JP2017144898A - 丸型レジスタ - Google Patents

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岡田 宗久
Munehisa Okada
宗久 岡田
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Abstract

【課題】簡単な操作で風向調整を行うことができ、少ない部品点数で安価に製造することできる丸型レジスタを提供する。【解決手段】内部に通風路9を有した円筒状のリテーナ1の前部に、円形の空気吹出口21を有したベゼル2が嵌着される。通風路9の通風方向と平行な中心軸上に配した軸部12を有したボールジョイント10が軸部12の前先端にボール11を設けて、リテーナ1と一体に成形される。ボール11には、ソケット部5を背面中央に設けた円板状の可動フィン3が、ボール11をソケット部5に嵌入して、傾動可能に取り付けられる。可動フィン3は、空気吹出口21の内側で、ボール11を中心に、全方向に傾動可能に配設される。可動フィン3の外周縁部と空気吹出口21の内周部間が、送風用の開口部として開口する。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の空調装置用の吹出口として使用される、円形の空気吹出口を有した丸型レジスタに関し、特に車室内の天井やピラー部分などに取り付けて簡便に使用することができる丸型レジスタに関する。
自動車の車室などに装着される空調装置用空気吹出口として、円形の空気吹出口を有する丸型のレジスタが知られている。丸型レジスタは、従来、比較的小型で簡単な構造のものから、比較的複雑な構造のものまで各種の構造のものが、製造され、自動車の車室天井部などの各種の場所に装着され、使用されている(下記特許文献1,2を参照)。
例えば下記特許文献1で提案された丸型レジスタは、円筒ケース内に円筒回転体が円筒ケースの中心軸を中心に回動可能に嵌挿され、円筒回転体の内側に、その円形開口部の直径位置の支軸によりフィン本体が回転可能に軸支され、フィン本体には2枚の円板フィンが相互に平行状態で固定的に設けられ、内部に導風路が開口して形成される。この丸型レジスタは、送風方向を変える場合、フィン本体を把持して、円筒回転体を円筒ケースに対し回転させるとともに、フィン本体をその支軸を軸に左右または上下に傾動させて、風向を変えるように動作する。
この丸型レジスタは、円筒ケース内の通風方向と平行な中心軸の回りで円筒回転体を回動させ、且つ中心軸と直交する支軸を中心に、フィン本体を上下または左右に回動操作して、風向を変えるため、2種類の回動操作を必要とする。さらに、この丸型レジスタは、構造が比較的簡単であるものの、部品点数が多く、各部品を合成樹脂の射出成形で成形する場合、成形金型の数が多くなり、製造コストが高くなる不具合がある。
また、下記特許文献2で提案された丸型レジスタは、円筒状のケース内に、円筒状の回転部材が通風方向と平行な中心軸の回りで回動可能に嵌挿され、回転部材内に、大きさの異なる3枚のブレードが、両側に突設した中心軸と直交方向の支軸を介して回動可能に軸支されて、空気吹出口を開閉可能に並設され、回転部材を中心軸の回りで回動操作するとともに、3枚のブレードをその支軸を軸に傾動操作して、風向を調整する。
特開昭59−11914号公報 特開2000−203254号公報
しかし、上記特許文献2の丸型レジスタは、回転部材を回動操作するとともに3枚のブレードを傾動操作して、風向を上下または左右に変えることができるものの、回転部材を回しながらブレードを傾動操作して風向を変えるため、上記と同様、やはり2種類の回動操作が必要となる。
さらに、この丸型レジスタは、大きさの異なる3枚のブレードが、各々両側に突設した中心軸と直交方向の支軸を介して回転部材内に回動可能に軸支され、それらが1本のリンクにより連結されるため、構造が複雑で、部品点数が多く、各部品を合成樹脂の射出成形で成形する場合、成形金型の数が多くなり、製造コストが高くなる課題がある。
本発明は、上述の課題に鑑みなされたもので、簡単な操作で風向調整を行うことができ、少ない部品点数で安価に製造することできる丸型レジスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の丸型レジスタは、
内部に通風路を有した円筒状のリテーナの前部に、円形の空気吹出口を有したベゼルが嵌着され、該空気吹出口の内側に、円形のフィンが可動的に配設された丸型レジスタであって、
該リテーナと一体に成形され、該通風路の通風方向と平行な中心軸上に配した軸部を有し、該軸部の前先端にボールを設けたボールジョイントと、
該ボールが嵌入されるソケット部を背面中央に設けた円形の可動フィンと、
を備え、該可動フィンは、該空気吹出口の内側で、該ボールを中心に全方向に傾動可能に配設され、該空気吹出口は、該可動フィンによって略閉鎖可能とされるとともに、該可動フィンの傾動に応じて、該可動フィンの外周縁部側の該空気吹出口が、送風用の開口部として開口することを特徴とする。
なお、この明細書で記載するレジスタの各部の前後は、前がリテーナ内の通風路の下流側、後が通風路の上流側である。
この発明の丸型レジスタによれば、可動フィンの前面の外周縁部の一部を押したとき、可動フィンがボールジョイントのボールを中心に傾動し、可動フィンの傾動に応じて、その外周縁部と空気吹出口の内周部との間に三日月状の開口部が生じ、その開口部から可動フィンの傾動側に送風を行うことができる。これにより、1枚の可動フィンの姿勢に応じて、略閉鎖状態から全方向への送風まで、吹出方向を調整することができる。また、可動フィンは例えば使用者が指で前面を押すのみの1操作で風向調整を行うことができるので、操作が非常に簡単となり、レジスタの操作性を大きく向上させることができる。
さらに、リテーナとボールジョイントが一体成形され、可動フィンとソケット部とが一体成形されるので、レジスタを構成する部品点数は、リテーナ、可動フィン及びベゼルの3点のみとなり、部品数を最少とし、成形金型の数を最少として、製造コストを下げることができる。また、部品数を少なくすることにより、組付工数が少なくなり、効率良く製造することができる。
