉・低減させるために、触媒と排ガスとの接触面積をより大きくすることが求められる。
しかしながら、上記のように、厚い壁厚を有し、触媒と排ガスとの接触面積を大きくした排ガス浄化装置では、その熱容量、圧力損失が大きくなる。その結果、ガソリン直噴エンジンを始動してから排ガス浄化装置が排ガス中の有害成分の燃焼温度に到達するまでにかかる時間も長くなる。これより、排ガス中の有害成分を効率よく浄化するためには、エンジン始動直後に発生した有害成分、特に、系外に排出されやすい低沸点HCを含む炭化水素(HC)を、排ガス浄化装置が排ガス中の有害成分の燃焼温度に到達するまで排ガス浄化装置に捕捉しておくことが必要である。
例えば、排ガスの排出口側にゼオライトを設置している特許文献1に記載の処理システムでは、エンジン始動直後に発生したHCを効率よく捕捉しておくことができない。
したがって、本発明の目的は、ガソリン直噴エンジンを始動した直後に発生するHCを効率よく捕捉することができる、ガソリン粒子フィルタを備えるガソリン直噴エンジン用の排ガス浄化装置を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、ガソリン粒子フィルタを備えるガソリン直噴エンジン用の排ガス浄化装置において、フィルタ基材の排ガス流入側表面に特定の組成を有するゼオライトの混合物を含むガソリン粒子フィルタコート層を形成させ、フィルタ基材の排ガス流出側表面に触媒金属を含む触媒コート層を形成させることによって、得られた排ガス浄化装置がガソリン直噴エンジンを始動した直後に発生するHCを効率よく捕捉することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)ガソリン粒子フィルタを備えるガソリン直噴エンジン用の排ガス浄化装置であって、
フィルタ基材と、
前記フィルタ基材の排ガス流入側表面に形成されている、2種のゼオライトからなる混合物を含むガソリン粒子フィルタコート層と、
前記フィルタ基材の排ガス流出側表面に形成されている、触媒金属を含む触媒コート層と
を含み、
前記2種のゼオライトからなる混合物が、MFI及びFAUをMFI:FAU=1:1〜1:2の重量比で含む、
前記排ガス浄化装置。
本発明の排ガス浄化装置では、ガソリン直噴エンジンを始動した直後に発生するHCを効率よく捕捉しておくことが可能であり、HCを捕捉している間に、排ガス浄化装置が排ガス中のHCの燃焼温度に到達することによって、効率よくHCを浄化することができる。
本発明の排ガス浄化装置を排ガスの流れ方向で切断したときの断面模式図である。 実施例1の排ガス浄化装置の断面写真である。 比較例1〜6及び実施例1〜2の排ガス浄化装置について、ガソリン直噴エンジンを始動した直後のHC放出量を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。なお、ガソリン粒子フィルタを備えるガソリン直噴エンジン用の排ガス浄化装置は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
本発明のガソリン粒子フィルタを備えるガソリン直噴エンジン用の排ガス浄化装置は、フィルタ基材と、前記フィルタ基材の排ガス流入側表面に形成されている2種のゼオライトからなる混合物を含むガソリン粒子フィルタコート層と、前記フィルタ基材の排ガス流出側表面に形成されている触媒金属を含む触媒コート層とを含み、さらに、前記2種のゼオライトからなる混合物が特定の細孔径を有する2種のゼオライトを特定の割合で含むことを特徴とする。
排ガスとは、ガソリン直噴エンジンの排気系から外部に排出されるガスを示す。排ガスは、主に、HC、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)などの有害成分を含み、HCには、低沸点HC及び高沸点HCが含まれる。ここで、低沸点HCとは、標準状態(25℃、100kPa)において気体状である低分子量のHCを指す。高沸点HCとは、標準状態において液状である高分子量のHCを指す。
フィルタ基材としては、当該技術分野において公知であるフィルタ基材を使用することができ、特に限定されないが、例えば、コージェライト、炭化ケイ素(SiC)等の多孔質材料であるセラミックスから形成される、ハニカム形状のウォールフロータイプのフィルタ基材などが挙げられる。
フィルタ基材の排ガス流入側表面に形成されているガソリン粒子フィルタコート層は、2種のゼオライトからなる混合物を含む。ガソリン粒子フィルタコート層は、触媒金属を含まないことが好ましい。ガソリン粒子フィルタコート層は、2種のゼオライトからなる混合物のみからなることが好ましい。
