JP2017147322A - 赤外線検出素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い受光感度と、優れた量子ドットの量子効率とを両立した赤外線検出素子を提供する。【解決手段】本発明による赤外線検出素子は、複数の量子ドット43を有する量子ドット層42を含む光吸収層を有している。複数の量子ドット43はそれぞれ、第1の半導体材料から成るナノドット431と、第1の半導体材料を構成する元素を含む第2の半導体材料から成り、ナノドット431底部の周囲に2分子層以上の厚さで沿層方向に延在する裾部432とから成るナノ構造体の形態を呈している。【選択図】図2

Description

本発明は、赤外線検出素子、特に、光吸収層に量子ドットを含む赤外線検出素子に関する。
熱源の検知や温度測定、特定のガス検知、また暗視用カメラのセンサなどを目的として、赤外線検出器およびそれを利用した赤外領域における光検出の技術が近年注目を集めている。赤外線検出器を構成する赤外線検出素子としては、用途に応じて、単一の素子、あるいは、複数の素子を1次元や2次元アレイ状に配列したもので構成される。
この種の赤外線検出素子の1つとして、光吸収層に量子ドットを含む量子ドット赤外線検出素子(Quantum Dot Infrared Photodetector:QDIP)がある。この素子は量子ドットの周囲が、量子ドットを構成する材料よりも大きなバンドギャップをもつ半導体で3次元的に埋め込まれた構造であり、量子ドット内部の電子および正孔はその強い閉じ込め効果により離散的なエネルギー準位を持つ。それらの準位のうち、伝導帯に存在する複数の電子のサブバンド準位を利用し、サブバンド間のエネルギー差に相当するエネルギーを持つ赤外線を検知するのがQDIPである。
図1に、QDIPを有する赤外線検出器の基本的な構造例を示す。図1を参照すると、赤外線検出器200は、QDIPである赤外線検出素子100と、赤外線検出素子100に適切な電圧を印加する電圧源601と、入射赤外線IRを吸収することで赤外線検出素子100に生じる電気伝導度の変化を検出する電流計602とを有している。
QDIPはその特性上、一般的に波長に対して離散的な吸収ピークおよび検出感度を持つ。熱検知においては温度に依存したスペクトルの特定を目的として、またガス検知においてはガスの物質に依存した特定のスペクトルを抽出するため、QDIPには目的に即した検知を行うため、複数の波長での大きな吸収ピーク、すなわち多波長での波長選択性が求められる。
QDIPは光照射に伴う電気伝導度の変化を検出する光伝導型の赤外線検出素子であり、波長λにおける受光感度Rは、次の式1のように現される。
Figure 2017147322
ここでηは量子効率、gは光伝導利得、hはプランク定数、eは素電荷、cは光速である。QDIPにおいて所望の波長に対して高感度な素子を実現するためには、特定波長における量子効率を向上させると共に、高い光伝導利得をもった構造が必要となる。
QDIPを用いて検出波長の制御を行う技術が、例えば非特許文献1に開示されている。非特許文献1によれば、QDIPの構成要素の1つである量子ドットが量子井戸内に存在するDot−in−Well(DWELL)構造を採用し、量子井戸の厚さを変化させることで検知波長を変化させている。
また、特許文献1には、光吸収層である量子ドットを形成し、半導体層で埋め込んだ後、熱処理により量子ドットを全周囲方向へ拡散させ、周囲の半導体層との中間組成を有する中間層を形成した赤外線検出素子が開示されている。特許文献1の技術においては、疑似的に量子ドットの全周囲に薄い量子井戸層を形成し、非特許文献1と同様の効果を持たせている。
特開2012−109420号公報
S. Krishnaほか、APPLIED PHYSICS LETTERS 第83巻、14号、2745〜2747頁(2003年発行)
非特許文献1に開示されているQDIPでは、量子ドットの周辺に量子井戸構造を製造し、量子井戸の厚さを変化させることでの検知波長の制御が可能なことが確認されている。しかし、光照射によって量子ドットおよび量子井戸の束縛状態から伝導帯連続状態へと抜け出た電子が、量子ドットが形成されている領域以外の量子井戸層で再び捕獲されて電子の寿命が短くなることにより、光伝導利得が低下し、結果として受光感度が上がらないといった問題がある。
また、特許文献1に開示された赤外線検出素子の構造によれば、疑似的に量子ドットの周辺のみに量子井戸層が形成されていることにより、受光感度の向上が期待できる。しかし、疑似的な量子井戸層が全方位方向へほぼ均一に形成されているため、量子井戸層が無い場合に比べて面内方向の量子ドット全体の量子効率が低下してしまうという問題がある。
それ故、本発明の目的は、高い受光感度と、優れた量子ドットの量子効率とを両立した赤外線検出素子を提供することである。
本発明の一実施態様によれば、複数の量子ドットを有する量子ドット層を含む光吸収層を有し、前記複数の量子ドットはそれぞれ、第1の半導体材料から成るナノドットと、前記第1の半導体材料を構成する元素を含む第2の半導体材料から成り、前記ナノドット底部の周囲に2分子層以上の厚さで沿層方向に延在する裾部とから成るナノ構造体の形態を呈し、前記量子ドット層の量子閉じ込めによって形成される基底準位と励起準位のエネルギー差に相当する検出波長の赤外線を検出することを特徴とする赤外線検出素子が得られる。
本発明の他の実施態様によれば、前記赤外線検出素子の製造方法であって、半導体基板上に前記第1の半導体材料から成る複数の前記ナノドットを第1の基板温度で形成する工程と、各前記ナノドット上に第3の半導体材料を厚さ4分子層以下になるように第2の基板温度で供給し、直ちに該第2の基板温度よりも低い第3の基板温度まで降下させることにより、前記第1の半導体材料と前記第3の半導体材料の構成元素の混合体である前記第2の半導体材料から成る前記裾部を形成する工程とを有することを特徴とする赤外線検出素子の製造方法が得られる。
本発明によれば、高い受光感度と、優れた量子ドットの量子効率とを両立した赤外線検出素子が得られる。
本発明の実施形態による赤外線検出器をも含む、赤外線検出器の基本的な構造例を示す模式図である。 本発明の実施形態1による赤外線検出素子における量子ドット層を示す模式図であり、(a)は断面図、(b)は透視的に示した上面図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態1による赤外線検出素子の製造方法、特に、量子ドット層の製造方法を説明するための図である。 本発明の実施形態による赤外線検出素子の製造装置である分子線エピタキシャル(MBE)装置の概略図である。 本発明の実施形態による赤外線検出素子の動作原理を説明するための概念図である。 本発明の実施形態による赤外線検出素子の動作原理を説明するための概念図である。 本発明の実施形態2による赤外線検出素子における量子ドット層を示す模式図であり、(a)はx方向に沿った断面図、(b)は透視的に示した上面図、(c)はy方向に沿った断面図である。 (a)は本発明の実施形態2による赤外線検出素子における量子ドット層の原子力間顕微鏡による表面画像であり、(b)は(a)に示された量子ドットの長手方向に対応した模式的な断面図である。 本発明の実施形態による赤外線検出素子の動作原理を説明するための概念図である。 本発明の実施形態3による赤外線検出素子の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の実施形態3による赤外線検出素子の製造方法を説明するための模式図である。
