JP2017141449A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性、硬化性、遮蔽性、耐沈降性の優れたインク組成物硬化性、保存安定性、及び吐出安定性に優れた紫外線硬化型インクジェットインク組成物を提供する。【解決手段】ペンタエリスリトール骨格を有する3あるいは4官能の(メタ)アクリレートと、色材として無機金属系微粒子とを含み、20℃における粘度が8〜22mPa・sである紫外線硬化型インクジェットインク組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットインク組成物、インク収容体、インクジェット記録方法に関
する。
従来、紙などの被記録媒体に、画像データ信号に基づき画像を形成する記録方法として
、種々の方式が利用されてきた。このうち、インクジェット方式は、安価な装置で、必要
とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを
効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、インクジェット方式は騒音が小さ
いため、記録方法として優れている。
近年、高い耐水性、耐溶剤性、及び耐擦過性などを有する画像を被記録媒体の表面に形
成するため、インクジェット方式の記録方法において紫外線を照射すると硬化する、紫外
線硬化型インクジェット記録用インク組成物が使用されている。
また、紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の中でも、無機金属系微粒子を
含有するインク組成物は、インクを用いて記録した記録物の良好な遮蔽性が得られる一方
、インクの保管中に無機金属系微粒子が沈降し易いという問題があった。
例えば、特許文献1は、ハイパーブランチポリマーを含有するホワイトインク組成物を
開示している。
また、特許文献2は、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
を含有するシアンインク、マゼンタインクを開示している。
特開2012−17466号公報 特開2009−83133号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示のインクは共に、保存安定性、硬化性、遮蔽性
、沈降性のうち少なくともいずれかが未だ十分なものではなかった。また、吐出安定性、
ヘッド耐久性を十分なものとしながら、回復性、耐久性に優れたインク収容体はなかった
そこで、本発明は、保存安定性、硬化性、遮蔽性、耐沈降性の優れたインク組成物を提
供することを目的の一つとする。
また、本発明は、吐出安定性、ヘッド耐久性を十分なものとしながら、回復性、耐久性
に優れたインク収容体を提供することを目的の一つとする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、無機金属系微粒子を含み遮蔽
性に優れるインク(インク組成物)において、粘度を所定の範囲以上とすることで耐沈降
性をよくできることから、このような粘度とするための粘度調整が可能な高粘度重合性化
合物を用いてインク調製を行ったところ、ペンタエリスリトール骨格を有する3官能ある
いは4官能の(メタ)アクリレートが、保存安定性、硬化性に優れることを見出した。さ
らに、上記の重合性化合を含み、20℃におけるインク組成物の粘度が8〜22mPa・
sである紫外線硬化型インクジェットインク組成物とすることでインクジェットインク組
成物として有用なものとできることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]
ペンタエリスリトール骨格を有する3官能あるいは4官能の(メタ)アクリレートと、
色材として無機金属系微粒子とを含み、20℃における粘度が8〜22mPa・sである
紫外線硬化型インクジェットインク組成物。
[2]
前記ペンタエリスリトール骨格を有する3官能あるいは4官能(メタ)アクリレートの
含有量が、インク組成物に対し5〜15質量%である、請求項1に記載の紫外線硬化型イ
ンクジェットインク組成物。
[3]
前記無機金属系微粒子の含有量が、インク組成物に対し10〜25質量%である、上記
[1]又は[2]に記載の紫外線硬化型インクジェットインク組成物。
[4]
さらに、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む、上記[1]〜[
3]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェットインク組成物。
[5]
前記ペンタエリスリトール骨格を有する3官能あるいは4官能の(メタ)アクリレート
が、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレートの少なくとも何れかを含む、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載
の紫外線硬化型インクジェットインク組成物。
[6]
紫外線硬化型インクジェットインク組成物が充填される容器を備え、容器が、酸素透過
度が5.0cc・20μm/(m2・day・atm)以下のプラスチックフィルムによ
り構成され、容器に充填されているインクが[1]〜[5]のいずれか一項に記載の紫外
線硬化型インクジェットインク組成物である、インク収容体。
[7]
紫外線硬化型インクジェットインク組成物が充填される容器を備え、容器がエチレンビ
ニルアルコール共重合体により構成され、容器に充填されているインクが上記[1]〜[
5]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェットインク組成物である、
インク収容体。
[8]
充填されている紫外線硬化型インクジェットインク組成物の溶存酸素量が20ppm以
下である、上記[6]又は[7]に記載のインク収容体。
[9]
上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク
組成物を20〜40℃で、ヘッドから吐出して被記録媒体へ記録を行う、インクジェット
記録方法。
[10]
上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク
組成物を、インクの20℃における粘度が、8mPa・s以上、15mPa・s未満であ
る場合は20〜30℃で、あるいは、15mPa・s以上、22mPa・s以下である場
合は30〜40℃で、ヘッドから吐出して被記録媒体へ記録を行う、インクジェット記録
方法。
[11]
ヘッドから吐出する前記紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の溶存酸素量
が20ppm以下である、上記[9]又は[10]に記載のインクジェット記録方法。
[12]
インク組成物が充填される容器を備え、容器が、酸素透過度が5.0cc・20μm/
(m2・day・atm)以下のプラスチックフィルムにより構成され、容器に充填され
ているインクが、色材として無機金属系微粒子を含み、20℃における粘度が8〜22m
Pa・sである紫外線硬化型インクジェットインク組成物である、
インク収容体。
[13]
インク組成物が充填される容器を備え、容器がエチレンビニルアルコール共重合体によ
り構成され、容器に充填されているインクが、色材として無機金属系微粒子を含み、20
℃における粘度が8〜22mPa・sである紫外線硬化型インクジェットインク組成物で
ある、
インク収容体。
本発明のインク収容体の一例を示す分解斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置のヘッドの周囲の一例を示す概念図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の
実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することがで
きる。
本明細書において、「硬化性」とは、光に感応して硬化する性質をいう。「保存安定性
」とは、インク組成物を保存したときに、保存前後における粘度が変化しにくい性質をい
う。「吐出安定性」とは、ノズルの目詰まりがなく常に安定したインク組成物の液滴をノ
ズルから吐出させる性質をいう。「遮蔽性」は、インクを用いて記録した記録物の光の透
過し難さをいう。「耐沈降性」は、インク組成物を保管する間のインク組成物中の成分の
沈降し難さをいう。本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び
それに対応するメタクリレートのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリル
」はアクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれかを意味し、「(メ
タ)アクリロイル」はアクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれか
を意味する。
[紫外線硬化型インクジェットインク組成物]
本実施形態のインク組成物(インク)は、紫外線で照射することにより硬化する紫外線
硬化型インク組成物である。また、インクジェット記録装置で用いるインクジェットイン
ク組成物である。インクジェットインク組成物とはインクジェットプリンター用に販売さ
れるインクをさす。
[インク組成物の20℃における粘度]
本実施形態のインク組成物は20℃における粘度が8〜22mPa・sである。20℃
における粘度を8mPa・s以上とすることで、インクの長期保管中において、インクに
含まれる比重が比較的高く沈降しやすい無機金属系微粒子成分の沈降を防止して耐沈降性
をよくすることができる。また、インクの粘度を上げるために20℃における粘度を22
mPa・s以下とすることで、インクに含む多官能モノマーや高分子重合性化合物などの
高粘度成分の含有量を制限することで、インクの保存安定性を高めることができる。これ
らの成分は、官能基数の少ない(2官能以下の)重合性モノマーと比較して、保存安定性
が劣る傾向があるからである。インクの20℃における粘度は、耐沈降性を一層良くでき
る点で15〜22mPa・sが好ましい。一方、保存安定性を一層優れたものとできる点
で、8〜15mPa・sが好ましい。
なお、インクの粘度を前述の範囲とすることには下記の利点もある。まず、インクの粘
度が上記範囲以下であると、インクを後述の所定の温度範囲(20〜40℃)である吐出
温度においてヘッドからインクを吐出する後述の吐出工程の際、インクの粘度をヘッドか
ら安定して吐出させることが可能な粘度にしやすい。また、粘度が低いインクは粘度が高
いインクよりも、ヘッドの部材の劣化が大きくヘッドの耐久性が劣る傾向がある。これは
、粘度が低いインクは単官能モノマーなどの比較的低粘度の重合性化合物をより多く含む
ことになり、比較的低粘度の重合性化合物を多く含むインクはそうでないインクよりも、
ヘッドの耐久性が悪化する傾向が見られたことと関係すると考えられる。一方、ヘッドの
耐久性は、インクの吐出温度が高いほど悪化する傾向が見られた。これは、温度が高いほ
どインクのヘッドの部材を劣化させる効果が強まるためと考えられる。インクの粘度を前
述の範囲とすることで、インクに起因するヘッド耐久性の悪化をなくすことができ、イン
クの粘度をヘッドからの吐出に適したものにするために吐出温度を40℃超として粘度を
下げる必要がなく吐出温度に起因するヘッド耐久性の悪化をなくすこともできる。
さらに、粘度が低いインクは粘度が高いインクよりも、インク硬化後の硬化物の硬化シ
ワの発生が大きい傾向が見られた。これは、粘度が低いインクは単官能モノマーなどの比
較的低粘度の重合性化合物をより多く含むことになり、比較的低粘度の重合性化合物を多
く含むインクはそうでないインクよりも、硬化シワの発生が顕著であったことと関係する
と考えられる。硬化シワ発生は、下記硬化シワが発生する原理は次のように推測されるが
、本発明の範囲は以下の推測によって何ら限定されることはない。硬化シワは、インクの
塗膜において、塗膜表面が先に硬化した後、塗膜内部が塗膜表面よりも遅れて硬化する際
に、先に硬化した塗膜表面が変形したり、後から硬化するまでの間に塗膜内部のインクが
不規則に流動したりすることなどにより、発生すると推測される。また、粘度が低い紫外
線硬化型インクは硬化に伴う重合収縮率(所定の質量を有する硬化前のインクの体積に対
する、当該インクの体積と硬化後の当該インク(硬化物)の体積との差)が大きい傾向が
見られ、このため硬化シワの発生が顕著であると推測される。そこで、インクの粘度を前
述の範囲以上とすることで、硬化シワ抑制の点で優れたインクとすることができる。さら
に、後述する単官能(メタ)アクリレート、中でも一般式(I)で表されるビニルエーテ
ル基含有(メタ)アクリレートを含有する紫外線硬化型インクは、硬化性に優れる半面、
硬化シワが発生しやすい傾向が見られた。本実施形態のインクは、これらの成分を含有す
る場合であっても粘度を前述の範囲とすることにより、硬化シワの発生を効果的に防止す
ることができる。
なお、本明細書における粘度は、後述の実施例で行った方法により測定された値を採用
するが、これは粘度の測定方法を制限するという意味でなく従来公知の測定方法が利用可
能である。
そのうち、本実施形態においてインクの粘度は、特に、E型粘度計を用いて測定するこ
とができる。E型粘度計の使用に際しては、粘度計の取扱説明書に従い測定するものであ
ることは一般常識の範疇であり、よって、ローターの種類や回転速度は、取扱説明書に従
