JP2017139621A - 中継装置および中継システム - Google Patents

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Abstract

【課題】中継装置および中継システムにおいて、ループ経路の発生を防止する。
【解決手段】アクティブカード(ACT)およびスタンバイカードを含む複数の管理カードMCを備える。アクティブカードは、ITU−T G.8032に基づくイベントに応じてリングポートの開放または閉塞を定め、ラインカードLC[1]へ開放命令または閉塞命令を発行する。ラインカードLC[1]は、開放命令または閉塞命令に応じてリングポートPr[1]の開閉を制御し、当該リングポートの開閉情報をポート管理テーブル43に保持する。スタンバイカードは、所定の切り換え命令に応じてアクティブカードに遷移した際に、ラインカードLCからポート管理テーブル43の保持情報を取得し、リングポートが閉塞状態の場合、当該リングポートがFS(Forced Switch)を要因として閉塞状態になっている状況を構築する。
【選択図】図14

Description

本発明は、中継装置および中継システムに関し、例えば、装置内部に冗長構成を備える中継装置、および、リングプロトコルが適用される中継システムに関する。
例えば、特許文献1には、シャーシ型のネットワーク中継装置において、複数のラインカードのそれぞれが、冗長化された2枚の管理カードからの監視フレームを受信し、その内の一方を選択して装置外部に送信する方式が示されている。また、非特許文献1には、ITU−T G.8032に基づくリングネットワークのリングプロトコルが示されている。
特開2014−195147号公報
ITU−T G.8032/Y.1344(02/2012)
例えば、非特許文献1に示されるようなITU−T G.8032を代表とするリングプロトコルが知られている。また、OSI参照モデルのレイヤ2(L2)の処理を行う中継装置(L2スイッチ)の一形態として、特許文献1に示されるようなシャーシ型の中継装置が知られている。シャーシ型の中継装置は、装置外部との間でフレームの送信または受信を行うラインカードに加えて、当該ラインカードを含めて装置全体を管理する管理カードを備える場合がある。このようなシャーシ型の中継装置にリングプロトコルを実装する場合、主に管理カードにリングプロトコルの制御部を実装することで、装置内の処理を効率化することができる。
ここで、管理カードには、耐障害性を向上させるため、特許文献1に示されるように、アクティブ状態のカードとスタンバイ状態のカードからなる冗長構成を適用することが望ましい。この場合、例えば、アクティブ状態のカード[1]がリングプロトコルを実行している状態で、当該カード[1]に障害が発生した場合であっても、スタンバイ状態のカード[2]が、カード[1]に代わってアクティブ状態に遷移することでリングプロトコルの処理を実行することができる。
一方、例えば、非特許文献1に示されるようなリングプロトコルの処理は、状態遷移に基づいて行われる。例えば、中継装置は、リングネットワークで所定のイベントが発生した場合、現在のリング状態と当該イベントとの組合せに応じてリングネットワークを制御し、当該組合せに応じた次のリング状態に遷移する。ここで、このような状態遷移に基づく処理をカード[1]からカード[2]に移行させる仕組みの一つとして、特許文献1のような方式を利用して、カード[1]とカード[2]に独立して同じ動作を行わせることで、カード[1]とカード[2]を同期させる方式が考えられる。
しかし、現実的には、カード[1]とカード[2]とでは、例えば、各種処理を行うタイミングにズレが生じ得る。その結果、リングネットワークにおけるループ経路の発生とった問題を引き起こす恐れがある。一例として、カード[1]およびカード[2]が個別のタイミングに基づき判定処理を行う場合、所定のポートを対象に、カード[1]は閉塞が必要と判定し、カード[2]は閉塞が不要と判定するような事態が生じ得る。この状態で、カード[1]に代わってカード[2]がアクティブ状態となった場合、本来、閉塞されるべきポートが開放され、リングネットワークに閉塞ポートが存在しないような事態が生じ得る。
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、リングネットワークにおけるループ経路の発生を防止することが可能な中継装置および中継システムを提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本実施の形態による中継装置は、リングネットワークに接続されるリングポートを備えるラインカードと、ラインカードを管理する複数の管理カードとを有する。複数の管理カードには、アクティブ状態で動作するアクティブカードと、スタンバイ状態で動作し、所定の切り換え命令に応じてアクティブカードに遷移するスタンバイカードと、が含まれる。アクティブカードは、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルに基づくイベントに応じてリングポートの開放または閉塞を定め、ラインカードへリングポートの開放命令または閉塞命令を発行する。ラインカードは、アクティブカードからの開放命令または閉塞命令に応じてリングポートの開閉を制御するポート制御部と、リングポートの開閉情報を保持するポート管理テーブルと、を備える。スタンバイカードは、所定の切り換え命令に応じてアクティブカードに遷移した際に、ラインカードからポート管理テーブルの保持情報を取得し、リングポートが閉塞状態の場合、当該リングポートがFS(Forced Switch)を要因として閉塞状態になっている状況を構築する。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、リングネットワークにおけるループ経路の発生を防止することが可能になる。
本発明の一実施の形態による中継システムにおいて、その構成例および障害無し時の動作例を示す概略図である。 図1の中継システムにおいて、その障害監視方法の一例を示す概略図である。 図1の中継システムにおいて、障害発生(SF)時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。 図1の中継システムにおいて、障害復旧(SF解消)時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。 図1の中継システムにおいて、強制スイッチ(FS)発生時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。 図1の中継システムにおいて、強制スイッチ解除(FS解除)時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。 図1の中継システムにおいて、中継装置の主要部の概略構成例を示すブロック図である。 図7における各ラインカードの主要部の概略構成例を示すブロック図である。 図7および図8の中継装置において、ICCM処理部の処理内容の一例を示す説明図である。 図7および図8の中継装置において、前提となる障害発生検出時のリングプロトコル動作の一例を示す説明図である。 図10に続く動作例を示す説明図である。 図11に続く動作例を示す説明図である。 図7および図8の中継装置において、前提となるR−APS(SF)フレーム受信時のリングプロトコル動作の一例を示す説明図である。 図7の中継装置において、リングポートの開閉時の主要な処理内容の一例を示す概略図である。 図7の中継装置において、スタンバイカードとなる管理カード内のMC用ERP制御部が実行する主要な処理内容の一例を示すフロー図である。 図7および図8の中継装置において、冗長方式に関する主要部の構成例およびリングプロトコル動作の一例を示す概略図である。 図7、図8および図16の中継装置において、アクティブチェンジ発生時のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。 図17に続くリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。 図7、図8および図16の中継装置において、アクティブチェンジ発生時の他のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。 図19に続くリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。 図7、図8および図16の中継装置において、アクティブチェンジ発生時の更に他のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。 図15のフローにおいて、リングポートが閉塞状態の場合の閉塞要因をSFとみなした場合の問題点の一例を示すシーケンス図である。 本発明の比較例として検討した中継装置において、冗長方式に関する主要部の構成例およびリングプロトコル動作の一例を示す概略図である。 図23の中継装置において、アクティブチェンジ発生時に問題となり得るリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。 図23の中継装置において、アクティブチェンジ発生時に問題となり得る他のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
《中継システムの概略構成および障害無し時の概略動作》
図1は、本発明の一実施の形態による中継システムにおいて、その構成例および障害無し時の動作例を示す概略図である。図1に示す中継システムは、リングネットワーク10を構成する複数(ここでは4個)の中継装置SWa〜SWdを備える。中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、ノードとも呼ばれる。中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、2個のリングポートPr[1],Pr[2]と、m個(mは1以上の整数)のユーザポートPu[1]〜Pu[m]と、を備える。この例では、リングネットワーク10を構成する中継装置の数は、4個とするが、これに限らず2個以上であればよい。
リングネットワーク10は、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルに基づき制御される。言い換えれば、中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、当該リングプロトコルに基づく各種制御機能を備える。中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、OSI参照モデルのレイヤ2(L2)の中継処理を行うL2スイッチや、加えて、レイヤ3(L3)の中継処理を行うL3スイッチ等である。ただし、リングネットワーク10上の中継処理は、L2に基づいて行われるため、ここでは、中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、L2スイッチである場合を例とする。