本発明による赤外線検出素子は、量子ドットを含む少なくとも一層の量子ドット層を有する光吸収層を有し、量子ドット層の量子閉じ込めによって形成される基底準位と励起準位のエネルギー差に相当する検出波長の赤外線を検出する赤外線検出素子である。
特に、本発明において、量子ドットは、第1の半導体材料から成るナノドットと、第1の半導体材料を構成する元素を含む第2の半導体材料から成り、ナノドット底部の周囲に2分子層以上の厚さで沿層方向に延在する裾部とから成るナノ構造体の形態を呈している。
尚、裾部の厚さは、単なる表面荒れとは異なる有意な厚さとしての2分子層以上である一方、裾部がナノドットの全表面を覆うことがないようにナノドットの高さ未満の厚さであることが好ましい。
上記の特徴的な構成により、面内方向の量子効率の低下を伴うこと無しに、赤外線検出素子の受光感度向上を図ることができる。さらに、本発明による赤外線検出素子は、受光感度の向上に加え、量子ドットの量子効率を低下させることなく、かつ、波長制御が可能である。
即ち、本発明による赤外線検出素子は、高い受光感度と、優れた量子ドットの量子効率とを両立し得る。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。
[実施形態1]
[構成]
QDIPを有する赤外線検出器の基本的な構造を示す図1を参照すると、本実施形態による赤外線検出器200は、赤外線検出素子100と、下部電極7と、上部電極8と、電圧源601と、電流計602とを有している。
赤外線検出器200は、上部電極8と下部電極7との間に電圧源601を用いて適切な電圧を印加し、後述する光吸収層4が入射赤外線IRを吸収することで生じる電気伝導度の変化を電流計602によって検出する。
赤外線検出素子100は、例えば半絶縁性GaAsから成る半導体基板1と、半導体基板1と同じ半導体材料から成る緩衝層2と、例えばn型ドープされたGaAsから成る下部コンタクト層3と、光吸収層4と、上部コンタクト層5とを有している。
光吸収層4は、ノンドープのGaAsから成るi型の中間層41Aと、量子ドット層42とが交互に複数積層されて成る。このように、光吸収層4が、複数の積層された量子ドット層42を有することにより、入射赤外線IRの吸収効率が向上される。
図2(a)および(b)をも参照すると、各量子ドット層42は、中間層41A上に複数形成された量子ドット43と、中間層41Aと同じ組成の半導体薄膜層41Bとを有している。
量子ドット43は、第1の半導体材料から成るナノドット431と、ナノドット底部の周囲に沿層方向に延在し、第1の半導体材料を構成する元素を含む第2の半導体材料から成る2分子層以上の厚さを有する裾部432とから成るナノ構造体の形態を呈している。
裾部432は、ナノドット431を中心とする円板形状を呈している。
また、裾部432は、ナノドット431の下方の周囲にのみ形成されている。尚、裾部432の厚さは、ナノドット431の高さ未満であることが好ましい。これは、裾部がナノドットの高さを超えて形成されていると、入射赤外線IRの吸収効率が低下するからである。
量子ドット43を構成する第1の半導体材料および第2の半導体材料は、半導体材料であり、特に本発明のごとく光半導体素子へ適用する場合は一般的に化合物半導体である。化合物半導体である第1の半導体材料および第2の半導体材料の組み合わせとしては、例えば、InAsおよびInGaAs、InGaAsおよびInGaAs、InAsおよびGaInAsP、InPおよびGaInP、GaAsおよびInGaAs等が挙げられる。これらの組み合わせにおいて、第1の半導体材料の構成元素は必ず第2の半導体材料の構成元素に含まれる。
[製造方法]
以下、本実施形態による赤外線検出素子の製造方法、特に、図2(a)および(b)に示された量子ドット層42における量子ドット43の形成方法を中心に説明する。
本製造方法では、図4に示される分子線エピタキシャル(MBE)装置300を用いる。図4を参照すると、半導体基板1として、面方位が(001)面の半絶縁性GaAs基板を用意し、この基板を真空チャンバ310内の基板ホルダ320に装着する。基板ホルダ320は、図示しないヒータを介して半導体基板1を高温にすることができると共に、供給される材料が基板上で均一になるように、半導体基板1を回転方向r320に回転可能な回転機構が付与されている。以下、特に記載の無い場合には基板回転を行う。
また、本例では、第1材料供給器331からはIII族材料であるInが第1の半導体材料の一部として、第2材料供給器332からはIII族材料であるGaが第3の半導体材料の一部として、第3材料供給器333からはV族材料であるAsが第1の半導体材料の残部、ならびに、第3の半導体材料の残部として、それぞれ供給される。尚、これら3つの供給器から、本発明の量子ドットにおける裾部の材料である第2の半導体材料自体が供給されるわけではない。
さて、GaAsから成る半導体基板1(図1)の温度を第3材料供給器333(図4)からV族材料であるAsを照射しながら、620℃まで一時的に上昇させることによって半導体基板1上に形成された自然酸化膜を除去する処理を行った後、580℃程度に基板温度を設定して厚さ500nmの緩衝層2(図1)を積層する。緩衝層2は、半導体基板1と同じGaAsから構成される。
引き続き、厚さが500nmでSi原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsで構成されるn型の下部コンタクト層3(図1)を積層する。
次に、光吸収層4(図1)を形成する。
まず、下部コンタクト層3上に、厚さ50nmのGaAsで構成されるi型のGaAsから成る中間層41A(図1)を積層する。
次に、量子ドット層42(図1、図2)の形成方法を、図3(a)〜図3(d)を参照して説明する。
量子ドット層42中に含まれる量子ドット43は、中間層41A上に、第1の半導体材料から成る複数のナノドット431を第1の基板温度で形成する工程と、ナノドット431上に第3の半導体材料である半導体材料を厚さ4分子層以下になるように第2の基板温度で供給し、直ちに第2の基板温度より低い第3の基板温度まで降下させる工程により、第1の半導体材料と第3の半導体材料の構成元素の混合体から成る第2の半導体材料から成る裾部432を形成する工程により製造される。