い、測定対象とするインクの粘度が正常に測定可能なものに設定して測定するものである
ことは特段言うまでもないことであり、本実施形態においてもインクの粘度を、取扱説明
書に従い、測定対象とするインクの粘度が正常に測定可能なものに設定して測定すること
は自明である。
[粘度設計手法]
本実施形態のインク組成物は、インクが種々の成分を含む場合は、含む成分の混合物で
あるインク組成物の全体として、前述の粘度を満たしていればよい。ここで、このような
粘度のインク組成とするよう、インクの粘度を所望の範囲とするためのインクの設計方法
の一例を説明する。
インクに含まれる重合性化合物全体の混合粘度は、使用する各重合性化合物の粘度と、
当該各重合性化合物のインク組成物に対する質量比と、から推算することができる。
インクが、重合性化合物A,B…(途中省略)…,NというN種類の重合性化合物を含
むと仮定する。重合性化合物Aの粘度をVAとし、インク中の重合性化合物全量に対する
重合性化合物Aの質量比をMAとする。重合性化合物Bの粘度をVBとし、インク中の重
合性化合物全量に対する重合性化合物Bの質量比をMBとする。同様にN番目の重合性化
合物Nの粘度をVNとし、インク中の重合性化合物全量に対する重合性化合物Nの質量比
をMNとする。確認的に示すと、「MA+MB+…(途中省略)…+MN=1」という数
式が成り立つ。また、インクに含まれる重合性化合物全体の混合粘度をVXとする。そう
すると、下記の数式(1)を満たすと仮定する。
MA×LogVA+MB×LogVB+…(途中省略)…+MN×LogVN=Lo
gVX ・・・(1)
なお、例えば重合性化合物がインクに2種含まれる場合には、MBよりも後の重合性化
合物の質量比をゼロとする。重合性化合物の種類数は1種以上の任意の数とすることがで
きる。
次に、インク粘度を所望の範囲とするための手順(ステップ1〜7)の一例を説明する
まず、使用する各重合性化合物の所定温度における粘度の情報を入手する(ステップ1
)。入手方法としては、メーカーカタログなどから入手したり、各重合性化合物の所定温
度における粘度を測定したりすることなどが挙げられる。重合性化合物単体の粘度は、同
じ重合性化合物であってもメーカーにより異なることがあるので、使用する重合性化合物
の製造業者による粘度情報を採用するとよい。
続いて、VXに目標粘度を設定し、上記の数式(1)に基づきVXが目標粘度となるよ
う各重合性化合物の組成比(質量比)を決める(ステップ2)。目標粘度は、最終的に得
たいインク組成物の粘度であり、8〜22mPa・sの範囲のうちのある粘度とする。所
定温度は20℃とする。
続いて、実際に重合性化合物を混合して重合性化合物の組成物(以下、「重合性組成物
」という。)を調製し、所定温度における粘度を測定する(ステップ3)。
続いて、重合性組成物の粘度が上記の目標粘度に凡そ近い場合(本ステップ4では、「
目標粘度±5mPa・s」になっていればよい。)、当該重合性組成物と、光重合開始剤
や顔料など重合性化合物以外の成分(以下、「重合性化合物以外の成分」という。)と、
を含むインク組成物を調製し、当該インク組成物の粘度を測定する(ステップ4)。当該
ステップ4において、重合性化合物以外の成分であって、例えば顔料のように顔料分散液
の形態でインク組成物に混合する成分がある場合、顔料分散液に予め含まれている重合性
化合物もインク組成物に持ち込まれてしまうため、ステップ2で決めた各重合性化合物の
組成比から、顔料分散液としてインク組成物に持ち込まれてしまう重合性化合物の質量比
を差し引いた質量比で、インク組成物を調整する必要がある。
続いて、上記インク組成物の測定粘度と上記重合性組成物の測定粘度との差を算出し、
これをVYとする(ステップ5)。ここで、通常「VY>0」となる。VYは、重合性化
合物以外の成分の種類や含有量などの含有条件によるが、後記の実施例においては、VY
=3〜5mPa・sであった。
続いて、VXに「ステップ2の目標粘度−VY」を定め、上記の数式(1)から、VX
が前記で定めた「ステップ2の目標粘度−VY」となるよう各重合性化合物の組成比を再
度決める(ステップ6)。
続いて、ステップ6で決めた組成比の各重合性化合物と重合性化合物以外の成分とを混
合してインク組成物を調製し、所定温度における粘度を測定する(ステップ7)。測定し
た粘度が目標粘度になっていれば、ステップ7で調整したインク組成物が、目標粘度を有
するインク組成物として得られたことになる。
一方、ステップ3において、調製した重合性化合物の組成物の測定粘度が「目標粘度±
5mPa・s」の範囲に入っていない場合、以下の微調整を行った上で、ステップ3から
再度行う。まず、上記測定粘度が高すぎる場合、単体としての粘度が目標粘度よりも高い
重合性化合物の含有量を減らし、かつ、単体としての粘度が目標粘度よりも低い重合性化
合物の含有量を増やすといった微調整を行う。一方、上記測定粘度が低すぎる場合、単体
としての粘度が目標粘度よりも低い重合性化合物の含有量を減らし、かつ、単体としての
粘度が目標粘度よりも高い重合性化合物の含有量を増やすといった微調整を行う。また、
ステップ7で、調製したインク組成物の測定粘度が目標粘度になっていない場合、上記の
微調整と同様の調整を行った上で、ステップ7から再度行う。
[インク収容体]
本発明の他の1実施形態は、所定の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を
収容したインク収容体に係る。インク収容体は、インクジェット記録装置でインク組成物
を使用する前に、インク組成物の保管、輸送に用いるものであり、使用する際にはインク
収容体に収容されるインク組成物を記録装置に供給するものである。インク収容体の詳細
は後述する。
以下、本実施形態におけるインク組成物に含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)
を説明する。
〔重合性化合物〕
インク組成物に含まれる重合性化合物は、単独で、又は後述する光重合開始剤の作用に
より、光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。
(ペンタエリスリトール骨格を有する3官能あるいは4官能の(メタ)アクリレート)
インク組成物は、重合性化合物として、ペンタエリスリトール骨格を有する3官能ある
いは4官能の(メタ)アクリレートを含む。当該(メタ)アクリレートは、ペンタエリス
リトール骨格(ペンタエリスリトールのうちの骨格部分:C(CH2−O−)4残基)を分
子中に1個以上有し、重合性官能基としての(メタ)アクリレート基を分子中に3個ある
いは4個有する化合物である。当該化合物は、高粘度を有しインクを所定範囲の粘度とす
る点で有利であり、インクの硬化性、保存安定性にも優れる。当該(メタ)アクリレートは
、以下に限られるものではないが、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどがあげられる。また複数個のペンタエリ
スリトール残基からなるペンタエリスリトール骨格を有する化合物でもよく、例として、
ジペンタエリスリトールやトリペンタエリスリトールの、トリ(メタ)アクリレート、テト
ラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキ
サイド変性テトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレー
ト、プロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリ(メ
タ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
当該(メタ)アクリレートは、粘度が高いためインクに対沈降性を付与することができ
る。硬化性、保存安定性、インク組成物の粘度調整のし易さから、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが好まし
く、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートがより好ましい。当該(メタ)アク
リレートは、1種を用いても2種以上を用いても良い。当該(メタ)アクリレートの含有
量は、インク組成物の総質量(100質量%に対し、3〜18質量%が好ましく5〜15
質量%がより好ましい。上記範囲内であると、粘度調整のしやすさ、保存安定、硬化性の
点で一層優れたものとできる。
(その他の重合性化合物)
本実施形態のインク組成物は、ペンタエリスリトール骨格を有する3官能あるいは4官
能の(メタ)アクリレート以外のその他の重合性化合物を含んでもよい。その他の重合性
化合物のうち、下記のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類以外の重合性
化合物については後述する。
(ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類)
インク組成物は、その他の重合性化合物として下記一般式(I)で表されるビニルエー
テル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含んでも良い。
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であ
り、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
インク組成物が当該ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含有するこ
とにより、インクの硬化性を優れたものとすることができ、さらにインクを低粘度化する
こともできる。さらに言えば、ビニルエーテル基を有する化合物及び(メタ)アクリル基
を有する化合物を別々に使用するよりも、ビニルエーテル基及び(メタ)アクリル基を一
分子中に共に有する化合物を使用する方が、インクの硬化性を良好にする上で好ましい。
上記の一般式(I)において、R2で表される炭素数2〜20の2価の有機残基として
は、炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキレン基、構
造中にエーテル結合及び/又はエステル結合による酸素原子を有する置換されていてもよ
い炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい2価の芳香族
基が好適である。これらの中でも、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、
及びブチレン基などの炭素数2〜6のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロ
ピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合
による酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。
上記の一般式(I)において、R3で表される炭素数1〜11の1価の有機残基として
は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキル基、炭素
数6〜11の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、メチル基又
はエチル基である炭素数1〜2のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭素数6
〜8の芳香族基が好適に用いられる。
上記の各有機残基が置換されていてもよい基である場合、その置換基は、炭素原子を含
む基及び炭素原子を含まない基に分けられる。まず、上記置換基が炭素原子を含む基であ
る場合、当該炭素原子は有機残基の炭素数にカウントされる。炭素原子を含む基として、
以下に限定されないが、例えばカルボキシル基、アルコキシ基が挙げられる。次に、炭素
原子を含まない基として、以下に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基が挙げられる。
上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、以下に限定されな
いが、例えば、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニ
ロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アク
リル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)ア
クリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチ
ルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリ
ル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチ
ル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−
ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリ
ル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシル
メチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アク