さらに、レジスタの正面意匠には、ベゼルの内側に可動フィンの正面が現れるのみあり、ボールジョイントやソケット部は可動フィンにより隠されて露出しないため、レジスタの見栄えを向上させることができる。
ここで、上記ベゼルの上記空気吹出口の内周部に、横断面を略三角形とする山形凸条が円周に沿って連続して設けられ、山形凸条の前面に、前方広がり状に開口した前傾斜面が円周状に連続して形成され、山形凸条の後面には、後方広がり状に傾斜した後傾斜面が円周状に連続して形成され、閉鎖位置の上記円形の可動フィンの外周縁部が該山形凸状の頂部近傍に位置するように構成することができる。これによれば、山形凸状の頂部近傍に可動フィンの周縁部を位置させたとき、送風を遮断し、可動フィンを傾動させて三日月状開口を開いたとき、山形凸状の前傾斜面や後傾斜面で、傾斜した全ての方向の空気流を良好にガイドし、送風の指向性を向上させることができる。
またここで、上記円形の可動フィンには、前面に環状凹部が形成され、背面周縁に環状傾斜面が形成された構成とすることができる。これによれば、可動フィンを傾動操作するとき、使用者は指を環状凹部に当てて容易に可動フィンを任意の方向に傾動させることができ、可動フィンの傾動時、三日月状開口から送風される空気流を環状傾斜面で良好にガイドして、送風の指向性を向上させることができる。
またここで、上記可動フィンの背面のソケット部内面と上記ボール間に、ゴム状弾性体などからなる荷重付与部材を介挿することが好ましい。これにより、可動フィンをガタツキなく、適度な操作荷重をもってボールジョイントに取り付けることができる。
またここで、上記ボールジョイントの軸部は、リテーナ内の通風路を垂直に横断する横断面に沿った支持枠上に設けられ、該リテーナの中心軸に沿った奥行きは、該支持枠の該中心軸方向の厚さの約1.5倍〜約2倍と短く形成することができる。これによれば、リテーナの剛性を維持しつつ、従来のレジスタに比して、リテーナの奥行きを非常に短くすることができ、車室内の天井部などの狭いスペースに設置することができる。
この発明の他の丸型レジスタは、
内部に通風路を有した円筒状のリテーナの前部に、円形の空気吹出口を有したベゼルが嵌着され、該空気吹出口の内側に、バレルが可動的に配設された丸型レジスタであって、
該リテーナと一体に成形され、該通風路の通風方向と平行な中心軸上に配した軸部を有し、該軸部の前先端にボールを設けたボールジョイントと、
球面の一部を外周面に有する円環フレーム内に格子ブレードを設け、該格子ブレードの中央に該ボールが嵌入されるソケット部を設けた円形のバレルと、
を備え、該バレルは、該空気吹出口の内側で、該ボールを中心に全方向に傾動可能に配設され、該ボールジョイントの軸部は、該リテーナ内の通風路を垂直に横断する横断面に沿った支持枠上に設けられたことを特徴とする。
この発明の丸型レジスタによれば、リテーナとボールジョイントが一体成形され、バレルとソケット部とが一体成形されるので、レジスタを構成する部品点数は、リテーナ、バレル及びベゼルの3点のみとなり、部品数を最少とし、成形金型の数を最少として、製造コストを下げることができる。さらに、部品数を少なくすることにより、組付工数が少なくなり、効率良く製造することができる。
また、レジスタの使用時、常にバレルを通して送風が行われるため、車室内の循環送風用に使用することができ、送風時の圧力損失を最少にしながら、バレルの傾動操作に応じて、全方向への送風方向を容易に調整することができる。また、バレルは使用者が指で前面を押すのみの1操作で風向調整を行うことができるので、操作が非常に簡単となり、レジスタの操作性を大きく向上させることができる。
本発明の丸型レジスタによれば、少ない部品点数で安価に製造することでき、外観の見栄えが良好となり、非常に簡単な操作で風向調整を行うことができる。
本発明の第1実施形態の丸型レジスタの正面図である。 同丸型レジスタの背面図である。 同丸型レジスタの左側面図である。 同丸型レジスタの平面図である。 同丸型レジスタの斜視図である。 同丸型レジスタの分解斜視図である。 リテーナの斜視図である。 ベゼルの斜視図である。 (a)は可動フィンの正面図、(b)はその左側面図、(c)はその背面から見た斜視図である。 (a)は図1のA−A断面図、(b)は可動フィンを上に向けたときの同断面図、(c)は下に向けたときの同断面図である。 (a)は図1のB−B断面図、(b)は可動フィンを右に向けたときの同断面図、(c)は左に向けたときの同断面図である。 第2実施形態の丸型レジスタの正面図である。 同丸型レジスタの斜視図である。 同丸型レジスタの分解斜視図である。 (a)は可動フィンの正面斜視図、(b)は可動フィンの背面斜視図である。 (a)は図12のC−C断面図、(b)は可動フィンを上に向けたときの同断面図、(c)は下に向けたときの同断面図である。 (a)は図12のD−D断面図、(b)は可動フィンを左に向けたときの同断面図、(c)は右に向けたときの同断面図である。 第3実施形態の丸型レジスタの正面図である。 同丸型レジスタの斜視図である。 同丸型レジスタの左側面図である。 同丸型レジスタの平面図である。 同丸型レジスタの分解斜視図である。 (a)はベゼルの斜視図、(b)はその左側面図である。 (a)はリテーナの正面図、(b)はその左側面図、(c)はその斜視図である。 (a)はバレルの正面図、(b)はその左側面図、(c)はその斜視図である。 (a)は図18のE−E断面図、(b)はバレルを上に傾動したときの同断面図、(c)はバレルを下に傾動したときの同断面図である。 (a)は図18のF−F断面図、(b)はバレルを左方に傾動したときの同断面図、(c)はバレルを右に傾動したときの同断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図11は、第1実施形態の丸型レジスタを示している。この丸型レジスタは、自動車の室内の天井部或いはピラー部に取り付けられる空調吹出口用のレジスタとして小型に構成され、図6などに示すように、リテーナ1と、リテーナ1の前部に嵌着され円形の空気吹出口21を有したベゼル2と、ボールジョイント10を介して傾動可能に空気吹出口21内に配設される円板状の可動フィン3と、を備える。