2個のリングポートPr[1],Pr[2]は、それぞれ、リングネットワーク10に接続される。言い換えれば、中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、リングポートPr[1],Pr[2]を介してリング状に接続され、これによってリングネットワーク10が形成される。図1の例では、中継装置SWa,SWb,SWc,SWdのリングポートPr[1]は、それぞれ、通信回線を介して、隣接する中継装置SWb,SWc,SWd,SWaのリングポートPr[2]に接続される。
ユーザポートPu[1]〜Pu[m]は、所定のユーザ網に接続される。図1の例では、中継装置SWa〜SWdのユーザポートPu[1]〜Pu[m]は、それぞれ、ユーザ網11a〜11dに接続される。ユーザ網11a〜11dのそれぞれの中には、中継装置や各種情報処理装置(サーバ装置や端末装置等)などが適宜配置される。
ここで、ITU−T G.8032に基づき、中継装置SWaは、オーナーノードに設定され、中継装置SWbは、ネイバーノードに設定される。オーナーノードとネイバーノードとの間のリンクは、RPL(Ring Protection Link)と呼ばれる。リングネットワーク10上に障害が無い場合、中継装置SWaは、RPLの一端に位置するリングポートPr[1]を閉塞状態BKに制御し、中継装置SWbは、RPLの他端に位置するリングポートPr[2]を閉塞状態BKに制御する。
閉塞状態BKのリングポートは、フレームの通過を禁止する。リングネットワーク10に障害が無い場合、RPLによって、リングネットワーク10上でのフレームのループ経路が防止される。これによって、中継装置SWaと中継装置SWbとの間では、図1に示すように、中継装置SWd,SWcを介する通信経路12が形成される。ユーザ網11a〜11d間のフレーム転送は、この通信経路12上で行われる。
《中継システムの障害監視方法》
図2は、図1の中継システムにおいて、その障害監視方法の一例を示す概略図である。図2に示すように、中継装置SWa〜SWdは、それぞれ、リングポートPr[1]に対応して監視ポイントMEPa1〜MEPd1を備え、リングポートPr[2]に対応して監視ポイントMEPa2〜MEPd2を備える。
ITU−T G.8032では、中継装置間のリンクの障害有無を監視するため、イーサネット(登録商標)OAMのCC(Continuity Check)機能を用いることが規定されている。イーサネットOAMは、装置間の疎通性を監視するための規格として、「ITU−T Y.1731」や「IEEE802.1ag」等で標準化されている。CC機能では、図2に示すように、MEP(Maintenance End Point)と呼ばれる監視ポイントによって監視区間が設定される。各監視区間の両端のMEPは、疎通性監視フレームであるCCM(Continuity Check Message)フレームを互いに定期的に送受信することで、各監視区間の疎通性を監視する。
図2の例では、中継装置SWaの監視ポイントMEPa1は、他装置(SWb)の監視ポイントMEPb2との間でCCM監視区間15abを設定し、これにより、自装置のリングポートPr[1]と、それに接続される他装置(SWb)のリングポートPr[2]と、の間の疎通性を監視する。その反対に、中継装置SWbの監視ポイントMEPb2も、他装置(SWa)の監視ポイントMEPa1との間でCCM監視区間15abを設定し、これにより、自装置のリングポートPr[2]と、それに接続される他装置(SWa)のリングポートPr[1]と、の間の疎通性を監視する。
これと同様にして、リングネットワーク10上に、順次、CCM監視区間15bc,15cd,15adが設定される。各CCM監視区間(例えば15ab)において、一端の監視ポイント(MEPa1)は、他端の監視ポイント(MEPb2)からのCCMフレームを所定の期間内に受信しない場合、他端の監視ポイント(MEPb2)に対する疎通性をLOC(Loss Of Continuity)状態と判別する。当該所定の期間は、例えば、CCMフレームの送信間隔(代表的には3.3ms)の3.5倍の期間である。
この場合、一端の監視ポイント(MEPa1)は、他端の監視ポイント(MEPb2)に向けてCCMフレームを送信する際に、当該CCMフレームに含まれるRDI(Remote Defect Indication)ビットにフラグを立てた状態で送信する。他端の監視ポイント(MEPb2)は、一端の監視ポイント(MEPa1)からRDIビットにフラグが立てられたCCMフレームを受信することで、一端の監視ポイント(MEPa1)に対する疎通性をRDI状態と判別する。中継装置SWa〜SWdのそれぞれは、自装置の監視ポイント(MEP)におけるLOC状態またはRDI状態の有無に基づいて、自装置のリングポートPr[1],Pr[2](それに接続されるリンクを含む)の障害有無を判別する。
《中継システムの障害発生(SF)時の動作》
図3は、図1の中継システムにおいて、障害発生(SF)時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。図3では、まず、障害発生(ステップS102)の前の状態として、オーナーノードである中継装置SWaのリングポートPr[1]、およびネイバーノードである中継装置SWbのリングポートPr[2]は、共に、閉塞状態BKに制御されている。また、中継装置SWa〜SWdは、共に、リングプロトコルに基づくリング状態がアイドル状態となっている。アイドル状態は、概略的には、障害等を代表とする特殊なイベントが特に発生していないことを表す。
この状態では、オーナーノードである中継装置SWaは、リングネットワーク10上に、ITU−T G.8032に規定されるR−APS(NR,RB)フレームを定期的(例えば5s毎)に送信する(ステップS101)。NR(No Request)は、要求無しを表し、RB(RPL Blocked)は、RPLの閉塞を表す。R−APS(NR,RB)フレームは、リングネットワーク10が障害無しであり、これに伴いRPL(すなわち中継装置SWaのリングポートPr[1])を閉塞状態BKに制御していることを他の中継装置SWb〜SWdに通知するフレームとなる。
このような状態で、ステップS102に示すように、中継装置SWcと中継装置SWdとの間のリンクに障害が生じた場合を想定する。この場合、ステップS103bに示すように、中継装置SWcは、図2に示した監視ポイントMEPc1での監視結果に基づき、リングポートPr[1](それに接続されるリンクを含む)の障害発生(ITU−T G.8032でのSF(Signal Fail))を検出する。これに応じて、中継装置SWcは、当該リングポートPr[1]を閉塞状態BKに制御し、リングポートPr[1],Pr[2]からR−APS(SF)フレームを送信し、リング状態をアイドル状態からプロテクション状態に遷移する。
R−APS(SF)フレームは、障害通知フレームとして機能する。プロテクション状態は、概略的には、リングネットワーク10上に障害が発生していることを表す。また、ステップS103aに示すように、中継装置SWdも中継装置SWcの場合と同様の処理を行う。中継装置SWc,SWdによって送信されたR−APS(SF)フレームは、閉塞状態BKのリングポートに到達するまで、各中継装置によって中継される。
ここで、ステップS104aに示すように、オーナーノードである中継装置SWaは、アイドル状態でR−APS(SF)フレームを受信した場合、リングポートPr[1]の閉塞状態BKを解除する(すなわち開放状態OPに変更する)。開放状態OPのリングポートは、フレームの通過を許可する。また、中継装置SWaは、アイドル状態でR−APS(SF)フレームを受信した場合、リング状態をアイドル状態からプロテクション状態に遷移する。また、ステップS104bに示すように、ネイバーノードである中継装置SWbも、中継装置SWaの場合と同様の処理を行う。
このように、各種R−APSフレームは、リングネットワークを制御するための制御フレームとなる。各種R−APSフレームは、図示は省略しているが、実際には、最初に3.3ms毎に3回送信され、その後は5s毎に送信される。また、ステップS104aにおいて、より詳細には、中継装置SWaは、アイドル状態でR−APS(SF)フレームを受信した場合、R−APS(NR,RB)フレームの送信を停止し、FDB(Forwarding DataBase)のフラッシュを行う。このように、各中継装置SWa〜SWdは、より詳細には、各種リング状態と各種イベントとの組合せに応じてFDBのフラッシュや、R−APSフレームの停止等を含めた様々な処理を行うが、本明細書では、簡略化のためこのような処理に関する記載は省略し、主要な処理のみを記載する。
《中継システムの障害復旧(SF解消)時の動作》
図4は、図1の中継システムにおいて、障害復旧(SF解消)時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。図4では、図3に示したように、中継装置SWcと中継装置SWdとの間のリンクに障害が発生した状態で、当該障害が復旧した場合を想定する。まず、障害が発生している状態では、中継装置SWcのリングポートPr[1]および中継装置SWdのリングポートPr[2]は、共に、閉塞状態BKに制御されている。また、中継装置SWa〜SWdは、図3に示したように、共に、リング状態がプロテクション状態となっている。このような状態で、障害が復旧した場合(ステップS201)、以下のような処理が行われる。
ステップS202bに示すように、中継装置SWcは、監視ポイントMEPc1を用いてリングポートPr[1]の障害復旧(ITU−T G.8032でのClear SF)を検出する。そして、中継装置SWcは、リングポートPr[1],Pr[2]からR−APS(NR)フレームを送信し、リング状態をプロテクション状態からペンディング状態に遷移する。R−APS(NR)フレームは、障害復旧フレームとして機能する。ペンディング状態は、概略的には、リングネットワーク10の状態が明確に定まっていないことを表す。また、ステップS202aに示すように、中継装置SWdも中継装置SWcの場合と同様の処理を行う。
ステップS203aに示すように、オーナーノードである中継装置SWaは、プロテクション状態でR−APS(NR)フレームを受信すると、WTR(Wait To Restore)タイマをスタートさせ、リング状態をプロテクション状態からペンディング状態に遷移する。また、ステップS203bに示すように、ネイバーノードである中継装置SWbは、プロテクション状態でR−APS(NR)フレームを受信すると、リング状態をプロテクション状態からペンディング状態に遷移する。
一方、ステップS204に示すように、中継装置SWc,SWdのそれぞれは、図示しないガードタイマの期間で他方からのR−APS(NR)フレームを受信し、当該R−APS(NR)フレームに含まれる優先度の情報に基づいて自装置の閉塞状態BKのリングポートを開放状態OPに変更するか否かを判別する。この例では、このような判別結果に基づき、中継装置SWcのリングポートPr[1]の閉塞状態BKが解除されている。
ステップS205において、中継装置SWaは、ペンディング状態でWTRタイマの期間が満了すると、RPL(すなわちリングポートPr[1])を開放状態OPから閉塞状態BKに変更する。また、中継装置SWaは、リングポートPr[1],Pr[2]からR−APS(NR,RB)フレームを送信し、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。