リル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシ
メチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メ
タ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロ
キシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、
(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビ
ニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ
)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(
ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソ
プロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソ
プロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル
、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)ア
クリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−
(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニ
ロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ
イソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエ
トキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポ
キシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)
エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチ
ル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸
2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロ
ペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキ
シエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコ
ールモノビニルエーテル、及び(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニル
エーテルが挙げられる。
これらの中でも、インクをより低粘度化でき、引火点が高く、かつ、インクの硬化性に
優れるため、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、即ち、アクリル酸
2−(ビニロキシエトキシ)エチル及びメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル
のうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルが
より好ましい。特にアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル及びメタクリル酸2−
(ビニロキシエトキシ)エチルは、何れも単純な構造であって分子量が小さいため、イン
クを顕著に低粘度化することができる。(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)
エチルとしては、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及び(メタ
)アクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられ、アクリル酸2−(ビニ
ロキシエトキシ)エチルとしては、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及
びアクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。なお、アクリル酸2
−(ビニロキシエトキシ)エチルの方が、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチ
ルに比べて硬化性の面で優れている。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、1種単独で用いてもよく、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類、特に(メタ)アクリル酸2
−(ビニロキシエトキシ)エチルの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に
対して、10〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましく、30〜50質
量%がさらに好ましい。含有量が上記範囲内であると、インクの硬化性、保存安定性を一
層優れたものとすることができる。
上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法としては、以下に
限定されないが、(メタ)アクリル酸と水酸基含有ビニルエーテルとをエステル化する方
法(製法B)、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と水酸基含有ビニルエーテルとをエステ
ル化する方法(製法C)、(メタ)アクリル酸無水物と水酸基含有ビニルエーテルとをエ
ステル化する方法(製法D)、(メタ)アクリル酸エステルと水酸基含有ビニルエーテル
とをエステル交換する方法(製法E)、(メタ)アクリル酸とハロゲン含有ビニルエーテ
ルとをエステル化する方法(製法F)、(メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩とハ
ロゲン含有ビニルエーテルとをエステル化する方法(製法G)、水酸基含有(メタ)アク
リル酸エステルとカルボン酸ビニルとをビニル交換する方法(製法H)、水酸基含有(メ
タ)アクリル酸エステルとアルキルビニルエーテルとをエーテル交換する方法(製法I)
が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態に所望の効果を一層発揮することができるため、製法Eが
好ましい。
(上記以外の重合性化合物)
その他の重合性化合物のうち上記以外の重合性化合物としては、従来公知の、単官能、
2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能であ
る。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イ
ソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン
、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不
飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、上記
オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成され
るオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪
族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステ
ル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、他の単官能モノマーや多官能モノマーとして、N−ビニル化合物を含んでいても
よい。N−ビニル化合物としては、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール
、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、及びア
クリロイルモルホリン、並びにそれらの誘導体などが挙げられる。
その他の重合性化合物のうち、(メタ)アクリル酸のエステル、即ち(メタ)アクリレ
ートが好ましい。
上記(メタ)アクリレートのうち、単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イ
ソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)ア
クリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリス
チル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブ
トキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェ
ノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペ
ンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、フェノキシ
エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記(メタ)アクリレートのうち、2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(
メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−
トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイ
ド)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキサイド)
付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ
)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられ
る。これらの中でも、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
上記(メタ)アクリレートのうち、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては
、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ
(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート
が挙げられる。
これらの中でも、その他の重合性化合物は単官能(メタ)アクリレートを含むことが好
ましい。この場合、光重合開始剤その他の添加剤の溶解性に優れ、かつ、インクジェット
記録時の吐出安定性が得られやすい。さらに塗膜の強靭性、耐熱性、及び耐薬品性が増す
ため、単官能(メタ)アクリレート及び2官能(メタ)アクリレートを併用することがよ
り好ましく、中でもフェノキシエチル(メタ)アクリレート及びジプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレートを併用することがさらに好ましい。
上記その他の重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記その他の重合性化合物の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し
、5〜85質量%が好ましく、15〜80質量%がより好ましい。含有量が上記範囲内で
あると、粘度及び臭気を低下させることができるとともに、光重合開始剤の溶解性及び反
応性を優れたものとすることができる。
上記その他の重合性化合物の中でも、単官能(メタ)アクリレート(前述のビニルエーテ
ル基含有(メタ)アクリレートであって単官能(メタ)アクリレートのものをインクが含む場
合はこれも含め)の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、40〜8
0質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。
また、前述のビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート以外の単官能(メタ)アクリレー
トの含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、10〜50質量%が好ま
しく、20〜40質量%がより好ましい。比較的低粘度であるこれらをインクが含むこと
で、比較的高粘度であるペンタエリスリトール骨格を有する3あるいは4官能(メタ)アク
リレートと併用する場合のインクの粘度を好ましいものにしやすく、インクの硬化性、光
重合開始剤などの成分の溶解性、保存安定性などを一層優れたものとできる。
インクがペンタエリスリトール骨格を有する3あるいは4官能(メタ)アクリレート以外
の2官能以上の(メタ)アクリレートを含む場合は、その含有量は、インク組成物の総質量