リテーナ1は、図7に示すように、円筒状の円筒部15の内側に十字状の支持枠13が形成され、支持枠13の中央に、ボールジョイント10が前方に向けて中心軸Sに沿って突設され、ボールジョイント10の軸部12の前先端に、ボール11が設けられる。リテーナ1の円筒部15の奥行きは、必要とする強度、剛性が保持される範囲で、最短に形成され、例えば、支持枠13の中心軸Sに沿った厚さの約1.5倍〜約2倍の範囲に形成される。リテーナ1の円筒部15の奥行き寸法を短くした場合、リテーナとしての強度、剛性が不足することがあるが、円筒部15内に、十字状の支持枠13を設けることにより、円筒部15の強度、剛性を増大させている。これにより、丸型レジスタ全体の奥行きを短くしつつ、リテーナとして必要な強度、剛性が得られる。またこれにより、丸型レジスタ全体の奥行き寸法が短くなり、車室内の天井部内やピラー部内などの少スペース箇所に、丸型レジスタを装着できる。
図10に示すように、リテーナ1内には通風路9が形成され、通風方向と平行な中心軸S上に、ボールジョイント10の軸部12及びボール11が配置される。ボールジョイント10の軸部12は、十字状の支持枠13の中央に前方を向けて立設されるため、軸部12にかかる荷重を支持枠13上で良好に分散させ、十分な強度を持って軸部12が立設される。図7に示す如く、ボールジョイント10の軸部12の先端に、ボール11が設けられ、軸部12の先端側(ボール11側)に、小径部12aが設けられる。
この小径部12aを軸部12に設けることにより、可動フィン3を傾動させたときにソケット部5の干渉を低減し、可動フィン3の傾動角度範囲を広くしている。また、図24に示す如く、ボール11の先端に、平坦部11aが設けられる。この平坦部11aは、型成形時に生じるパーティングラインの突条などに起因した、可動フィン3の傾動操作時のゴリゴリ感を解消し、可動フィン3が円滑に傾動するようしている。
一方、リテーナ1の円筒部15の外周部に、ベゼル2の係止部26を係止させるための係止爪14が2箇所に設けられる。上記のような形状の構成されるリテーナ1は、支持枠13、ボールジョイント10とともに、硬質合成樹脂の射出成形により一体成形される。
リテーナ1の前部には、ベゼル2が嵌着される。このベゼル2は、図8などに示すように、基本的には、円筒部25を有した円筒状に形成され、その前部にフランジ状に拡径した部分が延設され、円筒部25内にはリテーナ1内と連通する通風路9が形成される。また、円筒部25の前部内には、図10に示す如く、横断面を略三角形とする山形凸条22が内周面の円周方向に沿って円環状に形成され、山形凸条22の内側に円形の空気吹出口21が形成される。
ベゼル2内の山形凸条22は、図10などに示すように、横断面を略三角形として形成され、山形凸条22の前面には前傾斜面23が形成され、その背面には後傾斜面24が形成される。これにより、山形凸条22の三角形の頂点箇所には通風路を内側に狭窄する形態で、頂部22aが円形状に形成される。空気吹出口21は、この山形凸条22の円形の頂部22a内に形成されることとなる。このような山形凸条22の頂部22aの内側には、リテーナ1、ベゼル2、可動フィン3を組み付けた状態で、図10(a)に示すように、可動フィン3の外周縁部30が僅かな隙間を介して配設され、空気吹出口21が可動フィン3により実質的に閉鎖可能となる。
また、上記山形凸条22は、図10に示す如く、その断面が略直角二等辺三角形となるように、前傾斜面23、後傾斜面24共に傾斜角度を約45°(中心軸Sに対する傾斜角度)として形成されるが、前傾斜面23、後傾斜面24の傾斜角度は、20°〜70°の傾斜角度範囲で任意に設定することができる。つまり、ベゼル2の空気吹出口21の内周部に、横断面を略三角形とする山形凸条22が円周に沿って連続して設けられる。山形凸条22の前面には、前方広がり状に開口した前傾斜面23が円周状に連続して形成され、山形凸条22の後面には、後方広がり状に傾斜した後傾斜面24が円周状に連続して形成される。
さらに、図6に示すように、ベゼル2の円筒部25の2箇所には、上記リテーナ1の係止爪14に対応した箇所に、係止部26が形成され、円筒部25をリテーナ1の円筒部15に嵌合させたとき、係止部26が係止爪14に係止され、リテーナ1とベゼル2が組み付けられる。このような形状のベゼル2は、硬質合成樹脂の射出成形により一体成形され、円環状の山形凸条22内に形成される空気吹出口21内に、1枚の円形の可動フィン3が傾動可能に配設される。
可動フィン3は、図9に示すように、円形の板状に形成され、可動フィン3の前部正面には平坦部31が形成される。また、可動フィン3の背面中央に、ボールジョイント用のソケット部5が背面を向けて形成される。このソケット部5には、ボールジョイント10のボール11が嵌入可能に、略球状の穴部が背面後部を後方向けて形成される。背面側のソケット部5は、固定側のボール11を穴部に嵌入可能な形状で、且つ可動フィン3が傾動可能に保持される形状に形成される。
図1、図5、図6、図9などに示すように、円形の可動フィン3の外径と上記ベゼル2の山形凸条22の頂部22aの内径は、僅かに頂部22aの内径が可動フィン3の外径より僅かに大きく形成され、空気吹出口21内の可動フィン3は、山形凸条22との間で僅かな隙間(接触するかしないかの微細な隙間)をもって配設され、図10(a)、図11(a)のように、可動フィン3を中心軸Sと垂直面の山形凸条22内の空気吹出口21内に位置させたとき、空気吹出口21を略閉鎖することができるようになっている。
このようなボールジョイント10のボール11と可動フィン3のソケット部5は、組付け作業時、ボール11に対しソケット部5の穴部を前方から押し込むのみで、簡単に嵌め込むことができ、組み付けられた可動フィン3のソケット部5は、ボールジョイント10のボール11上で、適度な摩擦抵抗をもって傾動(回動)可能に支持される。
図10に示す如く、この図例では、可動フィン3の傾動範囲は、空気吹出口21の横断面に対し約30度の角度まで傾動可能であるが、ボールジョイント10及びソケット部5の形状により、可動フィン3の傾動範囲は、最大で約45度の角度まで傾動可能とすることもできる。
このようなリテーナ1、ベゼル2、可動フィン3が組み付けることにより、空気吹出口21は、可動フィン3によって略閉鎖可能とされるとともに、可動フィン3の傾動に応じて、可動フィン3の外周縁部30と山形凸条22の内周部間が、送風用の開口部として開口することとなる。