ガソリン粒子フィルタコート層のコーティング量は、特に制限されないが、圧力損失を考慮して、基材1リットルあたり、片側通常、30g〜120g、好ましくは、50g〜80gである。
ガソリン粒子フィルタコート層の厚さは、上記コーティング量に依存して、通常、平均12μm〜50μm、好ましくは、平均20μm〜33μmである。
上記ガソリン粒子フィルタコート層に含まれる2種のゼオライトからなる混合物は、MFI及びFAUからなる混合物である。ここで、MFIとFAUの混合比は、重量比で、MFI:FAU=1:1〜1:2、好ましくは4:5〜2:3である。
ここで、MFIとは、国際ゼオライト学会により与えられているゼオライトの構造コードを示し、約6Åの細孔径を有し、例えばZSM−5ゼオライトなどがある。FAUもまた、ゼオライトの構造コードを示し、約8Åの細孔径を有し、例えばX型ゼオライトやY型ゼオライトなどがある。
上記のように、使用するゼオライトの種類をそれぞれ細孔径の異なるMFI及びFAUの2種に限定し、さらにその混合比を特定することによって、ガソリン直噴エンジンの排気系から外部に排出される様々な分子量を有する高沸点HC及び低沸点HCを含むHCを効率よく捕捉することができる。
フィルタ基材の排ガス流出側表面に形成されている触媒コート層は、触媒金属を含む。
触媒金属としては、当該技術分野において公知である触媒金属を使用することができ、HC及びCOを酸化する触媒並びにNOxを還元することができる触媒であればよく、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)等の貴金属、鉄(Fe)、コバルト(Co)等の遷移金属、その他従来のこの種の用途に用いられる触媒金属から選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
触媒金属の量は、特に限定されず、また、使用する金属の種類に依存して異なり得るが、触媒活性、コスト面等を考慮して、例えば、基材1リットルあたり、通常0.2g〜10g、好ましくは、0.5g〜4gである。
上記触媒金属は、通常、複合酸化物及び/又は酸化物に担持される。複合酸化物及び/又は酸化物としては、当該技術分野において公知である複合酸化物及び/又は酸化物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)及びセリア(CeO)から選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物及び/又は酸化物である。
複合酸化物及び/又は酸化物の量は、特に制限されないが、圧力損失、貴金属の担持密度増加による粒成長、耐熱性等を考慮して、例えば、基材1リットルあたり、片側通常、30g〜120g、好ましくは、50g〜80gである。
触媒コート層の厚さは、上記触媒金属並びに複合酸化物及び/又は酸化物の量に依存して、通常、平均12μm〜50μm、好ましくは、平均20μm〜33μmである。
本発明のガソリン粒子フィルタを備えるガソリン直噴エンジン用の排ガス浄化装置の好ましい一例について、排ガス浄化装置を排ガスの流れ方向5で切断したときの断面模式図を図1に示す。図1に示されるように、排ガス浄化装置は、例えばハニカム構造のウォールフロータイプである。図1では、多数の排ガス流入路と排ガス流出路とが、互いに平行に、前後左右に交互に設けられており、各排ガス流入路は下流端が目封止材2により閉塞されており、各排ガス流出路は上流端が目封止材2により閉塞されている。排ガス流入路と排ガス流出路とを隔てている薄肉の隔壁1には、排ガス流入路側表面にガソリン粒子フィルタコート層3が形成されており、排ガス流出路側表面に触媒コート層4が形成されている。
ガソリン直噴エンジン始動直後に発生した排ガス中に含まれるHCは、排ガス流入路を通って排ガス浄化装置内に入り、排ガス流入路側表面に形成されているガソリン粒子フィルタコート層3において捕捉される。排ガス浄化装置はガソリン直噴エンジン始動直後には未だHCの燃焼温度に到達していないので、捕捉されたHCのほとんどは浄化されない。しかしながら、HCは排ガス浄化装置内に入ってすぐにガソリン粒子フィルタコート層3に捕捉されており、たとえHCがより小さい分子量を有する低沸点HCであったとしても、ガソリン粒子フィルタコート層3及び触媒コート層4を容易に通過することができず、通過に時間がかかる。その結果、HCが捕捉されている間に排ガス浄化装置はHCの燃焼温度に到達し、最終的に、捕捉されていたHCは排ガス流出路側表面に形成されている触媒コート層4において浄化されることになる。