(100質量%)に対し、2〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。
(重合禁止剤)
インク組成物は、重合禁止剤としてヒンダードアミン化合物や、p−メトキシフェノー
ル、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、ヒドロキノン、クレゾール、t−ブ
チルカテコール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレ
ンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチ
ル−6−ブチルフェノール)、及び4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)を含んでもよい。
重合禁止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その
他の重合禁止剤の含有量は、特に制限されないが、例えばインク組成物中に0.01〜0
.5質量%とすればよい。
〔光重合開始剤〕
インク組成物は光重合開始剤をさらに含んでもよい。当該光重合開始剤は、紫外線の照
射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて印字を形成す
るために用いられる。放射線の中でも紫外線(UV)を用いることにより、安全性に優れ
、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。光(紫外線)のエネルギーによって、
ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるもので
あれば制限はないが、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することがで
き、中でも光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
上記の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィンオ
キサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン
化合物、チオフェニル基含有化合物など)、α−アミノアルキルフェノン化合物、ヘキサ
アリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニ
ウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物
、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
これらの中でも、インクの硬化性を一層優れたものとすることができるため、チオキサ
ントン化合物が好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物及びチオキサントン化合物
の組み合わせがより好ましい。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケ
タール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アン
トラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロ
ロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフ
ェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホ
リノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォ
スフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオ
キサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
上記の中でも、幅広い領域の紫外光(UV光)を効率良く活性種に変換できるため、ジ
エチルチオキサントンが好ましい。
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE 651(2,2
−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1
−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2
959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{
4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2
−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−
メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 3
69(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノ
ン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフ
ェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DA
ROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオ
キサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−
フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−
シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−
1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オク
タンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、I
RGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾ
イル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRG
ACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシ
エトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチ
ルエステルの混合物)(以上、BASF社製)、Speedcure TPO、Spee
dcure DETX(2,4−ジエチルチオキサントン)、Speedcure IT
X(2−イソプロピルチオキサントン)(以上、Lambson社製)、KAYACUR
E DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co
., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BAS
F社製)、及びユベクリルP36(UCB社製)などが挙げられる。
上記光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい
光重合開始剤の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質
量%が好ましく、8〜15質量%がより好ましい。含有量が当該範囲内であると、紫外線
硬化速度を十分に発揮させ、かつ、光重合開始剤の溶け残りや光重合開始剤に由来する着
色を避けることができる。
特に、インク組成物に含まれる光重合開始剤がアシルフォスフィンオキサイド系化合物
である場合、インクの硬化性を一層優れたものとでき好ましい。アシルフォスフィンオキ
サイド系化合物を含む場合、その含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対
し、7〜15質量%が好ましく、8〜12質量%がより好ましい。
なお、上述の重合性化合物として光重合性の化合物を用いることで、光重合開始剤の添
加を省略することが可能であるが、光重合開始剤を用いた方が、重合の開始を容易に調整
することができ、好適である。
〔色材〕
インク組成物は、色材として、無機金属系微粒子を含む。無機金属系微粒子としては、
金属酸化物、金属炭酸化物、金属硫酸化物などの金属化合物微粒子や、金属や合金などの
金属微粒子があげられる。インクが無機金属系微粒子を含むことで、記録媒体へ記録した
記録物の遮蔽性を高くすることができ、例えば、透明な被記録媒体に本実施形態のインク
組成物を用いてパターンを形成した場合でも、遮蔽性に優れたパターンを形成することに
より記録物の遮蔽性を高くすることができる。インクが無機金属系微粒子として金属化合
物微粒子を含む場合、インクを白色インクとすることができ、インクが無機金属系微粒子
として金属微粒子を含む場合、インクをメタリックインクとすることができ、被記録媒体
にこれらの色のパターンを形成することができる。特に、インクが無機金属系微粒子とし
て金属化合物微粒子を含む白色インクとすることで、被記録媒体へ白色パターンを形成し
、当該パターン上にカラーインクによるカラーパターンを形成することで、高彩度なカラ
ー画像記録物とすることができる。
上記金属化合物微粒子としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物や、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの微粒子
が上げられる。上記金属微粒としては、アルミニウム、銀、金、チタン、これらの合金な
どの微粒子があげられる。金属微粒子を用いる場合は、粉砕処理などにより得た下記の所
定の平均粒径の微粒子の表面を、珪素化合物などによって表面処理した金属微粒子が好ま
しい。
無機金属系微粒子の平均粒径は、遮蔽性、耐沈降性の点で、150〜350nmが好ま
しく、180〜280nmがより好ましく、200〜250がさらに好ましい。ここで、本
明細書における平均粒子径は、動的光散乱法により測定されるものであり、体積平均粒径
である。
無機金属系微粒子の含有量は、遮蔽性、耐沈降性の点で、インク組成物中に2〜25質
量%が好ましく、5〜23質量%がより好ましく、8〜20質量%がさらに好ましい。イ
ンクが無機金属系微粒子を含むと、記録物の遮蔽性を良くできる反面、無機金属系微粒子
の密度が高い為、インクの耐沈降性が悪くなる傾向があるため、本実施形態のインク組成
物とすることが特に有用である。
本実施形態のインク組成物は、上記無機金属系微粒子に加えて、さらに、その他の顔料
、染料などの色材を含有しても良い。
〔分散剤〕
インク組成物中の無機金属微粒の分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに
含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分
散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシ
アルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポ
リマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ
系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂の
うち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、味の素フ
ァインテクノ社製のアジスパーシリーズ、アベシア(Avecia)社やノベオン(No
veon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等
)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロン
シリーズが挙げられる。
〔その他の添加剤〕
インク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このよう
な成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、スリップ剤(界面活性剤)、
重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上
記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
〔紫外線硬化型インクジェットインク組成物の溶存酸素量〕
本実施形態の1実施形態であるインク収容体に収容されたインク組成物は、溶存酸素量
が20ppm以下であることがこのましい。溶存酸素量が20ppm以下になるよう脱気
などの処理をすることで、吐出安定性及び硬化性に優れたインク組成物とすることができ
る。これにより、当該インク組成物はインクジェット記録装置に好適に使用可能となる。
また、インクジェット記録装置での使用において、インク流路をインクが通過するときに
空気がインクに溶け込むため、溶存酸素量は上昇する場合がある。だが、インク収容体内
でのインク組成物の溶存酸素量が20ppm以下であれば、インク収容体からインクジェ
ット記録装置内にインクを充填して記録を行う際に、吐出安定性及び硬化性に優れたイン