即ち、中間層41A(図1)の形成後、基板温度を490℃程度まで低下させ、第3材料供給器333からAsを照射しながら、第1材料供給器331(図4)からInを厚さが2分子層程度となるように供給し、第1の半導体材料としてのInAsから成るナノドット431を形成する。この時、本来は供給されたInAsは、中間層41A上に2次元的に堆積するはずであるが、InAsとGaAs(中間層41A)との格子定数の大きな違いから発生する歪みにより、InAsは、2次元薄膜ではなく3次元島構造に成長する。その結果、図3(a)に示されるように、ナノドット431が平面的上に並んで形成される。この成長様式は、SK(Stranski-Krastanov)モードと呼ばれる。ナノドットの典型的な直径は30〜40nm、高さ10nm程度であり、1平方センチメートルあたりの数密度は1×10程度である。
ナノドット431を成長させ、同じ成長温度で60秒間待機した後、材料格納部の温度を340℃に保持する一方、材料放出部の温度が900℃に保持された第3材料供給器333からクラッキングされたAsを供給することによって得られるAs雰囲気下で、第2材料供給器332(図4)から厚さ1分子層相当分量のGaを供給することにより、図3(b)に示されるように1分子層分の第3の半導体材料としてのGaAsを1分子層分だけ供給した後、直ちに連続して基板温度を毎分50℃の速度で50℃程度下げる。この工程により、図3(c)に示されるように、ナノドット431の平均高さは5〜7nm程度まで減少する一方、ナノドット431底部周辺のみに、厚さ1nm程度、幅数10nm程度の第2の半導体材料としてのInGaAsから成る、ナノドット431を中心とした円板形状を呈する裾部432が形成される。
裾部432の第2の半導体材料(InGaAs)は、ナノドット431の頭頂部の第1の半導体材料(InAs)と、供給された第3の半導体材料(GaAs)とが混ざり合い、ナノドット431の底部の周辺部のみに拡散したものである。つまり、第2の半導体材料は、第1の半導体材料と第3の半導体材料とが混合した結果により生成されており、第1の半導体材料の構成元素は必ず第2の半導体材料の構成元素に含まれる。
通常、混ざり合った混合物はナノドット431周辺部に留まることなく表面全体に一様に拡散し、裾部を形成することは無いが、本発明の場合は、ナノドット431に第3の半導体材料(GaAs)を厚さ4分子層以下になるように第2の基板温度で供給した後、直ちに第2の基板温度よりも低い第3の基板温度まで降下させる工程を行うため、混合物の表面拡散がナノドット431周辺のみに留まり、厚さ2分子層以上の有意な厚さを有する裾部432として形成される。本例において、降下させる温度は50℃程度、降下速度は50℃/分としたが、これらの値に限られるものではない。
裾部432の形状、厚さ、幅寸法および組成の少なくとも一つは、第3の半導体材料の供給時の成長基板温度(第2の基板温度)、第3の半導体材料の供給量、第3の半導体材料供給時の雰囲気ならびに第2の基板温度から第3の基板温度まで降下させる速度のうちの少なくとも一つの条件の設定によって制御可能である。尚、裾部の平面形状の制御については実施形態2において、裾部の厚さの制御については実施形態3において、後述する。
尚、ナノドット300がInGaAsで、かつ、裾部432も同じInGaAsからなる場合、一般的に、裾部432のIn組成比率は、ナノドット431よりも少ない。
続いて、上記工程により製造した量子ドット43上に、中間層41Aと同じGaAsから成る半導体薄膜41Bを成長させることにより、図3(d)に示されるように、量子ドット43がGaAsに埋め込まれた量子ドット層42を形成する。
そしてさらに光の吸収効率を上げるため、上記手順を例えば10回以上繰り返すことにより、中間層41Aと、ナノドット431、裾部432および半導体薄膜41Bから成る量子ドット層42とを交互に積層させ、高効率の光吸収層4(図1)を形成する。
次に、光吸収層4(図1)上に、厚さが200nmでSi原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsで構成されるn型の上部コンタクト層5(図1)を積層し、本実施形態による赤外線検出素子100(図1)を完成させる。
以上説明した赤外線検出素子の製造方法においては、量子ドットを含む光吸収層やそれらの周辺構造をMBE法によって形成しているが、この方法に限定されるものではない。例えば、これらの構造を、有機金属気相成長法(MOVPE法)等の他の結晶成長法を用いてもよい。また、中間層、ナノドット、裾部等の材料組成は、上述したものには限定されない。
さらに、これらの半導体層を積層したウエハは、フォトリソグラフィー、エッチング、リフトオフ法等の通常の半導体プロセス手法を経ることにより、図1に示されるような赤外線検出器200が製造される。
[動作原理]
次に、図5、図6を参照して、本実施形態の赤外線検出素子の動作原理を説明する。
図5に、赤外線検出素子における光吸収層4の電子のエネルギーバンド構造を示す。図5における左右方向が図1での上下方向に対応し、図5の左側が下部コンタクト層3側、右側が上部コンタクト層5側を表している。尚、図5は、電圧源601(図1)からの負バイアス印加時の一例を示す図である。
図5に示されるように、量子力学に基づけば、量子ドット層における量子ドット(ナノドット431)に束縛された電子eは、離散的なエネルギー準位しかとることができない。しかし、(基底準位)と(励起準位)のエネルギー差に等しいエネルギーを持った入射赤外線IRを基底状態の電子eが吸収すると、電子eは、(励起準位)に遷移する。この(励起準位)に遷移した電子eが(伝導帯連続状態)に抜け出し、それに伴う電流値の変化を電流計602(図1)によって検出することで、赤外線検出素子として動作する。
(基底準位)および(励起準位)のエネルギー差は、ナノドット431およびその周辺の構造の形状、歪み、組成等によって変化する。この効果は、ナノドット431の底部周辺のみに疑似的な量子井戸層領域を有する本発明の赤外線検出素子においても発揮する。つまり、DWELL型の構造と同様に、本発明における裾部432の厚さ、形状、組成を変化させることにより、(基底準位)と(励起準位)とのエネルギー差が変化する。例えば、裾部432の厚さを厚くすれば、実効的な量子閉じ込めポテンシャルが深くなることにより、(励起準位)のエネルギーが低下する。その結果、(基底準位)と(励起準位)とのエネルギー差が低下し、検知波長が長波長化する。このようにして、本発明による赤外線検出素子においては、検出波長の制御が可能となる。