本発明において、ガソリン粒子フィルタコート層及び触媒コート層は、従来のコーティング技術により基材表面に形成することができる。例えば、まず、水や増粘材等の溶媒と、重量比を調節したMFI及びFAUとを混合して、ガソリン粒子フィルタコート層用スラリーを調製する。次に、水や増粘材等の溶媒と、触媒金属を担持している複合酸化物及び/又は酸化物とを混合して触媒コート層用スラリーを調製する。ここで、各スラリーの調製において、調製順序、原料の混合順序、混合時間、混合温度、混合方法、粉砕の有無等の条件は限定されず、溶媒中、原料が均一に混ざり合うように混合する。その後、フィルタ基材にガソリン粒子フィルタコート層用スラリーから被覆する場合は、排ガス流出路側をマスキングして、マスキングされていない部分、すなわち排ガス流入路側をガソリン粒子フィルタコート層用スラリーによりウォッシュコートで被覆する。余分なスラリーを吹き払った後、マスキングされていた部分を外し、ガソリン粒子フィルタコート層用スラリーが被覆された部分をマスキングして、マスキングを外した部分、すなわち排ガス流出路側を触媒コート層用スラリーによりウォッシュコートで被覆する。触媒コート層用スラリーから被覆する場合は、上記工程を逆にすればよい。その後、例えば、大気中、250℃で5時間乾燥して溶媒を除去し、ガソリン粒子フィルタコート層及び触媒コート層を形成することができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
1.排ガス浄化装置の調製
比較例1 ガソリン粒子フィルタコート層(ゼオライト)を含まない排ガス浄化装置
(1)水中に、触媒金属(白金(Pt)及びロジウム(Rh))を担持している金属酸化物の混合物(セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物と、γ−アルミナ(Al)の混合物)を添加し、触媒コート層用スラリーを調製した。
(2)排ガス流入路側をマスキングしたハニカム構造のウォールフロータイプの基材に、(1)で調製した触媒コート層用スラリーをウォッシュコートして、排ガス流出路側に触媒コート層用スラリーを被覆した。
(3)(2)で調製した基材を、大気中、250℃で5時間乾燥して、排ガス浄化装置を調製した。
比較例1の排ガス浄化装置では、触媒コート層において、セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物は基材1Lあたり60gであり、γ−アルミナ(Al)は基材1Lあたり10gであり、白金は基材1Lあたり3gであり、ロジウムは基材1Lあたり0.3gであった。
比較例2 ガソリン粒子フィルタコート層がFERとMFIとFAUを1:1:1の重量比で含むゼオライトの混合物からなる排ガス浄化装置
(1)水中に、触媒金属(白金(Pt)及びロジウム(Rh))を担持している金属酸化物の混合物(セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物と、γ−アルミナ(Al)の混合物)を添加し、撹拌混合して触媒コート層用スラリーを調製した。
(2)水中に、FERとMFIとFAUを1:1:1の重量比で添加し、撹拌混合してガソリン粒子フィルタコート層用スラリーを調製した。ここで、FERとは、国際ゼオライト学会により与えられているゼオライトの構造コードを示し、約4Åの細孔径を有し、例えばフェリエライトなどがある。
(3)排ガス流入路側をマスキングしたハニカム構造のウォールフロータイプの基材に、(1)で調製した触媒コート層用スラリーをウォッシュコートして、排ガス流出路側に触媒コート層用スラリーを被覆した。
(4)余分なスラリーを吹き払った後、(3)で調製した基材からマスキングを外し、排ガス流出路側をマスキングして、(2)で調製したガソリン粒子フィルタコート層用スラリーをウォッシュコートして、排ガス流入路側にガソリン粒子フィルタコート層用スラリーを被覆した。
(5)(4)で調製した基材を、大気中、250℃で5時間乾燥して、排ガス浄化装置を調製した。
比較例2の排ガス浄化装置では、ガソリン粒子フィルタコート層において、FERとMFIとFAUからなるゼオライトの混合物は基材1Lあたり70gであり、触媒コート層において、セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物は基材1Lあたり60gであり、γ−アルミナ(Al)は基材1Lあたり10gであり、白金は基材1Lあたり3gであり、ロジウムは基材1Lあたり0.3gであった。
比較例3 ガソリン粒子フィルタコート層がFERとMFIとFAUを0.5:1:1の重量比で含むゼオライトの混合物からなる排ガス浄化装置
比較例2の(2)において、FERとMFIとFAUの重量比を0.5:1:1にした以外は、比較例2と同様にして排ガス浄化装置を調製した。
