JP2017141417A - 液状洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗い上がりがしっとりし、弾力のある泡質でありながらも安定性に優れたフォーマー容器に充填される液状洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】
(A)1〜10重量%のアシルアミノ酸系界面活性剤、及び、(B)0.01〜10重量%のイミダゾリニウムベタイン型界面活性剤、及び、(C)10〜60重量%の多価アルコールを含み、(A)と(B)の比率が0.5<(A)/(B)<5.5であり、フォーマー容器で吐出される液状洗浄剤組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、洗い上がりがしっとりし、弾力のある泡質でありながらも安定性に優れたフォーマー容器に充填される液状洗浄剤組成物に関するものである。
N−アシルグリシン塩とイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤を用いた洗浄剤は、特許文献1によれば手荒れ性が低く、泡立ち、洗浄性に優れるものが提案され、また特許文献2では防腐剤を配合することなく高い防腐効果を発揮するものが提案されている。
また、均一且つ十分な泡を得るためには、ポンプフォーマーやスクイズフォーマーを用いた液体洗浄剤組成物の提案がなされている。
例えば特許文献3ではN−アシルアミノ酸系アニオン活性剤、クラフト点が20℃以上の石鹸、多価アルコール、及び、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有し、泡質がクリーミーで弾力を有し、かつ低温安定性に優れ、洗浄後にしっとりとした肌感触を与えるフォーマー容器入り洗浄剤組成物が提案されている。
特許文献4ではポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤、炭素数8〜16の直鎖又は分岐鎖の高級脂肪酸塩、炭素数3〜6の多価アルコール、水を含有し、目詰まりがなく、キメが細かく、弾力が高い泡が持続し、長時間保存安定性に優れ、洗浄後の感触が良好でポンプフォーマーに最適な液体洗浄剤組成物が提案されている。
特許文献5ではイオン性界面活性剤、及び、多価アルコールを特定比率に調整し、イオン性界面活性の90重量%以上を炭素数が5〜25の高級脂肪酸石けんが占め、多価アルコールに含まれるプロピレングリコールの量が組成物全体に対して20重量%未満であるポンプフォーマー用洗浄組成物は起泡性及び泡質に優れ、なおかつ洗い流し性にも優れるものが提案されている。
特許文献6においてはアシルアミノ酸トリエタノールアミン塩と、ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテル化合物、ラウリン酸アミドプロピルベタインを特定比率に調整したポンプフォーマー容器充填用液状洗浄剤組成物は安全性が高く十分な洗浄効果と良好な使用感の泡が得られ、長期間の使用においてもポンプの目詰まりを起こしにくいものが提案されている。
特開平10−219285号公報 特開2003−226636号公報 特許第4527655号公報 特開2015−107927号公報 特許第5373216号公報 特許第4558514号公報
しかしながら特許文献1〜2はフォーマー容器では目詰まりして使えず、泡立てが不十分な場合は界面活性剤が濃い濃度で使用することになり必ずしも肌に対し安全とは言えなかった。
フォーマー容器を用いた特許文献3〜6の提案でも洗い上がりのしっとり感、弾力のある泡質、低温及び高温安定性を兼ね備えるには改善の余地があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、洗い上がりがしっとりし、弾力のある泡質でありながらも安定性に優れたフォーマー容器に充填される液状洗浄剤組成物を提供することである。
発明を解決するための手段
上記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討した結果、洗い上がりがしっとりし、弾力のある泡質でありながらも安定性に優れたフォーマー容器に充填される液状洗浄剤組成物を提供するに至った。
即ち本発明は、(A)1〜10重量%のアシルアミノ酸系界面活性剤、及び、(B)0.01〜10重量%のイミダゾリニウムベタイン型界面活性剤、及び、(C)10〜60重量%の多価アルコールを含み、フォーマー容器で吐出される液状洗浄剤組成物を提供する。
発明の効果
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の液状洗浄剤組成物に用いられる(A)アシルアミノ酸系界面活性剤は、アミノ酸と脂肪酸からつくられた安全性に優れた洗浄成分である。特にN−ヤシ油脂肪酸アシルグリシン塩が好ましく、対塩としてはナトリウム又はカリウムが好ましい。これらは市販されているものを使用することができ、例えばN−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム水溶液として発売されているアミライトGCS−12K(味の素製)やN−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム水溶液として発売されているアミライトGCK−12K(味の素製)を使用することができる。