ステップS206aにおいて、中継装置SWdは、ペンディング状態でR−APS(NR,RB)フレームを受信すると、リングポートPr[2]の閉塞状態BKを解除し、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。また、ステップS206bにおいて、中継装置SWcは、ペンディング状態でR−APS(NR,RB)フレームを受信すると、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。
一方、ステップS206cにおいて、ネイバーノートである中継装置SWbは、ペンディング状態でR−APS(NR,RB)フレームを受信すると、RPL(すなわちリングポートPr[2])を開放状態OPから閉塞状態BKに変更し、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。このような処理の結果、図1および図3のステップS101に示したような通常の状態に復旧する。
《中継システムの強制スイッチ(FS)発生時の動作》
図5は、図1の中継システムにおいて、強制スイッチ(FS)発生時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。図5では、図1および図3のステップS101に示したような通常の状態において、ステップS301に示すように、中継装置SWdにFS(Forced Switch)コマンドが入力されている。FSコマンドは、例えば、所定の中継装置の所定のリングポート(この例ではSWdのPr[2])を強制的に閉塞状態BKに定めたいような場合に、ユーザ等によって入力される。
ステップS302において、中継装置SWdは、アイドル状態でFSコマンドを検出し、FSコマンドで指定されるリングポートPr[2]を開放状態OPから閉塞状態BKに変更する。また、中継装置SWdは、リングポートPr[1],Pr[2]からR−APS(FS)フレームを送信し、リング状態をアイドル状態からFS状態に遷移する。R−APS(FS)フレームは、FSコマンドに基づく閉塞ポートが生じたことを他の中継装置に通知するフレームとなる。FS状態は、概略的には、リングネットワーク10上に、FSコマンドに基づく閉塞ポートが存在することを表す。
ステップS303aにおいて、オーナーノードである中継装置SWaは、アイドル状態でR−APS(FS)フレームを受信した場合、リングポートPr[1]の閉塞状態BKを解除し、リング状態をアイドル状態からFS状態に遷移する。ステップS303cに示すように、ネイバーノードである中継装置SWbも、中継装置SWaの場合と同様の処理を行う。また、ステップS303bにおいて、中継装置SWcは、アイドル状態でR−APS(FS)フレームを受信すると、リング状態をアイドル状態からFS状態に遷移する。
《中継システムの強制スイッチ解除(FS解除)時の動作》
図6は、図1の中継システムにおいて、強制スイッチ解除(FS解除)時の主要な動作シーケンスの一例を示す図である。図6では、まず、図5に示したように、中継装置SWdのリングポートPr[2]がFSコマンドに基づき閉塞された状態で、中継装置SWa〜SWdは、共に、リング状態がFS状態となっている。このような状態で、ステップS401において、中継装置SWdにクリアコマンドが入力される。
ステップS402に示すように、中継装置SWdは、FS状態で当該クリアコマンドを検出した場合、リングポートPr[1],Pr[2]からR−APS(NR)フレームを送信し(ここでは、Pr[1]側を図示)、リング状態をFS状態からペンディング状態に遷移する。ここでのR−APS(NR)フレームは、FS解除の通知フレームとして機能する。
ステップS403aにおいて、オーナーノードである中継装置SWaは、FS状態でR−APS(NR)フレームを受信すると、WTB(Wait To Block)タイマをスタートさせ、リング状態をFS状態からペンディング状態に遷移する。また、ステップS403b,S403cに示すように、中継装置SWc,SWbは、共に、FS状態でR−APS(NR)フレームを受信すると、リング状態をFS状態からペンディング状態に遷移する。
ステップS404において、中継装置SWaは、ペンディング状態でWTBタイマの期間が満了すると、RPL(すなわちリングポートPr[1])を開放状態OPから閉塞状態BKに変更する。また、中継装置SWaは、リングポートPr[1],Pr[2]からR−APS(NR,RB)フレームを送信し、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。
ステップS405aにおいて、中継装置SWdは、ペンディング状態でR−APS(NR,RB)フレームを受信すると、リングポートPr[2]の閉塞状態BKを解除し、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。また、ステップS405bにおいて、中継装置SWcは、ペンディング状態でR−APS(NR,RB)フレームを受信すると、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。
一方、ステップS405cにおいて、ネイバーノートである中継装置SWbは、ペンディング状態でR−APS(NR,RB)フレームを受信すると、RPL(すなわちリングポートPr[2])を開放状態OPから閉塞状態BKに変更し、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する。このような処理の結果、図1および図3のステップS101に示したような通常の状態に復旧する。
以上のように、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルの処理は、状態遷移に基づいて行われる。補足説明を行うと、まず、リング状態として、図3〜図6に示したアイドル状態、プロテクション状態、FS状態、ペンディング状態の他に、MS(Manual Switch)状態が規定される。そして、このリング状態とイベントの組合せに応じてどのような制御を行い何を出力するかや、次にどのリング状態に遷移するかが規定される。イベントとしては、例えば図3のステップS103aや図5のステップS302に示したSF検出、FS検出等のように自装置で直接的に発生するローカルイベントと、図3のステップS104aに示したように、他装置で発生しR−APSフレームを介して他装置から通知されるリモートイベントとがある。
なお、MS状態とは、FS状態の場合と同様に、概略的には、リングネットワーク10上に、MSコマンドに基づく閉塞ポートが存在することを表す。ただし、MS状態は、FS状態やプロテクション状態よりも優先度が低い。例えば、MS状態で所定のリングポートにSFが検出された場合、リング状態はプロテクション状態に遷移し、MSコマンドに基づく閉塞ポートは開放され、その代わりにSFが検出されたリングポートが閉塞される。一方、FS状態は、最も優先度が高い。例えば、FS状態で所定のリングポートにSFが検出された場合であっても、リング状態はFS状態のままであり、FSコマンドに基づく閉塞ポートも閉塞状態を維持し、SFが検出されたリングポートは閉塞されない。FS状態から他のリング状態への遷移は、図6に示したように、イベントとしてクリアコマンドが発生した場合のみで行われる。
《中継装置の構成》
図7は、図1の中継システムにおいて、中継装置の主要部の概略構成例を示すブロック図である。図8は、図7における各ラインカードの主要部の概略構成例を示すブロック図である。図7に示す中継装置は、図1に示した中継装置SWa〜SWdの中の少なくとも一つに適用される。
図7に示す中継装置は、1個の筐体内に複数のカードを搭載したシャーシ型の中継装置となっている。当該中継装置は、複数(ここではn枚)のラインカードLC[1]〜LC[n]と、複数(ここでは2枚)の管理カードMC1,MC2と、ファブリック経路部20と、を備える。ラインカードLC[1]〜LC[n]のそれぞれは、装置外部との間でフレームの通信(送信および受信)を行う。ファブリック経路部20は、複数のラインカードLC[1]〜LC[n]間の通信を仲介し、さらに、複数の管理カードMC1,MC2のそれぞれと、複数のラインカードLC[1]〜LC[n]のそれぞれとの間の通信を仲介する。ファブリック経路部20は、具体的には、例えば、メッシュ状の配線で構成される場合や、ファブリックカードで構成される場合等がある。
管理カードMC1,MC2のそれぞれは、図示は省略するが、例えば、装置管理者等からの指示に基づいて、複数のラインカードLC[1]〜LC[n]の各種設定や状態等を管理するような一般的な管理機能を備える。管理カードMC1,MC2のそれぞれは、このような一般的な管理機能に加えて、MC用ERP制御部22と、記憶部23と、ファブリックインタフェース部27とを備える。MC用ERP制御部22は、リング制御部として機能し、記憶部23の情報を用いながら、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルに基づく各種処理を主体的に行う。MC用ERP制御部22は、詳細は後述するが、VIDフィルタ制御要求部25と、R−APS生成部26とを備える。
ファブリックインタフェース部27は、ICCM処理部24を備え、自管理カードとファブリック経路部20との間の通信を仲介する。ICCM処理部24は、複数のラインカードLC[1]〜LC[n]のそれぞれとの間で、ファブリック経路部20を介して内部疎通性監視フレーム(以降、ICCMフレームと呼ぶ)の通信を行うことで複数のラインカードのそれぞれとの間の疎通性有無を監視する。さらに、ICCM処理部24は、ICCMフレームを用いてMC用ERP制御部22と複数のラインカードのそれぞれとの間の通信を仲介する。
ここで、複数の管理カードMC1,MC2には、アクティブ状態(ACT)で動作するアクティブカードと、スタンバイ状態(SBY)で動作し、所定の切り換え命令(具体的には、後述するアクティブチェンジ)に応じてアクティブカードに遷移するスタンバイカードと、が含まれる。例えば、管理カードMC1は、アクティブカードであり、管理カードMC2は、スタンバイカードである。また、管理カードMC1,MC2は、互いに通信を行うための通信経路(例えば通信回線)21を備えている。
複数のラインカードLC[1]〜LC[n]は、図1等に示したリングポートPr[1],Pr[2]と、ユーザポートPu[1]〜Pu[m]とを備える。図7の例では、ラインカードLC[1],LC[2]は、それぞれ、リングポートPr[1],Pr[2]を備え、ラインカードLC[n]は、ユーザポートPu[1]を備えている。ただし、各ポートをどのラインカードに設けるかは、図7の例に限定されるものではなく、任意に定めることが可能である。
複数のラインカードLC[1]〜LC[n]のそれぞれは、詳細には、図8に示すような構成を備える。図8のラインカードLCは、インタフェース部30と、フレーム処理部31と、FDBと、LC用ERP制御部32と、ファブリックインタフェース部33とを備える。また、ここでは、説明の便宜上、当該ラインカードLCは、リングポートPrおよびユーザポートPuを含めた複数のポートを備えるものとする。
インタフェース部30は、受信ポート識別子付加部34と、フレーム判別部35と、VIDフィルタ36と、OAM処理部37とを備え、主に、複数のポートとの間でフレームの送信および受信を行う。受信ポート識別子付加部34は、複数のポートのいずれかでフレームを受信した場合に、その受信ポートを表す受信ポート識別子を当該フレームに付加する。フレーム判別部35は、例えば、受信したフレームがユーザフレームのフォーマットであるか、R−APSフレームのフォーマットであるかといったように、フレームのフォーマットを判別する。