比較例3の排ガス浄化装置では、ガソリン粒子フィルタコート層において、FERとMFIとFAUからなるゼオライトの混合物は基材1Lあたり70gであり、触媒コート層において、セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物は基材1Lあたり60gであり、γ−アルミナ(Al)は基材1Lあたり10gであり、白金は基材1Lあたり3gであり、ロジウムは基材1Lあたり0.3gであった。
比較例4 ガソリン粒子フィルタコート層がMFIとFAUを2:1の重量比で含むゼオライトの混合物からなる排ガス浄化装置
比較例2の(2)において、FERを使用せず、MFIとFAUの重量比を2:1にした以外は、比較例2と同様にして排ガス浄化装置を調製した。
比較例4の排ガス浄化装置では、ガソリン粒子フィルタコート層において、MFIとFAUからなるゼオライトの混合物は基材1Lあたり70gであり、触媒コート層において、セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物は基材1Lあたり60gであり、γ−アルミナ(Al)は基材1Lあたり10gであり、白金は基材1Lあたり3gであり、ロジウムは基材1Lあたり0.3gであった。
比較例5 ガソリン粒子フィルタコート層がMFIとFAUを1:3の重量比で含むゼオライトの混合物からなる排ガス浄化装置
比較例2の(2)において、FERを使用せず、MFIとFAUの重量比を1:3にした以外は、比較例2と同様にして排ガス浄化装置を調製した。
比較例5の排ガス浄化装置では、ガソリン粒子フィルタコート層において、MFIとFAUからなるゼオライトの混合物は基材1Lあたり70gであり、触媒コート層において、セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物は基材1Lあたり60gであり、γ−アルミナ(Al)は基材1Lあたり10gであり、白金は基材1Lあたり3gであり、ロジウムは基材1Lあたり0.3gであった。
比較例6 ガソリン粒子フィルタコート層がMFIとFAUを1:1の重量比で含むゼオライトの混合物と、触媒金属とからなる排ガス浄化装置
(1)水中に、触媒金属(白金(Pt)及びロジウム(Rh))を担持している金属酸化物の混合物(セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物と、γ−アルミナ(Al)の混合物)を添加し、撹拌混合して触媒コート層用スラリーを調製した。
(2)水中に、MFIとFAUを1:1の重量比で添加し、さらに触媒金属(白金(Pt)及びロジウム(Rh))を担持している金属酸化物の混合物(セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物と、γ−アルミナ(Al)の混合物)を添加し、撹拌混合してガソリン粒子フィルタコート層用スラリーを調製した。
(3)排ガス流入路側をマスキングしたハニカム構造のウォールフロータイプの基材に、(1)で調製した触媒コート層用スラリーをウォッシュコートして、排ガス流出路側に触媒コート層用スラリーを被覆した。
(4)余分なスラリーを吹き払った後、(3)で調製した基材からマスキングを外し、排ガス流出路側をマスキングして、(2)で調製したガソリン粒子フィルタコート層用スラリーをウォッシュコートして、排ガス流入路側にガソリン粒子フィルタコート層用スラリーを被覆した。
(5)(4)で調製した基材を、大気中、250℃で5時間乾燥して、排ガス浄化装置を調製した。
比較例6の排ガス浄化装置では、ガソリン粒子フィルタコート層において、MFIとFAUからなるゼオライトの混合物は基材1Lあたり56gであり、セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物は基材1Lあたり12gであり、γ−アルミナ(Al)は基材1Lあたり2gであり、白金は基材1Lあたり0.6gであり、ロジウムは基材1Lあたり0.06gであり、触媒コート層において、セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物は基材1Lあたり60gであり、γ−アルミナ(Al)は基材1Lあたり10gであり、白金は基材1Lあたり2.4gであり、ロジウムは基材1Lあたり0.24gであった。
実施例1 ガソリン粒子フィルタコート層がMFIとFAUを1:1の重量比で含むゼオライトの混合物からなる排ガス浄化装置
比較例2の(2)において、FERを使用せず、MFIとFAUの重量比を1:1にした以外は、比較例2と同様にして排ガス浄化装置を調製した。
実施例1の排ガス浄化装置では、ガソリン粒子フィルタコート層において、MFIとFAUからなるゼオライトの混合物は基材1Lあたり70gであり、触媒コート層において、セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物は基材1Lあたり60gであり、γ−アルミナ(Al)は基材1Lあたり10gであり、白金は基材1Lあたり3gであり、ロジウムは基材1Lあたり0.3gであった。