図6は、本発明にかかる赤外線検出素子内部の電子運動の概念図である。iを自然数として、光吸収によりi番目(iは、自然数)の量子ドット層42−iの量子ドット43から伝導帯連続状態へと抜け出した電子eは、電圧源601によって印加された素子内部の電界により加速され、i+1番目の量子ドット層42−(i+1)に到達する。電圧源601は、上部電極8および下部電極7を通して上部コンタクト層5と下部コンタクト層3とに接続されている。連続状態の電子eは、ある確率で素子内の量子ドットや量子井戸に再び捕獲される。このような電子が連続状態に飛び出し、再び捕獲されるまでの時間を寿命τとし、キャリアの走行時間をτとすると、素子の光伝導利得gは、次の式2のように書ける。
Figure 2017147322
キャリア走行時間τは、バイアス電圧をV、素子の電極間、またはコンタクト層間距離をL、素子内部の電子の移動度をμとして次の式3のように記される。
Figure 2017147322
よって光伝導利得gは、次の式4となり、キャリア寿命が長く移動度の高い素子が大きな光伝導利得を持つ。
Figure 2017147322
QDIPにおいて、寿命τは量子井戸および量子ドットによる散乱確率に反比例するが、この散乱確率は近似的には赤外線素子の断面積と量子ドットおよびナノ構造体との面積の比σに比例する。したがって、この面積の比率σが小さいほど寿命τは長くなり、検出素子の高感度化に望ましい。
素子の断面積をA、量子ドットの面内個数密度をn、ナノ構造体の直径をdNSとすると、素子の断面積と量子ドットおよびナノ構造体との面積比σは量子ドット層1層あたり、次の式5のようになる。
Figure 2017147322
数密度n=3x10/cm 、dNS=60nmとするとσ〜0.14となる。一方、従来型のDWELL構造において同様の計算を行うと、素子断面積=量子井戸の面積のため、dNS=√(4A/π)であり、σ〜1となる。したがって、本発明の構造においては、伝導帯連続状態へと抜け出した電子の寿命をτが長くなる。また、移動度に関しても上で述べた散乱確率が小さい場合に大きくなるため、結果としてDWELL構造よりも本発明の赤外線検出素子が大きな光伝導利得を持つ。この効果は、量子ドットの底部周辺のみに疑似的な量子井戸層領域を有する本発明の赤外線検出素子においても発揮する。
ナノ構造体201の直径dNSは、隣接する他のナノ構造体と結合しない長さであることが望ましい。即ち、N個の点が面積Aの平面上にランダムに分布しているときの平均最近隣距離Wは、次の式6となる。
Figure 2017147322
ここで、素子の断面積をA、量子ドットの面内個数密度をn=N/Aとして、W〜1/2√nであり、ナノ構造体201の直径dNSは、次の式7のとおりであることが、望ましい。
Figure 2017147322
本発明による量子ドット43(図2(a)および(b))は、面内に複数個形成することにより、光半導体素子における光吸収媒体、もしくは、発光媒体としての機能を発現する。その際、本発明による効果を最大限に利用するためには、それぞれの量子ドット43の裾部432(図2(a)および(b))が平面内で接触せず、独立して存在している方が好ましい。これは、裾部432が大きくなり過ぎると裾部432同士が結合してしまうことと、裾部432の占有面積が大きくなり過ぎるとDWELL構造と比較した場合の受光感度上昇効果の差があまりなくなってくることとに起因している。
以上説明したように、ナノ構造体の形態を呈する量子ドットを有する本発明による赤外線検出素子は、ナノドット底部の周辺部のみに疑似的な量子井戸層領域を形成することにより、光照射により量子ドットおよび量子井戸の束縛状態から伝導帯連続状態へと抜け出た電子が、量子ドットが形成されている領域以外の量子井戸層で再び捕獲されて電子の寿命が短くなることがないため、光伝導利得が低下を引き起こすことが無く、高い光伝導利得を持つことから、赤外線検出素子の受光感度を向上させる効果がある。
また、本発明に記載のナノ構造体は、特許文献1に開示された技術のごとく疑似的な量子井戸層が全方位方向に形成されてはおらず、ナノドットの底部のみに伸延した裾部を有する局所的な量子井戸構造であるため、量子井戸層が全方位方向で取り囲んでいる場合に比べて量子ドットの量子効率低下を防ぐことができる。さらに、このナノ構造体を呈する量子ドットの裾部の局所的な疑似的量子井戸層の効果により、赤外線検出器の吸収波長制御や偏光特性制御が、裾部の形状や組成を制御することにより可能である。
つまり、赤外線検出素子の光吸収体として本発明によるナノ構造体を呈する量子ドットを有することにより、面内方向の量子効率の低下を伴うこと無しに、赤外線検出素子の受光感度向上を行うことが可能であり、さらには、受光感度を向上させたうえで量子ドットの量子効率を低下させることなく、かつ、波長制御が可能な赤外線検出素子を提供することが可能となる。
[実施形態2]
本発明の実施形態2の赤外線検出素子は、量子ドットにおける裾部の平面形状が実施形態1と異なっている。このため、実施形態1と同一または同様の部分については、実施形態1の説明および図面を援用することとし、詳細な説明は省略する。
[構成]
図1を参照すると、本実施形態による赤外線検出器200’は、実施形態1と同様に、赤外線検出素子100’と、下部電極7と、上部電極8と、電圧源601と、電流計602とを有している。赤外線検出器200’は、上部電極8と下部電極7との間に電圧源601を用いて適切な電圧を印加し、後述する光吸収層4’が入射赤外線IRを吸収することで生じる電気伝導度の変化を電流計602によって検出する。
赤外線検出素子100’は、例えば半絶縁性GaAsから成る半導体基板1と、半導体基板1と同じ半導体材料から成る緩衝層2と、例えばn型ドープされたGaAsから成る下部コンタクト層3と、光吸収層4’と、上部コンタクト層5とを有している。
光吸収層4’は、ノンドープのGaAsから成るi型の中間層41Aと、量子ドット層42’(図1中、42と表記)とが交互に複数積層されて成る。このように、光吸収層4’が、複数の積層された量子ドット層42’を有することにより、入射赤外線IRの吸収効率が向上される。
図7(a)〜(c)をも参照すると、各量子ドット層42’は、中間層41A上に複数形成された量子ドット43’と、中間層41Aと同じ組成の半導体薄膜層41Bとを有している。
量子ドット43’は、第1の半導体材料から成るナノドット431と、ナノドット底部の周囲に沿層方向に延在し、第1の半導体材料を構成する元素を含む第2の半導体材料から成る2分子層以上の厚さを有する裾部432’とから成るナノ構造体の形態を呈している。
本実施形態では特に、裾部432’は、ナノドット431を中心とする楕円板形状を呈している。
また、裾部432’は、ナノドット431の下方の周囲にのみ形成されている。尚、裾部432’の厚さは、ナノドット431の高さ未満であることが好ましい。これは、裾部がナノドットの高さを超えて形成されていると、入射赤外線IRの吸収効率が低下するからである。