なお、ソケット部5の内側には操作荷重を付与する荷重付与部材を配設することができる。荷重付与部材は、熱可塑性エラストマーなどのゴム状弾性体から成形され、ボール11の外周面とソケット部5の内面との間に介挿され、この荷重付与部材により、可動フィン3のガタツキを防止し、可動フィン3の傾動操作時に、適度な操作荷重を付与することができる。
上記構成の3つの部材、つまりリテーナ1、ベゼル2、可動フィン3を組み付ける場合、図6に示すように、先ず、リテーナ1の前部に配設された、ボールジョイント10のボール11に対し、可動フィン3のソケット部5を嵌め込む。可動フィン3は、ソケット部5を介して、ボールジョイント10のボール11の中心を軸に、全方向に傾動可能に取り付けられる。次に、リテーナ1の円筒部15の前部に、ベゼル2の後部の円筒部25を嵌め込み、両側の係止爪14にベゼル2側の係止部26を係止させる。このように、3個の部品を組み付けるのみであるから、製造時の組立ラインでは、非常に簡単に丸型レジスタを組み立てることができる。
上記構成の丸型レジスタは、自動車の車室内の天井部或いはピラー部に取り付けられ、空調装置のダクトの開口部に、リテーナ1の後部を嵌め込み、ベゼル2を車室内前方向に向けて装着される。
上記のように、この丸型レジスタは、リテーナ1の奥行きが短く、1枚の可動フィン3のみを備えた簡単な構造のため、ベゼル2を含むリテーナ1の前後幅が、短くコンパクトに形成され、車室の天井部分の配置スペースが狭小の場合、或いはダクトの内部空間が狭小の場合でも、レジスタを簡単に取り付けることができる。
図10(a)、図11(a)に示す如く、可動フィン3が、中心軸Sと垂直(ベゼル2の横断面と平行)の状態、つまり可動フィン3前面の平坦部31を正面に向け、可動フィン3を山形凸条22の頂部22aに沿って位置させたとき、その内側の空気吹出口21は、可動フィン3によって閉鎖された状態となり、送風は止められる。
ベゼル2の空気吹出口21が完全に閉鎖される場合は、可動フィン3の外周縁部30と山形凸条22の頂部22a間に隙間がなく、完全に閉じられた状態であるが、可動フィン3の外周縁部30と山形凸条22の頂部22a間に僅かな隙間がある場合でも、その隙間から漏れる空気流は僅かであり、また周囲に拡散して流れるため、実際の使用に問題はない。また、車室内の天井部或いはピラー部に取り付けられる空調用のレジスタは、通常、空調空気の室内循環用にも使用されるため、可動フィン3の閉鎖時、僅かな空気流が拡散して送風される状態は、実際の使用上、通常の空気循環状態となる。
例えば後部座席の搭乗者が、送風を希望する場合、可動フィン3の下部(例えば可動フィン前面の6時位置)を、指などで押す。このとき、可動フィン3は、図10(b)のように、ボール11を中心に、その下部が後方に、その上部が前方に傾動する。これにより、山形凸条22内の空気吹出口21には、可動フィン3の外周縁部30の上部、下部と頂部22aとの間に、正面視で三日月状の開口部が生じ、上下の開口部から可動フィン3の傾動側つまり上方に傾斜して、送風が行われる。
またこのとき、図10(b)に示す如く、通風路9の上部を通る空気流は、可動フィン3の背面と山形凸条22の前傾斜面23及び後傾斜面24にガイドされて上方に曲げられ、上開口部から斜め上方に送風され、通風路9の下部を通る空気流は、山形凸条22の前傾斜面23にガイドされて上方に曲げられ、下開口部から斜め上方に指向性良く送風される。またこのときの上方への送風方向は、可動フィン3の傾動角度に応じて変わり、可動フィン3の傾動角度が大きくなるほど、上部と下部の開口部が大きく開き、送風量は増大する。
上記可動フィン3の傾動操作は、可動フィン前面の6時位置を押した場合であるが、可動フィン3はボールジョイント10を介して全方向に傾動可能に取り付けられているので、例えば可動フィン3の5時位置或いは7時位置などを押すことにより、送風方向を上方から微妙に左右方向に変えることができる。
一方、図10(c)の如く、可動フィン前面の上部を指などで押すと、可動フィン3は、ボール11を中心に、その上部が後方に、その下部が前方に傾動する。これにより、可動フィン前面の上部と下部の、外周縁部30と山形凸条22の頂部22a間に、開口部が生じ、上下の開口部から可動フィン3の傾動側つまり斜め下方に向けて送風が行われる。このとき、通風路9の下部を通る空気流は、可動フィン3の背面と山形凸条22の前傾斜面23及び後傾斜面24にガイドされて、下方に曲げられ、空気吹出口21の下開口部から斜め下方に送風される。また、通風路9の上部を通る空気流は、山形凸条22の後傾斜面24と可動フィン3の平坦部31にガイドされて、下方に曲げられ、空気吹出口21の上開口部から斜め下方に送風される。
この際の下方への送風方向は可動フィン3の傾動角度に応じて変わり、また、可動フィン3の傾動角度が大きくなるほど、上部と下部の開口部が大きく開き、送風量は増大する。上記可動フィン3の傾動操作は、可動フィン前面の0時位置を押した場合であるが、可動フィン3はボールジョイント10を介して全方向に傾動可能に取り付けられているので、例えば、可動フィン3の1時位置或いは11時位置などを押すことにより、送風方向を下方から左右方向に微妙に変えることができる。
同様に、可動フィン3の前面左部を指などで押すと、図11(b)に示す如く、可動フィン3は、ボール11を中心に、その左部が後方に、その右部が前方に傾動する。これにより、可動フィン3の左部と右部の、外周縁部30と山形凸条22の頂部22a間に、開口部が生じ、左右の開口部から可動フィン3の傾動側つまり斜め右方向に向けて送風が行われる。このとき、通風路9の右部を通る空気流は、可動フィン3の背面と山形凸条22の前傾斜面23及び後傾斜面24にガイドされて、右方に曲げられ、空気吹出口21から斜め右方向に送風される。また、通風路9の左部を通る空気流は、山形凸条22の後傾斜面24と可動フィン3の前面にガイドされて、右方に曲げられ、空気吹出口21から斜め右方向に送風される。