ク組成物とすることがしやすい。
また、上記溶存酸素量は、硬化性、保存安定性を一層よくできることから、1〜20p
pmがより好ましく、3〜20ppmがさらに好ましく、5〜15ppmが特に好ましい
ここで、本明細書における「溶存酸素量」は、少なくともインクジェット記録装置にイ
ンク組成物を充填する際に、上記の所定範囲内であればよい。より詳しく言えば、溶存酸
素量が上記所定範囲内である必要のある期間は、インク収容体が出荷されてから、インク
収容体又は当該収容体内のインク組成物が記録装置に装着、充填、又は使用される直前ま
でである。また、脱気機構を備えた記録装置の場合は、当該記録装置内で溶存酸素量を減
少させることができる。だが、この場合でも脱気能力に限界があり得ることから、インク
収容体中で溶存酸素量が上記範囲内であるとよい。一方で、記録装置内で溶存酸素量の変
化が(ほぼ)無い記録装置の場合は、仮に脱気機構を備えていない記録装置であっても、
少なくともインク収容体中でインクの溶存酸素量を上記範囲内とすればよい。
なお、本明細書における溶存酸素量は、従来公知の方法により測定することができるが
、便宜上、後述の実施例において実施した測定方法により得られた値を採用するものとす
る。
ここで、溶存酸素量を減少させる目的で脱気などの処理をしない場合、インク組成物の
溶存酸素量は通常50〜60ppm程度である。そのため、溶存酸素量を20ppm以下
とするためには脱気などの処理が必要となる。当該処理としては、以下に限定されないが
、例えば、脱気機構、不活性ガスのバブリングが挙げられる。
〔インク収容体の構成〕
本実施形態の一実施形態であるインク収容体の形状としては、以下に限定されないが、
例えば、パック、ボトル、タンク、ビン、缶が挙げられる。これらの中でも、インク収容
体のインクが充填される容器(インク収容体において、インクが充填されインクを実質的
にインクを保持する部材)として、柔軟性のあるフィルムを用いた容器(パック)を有す
るインク収容体が、軽量化、容器を箱状のインク収容体に入れ易いこと、インク残量に追
従して容器の容積が変化しやすい点、フィルムを熱融着(ヒートシール)して袋状に加工
して用いることができる点で好ましい。
なお、本実施形態のインク収容体の使用態様として、(A)記録装置とは別体であり、
記録装置に装着されてインクを順次、記録装置に供給するインクカートリッジ等の形態と
、(B)記録装置とは別体であり、インク使用時にはインクのみをインク収容体から記録
装置に移す形態と、(C)予め記録装置に備え付けられインクが収容されたタンク等の形
態と、が少なくとも挙げられる。
上記の(A)及び(B)は、インク収容体を出荷してから記録装置にインクを供給する
(移す)直前までのインク収容体と言うことができる。上記の(C)は、記録装置が出荷
されてから当該記録装置で初めてインクの使用を開始する前までにおけるインク収容体と
言うことができる。
なお、上記の(A)及び(C)は、インク容器からインクチューブ等の接続部を介して
記録装置にインクを供給している状態で、記録装置の印刷を行うインク収容体と言うこと
ができる。また、上記の(B)は、インク収容体から記録装置にインクを移した後、当該
記録装置で印刷を行うインク収容体と言うことができる。なお、当該(B)においてイン
クを移す対象としては、記録装置に備え付けられたタンク等が挙げられる。
インクが充填される容器の構成材料としては、以下に限定されないが、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル
共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリスチレンなどがあげら
れ、これらのフィルムであってもよい。上記を適当な比率で配合したり上記を複数種重ね
たりして構成してもよい。フィルムの場合、ラミネートして得られるものであってもよい
インク収容体は、保管、輸送中に、収容するインク組成物の沈降を回復させるために攪
拌を行うことがある。インク成分の沈降後、長期にわたり時間が経過すると沈降物がケー
キ化して回復が困難になる場合があるからである。また、インク収容体からインクを記録
装置に供給する際には、インク収容体を攪拌して沈降を回復させることが好ましい。
柔軟性のあるフィルムを用いた容器(パック)とする場合、特に、攪拌動作に伴い、ク
ラックや破れが発生しない耐久性が必要となる。このような耐久性のよいフィルム材料と
しては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチ
レン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリスチレンなどのプラ
スチックフィルムが好ましくあげられ、エチレン酢酸ビニル共重合体がより好ましい。
フィルムとしては、高密度、低密度、又は線状低密度のポリエチレン、ポリプロピレン
、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及びポリスチレン、等の延伸プラスチックフィ
ルムが好ましく挙げられる。複数層のフィルムを貼りあわせた積層フィルムとしてもよい
また、容器の構成材料の中でも、インクを包含する部材の酸素透過度(以下、単に「酸
素透過度」と言う。)は、5.0cc・20μm/(m2・day・atm)以下が好ま
しく、2.0cc・20μm/(m2・day・atm)以下がより好ましい。酸素透過
度が上記範囲内であると、保管中のインク組成物の溶存酸素量が変化しにくくなる。部材
がフィルムの場合、プラスチックフィルム(プラスチックフィルム自体)の酸素透過度が
上記の範囲である場合は、プラスチックフィルムのみからフィルムを構成することも可能
であるし、プラスチックフィルムにガスバリア層を積層したフィルムとすることで酸素透
過度を確保してもよい。
ガスバリア層は、アルミニウム層などの金属層や、酸化ケイ素や酸化アルミニウム層な
どの無機酸化物層などの無機ガスバリア層を用いてもよいし、プラスチックフィルムのな
かでも酸素透過度の低いエチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールなど
をガスバリア層としてそれ以外のプラスチックフィルムに積層してフィルムとしてもよい
。フィルムの総膜厚としては50μm以上が好ましく、70μm以上が好ましく、70〜
200μmがより好ましい。上記膜厚であると保管中のインク組成物の溶存酸素量が変化
しにくく、パックの強度や柔軟性が得られる。これらの中でも酸素透過度が低く、強度(
耐久性)が優れる点で、エチレンビニルアルコール共重合体からなるフィルムが好ましい
上記の通り、プラスチックフィルム(プラスチックフィルム自体)の酸素透過度が上記
の酸素透過度の範囲である場合、当該プラスチックフィルムにより構成したフィルムによ
って、保存中のインクの溶存酸素量が変化し難く好ましい。また、無機ガスバリア層を設
けたフィルムに比べてインクパックの耐久性が優れる点で好ましい。なお、インクパック
の遮光性を向上させるなどの目的で無機ガスバリア層をさらに設けたフィルムとしてもよ
い。このようなプラスチックフィルムは上記の酸素透過度を満たすものであればよく限定
はされないが、中でも、エチレンビニルアルコール共重合体からなるフィルムが、酸素透
過度や耐久性が一層優れ、インクの成分による浸食を受けにくいなどの点で好ましい。
なお、本明細書における酸素透過度は、単位をcc・20μm/(m2・day・at
m)とし、当該「atm」は23℃且つ湿度65%の条件下での圧力(atm)とする。
また、当該酸素透過度は、ISO 14663−2:1999(Annex C)に定め
られた方法で、即ち電量分析センサーを用いてフィルムを透過する酸素の透過速度を(相
対湿度が平衡状態に達した時に)測定することで、算出できる。
インク収容体が収容可能なインク組成物の容量は、以下に制限されないが、100〜2
,000mLが好ましく、100〜1,000mLがより好ましく、200〜800mL
がさらに好ましい。容量が上記範囲内であると、硬化性、保存安定性、及び吐出安定性を
いずれも一層優れたものとすることができる。
なお、当該容量が上記の範囲内であると、インク収容体の使用開始後、インク収容体中
のインクの溶存酸素量が殆ど変わらない間に、インク組成物を使い切ることができること
や、保管中のインク組成物の溶存酸素量が変化しにくいこと等の有利な効果がある。また
、インク収容体が上記のインク収容体の部材の酸素透過度を有し、且つ収容可能なインク
組成物の容量が上記の範囲であることが特に好ましい。また、本明細書における「容量」
は、容積を意味する。
ここで、本実施形態のインク収容体の一例であるインクカートリッジについて説明する
。図1は、インクカートリッジ40を示す分解斜視図である。
インクカートリッジ40は、インクが充填されるインクパック70と、インクパックを
内部に収めて保護する本体ケース76と蓋部78からなるカートリッジケース72からな
り、インクパックはインク供給口74を備え、本体ケースは、鉤部84、切欠き部80、
押さえ部82を備える。インクパックの材質は上述のものを使用することができる。
このように、本実施形態によれば、耐久性、耐沈降性に優れ、さらに、収容するインク
組成物の保存安定性、硬化性、及び吐出安定性のいずれにも優れた紫外線硬化型インクジ
ェットインク組成物を収容したインク収容体を提供することができる。
[インクジェット記録方法]
本発明の一実施形態は、上記実施形態の紫外線硬化型インクジェットインク組成物を用
いた、インクジェット記録方法に係る。
当該インクジェット記録方法は、被記録媒体上に、上記インク組成物を吐出する吐出工
程と、上記吐出工程により吐出されたインク組成物に紫外線を照射して、上記インク組成
物を硬化する硬化工程と、を含む。このようにして、被記録媒体上で硬化したインク組成
物により、塗膜(硬化膜)が形成される。
[インクジェット記録装置]
本発明の一実施形態は、インクジェット記録装置、即ちインクジェットプリンターに係
る。当該記録装置は、上記実施形態のインクジェット記録方法を利用することができる。
当該記録方法を実施するための記録装置(プリンター)について詳細に説明する。
本実施形態のプリンターは、様々な色のインクを被記録媒体に記録する(画像を形成す
る)ことができ、例えば、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の4色の
インクを用いて画像を形成したり、白色のインクを用いて被記録媒体に優れた隠蔽性を付
与する下地の画像を形成したりすることが挙げられる。
本実施形態のプリンターの種類として、ラインプリンター及びシリアルプリンターが挙
げられ、いずれを用いることもできる。これらはプリンターの方式が異なる。ライン方式
のインクジェット記録装置であるラインプリンターは、被記録媒体の幅に(ほぼ)相当す
る長さのノズル列を有するヘッドと当該被記録媒体とが、当該幅方向と交差する走査方向
に相対的に位置を移動しながら、インクを被記録媒体上に吐出するものであり、ヘッドが
(ほぼ)移動せずに固定されて、1パス(シングルパス)で記録が行われるものである。
一方、シリアル方式のインクジェット記録装置であるシリアルプリンターは、ヘッドが被
記録媒体の搬送方向と直交した方向に往復移動(シャトル移動)しながら、通常2パス以
上(マルチパス)で記録が行われるものである。なお、上記のパスは、後述の「主走査」
と換言することができる。
以下、図2を参照して本実施形態のプリンターについてより詳しく説明する。なお、本
発明の範囲は以下の図面に何ら限定されるものではない。また、以下の説明に用いる各図
面においては、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している
。図2は、本実施形態の記録装置の一例となるシリアルプリンターのヘッド周辺の概略図
である。
キャリッジユニット100は、ヘッド85を、記録領域に静止させた被記録媒体に対し
て、インクを吐出しながら上記搬送方向(副走査方向)と交差する方向(以下、「移動方
向」又は「主走査方向」と言う。)に移動、即ち走査させる移動機構である。キャリッジ
ユニット100は、キャリッジ81とキャリッジモーター(不図示)とを備える。また、
キャリッジ81は、紫外線硬化型インクを収容するインクカートリッジ(不図示)を着脱
可能に保持している。そして、キャリッジ81は、後述する搬送方向と交差したガイド軸
83に支持された状態で、キャリッジモーターによりガイド軸83に沿って往復移動する
ヘッド85は、被記録媒体に対して紫外線硬化型インクを吐出するためのものであり、
複数のノズルを有する。ヘッド85はキャリッジ81に設けられているため、キャリッジ
81が移動方向に移動すると、ヘッド85も移動方向に移動する。そして、ヘッド85が
移動方向に移動中に紫外線硬化型インクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿
ったドット列が被記録媒体に形成される。
なお、ヘッド85の移動において、図2の一端側から他端側に向かって移動する間に紫
外線硬化型インクの吐出が行われるが、他端側から一端側に移動する間には紫外線硬化型
インクの吐出は行われない。
照射ユニット90は、被記録媒体に付着(着弾)した紫外線硬化型インクに対して紫外
線を照射することにより、当該紫外線硬化型インクを硬化させるものである。被記録媒体
上に形成されたドットは、照射ユニット90からから紫外線を照射されることにより、硬
化して硬化物を形成する。照射ユニット90は、ヘッド85の搬送方向下流側に第1照射
部92a,92b及び第2照射部93を備えている。