これらのアシルアミノ酸系界面活性剤は1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の液状洗浄剤組成物における(A)アシルアミノ酸系界面活性剤の配合量は1〜10重量%、好ましくは3〜7重量%である。1重量%未満であると洗浄性に劣り、10重量%を超えるとポンプフォーマー容器に負荷がかかる。
本発明の液状洗浄剤組成物に用いられる(B)イミダゾリニウムベタイン型界面活性剤はN−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムが好ましく、ソフタゾリンLHL(川研ファインケミカル製)として水溶液が上市されている。
本発明の液状洗浄剤組成物における(B)イミダゾリニウムベタイン型界面活性剤の配合量は0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。0.01重量%未満であると泡質が粗くなり、10重量%を超えると洗い上がりがぬるつく。
本発明の液状洗浄剤組成物の(A)アシルアミノ酸系界面活性剤と(B)イミダゾリニウムベタイン型界面活性剤の比率を0.5<(A)/(B)<5.5、好ましくは1.0<(A)/(B)<3.0にすることでさらに安定性が向上する。比率が0.5未満であると低温安定性に劣り、5.5を超えると高温安定性が悪くなる。
本発明の液状洗浄剤組成物に用いられる(C)多価アルコールは、化粧料等に通常配合されるものから選択することができ、特に限定されないが、例えば、濃グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、ソルビトール等が挙げられる。
上記の多価アルコールは1種または2種以上を組み合わせて使用することができ、好ましくは濃グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトールを組み合わせることで泡質が向上し、洗い上がりがしっとりする。
本発明の液状洗浄剤組成物における(C)多価アルコールの配合量は10〜60重量%、好ましくは25〜45重量%である。10重量%未満であると洗い上がりがしっとりせず、60重量%を超えると泡質が低下する傾向にある。
本発明の液状洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を適宜配合することができる。例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、油剤、シリコーン類、水溶性高分子化合物、粉体、防腐剤、殺菌剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、糖類、香料、塩類、粘土鉱物等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を任意に選択して配合することができる。
本発明の液状洗浄剤組成物は、常法に従って液状の水性製剤として調製され、従来のポンプフォーマー、スクイズフォーマーに用いられる液状洗浄剤組成物と同様にして使用でき、例えば洗顔料、ハンドソープ、ボディソープ、シャンプー等として用いることができる。
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。また、以下の実施例および比較例における配合量は特に断らない限り重量%を示す。
表1に示す洗顔料を調製し、ポンプフォーマー容器(大和製罐製、ネット255メッシュ、200メッシュ、各1枚入り)に充填して実際に使用した。
(1)洗い上がりのしっとり感
専門評価者10名に各組成物を実際に使用してもらい、下記評価基準に基づいて洗浄後の肌のしっとり感を以下の3段階評価基準で官能評価し、評点の平均値を求めた。算出した平均値に基づき、下記の判定基準により洗浄後の肌のしっとり感を判定した。
<3段階評定基準>
評点3:洗い上がりがしっとりし、しっとり感が持続する。
評点2:洗い上がりがしっとりする。
評点1:洗い上がりがしっとりせず乾燥する。
<肌のしっとり感の判定基準>
◎:専門評価者10名の平均点が2.5点以上。
○:専門評価者10名の平均点が1.5点以上、2.5点未満。
×:専門評価者10名の平均点が1.5点未満。
(2)泡の弾力性
専門評価者10名に各皮膚洗浄剤組成物を実際に使用してもらい、手と顔の皮膚に泡を押し当てたときの泡がはねかえってくる感じを泡の弾力性とし、以下の5段階評価基準で官能評価し、評点の平均値を求めた。算出した平均値に基づき、下記の判定基準により泡の弾力性を判定した。
<5段階評定基準>
評点5:手で押すと、泡が強く跳ね返ってくる。
評点4:手で押すと、泡が跳ね返ってくる。
評点3:手で押すと、泡がやや跳ね返ってくる。
評点2:手で押すと、泡がややつぶれるが、わずかに跳ね返ってくる。
評点1:手で押すと、泡がつぶれ、まったく泡が跳ね返ってこない。