一方、可動フィン3の右部を指などで押すと、図11(c)に示す如く、可動フィン3は、ボール11を中心に、その右部が後方に、その左部が前方に傾動する。これにより、可動フィン3の左部と右部の、外周縁部30と山形凸条22の頂部22a間に開口部が生じ、左右の開口部から可動フィン3の傾動側つまり左方に傾斜して、送風が行われる。このとき、通風路9の左部を通る空気流は、可動フィン3の背面と山形凸条22の前傾斜面23及び後傾斜面24にガイドされて、左方に曲げられ、斜め左方向に送風される。また、通風路9の右部を通る空気流は、可動フィン3と山形凸条22の後傾斜面24にガイドされて、左方に曲げられ、斜め左方向に送風される。
そして、上記のように可動フィン3を何れかの方向に傾動させて送風する状態において、送風と止める場合、可動フィン3の傾動側端部を押して可動フィン3を閉鎖位置に戻すように回動操作する。このとき、可動フィン3は、その外周縁部30を、山形凸条22の頂部22a位置に合せるように操作し、これにより、可動フィン3が、図10(a)、図11(a)の状態に戻ったとき、空気吹出口21は可動フィン3によって閉鎖され、送風は停止される。
このように、レジスタ前面の空気吹出口21内に位置する可動フィン3を押して、傾動させるのみの簡単な操作により、傾動側に開口部を形成して、そこから送風を行ない、送風方向は、可動フィン3の押す位置に応じて、上下左右と任意の方向に簡単に変えることができ、また送風量も、可動フィン3の押し込み量つまり可動フィン3の傾斜角度に応じて任意に、簡単に変えることができる。
また、可動フィン3の前面の外周縁部30を押したとき、可動フィン3がボールジョイント10のボール11を中心に傾動し、可動フィン3の傾動に応じて、外周縁部30と山形凸条22間の空気吹出口21に三日月状の開口部が生じ、その開口部から可動フィンの傾動側に送風を行うことができ、1枚の可動フィン3の姿勢に応じて、略閉鎖状態から全方向への送風まで、簡便に吹出方向を調整することができる。また、使用者が指などで可動フィン3の前面を押すのみの1操作で、風向調整を行うことができるので、操作が非常に簡単で、操作性を大きく向上させることができる。
さらに、リテーナ1とボールジョイント10が一体成形され、可動フィン3とソケット部5とが一体成形されるので、レジスタを構成する部品点数は、リテーナ1、可動フィン3及びベゼル2の3点のみとなり、部品数を最少とし、成形金型の数を最少として、製造コストを下げることができる。また、部品数を少なくすることにより、組付工数が少なくなり、効率良く製造することができる。また、レジスタの正面意匠には、ベゼル2の内側に可動フィン3の前面が現れるのみあり、ボールジョイント10やソケット部5は可動フィン3により隠されて露出しないため、レジスタの見栄えを向上させることができる。
図12〜図17は、第2実施形態の丸型レジスタを示している。この丸型レジスタには、上記平板状の可動フィン3に代えて、前面に環状凹部32を設けた可動フィン3Aが使用される。第2実施形態の丸型レジスタは、可動フィン3Aを除く部分について、第1実施形態のものと同様であり、同じ部分については、上記と同じ符号を図面に付して、その説明は省略する。
この丸型レジスタは、図12、図13、図14に示すように、リテーナ1の円筒部15の前部に、ベゼル2の円筒部25が嵌合して組み付けられ、リテーナ1内の支持枠13の中央にはボールジョイント10が中心軸Sに沿って突設される。ボールジョイント10のボール11上には、1枚の円形皿状の可動フィン3Aが、その背面に設けたソケット部5を介して傾動可能に取り付けられる。ベゼル2内の空気吹出口21は、円筒部25の内側に円周方向に設けた山形凸条22の頂部22a内に円形開口部として形成され、可動フィン3Aはその外周縁部34を空気吹出口21内に位置させて、閉鎖可能に配設される。
可動フィン3Aは、図15などに示す如く、円形板部の中央部を中心に、放射方向に波打つように湾曲した形状に形成され、これにより可動フィン3Aの前部正面には、環状凹部32が円形の外周縁部34と同心円状に形成される。さらに、可動フィン3Aの背面円周部には、環状傾斜面33が、斜め外周方向に傾斜して形成される。
このように、可動フィン3Aは、図16、図17に示す如く、その円形の板材の外周縁部を、前方に向けて皿状に開くように曲げた形状に形成され、これにより、背面側の円周面に、環状傾斜面33が円周状に形成され、前部正面には、環状凹部32が円形の外周縁部34と同心円状に形成される。これによって、可動フィン3Aは、その正面視において外周縁部34を前方に曲げる皿状に形成され、その内側に環状凹部32が円周状に形成される。このような環状凹部32が形成されることにより、可動フィン3Aの前面中央には、相対的に凸状の中央凸部32aが形成される。この中央凸部32aは環状凹部32内で凸状に形成されるので、操作する際、複数の指で摘むように触れることができ、操作が容易となる。
さらに、可動フィン3Aの背面中央に、ボールジョイント用のソケット部35が背面を向けて形成される。このソケット部35には、上記と同様、ボールジョイント10のボール11が嵌入可能に、略球状の穴部が背面後部を後方向けて形成される。つまり、可動フィン3Aの背面側のソケット部35は、固定側のボール11を穴部に嵌入可能な形状に形成され、可動フィン3Aはボール11を中心に傾動可能に保持される。
図13、図16などに示す如く、円形の可動フィン3Aの外径と上記ベゼル2の山形凸条22の頂部22aの内径は、僅かに頂部22aの内径が可動フィン3の外径より僅かに大きく形成され、空気吹出口21内の可動フィン3Aは、山形凸条22との間で僅かな隙間(接触するかしないかの微細な隙間)をもって配設される。これにより、図16(a)、図17(a)のように、可動フィン3を中心軸Sと垂直面の山形凸条22内の空気吹出口21内に位置させたとき、空気吹出口21を略閉鎖することができるようになっている。
このようなボールジョイント10のボール11と可動フィン3Aのソケット部35は、組付け作業時、ボール11に対しソケット部35の穴部を前方から押し込むのみで、簡単に嵌め込むことができ、組み付けられた可動フィン3Aのソケット部35は、ボールジョイント10のボール11上で、適度な摩擦抵抗をもって傾動(回動)可能に支持される。
図16、図17に示す如く、可動フィン3Aの傾動範囲は、空気吹出口21の横断面に対し約30度の角度まで傾動可能であるが、ボールジョイント10及びソケット部35の形状により、可動フィン3Aの傾動範囲は、横断面から上下左右に最大で約45度の角度まで傾動可能とすることもできる。