量子ドット43’を構成する第1の半導体材料および第2の半導体材料は、半導体材料であり、特に本発明のごとく光半導体素子へ適用する場合は一般的に化合物半導体である。化合物半導体である第1の半導体材料および第2の半導体材料の組み合わせとしては、例えば、InAsおよびInGaAs、InGaAsおよびInGaAs、InAsおよびGaInAsP、InPおよびGaInP、GaAsおよびInGaAs等が挙げられる。これらの組み合わせにおいて、第1の半導体材料の構成元素は必ず第2の半導体材料の構成元素に含まれる。
図7(a)〜(c)をも参照すると、実施形態2の量子ドット43’はナノドット431、裾部432’、によって構成される。中間層41Aの上にナノドット431、ナノドット431の底部周囲、沿層方向のみに裾部432’が形成されている。ナノドット431底部の裾部432’は、図7(a)に示されるようにx方向とy方向とで非対称な形状を呈し、図7において定義されているx方向とy方向について長さが異なることを特徴とする。
本実施形態による赤外線検出素子においては、楕円板形状の裾部432’を付帯する量子ドット43’(図7(b)および(c)、図8(a)および(b))を用いることにより、楕円板形状の長軸に平行な偏光成分に対して高い感度を持つ赤外線検出器や、偏光に対して異なる分光感度を持ち、偏光による波長選択が可能な赤外線検出器を実現できる。
図9は、本実施形態による赤外線検出素子における量子ドット(ナノドット431および裾部)の電子の量子準位を示した図である。
量子ドットの基底準位および励起状態のエネルギーは量子ドットおよびその周辺の構造の形状によって変化する。本実施形態による赤外線検出素子においては、裾部432’の形状が楕円板形状であるため、図9に示されるように、ナノ構造体のy方向(楕円の長軸方向)の幅の広い量子閉じ込めに基づく(第1の励起準位)と、x方向(楕円の短軸方向)の幅の狭い量子閉じ込めに基づく(第2の励起準位)が形成される。量子閉じ込めの強さの違いに因り、(基底準位)と(第1の励起準位)とのエネルギー差は、(基底準位)と(第2の励起準位)とのエネルギー差と異なる。つまり、本実施形態においては、楕円板形状の裾部を付帯する量子ドットを量子ドット層内に形成することにより、(基底準位)から(第2の励起準位)に遷移するエネルギー差に等しい光のみが吸収され、吸収波長選択性を有する赤外線検出素子を実現できる。
また本実施形態による赤外線検出素子は、量子ドット43’の裾部432’の平面形状のx方向(楕円の短軸方向)とy方向(楕円の長軸方向)における形状の非対称性により、偏光依存性をもつ。即ち、量子ドット43’のy方向に偏光した赤外線が入射した場合、(基底準位)から(第1の励起準位)のエネルギー差に等しい波長の光のみが吸収される。一方、x方向に偏光した赤外線のうち、(基底準位)から(第2の励起準位)に遷移するエネルギー差に等しい光のみが吸収される。即ち、本実施形態による赤外線検出素子は、楕円板形状の裾部432’を付帯する量子ドット43’を有することにより、偏光によって検出波長を選択する機能を有する。
[製造方法]
以下、本実施形態による赤外線検出素子の製造方法、特に、図7(a)〜(c)に示された量子ドット層42’における量子ドット43’の形成方法を中心に説明する。
本製造方法においても、実施形態1と同様に、図4に示される分子線エピタキシャル(MBE)装置300を用いる。
本実施形態による赤外線検出素子の製造方法は、図3(a)に示された、実施形態1の製造方法における複数のナノドット431を形成する工程までは、同じである。
即ち、半導体基板1(図1)上に緩衝層2(図1)および下部コンタクト層3(図1)を形成し、さらに中間層41A(図1)を形成した後、基板温度を490℃程度まで低下させ、第3材料供給器333(図4)からAsを照射しながら、第1材料供給器331(図4)からInを厚さが2分子層程度となるように供給し、第1の半導体材料としてのInAsから成るナノドット431を、図3(a)に援用的に示されるように形成する。この時の成長様式は、SKモードである。ナノドットの典型的な直径は30〜40nm、高さ10nm程度であり、1平方センチメートルあたりの数密度は1×10程度である。
続いて、裾部432’の形成工程が実施されるが、実施形態2における裾部形成工程は、実施形態1と異なる。
裾部432’の形状、厚さ、組成(本実施形態では、裾部の形状)は、第2の半導体材料供給時の成長基板温度、層厚、形成時の雰囲気、第2の基板温度から降下せしめた第3の基板温度、および、第2の基板温度から第3の基板温度まで降下させる速度のうち少なくとも1つの条件を変化させることにより、制御することが可能である。
例えば、形成時の雰囲気によって裾部432’の平面形状は大きく変化する。ここで、ナノドット431(図7(a)〜(c))を構成する第1の半導体材料がInAsであり、中間層41A(図1、図7(a)および(c))、半導体薄膜層41B(図7(a)および(c))等を構成する第3の半導体材料がGaAsである場合、これらの成長は、MBE装置300の第3材料供給器333(図4)から照射されるV族材料であるAsの供給によって真空チャンバ310内に形成されるAs雰囲気下で、InもしくはGaを基板に照射することで実施される。
このAs雰囲気におけるAsの形態に応じて、裾部432’の平面形状を制御することが可能である。As分子線は、通常、固体のAs材料を300℃程度に加熱し、昇華させることによって得ることができるが、この場合には、As原子が4個結合したAsの形態をとる。これに対し、得られたAs分子線をさらに加熱すること(クラッキング)により、As原子が2個結合したAsの形態にすることが可能である。
そして、Asの形態でAsを照射した場合は、実施形態1のごとく平面視で円板状の裾部が形成されるが、Asが分解されないAs4の形態で照射された場合は、本実施形態のごとく平面視で楕円板状の裾部が形成される。尚、中間の設定温度でAsとAsの混合雰囲気下でナノ構造体を形成した場合は、その混合比率に応じて、楕円板状、とりわけ円板に近い形状の裾部が形成される。
Asの形態に応じて裾部の平面形状が異なるメカニズムは、次のとおりである。即ち、As照射条件下とAs照射条件下では、GaもしくはInの半導体成長表面上での拡散係数や表面スッテプ端での取り込み効率が異なるため、裾部の平面形状が異なる。
実施形態2ではクラッキングを行わない。即ち、ナノドット431を成長させ、同じ成長温度で60秒間待機した後、材料格納部および材料放出部の両方の温度、もしくは、材料格納部の温度が340℃に保持された第3材料供給器333からAsを供給することによって得られるAs雰囲気下で、第2材料供給器332(図4)から厚さ1分子層相当分量のGaを供給することにより、1分子層分の第3の半導体材料としてのGaAsを1分子層分だけ供給した後、直ちに連続して基板温度を毎分50℃の速度で50℃程度下げる。この工程により、ナノドット431の平均高さは5〜7nm程度まで減少する一方、ナノドット431底部周辺のみに、厚さ1nm程度、幅数10nm程度の第2の半導体材料としてのInGaAsから成る、ナノドット431を中心とした楕円板形状を呈する裾部432’が形成される。即ち、[−110]方向に細長い形状の量子ドット43’が製造される。