VIDフィルタ36は、設定された条件に基づいて、フレームの通過可否を制御する。例えば、所定のVLAN識別子VIDを持つフレームを所定のポートで受信した場合に当該フレームを破棄するといった条件や、所定のVLAN識別子VIDを持つフレームを所定のポートから送信する場合に当該フレームを送信せずに破棄するといった条件が設定される。VIDフィルタ36は、当該条件に基づく処理を行う。リングポートの実際の閉塞状態BKや開放状態OPは、VIDフィルタ36によって構築される。
OAM処理部37は、図2に示したようなMEPを備え、装置外部との間でリングポートPrを介して疎通性監視フレーム(具体的にはCCMフレーム)の通信を行うことでリングポートPrの障害有無を監視する。インタフェース部30は、受信したフレームがユーザフレームの場合には、当該フレームをフレーム処理部31へ送信し、受信したフレームがR−APSフレームの場合には、当該フレームをLC用ERP制御部32へ送信する。また、インタフェース部30は、フレームの宛先ポートを表す宛先ポート識別子が付加されたフレームを、フレーム処理部31やLC用ERP制御部32から受信した場合に、当該フレームを当該宛先ポートへ送信する。
FDBは、MAC(Media Access Control)アドレスと、VLAN識別子VIDと、ポートとの対応関係を保持する。また、FDBは、ポートがリングポートの場合には、加えてリングIDを保持する。当該リングIDは、FDBフラッシュの対象となるエントリを定める際のキーとして使用される。フレーム処理部31は、FDB処理部38と、FDB同期部39と、ICCM処理部40とを備える。FDB処理部38は、ポートでユーザフレームを受信した場合に、FDBの学習および検索を行う。具体的には、FDB処理部38は、受信したユーザフレームの送信元MACアドレスを、VLAN識別子VIDと、インタフェース部30で付加された受信ポート識別子(ラインカードの識別子を含む)とに対応付けてFDBに学習する。
また、FDB処理部38は、受信したユーザフレームの宛先MACアドレスおよびVLAN識別子VIDを検索キーとしてFDBを検索し、宛先ポート識別子(ラインカードの識別子を含む)を取得する。FDB処理部38は、宛先ポート識別子が自ラインカードのポート識別子の場合、宛先ポート識別子を付加したユーザフレームをインタフェース部30へ直接送信するか、または、ファブリックインタフェース部33やファブリック経路部20で折り返す形でインタフェース部30へ送信する。一方、FDB処理部38は、宛先ポート識別子が他ラインカードのポート識別子の場合、宛先ポート識別子を付加したユーザフレームをファブリックインタフェース部33を介してファブリック経路部20へ送信する。ファブリック経路部20は、当該ユーザフレームを宛先ポート識別子に基づくラインカードへ送信する。
FDB同期部39は、複数のラインカードLC[1]〜LC[n]間でFDBの保持内容を同期化する機能を備える。具体的には、FDB同期部39は、例えば、自ラインカードのポートでフレームを受信した場合に、受信ポート識別子および当該フレームのヘッダ部分を含む学習用フレームを生成し、ファブリック経路部20を介して他のラインカードへ送信する。他のラインカードのFDB同期部39は、当該学習用フレームに基づいてFDBの学習を行う。
ICCM処理部40は、管理カードMC1,MC2のそれぞれとの間でICCMフレームの通信を行うことで管理カードMC1,MC2のそれぞれとの間の疎通性有無を監視する。さらに、ICCM処理部40は、ICCMフレームを用いてLC用ERP制御部32と管理カードMC1,MC2との間の通信を仲介する。
LC用ERP制御部32は、リング制御部として機能し、MC用ERP制御部22の基で、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルに基づく各種処理を従属的に行う。LC用ERP制御部32は、R−APS中継部41と、ポート制御部42と、ポート管理テーブル43とを備える。
R−APS中継部41は、リングポートPrで受信したR−APSフレームを、ファブリックインタフェース部33を介して管理カードMC1,MC2へ中継する。また、R−APS中継部41は、2個のリングポートの一方で受信したR−APSフレームを、2個のリングポートの他方へ中継する。ポート制御部42は、アクティブカードからの開放命令または閉塞命令に応じてリングポートPrの開閉を制御する。ポート管理テーブル43は、当該制御に基づくリングポートの開閉情報を保持する。
ファブリックインタフェース部33は、フレーム処理部31から送信されたフレーム(ユーザフレーム、ICCMフレーム、学習用フレーム)や、R−APS中継部41によって中継されたR−APSフレームを、ファブリック経路部20へ送信する。また、ファブリックインタフェース部33は、ファブリック経路部20から送信されたフレームをフレーム処理部31またはLC用ERP制御部32へ送信する。
なお、図7の管理カードMC1,MC2において、MC用ERP制御部22は、プロセッサ(CPU)によるプログラム処理等によって実現され、記憶部23は、RAM等で実現され、ファブリックインタフェース部27は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等に実装される。また、図8のラインカードLCにおいて、インタフェース部30およびファブリックインタフェース部33のそれぞれは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等に実装され、フレーム処理部31やLC用ERP制御部32は、FPGA等に実装される。FDBは、CAM(Content Addressable Memory)等に実装される。ただし、各部の具体的な実装形態は、勿論、これに限定されるものではなく、ハードウェアまたはソフトウェアあるいはその組合せを用いて適宜実装されればよい。
《中継装置の内部疎通性監視動作およびアクティブチェンジ動作》
図9は、図7および図8の中継装置において、ICCM処理部の処理内容の一例を示す説明図である。図9において、ラインカードLC[1]のICCM処理部40は、管理カードMC1用の内部監視ポイントIMEP1l[1]と、管理カードMC2用の内部監視ポイントIMEP1l[2]とを備える。同様に、ラインカードLC[2]のICCM処理部40は、管理カードMC1用の内部監視ポイントIMEP2l[1]と、管理カードMC2用の内部監視ポイントIMEP2l[2]とを備える。
以降同様に、図示は省略するが、各ラインカード(例えばLC[n])のICCM処理部40は、管理カードMC1用の内部監視ポイント(IMEPnl[1])と、管理カードMC2用の内部監視ポイント(IMEPnl[2])とを備える。一方、管理カードMC1のICCM処理部24は、内部監視ポイントIMEP1m[1],IMEP2m[1],…,IMEPnm[1]を備える。管理カードMC2のICCM処理部24は、内部監視ポイントIMEP1m[2],IMEP2m[2],…,IMEPnm[2]を備える。
管理カードMC1の内部監視ポイントIMEP1m[1],IMEP2m[1],…は、それぞれ、複数のラインカードにおける管理カードMC1用の内部監視ポイントIMEP1l[1],IMEP2l[1],…との間で、ICCMフレームICCM1[1],ICCM2[1],…の送受信を行うことによって内部疎通性を監視する。同様に、管理カードMC2の内部監視ポイントIMEP1m[2],IMEP2m[2],…は、それぞれ、複数のラインカードにおける管理カードMC2用の内部監視ポイントIMEP1l[2],IMEP2l[2],…との間で、ICCMフレームICCM1[2],ICCM2[2],…の送受信を行うことによって内部疎通性を監視する。
ICCMフレームは、内部疎通性監視フレームであり、前述した疎通性監視フレームであるCCMフレームと同様なフレームである。すなわち、本実施の形態では、装置間の疎通性を監視するイーサネットOAMの規格を利用し、これと同様な方式を、装置内部の疎通性の監視に適用する。そして、装置内部の疎通性を監視するための監視用フレームとして、CCMフレームの代わりにICCMフレームを用いる。ICCMフレームを用いて内部疎通性の監視を行う場合、前述したCCMフレームの場合と同様に、LOC状態やRDI状態の有無に基づいて内部の疎通性有無(障害有無)を判別する。
なお、必ずしも限定はされないが、ICCMフレームの送信間隔は、CCMフレームの送信間隔と比較して、同等もしくは短いことが望ましい。本実施の形態1では、例えば、ICCMフレームの送信間隔は1ms等であり、CCMフレームの送信間隔は3.5ms等である。
ここで、図9の例では、管理カードMC1はアクティブ状態ACTで動作しており(すなわちアクティブカードであり)、管理カードMC2はスタンバイ状態SBYで動作している(すなわちスタンバイカードである)。この状態で、例えば、ラインカードLC[1]と管理カードMC1との間の通信経路に障害が発生した場合を想定する。この場合、ラインカードLC[1]および管理カードMC1は、共に、ICCMフレームICCM1[1]のLOC状態またはRDI状態に基づいて当該障害発生を検出することができる。
当該障害発生を検出した場合、例えば、ラインカードLC[1]は、自ラインカードに向けたアクティブチェンジを実行し、以降、管理カードMC1に代わって管理カードMC2をアクティブカードとみなす。また、管理カードMC1は、当該障害発生の検出に応じて、管理カードMC2と、その他のラインカードLC[2],…とにアクティブチェンジを実行する旨を通知する。これに応じて、管理カードMC2は、自身をスタンバイ状態SBYからアクティブ状態ACTに遷移し、その他のラインカードLC[2],…も、ラインカードLC[1]の場合と同様に、自ラインカードに向けたアクティブチェンジを実行する。なお、管理カードMC1は、アクティブチェンジの通知を行ったのち、アクティブ状態ACTからスタンバイ状態SBYに遷移する。
また、例えば、管理カードMC1自体に障害が発生した場合を想定する。この場合、各ラインカードLC[1],LC[2],…は、それぞれ、ICCMフレームICCM1[1],ICCM2[1],…のLOC状態等に基づいて当該障害発生を検出することができる。これに応じて、各ラインカードLC[1],LC[2],…は、それぞれ、自ラインカードに向けたアクティブチェンジを実行し、以降、管理カードMC1に代わって管理カードMC2をアクティブカードとみなす。一方、管理カードMC2も、例えば、通信経路21を用いた管理カードMC1の監視等によって当該障害発生を検出することができる。これに応じて、管理カードMC2は、自身をスタンバイ状態SBYからアクティブ状態ACTに遷移する。
なお、アクティブチェンジは、このような方法を一例として、その他にも様々な方法で実行することができる。さらに、ここでは、障害が有る場合のアクティブチェンジについて説明したが、障害が無い場合でも、例えば、ユーザからのアクティブチェンジコマンドの入力によってアクティブチェンジを行うことも可能である。この場合、例えば、管理カードMC1が当該アクティブチェンジコマンドを受け付け、管理カードMC2と、各ラインカードLC[1],LC[2],…とにアクティブチェンジを実行する旨を通知すればよい。