このようなリテーナ1、ベゼル2、可動フィン3Aが組み付けることにより、空気吹出口21は、可動フィン3Aによって略閉鎖可能とされるとともに、可動フィン3Aの傾動に応じて、可動フィン3Aの外周縁部34と山形凸条22の内周部間が、送風用の開口部として開口することとなる。
上記構成の丸型レジスタは、その使用時、図16(a)、図17(a)に示す如く、可動フィン3Aが、中心軸Sと垂直(ベゼル2の横断面と平行)の状態、つまり可動フィン3A前面を正面に向け、可動フィン3Aの外周縁部34を山形凸条22の頂部22aに沿って位置させたとき、その内側の空気吹出口21は、可動フィン3Aによって閉鎖された状態となり、送風は止められる。
例えば斜め上方に向けて送風を行う場合、可動フィン3Aの下部(例えば可動フィン前面の6時位置)を、指などで押す。このとき、可動フィン3Aの前面に環状凹部32が設けてあるので、その環状凹部32に指をのせて容易に押すことができる。指などにより前面の環状凹部32を押された可動フィン3Aは、図16(b)のように、ボール11を中心に、例えばその下部が後方に、その上部が前方に傾動する。これにより、山形凸条22内の空気吹出口21には、可動フィン3Aの外周縁部34の上部、下部と頂部22aとの間に、正面視で三日月状の開口部が生じ、上下の開口部から可動フィン3Aの傾動側つまり上方に傾斜して、送風が行われる。
またこのとき、図16(b)に示す如く、通風路9の上部を通る空気流は、可動フィン3Aの背面の環状傾斜面33と山形凸条22の前傾斜面23にガイドされて上方に曲げられ、上開口部から斜め上方に送風され、通風路9の下部を通る空気流は、山形凸条22の前傾斜面23にガイドされて上方に曲げられ、下開口部から斜め上方に指向性良く送風される。さらにこのときの上方への送風方向は、可動フィン3Aの傾動角度に応じて変わり、可動フィン3Aの傾動角度が大きくなるほど、上部と下部の開口部が大きく開き、送風量は増大する。
一方、図16(c)の如く、可動フィン前面の上部を指などで押すと、可動フィン3Aは、ボール11を中心に、その上部が後方に、その下部が前方に傾動する。これにより、可動フィン前面の上部と下部の、外周縁部34と山形凸条22の頂部22a間に、開口部が生じ、上下の開口部から可動フィン3Aの傾動側つまり斜め下方に向けて送風が行われる。このとき、通風路9の下部を通る空気流は、可動フィン3Aの背面の環状傾斜面33と山形凸条22の前傾斜面23にガイドされて、下方に曲げられ、空気吹出口21の下開口部から斜め下方に送風される。また、通風路9の上部を通る空気流は、山形凸条22の後傾斜面24と可動フィン3Aの前面にガイドされて、下方に曲げられ、空気吹出口21の上開口部から斜め下方に送風される。
同様に、可動フィン3Aの前面左部を指などで押すと、図17(b)に示す如く、可動フィン3Aは、ボール11を中心に、その左部が後方に、その右部が前方に傾動する。これにより、可動フィン3Aの左部と右部の、外周縁部34と山形凸条22の頂部22a間に、開口部が生じ、左右の開口部から可動フィン3Aの傾動側つまり斜め右方向に向けて送風が行われる。このとき、通風路9の右部を通る空気流は、可動フィン3Aの背面の環状傾斜面33と山形凸条22の前傾斜面23にガイドされて、右方に曲げられ、空気吹出口21から斜め右方向に送風される。また、通風路9の左部を通る空気流は、山形凸条22の後傾斜面24と可動フィン3Aの前面にガイドされて、右方に曲げられ、空気吹出口21から斜め右方向に送風される。
一方、可動フィン3Aの右部を指などで押すと、図17(c)に示す如く、可動フィン3Aは、ボール11を中心に、その右部が後方に、その左部が前方に傾動する。これにより、可動フィン3Aの左部と右部の、外周縁部34と山形凸条22の頂部22a間に開口部が生じ、左右の開口部から可動フィン3Aの傾動側つまり左方に傾斜して、送風が行われる。このとき、通風路9の左部を通る空気流は、可動フィン3Aの背面の環状傾斜面33と山形凸条22の前傾斜面23にガイドされて、左方に曲げられ、斜め左方向に送風される。また、通風路9の右部を通る空気流は、可動フィン3Aの前面と山形凸条22の後傾斜面24にガイドされて、左方に曲げられ、斜め左方向に送風される。
このように、レジスタ前面の空気吹出口21内に位置する可動フィン3Aを押して、傾動させるのみの簡単な操作により、傾動側に開口部を形成して、そこから送風を行なうことができる。その送風方向は、可動フィン3Aの押す位置に応じて、上下左右と任意の方向に簡単に変えることができ、また送風量も、可動フィン3Aの押し込み量つまり可動フィン3Aの傾斜角度に応じて任意に、簡単に変えることができる。
図18〜図27は第3実施形態の丸型レジスタを示している。この丸型レジスタは、ベゼル70内にバレル80を配して構成され、自動車の室内の天井部或いはピラー部などに取り付けられ、常時送風を行う空調用空気の吹出口として使用される。この丸型レジスタは、図22などに示すように、円筒状のリテーナ50と、リテーナ50の前部に嵌着され円形の空気吹出口71を有したベゼル70と、ボールジョイント60を介して傾動可能に、ベゼル70内に配設されるバレル80と、を備える。
リテーナ50は、図24に示すように、円筒状の円筒部55の内側に十字状の支持枠53が一体成形される。十字状の支持枠53の中央に、ボールジョイント60の軸部62が固定され、ボールジョイント60の軸部62は中心軸Sに沿って前方に突設される。ボールジョイント60の軸部62の前先端に、ボール61が設けられる。リテーナ50の円筒部55の奥行きは、必要とする強度、剛性が保持される範囲で、最短に形成され、例えば、支持枠53の中心軸Sに沿った厚さの約1.5倍〜約2倍と短く形成される。
リテーナ50の円筒部55の奥行き寸法を短くした場合、リテーナとしての強度、剛性が不足することがあるが、円筒部55内に、十字状の支持枠53を設けることにより、強度、剛性を増加させ、奥行きを短くしつつ、リテーナとしての必要な強度、剛性が得られるようにしている。