裾部432’の第2の半導体材料(InGaAs)は、ナノドット431の頭頂部の第1の半導体材料(InAs)と、供給された第3の半導体材料(GaAs)とが混ざり合い、ナノドット431の底部の周辺部のみに拡散したものである。つまり、第2の半導体材料は、第1の半導体材料と第3の半導体材料とが混合した結果により生成されており、第1の半導体材料の構成元素は必ず第2の半導体材料の構成元素に含まれる。
通常、混ざり合った混合物はナノドット431周辺部に留まることなく表面全体に一様に拡散し、裾部を形成することは無いが、本発明の場合は、ナノドット431に第3の半導体材料(GaAs)を厚さ4分子層以下になるように第2の基板温度で供給した後、直ちに第2の基板温度よりも低い第3の基板温度まで降下させる工程を行うため、混合物の表面拡散がナノドット431周辺のみに留まり、厚さ2分子層以上の有意な厚さを有する裾部432’として形成される。本例において、降下させる温度は50℃程度、降下速度は50℃/分としたが、これらの値に限られるものではない。
ここで、図8(a)および(b)を参照すると、裾部432’は、長手方向の長さが約90nm、長手方向に交差する方向の幅が約30nm、厚さが約1nmである。ただし、図8(a)および(b)に示された量子ドット43’の裾部432’はあくまでも一例に過ぎず、本発明において、裾部の平面形状や組成は、第3の半導体材料の供給時の基板温度、供給量等その他の製造条件を変えることにより制御可能であり、本実施形態の形状以外の構造も製造することができる。
裾部432’の形成後、量子ドット43’上に、中間層41Aと同じGaAsから成る半導体薄膜41B(図7(a)および(c))を成長させることにより、量子ドット43’がGaAsに埋め込まれた量子ドット層42’(図1、図7(a))を形成する。
そしてさらに光の吸収効率を上げるため、上記手順を例えば10回以上繰り返すことにより、中間層41Aと、ナノドット431、裾部432’および半導体薄膜41Bから成る量子ドット層42’とを交互に積層させ、高効率の光吸収層4’(図1)を形成する。
次に、光吸収層4上に、厚さが200nmでSi原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsで構成されるn型の上部コンタクト層5(図1)を積層し、本実施形態による赤外線検出素子100’(図1)を完成させる。
さらに、これらの半導体層を積層したウエハは、フォトリソグラフィー、エッチング、リフトオフ法等の通常の半導体プロセス手法を経ることにより、図1に示されるような赤外線検出器200’が製造される。
[実施形態3]
本発明の実施形態3の赤外線検出素子は、量子ドットにおける裾部の厚さが実施形態2と異なっている。このため、実施形態2と同一または同様の部分については、実施形態2ならびに実施形態2が援用する実施形態1の説明および図面を援用することとし、詳細な説明は省略する。
[構成]
図1を参照すると、本実施形態による赤外線検出器200”は、実施形態1、2と同様に、赤外線検出素子100”と、下部電極7と、上部電極8と、電圧源601と、電流計602とを有している。赤外線検出器200”は、上部電極8と下部電極7との間に電圧源601を用いて適切な電圧を印加し、光吸収層4”が入射赤外線IRを吸収することで生じる電気伝導度の変化を電流計602によって検出する。
赤外線検出素子100”は、半導体基板1と、緩衝層2と、下部コンタクト層3と、光吸収層4”と、上部コンタクト層5とを有している。
光吸収層4”は、ノンドープのGaAsから成るi型の中間層41Aと、量子ドット層(図1中、42と表記)とが交互に複数積層されて成る。このように、光吸収層4”が、複数の積層された量子ドット層を有することにより、入射赤外線IRの吸収効率が向上される。
量子ドット層は、図10をも参照すると、中間層41A上に複数形成された量子ドット43”と、中間層41Aと同じ組成の半導体薄膜層とを有している。
量子ドット43”は、第1の半導体材料から成るナノドット431と、ナノドット底部の周囲に沿層方向に延在し、第1の半導体材料を構成する元素を含む第2の半導体材料から成る2分子層以上の厚さを有する裾部432”とから成るナノ構造体の形態を呈している。
裾部432”は、ナノドット431を中心とする円板形状を呈している。
量子ドット43”を構成する第1の半導体材料および第2の半導体材料の組み合わせとしては、例えば、InAsおよびInGaAs、InGaAsおよびInGaAs、InAsおよびGaInAsP、InPおよびGaInP、GaAsおよびInGaAs等が挙げられる。これらの組み合わせにおいて、第1の半導体材料の構成元素は必ず第2の半導体材料の構成元素に含まれる。
図11をも参照すると、本実施形態では特に、複数の量子ドット43a”〜43d”の裾部432a”〜432d”は、X方向([−110]方向)に沿って漸次厚さが異なっている。
ただし、最も厚い裾部(図11においては、裾部432d”)であっても、その厚さは、ナノドット431の高さ未満であることが好ましい。これは、裾部がナノドットの高さを超えて形成されていると、入射赤外線IRの吸収効率が低下するからである。
本実施形態による赤外線検出素子100”は、裾部の厚さが、x方向およびy方向の少なくとも一方に沿って漸次異なっていることにより、第1の電子準位と第2の電子準位のエネルギー差に相当する検出波長がx方向およびy方向の少なくとも一方向に沿って漸次異なる赤外線検出素子である。
[製造方法]
以下、本実施形態による赤外線検出素子の製造方法、特に、図10、図11に示された量子ドット層における量子ドット43”の形成方法を中心に説明する。
本製造方法においても、実施形態1、2と同様に、図4に示される分子線エピタキシャル(MBE)装置300を用いる。
本実施形態による赤外線検出素子の製造方法は、図3(a)に示された、実施形態1の製造方法における複数のナノドット431を形成する工程までは、同じである。
即ち、半導体基板1(図1)上に緩衝層2(図1)および下部コンタクト層3(図1)を形成し、さらに中間層41A(図1)を形成した後、基板温度を490℃程度まで低下させ、第3材料供給器333(図4)から、V族材料であるAsをAsの形態で照射しながら、第1材料供給器331(図4)からInを厚さが2分子層程度となるように供給し、第1の半導体材料としてのInAsから成るナノドット431を、図3(a)に援用的に示されるように形成する。この時の成長様式は、SKモードである。ナノドットの典型的な直径は30〜40nm、高さ10nm程度であり、1平方センチメートルあたりの数密度は1×10程度である。