《中継装置の障害発生検出時のリングプロトコル動作(前提)》
図10は、図7および図8の中継装置において、前提となる障害発生検出時のリングプロトコル動作の一例を示す説明図である。図11は、図10に続く動作例を示す説明図であり、図12は、図11に続く動作例を示す説明図である。図10〜図12には、図3の中継装置SWcを例として、ステップS102,S103bにおける動作例が示されている。また、ここでは、管理カードMC1,MC2のいずれか一方となるアクティブ状態ACTの管理カードMC(アクティブカード)についての動作例を説明する。
図10において、まず、リングポートPr[1]を備えるラインカードLC[1]のOAM処理部37は、リングポートPr[1]の障害発生(例えばLOC状態)を検出する(ステップS102,S102−1)。この場合、ラインカードLC[1]のLC用ERP制御部32は、ICCM処理部40から送信されるICCMフレームICCM1に当該障害情報を格納する(ステップS102−2)。当該障害情報は、例えば、障害発生箇所の識別子(ここでは{LC[1]}/{Pr[1]})等である。なお、本明細書では、例えば、{AA}は「AA」の識別子を表すものとする。
管理カードMCのICCM処理部24は、当該障害情報が格納されたICCMフレームICCM1を受信する(ステップS102−3)。MC用ERP制御部22は、ICCM処理部24で障害情報が格納されたICCMフレームを受信した場合、ITU−T G.8032に基づく障害発生(SF)を検出する(ステップS103b−1)。この場合、図11に示すように、MC用ERP制御部22は、記憶部23に予め設定されたリング管理テーブル45を参照し、障害発生箇所が属するリングネットワークと、当該リングネットワークに接続されるリングポートとを認識する。
図11の例では、リング管理テーブル45は、リングネットワーク毎に割り当てられるリングIDと、各リングIDに属するVLAN識別子VIDおよびリングポートIDと、各リングポートID毎の開閉情報とを保持する。ここでは、VLAN識別子VID=1のリングポートID(具体的にはラインカードID/ポートID){LC[1]}/{Pr[1]}および{LC[2]}/{Pr[2]}が、リングID=1のリングネットワークに属しており、リングポートPr[1],Pr[2]は共に開放状態OPとなっている。MC用ERP制御部22は、障害情報(ここでは{LC[1]}/{Pr[1]})を用いて当該リング管理テーブル45を参照することで、どのリングネットワーク(リングID)に障害が発生したかを認識することができる。
なお、図1等の例では、中継システムは、1個のリングネットワーク10を備えるが、複数のリングネットワークを備える場合、リング管理テーブル45には、各リングネットワーク毎のリングIDと、当該リングIDに属するVLAN識別子VIDおよびリングポートIDとが設定される。例えば、リング管理テーブル45には、リングID=2、VLAN識別子VID=2、リングポートID=“{LC[1]}/{Pr[1]}および{LC[2]}/{Pr[2]}”等が設定される。
MC用ERP制御部22のVIDフィルタ制御要求部25は、受信した障害情報({LC[1]}/{Pr[1]})に基づき、当該障害箇所のリングポートPr[1]およびVLAN識別子(VID)を閉塞状態BKに制御するためのVID制御命令(閉塞命令)を発行する(ステップS103b−2)。また、VIDフィルタ制御要求部25は、当該閉塞命令の発行と共に、リング管理テーブル45のリングポートPr[1]の開閉情報を、開放状態OPから閉塞状態BKに変更する。そして、MC用ERP制御部22は、ICCM処理部24から送信される、ラインカードLC[1]に向けたICCMフレームICCM1に、当該VID制御命令(閉塞命令)を格納する(ステップS103b−3)。
また、MC用ERP制御部22は、実際には、当該閉塞命令に加えて、FDBフラッシュの実行命令を発行し(ステップS103b−2)、当該実行命令を、各ICCMフレームICCM1,ICCM2,…に格納する(ステップS103b−3)。この際に、MC用ERP制御部22は、リング管理テーブル45に基づき、FDBフラッシュの対象となるリングID(すなわち障害発生を検出したリングID)を定め、当該リングIDをFDBフラッシュの実行命令の中で指定する。
ラインカードLC[1]のICCM処理部40は、閉塞命令およびFDBフラッシュの実行命令が格納されたICCMフレームICCM1を受信する(ステップS103b−3)。ラインカードLC[1]のLC用ERP制御部32(具体的にはポート制御部42)は、当該ICCMフレームICCM1に含まれる閉塞命令に応じてVIDフィルタ36を制御し、対象となるリングポート(ここではPr[1])およびVLAN識別子VIDを、実際に閉塞状態BKに制御する(ステップS103b−4)。また、当該LC用ERP制御部32は、ICCMフレームICCM1に含まれるFDBフラッシュの実行命令に応じて、指定されたリングIDを含むFDBのエントリをフラッシュする。その他のラインカードLC[2],…も同様に、FDBフラッシュの実行命令を実行する。
さらに、図12に示されるように、MC用ERP制御部22のR−APS生成部26は、前述した閉塞命令の実行に応じて、R−APS(SF)フレームの生成を行う(ステップS103b−5)。具体的には、R−APS生成部26は、リング管理テーブル45に基づき、所定のリングIDおよび所定のVLAN識別子VIDを含む2個のR−APS(SF)フレームを生成する。R−APS生成部26は、生成した2個のR−APS(SF)フレームにそれぞれ宛先ポート識別子(ここでは{LC[1]}/{Pr[1]}および{LC[2]}/{Pr[2]})を付加し、ファブリックインタフェース部27を介してファブリック経路部20へ送信する。
また、MC用ERP制御部22は、自装置のリング状態をアイドル状態からプロテクション状態に遷移する(ステップS103b−6)。一方、ラインカードLC[1],LC[2]のR−APS中継部41は、それぞれ、R−APS(SF)フレームを受信し、それをインタフェース部30を介して宛先のリングポートPr[1],Pr[2]へ送信する。
《中継装置のR−APS(SF)受信時のリングプロトコル動作(前提)》
図13は、図7および図8の中継装置において、前提となるR−APS(SF)フレーム受信時のリングプロトコル動作の一例を示す説明図である。図13には、図3の中継装置SWaを例として、ステップS104aにおける動作例が示されている。また、図10〜図12の場合と同様に、アクティブカードについての動作例を説明する。
図13において、ラインカードLC[2]のLC用ERP制御部32のR−APS中継部41は、リングポートPr[2]で受信したR−APS(SF)フレームをインタフェース部30を介して受信する(ステップS104a−1)。当該R−APS中継部41は、当該受信したフレームを、ファブリック経路部20を介してリングポートPr[1]へ中継する(ステップS104a−2)。
また、当該R−APS中継部41は、例えば、受信したR−APS(SF)フレームが自装置で受信すべきフレームであるか否かを判別し、自装置で受信すべきフレームである場合、当該フレームを管理カードMCへ送信する(ステップS104a−3)。具体的には、R−APS中継部41は、例えば、図11に示したリング管理テーブル45と同様の情報を保持しており、自装置で受信すべきか否かを、受信したR−APSフレームとリングポートとでVLAN識別子VIDが一致するか否かで判別する。
管理カードMCのMC用ERP制御部22は、当該R−APS(SF)フレームを受信する。MC用ERP制御部22のVID制御要求部25は、受信したR−APS(SF)フレームのリングIDを参照することでSFの対象となるリングネットワークを認識する。ここで、MC用ERP制御部22は、この例では、RPLを有するオーナーノードに属しているため、VID制御要求部25は、RPL(すなわちVLAN識別子VID=1およびリングポートPr[1])を開放状態OPに制御するためのVID制御命令(開放命令)を発行する(ステップS104a−4)。
また、MC用ERP制御部22は、実際には、当該開放命令に加えて、FDBフラッシュの実行命令を発行する(ステップS104a−4)。MC用ERP制御部22は、ICCM処理部24から送信される、ラインカードLC[1]に向けたICCMフレームICCM1に、当該開放命令およびFDBフラッシュの実行命令を格納する(ステップS104a−5)。さらに、MC用ERP制御部22は、自装置のリング状態をアイドル状態からプロテクション状態に遷移する(ステップS104a−6)。
なお、図示は省略されているが、MC用ERP制御部22は、図11の場合と同様に、他のラインカードLC[2],…に向けてはFDBフラッシュの実行命令を発行する。そして、各ラインカードLC[1],LC[2],…のLC用ERP制御部32は、図示は省略されているが、図11の場合と同様に、MC用ERP制御部22からのVID制御命令やFDBフラッシュの実行命令に応じた処理を行う。
以上のように、図7および図8の中継装置では、アクティブカードのMC用ERP制御部22が、リングプロトコルに基づく各種処理を主体的に行う方式となっている。その代表例として、アクティブカードは、リングプロトコルに基づくイベントに応じてリングポートの開放または閉塞を定め、ラインカードへリングポートの開放命令または閉塞命令を発行する。一方、ラインカードのLC用ERP制御部32は、単に、MC用ERP制御部22からの命令を実行することで、リングプロトコルに基づく各種処理を従属的に行う。
《中継装置(比較例)の冗長方式およびその問題点》
図23は、本発明の比較例として検討した中継装置において、冗長方式に関する主要部の構成例およびリングプロトコル動作の一例を示す概略図である。図23の中継装置では、ラインカードLCのICCM処理部40およびR−APS中継部41が、それぞれ、MC選択部55’,56’を備える。
MC選択部55’は、LC用ERP制御部32からの各種情報(例えば、図10のステップS102−2における障害発生箇所)を、ICCMフレームICCM1[1],ICCM1[2]を介して両方の管理カードMC1,MC2へ送信する。一方、MC選択部55’は、両方の管理カードMC1,MC2からICCMフレームICCM1[1],ICCM1[2]を介して各種命令(例えば図11のステップS103b−3におけるVID制御命令等)を受信した場合、アクティブカード(ここでは管理カードMC1)からの命令を選択してLC用ERP制御部32に伝達する。
同様に、MC選択部56’は、リングポートPrでR−APSフレームを受信した場合、それを両方の管理カードMC1,MC2へ送信する。一方、MC選択部56’は、両方の管理カードMC1,MC2からR−APSフレームを受信した場合、アクティブカード(管理カードMC1)からのR−APSフレームを選択して、リングポートPrへ送信する。
このように、図23の冗長方式は、例えば、特許文献1の方式を応用して、両方の管理カードMC1,MC2に同じ入力を与えることで同じ動作を行わせ、両方の管理カードMC1,MC2からの同じ出力に対してアクティブカード側の出力を選択する方式となっている。例えば、図23の状態で、図9で説明したようなアクティブチェンジが発生した場合、MC選択部55’,56’は、共に、両方の管理カードMC1,MC2からの命令等の受信時に管理カードMC2を選択する。