第1照射部92a,92bは、被記録媒体上に形成されたドットを硬化させるための紫
外線を照射するものであり、同じく硬化が行われる第2照射部93の前、即ち搬送方向上
流側に位置する。
より具体的に言えば、第1照射部92a,92bが被記録媒体上に形成されたドットを
仮硬化させるための紫外線を照射するものであるのに対し、第2照射部93は仮硬化され
たドットを本硬化させるための紫外線を照射するものである。
本明細書において、「仮硬化」とは、インクの仮留め(ピニング)を意味し、より詳し
くはドット間の滲みの防止やドット径の制御のために、本硬化の前に硬化させることを意
味する。一般に、仮硬化における重合性化合物の重合度は、仮硬化の後で行う本硬化によ
る重合性化合物の重合度よりも低い。また、「本硬化」とは、被記録媒体上に形成された
ドットを、記録物を使用するのに必要な硬化状態まで硬化させることをいう。
第2照射部93は、被記録媒体上に形成されたドットを(ほぼ)完全に硬化、即ち本硬
化させるための紫外線を照射するものである。第2照射部93は、ヘッド85よりも搬送
方向下流側に設けられており、ヘッド85によって形成されたドットに紫外線を照射する
なお、第1照射部92a,92b及び第2照射部93のうち少なくともいずれかより紫
外線が照射されて、インクが本硬化されればよい。したがって、第1照射部92a,92
bから紫外線を照射せず、第2照射部93より紫外線を照射して硬化工程を終了してもよ
い。また、第2照射部93より紫外線を照射するか否かによらず、第1照射部92a及び
92bのうち少なくともいずれかより紫外線を照射して本硬化を行ってもよい。第1照射
部92a及び92bのうち少なくともいずれかで本硬化を行う場合には、第2照射部93
は無くてもよい。このように、硬化工程は、仮硬化を行わずに本硬化のみを行うものであ
ってもよい。
このように、本実施形態においては、ヘッド85を移動方向(主走査方向)に移動させ
ながら、ヘッド85からインクを吐出し硬化させて、画像の少なくとも一部を形成する主
走査と、ヘッド85と被記録媒体との相対的な位置を主走査方向と交差する搬送方向(副
走査方向)に変化させる副走査と、が交互に繰り返されて、記録を行うことができる。つ
まり、上記主走査は上述の吐出工程及び硬化工程を実施するものであり、上記副走査は搬
送方向に被記録媒体を搬送するものである。そして、これらの主走査及び副走査を繰り返
す記録により、被記録媒体上に画像を完成させることができる。
また、上記の副走査の代わりに、被記録媒体は搬送されずキャリッジユニット100が
副走査方向にも移動することにより副走査が行われるようにしてもよい。
また、本実施形態の記録方法は、いわゆるオーバーラップ印刷により行うことが好まし
い。ここで、本実施形態におけるオーバーラップ印刷について説明する。
本実施形態におけるオーバーラップ印刷は、以下の第一の態様又は第二の態様を含むも
のである。ここで、「ラスタライン」とは、主走査方向に画素が1列に並んでなる列(ド
ット列)を意味する。
第一の態様は、1回の主走査において、1つのラスタラインに対してドットを形成する
画素及びドットを形成しない画素があり、複数回の主走査を行うことで1つのラスタライ
ンを形成するラスタラインが存在するものである。そして、第一の態様によれば、複数回
の主走査を通じて当該1つのラスタラインを形成することができる。この態様は「オーバ
ーラップラスタライン」ということができる。つまり、当該オーバーラップラスタライン
には、1回の主走査でドット形成される画素と、当該1回の主走査ではドット形成されず
別の回の主走査でドット形成される画素と、が存在する。
第二の態様は、第一の態様に加えてさらに、1回の主走査においてドットの形成を行う
ラスタラインの副走査方向の間に、別の回の主走査でドットの形成を行うラスタラインが
存在するというものである。つまり、1回の主走査でドット形成されるラスタラインの間
に、当該1回の主走査ではドット形成されず別の回の主走査でドット形成されるラスタラ
インもある。
上記のオーバーラップラスタラインにおいて、ドットを形成するパス数は少なくとも2
であり、3以上であってもよい。加えて、1ラスタライン中の全画素数のうち、1のパス
でドット形成される画素がお互いに隣接していない画素が、50%以上存在することが好
ましく、70%以上存在することがより好ましい。また、ドット形成される全てのラスタ
ラインのうち、オーバーラップラスタラインが50%以上存在することが好ましく、70
%以上存在することがより好ましい。
上記のうちでも、第二の態様を備えるオーバーラップ印刷を行うと、1回の主走査で形
成されるドットを主走査方向及び副走査方向に分散させることができる。
このように、本実施形態によれば、硬化性、硬化シワの抑制、並びにベタパターン画像
及び線幅(副走査方向及び主走査方向)の埋まり性のいずれにも優れた、インクジェット
記録装置を提供することができる。
〔ヘッド〕
インクジェット記録装置が備えるインクジェットヘッドとしては、ヘッドの内部や表面
などのインク組成物と接触する部分の少なくとも一部にエポキシ接着剤を用いたヘッドと
することができる。エポキシ接着剤を用いたヘッドとすることで、特にヘッドに温度変化
があった場合でもヘッドの部品同士の強固な接着力が維持できる。ここで、「インク組成
物と接触する」とは、インク組成物と直接接触するか、あるいは、インク組成物の成分が
浸透することにより間接的に接触することを含む。
このとき、上記実施形態のインク組成物は、エポキシ接着剤の膨潤を防止することがで
きるため、耐材料性に優れている。このように、エポキシ接着剤を用いた上記ヘッドから
、上記実施形態の光硬化型インク組成物を好適に吐出することができる。
エポキシ系接着剤としては、以下に限定されないが、例えば、エポキシ基を有する化合
物を含む主剤を硬化剤により硬化させる、従来公知の接着剤が挙げられる。上記の主剤に
含まれるエポキシ基を有する化合物としては、以下に限定されないが、例えば、ビスフェ
ノールA型及びビスフェノールF型などのビスフェノール型エポキシ、フェノールノボラ
ック型及びクレゾールノボラック型などのノボラック型エポキシ、エポキシポリオール型
エポキシ、ウレタン変性エポキシ、キレート変性エポキシ、並びにゴム変性エポキシが挙
げられる。上記の硬化剤としては、以下に限定されないが、例えば、アミン及びポリアミ
ン等のアミン類、酸無水物、アミド及びポリアミド等のアミド類、イミダゾール類、並び
にポリメルカプタンが挙げられる。上記の中でも、接着力に優れるため、主剤としてビス
フェノール型エポキシ及び硬化剤としてアミン類の組み合わせが好ましい。主剤と硬化剤
との混合比(主剤:硬化剤)は、接着剤の硬化性に優れるため、質量換算で10:1〜1
:10が好ましい。
〔被記録媒体〕
本実施形態のインクジェット記録方法を利用して、インク組成物が被記録媒体上に吐出
されること等により、記録物が得られる。この被記録媒体として、例えば、吸収性又は非
吸収性の被記録媒体が挙げられる。本実施形態のインクジェット記録方法は、インク組成
物の浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、インク組成物の浸透が容易な吸収性被記録媒
体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。ただし、当該インク組成
物を非吸収性の被記録媒体に適用した場合は、紫外線を照射し硬化させた後に乾燥工程を
設けること等が必要となる場合がある。
吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、インクの浸透性が高い電子
写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子から構成された
インク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(P
VP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)
から、インクの浸透性が比較的低い一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート
紙、キャスト紙等が挙げられる。
非吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類の
フィルムやプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、又はそれら各種
金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレスや真鋳
等の合金のプレート等が挙げられる。
[吐出工程]
本実施形態における吐出工程は、紫外線硬化型インクをヘッドから被記録媒体に向けて
吐出するものである。吐出される紫外線硬化型インクの温度は20〜40℃である。
上記の20〜40℃という温度は、加温によりインクの温度を室温よりも上昇させるこ
とをしないものであるか、加温により昇温させる場合でも比較的低温である。このように
、吐出されるインクの温度(以下、「吐出温度」ともいう。)が上記範囲であると、イン
クを加温するインク加温機構を必要としないか、インク加温機構を設けるとしても比較的
低温の加温でよいことからインクの温度を安定させることが容易であることから、加温機
構を簡単なものにでき、インクジェット記録装置使用の低コスト化や、記録装置の使用の
際の省電力化の点で有利である。
さらに、当該温度が上記範囲であると、前述の粘度を有するインクを安定してヘッドか
ら吐出する点で好ましい。また、ヘッドの部材の劣化を防止できることからヘッドの耐久
性が優れたものとなる。上記吐出されるインクの温度は、インクが20℃において8mP
a・s以上、15mPa・s未満のものである場合は20〜30℃が好ましく、インクが
20℃において15mPa・s以上、22mPa・s以下のものである場合は30〜40
℃が、ヘッド耐久性や、吐出安定性を一層優れたものとできることから好ましい。
ここで、「吐出される紫外線硬化型インクの温度」は、ヘッドのノズルが形成されてい
る部材(ノズルプレート)の温度とした。また、ヘッドから所定時間インクを連続吐出し
て印刷を行い(例えば60分間)、その間、所定時間間隔(たとえば5分ごと)にノズル
の温度を測定し、この測定された各温度の平均値で表すものとする。
インク加温機構を不要とし記録装置を一層、簡単なものとする点で、吐出温度は20〜
30℃が好ましい。一方、吐出温度におけるインク粘度をなるべく低くして吐出安定性を
一層優れたものとする点で、吐出温度は30〜40℃が好ましい。吐出温度におけるイン
クの粘度は、吐出安定性を良くする点で、22mPa・s以下が好ましく、15mPa・
s以下がより好ましく、13mPa・s以下がより好ましい。吐出時のインク粘度の下限
は限られるものではないが3mPa・s以上がよい。
〔硬化工程〕
次に、上記硬化工程においては、被記録媒体上に吐出されたインク組成物が、紫外線(
光)の照射によって硬化する。換言すれば、被記録媒体上に形成されたインク塗膜が、紫
外線の照射によって硬化膜となる。これは、インク組成物に含まれ得る光重合開始剤が紫
外線の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生し、光重合性化
合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進されるためである。あるいは、紫外線
の照射によって、重合性化合物の光重合反応が開始するためである。このとき、インク組
成物において光重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が活性放射線を
吸収して励起状態となり、光重合開始剤と接触することによって光重合開始剤の分解を促
進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
紫外線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線
硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化に使用される光源としては、水銀ランプ
、メタルハライドランプが広く知られている。その一方で、現在環境保護の観点から水銀
フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、
環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外
線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線硬
化型インクジェット用光源として期待されている。これらの中でも、UV−LEDが好ま
しい。
ここで、発光ピーク波長が、好ましくは365〜405nmの範囲、より好ましくは3
80〜400nmの範囲のうち単一の波長にある紫外線を照射することにより、硬化可能
であるようなインク組成物を用いることが好ましい。発光ピーク波長は、800mW/c
2以上が好ましく、1、000mW/cm2以上がより好ましく、上限は限られるもので
はないが3、000mW/cm2以下であるとよい。また、照射エネルギーは、300m
J/cm2以下が好ましく、100〜250mJ/cm2がより好ましい。
上記の場合、上記インク組成物の組成に起因して低エネルギー且つ高速での硬化が可能
となる。照射エネルギーは、照射時間に照射強度を乗じて算出される。上記インク組成物
の組成によって照射時間を短縮することができ、その場合、印刷速度が増大する。他方、