ここまでの成長工程では、成長層の均一性を上げるために成長時に半導体基板を回転させている。
続いて、裾部432”の形成工程が実施されるが、実施形態3における裾部形成工程は、実施形態1および実施形態2と異なる。
図10、図11を参照すると、ナノドット431の形成後、半導体基板の回転を停止し、(001)方位の中間層41Aの[−110]方向と図10におけるx方位を一致させる。そして、As雰囲気下で第2材料供給器332から、x方向([−110]方向)に沿ってGa材料を照射する結果、GaとAsから成る第3の半導体材料が供給される。
図11は、Ga材料の照射時の、x方向([−110]方向)に並んだ4つのナノドット431a〜431dに対する第2材料供給器332の位置関係を模式的に示している。図11に示されるように、ナノドット431a〜431dのそれぞれに対する第2材料供給器332の距離(見込角)に応じて、僅かな堆積量の差が発生する。
実際の供給量は1分子層相当量であるが、各ナノドットと第2材料供給器332との相対位置関係の差により、隣り合うナノドット形成位置間では、平均的に1分子層以下の差が生じる。As雰囲気下で第2材料供給器332から供給されたGaとナノドット431a〜431dの材料とが混合され、裾部432a”〜432d”が形成されるわけであるが、その際、前述の僅かな供給量の差は、混合過程を経て形成される裾部432a”〜432d”の厚さの大きな差に増幅される。この結果、裾部432a”〜432d”形成後には、裾部432a”〜432d”の厚さがx方向に沿って漸次異なる量子ドット43a”〜43d”がx軸方向に沿って形成される。尚、裾部形成時に、半導体基板をさらに傾けることにより、各裾部での供給量に差がつく様にしてもよい。
尚、V族材料としてASに代えてクラッキングしたAsを用いることにより、y方向に延在する量子ドットも製造可能である。
さらに、裾部形成時の他の形成条件、例えば、半導体材料の供給量、半導体材料供給時の基板温度、層厚、第2の基板温度から降下させた第3の基板温度、および、第2の基板温度から第3の基板温度まで降下させる速度等、の少なくとも一つの形成条件を変化させることによっても、裾部の円板もしくは楕円板の厚さ等を制御することが可能である。例えば、半導体薄膜層成長時の基板温度を上昇させれば、裾部の厚さは薄くなる一方、平面サイズは大きくなる。また、第2の基板温度から第3の基板温度まで降下させる速度を大きくすれば、裾部の厚さは厚くなる一方、平面サイズは小さくなる。
裾部432”の形成後、量子ドット43”上に、中間層41Aと同じGaAsを成長させることにより、量子ドット43”がGaAsに埋め込まれた量子ドット層(図1中、42と表記)を形成する。
そしてさらに光の吸収効率を上げるため、上記手順を例えば10回以上繰り返すことにより、中間層と、ナノドット431、裾部432”および半導体薄膜から成る量子ドット層とを交互に積層させ、高効率の光吸収層4”(図1)を形成する。
次に、光吸収層4”上に、厚さが200nmでSi原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsで構成されるn型の上部コンタクト層5(図1)を積層し、本実施形態による赤外線検出素子100”(図1)を完成させる。
さらに、これらの半導体層を積層したウエハは、フォトリソグラフィー、エッチング、リフトオフ法等の通常の半導体プロセス手法を経ることにより、図1に示されるような赤外線検出器200”が製造される。
尚、このウエハ上に通常の半導体プロセス工程を経て複数の赤外線検出素子をアレイ状に形成することにより、検出波長が2次元マトリクス状に各軸に沿って漸次異なる集積型赤外線検出器を製造することも可能である。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)複数の量子ドットを有する量子ドット層を含む光吸収層を有し、
前記複数の量子ドットはそれぞれ、
第1の半導体材料から成るナノドットと、
前記第1の半導体材料を構成する元素を含む第2の半導体材料から成り、前記ナノドット底部の周囲に2分子層以上の厚さで沿層方向に延在する裾部とから成るナノ構造体の形態を呈し、
前記量子ドット層の量子閉じ込めによって形成される基底準位と励起準位のエネルギー差に相当する検出波長の赤外線を検出することを特徴とする赤外線検出素子。
(付記2)前記第1の半導体材料および前記第2の半導体材料が、化合物半導体であることを特徴とする付記1に記載の赤外線検出素子。
(付記3)前記第1の半導体材料および前記第2の半導体材料が、
InAsおよびInGaAs、
InGaAsおよびInGaAs、
InAsおよびGaInAsP、
InPおよびGaInP、
GaAsおよびInGaAs、もしくは、
GaAsおよびGaNAsであることを特徴とする付記2に記載の赤外線検出素子。
(付記4)前記裾部が、前記ナノドットを中心とした円板形状もしくは楕円板形状であることを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の赤外線検出素子。
(付記5)前記裾部が楕円板形状である場合に、該裾部の長軸に平行な偏光成分に対して高い感度を持つことを特徴とする付記4に記載の赤外線検出素子。
(付記6)前記光吸収層は、半導体薄膜層を介して積層された複数の前記量子ドット層を含むことを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の赤外線検出素子。
(付記7)前記量子ドットの前記裾部それぞれの平面形状、厚さおよび組成の少なくともいずれか1つが、沿層方向におけるx方向およびy方向の少なくとも一方に沿って漸次異なっており、これにより、第1の電子準位と第2の電子準位とのエネルギー差に相当する検出波長が、前記軸方向に沿って漸次異なっている
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の赤外線検出素子。
(付記8)前記量子ドットの前記裾部それぞれの沿層方向の最大寸法の平均値dNSが、該量子ドットの面内個数密度nに対し、dNS<1/(2√n)であることを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の赤外線検出素子。
(付記9)付記1乃至8のいずれかに記載の赤外線検出素子の製造方法であって、
半導体基板上に前記第1の半導体材料から成る複数の前記ナノドットを第1の基板温度で形成する工程と、
各前記ナノドット上に第3の半導体材料を厚さ4分子層以下になるように第2の基板温度で供給し、直ちに該第2の基板温度よりも低い第3の基板温度まで降下させることにより、前記第1の半導体材料と前記第3の半導体材料の構成元素の混合体である前記第2の半導体材料から成る前記裾部を形成する工程とを有することを特徴とする赤外線検出素子の製造方法。