このような冗長方式は、両方の管理カードMC1,MC2が、入出力を含めて常に同じタイミングでリングプロトコル動作を行う場合には、有益な方式となる。ただし、現実的には、両方の管理カードMC1,MC2間で所定のタイムラグが生じる場合があり、そうすると、例えば、図24に示すような問題が生じる恐れがある。さらに、仮に、両方の管理カードMC1,MC2が、常に同じタイミングでリングプロトコル動作を行う場合であっても、アクティブチェンジの発生タイミングによっては、図25に示すような問題が生じる恐れがある。
図24は、図23の中継装置において、アクティブチェンジ発生時に問題となり得るリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。図24では、まず、管理カードMC1はアクティブカード(ACT)であり、管理カードMC2はスタンバイカード(SBY)となっている。また、管理カードMC1,MC2は、共に、リングプロトコルに基づくリング状態をアイドル状態と認識している(ステップS600a,S600b’)。この状態で、ラインカードLCによってリングポートのLOC状態(障害)が検出された場合を想定する(ステップS601)。
ラインカードLCは、管理カードMC1,MC2の両方に、リングポートがLOC状態である旨を通知する。ここで、管理カードMC1,MC2は、より詳細には、リングポートのLOC状態が検出されただけでなく、当該LOC状態が所定の期間(ホールドオフ期間と呼ばれる)継続した場合にリングネットワークの障害発生(SF)を検出する。ここで、管理カードMC1,MC2では、当該LOC状態の受信時にタイミング誤差Δt1が生じる場合があり、ホールドオフタイマを開始するタイミングにもズレが生じる恐れがある(ステップS602a,S602b)。
その後、管理カードMC1,MC2は、当該ホールオフ期間thが満了するタイミングの近辺で、ラインカードLCからリングポートがCCM状態(すなわち障害無し)である旨の通知を受信している。ただし、前述したLOC状態の受信時のタイミング誤差Δt1や、または、当該CCM状態の受信時のタイミング誤差Δt2や、あるいは、ホールオフ期間thのタイマ誤差Δt3等によって、管理カードMC1,MC2とで、障害発生(SF)の検出結果が異なる場合が生じ得る。
ここでは、管理カードMC1は、障害発生(SF)を検出し、これに応じて、対象のリングポートの閉塞命令の発行や、R−APS(SF)フレームの生成および送信や、リング状態のアイドル状態からプロテクション状態への遷移を行う(ステップS604a)。ラインカードLCは、アクティブカードからの閉塞命令を受信したため、対象のリングポートを実際に閉塞状態BKに制御する(ステップS605)。また、ラインカードLCは、当該R−APS(SF)フレームをリングネットワークへ送信し、これに応じて、リングネットワーク内のRPLは開放される。
一方、管理カードMC2は、管理カードMC1と異なり、障害発生(SF)を検出していない(ステップS604b)。このような状態で、中継装置に、アクティブチェンジが発生している(ステップS606)。そうすると、管理カードMC2は、アクティブカードとなるが、リング状態を、アクティブチェンジの発生前のプロテクション状態と異なりアイドル状態と認識している(ステップS607’)。その結果、管理カードMC2は、場合によっては、ステップS605での閉塞状態BKのリングポートに対して、開放命令を発行する恐れがある(ステップS608’)。ラインカードLCが、当該アクティブカードからの開放命令に基づいてリングポートを閉塞状態BKから開放状態OPに変更すると、リングネットワークにループ経路が生じることになる(ステップS609’)。
図25は、図23の中継装置において、アクティブチェンジ発生時に問題となり得る他のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。図25では、図24の場合と同様に、管理カードMC1はアクティブカード(ACT)、管理カードMC2はスタンバイカード(SBY)となっており、管理カードMC1,MC2は、共に、リング状態をアイドル状態と認識している(ステップS800a,S800b’)。この状態で、FSコマンドが入力された場合を想定する(ステップS801)。
ここでは、管理カードMC2は、FSコマンドを検出し、これに応じて、対象のリングポートの閉塞命令の発行や、R−APS(FS)フレームの生成および送信や、リング状態のアイドル状態からFS状態への遷移を行う(ステップS802b)。ただし、ラインカードLCは、スタンバイカードからの閉塞命令やR−APS(FS)フレームを受信したため、これらを無視する(ステップS802c)。
一方、管理カードMC1では、FSコマンドを検出したのち(ステップS802a)、対象のリングポートの閉塞命令の発行やR−APS(FS)フレームの生成および送信を行う前に自カードに障害が発生している(ステップS803)。このような状態で、中継装置に、アクティブチェンジが発生している(ステップS804)。そうすると、管理カードMC2は、アクティブカードとなり、リング状態をFS状態と認識する(ステップS805’)。その結果、管理カードMC2は、対象のリングポートを既に閉塞済みと誤認識した状態で、2回目のR−APS(FS)フレームを発行する恐れがある(ステップS806’)。そうすると、リングネットワーク上で閉塞されている各リングポートは、当該R−APS(FS)フレームに応じて開放されるため、リングネットワークにループ経路が生じることになる。
以上のような動作を代表に、図23の冗長方式では、アクティブチェンジの前後で、リングプロトコル動作に不整合が生じる恐れがある。その結果、ループ経路の発生といった問題が生じる恐れがある。そこで、以下に示す本実施の形態の方式を用いることが有益となる。
《中継装置(本実施の形態)の冗長方式》
図14は、図7の中継装置において、リングポートの開閉時の主要な処理内容の一例を示す概略図である。図14の処理内容は、前述した図11の処理内容の一部を詳細に示したものとなっている。図14において、アクティブカードのMC用ERP制御部22は、ラインカードLC[1]へVID制御命令(開放命令または閉塞命令)を発行し、当該VID制御命令をICCMフレームICCM1に格納してラインカードLC[1]へ送信している(ステップS103b−3)。この例では、VID制御命令は、リングポートPr[1]の閉塞命令となっている。
ラインカードLC[1]のICCM処理部40は、ICCMフレームICCM1を受信し、それに格納されているVID制御命令をLC用ERP制御部32へ送信する。LC用ERP制御部32のポート制御部42は、当該VID制御命令(ここでは、リングポートPr[1](およびVLAN識別子VID=1)の閉塞命令)に応じてVIDフィルタ36に所定の条件を設定することでリングポートPr[1]を閉塞状態BKに制御する(ステップS103b−4)。これに応じて、本実施の形態では、ポート制御部42は、ポート管理テーブル43にリングポートPr[1](およびVLAN識別子VID=1)が閉塞状態BKである旨を登録する(ステップS103b−5)。また、これらと同様な処理により、ラインカードLC[2]のポート管理テーブル43には、例えば、リングポートPr[2](およびVLAN識別子VID=1)が開放状態OPである旨が登録されている。
図15は、図7の中継装置において、スタンバイカードとなる管理カード内のMC用ERP制御部が実行する主要な処理内容の一例を示すフロー図である。図15において、スタンバイカードのMC用ERP制御部22は、リング状態をペンディング待機状態に定めた状態で待機する(ステップS501)。ペンディング待機状態とは、ITU−T G.8032に基づくペンディング状態に遷移する前の状態として、本実施の形態で新たに設けられた状態である。MC用ERP制御部22は、当該ペンディング待機状態では、リングプロトコルに基づく処理を特に実行しない。
この状態で、MC用ERP制御部22は、アクティブチェンジ(所定の切り換え命令)が発生するのを待つ(ステップS502)。アクティブチェンジが発生した場合、MC用ERP制御部22は、アクティブチェンジに応じてアクティブカードに遷移し、リング状態をペンディング待機状態からペンディング状態に遷移する(ステップS503)。そして、MC用ERP制御部22は、リングポートPrを有する各ラインカードからポート管理テーブル43の保持情報を取得する(ステップS504)。
ここで、アクティブカードおよびスタンバイカードの記憶部23は、予め共通の情報として、図11に示したようなリング管理テーブル45を保持している。ポート管理テーブル43の保持情報を取得したMC用ERP制御部22は、ポート管理テーブル43に含まれる各リングポートの実際の開閉情報に基づいて、リング管理テーブル45の開閉情報を更新する。
次いで、MC用ERP制御部22は、ポート管理テーブル43の保持情報の中に閉塞状態BKのリングポートPrが含まれるか否かを判別する(ステップS505)。閉塞状態BKのリングポートPrが含まれない場合、MC用ERP制御部22は、アクティブカードとして、リングプロトコルに基づく所定の処理を行う(ステップS507)。具体的には、MC用ERP制御部22は、R−APSフレームを送信せず、リモートイベント(R−APSフレームの受信)を待つ状態となる。
一方、閉塞状態BKのリングポートPrが含まれる場合、MC用ERP制御部22は、リング状態をFS状態に遷移し(ステップS506)、リングプロトコルに基づく所定の処理を行う(ステップS507)。具体的には、MC用ERP制御部22は、例えば、当該閉塞状態BKのリングポートPrを対象とするFSコマンドを内部で生成することでFS状態に遷移する。また、MC用ERP制御部22は、当該FSコマンドに応じたリングプロトコルの処理として、R−APS(FS)フレームの送信等を行う。
このように、MC用ERP制御部22は、リングポートPrが閉塞状態BKの場合、当該リングポートPrがFSを要因として閉塞状態になっている状況を構築する。具体的には、MC用ERP制御部22は、リング状態をFS状態に定め、R−APS(FS)フレームを送信する。一方、MC用ERP制御部22は、リングポートPrが開放状態OPの場合、リング状態をペンディング状態に定め、R−APSフレームを送信しない。
図16は、図7および図8の中継装置において、冗長方式に関する主要部の構成例およびリングプロトコル動作の一例を示す概略図である。図16の中継装置では、ラインカードLCのICCM処理部40およびR−APS中継部41が、それぞれ、図23の場合と異なる動作を行うMC選択部(管理カード選択部)55,56を備える。
MC選択部55は、LC用ERP制御部32からの各種情報をICCMフレームICCM1[1]を介してアクティブカード(ここでは管理カードMC1)へ送信し、図23の場合と異なり、スタンバイカード(ここでは管理カードMC2)へは送信しない。また、MC選択部55は、両方の管理カードMC1,MC2からICCMフレームICCM1[1],ICCM1[2]を受信した場合、アクティブカード側からのICCMフレームICCM1[1]に含まれる各種命令を選択して、LC用ERP制御部32に伝達する。なお、図9で述べたように、各カード間の疎通性を監視するため、IMEP間でのICCMフレームの通信は、各種命令の有無に関わらず定期的に行われる。