これにより、丸型レジスタ全体の奥行き寸法が短くなり、車室内の天井部内やピラー部内などの少スペース箇所にも、丸型レジスタを装着できる。また、支持枠53には、図24(a)に示す如く、十字状の枠を連結するように、円形枠56が一体成形される。この円形枠56は、支持枠53を補強する機能を有するとともに、図26に示すように、バレル80を最大角度まで全方向に傾動したとき、バレル80の円環フレーム81が当接して止まり、バレル80のストッパとしても機能する。
図26に示すように、リテーナ50とベゼル70内には通風路59が形成され、通風方向と平行な中心軸S上に、ボールジョイント60の軸部62及びボール61が配置される。ボールジョイント60の軸部62は、十字状の支持枠53の中央に前方を向けて立設されるため、軸部62にかかる荷重を支持枠53上で良好に分散させ、十分な強度を持って軸部62が立設されている。
図24に示す如く、ボールジョイント60の軸部62の先端に、ボール61が設けられ、軸部62の先端側(ボール61側)に、小径部62aが設けられる。この小径部62aを設けることにより、バレル80を傾動させたときにソケット部83の干渉を低減し、バレル80の傾動角度範囲を広くしている。また、ボール61の先端に、平坦部61aが設けられ、この平坦部61aを設けることにより、型成形時に生じるパーティングラインの突条などに起因して、バレル80の傾動操作時に生じやすいゴリゴリ感を解消し、バレル80が円滑に傾動するようしている。
一方、リテーナ50の円筒部55の外周部に、ベゼル70の係止部74を係止させるための係止爪54が2箇所に設けられる。上記のような形状に構成されるリテーナ50は、支持枠53、ボールジョイント60とともに、硬質合成樹脂の射出成形により一体成形される。
リテーナ50の前部には、ベゼル70が、その円筒部73を円筒部55に外嵌させ、係止部74を係止爪54に係止させて、嵌着される。このベゼル70は、図23などに示すように、基本的には、リテーナ50の円筒部55に嵌合される円筒部73と、円筒部73の前部に拡径して延設される球面部72とを有した円筒状に形成される。球面部72の前部にはフランジ状に拡径した部分が延設され、その内側に円形の空気吹出口71が形成され、円筒部55、球面部72内にはリテーナ50内の通風路と連通し、空気吹出口71に連続する通風路59が形成される。
図26に示すように、ベゼル70の球面部72の内壁には、球面部分が円周状に形成され、バレル80の円環フレーム81がボール61を中心に球面部72に沿って僅かな隙間を介して回動可能としている。ベゼル70の球面部72の内壁が球面で形成され、バレル80の円環フレーム81の外周面も、その球面に対応する球面で形成される。これにより、ベゼル70内でバレル80が僅かな隙間を介して全方向に回動可能となっている。ベゼル70は、組付け時、リテーナ50の前部に、その円筒部73をリテーナ50の円筒部55に嵌め込むことにより、係止部74が係止爪54に係止され、リテーナ50に対し嵌着される。
バレル80は、図25に示すように、正面視を円形とした円環フレーム81の内側に格子ブレード82を設けて構成され、格子ブレード82は円環フレーム81内で、複数の縦横ブレードを交差させて形成される。格子ブレード82の背面中央に、図22に示すソケット部83が背面に向けて設けられる。ソケット部83は、ボールジョイント60のボール61が嵌入可能に、略球状の穴部が背面後部を後方向けて形成される。背面側のソケット部83は、固定側のボール61を穴部に嵌入可能な形状で、且つバレル80が傾動可能に保持される形状に形成される。このようなバレル80は、円環フレーム81、格子ブレード82、及びソケット部83が、硬質合成樹脂の射出成形により一体成形される。
バレル80は、空気吹出口71からベゼル70内に挿入され、リテーナ50側のボール61に対し、ソケット部83の穴部を前方から押し込み、嵌着する。このソケット部83はボール61に押し込むようにして、簡単に嵌め込むことができ、製造時の組付工程を簡単化することができる。バレル80は、ベゼル70内に位置するボールジョイント60のボール61上に組み付けられ、ニュートラル状態では、図26(a)のように、通風路59内の横断面と平行に位置して保持され、ボール61上で、適度な摩擦抵抗をもって傾動(回動)可能に支持される。
図26に示す如く、この図例では、バレル80の傾動範囲は、空気吹出口71の横断面に対し約30度の角度まで上下左右に傾動可能であるが、ボールジョイント60及びソケット部85の形状により、バレル80の傾動範囲は、最大で上下左右に約45度の角度まで傾動可能とすることもできる。何れの角度においても、常時、バレル80を通して、送風は行われることとなる。
なお、ソケット部83の内側には操作荷重を付与する荷重付与部材を配設することができる。荷重付与部材は、熱可塑性エラストマーなどのゴム状弾性体から成形され、ボール61の外周面とソケット部83の内面との間に介挿され、この荷重付与部材により、バレル80のガタツキを防止し、バレル80の傾動操作時に、適度な操作荷重を付与することができる。
上記構成の丸型レジスタの使用時、図26(a)、図27(a)に示す如く、バレル80が、中心軸Sと垂直(ベゼル70の横断面と平行)の状態、つまりバレル80前面を正面に向けたとき、内側の格子ブレード82を通して、真直ぐ正面に向けて送風が行われる。この状態で、バレル80はニュートラル状態となるので、少ない圧力損失で送風が行われる。
例えば斜め上方に向けて送風を行う場合、バレル80の下部(例えばバレル前面の6時位置)を、指などで押す。このとき、バレル80は、図26(b)のように、ボール61を中心に図26の時計方向に回動し、その下部が後方に、その上部が前方に傾動する。これにより、リテーナ50とベゼル70内の通風路59を通過する空気流は、バレル80の格子ブレード82を通して、図26(b)のように、斜め下方に向けられ、送風される。
一方、斜め下方に向けて送風を行う場合、バレル80の上部(例えばバレル前面の12時位置)を、指などで押す。このとき、バレル80は、図26(c)のように、ボール61を中心に図26の反時計方向に回動し、その上部が後方に、その下部が前方に傾動する。これにより、リテーナ50とベゼル70内の通風路59を通過する空気流は、バレル80の格子ブレード82を通して、図26(c)のように、斜め上方に向けられ、送風される。