(付記10)付記7または8に記載の赤外線検出素子の製造方法であって、
半導体基板上に前記第1の半導体材料から成る複数の前記ナノドットを第1の基板温度で形成する工程と、
各前記ナノドット上に第3の半導体材料を厚さ4分子層以下になるように第2の基板温度で供給し、直ちに該第2の基板温度よりも低い第3の基板温度まで降下させることにより、前記第1の半導体材料と前記第3の半導体材料の構成元素の混合体である前記第2の半導体材料から成る前記裾部を形成する工程とを有し、
前記裾部形成工程において、前記第3の半導体材料供給時の前記第2の基板温度、前記第3の半導体材料の供給量、前記第3の半導体材料供給時の雰囲気ならびに前記第2の基板温度から第3の基板温度まで降下させる速度のうちの少なくとも一つの条件の設定により、前記裾部それぞれの平面形状、厚さおよび組成の少なくともいずれか1つを、沿層方向におけるx方向およびy方向の少なくとも一方に沿って漸次異ならせることを特徴とする赤外線検出素子の製造方法。
(付記11)前記複数の量子ドットは、偏光に対して異なる分光感度を持ち、偏光による波長選択が可能なことを特徴とする付記7または8に記載の赤外線検出素子。
本発明は、例えば、中赤外および中遠赤外領域において高感度な赤外線検出器に適用できる。
尚、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、特定の波長を選択的に受信することが必要となる通信用の受光器といった用途にも適用可能である。
さらには、本発明は、受光素子のみならず、例えば、ナノ構造体の平面密度を低減させ、偏光および吸収発光波長の異方性を利用した量子情報処理デバイスへの応用も可能である。
1 半導体基板
2 緩衝層
3 下部コンタクト層
4、4’、4” 光吸収層
41A 中間層
41B 半導体薄膜層
42、42’ 量子ドット層
43、43’、43”、43a”〜43d” 量子ドット
431、431a〜431d ナノドット
432、432’、432”、432a”〜432d” 裾部
5 上部コンタクト層
7 下部電極
8 上部電極
100、100’、100” 赤外線検出素子
200、200’、200” 赤外線検出器
300 分子線エピタキシャル装置(MBE装置)
310 真空チャンバ
320 基板ホルダ
331 第1材料供給器
332 第2材料供給器
333 第3材料供給器
601 電圧源
602 電流計
IR 入射赤外線
r320 回転方向

Claims (10)

  1. 複数の量子ドットを有する量子ドット層を含む光吸収層を有し、
    前記複数の量子ドットはそれぞれ、
    第1の半導体材料から成るナノドットと、
    前記第1の半導体材料を構成する元素を含む第2の半導体材料から成り、前記ナノドット底部の周囲に2分子層以上の厚さで沿層方向に延在する裾部とから成るナノ構造体の形態を呈し、
    前記量子ドット層の量子閉じ込めによって形成される基底準位と励起準位のエネルギー差に相当する検出波長の赤外線を検出することを特徴とする赤外線検出素子。
  2. 前記第1の半導体材料および前記第2の半導体材料が、化合物半導体であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線検出素子。
  3. 前記第1の半導体材料および前記第2の半導体材料が、
    InAsおよびInGaAs、
    InGaAsおよびInGaAs、
    InAsおよびGaInAsP、
    InPおよびGaInP、
    GaAsおよびInGaAs、もしくは、
    GaAsおよびGaNAsであることを特徴とする請求項2に記載の赤外線検出素子。
  4. 前記裾部が、前記ナノドットを中心とした円板形状もしくは楕円板形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の赤外線検出素子。
  5. 前記裾部が楕円板形状である場合に、該裾部の長軸に平行な偏光成分に対して高い感度を持つことを特徴とする請求項4に記載の赤外線検出素子。
  6. 前記光吸収層は、半導体薄膜層を介して積層された複数の前記量子ドット層を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の赤外線検出素子。
  7. 前記量子ドットの前記裾部それぞれの平面形状、厚さおよび組成の少なくともいずれか1つが、沿層方向におけるx方向およびy方向の少なくとも一方に沿って漸次異なっており、これにより、第1の電子準位と第2の電子準位とのエネルギー差に相当する検出波長が、前記軸方向に沿って漸次異なっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の赤外線検出素子。
  8. 前記量子ドットの前記裾部それぞれの沿層方向の最大寸法の平均値dNSが、該量子ドットの面内個数密度nに対し、dNS<1/(2√n)であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の赤外線検出素子。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の赤外線検出素子の製造方法であって、
    半導体基板上に前記第1の半導体材料から成る複数の前記ナノドットを第1の基板温度で形成する工程と、
    各前記ナノドット上に第3の半導体材料を厚さ4分子層以下になるように第2の基板温度で供給し、直ちに該第2の基板温度よりも低い第3の基板温度まで降下させることにより、前記第1の半導体材料と前記第3の半導体材料の構成元素の混合体である前記第2の半導体材料から成る前記裾部を形成する工程とを有することを特徴とする赤外線検出素子の製造方法。
  10. 請求項7または8に記載の赤外線検出素子の製造方法であって、
    半導体基板上に前記第1の半導体材料から成る複数の前記ナノドットを第1の基板温度で形成する工程と、
    各前記ナノドット上に第3の半導体材料を厚さ4分子層以下になるように第2の基板温度で供給し、直ちに該第2の基板温度よりも低い第3の基板温度まで降下させることにより、前記第1の半導体材料と前記第3の半導体材料の構成元素の混合体である前記第2の半導体材料から成る前記裾部を形成する工程とを有し、
    前記裾部形成工程において、前記第3の半導体材料供給時の前記第2の基板温度、前記第3の半導体材料の供給量、前記第3の半導体材料供給時の雰囲気ならびに前記第2の基板温度から第3の基板温度まで降下させる速度のうちの少なくとも一つの条件の設定により、前記裾部それぞれの平面形状、厚さおよび組成の少なくともいずれか1つを、沿層方向におけるx方向およびy方向の少なくとも一方に沿って漸次異ならせることを特徴とする赤外線検出素子の製造方法。
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