図2に、実施例1の排ガス浄化装置の断面写真を示す。
図2において、白く見える部分がゼオライトからなるガソリン粒子フィルタコート層であり、灰色部分が触媒コート層である。
実施例2 ガソリン粒子フィルタコート層がMFIとFAUを1:2の重量比で含むゼオライトの混合物からなる排ガス浄化装置
比較例2の(2)において、FERを使用せず、MFIとFAUの重量比を1:2にした以外は、比較例2と同様にして排ガス浄化装置を調製した。
実施例2の排ガス浄化装置では、ガソリン粒子フィルタコート層において、MFIとFAUからなるゼオライトの混合物は基材1Lあたり70gであり、触媒コート層において、セリア(CeO)とジルコニア(ZrO)を1:1の重量比で含む複合酸化物は基材1Lあたり60gであり、γ−アルミナ(Al)は基材1Lあたり10gであり、白金は基材1Lあたり3gであり、ロジウムは基材1Lあたり0.3gであった。
比較例2〜6及び実施例1〜2の排ガス浄化装置では、ガソリン粒子フィルタコート層及び触媒コート層の合計コーティング量は、基材1Lあたり約140gである。排ガス浄化装置の圧力損失を考えた場合、合計量がこれ以上大きくなるのは好ましくない。
2.評価
比較例1〜6及び実施例1〜2の排ガス浄化装置について、エンジンベンチにおける、LA4モードでのガソリン直噴エンジン始動時のHC放出量を測定した。
結果を表1及び図3に示す。
Figure 2017148685
表1及び図3からわかるように、ガソリン直噴エンジンから排出される排ガスを排ガス浄化装置に通した場合、ガソリン粒子フィルタコート層をMFIとFAUからなるゼオライトの混合物から構成し、さらに、MFIとFAUの混合比を重量比で1:1〜1:2にした実施例1及び2の排ガス浄化装置では、ガソリン粒子フィルタコート層を含まない比較例1、ゼオライトの混合物にさらにFERを混合した比較例2及び3、MFIとFAUの混合比を実施例1及び2の比から変更した比較例4及び5、並びにガソリン粒子フィルタコート層が金属触媒をさらに含む比較例6の排ガス浄化装置と比較して、ガソリン直噴エンジン始動直後のHC放出量が低減されている。
通常、ガソリンから排出される各種分子量のHCをすべて捕捉する為には、複数種のゼオライトを使用する事が好ましいとされ、例えばFER、MFI、及びFAUを混合することによって、炭素数が2〜11個までのHCを吸着可能である事が知られていた。
しかしながら実施例1及び2と比較例1〜5との比較により、ガソリン直噴エンジンから排出される排ガスに対しては、ガソリン粒子フィルタを備える排ガス浄化装置のガソリン粒子フィルタコート層において、3種類のゼオライトの混合物を使用するよりも、特定の2種類のゼオライトを特定の比率で含む混合物を使用するほうが、HCを効率よく捕捉することができることが判明した。
また、実施例1及び2と比較例6との比較により、ガソリン粒子フィルタコート層にさらに金属触媒を加えた場合、金属触媒を加えたことにより(排ガス浄化装置のコーティング量の限界を考慮して)低減したゼオライト分によって、HCを効率的に捕捉することができなくなることが分かった。
以上より、ガソリン粒子フィルタを備えるガソリン直噴エンジン用の排ガス浄化装置では、ガソリン直噴エンジンから排出される様々な分子量のHCを効率よく捕捉するために、排ガス浄化装置のコーティング量の限界を考慮しつつ、さらに、排ガスに含まれる捕捉すべきHCの分子量から、使用するゼオライトの細孔径の大きさ及びその混合比のバランスについて考慮する必要がある。
1 隔壁、2 目封止材、3 ガソリン粒子フィルタコート層、4 触媒コート層、5 排ガスの流れ方向

Claims (1)

  1. ガソリン粒子フィルタを備えるガソリン直噴エンジン用の排ガス浄化装置であって、
    フィルタ基材と、
    前記フィルタ基材の排ガス流入側表面に形成されている、2種のゼオライトからなる混合物を含むガソリン粒子フィルタコート層と、
    前記フィルタ基材の排ガス流出側表面に形成されている、触媒金属を含む触媒コート層と
    を含み、
    前記2種のゼオライトからなる混合物が、MFI及びFAUをMFI:FAU=1:1〜1:2の重量比で含む、
    前記排ガス浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113710351A (zh) * 2019-04-22 2021-11-26 巴斯夫公司 催化汽油微粒过滤器

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