また、斜め左方向に向けて送風を行う場合、バレル80の左部(例えばバレル前面の9時位置)を、指などで押す。このとき、バレル80は、図27(b)のように、ボール61を中心に図27の時計方向に回動し、その左部が後方に、その右部が前方に傾動する。これにより、リテーナ50とベゼル70内の通風路59を通過する空気流は、バレル80の格子ブレード82を通して、図27(b)のように、斜め左方向に向けられ、送風される。
また、斜め右方向に向けて送風を行う場合、バレル80の右部(例えばバレル前面の3時位置)を、指などで押す。このとき、バレル80は、図27(c)のように、ボール61を中心に図27の反時計方向に回動し、その右部が後方に、その左部が前方に傾動する。これにより、リテーナ50とベゼル70内の通風路59を通過する空気流は、バレル80の格子ブレード82を通して、図27(c)のように、斜め右方向に向けられ、送風される。
このように、レジスタ前面の空気吹出口71内に位置するバレル80を押して、傾動させるのみの簡単な操作により、送風方向を変えることができ、送風方向は、バレル80の押す位置に応じて、上下左右と任意の方向に簡単に変えることができる。また、バレル80はボールジョイント60のボール61を中心に全方向に簡単に傾動操作することができるため、使用者が指などでバレル80の前面を押すのみの1操作で、風向調整を行うことができる、操作が非常に簡単で、操作性を大きく向上させることができる。
さらに、リテーナ50とボールジョイント60が一体成形され、バレル80とソケット部83とが一体成形されるので、レジスタを構成する部品点数は、リテーナ50、バレル80及びベゼル70の3点のみとなり、部品数を最少とし、成形金型の数を最少として、製造コストを下げることができる。また、部品数を少なくすることにより、組付工数が少なくなり、効率良く製造することができる。また、レジスタの正面意匠には、ベゼル70内の空気吹出口71に、バレル80の前面が現れるのみあり、ボールジョイント60やソケット部83はバレル80により隠されて露出しないため、レジスタの見栄えを向上させることができる。
1 リテーナ
2 ベゼル
3 可動フィン
3A 可動フィン
5 ソケット部
9 通風路
10 ボールジョイント
11 ボール
11a 平坦部
12 軸部
12a 小径部
13 支持枠
14 係止爪
15 円筒部
21 空気吹出口
22 山形凸条
22a 頂部
23 前傾斜面
24 後傾斜面
25 円筒部
26 係止部
30 外周縁部
31 平坦部
32 環状凹部
32a 中央凸部
33 環状傾斜面
34 外周縁部
35 ソケット部
50 リテーナ
53 支持枠
54 係止爪
55 円筒部
56 円形枠
59 通風路
60 ボールジョイント
61 ボール
61a 平坦部
62 軸部
62a 小径部
70 ベゼル
71 空気吹出口
72 球面部
73 円筒部
74 係止部
80 バレル
81 円環フレーム
82 格子ブレード
83 ソケット部

Claims (8)

  1. 内部に通風路を有した円筒状のリテーナの前部に、円形の空気吹出口を有したベゼルが嵌着され、該空気吹出口の内側に、円形のフィンが可動的に配設された丸型レジスタであって、
    該リテーナと一体に成形され、該通風路の通風方向と平行な中心軸上に配した軸部を有し、該軸部の前先端にボールを設けたボールジョイントと、
    該ボールが嵌入されるソケット部を背面中央に設けた円形の可動フィンと、
    を備え、該可動フィンは、該空気吹出口の内側で、該ボールを中心に全方向に傾動可能に配設され、該空気吹出口は、該可動フィンによって略閉鎖可能とされるとともに、該可動フィンの傾動に応じて、該可動フィンの外周縁部側の該空気吹出口が開口することを特徴とする丸型レジスタ。
  2. 前記ベゼルの前記空気吹出口の内周部に、横断面を略三角形とする山形凸条が円周に沿って連続して設けられ、該山形凸条の前面に、前方広がり状に開口した前傾斜面が円周状に連続して形成され、該山形凸条の後面には、後方広がり状に傾斜した後傾斜面が円周状に連続して形成され、閉鎖位置の前記可動フィンの外周縁部が該山形凸状の頂部近傍に位置するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の丸型レジスタ。
  3. 前記可動フィンには、前面に環状凹部が形成され、背面周縁に環状傾斜面が形成されたことを特徴とする請求項2記載の丸型レジスタ。
  4. 前記可動フィンのソケット部の内面と前記ボールとの間に、荷重付与部材が介挿されたことを特徴とする請求項1記載の丸型レジスタ。
  5. 前記ボールジョイントの軸部は、前記リテーナ内の通風路を垂直に横断する横断面に沿った支持枠上に設けられ、該リテーナの中心軸に沿った奥行きは、該支持枠の該中心軸方向の厚さの約1.5倍〜約2倍に形成されたことを特徴とする請求項1記載の丸型レジスタ。
  6. 内部に通風路を有した円筒状のリテーナの前部に、円形の空気吹出口を有したベゼルが嵌着され、該空気吹出口の内側に、バレルが可動的に配設された丸型レジスタであって、
    該リテーナと一体に成形され、該通風路の通風方向と平行な中心軸上に配した軸部を有し、該軸部の前先端にボールを設けたボールジョイントと、
    球面の一部を外周面に有する円環フレーム内に格子ブレードを設け、該格子ブレードの中央に該ボールが嵌入されるソケット部を設けた円形のバレルと、
    を備え、該バレルは、該空気吹出口の内側で、該ボールを中心に全方向に傾動可能に配設され、該ボールジョイントの軸部は、該リテーナ内の通風路を垂直に横断する横断面に沿った支持枠上に設けられたことを特徴とする丸型レジスタ。
  7. 前記バレルの格子ブレードは、該バレルの通風方向に沿って幅広のフィン状に形成されたことを特徴とする請求項6記載の丸型レジスタ。
  8. 前記バレルの傾動角度を制限する円形枠が前記支持枠に設けられたことを特徴とする請求項6記載の丸型レジスタ。



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JP2020055472A (ja) * 2018-10-03 2020-04-09 日本プラスト株式会社 風向調整装置
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