本実施形態におけるインク組成物の組成によって照射強度を減少させることもでき、その
場合、装置の小型化やコストの低下が実現する。その際の紫外線照射には、UV−LED
を用いることが好ましい。このようなインク組成物は、上記波長範囲の紫外線照射により
分解する光重合開始剤、及び上記波長範囲の紫外線照射により重合を開始する重合性化合
物を含むことにより得られる。なお、発光ピーク波長は、上記の波長範囲内に1つあって
もよいし複数あってもよい。複数ある場合であっても上記発光ピーク波長を有する紫外線
の全体の照射エネルギーを上記の照射エネルギーとする。
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこ
れらの実施例のみに限定されるものではない。
1.インク組成物実施例
[使用原料]
下記の実施例及び比較例において使用した原料は、以下の通りである。
〔無機金属系微粒子〕
・二酸化チタン(平均粒径200nm、石原産業社製)
・二酸化チタン(平均粒径300nm、石原産業社製)
〔ペンタエリスリトール骨格を有する3官能あるいは4官能の(メタ)アクリレート〕
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(SR444 サートマー社製、表中ではSR
444と略記した。)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(NKエステル A−TMMT 新中村化学
社製、表中ではA−TMMTと略記した)
〔その他の重合性化合物〕
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(日本触媒社製、表中ではVEEA
と略記した。)
・フェノキシエチルアクリレート(V#192、大阪有機化学工業社製、表中ではPEA
と略記した。)
・ジプロピレングリコールジアクリレート(SR508、サートマー社製、表中ではDP
GDAと略記した。)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(SR399、サートマー社製、表中では
SR399と略記した)
・テトラヒドロフルフリルアクリレート(V#150、大阪有機化学工業社製、表中では
THFAと略記した)
・ベンジルアクリレート(V#160、大阪有機化学工業社製、表中ではBZAと略記し
た)
・ウレタンオリゴマー(CN3550、サートマー社製、表中ではCN3550と略記し
た)
・ハイパーブランチポリマー(V#1000、大阪有機化学工業社製、表中ではV#10
00と略記した)
〔光重合開始剤〕
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、固形分100%、下記表では「81
9」と略記した。)
・DAROCURE TPO(BASF社製商品名、固形分100%、下記表では「TP
O」と略記した。)
〔その他の成分〕
・C.I.ピグメントブルー15:3(Cyanine Blue KRO 山陽色素社
製) 下記表では「シアン」と略記した。)
・Solsperse 36000(Noveon社製商品名、下記表では「Sol36
000」と略記した。)
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール、関東化学社製)
・スリップ剤(BYK−UV3500、BYKジャパン社製商品名)
[インク組成物]
〔顔料分散液の作製〕
インク組成物の作製に先立ち、顔料分散液を作製した。下記表中の各インク組成物ごと
に、顔料として二酸化チタンあるいはC.I.ピグメントブルー15:3、分散剤、分散
媒として重合性化合物のうちのフェノキシエチルアクリレートあるいはベンジルアクリレ
ートを、それぞれ混合し、1時間スターラーで撹拌した。撹拌後の混合液をビーズミルで
分散し、顔料分散液を得た。なお、分散条件は、直径0.65mmのジルコニアビーズを
70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間を2〜4時間とした。
〔インク組成物の作成〕
上記顔料分散液及び、下記表の残りの成分を、下記表に記載の組成(単位は質量%)と
なるように添加し、これを高速水冷式撹拌機により撹拌することにより、紫外線硬化型イ
ンクジェットインク組成物を調製し、調製後、真空ポンプによりインクに脱気処理を行い
、各インクの溶存酸素量を1ppmとし、インク組成物を作成した。溶存酸素量の測定は
後述のインパック実施例の溶存酸素量の測定に用いた機器を用いて行った。
作成したインク組成物の粘度を、DVM−E型回転粘度計(東京計器社製)を用いて、
20℃の粘度を測定した。
ローターは、コーン角度1°34’、コーン半径2.4cmのDVM−E型用コーンを
使用した。回転速度は10rpmとした。
粘度の評価基準(粘度ランク)は下記とした。組成及び粘度評価結果を下記表1に記す

A:8mPa・s未満。
B:8mPa・s以上、15mPa・s未満。
C:15mPa・s以上、20mPa・s以下。
D:20mPa・s超。
Figure 2017141449
各組成物例で調製した紫外線硬化型インクジェットインク組成物について、以下の評価
項目の方法により評価した。
〔1.保存安定性〕
インク組成物を、ガラス製容器に100g収容して容器を密封した。容器を60℃のオ
ーブンで20日間保管した。そして、保管前後の粘度の増粘率を求めた。粘度の測定は上
記の粘度の測定と同じ方法を用い20℃で測定した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を表2に示した。
A:3%以下。
B:3%超。
〔2.硬化性〕
バーコーターを用いて、各インク組成物をPETフィルム(PET50A PLシン〔
商品名〕、リンテック社製)上に塗り、厚さ10μmのインク塗膜を作製した。その後、
照射強度が1,100mW/cm2であり且つ波長が395nmである紫外線を照射して
上記塗膜を硬化させた。硬化した塗膜(硬化膜)を、綿棒を用いて100g加重で10回
擦り、傷が付かなくなる時点を硬化した状態とし、この状態に達する硬化エネルギー(照
射エネルギー)を求めた。
なお、照射エネルギー[mJ/cm2]は、光源から照射される被照射表面における照
射強度[mW/cm2]を測定し、これと照射継続時間[s]との積から求めた。照射強
度の測定は、紫外線強度計UM−10、受光部UM−400(いずれもコニカミノルタセ
ンシング社(KONICA MINOLTA SENSING, INC.)製)を用いて行った。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を表2に示した。
A:200mJ/cm2以下。
B:200mJ/cm2を超えて300mJ/cm2以下。
C:300mJ/cm2超。
〔3.耐沈降性〕
50mLサンプル瓶に各インク組成物を入れて密封し静止状態で保管を行った。保管前
及び24時間後の保管後において、瓶内のインク組成物上部からそれぞれ1mLインクを
採取した。保管後の採取は、インクの上澄み液の採取である。採取したインクをエチルジ
グリコールアセテートを加えて5000倍希釈した。次いで、分光光度計(製品名「Sp
ectrophotometer U−3300」、株式会社日立製作所製)を用いて、
希釈したインクの波長500nmにおける吸光度(abs値)を測定した。初期のインク
における吸光度に対する保管後のインクの吸光度の割合(%)を算出した。
A:98%以上。
B:95%以上。
C:93%以上。
D:90%以上。
〔4.遮蔽性〕
硬化性評価で得られたインク塗膜を設けたフィルムを偏角測色計(日本分光株式会社製
、形式「ARM−500V」)にセットして、可視光線領域(380nm〜700nm)
における1nm毎の各波長の透過率Tn(%)を測定した。その測定結果から、可視光領
域(380nm〜700nm)における各波長毎の透過率Tnの平均値を算出することに
より、遮蔽性を評価した。
A:透過率Tnの平均値が5%以下。
B:透過率Tnの積分値が5%超。
Figure 2017141449
以上の結果より、ペンタエリスリトール骨格を有する3官能あるいは4官能の(メタ)
アクリレートと、色材として無機金属系微粒子とを含み、20℃における粘度が8〜22
mPa・sである紫外線硬化型インクジェットインク組成物(表中にインク組成物(1)
と記載)は、そうでないインク組成物(表中にインク組成物(2)と記載)と比べて、硬
化性、保存安定性、対沈降性、遮蔽性のいずれにも優れることが分かった。
詳細を考察すると、ペンタエリスリトール骨格を有する3あるいは4官能(メタ)アクリ
レートを含まないがインクの粘度ランクはCであったインク組成物10〜14は保存安定
性あるいは硬化性が劣った。また、ペンタエリスリトール骨格を有する3あるいは4官能
(メタ)アクリレートを含むがインクの粘度ランクがDであったインク組成物15は保存
安定性が劣った。
また、ペンタエリスリトール骨格を有する3あるいは4官能(メタ)アクリレートを含む
かあるいは含まないがインクの粘度ランクがAであったインク組成物16、17は耐沈降
性が劣った。また、無機金属系微粒子を含まないインク組成物18は粘度ランクがAであ
ったにもかかわらず耐沈降性が劣ってはいなかったが遮蔽性が劣った。
2.インクジェット記録方法実施例
図2に示すシリアルプリンターを用いた。具体的には、インクジェットプリンターPX
−G5000(セイコーエプソン社製)を用いて、これのキャリッジ、及びプラテンより
も副走査方向下流に後述の光源(UV−LED)を取り付けた。また、ヘッドにはインク
の加温が可能なヒーターを取り付け、吐出時のインク温度を調節可能とした。ヘッドに前
述のインク組成物実施例で作成した各インク組成物のいずれかを充填した。被記録媒体で
ある白色PETフィルム(東レ(TORAY)社製のルミラー125E20)に、ヘッド
からインクを吐出しつつ主走査を行い印刷した。印刷に使用したノズル列は副走査方向の
ノズル密度を360dpiとした。
上記主走査の際、キャリッジの横に搭載した395nmにピーク波長を有するLEDで
、1パス(1回の主走査)ごとに、当該主走査により被記録媒体に着弾し付着した紫外線
硬化型インクを仮硬化させた(ドットに照射を行った。)。このとき、キャリッジの横に
搭載したLEDとして、Firefly(照射ピーク強度1,000mW/cm2)を用
いた。また、1パスの照射における照射エネルギーは、50mJ/cm2とした。
次に、被記録媒体を主走査方向に交差する副走査方向に搬送する副走査を行った後、次
の主走査を行い、主走査と副走査を交互に繰り返した。
印刷終了後(最後の主走査終了後)、プラテンよりも副走査方向下流に搬送された被記
録媒体に、キャリッジとは別に設けた被記録媒体の幅相当の光源(キャリッジに搭載した
光源と同じ種類の物)でさらに紫外線硬化型インクを照射し、未硬化インクを完全に硬化
させた。当該硬化の照射エネルギーは400mJ/cm2であった。
記録条件(印刷条件)について補足すると、パス数(主走査回数)は「2パス(主走査
方向)×2パス(副走査方向)=4パス」とした。詳細に言えば、1パスで1ラスタライ
ンの画素の1個おきにドットを形成するオーバーラップ印刷を行い、1回の主走査でドッ
トが形成される2つのラスタラインの間に他の主走査でドットが形成されるラスタライン
が1つ存在するようにした。ノズル面と被記録媒体の被記録面との間隔を1mmとした。
また、記録解像度(副走査方向×主走査方向)は720dpi×720dpiとした。
なお、吐出時のインクの温度は、下記の表3に示したとおりである。当該温度は、ノズ
ルプレートに熱電対を設けてノズルプレートの温度を測定することにより得られた値であ
る。つまり、ヘッドのノズルから吐出されるインクの温度は、ノズルプレートの温度に対
応するものである。また、下記の表に示した温度のうち吐出時のインク温度が30℃以上
の例では、ヘッドに搭載した温調機構(ヒーター)を使用して吐出時のインクを当該温度
に加温した。また、吐出時のインク温度が30℃未満の例では、温調機構を使用せず、室
温のままで当該温度になるような室温にて印刷を行った。各例においてヘッド駆動波形の
電圧を調整して、吐出量が各実施例及び各比較例の間で同じ量になるようにした。
上記記録方法を、前述のインク組成物実施例で作成したインク組成物を用いて行い、以
下の評価項目の評価をおこなった。
〔1.吐出安定性〕
360個のノズルからインクを用いて5分間連続吐出を行った。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記の表3に示す。
○:連続吐出中、不吐出ノズルが10個未満であった。
×:印刷吐出中、不吐出ノズルが10以上あった。
〔2.ヘッド耐久性〕
ヘッド耐久性は、ヘッドに用いているものと同じ接着剤の膨潤率を測定・算出すること
により評価した。エポキシ接着剤(シェル(shell)社製のエポキシ樹脂であるEPIK
OTE 828及びコグニス(COGNIS)社製の硬化剤であるVERSAMID 125を
等量混合したもの)を約0.2g硬化させ接着剤片を作成し重量を測定した。その後、ス
クリュー管に入れた各実施例及び各比較例のインク組成物中に、上記接着剤片を浸漬して
蓋をし、60℃環境に7日放置した。放置後、接着剤片を取り出しインク組成物をよく洗
い流した後、重量を測定した。そして、膨潤率は以下の式より算出した。
重量変化率(%)={(投入後重量−投入前重量)/投入前重量}×100
評価基準は下記のとおりである。評価結果を表3に示す。
A:40%以下。
B:40%超60%以下。
C:60%超。
〔3.硬化シワ〕
表3に記載の各記録方法例の条件で、上記の記録方法により記録した記録物は、前述の