同様に、MC選択部56は、リングポートPrでR−APSフレームを受信した場合、当該R−APSフレームをアクティブカード(ここでは管理カードMC1)へ送信し、図23の場合と異なり、スタンバイカード(ここでは管理カードMC2)へは送信しない。また、MC選択部56は、仮に両方の管理カードMC1,MC2からR−APSフレームを受信した場合、アクティブカード(管理カードMC1)からのR−APSフレームを選択して、リングポートPrへ送信する。この際に、図15に示したように、スタンバイカードはペンディング待機状態であるため、図23の場合と異なり、実際にはR−APSフレームの送信を行わない。
なお、図7および図8の中継装置は、必ずしも図16の構成および動作を備える必要はなく、場合によっては図23の構成および動作を備えてもよい。この場合であっても、リングプロトコル動作上の問題は特に生じない。例えば、スタンバイカードは、ペンディング待機状態でR−APSフレームを受信しても特に何も行わない。このように、スタンバイカードへのR−APSフレームの送信は、不必要であるため、ファブリック経路部20の通信量を削減する観点からは、図16の構成および動作を用いる方が望ましい。
《アクティブチェンジ時のリングプロトコル動作》
図17は、図7、図8および図16の中継装置において、アクティブチェンジ発生時のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図であり、図18は、図17に続くリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。図17および図18は、前述した図24の問題を解決したシーケンスとなっている。ここでは、図24との相違点に着目して説明を行う。まず、スタンバイカード(SBY)となる管理カードMC2は、リング状態がペンディング待機状態で待機している(ステップS600b)。この状態で、図24の場合と同様に、LOC状態が検出される(ステップS601)。
アクティブカード(ACT)となる管理カードMC1は、ホールオフ期間(ステップS602)を経てSFを検出し、ラインカードLCに向けて、対象のリングポートの閉塞命令を発行とR−APS(SF)フレームの送信を行い、リング状態をプロテクション状態に遷移する(ステップS604)。一方、ラインカードLCは、閉塞命令に応じてリングポートを閉塞状態BKに制御し、図14に示したようにポート管理テーブル43の登録を行う。この状態で、アクティブチェンジが発生している(ステップS606)。
スタンバイカード(SBY)であった管理カードMC2は、アクティブチェンジに応じて、アクティブカード(ACT)に遷移し、リング状態をペンディング待機状態からペンディング状態に遷移する(ステップS607b)。一方、アクティブカード(ACT)であった管理カードMC1は、アクティブチェンジに応じて、スタンバイカード(SBY)に遷移し、リング状態をプロテクション状態からペンディング待機状態に遷移する(ステップS607a)。
アクティブカード(ACT)に遷移した管理カードMC2は、リングポートを有するラインカードLCからポート管理テーブル43の保持情報を取得する(ステップS608,S609)。ポート管理テーブル43の保持情報の中には、各リングポートの開閉情報が含まれる。ここでは、管理カードMC2は、ラインカードLCから所定のリングポートが閉塞状態BKである旨を取得する(ステップS609)。
これに応じて、管理カードMC2は、図15のステップS506,S507において、対象のリングポートの閉塞命令をラインカードLCへ発行し、R−APS(FS)フレームを送信し、リング状態をペンディング状態からFS状態に遷移する(ステップS610)。具体的には、管理カードMC2は、当該閉塞状態BKのリングポートを対象とするFSコマンドを内部で生成することで、リングプロトコルに基づきステップS610の処理を実行する。
ステップS611において、ラインカードLCは、アクティブカード(すなわち管理カードMC2)からの閉塞命令を受信し、リングポートの閉塞状態BKを維持する。また、ラインカードLCは、アクティブカードからのR−APS(FS)フレームをリングポートから送信する。他の中継装置は、当該R−APS(FS)フレームを受信することで、リング状態をFS状態に遷移する。
次いで、図18において、ラインカードLCは、所定のタイミングでリングポートのCCM状態(すなわち障害無し)を検出し、その旨をアクティブカードである管理カードMC2へ通知する(ステップS612)。ただし、管理カードMC2は、前述したようにリング状態が最優性度のFS状態であるため、当該CCM状態の通知に応じた処理は特に行わず、R−APS(FS)フレームを定期的に送信しながらクリアコマンドを待つ(ステップS613)。
この状態で、クリアコマンドが発生すると(ステップS614)、管理カードMC2は、当該クリアコマンドを検出し、R−APS(NR)フレームを送信し、リング状態をFS状態からペンディング状態に遷移する(ステップS615)。そして、管理カードMC2は、ペンディング状態で何らかのイベントが発生するのを待つ。一方、オーナーノードとなる他の中継装置は、図6のステップS403a,S404に示したように、R−APS(NR)フレームを受信することで、RPLを閉塞状態BKに変更し、R−APS(NR,RB)フレームを送信し(ステップS616)、リング状態をアイドル状態に遷移する。
管理カードMC2は、当該R−APS(NR,RB)フレームを受信することで、対象のリングポートの開放命令をラインカードLCへ発行し、リング状態をペンディング状態からアイドル状態に遷移する(ステップS617)。ラインカードLCは、当該開放命令に応じて、リングポートを閉塞状態BKから開放状態OPに変更する(ステップS618)。
なお、図18のステップS614,S615において、管理カードMC2は、クリアコマンドを、ユーザに手動で入力させる方式や、または、タイマ等を用いてステップS610を起点に所定の期間経過後に内部で自動生成する方式等によって検出することができる。前者の方式の場合、管理カードMC2は、例えば、アクティブチェンジが生じたことを一般的な管理機能を用いてユーザに通知し、ユーザにクリアコマンドの入力を催せばよい。ただし、この場合、各中継装置は、例えば、アクティブチェンジ発生前のリング状態がアイドル状態であっても、ユーザによってクリアコマンドが入力されるまでFS状態を維持することになる。このため、早期にクリアコマンドを入力することがユーザに要求される。
一方、後者の方式を用いると、このようなユーザに対する要求を無くすことができる。ただし、仮に、アクティブチェンジ発生前のリング状態がFS状態であった場合、当該FS状態がユーザの指示に依らずに解除されるような事態が生じ得る。したがって、このようなメリット・デメリットを考慮して、ユーザにとってより適切な方式を管理カードに実装すればよい。
図19は、図7、図8および図16の中継装置において、アクティブチェンジ発生時の他のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図であり、図20は、図19に続くリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。図19および図20は、前述した図17および図18の場合と異なり、リングポートが障害発生から復旧せずに、障害発生を保っている状態でアクティブチェンジが発生した場合のシーケンスである。
まず、ラインカードLCのリングポートは、障害発生に伴い閉塞状態BKとなっている(ステップS700)。また、アクティブカード(ACT)となる管理カードMC1は、障害発生に伴いリング状態がプロテクション状態となっており(ステップS700a)、スタンバイカード(SBY)となる管理カードMC2は、リング状態がペンディング待機状態で待機している(ステップS700b)。この状態で、アクティブチェンジが発生している(ステップS701)。
スタンバイカード(SBY)であった管理カードMC2は、アクティブチェンジに応じて、アクティブカード(ACT)に遷移し、リング状態をペンディング待機状態からペンディング状態に遷移する(ステップS702b)。一方、アクティブカード(ACT)であった管理カードMC1は、アクティブチェンジに応じて、スタンバイカード(SBY)に遷移し、リング状態をプロテクション状態からペンディング待機状態に遷移する(ステップS702a)。
アクティブカード(ACT)に遷移した管理カードMC2は、リングポートを有するラインカードLCからポート管理テーブル43の保持情報を取得する(ステップS703,S704)。ここでは、管理カードMC2は、リングポートが閉塞状態BKである旨を取得する(ステップS704)。これに応じて、管理カードMC2は、図15のステップS506,S507において、対象のリングポートの閉塞命令をラインカードLCへ発行し、R−APS(FS)フレームを送信し、リング状態をペンディング状態からFS状態に遷移する(ステップS705)。
ステップS706において、ラインカードLCは、アクティブカード(すなわち管理カードMC2)からの閉塞命令を受信し、リングポートの閉塞状態BKを維持する。また、ラインカードLCは、アクティブカードからのR−APS(FS)フレームをリングポートから送信する。他の中継装置は、当該R−APS(FS)フレームを受信することで、リング状態をFS状態に遷移する。
この状態で、クリアコマンドが発生すると(ステップS707)、管理カードMC2は、当該クリアコマンドを検出し、R−APS(NR)フレームを送信し、リング状態をFS状態からペンディング状態に遷移する(ステップS708)。そして、管理カードMC2は、ペンディング状態で何らかのイベントが発生するのを待つ。なお、他の中継装置も、当該R−APS(NR)フレームを受信することで、リング状態をFS状態からペンディング状態に遷移する。
このように、各中継装置がペンディング状態となっている状況で(詳細には、オーナーノードがWTBタイマを動作させている状況で)、ここでは、リングポートに依然として障害が発生している。このため、図20に示すように、ラインカードLCは、LOC状態を検出し、その旨をアクティブカードである管理カードMC2に送信する(ステップS709)。これに応じて、管理カードMC2は、所定のホールドオフ期間を経過後に(ステップS710)、SFを検出し、ラインカードLCに向けて、対象のリングポートの閉塞命令の発行とR−APS(SF)フレームの送信を行い、リング状態をペンディング状態からプロテクション状態に遷移する(ステップS711)。
ステップS712において、ラインカードLCは、アクティブカード(すなわち管理カードMC2)からの閉塞命令を受信し、リングポートの閉塞状態BKを維持する。また、ラインカードLCは、アクティブカードからのR−APS(SF)フレームをリングポートから送信する。他の中継装置は、当該R−APS(SF)フレームを受信することで、リング状態をペンディング状態からプロテクション状態に遷移する。
図21は、図7、図8および図16の中継装置において、アクティブチェンジ発生時の更に他のリングプロトコル動作の一例を示すシーケンス図である。図21は、前述した図25の問題を解決したシーケンスとなっている。ここでは、図25との相違点に着目して説明を行う。まず、スタンバイカード(SBY)となる管理カードMC2は、リング状態がペンディング待機状態で待機している(ステップS800b)。この状態で、図25の場合と同様に、アクティブカード(ACT)となる管理カードMC1は、FSコマンドに応じてFSを検出する(ステップS801,S802a)。その直後に、管理カードMC1に障害が発生し(ステップS803)、これに応じてアクティブチェンジが発生している(ステップS804)。