<泡弾力性の判定基準>
◎:専門評価者10名の平均点が4.0点以上。
○:専門評価者10名の平均点が2.5点以上、4.0点未満。
×:専門評価者10名の平均点が2.5点未満。
(3)低温安定性の評価
調製した組成物を無色透明な容器に入れ、5℃で3ヶ月保存し、結晶の析出や分離・変色の状態を目視により評価した。
◎:結晶の析出や分離・変色が全く認められない。
○:結晶の析出や分離・変色がわずかに認められる。
×:結晶の析出や分離・変色が明らかに認められる。
(4)高温安定性の評価
調整した組成物を無色透明な容器に入れ、40℃で3ヶ月保存し、結晶の析出や分離・変色の状態を目視により評価した。
◎:結晶の析出や分離・変色が全く認められない。
○:結晶の析出や分離・変色がわずかに認められる。
×:結晶の析出や分離・変色が明らかに認められる。
Figure 2017141417
※1 アミライトGCS−12K(味の素)
※2 アミライトGCK−12K(味の素)
※3 ソフタゾリンLHL(川研ファインケミカル)
実施例4 ハンドソープ
(1)N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム 4.5%
(2)N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム 1.9%
(3)濃グリセリン 20.0%
(4)1,3−ブチレングリコール 5.0%
(5)ジプロピレングリコール 3.0%
(6)ソルビトール 1.0%
(7)イソプロピルメチルフェノール 0.1%
(8)精製水 残部
実施例5 ボディソープ
(1)N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム 6.75%
(2)N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム 4.05%
(3)ジグリセリン 5.0%
(4)1,3−ブチレングリコール 15.0%
(5)ジプロピレングリコール 2.0%
(6)ソルビトール 1.5%
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0%
(8)オリーブ油 0.2%
(9)ローズマリー油 0.01%
(10)防腐剤 適量
(11)精製水 残部
実施例6 ベビーシャンプー
(1)N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム 4.05%
(2)N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム 1.7%
(3)濃グリセリン 30.0%
(4)1,3−ブチレングリコール 2.0%
(5)ジプロピレングリコール 0.5%
(6)ソルビトール 1.2%
(7)ヒアルロン酸ナトリウム 0.01%
(8)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%
(9)防腐剤 適量
(10)精製水 残部
実施例4〜6は常法により調整し、実施例1〜3と同様のポンプフォーマー容器に充填したところ、いずれの例においても洗い上がりがしっとりし、泡の弾力性に優れていた。また低温及び高温安定性も優れていた。
本発明の液状洗浄剤組成物は、洗い上がりがしっとりし、弾力のある泡質でありながらも安定性に優れているため、例えば皮膚用洗浄剤として好適に使用される。

Claims (4)

  1. (A)1〜10重量%のアシルアミノ酸系界面活性剤、及び、(B)0.01〜10重量%のイミダゾリニウムベタイン型界面活性剤、及び、(C)10〜60重量%の多価アルコールを含み、(A)と(B)の比率が0.5<(A)/(B)<5.5であり、フォーマー容器で吐出される液状洗浄剤組成物。
  2. (A)アシルアミノ酸系界面活性剤が、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシン塩であることを特徴とする請求項1に記載の液状洗浄剤組成物。
  3. (B)イミダゾリニウムベタイン型界面活性剤が、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムであることを特徴とする、請求項1から請求項2までのいずれかに記載の液状洗浄剤組成物。
  4. (C)多価アルコールの少なくとも一つがジグリセリン又はソルビトールであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の液状洗浄剤組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017171625A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 クラシエホームプロダクツ株式会社 洗浄剤組成物
JP2019081730A (ja) * 2017-10-31 2019-05-30 阪本薬品工業株式会社 泡質改善剤及びそれを含有する皮膚洗浄料組成物

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