インク組成物実施例の硬化性評価により硬化した状態となっていた。記録物の記録部分を
評価した。評価は目視により行った。評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表
3に示す。
A:シワが全く発生していなかった。
B:シワが硬化膜(硬化させた塗膜)の一部の領域で発生しているのが観察された。
C:シワが硬化膜全体に発生しているのが観察された。
Figure 2017141449
表3の結果から、使用したインク組成物の粘度ランクがBであるインク組成物2及び3
を用いた例は、インク温度20℃と30℃において吐出安定性とヘッド耐久性を共に優れ
たものとでき、使用したインク組成物の粘度ランクがCであるインク組成物1及び4を用
いた例は、インク温度30℃と40℃において吐出安定性とヘッド耐久性を共に優れたも
のとできた。これに対し、使用したインク組成物の粘度ランクがAであるインク組成物1
6及び17を用いた例は、いずれのインク温度でもヘッド耐久性が劣っていた。また、使
用したインク組成物の粘度ランクがDであるインク組成物15を用いた例は、いずれのイ
ンク温度でも、吐出安定性とヘッド耐久を両立して優れたものとすることができなかった
。このことから、使用したインク組成物の粘度ランクがBあるいはCである場合に、吐出
安定性とヘッド耐久性を両立して優れたものとして記録が行える。なお、使用したインク
組成物の粘度ランクがAであるインク組成物16及び17を用いた例は、硬化シワも劣る
傾向が見られた。
3.インク収容体実施例
各種フィルムを用意しこれを重ねあわせ周囲をヒートプレスして図1のようなインクパ
ックを作成した。インクパックに、前記インク組成物実施例で作成したインク組成物を7
00mL充填し、インクパック内に空気が入り込まないようパックを圧縮しパック容積を
なるべく小さくした状態でインク供給口を密封した。パックに収容可能な最大の量のイン
クを収容したときの最大インク収容可能容量に対するインク収容率は90%であった。イ
ンクパックを本体ケースに収納し図1に記載したようなインクカートリッジとした。本体
ケースは長さ30cm×高さ10cm×奥行き4cmとした。表4のパック種は用意した
フィルムの種類であり下記のフィルムとした。
・EVOHパック:エチレンビニルアルコール共重合体(EVAL、クラレ社製、表中で
はEVOHと記載)。厚さ110μm。酸素透過度2.0cc・20μm/(m2・da
y・atm)であった。
・PETパック:ポリエチレンテレフタラート(テイジンテトロンフィルム、帝人デュポ
ンフィルム社製、表中ではPETと記載)。厚さ95μm。酸素透過度10.0cc・2
0μm/(m2・day・atm)であった。
・ALパック:アルミ蒸着PET(表中ではALと記載)。厚さ35μmのポリエチレン
テレフタラート(テイジンテトロンフィルム、帝人デュポンフィルム社製)にアルミニウ
ム蒸着膜を30μm設けた。このフィルムのアルミニウム蒸着面に同じポリエチレンテレ
フタラートのフィルムを接着剤で張り合わせて、積層フィルムとした。酸素透過度2.0
cc・20μm/(m2・day・atm)であった。
作成したインクカートリッジを用いて下記の評価項目の試験をおこなった。
〔1.回復性〕
インクカートリッジを保管する前のものであるインクを1mL採取し、インクをエチル
ジグリコールアセテートを加えて5000倍希釈した。次いで、分光光度計(製品名「S
pectrophotometer U−3300」、株式会社日立製作所製)を用いて
、希釈したインクの波長500nmにおける吸光度(abs値)を測定し初期値とした。
インクパックにインクを充填しインク供給口を密封し、インクカートリッジを本体ケース
の30cm×4cmの側面が底面となる向きで静値して室温で180日保管した。保管後
、下記の耐久性評価を行った。沈降回復操作後のインクカートリッジ内のインクを1mL
採取し、初期と同様に希釈し、吸光度測定した。下記の評価基準により評価をおこなった

○:吸光度の初期値に対する保管後の吸光度の割合(%)が99%以上。
×:吸光度の初期値に対する保管後の吸光度の割合(%)が99%未満。
〔2.耐久性〕
保管後のインクカートリッジを、本体ケースの30cm×10cmの側面が底面となる
向きで台に固定し、台を本体ケースの30cmの辺の方向に20cmの距離、往復移動さ
せ沈降回復操作をおこなった。移動速度を15cm/s、往復回数を表4の攪拌回数に記
載の回数とした。操作後のインクカートリッジのインクパックを取り出し、インクパック
の外観を目視により観察した。評価基準は下記とした。
○:インクパックの表面に変化なし。
×:インクパックの表面に微細な亀裂が見える。
〔3.吐出安定性〕
下記に記載したこと以外は、前述の記録方法実施例の吐出安定性評価と同じ方法で吐出
安定性評価をおこなった。インクは上記回復性評価のインクカートリッジの保管と保管後
の沈降回復操作をおこなった後のインクカートリッジ内のインクを用いた。インク温度は
、用いたインク組成物が前述のインク組成物実施例の粘度評価で粘度ランクAあるいはB
のものであれば30℃、粘度ランクCのものであれば40℃、粘度ランクDのものであれ
ば45℃とした。評価基準は下記とした。
A:連続吐出中、不吐出ノズルが2個以内であった。
B:印刷吐出中、不吐出ノズルが3個以上10個未満あった。
〔4.溶存酸素量の測定〕
前述のインク組成物実施例で作成したインク(作成時の溶存酸素量1ppm)を上記回
復性評価の条件によるインクカートリッジの保管を行い、保管後のインクカートリッジ内
のインクの溶存酸素量の測定を、ガスクロマトグラフィー Agilent 6890(
アジレント・テクノロジー社製)を用いて行った。キャリアガスとしてはヘリウム(He
)ガスを使用した。評価基準を下記とした。
A:溶存酸素量が20ppm以下。
B:溶存酸素量が20ppm超。
Figure 2017141449
表4の結果から、使用したインク組成物の粘度ランクがBあるいはCであるインク組成
物2、3、1、4を用い、インクパックのパック種としてEVOHパックを用いた例の場
合に、回復性が良好となるような攪拌回数で攪拌した場合でもパックの耐久性を優れたも
のであり、かつ、吐出安定性も優れたものであった。これに対し、同じインクを用いなが
らパック種としてALパックを用いた例では、回復性が良好となるような攪拌回数で攪拌
した場合でにパックの耐久性を優れたものとすることができなかった。アルミニウミ蒸着
膜を施したパックは耐久性が劣ることがわかった。なお、ALパックに発生した亀裂は、
アルミニウムの蒸着膜の亀裂であった。
また、上記のインクを用いながらパック種としてPETを用いた例では、吐出安定性が
劣った。その際、溶存酸素量も高くなっており、溶存酸素量の高いインクを用いたことに
よりヘッド内で気泡の発生が多くなったと推測する。なお、PETパックはEVOHパッ
クに比べて酸素透過度が大きいため保管により溶存酸素濃度が上昇しやすいと推測する。
なお、ALパックを用いた場合で耐久性が劣る例の場合、アルミニウム蒸着膜に亀裂が発
生したことから、基材であるPETパックと同等の酸素透過度になってしまい、仮にさら
にカートリッジの保管を続けた場合、溶存酸素量が上昇し吐出安定性が悪化する可能性が
ある。また、カートリッジの保管中に沈降回復のための攪拌がおこなわれる場合や、輸送
中にカートリッジが揺れる場合があることから、パックの耐久性が必要である。
次に、使用したインク組成物の粘度ランクがAであるインク組成物16、17を用いた
例の場合、インクパックのパック種がいずれの例の場合も、回復性が良好となるような攪
拌回数で攪拌した場合にパックの耐久性を優れたものとすることができなかった。耐沈降
性が劣るインクを用いた場合、回復性と耐久性を両立させることが困難である。使用した
インク組成物の粘度ランクがDであるインク組成物15を用い、インクパックのパック種
としてEVOHあるいはALを用いた例の場合、回復性が良好となるような攪拌回数で攪
拌した場合でもパックの耐久性を優れたものとすることができたが、前述の記録方法実施
例の結果から、インク粘度ランクDのインクを用いる場合、吐出安定性とヘッド耐久性を
両立させることが困難である。
以上から、使用したインク組成物の粘度ランクがBあるいはCであるインク組成物を用
い、インクパックのパック種としてEVOHを用いた場合に、回復性が良好となるような
攪拌回数で攪拌した場合でもパックの耐久性を優れたものであり、かつ、吐出安定性、ヘ
ッド耐久性も優れたインク収容体とすることができる。なお、インクが、ペンタエリスリ
トール骨格を有する3官能あるいは4官能の(メタ)アクリレートを含むものであればイ
ンクの保存安定性や硬化性の点でも優れたものとできるが、そうでは無いインクを用いる
場合は、硬化性、保存安定性に劣ると予想されるが、記録を行う際の照射エネルギーを大
きくしたり、インクを保存する際の、保存温度を低くしたり、保管期限を短くしたりする
ことで、少なくとも、回復性、耐久性、吐出安定性、ヘッド耐久性に優れたインク収容体
とすることができる。
40…インクカートリッジ、70…インクパック70、72…カートリッジケース、7
4…インク供給口、76…本体ケース、78…蓋部、80…切欠き部、81…キャリッジ
81、82…押さえ部、83…ガイド軸、84…鉤部、85…ヘッド85、90…照射ユ
ニット、92a…、92b…第1照射部、93…第2照射部、100…キャリッジユニッ
ト。

Claims (13)

  1. ペンタエリスリトール骨格を有する3官能あるいは4官能の(メタ)アクリレートと、
    色材として無機金属系微粒子とを含み、20℃における粘度が8〜22mPa・sである
    紫外線硬化型インクジェットインク組成物。
  2. 前記ペンタエリスリトール骨格を有する3官能あるいは4官能(メタ)アクリレートの
    含有量が、インク組成物に対し5〜15質量%である、請求項1に記載の紫外線硬化型イ
    ンクジェットインク組成物。
  3. 前記無機金属系微粒子の含有量が、インク組成物に対し10〜25質量%である、請求
    項1又は2に記載の紫外線硬化型インクジェットインク組成物。
  4. さらに、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む、請求項1〜3の
    いずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェットインク組成物。
  5. 前記ペンタエリスリトール骨格を有する3官能あるいは4官能の(メタ)アクリレート
    が、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
    タ)アクリレートの少なくとも何れかを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の紫外
    線硬化型インクジェットインク組成物。
  6. 紫外線硬化型インクジェットインク組成物が充填される容器を備え、容器が、酸素透過
    度が5.0cc・20μm/(m2・day・atm)以下のプラスチックフィルムによ
    り構成され、容器に充填されているインクが請求項1〜5のいずれか一項に記載の紫外線
    硬化型インクジェットインク組成物である、インク収容体。
  7. 紫外線硬化型インクジェットインク組成物が充填される容器を備え、容器がエチレンビ
    ニルアルコール共重合体により構成され、容器に充填されているインクが請求項1〜5の
    いずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェットインク組成物である、インク収容体。
  8. 充填されている紫外線硬化型インクジェットインク組成物の溶存酸素量が20ppm以
    下である、請求項6又は7に記載のインク収容体。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物
    を20〜40℃で、ヘッドから吐出して被記録媒体へ記録を行う、インクジェット記録方
    法。
  10. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物
    を、インクの20℃における粘度が、8mPa・s以上、15mPa・s未満である場合
    は20〜30℃で、あるいは、15mPa・s以上、22mPa・s以下である場合は3
    0〜40℃で、ヘッドから吐出して被記録媒体へ記録を行う、インクジェット記録方法。
  11. ヘッドから吐出する前記紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の溶存酸素量
    が20ppm以下である、請求項9又は10に記載のインクジェット記録方法。
  12. インク組成物が充填される容器を備え、容器が、酸素透過度が5.0cc・20μm/
    (m2・day・atm)以下のプラスチックフィルムにより構成され、容器に充填され
    ているインクが、色材として無機金属系微粒子を含み、20℃における粘度が8〜22m
    Pa・sである紫外線硬化型インクジェットインク組成物である、
    インク収容体。
  13. インク組成物が充填される容器を備え、容器がエチレンビニルアルコール共重合体によ
    り構成され、容器に充填されているインクが、色材として無機金属系微粒子を含み、20
    ℃における粘度が8〜22mPa・sである紫外線硬化型インクジェットインク組成物で
    ある、
    インク収容体。
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