スタンバイカード(SBY)であった管理カードMC2は、アクティブチェンジに応じて、アクティブカード(ACT)に遷移し、リング状態をペンディング待機状態からペンディング状態に遷移する(ステップS805)。アクティブカード(ACT)に遷移した管理カードMC2は、リングポートを有するラインカードLCからポート管理テーブル43の保持情報を取得する(ステップS806,S807)。ここでは、管理カードMC2は、リングポートが開放状態OPである旨を取得する(ステップS807)。
これに応じて、管理カードMC2は、場合によっては、対象のリングポートの開放命令をラインカードLCへ発行する(ステップS808)。ただし、管理カードMC2は、図25の場合と異なり、ステップS806,S807で取得した情報に基づき、リングポートの実際の開閉状態が開放状態OPであることを認識すると共に、R−APS(FS)フレームの送信等を行わないため、ループ経路は生じない。なお、図示は省略するが、ステップS802a,S803において、仮に、FS検出に基づきリングポートを閉塞状態BKに制御したのち障害が発生したような場合にも、特に問題は生じない。
以上、図17〜図21のシーケンスに例示したように、新たにアクティブカードとなった管理カードMC2は、リングポートの実際の開閉情報(すなわちポート管理テーブル43の保持情報)を取得する。そして、管理カードMC2は、取得した情報に基づきリングポートが閉塞状態BKの場合には、一旦、当該リングポートがFSを要因として閉塞状態BKになっている状況を構築し、その後に、クリアコマンドに応じてFS状態を解除する。
その結果、図24および図25の場合と異なり、リングポートが誤って開放されることでループ経路が生じるような事態を防止できる。その本質的な理由として、まず、リングプロトコルは、ループ経路を生じさせない仕様となっている。このため、リングポートが閉塞状態BKの場合、一旦、当該閉塞状態BKがリングプロトコルに基づいている状況を構築し、その後にリングプロトコルに基づく復旧手順を実行することで、原理上、ループ経路を生じさせずに、リングネットワークを所望のリング状態に復旧させることができる。
なお、ここでは、新たにアクティブカードとなった管理カードは、リングポートが閉塞状態BKの場合、その閉塞要因をFS(Forced Switch)とみなしたが、場合によっては、その他の閉塞要因(例えばSF(Signal Fail))とみなすことも考えられる。ただし、この場合、図22に示すような事態が生じる恐れがある。図22は、図15のフローにおいて、リングポートが閉塞状態の場合の閉塞要因をSFとみなした場合の問題点の一例を示すシーケンス図である。
図22において、まず、ラインカードLCのリングポートは、FSコマンドに伴い閉塞状態BKとなっている(ステップS900c)。また、アクティブカード(ACT)となる管理カードMC1は、FSコマンドに伴いリング状態がFS状態となっており(ステップS900a)、定期的にR−APS(FS)フレームを送信している(ステップS900d)。他の中継装置は、当該R−APS(FS)フレームを受信することで、リング状態をFS状態に定める。一方、スタンバイカード(SBY)となる管理カードMC2は、リング状態がペンディング待機状態で待機している(ステップS900b)。この状態で、アクティブチェンジが発生している(ステップS901)。
スタンバイカード(SBY)であった管理カードMC2は、アクティブチェンジに応じて、アクティブカード(ACT)に遷移し、リング状態をペンディング待機状態からペンディング状態に遷移する(ステップS902)。アクティブカード(ACT)に遷移した管理カードMC2は、リングポートを有するラインカードLCからポート管理テーブル43の保持情報を取得する(ステップS903,S904)。ここでは、管理カードMC2は、リングポートが閉塞状態BKである旨を取得する(ステップS904)。
これに応じて、管理カードMC2は、対象のリングポートの閉塞命令をラインカードLCへ発行する。ただし、ここでは、管理カードMC2は、図15のステップS506の場合と異なり、R−APS(SF)フレームを送信し、リング状態をペンディング状態からプロテクション状態に遷移したものとする(ステップS905)。
この場合、他の中継装置は、リング状態が最優先度であるFS状態であるため、当該R−APS(SF)フレームを受信しても、プロテクション状態へは遷移せずにFS状態を維持することになる。これに対して、管理カードMC2のみは、リング状態がプロテクション状態となっている。このように、閉塞要因をSFとした場合、各中継装置でリング状態の不整合が生じる恐れがある。そこで、このような事態を回避するためには、閉塞要因を最優先度であるFSに定めることが望ましい。この場合、各中継装置のリング状態を一旦FS状態に遷移させることができ、その後に当該FS状態を解除することで、リングネットワークの状況に応じて、それよりも優性度が低いリング状態(例えば、アイドル状態やプロテクション状態)に遷移させることができる。
以上のように、本実施の形態の中継装置および中継システムを用いることで、代表的には、リングネットワークにおけるループ経路の発生を防止することが可能になる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、ここでは、中継システムのリングプロトコルとして、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルを用いる場合を例としたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他のリングプロトコルを用いる場合であっても、同様に適用して同様の効果が得られる場合がある。
10 リングネットワーク
20 ファブリック経路部
22 MC用ERP制御部
24,40 ICCM処理部
25 VIDフィルタ制御要求部
26 R−APS生成部
32 LC用ERP制御部
36 VIDフィルタ
41 R−APS中継部
42 ポート制御部
43 ポート管理テーブル
45 リング管理テーブル
55,56 MC選択部
ACT アクティブ状態
BK 閉塞状態
LC,LC[1]〜LC[n] ラインカード
MC,MC1,MC2 管理カード
OP 開放状態
Pr,Pr[1],Pr[2] リングポート
SBY スタンバイ状態
SWa〜SWd 中継装置

Claims (8)

  1. リングネットワークに接続されるリングポートを備えるラインカードと、
    前記ラインカードを管理する複数の管理カードと、
    を有する中継装置であって、
    前記複数の管理カードには、アクティブ状態で動作するアクティブカードと、スタンバイ状態で動作し、所定の切り換え命令に応じて前記アクティブカードに遷移するスタンバイカードと、が含まれ、
    前記アクティブカードは、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルに基づくイベントに応じて前記リングポートの開放または閉塞を定め、前記ラインカードへ前記リングポートの開放命令または閉塞命令を発行し、
    前記ラインカードは、
    前記アクティブカードからの前記開放命令または前記閉塞命令に応じて前記リングポートの開閉を制御するポート制御部と、
    前記リングポートの開閉情報を保持するポート管理テーブルと、
    を備え、
    前記スタンバイカードは、前記所定の切り換え命令に応じて前記アクティブカードに遷移した際に、前記ラインカードから前記ポート管理テーブルの保持情報を取得し、当該取得した情報に基づき前記リングポートが閉塞状態の場合、前記リングポートがFS(Forced Switch)を要因として閉塞状態になっている状況を構築する、
    中継装置。
  2. 請求項1記載の中継装置において、
    前記スタンバイカードは、前記ポート管理テーブルの保持情報を取得した結果、前記リングポートが閉塞状態の場合、R−APSフレームを送信し、前記リングポートが開放状態の場合、R−APSフレームを送信しない、
    中継装置。
  3. 請求項1記載の中継装置において、
    前記スタンバイカードは、前記ポート管理テーブルの保持情報を取得した結果、前記リングポートが開放状態の場合、前記リングプロトコルに基づくリング状態をペンディング状態に定める、
    中継装置。
  4. 請求項1記載の中継装置において、
    前記ラインカードは、さらに、R−APSフレームを前記リングポートで受信した場合に、当該受信したR−APSフレームを前記アクティブカードへ送信し、前記スタンバイカードへは送信しない管理カード選択部を備える、
    中継装置。
  5. リングネットワークを構成する複数の中継装置を備える中継システムであって、
    前記複数の中継装置の少なくとも一つは、
    前記リングネットワークに接続されるリングポートを備えるラインカードと、
    前記ラインカードを管理する複数の管理カードと、
    を有し、
    前記複数の管理カードには、アクティブ状態で動作するアクティブカードと、スタンバイ状態で動作し、所定の切り換え命令に応じて前記アクティブカードに遷移するスタンバイカードと、が含まれ、
    前記アクティブカードは、ITU−T G.8032に規定されたリングプロトコルに基づくイベントに応じて前記リングポートの開放または閉塞を定め、前記ラインカードへ前記リングポートの開放命令または閉塞命令を発行し、
    前記ラインカードは、
    前記アクティブカードからの前記開放命令または前記閉塞命令に応じて前記リングポートの開閉を制御するポート制御部と、
    前記リングポートの開閉情報を保持するポート管理テーブルと、
    を備え、
    前記スタンバイカードは、前記所定の切り換え命令に応じて前記アクティブカードに遷移した際に、前記ラインカードから前記ポート管理テーブルの保持情報を取得し、当該取得した情報に基づき前記リングポートが閉塞状態の場合、前記リングポートがFS(Forced Switch)を要因として閉塞状態になっている状況を構築する、
    中継システム。
  6. 請求項5記載の中継システムにおいて、
    前記スタンバイカードは、前記ポート管理テーブルの保持情報を取得した結果、前記リングポートが閉塞状態の場合、R−APSフレームを送信し、前記リングポートが開放状態の場合、R−APSフレームを送信しない、
    中継システム。
  7. 請求項5記載の中継システムにおいて、
    前記スタンバイカードは、前記ポート管理テーブルの保持情報を取得した結果、前記リングポートが開放状態の場合、前記リングプロトコルに基づくリング状態をペンディング状態に定める、
    中継システム。
  8. 請求項5記載の中継システムにおいて、
    前記ラインカードは、さらに、R−APSフレームを前記リングポートで受信した場合に、当該受信したR−APSフレームを前記アクティブカードへ送信し、前記スタンバイカードへは送信しない管理カード選択部を備える、
    中継システム。
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